○
政府委員(
齋藤正年君) それは現存の海外
貿易振興会のあり力から
説明をした力が適当かと思うのですが、現在は御
承知のように財団法人でございまして、その聖業
運営がどうなっておるかと申しますと、たしかあれは一百人でしたか、二百人をこえる理事がおりまして、これは出資者、寄付者がみな理事になっておるわけでありまして、それが意思決定機関として機能することになっておりますが、実際は二百人以上もの理事がおるということでありますと、正式に理事会をひんぱんに開くということはほとんど不可能に近いことでございまして、その面から非常に
管理が不十分であったという非難が多かったのであります。それが
一つ。
もう
一つは、海外
貿易振興会の経理でございますが、従来は
政府の
補助金と、それから府県の
補助金と、それから会員の会費と、三つで構成をされておりまして、それが会員の会費ないし寄付金が年に二千万円見当、それから府県の
補助金が四千万円ないし四千五百万円
程度、それから
政府の
補助金は年々ふえまして、ことしは、三十三年度は五億五千万円ばかりでありますが、そういうことで
運営をされております。これは当初は、実はこの海外
貿易振興会の現在やっております
仕事のうちで、ごく一部、すなわち海外市場調査だけを目的としてスタートした財団法人でございまして、そのまま、海外
輸出振興業務がだんだんふえるに従って、だんだん
仕事の内容もふえて参ったのでございますが、当初のスタートはそういう形でありましたために、非常に
機構が不適当だと。経理的に見ましても、先ほど申しましたように、実質上は大部分、全
事業費の半分以上、ことしはたしか三分の二くらいが
政府補助金あるいは委託費で行われておりますにもかかわらず、
管理としては、今申しましたようなたくさんの財団法人で、たくさんの民間人の理事が
管理するという形になって、非常に形は不適当だ。この際、来年度はまた
予算が飛躍的にふえまして八億六千万円にもなります。そういう面から根本的に
機構を建て直した方がいいのではないかということが、改組の動機です。
それに対して
政府から二十億の出資金を出すことにいたしましたのは、実は海外
貿易振興会の
仕事は年々どうも欠損が出まして、昨年もたしか四千万円
程度だと思いますが、本年度も五千万円
程度欠損が出る見込みでございます。これは
政府の
補助事業の場合には、どうしても残りの部分を民間からの寄付金に仰がなければならぬわけでございますが、特定の
事業の、特定の振興
事業のようなもの、たとえばカメラのサービス・センターというような場合には、カメラ業界から残りの負担はいたしますけれ
ども、そうではなしに、市場調査というような
一般的な
事業になりますと、これは結局府県なり団体なりの寄付金に仰がなければならない。その面がどうしても足りませんで、今のままですと、恒常的に赤字が出まして、基金を食っていくという形になります。この際、根本的に財政を建て直さないと、振興
事業もできないという
感じがいたしますのが
一つ。
それからもう
一つは、やはり
輸出振興、ジェトロで担当いたします振興
業務というものは非常に数が多いわけでございますが、特に海外
関係の
事業をいたします
関係から、途中の
計画変更その他が非常に多くて、裏口では赤字を出しながら、
政府の
補助金予算を使い切れない、それで返納するというような事態でございまして、今のような経理、
予算制度ではどうも不十分だ。この際、
予算の出し方も一括しまして、ある
範囲においては彼此流用ができるようにする。同時に、若干
予算が不足しました場合にも、その不足を何らかの自由な財源で補えるようにする必要があるというふうな点を
考え、なおまた、この海外の
仕事をいたしますために海外における信用ということが非常に大事でありますので、相当まとまった基金を設けまして、海外における信用というものも高めたいという点も考慮いたしまして、今申し上げましたように、二十億の基金にいたしまして、全額
政府出資にして、
政府関係機関であるということを非常にはっきりさした。
管理面も、役員すべて、これは理事長、副理事長、監事は
政府任命でございますが、その他の理事につきましても、全部任命の際には
政府の承認を受けるということで、はっきり
政府にかわって
政府の行うべき
仕事をやる機関であるということを明らかにしまして、そのかわりに、財政面の
運用については、従来以上に弾力性を持たして
運用できるようにしようというのが、この
制度の改変のねらいでございます。