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1958-03-07 第28回国会 参議院 内閣委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月七日(金曜日)    午後一時五十一分開会     ―――――――――――――   委員の異動 本日委員松本治一郎君辞任につき、そ の補欠として森中守義君を議長におい て指名した。     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     藤田  進君    理事      永岡 光治君    委員            木村篤太郎君            後藤 義隆君            近藤 鶴代君            迫水 久常君            田中 啓一君            苫米地義三君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            千葉  信君            田畑 金光君            矢嶋 三義君            島村 軍次君   政府委員    内閣官房長官  愛知 揆一君    憲法調査会事務    局長      武岡 憲一君    行政管理政務次    官       榊原  亨君    行政管理庁行政    管理局長    岡部 史郎君    通商産業政務次    官       小笠 公韶君    通商産業大臣官    房長      齋藤 正年君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    通商産業省通商    局次長     伊藤 繁樹君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○憲法調査会法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○通商産業省設置法の一部を改正する  法律案内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。  まず、憲法調査会法の一部を改正する法律案につきまして、政府から提案理由説明を聴取いたします。
  3. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ただいま議題となりました憲法調査会法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  御承知通り憲法調査会は、昨年七月発足を見たのでありますが、明年度に入りますると、その会議開催数増加し、調査審議も広範な事項について細部にわたって行われるものと見込まれるのであります。  これに伴いまして、憲法調査会事務局におきましても、諸般の事務が増大することになりまするので、これらの事務を円滑に処理いたしまするため、現在局長のほか七人でありまする事務局職員定員を改め、新たに事務官五人を増員することといたしたいのであります。  これが、この法案を提出いたしました理由であります。何とぞよろしく御審議の上、すみやかに御賛同のほどをお願いいたします。     ―――――――――――――
  4. 藤田進

    委員長藤田進君) 次に、通商産業省設置法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を継続いたします。  御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  5. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 お伺いいたしますが、御承知のように、第四次の日中貿易交渉は、五日に妥結調印したわけでありまするので、日中輸出入組合中心として、貿易業界では、貿易が飛躍的に拡大する見込みであるというふうにいって、非常に張り切っているわけでありますが、その問題について、通産省としてはどのように考えておられますか、お伺いしたいと思います。
  6. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 日中第四次貿易協定が北京で調印せられましたことは、わが国の対中共貿易の促進に相当役立つものと私ども考えておるわけであります。今後、日本貿易振興見地から見まして、中共にスムーズに物資の交流ができるということは、日本貿易振興見地から見ても大きな意義を持つものと、こういうふうに考えておるのであります。
  7. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 新聞の報道によりますと、年間取引額が片道三千五百万ポンドと思いますが、このことを、本年度輸出三十一億五千万ドル、それから輸入が三十二億ドル、こういう目標であるわけですが、この目標に比較して、日本貿易のこのような構想に比較して、あまりにも少いわけですが、今後民間協定の法的な解釈にこだわらないで、貿易一つ慎重に、ブレーキをかけることのないように、そういう措置をわれわれとしては望むわけですが、この点についてどのようにお考えになられますか。
  8. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 御指摘のように、昭和三十三年度の輸出入計画輸出三十一億五千万ドル、輸入三十二億四千万ドル、こういうふうなただいまの計画の中に、今次協定によって定められました額は、それほど大きいとは申し上げにくいと思うのでありますが、従来の中共との輸出入等関係から見ますと、相当広がってくる、こういうことは言えるのじゃないかと思います。  ただ、今お話のございました、この協定にこだわらず、協定には品目の列記等もございまするので、それ以外のものをなお出していくというような、こういうような措置考えておるかというお尋ねと思うのでありますが、私どもはぜひ、この協定はもちろんでありますが、それ以外の取引ができてくるということを希望いたしております。
  9. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 御承知のように、まだ国交が回復しておりませんので、為替損失補償法の適用とか、延べ払いが認められないと思うわけであります。そこで、決済方法に対してどの程度まで積極的に手を打たれようとするのか、またさらに、取引方法とか調整をどのような形でなさろうとしておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
  10. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 今回の第四次協定の案文によりますと、御承知のように、コルレス契約を相互に承認した銀行を通じて決済をするということに相なることになっております。これによりまして、決済問題というものが相当円滑になっていく、こういうふうに見ておるのであります。
  11. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この問題に直接関係はございませんけれども、今二千四百万ドルの台湾に対する貸し越しができておると思うのですけれども、これに対して、価格決定方式をめぐって、もうすでに百五十万ドルの損失を招いておる、こういうふうに承知しておるのですが、こういうようなことはございませんか。もし、ありとすれば、これに対してどのような手を打たれようとするのか、この点について。
  12. 伊藤繁樹

    説明員伊藤繁樹君) ただいま、ちょうど四月から新しい日台交渉が始まる段階になっておりますが、今ちょっと数字を持っておりませんが、現在、日本側台湾に対しまして相当程度、これは記憶では、千二、三百万ドルだったかと思いますが、出超になっておりますことは事実でございます。しかしながら、これは現在すでに信用状を発行しておりますものその他を差し引きますと、現在のいわゆるポテンシャル・バランスで申し上げますと、かなり少くなるのでございまして、われわれの推測では、三月末には現在スウィング限度が一千万ドルでございますが、当然そのワク内におさまるというふうに考えておるわけであります。御承知のように、台湾から輸入しますおもなものは、砂糖とか米とか、そういう農産物でございますので、季節的に非常に出超の時期もございますので、私どもといたしましては、三月末にはスウィング限度におさまるというふうに考えております。
  13. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 同じような問題は、韓国に対しても言えるわけですが、韓国に対してたしか四千七百万ドルであったと記憶しておりますが、こういうような貸し越しについても、先行きの見通しはあるのか、ないのか、どのように考えておられるか、この点お伺いしたいのです。
  14. 伊藤繁樹

    説明員伊藤繁樹君) 韓国につきまして、焦げつき債権が残っておりますのは事実でございますが、その後におきましては、オープン・アカウントの調整ということを厳格に実施しておりまして、先方におきましても輸入権制度をとっておりますので、この焦げつき債権は現在増加はいたしておりません。なお、韓国におきましては、米国援助資金等による輸入をするものが相当ございますので、これはキャッシュでもらっておりますので、焦げつきの問題は生じておりません。
  15. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 今度、方面を変えまして、通産省設置法そのものについてお伺いしたいのですが、二十七年七月にこの設置法が生まれたわけですが、その後、改正状態を見ますと、六年間に実に二十六回の改正が行われておるわけです。こういう点から、大臣がかわるごとに法律改正されるという、いわゆる朝令暮改というような印象を受けるわけですけれども、このことに対してどのようにお考えになっておるか。
  16. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) 通産省の現在の機構の骨格と申しますのは、この前の行政整理のときに局の廃合が大幅に行われて、その後基本的な構造というものは全然変っておらない次第でございます。今度の改正も、通商局部長を一人ふやすというだけでございまして、あとは前回、部あるいは課を整理いたしましたけれども、実際上運営をやってみますと、運営がうまくいかない。事実上、部なり課なりにかわり、管理官とか次長というものを置いて事実上やって参りました。それを今回正式にやはり部に直すということでありまして、根本的に仕事運用方法とかあるいは局の構成とか、そういうものについてはずっとその後手を触れておりません。それから人員も、毎年少しずつでございますが、ずっと削減して参りまして、本年度差し引きいたしまして二十人足らずだと思いますが、増員になっただけでございます。従って、根本的には変っておらない。ただ、現在の設置法は非常にこまかい点まで規定されておりますので、少しずつ仕事関係で変えなきゃならぬ、こういうことでございます。
  17. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 今、部をふやしただけだとおっしゃいますけれども通商局振興部軽工業局にはアルコール事業部、こういうものを設置するために、一応もっともだと思われるような理由はわかっておりますけれども、結局、部長制の採用によってかえって機構が複雑になるような気がするわけです。この設置法改正のねらいは、どこまでも行政簡素化能率化合理化、こういう点にならなきゃならぬと思うのですが、こういう点についてどうお考えになっていますか。
  18. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) これはお話通りだと思っております。われわれもこの部の新設につきまして、機構を複雑にするという考え方は毛頭ないのでございまして、二つの部を新設いたしますが、そのうちアルコール事業部につきましては、現在アルコール事業長という職名を省令できめまして、事実上業務の大半をまかして運用しておるわけでございますが、それをはっきりと制度上部という形にしまして、何と申しますか、権限なり事務処理なりの明確化を期そうという考え方でございます。  もう一つ通商局の部は、これはお話通りに、局長があり次長が二人ございます。これも最初一人でありましたのを、事務運営ができないということで、二人にふやしたわけでございますが、さらに部を一つ新設いたしますので、この点は確かにいかにも機構複雑化のような形になります。その点は、われわれもこれを国会にお願いするまでには十分内部で検討いたしたわけでございますけれども御存じのように、通商局仕事は人が多い割に仕事も多いというばかりでなしに、渉外関係が非常に複雑でございまして、大体大ていの問題を一つきめますの一に、大蔵省、外務省と、この三省の意見がまとまりませんと問題がきまらないという形でございまして、どうしても渉外関係に勢力を取られてほかの仕事がほとんどできない。従って、この振興部関係は比較的仕事が落ち着いたと申しますか、その日その日のデーリーな仕事ではなしに、相当長期間にわたってじっくりした振興指導をやっていくというような仕事でございますので、比較的対外折衝が少い仕事でございまして、従来この方面仕事が非常におくれておった、正直なところ手が回りかねておったという状況で、輸出振興政策を根本的にやりますためには、こういったじみちな、従来局長あるいは次長という幹部の目の届かなかったところに力を入れる必要があるということで、部を設けたわけでございまして、機構としては確かに複雑になったような感じでございますが、現状としてはやはりそういう各課を統合して指導を与える人がどうしても必要だ。それが参事官とか何とかいうような形で、実は現在も一人ばかり参事官を置いておりますが、やはりはっきりした指揮命令系統というものができませんと、十分な業務管理ができないように思いますので、あえてこういう形をとったわけでございまして、機構簡素化につきましては、その御発言通り、われわれも今後とも、むしろこの線でやっていかなければならぬと思っていることは間違いありません。だから、この問題だけは、従来の通商局仕事のあり方から見まして、非常に不十分でございますので、やむを得ず変則な形で事務能率化をはかりたい、こういうわけでございます。
  19. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この部制についてですが、第五国会で、当時各省庁はそういう部制を乱設したということで、付則二十四条で、それでは向う一年間に限って一つ存置を認める、そういうような結論であったと思いますが、その後いろいろ変遷を経て、第二十六国会でこの部制を全面的に改正したわけですけれども、ところが、今回の各省庁設置法の一部改正を見ますと、法務省で一部、それから労働省で一部、建設省で二部、通産省で二部と、計六部の増設が予定されているわけです。こういうことになりますと、各省庁が再びこの部制を乱設し始めると、また法改正によって制約を変えなければならぬ、そういうことを繰り返すのじゃないか、そういうことが考えられるわけです。そういう点についてはどうお考えになりますか。
  20. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) これは行政管理庁の方からお答え願った方がいいと思いますが、われわれといたしましては、これによって内局の部の設置、この前御指摘のように、前々々国会、――通常国会、第二十五国会かと思いますが、その内局の部を整理して、そのかわり次長を置くのだ、こういうことにきめられたわけであります。その方針を変えるという考え方はないわけでございます。  アルコール事業は本来一般行政事務と全然違いまして、これは専売という特別会計運用で、いわば会社のビジネスのような仕事でございますので、本来からいって、こういった行政関係の部局の中に入っているのが少し、実はちょっと適当じゃないような感じ仕事でございます。しかし、新たに局を独立させるほどの仕事でもございませんので、軽工業の中で部を設けてやろうということでございます。  それから通商局につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、結局、いわゆるトップマネージメントの面で非常に不十分な点がありますので、これは現実に人も全然ふやしませんので、部を作りましても、これは全くトップマネージメントの問題だけでございます。その問題だけどうしたらいいかということで、いわば窮余の一策から独立して設けたわけでございまして、こういうものがノーマルな仕事やり方では決してないとわれわれも思っております。  通商局につきましては、従前は、御存じのように、通商局振興局と二局ございまして、振興事務一般通商管理事務と分れておったが、これを一木にいたしましたときには、実は通商管理業務というのは、経済が正常化するに従ってどんどん減っていく、こういう前提で実は合併いたしたのでございますけれども現実には、最近非常に大きな問題になっております。たとえば過当競争防止、あるいは海外に対する、ダンピング防止というような関係から、貿易管理業務が非常にむしろだんだんふえてくるような状態で、当時一局に合併いたしましたときの理想からだんだん遠ざかって参りまして最初次長一名でございましたのを、次長二名にしなければならぬようになったというのも、そういう関係でございます。そのほかに、従来通商局につきましては局長の上に通商監という制度がございまして、それが通商関係をさらに包括と申しますか、局長をさらに統轄するようなホストであったわけでありますが、そのように実はいろいろ通商関係トップマネージメントの組織については変遷がございましたけれども、事実上だんだん仕事複雑化して参りまして、このままでは処理し切れない、あるいは通商貿易庁を作れとか、場合によっては貿易省にしたらどうかというふうな御意見もございまして、仕事ウエートからいえば、あるいはそういうような考え方も成り立つかもしれませんが、同時に、通商局仕事は各それぞれの物資所管しております局の仕事と非常に密接な関係がございまして、中小企業庁とかあるいは工業技術院のように外へ出しますことは、今度は内部連絡調整に非常に困る点がございます。そういう点がありまして、また通商管理事務とそれから振興事務というものをはっきり分けると、またその間の調整がめんどうな問題もございますし、新たに局を作りますことは、先ほどお話もございましたように、機構の膨張を防ぐという趣旨からいっても適当ではないということで、まず部だけを作って、もうしばらくこれでできるだけ能率を上げてやってみる。それでどうしても工合が悪ければ、さらにまた根本的にどういうふうにマネージメントやり方を変えるか考えてみたい。こういう考え方でございます。  ほかの局については、今新たに部を作りましたり、あるいは局を新設したりする考えは毛頭ございませんし、さしあたりその必要はないように私は思っております。
  21. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 意匠奨励事務振興部で扱うわけですね。ところが、その審査については特許庁審査第一部ですか、もしくは意匠課で行うというふうに見ているわけですけれども、かえってそうなると複雑になるように思われるわけですけれども、そういう点ございませんか。
  22. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) これは、特許庁で行なっております本来の仕事は、意匠権というものを設定いたします行為でございまして、まあいわば裁判官に類似した仕事でございます。ただ、従来そういう関係意匠仕事をやっております関係から、ついでに意匠奨励関係仕事指導奨励関係仕事もある程度特許庁で便宜行なっておったと、こういう関係で、特許庁の本来の仕事から申しますと、そういった指導奨励関係仕事をいたしますことは、本来の特許庁の任務からいきますと、やや性質を異にした仕事でございますので、これは必ずしも特許庁に置かなければならない理由はないのではなかろうかと。通商局に持って参りましたのも、これは別にどこでなければならないというほど非常にはっきりしたものはございませんが、意匠に関する仕事は、前に御説明いたしましたように、中小企業関係としては中小企業庁でやっております。それから輸出振興関係では通商局でやっております。それから現実のそれぞれの事業、たとえば繊維でありますとか、雑貨でありますとか、あるいは陶磁器でありますとか、デザインというものが事業に非常に大きなウエートを持っておりますところにつきましては、それぞれの現局でやはりある程度繊維を扱う軽工業局である程度仕事をやっていく。それから研究方面では、工業技術院傘下産業工芸試験所というところでやっております。非常に仕事が分散化しておりまして、たとえば外国からデザイナーを呼ぶというような場合でも、中小企業庁所管で呼ぶ場合もある、たとえば通商局貿易振興の形で、たとえばジェトロという形で呼ぶという場合もある、あるいは生産性本部で呼ぶという場合もあるということで、同じデザイナーの招聘にいたしましても、各所でばらばらにやっておるということも非常にむだではないか、できるだけ行政を統合して、同じ予算を使うならば、能事よく使ったらいかがかという考え方で、通商局では主としてそれぞれの、今、各局が行なっております仕事の統括、連絡調整ということを中心にして、現在デザインはいろいろな意味で重要でございますけれども、さしあたり輸出振興ということが一番大きな眼目でございます。予算もその面からついているものが多いのでございますから、通商局に統合するということにいたしたわけでございます。
  23. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 特許庁総務部の一部と、それから意匠奨励審議会がございますれ、これは振興部の方へ入って、そうして意匠奨励事務中心となって行う、そういうことになるのですか。
  24. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) お話通りでございます。
  25. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それと、高岡支所本所への昇格という問題がここに入っておりますが、今回は特に定員を増員しないで、そのままでやっていくということなんですが、これで定員増をしなくても、いささかも支障ないわけですか。
  26. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) これは、繊維品検査所は、全国の検査所を通じまして定員がきまっております。その範囲で今後も、その人員は増員いたしませんで、その範囲でいたしましたので、もし足りなければ、要するにほかの本所なり支所なりから流用してやるということはできるわけでございます。そういうことで、人員増加は全然なしに、本所に昇格することにいたしたわけでございます。
  27. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 繊維品等に対する外国商社の道義的な商取引、そういう問題から発生するいろいろな問題があると思うのですが、こういう問題に対して通産省としてはどういうような方策を講じておられますか。
  28. 伊藤繁樹

    説明員伊藤繁樹君) 先般も、意匠の盗用の問題につきまして、必ずしも日本だけが盗用するのではなくして外国でもそういうことをされているのじゃないかという御質問もございましたが、そのとき私、少数であるというように申し上げましたが、なお帰りまして調べまして、若干そういう事例があるようでございますが、それらにつきましては、そのつど外務省を通じまして、先方政府にそのことを申し入れをするようにいたしております。
  29. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 これは鉱山保安局所管だと思いますが、鉱毒に対する補償の問題ですが、こういう問題について積極的な対策は非常に要望せられておりますが、こういう面についてどういうふうにお考えになりますか。
  30. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) これは御承知のように、鉱山保安と申します場合には、単に鉱内の採掘に対する保安ばかりでなしに、第三者に対する影響の面も保安法の取締りの範囲に入っておりますので、当然その面からの、外部に大きな被害を与えるような場合は、その保安法で取り締るわけでございます。ただ、補償関係は、これは保安法の問題ではございませんので、鉱業法の問題としてやるべき問題でございますし、それから補償問題は、これはまああくまで建前は、両当事者の話し合いによってやらなければいけない。ただ、石炭関係等につきましては、特別鉱害あるいは臨時鉱害の復旧に関する特別の法律がございまして、そのために補助金をその法律によって支給することになっておりますけれども一般鉱害補償については補助を支給するような規定もございませんし、補助をした例もないと思います。
  31. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、貿易産業対策費として、大体八千九十万円ほどが計上されているようですが、大体でけっこうですが、一体どのような方面に使われるのか。
  32. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) これは大体、銃弾、砲弾の生産設備とそれに使います火薬に、生産設備維持費をめんどう見る、こういう建前になっておりまして、どれだけの設備を見るかということは、防衛庁の方で防衛計画を立てまして、これだけの設備が要るのだという要求がありましたものにつきまして、維持費を見るという建前であります。ただいま資料が手元にございませんが、建前はそういうことでありまして、保存のための費用、それから一々手入れをいたしますので手入れのための費用、それから税金、固定資産税その他の、そういうものを含めまして、たしか半額程度だったかと思いますが、補助することになっております。来年度八千万円ばかり計上してございますが、大体そのベースで今後引き続いてやっていく。ただし、これは防衛庁で具体的に、たとえば銃弾なら銃弾発注がございますと、その発注によって費用の軽減ができた分だけは減らす、こういう建前になっております。たとえば百万発の能力がございまして、十万発だけ発注がごさいますと、たとえば償却費を見る場合に十万発分だけは差っ引いてめんどうを見るという形になっております。
  33. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 最後に行政管理庁の方にお伺いしますが、御承知のように、管理職は法律と組織令と別々に規定されておって、統一がなくて非常に複雑だという印象を受けるわけです。この点については長官としてはどうお考えになりますか。
  34. 岡部史郎

    政府委員(岡部史郎君) 伊藤委員にお答え申し上げます。行政機関の組織をどういう法令によって定めるか、それを統一的な基準で置いて、ばらばらにならないようにする必要、これはきわめて大きな問題であると思います。ただいまのところ、概略について申し上げますと、各省庁の局部、及び局、部に置かれる次長までは、これを法律で制定するようにと、こういうことになっております。それから局及び部の下におきまして、局長あるいは部長を補佐して局務、部務の一部を総括整理する職、及び課長とか室長の職は政令でこれを設ける。それから今度は課以下の段階で、班長とか係長とかいうような職は、各省大臣のいわゆる省令で定める、こういうようなことが一応基本原則になっております。これらのことにつきましては、なお検討を要する点があろうかと思いますけれども、大体基準はそのようになっております。
  35. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 特に組織令に規定した職名については非常に複雑なわけですが、各省庁間にも統一がないように思うのですけれども、ここにも問題があるのではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
  36. 岡部史郎

    政府委員(岡部史郎君) お尋ねの点につきましても一つの問題がございますが、その基本は先般第二十六国会におきまして御制定いただきました国家組織法第二十条で、そういうようなお尋ねの職についてはこれは制令で設けなければならないということに規定しておりまして、その政令すなわち各省の組織令で、そのような職を置くような場合におきましては、行政管理庁といたしましても十分審査いたしまして、それぞれの職務内容にふさわしい職を置くようにやっております。
  37. 田畑金光

    ○田畑金光君 先ほどの質問の中にもありましたし、今齋藤房長御の答弁の中にもありましたが、通商局仕事が非常にふえてきて、まあ貿易管理業務とかあるいは通商振興の事務が非常に多くなってきた。まあそういう通商局仕事がふえていくという見通しのもとに、局長の下に次長二名制をとられた、こう見るわけで、次長二名を置かれたということは、すでに今日の業務の非常にふえてくることを予測されてやられたものと判断するわけでありますが、今日貿易振興関係業務だけを新しく振興部を設けて処理をさしていく、これも、まあ現在の窮余の策としてはやむを得ない手段であるかもしれませんが、どうも今後の見通しの上に立ったときに、これはやはり過渡的な彌縫策と見るほかないので、もっとこの問題は炭本的に掘り下げて考えなければ、また何らかの破綻にぶつかる、こう考えますが、この点どうでしょうか。
  38. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) おっしゃることは全くその通りでございまして、私も、今申し上げますように、この二次長部長という制度で、これで十分今後五年、十年にわたって円滑に仕事ができる、能率が十分しるのだという確信があったわけではございません。ただ、先ほど御説明いたしましたように、二次長は、現実問題としてほとんど貿易管理関係あるいは調査資料関係仕事に実際は忙殺されまして、振興関係事務が非常におくれがちでございますので、さしあたりこういう形で処理しようと。三次長という考え方ももちろん成り立つし、さらに正式に部長制度をしくという考え方もそれは成り立つ思いますし、さらに、もう少し大きく外庁制度にするとか、極端にすれば、他省関係を統合して貿易省を作るというような、いろいろ議論もございますけれども、さしあたりわれわれといたしましては、先ほどからもお話がございましたが、できるだけ機構の膨張を避けたい。新しく局を一つ作りますと、通常の管理業務だけでもやはり二、三十名の人間が要りますので、そういう人をふやさないで、トップマネージメントだけをさしあたりこういう形で改善してみて、これでおさまればこれで貿易に当面になわせられておる業務を十分遂行できればけっこうだ、あるいは業務のむしろ負担が非常に軽くなれば、変則的な組織を改めるということも当然考えなければならない、あくまでそういう過渡的な意味でやったのでございますけれども、しかし、じゃ来年これをやめることができるかとか、あるいは来年もっとはっきりした機構に直すことができるかというようなことになりますと、まだそういうはっきりした自信がございませんで、さしあたりできるだけ機構の膨張を避けて、管理を十分にするという意味で、こういう制度考えたというわけでございます。
  39. 田畑金光

    ○田畑金光君 あるいは来年とか再来年、まあ通商局機構が改められる、そう簡単な問題ではもちろんないとわれわれも判断いたしますが、いずれにいたしましても、たとえば昭和三十三年度の輸出入計画を見ましても、たとえば三十三年度は輸出目標を三十一億五千万ドルに立てておる。政府の五ヵ年新長期経済計画によりますと、昭和三十七年度には輸出関係のバランスを四十七億ドルの線に持っていこう、こういう計画を立てておるわけです。こうなって参りますと、勢い通産省通商局仕事というものは非常にふえていくわけで、一体振興部を設けて、そして五ヵ年後にはこれだけの大きな経済計画目標を達成しようと政府考えておられますが、できるのかどうか、こういうような機構のもとでできるのかどうか、こういう疑問が出てくるわけです。それはまあ、機構簡素化ということはできるだけ貫かなければなりませんけれども、しかし貿易立国ということが一番大事な将来日本の生命であるとするならば、勢いそれに応じた機構というものに充実してこそ、初めてこういう積極的な施策の面はできると、こう思うわけです。  たとえばこの通産省設置法の第八条の通商局業務な見ましても、その第三項には、通商局業務として、「海外市場、内外通商事情その他通商に関し調査し、統計を作成し、及び情報を提供すること。」、こういうことが規定されておるわけです。それから外務省設置法の第十条を見ますと、経済局の仕事としてその第三項には、「国際経済事情の調査並びに国際経済に関する統計の作成及び資料の収集を行うこと。」、こういう工合になっておるわけです。もちろん省が違うから、その所掌事務は限界があるかもしれませんが、しかし、非常にこれは交錯しておるとわれわれは判断するわけです。で、こういうようなことになってきますと、やはり外務省の経済局のやっている仕事とか、あるいは通産省通商局のやっている仕事、こういうような仕事は、先ほど申し上げた新長期経済計画からいうと、ますます大きくなってくるし、また交流もあるだろうと、こう見るわけです。  そういうことから見たときに、やはりこれは官房長の答弁の中にもありましたが、貿易省設置の問題等も論議に上っておる、こういう一つの基本的な将来の構想というものが出てくるのじゃなかろうかと思うわけで、この点に関しまして、私は政務次官に一つ政府の方針があるのかないのか、こういう糊塗策でもって貿易発展が推進できると考えておられるのかどうか、この点を承わっておきたいと思います。
  40. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 長期経済計画に伴います輸出入の、一応予定しております目標達成には、必要な行政措置考えなきゃならぬと思うのでありまするが、私どもといたしましては、さしあたり、ただいままで御説明申し上げましているような考え方のもとに、必要最小限の行政組織を整備しながら目標を達成していきたい、こういうつもりでおるのであります。従いまして、いわゆるずっと先の――先のといいましても、五ヵ年計画なら五ヵ年計画の最終年度のときに、行政組織をどういうものを予定しておるかということになりますと、まだそこまでは考えておらないというのが実情でございます。
  41. 田畑金光

    ○田畑金光君 考えていないという実情では、これはなかなかどうも、先ほどの官房長の答弁以下だと私は見るわけで、官房長の答弁の中にもすでに、やはり通商局の現在あるいは将来の仕事増加を見た場合には、もう少し根本的な機構の問題等に再検討を下す時期があるだろうと、こういうお話だったと思いますが、政府としては、そういうようなことは考えておられないのかどうか。少くとも政務次官あるいは大臣等の中には、その所掌事務を見たとき、とにかく現在はこれでつくろうていくんじゃがというようなことで、果して長期経済計画等の達成ができるのかどうか。長期経済計画といっても、問題はやはり輸出の振興であり、輸出入のバランスの拡大均衡だと、こういうように考えるわけですが、こういうような点等について、もう少し、私は、将来への構想のもとに何らかの積極的な発展策があってしかるべきだと思うのだが、政務次官、何もないわけですか。
  42. 小笠公韶

    政府委員小笠公韶君) 私が申し上げておりまするのは、まず実質的に日本の産業を上げていく、特に輸出入を拡大均衡へ持っていくということを考えておるわけでありまするが、それを達成するための行政組織をどうしていくかと、こういう問題について、行政組織はそのときのいろいろな情勢によって違って参りまするので、五年先の四十七億ドルの輸出ができるときにこういうふうな行政組織をあらかじめ頭に描いておると、こういうことを今描いておるわけではないと申し上げたのでありまして、輸出入の量がふえれば、行政事務がふえて参りますれば、必要最小限度の組織の整備というものをはかっていかなければならぬことは当然でございますが、ただいまお尋ねの点は、五年先の、目標が達成されたときの行政組織の姿をどう描いているか、こういうように拝聴いたしたのでありまして、そういう趣旨において、特定の姿を今描いている、こういうわけじゃない、こういうふうに申し上げたわけであります。
  43. 田畑金光

    ○田畑金光君 この次長部長関係ですが、この部長局長を補佐する管理職ということになるわけでしょうが、これは従来、どの次長のもとにやられてきた仕事を今回の部長がやろうとするのか、この次長部長との関係はこれはどういうことになるのか、その辺一つ説明してもらいたいと思います。
  44. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) 現在通商局次長が二人ございます。次長は何人おりましても、その間に設置法上はっきりと境界ができませんので、局務全体について局長の補佐をする、こういう建前でございます。従って、現存の事務分担も大体、概略でございますが、次長一人ございまして、一人は制度関係輸入を扱い、一人は輸出を大体所管する、こういうことになっております。従って、輸出振興に関する仕事は、輸出振興業務自体としては、これは輸出を担当する次長所管でございますが、制度改変その他の問題になりますると、総括を担当する次長所管になる、こういう形になっているわけでございます。  今後この部長ができますと、これは建前上は、その仕事々々の性質によりまして、どちらかの次長を通ずるということになるわけでございますけれども、実質は、ほとんど部の所管に関する限り部長に大部分まかせまして、あと両次長及び局長はごく大まかな指導なりあるいは助言なりをする、こういう建前運用をしたいというのがわれわれの構想でございます。
  45. 田畑金光

    ○田畑金光君 そういうような場合に、やはり仕事能率的に推進するという点から見た場合、部長からさらに次長を通じ、次長から局長に行くというようなことではなくして、むしろ先ほどのお話にありましたように、仕事が非常にふえてきたので、今の二次長を三次長にしようかという構想もあったというようなお話でありましたが、まあ行政能率を高めるという点からいうなら、さらに部長の上には次長がやっぱりおるのだ、こういう形じゃなくして、局長に直接つながる、こういうような形の方がむしろ望ましいのじゃないかと、こう思うのですが、何かしらぬが、部長から次長に、さらにまた局長、こうなってきますと、屋上屋を重ねるという機構の繁雑さを思わしめるものがあるのです。この点はどうですか。
  46. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) これは全く、お話通りの問題がございます。で、われわれも、先ほど申しましたように、次長のもとにまた部を作るということについては、ずいぶん研究をいたしたわけでございますが、ただ、次長というものは、先ほど御説明いたしましたように、何人おりましても、それぞれが局全体の仕事について局長を補佐するというのが、次長制度の根本的な建前でございます。で、現実に二人の次長も、それぞれのそのときの仕事の内容なり、あるいは自分で担当しております仕事の繁閑なりで、仕事の分担が絶えずそのときどきで働いておるような状態でございます。で、それに対して、部長の所掌いたします仕事は、非常にはっきりと担当は分れておりまして、デザイン課を新設することを入れまして正課でございますが、この仕事のみを専管して担当いたします。しかも、それの指導について、デーリーな仕事はこれは大体もう部長にまかせて、大きく方針を転換するとか、組織を変えるとか、あるいは輸出管理業務に非常に密接な関連のあるような仕事について、事実上両次長局長指導を受けて仕事をやる、こういう考え方でございますので、そういう面から見ますと、形としてはなるほど両次長指導を受けますけれども、実際問題としては従来のように――従来でございましたら、この輸出振興関係仕事がそのときどきの次長仕事の関連に従って、片一方に、どれかの次長の指揮を受ける、あるいは両次長の指揮を受けるということで、その辺が非常に安定しなかった。それからまた両次長の、輸出についても輸入についても、それぞれ管理関係で非常に複雑な、まあ繁雑な仕事になっておりますので、どうも十分指導が行き届かなかったということが改善されまして、実質的にはこの輸出振興関係業務ははっきりした管理が行き届いて、しかもかえって簡素化になるのではないか、またそういうふうに運用したいというわれわれの考えであります。
  47. 田畑金光

    ○田畑金光君 通商局次長さん二人は、まあとてもりっぱなお人のようですから、そんなことないと思うのですけれども次長は局全体の仕事について局長を直接補佐するんだと。しかし、やっぱり実際のあり方は、たとえば通商局の中に十五課があって四百四十二名の職員がいるというふうなわけでありますが、大体この第一次長はこれこれの所管、第二次長所管はこれこれだ、こう分れているのが普通だと思うのです。またそれでなくては、どういう職場の業務の系統、組織を見ましても、次長が二人あって、そうしてその局務全体を直接おのおのが、それぞれが局長を補佐するんだ、こういうようなことは多くの場合、いろいろそこに摩擦が起きてきて、かえって仕事行政事務能率的な推進を妨げる、こういうことが多いと思うのです。通商局の場合にはそれがないようなお話でありますけれども、おそらく例外ではないと、こう見るのですが、そういうことを考えたとき、やはり振興の仕事を直接局長を補佐し、能率的に推進するためには、やはり私は部長制でなくして次長制、しかも三次長それぞれ所管業務を明確にして運用する、こういうようなことが望ましい姿じゃないかと、こう思うので、われわれはまずそういうような常識的な判断をしておりますが、この点はどうですか。
  48. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) そういう形が少くとも形の上からはすっきりした形だと、われわれ自身も考えるわけでございます。ただ、現在の通商局の具体的な仕事で申しますと、たとえば予算課というふうなものがございまして、これは外貨予算の編成の仕事をやっておりますが、これは輸入輸出を両方どうしても見なければ、予算課の仕事が成り立たないわけです。また為替金融課というのがございます。これは為替金融関係仕事をやっておりますが、これはどうしても輸出の問題も輸入の問題も両方やらなければならない性質の課でございます。また市場関係の課が正課、二課、三課と、主謀ございますけれども、この三課とも通商協定関係仕事をいたしますわけで、どうしても輸入輸出を両方やらなければならない。で、まあ二次長の分担を分けますとしますと、輸入関係輸出関係というふうに分けるより仕方がないのでございますけれども、分けてみますと、どうしてもやはりそれぞれの課長が両方の次長の指揮を受けなければならない形に、仕事の上からならざるを得ないわけでございまして、その点から、どうしても部長という形ではっきり課を分けることができないわけでございます。ただ、振興部関係仕事はそういう関係がございませんで、比較的独立した仕事でございますので、これだけは部という形ではっきり分けた方がかえってすっきりした管理ができると思った次第でございます。
  49. 田畑金光

    ○田畑金光君 この振興部の今度所管する事項の中に、海外貿易の振興という問題が出ているわけですが、非常に大きな仕事だろうと思うのです。それで、政府は今回財団法人海外貿易振興会を改めて日本貿易振興会というものを改組したわけですが、これがために、例の経済基盤強化資金並びにこの法人の基金ですかを設けられる法律案を出されて、日本貿易振興会の出資金に二十億も金を出すことになっておりますが、これは、この改組という問題ですが、具体的にどういうようなふうに改組を考えられておるのか、これ、ちょっと御説明願いたいと思います。
  50. 齋藤正年

    政府委員齋藤正年君) それは現存の海外貿易振興会のあり力から説明をした力が適当かと思うのですが、現在は御承知のように財団法人でございまして、その聖業運営がどうなっておるかと申しますと、たしかあれは一百人でしたか、二百人をこえる理事がおりまして、これは出資者、寄付者がみな理事になっておるわけでありまして、それが意思決定機関として機能することになっておりますが、実際は二百人以上もの理事がおるということでありますと、正式に理事会をひんぱんに開くということはほとんど不可能に近いことでございまして、その面から非常に管理が不十分であったという非難が多かったのであります。それが一つ。  もう一つは、海外貿易振興会の経理でございますが、従来は政府補助金と、それから府県の補助金と、それから会員の会費と、三つで構成をされておりまして、それが会員の会費ないし寄付金が年に二千万円見当、それから府県の補助金が四千万円ないし四千五百万円程度、それから政府補助金は年々ふえまして、ことしは、三十三年度は五億五千万円ばかりでありますが、そういうことで運営をされております。これは当初は、実はこの海外貿易振興会の現在やっております仕事のうちで、ごく一部、すなわち海外市場調査だけを目的としてスタートした財団法人でございまして、そのまま、海外輸出振興業務がだんだんふえるに従って、だんだん仕事の内容もふえて参ったのでございますが、当初のスタートはそういう形でありましたために、非常に機構が不適当だと。経理的に見ましても、先ほど申しましたように、実質上は大部分、全事業費の半分以上、ことしはたしか三分の二くらいが政府補助金あるいは委託費で行われておりますにもかかわらず、管理としては、今申しましたようなたくさんの財団法人で、たくさんの民間人の理事が管理するという形になって、非常に形は不適当だ。この際、来年度はまた予算が飛躍的にふえまして八億六千万円にもなります。そういう面から根本的に機構を建て直した方がいいのではないかということが、改組の動機です。  それに対して政府から二十億の出資金を出すことにいたしましたのは、実は海外貿易振興会の仕事は年々どうも欠損が出まして、昨年もたしか四千万円程度だと思いますが、本年度も五千万円程度欠損が出る見込みでございます。これは政府補助事業の場合には、どうしても残りの部分を民間からの寄付金に仰がなければならぬわけでございますが、特定の事業の、特定の振興事業のようなもの、たとえばカメラのサービス・センターというような場合には、カメラ業界から残りの負担はいたしますけれども、そうではなしに、市場調査というような一般的な事業になりますと、これは結局府県なり団体なりの寄付金に仰がなければならない。その面がどうしても足りませんで、今のままですと、恒常的に赤字が出まして、基金を食っていくという形になります。この際、根本的に財政を建て直さないと、振興事業もできないという感じがいたしますのが一つ。  それからもう一つは、やはり輸出振興、ジェトロで担当いたします振興業務というものは非常に数が多いわけでございますが、特に海外関係事業をいたします関係から、途中の計画変更その他が非常に多くて、裏口では赤字を出しながら、政府補助金予算を使い切れない、それで返納するというような事態でございまして、今のような経理、予算制度ではどうも不十分だ。この際、予算の出し方も一括しまして、ある範囲においては彼此流用ができるようにする。同時に、若干予算が不足しました場合にも、その不足を何らかの自由な財源で補えるようにする必要があるというふうな点を考え、なおまた、この海外の仕事をいたしますために海外における信用ということが非常に大事でありますので、相当まとまった基金を設けまして、海外における信用というものも高めたいという点も考慮いたしまして、今申し上げましたように、二十億の基金にいたしまして、全額政府出資にして、政府関係機関であるということを非常にはっきりさした。  管理面も、役員すべて、これは理事長、副理事長、監事は政府任命でございますが、その他の理事につきましても、全部任命の際には政府の承認を受けるということで、はっきり政府にかわって政府の行うべき仕事をやる機関であるということを明らかにしまして、そのかわりに、財政面の運用については、従来以上に弾力性を持たして運用できるようにしようというのが、この制度の改変のねらいでございます。
  51. 田畑金光

    ○田畑金光君 まだ質問はたくさん残っているわけですが、時間も時間でありますので、私の質問は次回に回しまして、資料を要求したいわけであります。  それは、今、官房長から御説明になりました従来の財団法人海外貿易振興会に関する長い説明をなさいましたが、なかなか頭に残りませんので、それに関する資料と、今政府機関としてこれから打ち出される日本貿易振興会についての構想、これに関する資料、それからもう一つは、振興部の取扱い業務の中に、経済協力課が設けられて、これはおそらく通商経済上の国際協力に関する事務、たとえばこういうような問題等が入っておるわけでありますので、こういうような国際的な経済協力に関する事務関係の資料と申しますか、それを一つ出していただきたいと思います。たとえば、今度政府の方では日本輸出入銀行に、これはアジア開発協力基金の出資金五十億を出しておりますが、これに関する性格、内容等に対する資料を一つ要求いたします。  それからもう一つ資料をお願いいたしたいのは、これから御質問申し上げようと思っておりましたが、外務省の経済局で取り扱う仕事ですね、これと通商局で取り扱っておられるこの仕事で、相当これは交錯している面があるように見受けるわけで、あるいは似たような仕事をやっているだろうと思うのです。どういうふうな違いがあるのか、仕事の内容においてどういうふうな相違の仕事であるか、これを一つ資料として出していただきたい。  大体以上でありますが、それの資料をいただいて、次回からまたもう少し御質問申し上げたい、こういうことにいたしたいと思います。
  52. 藤田進

    委員長藤田進君) 他に御発言もなければ、本案の審議は後日に継続することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十五分散会