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1958-03-13 第28回国会 参議院 内閣委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月十三日(木曜日)    午前十一時十五分開会   —————————————   委員の異動 本日委員矢嶋三義君辞任につき、その 補欠として吉田法晴君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤田  進君    理事      上原 正吉君            大谷藤之助君            永岡 光治君    委員            後藤 義隆君            近藤 鶴代君            迫水 久常君            田中 啓一君            苫米地義三君            増原 恵吉君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            田畑 金光君            千葉  信君            森中 守義君            島村 軍次君            八木 幸吉君   政府委員    通商産業政務次    官       小笠 公韶君    通商産業大臣官    房長      齋藤 正年君   事務局側    参     事    (委員部第二課    勤務)     川上 路夫君    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    通商産業省通商    局次長     伊藤 繁樹君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○通商産業省設置法の一部を改正する  法律案内閣提出)   —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。  委員の移動がございましたので、参事に報告いたさせます。
  3. 川上路夫

    参事川上路夫君) 御報告いたします。  本日、矢嶋三義君が辞任されまして、その後任として、吉田法晴君が委員に選任されました。  以上でございます。   —————————————
  4. 藤田進

    委員長藤田進君) それでは、これより議事に入ります。  通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を継続いたします。御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  5. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 政務次官に若干質問いたしますが、御承知のように、中小企業潜在失業者たまり場所になっておるわけですが、この現状に対してどのような手が打たれておるのか、まずお伺いしたいと思います。
  6. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 中小企業対策としてどういう手が手が打たれているか、こういうようなお尋ねだと思うのでありますが、一応中小企業問題を考えますに当りまして、工業面商業面、こういうふうに分けて考えていくのがいいのでありますが、共通的な問題といたしましての一つは、資金の問題であろうと思うのであります。第二の問題は税の問題、第三は共通問題として経営合理化近代化への指導援助の問題だと思います。  この三点につきましては、すでに御承知通りに、金融につきましては、政府関係の三機関中心にしまして、財政資金放出等をいたしております。さらに、中小企業金融の疎通の困難な一つの原因は、中小企業信用力不足にあるわけでありまして、この信用力不足を補完する意味におきまして、別途国会で御審議願っておりますように、中小企業信用保険公庫というようなものを作りまして、現在府県あるいは市を中心として設立いたしておりまする五十二の信用保証協会保証能力の拡大をはかっていく、こういうような措置を講じて参りたいと考えておるのであります。  税の問題につきましては、すでに御承知通りに、二十六国会におきまして所得税減税あるいは一部事業税減税等措置を講じて参っておるのであります。今国会におきましては、法人税の軽減というふうな問題を御審議願っておるわけであります。さらに、企業経営近代化を促進していく、こういう意味におきましては、ここ数年来継続いたしております設備近代化補助金制度というものを毎年増額して参りまして、これをできるだけ近代化を急がしていくというようなことにいたしまして、目下御審議を願っておりまする予算案におきましては、その補助金を五億というふうに増額いたしておるわけであります。  で、これらの共通問題の解決を進めていく上にさらに効果的な意味におきましての問題は、中小企業組織化、こういう問題を中心にして取り上げていくことは当然でございまして、二十七国会におきまして成立いたしました中小企業団体組織に関する法律、これの施行を四月一日から実施すべく、今鋭意準備を進めておる次第であります。  日本中小企業の問題につきまして、中小企業対策の大きな項目といたしましては、以上のようなことが考えられると思うのでありますが、さらに、中小企業問題にはいろいろな問題がございまして、具体的な問題について、それぞれ適当な措置を講じて参らなければならないのであります。特に最近のような不景気のもとにおきまして、中小企業の販路をできるだけ広げてやる、こういうふうな問題等は、輸出の振興の中に、先般もお尋ねがあったかと記憶するのでありますが、いわゆる輸出への指導援助というふうな問題が、相当日本中小企業対策として重要な意味を持つと考えるのでございます。また、特殊問題としていろいろ問題がございまして、特に厄介な問題は、小売商対策だと実は思うのであります。小売商対策につきましては、今まで申し上げましたような諸種の一般的な施策の遂行のほかに、小売商自体に即応した施策が必要でございまして、二十六国会以来衆議院におきまして継続審査に相なっております小売商対策の問題、小売商に関する法律案、これが三件継続審査になっておるのは御承知通りであります。政府から出しております小売商業特別措置法案、社会党から議員提案になっております商業調整法及び産業分野確保に関する法律案、こういうものが小売商対策一つ方向として、これを成立せしめていく必要があるというふうに考えておるのであります。もちろんいろいろな角度から問題は残りますが、大きな筋として、小売商業商業部門に即した立法措置というものを考えて参らなければならぬというふうに考えておるのであります。  簡早でございますが、以上でございます。
  7. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 百貨店進出とか、また外国資本進出を食いとめたり、また大企業中小企業に対する不公正な取引を是正するために、どのような手が打たれておりますか。
  8. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 小売商問題の一つの問題は、御指摘百貨店の問題であろうと思うのであります。百貨店問題につきましては、百貨店法案が、二十五国会でありましたか二十四国会で、成立いたしまして、百貨店設立営業に関する許可制度をしいておるのであります。御承知通りに、貨店の設立は、経過的なものは、いろいろな事情を調査いたしまして認めたり、あるいは不許可処分に付しておりますが、一応現段階におきましては、大都市を中心とする百貨店整備というものは大体終ってきておる。百貨店問題は地方の中小都市の問題として、だいぶ問題があちこちにあるようでございまして、これは小売商百貨店との競争関係調整というような意味から、私どもといたしましては、百貨店を押えていくという方向努力をいたしております。  で、百貨店問題はそういう営業あるいは売場面積の規制を中心としました百貨店法のほかに、百貨店営業行為自体をどう取り締っていくかという問題があるのでありまして、私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律、いわゆるこの不正競争という観点から、昭和二十九年であったと思うのでありますが、公正取引委員会におきまして特殊指定というものをいたしまして、その営業行為の行き過ぎを取り締っているのであります。こういう問題につきまして、さらに問題はいろいろあろうかと思うのでありますが、そういう線で百貨店小売商との調整をはかっているという状況でございます。  さらに、お尋ね外国資本国内市場への進出をどうしていくか。この点につきましては、御承知通りに、外資委員会におきまして、外資導入、あるいはまた技術導入等につきましては、審査制度というものをしきまして、できるだけいわゆる不必要なるものの企業国内への進出を防止するというふうな手を打っているのが現状でございます。   第三点の大企業のいわゆる進出、大企業中小企業との関係をどう調整していくか、こういうお尋ねでございますが、大企業中小企業との関係におきまして、生産部門につきましては、親企業下請企業との関係調整問題がまず具体的に上って参ります。この点につきましては、下請代金支払い遅延防止に関する法律がございまして、下請代金支払いを遅延させない、いわゆる金融の困難を下請業者にしわ寄せしていくということを防止いたしているのであります。これが第一点であります。第二点といたしまして、大企業中小企業の問題につきまして、大企業中小企業との関係におきまするいわゆる資本力による圧迫と申しますか、そういう経済的な問題につきましては、本来独占禁止法によって不当競争として、あるいは不公正競争として、これを取り締ってゆくというのが、独占禁止法本来のねらいでございまして、大企業中小企業との関係調整に役立っているというのが現状でございます。さらに、大企業が問題として今露呈して参っております問題は、先ほどもちょっと触れましたように、大企業の直接販売面への進出あるいは小売部門への進出等の問題がございまして小売商との摩擦を起している向きが多いのであります。こういうような面について現行法制においてはこれを取り締る道は実はございません。こういう問題をどういうふうに考えていくかという問題が、先ほど申し上げましたように、いわゆる産業分野確保という法律案一つのねらいに相なっているわけであります。こういう問題を、現在の日本経済情勢実態に即して、どこまで持っていくかという問題が、今後検討をすべき点である。そこまでまだ解決は参っておりませんが、すべき一つ方向に相なっていると私は考えているのであります。
  9. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 一応対策を御説明いただいたわけですが、私どもとしては、今関係してくる百貨店法とか下請関係法外資法、こういう法律自体に問題があろうと思うのです。そこで、こういう点は一つぜひ緊急に法改正考えていただきたいと考えているわけですけれども法改正の御意思があるかどうか、お尋ねしたい。
  10. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 百貨店法につきましては、すでに衆議院の方に二十六国会以来、その修正案継続審査に相なっております。これは、百貨店の、特にターミナルの百貨店問題というようなもの、それから先ほど申し上げました独占禁止法に基く特殊指定の問題の一部を法文の中に取り入れる、こういうような内容中心とした改正案が、国会に提出されている状況であります。これは、独禁法との関連において、百貨店法自体を修正していくかどうするかという立法技術上の問題が残ると思うのであります。下請代金支払い遅延防止に関する法律につきましても、同様改正案が出ているのであります。これはいわゆる中心下請代金支払い遅延防止に関しまして、手形サイトを限定しよう、いわゆる検収の手形を出した場合、手形をたとえば九十日以内の手形に限るというような、手形サイトの制限に関する内容を持つ法律案が提案されておるわけでありまして、手形サイトをこういう法律によって商法の特例をしいていくということが、うまく実行できるかどう一か、こういう問題はなお検討を要する、点があろうと思いまするが、下請代金支払いを促進するという意味におきまして、現行法に反省を加える必要が私はたくさんあると実は考えております。  外資法の改正問題につきましては、いろいろ御議論がございますが、実はまだどういう方向にこれを改正していくかという腹案はできておりません。御承知通りに、外資法の所管は大蔵大臣でございまして大蔵大臣とわれわれと協議の上でこれを直していくということに相なりますので、まだどういうねらいを持って改正案を作っていくかというところまで、実は参っておらぬという状況であります。
  11. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 現在外国資本日本にどの程度入っておるか、お伺いしたいと思うのですが、外国といっても、おそらくアメリカが主体だと思いますが、もしほかにもあるならば、国別を、大体の金額でけっこうですから……。もしお手元資料がなければ、別途資料として差し出していただいてもけっこうです。おわかりであれば、承わりたい。
  12. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 手元資料を持っておりません。後日資料として調製いたしまして、提出いたします。
  13. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 では、けっこう。  次に、五人未満零細事業があるわけですが、そこに働く労働者のために、健康保険とか、あるいは厚生年金失業保険労災補償、こういうものを適用せしめることが非常に適切であろうと思うのですが、この点についてお考えがあったら承わりたいと思います。
  14. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 常時使用する従業員五人未満のいわゆる零細企業といわれるものに対しまして、おあげになりましたような各種社会保障制度導入するということにつきましては、私はけっこうだと思うのでありますが、ただ、現段階におきまして、ここまで一挙に各種社会保障制度を実施する、これの受入れ態勢整備という問題がまだ残っておるのじゃないか。方向といたしましては、当然そうだろうと思うのでありますが、これらの順を追って受入れ態勢整備をはかり、一つそういう方向へ持っていきたいと、こういうふうに実は考えております。
  15. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、中小企業に対する金融機関として、国民金融公庫とか、あるいは中小企業金融公庫商工中金ですか、こういう金融機関があるわけです。せっかくこういう機関がありますけれども、大体全体の資金が少いということ、手続が非常にめんどうであるということ、さらに利子が高い、こういうようなことで、実際中小企業方々はあまり喜んでいないわけです。借りたくも、その希望するときに借りられない。これではまことに弱い者いじめとなるように考えられるわけです。この点、改善の意思があるかどうか、その点を伺いたいと思います。
  16. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 御指摘の三金融機関が、政府関係機関として、中小企業金融関係機関としてあるのでありますが、昨年の秋ごろと思うのでありますが、十月ころでありまするか、中小企業各種金融機関を通じて出されておりまする総額は約二兆四、五千億だと思うのであります。そのうちで、今おあげになりました三機関から出ておる金額というものは、大体八・五%くらいという大体の比率を占めておるようであります。この点から考えてみますと、御指摘のように、量が少な過ぎるということは言い得ると思うのであります。でありまするが、この三機関の出しておる金融目的というものは、それぞれ特色を持っておる。たとえば中小企業金融公庫におきましては、普通の金融機関によって融資の困難な長期金融というようなものを行うということを、そのねらいにいたしております。また商工組合中央金庫におきましては、いわゆる組合金融中心にいたしておるのであります。国民金融公庫につきましては、御承知通り、現在貸し出しの一件当り平均金額が約十九万円、十八万何千円というような、大体零細金融であります。零細といいますか、少額金融であります。これらの組織がそれぞれの主たる目的を持って動いておりますので、これに対しまして、これ以外の一般金融というものが、銀行法に基く銀行、あるいは信用金庫法に基く信用金庫、あるいは相互銀行等一般金融機関中心として事業経営がされていくように相成っておるのであります。私はただ大ざっぱにということで、先ほど申し上げましたようなこの三公庫の占める金額的割合が少いので、これを年々ふやしていくような方向にしなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。  で、利子につきましては、これは表向き金利は、中小企業金融公庫につきましては年九分八厘、国民金融公庫におきましても大体九分八厘ないし九分五厘ということに相なっておる。商工組合中央金庫におきましては若干高くなりまして、長期ものになりますと約年利一割近くに、三銭一、二厘というところになろうかと思うのであります。これらの点は表向から見ますると、金利が割高のように聞えるのでありますが、実際の経営の見地から見まするときに、現在の金融機関におきましては、歩積み制度その他がございまして、両方から金利をとられるというような形になり、そういう点から計算して参りますと、必ずしも高いとは私は言い切れないのじゃないか、こういうふうなまあ実は見方をいたしておる。ただ、表向きが若干商いので、これを引き下げていかなければならぬ。引き下げていくためには、その各三金融機関の貸出の原資のコストを引き下げていくような方向努力して参りたい、こういうふうに考えておるのであります。  それから第三点として手続お話がございましたが、この点は各方面からいつもいろいろと苦情を承わっておるわけでありますが、できるだけ実は簡単にするような指導をいたしておるのでありますが、まだ借りる方から申しますと、借りる書式を書くのになれない人々が多いというようなことで、感覚的に申しますと、なお手続が煩瑣だというふうな御意見を承わっておるわけであります。われわれといたしましては、金融の常時必要最小限度のいわゆる手続にしていくように努力をいたしておるのでありますが、まだ今申し上げましたような事情で、十分な目的達成ができておらぬ、こういう状況であります。
  17. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 政務次官はそういうふうにおっしゃいますけれども、私どもが直接中小企業方々といろいろ、まあこういう面についていつもお話ししておるわけですけれども、非常に手続がめんどうであるということと、利子が割高であるということを、どなたも訴えておるわけです。ところが、大企業に対しては、大体全体の資金も多いし、手続も非常に簡単ですね。しかも、逆に利子も安い。これでは大資本擁護というような政策を出ていないわけです。まことにその点は遺憾だと思うわけです。ぜひ借りたい人が借りられるような方策を講ずべきだと思うのです。金があって、借りぬでもいいような人は、簡単に借りられる。ぜひほしい、ここに五万円あるならばこの難局を切り抜けることができる、そういうような場合に、なかなか手続がめんどうで、利子が高いというようなことで、この足を踏んでしまうわけです。そういうことのないように、一つぜひ早急に手を打っていただきたいと思うのですが、この大資本家に対してこういう逆な手を打っておるということはどういうわけであるか、この点を明らかにしていただきたい。
  18. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 手続簡素化の問題、利子の点の問題、全く私どもその方向にぜひ進んでいかなければならぬと思います。また、そういう努力を続けて参っておるのであります。でありまするが、大資本に対する金融と逆の手を意識的に打っておる、こういうことでは実はございません。われわれといたしましては、中小企業というものの金融所要額も小さいしいたしますので、できるだけ一つこれを簡単な手続に持っていきたいと考えております。  利子の問題は、私が先ほど申し上げましたように、商工中金の、たとえば貸付の金の原資が、六分五厘は最低つく。資金運用部の金を借りるにしましても六分五厘、また、債券の引き受けをする場合でも最低六分五厘の原資だ。それに諸般の経費を加えるということになりますと、どうしても勢い貸付金利は高くなるのであります。そこで、原資利子のかからないような、原資自体が安くなるというような方向努力をしなければ、この金利問題というものは片づかない。あるいは別の線から利子補給制度というものも一応考えられましょうが、これは邪道でありますので、どういたしましても、貸すべき原資を安くする方向に実は努力をして参っておるのでありますが、まだ思うにまかせません。ぜひそういう方向に一段の努力をいたしたい、こういうふうに考えます。
  19. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、現在中小企業を苦しめておる物品税、これを急に、一切同時にということはできないでありましょうけれども、漸進的にこれを廃止する考えはないかどうか、この点お伺いしたいと思います。
  20. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 私は、この前の委員会では、テレビの物品税お話がございましたように、物品税は、中小企業の立場から申しまして、これを全廃する方向に持っていくべきものだと大体考えておるのであります。ただ、実際問題といたしまして、一挙にそこまで運びかねますので、逓減の方向に持っていく、そういうふうにいたさなければならぬ。これらが実際問題として、中小企業金融圧迫になる、あるいは売り値を高くする、こういう要素をなしておると思いますので、漸減の方向にぜひ持っていくようにいたしたい。そういう趣旨で大蔵財務当局とも、いつも交渉いたしておりまして一度に参りませんが、漸次物品税課税品目整理をいたしまして、縮小いたしておる。こういう状況でありますが、ぜひそういう努力を続けて参りたい、こういうように考えております。
  21. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それと同時に、大企業中心租税特別措置法という悪法があるわけです。これも一つぜひ廃止していただきたいし、また廃止すべきだと思っているわけです。
  22. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 租税特別措置法の問題につきましては、私は、これを廃止するという方向に今のところは行きにくいじゃないかと実は考えておるのであります。二十六国会におきまして、租税特別措置法適用品目になっておりまする、特別償却制度を認めておる品目整理をたくさんいたしたことは、御承知通りであります。つまり、記憶は違っておるかもしれませんが、四百数十億のいわゆる特別償却その他の優遇措置整理いたしたのであります。これは、日本の国の経済をより高度化し、近代化していく、こういう一つのねらいのもとに、新しい産業のまだ技術の安定しない状況におきまする際に、租税上の負担というものを軽めで、新しい企業の培養をはかっていくということは、日本の現段階においは私はやむを得ないじゃないか。ただ、一応企業技術的に安定し、経営の見通しも立ったというようなときには、時を移さず整理をしていくという方向はとらなければなりませんが、基本的には、現在の日本産業実態から見まして、こういう新規産業の育成上の措置として必要じゃないか、こういうふうに考えております。
  23. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先ほど政務次官は、中小企業対策として、中小企業合理化とか近代化、こういうことを主張されたわけですが、まことにけっこうだと思う。ところが、三十二年、三十三年、この程度の中小企業対策費ではなかなか近代化合理化ということは実際には不可能だと思う。そこで結論としていま少し中小企業対策費を大幅に増額すべきだと思う。この点についてお考えがあるかどうか、お伺いしたい。
  24. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 中小企業設備近代化経費の少いことは、私も同感であります。これはできるだけふやして参る。すでに御承知通り政府補助は大体設備費の六分の一、府県が同額持ちまして、三分の一が補助という形になっておる。補助と申しましても、無利子五年長期一カ年据置の形をとっておるのであります。これは、どうしても金額をふやして参らなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。と同時に、中小企業設備近代化は、私は、設備短期償却が行えるような方向に参らないといかぬのじゃないか。そうして常に企業に余裕を持たしながら、設備の更新のチャンスを与えていく、こういう方向におきましてぜひ努力をしていきたい、こう考えております。
  25. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 百貨店法の第五条を見ますと、中小企業者中小商工業者の利益を著しく害する場合には、営業を許可してはならない、こういう意味の条項があるわけです。ところが、現実には、百貨店法が実施になった以後も、続々と百貨店が開店しておるわけです。そうして中小企業圧迫しておる、こういうように私どもは見ておるわけですけれども、そういうことではまことに遺憾なことで、これは通商省の責任にもなろうと思うのです。この点についての見解をお伺いしたい。
  26. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 百貨店法第五条の規定は、御指摘のような内容になっておるのでありますが、同法によりますれば、百貨店営業の許可あるいは売場面積の拡大の許可等々の事項につきましては、百貨店審議会の議を経て政府措置することに相なっておるのでありまして、百貨店審議会の審議におきましては、その売場面積を認めることによって当該地域におきまする小売商の売り上げにどういう影響を与えるだろうか、従来どういうふうな小売商の売り上げがあり、その売り上げの増加のテンポがどうであるか、ことに新しく売り場面積を広げた場合にどうなるかということを、可能な範囲におきまして数字的な材料等をとりまして、検討いたしておるのであります。この同法はまた、許認可に際しまして、当該百貨店、将来百貨店設立予定地の商業会議所、商業会議所がないときには当該地域の商業者の団体の意見を徴することになっておるのでありまして、具体的にローカルな実情を反映さしていく、こういうことにいたしておるのでありまして、百貨店の認可に当りまして、小売商業者への影響というものを十分配慮して審議がなされておるものと、私は実は考えておるのであります。
  27. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 その同法は、百貨店審議会の意見を尊重してということでありますが、今まで百貨店審議会の意に反して許可したことはありますかどうか、その点を……。
  28. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 百貨店の議を経ず、あるいはまた百貨店の議に反して、行政処分をしたことはございません。
  29. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 百貨店が往々出張販売したり、あるいはまたお客を送迎したりすることを見受けるわけですが、そういうことは中小商業者を非常に不利益にするということが考えられるが、そういう場合には通産省は勧告をすることができるというような手ぬるい条項があるわけですけれども、もしその勧告をすなおに受け入れれば問題ないわけですが、その勧告を業者が受け入れなかった場合には、どういうふうな措置が講じられるか、その点をお伺いしたいと思います。
  30. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 百貨店の送迎バスあるいはおとり販売等々に関しますることは、先ほど申し上げました独禁法に基きまする特殊指定としてこれを禁止——不公正競争の一形態として指定いたしておるのであります。同時に、日本百貨店協会におきまして自粛措置を講じておるのであります。同業者の中の申し合せとして、それをやらないように実はいたしておるのであります。これは戦前の百貨店法におきましては、百貨店組合というものを作りまして、組合の統制規定としてこれを守っておったのでありますが、現行百貨店法ではそういうことをいたしておりません。  で、今伊藤さんの言われる同法第九条に規定しておる問題で、著しく当該地域の小売商営業活動に影響を及ぼす場合に通産大臣が勧告ができると、こういうまあ規定があるわけでございまするが、同法によりまする勧告をいたしましてこれを聞かないときはどうなるかと申しますと、同法第九条に罰則はございません。従いまして勧告に終ることになるのでありますが、社会的な制裁というものが当然に予想されます。従いまして勧告の手段によって私は目的を達し得ると、こういうふうに見ておるのであります。
  31. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 一応わかりますけれども、勧告以上に罰則も何もない、社会的の制裁だけを待っておるということでは、まことに手ぬるいと思うのでありますが、もっと徹底的に、中小企業者を擁護する立場から、何とか手を講ずる必要があると思いますが、現在そういう法律がないとしても、何か具体的に考えるべきだと思うのでありますが、そういうお考えがありますかどうですか、そういう点を……。
  32. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) たとえば送迎バスのような問題になりますと、非常に目に見えて簡単で、取締りが楽でございますが、また一時問題になりました百貨店納入者から手伝い人夫を出す——人夫というと、売手でございますが、こういうふうな形態のはっきりしたものは取締りが楽でありますが、たとえば不当返品の問題等々の営業行為自体関係しておる問題になりますと、いわゆる取締りというものが実に非常にむずかしいのであります。また罰則の適用をするにいたしましても、商取引の形態はいろいろございましてなかなか捕捉が困難だというのが私は実情だと思うのであります。そこで、こういう社会的に大きな焦点になっておりまする百貨店というものの取締りというものは、社会的な制裁、この百貨店がこういういわゆる法律違反のこと、あるいは法律にすれすれのこと、あるいは小売商に非常に弊害をもたらしておるというような点につきましてこれを公表することによってある程度の効果があるんじゃないか。罰則を厳重にすることのみによっては、私は目的を達し得ないじゃないか。御承知通り、すでに御承知だと思いますが、四月一日から実施されまする中小企業団体組織に関する法律につきましては、業種別に一応商業者、たとえば小売業者の組合もできますが、この組合等は百貨店を相手にして団体交渉権を持つ。この団体交渉権によってそういう問題を若干防止していけるんじゃないか、こういうふうに実は考えておるのであります。
  33. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 百貨店に別会社というものがあって、これの経営についても、実質的には百貨店の支店のようなものだと思うわけです。非常に中小商業者を圧迫することになろうと思うのですが、この点はいかがお考えですか。
  34. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) たとえば、例をあげて悪いのかもわかりませんが、東横が東光ストアというような名前で、駅に相当大きな食品その他の店を出しております。こういう傾向が実は出てきておるのであります。これが当該地元の小売商に対する一つの脅威である、これは事実でございます。これを取り締っていくという法規は、現在のところございません。ただ一つ、そういう行為がいわゆる独占禁止法にいう不公正取引の要素をなすかどうかという点につきまして、一つの法的な手がかりができるのでありますが、現在の発展程度では私はむずかしいじゃないか、解釈上、こういうふうな考え方をいたしております。従いまして、この問題につきましては、もしそれがたとえば郊外地等におきまする小売商に強い圧迫を与えるという場合には、別途の措置を講じなければならぬ。そうしなければ、ただいまの法制下においてこれを取り締っていくということは不可能である、こういうふうに考えます。
  35. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この百貨店の別会社の経営について、三月の上旬に百貨店審議会を開いて審議すると、そういうふうに承知しておるわけですが、もうすでにあったと思うのですが、どのようなことが審議されて、どういう結論を得たか、大要でけっこうですが、承わりたい。
  36. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 私は実は、百貨店審議会でその問題を取り上げたかどうか存じておりません。ただ、百貨店審議会の職務権限というような点から考えますと、そういう問題が審議会の議になり得るかどうか、こういう問題もあり得るのではないかと思います。これはよく調べてみまするが、まだそういう問題を正面から取り上げた審議会を開いたように実は聞いておりません。
  37. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それでは、次回までに御調査の上、御報告をいただきたいと思います。  次に、計量法施行法を見ますと、第三条、第六条で、本年一ぱいで尺貫法及びヤードポンド法、こういうものが廃止になるわけですね。そこで、来年一月一日から新計量法が実施されるわけですけれども、実際に町中で、たとえばデパートなどを見ますと、大体新計量法が実施されておるようでありますが、一般小売商などでは、あまりまだ徹底していない向きも多いと思う。来年の一月一日に新計量を控えて、その点遺憾がないかどうか、見通しは心配ないのかどうか、この点をお伺いしておきます。
  38. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 御承知通りに、計量法をメートル法に統一する問題は、古い歴史をもって今日まで参っておるのでありまして、本年一ぱいでメートル法に切りかえられ、尺貫法及びヤードポンド法が廃止される、こういうことに相なっております。  この法律の施行につきましては、まだいろいろな面におきまして十分な周知徹底ができておらない面もあろうかと思いますので、来年度の目下御審議を願っておりまする予算におきましては、約一千万円の予算をとりましてこれの啓蒙宣伝を十分にやっていきたいというふうに考えておるのであります。  なお、同法におきまして計量法の統一に関します、整理に関する法律におきましては、各種法律にあります尺貫法あるいはヤードポンド法等の規定のところを直しておるのでありますが、それらには、たとえば土地あるいは建物の台帳というような非常に困難なものにつきましては約七年の余裕を与える、あるいは航空機等の輸送に関しては当分の間世界の慣行が一致するまでそのままいくとか、実際上の状況に応じまして若干の猶予期間を、土地、建物の七年を最大限にいたしまして猶予期間を設けておるのでありまして、その間に啓蒙宣伝をいたしまして、これの周知徹底して実施をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
  39. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この新計量法については、相当長い準備期間があったわけですね。そこで、その長い間うまずたゆまず宣伝啓蒙に努めてきたならば、一月一日実施を控えて、今になってあわててそう心配せぬでもいいと思うのですが、今、政務次官も見通しについてははっきりと伺えなかったが、来年一月一日から確信をもって実施できるのかどうか、この点をお伺いしておるわけです。
  40. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 私は、この問題は一つは各個人の年令層によって感覚が非常に違うと思うのであります。三十代以下の若い人はほとんどメートル法でいろいろなものを見ておる、こういう状況にまでなっておると思うのであります。そういうような情勢から考えますと、今申し上げたような手を打ちますと、来年の一月一日から、取引及び証明に関する限り、ポンド計量法をメートル法で施行するということで、混乱は来たさないものというふうに考えております。
  41. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、方向を変えて、火薬類製造の許可権が通産省にあるわけですが、お伺いしたいのは、花火の製造もその中に入っておりますか、それをまずお伺いしたい。
  42. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) これは火薬取締法の適用範囲に入っております。
  43. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 入っておりますね。  そこで、お伺いいたしますが、花火工場でときどき事故を起して、死傷者を出しておるわけですけれども、これはいろいろそういう災害防止の対策に遺憾の点があるのではないかと思うわけです。この点はどうですか、お伺いしたいと思います。
  44. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) 火薬類の取締りにつきましては通産省が所管をしておりますが、それぞれ末端の現実の取締りは、府県の係官が中心になってやっておるわけでございます。今お話しの花火の工場でございますが、非常に零細なものが多いものでございますから、実は従来災害が起るたびにあらためて通牒を出したり、会議を行なったり、あるいは場合によっては直接通産省の係官を派遣したりいたしまして、取締りの強化をやっておるのでございますが、どうも非常に零細企業が多いものでございますから、ときどきこういう問題を起して大へん遺憾に思っておりますが、現在の取締りが非常にルーズだからというふうにはわれわれ考えておりませんので、取締りとしては、現在の実情からすればかなり厳格な取締り、たとえばいろいろな防災上の基準その他につきまして、よほど厳重な基準が設けられておる。ただ、主として災害が起りますのは、定められました保安上の基準並びにそれの要求する作業方法に関する規定というようなものを十分守らないというようなケースが、実際災害を起す場合に多いのでありまして、この点は絶えず作業者に注意を喚起しておくということが非常に大事でありますけれども、どうも実際上はそういう場合の注意の弛緩から事件が起ることが多いという事実であります。その点は非常に残念に思っておりますが、現在の取締りのやり方が非常に手ぬるいから事故が起るのだというようには、考えられないのじゃないかと思います。
  45. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、鉄鋼とか繊維業、そういう方で在庫品あるいは需要供給の調整、そういう措置のおくれから操短強化をやっておりますが、そうして中小企業、またそれの労務者の解雇という形でさっそく悪影響が出ておりますが、こういう面に対してどのような対策が講ぜられておるか、お伺いいたします。
  46. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) まず繊維につきましては、御指摘のように。市況が非常に惑いのでありまして、特に人造絹糸においてはなはだしいので、これらの措置につきましては、遺憾ながら操短というものを行なって市場の荷もたれをできるだけ少くしていく、こういう措置を請じておるのであります。また、人絹糸のようなものにつきましては、御承知通りに、従来インドネシアその他に輸出が非常に多かったものが、輸出がきかなくなったというような事情から、荷もたれを来たしておるのでありまして、これらの問題につきましては、三銘柄でありますかを限りまして、一手買取会社を作りまして市場操作をするということにいたして、近く発足することになっております。同時に、人絹織物あるいは綿スフ織物というようなものにつきましては、織機の整理をいたしておりまして、買上措置を講じておることは御承知通りであります。そういうような状態におきましてこの不況乗り切りのために操短あるいは買上会社による市場操作というような措置を講じて、この不況を切り抜けていきたい、こういうふうに実は考えておるのであります。で、今後といたしましても、繊維品の一つの大きい活路は輸出の振興にあると思いまして、この輸出を積極的にはかっていくという方向努力をいたしたいと考えておるのであります。  鉄鋼につきましては、御承知のような状況でありまして、鉄鋼三社におきましては、平均しまして約三割程度の操短をしておる、こういうことに大体進んでおるわけであります。市場の荷もたれが非常に多いのでありまして、海外輸出を積極的にはかるということのほかに、今申し上げますような約三割見当の操短を行なって市場の調整をはかる、こういうような措置を講じております。これが現状であります。
  47. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 新聞の報道によりますと、日本紡績協会では、三月七日に、不況打開のために勧告操短を実施したということなんですが、問題は、その中に小規模紡績も入れられておるわけなんですね。そこに問題があろうと思うのですが、この点についてどういうような対策をお持ちになっておりますが、お伺いしたい。
  48. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 綿糸紡績の操短につきましては、私は、やはり新新紡のような所も同一歩調をとるということが必要なのでありまして、従来そういう点がうまくいかなかったというところに、かえって問題があるのじゃないかと。そこで、綿糸紡績の操短を強化していく、こういうふうな意味から考えましても、少くとも綿糸紡績の作業をしておる会社が、こぞって一定の比率によって操短をしていくという必要があるというふうに考えております。
  49. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 インドネシアの賠償に繊維製品を織り込むというふうに聞いておるわけですが、どういう構想なんですか、概要でけっこうですから…。
  50. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) インドネシアの賠償問題は、御承知のような経過をとっておりますが、まだ批准を了しておりません。従いまして、批准を了してから実施に入ると思うのでありますが、先ほど来お話しのように、日本の繊維業界が不況でありますので、それの活路として、賠償の物資として繊維製品を出してほしい、こういう要請が各方面から強く出ておるのであります。私どもは、賠償の原則は資本財の輸出にあると思うのであります。資本財の輸出を原則としていくということにいたしておるのでありますが、臨時の措置として、こういう問題は取り上げられていくという可能性はあると思いますが、あくまでもインドネシア側の一つの要請を見たしで、これをどう措置していくということを考えて参りたい、こういうふうな考え方をいたしておるわけであります。
  51. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ちょっと、輸入保証金制度に対する通産省の見解をお聞きしたい。これも概要でけっこうですから、お伺いしたい。
  52. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) 御承知のように、昨年の緊急対策のときに、輸入保証金の限度を引き上げまして、なお現金積みを励行するという措置をやったわけであります。現在も、まあ輸入情勢というものについてのこれは見方でございますが、少くとも思惑的な輸入というものは全く影をひそめたと、大体十分解消したとわれわれは考えておる次第でございます。そうなりますと、現在輸入保証金として、たしか四十億円ぐらいであったかと思いますが、の金が銀行に眠っておるわけでありますから、これが貿易業者の資金繰りに相当圧迫を来たしておるということは十分言える。またそれが、緊急対策目的一つでもあったわけでございますので、その事情が相当変ってきておる現在におきましては、来年度の外貨割当の方針をきめる際にでも、この問題は十分検討する値打はあるのではなかろうか。  ただし、現在これは非常にデリケートな問題、ことに一般金融引締め全体の運営に連なるものでございますので、単に貿易政策の面からだけ、この問題を処理するわけにも参りませんので、そういった全体の金融措置をどの程度するかという問題と関連して処置しなければならない問題でございますので、現在のところ、まだこれをゆるめるとか、あるいは現状のまま継続するとかいうことは、決定する段階ではないと思います。  それから、先ほどちょっと申しました四十億というのは、八十億ぐらいだそうであります。  それから、この機会に、先ほど伊藤先生から御質問ありました問題で、二つにつきまして御答弁できなかったものがありますが、資料がございますので申し上げます。  一つは、外資が今までどのくらい入ったかという御質問であります。外資法昭和二十五年施行になりまして以来、昨年の暮までの間に、これは株式投資と貸付金と両方ありますが、合計いたしまして千三百六十二億円であります、昨年の十一月まで。  それから百貨店審議会において、百貨店の別会社の営業活動に対して何らかの取締りをやったかという御質問でございました。これは今月の八日の百貨店審議会におきまして、通産省の方から百貨店審議会に報告をいたしました。その報告の内容は、一つは、百貨店の別会社による営業につきましては、百貨店と類似の包装用紙を使用しない。もう一つは、営業時間を百貨店に準じて制限すると。この二つにつきまして、地方の通産局に行政指導を行わせることにしましたという報告を、百貨店審議会にいたしております。まず、さようなことであります。
  53. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 三十三年度の鉱工業生産の伸びの目標について、通産省ではたしか四・二%、経済企画庁では四・五%、こう一応見ているわけでありますが、現状から見て非常に実施困難だと思われるのですが、この点の見通し並びに方策はどうですか。
  54. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) これは、この経済企画庁の四・五%、あるいは通産省の四・二%と申しますのは、これは若干違っているようでありますけれども、これは計算の取り方あるいは数字の取り方が違いますので、実体的にはそう大きな差はないのじゃないかとわれわれは考えております。  それから四・五%あるいは四・二%にいたしましても、その程度の生産があるかどうかという点、問題じゃないかというお話でございますが、これは将来の予測の問題でございますので、はっきり必ず四・五%になるとか、あるいは四・二%になるとかいうふうなことは、もちろん申し上げられるような問題ではございません。ただ、通産省の計算いたしました四・二%という数字は、これはいわゆるミクロ的作業と申しますか、各業種について全部需要の見通しと、それから各メーカーの生産の見通しというものを、各業界から全部取りまして、それで過度と思われるものはある程度調整をして作った数字でございまして、この数字の基礎になりましたのは、昨年の暮からことしの初めごろまでの業界の見通しを基礎にして作ったものでございます。比較的新しいデータによっておりますし、いわゆる積み上げ方式でございますので、少くとも業界全体としての考え方としては、このくらいはいけるのだという見通しになっていると思うわけであります。ただ今後、御承知のように、米国の景気後退というような問題が、非常に深刻になってゆくような考え方もございます。そういう大きく情勢が変りますれば、これは何とも申し上げられませんけれども、そういった点が非常に大きく変更しない、米国の景気も現在悪いけれども、下期になれば好転するというのが一般的な見通しであります。そういうふうな見通しが変りませんければ、この程度の生産は可能である、かように考えております。
  55. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それで、時間がだいぶ長くなりますから、最後に一点お伺いして終りたいと思いますが、今アメリカが非常に不況になってきたので、対米輸出も非常に制約されてきて、中小企業のいわゆる輸出振興については非常に憂慮されると思うのですが、その点についてどのような手を打たれていますか。
  56. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) アメリカの景気の後退が日本の対米輸出を相当弱めやせぬかと、こういう御心配でありますが、私どもも心配をいたしておるのでありますが、アメリカの需要というものと日本からアメリカに入っておる輸出の量、特に中小企業製品等の雑貨を中心として考えますと、アメリカの需要に比べまして非常に小さい部分であります。小さい部分でありますので、特殊のものを除きましては、ほとんどパーセンテージが低いというようなことから、今後の努力によりましては、私は従来程度の輸出実績を維持していくということは可能ではないか、こういうふうに考えております。
  57. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 アルコール専売のことで少しお伺いしたいのですが、時間がだいぶ過ぎましたから、資料だけお願いしておいて、この次にしましょうか。
  58. 藤田進

    委員長藤田進君) どうぞ。
  59. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 それでは、資料をお願いをいたしておきます。  第一は、アルコールの官営工場と民営工場のコストの比較、それから操短率、それからもし今相当操短しておれば、これを集中生産に切りかえたらどういったような利害得失があるかという問題、それから原価の要素になっているたとえば原料代とか燃料代、労務世、その他の仕訳、それから売掛金の回収状況、そういったことをなるたけわかりやすい一つ資料を提出していただきたいと思います。
  60. 田畑金光

    ○田畑金光君 この間の委員会で、私、外務省の関係者に出席するように要求していたわけですが、コロンボ・プランの問題で外務省に質問したい、こう思っていたわけですが、本日出席がないのは遺憾で、この次の委員会には必ず委員長の方から連絡をとられて、出席するように要求しておいてもらいたいと思います。  それからもう一つ、これは通産当局にお願いしたいことは、この外国意匠の盗用防止措置についてという資料をいただいたわけですが、この中で品目別に今日までの該当件数が出ておるわけですけれども、もう少し繊維関係、雑貨関係、軽機械関係等々、あるいは仕向け地別に分類されておりますが、内容をもう少し一つ掘り下げて、どういうような盗用事項であったのか、これを次の機会に資料として提出していただきたいと思います。
  61. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまの田畑委員の御発言に関連することですが、事務当局を通じて種々連絡をいたしておりますが、現在在外公館長会議が開かれておるので、今週一ぱいは出席が困難である、こういう連絡がありますので、なお努力をしたいと思います。
  62. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 きょういただきました航空関係製造修理実績一覧表、これは航空機武器課作成の一覧表になっておりますが、この数字の中で、防衛庁以外のものが幾らかおありになりますか。もしあれば、どれとどれとが防衛庁関係でないということだけお伺いいたしたいと思います。
  63. 伊藤繁樹

    説明員伊藤繁樹君) ただいまの田畑先生の御要求の資料、できるだけととのえるようにいたしますが、意匠の問題は実は法律的には私的ベースで問題になりまして、全部が役所のルートを通じて解決される性質のものでもございませんので、できるだけ帰りまして詳細に調べまして、御要求に沿うような資料を出すように努力はいたしますが、十分なものができますかどうか、ちょっと自信がごいません。
  64. 齋藤正年

    政府委員(齋藤正年君) 航空関係資料でございますが、これは民間の分も入っておるのでございますが、分けてははっきりしてございませんので、可能でありましたならば分けて、民間のものはわずかなものでございますから、さらに資料を提出するようにいたします。
  65. 田畑金光

    ○田畑金光君 先ほど私、出席を求めた外務省の関係者というのは、外務大臣、あるいは何とも時間のやりくり等で来られない場合は外務次官、外務大臣か外務次官に出席を求める、こういうことでございます。
  66. 藤田進

    委員長藤田進君) 要求しておきます。  暫時休憩いたします。    午後零時三十一分休憩   〔休憩後再会に至らなかった〕