○
政府委員(愛知揆一君) ただいまのお話に対しましてお答えをいたすのでありますが、
一つは宮殿の造営の問題につきましては、ただいま理指摘がございましたように、本
年度の
予算の目の中に五百万円程度の造営調査に要する経費というものが計上せられておるわけでございます、御
承知の
通りに、皇太子殿下のお住いになる所については、具体的に
計画が
実行に移りつつあるわけでございますが、宮殿の
関係につきましては、ただいまお話もございましたように、まことにどうも、国際的ないろいろの
関係から申しましても、お粗末千万でございまするので、これは慎重の上にも慎電に、適当な規模におきまして新しく造営ができるように運びたいと
考えておるわけでございますが、なおこの点については、的確に具体的にこうこういう年次
計画でこの程度のものということにつきましては、まだ申し上げるような
段階に至っておりませんが、できるだけ慎重の上にも慎重に、またこれは陛下のお
考えというようなことも、十分に想像申し上げながら措置する必要もあろうかと々ずるわけでございます。
それからその次の問題は、これももう全くごもっともで、私
どもも、自分の体験等からいたしましても、何とかせねばならぬと
考えておるわけでございます。これはちょっとお尋ねの点から範囲が広がるかと思いまするけれ
ども実は
政府自体の
関係におきましても御
承知のような総理大臣官邸のような
状況でございまして、全く公けのフアンクションが十分に行えないというような状態になっておりまして、ただいまお話もございましたように、ある場合には帝国ホテルでやったり、ある場合には目黒のいわゆる迎賓館を借託りましたり、これはもう実に、率直に申しまして、閉口いたしておるわけでございます。従って、適当なところがありますれば、まず
政府といたしましても、何らかの措置を公けの設備として持ちたいということを
考えておるわけでございまするが、これはまあ
予算の
関係その他も慎重にしなければなりませんので、ただいまどこの場所をそれならば、総理大臣公邸といいますか、迎賓館と申しますか、いたしたらよいかということにつきましては、実は現存の建物等についても十分その調査をやりましたのでありますが、ただいまのところ、帯に短かしたすきに長しとでも申しましょうか、適切な施設がないのでございます。この点は、率直に申しますが、何とか至急に方法を
考えなければならないと思っております。
それからその次に、光輪閣の問題は、これも率直に私申し上げるのでありますが、ちょっと急なお呼び出しでございましたので、こまかい資料を勉強して参りませんでしたので、詳細にお答えができないのでございますが、この公けの迎賓館として適当な場所であるかどうかという実は候補には今のところ
考えていないのでございます。これは所有されておりまする高松宮様の方で、これはあるいは私間違っておるかもしれませんが、私のただいま
承知しておる限りでは、直ちに手放すというようなお気持がないのではないかと、これはやはり、買いたいと思いましても、売買の問題でございますから、所有者の方のお気持ちというものも的確にわからないわけでございまして、ただいまのところは、あすこを買って、そうしてこれを公けの迎賓館にするということは
考えておらないのであります。ほかの所に適切な候補地を求めるか、あるいは場合によりましたならば、新規の施設を造営しなければならぬかという問題があり得ると思うのであります。この点はいささかくどくなりますけれ
ども、実は宮内庁の
関係もそうであります。また、外務省の専門的なプロトコールの立場その他から
考えましても、たとえば宮中に国賓が往来する場合、最も正式の場合には、たとえば馬車で往復をされるというようなことも、これは将来の交通
関係その他から申しましても、たとえばそういう面をも資料として
考えなければならない。あるいはまた、国賓を迎えて、泊ってもらうためには、たとえば国賓が夫人、家族を連れてこられる、あるいは随員の人たちもそういう場合がありますが、大体一行で、適当な普通の慣行による規模を
考えましても、寝室とかその他が手ぎわよく収容できるようにするというような特殊の
考慮がなればならないというようなことで、さっき申しましたように、現存のものの利用ということはなかなか帯に短かしたすきに長しということで、まあほんとうに今のところ名案がなくて困っておるというふうな実状でございます。