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1958-03-28 第28回国会 参議院 内閣委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十八日(金曜日)    午後二時二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤田  進君    理事            上原 正吉君            大谷藤之助君            永岡 光治君    委員            後藤 義隆君            近藤 鶴代君            苫米地義三君            増原 恵吉君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            千葉  信君            島村 軍次君   国務大臣    国 務 大 臣 正力松太郎君   政府委員    科学技術政務次    官       吉田 萬次君    科学技術庁長官    官防長     原田  久君    科学技術企画調    整局長     鈴江 康平君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    科学技術庁事務    次官      篠原  登君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○科学技術庁設置法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送   付)   —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  本案につきましては、さきに提案理由説明を聴取いたしましたので、本日は、まず本案内容について説明を求めます。
  3. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 法律といたしましては、科学技術庁設置法の一部を改正いたしまして、新たに電子技術審議会設置いたしたということでございます。この審議会科学技術庁長官諮問機関でございますが、審議内容といたしましては、「電子技術に関する重要事項審議すること。」というふうになっておるわけでございます。  で、この重要事項ということにつきましては、いろいろな問題があるわけでございますが、当庁といたしましては、大学研究を除きました各省庁の研究に関しまする行政総合調整、あるいはまた、各省庁が予算見積りをいたします際に、各省庁の予算見積り方針調整をいたす、そういったような任務があるわけでございます。従いまして、そういったような事務を行います場合に、この審議会意見を十分尊重いたしまして、施策を行なっていきたいというわけでございます。  そして、この審議会といたしましては、詳細は政令に規定いたす次第でございますが、先般大臣から提案理由で申し述べましたように、審議会といたしましては、大体二十五名以内の委員をもって組織する。その委員といたしましては、学識経験者並び関係省庁職員からなるわけでございまして、内閣総理大臣がそれを任命する予定になっております。そのほかに専門委員を置くことができるようになっておりまして、ただいまのところ、専門委員といたしましては、四十名程度の用意をいたしておるわけでございます。いずれもこの専門委員方々は、学識経験者の方にお願いをするわけでございまして、学界あるいは工業界等から入る予定でございます。  なお、この審議会の会長といたしましては、委員の中から科学技術庁長官が指名する予定になっております。おそらく学識経験者の中から選ばれることになると思うわけでございます。  それから、その他この委員の任期といたしましては、大体二年間を予定しております。ただし、再任をされることは妨げない予定でございます。  その他、審議会にはさらに幹事を置くわけでございますが、幹事といたしましては、委員及び専門委員を補佐する役目をになうものでございますが、幹事につきましては、大体各省庁の関係職員並びに学識経験者も入れたいというように考えておるわけであります。  それから、実際の審議のやり方といたしましては、審議会全体で審議すべきものと、なお細目にわたってさらに深く審議をする必要があります場合には、委員並びに専門委員からなります都会を設置いたしまして、その部会十分審議をいたし、それで総会において——審議会総会と申しますか、審議会において決定いたし、それを長官に答申していただくという予定でございます。  で、私どもは、こういった審議会を作りますこと、必要性は前からも十分感じておったわけでございますが、実は従来科学技術審議会というのがございまして、それがその中に電子技術部会という一つ部会を持ちまして電子技術審議を行なっておったわけでありますが、今回科学技術会議というものを別途法案を御提出しておりますので、それに伴いまして、科学技術会議科学技術審議会とが幾分重複する点もございますので、科学技術審議会というものを廃止したわけでございます。従いまして、科学技術審議会部会であります電子技術部会も当然消滅するのでありますが、この電子技術に関しましては、御承知のように、非常に最近の科学技術界におきまして進歩の激しいものでありますし、また、これが日本のといいますか、世界的に見ましても、科学技術の非常に大きな中心問題でございますので、当庁といたしましては、特段の、電子技術についしは深く内容審議いたし、その施策を十分行なっていきたいと思うわけでございます。そういうようなことで、この電子技術審議会設置したいという理由でございます。
  4. 藤田進

    委員長藤田進君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  5. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま御説明がございましたが、従来の方式を改めて、特に電子技術者議会というものを設けなければならなくなったという理由としては、電子技術の著しい進歩ということで簡単に理由づけをしておりますが、私のもう少し知りたいことは、特に技術庁の中に、あらためてこういう審議会を作らなければならなくなった理由ですね、これをもう少しこまかく説明してもらいたい。特に、現状は、それぞれ大学あるいは重要な電気関係のメーカーといいましょうか、企業者の中にも、こういう研究をしている所があるのじゃないかと思いますが、そういうものとの関連は将来どういうふうになっていくのか、その辺のところを一つ説明していただきたい。
  6. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 今度の電子技術審議会を設けましたのは、実は、御承知のごとく、日本にテレビがあって、それがために電子技術というものがほんとう進歩しなければならぬ。また、電子技術進歩しなければ、すべて科学技術のまず新しい技術か進まぬ。そこで、これは私が科学技術庁長官になった最初のときに、まず電子技術が必要だから電子課を設けるように私は言うたのです。ところが、まあそんなことを言うては変ですけれども役所でもあまり電子技術といってもぴっとこないのですよ、今言うとおかしいが。ところが、近ごろになってあわて出したようなわけなんですがね。それはなぜならば、電子技術はほかでみんな研究しているというのです。非常に、どうしてもこれは電子課を少くとも設けなければならない、そういうことを言うているうちに、私やめました。それから再び科学技術庁長官になったから、もう課ができていると思った。ところが、課ができていない。ところが、この際、課どころではない、局を作れということを私言うたところが、それがなかなか、こう言うと役所の悪口を言うようだけれども、あまりぴんとこないのですよ。私のようなしろうとですらもそう感じておるけれども専門家になってくると、やっぱり何かにとらわれちゃうのですね。  ところが、局をいよいよ作るといっても、各省の非常な抵抗なんです。なぜ抵抗があるかというと、みんな電子研究しているのですよ。そして科学技術庁電子課というものができちゃうと、みな統一されてしまいやせんかというので、各省も実は非常な反対なんです。私もたしか国会で、衆議院委員会で、将来は科学技術省を作らなければならぬが、とりあえず電子局を作りたいという希望まで述べたくらいだった。ところが、今の各省の非常な抵抗がありまして、その結果まあ一つ電子審議会ということに折り合ってできたので、これは私は非常な不満なんです。これはどうしたって電子局を作らにゃいかぬ。そうしなければ、ほんとう日本科学技術進歩は見られないと思いますが、御承知の、今度ソ連が人工衛星をやったために、なお作らにやならぬようになってきたのであります。それでその結果、まあ審議会は認めてもらったようなわけですが、衆議院だけでは。で、どうしてもこういうことでははなはだ不満ですけれども、ますこれをやって、そして電子技術進歩をはかりたいと、こういう考えであるのでありますから、大体大ざっぱの話でありますが、あらましだけをちょっと申し上げました。
  7. 永岡光治

    永岡光治君 今のお答弁によりますと、科学技術庁の中に局まで設けていきたいほど非常に進歩がはなはだしいのだ、こういうことですが、私の聞きたいのは、一体これを設けてどうしようとされるのか。これを設けて、そしてどういう、まあこれは審議会を置く、そして組織、所掌事務とかその他は、政令で定めるということになっているのでありますが、その明確なる詳細が述べられていないわけです。
  8. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 御承知のごとく、今や原子電子の時代になってきておりまして、すでに原子には原子力局が設けられておる。だから、私どもは当然電子局を設けなければならぬと思ったけれども、先ほど述べた理由でうまくいかなかった。これは各省で、つまり電子研究をやっているのです。これは一つに統一しなければならない、結局は。それだから、それについては局を設けなければならぬ。今言うように、原子にはすでに原子力局を設けておる。これで非常に総合研究がうまくいっているのですから、その原子にすでに局を設けた以上、もうこの事態に対しては、電子に対する僕は局を設けるのは当然だと、こう思うているわけです。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 私の聞くのは、もうちょっと——そういうことではなくて、非常に力説されるお気持はわかるような気がするのですが、これを設けて、先ほど局長でしたか説明があったのは、総合調整する云々という話もありましたが、どういうふうにこれを運用していくのかですね。お話に聞けば、今日までできなかった理由というのは各省庁で強い反対があった、こういう話ですが、これを設けて、各省庁の関係をどういうふうに調整されていくか。そしてこれを、今お話を聞きますと、長官お話によれば、研究までやろうというようにも受けとれるのですが、研究までやられる機関なんですか、どうなんですか。
  10. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 実は、つまり総合調整をやろうということであります。研究も従ってこれを何とか調整したいと思っていますが、なお技術的の詳しいことは、次官局長から御説明いたします。
  11. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 実は、その電子技術振興に関しましては、各方面関係があるわけでございます。その一点としましては、まず何といいましても、わが国において電子技術関係技術者を非常に養成する必要がある。こういった点は、養成の点に関しましては、文部当局養成の任に当るわけでございますけれども、しかし、全体の電子技術進歩の状況からいたしまして、どの程度の人が必要であるかというようなことにつきましては、総合的に考える必要があるということで、従来の電子技術部会科学技術審議会電子技術部会においても一応検討して、その結果、一つとしては、大学における電子技術者養成という問題についての一つ考え方をきめまして、これを長官から文部大臣お話をいたし、その結果もあると思いますが、文部当局といたしましても、本年度電子技術教育について大学の学科を増設する、かような結果にもなっておるわけであります。  しかしながら、私どもといたしましては、さらに、高等教育のほかに、中等といいますか、高等学校あるいは中学程度のその程度教育におきます電子技術者養成というようなことについても、もう少し考えていく必要があるんじゃないか。そういう点につきましてはこの技術審議会において十分御意見をいただいて、結論を出して、その実施に当り文部省にお願いしたいという気持もあります。  それから、現在の電子技術研究につきましては、これは非常に多くの省にまたがって研究されておるわけでありまして、その一つは、通産省電気試験所、あるいは郵政省の電波研究所、その他運輸省の運輸技術研究所、あるいは機械試験所においてオートメーションの研究をやるとか、その他中央計量検定所にも若干の研究がありますし、それから公社関係につきましては、電電公社電気通信研究所がございますが、あるいは鉄道技術研究所とか、そういった方々の各方面研究機関研究実施されておりますし、また先ほどお話がありましたように、民間におきまする各会社におきましても相当の研究が行われております。しかし、そういった研究がてんでんばらばらに行われては能率が悪いじゃないかということで、当庁といたしましては、各省研究機関につきましては研究実施計画をやはり提出願い、それについて全体的に調和のとれた研究計画を行うということにいたしたいと思っておるわけであります。  なお、それに関しまして、各省庁の予算を編成いたします場合にも、当庁においては各省計画提出を求めまして、これを十分審議いたしまして、むだな重複のないように、また欠けておるところがないようにということを念願して、そして各店庁にアドヴァイスしておるわけでございます。そしてその点は、実は大蔵省予算の査定のときにも、参考としてこちらからこれを提出しておりまして、大蔵省もそれを尊重しております。たとえて申しますならば、電気機器のテスティングマシンガいろいろありますが、これは数億にわたるものでございますが、こういった施設を一体どこへ置いたらいいだろうか、各省がばらばらに持つのも非常に使うときに不便じゃないか、  一カ所に集めたらという意見もございまして、単に機械的に一カ所に集めることも必ずしもいいことではありませんが、使用頻度等もよく考えまして、その上でやはり場所をきめようじゃないかということで、今までも審議しておりました。その結果、民間使用にも便ならしめるというようなことで、実は防衛庁から要求がございましたが、むしろ電気試験所の方に重点的に置いた方がいいじゃないかということで、そういう結論で今の予算になっておるわけでございます。これは昨年度でございましたが、なお、そういったようなことが今後も起きるわけでございますが、この審議会におきまして十分そういった点も考えていきたい。  それからまた、一番根本的には、電子技術進歩させるためには、一体どういう研究にまず重点を置かなければならぬというような、一つの基本的な考え方一つ作っていかなければならぬ。そういう点は、今までも話し合っておりましたのですが、今後さらにだんだんとこういうことをやっていきたいと思うわけでございます。
  12. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、念のために聞いておきますが、従来は、作られようとする電子技術審議会機能と申しますか、使命と申しますか、そういう役割はどういう機関でやられておったわけですか。
  13. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 電子技術審議会結論実施いたします所は、先ほど申し上げましたように、各省庁が科学技術庁長官勧告を受けまして、その点に従って動いてくれるということでございます。特に勧告という形式はとっておりませんけれども、この審議会で、従来の審議会におきましても、各省次官委員になっておりますので、この審議会で議論をいたしましてきまったことは、それぞれ各省がその線に従って実施をしていくということでございまして、科学技術庁の今までの点からいいまして、自分自身がどうするという現在のところ研究機関もございませんし、補助金もそのために持っておるわけではございませんので、それらの各省のやります行政方針についての審議をいたしまして、その結果を各省が尊重して実施してもらうという仕組みになっておるわけでございます。
  14. 永岡光治

    永岡光治君 私の聞きたいのと少しピントがはずれておるようですが、私の質問の要旨をのみ込めないのじゃないかと思いますが、今度新しく審議会を設けなければならぬ、こういう結論に達した、こういうわけですから、従来それではこの調整なり研究項目をどうするかというような、各省庁にわたる調整をどこかで行なったはずなんです。それは、だれがどういう機関でやっておったかということです。
  15. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 従来やっておりましたのは、この審議会にちょうど相当するものがございましたので、これは先ほど申し上げましたように、科学技術審議会というものがございまして、これは科学技術庁長官諮問機関であったわけでございます。科学技術審議会と申しますのは、電子技術のみならず、各般の技術の問題、あるいはそれを総合いたしますような問題について、審議をいたしておったのでございまして、その審議会の一ブレンチといたしまして、部会といたしまして、電子技術部会というものがあったわけでございます。それで、今申し上げたような審議をお願いしておったわけでございますが、科学技術審議会というものは今般廃止にいたしたい。これは廃止にいたします理由といたしましては、別途上程いたしておりまする科学技術会議設置するという点とからみまして、それを廃止いたすことになったわけでございます。  それで、科学技術会議におきましては、重要な事項をそこで審議するわけでございますが、従いまして、今までやっておりました科学技術審議会審議事項のうち、重要なものはそちらの方で審議していただけると思いますが、ただ、電子技術に関しましては、そういった基本的な問題ばかりではなく、かなり細部にわたって御審議を願いたい、そういうことになりますと、科学技術会議では十分そこまで御審議が願えないのじゃないか。そこで、別個に電子につきましては特に一つ部会を設けまして、もう少し深く、こまかくやっていただく予定でございます。  なお、当庁といたしましては、このほかに航空技術審議会というものもございますが、これはやはり航空技術に関しましては、科学技術会議が一方にございまするけれども航空技術というものが戦後新しくできる技術でございますので、相当詳しくやっていかなければならぬということで、これはそのまま存置するということになっておるわけでございますが、この電子技術審議会が、ちょうど同じように、特定の技術問題についてこまかく詳細に審議をしていただくというつもりで、これを設置をしたいという希望を持つわけでございます。
  16. 藤田進

    委員長藤田進君) この際正力長官にお伺いいたしたいと思うのですが、先ほどの御発言によりますと、電子技術進歩発達に伴って、諸般の他の科学技術振興もさることながら、当面やはり電子局を設けるべきだが、閣内、各省の了解がとれないので、次善の策として審議会設置というふうにとれるわけですが、あるいはまた、国会に対してそういう修正を期待されているとも響くわけですが、局を、現在あるものにさらに加えて電子局を置くという構想だとするならば、科学技術庁長官にまかせるということになれば、そうされるように見受けるので、さらに進めて、この際岸内閣とされても、科学技術振興ということで別途提案されている科学技術会議設置だとか、あるいは予算の上においてもかなりそういう面に重点を置くとかいうようなことが言われている以上、正力構想があるとするならば、電子局を設けるという程度でなくて、一歩進めて、科学技術省に昇格して、科学技術省大臣を置いてやるということにはならないのかなるのか、そこらを一つほんとう所管大臣として所信をお伺いいたしたいと思います。
  17. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) ただいまのお尋ねの点、まことに私どもの言わんとするところを言うてもらったような気持がいたすのであります。ところが、御承知通りほんとうセクショナリズムがひどいのです。だから、なかなか各省の持ったものは離さない、また各省に干渉しちゃいかぬと。それだからして、これじゃいかぬと思って、まずこれを破らなければいかぬ。そこで、今までのような専門部会じゃ弱いから、局一と専門部会の間のような審議会ができた、こういうわけでございますが、それともう一つ、私どもそれと同時に科学技術会議というものを作ったわけです。これも非常な、御承知でしょうが、抵抗がありまして、なかなかここまで来るのには、この科学技術庁関係者一同非常に骨折ってあそこまで持ってきたのです。  それですから、今、御承知のごとく、アメリカですらも、陸海空のあのセクショナリズムはやめなきやならぬとまで言っているのですから、実際そういうことでは進歩しないのです。だから、日本陸海空じゃない、もっとその下に分れちゃって、それじゃどうもこうもならぬ。それを統合するために、科学技術会議を置き、そうして局が無理ならば、せめて専門部会を一歩進めて審議会を置こうと、こういうことに、電子技術審議会になったわけでありまして、一歩前進したわけで、はなはだわれわれの所期の通りいかぬのは残念ですけれども、まあここまで持っていくのに非常に骨が折れたのであります。御好意のほどは非常に感謝いたしておりますが、どうぞこれで……。
  18. 藤田進

    委員長藤田進君) 科学技術省、まあ名称は仮称としましても、そういう省に昇格すべきだという考え方があるのかないのかという点が、私の質疑のポイントであるわけです。
  19. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) むろん、それなんであります。ことにこれは社会党から提案されて、承知しておるところなんですが、私もそれに一は全面的に賛成しているのです。もうそうしなければ——今、岸内閣科学技術というものを最高政策にとっておるのです。それで、省ができぬことは非常に残念なんですが、しかし、さっき申し上げた事情で、この科学技術会議を技ってくるのと、それから電子審議会を置くのですらも抵抗があったわけでありますから、一つ、はなはだ微力で残念でありますが、この辺で一つ御賛同願ったらけっこうかと思っております。
  20. 藤田進

    委員長藤田進君) それから、縄張りの問題については、科学技術庁自身もかなり強いように私は感じているわけでありまして、過般の国会におきまして科学情報センター設置が参りましたときも、当時の審議の過程で、与野党通じて、これはやはり国立国会図書館が同様なものを持っているのだし、機能もあるのだから、ここに科学技術情報をやらしむれば足りるのではないかということでしたが、がんとしてお聞きにならないで、科学技術庁の中に設けられた。さらに、今審議会を設けようとするわけですが、同種のものがやはり通商産業省の付届機関として、電子工業振興臨時措置法という昭和三十二年法律第百七十一号でできておる。その中に、電子工業審議会というものがあると思うのですね。ですか、まあこれと同様なものをここに作られると、通産省関係民間を主体としているというふうに御説明になるかもしれませんが、どうもこれなどとの関連がどういうふうに運用されるのか。これが両方とも、通産、それから科学技術庁において、電子工業審議会という意味では審議会をここに並立されることになるのですね。それらの運営その他、一つお伺いいたしたいと思います。
  21. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 最初お尋ねから一つお答えしておきますが、科学技術庁にもセクショナリズムがあって、一方に図書館があり、また情報センターがあるじゃないか。これは情報センター任務——承知と思いますが、図書館任務とは全く違うのでありまして、情報センターは、科学技術の普及をはかるためにあれはやったものでありまして、従って、図書館のように、あそこに適当な人が行ってあれを見るというのとは多少違っております。決して私どもセクショナリズムじゃないのでありますから、その点を御了承願いたいと思います。それからまた、先ほどの、通産省にもあるじゃないか、審議会が。科学技術庁にもあるじゃないかというのは、その科学技術庁のは、つまり各行のを総合しよう。通産省審議会は、通産省としての電子技術審議であります。こっちは各省にまたがっている。電波監理局にも、郵政省にも、運輸省にも、そういうような……。総合して、どうしてやればいいかということを審議するのが科学技術庁の使命であります。
  22. 藤田進

    委員長藤田進君) ですが、今の政令にゆだねられている部分の若干の説明を加えられたわけですが、やはり審議会というこの地位、権能から見ますと、通産省に付属機関として持たれている電子工業審議会を、今度設置されようとする科学技術庁審議会が、コントロールできる筋合いではなかろうかと思うのですね。これはやっぱり科学技術会議だとか何とかいうものに、他にもあるようですが、今あなたの御答弁によると、各省庁にまたがって、それぞれ併置されている審議会をさらに調整するというふうに聞えるわけですが、果してそうなんですか。
  23. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 実はそれで、私も局にして、そうしてみなそれを総合調整しようと思ったわけですが、それがどうしても今のような理由反対が多くて、とりあえず審議会。だから、生ぬるいことになっちゃってはなはだ残念なんですけれども、まあしかし、そうしてもう一方科学的技術会議というものがあって、大綱をあそこでやってしまうから、まあ専門的のことについてはこれでもがまんしてもよかろうというので、がまんをしておるわけでありますから、その点を……。
  24. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) ただいまのお話通産省電子工業審議会との関係お話でございますが、もちろん、電子工業審議会は通産大臣諮問機関でございますので、そちらの方の審議会審議されますことは、やはり電子工業の資金の確保の問題とか、あるいは生産数量の問題が、非常に多いのじゃなかろうか。しかし、また電子技術振興の問題も当然にその中に入るとは思います。当庁の電子技術審議会におきましては、今の通産省関係電子技術振興の問題もございますけれ、ども、そのほかに、ユーザーでありますところの郵政省の問題、あるいはその監督下にあります電電公社研究の問題、その他運輸省、防衛庁、各方面電子技術に関しまする技術振興を総合的に考えていくと。これはまあ、当庁の長官の権限が、各行の事務総会調整、あるいは科学技術振興の総合的企画という面にございまするものですから、そういった総合的な分野からの観点からの電子技術振興を考える。従いまして、通産省電子技術振興というのは、技術という点から見ますれば、そのうちの一部分を占めることになると思います。その問に関しまして、通産省、当庁とも実は前から話し合っておりまして、技術振興という点から見ますと、電子技術というものは科学技術庁が総合的に一つ計画を作る、その基本的な計画のもとに、通産省の方はその意見を受けまして、それを具現化するような一つの実質的な計画を立てていこうという、当事者同士の話し合いはあるわけでございます。私ども、そういうように今後の運営を持っていきたいと考えておるのであります。
  25. 永岡光治

    永岡光治君 今の説明を聞いて、やはり危惧が出てくるわけですが、私の質問した要旨は、なぜこういう電子技術審議会というものを作らなければなりなかったかという理由を聞いておるわけですけれども、あまり明確な答弁になっていないのです。従来これはどこでやっておったかというと、お話によれば、科学技術審議会の中の専門部会としての電子技術部会研究しておった、それを今度は審議会に改めただけの問題ですね。私は、この当委員会にも各省設置法がずっと十数件提案みれているわけですが、それをながめて感ずることは、機構さえ作れば何でも物事は解決する、問題の重点は機構にあるという印象を強くするのです、私、聞いて。そうではないと思うのです。むしろ、機構にあまりとらわれ過ぎること自体ビューロークラシーに陥って、かえって所期の目的な阻害する結果になるのではないか。問題はやはり、言うなれば、人にあるだろうと私は思うのですが、それをこういう審議会に改めた、だからこれでできるんだ、こういうふうに簡単に考えられておりますが、どうもこれだけでは解決のあれにならないのではないか。やはり今後どういう、なぜ今までうまくいかなかったかというその問題を掘り下げて、それを解決するということであれば、何も審議会にしたからどうこういうのでなしに、運営の問題をもう少し検討した方がよかったのではないか、こういう印象を強くするのですが、そこで、私、みんなが今考えているような、従来はどういう構想でやられておって、それがどういう点に支障があったのだ、そこで今度はこういうふうに改めて、こういうふうな運営になったということでなければ、ほんとうに解決になるかどうかわからぬと思うのです。  それで、この際そういう点をどう考えたということを、基本的な問題を聞くと同時に、今度これがかりに成立をした場合において、政令等にゆだねられておる幾つかの項目がありますが、おそらく構想があると思う。たとえば専門委員を何人置く、あるいは審議官ですか、学識経験者をもってこれに充てるとか、いろいろ言われておりますが、そういう構想は従来とどういうふうに飛躍的に変っておるか、具体的な構想がなくてはならぬと思うのです。そういう構想もあわせて御説明願って、なるほどこれならば従来の欠点が補える、解消できるという自信を私たちは聞かしていただきたいと思うのですが。
  26. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 私は、今まで一番の欠点というものは各省セクショナリズムです。これがその進歩をはばんだゆえんであります。これを打破しなくちゃいかぬということで、科学技術会議ということを提唱したのであります。この科学技術会議で、今まで、つまり私は科学技術庁長官として科学技術のことを総合調整する権限はあるけれども、文部省の科学、すなわち大学がそうです。全然私はタッチできないのです。それだから、大事な研究というと大学にありますため、それとちっとも調整はできない。それで、今度総理大臣を議長にして、そして文部大臣と私が議員になる、それからなお予算関係を伴うのでありますから、大蔵大臣、それに経済企画庁長官を入れる、このようにいたしております。それだけでも、どうしても科学技術のことについては、事専門に関することですから、それでありますから、専門の委員も四人置く。しかも四人のうち会議なんというものはとかく一月一ぺんか二へん開くものでありますから、よくいきません。それで、常勤の議員を二人置くということにして、そこで研究して、そして会議は月一回か二回開いてそこで実行するようにしたい、こういう考えでいきますから、これならぱ私は相当にできると思います。  それからなお、先ほどの電波審議会というものは、電波審議会だけではだめなんです。幸い大きいことはその科学技術会議でやりますから、そういう部分的なことならここで調整ができる、こういうように考えております。人はむろん大事だが、制度としても、これは今までより非常に進んでおると自分では思っておるのであります。いつか予算委員会で、社会党の方が、ろくな案も出ておらぬけれども科学技術会議を設けたことだけはよかったとおほめをもらったくらいに、自分でもそう思っておるわけでございます。
  27. 永岡光治

    永岡光治君 そういうあなたの構想が、果して望む通りに実現できるかどうかということは、今後の成果に待つことだろうと思うのでありますが、やはり私は一応機構の内容構想として承わっておかないと、ほんとうにそうなるかどうかもわからないのですが所掌事務で、たとえば民間にも、官庁の中にも、大学の中にも、それぞれ研究機関はたくさんありますが、総合調整をすると一口に言いますけれども、それはこの所掌事務の中でどういうふうに生かされるか。絶対にこれはお宅の方でこういうふうにやりなさい、たとえば民間のAという会社に、こういうものがあるからこれをやりなさいというようなことを、かりに決定すれば、それについて国家は補助する、そういうものを考えたのかどうか。そういうところまで発展しなければ、強制力はきかぬのではないかと考えているのですが、そういう所掌事務の項目、それからそれをどういうふうに運用していくのか、それを明確にしてもらいたいと思うのです。
  28. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 先ほどのお話電子技術部会においてやっておりましたのが、電子技術審議会になってどういうふうに改められるかというお話でございますが、審議内容といたしましては、いずれも科学技術庁長官の諮問事項でございますので、審議の対象は変らないわけであります。ただ、従来は一つ審議会部会でありましたものですから、十分な委員を得るということができなかった。今後は、一つの単独の審議会になりますから、委員の数もふやし得るということで、さらに権威者を多く集めるということが一つのねらいであります。  しからば、どうやってその審議の結果を実現するかという点でございますが、これは当庁の諮問機関でございますので、その結果は、結局は当庁の権限として各省庁に勧告するということになるわけでありますが、もちろん、その勧告の基本といたしましては、総合的な基本計画等を作るということ、あるいはまた各省行政の連絡調整を行う、あるいは予算見積り及び調整を行うということを通じてやるわけであります。しかし、その調整の面におきましても、各省においてそれぞれ、たとえば民間に対してどういつた電子技術の補助をするのだというような考え方があると思います。そういったような問題は、やはりこの審議会各省意見を持ち得りまして、大所高所から、もっとこういう方に重点を置くべきだというようなことをここで結論を作っていきたい。それに従いまして、各省はもう一度自分の補助金なら補助金の交付計画を再検討して、もらって、当庁の意見に合せてもらうのであります。その点は別に強制力はないのでありますが、いずれも審議会において十分話し合えば、各省庁もその意見に従ってくれるということを期待しておるわけであります。  なお、この電子技術審議会ができまして、どういつた仕事をするかというお話でありますが、この中にはいろいろ部会を置いてやりたいということを先ほど申し上げたわけでございます。その一つの例といたしましては、先ほど申し上げたような電子技術に関しまする技術者養成ということを、もう少し深く突っ込んでいきたい。先ほど申し上げましたように大学の問題につきましては一応議論したのでありますが、さらに、中等程度技術者養成の問題にまで入っていかなければならぬと考えております。そういったような問題が一つありますし、先ほど申し上げたように、各省庁の予算見積り調整するということにつきましても、技術的な学識経験者意見を聞きまして、そういった調整案を作っていきたい。その他、たとえば外国から技術を導入するという問題につきましても、これも二面においては日本技術振興させるわけでありますけれども、しかし、なお日本研究がどこまで進んでいるかということを知らずしてやることはまずうございますので、日本技術の現状を十分認識いたしまして、その上で外国の技術をどういう方面のものはさらに入れるべきであろうか、そういうものは日本技術でさらに伸ばせばすぐ追いつけるものであるというような、一つ考え方もここできめていきたい。それから、あるいはまた、電子技術者技術を高めますためには、日本の国内の研究者を海外に留学せしめるという必要もあると思います。こういう点に関しましては、当庁に各省研究者を海外に渡航せしめる予算もございますので、そういった予算をもちまして、特に必要な研究に対してはそういった研究者を当庁から派遣をすることもできるわけでございます。  その他、電子技術に関しましては、まだこまかい点におきましても、各省庁間の調整を要する問題がいろいろあるのでございますが、たとえば一つの事例といたしまして申し上げまするならば、天文台におきまする時報を、その最後は運輸省の海上保安庁が各方面に流しておるわけでございますが、その時報を電子といいますか、電子全般によってそれを伝えるわけでございますが、その間電電公社の問題もありますし郵政省の問題もあって、あるいは漁船については農林省の問題があるというような、一つ科学技術に関する調整事務がございますが、その間が現在におきましては必ずしもうまくいっていない面もございますが、ただいまそういった面を究明いたしまして、その間の体制を整えようということを現在やっておるわけでございますが、ただいまのところ、それにつきましては、従来も審議会部会委員意見を、いろいろいい意見をいただいておりますが、先ほど申し上げましたように、そういった部会がなくなりますものですから、どうしても今後こういう審議会によってそういう意見も聴取していきたいということで、いろいろな電子技術に関する万般の技術行政に関する調整部門においては、大いにこの審議会意見を承わりたいというように感ずる次第でございます。
  29. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 先ほど運用の面について説明しろというお話でありましたので、先ほど申し上げたことをもう少し補足して申し上げておきます。先刻申し上げましたごとく、電子に関しては今まで専門部会で、その専門部会を今度はもう少し進めて電子審議会にしたので、ただ程度を高めただけなんでありますが、しかし、これが科学技術会議と相待っていくので初めてこういう運用はできるのでありまして、ただ専門部会を少し強めた電子審議会では、大した意味をなしませんけれども、それの上に科学技術会議というものがあるから私はうまくいくと、こう思っておるのであります。  なぜ、しからば、科学技術会議をそういうふうに考えるかといいますると、実は原子委員会はその決定を総理が尊重するとなっているが、予算面でなかなかその通りにいかなかったのです。実際の運営だってそれでありましたから、今度つまり大蔵大臣なり企画庁長官も入れて、そうして予算面の方もうまくいくようにというふうに考えたのでありまして、それと、先ほども申し上げましたように、やはり専門の人の知識を、知らないから、各省大臣はいずれも専門家でありませんから、そこで科学技術に対する専門家を同じ格において委員として入れたと、こういうようなわけでありますから、それだから、理屈的にはうまくいくようにできておるのでありますけれども、果してその効果を上げるかどうかは、一つ今後の結果を見た上で御判断願う、こういう考えであります。
  30. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、所掌事務という中では、総合調整が主たる目的になろうと思うのですが、特にこの官庁同士の間では、比較的これは結論を尊重していけるような気もしますが、一体民間の場合どういう強制力を持つのか、それをどう考えておいでになりますか。
  31. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) もちろん、民間の方はこれで調整ができると思います。むずかしいのは役所の間なんです。
  32. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、この結論は、かりに設置されて、三十三年度以降、たとえば五カ年計画とかおそらくありましょう、それで研究をされると思うのですが、民間の場合には、補助金を出すという考えは当然あるのですか。
  33. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) もちろん、補助金を出す考えはあります。
  34. 永岡光治

    永岡光治君 その額はどの程度を用意されておりますか。
  35. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 民間研究に対しましては、当庁としては原則的には直接的な関係は持たないわけでございます。と申しますのは、民間研究に対しましては、工業会社でありますれば通産省から補助金を出すとか、あるいはその他運輸省、郵政省等からそれぞれ補助金が出るわけでございますが、従いまして、それを各省計画をいたします場合に、それを当庁が調整するということによりまして、その調整を受けるということで、各省は間接的に当庁の意見を体するわけでございます。  ただ、当庁といたしましては、各省でそれぞれ共通的な問題として、それぞれがおのおの金をばらばらに出すということが適当でないということもございますものですから、そういう問題が発生いたしました場合には、各省と協議いたしまして、当庁から一括補助金を出し得ることになっているわけでございます。で、実は来年度はその予算が、そういった問題がございませんでしたので、予算を計上してございませんが、そういった方式は実は過去におきましては、電子ではございませんでしたが、例のクロレラと申します単細胞の問題がございます。これは食料、衣料その他において非常に大きな貢献をする、将来の大きな一つ技術のテーマでございますが、これは関係省が非常に多かったために、こういう問題について各省と連絡調整いたしましたときに、科学技術庁が一括これを助成してもらいたいということで、民間団体に当庁から直接助成をいたした経験もございます。そういった点はございますが、一般の補助金等は、直接的には当庁から予算は要求しておりません。
  36. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、三十三年度の直接の補助金というものは、この科学技術庁としては持っていないのですか。
  37. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) さようでございます。三十三年度は予算は計上してございません。  なお、申し上げますが、当庁といたしまして、原子関係予算につきましては、原子力の問題であってしかも電子技術を利用するという問題につきましては、原子力局の方で、原子技術を育成するという意味におきまして、直接は交付するのでございますが、それ以外の分野につきましては、ただいまのところ予算を持っておらないということであります。
  38. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、この調整項目に上って、民間の方で、この審議会の方ではそうおっしゃるけれ、ども、当社としてはこれを、ぜひやりたいのだというふうに開き直られると仮定しましょう。しかし、ぜひこれはやってもらいたいのだから、ついては補助金を出すからという必要が生じた場合には、それはお宅でなくて、それぞれ各省庁にある補助金の中から指示をして出すということになるのですか。
  39. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) さようでございます。これは強制力ということはございませんけれども、話し合いによって、こういう研究は非常に重要であるから、ぜひ出してもらいたいということの示唆はいたします。
  40. 永岡光治

    永岡光治君 それから、ここに出て参りました委員の問題ですが、今説明の中にも、委員として学識経験者各省庁から二十五名を出すと、こういう構想があるのですね。それから専門員としては四十名を予定されているのですが、構想があるのですか。
  41. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) ただいま、構想と申しましても、全部細目的にきまったわけでございませんけれども、従来科学技術審議会部会もございまして、その方は十五名程度委員がおられます。おそらく今までの委員の方は非常に適当な方が多いのでございますが、そういった方を含めまして、さらにもう少し広い範囲から選びたい。それから、今度は予算は大して多くはないのでございますけれども、出席旅費等も若干ございますものですから、できるだけ全国的にりっぱな方を集めたいというふうに考えております。
  42. 永岡光治

    永岡光治君 それらの方は兼務になるのですか。それとも、専門にその仕事に当ってもらって、報酬を出すという、そこまで考えておいでになるのですか。
  43. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) この審議会委員は非常勤と考えておりますので、出席されました都度手当を差し上げるという形でございます。
  44. 永岡光治

    永岡光治君 それから、お話の中にありました養成機関ですね、これを拡充強化して参りたいという話ですが、その構想はどういう内容ですか。
  45. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 実は資料がただいま手元にないのでございますけれども、先般の部会におきまして審議をいたしましたのは、電子技術研究方面において、あるいは産業界において——電子技術の中でもいろいろあるのでございますけれども、どういった種類の電子技術者がどのくらい将来要るだろうかというようなことを算定いたしまして、それに従って、どのくらいの教育学生をふやさなければいかぬだろうということも、実は計算をいたしたわけでございます。そういったような資料をもとにいたしまして、実は私どもの方には、その電子技術部会のほかに、先ほどの科学技術審議会、もとになります科学技術審議会の中に技術教育部会という一つのブランチもございまして、電子技術以外の分野についても、それぞれそういったような審議をいたしたわけでございますが、特に電子技術の問題を強くその中に取り入れてもらいまして、そしてまとめまして、文部省の方にこちらから勧告をしたわけでございます。その結果、こちらの要求よりは——要求と申しますか、こちらの見通しよりは少なかったのでございますけれども、来年度は北海道、東北、東京、京都の四大学電子学科というものが増設されることになっておるわけでございます。
  46. 永岡光治

    永岡光治君 今のお話の中に出て参りましたが、科学技術審議会とも関連があるそうでありますが、これは正力国務大臣にお伺いするわけですが、この置かれる電子技術審議会科学技術審議会との関連、どういうふうになっておるのですか。
  47. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 科学技術会議は科学全般にわたって重大なる問題について総合調整します。それから、電子技術審議会電子技術に関する問題でっけを取り上げる。むしろ仕事としては、こまかい点をやる。
  48. 永岡光治

    永岡光治君 私は科学技術審議会言いましたけれども、誤まりで、科学技術会議が今度設けられる。それはその中の専門部会的な意義を持つわけですか、電子関係の。
  49. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 電子関係においてはそういうような意味になってきます。
  50. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、設けられるこの電子技術審議会結論は、科学技術会議にどういうように反映されるわけですか。
  51. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) むろん、科学技術会議では、そのきまったことについては相当に——それに従わなければならぬということはありません、それは諮問機関でありますから。よいと思えば、採用いたすことになります。
  52. 藤田進

    委員長藤田進君) 関連しお伺いしますが、科学技術会議は総理府に設置されて、総理大臣が議長になる。それから、この審議会は互選で委員長はきまりましょうが、これは科学技術庁長官のもとに置かれる。だとすれば、機構上は科学技術会議諮問機関というものでもない。これは、長官科学技術会議に出席すれば、それが取捨選択して持ち込むなり持ち込まないというようになると思うのですが、今の御答弁によりますと、下部機構というような……。一つの図面を書いて示していただきたくなる。
  53. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) それは私の誤まりで、それは委員長お話通りであります。ただ、私は委員の一人になっておりますから、私の諮問機関で、私はそれを尊重してやるということになるわけであります。
  54. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、科学技術会議ですね、今度また設けられる。その関連は重複するのですかどうなんですか。まだよくのみ込めないのですが、どういうようになりますか。
  55. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 電子技術ついて申し上げますならば、電子技術審議会長官諮問機関でございます。従いまして、科学技術庁長官といたしましては、大学研究に関するものにつきましては、所掌事務から除かれておるわけでございます。今度できます科学技術会議は、大学研究に関する行政事務、つまり文部省の行政事務もその中に一緒になって論議をするわけでありますが、これは総理大臣諮問機関でございますので、当然そういうことができるわけでございます。従いまして、当庁の方といたしまして、この電子技術、つまり大学研究に関するもの以外の研究についての総合調整をいたしました場合に、その結論が国として全体的にやはり効果を上げますためには、大学との関連も十分そこにつけていかなければならぬと思いますが、ただいまの電子技術審議会におきましては、そういった点が欠けるわけでございます。この点は、科学技術会議におきまして、当庁の意見、この電子技術審議会から出ますような意見を、科学技術庁長官がおそらくそれを尊重されると思いますが、その意見と、大学研究に関する問題、これはあるいは文部大臣から御発言になるかと思います。その問におきまして十分調整をとっていきたいというわけであります。  なお、調整以外にも、総合的に科学技術電子技術振興させるという意味におきましても、やはり大学におきまする電子技術研究という問題、これは研究は自由でございますけれども、しかし、それに対する文部省のいろんな施策があると思いますから、そういうものと関連をつけて、国全体としての調和のとれたものを作って、いきたいというわけでございます。
  56. 永岡光治

    永岡光治君 私の感じでは、まあ正力構想によれば、実は科学技術庁というものは省までしてもいいのじゃないかという意向を持っておるし、その長官のもとに設けられる、しかも、これは電子が非常に発達をして何とか拡充強化したりっぱなものを作らなきゃならぬということで作った、こういうことですが、これで事足りると思うのですが、科学技術会議にもう一回かけなきやならぬというのは、どういうことでしょうか。
  57. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) それは、先ほども申し上げました通り科学技術庁長官としては大学の方は全然私はタッチできないのであります。それを調整するには、どうしても科学技術会議を経なけれぱならぬということであります。
  58. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、今の答弁から帰納される結論というのは、結局、大学養成機関についてのみの問題が科学技術会議にかかるのであって、その他は問題じゃない、その他は電子審議会ですれ、これで全部事足りる、こういうようになるわけですか。
  59. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) それもございますけれども、なお予算関係もありますけれども科学技術会議には、それだから、一つ大蔵大臣と企画庁長官もそれに加わっておるわけであります。
  60. 永岡光治

    永岡光治君 予算関係だって、何も科学技術会議にかけなくても、あなたの所管によって十分とれるのじゃないですか。
  61. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) それが、先ほど申し上げましたように、原子委員会の問題でもなかなかやはり予算の問題でうまくいかないのです。それだから、どうしてもこれはやはり大蔵省とよく調整をする必要があると思います。それで、その科学技術会議というものを設けて、そこへ大蔵大臣というものを入れたわけであります。
  62. 永岡光治

    永岡光治君 それならば、電子審議会に大蔵大臣でも入れておけば解決しそうだと思うのですが、これはどうですか。
  63. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 電子審議会はまだ私の、ずっと下の私だけの諮問機関でありますから、それは大蔵大臣を入れるわけにはいきません。(笑声)
  64. 永岡光治

    永岡光治君 それは謙遜ですよ。あなたも実力者だと思っていますが、当然入れて、二度も三度もこれを段階を踏んでやるところに、やはり問題があるわけですから、聞けば、最初科学技術審議会の中の専門部会であったために、どうも思うような調整がとれなかったという提案理由のわけですから、分離した意味がないわけです。だから、少くとも電子に関する限りは、予算から研究項目に至る総合調整を全部ここで、やるのだ、できるならば養成機関まで含まれているわけですから、これは何も科学技術会議に相談することなく、電子技術としてはこれが一番正しいあり方なんだという結論を出せば、それが実行に移されていくということが最も望ましいと思うのです。段階を踏むことが、あれはどうだ、これは、どうだと、他との均衡はどうだということで、結局もとに帰って電子技術部会と同じような結果になるおそれがあると思うのですが、そういうところは心配ないのですか。
  65. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 今度はそういうことは減ると思いますが、実は私は原子委員会で苦い経験を持っておるのです。原子委員会で幾ら決定しても、なかなか予算関係で大蔵大臣とうまくいかないのです。ずいぶん骨を折ったのです。そのことから、これはどうしても自分も一委員になって、大蔵大臣文部大臣も入れなくちゃならぬ、こう私は考えたわけであります。
  66. 永岡光治

    永岡光治君 それは、予算のことに関する限りは、科学技術会議に一萬田さんが入ったからといって、はいそうでございますかという、そう簡単なものじゃないと思うのです。おそらく、一萬田さん、出てきやせぬと思うのです。もっとも、おそらく、どこか下の部局長あたりしか出てきやせぬと思うのですが、そういうことをされるよりも、もしあなたが非常に、この文書を見ても、先ほどの説明から聞いても、熱意をお持ちになっているわけですから、何かそういう段階を踏んで、あまりまたぼけくるようなことでなしに、しかも、機構の簡素化からいうならば、むしろ総予算までふえた独立した機関にした方が賢明じゃないか、効率が上ると思いますが、そういう構想をあなたは主張できないのですか。
  67. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 先ほど、大臣が出てこなくて、次官が出てくるだろうと。そんなことは、次官は出てくるわけにはいきません。必ず大臣が出てきます。
  68. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、これは代理権は認めないわけですか。
  69. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 代理は認めません。書いてありません。
  70. 永岡光治

    永岡光治君 それで、私は、その組織及びその職員については政令で定めるということが書いてありますが、組織について今まで説明した以外に、もう少し詳しい説明ができますか。
  71. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 電子技術審議会の細部にわたりましては、政令になるわけでございますが、大体先ほど申し上げましたことで骨格をお話しいたしたわけでございますが、つまり、委員の数及び専門委員の数を、先ほど申し上げました。委員長としましては、学識経験者長官が任命するということになると思います。  それから専門委員委員を含めまして、その中から必要な部会を構成いたしまして審議をするわけでございますが、その審議部会につきましては、ただいま、先ほど申し上げました技術者養成の問題の部会とか、あるいは外国技術を導入する場合の考え方の都合とか、あるいはまた、研究者をさらに再教育と申しますか、海外に派遣するような問題を含めました部会を開くとか、あるいはまた、新しい技術を産米化するというような問題につきましては、実は開発銀行の方で特別な新技術への融資制度がございますが、そういったような問題について、各省からの推薦ありましたものについて当庁が調整をいたしまして、最終案を作って、それを会議の方に示すとか、そういったような部会ができるのじゃないかと思います。その他、見積り方針調整の問題の部会とか、それからあとは、個々の特定の問題についての調整を要する場合がございますれば、先ほどの無線報時のごときものについては、臨時的なまた部会が作られるのじゃないかというふうに考えておるわけであります。  それからなお、ここに幹事といたしまして、委員専門委員を補佐することになっておりますが、この点につきましては、幹事といたしましては各省庁の職員予定しておるわけでございますが、そのほか必要がございますれば、電電公社、あるいはその他の電子関係の、公社関係の方にもお入りを願う。それから、さらに学識経験者の補佐でございますので、必要があれば民間学識経験者もその中に加える、ということも考えておるわけでございます。  それから、あと、この審議会の庶務でありますが、庶務は当庁の企画調整局において処理をする予定でございます。  なお、予算といたしましては、来年度は三十四万円程度予算でございまして、金額は少いのでございますが、しかしながら、この予算内容といたしましては、委員手当、出席旅費、あとは会議費等でございまして、特段の事業費というものは必要ございませんので、この程度予算で何とかやっていけるというふうに考えておる次第でございます。
  72. 永岡光治

    永岡光治君 予算は幾らですか、もう一回……。
  73. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 三十四万八千円でございます。
  74. 永岡光治

    永岡光治君 三十四万八千円で、これは年間予算だと思いますが、月額に直しますと、せいぜい三万円に行かないのですが、足りないのですが、それで非常に張り切った構想をさっきから聞いているのですが、やはり裏づけになるものは、やはり仕事をやる以上は金が要ると思うのですよ。それで、これこそ予算がなければ仏を作って魂を入れずというそしりを免れないと思いますが、その三十四万の内訳はどうなんですか。
  75. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) はなはだ申しわけないのですが、内訳の資料はございませんが、しかし、大体のところは委員手当が大部分でございますが、しかしながら、この委員の中でも官庁の職員に対しましては全然出しません。従いまして、民間の方だけに出すわけでございますので、まあ多少窮屈かと思いますけれども、何とかやっていけるというように考えております。
  76. 永岡光治

    永岡光治君 月に何回ぐらい開開される予定でございますか。
  77. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) まあ総会といたしましては、二ヵ月ないし三ヵ月に一回くらいじゃないだろうか。むしろ部会の力がしばしば、一つ部会については、月に一回ないし二回程度開かれるのではないかと思っております。
  78. 永岡光治

    永岡光治君 そうしますと、私はこれじゃやっていけないような印象を受けるわけですがね。まあ部会というものもかなりの数になると思います。総回数でも、月に一回ということになると、年間を通じて延べ数十回になると思いますが、それでたとえ民間の人だけに限ったとしても、会議費を除いた他の旅費手当等を含めますと、これじゃ何にもならぬということで、結局その会議に出席しない結果になるおそれなしとしないわけですが、これではどうも、先ほどの正力さんの意気込みと、予算を聞いた金額とでは、これは雲泥の相違があるわけですが、どういう構想を持っておられるか。これは、特に国務大臣の方から伺いたいと思います。
  79. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 実は、先ほども申し上げましたが、それで私は、とうしてもこれは電子局を設けなくてはならぬと申すわけですが、まあ科学技術会議ができたのだし、もうこれと言うわけにはなかなかいかなかったので、それでこの審議会でやむを得ずおいたわけでありまして、むろん、従って、予算もはなはだ少くて、思う通りにできませんけれども、幸い役人の方はみな無給でありますし、民間の方にだけ手当を出せばいいということでありますから、はなはだ不本意ながら、置いたわけであります。
  80. 永岡光治

    永岡光治君 それからさらに、学識経験者専門委員等々、ここで構成メンバーになるわけですが、これは科学技術会議の際にも問題になったと思いますが、国会でも修正になりました、政党の役員はこれになれないという条項がありましたが、それは削除されましたが、これはこの場合の学識経験者専門委員というものは、政党の役員を入れない構想であったのかどうか。そしてまた、今後はそういう点は、もし科学技術会議で削除されたとすれば、どういうようになるのか、お考えをお尋ねいたします。
  81. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) あれは深い意味ではなくて、概してああいうときは政党役員を除くというようなことが書いてありますので、これも書いたのでありますが、政党役員というと非常に範囲が広くなるので、あれを除きたいというので、私ももっともと思いまして、あれを削除したのでありまして、政党の幹部まではいけませんが、その他はいいということであります。
  82. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) この電子技術審議会につきましては、そういった特定の定めはしておりません。当初からそうでございます。
  83. 永岡光治

    永岡光治君 今、正力国務大臣の言葉を聞きますと、政党の役員というものはまあいいけれども、幹部はいけない、こういう考え方だと思うのですが、そういうことになると、削除したのと抵触しませんか。
  84. 鈴江康平

    政府委員鈴江康平君) 科学技術会議の方につきましては、衆議院の方で御訂正があったのでございますが、科学技術会議の方は、先ほど大臣から申し上げますように、委員の数も少いわけでございます。しかも、国家的な非常に見識の高い方とされますと、数も必ずしもそう多くない範囲から選ばれると思います。従いまして、ああいった条項が衆議院で修正を受けましても、実際的には、特にあの問題が、条項を削られたために構想が変るということもあり得ないというふうに考えております。  それから、この電子技術審議会の方は、今申し上げましたように、当初からそういう欠格条項は考えておりません。この電子技術審議会の方は、常任ということではございませんで、随時会議のときだけ出ていただくわけでありますが、それほど資格を限定する必要もないというふうに考えております。
  85. 永岡光治

    永岡光治君 これは、電子技術審議会の場合は、全然そういう政党の役員というものは考えられていない。それはあるなしにかかわらず、全部一応適材適所で委員の選考の対象にするというわけですが、これと関連のある科学技術会議の場合は、正力さんの話では、ただ、他意はなかったのだ、だれでも入れるようにしたいけれども、そういうおきまりの慣例の文句があるから書いておいたが、まあ衆議院で修正されたから、当然政党の役員といえども対象になるというわけだが、ただ、その場合でも政党の幹部は対象にならないのだというふうな答弁だったのですが、そうだとすれば、修正の趣旨と違うのじゃないですか。
  86. 篠原登

    説明員(篠原登君) 科学技術会議の議員に政党の役員を、初め政府案といたしまして除いておりましたのですが、衆議院の修正によりまして、政党の役員が入れることになりますれば、幹部であろうと何であろうと、すべてその項は削除されると解釈します。
  87. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、正力さんの答弁とあなたの答弁は食い違うわけてすが、これはどういうわけですか。一つ意見調整する休憩でもしてもらわなければ……。
  88. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) それは私の方が間違っておりました。
  89. 藤田進

    委員長藤田進君) 御注意申し上げますが、正力長官の御答弁には、しばしばとは申し上げませんが、間々間違いがあるように見受けますから、その際は、質問者の方から指摘されるまでもなく、政府委員国務大臣を補佐する立場ですから、一つ率先して訂正されることが望ましいと思います。なお、御本人におかれては間違いのないように……。
  90. 永岡光治

    永岡光治君 それで、いろいろ聞きたいこともありますが、少し資料を要求してから、もうちょっと質疑したいと思います。  今、要綱の中の第二で示されております、政令にゆだねられている項目ですね、これの構想を、要綱程度でけっこうですから、どうせ最終的には若干の変更があるにしても、今あなた方がお考えになっている政令の要綱ですね、これを次期の審議に間に合うように御提出いただきたいと思います。
  91. 藤田進

    委員長藤田進君) なお、ちょっと資料要求の関連ですが、今直ちにでなくていいと思いますが、電子技術研究、それが電子工業という関係の範疇で、どういうものがどこにあるのか、私どもよくわかりませんので、 これは各、日立とか何とかいったような、そういう民間でもかなり電子技術を中心に研究している所を二、三見て参りましたが、こういうものの優劣をつけることはむずかしいでしょうけれども、かなり優秀なものを、できるだけ、この審議会で将来総合調整をなさる対象になり得るもの、あるいは文部大臣が今後学校系統で入るのでしょうが、学校とか、日本電子技術ないし電子工業に関する研究を進めているといったようなものを、網羅的にお願いしたいと思います。なお、その際に、これは字句で書かなくてもいいのですが、どこのが一体今一番優秀なのかということも、一つ検討しておいていただきたい。
  92. 上原正吉

    ○上原正吉君 ちょっとお尋ねいたしますが、先ほどの御答弁の中に、科学技術振興に関してはまず局を作る、電子技術振興に関して局を作るべきだ、あるいは科学技術振興に関して省を設けるべきであるとか、いろいろお話がありました。かつまた、従来の科学技術審議会の一部会であった電子部会電子審議会にすれば、大へん仕事が進捗、広がるようなお話に伺ったのですが、省とか局とか庁とかいえば、これは行政の執行機関であるようにわれわれも思うのです。それから審議会とか会議とかいえば、これはただ単なる会議であるようにしか受け取れないのです。それが局を新設するかわりに審議会を作って間に合うというのは、どういうことなんですか。その内容をどういうふうにお使いわけになるのか、一つ伺っておきたいと思います。
  93. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) つまり、局を作りたいといいますのは、結局、先ほど申し上げました通りに、各所にばらばらになっているのです、電子に関するものが。郵政省にあり、あるいは運輸省にもあり、あるいは通産省にもあるということですから、これをなるたけ一つ局において全部指揮してやりたいということであります。ところが、審議会にすると、ただ審議で、その総合調整するだけなんです。局にすれば、そこにまとまる。だから、統制されるというおそれをみな持つわけです。それで、局に反対が起るわけです。ほんとうはそうしなければならないわけです。各省ばらばらということは、ほんとうはよくないと思います。それは、ひとりわれわれのみではない。これは現にアメリカでも、陸海空三者に分けておるのはいけないということは、アイゼンハワーも言っております。日本はそれがもっとひどく、各省に分れております。そうして、自分の省に関することを干渉されることをいやがるのです。干渉されたくないのです。だから、審議会を作って、そこで総合調整をやろう。省にすれば、これはまとまります。それだから、常に話を進めるのに楽なんです。それで、省にしたい、また局にしたいというのが、私の考えであります。
  94. 上原正吉

    ○上原正吉君 そうしますと、どうもわかったようなわからぬようなことになるのですが、審議会は局を新設するかわりににならないというふうに了解していいのですか。局のかわりになるのですか、局を新設するかわりに。審議会を作って、局のかわりになるのかならないのか、それを伺っておきたいのです。
  95. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 局のかわりにまではなりませんけれども、幾らか役に立つということであります。(笑声)
  96. 上原正吉

    ○上原正吉君 重ねてお伺いしたいのですが、省を作り、局を作り、あるいは審議会を作り、いろいろ考え方もありましょうが、これは省であろうと、局であろうと、課であろうと、審議会であろうと、部会であろうと、仕事ができるかできぬかは、その部局や課の名称ではなくて、権限なのではないかと思うのですが、どうしても局を作らなければ仕事ができぬとか、あるいは部会ではいけないからして、審議会にしなければほんとうの仕事ができない、ほんとうの仕事をするのには省にしなければいけないとういことが、われわれにはどうもよく了解でなきいのですが、局であるのと省であるのと、あるいはまた審議会であるのと——審議会は局のかわりにならないということは伺いましたから、それは除くといたしまして局であろうと、部であろうと、省であろうと、庁であろうと、権限を付与されておりさえすれば、そうして予算と人員とスタッフをそろえておりさえすれば、同じような仕事ができるのじゃないかと思うのですが、それは、どのように違うのですか。
  97. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) それは、先ほど申し上げましたごとく、各所にまたがっておる、それを総合調整するのについては、局なら権限は大きくなり、仕事がやりやすいのです。審議会では、それが非常に弱いのです。
  98. 上原正吉

    ○上原正吉君 それはわかった。審議会が局にかわり得ないことはわかったのですが、局であろうと省であろうと、庁であろうと、その名称のいかんにかかわらず、その部局が持っておる権限さえ大きければ、スタッフさえそろえて、そうして費用をもらえばいいのじゃないか、こう思うのですが、これはどうなんですか。
  99. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) つまり、一つにこれはなるべくまとめなければならないという考えを持っておる。各所に分離してはいけない。省ならまとまります。それからまた、総合調整するのにも楽です。
  100. 上原正吉

    ○上原正吉君 省でなくとも、庁でもそれは十分だと思います。国務大臣が庁の長官なんですから、これでできぬということはのみ込めないのですか。
  101. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 国務大臣といっても、私は科学技術庁だけなんて、ほかの仕事は今のところでは各省に分れております。それだからして、それを少なくとも総合調整しなければならぬ。また、一つの所にまとめなければならない。今のような権限ではいけないのであります。
  102. 上原正吉

    ○上原正吉君 そこで、私は省でも庁でも局でもいい。その権限を拡大して、大きな権限を握って、スタッフをそろえて、予算を十分持っておれば、名称にかかわらず、十分仕事ができるだろうと思うのですが、その点どうなんですか。
  103. 藤田進

    委員長藤田進君) その点、繰り返し質問され、同じような答弁をされて、循環しておるように思うのですが、なぜかということを聞かれておるように思います。しからば、権限がどのようにあるのかないのかというので、名称の問題ではないのでなかろうか。やがて審議することになるかわかりませんが、たとえば逓信省という名前にしなければどうも仕事が進まないとか、最近だいぶそういうことがありますが、一つ科学技術関係でも、とにかくできないというのではなくして、何一つ
  104. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 権限がなければできません。科学技術庁長官としては、科学技術に関すること全般に行くわけじゃないのです。総合調整だけなんです。だからして、省を作れば、各行の科学技術に関するごと、みなここに集め得るのです。名称の問題じゃない、実際上の問題であります。
  105. 上原正吉

    ○上原正吉君 そうすると、名称の問題じゃなくて実際の問題だから、庁であっても省と同じだけの権限を持っていればできる、こういうことになるわけですね。
  106. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) その通りであります。なお、事務的のことになれば、一つ事務官から返事させます。
  107. 上原正吉

    ○上原正吉君 事務的のことはけっこうです。
  108. 藤田進

    委員長藤田進君) 今のは、お伺いしますが、上原君の御質問では、名前だけ変えても何ら意味はないので、省であろうが庁であろうが同じではないかという、畳みかけた御質問があったわけですが、長官は、その通りですとお答えになったように聞えるのですが、そうですが。
  109. 正力松太郎

    国務大臣正力松太郎君) 省に対する権限はどう、庁に対する権限はどうということはきまっております。それ、だからして、省にしなければならぬ。名称に伴うて権限はきまっております。それだから、省にしたいというのであります。
  110. 千葉信

    ○千葉信君 私は質問を次の機会に譲って、この際資料の要求をいたします。  それは、先ほど永岡委員から要求された資料に似ておりますが、私の場合には少し違って、科学技術庁が責任をもって政令案を出した。政令を出すということは不可能ですから、政令案を出した。それはしかし、あくまでも科学技術庁として責任を持った政令案を出した。その理由は、この法律を見ますと、この審議会設置する法的な条件の進法すれすれの格好の法律案です。ちょっと見ると、何か科学技術庁の分掌規定かのような印象を与える何々審議会を設けるという法律案である。本来は、こういう機構を設ける場合には、これは法律によって設けなければならないという条件には、これはある程度その通りにはなっていると思う。しかし、それは名前と目的だけで、どうしてその目的を達するような方法をとるか、機構はどうするか、運営はどうするか、ほんとうはそういうところまで法定しなければいけないのです。ところが、その科学技術庁関係を児ますと、この審議会ばかりじゃなしに、ほかの審議会も、一切の条件はもうほとんど政令に譲って設けてしまう。ここらに非常に問題があるのです。しかしそれは私はここではその点については敬遠します。  しかし、この電子技術審議会のあり方を国会として検討しなければ、この法律がいいか悪いかということを決定するためには、法定すべき筋合いの条件を少くとも政令案ではっきりしなければいけない。もちろん、政令ということになれば閣議の決定を経なければならない、ですから、この法律案が通らなければ、その措置はできないでしょう。そういうことになると思うのです。しかしやっぱりこういう違法すれすれの法律案を出してきた、この案件を国会審議する場合には、よほどその具体的な機構のあり方、運営の方法等、もっと具体的な内容が明らかにならぬと、課してこの法律案がうたっておるような所期の目的を達することができるかどうかということの検討ができない。まあ質問に入らない程度で、ただ要求についての敷衍だけをこの際しておきます。一つ、責任を持った政令案を出してもらいたい。
  111. 吉田萬次

    政府委員(吉田萬次君) まことにごもっともでございますが、審議会等の付属機関を置く場合に二つの方法がございまして、詳細に法律にうたうという重大な審議会の場合は、みなその通りやっておりますが、軽微と申しましては語弊がございますが、比較的一般並みというような審議会は、大体このような様式でもってやる場合も相当ございます。科学技術庁にもそのほかに審議会が、航空技術審議会、あるいは技術審議会、あるいは放射線審議会、それから資源調査会等がございますが、いずれもこのような科学技術庁設置法の中の一つの付属機関と同じように取り扱ってございます。従いまして、二つの方法がございますが、このような方法をとっている場合も相当ございます。  きょうは、ほんとう政令をお配りして御審議いただく方がよかったのでございますが、大へん手落ちでございまして、これはお配りできませんでしたが、この次の機会に必ずお配りしょうと思います。
  112. 千葉信

    ○千葉信君 まあ政令を出していただくことになりましたから、問題はありませんが、今おっしゃったことは、実は国会で問題になっているのです。もう詳しく具体的にその内容を法定している場合と、この種のやり方をしている場合と、それからもう一つ、違法行為をやっている場合がある。ですから、審議会設置の方法についてどれが正しいか、どういう方法によらなければなら、ぬかということが、今国会の論議の最中なんです。ですから、あなたがこういう条件があるとか、こういうやり方しているということは、私の方でも知り過ぎるほど知っていて聞いているわけです。ですから、そういうことについては、次の委員会等で論議をすることにして、とりあえず今私の申し上げた責任を持った政令案を出してもらう。これがなければこの法律案審議は進みませんから、そういうことで御提出をこの際願っておきます。
  113. 藤田進

    委員長藤田進君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  114. 藤田進

    委員長藤田進君) それじゃ、速記をつけて。  他に御発言もなければ、本案につきましては本日はこの程度にとどめまして、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十四分散会