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委員長(
藤田進君) この際、私から一点お
伺いをいたしますが、前尾
通産大臣は、就任されてかなりもう日もたっているのであります。以前、水田
通産大臣からの引き継ぎその他相当仕事が板についたところだろうと思いますが、ここに
提案されておりますように、
政府の能率化あるいは貿易の振興ということに役立つために、諸般の
法律の改正をするとか、こういったことも必要でしょうが、私は、
通産大臣が取り行われる所管の業務について、必ずしも満足ではないように思われる点があるのであります。たとえば、今問題になっているし、つとに一年前
予算委員会では、当院で私も総理
大臣以下通産、企画、運輸三
大臣の出席を願って、国鉄の新設路線と電源開発の競合について指摘をし、総理も、また所管
大臣も、それぞれ約束をしているにかかわらず、とにかく今日まで一年になるのに、いまだその結着がついていない。最近ようやく政務次官クラスの会合を持ったりされているが、中国にある三江線と江川の開発との
関係であります。
これは、年間、昨
年度はたしか三億三千万円であった。昨
年度の三億三千万円という国鉄の工事をやっていけば、電源開発をする見地から見れば、これは全部水没になるわけです。本年もまた続いてこの仕事をさせれば、さらに六億なり八億の、水の中に金を投げるような国政が行われている。昨
年度から、水没するからすみやかにその調整をはかって、所管
大臣はどちちらにするのか、一体両立していくのか、国鉄だけこの際工事をして、電源はこれを放棄するのかというようなことについては、両立論で来られ、最近の事務当局の計算等を見ても、火力なりあるいは原子力なりを
考えたときに、この江川の開発の必要があるという結論が出されておるにかかわらず、いまだにどっちつかずで、国鉄だけは水没するにかかわらず工事が進んでいる。こういうことについては、所管
大臣として重大な関心を持ってやっていかなければ、
国民の税をむだに使うと言われても仕方がないと思う。これはいずれ総理の所見を伺わなければならぬところですが、しかし、所管
大臣とされて、こういう問題がいまだに放棄されていて、今ここで申し上げたような、相当火急に解決されなければならぬ事態になって、本
年度もまた国鉄には新しい
予算ついているということについて、今後の小策なり、見通しなり、所信をお
伺いしておきたい。