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1958-02-07 第28回国会 参議院 農林水産委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月七日(金曜日)    午後一時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     重政 庸徳君    理事            柴田  栄君            藤野 繁雄君            清澤 俊英君            鈴木  一君    委員            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            田中 啓一君            田中 茂穂君            仲原 善一君            堀  末治君            堀本 宜実君            安部キミ子君            東   隆君            大河原一次君            河合 義一君            北村  暢君            梶原 茂嘉君            北 勝太郎君            千田  正君            北條 雋八君   国務大臣    農 林 大 臣 赤城 宗徳君   政府委員    農林大臣官房長 齋藤  誠君    農林省農地局長 安田善一郎君    農林省振興局長 永野 正二君    水産庁長官   奧原日出男君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査の件  (農林水産基本政策に関する件)   —————————————
  2. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産横政策の件を議題にいたします。  この件について、昨日の委員会における赤城農林大臣説明に対して、質疑の申し出がありますので、これから御質疑を願うことにいたします。
  3. 清澤俊英

    清澤俊英君 大臣にお伺いをしますが、先般の本会議における施政演説の際に、亀田君その他が、これからの食管中心にしました米の統制を、撤廃するかどうかというふうな質問に対しまして、河野企画庁長官並びに主務大臣農林大臣は、同じ意味合いにおいて、米の統制は当分継続して、やめない、こういう御回答があったので、これは非常に喜んでおりますが、ただし、その理由としての説明が、私の聞き違いかどうか知りませんが、たまたま、今、食管制度改正して、米の統制を撤廃するには、多額資金を要して、そうして将来の米価変動等に備える備蓄米用務米等の積み立てが相当に用意されなければならぬので、資金関係からもできない。こういう御答弁であったと思うのであります。私は、これに対してお伺いすることの第一点は、そういう資金的な余裕ができていきますれば、統制を撤廃するのかどうかという点と、その次は、私の意見になりますが、私は、少くとも米の統制は、そういう力がかりにできても、撤廃すべきでないという見解を持っているのであります。と申しますことは、最近連続豊作である、この大臣説明の中にもあります通り、それによって一割方の外米の輸入を防止し得た、減らし得たというようなことが明らかになって出ておりますが、これは一つは、ただ増産だけではなく、食糧総合対策等効果もありましょうが、私どもの今まで受けておりました印象としては、この豊作裏づけとなるものは、上地——農地解放による制度効果と、それに、米価が、とにかくいろいろ不満はありますが、安定していることであります。これを基本にして、技術指導あるいは十地改良等、いろいろ総合せられた技術上あるいはその他の要因を加味して増産せられ、凶作時の豊作を確保せられた。それは農薬もありましょうし、あるいは肥料が充実したこともありましょうし、農機具等の資材の充実もありましょうし、いろいろの要因はありましょうが、基本としては、やはり米価の安定と農地解放主軸だと、こう考えます。そうしますと、その主軸をずっと続けて、そしてまあ日本の国の農業生産品の主力をなす米の価格の安定をはかりつついきますことが、最も適切な方法だと私は考えております。従って、先日の御答弁だと、何かそこに一まつの不安がありますので、その点に対する大臣の御見解一つお伺いしておきたい。
  4. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 今、本会議での私の答弁を御引用なされましたが、あのときも今も変っておりませんが、二つあったわけであます。一つは、現在の統制というものが、生産者立場から見れば、一定の時期に一定価格生産者が米を売る。これは農家経営の上におきまして非常に安定していて、投機性がなくてけっこうだと、そういう意味生産者にとっても今の制度継続していく方がいいのだ。もう一つは、消費者にとりましても、消費者側配給の、基本配給、あるいは希望配給の日数は少ないでしょうけれども、そういう配給のてこがあるということは、消費者にとっても、一つ安定線を確保してあるわけで、こういう意味において、予約売り渡し制度というようなものに基いての、今の統制継続をしていくのが適当である。こういうふうに考えております。それで、もしこれを撤廃するということになると、ということで第一段のお話をしたわけでありますが、非常に自由にして、最高価格とか最低価格というものを設けた場合をかりに予想しましても、米を自由にしておいて、いきなり米が安くなったときには、生産者に非常な害を及ぼすから、その場合は政府相当資金を持っておって、大量に政府買い上げるということで調整しなければならぬし、また、消費者の方で、米が非常に高くなって、米騒動が起きたこともありますので、そういう場合に、政府相当手持米を持っておって、それを放出していくというようなことをしなければならぬけれども、そういうことはちょっとできない。そういうことから考えて、今の生産者立場からいっても、あるいは消費者立場からいっても、今の統制を続けていくということが適当である、こういう見解で申し上げたのであります。多額資金が用意できるかということは、かりに統制を撤廃した場合は、そういうことになるだろうけれども、それは非常に困難なことである、こういう意味で申し上げたのでありますので、結論といたしましては、現在の制度を続けていくのが適当である、こういう見解を持っておるわけであります。
  5. 清澤俊英

    清澤俊英君 よくかわりましたが、それで、今言われたような御趣旨だとすると、将来において統制の問題がいろいろまた問題になると思いますが、結論として、場合によっては、増産が続けられるならば、その造産差額というものから、幾らでもないと思いますが、二重価格制等を本気に確立してそうして増産によって、一般会計から回す、それらのものを埋め合せるという考え方が、当然出てもいいと思っておるのです。非常に困難のあるものを何かそこに……。今の格好でいきますと、今の食管あり方統制の存続というような問題に対して、何かしらまだ種々不安がつきまとう。そういうことはいかぬから、結局、今申しましたように、いろいろの要素がありますから、従って、大臣が言われるような意味合いならば、はっきりと、増産をしてそうしてそういうことがだんだん明瞭になってきておるのでありますから、従って、場合によったら二重価格制等で、食糧の問題ぐらいははっきりさせるというような線が、もう一番大事なところがきまらなければならぬと思う。こういうことが、どうもいつもふらついて、大臣のところにいくと、そのときには、どうも多額資金が要るから当分まだこの制度を守っているのだというようなふうに、最後のところがぼやかされておるのが、非常に残念でありますので、大臣にそれを突き詰めて御回答を願うことは無理かもしれませんが、私は、できるならば、将来において増産の進度のあり方等によっては、そういう議論が成り立つと思うのです。そういう場合には一応二重価格制を採用して、食管制度を続けるのだ、このくらいのお話をお伺いすることができれば非常に幸いだと思っております。国務大臣赤城宗徳君) 今のようなお話も、もっともだとは考えておるのでありますが、食管会計の経理から申し上げまして、食管に出た赤字を決算じりでこれを埋めるか、あるいは初めから予算に計上して、そういう制度として埋めるかということは、非常に問題があったわけであります。そこで、今度食管特別会計改正いたしまして、どちらにしてもなかなかやり方が適当でないので、実は調整勘定部門別に分けて設けたのでございます。三十二年度の補正予算において御審議願うことになっておりますが、また一つ調整基金というような制度を設けました。これは損失を填補するとか何とかいうわけではありませんで、食糧管理特別会計を合理化する、健全化するという建前から、調整基金という制度を置いたのでありますが、この調整基金は、もちろん健全化のための運営基金であります。運営基金でありますけれども、その基金を置いて、食糧管理会計利益を生じたという場合には、それを基金の中に積み立てるし、また、損額があるとか、こういう場合には、その基金を取りくずしてこれを埋めていく、こういうような制度を置いたのであります。これは、直接目的として赤字を補てんするということではないのでありますが、あくまで食糧管理会計健全化を目標として、そうして調整基金を置いたのでありますが、その結果として、当然今のように損額が出て、赤字を生じた場合には、これでくずしていく、また、くずさない場合もあります。くずすことを得ということになっておりますから、くずさない場合には、単独法律を出しまして、それを補てんしていくという道も開けておるのでありますが、そういう制度を今回新しくきめまして御審議を受けることになっておりますので、御趣旨のようなことにある程度沿うのではないか、かように考えております。
  6. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 関連して。今お話しになりました米の統制に関する本会議田村議員質問に関連しての問題であります。あのときの田村議員質問は、統制継続するかとか撤廃するかとか、そういう問題には触れておられないのであります。簡単でありましたけれども、現在の実情は相当多くのやみがある、長年統制継続して、この段階においてもやみがきわめて多い、  一体こういう状況でいいのですか、こういうのが質問の要点でありまして、従って、統制を撤廃すべしということを意識してのあの質問ではなかったと思うのです。ところが、それに対する御答弁で、河野国務大臣の御答弁も、また農林大臣の御答弁も、その質問を受けて、統制継続するのだという答弁をされておるのであります。質問答弁の間に私は非常に食い違いがあったと、すぐあのときに感じておったのであります。統制の撤廃あるいは継続、この基本的の問題はしばらく別として、たとえば、現在の直接配給制度のもとで、十四日配給が確保される、それ以上は現行食管制度においては、消費者は米を食うことを法律上とめられておるのであります。禁止されておるのであります。食ってはいかぬ、消費規制立場で。そういう制度でありながら、十四日の配給すら、一カ月の間に一日も配給されておらない所も御承知のようにあるわけであります。反面において非常にやみが多い。こういうのを何とか改善する工夫がありはしないかということが、あの質問の中に入っておったかと、私は思うのであります。言いかえれば、基本的に統制を撤廃したらどうかということには、触れておらなかったかと思うのであります。その点を、あの質問が引用されましたから、大臣のお考えを承わりたい。もちろん、あのときは大臣は、河野さんと違いまして、代表者集荷なり匿名集荷を早期にやり、やみの防止といいますか、やみに対する対策も実行しつつあるのだという趣旨を付言されて答弁されたと思うのであります。この点は非常にけっこうだと思うのでありますが、別の機会にまたお伺いするかと思いますけれども、一応この際、お伺いしておきたいと思います。
  7. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お話のように、あのときの御質問趣旨は、余剰米対策についてどういうふうに考えるかということだったと思います。それにつきまして、私ども考え方といたしましては、これが自由販売ならばこういう問題は起きないのであろう、しかし、今統制をしておるのでそういう問題が起きておるんだ、そこで、組制というものをやめてしまえば、これはそういう余剰米対策とかいわゆるやみという問題もなくなるだろうけれども、しかし、そういうことはしたくないのだ、やっぱり統制は続けていきたいのだ、こういう前提のもとに申し上げたのであります。そういう制度を続けていくということになりますれば、これに伴う余剰米に対して、いろいろ問題があるわけであります。しかしながら、それにつきましては、あのときに申し上げた通り、私どもといたしましても、極力余剰米政府買い上げルートに乗せたいということで、二千七百万石の買い入れ予定でありましたが、それも産千百万石ぐらいに今なっておりましょうか、そういうふうに政府買い上げをしておりますし、またそのほかに、あの余剰米が流れておるというようなことに対しまして、余剰米対策として、いろいろ案があるようであります。案がありますが、政府が買って、そうしてこれを配給ルートに回していくというような根本的な問題をくつがえすような制度でありますというと、よほど検討をしなければ、この制度がくずれるおそれがありますので、そういうくつがえすような余剰米対策については、相当研究をしなければ、そういう方法でやるということは言い得ない。また、なし得ない。現在といたしましては、政府の買上げをより多くしたい、ことしの予算におきましても一千九百万石を予定しているし、また、現在の買い入れにつきましても、また、今お話のありましたように匿名売り渡しとか代表者売り渡しというようなことを、昨年よりも一カ月ほど早目に、こういう方法をとってやっておるのだということを申し上げたわけであります。今お話のように、余剰米対策につきましては、いろいろ複雑な事情もあり、問題もあるのでありますが、現在といたしましては、そういう方法によって、極力政府買い上げを多くし、配給ルートに乗せていくということでやっておるような次第でございます。なお、余剰米対策につきましては、さらに検討を続けていく考えであります。
  8. 清澤俊英

    清澤俊英君 この問題は、なお詳しくお伺いしたいと思いますが、あとで、今の調整基金等中心にした関係法案が出ると思います。それを通じて、またいろいろお伺いしたいと思いまして、この問題は、これで打ち切っておきます。  次の問題を二つお伺いしたいのは、最近、これは端的の話ですが、農民青年建設隊というのですか、ああいったような4Hクラブのようなものがたくさんありますが、ああいう青年が時たまわれわれと懇談会などを開きます際に、いろいろそこで研究したり指導を受けておりまするが、大体一反増収はどうなるというような話で、始終進められておるが、われわれとしては、それだけをやっていたってどうも希望が持てない、こういうことを言うのですが、いろいろやってみたが、まあやることはやったのだ、大体の常識だけは教えてもらったが、ただ一反増収ぐらいのことを考えていては、先行きは希望が持てない、よくよく聞いてみますると、作った品物が、市場等から比べると、市場のは上っていく、自分のは下ってくるというような、非常な矛盾したものを感じるので、一体これから直さなけりゃ問題にならない、こういう空気が最近非常に強くなりますと同時に、あるいは畜産であるとか乳牛であるとか、あるいは青果物、海産物等には、ことにその矛盾が増大して出て参りまするので、従って、この予算の中で、いろいろ、いまだかつて流通に封する施策としての経費が、これだけというようなものは、きわだって見たことがありませんが、本年の大臣説明の中には、きわだってそういうものが数カ所に出ていると思うのであります。非常にこの流通問題に関心を持たれて、予算幾らかでもつけられたことについては欣快にたえませんが、私は、今予算に盛られているような方法だけでは、とうていこの難問題は解決し得ない。大きく申しまするならば、配分機構改正にまで立ち至らなかったならば、完全な解決には至らないが、それは、今の段階においてすぐそこまで持っていくということは無理であろうと思いますが、従って、少くともそこに近寄る方法として考えられるならば、あるいは冷凍施設を拡充するとか、あるいは貯蔵倉庫をどうするとかというようなものに、いま少し考慮を払われた大量の予算が組まれていかなけりゃならぬと思うし、まあ幸いにして中央卸売市場法改正というものが、まだ原案を認めませんが、あの法律改正ども、思い切った法律改正されて、そうしていくことも望ましいと思いますが、それは関係法案の出ました際に、十分審議したいと思いますが、大臣にお伺いしたいのは、この、今盛られたような価格安定と流通のためのいろいろの予算で十分であると、こう考えておいでなのか。これはほんの鼻先を打っただけであって、こんなものではとうてい所期目的を達し得ない、こうお考えになっておるのか。その点を一つ。あまりこまかしいことは時間の関係もありまするから、ごたごたとお伺いしませんが、そういう大ざっぱの点でお伺いしておきたいと考えるのです。
  9. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 流通関係は、何分にも非常に複雑でありまして、この政策をとれば、この方途をすれば、すぐにきまるというわけにもいきませんので、なかなかむずかしい問題かとも考えております。しかしながら、今もお話のありましたように、せっかく作ったものが、値段の方にたたかれたり何かして、希望を失うようなことでは、まあ一日に言えば豊作貧乏というようなことになったのでは困るというふうなことで、流通対策につきましても、省内に流通対策委員会を置さまして、いろいろ案を練ったのであります。本年度の予算につきましても、牛乳とかあるいは繭とかあるいは水産物等につきましても、魚類が季節的に集中するので、農業協同組合系統利用促進をはかるというようなことで、予算も計上しておるのでありますが、その他、流通一般につきましては、やはり前々から申し上げましたように、共同販売体制の強化とか、あるいは市況その他の市場向き速報機構ですか、市場経済状態を速報する機構も整備していきたい。あるいはまた、生産者間の出荷調整組織の確立、こういうことを考えて、額といたしましては思うようでありませんが、それぞれ予算をつけておるわけであります。なお、中央卸売市場にも丸東の問題などもあり、その他いろいろ問題がありますので、これに公共性を持たして、生産者に迷惑のかからぬようにというようなことで、中火卸売市場法改正も、追って提案するわけであります。お話のように、十分というふうにはとても私も考えておりませんし、また、これによって流通対策が完備するというふうにも考えておりませんが、ともかくも流通方面に芽を出すといいますか、そういう方面に力を入れるというような方向へ持っていこうということで、それぞれ十分とは申し上げられませんが、これに対する予算裏づけなどをして出発をする。こういう状態であります。
  10. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは非常な重要な問題で、せっかく燃え上る増産意欲が、ここで一つ間違えますと、あと戻りをする、かえってあっと戻りをして、農林省だけを農民は恨む、そして、それを復活していくにまた数年かかるというようなことで、非常な重要性ある問題ですから、従って、今不十分なからという御説明がありましたが、私は全く不十分であって、所期目的は達し得ないのじゃないかと、こう考えられます。またそう研究もしておりませんから、はっきり申し上げられませんけれども、私はそういうふうに考えておるので、それを一つ間違ったら、豊作貧乏くらいのことではなく、増産意欲を阻止して、混乱に陥らす、こういう非常な危険性を持つ問題でありますので、幸い中央卸売市場法やあるいは価格安定法等に関連しているものが出ました際に、なおよく質問することにして、これはこのくらいでやめますが、そういう観点に立って、そういう場合には、一つ農林大臣一はだ脱いで、完備したものに仕上げるようなお考えを願いたいと思います。この問題はこれで打ち切ります。  その次にお伺いしたいのは、土地の問題でありますが、これはときによりますと、地方的な問題に取り上げられるかもしれませんが、考え方によっちゃ、非常に大きな問題だと思うのであります。と申しますのは、石狩川であるとか利根川であるとか信濃川というような大河の地勢がだんだんと完備して参りますと、従って、河川敷というものが広大なものになってくる。たとえて申しまするならば、これは新潟県の私の地区にあります大河津の分水ができた。分水以後、下流におきましてはほとんど洪水らしい洪水は起きておりません。それが今までは約七千立米以下で流しておったのを、今度は九千立米か何かにかさ上げをして、信濃川の方へ洪水時の放流をやる。そしてなお今度は、洪水というものはほとんど想像できないものができ上ります、従って、河川敷としましては、既墾地はもう数千町歩でありますが、なお未墾地として残るものでも、県の調べでは千二百町歩、こう言っておるのでありますが、私どもが見たところでは、これは大ざつぱのことになりますが、そういう河状整理等ができますと、旧河川が残る、河川敷が残る、そういうものを埋め立てて参りますと、少くとも二千町歩から三千町歩できるのじゃないかというのが、これは一般の見方であります。こういう大きなものができた場合、今までのその河川敷利用は、そういう治水事業等の起きない昔の堤防、昔の河川状態における法律が全部生きておる。そうして川のまん中に河川敷地が残っておったり、あるいはせっかく堤防を作っても、河川敷地外、結局すれば、堤防の内方にそういうものが残って、非常に妙な形のものが残っておる。あるいは今までの習慣によりまして旧習慣によって、大体その附近の農民が優先的なものを持っている、あるいはその河川敷地利用して、広大にアシだとかヨシだとか、あるいはカヤを作っておって、それを人に反幾らでもって卸ししている。こういうような小作料を取っているようなものもおったりして、非常に国が金をかけて河状整備をやったりしましても、その跡というものは、ほとんど有効に使われておらないという関係にあります。同時に、建設省としましては、洪水中心でありますので、これらの問題の解決に対しては、河状整理をした経済的効果に対しては、非常に関心が薄い、そこで私は、これは新しい提案として、そういったような者の河状状態中心にして残っております悪い法律を整理して、そうして、たとえば今、新潟で行われており、近くこの十三日にはいずれ大臣の所へも陳情に参るだろうと思いますが、こういった新しく造成せられる土地を、河状整理によって行われる経費で割りますと、反二千円ぐらいしかかからない。それに一万円くらいもかけましたら、それはもう良田中良田、そういうものができ上る。これはもっと全国民が利益を受けるような特別法等によって整理して、そういう方に進むべき私は要素を持っていると思います。新しい方法をもって何千町歩かを、今現在日本の国で干拓をやり開墾をやるとしましても、反二、三十万はかかるといわれている。それを二千円か一万円でできるとしましたら、これは非常に国として一日も放置できない問題だと思います。しかも、新潟の場合を申し上げて済みませんが、こうやって一応分水等をやりまする関係上、流水の関係上、河底に砂がたまりますために、下の方の新潟付近におきましては、既設の用排水が全部浮き上ってしまって、これを全部つけ変えるとすると、五十億ぐらいかかる。これを低水工事を行いまして、土砂を取って埋め立てして良田を作る、これを一日も早日にやりますならば、その用排水関係面から約三万町歩か半分ぐらい干田化される。これは重大なる問題だと思います。こういうものを一つ特別法を作ってでも、農林省と建設省と企画庁ぐらい一緒になって、新しい法律を作って、でき上った土地等も新しい観点に立って、全農民利用できるような方法考えられないのかどうか。そうして一日も早目にこれを完成することが、私は、単なる新潟県の問題でなく、日本の国の増産対策としても、最も金のかからぬ、最も有効なものであろうと考えます。こういうものは、ひとりわれわれの所ばかりではなく、石狩川であるとか十勝川であるとか、あるいは利根川というような、非常な大河を持っている所で、こういうものがたくさんあると思いますので、そういうお考えができないのかどうか。できないどころではなく、一日も早目に、そういうことをここでもう考えてもらいたい。こういうお伺いなんであります。
  11. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お活のように、河川法適用河川の川筋ですか、河状が変った場合に、廃川敷地も出るわけでありますが、従来といいますか、今やっておるのは、そういう土地につきましては、都道府県知事が農業委員会の申請に基いて、建設大臣の認可を受けて、廃川敷地の告示等の手続を、とって取得する。それで、その次は農地法に基いて、現況が農地のものは、農地買収をして農民に売り渡し、現況が未墾地のものは、未墾地買収をして開拓の用に供する。こういうふうになっておるのは申すまでもないところであります。しかし、今お話しのように、河川敷地の農業利用の現況については、非常に不十分であります。ことに建設当高といたしましても、河川の川筋を変えるのじゃないか、あるいは堤防がまた作られるのじゃないか、それと交換したいのだというようなことで、なかなか保留されておったり何かしておりまして、農業の利用が十分でないように私も考えておりますし、今の御指摘の通りだと思いますので、関係方面とも連絡をとって、農業利用ができるように善処したいと思っております。そこで、それに対して特別法によって措置する考えがあるかどうかということでありますが、これはまだ検討を続けませんと、ちょっとここでどうこうと言うわけにはいきませんけれども検討を続けていきたい、こう考えております。
  12. 清澤俊英

    清澤俊英君 今のところは河川法によって建設省が河状整理してくれる、河状整理は護岸だけやってくれる、余った土があったらこれをただ積み上げるだけだ。従って、土地を造成することは、これは農林省の仕事なんです。だから、川自身の計画が全く違った場合に、これを土地を造成するという建前から、今度は河状整理が従になるべきものであって、そのくらいに農林省が積極的に出ていい場所が方々にあるのじゃないか、こう私は申しているのです。そうやって、ただ建設省の所管と農林省の所管のために、最も金のかからぬ、最も利用が早く、しかも利用率の高いものを投げておくということはおかしいじゃないか。だから、それをいま一つ踏み切って、農林省がこうするためには、こういう河状整理をお前の方はどうするかしらないが、早く農地造成を先にして、河状整理を従にしてもらいたい、こういう考え方で申し上げているので、もっと積極性を持ってもらえるかどうか、農林省が先頭に立って。
  13. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 非常にいい御意見でありますので、関係当局と積極的に協議して進めていきたいと思います。
  14. 千田正

    ○千田正君 農林大臣に、時間もあまりございませんので、しぼって重点的にお伺いしたいと思います。  先般大臣は、この席上でも、アメリカからのいわゆる余剰農産物は断わる、実際来年度の予算の決定を見ましても、アメリカからの余剰農産物を、国内における農漁民その他の施設には、そういうものは使っておらないし、また入っておらない。新しく財政投融資の面で、そういう方面を補てんしておるようでありますが、この方針は、将来ともずっとこの方式で、愛知用水その他こうした農業施設の資金は、今後とも財政投融資等においてまかなっていくという見解を基礎としてやっていかれるかどうか、この点を一つ伺いたい。
  15. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 余剰農産物を受け入れるということにいたしますならば、余剰農産物も受け入れてやっていきたいと思いますけれども、あまり当てのないものを根拠として、工事その他を進めるということは考えものでありますので、政府の補助金及び財政投融資というものを基礎としての計画に立って仕事を進めていきたい、こう考えております。ただし、余剰農産物が入る場合には、それにかえる場合もあると思います。
  16. 千田正

    ○千田正君 もう一つ。またこの委員会相当論議されたのでありますが、いわゆる海外への移住農民、開拓その他あるいは研究生等になって外地へ行って将来伸びていこうという青年層に対する予算の面でありまするが、農林省としては、本年は昨年より一千名ですか、増加して出していこうという方針をとられておるようでありますが、この前もたびたび外務省の予算とのつり合い等から、われわれが論議したのでありますけれども、もう少し多く出してやって、そうして、むしろもっとよく外地の調査が進む予算を盛るべきじゃないか、これは、当委員会としても各委員の諸君からも強く要請されておったのでありますが、このたびはあまりそういう点は盛られておらないというふうに考えられますが、この点に何かもっと強力な方針を立てられるというお考えはございませんですか。その点を一つ伺っておきたいと思います。
  17. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 青年対策等につきましては、各省にもまたがっておる問題もありますが、他とも連絡を相当力強くやろうということで進めてきたのでありますが、外地の開拓等に出て行く優秀な青年の問題等につきましても、農林省としても力を入れておったわけでありますが、今お話のように、まことに進み方が不十分だとは思いますけれども、重大なことでもありますので、今後とも力を入れていきたい、こう考えております。  なお、外務省関係などとも、向うにも相当予算がありますので、そういう点ともにらみ合せまして、お話のような線に進めていきたいと、こう考えております。
  18. 千田正

    ○千田正君 その点につきましては、われわれも注文がありますので、今後にまた申し上げたいと思いますが、特に国内において各そういう訓練所のような施設を、今後拡大していっていいと、われわれはそう思うのであります。そういう点を十分考えていただきたいと思います。  次に私は、ただいま最も注目の的になっておりますところの、大臣の所管として、ことに考えていただかなくちゃならない問題としての日ソ漁業問題、これが先月以来代表団が行きまして、ソ連との間の交渉をしておられるようでありまするが、どうも先方とこっちとの考え方あるいは要請の点において非常な食い違いがある。今もってはっきりした線が出てこない。先般新聞紙上あるいはラジオ等におきましては、大臣はこのままで推移していったならば、本年の漁獲の準備期に間に合わないんじゃないか、そういう面から見ましても、先方との交渉を解決するために、大臣みずからおいでになるか、さもなくば、現在の国会の予算審議等重大な時期でもあるしするから、他の六日以外の人たちにでも出かけて行ってもらって、直接の交渉をしてもらおう、そうして何とか一つ解決点を見出そうという意味のことを、あなたが新聞あるいはラジオで申されたように放送しておりましたが、この点は、一体どのところまで進んでおるのか。本日の新聞などを見ましても、サケやマスの種類によっては、パーセンテージは向うが相当……、紅マスと紅ザケ等に対しては、日本の要請とはかけ離れた問題、あるいはサケ、マスの流し網、はえなわ等の漁獲の魚類の範囲等については、非常な強硬な掛否的な態度に出ておる。こういう面に対しまして、現在の経過過程におきまして、どのような行き方をもって進んでいけば解決ができるか、今後どうするかという点につきまして、大臣の所信を承わりたいと思うのであります。
  19. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 千田さんもすでに御承知だとは存じますが、日ソ漁業交渉の委員会が開かれ、あるいは科学技術委員会とか、そういうものをたびたび聞いて、ソ連側と折衝を続けておるのでありますが、今のところ、お互いの議論を言いっぱなしというような形であります。しかし、会議の全体的情勢から見ますと、なかなかソ連側が強硬な主張を持っておるのではないか、というのは、条約にもありますように、豊漁の年と不漁の年というふうに分けたいということを、ソ連側は非常に強く主張しておりまして、ことしは不漁の年だというふうに前提として考えておるのであります。そういう点でありますので、魚種の保存という立場から、相互の約束によってきめるべきものでありますが、とかく何かと非常にことしは魚が少いはずだから、制限を強化しようというふうに議論を出しておるわけであります。たとえば一、二の例をあげましても、御承知の通り魚をとって引き揚げる時期について、条約上は八月十日ということになっておるのでありますが、七月末に打ち切るようにしたいとか、あるいはまたオホーツク海には昨年から二船団、一万三千トンの漁獲量ということにきめておるのでありますが、オホーツク海全域について禁止区域にしたいとか、あるいはまた接岸距離につきまして、昨年は四十海里、二十海里、四十八度線を分けてそういうふうになっておったのでありますが、それを六十海里から二十海里というふうにしたいとか、あるいは今お話の規制区域外のはえなわ漁業についても規制をしたいというような点で、いろいろ私の方とはまるで違った意見を出しておるわけであります。それに対しましては、私どもの方の委員や代表も相当技術的にこれは反駁して、沖とり漁業と河川でとつておるソ連の漁業とは違うということやら、今までの統計その他魚種魚類の保存上相当程度はとっていいんだという論拠を持って議論を進めておるわけであります。しかし、現在のところの様子を伺いますというと、そういうふうにいろんな問題を持ちかけておりますが、またわが方では反駁を続け、またこちらの正当な主張を続けておりますけれども結論といたしましては、総漁獲量をどういうふうに持ってくるかということにあるのではないかと思うのであります。これは推察的になりますかもしれませんが、そういう意味におきまして、ソ連から総漁獲量について非常に低い提案でもする伏線として、いろいろこまかい問題も出しておるのではないかというふうに見られるのであります。でありますので、この委員会の経過等を注意して見ておるのでありますが、去年の例によりましても三月上、中句ごろにきまったのでありますので、今の運び方からいいますと、やはりそのころが最後的な決定に持ち込まれるのではないか、しかしその場合に、今の情勢から見まするというと、ある程度並行線的な議論になっておりますので、最後においては政治折衝的な場面において解決をすることになりはしないか、こういうふうに考えておるのであります。そういう場合には、出先の委員や代表も非常に骨を折って、公海上の漁業でもありますので、約束上の漁業でもありますので、非常に強く主張して、わが方の主張の貫徹に努めておるのでありますが、政治折衝ということにでもなれば、また閣僚か閣僚級の人が出向いて、この妥結を見た方がいいのじゃないかというふうに考えておるのであります。そういうことで、この間中もだれか適当な人についてあらかじめ考えておく必要があるのじゃないか、今すぐというわけじゃないけれども、急に行ぐということでは、行く人にも準備が必要でありましようから、あらかじめ総理府等においても人選等も考えておいてもらった方がいいのではないかということを、話し合いをしておるわけであります。でありますから、だれが行くかということにはまだ固まっておりませんけれども、そういうような腹つもりで、覚悟で当りたいと、こう考えております。
  20. 千田正

    ○千田正君 昨年も三月中句に問題を解決したと、私はそう甘く見ない。というのは、大臣見解はどうか知りませんが、私は、従来のソ連の対外折衝というものを見ましたときに、最後的な決定というものは、大ていの場合政治的な何かの問題を解決の道具に使う、いわゆるかけ引きの材料にそういうものを持ってこられておる。それはアメリカに対しても、イギリスに対しても、ほかの国に対しても同様なソ連の一貫した外交方針としての最後の決定がそういうふうにばかり落ちつくように私は見るのであります。特に日本の場合に歯舞、色丹あるいは事千島等の問題を、日本の現岸内閣の対ソ外交方針の第一として打ち出しておる関係上、そうした政治的な問題も内蔵しつつ、この問題は解決するとわれわれは考えるのでありますが、この見解に対しては、農林大臣はどういうふうにお考えですか。
  21. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 今のお話のような考え方もあり得ると思うのです、ソ連側のただいままでのやり日では。しかし、そこまでを前提として代表を送るということもまだ考えておりませんが、そういう点については、十分頭へ置いていきたい、こう考えております。ただ、安全操業の問題やそのほか平和条約の問題ということになりますというと、今の代表はそういう権限を持っておりません、漁業代表は。でありまするから、今の漁業代表といたしましては、この日ソのサケ・マスの漁業の協定妥結の権限を持っております。また問題が別になれば、外交のルートを通じて、その方面に問題を移すということであろうかと思います。しかし、今考えておりますることは、御注意のような、お話のようなこともあり得るとは考えておりますけれども、それだから代表がそのために行くというのではなくて、日ソ漁業交渉の最後的の取りきめをするためには、こちらからなお閣僚級の者が行くことになるのではないか、こういうふうに考えております。
  22. 千田正

    ○千田正君 いずれこの会談の進捗状況によって、また大臣にはお尋ねしたいと思いますが、最後に、最近非常に不幸な事件が一つ起きておる。というのは、去る六日ですか、南支那海の西方、いわゆる大黒山群島西方約九十海里の地点において、日本の漁船が韓国の艦艇によって銃撃された。第八日東丸はそこで捕獲されておるのであります。先般、長い間抑留されておった日本の漁夫諸君も、大村収容所におけるところの韓国の抑留者と交換されて、ようやく日韓の会談が軌道に乗りつつあるときに、しかも先方から不法なかような拿捕事件が起きておる、彼らが主張しておるところの李承晩ライン以外である、こういう点につきまして、私は非常にこれは遺憾なことであると思いますので、これに対する処置をどうしておるか、どういう現況であるかということを一つ伺っておきたいという点。  それから、去る五日ワシントンにおきまして勧告の梁駐米大使がアメリカの国務省のジョーンズ次官補代理に対しまして、この李承晩ラインは絶対に守らなければならぬのだ。日本がこれを国連に提訴して、そうしてあくまでも公海自由の原則をたてにとって韓国側を圧迫するおそれがある。これは韓国とアメリカの間の了解のもとに、日本側の要請というものをあくまでも拒否しなければならない。こういう会談を去る五日やっております。外電も報じております。これに対して、日本側は何らかの方途を講じなければならない。この方途に対してどういうふうに考えておられるかという点。  もう一点は来たる二十四日、二月の二十四日ゼネヴァにおきまして、御承知の通り、国連招集の海洋法国際会議をめぐりまして、世界各国から代表者を集めて海洋法案を作成しよう。いわゆる、先ほども大臣のおっしゃるように、ソ連が四十海里を主張し、ある場合は六十海里を主張する。あるいは方々においては大陸だなの問題がある。あるいは李承晩ラインのごとく、不法なる一方的な宣言によって日本の漁民が苦しめられる。こういう問題を中心にいたしまして、世界のいわゆる空気が一つの海洋制限というものに対しての何らかの国際法を生み出さなければならないというときに到達しておるのであります。二十四日にこの国連招集の海洋に対する国際法の成文というものをめぐっての会議が開かれるが、日本側の代表としては、海外駐在の大使もしくは公使をもって代表団として命じておるようでありまするが、農林省からは、私はどうしても水産関係の権威者をこれは送らなければうそではないか、ということは、なぜかといいまするというと、今回の制限を受けるということが、直ちに日本の現在の漁業に影響してくる。それは長い間、しかも過去十年、終戦後日本の漁業政策というものは、大臣も御承知の通り、治産から沖合いへ、沖合いよりさらに遠洋へというかけ声のもとに、公海自由の原則を基盤といたしまして、そうして海洋への漁業が発達してきたのでありますが、これが一つの海洋のいわゆる領海の制限というものが成文化してくるというと、日本の漁業というものには、当然変革を来たさなければならない。制限を受ける場合においては、国内における漁業に対する魚種あるいは漁法、あらゆる面において制限を加えなければならないような場面も出てくると思うのであります。そういう意味からいいましても、私は農林当局かな当然権威者をこの会議に参加さすべきである、私はそう思うのであります。大臣の御意見を伺っておきたいと思うのであります。
  23. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 日本の漁船が李承晩ライン外等においてまで狙撃されておりますが、こういうことはまことに遺憾であります。今年に入って三隻ぐらいあると思っておりますが、これに対しましては、厳重なる抗議を申し入れておりますが、なお近く開かれる日韓の交渉についても、こういう点については、わが方の強い抗議を申し入れる予定であります。  また、ワシントンにおいて李承晩ラインの話し合いをしておるが、これに対して日本はどう考えるかということでありますが、私は日韓交渉等につきましても、私どもといたしましては、李承晩ラインというものを認めるという立場には立っておりません。どうしてもこれは認めるというわけにはいかないわけであります。そういう点も強く主張するつもりであります。  また従って第三の、海洋に対する国際法案の会議に対して、どういう方針を持っておるかということでありますが、これは今の話のように、二月二十四日からジュネーヴで国連招集によって開かれるわけでありますが、専門家の手で立案した法律草案を政府代表のレベルで審議するということになっています。これにつきましては、今お話のありましたように、大陸だなの問題もあれば、李承晩ラインの問題もあれば、それからソ連のピーター大帝湾の領海宣言というような問題もありまして、領海に関する議論、これが中心だと思うのであります。でありますので、この点につきましては、国際的な領海という問題も昔からあるのでありますから、ソ連等につきましては、それには独自の領海に対する考え方を持っておるようでありますが、こういう問題は、やはり国際会議解決するということが必要だと思いますので、この海洋に関する国際法の会議につきましては、日本といたしましても真剣に立ち向わなければならぬと、こう考えて、目下関係省間で打ち合せをしておりますが、まだ結論に達しておりません。しかし、日本は海洋の自由ということを基本といたしまして、水産資源の合理的利用開発につきまして強く主張したいと考えております。  なお、代表団選定の際に、水産庁といいますか、農林省は、重大なる関係があるのだから、これを参加させる意図があるかどうかということであります。目下人選中でありますが、農林省側からも参加できることは確実だろうというふうに私は考えております。
  24. 千田正

    ○千田正君 きょうはこれで打ち切りますが、最後にたった一言申し上げます。それで、今の海洋制限の法案、この会議に対しましての水産庁側からの参加は、ぜひやっていただきたい。かりにやれないとしましても、従来ほかの国は資源保護という名目のもとに、公海の自由の原則をある程度制限するという空気が非常に強くなってきている。この点を十分御理解の上、十分なる資料等を用意されて、ぜひこの問題の解決には、水産関係の代表も入れるように、一つ御尽力を願いたいということを要請しておきます。
  25. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  26. 重政庸徳

    委員長重政庸徳君) 速記を始めて。  本日は、この程度で散会いたします。    午後二時三十五分散会