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1958-04-24 第28回国会 参議院 農林水産委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月二十四日(木曜日)    午前十時三十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            柴田  栄君            藤野 繁雄君            東   隆君            北村  暢君    委員            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            関根 久藏君            田中 啓一君            田中 茂穂君            仲原 善一君            堀  末治君            堀本 宜実君            安部キミ子君            大河原一次君            河合 義一君            戸叶  武君            梶原 茂嘉君            千田  正君            北條 雋八君   国務大臣    外 務 大 臣 藤山愛一郎君   政府委員    外務省欧亜局長 金山 政英君    外務省移住局長 内田 藤雄君    農林政務次官  本名  武君    農林省農林経済    局長      渡部 伍良君    水産庁長官   奧原日出男君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   説明員    農林省農林経済    局農政課長   花園 一郎君    農林省農林経済    局金融課長   小林 誠一君    農林省農林経済   局統計調査部長  藤巻 吉生君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する件  (国際漁業問題に関する件)  (農業協同組合共済事業責任準備金  に関する件)  (たばこ耕作組合法に関する件)  (農作物の霜害対策に関する件)   —————————————
  2. 柴田栄

    理事柴田栄君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  国際漁業問題の件を議題といたします。この件について藤山外務大臣出席を得ておりまするので、同大臣に対しまする御質疑をお願い申し上げます。
  3. 千田正

    千田正君 その前に、当委員会として総理大臣に御出席を願って、岸内閣としてのとられた今度の条約に対して所信を伺っておきたいと思ったんですが、本日は総理大臣はどうしても出られないと、こういうわけでありますか。
  4. 柴田栄

    理事柴田栄君) その点に対しましては、なお交渉を続けておりまするが、現在、内閣外務とそれから当委員会とから御出席を申し入れておりますが、まあ法案審議関係等もありまして、まだ総理の御出席の日程がきまらぬわけでございまして、なお、お願いを続けておりまするが、まだ確定しないという事情でございますことを御了承願います。
  5. 千田正

    千田正君 私も、どうしてもきょう、あすということは、相当政府としても忙しいでしょうから、なかなか出席が容易じゃないという御趣旨は、ある程度了解しますが、それで、石井総理は、私としましては、どうしてもきょうのわれわれが質問する時間までに総理が間に合わなかった場合は、副総理という立場をあわせて御答弁を願いたい、少くとも私の質問に対しましては。その点を、石井臨時農相がこられる前に、事前に一つお話しおきを願いたいと思います。
  6. 柴田栄

    理事柴田栄君) 承知いたしました。そのように連絡して、内閣としての御答弁をいただくことに連絡いたします。
  7. 千田正

    千田正君 それでは、外務大臣にお尋ねいたしますが、岸内閣がとったところの外交方針のうちで、今度の日ソ問題の、ことに現実において外交方針とうらはらになるところの、いわゆる称して産業外交といいますか、産業外交としての最大の問題は、今度の日ソ漁業妥結の問題であると私は考えるのであります。そこで、これの妥結に際しまして、非常にわれわれは、将来に影響するところの大きな起点があるということを深く考えるのでありますが、先般日本代表でありますところの赤城農相あるいは高碕代表と、ソ連側代表の間の話し合いが、いわゆる不漁年豊漁年の十万トン、八万トンの点を彷徨しておって、妥結がなかなかむずかしかった。さらにオホーツク海におけるところの今後の出漁という問題をかみ合せての会談が、なかなか進展せずに停滞しておって、出先の代表から政府に対して訓令を求めてきた。その際の問題を、特に私は外務大臣にお伺いしたいと思うのであります。それは、取りも直さず昨年の河野イシコフ会談によって一応の豊漁年、あるいは不漁年におけるところの漁獲量の算定の基礎お互いに取りかわした一つ起点があったのでありますから、当然これは将来とも北洋サケマス漁業に対しての両国の間においては共同話し合いにおいて妥結するところの起点は、すでに作られている、こう見て私は差しつかえないと思うのでありますが、ところが、オホーツク海の問題に関しては、少くとも今度新たに提起されたソ連側の強い要求というものは、今後、日本オホーツク海において出漁できないという一つの大きな難点にぶつかってきた。その際に、片方北洋サケマスの方は、一応両国話し合いがついておりますから、これは永久——ある程度は永久といっても差しつかえないほど、すでに両国間において話し合いがついた問題であるから、一万トンや二万トンの問題は、単なる豊漁年不漁年のいわゆる話し合いで、今後とも継続できる問題である。ところが、オホーツク海の問題に至っては、将来おそらく公海自由操業原則が少くともサケマスという、オホーツク海における漁獲大宗であるところのサケマスという問題については停止する、禁止するということは、日本操業権を永遠に失うという一つの大きな日本権利喪失であるということを考えましたときに、私は、あの際の訓令に対して、外務大臣及び政府当局としては、むしろオホーツク海の将来の出漁という問題を約束して、片方の十万トン・プラス・一万トンというような問題よりも、オホーツク海の操業権喪失という問題は、大きな日本権利喪失というマイナスではないかという点に考えを及ぼしてみたときに、この問題は、将来日本操業権公海における操業権のうちの、少くともオホーツク海の漁獲大宗であるサケマス操業権喪失であると私は考えるのですが、外務大臣は、どうお考えになっておりますか。
  8. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) ただいま千田委員からのお話のありましたオホーツク海の問題でありますが、オホーツク海の問題につきましては、魚族保存永久漁獲是確保していくというような見地から、ソ連側はこれを強く終始主張して参ったわけであります。そうして今回の話し合いにおきましても、オホーツク海においてはすでに出漁しないということでありまして、そういうことでありますれば、ソ違例公海の自由を閉鎖するという立場でなくて、全く魚族保存立場でありまして、従って、タラでありますとかカニでありますとか、あるいは底びき網等について決してソ連側は禁止しておらぬという点から見ましても、ソ連測が公海の自由を狭めるという立場をもってきておるのじゃなくて、終始一貫主張しておりました魚族保存意味からいいますと、日本漁業においても魚族保存ということは大切なことでありますので、しばらくこれを相互に停止すると、そしてまた、共同調査を、もう将来全面的に行われるわけでありますから、そういうことによってデータがそろってくれば将来……、公海の自由を宣言しておるソ連主張ではないのでありますから、私どもは、そのソ連主張を受け入れても差しつかえないのではないかというふうに、まあ考えたわけであります。
  9. 千田正

    千田正君 きょうは藤山外務大臣はむしろソ連代弁者のごとき御答弁をされるので、はなはだ私は遺憾だと思います。これはさきにわが政府代表が出ていく際にも、オホーツク海の漁業権は絶対喪失しない、しかも、今おっしゃるところのタラであるとかカニであるとか、あるいはその他の底びきに対する漁獲というものは、大臣も御承知と思いますけれどもオホーツク海におけるところの漁獲のいわゆる大宗ではない。真のオホーツク海のいわゆる漁獲大宗というものは、やはりサケマスであるということを念頭に置いて考えていただかなければいかぬ問題であると私は思うのであります。そこで、今のお話であるというと、これは共同調査において将来しからばそれを打開するという道が残されておるのかどうか、この点はどうなんですか。
  10. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 現状において双方でオホーツク海で漁獲をしないということを言っておりますが、しかし、御承知のように漁業委員会において共同調査をやることでありますから、そういうデータが出てくれば、ソ連側においてもオホーツク海で漁獲することが魚族保存意味において差しつかえないという理解を得ますれば、また話し合いはできるものだと思っております。
  11. 千田正

    千田正君 私は、一面においてはこれが非常に政治的な含みがあるのじゃないかというふうにもとられるのであります。それは、将来しからばソ連日本との間において平和条約が締結される際の一つの、何といいますか、利権といいますか、日本側に開放するところの一つ利権としての考え方も、ソ連側が取っておきの案として考えておられるというふうにも、われわれは考えられます。で、この問題は、まあ将来あくまで日本側としては主張しなければならない問題ではないかと私は思いますので、これの打開の方法は、ほかに、共同調査以外にないと、こういうふうにお考えになっておるとするならば、当分の間、もう禁止しなければならないと、こういう観点に立っておられるわけですか。
  12. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 魚族保存立場から問題が起ってきたわけであります。従って、共同調査等によりまして、魚族保存の問題が科学的に検討されるというようなことになれば、再検討されることだと思います。
  13. 千田正

    千田正君 私は、そこでこの日ソの問題を中心としての今の外務大臣の御答弁によるというと、魚族資源保護であれは、公海の自由の原則をある程度もう制限されてもやむを得ない、こういうふうなお答えのようでありまするが、私は、現在の岸内閣外交方針政策がそういうものだとするならば、非常に国民の一人として遺憾だと思うのであります。昨日の新聞ですでに発表になっておりまするように、国際連合の主催にかかるところの海洋資源の問題その他の問題において、アメリカ及びカナダ側が日、米、加の条約に基くところの、いわゆる漁業条約に基くところのサケマス漁業の問題につきましても、日本側東太平洋から締め出すのだ、日本側の漁場としては絶対許さない、こういう意味において強く日本側主張を排撃しておる。いわゆる魚族保護という美名のもとに隠れて、アメリカなりあるいはカナダなり、あるいはソ連なりという、こうした大国が、公海の自由の原則を踏みにじっておるということに対して、日本側は何らの抗議もできないという立場であるとするならば、真の外交が、果していわゆる独立国外交としていいのか悪いのかということは、あえて私が言うまでもなく、はなはだ私は遺憾であると思うのでありますが、これはどういうふうに考えておりますか。
  14. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 公海の自由につきましては、日本としてあくまでも主張して参るところでありまして、ただ、漁業の問題については、永久漁獲量確保して、そうして資源保存観点から、両国の、また日本漁業者永久に十分な漁獲を得られるという立場から話し合いをすることは、必ずしも公海の自由の原則を踏みにじったものとは思わないわけであります。
  15. 柴田栄

    理事柴田栄君) 千田君ちょっとお願いいたします。時間の関係がございますので、大へん恐縮ですが……
  16. 千田正

    千田正君 もう一点だけ。  会の藤山外務大臣お話によるというと、魚族資源保護のためであれば、どこからそういう制限を受けてもやむを得ないじゃないか、いわゆる泣き寝入りしなければならないじゃないかと。今度の日ソの問題のみならず、ただいまのアメリカカナダからの締め出しにおいてもしかり、あるいは李承晩ラインにおいても、魚族保護であるという理由のもとに、あのライン確保向う側が叫べば、こちらはやむなくそれに追従しなければならないのか。あるいは豪州におけるところの大陸だなの問題にしろ、それは魚族保護のためである、資源保護のためであるというならば、日本漁業伸展もできない。こういうようなことであったら、一体日本産業の発展というものは、国際公法上のいわゆる正しい起点に立ってやっておるにもかかわらず、そういう大国なり強国の圧迫のもとに泣き寝入りをしなければならないのか、こういう軟弱な外交で、果して日本産業伸展なり、日本権益なるものが守れるかということについて、私は、あなたの正しい主張というものを聞きたいのです。
  17. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私どもは、二国間においてこういう問題を話し合いますとき、むろんそのときの魚族保護の実情、その他将来の生産量確保というような問題の観点からして話し合いを進めるのでありまして、従って、すべての場合に、日本向うの言いなりほうだいになるというようなことを考えて私ども交渉をしておるのではないのであります。むろんしかしながら、二国間で話し合いをいたしますことでありますから、今回の場合のように、ソ連の科学的な種族保存見地から、共同調査も将来ありますことでありますし、しばらくわれわれとして出漁を停止するということが、将来の漁獲量の問題で話し合いをつけることがいいじゃないか、しかも、総漁獲量につきましては十一万トンを確保できることになりますれば、そういう措置をとる方がいいのじゃないかということでありまして、今後、いずれの場合においても向う側が言った通りに問題を妥結するという意味ではないわけであります。
  18. 千田正

    千田正君 もう一点だけ。これは非常に重大な問題だから、特にあなたに私は言うのですが、戦後におけるところの日本権益というものは、海よりほかにないのですよ。領土を失った日本にとっては、海こそはいわゆる公海自由操業原則に基いて、漁業伸展というものが辛うじて日本産業の一環に……、ことに国際的な分野における産業の進出というものは、漁業以外にはなかった。その漁業公海という一つの大きな各国が認めておった所において、日本の特殊な技能を発揮できるのは、その海しかなかった。その海さえも、魚族資源保護という名前のもとに、なわ張りをやってこられるということは、日本権益のいわゆる喪失である。だから、こういう問題が起きた場合においては、一方において、あなたのおっしゃる通り外国のいわゆる話し合いでやむを得ないとするならば、それにかわるべき何ものかを日本側確保しなかったならば、日本権益というものは失うだけで何ものもない。そういうものを喪失する一方においては、何かしら日本の国力にプラスするものを確保しなかったら、外交というものは成り立たないじゃないですか。私は、資源確保の名のもとに、公海操業の自由というものを失うかわりにおいて何かしからばそれにかわるべきものを、日本側は取得しておりますか。あるいは取得しようとするものがありますか。そういうことを 片一方において失って、片一方で得るということをしなかったならば、日本権益喪失するだけである。何らのプラスがない。何らかにおいて日本プラスするものがあるとするならば、そういう面においてのあなたのお考えを聞いておきたいと思うのであります。
  19. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私どもは、ただいま千田委員の言われましたように、日本にとりまして漁業資源が大切であるということも存じておりますし、また、これに依存しております関係者の非常に広範だということも存じておりますので、漁業の問題については、日本立場を十分に各国理解させて、そして進めて参らなければならぬことは申すまでもないことでありまして、そういう意味において、十分今後とも努力して参るつもりであります。ただお話のように、今回の場合、何かそれにかわる利権と申しますか、あるいは代償的なものを、形の上に取ったかということになりますれば、むろん今回の漁業交渉の決定においてそういうものを取ったわけではございませんが、しかしながら、論理的な、あるいは科学的な説明お互いにして、そうしてその立場に立って円満に妥結したということは、やはり日ソの国交の上にも大きな影響があり得るのだということを、われわれは考えております。
  20. 千田正

    千田正君 最後にもう一つ……
  21. 柴田栄

    理事柴田栄君) 簡単にお願いします
  22. 千田正

    千田正君 最後に、時間がないという……、われわれは、ほんとうは一時間でも二時間でも、これは岸内閣のむしろ総選挙を前にして、世論に対しての、あなた方の国民に対する責任を指摘しなければならぬ立場であるから、その前に、はっきり私どもは伺っておいて、選挙に臨みたいと思うのであります。  もう一つは、アメリカ側核実験に対するところのいわゆる回答というものは、今後とも継続すると。あなた方が常に主張しておるのは、国際連合中心主義を唱えておって、国際連合中心として、将来の平和のためには核実験をあくまで禁止するということを主張しておられた。しかも、あなた方が常にたよりにしておるところのアメリカからは、太平洋あるいは太平洋に限らず、核実験は今後とも継続する。一体日本立場はどうなるのか。これまた太平洋等において実験されるというと、ただちに漁業の問題に影響するところの重大な問題であります。アメリカ側回答を、それでよろしいとして、あなた方はそのままのみ込んだのかどうか、この点についてはどういうふうに考えておるか。
  23. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 漁業の関連におきましても大きな問題であることはむろんであります。しかし、これは日本としてあくまでも核実験禁止立場は強く主張しておりますので、今後とも、この問題については日本立場を宣明し、アメリカ側にも反省を求めることは当然のことであります。
  24. 大河原一次

    大河原一次君 関連して。先ほどの千田委員質問に対して、大臣は、公海の自由は失っていないのだ、いずれあらためて共同調査その他によってこの問題を検討し、出漁でき得るようにしたい、こういうお話ですが、私は、今回の漁獲制限並びに来年度におけるオホーツク海の出漁禁止、こういう問題は、これは前段的な措置として、やはり共同調査、科学的な共同調査というものが前段的な措置として講ぜらるべきじゃないか、こういうふうに解釈するのが妥当ではなかろうかと思うのでありますが、この点はどうでございますか。
  25. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) むろん、われわれは共同調査のことを申し込んでおりますし、イシコフ氏も今度の場合——昨年は共同調査ができなかったのはゴスプラン等の組織変え等のために、自分の方でそういう措置がとれなかったのだ、今後共同調査をやるということを申しております。ただ、魚族保存見地から、こういう共同調査が単純に半年なり一年で結論が出るともいえないわけでありまして、そういう意味において、共同調査の結果というものは、若干の年月を要するのではないかと思うのであります。それでありますから、そういう意味において、この問題はソ連側も強く要求いたしておりますし、まあ、ソ連側に屈服したというようなお話もありますけれどもソ連側意向も十分くんで結論をつけたわけであります。
  26. 大河原一次

    大河原一次君 今の魚族資源保存ということになりまするならば、これは今後ソ連においてオホーツク海においてどのような態度に出るかわかりませんが、しかし、依然としてソ連は一方的に日本に対しては魚族資源保護だという態度に出るが、しかし、じゃソ連自体はどうかということになれば、ソ連はやはり今日まで依然としてオホーツク海において出漁はやるし、同時に今日までの漁獲というものはなされていくと思うのです。ただ一方的にわれわれに対して魚族資源保護ということを押しつけた中で、オホーツク海の出漁禁止ということは、われわれちょっと承服いかないのですが、その点はどうですか。
  27. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) その点は、相互に自省するということになっております。
  28. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は、社会党代表してという言葉を使わなければならぬような委員会は、はなはだもって好ましくないと思います。だれもが質問をする機会を得たいと思っておりましたが、仕方なくて、他の社会党委員質問できないということでありますので、私が代表でお伺いいたします。  そこで今度、今国会においては重大な問題がたくさんありました。いわく、日ソ漁業交渉を初めとして、日、米、加漁業問題、李ライン問題、アラフラ海問題、海洋法会議等々がありましたが、どれも満足な日本側意向がとり入れられなかった。概して、私は失敗の積み重ねじゃないかと、こう思うわけなんです。そうした失敗というものが、どういうわけでこういう結果になったのか。これは、一貫して岸内閣が対米従属政策から一歩もよう出切れない優柔不断な態度、それからことにソ連の問題に対しては、非常に非友好的である、ソ連だけでなくて中共の問題でも、すべてが今の政府は非友好的なんですね。そういうことが大きく原因しているのじゃないかと、こう思うわけなんです。そういう点、政府はどう考えておられますか。
  29. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) ただいまお話のありましたような一連関係におきまして、われわれとしては、問題の解決しているものもございますし、日ソ漁業交渉入たいに解決を見たものもありますが、その間に当って、極力日本主張を努力をもって続けておるわけであります。解決しておらない問題については、今後とも日本立場からそういうことを主張するわけであります。これらの一連の問題につきましては、必ずしも対米従属ということから起ってきているものではないというふうに私ども考えております。
  30. 安部キミ子

    安部キミ子君 日ソ漁業交渉成功だというふうにお考えになっている外務大臣考え方とすれば、私は少し不可解であります。たとえば、今度の問題についても、交渉の半ばで、しばしば河野イシコフ会談という言葉が出ておるのですが、この河野イシコフ会談ということが、この問題の解決成功に非常にじゃまになった、いわばブレーキがかかったというというような事実はなかったのでしょうか。
  31. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 漁業条約のできます前に、河野氏がソ連に行かれたときに、イシコフ漁業相といろいろな問題について話し合いはされたのだと思います。むろんその間、公式の文書等はないわけでありまするけれども、いろいろそういう話し合いがあった、また、その経過は、向うからもいろいろ時に出てきたわけでありますが、しかし、そのために特に交渉において支障を来たしたというようなことはないと思っております。
  32. 安部キミ子

    安部キミ子君 今度の日ソ漁業の、日本が希望した十二万五千トンからずっと後退して、やっと十一万トンで折れ合ったということも、私は非常にこの政府の非友好的な態度がいろいろ影響しておるということは痛切に感じます。と申しますのは、また次に問題になります安全操業の問題にしましても、この安全操業の問題が、日本が希望している方向に果して円満に成功裏に締結することができるかという点について、大臣はどういう見通しを持っていらっしゃいますか。
  33. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 安全操業の問題は、今後も粘り強くソ連側理解を得るように、われわれは努力して参りたいと思っていますが、交渉のことでありますので、前途の見通しにつきましては、今からは申し上げかねます。
  34. 安部キミ子

    安部キミ子君 粘り強くというような抽象的なことでは、相手は、非常に合理的に、科学的にものを運ぼうとしておる関係から、日本はだめになると思うのです。日本は、いつもそういうふうな科学的な基礎に立たない、ばく然としたものの考え方相手にぶつかっていくから、いつも失敗して、理論的に押されてしまうと、私はこういうふうに考えます。ことに安全操業の問題と平和条約の問題は、切っても切り離せない。平和条約の問題を解決しないで、安全操業の問題が解決されるとは、どうしても考えられない。というのは、ソ連もちゃんとそのことは申しているわけですね。しかも一九五六年十月十九日のモスクワで、当時の鳩山総理大臣と、それからソ連邦とが、この問題の共同宣言を出したとき、国交回復についての共同宣言を出したときに、講和条約の締結については交渉を続ける、今後交渉を続けるということの声明を、宣言をしておるわけですね。ところが、その大事な問題については、一こうその後日本が触れていない。こういうことが向うにとっては非常に不満だったということは、向う政府もちゃんといろいろな会議で声明しておる。この問題を抜きにして、ソ連とのあらゆる問題が円満に解決されるとは思えないし、この問題が解決されないから、今度の日ソ漁業交渉においても、日本の希望が達せられなかった、こういうふうに言われておるのですが、政府は、この平和条約の問題については、どう考えておられますか。
  35. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 平和条約を将来締結するために、政府が努力することはむろんでありまして、この問題は、国後、択捉の問題に関連する問題でありますので、国後、択捉の問題について、十分ソ連側理解を得たいと思うわけであります。しかし、政府としては、累次申し上げております通りソ連と友好関係を積み上げながら、ソ連側がこの問題に対して理解をすることによって、平和条約の最終的締結に達成できるのではないかということでありまして、日ソ通商条約を円満に解決し、あるいは漁業委員会等においても円満にこれらの問題を解決していくということによって、将来ともにそういうソ連側理解を得て、平和条約を締結したい、こう考えております。
  36. 安部キミ子

    安部キミ子君 私は大臣に、平和条約を結ばれる意思があるか。ことに安全操業については、平和条約の問題を出さなければ、これが円満に解決されないと思うが、それをなされるかということを聞いておるのですが、その答えをお聞きしたい。
  37. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) ソ連側が、国後、択捉の問題を理解してくれるならば、平和条約は締結し得る状態になるであろうと思います。
  38. 安部キミ子

    安部キミ子君 その領土の問題については、この前、日本政府も国後、択捉で、しかもサンフランシスコ条約では解決済みだ、吉田首相も確認しておられるわけですね。それを、国後、択捉が日本に返されるということは有望だと、善意に受けていいんだということを、ソ連側では言っておるわけなんです。しかし、日本のわれわれの立場とすれば、まあ、国後、択捉だけじゃ困るんだ、もっと、千島もほしいところなんだが、しかし、サンフランシスコ条約では、はっきりあれを、自民党が放棄して条約を結ばれておるわけですね。これについては、インドでもそれからイギリスでもフランスでも、一応、そのサンフランシスコ条約の領土の問題に関しては認めておることだし、それからそういうふうに世界の情勢もそういう方向に、日本国民がどう考えようとも、国際的にはそういうふうに理解されているわけなんです。どこの新聞でも出ているのだから、日本国民の意思と反したって、それは勝手なんですよ。向うの方はそういうふうに理解して考えているわけなんです。それについては、それは日本国民とすれば、もっとたくさんの領土がほしいのだ、しかし、どうしても平和条約を結ばなければ、この問題に解決しないということになっておりますので、日本政府も腹をきめて、平和条約を早急に結ばれるように、今、外務大臣が言われたように国後、択捉の領土の問題が解決すれば、はっきり平和条約を結ぶ、こういうお考えを確認していいわけですね。
  39. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 国後択捉の問題を放棄して、平和条約を作ろうという考え方はないのでありまして、国後、択捉を日本の領土としてソ連が認める立場に立ちまして、平和条約を作るというのが、政府立場であります。
  40. 戸叶武

    戸叶武君 関連。重要な問題だと思います。領土問題に対する討議は、外交委員会なり何なりで十分慎重にやられると思うのですが、社会党においても決して領土権を放棄して講和条約を結べというのじゃなくて、ただ、領土問題に名をかりて、平和条約の促進を阻害することのないように……、政府のやり方とすれば、ややともすれば、それに名をかりて、日ソ平和交渉というものを進めていくのを停帯させようとする傾向に対して、今御質問しているのだと思いますけれども、この問題は非常に重要な問題なんで、党を代表したという形で発言されると、あとでいろんな問題が起きるので、その点、誤解のないように、一つしていただきたい。
  41. 安部キミ子

    安部キミ子君 そこで、今度の漁業交渉に当っても、ソ連政府意向平和条約を早く締結するように、日本政府の善意の努力が——前に鳩山さんとそれからソ連政府共同宣言に出たように、引き続いてこの平和条約の問題をやるといいながら、その誠意を示してくれないところに、結局は、この漁業問題にも影響したのだ、しわ寄せがきたのだ、しかも、どちらかといえば、自民党さんの日本政府は、特別の大資本漁業だけを擁護して、小資本の、あるいは小さな漁業者は全く無視したような形でこの条約を結んでしまったというところに、私どもは非常に心配もし、不満なんです。そこで、これを機会に、さっそく安全操業の問題が解決されなければ、小漁業者は困るのでありますから、至急にこの安全操業解決ができるように、特に平和条約を早急に結ばれるような努力をなされるのかどうか、その点。
  42. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 私どもとしては、先ほど申し上げましたように、日ソ間にますます友好な状態を作り上げまして、そうして日本側の領土問題に対する理解ソ連側に得ていきたいと思う。従って、両国間の友好関係を樹立するために通商条約も締結いたしましたり、あるいは漁業交渉も円満に解決していき、また、将来両国の国交関係に寄与しますいろいろな問題については、友好的に話し合いをしていきたいと、こう思っております。その上に立って、将来、領土問題を解決しながら、平和条約を締結するように努力して参るつもりであります。
  43. 安部キミ子

    安部キミ子君 領土問題は非常に日本国民にとって重大でありますから、慎重にやってもらいたい。昨年フルシチョフと朝日の記者であります広岡さんとの会談では、フルシチョフは、こういうようなことを言っている。千島列島については、軍事的しか価値を認めていない、いわゆる戦略的しか価値を認めてないのだ、ソ連は領土も広いし、そんなに千島列島をほしいとは思っていない。従って、千島列島は軍事的価値を必要としない段階になったら、いつでも日本が要求すれば与えてもいい、こういうふうに言っているわけです。だから軍事的価値を生むような日本の国内の情勢、たとえばアメリカが沖縄とか、あるいは台湾とか、あるいは日本国内に基地や何かをたくさん持ってきて、おそろしい原爆基地にしているこういう情勢の中では、千島列島は返せないのだ、こういうふうに言っているわけです。私は、平和共存の中で外交を結び、漁業交渉を締結するという形で、この領土問題を解決される方が、一番日本として利益であるし、好ましいのではないか、北海道の人たちに言わせれば、領土問題はどっち向いてもいいのだ、とにかく遠い沖に出てたくさん魚をとらせてもらいたいのだ、こういうふうに言っているわけです。でありますから、日本はそういうふうな態度、腹をきめてかかれば、領土問題も日本国民が満足するような方向に解決できるというふうに考えられるのですが、その点、沖縄あるいは日本国内の基地と、こういうふうな問題もからみ合せて外交の任に当ってもらわなければ困るじゃないか、こう考えるわけなのですが、大臣は、この点についてどういう考えを持っておられるか。
  44. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 日本全体といたしまして、われわれ日本人が平和に生きていく。日本は自衛力以上持たぬという立場をとっているわけでありますから、そういう見地に立って、今後の問題についてはむろん折衝するわけであります。北方の領土の問題、あるいは漁業問題というものは、そういう見地からわれわれはソ連と折衝したい、こう考えております。
  45. 安部キミ子

    安部キミ子君 先ほど千田委員からお話がありましたように、原水爆の問題も結局は平和条約にも関連があるし、軍備縮小にも関連があるし、また、日本と諸外国との平和共存の問題にも関係があると思う。でございますから、日本外交政策とすれば、どこまでも平和外交一本で推し進めていただくことが、日本国内の安全を確保すると同時に、(「そんなこと外務委員会でやったらいい」と呼ぶ者あり)漁業問題に関係があるのですよ。そんなことをおっしゃいますと、あなたがじゃました時間だけ延ばしますよ。漁業問題が平和条約関係があるから、外務大臣を呼んでいるのです。そうでなかったら外務大臣を呼ばずに、水産庁を呼べばたくさんです。  そこで、外務大臣には平和条約を早急に締結していただくと同時に、この漁業安全操業の問題も、向うが、平和条約解決がなければできないという意思を表示をしておるのですから、この問題は早く解決しなければ、小さな漁民は死んでしまうのですよ。いつまでもあなたは安全操業の問題をほったらかしておいて、大きな資本家だけを助けるような行き方だから、私どもは心配するわけです。そういう点で、今言いましたように、ソ連政府意向も大体わかっている、広岡さんに発言している発言を考えても、将来、十分千島列島を日本に返してもらえる条件はあるというふうに考えますので、政府も腹をきめて、そういう意図のもとに話を進めてもらいたいし、その方向に進むための外務大臣の決意のほどが聞きたいと思う。こういうわけなんです。
  46. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 零細漁業者のために、もう政府は最大の努力を払っておるのでありまして、それで、昨年以来、北海道の零細漁業者のために、ソ連に対しまして、暫定的な、少くも平和条約を締結する前においても、暫定的な何らかの取りきめができないか、そうして日本の中小漁民の保護を貫徹していきたいというので、交渉をいたしておるわけであります。政府は、決して中小漁民の利益をないがしろにしておるわけではございません。
  47. 安部キミ子

    安部キミ子君 それではもう一点ですよ、それは先ほど申しましたように、一九五六年のソ連日本との平和条約の締結についての交渉は、引き続いてなされるということを確認してよろしいですね。
  48. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 共同宣言にありますように、両国が今後ともこれをやるわけでありますが、交渉自体をいつやるかということにつきましては、情勢の熟して参りましたときにやるということを申し上げる以外に方法はないと思います。
  49. 安部キミ子

    安部キミ子君 おかしいじゃないですか。
  50. 柴田栄

    理事柴田栄君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  51. 柴田栄

    理事柴田栄君) 速記を始めて下さい。
  52. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 今回の漁業交渉については、いろいろ疑問の点が多いのであります。時間の関係もないようでありますから、先ほどの質問に関連して、私一点だけ伺います。オホーツクの漁場から日本を締め出したソ連の真意ですね、これが果して漁族の保護といいますか、水産だけの関係にあるのか、その他に相当の理由があるのか、その点、私実は理解に苦しんでいるのであります。その真意がどこにあるのか、この点について、外務大臣の率直な見解を聞きたいと思いますけれども、あるいは別の機会がいいかもわかりませんが、この際、お答え願えればけっこうですが、他の機会でもけっこうです。先ほど質問のありました共同調査の問題ですが、日ソ漁業協定の根本は、結局、私はこれまでの日本の実績と、それから科学的な共同調査、この二つによって、漁獲量その他が算定されると思うのであります。科学的な共同調査が、あの協定の少くとも私は最大の基礎になっておると思う。従来何らの調査が行われておらない。もちろん、今外務大臣の言われましたように、半年や一年の調査ですぐ十分な結果が期待されるとは考えられない。しかしながら、今回オホーツクから日本が締め出された、そうして将来の調査の結果に待って局面を打開するといいますか、日本出漁が可能であろう、こういうわけですけれども、それじゃ、何が故に、将来にわたってオホーツクから日本が引き下る際に、調査をやるということを、もう少し具体的に取りきめをしなかったか、この際、われわれは引き下る、しかし、日本がしばしば言っておるように、オホーツクに一船団、二船団出して漁撈をやっても、漁族には影響を与えないという立場日本がとってきたと思う。向うはそうじゃないというのです。そうすれば、引き下るについては、一年かかるか二年かかるか、とにかく共同調査話し合いを具体的に取りきめをして、それと同時に引き下るということで、初めて私はつじつまが少くとも合うと思う。昨年はゴスプランその他の関係で調査ができなかった、今回はやろうという向うの意思であれば、これは幸いなんであります。今回の協定で、その関係共同調査をやるということを具体的に取りきめをしたのかどうか、しなかったとすれば、なぜしなかっのかという点をお伺いしたいと思う。私は、日ソ協定の根本の趣旨から言って、非常に大事な点で、陸上に対する調査だってやらなければいかぬ、そういうことをやらずに、そうしてただ十万トンでござる、十二万トンでござるというだけでは、いつまでたったって日本側は不利な立場のみに置かれる。一つ外務大臣の御見解を伺いたい。
  53. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 共同調査につきましては、漁業条約の中に共同調査はうたわれているわけでありますから、両国の間の取りきめになっているわけであります。従って、これを今日までやらなかったという理由に対して、イシコフ漁業相は、今申し上げたようにゴスプランの組織がえの問題があって、ソ連側においては人のやりくりその他いろいろな支障のために昨年はできなかった、従って、今年はできるということを言っておりますので、条約にも漁業調査のことがうたわれておりますし、またイシコフ漁業相が、やれなかった理由をちゃんと明示されているものですから、われわれは、当然今後行われるものと信じて差しつかえないと思います。
  54. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 私は、これまで調査をやらなかったことを責めているわけじゃない、今回オホーツクから引き下るについて、向うもそういう意思ありとすれば、ということは、外務大臣は必ず調査は行われるだろうと期待されておるけれども、それをなぜ具体的に取りきめをしなかったかということです。引き続いてその取りきめをする余地があるのかどうか。
  55. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 今度の中にも共同調査をやることはうたってございますが。
  56. 柴田栄

    理事柴田栄君) ここでしばらく休憩しまして午後から……。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  57. 柴田栄

    理事柴田栄君) 速記を始めて。
  58. 戸叶武

    戸叶武君 安部さんの言われた点を、大臣は誤解しているようでありますが、漁獲量一万トンふやしたとかどうとかという形において、大企業者を救うところに政府は重点を置いてソ連側と話し合ったが、しかしこの結果として、公海の自由の原則というものが非常にあいまいにされてしまったのです。従って、今後においては必ずオホーツク海の問題というものが、ベーリング海の問題にも波及してくることは明らかで、すぐにアメリカカナダ両国から、今までも日米漁業条約によるところの西経百七十五度ぐらいの日米漁業の禁漁海域を拡大するということが問題になっているので、この点、必ず波及してくる。ほかの李ラインの問題にも、それから豪州の問題にも波及してくるのですが、そういうことをやったのは、前にすでに河野君とソ連側との話し合いが、俗に密約と言われているが、そういうものの制約を受けてしまって、にっちもさっちもいかなくなってこういうところに落ち込んでしまったのではないかという印象を非常に多く皆が持っているのです。そういうことが一つも明らかになっていないで、政府はこれは成功だと言っている。しかも、結論的に明らかなのは、この十九日にソ連のフルシチョフ首相から鈴木委員長にきた手紙を見ましても、ソ連の平和外交を強調するとともに、漁業問題が難航した理由は、日本政府平和条約締結の用意を示さず、ソ連に対して非友好的態度を示したためである。友好関係の発展に社会党が協力するよう期待するというふうに、問題の焦点を明らかにしてきているのです。で、外務大臣も領土問題であるように問題をやはりちらつかせているから、安部さんがそれに食い下ってくるのは当然のことなのです。それで、漁業問題でありますけれども漁業問題がこれはもう平和条約の問題、それからこの領土問題というふうにしぼられてきて、しかも、今度のこの取りきめというものは、直ちに日本を不利にするような結果を誘導するおそれがあるという点にしぼられてきているので、その点を非常に皆心配しているのだと思うのです。それらの諸問題に対しての外務大臣回答というのは、非常に明確性を欠いていると思うのですが、簡単でいいから、われわれがやはり納得できるような答弁をしなければ、やはり安部さんが時間がないと言われるまでするのは当然だと思う。回答が十分にされていないので、回答を十分にされるように……。
  59. 藤山愛一郎

    国務大臣藤山愛一郎君) 漁業問題の解決は、漁業条約にありますように、漁業委員会においてお互いに科学的な見地に立って問題を解決していくということにあるわけでありまして、その基礎の上に立って今回の問題も解決されたのでありますが、しかし御指摘のように、全体の日ソの友好関係というものが大きな背景にあるということは、むろん大きな国際問題を扱います上において、それがあることは当然かと思います。しかしながら、日ソの友好関係を現在の政府が特に阻害したような処置をとっていることはないのでありまして、先ほど来申し上げておりますように、通商協定にしても円滑に進めて参ったわけであります。また、話し合いがつくならば暫定的な漁業安全操業の問題も取りきめたいという友好的な話し合いもいたしかけておるわけでありまして、そういう意味において、特にソ連側に非友好的な態度政府がとっているということは、私は考えておりません。
  60. 千田正

    千田正君 大臣は急がれるらしいですから、事務当局に聞くのですがね。あの国際海洋法会議においての日本側主張は、ことごとく採決に当って敗れていますがね、ほとんど敗れている。これは、国際海洋法会議において採決された問題が、国連の総会においてどういう形においてこれを採決されるのか。そしてまた、かりにこれを施行するに当っては、どういう方法で行われるのか。この点だけをあなたに聞きたいと思う。
  61. 金山政英

    政府委員(金山政英君) 今度の海洋法の会議で最終的にこれが採択されるためには、本会議で三分の二以上を得なければならないのです。これが三分の二以上の多数を得て採択されますれば、これが国際条約として成立するわけでありますが、まあ常識的に言えば、外務省員としてそう考えております。
  62. 千田正

    千田正君 外務大臣が帰ったからどうにもならぬのですが、私は、こういう点について一ぺん総理並びに外務大臣にただしたいと思います。国際海洋法会議のジュネーブにおけるところの日本立場は、非常に不利だ。ただいまおっしゃる通りですね、国連においては三分の二以上取らなければこの問題がほんとうの国際法として国際連合に加入した国との間のはっきりした国際法というものは施行されないわけですね。その間に、まだ日本としては相当外交的に活動してですね、日本の有利な方向に展開する余裕が残されておるわけですね。そういう面において、僕は、日本外務当局としては当然国連のヒノキ舞台の表にしろ喪にしろ、日本立場を有利に展開するべく、非常な努力が要ると思う。そういう点においては、私は外務大臣外務大臣としての外交方針として、十分この点をただしたかったけれども、今時間がなくて帰られました。もう少しこの問題は日本の将来の海洋、少くとも海洋に関しては航行の自由ばかりでなく、ことに産業面における影響が非常に大きいという点から考えて、もう一度外務大臣出席を願って、この問題のはっきりした将来の方針をきめていただきたい。所信を聞きたいと思いますから、あなたから十分外務大臣に御研究願ってですね、この問題が日本に有利に展開するような、一つ相当大きな活動をしなければならないと思いますから、特に私からそういう要請のあったことをお伝え願いたい。
  63. 金山政英

    政府委員(金山政英君) ただいまのことは必ず外務大臣にお伝えいたします。  海洋法会議の経緯につきましては、外務省としてこの公海自由の原則確保するために、あらゆる努力をしていることは御承知通りであります。ただ、その漁業の手段が非常に進歩をいたしましたというようなために、お互いにこの魚族保護のために、何かの規則を作らなくちゃいかぬという一般的な風潮があること、これもまた事実でありますので、そういったその雰囲気も考慮しながら、日本主張である三海里に最も近い線において問題を解決したい。これは外務大臣が当委員会外務委員会、その他の機会においても繰り返して申しておられるところであります。外務大臣にその旨をお伝えいたします。
  64. 北村暢

    ○北村暢君 先ほどの約束は十一時半で終るという約束ですから、これで一時休憩していただく。しかしながら、ごらんのようにこの問題についての質疑はですね、相当やはりみんな不満を持っているようですから、あとの理事会等で、会議の運営についてもう一度はかるというふうにして、休憩していただきたい。こういうふうに提案をいたします。
  65. 柴田栄

    理事柴田栄君) 承知いたしました。なお、農林大臣臨時代理にも出席を求めておりましたが、他の委員会等の関係で、現在委員会に入っておりまして、午前中どうしても出席できなかったということでございますので、午後にでもぜひ出席を求めるように交渉して、本問題をさらに御審議を願うことに努力いたしたいと思います。  ここでしばらく休憩して、午後二時三十分から再開いたすことにいたします。    午前十一時三十九分休憩    —————・—————    午後三時三十分開会
  66. 柴田栄

    理事柴田栄君) 委員会を再開いたします。  農業協同組合共済事業責任準備金の件を議題にいたします。  過日、農業協同組合共済事業の責任準備金の積み立ての法制化に関する農業協同組合法の一部を改正する法律案を審査の際、要望されてありました積立金に対する法人税等の免除に関する件について、藤野委員その他から御質疑の要求がありますから、この際、御質疑を願うことにいたします。
  67. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 ただいま議題となりました農業協同組合法の一部を改正する法律案の審議に当って、私が政府の意見を尋ねたのに対して、本名政務次官はこんなことを言っておるのであります。「大蔵当局とも完全な折衝をいたしまして、必ず御要望の通りの実現を期することを確信いたしております。従いまして、この点については何ら御懸念をいただかなくても、本法案の成立後において、ただちに法人税の政令の改正を行いまして、本年度内に実施いたしますことを、ここにはっきりと申し上げて、お答えにかえたいと思います。」こう話をしておられるのであります。その結果、農林省においては農業協同組合法の一部を改正するところの法律は三月二十七日に公布され、また、この法律に基いて、農業協同組合及び農業協同組合連合会の行う共済事業にかかる責任準備金の積み立てに関する省令も、同日公布になっているのであります。また、大蔵省関係の法人税関係は、法人税法の通過がおくれた関係もありまして、法人税法の施行規則の一部を改正する政令は三十一日に、またそれに基いて出した別の大蔵省令も同日に公布になっているのであります。でありますから、この農林省令、大蔵省令及び大蔵省の出した政令について、どういうようなことになっているか、この点をさっき申し上げた政務次官の答弁通りであるかどうか、これをお尋ねしたい。
  68. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) お手元に「特別危険準備金(異常危険準備金)の免税措置について、三十三年四月十日、農林省農業協同組合課」という一枚ずりの紙をお配りしてあります。これでごらん願いますように、書類をちょっと読んでみますと、「さる二月二十七日、参議院農林水産委員会における農業協同組合法の一部を改正する法律案の審議に際し政府に要請せられた特別危険準備金の法人税法の取扱いについては、その後政府部内において検討した結果、次のようになった。」というのでありますが、その第三項に「火災共済、輸送共済及び自動車共済の損害共済事業については、現行法人税法上異常危険準備金の免税措置を講じているので、他の例に做いこれと同様に取り扱うこととし、かつ、昭和三十二事業年度分の法人税からこれを適用する。」こういうことになっているのであります。しかし、先ほどの付帯決議等の関係上、私の方の政務次官が答弁いたしました点については、これで全部カバーができていないのであります。それは一、と二、の問題であります。一、は生命共済事業については、現在生命保険事業について法人税法の課税上種々問題があるほか、異常危険準備金は現在の生命保険事業では認められていないのであります。これを農協でやろうとするのでありまして、それをやるにつきましては、生命保険事業に類する法律的な規制を必要とする。その上で損金算入を考えるようにしないと、一般の生命保険事業は非常にやかましい法律上の規制があるのにもかかわらず、そういう問題を認めていないのに、にわかに農協が通牒なり、あるいは自主的な共済事業としてやっているものを損金に算入することについては、今しばらく検討を要する、こういうことになっておるのであります。第二に、建物更生共済事業につきまして、やはりこれは農協において新しい工夫としてやっておるのでありまして、これは要するに、一定期間積み立てまして、一定期間に損害がなければ、満期に金を返すという制度で、一種の満期保険というふうな種類のものでありまして、これにつきましても、新しい試みではあり、私どもは農村に適した事業と考えておりますけれども、これにつきましても、法的な規制等もございません。なおまた、この一と二につきましては、農協の共済事業が発足して、まだ実績といいますか、いろいろな計算の基礎といいますか、保険数理的な検討をするに足る十分な資料が得られるほどの期間を経過しておりません。そういう関係から、この一と二につきましては、さらに検討を加えたい、こういうのであります。従いまして、この点は先ほど御指摘になりました私どもの政務次官の答弁のように、前事業年度の分からそれを適用するということにはなっておりません。この点は非常に遺憾でありますが、時間の関係もありましたので、政令、省令等の整備のひまがたくさんなかったという関係であります。今後の問題として残されたのであります。
  69. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 建物更生共済事業ですね、これは今度の改正の法人税法施行細則の一部を改正する大蔵省令から考えていきまするというと、第一条の十一「規則第十四条の十四第一項に規定する大蔵省令で定める共済は、左に掲げる損害若しくは損害賠償金の支払のみを共済事故とする共済又は当該共済にかかる共済金の支払事由の発生を共済事故とする共済とする。」こういうふうなことになっているのでありますが、「損害賠償金の支払いのみを事故とする共済」ということからすれば、全共が取り扱っているところのものは、損害のみを行うところの共済であるのでありますから、全共が行う建物更生共済というものに対しては、免税をせられなくちゃできない、こういうふうに考えられるのであります、この法律をまっすぐ読んだらば。でありますから、法人税法施行細則の第一条の十一項の「損害賠償金の支払いのみを事故とする共済」というのは、全共が、損害のみを行うておるとしたならば、これは免税の対象になるのじゃなかろうかと思うのでありますが、免税の対象になっておるかいないか。なっていないならば、いかなる理由によってなっていないのか、これをお尋ねしたいと思うのであります。
  70. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 一条の十一の解釈の仕方に関係すると思いますが、損害の発生あるいは損害賠償金の支払いということに、すぐこの建物更生共済がなるかならないかという解釈の問題になると思います。今のところは、それがここに書いてありますように、新しい試みでありまして、そう解釈すべきかすべからざるかというところについて、結論に到達してないのであります。従いまして、これをこの条文の書き方のみで適用にしてもいいじゃないかということも、われわれとしては主張しておるのでありますが、それは必ずしもそうすぐは結論は出たい。しかしとにかく、そういう問題で日にちを過ごしておると、できるものもできなくなるから、とにかく、できるものからきめていこうと、こういうことです。その解釈等についても、今後の問題に残すということにしたのであります。
  71. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今、局長お話で、建物更生共済というものは新種事業である。それからまだ検討の余地があるということであるから、さらに検討を進めてもらいたいと思うのでありますが、建物更生共済は、さっきもお話があった満期共済であるというようなことであったらば、別な満期共済に対する特典があると同様な特典を与えなくちゃできない、こう考えるのでありますが、それは何であるかというと、もしも満期共済である、満期払いであるというようなことになれば、それに対しては、相続税法の特典、所得税法の特典をこれに与えるのが当りまえであると思うのでありますが、建物更生共済が、新種事業であり、かつ検討の余地はあると言いながら、一方においては満期払いであるというようなことからすれば、その二つの話がそごするようなことになりはしないかと考えられるのであります。従って、私の見解といたしましては、建物更生共済が満期払いであって、新種事業であるとしたならば、その新種事業のうちの満期払いということで、相続税法及び所得税法から、当然免税になるのが当りまえである、こう思うのであります。くどいようでありますが、これについて、さらに御見解を承わりたいと思うのであります。
  72. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 私どもの方といたしましては、これをさっぱり一条の十一項の中に入れろということで、交渉いたしておりまして、先ほど申し上げましたように、そういうことにもなるようでもあるし、ならぬようにもあると、今すぐ結論を出すことはできないから、研究課題として残して置こうと……、私といたしましても、それは研究課題として残すことには、三十二事業年度分につきましては、これは何といいますか、時期がおくれましたので、百パーセント請求しても、事務的に申し上げましても無理があるので、がまんするより仕方がないじゃないか。しかし、こういう新しい試みを全面的にそれができるならば、ほかの方もできてしかるべきである。しかし、向うの税法上の建前からいって、検討の必要がある、余裕をくれということでありますので、むげにこれを押し切っても、結局向うで規則を作ってくれないと困りますので、やむなく時間的な関係で問題をあとに残したと、こういうのであります。従いまして、今の相続税なり所得税の問題も、一条の十一の解釈、あるいは書き方を変えるか変えないかと関連して解決いたしたい、こう考えております。
  73. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 次は生命共済事業ですが、生命保険会社で、いわゆる異常危険準備金を積み立てているところの会社があるのじゃないですか。もしあるとしたら、どの会社が現在どのくらいの金額を積み立てているか、それを承わりたいと思うのであります。
  74. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) これは御指摘のように、生命保険についても、何社かにおいて、そういう準備金を積み立てているのであります。しかし、これは法律上強制しているものでもないし、それから従って税金上も特別な扱いをいたしておりません。従いまして、そういうものとの関連において、この問題も今後の研究に残されている、こういうのであります。
  75. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 生命保険会社のうちのある一つの、また特殊の会社が、異常危険準備金を積み立てている。これは法律で定められたものじゃなくて、任意に積み立てている。任意に積み立てておったのであれば、これは課税上の特典を与える必要はないと思います。しかしながら、今回、農業協同組合法では、法律を改正して強制的に積み立てさせる。また、昭和三十二年度の年度末においては、強制的に積み立てなくちゃできない、こういうふうなことになれば、任意に積み立てたところのものに対して、強制規定によって積み立てたところのものについては、課税上の特典がなくちゃできない、こう考えられるのであります。一方の方は任意に積み立て、一方の方は強制的に積み立てたのであったらば、その差を当然に置くべきものであると思うのであります。その差を設けなかったところの理由を、さらに一つお尋ねいたしたいと思うのであります。
  76. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) これは結局、この協同組合法の今回の改正によりまして、協同組合法第十条の三の「第十条第一項第八号の事業を行う組合は、省令の定めるところにより、毎事業年度末において、その事業の種類ごとに、責任準備金を計算し、これを積み立てなければならない。」こういう規定は置いているのであります。従って、この「事業の種類ごとに、」という事業の種類のきめ方に、一つはかかってくるのであります。従いまして、この事業の種類を、この議論の過程におきまして、法律で事業の種類をきめているなら、もちろんそれに伴う危険準備金は免税したらいいじゃないかと、こういう理屈はわかるけれども、その点が省令に譲られている、これは御承知のように、農協の共済事業等につきましては、数年前に、これを一般の保険事業として適用しろということが非常に強くありました。それとは違うものであるから、われわれは一般不特定多数の人に迷惑を及ぼさないように、十分に法的な手段あるいは法的な規制をやっていく、従って、君たちには迷惑をかけないのだということで、争ってきているのであります。従いまして、この事業の種類を定めるときに、省令に書くにつきましても、この省令に書くこと、すなわちそれが一方からいいますと、強制積み立てになって、しかも、強制積み立てのものは法人税の免除と、こういう三段の方式にいくものでありますから、この省令を作るときに、大蔵省の担当部局の方では反対をしたのであります。しかし、それは違うので、われわれの方の約束では、危険準備金については、法律で強制すれば免税になるという一般原則を君の方できめておるのだから、それを免税にするのは当りまえだ、それを免税をするのがいやだから、今までやっておる事業を省令に書くことを反対するのはけしからぬ、こういうふうなやりとりになったのであります。従いまして、そこでそれをいつまで言い争っても仕方がありませんので、われわれの方では、省令の中に、事業の種類につきましては全部を入れる、しかし、それを免税にするかどうかにつきましては、今後の両方の相談にまかすということで妥協いたしたのであります。先ほど御指摘のように政務次官の答弁と違った現在のところでは過程になっておるのであります。
  77. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今まで局長お話によって見まするというと、農林省がいかに努力したかということは認めますけれども、政務次官が答弁したのとはまだだいぶん開きがある、別な言葉で言ったらば、生命共済事業と建物共済事業に対する免税については、政務次官が答弁したようなことにしむけていかなくちゃできない、また、国家行政組織法からいっても、政府一体となってすべての行政をやらなくちゃできないのでありますから、政務次官が政府代表して答弁したところのものが実現するようにしむけていかなくちゃできないのでありますから、さらに農林省と大蔵省と緊密なる連絡をとって、政府委員答弁したことが実現することができるように、そうしてその結果はできるだけ早くこの委員会に報告するように要望して、私の質問を終ります。
  78. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 仰せの通りでありまして、時間が十分なかったということは口実になりません。しかし、実際はわれわれいろいろ努力いたしましたが、今後できるだけすみやかな機会に、政務次官の答弁通りのことができるように努力いたします。
  79. 東隆

    ○東隆君 藤野さんから懇切な質問があったのですが、私は、やはり政務次官が答弁したことと食い違いを生じたと、こういうことになったことは、はなはだ遺憾なんであります。ことに大臣がモスクワへ行っておられるものですから、政務次官の答弁は、これは私は大臣並みの答弁だと、こういうように聞いておる、それが答弁の食い違いを生じたと、こういうことになっておるのでありますが、中身は、やはり農林省が弱かった、大蔵省に対して弱かったと、こういう点が非常にここへ出てきておるようであります。それで、私どもはこの法律が出ましたときに最初議員提案でもってこれが提案されたと、こういうことになっておりましたのが、それがいつの間にか政府の提案に変っておるわけで、そういうような経過をたどって、政府部内でもってこれは、はっきりきまったことになっておると私どもは了承してきたわけです。その了承した事項にこういうような食い違いができたのでありますから、これは農林省が、命にかけてというのは、これは少し変な言葉でありますけれども、これはどうしても当初の法案でもってわれわれが聞かされておったことを、その通り実現しなければならぬと思う。これはそんなにゆっくり待つ筋合いのものではなくて、強力に大蔵省を鞭撻をして、そうして政令の改正にいくとか、あるいは政令の解釈を変えさせなければならぬ、そういうことをやらなければならぬと思うので、その時期はおよそどのくらいとお考えですか。
  80. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) これは先ほどからお話のありますように、三十二事業年度の分から免税措置を講じたいというのでありまして、問題が二段に分れておるのであります。三十二事業年度の分でなくて、新しく法律を適用する年度からやるのであれば、もっとひまがあったのでありますが、三十二事業年度の分から免税をしたいというのでありましたので、どうしても三月三十一日、またはそれよりできるだけ早い機会に一切の法律手続を完備しなければならない、こういう関係がありまして、問題を先ほど申し上げましたように、二点将来に残したのであります。最小限度のほか並みのものを、三十二事業年度では確保するというのにとどまったのでありまして、三十三事業年度につきましては、残された二点につきましても、三十二事業年度、すなわら三十四年の三月三十一日まで事業年度でありますから、それに間に合うようにいたしたいと思います。
  81. 東隆

    ○東隆君 これは、三十二年度の分についても、入り得なかったものですね、建物共済、それから生命共済、この分についても、三十二年度分にはある程度の、何というのですか、待ったを——待ったというと語弊がありますけれども、加減されるような、そういう考え方はないのですか。
  82. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) これはちょっと今言い落しましたが、建物更生共済の方は、これは一条の十一の解釈問題が残っておる。これは藤野先生にお答えした通りであります。従って、これは場合によると、三十二事業年度からも、あるいは実現できるかもしれない。生命共済の方につきましては、これは規則を改正いたさなければなりませんから、解釈問題では片づかない、こういうように考えます。
  83. 東隆

    ○東隆君 そうすると、私は、協同組合の非課税の原則に立っておるのですが、この場合に、相互会社あるいは株式会社によるところの生命保険会社というものの積立金ですね、それから協同組合におけるこの種の共済の特別危険準備金の積立、こういうようなものの間には、私は相当の開きがあると思う。協同組合の場合においては、これは営利を目的としない、こういう前提のもとに組合員に対しては心配をかけない、こういうような非常に大切な目的があると思う。ただ単に税金をなくして、税金の免除をしてもらうことによってコストを下げる、こういうような、そういった考え方じゃないと思う。そういう点を、私は強力に主張していく必要があろうとこう考えることと、それから新規の事業だと、こういっていろいろ言われますけれども、しかし、農業協同組合法でもって、共済事業でもって仕事を始めるときに、当然こういうような問題については、この問題についてというわけじゃなくて、共済事業の中に生命共済というようなものは、これは入るのは当りまえの話で、これを入れないで、単に火災ばかりやっていくというふうにはお考えになっておらなかったと思うのです。そういうような前提があるので、新規の事業じゃなくして、これはお互いに研究が足りなかったというだけの話で、両方の間で、農林省と大蔵省の間に研究が足りなかったというだけの話で、私は、新規の事業だったからといって、繰り延ばしをすることは、これはおかしな話だと思う。新規の仕事だからといって繰り延ばしをすることはおかしな話だ。私は、ですから、できるだけ早く、こういうような問題については、今まで研究がおくれておったからと、そういうようなことじゃなくて、早く解決するためのやはりいろいろな方法をとらなきゃならぬと思うのです。その方法について、何かめどはございますか。
  84. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 第一点の協同組合の非課税の原則でありますが、これは戦争前の産業組合時代には、ほとんど完全に近い非課税の原則がとられておりましたが、戦後の協同組合につきましては、程度の差でありますが、非課税でなくして、課税率の低減の程度になっておるのであります。それが現状であります。これは不十分であるという主張は、われわれもいたしておりますけれども、現状では、それが現状でありますので、そういうところが、こういう問題につきましても、すぐすっきりと割り切れないゆえんであろうと思います。さらに、この協同組合の生命共済事業なり建物共済事業、こういうものにつきまして、協同組合がやるのは当然である。協同組合だから非課税の原則でないのだけれども、なるべく税金をかけないようにしろ、この場合には全然かけるな、こういう主張をしておるのであります。これにつきましては、新種の事業というのは、これは法律上の問題でありまして、われわれは、協同組合が行う生命共済事業について、生命保険事業に関する法律の適用を拒否した場合に、これは保険とは違う共済事業である、こういうことで新しく説を立てているわけでございます。従って、それならば、それに相応する、これは不特定多数の人が金を出してそうして、その事業の恩恵を受けるわけでありますから、その恩恵を受けられるような形にする法律的規定が必要であるのじゃないか、そういうことで、この準備が農林省としてはまだできていないわけであります。従って、これは私の方で、その法案の準備もいたしておりましたけれども、なかなかめんどうな問題がございまして、今度の国会に間に合わなかったのであります。それらでも完備いたしておりますれば、今度の免税のときに、はっきり、もっと強く交渉ができたと思います。私の方では、一般の生命共済なり一般の建物保険とは違うのだから、しかも、農業協同組合というものがやっているのだから免税しろと、こういっただけでは、それの全体の規制が十分でない。それならば、一般の生命保険事業でも、一般の、あるいは同種の任意団体でたくさんこういう共済事業をやっております、それも全部免税にしなきゃいかぬのじゃないか、こういうような議論まで発展いたしますから、最終的結論を出すのには少し待ってくれ、むしろ、大蔵省の方で研究の余裕を与えてくれ、こういうことになっておるのが現状であります。
  85. 東隆

    ○東隆君 私は、任意にこしらえたものだというような、そういう法律に基礎を置かないでこしらえたものは、これは別といたしまして、協同組合系統でもって中小企業等協同組合、それから森林組合、それから水産協同組合、漁業協同組合、そういうような関係でもっておやりになっておる仕事は、これは同種の趣旨のもとにでき上ってきているところの共済事業ですから、これは一つチーム・ワークをとってやる必要があると思います。それで、農業協同組合だけで当るよりも、この種のものが全部集まって共済事業としての形でもって強力にぶつかる必要があると思う。農林省管下の中のものだけでも、まとまってぶつかる、こういう態勢を一つ作らんけりゃならぬと思うのですが、これについて、何かお考えがありますか。
  86. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) お説の通りでありまして、今までは、何といいますか、協同組合の方が、むしろ、おくれておったのであります。協同組合関係の共済事業、三十二事業年度では、積立金が二百億をこすような状況になっております。従いまして、これらに対する法制の整備というものを、まあ、何といいましても、農林漁業団体では協同組合が一番大きいのでありますから、この協同組合を中心にいたしまして、お説のような態勢を整えていきたい、こういうふうに思います。
  87. 東隆

    ○東隆君 私は、問題は、積立金が割合にたくさん集まってきたのが農業協同組合である。法律は、ほかの方が強制的な規定を早くこしらえておったかもしれませんが、問題にぶつかってきたのは、農業協同組合が、積立金がふえてきた、こういうことによって起きてきたので、常にやはり農業協同組合関係中心になって、そのほかのものをリードしてこの問題を解決しなければ、なかなか解決しない問題なんですから、そこで、農業協同組合の方がおくれておったというのじゃなくて、ほかの方も一緒に当らなければ解決がつかない問題ですから、この点は、一つ強力にチーム・ワークをとってぶつかるような態勢を作っていただきたい、こう思うのであります。つけ加えておきます。
  88. 柴田栄

    理事柴田栄君) 本件は、この程度にいたします。   —————————————
  89. 柴田栄

    理事柴田栄君) この際、過般、たばこ耕作組合法案に関し、当委員会から大蔵委員会に対する申し入れに関する措置について、農林経済局長から発言を求められております。
  90. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 先般、たばこ耕作組合法案が御審議になりましたときに、付帯決議をつけていただきました、農林漁業団体共済組合にたばこ耕作組合がメンバーとなるについては、農林省、専売公社、両者の間で、事務の運営に遺憾のないような申し合せを作れ、こういうことでございましたので、お手元に配付いたしましたような申し合せを作りました。読んでみます。    たばこ耕作組合法に対する附帯決議末項に関する覚書(案)   たばこ耕作組合法に対する附帯決議末項の具体的措置として、左記事項に関し申合せをする。   昭和三十三年 月 日          農 林 大 臣          日本専売公社総裁      記   一 公社は、たばこ耕作組合法第四十一条の規定による設立認可、第四十五条第三項の規定による解散認可及び第四十六条第二項の規定による合併認可については、その申請があったとき及び認可処分をしたときは、農林漁業団体職員共済組合の監督者たる農林大臣にその旨を通知すること。   二 公社は、たばこ耕作組合法第五十六条の規矩による報告等の徴収及び第五十七条の規定による検査により、たばこ耕作組合について知りえた事項のうち、農林漁業団体職員共済組合の監督者たる農林大臣の監督上必要と認めるものについては、農林大臣に通知すること。  以上であります。
  91. 柴田栄

    理事柴田栄君) ただいまの発言に対し、御質疑の向きは、御質疑をお願いいたします。
  92. 田中茂穂

    田中茂穂君 この覚書は、すでに大蔵省の方と大体了解の上に立ってお作りになった覚書であるのか、ほんとうの、まだ案であって、この委員会では、ある程度意見を差しはさむだけの金地があるのか、それが一つ。それからもう一つは、相手方が専売公社というのは、これは行政機関じゃないのですね、行政機関でない専売公社の総裁と農林大臣との間に覚書を交換するということの問題について、若干意見があると思うのですが、その点、局長はどういうふうにお考えになりますか。
  93. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) これは御承知のように十五日までに了解事項を取りまとめて大蔵委員長に報告しろと、こういうことです、最後には、大蔵委員長の前に、私と専売公社監理官が出向きまして、最終的にこれで決定いたしたわけであります。従いまして、案ではありませんで、手続はまだ多少おくれておるようでございますが、この通り申し合わせをいたします。  それから第二点で、農林大臣日本専売公社総裁との関係でありますが、これは法律が、日本専売公社がたばこ耕作組合を認可すると、こういう法律の建前になっておるものでありますから……、もっとも、われわれはそれはおかしいじゃないかと、こういう議論をずいぶんやってみましたけれども、大蔵大臣が専売公社に法律でそういう行政権を委任しておると、従って専売法の建前からそれはいいのだと、こういうふうな解釈で、そうしますと、やはり農林大臣と組合の設立認可権者たる公社総裁と申し合わせをしなければならない、こういうことであります。
  94. 田中茂穂

    田中茂穂君 この第二点の問題ですが、これはほかに、大臣と総裁と覚書を交換する前例はあるんですか。
  95. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 今はっきり覚えておりませんが、これは先ほど説明申し上げましたように、私自身がそういう疑問を出しまして、一ぺん、何といいますか、大蔵省と渡り合いまして、その結果、法制局にそのことを聞いて、やはり申し合せをするとすればこういう格好になるんだということできめておりますから、法律上の建前としてはこれでよろしい、こういう研究の結果やっておるのであります。例は、今ちょっと頭にありません。
  96. 田中茂穂

    田中茂穂君 まあ法制局の見解がさようであれば、今さら別に申し上げませんが、この際、でき得ることであれば、この農林水産委員会のほかの委員の方の御意向もあるでしょうが、できれば、やはりこういった覚書を交換する以上は、行政府責任者同士の覚書交換にする方が望ましいと思うんですね。
  97. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) この点は、ちょっと私の方でジレンマに陥っておったのであります、かりに専売公社の総裁にたばこ耕作組合の設立の認可権等を与えるにしても、それは法人の認可でありますから、大蔵大臣が認可するという法律の建前にして、しかる上、その事務を専売公社総裁に委任するということを、はっきり、このたばこ耕作組合を法人化するならば、そういうふうに書くべきであるという主張をしておったのであります。ところが、これは議員提案でありまして、議会の方の法制局のお話では、これが正しいんだ、こういうことで、そうなってきますと、今度は専売公社総裁の上に監督者、保証人か大蔵大臣というのをここへつけるか、つけないか、こういう問題になってくると思います。その点は、むしろ私どもの方よりも、もっと先にきめられた問題として受け取っておるのであります。
  98. 柴田栄

    理事柴田栄君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  99. 柴田栄

    理事柴田栄君) 速記を起して。  本件は、この程度にいたします。   —————————————
  100. 柴田栄

    理事柴田栄君) 次に、農作物の霜雪害対策に関する件でありますが、過日、当委員会の問題になり、政府の善処が求められておりました、この件について、仲原委員その他から御質疑の御要求がありますので、この際、御質疑を願うことにいたします。
  101. 仲原善一

    ○仲原善一君 先月の末から今月の初めにかけまして、関東以西に相当深刻な霜雪害が起ったわけでございますが、これは暖冬異変とまで言われて、非常に暖かったこの冬のあとを受けて、作物が非常に伸び切った直後に受けた被害でございますので、非常に深刻な様相を呈しております。その実態は、今配付を願いましたこの統計調査部の調査によりましても、二百十一億というふうに、これはおそらくまあ戦後最大の被害であろうかと思うのでありますが、被害は、当初、目で見たよりも、時日がたつに従って深刻になるという状況であるようでございます。従来の被害でありますと、被害を受けた都道府県なり農業団体から出します被害の額と統計調査部の調査というものは、非常に開きがあって、その間に数倍ないし十数倍も違うというのが実態でございますが、今回のは、地方庁なり農業団体から出しました被害の額と、統計調部査でお調べになった額というものは、そう違いはない、ほとんど一致しているという点が、非常に今度のこの被害というものが、目で見たよりも深刻であるという裏づけではなかろうかと考えております。この問題については、同僚各委員の非常な御努力によりまして、いろいろな陳情等もございましたが、政府におきましても十八日の日付けで、手元に配付していただいた閣議の決定があるようでございまするし、また、衆議院も一昨日の二十二日に決議をいたしているような状況でございます。被害を受けた農民たちは、一日も早くこの対策を実施してもらいたいという熱願を持っておりますので、その後、政府はどういうふうな動きをされておるのか、どういうふうな段階まで進んでいるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。それからあわせて閣議決定は非常に抽象的になっておりますので、その点、具体的になっている点があれば、あわせて御報告を願って、本委員会を通じて、一日も早く農民に安心感を与えたいという気持がございますので、その点をお含みの上で、御説明なり御答弁をいただきたいと思います。
  102. 藤巻吉生

    説明員(藤巻吉生君) お手元にお配りしてございます三月末の「霜雪害による農作物被害の概況(全国総数)」と書いてございます。資料は私の方の管下にございます各県の統計調査事務所におきまして、被害が出ましてから一週間目ぐらいの状況を調査したものを取りまとめたものでございます。これによりますと、ただいまお話のございましたように、被害の見込金額は総額で二百十一億五千五百万円、そのうちで麦が一番大きく、三麦合計いたしまして百六十二億、こういう大きな数字に上っております。そのほか果樹二十二億、菜種十三億というような大きな被害も出ておりまするし、そのほかにバレイショ、野菜、桑、工芸作物、茶等におきまして、まことに莫大な被害が出ているわけでございます。過去の数字に比べて見ますと、凍霜害といたしましては、昭和二十八年に約九十一億、昭和三十一年に約百十億という被害を出したことがございますが、これらに比べまして、合同の霜雪害の被害は二倍以上に上るものでございまして、戦後未曾有のものと申して差しつかえないわけでございます。これは、ただいまお話しがございましたように、この暖かい冬で農作物が伸び過ぎておりましたところへ、急激に寒さが参ったために被害が大きくなったということかと存じます。実は、この調査は被害の発生後一週間目ぐらいで、ちょっと見ましてもなかなかわからないような状況のところを見回りまして、一部分麦なんかは茎をむいてみまして調べたものでございますが、なお相当の見落としがあるかと存じます。しかしながら、各県で調べました数字と比べまして、従来と変っております点は、私どもの方の数字と非常に近い数字になっておりますし、県によりましては、私どもの数字の方が多いというような珍しい現象を呈しております。これは、見ただけではなかなかわかりにくい状態であるということによるものでございますが、ともかく、被害が非常に大きいという点で、そういう状況になってきたと思われます。私どもは、この数字ではまだはっきりした被害の程度別の数字になっておりませんので、何割、被害が幾らというような、被害の程度別の数字を、県別に二十日現在をもちまして調査いたしております。その結果は、二十五日過ぎに本省に集まって参りますので、もう四、五日いたしますれば、ほぼ正確な融資なり補助なりの基礎資料として使えます数字がまとまるものと考えておりますが、なお三月末の霜雪害の後におきましても、十四日、十五日あたりには、長野県その他におきまして霜害が起っておりますし、その後、また雨などもかなり降っている所もございます。被害の額といたしましては、二百十一億をはるかにこえるような心配がございます。大体今までの被害の調査の状況は、さような状況になっております。
  103. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) ただいまの被害の状況の御説明につきまして、それに対する対策、今までの段階においてどの程度やっているかという御質問でございますが、お答えいたします。  今まで、霜雪害対策実施要綱、閣議で決定いたしました分は、七項目あるわけでございます。そのうち納税関係、予定納税額の減額等所得税の減免、これはすでに国税庁から各税務署に対する内部指示がいっておるわけでございます。この分は、実はこれは内部指示でございまして、私、きょう持って参りたいと思っておりましたが、残念ながら、時間の関係でいただけませんでした。  それから農業災害補償法に荒く再保険金の概算払いと共済金の仮払いを迅速に行うようにする。これは五月末を目途といたしまして、現在、大蔵省と概算払い等につきましての折衝をやっております。特にこれにつきましては、現地の要望として、青刈り関係、この点についての問題もございます。その点を、大蔵省と折衝を続けております。  それからいわゆる天災資金融通法、これにつきましては、もちろん災害の実態が二十五日現在で出て参ってからの問題になるわけでございます。これは、一応できるだけすみやかに政令指定をやりまして、五月末までに措置が完了するように、現在努力いたしておるわけでございます。これは要するに、これから晩霜被害等も予想されるわけでございますが、一応四月十日までの災害について、切り離してまず措置したいという意味でございます。  それから各種肥料、農薬等の補助の問題、その他四の項目でございますが、これにつきましては、それぞれ振興局におきまして、昨年の例にならいまして、具体的の措置を現在まとめつつある段階でございます。これの助成命等も、昨年の例に一応乗って、進めております。  それから五番目の技術指導等の徹底でございますが、これは予算を伴いますものにつきましては、その折衝が済み次第、その措置を講ずるわけでございまして、とりあえず振興局から通牒等で、応急措置を誤まらざるようにいたしております。  それから六の地方交付税の問題でございますが、これは当然本年度の末の方におきまして、全体の割り振りがきまってくる問題もあるわけでございます。この点は、そういうことで措置があとになろうかと思います。  それから被害に伴う飼料、種子確保でございますが、このうち、えさにつきましては畜産局におきまして年内のえさの需給計画等、もう一度当りまして、所要量が増大いたしますれば、当然輸入の追加等を考えることになると思います。それから種子確保でございますが、これは、当然秋まき種子の確保意味もございますが、その災害地における代作種子の確保意味もございまして、秋まき種子につきましては、当然その時期を目標にやるわけでございますが、代作種子につきましては、それぞれ県におきましての方針の徹底次第、それに協力いたすようにいたしたいと思っております。  以上でございます。
  104. 仲原善一

    ○仲原善一君 ただいまの御説明で、順次手を打っておいでになるように考えますので、これも早急にきめていただきたいということを要望いたしますが、あわせて農業災害補償法による作物、たとえば米麦、そういうものについては、一応の制度は確立しておりますので、こういう場合もすぐ適用になると思いますけれども、特に果樹ですね、果樹の栽培というものについては、何らの制度もありませんので、こういう機会を一つの契機に、何か果樹園芸、そういう方面の農業災害補償というような制度を、基本的に考えてみたらどうかという気持を持っておりますけれども、そういうものについて御研究があるかどうか。また、今後研究してみようという意思があるかどうかですね、まあその点あわせて御意見を拝聴したいと思います。
  105. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 現存の果樹関係の災害に対する保険制度について、当局がどう考えておるかという御質問でございますが、確かに今度の災害全体を見てみますと、特に果樹関係の面には、どうにも救いようのない、手の打ちようがないという欠陥があることを私感ずる次第であります。この点につきましては、当局といたしまして、こういった損害保険の格好を、果樹においてどういう格好において実施し得るのか、これは今後研究したい、こう思います。
  106. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 麦の被害が百六十二億と、こう大きいが、この麦については、農業共済の引き受けができるかどうか。あるいは引き受けが非常に少くて、共済金をもらうことができないような地方が相当あるだろう。こういうような評判も聞いておりますが、その点いかがですか。
  107. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) ただいまの保険引き受けの関係でございますが、現実に、実は最近になって追加引き受けの要請が非常に出て参っていることは事実でございます。その点につきましては、これは当然予算を伴う問題でありますので、政府、大蔵省省と折衝いたすべき問題でございますので軽々にお答えいたしかねますが、十分実情を反映いたしていきたいと思います。
  108. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 麦は農家の常食というようなものにもなっているが、一方においては換金作物でもあるのでありますが、これができないというようなことだったらば、農家経済に重大影響を及ばすのでありますから、もし保険の引き受けがないというような所があれば、これは今お話通り、微妙な点もあるだろうが、できるだけ一つ善処をして、被害農民に被害ができるだけ少くなるように、特別の取り計らいを願いたいと思っております。
  109. 大河原一次

    大河原一次君 今回この凍霜害に対する対策ですね、営農資金の貸し出しですが、営農資金の貸し出しに対しては、特別な考慮を払うということで、現実の金利とそれから償還期限の問題について、どの程度に考えているか。
  110. 小林誠一

    説明員(小林誠一君) 御説明いたします。この金利と償還期限の問題でございますが、法律で、金利の方は大分五厘と、三分五厘、一般農家の場合はこういうことになっておりますが、開拓の場合は五分五厘と、三分五厘と二つの制度があるわけでございます。被災農家で農作物の収入の三割以上の被害を受けました農家につきまして、年間農業所得の一割以上受けております場合、これを被害農業者と言っておりますが、一般の場合は六分五厘でございます。そういうような場合に、さらにそのような農家に対しまして、一割以上の農家が、年間農業所得の五割以上をやられました場合、これを県を政令で指定しまして、さらにその区域を知事が指定いたしました場合、その特別被害農業者につきましては三分五厘ということになっております。  期限の問題でございますが、これは最高五年でありまして、特別被害農業者の場合は一般の場合五年というのが使われておりますが、それ以外の場合におきましては、その実情に応じまして五年以外の期限をつけることになっております。それの最高の期限なり、あるいはその利率の問題は、これは法定いたしておるわけでございまして、その範囲内におきまして政令で指定するということになっております。
  111. 東隆

    ○東隆君 農業災害補償法の関係で、災害の調査ですね、その場合に、立木を中心にするために、本来ならば早く引き起してそして植え付けなければならぬのに、一部分残したり何かすることを今回もやっているようですが、私は、これはある程度推定でもってやり得るような情勢じゃないかと思うのですがね。わざわざ残して、そしてそこに作付をおくらしたりなんかするよりも、もっと何か便宜な措置はできないですか。
  112. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 今のは、いわゆる坪残しでございますね。これにつきましては、とにかく今青刈りしてしまいたいものは、現在の時点において損害を推定するというふうに措置したいと思いまして、現在、内部的にも検討しておるということでございます。
  113. 東隆

    ○東隆君 きのう、おととい、ラジオのなにを聞いていますと、必ず残さなければだめだぞというようにラジオで放送しておりますからね、一つこれは耕作上にじゃまになるじゃないか、こういう気がするので、それを、こういうような場合には早くまいた方がいい作物がたくさんあるのですから、その点、何か考えようがあるのじゃないかと思うのです。
  114. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) これは、先日局長通達で、圃場ごとに坪残しをするように通知を出しているのです。しかし、それにつきましては、現に西日本等でも——私西日本に参ったのですが——やはりただいまお説の通りの問題が出て参りまして、ただいま検討中でございます。
  115. 田中茂穂

    田中茂穂君 金融課長にお伺いいたしますが、天災融資はいつごろから貸し出しを始められますか。
  116. 小林誠一

    説明員(小林誠一君) お答えいたします。現在の天災融資法の指定制度でございますけれども、先ほども統計調査部長から御説明申し上げましたように、まだ被害が確定いたしておりません。むしろ現在よりもっと深化するのじゃないかというふうなことでございますので、確定いたしました数字をもちまして大蔵省と折衝しませんと、額として非常に少くなる危険性がありますので、それが出ましたら、さっそく交渉いたしたいと思っております。実際の金といたしまして出ますのは、これはそれが出ましたら、なるべく早くというふうに考えておるわけでございますけれども、今のところ、先ほども農政課長から申しましたように、なるべく早く、大体五月下旬までには一つ政令を指定したいと思っておりますので、出ましたら、すぐ府県別の割当を作りまして、早急に分配いたしたいと思っております。ただそこで、それまで何か、たとえば代作等で困る場合があるわけです。すぐ作付をしなければならぬという問題がございます。で、中金の方にも申しまして、中金の方からも、今の、非常に困っておられる農家に対しましては、信連と十分連絡をつけて手当をするように、内部通達が出ておるような状況でございます。
  117. 田中茂穂

    田中茂穂君 今のお話ですと、先ほどの農政課長のお話と関連しまして、大体政令がきまるのは五月末というふうに解釈をした場合に、実際の貸し出しが行われるのは六月中だというふうに解釈していいのか、その間のつなぎは農林中金から出るのだというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  118. 小林誠一

    説明員(小林誠一君) この場合、いろいろ信連によって事情が違うと思います。信連が非常に力が強くて自己資金があれば、当然これは協同組合としまして自己資金でつないでいくことになると思います。そこで、資金源等が不足します場合、中金等も十分めんどうを見るということにいたしたいと、かように考えております
  119. 田中茂穂

    田中茂穂君 時期は、今私がお伺いしたような時期と解釈していいですか。
  120. 小林誠一

    説明員(小林誠一君) この金の問題でございますけれども、営農資金は必要なときに金を出すという建前になっておりまして、早く貸し出しを促進いたしますと、その間、たとえば肥料とか農薬というものを買いますまでの間は、別な預金になっているという格好になりよすので、そのために金利負担が農家にかかりますので、なるべく必要な時期に近く出すというふうにしたいと思っておるわけでございまして、従って、六月までに全都貸し出せということになりますと、かえって農家の方々に御迷惑をかけるということになってもいけませんので、ある程度の幅を持たせたいと、かように思っております。
  121. 仲原善一

    ○仲原善一君 予算措置の問題でございますけれども、農林省で予備金でやるのか、補正予算でやられるのか、そういう方針がきまっておればお知らせを願いたいと思います。
  122. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) まず第一に、現在までに御確定願った三十三年度予算で振り分けてしようということが考えられるのでございます。第二に、今の予備金支出でやる、この二つで問題が片つくと思います。
  123. 仲原善一

    ○仲原善一君 もう一つこういう問題があるのです。それは麦の問題ですが、どうせ穂が出ても白穂であるのでだめだというので青刈りをやっている。一時に青刈をやっても、これは飼料に回すにしても、とてもこなせないという関係で、ビニールか何かに包んで土の中に埋めておくと相当長くもつというので、そういう対策をやったらどうかというので、そのものについて政府か助成をするという意見があるのですが、そういうものについて御考慮が願えるかどうか、新しい方法ですけれども、そういう問題がありますので……。
  124. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) ただいまのお話の点は、当然考慮に実は入れておるわけでございます。
  125. 千田正

    千田正君 今の予算掛買の問題、農林省としては、これに対する資金としして、どれくらい考えておるのですか。
  126. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 実は、まだ被害の全貌が出ておりませんので、従って、一つ一つの施策につきましての金額的なワクの大きさがきまっておりません関係土、全体としてどうということは、ちょっと申し上げかねるわけでございます。
  127. 千田正

    千田正君 この間予算委員会理事会で、この総額から見て、農林省の応急処置だけではまかないきれないじゃないか、これは参議院の予算委員会の各党の理事考え方ですが、そうしますというと、かりにこの次に特別国会を開く間の期間中においても、たとえば選挙中であっても、場合においては臨時に会議を開いて、政府の所信をたださなければならぬ。一面からいうと百数十億という説もありますし、そうしますというと、かりにただいまあなたが御説明になったような応急処置だけでは、予算の支出の上では納得できない問題が起きてくるんじゃないか、こういうふうに考えられる向きもあります。大体推定の総額ぐらいは見当がついておらなければいけないと思うのですが、その点はどうなんですか。
  128. 本名武

    政府委員(本名武君) 被害の甚大と、特異な今次の被害の実態からいたしまして、一日も早く算定をいたすことは、われわれも望んでおりますが、先ほど来事務当局からお答え申し上げましたように、最終的なあるいは具体的な調査の結論が出ておりませんので、ただいまのところ、的確な数次を申し上げる段階に至っておりませんことを大へん遺憾に思いますが、ただ、今日までわかりました被害の数字を基礎にいたしまして算定することは、一応可能かと思われますが、御承知のように被害実態が、この前の、現在の調査よりもさらに進むということが明らかになっておるような関係上、今日の調査を基礎にして数字を立てますと、当然変更しなければならないということも想像されますので、実は、数字について具体的に手をつけていなかったわけであります。しかし、今までの数字を基礎にして、これから一応のめどをつけることもできないことはないと考えております。
  129. 千田正

    千田正君 なぜこういうことを私が言うかと言いますと、従来いろいろな被害の問題に対して、相当大きな政府の支出をしなくちゃならなかった場合、たとえば農林省、建設省のような現業省が大蔵省と折衝した場合、大蔵省は補正予算を組むことをむしろ回避しまして、いわゆる予備金から支出する程度のことでとかく糊塗しがちになってしまうことが多かったわけです。そういうことで、大蔵省は予備金の範囲内でこの被害に対する対策を立ててくれというようなことで、強く突っぱられるようなことがあるというと、それに準拠して、農林省としてはある程度の応急措置で、予備金支出程度くらいなところ、あるいは三十三年度の予算の範囲内程度のことでやっておくということになるとすれば、実際被害を受けた方としては困るのであって、むしろ、ほんとうの被害の実態がはっきりしたならば、特別国会において補正予算くらい請求するくらいのデータをつかんで話してもらわなければ困ると思うのです。ですから、概数くらいはわかりそうなものだと思うのですが、どうなんですか。
  130. 本名武

    政府委員(本名武君) 御指摘の通り、被害が非常に甚大で、予備費、その他支出可能な現在の予算でやりくりのつかない場合には、当然これは補正予算を組まなければなりませんが、現在のところでは、やはり被害の、何と申しますか、被害率というものが全般に出て参りませんと、その金の使い方、たとえば利子補給で済むか、あるいは天災法の融資がどのくらいになるのか、いろいろなその使い道によって、被害率の上に立ってそれを考えなければならぬということから、実は、今のところまだ出ておりませんが、従来の例から考えますと、大体において既存の予備費その他予算内において始末し得るのではないかというような、漠たる見通しだけはつけておるような次第でございます。
  131. 千田正

    千田正君 一番困るのは、地方自治体が政府の処置がはっきりしないために、応急処置として、いわゆる立てかえていろいろな処置をする。立てかえていろいろな処置をしたあとで、農林省当局としては、その分までは指導しなかった。これは町村でやる。立てかえてやったとしても、政府として見るべきものじゃなかったとか、いろいろな、あとからそういう問題が出てくるおそれがあるのです。従来でもそういうことは多かった。たとえば災害等においては応急処置をしなければならないから、ある程度のことをやってしまってから、いや、その分までは政府はしょうのじゃないというようなことになるというと、結局、地方自治体の、今ほとんど黒字の自治体というのはありませんからね、そういう所が、今度は地方財政のやりくりに四苦八苦しなければならないのですから、できるだけ早く指導方針を決定されて、そうしてまた、かりにそれが現物で支給するもの、あるいは資金の面において考えてやるものであったならば、直ちに実行できるような方策を立てていただきたいと思うのですがね。
  132. 本名武

    政府委員(本名武君) 先ほども申し上げましたように、被害の実態が掌握できましたならば、本年は直ちに融資限度なりあるいは補助の率というものを早急にきめまして、その上に立ってそれぞれ地方団体と打ち合せをしながら、政府としても早急に措置をいたしたい。補助の率なりあるいは融資の限度というものが、被害の実体がわかっても、なかなかきまらないなどというようなときには、これ以上地方団体に御迷惑をかけることになると思いますので、ことしは一つそういった具体的な内容における方針というものを、被害の実態をつかみ次第、決定して通知をいたしたい、このように考えております。
  133. 千田正

    千田正君 本名さんが再び政務次官になり、農林大臣になっていただけば、まさにそれを信用しますけれども、変るというと、なかなかまた迅速にいかなくなったら困りますからね。まあどうぞ一つしっかりやって下さい。
  134. 柴田栄

    理事柴田栄君) 本日は、これをもって散会いたします。    午後四時五十六分散会