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国務大臣(
津島壽一君) この第四回の安保
委員会において、近代化というものが協議されたと、これは事実でございます。しかし、従って、その中におのずから最近に新機種の内定を見た、それを近代化のときに
話し合い、また今後も——今後というか、昨日の会議でも
議題になったか、協議の題目になったかというようなお尋ね、これは昨日は新機械の問題は全然触れておりません。また、近代化ということは非常に広いのでございまして、機種といったようなことも含む場合もありますが、少くともそういった問題は昨日は私は提議しません。これは本邦の側において、国防会議等で慎重に
審議して、しかるべく選定すべき問題だと思い、あらためてこれを
議題にすることはやりませんでした。なおまた、一万人増勢の問題が、昨日の
委員会において何か問題、協議の対象になったかという、これも全然ございません。
なお、お尋ねの点でございますが、領空侵犯の
措置でございます。これは、昨日の会議において私の方から提議したわけでございます。これは御承知のように、
昭和二十八年の春、マーフィー大使と岡崎外務大臣との間に交換の書面、往復書簡というものがございまして、当時わが国においては
航空自衛隊は持っておりません。しかも、わが領空を国際条約または国内法の
関係において違反して飛翔するものに対する
措置というものが、これは各国ともそういった領空侵犯に対する
措置というものは行なっておるのでありまするが、当時はそれに対処すべき方便を持っておらなかったという
事情で、アメリカ駐留軍、すなわち空軍にこの
措置をとることをはかったわけでございます。そこで、まあ必要な
措置をとろうという交換書面があるわけです。それが自来四年余を経過いたしまして、
航空自衛隊も発足し、なお
航空機というものについてもだんだんとそれが漸増の形態であり、また、
操縦士の
訓練もできたわけであります。どうしても、これは
自衛隊法の第八十四条というものは、自衛隊の任務の
一つになっているわけでございますから、いずれかの時期においてこれは
実行したいということは、これは当然考えるべきことでございますので、その
意味において、もはやこの
段階において、昨年以来集団
司令部という格好に隊の編成も変え、組織も変え、なお、この
措置をとるべき
訓練もいたしておるわけでございます。そこで、私は、アメリカ駐留軍によって全部これを、領空侵犯に対する処置をまかすということは、この
段階ではその必要もないし、また、当然これはやるべき任務になっているわけですから、その
事情を考えまして、私は部隊に対して、この八十四条の
措置というものを、可能な限度において
航空自衛隊がやるべきであると、その準備をせいという命令を出したわけでございます。これは一般命令と申しまして、準備をするという
意味でございます。詳細のやり方については、これはあらためてまた具体的の命令を出そうと。で、この命令は今検討中でございまして、これが出れば、いよいよ何どきでも
司令の指揮のもとにこの
措置がとれると、こういうように相なるわけでございます。
その
意味においてこのことはわが防空上非常に重大な
関係もあり、特に、アメリカ空軍の任務とされた
部面について、わが
航空自衛隊がその任務をやろうということでございますから、この問題を対象に、またこれは非常に急いでおる問題でございまして、昨日これを
議題にしたわけでございます。
なお、これが
実行の具体的の場所、地域等についての御質問でございました。これは、さしあたり可能な準備が整いますところは、北海道千歳の部隊であろうと思うのであります。しかし、レーダー・サイトの引き継ぎと見合いまして、今後必要な
部面にこれを拡張していく。これは一に、レーダー・サイトその他の
関係もございます。また、
航空自衛隊の
訓練その他の
関係もございます。これは漸進的にこれを拡大いたしたい、こういう
方針でございます。