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1958-03-04 第28回国会 参議院 内閣委員会 第7号 公式Web版

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  1. 建設省設置法の一部を改正する法律 (会議録情報)

    昭和三十三年三月四日(火曜日)午前 十時四十三分開会     ————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤田  進君    理事            上原 正吉君            大谷藤之助君            永岡 光治君    委員            木村篤太郎君            後藤 義隆君            近藤 鶴代君            迫水 久常君            田中 啓一君            苫米地義三君            増原 恵吉君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            田畑 金光君            千葉  信君            松本治一郎君            矢嶋 三義君            島村 軍次君            八木 幸吉君   国務大臣    建 設 大 臣 根本龍太郎君    国 務 大 臣 津島 壽一君   政府委員    総理府総務長官 今松 治郎君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     増子 正宏君    南方連絡事務局    長       石井 通則君    宮内庁次長   瓜生 順良君    皇室経済主管長 高尾 亮一君    行政管理政務次    官       榊原  亨君    行政管理庁統計    基準局長    美濃部亮吉君    防衛政務次官  小山 長規君    建設大臣官房長 柴田 達夫君     —————————————   本日の会議に付した案件建設省設置法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○総理府設置法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○皇室経済法施行法の一部を改正する  法律案内閣送付予備審査) ○一般職職員給与に関する法律の  一部を改正する法律案内閣送付、  予備審査) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する  法律案内閣送付予備審査) ○統計法等の一部を改正する法律案  (内閣提出)     —————————————
  2. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。  まず、予備審査のため付託された法律案につきまして、政府から提案理由説明を求めます。  建設省設置法の一部を改正する法律案について説明を求めます。
  3. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  この法律案は、建設省設置法の一部を改正して、道路局管理部及び建設部の二部を新設するとともに、北陸地方建設局及び四国地方建設局を増設するほか、地方建設局内部部局整備拡充する等の改正を行おうとするものでありますが、以下その要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、道路局機構整備拡充することとしたことであります。  道路整備につきましては、政府昭和三十三年度において、これを国の最重要施策一つとして取り上げ、最近における自動車交通の激増に対処し、産業基盤の強化に資するため、従来の計画を大幅に拡充した道路整備五ヵ年計画を新たに樹立いたしまして、これに伴い特別会計を設けまして、幹線と地方重要道路の双方にわたり逐次その整備をはかることといたしたのでありますが、新道路整備五ヵ年計画に基く道路整備事業を強力に推進して参りますため、このたび道路行政を担当している本省機構整備拡充することといたした次第であります。すなわち、道路局管理部及び建設部を設け、管理建設の両面から今後の道路行政の一そうの推進を期する所存であります。  次に、本省地方支分部局として新たに北陸地方建設同及び四国地方建設局を設置するとともに、地方建設局内部部局整備拡充することといたしたことであります。  現在、建設省地方支分部局として東北地方建設局関東地方建設局中部地方建設局近畿地方建設局中国四国地方建設局九州地方建設局の六地方建設局が設置されており、河川道路等の国の直轄事業実施に当っておりますが、年々の事業量増大に伴い、これら事業実施の万全を期するためには、北陸地方及び四国地方地方建設局を設ける必要が生じてきていたのであります。加うるに、来年度以降におきましては、先ほど申し上げましたように、道路整備五ヵ年計画に基く直轄道路整備事業が相当増加することとなりますので、この際、北陸地方建設局及び四国地方建設局の二地方建設局を新たに設け、事務運営の適正かつ能率化を期することといたした次第であります。すなわち、従来の関東地方建設局所管区域であります新潟県並びに中部地方建設局所管区域であります石川県及び冨山県所管区域とする北陸地方建設局と、従来の中国四国地方建設局所管区域であります四国四県を所管区域とする四国地方建設局を設置することとしたのであります。  また、地方建設局内部部局につきましては、道路事業等増大に伴い、事業実施能率化をはかるとともに、河川事業道路事業の遂行に当ってその責任を明確化する等のため、従来の庶務部工務部及び企画部にかえて、総務部河川部道路部及び企画室を置くこととし、東北地方建設局及び関東地方建設局には、これらの部のほか用地部新設することといたしました。なお、営繕に関する事務につきましては、その事務の性質上、従来の所管区域によって処理する方が適当と考えられますので、新設北陸地方建設局及び四国地方建設局においてこれを分掌しないこととし、これらの地方建設局には営繕部を置かないことといたしました。  第三に、地理調査所位置東京都に変更することとしたことであります。地理調査所は、戦時中の疎開先長野県から、戦後千葉県に移転し、現在に至っておりますが、このたび東京都目黒区上目黒に建設されております新庁舎に移転することになりましたので、その位置東京都に改めることとしたのであります。  その他地方建設局所掌事務等につきまして、若干の事務的改正を加えることといたしました。  以上が建設省設置法の一部を改正する法律案提案理由及びその要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。     —————————————
  4. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案につきまして説明を求めます。
  5. 政府委員(今松治郎君)(今松治郎)

    政府委員今松治郎君) ただいま議題となりました総理府設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  終戦以来ソビエト社会主義共和国連邦により占領され、事実上その支配下にある北方地域に関しましては、日本国の主権が完全に回復され、島民の帰島が実現されるよう努めなければならないことは当然でありますが、これが実現を見るに至る間においても、その地域に在住していた島民は土地、家屋その他の財産等を島に残したまま全員本土に引き揚げ、その生活も困窮いたしておりますので、これら北方地域とその島民に関し、諸般の事項について調査連絡、あっせん及び処理等を行わなければならない問題が少くないのであります。  これらの事務を行い必要な措置を講ずるために、現在の南方連絡事務局を改組いたしまして特別地域連絡局とし、沖縄、小笠原諸島等南方地域のほか、北方地域に関する事務を行わせることといたしたいと考えますので、その根拠法である総理府設置法の一部を改正する必要があるのであります。  これが、この法律案を提出する理由であります。  次に、この法律案の主要な点を御説明申し上げます。  第一は、総理府水府内部部局として特別地域連絡局を置き、その所掌事務として現在南方連絡事務局で所掌している事務のほか、北方地域に関し必要な事務を加えたことであります。  第二は、日本政府南方連絡事務所総理府木府の付属機関とし、南方連絡事務局設置法中の日本政府南方連絡事務所に関する規定とほぼ同様の規定を設けたことであります。  以上、この法律案提案理由及び概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられますよう、お願い申し上げる次第でございます。     —————————————
  6. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 次に、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案について説明を求めます。
  7. 政府委員(今松治郎君)(今松治郎)

    政府委員今松治郎君) ただいま議題となりました皇室経済法施行法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  内廷費及び皇族費定額は、皇室経済法施行法第七条及び第八条により、現在、内廷費は三千八百万円、皇族費は百九十万円となっておりますが、これらは昭和二十八年に改正せられたものでありまして、内廷費皇族費とも極力節約に努められてはおられますが、以来すでに五年近くを経過し、経済情勢も変化し、内廷費につきましては、その間における外国交際範囲及び内容拡大、成年に達せられた皇族の諸経費増大等により、また、皇族費につきましては、内廷費同様御活動範囲拡大等により、現定額では所要の経費をまかなうには不足を来たす実状であります。よって昭和二十八年以降の国家公務員給与の引上率及び物価の上昇率等を勘案し、今回これらを改訂いたしまして、内廷費定額を五千万円、皇族費定額を三百万円といたしたいと存じます。  以上が、この法律案のおもな内容及びこれを提案いたしました理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。     —————————————
  8. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 次に、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について説明を求めます。
  9. 政府委員(今松治郎君)(今松治郎)

    政府委員今松治郎君) ただいま議題となりました一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。  この改正案は、昨年七月十六日付の人事院勧告に基き、一般職国家公務員に対し、新たに通勤手当を支給しようとするものであります。  すなわち、通勤手当は、有料交通機関または自転車等を利用して片道三キロメートル以上の距離を通勤する職員に対して支給することとし、その支給額は、有料交通機関等により通勤する者に対しては、月額六百円を限度として、一ヵ月の通勤費に引当する額から百円を差し引いた額とし、自転車等で通勤する者に対しては、月額百円といたしました。  この法律案は、以上の趣旨に基きまして、一般職職員給与に関する法律及び関係法律改正を行い、本年四月一日から施行しようとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。     —————————————
  10. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について説明を求めます。
  11. 国務大臣(津島壽一君)(津島壽一)

    国務大臣津島壽一君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容概要説明申し上げます。  政府は、今般人事院勧告趣旨にかんがみ、一般職国家公務賃に新たに通勤手当を支給するため、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしましたが、防衛庁職員に対しましても一般職職員と同様に通勤手当を支給することといたしますとともに、この機会に、昨年末行われた期末手当増額に伴いまして航空手当等の額の俸給日額に対する割合最高限度を改める等必要な措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。  次に、本法律案内容概要を申し上げます。  まず通勤手当につきましては、一般職国家公務員の例にならい、その内容一般職職員の場合と全く同様であります。  次に、航空手当等につきましては、昨年末に行われました期末手当増額に伴いまして若干の増額を必要といたしますので、俸給に対する割合最高限度増額分だけ引き上げることといたしました。  なお、通勤手当新設並びに航空手当等の率の改訂に伴いまして、公務災害補償等関係規定整備をいたした次第であります。  以上が本法律案提案理由並びに内容概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さるよう御願い申し上げます。
  12. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  13. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 速記を起して下さい。     —————————————
  14. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) ただいま議題とし説明を求めました皇室経済法施行法の一部を改正する法律案に関連して、資料要求がございます。
  15. 松本治一郎君(松本治一郎)

    松本治一郎君 高松、秩父、三笠三家の現財産及びその収入の総括ですね、ことに高松家のあの光輪閣のあり方を詳細に出してもらいたいと思います。
  16. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 以上の要求は、請求をいたしておきます。  ちょっと述語をとめて。   〔速記中止
  17. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 速記を起して。     —————————————
  18. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 次に、統計法等の一部を改正する法律案議題といたします。  前々回に引き続き、質疑を継続いたします。御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  19. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 この前お願いいたしました統計関係資料委員長手元に出ているのでございましょうか。それをまず、いただきたいのですが。
  20. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) ただいまの御発言でありますが、全部ではないようでありますけれども、一部について提出されておりますから、御配付申し上げます。——その後調査の結果、事務局に御要求資料は全部出ているとのことでありますから、あらためていただきたいと思います。
  21. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 資料のことについて一言申し上げたいのでございますけれども、この前の資料のうち、重複がわかるような資料という御要求でございましたが、それは大体この三十二年度に施行されました各省統計調査一覧表がございます。そしてさらに、重複ということをあれいたしますと、それぞれの調査についてそれぞれの調査項目を全部抜き取りましてそしてそれをさらに総合調整しなければならないのでございますけれどもごらん通り、これだけの調査がございまして、それの調査項目がおのおの二十ないし三十になりますので、膨大なものになってしまうのでございます。それでございますから、もし、これをごらんになりましてこの調査とこの調査についてはどうかというふうな御質問がございましたらば、直ちにその調査項目について、どういうふうに重複しているか、していないかという資料を作って、差し上げたいと思っております。
  22. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 それから要求資料の、統計の結果を、高度な専門的な立場からでなくて、一般国民に対する統計思想普及等立場から、非常に平易化して出ているパンフがあったら、幾つか例として出してほしいということを要望したわけですが、私の今までの記憶では、「国鉄の早わかり」という小さなパンフレットとか、きょうここに出ておりますが、国税庁の「税金とそのゆくえ」、こういうのが非常に私は今まで印象に残っている例なんですが、そのほかどういうものが出されましたか、資料としては。
  23. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) それは、大体最も平易にわかりやすく書かれているものを集めましてお手元に差し上げたのでございまして、それ以外にはそう、国民一般にわかりやすく、何と申しますか、統計思想普及宣伝目的で出されているようなものはございません。大体そこに集めましたのが比較的専門的でない、一般的に見ましてもわかりやすく書かれているものでございますが、しかし、ごらん通り、主として統計表の集成でございまして、税の行方とか、国鉄とか、そのほかは大体において白書類で、厚生白書農林白書通商白書、ああいうものに集録されているということになっているわけでございまして白書は集めませんでございます。
  24. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 質問を始める前に、私は委員長にお願いをいたしておきたいと思うのです、特に委員長を補佐すべき委員部担当者並びに専門室の室長以下関係者にお聞きおき願いたいと思うのです。それは、この委員会所管事項が非常に多いわけで、ずいぶんと法律案並びにそれに伴う資料が配付されるわけですが、この統計法等の一部を改正する法律案に関連する資料は、比較的に他の省庁案件よりは資料が整っている点は敬意を表します。しかし、各省庁ばらばら資料を出してくるのです。通産省は一つの袋に入れてきた、建設省関係のはまとまって袋にちゃんと整備して出されていますが、各省庁のこれだけの法律案があるものを、パンフレットばらばらに出されたのでは、これは委員長もそうでしょうが、各委員審議に非常に支障があると思うのです。従って委員長を補佐すべきところの方々で、特に関係省庁連絡をとって、できるだけ資料をまとめて、整備して各委員審査都合がいいように配慮するように注意していただきたい。これを特に要望いたしておきます。  そこで、お伺いいたしますが、戦後わが国において統計ということが非常に重視されるようになって量的にも質的にも向上した点は認めます。しかし、第一番に伺いたい点は、中央官庁においても、総理府と各省庁統計事務担当者、それから統計内容等系統が、非常に多元化している。しかも、これと独立して地方公共団体で行われておるものもあれば、また委託を受けて行われておるものもあるというので、ことに統計なんというのは、企画、それから題目の設定というものが重要なわけなんですが、中央にしても、地方にしても、日本国という政治という立場から行われるわけなんですけれども、これらの一元化というものは完全にはできないと思うのですが、あまりにも多元化されて、むだが多いのじゃないか。むだが多いのみならず、的確なる統計というものができないのじゃないか。そして幾つかダブってやった場合に、都合のいいのは採用して都合の悪いのは破棄するというようなことも、私は起り得ると思うのですが、あなたのところでは、中央官庁地方官庁統計業務について、企画審査調整されるような立場にあられるわけですが、いかようにそれらの点はお考えになっておられるのか、現状のままで満足されているのかどうか、その点、まず伺いたいと思うのです。
  25. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) この点に関しましては、先日局長からお答え申し上げました通り、各省庁におきます統計、それに属しない統計統計局でやる、そういうふうな建前から、一応各省庁において統計をし、並びに統計局統計をやっておりますが、それらにつきましての統計のやり方とか基準とかいうものにつきましての調整は、私ども所管でございますところの統計基準局がいたしておると、こういう建前になっておるようなわけであります。それらの統計局でいたします指定統計のほかに、各省庁におきましては、行政運営から自分だけでとりたいと、自分のところだけでとって行政運営に資したいというような統計もいたすわけでございまして、今お話しになりましたように、各省庁統計を総合いたすということにつきましては、何しろ膨大なものでございまするから、大体共通的な、あるいは重要な指定統計に属するようなものにつきましては、今後統計機械の発達、あるいは統計機械類を入れて参りまして、そうしてこれを能事的にやるということになりました場合には、あるいは統計局においてこれをするというようなこともあると思うのでありまするが、ただいまの段階におきましては、現状のようなことで総合調整するということで、十分な目的を達しておるのではないかと思うのであります。  なお、統計機械につきましては、私どもといたしまして、その統計機械の能率的な運営ということをまず認否をいたしまして、そうして一定の方針のもとにこれらの機械を使いまして、できるだけこれを能率的にやるというようなふうに私ども考えておる次第でございます。
  26. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 専門家として、局長はどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
  27. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) お答えいたします。その問題は非常にむずかしい問題でございまして、統計機構をセントラライズ——集中化するのがいいか、分散化しておく方がいいか、これは国連でもそういうセミナーを開いて、後進国家の新しく統計を発展させようというときに、どっちがいいかという講習会を開いたことがあるくらいなのでございます。それで、その両者につきましては、一長一短がございます。理論的に申しますと、ただいまの御質問のように、集中化して一つに集めるということが、むだを省き、一つ統一的基準が設定されていいということは、ほぼ結論が出ておるのでございます。ところが、そういうふうに集中化いたしますことから、弊害がまた出てくるのでございます。  と申しますのは、何と申しましても、統計というのは政府行政政策と密接に関係をして参りますので、実際に行政なり政策なりを担当している人のところで統計を作りませんと、統計統計そのもの目的とするようになって、浮いてしまうということと、それから、統計調査の設計その他をいたします際には、非常に専門的な知識をますます必要としてくるのでございます。そうして、そういう専門的な知識を持っているのは、やはり各行政を分担している各省に最も多いのであります。そうして、その専門的知識というのが、行政運営政策の樹立と裏表の関係にならなければならないということで、このセトラライズされた組織に対する反対論というのは、主として統計統計だけのために作られてあまり利用できないものになってしまって、浮いてしまうということにあるわけでございます。それからもう一つ、伝統的に行政それ自体が比較的分散している国においては、分散された統計として伝統的に発達してきている。そうして、それを無理に集中化しようとすると、そこで非常な困難が起きてくるのではないか。そうして統計というのは、もうまずくいきますと、まずくいったことが如実に出てきて、そこに断層ができてしまいますと、統計としての用が足りなくなる。そこで、無理をして統計集中化するなり何なりするということは避けた方がいいのではないかというふうな議論もございます。  それで結局、完全に集中化した組織をとっている国、カナダなどはその典型でございまして、カナダとか、ブラジルとかオランダとかいう国はやや集中化カナダはもう完全に集中化しております。その他の国々を見ますと、大体において分散しているという国が多いのでございます。ところが、ただいまの御質問のように、統計というのは集中化しなければと申しますか、統一的に行われなければその価値が半減するということは、これは明白な真理でございますので、その分散された場合においても、分散しっぱなしにしておいてはどうしてもいかぬと、それを強力に中央において総合調整する機関が必要であるというので、分散した組織をとっておる国においては、程度の差はありますけれども総合調整機関が作られております。それで、日本も大体その系統組織をとっておりまして統計調査そのものは分散しておりますけれども中央行管統計基準局があって、総合調整の任に当っておる。  それで、日本総合調整権限は、ほかの国に比べますと、非常に強いものになっております。統計法があって、それに基いて指定統計というのがあって、指定統計に伴う権限というのは非常に強いのでございまして、それからさらに統計報告調整法がありまして、官庁のとる統計はすべて私の方のアプルーバルが要るということになっておりますので、総合調整権限というものは大体においてほかの国に比べますと、非常に強いことになっております。  今、次官からお話しになりましたように、われわれが目下頭を悩ましておる問題は、集計の問題でございます。それは、今年度の予算で、幸い七〇五という最も進歩した電気計算機が入ることになりまして、これは非常な能力を持っております。日本が七〇五を持つようになったということは、いろいろな意味において、単に統計だけでなく、科学一般の計算をする上において非常な進歩になるだろうと思いますが、しかし、これはよほど集計を集中化させて能率的に使いませんと、せっかく入れたものが宝の持ちぐされになるというふうに思われますので、これが入りました暁のことを考えまして統計審議会におられますそちらの方の専門家である山内先生その他を中心にして、これを日本においてどういうふうに使うべきかということを慎重に考慮していきたいと思っております。そうしてその結果は、おそらく相当の程度に集計を集中化するということにならざるを得ないと考えております。
  28. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 あなたの御説明の中で、私も十分理解できる点もあるのですけれども、しかし、私はそう複雑な統計を実務としてやったことはないのですが、若干勉強した経験を持っているものですけれども、今のわが国の実情というものは私は、十分だと思えないのです。集中にしても、分散にしても、限度というものがあると思うのです。かなり、私は重複している点がある。ことにあなたの今いう電気計算機というのは、電子計算機のことだと思うのですが、これらがどこかにセンターとして置かれてそしてこの技術者を、統計職員養成所あたりでは簡単にいかぬと思うのですが、これは東大とか、そういうあたりに教育を委託して、そういうセンターに置いておいて、そうしてそういうものは作業をやる、計算をやるということになれば、統計素材の整理が早くできる。早くできれば利用価値があるわけですから、そういうものは、今までなされなかったことが今度なされることはけっこうだと思うのですが、それにいたしましても、地方の出先官庁にいたしましても、簡単な中途半端なものをそれぞれの出先機関でダブってやってる。地方官庁というのは、ばらばらだ。最近は、地方には合同庁舎というものもできておるわけですが、そういうところに、企画企画として、それらを整理するというようなものが、合同庁舎でもできれば、そこに技術者、それから機械というものも、そのブロックの合同庁舎の中のセンターというものを設けてやるようにすれば、私は、多少能率が上るのじゃないか、むだも省けるのじゃないか、そういうことも感じているのですが、まあしかし、あなたの御発言の中のかなりの部分は了解できる点がありますので、私の言わんとするところもおわかりだと思いますが、十分研究努力してもらいたいと思う。相当の予算を使ってやってるのですから、これがほんとうに利用されるものでなければならぬし、また的確な統計が行われなければならない。そういう立場から考えた場合に看過することはできないと思うのです。  若干具体的に伺いますが、総理府統計局の方では、各省庁でやらないものをやる、こういう御説明ですが、たとえばことしの予算書を見ますと、総理府本府の方に、昭和三十三年住宅統計調査に必要な経費として、四千八百三十四万何がしというものが、新たについているわけですね。これは一つの、三十三年度統計の重点項目として取り上げているのだと思いますが、これらは建設省調査したらいけないのですか。各省でやるのと、総理府統計局でやるのと、調整されるというのですが、どういう基準で分離されているのか。今、私、一つの例をあげたのですが、基準というものがわかりかねるところがあるのですが、これはどうなんですか。
  29. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) その点はもう少し詳しく申し上げますと、私たちと申しますか、私たちの方の諮問機関になっておる統計審議会の方針と申しますか、その大体の方針は、やはり今の矢嶋委員のお説のように、もう少し日本においても集中化すべきであるという意見なんであります。その意見は大体、センサスと申しますか、悉皆調査的なもの、その内容行政とかそういう専門的知識よりも、より以上に統計技術的なものを多く必要とするもの、これはできるだけ統計局集中化さすべきであるというのが、私の方の方針でもあり、また統計審議会の御方針でもあるわけです。  それで、ただ実際問題といたしましては、農業センサス、工業センサス、商工センサスというようなものは、従来から農林省ないしは通産省がやっておりまして、そのまま続けられておりますけれども、その他統計局がやっておりますもので、今までもやっておりますものでセンサス的なものは、悉皆調査的なものは、できるだけ統計局にやらせるという方針で、住宅調査というものは住宅に関するセンサスでございまして、これは統計局に置くのが、そういう方針から考えましても理論的であるというわけでございます。  それともう一つは、住宅センサスというものは人口調査と裏表になりますもので、ほんとうは国勢調査をするときに一緒に住宅調査をするのが一番いいのでございますが、それは費用、それから手間、集計能力その他から、日本においては残念ながらそれを一緒にやれませんもので、時間を置いておるわけなんです。国勢調査統計局でやられております点から申しましても、その裏表の関係にあります住宅調査統計局でやりますのが最も適当であるというのが、われわれの意見でございます。
  30. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 それでは、こういう調査をやる場合は、何ですか、住宅に対する若干の専門知識も要するでしょうが、建設省所管局から一人か二人出向してやるのか、そういうところとは別に連絡なくやるのか、どうなんですか。
  31. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) その点は統計局の方で十分注意いたしまして、その調査項目その他につきましては、建設省の方と十分連絡いたしますし、それから調査項目の決定等は、単に関係建設省だけでなく、労働省にも、あるいは厚生省にもございますので、各省関係官を集めた会議をたびたび開きまして、そうしてむしろ統計局はそういう各省要求をもとにして、それの代理として調査をするというふうな態度をとっておりますので、統計局でやるとはいいながら、各省の要望というものは十分に参酌してやっております。
  32. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 そういう御説明を承わると、私は、資料としていただきました、昭和三十二年度実施の主要統計調査の各省庁のが出ておるのですが、この中からでも統計局に移していいものがあるような気がするのですが、僕らあまり専門的にやっていないからかもしれませんが、どうもけじめがつかなくて何か総理府統計局でやるのは政治的な背景をもってやるのが多いような感じがしますね。それから、統計というものは、数字というものは正直だけれども、ある意図を持ってやれば、その意図にある程度沿うような統計を出すということも、まあ限度はあるけれども、可能なものでして、そういう点もあるから、総理府統計局でやるのと、各省庁でやるのと、どうもはっきり明確でないような点があるのです。たとえば大蔵省の給与実態調査というのが出ていますし、それから総理府の方では家計調査というのが統計局でたしかあったのですね。そういうものは私は、むしろ同じところでやった方が、関連性をもっていい統計が出てくると思うのですが、そういうものはどういうことなんですか。
  33. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 給与実態調査というのは、名前がちょっと悪いのでございまして、これは源泉所得税から計算いたしますので、これは大蔵省の国税庁関係でないとどうしてもできない調査なんでございます。各税務署の源泉所得税からサンプルを抜きまして、そうして企業規模別、それから役員別でそういうふうな計算をし直すのでございましてこれはむしろ直接に行って新しく給与調査するものではございません。いわゆる第二次統計でございますから、これは大蔵省でなければできない統計なんでございます。それから家計調査というのは、これは世帯をとりましてそこに一種の家計簿みたいなものを渡しまして、そうしてそれに記入させてとります第一次統計調査で、これはむしろどこにも属さない統計として、統計局が当然やるべき調査であるということになっております。
  34. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 この総理府統計局統計をとった場合と、他の省庁統計をとった場合とで、その結果、それから将来の政府政策に影響する度合いというものは違いはしませんか。総理府統計局でとったものは、かなり大きな発言権を持っていて何されるが、各省庁でとったものは、何だそんなものというように無視されるような傾向はありませんか。
  35. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 率直に申しますと、むしろ逆でございまして、そういうことはあまり言っていいか悪いかわかりませんけれども各省というものは自分とのった統計を一番尊重するものなんです。他人のとった統計は、よくてもあまり使いたくないという傾向が、どうしてもあるものなのです。それでございますから、どうしても自分の省でとった統計というものを政策の樹立にはよけいに使う。もちろん統計局でとった統計を使わないということはちっともございませんけれども自分のところでとった統計をより以上に尊重して、より以上によけいに使うという傾向は、むしろいなむべからざる傾向で、統計局でとったから特に尊重されるというふうなことはございません。  それから、先ほど重複ということがお話が出まして、私ども重複については非常に神経質になっているのでございまして、それで確かに重複はございます。ことに民間の方から、重複があるということで非難される場合もございますが、その点、私の方は特に注意しておりまして、大体において重複の起りますのは、通産関係と申しますか、工業関係統計に多いのでございます。それでございますから、工業関係に関する統計については、経団連の中に統計委員会というのが作られておりまして大体において問題があると思われまするのは、経団連の統計委員会に一ぺん、検査ということではございません、見てもらってそうして傘下の団体からその委員が選ばれておりまして、そうしてこれは承服できる、これは困るという意見を徴しましてそうして非常に難儀だとか、重複されて困るとかというものは、その点について経団連の方と一緒に協議をして、そうして最大限度にそれをなくすという努力をしております。それで重複という問題が起りますのは、こういう、予算をはっきりとって、ここに並べられておりまするこういう調査の中には、私はおそらく重複はほとんどないといっていいと思うのでございます。  それから、重複はございます。ございますが、それは私の方で検査をいたしまして、どうしてもやむを得ないというものに限られているので、重複が起りますのは、こういう統計調査以外に、行政を行うために、統計調査というよりも報告の徴集のようにして、非常にたくさん出るのでございます。それとこの統計調査重複するということが起って来るのでございます。こういうふうに、私の方で、自慢するようでございますけれども、目を一ぺん通したものについては、やむを得ない重複以外には、まずないと言って差しつかえないのではないかと思います。
  36. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 質問を急ぎます。で、統計調査事務地方公共団体委託費というのが、予算に七億四千万円ほどあるのですが、あの中で一番予算を食うのはどういうものですか。詳しい答弁は要りませんが……。
  37. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 委託費の中ででございますか。
  38. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 ええ。
  39. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) これは先日問題になりました調査員の手当……。
  40. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 調査員の手当ですが、内容です。
  41. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 今の七億というのは、私ども基準局についておりますものは、これは先日申し上げました県に置かれました統計職員の全額国庫負担の分で、これが七億でございます。それでございますから、県の職員の一千何百人の人件費及び事務費でございます。
  42. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 あなたの方から出した資料で、農林省の方で七億というのが最高ですね。その次は、統計局の四億七千万というようになっているわけですが、作況調査、これはダブっていませんか。
  43. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 作況調査はだいぶよくなりましたけれども、全然ダブっていないとは申せないと思います。食管の方の数字と、それから一番ダブっておりますのは県ベースの農林統計調査です。これは完全にダブっております。が、公共団体の統計活動については、私の方は規制する権限もございませんし、それからある程度までは、県ベースにおいては、非常に市町村別のこまかい統計が要りますので、これはいたし方がないと思っておりますので、この点はダブっている最も大きい部分でございます。
  44. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 この点について私お伺いして意見を承わりたい点は、国なりあるいは地方公共団体として、当然統計業務としてやるべき統計と、それから国の、時の政府あるいは地方公共団体の首長が、一つ政策立案の行政目的をもってなす統計、これとが別途にやられているわけですね、多くは。これはそういう点を、二一天作の五にはいかぬだろうけれども統計というものを正確にやり、それに権威を持たせて利用するようにして、ダブったりむだのないように、調整と申しますか、そういう努力を当事者がなさるべきじゃないか、こういう感じを私は持っているのですが、その点はどうでしょうか。
  45. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 残念ながら、地方公共団体統計中央との調整ということはいたしておりません。それは、法律に基く権限も何もございませんし、それから、それは地方公共団体に対する干渉のようにもなりますし、今のところではそういうことはできかねます。ただ、先ほど申しましたように、県におります統計職員というのは、全額国庫負担でございまして、そうして県費の統計職員というのも若干はおりますけれども、ごくわずかな人数でございます。それでありますから、県ベースの統計というのも、ある場合においては、われわれの方の全額国庫負担の職員がひまなときをみてやるということになっておりますので、そういう点から、ある程度までは監督ができるわけで、その限りにおいてはやっておりますけれども、なかなか中央におけるような調整というふうなことはできないでおりますし、また地方公共団体統計というのは非常に未発達な段階にございますので、むしろ、私たちとしては、もう少ししっかりやってもらいたい、もっと県費を出して統計をやってもらいたいという希望を持っているわけであります。
  46. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 自治体がやる統計は届出制でしたかね。届出でなかったでしょうか。
  47. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 届出だけはありますから、どういうものがやられているかということだけは、私どもにわかっております。
  48. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 次に、内容を少し承わりますが、統計主事にはかくかくの条件のそろった人物でなければならぬという規定がありますね。それから統計官についてはそれはないが、人事院規則でそれに準じたような規制がされておったと思うのです。従ってこの法一が改正されても、実質といいますか、今統計官の人がその職を追われるというような事態はないわけですね。実質は変らないわけですね。どうですか、その点。
  49. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) それは全然ございません。今のままでございます。
  50. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 あえて資格要件を同じにするというような法の改正をする理由は、どこにあるのですか。今のままでいいのではないかという感じもするのですがね。
  51. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) 統計官の資格要件というものが、今なくなっているわけであります。そこで、統計官の資格要件を統計主事と同じものとするという——統計主事の方はございますから、統計官の資格要件というものを統計主事と同じものだということを規定しよう、こういうわけであります。
  52. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 結局、人事院規則ですか、それでワクをはめてありましたね。統計主事に準じて、それを法にしようと、こういうわけですね。
  53. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) そうではなくて、もうほごになった。人事院規則が二十七年になくなったのであります。公務員の職階制の法律が出まして、それによってこういう公けの便宜のために設けた職は人事院はきめないという方針になりましてそして一たんきめたのが失効になったわけです。それですから、ここ数年間というものは、統計官に対する資格要件がなくなっているわけであります。運営で今までやってきたわけなんです。
  54. 矢嶋三義君(矢嶋三義)

    矢嶋三義君 わかりました。人事院規則のワクはなくなったのですね。そうすると、運営統計主事の任用条件に合致するような人を統計官に任命しておった。従って法の改正がなされても、実質的には変ってこない、こういうふうに了承してよろしゅうございますね。
  55. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) その通りでございます。
  56. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 今の統計官の問題でありますが、今も実際上は任命されておるわけですね。
  57. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 今も任命されております。そしてその任命は各行政機関の長が任命することになっております。
  58. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 任命権者はわかっておりますが、その任命する場合に、従来、国家公務員法による資格基準を持っている国家公務員の各省庁に勤務している者のうちから任命している、こういうことですか。
  59. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) さようでございます。
  60. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 そういうことになりますと、官職としては、これは統計官という官職はない。ただ、他の職員の中から統計官なるものを任命している、こういうことですね。
  61. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) その通りです。公けの便宜のためにということですね。
  62. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 そこで少し問題が起ると思うのですがね。これが明確に官職であるという場合は、私は問題はないと思います。今御説明を聞いておりますと、統計官の仕事というのは非常に重要な仕事で、しかも、複雑で相当責任ある仕事だと思うのです。それから同時に、今度、今までの人事院指令が消えてなくなっておる。そこにさらに今度、その資格任用条件等についても法律ではっきりこれをきめるということになるわけです。しかも、その法律で明定される資格要件、それから仕事の非常に重要だという関係等からいきますと、実際上はそれが官職として扱われるという格好にならないと、私はこれは国家公務員法上かなり将来に問題を残すことになると思うのです。これは御承知のように、そういう重要な仕事、責任のある仕事等については、はっきり国家公務員法に規定されておるように、たとえば国家公務員法あるいは職階制に関する法律からいいましても、職員に対する給与の決定、待遇条件等についても、それが官職であると、どういう度合いの重要な仕事をしておるか、どういう度合いの責任を持っておるか、また監督をする度合いはどうか、こういう点を基礎としてそれに対する職階法に基くところの官職の分類、職級の決定、こういうことがなされるわけです。それによってあるいは官職の資格要件、あるいはまた待遇の条件というものがはっきりきめられるということが、国家公務員法の建前です。それが、今度の場合は、統計官であるものはこういう条件を持っていなければならぬ、こういう重要な仕事をするのだ、こういうことがきまっていて、しかも、その統計富がその他の官職の併任という、これは人事院でもかなり、すっきりした格好でないので、いろいろな検討が行われておると思います。今までのように、そのまま統計官という官名というか、その官名に当てはめて、そうして任命権者が任命するという程度のことであると、私はそれほど問題は起らないと思う。なぜかならば、そういう職種に対してこれから十分検討を加えてやる方法もあるわけですから、法律上。それがそうでなくて、今度ここに統計主事というものがありますが、同様な条件、資格要件というものがここに出てくる。どうもこの点で私は少し問題が起ると思いますが、併任ということで、しかも官職でないという解釈でいって差しつかえないという見解を持たれたその根拠は何ですか。
  63. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) ただいまお話しになりましたことにつきましては、国家公務員の職階制に関する法律の第十条第五項に、「行政組織運営その他公の便宜のために、組織上の名称又はその他公の名称を用いることを妨げるものではない。」とあります。こういうことによりまして今の統計官というものの名称を付そう、こういうことであります。  それからもう一つは、それではそういうことをやることによって非常な支障が起るのじゃないかというお話でございますが、同様な条件のもとにやっておりますところの統計主事に関しましては、ただいまお話しになりましたような障害は、今まで起っておりませんから、統計官につきましてもそうう障害は起らないというふうに私どもは思っておるのであります。
  64. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 その統計主事の関係ですね、直接障害が起っている、起っていないというのは、これは別の問題です。そうじゃなくて、たとえば国家公務員に対する国家公務員法というものは、日本の官吏制度というか、公務員制度の基準をきめておるわけです。その基準のきめ方は、国民に対する公務員たることの機会均等とか、それから能率を上げて国民に対する公務のサービスを徹底するとか、同時にまた猟官制度などの起らないように公平にやるということ、もしくはまたその公務員諸君に対して適正な待遇をするということ、その仕事に応じた適正な待遇をするということ、まあこういう点なんかについて根本的な基準をきめてあるわけです。そうしてその中でも、公務員自体の立場からいって最も重要なことは、官職の決定ですね、それから職級の明細な決定、それからそれぞれの職分に応じた決定、こういう根本の基準というものが明確になっていて、そうして自分のやっている仕事が一体どの程度の度合いを持つのか、どういう立場にあるのか、こういう点がはっきりしていて、それに対する反対給付というものも同時にその決定によって明確に行われるという考えに立っているわけです。そこで、今おっしゃるように、単にこれはもう名称をきめることについては差しつかえないと。私はその点については別に否定しないのです。ところが、これは名称だ、官名だなんといって済ませるような内容のものじゃないということなんです。  統計官は、その任命に当っても、非常に重要な資格要件というものが法律ではっきり今度規制されるわけです。それはやはり統計そのものの国にとっての重要性というところから、私はそういう考えが出てきているものだと思う。そういう資格要件をはっきりして、任命権者がいいかげんな者を任命しちゃいかぬということは、統計そのものに対する重要視という点から出てきていると思う。そうして、しかも、それによって任命された人が非常に重要な事務に従事するということは、この委員会質疑でも明らかなことなんです。資格要件がそれほど厳格に規制しなきゃならぬような重みを持っている、仕事そのものが。なまやさしい仕事でない仕事が、併任であり、しかも単なる官名だといって、はっきりその程度の考え方できめてしまうということが、将来に問題を残さぬかというのが問題なんです。つまり、この統計官なるものは、りっぱな一つの官職じゃないか、公務員法にいう、もしくは職階法にいう。その点を割り切って、これは単に官名だといってあなたの方で決断を下した、これが問題になっているのです。  そうして同時に、もう一つくっつけて聞いておきたいことは、これは官名だということになると、こんなに重要だ、重要だといって大事な仕事をさしておきながら、併任であるということによって、何らその人の仕事に対して国が報いるという方法は、この法律の体制止では、もしくはまた統計法の中からは出てこないんです。大事な仕事だ、こういう条件を持たなきゃいかぬといって、法律ではっきりしておきながら、単なる官名だという解釈を下すということによって起ってくることは、重要な仕事をやらせておいて、それに対する反対給付、官職ならばその点がはっきりできる、それができない。これじゃ私は、やり方として差しつかえありません、弊害はありませんでした、支障はなかったでは、済まないと思うのです。
  65. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) ただいまの御意見はごもっともな点も多々あるのでございますが、昭和二十四年に統計法改正されましたときに、ただいまお話しになりましたように、統計官は国家公務員法に従うべしということを一応きめられておるのであります。ところが、その後二十五年になりまして職階法が新設されましたときに、国会の御意見によりまして、それらの資格要件というのは国家公務員法によらない方がいいのだ、こういう国会の御意思があったものでございまして、そうして今日に及んでいる。そこで、ただいま私どもが申し上げますように、統計官は重要でありますけれども統計主事の今のような資格要件……。統計主事を採用いたしまして別に支障がなかったわけでございますから、統計官もそういうふうに一つお願いしたらどうか、こういうふうに私ども考えておるのでありまして、今御意見のような御意見もないわけじゃないのであって、すでに進駐軍が参りました昭和二十四年におきましては、そういうような、ただいま千葉先化がお話しになりましたような御意見があったのでありますが、その後二十五年に国会の意思をもって、それじゃいかぬ、そうでなしに、こういうものは、まあ統計官の資格要件というものは国家公務員法によらざることで運営せよという御趣旨があったものでございますので、ただいまのようなことにいたしたいと考えておるわけであります。
  66. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 榊原政務次官、少し言い過ぎをやられますね。あなたのおっしゃっておられるその国会の意思というのは、職階法の制定ないしはその審議のことを言うのでしょう。もしそうだということになりますと、この分類その価については、この法律でもはっきりしているように、人事院規則にまかされているのです。そうすると、そのまかされたことによって人事院の方では、あなたの方からも資料になってちゃんと出てきている、二十七年の六月一日に初めて人事院指令の二十四年七月二十七日に出た指令を廃止しているのです。そういう経過なんです。従ってはその昭和二十五年のこの職階制に関する法律が制定されるときには、あなたが言うように、統計官の関係についてはこれは官職でなくてもいいのだとか、これは人事院の規則からはずすべきだとか何とかいう、そういう論議は出ていないのです。職階制に関する法律が制定されただけなんです。そうして、その後二十七年になってから初めて、人事院の方から人事院指令の一の二が出ているのです。それまでは人事院指令の二十四年の十号というのは生きているのです。廃止されても何にもいないのです。そうして二十七年になって初めて人事院指令が出てから、先の指令第十号統計官については云々という指令が廃止された。  しかも、私はこの点については人事院の方にも聞かなきゃならぬと思うのです。この点については人事院でも、これが一体官職として扱うことが当か不当かということについては、この間も私からこの問題について人事院が聞かれて、土曜、日曜と会議を開いているのです、この点について。単なる官名だということでいいのかどうか、官職でないという考えに立っていいかどうかと。それが単に差しつかえなかったとか、支障が起らなかったということじゃなく、公務員法の体系上からいっても、将来に重要な影響を及ぼし、もしくは問題を起すおそれのある非常にきわどい問題だから、そういう会議が開かれている。それを十ぱ一からげ、大ざっぱに、支障が起りませんでしたからいいというような格好では、国会の答弁は私は通らぬと思うのです。
  67. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) ただいま私が申し述べました昭和二十五年の職階法の新設されましたときに、統計官それ自体の資格要件は国家公務員法によらないでもいいというようなことは、今御説のようになかったと思うのでありますが、しかしながら、かような種類のものは国家公務員法によらないでやるのだという御方針はきまったと、私は了解いたしております。   〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
  68. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 どうも了解、少し大ざっぱ過ぎて、問題を残している了解です。これは榊原さんも御承知だろうと思うのですけれどもね、こういう扱いを受けているのは、会計に関する支出官、あるいは麻薬取締官、あるいは図書館関係の司書もしくは司書補、まあそういう関係の、そんなにたくさん数はないのです。日本のあらゆるこういう関係法律を洗ってみても、そんなにたくさんないのです。全く特異な例です。それから労働省関係では、労働基準監督官、これくらいのものなんです。しかもそれもそれぞれのいわゆる官名という格好で扱われている。この職種といいますか、こういう人たちの場合の条件を見ても、どうも今度のきめ方というのは、どうも少しはっきりし過ぎているのです。資格要件においてもはっきりし過ぎておる。  ですからね、一番私はこういう点で問題になる点は、こういう重要な仕事をさせて、こういう重要な資格、任用条件を法律できめておきながら、これが単なる官名だという格好で扱うということによって、その統計官自体がそれに対する反対給付を国から受けない名誉職みたいなものだ。名誉職みたいなもので、そういう仕事をさせるということが、国家公務員法の建前からかりにはずしても、私はやはり問題があると思う。この点についてはどうお考えですか。
  69. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) ただいま、先ほどからの御意見はごもっともな点があると、私はうなずける点もあるのでございますが、私どもといたしましては、やはり今の御提案いたしまして御審議を願っている案でいいのではないか、こんなふうに思っておるわけであります。
  70. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 いいという根拠は一体何でしょうか。
  71. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) 先ほどからお話し申し上げますように、統計主事につきましても、今まで支障もございませんし、統計をとります上についても支障がございませんし、また現に統計官それ自身につきましても、法文の上でははっきりしておらないのでございまするが、今までそういうふうな任命の方法によりまして、大体運営の面でやって参りまして、統計をとります上においても支障がございませんから、まあこの程度のことでいいのじゃないか、かように私ども考えておる次第であります。
  72. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 断じてまかりならぬね。支障がなかったからなんということは、理由にならぬと思うのです。調査主事しかり、統計官しかり。しかも問題は、さっきから申し上げているように、何らの反対給付を伴わないという格好になってしまうことを今きめるのですから、それでいいかどうかということを、やっぱり相当慎重に考えなくちゃいかぬと思うのです。それでいいというその見解の御説明が、納得いくような御説明であれば私はいいと思うのです。ないからね、全然。ただ、従来やってみて支障がなかった、調査主事の方は大したことなくやってきた、だから、統計官も同様である。これじゃ私は理由にならぬと思う。今法律でこれをきめようとするのですから、従って、もし同様の条件が調査主事の方にもあるとすれば、そっちの方をかえって考えなくちゃいけないと思う。支障があった、なかったじゃないのです。  そこまで言っていいかどうかわからぬけれども、新計の問題について委員会でもかなり突っ込まれている、この委員会でも。信憑性があるかどうかということ、あるいは統計の権威なんということについて……。まあ、私はそういう点は知りませんけれども、もしそういうことがかりにあるとしたら、やはりその統計そのものに従事している職員に対するこんな扱い方自体が、やっぱり問題の一つの原因だと思うのです。そういうことの起る原因でもあるのです。そうじゃないと否定はできないと思うのです。ですから、この点、これは法律を出しちゃったんだから、これでいいと思う。しかも、それに対する質問に関して明確にその点を、質問を満足させるような答弁のできないような格好ならば、私はこの法律改正に当って、もっと慎重に、問題になっている点については掘り下げて、修正するならする、もう一回出直すなら出直す、そういうところまで考える必要は私はあると思う。あなたの立場では、それは言えぬでしょう。言えぬでしょうけれども、しかし、やっぱり国会の審議で十分納得のいくような質疑応答がなければ、今まで支障がなかったのだからいいじゃないかという程度では、私はやはりいかぬと思うのですね、これは。
  73. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) 私、ただいままでいろいろ申し上げたのでありまするが、結局、今千葉先生の御意見のようなことかなかったわけではない。昭和二十四年、統計法には現にそういうことがあった。これは私どもも認めるわけでございまするが、その後の経過から参りまして、統計主事が、地方の吏員の中から任命をいたします統計主事が、りっぱに仕事をしていていただきますし、支障がございませんし、その後統計官も同じような、法律にはきまっておりませんが、同じような運営の面において統計主事が任命されまして、支障なく一応統計というものができ上ってきておるというその事実を見まして、私どもは、この際特別に統計官というものを国家公務員法の中に規定するというふうなことはしなくても、先ほどからお話しいたしますような職階制に関する法律の第十条第五項によりましてこれを解釈いたしましても、いいのではないか、かように思っておるわけでございまするが、この点は千葉先生と私どもと意見が違うわけでございまするが、それじゃどこに根拠があるとおっしゃられますれば、ただいま私がるる申し上げましたことを根拠と考えておるわけでございます。
  74. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 意見が違うばかりじゃなしに、質問に対して納得させることのできるような答弁になっていないのですね。統計そのものに問題がなければよろしい。甘木の統計そのものが、たとえば行政管理庁で主宰している指定統計そのものに、全然問題なしに完璧なものがいつでもできているというならば、これは問題がないのです。そこに疑義があるのです。ある程度そこにも、国会における質疑も集中している。それほど極端な状態ではないにしても、やはり若干の問題があるということは、従来やってきたやり方全体が、統計に関するやり方全体が完璧なものではなかったということの証拠になるのです。それはないとは言えないのです。統計に対するある程度の問題があるとすれば、今までやってきたこと自体が、統計官、あるいは統計主事、あるいは調査員の関係の十分のやり方がとられていたかどうかということについても、そこからやっぱりある程度問題になるところが出てくると思うのですね。  そこへもってきて、法律の体系上からいっても、あなたは盛んに職階制に関する条文を引用されますけれども、その条文に統計官そのものが完全に当てはまることではないということが問題なんです。単なる名称ではないということです。非常に重要な仕事である。厳格に規制された任用条件をもって任用されてくる統計官の仕事自体が、非常に重要な仕事、そうなると、その官職が官職ではないというに解、単なる名称だという見解、併任でもいいという見解、そういう解釈をとるために、なるなど統計官に任用されれば、それはまあいい名前がつくのだから、その点については若干の勇気は出るかもしれない。仕事に対する責任感も出てくるかもしれない。しかし、責任だけ負わせて、重要な仕事をやらせる責任だけ負わせ、あるいは監督だけやらせても、それに対する待遇、それに対する反対給付、あるいはまたもっと広い意味でその職員の地位というもの、こういうものに対する考慮が全然伴わなくてもいいのだというその考えが、私は危険な考えだ。あまりに独善的だ。これは私は尊敬する榊原政務次官の答弁であるけれども、どうも今のような答弁を繰り返される以上は、これは簡単にこの質疑を打ち切るわけにはいかぬのです。
  75. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) ただいまの御意見ごもっともでございまするが、前段のお話しになりましたことにつきましては、なるほどわが国の統計そのものについても、先ほどから御質問がござ、ましたように、完璧とは言いかねる点があると存じまするが、   〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕 しかしながら、その統計が完璧でないということは、この統計官を国家公務員法に従うてやらなかった、任命しないということによる原因とは、私は考えておらないのでありまして、ただいままで運営の面でやって参りました統計官におきましても、これくらいの統計がとれたのでございますから、従いまして、今度は国家公務員法によるその任命をしたからというて、それがどういう関係になるということは、その即断はできかねるのではないかと考えておるのであります、  また、統計官の処遇につきましては、ただいまお説の通り、いろいろ研修もいたさなければなりませんし、高度の知識も要する点でございますから、この面につきましてもまた国会の御審議を願いまして、この処遇についてよくするということは、私どももお願いしなければならぬことではないかと思いまするが、法律といたしましては、ただいま提案いたしましたことでわが国の統計というものはやっていけるのではないか。非常に高度の処遇を与えてやれば多々ますます弁ずるわけでございますが、ただいまわが国の状態から申しますと、この程度のことでいいのではないかと私は考えている次第であります。
  76. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 どうも、ただいまの答弁では了承できませんし、これ、一回相互に頭を冷やして質疑応答する必要があると思うから、質問はこれで……。
  77. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 職名といたしましては、統計職及び数理統計職というのがあるのです。それで、今の処遇の点その他につきましては、統計職ないしは数理統計職の方で考えたいと思っているのですが、考えられていないでおりますけれども統計官の方は、私たちの理想といたしましては、非常に厳格な、そして今の千葉先生のおっしゃいますような、待遇も特にいいものを与えた人たちだけに指定統計をやらせるというところまで、いつかは行きたいと思うのでありますけれども、ただいままでのところは、これだけの条件を備えた者でなければ指定統計をいじれないということにいたしましても、人間が足りないのです。それで事実は、こういう条文を法律できめまして、できるだけ指定統計に従事する者はそういう人たちだけにしたいとは思っておりますけれども、法文にありますように、そうでない者も指定統計に従事できるという特例を、実は大半の指定統計において認めなければならないという状況になっておりますのです。それ心、それは大へん遺憾ではございますけれども、この資格の条件を備えた者だけに指定統計をやらせるという段階までに、まだ至っていないのであります。それでございますから、千葉先生のおっしゃる通り賛成なんでございますけれども、そこまでまだ行き得る段階に行っていない。せめてこういうのを統計法の中に入れて、できるだけそういう、千葉先生の言われたような状況に近づけたいという努力の最中にあるものだと、御了解願いたいと思うのでございます。
  78. 千葉信君(千葉信)

    千葉信君 今、局長の答弁を聞いておりますと、やはりますます問題なんですよ。今のような状態の中でも、統計官に任命するのに不都合が生じている。なり手がない、人が足らない、こういうことになりますと、そういうことの起らぬように、せっかく立法の機会なんだから、やはりわれわれとしては考えなくてはいかぬ。そういう意味で私は質問を保留して、頭を冷やしてゆっくりもう一回やりますから……。
  79. 八木幸吉君(八木幸吉)

    ○八木幸吉君 昨日いただきました部局別統計関係職員数を拝見しますと、統計事務関係していらっしゃる方が一万八千五百十七人、経費が六十八億四千五百四十五万円、こういうことになっております。きょういただきました三十二年度の実施の主要統計調査は九十五項目になっておりますが、そこで私の伺いたい点をまとめて申し上げますが、第一点は、こういうふうに各省にまたがっておる統計事務を、一番エキスパートでいらっしゃる行管統計基準局なり、あるいは総理府統計局なりに、なるべく集中能率化し、かつ機械化するという点について、行管でもう少し積極的に御研究をいただきたいということが第一。  それから第二には、ちょっとこれを拝見いたしますと、類似的な統計各省にまたがって相当ある。たとえば、実例で申しますと、給与関係は大蔵省で給与実態調査、民間給与実態調査、それから農林省には、多少性質は違いますが、農村物価賃金調査、それから労働省には職種別等賃金実態調査、屋外労働者職種別賃金調査給与構成調査給与制度特別調査、あるいは人事院には標準職種職級別民間給与調査、職種別民間給与要因調査、多少これも意味は違いますが、国家公務員給与実態調査というふうに、各省にまたがっております。労働統計につきましても同じようなことが言えるわけでありまして、労働省の毎月勤労統計調査、労働異動調査、労働生産性統計調査、あるいは運輸省には船員労働統計調査、さらに総理府では労働力調査、医療関係にいたしましても、大蔵省の医療状況実態調査があるし、厚生省に医療関係者調査、社会医療統計調査というふうなものがございます。状態調査各省にわたっておる。災害調査にいたしましても、これは農村の被害調査もあるし、建設省に災害統計があるというふうに、いろいろまたがっております。そこで、むろんいろいろな仕事をやっておる各省では、そのこと自体にはむろん関係もあるし、絶えず統計を使用するという点においても便利がありますけれども統計はやはり正確を期する上には、高度の技術が必要であり、ことに資格も付与しようという法案も出ているのでありますから、これはやはり多少の不便があっても、なるたけ中央にまとめ、そうして正確なものをこしらえる。そのこしらえたものを各省が利用するというふうにすれば、正確も期せられるし、経費も安くつく、事務の簡素化にもなるという点を私は考えるわけでありますが、これらの点について簡単に、要点だけを一つ御答弁いただきたいと思います。
  80. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) 前段の問題につきましては、先ほど矢嶋委員から同様の御質問がございまして局長が答えたのでございまするが、結局中央集中化した方がいいか、分散した方がいいかというのには、利害得失が交互していろいろあるという諸点をあげております。しかしながら、私どもといたしましては、ただいまお説のように、できるだけこれを機械化すると申しまするか、機械化いたしまして、中央に集めるということに努力を、集めた方がいい部分につきましては努力をするということで、現に四・四半期の行政監察といたしまして、各省庁にございます統計機械を監察いたしまして、そうしてその能率と運営につきまして結論を出しまして、これを勧告し、方針をきめたい、こういう方針でただいまやっておるわけであります。  なお、各統計重複につきましては、一々について御例示がございましたので、ただいま局長からお答え申し上げます。
  81. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) ただいまの給与重複でございますが、これは名前が給与になっておりますけれども、たとえば大蔵省でやっておりますのは、源泉所得税から二次的に推計するという給与でございます。それから労働省のとっております賃金調査はごく一般的なものでございますが、そのうちの船員関係は運輸省でするというふうになっております。それから総理府でやっております労働力調査というのは、これはちょっと名前が変なんで、同じことをアメリカでは人口動態調査というふうな名前をつけておりますくらいに、これはむしろ労働関係というよりも、人口関係調査だというふうに言ってもいいくらいなものなんでございます。  それで、先ほどもお答えいたしましたのですが、重複につきましては、私たちできるだけ神経質にして、統計報告調整法に基いて承認を与える場合に監査しておりまして、名前では割合重複するようなものもございますし、また事実若干重複しているものもございますが、これはできるだけ重複を除き、また事実それほど大きい重複はこれの中にはないと信じております。ただ、このほかに、統計調査でない行政報告として、各省行政運営上いろいろな報告をやります。これはどうも重複するものが多いようでございます。重複の問題が起るのは主としてそこから起るのでございますけれども、これは私の方は何とも権限がないので、私たちの方はこの中でもって特に指定統計に注意をして、重複を除くということにできるだけの努力はしているわけでございます。
  82. 八木幸吉君(八木幸吉)

    ○八木幸吉君 その行政調査重複をできるだけ省く、そうして民間の迷惑を除くという点に、積極的に行管でおやりになっているかということが一つ。  もう一つは、統計機械等は、今の機械の台数と実態はどうなっているか。簡単でけっこうですから、具体的に。
  83. 政府委員(美濃部亮吉君)(美濃部亮吉)

    政府委員美濃部亮吉君) 前の行政報告については、私の方は何とも権限はないわけでございますが、しかし、その点につきましては、主として工業関係が一番重複が起って参りますので、工業関係統計調査につきましては、経団連の中に統計委員会というのを作っておりまして、大体私どもの方に承認を求めて参ります統計は一応そこに出しまして、そうして皆さんで協議していただいてこれで差しつかえないか、ほかの方で重複して非常に迷惑ではないか、こういう御相談をして、その意見に従って直すべきものは直しております。それでございますから、ずいぶんその点については経団連でも感謝されているような次第でございます。  それから統計機械の台数は、今ちょっと資料を持ち合わしておりませんけれども、調べてございますから、この次の機会に申し上げたいと思います。
  84. 伊藤顕道君(伊藤顕道)

    ○伊藤顕道君 統計法内容について二、三お伺いいたしますが、十六条に「指定統計調査の結果は、速やかにこれを公表しなければならない」。そこまではよくわかるのですが、「但し、行政管理庁長官の承認を得た場合には、これを公表しないことができる。」、ここに問題があろうと思うのですね。いかなる場合に公表しないことができるのか。言いかえると、長官はいかなる場合に公表しないでよろしいという承認を与えるのか。これはもう長官の独断でやるのか、あるいは内規、基準のようなものがあるのか、ないのか、その点について。
  85. 政府委員(美濃部亮君)(美濃部亮吉)

    政府委員(美濃部亮君) これは、戦後日本統計を復興させようというときに、まあ民主主義の基盤は統計であり、その統計は公表することが大切であるという基本方針を定めたわけでございます。それでございますから、この行政管理庁長官が公表しないでいいというのは、まあ今のところは何もございませんけれども、国家の機密に関するというふうなことで、そういうケースが出てくるかもしれないということを予想したものでございまして、ただいまのところは、指定統計で公表しないでいいといったものが一つもございません。よほどのことがない限りはすべて公表するというプリンシプルで、ただいまのところはずっと来ております。
  86. 伊藤顕道君(伊藤顕道)

    ○伊藤顕道君 なおありますけれども、次回に保留しておきます。
  87. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) それでは、午前中はこの程度にとどめ、午後は一時半から再開することにいたしまして、これにて暫時休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      —————・—————    午後二時七分開会
  88. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、統計法等の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  89. 永岡光治君(永岡光治)

    ○永岡光治君 これはこれと関連して参ると思うのですが、定員法では一つの増員のための改正案が出ておりますが、非常勤職員統計局に非常に多いと私は聞いているわけですが、そういう実態があれば、どういうことになっておるのか。一番長い人はどのくらいになっておるのか。それで、全職員のうち定員化されている人は何人あるのか、お伺いしたい。
  90. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) ただいまその資料を持ち合せませんので、この次までその資料をお届けいたします。
  91. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 私から一、二点お伺いしておきたいと思うのですが、ただいま議題となっております統計法等の一部を改正する法律案のうちで、二点あるが、そのいずれも、やはりこう何だか跡始末のために改正をするという性格のように思われるのです。ことに第二点の各省の設置法の一部の改正がなったために、部を局ということに改正をするということになる。これは立法府としての手落ちであったのかと思うのでありますが、やはり当時その点もあわせて改正さるべきであったろうと思うのですね。前国会ということですが、調べてみますと前々国会、二十六国会のようであります。確かに前の国会という意味では前でありましょうが、厳密にいえば前々の二十六国会のようですが、その際に気がついたけれども煩瑣だから、来たる国会でということでああいうふうになったのか、どうもその間の事情が少しわかりませんが、どうも改正する態度としては、行政府も立法府も感心したものではなかったように思うのです。私ども審議いたします際には、やはりそういう手落ちのないようにすることが大切だろうと思うのですが、その間の事情について御存じならば、一言お伺いをしておきたい。  それからもう一点は、だいぶ先ほど来言われた電子計算機、その他長足の進歩を来たしている統計事務機その他あるわけで、この際そういう跡始末的なものでなくて統計という全体についてやはり検討されて、所要の改正を要する時期に来ているのだろうか、来ていないのだろうか、あるいけ今国会は無理としても、将来もう少しこの時代に沿ったような改正が必要だということなのだろうか、当分これでもう統計法に関する限り改正はないと言い切れるのだろうか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
  92. 政府委員(榊原亨君)(榊原亨)

    政府委員榊原亨君) 前段の御質問に対しましては、全く申しわけない次第でありまして、率直に申しますというと、気がつかなかったということでございまして、これは立法いたしますときに十分注意すべきことであったと存じまして、遺憾の意を表する次第であります。  後段のことにつきましては、今朝来申し上げておりますように、ただ単に統計行政というだけでございませずに、行政管理庁といたしましては、国全体の行政がますます複雑化して参りますので、この際その行政職員を増すということについても非常な問題がございます際でもございますので、できるだけこれを機械化していきたい。そのためには、各省庁におきますところの統計機械にいたしましても、事務機械にいたしましても、それを機械化するということを総合的に調整し研究いたしていきたい、かような考えのもとに、ただいま四・四半期におきましても、統計機械におきましてはすでに監察を始めておりますし、また次の四半期におきましてはますますこの点について監察いたしていきたいと考えている次第でございますので、そういう総合的な観点のもとに、この統計事務につきましても、これはここまで中央化すべきである、これは分散しておくべきである、あるいはここにこういう機械があるから、これだけはここでこういう措置をする、こういうふうなことで総合的に勘案していきたいと思うのでありまして、そういうことになりますというと、勢い統計法につきましても、また法改正を願わなければならぬ時期が来るかと存じている次第であります。
  93. 委員長(藤田進君)(藤田進)

    委員長藤田進君) 他に御発言もなければ、本案の審議は、本日はこの程度にとどめます。  別に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後二時十四分散会