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1958-04-23 第28回国会 参議院 農林水産委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月二十三日(水曜日)    午後二時一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     重政 庸徳君    理事            柴田  栄君            藤野 繁雄君            東   隆君            北村  暢君            上林 忠次君    委員            秋山俊一郎君            関根 久藏君            田中 茂穂君            仲原 善一君            堀  末治君            堀本 宜実君            安部キミ子君            大河原一次君            河合 義一君            梶原 茂嘉君            千田  正君            北條 雋八君   政府委員    農林省農林経済    局長      渡部 伍良君    水産庁長官   奧原日出男君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   説明員    日本国有鉄道建    設局長     今岡 鶴吉君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○継続調査要求の件 ○農林水産政策に関する調査の件  (漁業問題に関する件) ○地方卸売市場に関する立法措置の請  願(第一七四二号)(第一七四三  号)(第一七五九号)(第一七八三  号)(第一七九六号)(第一七九七  号) ○蚕糸業危機打開対策強化に関する  請願(第一七八二号) ○岩手県長部漁港南防波堤構築等に関  する請願(第一八一二号)   —————————————
  2. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
  3. 安部キミ子

    安部キミ子君 議事進行につきまして。  きょうの委員会総理大臣外務大臣を呼んでいただくように、きのう事務当局お話ししておきましたのに、きょう出て来られないということでありますが、どういう意味で出られないのか、委員長はその手はずをされたのか、事務局も、十分その手配をされたのか、御答弁を願います。
  4. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) その件に関しては、これから議題にいたすときに懇談いたしたいと思います。
  5. 安部キミ子

    安部キミ子君 それじゃいけません。本国会になって、日ソ漁業問題、海洋法会議問題、オーストラリヤの真珠採取制限の問題、李ラインの問題、アリューシャン海域の問題、米国、カナダの海域の問題等々、この農林水産委員会においては、重大な問題をかかえているのに、総理大臣外務大臣も、一度も末席に御出席にならないということは、私はどうかと思います。こういうことを、委員長はわれわれの要求をいれないで、無視して、そしてもうすでに国会も終ろうとしておる、しかも重大な問題が山積して、何一つ満足な解決ができていないのをそのままにして、外務大臣総理大臣お呼びにならないということは、私は、農林水産委員長責任において問題になると思いますが、どうしても今国会中にお呼びにならないのか、総理お呼びにならないのか、どういうわけで御出席にならないのか、私が納得のいくように御返答をいただきたいと思います。
  6. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をとめて。   [速記中止
  7. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をつけて。  お答えいたします。委員長は、昨日以来、御要求による総理大臣外務大臣の本日出席を得るべく手続きし、なお、そのほか、できるだけの努力をいたしましたが、諸般の事情で、本日出席がないのはきわめて遺憾に存じます。(安部キミ子君発言の許可を求む)これで次へ進みます。
  8. 千田正

    千田正君 ただいま、安部委員質問に対して委員長は答えられておりまするが、私は、今日農林水産委員会として、国際的な重大な問題としましては、今行なわれておるところの日ソ漁業問題妥結と同時に、国内の処置という問題が非常に重大である、その措置に関する問題に対しての事務的な質問は、水産庁長官でけっこうですけれども、少くとも、オホーツク海の権利の放棄その他に対しては、岸内閣責任であると私は考えるのでありまして、これは、当然内閣総理大臣並びに外務大臣にわれわれとしては質問したい。今、委員長お答えによると、まだはっきり御答弁は得られないようでありますが、これは、ぜひ出席願いまして、当委員会において政府の所信を明らかにすべきである、私はそう思いますので、この点についてあらゆる努力を払われて、ぜひこの委員会出席して御答弁願うように、委員長からさらに督促していただきたい、この点を申し入れます。水産問題についての質問に対しての事務的な問題においては、われわれは水産庁長官との間の質疑がかわされてけっこうと思いますけれども政府責任において行わなくちゃならないことに対しては、あくまで総理大臣あるいは外交の責任者であるところの外務大臣責任ある御答弁を私は要求しますから、その点はお含みの上、ぜひ出席するような方法をとっていただきたい、特にこの点を申し入れておきます。
  9. 大河原一次

    大河原一次君 ただいま委員長は、速記をつけられてから、本委員会要求によっていろいろ努力されたが、大臣その他関係の方々が出られなかったというようなことを言われたのですが、それはわかるのです。しかし、本席の開会冒頭においてそういうことを委員長として述べらるべきだと思うのです。それを全然されずに、初めから議案に入るというような、そういう開会のし方は、委員長としてよろしくないと思う。昨日来の要請によって、調査案件に出ておるのです。ですから、そういう点は、できなかったらできないということを、冒頭に述べていただいて、そうしてこういうふうに議事を運んでいきますということをやってもらえば、こういう問題は解決できたと思います。今後一つお願いしたいと思うのです。
  10. 千田正

    千田正君 それで、きょうの審議の順序を一つ、とりあえず何と何をやるということを御発言願いたいと思うのです。
  11. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をとめて。    午後二時十一分速記中止    ——————————    午後二時三十二分速記開始
  12. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をつけて。  最初に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産政策に関する調査を、従来より進めて参りましたが、調査完了することが困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし上と呼ぶ者あり〕
  13. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書内容及びその手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。   —————————————
  15. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 漁業に関する諸問題の件を議題といたします。  この件に関し、日ソ漁業交渉国際海洋法会議、国際漁業問題、また漁業共済狩野川放水路漁業補償に関する件、北海道底びき網漁業等の問題について、委員から御質疑の御要求がありますから、この際、御質疑を願うことにいたします。
  16. 堀末治

    堀末治君 私は、漁業関係の問題でいろいろ重大な問題がありますが、その中で、一番簡単なものから一つ長官に御質問申し上げます。  それは、長官もすでに御承知通り、昨年来からだいぶ問題になっておった北海道の底びき漁業者禁止区域拡大してもらいたいと、こういう沿岸漁民の熱烈な要望で、水産庁は先般これが解決のために北海道調査班を出された。調査班は、二十日から相当の日子を使って調査を終えて帰ったのでありますが、もうすでに、帰られてから一カ月以上たっておるというようなことで、この間も、漁業関係者諸君が、何とか早く解決をしてもらいたいということで、熱烈に陳情に参った。これは、おそらく長官も御承知であろうと思うのでありますが、この問題どうなっておるか、それを一つ説明を願います。
  17. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 北海道沿岸漁村の疲弊しておる現在の状況にかんがみまして、沿岸漁村資源的に有害な底びき漁業を、これを沿岸から遠ざけるという意味におきまして、北海道におきまして、現行の底びきの禁止区域拡大要求問題が、この数年間の懸案として残っておったのでございます。で、昨年道議会におきましても、具体的にその線を決議をいたしまして、道知事名をもちまして、水産庁の方に、意見具申に参っておる次第でございます。水産庁といたしましては、北海道につきまして、底びき漁業禁止区域拡大により、沿岸から遠ざけるということ自体については、政策方角として、まさしくそういう方角にあるものと、かように考えておるのでございます。しかしながら、現状におきましては、底びきの行きます転換漁場をやはり作っていかなければ、一挙に禁止区域拡大ということはなかなかに実現が困難であろうかと、かように存ずるのでありますが、幸いにいたしまして、今年度の予算で、北千島の底びき漁場試験操業に関しまする予算も取れたのでございまして、目下この一月から北千島の試験操業を進めている次第でございますが、また、それとともに、西カム方面に対する底びきの試験操業も進めて参りたいと、かように考えておる次第でございます。  また、他方におきまして、従来底びきの禁止区域拡大の問題、それから底びき側のまたこれに対する反対の運動というものが、同じ場において話し合いをするということでなしに、全然別個にそれぞれ大きな声を出しておられると、こういう状況にあったのでございますが、私の方の調査員が過般参りまして、それぞれのお話を伺うという機会を作りましたのが、禁止区域の当面実行し得る拡大の問題についての、一つの次元を同じくする空気を促進したのではないかと、かようにも考えるのでございます。そこで、われわれといたしまして、当面実行でき得まする禁止区域拡大の問題に関しましても、目下いろいろ検討を進めている次第でございますが、近く底びきの禁漁期にも入りまするので、われわれとしまして禁漁期明けまでには、具体的な結論の線を出したいと、かように存じまして、目下作業を取り進めております状況であります。
  18. 堀末治

    堀末治君 今あなたのお話によるというと、まあ転換のために各方面に持っていって、新しい漁場の開拓について調査を進めている、これはまことにけっこうなことでありまするが、それはなかなか容易に——幸い本年度は今あなたのお話だと、予算も取れたから十分それらの調査もできるでしょう。しかし、なかなかそういうことをやっておったのでは容易でない、そういうことで、今あなたのお話だと、底びきの禁止期間もま近に迫っているから、それまでには解決したいと思う、こういうことでございますが、一体、その底びきの禁止期間はいつ終るのですか。
  19. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 底びきの禁止期間は、海域によって異なりまするが、五月の一日に禁止期間が始まりまして、おそくとも九月の十五日に終ると、こういう状況であります。
  20. 堀末治

    堀末治君 この間それらの陳情によって、水産庁ではわざわざ調査班北海道へ出した。調査班は二十日余りかかって入念な調査をなさった。大へんけっこうですが、すでに三十日以上もたっておる。こういうことも、なるべく早くそれの結論を出してほしいというのが、今の沿岸漁民の切望なんでありますが、今のあなたのお話だというと、場所によって違うというけれども、一番早いのは五月一日、おそいのは九月十五日、こういうことである。なるべくそれまでの間にあなたは大体やりたいということを言っておりますが、しからば、大体いつごろまでに見通しをつけて、問題の解決をしようという計画ですか。
  21. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 早い所では禁止期間が八月の三十一日に終るのでございまして、まず七、八月のころに、当面実行いたしまする具体的な線についての話を取りまとめたい、かように考えております。
  22. 堀末治

    堀末治君 そういたしますというと、あなたの御答弁からすると、一番早いので八日三十一日だから、そうすると、八月三十一日までにそれをきめよう、こういう御意見なんですか。
  23. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) さようでございます。ただそのためには、これはいずれにいたしましても、非常に紛糾を来たします漁業調整上の問題でございますので、それよりも相当前に、われわれとしての考え方を打ち出して、協議に入らなければならない、かように考えております。そういう意味で、七、八月という期間を考慮いたしておる次第でございます。
  24. 堀末治

    堀末治君 今のあなたのお話だというと、八月三十一日が早い期間だから、なるべくそれまでの間にやりたいということですが、そうすると、今の七、八月と、こう空漠としたことを言うておるのだが、この間来た漁民諸君の熱望だと、なるべく早く、一日も、しかも調査が終ってすでに三十日にもなる。道庁方面との関係も、ほぼ話がまとまっておるということを聞いておりますが、もう少し期間を早めるわけにいきませんか。せっかく三十日以上、調査をしてもう終っておりますが、彼らはもう首を長くして待っておる。今にもやってほしいということで、熱烈に、この間も大ぜいの人が来て、われわれの方に陳情があったのですが、もう少し早めるわけにいきませんか。せめて今月中にでも何とかきめられませんか。
  25. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 道庁から水産庁へ出ておりまする禁止区域考え方にいたしましても、現実に問題を詰めて参りますと、いろいろな中身があるようであります。現実操業が摩擦を来たすという意味において、禁止区域を敷きたいという問題、あるいは資源関係から、どうしても禁止区域を広げたいというふうなもののほかに、将来沿岸漁業がそこまで伸びるから、沿岸漁場として底びきを退却させておきたいというふうな線、あるいはまた禁止区域を広範に設定して置けば、沿岸禁止区域侵犯という問題が程度が軽くなるから、可能性が少くなるから、こういうような内容、いろいろな内容のものがあるようでございます。そこで、われわれといたしましては、現状におきましては、底びき網漁業が今すぐああいう広範な禁止区域を設定し得るまだまだ状況は熟しておらないのでございますけれども、しかし、当面底びきもまた譲り、沿岸にもまたがまんをしてもらって、適当な線をその間に見出したいということで、いろいろ検討をいたしております。しかし、ただいま道庁考えにいたしましても、単純な一筋の考えでないということを御説明申し上げましたように、いろいろ問題の内容がむずかしゅうございまするので、われわれといたしましても、合理的な調整をはかりますためには、もうしばらく時間をおいていただきたい、かように考えている次第でございます。
  26. 堀末治

    堀末治君 それは長官、こうじやありませんか。私どもに言わせれば、あなたもどうせ多少の禁止区域は拡張しなければならない、こういうことは今のあなたのお話でわかる。しかし、なかなかこれはすこぶるめんどうな問題だと私ども思います。なかなか基礎的調査も必要でしょうが、しかし、大体において底びき区域は、いわゆる魚族資源保護という点から考えても、拡張した方がいいのだ、こういうような前提に立っているのならば、ある程度、最終的の決定は、それは時日をかけるのもけっこうでしょうけれども、多少暫定的に、今の沿岸漁民が希望する所まで全部いかないでも、暫定的にある程度、ここらまでやってはどうかというような方法も、私は、やはり漁民諸君を安心せしめる意味においても、政治として必要ではないかと思う。何もそう一つのものを必ずしも一度に解決しなければだめだ、また、解決してみたところが、いわゆる魚族の要するに増殖の関係によっては狭めてもいい、実際いえばさようなことですから、あまり窮屈に考えないで、せっかくこの通り熱烈に言うておることですし、実際に今の資源保護には非常に障害になっていることは、あなたも認めておられることだと思いますから、暫定的に、多少彼らが言う全部でなくても、その三分の一あるいは半分というくらいの程度、あるいはこの程度はどうしても十分の調査を必要だということはあと回しにしてもいいが、この辺ならば差しつかえないというくらいの程度ならば、この機会に、彼らの要望にこたえるように、少しでも進めてやるという暫定的な措置をとるということは、私は、政治の上に非常に必要だというふうに思うのですが、あなたはいかがですか。
  27. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) ただいま申し上げましたように、当面の事態におきまして、暫定的にやりまする禁止区域拡大という線を見出したい、かような観点から、目下いろいろな研究を取り進め、また、いろいろな資料も整理をいたしている状況にあるのでございます。しかし、口では非常にそう申し上げられましても、問題の内容につきましては、非常に複雑であり、また、いろいろ困難な点もございまするので、この禁止期間明けまでにその区域拡大が間に合いまするように、その期間明けに相当な余裕をもってわれわれとしての構想を打ち出して、認整をはかって参りたい、かように考えている次第でございますが……。
  28. 堀末治

    堀末治君 それは長官、少ししつこいようだけれども、また七月ごろになるというと臨時国会が始まる、こうなってきて、そのときまでにもしも相当な解決が出ておらないというと、なかなか国会でもこれを、あなたの答弁を簡単に聞いて見のがすというわけにいかないというような事態にもくるのじゃないか、私はかように思うのです。それですから、なるべくならばこういうものは、それは入念に、念には念を入れるということは大切ですけれども、しかし、ある程度拡張するということが資源保護の上からいっても、あるいは漁民を救済する、沿岸漁民を救済するという点からよろしいということならば、相当な要するに暫定措置をとって、そうして今あなたのおっしゃるように、おそらくあなたのおっしゃる期日は、今の情勢から考えれば、臨時国会になるだろうと思う。そのときまでに十分な調査をして、そうしてここまでやるということで、要するに、何といいますか、この委員会の了承を得るというようなやり方は、私は政治の上に非常に巧妙でないかと思うのです。なるべくならば、そういうことも考慮せられまして、あまりあなたの方の御意見ばかり固執しないで、でき得ることならば、熱烈に希望しているのですから、あなたの方も二十日も調査して、もうすでに三十日もたっているんだから、なるべくならばこの機会に、相当な解決をすみやかにやっていただくことを特に希望いたしておきます。さもないというと、それまでにまごまごして解決しないで、臨時国会にでもなったということになってくると、北海道としても、私ばかりではない、要するに北海道関係諸君は、なかなか簡単におさまらないようなことになるのです。こういうことを私は心配しているのです。これは、われわれのことはどうでもいいのですけれども、とにかく沿岸漁民は、きのうきょうの希望ではない、私よりもあなたの方が御承知なんです。どうかさようなことですから、なるべく臨時国会召集前に、少くともある程度暫定措置を講じ、そうして臨時国会の中でしっかりした報告ができるように、特に御努力願うことを希望いたしておきます。
  29. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) ただいまお話のございましたように、私たちといたしましても、なるべく早く案を出して、そうして話をまとめたいという気持は、堀先生お話通りでございまして、そういうふうなことに努力いたしたいと存じます。
  30. 東隆

    東隆君 関連。堀さんの質問で、七月ないし八月のころにと、こういうことなんですが、それがもう少し、できるだけ早くやるという、こういうお答えをいただいたんですが、その前にお話しになった同じ場で問題にすることができる、こういうことになった、こういうお話ですが、私はほったらかしておくと、ますます両方でけんかがひどくなると思うのでありまして、陳情攻めでもっておそらく水産庁の方は大弱りをされるのだ、それで、農林省の方で調査をされたときには、これによって決定をするという御意思であったろうと思う。ところが、その後いろいろなまた陳情が出てきて、そしてよろめいたのが水産庁じゃないか、こう実は考えるわけです。私は、その調査に行く当時、この委員会ではありませんけれども水産庁長官に対し、その問題を聞きました。それから衆議院の水産委員会では、調査に行って帰ってきたらきめるのだ、こういうふうにお答えになっているはずであります。だから私は、どうも水産庁長官は少し優柔不断で、よろめいておるということを感ぜざるを得ない。そこで、先ほど堀さんの方のおっしゃったことは私は救いの手だと思うのです。この際、おきめになって、そしておやりになるのがこれが一番得策だ、こう考えるわけです。私どもも、海域全部をやらなくても、まだはっきりした部面が相当あると思う。その部面は、この際、はっきりされて、そして懸案の問題だけお残しになって、そしておやりになるなら、これは、いろいろな調査その他の理由が立ちますから、これは了承するだろうと思います。だから、もうはっきりしたところは早くおやりになる必要があろうと思います。ただその間に、私は、期間明けの間に底びき関係の人が、今の禁止区域に連なっておる外でもって底びきをやる、こういうふうな期日を、時間を与えることを、お考えになっておるのじゃないかと、こういうふうにすら考えるわけですが、しかし私は、資源が非常に今減っていっているのですから、一日も早く、少しでも早く決定をすることによって、水産資源の確保、こういうことをやるのが、これが水産政策の上で一番大切なことだ、こういうふうに考えるので、そういうふうな暫時の間の目こぼしのようなそんな態度をおとりになることは、これは間違いじゃないか、こう考えるわけであります。そこで、重ねて私は言いますが、できる所を早くきめてしまって、そして問題のものを残す、こういうような暫定的な措置でも早く講ぜられたい、そしてやることを、私は特にお勧めをする。というのは、水産庁長官、選挙があって、そのあと内閣がかわります。そうすると、水産庁長官みたいに偉い人はまたどこかに御栄転になるかもわかりませんし、そうなってくると、またこれは中断されるおそれがある、従って、この機会にはっきりとおきめになっておく方が、これは大へん国のためにもなる、こう考えるわけです。これは冗談じゃないのです。そういう政変を前にしておるのですから、その点もお考え願いたいと、こう思うわけであります。
  31. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) はっきりしたところを早くやるということについては、私たちも全く同感なのでございます。しかし、過般現地で調査いたしてみますれば、禁止区域要請の中で、いろいろ性格が、先ほども申し上げましたように、違っておる点もある、その他、もう少し科学的なデータも収集しなければ結論が下せない、こういうふうな考え方に立ちまして、目下急速に結論を出しますための作業をやっておりまする状況でございます。決して何らかの目こぼしをいたしまして、そうしてその間に底びき側に操業機会を与える、こういうふうな何らの意図も持っておらない次第でございまして、ただ、私たちの事務的な作業のためにおくれておる次第でございます。できるだけ早く結論を出しまして、そうして十分なる余裕を持って次の禁止期間明けまでに、問題が、とにかく解決しますように、打ち出して参りたい、かように考えております。
  32. 千田正

    千田正君 実はきょうこの委員会で、長官、今おそらく日本国民の注視の的になっておるところの日ソ漁業妥結に関しまして、その重大な結果に関し、非常にわれわれとしましては憂慮しておるのです。ほんとうならば、あなたに、特にこの段階にきて、みずから進んで経過を報告していただきたいという気持だったけれども水産庁自体は、長官を残してほとんどスタッフは海外に行っている状況をわれわれはよくわかりますから、やむを得ず今までは黙っておったのです。先般の委員会におきましても、国内処置の問題に対しては、はっきり妥結がしてからでなければ、この処置、方針ができないことは、これは当然であるから、あえて私は、その後の経過に対してのことについての、国内処置の問題については聞かなかった。しかし、今日に至れば、十一万トンという漁獲量が決定した今日においては、昨年の十二万五千トンの目標に比して、母船並びに独航船を厳選せざるを得ない状況になっておる、その厳選の処置としてどうするかという問題、これが、水産庁として今日における最も重大なるところの問題になってきておる、それに対するこの処置、方針を、あなたから一応聞きたいと思うのです、これは事務的な問題ですから。  それから今度の問題ですね、オホーツク海に対しても、日本の漁船は行けなくなったのです。その結果、当然、日・米・加のあの百四十七度線の近くまで日本側が行かなければ、十分な漁獲ができないとするならば、これは当然日・米・加問題とからみ合ったまた重大な問題が起きてくる、しかも、紅ザケを中心とした漁獲となると、当然そこの問題が起きてくる、このおそれがあるのですが、長官としてはどう考えているかという点。それで、その責任の問題は、水産庁長官に聞こうとは思いません、今日まで延びた妥結に関しての訓令その他は、岸内閣が一にその責任を負わなければならない問題ですから。ただ問題は、オホーツク海の権限を、公海自由の原則というものを、日本は放棄にひとしい立場に置かれたということは、われわれ農水委員会委員としては、非常に遺憾の意を表せざるを得ない。それで、これに伴うところの厳選の問題、同時に、オホーツク海締め出しに基いて、当然、日・米・加のあのラインにまで、やがては影響を及ぼすと思うが、それに対してどういうふうに考えておるか、この二点について、一応まずお伺いしたいと思います。
  33. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 北洋の日ソ間の交渉が妥結いたしましたので、その妥結した線に従いまして、一刻も早く漁期に間に合うように出漁していただくためのいろいろな準備を、われわれとしても進めておるのでございます。  そこで、まず第一の問題は、母船に付属しておりまする独航船によって採取いたしまする量と、四十八度以南の流し網船によって採取いたしまする量との割合を、どういうふうにきめていくかと、こういう問題でございます。これに関しましては、実は、われわれ急速に何らかの結論を早く打ち出さなければならないと存じ、いろんな前提を置いて、いろんな角度から検討を目下いたしておるのでございまして、まだ、ここでその基準等についてお話し申し上げるまでに、われわれ自身の考えも熟しておらないのでございます。しかし、これは急速に決定をいたしまして、決定をすればすぐこれを示達をして、問題の内容を明らかにいたさなければならない筋合いの問題であると、かように考えております。  それから船団の編成の問題に関しましては、われわれといたしましても業界の自主的な話し合いを、十分相談に乗りつつ推進いたしますとともに、われわれといたしましてその話し合いをまとめるに当り、あるいは実行する上において、措置を要さなければならないいろんな    〔委員長退席、理事藤野繁雄君着席〕 問題点については、これを政府部内におきまして、あるいは関係方面に対して、十分働きかけて参りたいと、かように考えておるのであります。そこで、今の段階におきまして、減船問題ということについて、われわれとして具体的な考え方をここで申し上げるのは、まだ熟しておらないのでございまするが、いずれにいたしましても、減船というような問題が起りました場合においても、政府がこれが補償をするというふうな考え方はとっておらないのでございます。金融その他の面におきまして、できる限りの努力をいたして参りたいと、かように考えております。  それからオホーツク海に関しましては、今回の漁業委員会におきまして、今年度におきましては一船団六千五百トンの漁獲をあげるのでございますが、明年度におきましてはオホーツク海におきまするサケ、マス漁業を停止すると、こういうことに相なっておるのでございます。ところでそのオホーツク海におきまするサケ、マス漁業の停止が、日、米、加漁業条約によりまするアメリカ及びカナダとの間の問題にどういう影響があるかと、こういう問題でございます。    〔理事藤野繁雄君退席、理事柴田栄君着席〕 実はアメリカ、カナダとの間の問題は、アメリカ系のサケ、マス及びアジア系のサケ、マスの回遊いたしまする線を、暫定的に西経百七十五度線として定めておりまするものが妥当であるかどうか、もっとその線が西の方に動くべきではないかというふうな問題をめぐって、科学的な論議がかわされておるのでございます。しかしながら、あの条約で認めておりますようなアブステインの理論、すなわちアメリカ及びカナダにおいて、河川において資源保護のための責任を果すとともに、日本といたしましてあの出先沖合いに対しては出漁を抑制するというこのアブステインの問題については、アメリカとカナダとの間には、いろいろ批評はございますが、あの条約において、一応その線は認めておるのでございます。従って、新しくこのオホーツク問題によってアメリカ、カナダから日本に対する質的な新しい要求を持ち出されるいかなる筋合いもないと、かように考えている次第でございます。ただ、今後の船団の操業計画の作成に当りましては、できる限り昨年の操業によってアメリカ、カナダとの間に起りましたようないろんな紛議にもかんがみまして、合理的な操業計画を立てるよう考慮をいたして参りたい、かように考えている次第であります。
  34. 千田正

    千田正君 それで、あなたは今実際の減船の問題については、まだ言明の限りではないと言っておるけれども、私は、この問題は、当然日ソ問題があのようにデッド・ロックに乗ったときから、すでに水産庁としては方針を立てていかなければならぬはずだ。たとえば、十万トンしかだめだということは、十万トンの独航船の減船は大体百隻とか、あるいは十一万トンになった場合は六十隻とか、おのおのその準備ができていなければならぬはずだと思う。それがなくて、今出漁まぎわになってから、ああでもないこうでもないという紛糾をかもすということは、いささかおそきに失するのではないか。私は、何かあなたの方に腹案があるのではないか、こう思うのですね。同時に、この問題をめぐって相当の金額が要る。これは、あなたが今言明したように、政府としてはその補償には絶対に耳をかさぬという、この方針もいいでしょう。しかしながら、現実に減船されるものの立場になって見れば、この問題は重大な問題である。それがいわゆる業者同士の話し合いで十分解決できるかどうか、こういう問題は、私は、そう簡単にできないのじゃないか、こう思うのですが、その点はどうなんです。
  35. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 私は、船団編成の問題に関しましては、筋はあくまでも業界の自主的な話し合いによる解決を促進するということであるべきであると、かように考えておるのでございますが、しかしながら、もちろん当局といたしましては、その自主的な話し合いを傍観するという態度は、絶対にこれは許されないのでございまして、その話し合いの過程において起ってきまするいろいろな問題を解明し、あるいは先ほども申し上げました融資あるいは税の賦課等、いろいろな問題について、これを具体的に支障のないような解決をはかるための努力を懸命に果すべきである、かような考えを持っておるのでございます。しかし、事柄の運びといたしましては、ただいま申し上げましたように、自主的な話し合いというふうなものを、あくまでも常識的に合理的に進めていくことに努力をするということで対処をいたすべきではないか、かような考えを抱いております。
  36. 千田正

    千田正君 長官のそのお考えはいいんですよ。その考えはいいが、かつて河野君が大臣をやっていたときに、いきなり船団をふやした。これはあなたも御承知通りでしょう。しかも、それがやはり日魯漁業という自分らの政治的バツクの一つの拡充という意味からいって、船団を膨大にふやしていった。あのとき危惧の念があるから、将来こういう問題が起るであろうということが予想されておったから、私が当農林水産委員会において河野君に忠告をした。いきなりこういうふうに膨大に船団をふやしていって、必ず将来日ソ間の紛糾が起る、そういうときにどういう措置をするのだ。国内措置を十分に政府責任でやれるかということに対して、河野君はどういうことを言ったかというと、これは一つの含みをもってやるのだ、やがて漁獲量の問題が出てきた場合に、ある程度日本が漁獲をふやしていなければ、条約の際において不利を見るおそれがあるから、一応、一つの段階としてこういう外交折衝をする必要があると、それはけっこうだが、しからば、減船しなくちゃならない場合に立ち至ったときはどうやるか、こういうことに対しては、十分に自信があるということを言っておった。今答弁責任者ではないから、河野君をここに呼び出して責めるわけにはいかぬけれども、私から言えば、そういう過去の積み上げたいろいろな問題を、この際、措置しなければならない。来年は十一万トンになるか、十万トンになるか。おそらく今年よりもふえるということは、われわれは予想できない。十一万トンということは、十一万トン前後ということは、将来北洋のサケ、マスの一応ここ数年の間動かすべからざる原則として、日ソ間においてはこの筋によってだけ運営されるであろうということは、想像にかたくないのですね。そうなるというと、この際の減船というものは、一つのやはり基礎的な問題になってくる、そういう段階に立ち至っておるのでございます。ですから、水産庁としては、これを政府責任でなくやるということで、業者間の話し合いで十分つくかということに対しては、あなたの見解と私はやや違う。それはなかなか業者の諸君も、それから独航船の諸君も、うんと言わないだろう。もう一つ不思議なことは、最近、私は小さい業者からのいわゆる苦情を申し込まれていることは、日魯漁業は自分たちの方の独航船に向って、石油の買い上げ、いわゆる燃料の買い上げまで指令した。これを買い上げなかったら、お前たちは日魯の独航船として認めるわけにはいかない。こういう指令を発して、油の買い上げまで指令しておる。こういうことは、私は非常に独裁的なやり方であって、それは一つの会社のやり方に対してわれわれが批判をかれこれする必要はないけれども、そういう指令を受けて、泣く泣くやらなくちゃならない小さい漁船の所有者の立場からいえば、容易ならざる問題である。こういうことに対しても、長官はどういう指導をしているか、この問題について、一応聞いておきたいと思います。
  37. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) ただいま御指摘のございましたように、自主的な話し合いによる船団計画の調整というものが、決して簡単な問題ではないということは、私も十分承知をいたしておるのであります。しかし、筋はそういうことで、われわれもともに苦しみ、ともに努力をして、そうして船団編成の一日も早く解決することを望んでおる次第であるのでございます。ただいまお話の出ました日魯漁業の油の問題に関しましては、水産庁としましては、北洋に出まする船団につきまして、保税原油を使用するという点について、関係官庁にあっせんをいろいろいたしておるのでございまして、それ以上のことは、実は会社自身の内部の運営の問題に相なるのでございます。しかし、私たち承知いたしておりまするとっころでは、日程漁業は基地出港の際に、付属独航船が自分で調弁いたしまするものについては、その自由選択——取引先等については自由選択にまかしているのでございますが、中には、仕込み等の関係から、会社に対して燃料油の購入を依頼してくるといったものもあるのでありまして、それについては、会社をきめまして独航船主の便宜をはかっている、こういうケースが間々あるというようなことも伺つているのでございます。それ以上の詳しい知識はないのでございます。
  38. 千田正

    千田正君 長官としては、あとの段階の問題を、あなたそれは調査しておらないということは——日魯漁業は、自分の配属船の独航船に対しては出光興産の油以外には使ってはいけないということを指令している。しかしながら、その漁船は何もサケ、マスばかりじゃないのであって、サンマや何かやる関係上、小さないろいろな油会社から借金もしてやっている。そういうことをこの際解決できなければ、小さな独航船の人たちは、限定された一つの独裁的な方針でやられるということは、非常に苦しい立場に追い込まれているので、これはあなたの方で一つ調査して下さい。こんな独占的だったら、日魯だけでなく、そういう船団を許すということは、僕ら賛成しませんよ。
  39. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 私の部下から報告を聞いております範囲におきましては、日魯は、ただいま申し上げましたように、燃油の購入を依頼してきた者に対して、たとえば本年は宮城県から出漁するものについて、そういうケースがあったそうでありますが、これに対して、いろいろな配給上の事情から判断して、出光興産に売り渡させる、こういうふうな措置をいたしたようでございます。しかし、一方的に付属独航船について出光興産と取引するようにという態勢をとっておらないように承知をいたしているのでありますが、なお、実情をよく調査いたします。
  40. 柴田栄

    ○理事(柴田栄君) 速記をとめて。    〔速記中止
  41. 柴田栄

    ○理事(柴田栄君) 速記を起して。
  42. 千田正

    千田正君 長官、今、総理大臣外務大臣が来て政府責任を明らかにしなければならないということをわれわれが要求しているのですが、オホーツク海の今後において漁業ができないということは、日本の一つの国力の減退だということを、われわれは考えざるを得ないのです。そうしてまた、百七十五度線という問題が片方に出てくるということになると、漁業をやる所がなくなってくると、われわれはそう考えるのですが、長官としての考え方を、一応聞いておきたい。資源保護ということだけで、国際法上の公海の自由のそうした漁業というものは禁止されていいかどうかということ、日本にとってはこれは重大な、日本の将来の死活問題です。この点については、長官としてはどう考えますか。
  43. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) オホーツク海のサケ、マス漁業の停止の問題に関しましては、そういう形で第二回の日ソ漁業委員会が取りまとめられましたことに対して、私ども事務当局といたしまして、実はこれは当初の論議の過程においては、全然予測をしていなかったことであるのであります。もちろん、この問題が今年必ず提案されるということは、これは昨年の経過から十分心組んでおったのでありますが、その際に、ソ連側の提案に対して、日本側の開陳いたしました論理は、今の段階において私がお断わり申し上げる論理とは非常に違ったものであった次第でありますが、しかしながら、今となりまして、そういうことでこの交渉をまとめざるを得なかったということに相なりました以上は、われわれといたしましても、ただ一つ申し上げますることは、オホーツク海のサケ、マス漁の停止ということは、それ自身、直ちにオホーツク海についての公海自由の権利を日本が放棄したことではないと、こういうことであるのであります。すなわち、これはサケ、マスの資源保護という観点から出ましたところのあの条約に基く規制措置でございまして、一方において公海の問題、あるいはカニ、底びきその他の漁業の問題についてのオホーツク海の出漁というものは、何らこれを制約されておる次第ではないのでございます。カニにつきましては、交渉によって妥結いたしましたところによって、すでに日本の船団は出漁をいたしておる次第であるのであります。そこで問題は、これがその他の国際漁場にどう波及するかと、こういう問題でございまして、西経百七十五度線の問題につきましては、暫定的な百七十五度線というものを、先ほども申し上げましたアジア、アメリカ系の鮭鱒を分つ線としてどういうふうに観念するか、もっと適当な線があるのではないか、こういう論議を今後とも繰り返していかなければならないのでございますが、それにつきましては、日本としましては、従来把握いたしました科学的論拠に基きまして、十分日本の主張するべきものを主張いたしたいと、かように考えるのであります。  また、アラフラ海の問題につきましては、これは大陸だなの問題であるのでございまして、問題の内容を全然異にいたすのでございますが、要するのに、日本としましては、それぞれの日本をめぐりまする国際漁場について、それぞれの漁場についての制限の内容等が異なっておるのでありまして、その内容及び論拠のそれぞれに対応いたしまして、ケース・バイ・ケースに漁場を確保する努力をいたして参りたいと、かように考えております。
  44. 千田正

    千田正君 これで私はやめますが、もう一点だけ。それで、漁期が近づいてきているのだから、サケ、マスの問題は、水産庁として方針がまとまりましたら、われわれが要求しなくても、当委員会に出てきて、こういうふうな方法でやるのだというくらいのことを、進んで開陳していただきたい。  それからもう一つは、あなた今オホーツク海の問題を言ったけれども、オホーツク海の漁獲の大宗というものは、やはりサケ、マスですよ。だから、現実に言えば、カニが入ったり、あるいはニシンが入ったりはするだろうけれども、その大宗のサケ、マスの漁獲というものは、今後やれないということは、とりもなおさず今後、日本の水産に対するところのいわゆる公海自由の操業権というものは、半分は減退したということは、あえて言っても差しつかえないのではないか、私はそう思いますので、そこで、この問題については外務大臣及び総理大臣との問に私は論争を操り返さなければならない。一応しかし、事務的な立場から言いますれば、漁期が近づいた、十一万トンになったのだと、これを流し網と母船式との問の漁獲量の歩合をどうきめるか、これは今日にもあすにもやらなければならぬことなんだから、ちゅうちょ逡巡しないで、あなた方の方針が決定したら、直ちに当委員会に報告してもらいたい、この点だけは強く要望しておきます。
  45. 東隆

    東隆君 今の鮭鱒の十一万トンの配分の問題が直ちに問題になると思うのですが、十万トンの場合にはどう、あるいは十一万トンの場合にはどうと、これは先ほど独航船の問題、船団の問題でいろいろ質問がありましたけれども、私は、国内でどういうふうに配分をされる心組みか、それを伺います。
  46. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 十一万トンの配分と申しますのは、今の流し網と母船付属独航船との間の割り振りの意味であろうと、かように了解するのでありますが、この問題につきましては、実は、両方の側から水産庁がどういう態度に出るかということについて、きわめて真剣なる関心をもって目下見守られておる次第であるのであります。そこで、われわれといたしましては、この問題はまっ先に役所のベースにおいてきめなければならない問題であるということも十分承知をいたしておるのでございまして、そこで、きめるまではできる限り慎重に、しかし、きめれば迅速に処理をいたして参りたい、かような気持をもちまして、目下いろいろな角度から、これが配分についての案を検討を重ねておりまする次第であるのでありまして、もちろん、そう申しましても、すでに出漁期はもう迫っておるのでございまするので、もう若干だけお時間の余裕をいただきまして、その内容についてのお話を申し上げる機会を得たいと、かように存じます。
  47. 東隆

    東隆君 私は、この際、先ほど陳情がありました狩野川放水路開さくに伴う漁業補償に関する陳情書、これは先ほど皆さんに陳情の趣旨をお話しされるはずでありましたが、ただ陳情するということだけお話しになった。その内容でありますが、少し中身を申し上げますが、これは静岡県の沼津市の中にあります狩野川の放水路を掘さくすると、こういうことによって、内浦湾沿岸漁民が、非常にその放水路のために損害をこうむると、そこで、それに対して建設省は補償を出したわけであります。二億五千万円ほどの補償を出しておるわけであります。ところが、その二億五千万円の補償の配分その他も実はわかりませんし、それからその後、その資金を漁業転換の方に使っておるようでありますが、その際も、内浦湾遠洋漁業協同組合というものを作りまして、そうしてマグロの漁撈をやっておるわけであります。ところが、この漁業協同組合ができるときにも、どうもあまりいい手続を踏んでおらないようであります。そうして、全戸に補償が配分さるべきでありますが、その場合に、ある特定の人間だけでもって遠洋漁業協同組合を作り、そして他の者からは無利息、無期限でもって資金を集めて、それでもって船を二そう作っておる、こういうような経過であります。従って、その遠洋漁業協同組合がやっておるところの仕事が、非常に不明朗である、こういうことと、それからその後、その遠洋漁業協同組合が、二そうの船を中心にして二つの組合に分れて、そうして二つ組合が申請をされておる、こんなようなことになっておるわけであります。その過程においてどういう問題が起きるかというと、沿岸の漁家は自分たちに配分になった補償金というものを、無利息で無期限で貸付をしておる、こういうような形で、特定の者だけでもって漁業協同組合を作っておる。そのために、利益が上っても配分をされることはない、こういうようなことになろうと思う。従って、これは非常に悪意に解釈をすれば、補償金を資本に、特定の人間たちが利益を上げるために遠洋漁業協同組合を作り、しかもそれが二つに分れて、そうして解散をして、借りたところの金を支払うところの責任者をなくしてしまう、こんなようにも解釈をされるわけですが、そういうような一連の形でもって、地元の漁業者が非常にその不明朗な態度に対して憤りを感じて、陳情をしておるというのがその中身だと、こう考えておるのですが、これに対して、水産庁の方では十分中身その他は御承知だろうと思いますので、水産庁の方でどういうふうにごらんになっておるか、そうしてどういうような指導をして参ったか、そういうような点を明らかにしていただきたいと思うわけであります。
  48. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) この問題は、私自身承知をいたしましたのは比較的最近のことでございます。そこで、その経過を、県を招致いたしましていろいろ聞いてみますると、確かに転換計画のアイディア自身は、これは了解できるのでございますが、これが漁業者に対しまする周知徹底、あるいは組合の設立の手順等に関しましては、確かに今紛糾が起るのもさもあらんかと思われるような経緯があるようでございます。そこで、県に対しましては、これが事態の収拾方を申しつけておるのでございますが、いろいろな事態の収拾方があろうかと考えます。しかし、とにかく遠洋漁協がここに発足をして、曲りなりにもどうにか経営が成り立っておる、こういう状況にございまするので、今の段階におきましては、県がさらに中に入りまして遠洋漁協の趣旨を一般漁業者に周知徹底させるとともに、定款の不備な点を訂正し、そして関係漁協の漁民を遠洋漁協に加盟さしていく、こういうふうなことをはかるとともに、従来の経営の内容をよく公開をして、関係者の理解を求める、こういうふうな措置をいたすのが適当であろうかと、かように考えておるのでございます。県の方におきましても、その趣旨で今後はさらに善処して参りたい、かように申しておるのでございますが、われわれとしましても、さらに県を督励して、適切にこの問題が解決するように努力いたしたい、かように考えております。
  49. 東隆

    東隆君 今の問題は、私も少し調べたところでは、全然方向が違うのです。それで、内浦湾遠洋漁業協同組合というのがまだできない前に、すでにもう船をこしらえてしまっておる。これは県が中に入ってこしらえたのだろうと思うのです。従って、その船を中心にして漁業協同組合を作るときに、その船は、その組合員が三千戸くらいある所で、特定の人が百十名でもって、しかも補償金から五十五万円という金を出して、それを出資金にして遠洋漁業協同組合をこしらえておる。他の金は、これは補償金を全部無利息、無期限でもって借りて、そうして船の代金を払っておるわけであります。そういう組合なんです。従って、その船を利用して利益を上げれば、その利益はどこへ行くかというと、百十名の人のところに入るよりほかに方法がないようになっておるわけであります。そういう設立がもうすでにこれは問題なんですが、今度は、その遠洋漁業協同組合が昨年の五月ごろ総会を開いて、解散の決議をしておる。そうして十月には実質的に解散をしておる。そうして、船を中心にして二つの組合を作って——静浦丸というのと富士浦丸という二つの船を中心にして二つの組合をこしらえて、それを県に申請をしておるという、こういう事件なんです。だから、今お話しになったのは、その前のもう実質的にはつぶれた遠洋漁業協同組合をもり立てていこうというお話ですが、その間にだいぶ食い違いがあるわけです。そこで問題になってくるのは、水産業協同組合法の七十五条に、これは清算組合に入っているのですから、「清算人は、組合の債務を弁済した後でなければ、組合の財産を処分することができない。」、こういう条文がありますし、これは非常に違法の行動をとっているわけですね、そういうふうに私は考えますが、水産庁の方でお調べになったことがないのですか。
  50. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 漁政部長が県の水産課長を招致いたしまして調査をいたしましたところによりまして、私、お答えを申し上げたのでございますが、われわれ実は、その遠洋漁協が解散したということは、今初めて承わりましたのでございます。そうでありますれば、    〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕 それなりに、それに応ずる事態の明朗な収拾策というものを、県を指導してはからしめるということに努力をいたしたいと、かように考えます。
  51. 東隆

    東隆君 これは県庁並びにそれを取り巻いておる人々が、私は非常に不明朗なものがあったと思うのです、この遠洋漁業協同組合をこしらえるときに。それで、県庁がその後におけるところのことをひた隠しに隠されておる事情がよくわかると思うのです。これはそのままでいきますと、法律違反になりますし、いろいろな問題が出てくるのですから、そこで水産庁の方にはきわめて形式的な報告をされておると思うのです。これは建設省が最初に転換資金として二億二千二百九十五万一千円、これを漁業転換に対する補償金額として出しておる。それから飼料イワシ畜養業に対する補償金額として二千四百九万三千円、それからイワシ製造加工業に対する補償金額七百六十三万三千円、この合計が二億五千四百六十七万七千円になる。これが補償額になるわけです。この補償額を二十八年から三十二年度までの間に、一定の所でもって分轄して補償をするように、建設省と静岡県の知事の斎藤寿夫という人との間に、契約が成り立っておる。そうしてこの船をこしらえる金は早く先に出て、そうして県庁の方からもう直接船の代金を払っておるような形になっておるわけです。そうしてしかも、聞いたところですから正しいかどうかわかりませんが、漁民が無利息、無期限でもって金を遠洋漁業協同組合に貸すはずがないのであります。そこで聞きますと、どういうことになっているかというと、例の駐留軍が演習をしたり何かすると、よく補償金が出たそうであります。そういうようなことで、組合長が判こを持って来いというので、判こを持って行ったところが、どうも判こを押したらしい。こういうふうに言っております。それで、最初から漁業家をだまして、そうして遠洋漁業協同組合に補償金は無利息、無期限で貸します、こういう判こをつかして、そうして資料を集めて、そうして事業が始められた、こういうのが中味じゃないかと思う。それで、これは非常に問題があると思う。しかも、配分の問題等についても、非常に影響のないようなところにはたくさんお金がいっておるというようなことも聞いておりますし、たとえばそこに有力者がおると、そこのところにはたくさんお金がいっているとか、あるいはまあいろいろな問題がこう錯綜しているわけで、従って、こういうふうな問題は、もうだいぶ前から起きておった問題なのでありますが、私どものところに最近こういう話が伝わって参ったので、これは容易ならざる問題だと、こう思っておるわけであります。今お話しになった以上、水産庁の方ではお話しになるようなその中味はございませんか。
  52. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) もちろんどういういきさつでこれができたか、それから補助金額が一体どれだけの額で何年間に払われたとか、それから漁船の建造がどんなふうに進められたかとか、まあそこら辺のところについては、私は先ほど申し上げました以上のいろいろな事案も承知はいたしております。しかし、まあ大体の大筋は、ただいま先生のおっしゃられた通りであろうかと思うのであります。それで、まあ補償金が出ますときに、これを各人に配ってしまって、そうしてそのまま消費的な用途に使われるということよりも、これで建設的な何らかの投資、ことに従来沿岸の小さな漁業をやっておりました内浦が、マグロ漁業に転向していくというふうな考え方自身は、これはわれわれもわかる考え方であるのでございます。しかし、それにいたしましても、これに関係の五つの組合のやはりそれぞれの創意の上に立って、十分組合員が理解をしてやらなければならなかったことであろうかとも存ずるのでありまして、また、この百十名の遠洋漁協の組合員というのは、一応五つの単協の代表者と、こういうことになっておるようでございまするが、しかし、代表者として選定する何らかのその手続が十分にとられたというようなことも明らかでないのでございまして、従って、今となれば、こういうことについての紛糾が起るのも、さもあらんかと、かように存ずるのであります。多少その遠洋漁協が解散をしたとかどうとかというようなことについて、われわれの知っておるところも、お話と違う点もあるのでございますが、どちらにいたしましても、この問題はこれなりに、何らか事態の収拾をはからなければならない問題であるのであります。おそらく、今そこで紛糾を起しておられる方々も、今ここでカツオ、マグロ船をどこかへ捨ててしまえばいいというお考えじゃないだろうと思うのであります。引き続きこの村の営みといたしまして、そういうマグロ漁業が、村民が乗り込んで行われるということに熱意こそ感じられ、これを換金して分けてしまおうとかというような単純なお考えではないだろうと思うのでありまして、そうとすれば、そこに何らかの事態収拾の考え方がおのずから出てくるのではないかと、なお、県をよく指導いたしまして、この問題をさらに円満に片づけるように努力いたしたいと存じております。
  53. 東隆

    東隆君 この遠洋漁業協同組合を組織しておる人たちが、どういうことを考えておるかというと、無利息、無期限でもって借りたものに対して、金を支払いさえすればいいじゃないか、こういうような考え方を一部の者が持っておるそうであります。従って、その金を払ってしまえばどういうことになるかというと、遠洋漁業協同組合という一つの株ができてしまうわけであります。一つできて、そうしてそれが今後船を持ち、そうしてどんどん仕事ができると、こういう形になって、その組合員だけでもって利益を配分してしまう、こういう形ができてくるわけであります。四年、五年たってくるというと、そういう形ができてきてしまうわけであります。無利息で無期限の金を借りて、そうして沿岸漁民の犠牲において、特定の者だけが利益を上げるという、そういうような組織ができてくるわけであります。ですから、これは非常に間違った考え方だと思うので、これを是正して、そうしていろいろの方途をこれは講じなきゃならぬし、その間に変な動きがあったら、これはいわゆる究明をしていかなきゃならぬ、こういうふうに考えるわけでありますが、これは委員長、実は会期がこういうような状態になっておるので、この問題に対して、私はもう少し真相をはっきりさせなければならぬという問題と、それから今のわれわれがわかった程度のものでも、これは相当てこ入れをして直さなければならぬ問題じゃないかと思うのです。そういうような関係で、水産庁の方から相当力を入れていかないと、この問題は解決がつかない、こういうふうに考えておりますし、これは先ほど継続審議のことも決定をいたしておりますから、適当な機会にこの問題を取り上げるとともに、水産庁の方で十分に調査をされて御報告を願う。その結果によって、地元の人、その他来ていただくようなことも起きてくるのではないかとこう思いますが、そういうような解決方法を、一つ委員長の方でお取り上げを願いたいと思いますが。
  54. 北村暢

    ○北村暢君 ただいまの水産庁長官答弁では、県を指導して円満な解決をさせるように努力する、こういう御答弁ですけれども、実は、東委員からもその内容について言われておりますように、実際補償を受くべき非常に多数の漁民が、いまだに補償を受けないで、一部の人にその補償が繋断されておる、こういう問題なんですから、円満に解決するということになりましても、今まで使いました補償額について、再配分をするというのかどうかということが非常に問題なわけです。すでにその補償額の金が使ってあるとするならば、これは再配分するとすると、非常に問題が起ってくるわけであります。ところが、この事件のいきさつから考えまして、非常に現在被害を受けている大多数の人に相談がなかったという事態もあるはうですから、非常にこの物事の進み方が公明ではなかったということだけは、もうはっきりしておるのです。協同組合なり何なりがやっていることであり、一面においては漁民の意思を代表したかのごとくに行われておる問題であります。従って、残された人は、実は非常に無力な、力の弱い者が残されておるのです。今後、円満な解決をするといった場合に、この無力な者が、いわば、何といいますか、非常にボス的なあるいは権力的なものでもって押えられてしまう可能性というものがあるのであります。従って、この円満な解決ということが、簡単にはいかない問題なんであって、あくまでも農林省はそういう生活権を奪われるような多くの漁民の生活ということを考えるときに、簡単な解決というものは望まれないので、水産庁としては、あくまでも漁民の権利というものが保障されるような形において、私はやってもらわなければならない、こういうふうに思うのですが、水産庁として、円満な解決をすると、こうおっしゃっておるのだが、具体的な解決策としては、どんなことを考えておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
  55. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 二隻のマグロ船が、この内浦の漁業関係者の企業として引き続き運営されるという前提でものを考えるのと、あるいはこれを他に処分をして、そうしてその代金を従来補償を実質的には受けられなかった方々に及ぶように配分するという考え方と、二つの考え方の出発点があろうかと思うのでありますが、私たちといたしましては、せっかくここまでそのマグロ船の経営がとにかく継続されており、しかも、十分成績を上げておるとは申し上げかねるのでありますけれども、一応経営としては軌道に乗りつつあるようであるのでありまして、従って、これを引き続き内浦一帯の仕事として残す。こういう前提でものを考えるべきではないかと、かように考えるのであります。そういたしました場合におきまして、いろんな考え方があると思います。たとえば五つの漁業協同組合の連合会を作って、連合会としてこのマグロ漁業の生産事業を行う、こういう考え方もあろうかと思うのであります。しかしまた同時に、今の遠洋漁業の構成員を全然考え方を改めまして、そうして真に補償を受けるべき者がその構成に参面するというふうな形に改組していく、こういうふうな考え方もあろうかと思うのでありまして、県の方は、今のあとの方の考え方をとっておるように承知をしておるのでありますが、しかし今、東先生のお話によりますと、遠洋漁業はすでに解散したのだと、こういうお話でありますので、それならばそれで、またそれに応ずる真に補償を受けるべき方々がその経営に参画するというふうな、そういう改組の仕方というふうなものを、しかも現地にしこりを残さないように、また、現在ある程度のしこりがあれば、それをもみほぐすように努力をしつつ解決をしていくということではないかと、かように考えております。
  56. 千田正

    千田正君 議事進行。この問題は、長官がいろいろ御説明になっておるけれども、東委員質問したように、長官が聞いておられる点よりは、だいぶ話が違うようですから、あなたの方としては、県庁なり何なりを呼んで調査する必要があるかもしらぬ。そうして最もよき方法でやられればいいけれども、まずかった場合として、やはり当委員会としては陳情を受けておりますから、場合によっては参考人なり何なりを呼んで、実態を把握しなきゃいかぬと思いますが、そういうことをする前に、十分あなたの方で調査して、一応御報告願いたいと思います。
  57. 北村暢

    ○北村暢君 今の千田さんの議事進行、私もいいと思います。すみやかに水産庁は実態を調査されて、報告していただきたい。このことを私も要望しておきます。特別国会の早い機会に、一つぜひなにしていただきたいと思います。
  58. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) ただいま御意見の出ましたように取り運ぶことにいたしたいと考えております。
  59. 東隆

    東隆君 今の、特別国会というわけじゃなくて、選挙後に、継続審議もやることになっておりますから、われわれの方は、一つできるだけ早く農林水産委員会を開いていただきたい、こう思うし、それに一つ水産庁の方も詳細な報告を願いたい、こういうふうに考えます。
  60. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) その点、理事会でとくと相談いたします。
  61. 千田正

    千田正君 先般、横浜市の磯子地区における漁業権の問題に関連しまして、国鉄が土地収用法に基くところの指令を出したと言うのですが、これに対し、大臣は出した覚えがないと、運輸大臣はそういうことを言うておるのですが、実際は出しておる、この面が明確になっておらない。本来ならば、大臣が来てここで釈明すべきでありますが、きょうは建設局長が代理で来ておるのでありますが、その点をはっきりしてもらいたい。
  62. 今岡鶴吉

    説明員(今岡鶴吉君) 根岸線の調査は、三十二年度に予定されておりましたので、早くから県、市と打ち合せをいたしまして、二月の中ごろにいわゆる土地収用法の十一条、十二条という立ち入りの通告と告示という手続を踏みまして、地元との打ち合せの結果、三月一ぱいに測量を終っております。土地を収用するということではなく、事業の準備のための測量のために立ち入る、そのための告示を出していただく、こういった手続をとっております。
  63. 千田正

    千田正君 あなたは、今そういう説明をされておりますけれども予算委員会において大臣並びに国鉄当局は、今まで国鉄の施設をする場合に土地収用令等において調査並びに立ち入ったことは、かつて鉄道敷設以来そういうことはありません、こういうふうにはっきり言っておるわけです。私は重ねて問うたのですが、それに対し、絶対にそうした覚えはありません、やっておりません、と重ねて明言しておりますから、これは議事録をごらん下されば十分にわかる、それを、あなたはこの場合においては、実際やっておるということでしょう。
  64. 今岡鶴吉

    説明員(今岡鶴吉君) やっております。
  65. 千田正

    千田正君 だから、大臣は食言したということです。大臣自身が取り消さなければ話にならないのです。そういうことをやっておるのだから、実際はやっておるなら、そういうことを、前に予算委員会で釈明した点は間違いであったということを、はっきりしなければなりませんよ。あれは議事録を消さなければならない問題ですよ。大臣は運輸省を代表して、国鉄総歳は国鉄を代表して、かつて日本国有鉄道は今まで鉄道を敷設する場合において、土地収用令等において調査もしくは立ち入り等をした覚えはありません、今後もやる意思はありませんということを明言しておりますから、多分三月二十五日かの議事録をごらん下さい。あなたの方としては、それは間違いであった、こういう意味で釈明したのですか、どうなのですか。
  66. 今岡鶴吉

    説明員(今岡鶴吉君) 土地収用法で土地を収用したことは大体にない、そういったように鉄監局長は申し上げたのではなかろうかと思うのです。測量のためには、従来からこういった手続を常にとりまして……、しかし、これはあくまでも広い範囲の測量をいたしますので、告示をお願いする、これは土地収用法十一条、十二条に従来から準拠しておりましたので……、なおその上で、当日あるいは前日、立ち入りますときには、十分関係者が所有者の方に御了解を得てやっておりました。そういった点で、鉄監局長の言われた収用法を適用しなかったというのは、測量の場合には、ちょっと間違っておると思います。
  67. 千田正

    千田正君 あなたはそれはそういうことでいいでしょうが、なぜこの問題を農林委員会でわれわれが考えなければならないかということは、あなたはあそこで了解を得たとおっしゃるけれども、あそこの磯子地区における漁民一万数千人は、これに対して反対をしておるのですよ。漁業権の問題が解決しない限りは、鉄道を通してはもらいたくない。こういうことで、漁民大会を開き、あるいは市民大会を開き、横浜市としても、漁民に泣きを入れて、了解をした後でなければ、調査も、それから立ち入ってもらうようなことはやりませんということを、当委員会において、その当時証言しているのです。それにもかかわらず、あなたの方じゃそういう調査をするということになると、何も知らない漁民からいえば、土地収用令でもかけられるのじゃないか、こういう非常に恐怖感を覚えるのです。そういうわけで、われわれの方に陳情に来ているわけです。あれはやはり憲法上の問題とか、いろいろな問題が起きてくるので、国鉄としてあれを調査することはいいでしょうが、これを施設する問題については、あの補償の問題を解決しなければできない問題です。これをよく飲み込んでやっているのかどうか、その点どうなんですか。
  68. 今岡鶴吉

    説明員(今岡鶴吉君) 調査の段階におきましては、海岸地区には漁業組合等の関係がまだ解決をしていないので、調査を延ばしてほしいということを、市長それから工事局長の間で打ち合せまして、了解がついたので、調査だけはやってよろしい、こういうことになりまして、測量も市街地側と海岸側と、二回に分けまして告示を出しまして、大体了解をいただいたということで、測量を終っております。今後建設いたしますときも、その間のことは十分考慮に入れまして、無理のないような建設方法をとりたいと考えております。
  69. 千田正

    千田正君 これはいろいろな問題が起きてくることは、十分承知されて、かりに補償の問題が起きた場合においては、国鉄ではその補償の責任に出るのですか、それともやらぬつもりですか。それはどちらなんです。
  70. 今岡鶴吉

    説明員(今岡鶴吉君) その点は、まだ何とも申し上げられませんが、いずれにいたしましても、市と漁業組合あるいは市と国鉄、漁業組合と国鉄、こういった関係で、十分考慮いたしたいと思います。
  71. 千田正

    千田正君 それで、きょうの釈明は、大臣としての釈明じゃないと思うのですが、あなた個人の釈明ですか、さっき冒頭におっしゃったのは。これは大臣は間違いなら間違いであったということを言わなければなりません。国会会議録に載せているのですから。それをどういうふうに運輸省としては取り扱うのか。私が重ねてそういうことがあるかということに対しては、絶対にそういうことをやりません。ありません。土地収用法に基く指令を出した覚えもありません、こういうことを言っておられるわけです。実際は、あなたのおっしゃったように、やっておるわけです。そうすると、大臣は前言を取り消さなければならぬわけです。そういう意味で、きょう、あなたが出て来ておっしゃっていられるのか、どうなんですか。
  72. 今岡鶴吉

    説明員(今岡鶴吉君) その点は、運輸大臣と相談いたしておりませんので……。
  73. 千田正

    千田正君 それは運輸大臣と相談して、大臣の前言が間違いであったから取り消すと言うのならば、あなたの今の言ったことが生きてくるわけです。その点を十分伝えていただいて、はっきりしていただきたい。しかし、それは実際は測量しているという、こういうわけですね。
  74. 今岡鶴吉

    説明員(今岡鶴吉君) しております。
  75. 千田正

    千田正君 わかりました。
  76. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中正〕
  77. 重政庸徳

  78. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 議題に追加して、請願議題にいたします。この件に関し、過日四月十六日までに付託された分について御審議をいただきましたが、今日は、その後四月二十三日までに付託されましたものについて、前例に従い、懇談によって御審議をいただきます。  速記をとめて。    〔速記中止
  79. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をつけて。  ただいままでに御審議願いました請願第千七百四十二号ほか七件につきましては、いずれも議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これをもって散会いたします。    午後四時十二分散会