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1958-04-15 第28回国会 参議院 逓信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十五日(火曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   委員の異動 四月九日委員前田佳都男辞任につ き、その補欠として関根久藏君を議長 において指名した。 四月十日委員手島栄君、永岡光治君及 び森中守義辞任につき、その補欠と して林田正治君、横川正市君及び松本 治一郎君を議長において指名した。 四月十一日委員関根久藏君及び松本治 一郎辞任につき、その補欠として田 中茂穂君及び森中守義君を議長におい て指名した。 四月十二日委員森中守義辞任につ き、その補欠として松本治一郎君を議 長において指名した。 四月十四日委員田中茂穂君及び迫水久 常君辞任につき、その補欠として前田都男君及び手島栄君を議長において 指名した。 本日委員久保等辞任につき、その補 欠として三木治朗君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     宮田 重文君    理事            手島  栄君            松平 勇雄君            山田 節男君            長谷部ひろ君    委員            黒川 武雄君            前田佳都男君            横川 信夫君            久保  等君            鈴木  強君            光村 甚助君            横川 正市君            奥 むめお君            野田 俊作君   国務大臣    郵 政 大 臣 田中 角榮君   政府委員    郵政政務次官  最上 英子君    郵政大臣官房文    書課長     上原 一郎君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    法務省刑事局公    安課長     川井 英良君    郵政省電波監理    局次長     荘   宏君    郵政省電波監理    局次長     西崎 太郎君    郵政省電波監理    局法規課長   石川 義憲君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選電波法の一部を改正する法律案(内  閣提出)   —————————————
  2. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ただいまより委員会を開会いたします。  去る十日、理事手島栄君が委員辞任され、本日選任されました。従って、理事が欠員となっておりますので、この際互選を行います。互選は、先例により、委員長において指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 御異議ないと認めます。それでは理事手島栄君を指名いたします。   —————————————
  4. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 本日は、まず電波法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。
  5. 久保等

    久保等君 大臣に一、二お伺いしたいと思うのですが、私、特にこの電波法の今度の改正に当って、やはり法制度そのもの改正もさることながら、実態電波監理局要員問題について、この前の委員会でもいろいろ質疑がなされたんですが、特に具体的な、大臣として当面やらなきゃならぬという問題についてお説明を実は伺いたいと思うんですが、それは、私前々から要求しておりました資料もやっとただいま実は手元にいただいたのですが、この無線局増加傾向をながめてみましても、固定局初め各無線局局数昭和二十五年の五千六百十局だった当時に比べますると、三十二年度末では三万一千五百九十三局、約六倍近いふえ方をいたしております。それからまた無線従事者国家試験受験申請者数も、これまた二十五年度以降見てみますると、二十五年度において一万四千七十一人だったものが、三十二年度末では五万六千九百二十一、約四倍余りふえております。また無線従事者免許付与数を見てみましても、二十五年の一万七千六百十八人から、三十二年度末では十三万六千六百五十九人ですか、これまた七・七倍余り、約八倍ぐらいのふえ方をいたしておるのですが、今申し上げましたように、全く算術級数的にどんどんふえて参っておるのですけれども、要員の面に対しては、むしろ逐年これが削減をせられておるという結果になっておるのですが、このことを考えてみますると、要するに法改正もさることながら、実態定員等の問題については、焦眉の急として手をつけなければ、私は法改正がかりにある程度改善せられたといたしましても、問題の解決にはならぬのではないかというふうに考えるのですが、三十三年度の要員は、すでに昭和三十三年度の予算審議の際にも議論せられた問題ですけれども、私は繰り返してお尋ねすることになりまするが、ただいま申し上げましたような二、三の具体的な例をとって考えてみましても、まことに驚異的な増加傾向をたどっております。これに対する対策は、単に努力をしたのだが、大蔵当局の了解を得るに至らなかったという程度では済まされない問題じゃないかと思うのですが、この問題に対しての一つ大臣の、どういう具体的なお考えを持っておるのか、これを一つできるだけ明確に御答弁を願いたいと思います。
  6. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 無線局の数がふえておることは御指摘通りであります。五カ年間には大体二万局以上ふえると思います。ですから、世界の先進国は大体十万局程度でありますから、近い将来には十万局といかなくても七、八万局程度、少くとも一年間に三千局ないし五千局が増加せられるであろうということは考えられるわけでございます。これは一つ率直に申し上げますと、電波機構の強化ということは焦眉の急でありまして、私たちといたしましては、この問題に対しては、今真剣に取り組んでおります。三十三年度に実現できなかったことは、はなはだ遺憾でありますが、電波法改正一つ合理化の、手段であります。もう一つ郵政省設置法改正案を今御審議を願っておりますが、この中で電波局内部部局整備を行おうということを考えておるわけでございます。でありますが、これはほんとうにつけ焼刃的なものであって、電波行政はかくのごときものであってはならないということを考えております。これはまああまり言い過ぎかもわかりませんが、こういう科学技術というものに対しては、過去の日本形態が御承知通り法科万能であって、どうも科学技術に対する認識が不徹底であったということは、私みずからそう考えております。言い過ぎだったら一つ容赦願たいのでありますが、私は確かに新しい戦後の日本科学技術に対してもっと重点的な施策を行わなければならない、こういうふうに考えております。御承知通り科学技術庁の実現になり、まあ科学に対しては相当意を用いられ、教育制度その他に対してもいろいろ科学的分野が重点的に認められるようになりましたが、電波に関しては、もっと深刻にものを考えて相当な計画的なものを作ってやらなければならないという考えでございます。与党の中には、そういう考えから、抜本的な行政機構整備ということを考えなければいかぬというので、一案として電波省設置をやろうという案がありましたことは御承知通りであります。少くとも電波省になる前提として電波庁設置をやらなければならないという議論も、十分に論議せられたのでございますが、いわゆる外局制度というものがある意味においてはりっぱな形態を整えるようではあるが、行政的に責任の不明確というような問題が起きるということもあるので、今度の場合、少くとも三十三年度だけは、内局制度としてできるだけの整備を行おうという方針のもとに予算を組んで参ったわけでございます。定員に対しては、御承知通り一人もふえておりません。一人もふえておらぬというよりも、科学技術庁に対して振りかえた者が二人ございますので、減員二名という数字でありますので、おしかりを受けるような状態でございますが、いずれにしても、今省内にも電波関係行政合理化調査会を作って鋭意検討を進めておりますので、近い将来に必ずこれが結論を得て、電波というものはもうおろそかにできるものではありませんし、私は、この電波の利用が三年後、五年後には、日本産業体の中の中枢的部門を占めるものである、こういう考えを持つものでありますので、新しい角度から電波問題を十分慎重に検討していくと同時に、機構整備もはからなければいかぬという考えであります。でありますから、三十四年度からは、計画的なものとして機構整備人員の拡充、機械化の促進、機器の整備等合理的な施策を行う予定でございます。
  7. 久保等

    久保等君 電波関係業務が非常に急激に増大いたしておるのですが、私、この際特に地方電波監理局の所掌問題でちょっとお尋ねしたいと思うのですが、今の地方電波監理局は、一般的な無線——無線というか、電波関係の問題をやっておりますが、同時に、電気通信事業に対する監督といいますか、電電公社関係の問題についてもこれを扱っておるのですが、このことは設置法の中にもはっきり規定せられておるわけでありますし、特に設置法の十二条の二項の中にそのことが規定されております。ところで、この内容について一体具体的にどの程度電信電話公社の所掌しておりまする事業に対して地方電波監理局は、監督といいますか、本省で持っております監督を分掌してこれを行うのか、今日では電気通信監理官というものが本省にあるわけなんですが、これの下部機構として地方電波監理局というものが、その所掌分野についてこれを分担するということになっておるのですが、監督事項については、具体的にどういったことについて今日扱っておるのか、地方電波監理局の問題についてお答えを願いたい。
  8. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) こまかい行政内容は私にはわかりませんが、私、就任以後、電電公社に対しては、自主的な育成をはかる方針を強調いたしておりますので、要らない監督権等を発動してはならないということを言っておりますから、また、人員も不足であるし、電電公社は十分やれますので、行政的な連絡というもの以外は、地方電波監理局として、電電公社の妨げになるというような行政権は発動いたしておらないのが実情だと思います。
  9. 久保等

    久保等君 まあ私のお尋ねいたしておりますのは、郵政省設置法の十二条の第二項に「地方電波監理局は第十条の二並びに第六条第一項第十二号の二及び第十二号の四に掲げる事務の一部を分掌し、」というふうになっているわけなんです。特に私のお尋ねしているのは、このうちの「第六条第一項第十二号の二、」これは何かといえば、日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社監督すること、というふうになっている事務の一部を分掌するということに相なっていると思うのです。これは、具体的には日常どういう形でやっておられるのか、この点を一つ説明願いたいと思うのですが、特に大臣からでなくてけっこうです。
  10. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) おおむね検査くらいの業務だそうであります。
  11. 久保等

    久保等君 大臣の御答弁である程度了解できると思うのですが、おおむねという程度ではちょっと解しかねるのですが、もう少し具体的に申しますると、電波法ですね、電波法並びに有線電気通信法に定められた設備の検査だとか、あるいは届出だとか、それに対する承認あるは従事員技術者無線従事者の資格の認定だとか、そういうことに限定せられているのですか、何かもう少し範囲の広いものなんですか、御説明願いたいと思うのです。
  12. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 電波監理局長から答弁いたします。地方電波監理局監督部監理部というのがありまして、そこで公社関係検査その他いろいろなことをやっておるのでありますが、おもに電波法によってきめられたような範囲のものでございまして、その量もあまり多くはございません。詳細なことにつきましては、西崎次長からお答えいたします。
  13. 西崎太郎

    説明員西崎太郎君) ただいまの局長答弁を補足させていただきますが、地方電波監理局は御承知のように三つの部がございます。免許部監督部監理部、そのほかに官房的な庶務会計があるのでありまして、そのうちの監理部というところでこの有線関係監督関係仕事をやっておりまして、ここでは公社自体監督はやっておりままん。ただいま御指摘のように有線電気通信法、それから有線放送電話、こういった法律に基く許可、監督、それから検査、こういったことをやっております。
  14. 久保等

    久保等君 ただいまの御説明程度範囲を出ないと思うのですが、ただ法律的に見ますと、この設置法の十二条そのものが、特に電信電話公社監督するという、そういったことをつけ加えて何か地方電波監理局業務を行う、分掌するという規定になっているので、監督ということになると、非常に広範なきわめてあいまいな言葉の表現だと思うのですが、ただ、それはあくまで十二条の二だけということでなくて、その有線電気通信を規律し及び監督するという項目があるのですが、そういったことに対する監督業務だけだということならばわかるのですか、しかし、私はこの法律そのものの書き方が、その点あいまいな気がするのです。何か監督するということになれば、ひとり施設のみならず、何か行政事務的な全般について、これは監督するのだというふうにもとれるのです。しかし、その点が私は法の解釈というものを、あくまでそれに限定しての監督だということであるならば、これはそれで一応理解もできるのですが、ただ法文だけ見ると、非常に私はちょっと何か疎漏というか、非常に概括的な規定の仕方をしていると思うのです。そこでちょっと誤解を招くような点もないでもないのであります。ですから、その点については、大臣の方から特に御答弁願いたいと思うのでありますが、郵政省職務規程かあるのですが、これの中に規定せられておりまする地方電波監理局分掌規定があります。ここらを見ると、非常に具体的に書かれて、この範囲を出ないということになるならば、ただいまの御説明と合致するわけですし理解ができるのですが、ただ郵政省設置法法律の条文を見ると、これは地方電波監理局そのものか非常に広範な権限を持っているかのような、またかりに、そういうことをやろうと思っても実際問題としてできない問題なんです。できないか、法文表現の仕方は、何かその点非常に広範な権限が持たされておるかのような印象を与えるのです。この点については、誤解のないために、郵政大臣からただいまの当局の方の御答弁に対して明確に御確認を願いたいと思います。
  15. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 郵政省設置法の第十二条を見ますと、地方電波監理局が分掌するということになっておりますが、これは救済規定でありまして、明確に職分を規定して、こういうことをやらしめるという規定ではないのであります、これは前条を受けて立っておりますから。御承知通り電電公社に対する郵政大臣権限は、郵政大臣及び電気通信監理官が行うということになりますと、これは全然手足がありませんので、地方は一体どうするかという問題が出て参ります。出て参りますから、いわゆる十二条によって、その仕事地方電波監理局で分掌することができる、分掌するのだということを明確にただ規定しただけでありまして、電波監理局電信電話公社に対して、あらゆる問題に対して監督をし、監理をするというようなことではありません。特に十二条に対しても「第六条第一項第十二号の二及び第十二号の四に掲げる事務」云々というふうにしぼってありますし、これは問題として、地方電波監理局電電公社自主性を侵したり、要らない屋上屋を重ねるようなことをしてはならないという厳重な方針を貫いておりますから、お互いに話し合いをして、必要最小限のものに対して仕事をしておるというだけであって、今の状態電電公社を必要以上に監督監理をしようというような気持もありませんし、事実やっておりません。また、この法律も十二条を読みますと、電気通信監理官が必要と認める場合は、電波監理局に依頼をするのだ、それを逆に、こういう問題はこれは電波監理局で分掌する、こういう表現をしただけでありますから、ただいま事務当局から申したように、これ以上複雑多岐にするような気持もありませんし、また実際そういうおそれは全然ありません。
  16. 久保等

    久保等君 ただいまの問題にも若干関連があるかと思うのですが、今度の改正の第百四条の所ですが、第百四条によって、国有鉄道あるいは電電公社、こういったようなものについても、手数料等が徴収せられるというようなことになっておると思うのですが、国の場合にだけ適用を除外し、これらの公社関係については、やはり手数料を取ることにするのだという規定になるようでありますが、この問題については、従来どういう扱い方をされておったのか。それから今回こういう点が特に改正せられた趣旨を御説明願いたいと思います。
  17. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 百四条の規定は、従来も踏襲いたしておりましたし、改正後も同じことであります。
  18. 久保等

    久保等君 従来と全く同じですか。
  19. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 全く同じであります。
  20. 久保等

    久保等君 特に手数料、その他の何といいますか、電波監理局でもっての収入はどういう形で計上せられておるのですか。まあ手数料、その他が年々入って参りますね、これはどういう形で処理されておるのですか。
  21. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 一般会計一般財源として国庫に収納しておるわけでございます。
  22. 久保等

    久保等君 それはわかりますが、どういう種目になるわけですか。
  23. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 全く免許申請と同じように処理しているわけでございます。
  24. 久保等

    久保等君 款項目項目です。
  25. 荘宏

    説明員荘宏君) 収入印紙をもって収納することになっております。
  26. 久保等

    久保等君 全部収入印紙ですか。収入印紙一色ですか。
  27. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 収入印紙一色だと思います。
  28. 久保等

    久保等君 これの収入は大体総額どのくらいになりますか、年間。
  29. 荘宏

    説明員荘宏君) 約一億になります。
  30. 久保等

    久保等君 これは一切がっさいでその程度ですか。
  31. 荘宏

    説明員荘宏君) さようでございます。
  32. 久保等

    久保等君 それは昭和三十二年度あたりの最近の状況じゃないかと思うのですが、非常にその収入ふえ方も大きくなってきているのじゃないかと思うのですが、どういったような、ここ二、三年大体一億円前後になるが、きわめてばく然とした金額の表現の仕方ですが、はっきりしたもう少し詳しい御説明が願えませんか。
  33. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 詳細を調べましてなるべく早く資料を出したいと思います。
  34. 久保等

    久保等君 その問題については、種目別にあまりこまかくなくてけっこうですから。それからここ三カ年ぐらいの状況一つお知らせ願いたいと思います。
  35. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 承知いたしました。
  36. 久保等

    久保等君 そうすると、ここに資料をちょうだいしたのですが、実はこの電波法改正に伴って、いろいろ省令あるいは政令等に譲られる分が相当あるわけなのですが、その点はただいま資料をちょうだいいたしたのですが、手元にいただいた資料程度でほとんど全部出されたのかどうか、この資料関係についてちょっと御説明願いたいと思うのですが。
  37. 石川義憲

    説明員石川義憲君) 全部でございます。ただし、この手続は聴聞などにかけまして定めなければならぬ問題もありますから、大体そういうことを考えておるという、予定でございますので、御了承願いたいと思います。
  38. 久保等

    久保等君 ちょっと種類別に御説明願いたいと思うのですが、簡略に大体一括してよこしたのだが、見るひまもない。法規の順序を迫って若干御説明を願いたいと思うのですが。
  39. 石川義憲

    説明員石川義憲君) では簡単に説明申し上げます。今のお話は省令で定めるものは何だという説明を求められたのでございますね。
  40. 久保等

    久保等君 政令省令と両方です。
  41. 石川義憲

    説明員石川義憲君) まず政令から御説明申し上げます。政令につきましては、今回第四十条関係の、従事範囲内容政令で定められるというふうに案でいたしておりますが、政令の案は、準備はしてありますけれども、まだお渡ししておりません。
  42. 久保等

    久保等君 ここにいただいたのは省令だけですか。
  43. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記をとめて。    〔速記中止
  44. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記をつけて。
  45. 石川義憲

    説明員石川義憲君) それでは資料は、ただいまお配りいたしました省令について、基本的な考え方説明申し上げます。今回のこの中には省令に委任しておる個所が大体四カ所ございます。その第一は、新しい法案の第十五条でございます。第十五条におきましては、従来の現行法によりますと、再免許手続のときだけ、簡易な手続免許手続をすることができるという規定になっておりますが、今回はそれを広げまして、省令で定める範囲の局につきましては、省令で定めるところの簡易な手続建設手続をすることがでまるという意味規定にいたしております。それでその趣旨は、最近非常にたくさんの局が出て参りまして、数的にもまたその局の種類を見ましても、従来の成規検査手続を必要としないものがたくさん出て参りますので、そういうものの申請手続を簡略化するということでございます。その内容は、大体非常にこまかいもの、それを検査手続を簡略化して支障のないものというものをなるべく簡単にしたい。それから型式検定などを通ったものについては、手続を簡略化したいというふうな考え方でその省令を作る予定でありますが、その内容といたしましては、第十五条関係では、レーダーであるとか、あるいは型式検定に合格したラジオブイであるとか、あるいは簡易無線局ラジオゾンデレーウイン、こういうふうなものの検査手続を簡略化することによりまして、一般免許人の利便をはかりたい、こういう考えでございます。  それから第十六条関係では、運用開始ということが規定いたしてございますが、現在は運用開始のものにつきましては、一切届出を要することになっておりますが、その法の趣旨から考えまして、ラジオブイであるとか、あるいは簡易無線局であるとか、ラジオゾンデレーウイン実用化試験局、そういうようなものは届出を必要としないということに考えております。従いまして、こういうようなものを省令届出を免除したいという予定でございます。  それから第二十五条になりますと、現行の第二十五条は、無線局はこれを公示するということになっております。その方法は、ごらんの通り、官報で無線局免許いたしました場合に、非常にたくさん公示いたしております。その公示は、この無線通信という実質から考えて、公示することによって通信上便益が生じますのでそういう規定があるのでありますが、その後発生した局につきまして、たとえばラジオブイであるとか、簡易無線局とか、実用化試験局であるとか、ラジオゾンデというふうな局につきましては、特に公示する実益がない、それでこの際、公示をしないようにしたいという趣旨でございます。  それからもう一つ省令事項は、現行の第六十条関係でありまして、その局に備えつけなければならない品物——時計などの備えつけということが要求されておるのでございますが、時計というものは、たとえば船舶の無線局であるとか、その他重要な無線局においては、われわれの想像以上に重要な働きをするものでありますけれども、無線局種類によりましては、たとえばラジオブイであるとか、ラジオゾンデであるとか、そういうふうなものに時計を要求しても、これは全然無意味であります。こういうものを省令備えつけを省略したい、大体こういうふうな考え免許人の負担を軽減し、事務を簡素化したいという考えで、具体的にはいろいろ検討したいというふうに考えております。
  46. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記とめて。    〔速記中止
  47. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記つけて。
  48. 石川義憲

    説明員石川義憲君) それでは政令関係につきまして考え方を御説明申し上げます。今回の提案の中で現行法四十条の改正の点につきまして、従事者種類というものは法律規定いたしますが、その従事範囲というものは、無線の技術的な進歩が非常に著しいので、これを政令規定をした方が実際に沿うような改正ができるのではないか、こういう趣旨から、従事範囲につきましては政令に委任をさしていただきたいという提案をいたしております。その内容を定めましたのが、ただいまお手元にお配りいたしております無線従事者の行うことができる無線設備の操作の範囲を定める政令案というものでございます。これはかなり長いのでありますが、これのまあ詳細は御検討を願うことといたしまして、アウト・ラインを説明申し上げます。  この無線従事者説明をいたします前に、大きくグループを分けまして、アマチュア無線従事者の制度と、それ以外の無線従事者の制度に分けます。まず、現在までこの制度を実施いたしましていろいろやってみた結果、現在の従事者の制度は、もう少し従事範囲を広げる方が適当ではないかということが一つの基本のベースでありまして、そのほか従事者の試験と、それから縦横の関係を見まして若干調整を加えたというのがこの改正案でございます。最も著しい例で申し上げますと、まず第二級の無線通信士の操作範囲を広げるということが、実は今回の無線通信士の操作範囲の点で最も大きい点でございます。で、現行規定によりますと、第二級無線通信士は、近海第一区を除きましては、国際通信は操作範囲に入っておりません。ところが、最近のわが国の船舶、ことに漁業用の船舶が非常に遠くまで出かけていきまして、たとえばインド洋であるとか、あるいは地中海、大西洋というふうに出かけていっておるような実情にかんがみまして、どうしても二級の無線通信士は国際通信ができるというふうに改正すべきであるという、非常に強い要望もありましたし、それが実情に沿うとも思いますし、かつ、その能力があると認められますので、今回は、第二級の無線通信士は、これを国際通信ができるというふうにしたいというふうな——ただし、国際通信はできますが、公衆通信は若干複雑でございますので、この公衆通信は除くと、公衆通信を除く国際通信は第二級の者は全部できるということになります。で、現行との違いにつきましては、現行は、近海第一区につきましては、これは国際通信ができるとなっておりますが、これは皆さん御承知通りの経過で、現在そういうふうに規定されております。すなわち、近海第一区というのは、従来日本の勢力範囲の所でありましたし、日本語が十分普及しておりましたし、かつ日本無線局も外国にあったというふうな実情でありましたので、第二級の無線通信士で国際公衆通信を扱うことも実際上可能であったのでありますが、その後事情が変更いたしまして、だんだんそういう特性が失われてきた、それでこの際すっきり分けまして、国際公衆通信は一切できない、そのかわり国際通信は全世界どこでもできるというふうにしたいと思うのであります。ただし、この場合に、現在の近海第一区に従事しております者の措置については、これは十分考えて、決して不利でないようにしたいというふうな経過措置をつける予定でございます。  それから第三級につきましても、現在の規定ではあまりはっきりしていないというふうな点もございましたので、これを漁業用の無線通信ができるということを中心としてはっきりさしております。  それからアマチュアにつきましては、現在は第一級と第二級というものだけでございますが、今回新たに電信級、電話級というものを設けまして、初歩のアマチュアが入りやすいようにしたいということで、アマチュア連盟などの強い要望をいれまして、こういうふうにいたしております。大体そういうことがおもな改正点でございます。  次に、手数料につきまして説明を申し上げます。現行手数料、この内容法律で申しておりますように、法律では手数料の最高額をきめることになっております。具体的には、その内容政令に譲っておるのでございます。改正案におきましても、その形は現行のままでありまして、今回提案いたしました法案の内容は、手数料の最高額が上っておるのでございます。従って、具体的にどうかということでございますが、これはまだ案として、われわれ具体的にはまだお見せする段階に至っておりませんが、その考え方を申し上げたいと思います。現行法律から簡単にちょっと申し上げますと、現行法律改正の違う点は、主として二点でございます。その第一点は現在の無線局検査検査手数料というものが、その局の無線機の、送信機の台数のいかんにかかわらず、すべての一局として取るという単位になっておりまして、非常に不合理でございます。それを今度は検査手数料という性質から考えまして、台数制を採用したいということでございます。それからもう一点は、現在の検査手数料を定めます区分が、電力によって区分されております。その区分というものは、今から八年前、まだ無線局あるいは無線技術が今日に比べてあまり進歩していなかった時代に作ったものでありまして、そのランクのつけ方が非常に不合理である、かつ大ざっぱである、従って、小さな局でも大きいワクの中に入れられてかなり高い手数料を払わなければならぬというふうなことになっておりますので、そういう点をいろいろ考えて、とにかく、その局の検査実態に即するようにこの電力の区分を改め、かつ型式検定を受けたり、あるいは検査を省略したというふうなものについては、特別に手数がかからぬのでありますから、その点は手数料を低くするというふうに、具体的に個々のものを合理的にしたいというふうな考え方でこの政令案要綱というものを作ってございます。簡単に申し上げさしていただきました。
  49. 久保等

    久保等君 先ほどちょっとお尋ねしたことなんですが、国ないしは政府関係機関、まあこれらに対する検査その他も、これは非常に年々私ふえて参っておると思うのですが、民間と官庁関係ですね、こういったものはどういった程度の比率になりますか。
  50. 石川義憲

    説明員石川義憲君) ただいまの御質問の点でありますが、実は数量的に今ちょっと申し上げられませんが、補足的にその関係を述べさしていただきたいと思います。現行電波法によりますと、手数料は、国からもいただいておるということになっております。それで、この改正案におきましては、国からはいただかないというふうに改正いたしております。そこで一つ、この点特に問題として申し上げておきたいのは、現在国からいただいておるのをいただかなくなりますが、国鉄は現在国鉄法の関係で国とみなされておる、が、それは実際企業体として、公社と何ら変るものでない、従いまして、公社と同じ待遇といたしまして、国鉄と公社は手数料をいただくということにいたしております。
  51. 久保等

    久保等君 さっきの大臣の御答弁とはちょっと違うと思うのですがね。要するに、全然真新しく改正したんじゃないんだというお話だったんですが、今の御説明だと、まあ国について従来は実は取っておったんだ、しかし、今度の改正でこれはその適用から除外することに改正をしようとするんだという今御説明なんです。ちょっとその点……。
  52. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 何違もにっておりません。あなたの御質問が、公社に対しては現行法と新法はどうかと言うから、公社に対しては全然変っておりません、こういう意味でお答えしたのであります。
  53. 久保等

    久保等君 私の質問は公社を含めての、特に今度の百四条の問題を実はお尋ねしておったんです。百四条というのは、国と公社と両方の問題を含んでおると思うのですがね。だから、百四条については、従来との——実態そのものは従来と変らないんだという御説明だったんですが、そうじゃなくて、今の御説明で、国の場合については、従来手数料を取っておったけれども、取らなくするんだということになっておると思うのです。だから、その点食い違いがあるのではっきりさしておきたいと思うのです。まあ大臣、その点今の御説明で私は了解しますが、ただいま御説明をいただいております点は、国並びに公社関係、これらの手数料と、一般民間の手数料関係の大体比率、割合がどういった程度になっておるかということだったんですが、これはお調べ願わないと御答弁願えませんか。
  54. 石川義憲

    説明員石川義憲君) 残念ながら数はわかりませんので、いずれ調べて……。
  55. 鈴木強

    ○鈴木強君 最初に私は、大へんお忙がしい中を法務省の一方からお見えになっておりますので、その点からお尋ねいたしたいと思うのでございますが、今回電波法改正になりまして、今いろいろ御質疑の中にありましたように、現状に即した改正をやる、こういうことになっておりますが、特に法務当局に対してお尋ねしたいのは、電波法にはいろいろと法上の罰則が規定されておりまして、それぞれの刑事罰が課せられるようになっておりますが、そこで、具体的に問題をお尋ねしたいのでありますが、電波法第四条ないし第五条、国際電波は外国人が発射してはいけない、また外国人には一切その免許を与えない、こういう規定がございます。それに違反した場合には、罰則が加えられることになっておりますが、たとえば、予算委員会で法務大臣が質問に答えておっしゃっておるのには、具体的に第四次の日中貿易が今問題になっておりますが、これに政府が承認を与えようとしておる。そうなりますと、そのうちに中国の代表部が日本に参って日本無線通信——無線通信というか、通信を全面的に使用できることになっております。この際に問題になりますのは、これは一つの例でありますが、ただ単に、意図があって私は質問しているわけではありませんが、単純な法解釈としてお尋ねいたしたいのでありますが、中国代表部の中に不当な無線機を持ち込んで発射した、こういうことが起きたとします。そうしますと、これは当然外国人でありますから、そういうことはできないことになりますが、それに対して、今日は電波探知機もありますから、おそらくこれが不当だということが認定されると思います。そうなりますと、これは大臣にも伺っておきたいのは、郵政当局は、まずそういう不当な電波が、これはまあどこといわず、たとえば例をアメリカの大使館にとってもいいのですが、大使館の中にそういう例があったとします。そういう場合、不当と認めるときに、法上それを当然停止させる責任があると思う。そういうのを具体的にどうおやりになるのか。法務大臣は、法的にはそういうことは可能だ、しかし、実際上は別だということを予算委員会答弁されておるのです。ですから、この点は明確にしておきたいと思います。法務当局からきょうはおいでをいただいたのでありますが、まず郵政当局からお尋ねして、それから法務当局にお伺いいたしたいと思います。
  56. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 在外公館というような特殊なものであっても国内法の適用は受けるようでありますから、いずれにしても、不当な電波が使用されるということになれば、不法無線局でありますから、郵政当局としては、厳重にこれが中止方を要求しなければならぬことは当然であります。でありますが、外務省、郵政省、法務省の間でもって、この問題についてはいいろいろ研究をしておるようでありますが、国内法、電波法の第五条で明確に第三国人には電波を与えてはならない、こういうことになっおりますから、国内法と条約でもってきめた場合はどうなるかというような問題もあります。この問題に対しては、法務当局がきっと国際法の問題その他に対して答弁されると思いますが、いずれにしても現行のままでは不法電波である、不法無線局であることは間違いないのであります。もちろん中共の場合等は国交回復もしておりませんので、特にというのではありませんが、いずれにしても、郵政大臣に対して無線局設置の申請をする資格がない、こういうことでありますので、申請もしないし、許可も受けない。もちろん申請する資格もありませんので、許可も与えられないということでありますから、その場合に不法無線局となって、国内法としては当然使用停止を要請するということになります。でありますが、これは使用停止を要求しても、向うが停止に応じない場合には、これは相当、日ソ漁業交渉と同じであって、外交上の問題として片づけなければならない問題でありますので、法律的には明確な結論が出ておりますが、実際の問題としてはいろいろ問題がある。これは常識的に、平和の戦争前はこんなことはなかったのですが、戦後はそういうものが起きる可能性があるということは、各国の間に、こういう問題は国際的な取りきめか条約として——国内法のいかんにかかわらず、お互いが条約によった場合は、そういうものを提供し合うという新しい国際的なルールが開かれなければ、現在のような状態では不法無線局ということに明瞭になるわけであります。一例としましては、日本とモスクワとの間にやれというような話もありますが、そういう場合にも、日本から考えて、まあモスクワの場合じゃなく、ロンドンの場合を例にとってもいいんですが、ロンドンから日本電波を受ける場合に、中継局がシンガポールにありますから、非常にうまく来るのですが、こっちは相互協定を結んでやっても、実際日本にうまくいくかどうかというような問題も、実際問題としてあるようであります。でありますから、これらの問題は、やはり外交問題として将来国際的に明確に一つ線を出さないと困る、こういう状態であります。
  57. 鈴木強

    ○鈴木強君 ちょっと法務当局から答弁をいただく前に、どうもはっきりせぬのですが、私は、もし電波法改正するに当って、そういう点がはっきりせぬならば、やはりやる必要があると思うんですよ。私はそういうことを聞いておるんです。だから、今日第五条によって、外国人は一切電波の申請もできないし、発射もできない、使用もできないということになっていますね。それにもかかわらず、たとえば、アメリカ大使館の中で不当な電波が発射された、それを探知機によって探知した結果、間違いなく出ていた。まあロンドンからはシンガポールに中継局があるからうまくいくというが、こんなものは中継局がなくてもできる。南極の基地からアマチュアがやっても聞えるんです、技術が進んでいるから。だから、中継がどうこうということはないんです。やる気になればやれるんです。戦争前でも、外国の大使館あるいは公使館の中で不当な電波を発射したことがあった。私は当時電波の方をやっておりましたが、あったんです。今日に始まっていることではないんです。そういうことをやろうとすればできるんです。そのもぐりを明確に摘発し、摘発したものに対しては処断を加えて、そうして国内法上の罰則を加えて、それがもし問題になれば、これは法務当局の方において、そこで刑事罰を加えていく——治外法権ですから……。そういう点私ははっきりしておかなければならぬと思うのです。もしそういうことが不明確であれば、今度の改正案の中でもってやるべきであって、ただ単に手数料をふやすとか何とかでなく、あるいは事務を簡素化するということも一つの方法かもしれませんが、もっと法律的な問題を起すということを危惧しておるのです。そういう点があれば、この際われわれは法改正をしておきたいと思うのです。大臣の明確な答弁を聞いておきたいのですが、まあ聞いてみると、国内法上できるとおっしゃるのですが、そこのところをはっきりしてもらいたい。できないならできないで……。要するに法務大臣は、法上は明確になっておるが、実際の運用上は非常にむずかしいと言う。要するに外国の大使館の中に入っていくのですから、家屋侵入罪になるかもしれません。そういうことがあり得るので、実際実行上はむずかしいが、国内法上は明確に、不法電波であるならそれを停止させる、停止を聞かなければ罰則を加える、こういうことははっきりしているんでしょう。それをおやりになればいいんです。ただし、やる場合が非常に問題になるということだと私は思っています。そういうことですか。あなたの御答弁では明確になっていない。
  58. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) その通りです。その通りであって、現行法上は申請をする権利さえもないのでありますから、もちろん免許はしないのでありますが、電波を発射しておれは、それは不法無線局であるから停止を命ずるということはもう当然であります。でありますが、停止の命令を聞かなかった場合にはどうするかということになれば、まあ先ほども言った通り、相手のある話しで、ちょうど日ソ交渉や、李承晩などと同じことであって、郵政省当局だけではどうにもならないんです。外務省との間で、両国の間でもって相当の紳士協定を行わなければ、とてもそういう問題はうまくいかないだろうということを申し上げているのです。だから法務大臣答弁と同じわけです。まあしかし、だから、今のこの電波法改正で改めるならば、ちょうど時期がいいから、はっきり改めろといえば、国内法として現行法改正する場合には、第三国人にも、特にこういうものに準拠した場合は与える、こういう道を開く場合は、国内法あるいは電波法改正しなければいけませんが、現行法律では、完全に第三国人は無線局の開設をすることができないというふうに明確にありますので、処分の段階になるといろんな問題がありますが、郵政省としては、もうあなたの言う通り法律に基いて、そういう不法無線局があるならば、その不法無線局に対しては停止を命じ、停止に応ぜざる場合には、法律を適用するという以外にはないのであります。
  59. 鈴木強

    ○鈴木強君 要するにそういう不当な電波を出すことはできないのですから、それはもう問題外ですね。そういうことがあっても、とにかくやはりそれを明示する、しかし、それに応じなければ、日ソ交渉と同じだというような、そういう無責任なことじゃ私は困ると思うのです。
  60. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 実際そうなんです。
  61. 鈴木強

    ○鈴木強君 少くともあなたが、日ソ交渉と同じだと、そんな例を出してやることはけしからぬ話であって、だからこそわれわれは、日ソ交渉と同じだということはおかしいけれども、要するにその不当電波が発射されておったならば、明確に、その中に入って機器を撤去するだけのやはり行動をやらなければならぬ、措置をしなければならぬわけです。そうすることができるかできないかが今問題なんだ、その点は法務局にもお尋ねをしたいのだが、そういうことができると判断しておる、明確にできると判断しておる、それをやれる国内法があるならばやらなければならぬでしょう。日ソ交渉じゃないのだ、向うが応じようが応じまいが、日本に居住されておるのだから、日本法律に違反しておる場合は、その中に入り込んで機器を撤去することは、当然のあなたの責任じゃないですか。
  62. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) あなたと同じことを申し上げたのですよ。不法電波を発射する者があったならば、国内法を郵政省は厳重に適用をして、それが使用を停止せしめる、こういうことをやりますし、またやらなければならない。将来も不法電波が発射されるということがある場合は、当然そうであるが、実際にこちらの言うことを聞くか聞かないかという場合は、これはなかなか、日本政府が日本人にやるような状態でうまくいくかどうかという問題はなかなかむずかしいということを申し上げたのであって、いずれにしても、不法電波が発射せられておる、無線局が開設せられておるという場合には、私人たると外国人たるとを問わず、国内法によって措置をする、こういうことは変りないのであります。
  63. 鈴木強

    ○鈴木強君 だから、そういうふうに最初から言ってくれればいいのですよ。日ソ交渉だなんということを言うものだから、問題があそこに行ったので、要するに私は、国内法上そういう明確な法的根拠があると判断しておる、それで間違いないとすれば、それでけっこうです。そうであるならば、この際、法務当局電波法の違法行為があったときに取調べをなさると思うのですが、そういった私の申し上げた具体的な、これは中国でもいいし、アメリカ大使館の中でやった場合でも同じですので、そういう場合の措置をどういうふうにお考えになっておりますか。
  64. 川井英良

    説明員(川井英良君) お話が大へん具体的でありますので、法務大臣が前にお答え申し上げた線は変らないのでありますが、アメリカの大使館の中で今のような事態が起った場合と、それから御指摘になりました今度の協定に基いて通商代表部が日本に駐在するようになりまして、その方々が同じような電波を発信するというふうな行為をした場合とは、純粋法律的に申し上げますというと、私担当しております刑事罰の運用の面からは、多少の相違があるのじゃないかと私は考えております。御承知通りでございますが、最近の政府の発表によりますというと、日中貿易協定に基く通商代表部に対しましては、公的ないしは特権的な地位を与えるものでないというふうな方針になっておりますので、そういうことになりますというと、これから必ずしも私自信がございませんが、外務省の御見解によれば、何ら公的ないしは特権的な地位を与えないということは、言いかえてみれば、すなわち外交特権を与えないという結果に法律的な効果がなるのではなかろうかと思うわけでございます。アメリカの大使館というようなことになりますというと、いわゆる外交特権が認められておりますので、国際法上または国際慣習上、裁判権が及ぶか及ばないかという問題がございますので、アメリカの場合には、かりにそういうふうな何条ですか、四条に該当して百十条の何項かの罰則に該当するような事態がありましても、ただいま郵政大臣が御説明になりましたような行政的な措置でもって、あるいは外交的な措置でもって、さようなことはやめてほしいというふうなことを申し出をする、外交的ないしは行政的な措置によってその中止方を求めるというふうな措置は、もちろん私できると思いますけれども、直ちにそれが刑事罰に触れるから警察権ないしは検察権を発動いたしまして、直ちにそれを刑事事件として取調べをして日本の裁判所に起訴して処罰を求めるというふうなことには、すぐにはできないのではなかろうかと考えるわけでございます。これは結局、さきに申しましたいわゆる外交特権に基く法律的な効果として、今まで慣習として認められておることでございまして、特別の条約でもあれば別問題ですけれども、その点について特別な条約でもない限りは、やはり国際的な慣行に基いて、外交特権があるものについては、裁判権が及ばないというような解釈に持っていかざるを得ないのではなかろうかと思うわけでございます。  それからもう一つ、今の、しからば外交特権を認められていないところの外国人に対しましてはどうであろうかということになりますというと、これは外交特権がなければ、それらに対しましては一応裁判権があるという前提に立ちますので、ある程度の捜査もできるし、また、その捜査権の結果としての裁判権の行使を求めるというふうなことも、私、法律的には可能ではなかろうか、こういうふうに解釈せざるを得ないのではなかろうかと思います。ただ問題は、非常に御指摘の問題が具体的でございますので、私はただ純粋法律的に今申し上げました。公けのものではないし、特別な特権を認めないのだということを、国際上外交特権がないというふうに解釈しての前提の結論でございますので、それがどういうふうに、事実上、実際問題として通商代表部がおいでになったときに、外務省がどういうふうにお取扱いになるかということによりましては、またこの結論が変ってくるのではなかろうかということになろうと思います。ただ法律的にどうだとおっしゃれば、一応そういうふうな区別があるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  65. 鈴木強

    ○鈴木強君 大へん私質問が具体的ではありましたが、ちょっとばく然としておりましたから大へん失礼いたしましたが、要するに、あなたが今言われたように二つになると思うのです。具体的に予算委員会質疑のあったのは、第四次日中貿易協定の問題でありました。これは中共との間にまだ外交が結ばれておりませんので、平和条約が結ばれておりませんので、外交上あるいは国際上の特権は何らないと思います。それはわかります。ただ、代表団が行って向うと協定をいたしました中に、向うの通信の取扱いについては、日本人に準じて日本の国内の電信電話は使える、こういうことになっておるのです。ですから、そのことに関する限りは、もし政府が承認を与えたとするならば、向うからいらした方々が国内に電報を打つ場合、電話をかける場合、あるいは国際的に電報電話を出す場合は、これはできるわけですね。ですから、そういう点と関連をして出てきたのがこの無線のことなんです。たとえば代表部が置かれて、その中で秘密な電波が発信された、これを郵政省が不当電波だということを明確に確認したその際、それでは具体的に国内法に基いて措置できるかどうか、こういうことが一つございます。その具体的な問題を予算委員会でしたが、時間がありませんので詳しく法務当局の御意見を伺えなかったのでございましたから、きょうはもっと明確にしたいということでおいで願ったわけです。それからもう一つ言われますように、国際的にこの国交が回復している国、アメリカのごとき国におきましての、私は、外交特権とおっしゃっておりますが、これは外交特権ではないと思う。そういうことはどういう立場に立って国際法上慣例としてお考えになっているのか私わかりませんが、いずれにしても、私の質問しておりますのは、不当に米国大使館の中から電波が発射された、さっきの中国と同じように、そういう場合にどうするかということになりますので、そういうことが、要するに外交特権上、あるいは取り調べる場合に、それは日本人を取り調べるように普通の逮捕状を出してどうとかいうことはできませんでしょうが、若干の、そこに手続上は礼を失しないようにやることは当然でありましょう。しかし、あくまでも法というものは、その法の精神を貫くべきでありますから、手段は別としても、それを取り調べる権限は、私は日本の警察当局にあると思うんです。決してその外交特権上だといって、不当に電波が発信されても、これをほおかむりするということいあり得ないと思う。そういう場合に、やはりその措置を明確にしておく必要があると思いますので、私はそういう点をお尋ねしたわけでありますから、もう少し具体的にお答えができるのでありますれば幸いでございますが、もちろん急においでいただいての質問でありますから、明確に御答弁できませんようでしたら、明日もまたこの委員会を続けますので、明日午前中でもおいで願ってお答えいただいてもけっこうでありますが、その点二つに分けますので、できましたら一つ具体的に御答弁いただきたいと思います。
  66. 川井英良

    説明員(川井英良君) 大へん答弁が徹底しませんで申しわけございませんが、今のアメリカ大使館のような場合でありますと、電波法違反というふうな犯罪に限らず、その他の刑罰法令違反犯罪でありましても、今までの取扱い上、御承知通り、大使館、公使館につきましては、いわゆる外交特権というものが認められておりますので犯罪がありましても、直ちに警察官憲が中へ入り込んでいって押収、捜索、検証をやりますとか、あるいは被疑者として身柄を逮捕するとかというようなことは、今までいたしていないわけであります。それは非常にくどいようでございますが、先ほど申し上げましたように、国際法上の慣行といたしまして長らく認められておりまして、国交が回復した国におきましては、大使、公使を交換いたしまして、そうしてお互いのそれぞれ派遣しております大使ないしは公使というふうなものの間に、法律上同じような取扱いを、相互主義と申すのでしょうか、によりまして取り扱っておるというふうなことに相なっておりますので、直ちに刑事事件といたしまして、刑罰権、いわゆる警察権、検察権が直ちにそこへ発動いたしまして、相手方の同意がないのに、警察官憲が犯罪行為捜査のためといって、その公使館、大使館の治外法権のある施設の中へ入り込んでいって、強制的な捜査をするというふうなことは、従来やり得ないものとして、やっていないわけでございます。ただしかし、任意捜査と申しまするか、それが捜査という言葉は、厳格には刑事訴訟法上適当ではございませんけれども、いわゆる任意の調査といたしまして、相手方の同意があるとか、あるいは相手方の要請があるとか、今の電波法の場合には、要請なんということはナンセンスでございますけれども、たとえば物がなくなったとか何とかという犯罪がありまして、調べてくれというふうな要請がございますれば、それに基きまして施設の中へ入っていって、ある程度の捜査をするというようなことは、もちろん可能であると考えております。
  67. 鈴木強

    ○鈴木強君 前段の日中の方も、まだ明確な御回答がら得れないんですが、それから後段の点も、なるほど外交特権、そういうものがあるでしょう。これはあります。ありますが、そうなりますと、野放図にやるということでもないでございましょうし、もちろん、ただ単に踏み込んでいって現場を検証するということも、これはできないでございましょう。しかし、そういう点は、いろいろな手段を尽して、礼を失しないようにして、私さっき申し上げたように、何かの手段によって、その不当な電波の発信をやめてもらうという措置をとらぬことには、これはだめなんじゃないですか。これは要するに外交特権で、全然捜査もできないし、そういうこともできないということになりますと、電波はこれは普通のものと違いまして、たとえば日本のたくさん電波がありますが、その電波を妨害しようとして一つ電波を発信するということもあり得るわけであります。それをやめさせない限りは、ほかの電波は混信を受けて聞えないことがあります。ですから、そういう具体的な問題でありますから、ほかの一般的な問題と違いまして、直ちに措置をしなければならないことでありますから、外交特権が相互に、双務協定みたいになっておるので、相互に与えられているので、それは手がつけられないということじゃないと思います。そうであるならば、これはどうするのか。これはほとんど解決の道はないわけですから、そういうことに対して、具体的に一つ私はお伺いしておるわけでございますから、きょうお答えできなければできないで、また、従来の慣行上、そういう場合でもだめだとおっしゃるのかどうか、その点だけ一つお尋ねしたいことと、もう一つは、日中の問題はどうなりますか。
  68. 川井英良

    説明員(川井英良君) 今の最初の問題でございますが、最初にもちょっと申し上げましたように、なるほど刑事犯罪としての捜査ということは、外交特権に妨げられて適当でありませんし、さような事態が国内において起きておるということはなるほど好ましくないことでございますので、もし警察ないし検察関係がそれを探知いたしますれば、その電波監理する行政当局に対して、こういうふうな事実があるということをもちろん通告いたしまして、行政的な面においての善処を要望するということになりましょうし、また行政当局におきましても、外交上の問題であって、必ずしもうまく効果が発生しないということでありますならば、いずれまた外務省を通じまして、外交上の問題といたしまして、強力に何らかのさような違法な行為はやめてほしいというふうな申し入れをいたしまして、外交的な問題としてそれを処理していくというようなことに、結論としてはなってくるんではなかろうかと、私かように考えておるわけでございまして、先ほど郵政大臣が仰せになりましたように、そういうような問題については、好ましくないので、何らかの手を打ってあれするというふうな御趣旨の御答弁があったと私は拝聴しておったのでありますが、さようなことは、具体的には今申しましたように、刑事事件としては捜査ができなくて、そのために刑事罰をもってやめさせるということがかりにできないといたしましても、行政的ないしは外交的な手段でさような行為を防いでいくというような方法は、決してないわけではありませんし、私どもといたしましても、繰り返すようでございますが、さような事実を探知するならば、直ちに適当な方面にそれを通告して善処を要望する、こういうようなことになろうと思うわけであります。  それからその次に、日中貿易に基きましてこちらへ来られるという通商代表部の方々の法律的な性格につきましては、まだ一応政府の回答が発表になったところでございまして、必ずしもそれが全く公的な性格を与えない、こういうふうなものでありますのか、あるいは外交特権を持った大公使館あるいはそれに準ずる領事館というふうなものに準じた性格を与えるのかどうか、その辺のところは私まだ存じておりません。最初に申し上げましたのは、ただ公けの性質ないしは特権的なものは与えないんだというのを、文字通り法律的に受け取りまして、外交特権がないというふうに解釈しての前提で、しかりといたしまするならば、さような性格のものにつきましては、今までの法律解釈によりますれば、外交特権がないものにつきましては、刑事裁判権が及ぶんだということは、これは公式的な見解でございますので、そういうふうなことであるといたしまするならば、さようなものについて、ある程度の刑事訴訟法上の捜査関係によるところの捜査が可能であろう、こういうような結論を一応申し上げたわけであります。もしその法律的な性格が、ある程度の何か公けな特権的なものを事実上において与えるんだというようなことになりますと、この結論も、またその実態に応じまして変ってくる、こういうことになろうかと思います。
  69. 鈴木強

    ○鈴木強君 今の日中の問題につきましては、もちろん経過は御承知通りでありますので、直ちにそういった外交上の特権を認めるのか認めないのか、法的にも疑義があるときですから、そういう過程の中であなたにこれ以上質問をいたしましても、御答弁はいただけないと思いますので、もちろんこういった問題点がありますので、一つ、まあどうなりますか、今のところ、はっきりわかりませんが、いずれにしても、明確にこの協定に基いて中国の代表部が日本においでになるということになりますと、当然この問題が出て参りますので、一つ十分御検討置きを願いたいと思います。  それから外交が結ばれておる国との問題でありますが、これにつきましても、私は当然外交特権というものはありますし、それに基いての捜査ということは困難だということは百も承知しております。だがしかし、電波というものは先ほど申し上げたような性格を持っておりますので、時間を遷延することができないような状態が起きないとも限らないわけです。もちろん仮定の中で私は質問しておるわけですが、そういうことがあった場合に適切な措置をすることが一番大事なんです。そのときになってから、どうも法的にいろいろな疑義があるというようなことで時期を遷延されますと問題のあることでありますので、特に私はおいでをいただきまして御見解を伺ったのでありますが、言われている趣旨は十分わかりました。しかし、事がこういう問題でありますので、なお一つ十分に、大臣予算委員会で質問を受けておるわけですから、御相談をいただきまして、何かその適切なもっとタイムリーな方法を一つ考えていただきたいと思うのでありますが、そういう点を一つ要望いたしまして質問を終りたいと思います。どうもありがとうございました。  それから今度のこの電波法改正内容を見ますと、先ほども説明がありましたように、手数料を適正にするとか、あるいはその電波科学ないしは技術の進歩発達、電波の利用面の増大、こういったものに並行をして電波監理の適正をはかる、こういうことでありますが、内容を見ると、どうもいい面ももちろん私たちないとは言いませんが、何かしらん、いろいろな複雑なこれは電波法でありますから、そういった点の事務の簡素化をはかったというように判断ができるのです。さっき久保委員からもお話がありましたように、少くとも電波というものが非常に戦後一たん沈みましたが、ずっとまた浮び上って、資料でもわかるように、四百倍近い激増を見ているわけです。にもかかわらず、定員面なんかを見ましても、非常に逆に減ってきているというような実態がある。私はこの前の委員会でも、大臣電波法が通れば事務を簡素化する、従って、定員の面もある程度カバーできるので一つ電波法を早く通してもらいたい、こういうふうな御発言もあったのでありますが、しからば、この電波法改正することによって事務が簡素化する、またふえる面もあるのですが、それによって何名のその定員が削減できるというように踏んでおられるのですか、この点を最初にお尋ねしたいと思います。
  70. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) これはせっかくの御発言でございますが、この点に対しましては、先ほど申し上げました通り、省内に合理化委員会を作っておりますので、十分に検討して適切な処置をいたしたいという段階でございます。
  71. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、具体的に何名がこの法改正によって人が救われる、こういうようなことははっきりないわけですね。そういうふうに了承いたしておきます。そうであるならば、定員問題でも問題がありますが、これはあとにいたしまして、まず第百四条の二に、予備免許の際に、条件を付するということができるようになっておるのでありますが、これが非常に抽象的であるために、いろいろな誤解を生んでいるようであります。法文を見ますと、第百四一条の二の二項に「前項の条件文は期限は、公共の利益を増進し、又は予備免許免許若しくは許可に係る事項の確実な実施を図るため必要最少限度のものに限り、且つ、当該処分を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。」、こうなっておりますが、しからば、この「必要最少限度のもの」とか、あるいは「不当な義務を課することとならないもの」、こういうふうに書いてあるのでありますが、これらはどういうことを意味しているのですか。やはり明確にしておく必要があると私は思うのでお尋ねをしておきたいと思います。
  72. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 放送法、電波法の精神を踏みにじるような条件は絶対につけてはならないということが一つであります。もう一つは、法人の設立その他免許を受ける人に対して、官がその内容に干渉したり、不当な措置を行うような条件または期限を付してはならないということを明確に規定しておるわけでございます。
  73. 鈴木強

    ○鈴木強君 この免許申請等に際しては、他の条文において相当明確に制限をつけておるのです。ですから、大臣が今度のテレビジョンのチャンネル・プラン、さらにその認可申請に至る間非常に御苦労されたことは私たちは知っておるのでありますが、そういう経験の中から私は出てきておるのじゃないかと思う。そういう点は明確に大臣のお考えを聞いておくことが必要です。私どもは賛成できるならば賛成しなければならぬのでありますから、何も反対の立場に立って質問しているわけじゃないのであります。世間で非常に誤解を生んでいるようでありますから、国会でそういうことについて明確にしてやる必要があると思いますから、そういう点を質問しているのです。電波法上の第五条、第六条、いろいろなところにございます。さらにまた免許申請等について、第八条以下ずっとありますから、ですから、そこで十分にその条件を満たさない場合には認可はしないのだという建前になっているわけですから、あえてここにこういった新しい条項を起したという、その理由をもう少し明確に大臣からお聞きしておきいたんです。
  74. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 現在の電波法、放送法で電波免許は律せられているのでありますが、実際は事業免許の準拠法というような明確な法律がないわけであります。でありますから、法律体系としては、もっと別な形態で作った方がいいじゃないかという議論は、放送法も同じような議論があるわけであります。前段申し上げたようにこの段階においては、電波法の修正及び放送法のあの程度の修正でいこうということにおおむね落ちついたわけでございます。この百四条の二は、特に「条件又は期限を附する」ということでありますが、これは電波法が非常に複雑になって参りましてですね、申請者も二者択一というような状態でもって、予備免許を行わないというような場合がございます。でありますから、電波監理審議会の議を経た場合、こういうふうな条件をぜひ満たしてもらえれば、二者ないし三者が合同することが適当である、その場合発効しよう、こういうふうな条件付免許というものが答申されております。こういう場合でも無期限に延ばすということもできませんので、期日を付して、何月何日まで、今度も三月三十一日まで確認を与えないものに対しては当然失効するということで、二、三失効した例もございますが、そういうものは法律で明確にないわけであります。でありますから、電波法は「与えなければならない。」といって与えているものが、期限を付して、その一方的な期限の中に条件を満たされなかったために、確認は与えず、失効したが、電波法上は当然有効だという議論も起きて参るわけであります、申請者の方からは。そういう意味で、法律には、明確に百四条のこの条件または期限を付することができるような、こういう明確な準拠条項を入れたわけでございます。これからこの問題になるとどうしてもそうならざるを得ない。もう一つは、電波法上いろいろなものがございますが、それもその新しい法人とか、それから個人とかいう場合は別でありますが、免許を与えて、それならば設立しよう、設立発起人という名前で申請してきているのもあります。こういうものに対しては、やはり何月何日までという期限を付して、申請の条項が守られなかった場合は、この予備免許は失効するというような、法律的な準拠規定がないのでありますので、これから出てくる、また現在出ているところの申請者の態様をよく見ますと、こういう条項がどうしても必要だ、こういう考えであります。でありますが、いずれにしても電波法なり、放送法の精神を踏みにじるような条件は絶対に付してはならないということで、後段において「公共の利益を増進し、又は予備免許免許若しくは許可に係る事項の確実な実施を図るため必要最少限度」の条件と期限に限ることにいたし、特に当該処分を受けたものに不当な義務を絶対に課してはならないということを明定したわけでございます。
  75. 鈴木強

    ○鈴木強君 大体、ねらいはわかったのでありますが、しかしこの新しい条項の制限条件、あるいは期限を付するというこの制限条項は、非常に運用によって誤解を受けると思うのですよ。ですから、大臣のおっしゃったような精神において、電波が不党不偏なものであるし、あまねく公平にやはり国民が享受すべきものでありますから、そういう立場に立って判断するという、これが片寄ったものになったり、一人のものになったりすることは、断固排除しなければならぬということは、私もその通りだと思うのです。そこで、今度の予備免許の際にも、いろいろ問題になったのでありますが、たとえば免許の申請をしますね、申請するまでにいろんな、ここは不適格だとか、こういうところはまずいじゃないかとか、いろいろ御注意があると思うのです。それでいよいよその書類が受理されて、電波審議会ですか、ここにかかっていくと思うのですが、ですから、そういう段階において、相当な条件に対する申請者側の不適格の点については注意もあるし、是正をされていると思いますから、そういう段階である程度の問題を解決できると思うのですよ。ただ、その上に立って、なぜこういう条件をつけなければならぬかということになると、大臣が非常に苦しんだ競願のような点が私は想起されると思うのですよ。そういう場合に、施設した資金を折半しなさいとか、こういうようにしなさいとか、いろいろな条件を付されたわけですね。こういうことも非常に過渡的な段階として一つの方法であったと思うのですが、これに対しても、今日いろんな非難があるわけですよ。しかし、われわれが大所高所からこれを見た場合に、これはなるほどやむを得なかったという、こうしなければならなかったのだということが想像つくわけですから、いろいろ質問があるときには、私たちは私たちなりの説明をしておるわけでございますが、ですから、そういう政治的なある程度問題を含んだことが、どうもこういう条項が適用されるような可能性が出てくるのじゃないかと思うのでございますがね。それでもっと言うならば、私たちがやってもらいたいのは、むしろ電波というものを独占するということに対しては、もっと強力に法律的にもし条件をつけるならつけてもらいたいというように思っているのですよ。新聞もラジオもテレビもみんな同じ人がやるというような、そういうことがあったわけですから、大臣はいろいろその中で新聞社の社長はやめなければいかぬとか、まあ言ったかどうか知りませんが、いずれにしても、まずいぞということで新聞社の社長をやっている者はその役職を辞してかわっているということが、こういうことも現実には出てきているわけです。ですから、そういう点は非常にけっこうなことであって、この前の委員会でも、今後の運用の中でも、ニュース・ソースの求め方についても、一社に片寄らないように大臣行政上の指導をして下さるということは確約して下さったんですが、そういうことについて、いろいろ第百四条の二は新しい条項であるし、今度のこのテレビの認可の苦い経験の直後でありますから、いろいろな揣摩憶測が私はあると思うのです。ですから、やはりもっと具体的に、どういう場合にこういうことが大体想定されるのか。それから大臣のねらいというものは、実際苦しんでみて、その中でどうしても競願等の場合には、ある程度の条件をつけないとこれはおさまらないのだと、こういうことは、これはもう例外的におそらく使える条件ではないかと思いますね。そういう点を一つ考えを聞いておきたいと思うのです。
  76. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) これは特に私が考えましたのは、その混合方式だけでもって考えたわけじゃないのです。一番これから電波でもって出て参りますのは、まあ電波はマスコミに独占されてはいけないというので、新しく発起人制度でもって電波の割当を受けたならば、一つこういう会社を作って、こういう形態でやりましょうという、非常に理想的なものが出てくるわけであります。また、そういうことは好ましいことであります。また現在までの法律解釈でもっていきますと、技術的なもの、竣工期限とか、そういうものに対しては法律、命令に定むるものに違反した場合はというように、非常に強い規定がございますが、いわゆる免許法でありませんので、免許基準というものに対しては、ほとんど触れていないわけでありますから、でありますから、百四条の二は非常に明確な免許基準というものを打ち出したと、こういうことになるのです。それで現在までの状況で言いますと、もうすでに事業を始めておる会社とか私人とかというものが免許人の対象になりやすいのですが、私は電波法及び放送法の精神からいっても、やはり、より合理的なものでなければいかぬ、また合理的なものを免許の対象にするような道を開かなければいかぬというように考えたわけです。ところが、実際問題から言いますと、その発起人に非常にりっぱな人と内容を持ってくるのですが、免許をその発起人に与えられますと、発起人だけが勝手に自分の必要な人だけを集めて、免許をもらったのだから、おれはもう作ってしまえば三年間は有効なんだと、こういう議論があるのです。これは非常に私は困っているのです。そういう意味で実際に新しいこういう形態というものに対して、電波法上の免許を与えられるような場合においては、やはりそういう出した書類は守ってもらわなければいかぬ。今まではそういうものが守られなくても取り消しということはできないし、また、やられないのであります。もちろん電波法は、その免許はしなければならない、電波を与えなければならないというように、原則的に与えることの道を開いておりますので、まあ制約的な条項を入れることは、非常に法律上むずかしいわけであります。でありまするので、私はほんとうから言うと、その法律に明定をして、やはり三分の一以上——五分の一、もう第三国人が持っているものに対しては与えない、欠格条項をずっと法律に明定することが必要だと思います。でありますから、この法律の制定がまあ二十五年であるということもありますが、当時の思想からいって、やはりこの法律に流れるものがありますので、そういうものに逆行しないでとにかく現実的な処置だけをしようということでまあ百四条の二というものを非常に大きく打ち出したわけでありまして、まあこういう条文がないと、では電波を与えるから会社を作りなさいというので、会社を作らなければならないわけです。でありますから、その会社を、予備免許前に行政指導によって会社を作られる、また作らせる、そうしてあとは事後承認的に形式的な免許を与えるというようなことは、あまり好ましいことではありませんので、やはり電波法の精神も生かしながら予備免許は与える、与えるが、かくかくの条件をこの日までに満たさない場合には、当然失効しますよというような条件を、最小限もうやむを得ず必要だということでこの条文を明定したわけでありまして、これを広義に解釈していろいろなものを縛ろうというような考えはありません。でありますので、これは私の考えから言うと、やはり法律に明定することが一番よく、また、そうじゃなくとも、その条件及び期日等に対しては、政令省令でやはり明確にしておいて、それ以上に拡大をしないというふうな処置は必要だと思います。
  77. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ここで一時休憩しまして、午後一時から再開いたします。    午後零時二十八分休憩    —————・—————    午後一時三十二分開会
  78. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ただいまより委員会を再開いたします。  委員の変更について御報告いたします。久保等君が辞任されて、三木治朗君が選任されました。   —————————————
  79. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 午前に引き続き質疑を行います。
  80. 鈴木強

    ○鈴木強君 午前の質問で、百四条の二の新設期限に対して大臣のお考えをお尋ねしたのでありますが、どうもまだはっきりしません。そこでもう一度一つ私の聞かんとする要点を申し上げて、大臣から明確なお答えをいただきたいと思いますが、百四条の二を見ますと、これは予備免許なりあるいは免許なり許可の場合に、条件とまた期間を付することができるというふうになっておるのでありますが、この条件ということがどうも、この電波法の第六条から七条、八条ずっと見て参りますと、そこに午前中にも申し上げましたように、相当シビアな条件が実はついておって、しかもその条件を満たすためには、申請の段階において、相当にきびしく問題が取り上げられて実施されているのが現状だと思うのです。そこで、どうしてそれ以上にこういう百四条の二を設けて、さらにまたこの三項にありますように、「必要最少限度のものに限」るとか、あるいは「当該処分を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない」とか実に、はれものにさわるような格好で、この条件や期限をつけようとしているのですが、そのねらいがどうしても私にはわからないのですよ。ですからもっと明確に、大臣がこういう条件を設けるのにはこういう理由があるのだ、この条件をつけるのはこういうことなんだと、具体的に個々にお答えいただけるでしょうか。むずかしい問題ですから、いろいろなケースが出てくると思いますから簡単にに言えないと思いますが、しかし設けようとする趣旨をわれわれ理解するためにも、ぜひ一つどういうためにこういう条件をつけるようなことをされたのか、その条件とか期限というのはどういうのか、その点を一つもう一回はっきりしてもらいたい。  それからついでに申し上げますが、この期間ということは、どういう意味に解釈をしてよろしいでしょうか。第十三条に免許の有効期間がちゃんと明確になっております。要するに放送を目的とする場合には三年、そうでない場合には五年間ということになっておりますが、こういう十三条に示されております免許の有効期間というものと、ここにいう条件または期限ということはどういうふうに関連がありますか、その点を一つお尋ねしたいと思います。
  81. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 御承知通り、この電波法電波免許を中心としたものがあれば、もう少しいろいろな条文が整備されるわけなんです。まあこの種の法律案、特に免許の準拠法というようなものは、様式は左の各号によらなければいかぬとかということが非常にはっきりするのですが、この七条、八条は全く技術的なものばかりしか規定されていないのです。電波法をずっと読んでみますと、申請者があった場合に、また何かあった場合には免許をしなければならない、それに対しては自動的に免許を与えられるということであったので、最小やむを得ざる事務規定しかありません。形式とかそれから呼出符号とか空中線電力とか運用許容時間とか、そういう非常に純技術的なものしか規定していないわけであります。でありますので、百四条の二のような条件または期限というものが必要であります。それは先ほど申し上げました通り、非常に申請者が変って参りましたので、一つ無線局に対して何人かのものが出てくる、それを電波法及び放送法に対しては新しい角度から検討し、中にはこの間予備免許を与えましたように、三月三十一日まで停止条件付でその間にいろいろな条件を具備せしめるということもありますし、先ほど申し上げた通り、会社でもない私人でもない、免許を与えられる者が発起人の総代として出ておるのがあります。そういうものに対してはどうしても新しく条件を付し、しかもその期限は、こういうふうな三月三十一日までを期限とする、無制限に延ばしておくというようなことができませんので。より妥当な免許を行うためにこれを設けたと、こういうふうに一つ考えになっていただければ一番いいと思うのですが、まあ期限は電波法にいう期限、すなわち三カ年間というものでは全然ないので、この期限はあくまでも予備免許に付随して起る種類整備期間、確認を行わなければならない期間、免許停止の期間というような意味の期限でありまして、前条に明記されておるところの電波の使用期限というようなものとは全く別なものである、ということを御了解願いたいと思います。
  82. 鈴木強

    ○鈴木強君 この期限の問題は、この条文から見ると、非常に大臣のおっしゃるようにならぬと思うのですが、これはまた事務当局の方から御説明いただいてもいいのですが、ここにいう「予備免許免許又は許可には、条件又は期限を附することができる。」こうなっております。大臣のお答えを聞きますと、電波審議会を通るときに、たとえば条件として一つの条件をつけられましたね、この前。その条件を、ことしの三月三十一日までに満さなければならない、そういう条件をつけて要するに予備免許を与える、こういうことになると聞くのですが。
  83. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) そうです。
  84. 鈴木強

    ○鈴木強君 私もそうだと思うのですが、どうも条文を見るとそういうふうにとれますかね。非常にこれは誤解を受けるように思いますが、この点は事務当局からお答えをいただきたいと思います。  それから大臣のおっしゃるようなことであれば私もある程度考え方はわかります。だがしかし公共の利益を増進するとか、あるいは「必要最少限度のもの」とか、「不当な義務を課することとならないもの」とか、こういうふうに非常に親切丁寧といいますか、こういうことであればほとんど条件といっても条件にならないようなことになると思うのですよ。そういうものをあえてここにあげようということは、今おっしゃるように競願があった場合とか、発起人の中のだれかが総代になって申請してくるとか、あとのやり方がさっぱりこちらの思うようにならない、というようなことがあり得ると思うのですね。そういうときに一つ考え方としてこういうふうにしてもらいたい、こういうふうな程度のものであって、やはりこれは法律によってそれを規定するというのは、若干行き過ぎに私はなるのじゃないか、そういう点はあくまでも納得していただいておやりになることだと思うのですよ。そうでなければこれはやはり不当干渉というふうにとられてもやむを得ないと思う。要するにこちらでは公平に電波の割当ということに立つのでしょうが、受ける方はやはりそれぞれ自分の理屈があって、自分を主張しているわけですから、そういうものを一つの規律をしておくということは、もちろん大事でありましょうが、その運用については、やはり非常に問題が起きてくると不当に干渉をしてくるのだ、こういう意見が出てくると思うのです。ですからどうしても、このこういう新しい条項を設けて条件をつけるということが、具体的にわかっておればいいのですが、ところがそうでなくて六条、七条、八条というのはなるほどあなたのおっしゃる通り事務的なものばかりだとこうおっしゃるのですが、しかし原則としてはここに示されておる条件を満たせば申請ができ、あるいはそれに基いて審査が行われ、そしてまた予備免許が与えられる。こういうことに原則では六、七、八条というものが私は生きておると思うのです。ですからもしこの中であなたが心配するようなことがあるならば、免許の申請の際にこういったものをこの中に入れて、ある程度適正化していくというようなことであればいいのですが、新しく項を設けて参りますと、やはり六、七、八条というものとの関連をわれわれは連想してくるのです。そうしてきますと、どうしてこういうものを百四条に入れなければならないかという疑問が出てくるのですね。しからばこれを実際に判定する場合に、この条件というようなものですが、郵政大臣が直接おやりになるのですか、それともその前はたしか審議会の議を経ていると思います。審議会にかかってそこでそれを認めて条件になってくることだと思いますが、そういう運用の面についてもこの際はっきりしていただけば、ある程度われわれも理解できると思うのです。そういう点はどうでありますか。
  85. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 「予備免許免許又は許可には、条件又は期限を附する」ことは必要なんです。これだけは絶対的に必要なんです。なぜかといいますと、例をあげて申しますと、三月三十一日停止条件付で予備免許は与えましたが、三月三十一日までに条件を満たさないで、お互いに円満に提示した条件通りでやりますという一札を郵政省に出しながら、三月三十一日まで一向両方が一緒にならないのです。一回も会合を開かない。こういうものがあるのです。ところがそういうものに対してその条件をつけたのであって、しかも法律がありませんから、私の方で条件をつけたことにしないで、申請者各自から自発的にいたしますというその条件を、向うから出さしているわけです。そういうことをしなければならぬのはなぜかといいますと、それは法律にありませんから、法律にないことを通産大臣とか、農林大臣はたくさんやっております。こういう外貨を割り当ててこういうものを輸入するけれども、これはかくかくのもの以外に売ってはならな、いこういうことをやっておりますが、法律に明記のないものはそういうふうにできるだけやらない方がいいということで、申請者が自発的に条件をつけたようにして、私の方では停止付の予備免許を与えているわけであります。でありますから三月三十一日までにできなかったので失効いたしております。ところが弁護士などは、法律にないのだから、郵政大臣が、自分たちがつけたと言っているけれども、実際郵政省ではつけなければ免許しないと言っているのだから、これはあくまで有効だ、こういう議論をなす人があるのです。そういうことになりますと、その申請者が全部妥当な人ではなく、特に昔のような申請さえすればもう直ちに割り当てられる、というような状況ではなく、波は非常に貴重なものですから、そういうものに対してはやはり無線局設置者として守ってもらわなければならぬ。まあ必要最小限守っていただかなければならぬ。そういう意味法律百四条の二を設けて、「条件又は期限を附することができる」というふうに明定をいたしたわけであります。でありますが、この「条件は期限を附すること」が官の干渉になったり、電波法の精神を侵してはならないということで、後段の百四条二の3において、「条件又は期限は、公共の利益を増進し、又は」云々という範囲をしぼりまして、不当な義務を課さない限度において免許または許可に際して「条件文は期限を附することができる。」というふうにしたのでありますから、現在の状態では予備免許を与えた行政行為に対しては、どうしてもこういう条件が必要である。しかもそれは最小限にしぼって、いやしくも官が干渉するようなことがあってはいかぬというので、こういう表現を使ったのでありますから、この間の事情は一つおわかりになっていただけると思います。こういう条文がないと何に準拠して一体免許しているのだ、条件をつけたんだ、こういうことになるわけであります。だからあなたが言われたようなことを危惧をいたせば、その条件または免許範囲というものを法律に明定するか、それからもしくは政令できめるか、そういうものできめれば一番いいのですが、なかなか個々のケースによって違うのです。だから違うとすれば、予備免許の停止条件付の期限は、六カ月をこしてはならないとかいろいろな表現があると思いますが、これはもう少し相当研究をしてみないと、うんとしぼってできるだけ必要最小限度にとどめようということでありますから、一つ誤解のないようにしていただきたいと思います。
  86. 鈴木強

    ○鈴木強君 運用上で、今の答弁の中に漏れておりますが、その判定をしてそういったいろいろな条件をつけているでしょう。それはどこでやるのですか。
  87. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) それはもちろん、予備免許または免許は、電波監理審議会の議を経なければできないのでありますから、当然電波監理審議会の議を経てしかる後に自動的にきまる、こういうわけであります。
  88. 鈴木強

    ○鈴木強君 その点わかりました。  それじゃさっきの第百四条二の期限と条件と、この予備免許の関連ですがね。ちょっとこの条文だけ見ますと、大臣の言われたようなふうにとれないと思うのですがね、私は。それでいいのですか。何月何日までにという条件を満たせば、予備免許を与えますよ、とこういうことなんです。ですからこれの条文だけ見ると、有効期間の十三条のそれとの関連で免許をする場合には、何か別の期限というものがあって、ここに五年だが特別に三年とかいうふうに誤解を受けるのですが、法文上どうなんでしょうかね。
  89. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) こういうふうにお考えいただくといいのです。これは第七条、第八条は非常に明確なる規定になっております。この法律命令に従わざる場合は免許を取り消す。取り消された人の持つ他の免許も取り消すことができる、という条文で受けております。この百四条の二は、全くその予備免許免許というもののような新しい事態に対して必要だ、こういうために作ったものでありまして、私もまあさっきから読んでおりましても、鈴木さんのように慎重に慎重にということになると、「条件文は期限」というものは法律用語としては幾らか問題があるわけです。期限というものも一つの条件の中に入る問題でありますから、そういう意味で条件だけでいいかと思ったが、明確にするために「条件又は期限」というふうに明確に書いたわけでありますが、これはもう予備免許を与えて今までこの問題が必要だというのは、今度の新しい免許をやりますときに、電波監理審議会でもやはり相当議論をしたのです。やはり今までのように自動的に与える、申請があったらどうしてもその人に与えなければいかぬというようなことだけではとても対処していけない、円満な予備免許はできない。結局複雑になってくればくるほど、万全を期するためには、電波法の精神をゆがめないで円満な免許を行うためには、条件や期限を付せるように条文が必要だということは、電波監理審議会でも相当議論があったのです。でありますが今度はまあ自発的に条件をつけた、という形式をとっておおむね円満にいったのですが、これからはそういうわけにもいかないだろうと思いますので条文に明定をした、こういうことでございます。
  90. 鈴木強

    ○鈴木強君 やはりそういった心配がこの条文を読みますとどうしても出てくるのですよ、これは。だから要するにあなたの言われた期間というのは条件ですよ。
  91. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) ええ条件ですよ。
  92. 鈴木強

    ○鈴木強君 だから期間ということになりますと、七条、八条、九条というのと離れて、第十三条には免許の有効期間というのがありまして、その期間は「免許の日から起算して五年」とここに書いてあります。ですからそれとの関連で、免許に関連して条件または期限を付すということになりますと、何年間、三年なら三年という期間をつけてそうして許可するというふうに、これは条文でとれますよ。だから期間というのはむしろ要らないのであって、条件ですよ、これはいわばそういう条件ですから、そういうふうにしたらはっきりするのですがね、その点はどうですか。
  93. 荘宏

    説明員荘宏君) 大臣からお答え申し上げましたのですが、事務的に私どもが考えましたところをちょっと申し上げます。条件と申しますとこれは一定の事実が成就するかしないかよくわからない、これがまあ条件だと考えております。それから期限と申しますと、法律効果の発生を一定の始期または終期にかける、というのが期限だとかように考えております。従いまして期限の一例を申し上げますと、たとえば現在ある無線局がすでに免許をもらって動いているといたします。この無線局免許が五月の末に免許期限が満了する、こういう事態を想定いたしますと、六月から以後の継続をその免許人が申請しておる、こういう場合には、五月のうちに六月からこの免許は効力を発生するというふうにして、処分をいたしてやる必要がございます。その場合には六月一日をもって、五月中に出しまして、再免許の効力発生の始期といたす必要があるわけでございます。そういうふうになるわけでありますが、またもう一つほかの例を申し上げますと、たとえばある周波数につきまして、この周波数はいつから使うことができるかということも、やはり一つの始期であると思います。それからこの周波数は今から直ちに使っていいけれども、何年何月末までであるという場合には終期であって、そのときからこれに変えるのだという処置をいたしますと、それが始期になるわけであります。そういったような、ほんとうに事務的な問題であります。
  94. 鈴木強

    ○鈴木強君 これは趣旨がはっきりすれば、あまり論争をしなくても私はいいと思うのです。が、要するに大臣も言われたように、一つの条件をつけて、一つまあこういう格好でやってもらいたいということだと思いますから、そのときの率直に言ったら競願の場合の条件、期限というようなものでしょうから、再免許の申請のときも、三年なり五年なりたってもう一回申請があれば認めますね。その場合に必要があるからこれを設けたということになると、これはちょっと問題だと思いますれ。荘さんの解釈でいって、十五条の再免許手続というのは、これは簡易な方法で郵政省できまっておるでしょう、それで何ら差しつかえなかったでしょう。だから要はこれは正直に言ってもらいたいのですが、ほんとうに百四条を設けたというのは、大臣のおっしゃっているように、今度の競願なんかの場合処理の仕方がないと思うのですよ、ああいう格好になってくると。だからこれはあえて公共の福祉を守るために、電波法上の抵触のない限りは、申請者に対して公けの立場に立って一つの条件を示してやってもらうことは、必要なことだと思う。これはだから私は否定しない。だからこういう百四条を設けることもある程度わかりますが、しかし十五条の再免許手続に対して、あなたのおっしゃったように、そのためにもう一回これをやらなければならぬということになりますと、そういう例も過去になかったでありましょうし、またスタートしてしまえばこういうことがあってはならぬし、おそらくこういうふうなことになっても理解をしつつまとまったようですから、そういう格好にならなければ免許はもらえないということになりますから、だからそういうふうにして、そのためにあるいはこの百四条を設けなくともと思いますが、それに触れずに、大臣のおっしゃったようにして設けたんだということになれば、私はこれ以上質問を続けなくてもいいと思うのですが、大臣からその点を明確にしていただきたいと思います。
  95. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) この法律案審議の過程におきまして明確にいたしておりますのは、御承知通り非常に新しい複雑な申請形態をとっておりますので、電波法及び放送法等の精神を十分に生かして、円満な電波行政を行う、また円満な免許を行うために必要最小限度やむを得ざる条件または期限という意味で付したのであって、拡大解釈しようとは思っておりません。
  96. 鈴木強

    ○鈴木強君 今の大臣の御趣旨で私も一応了解しておきますが、要は運用が問題になると思いますので、お話によりますと、電波審議会の方で十分に検討されるようでありますから、大臣の独断専行ということはあり得ないと思います。そこで自主的に相当慎重に運用についてもおやりになると思います。しかし、そうは言っても審議会にかけるのは大臣の決済を得たものがかかると思いますから、その決済を得る際においても、一つ十分今言われたような趣旨に沿って運用していただくように、同時に公正に扱っていただくように要望しておきます。  それから手数料の点でちょっとこまかいことにこれからなりますが、お尋ねをしておきたいと思いますか、第百三条ですか、手数料の徴収のところがだいぶん変っておりますが、この改正案を見ますと、今まで幾つかに、船舶の場合を見ましても、その他の無線局の場合を見ましても、空中線電力の出力の大きさによってこの手数料に差をつけておったのでありますが、今回はそれをなくしていわば整理をして、この改正案手数料の欄を見ますと、ロの「放送をする無線局」などは一万三千五百円になっておりまして、従来の放送電力によるものから比べますると、相当手数料が値上げになっていると思うのです。こういう点はどういう根拠によってなされたのか。特にわれわれが非常に今回感謝をしなければならぬのは、無線通信士の免許の期間がいわばずっと更新なしにいけるようになっておることは、私は非常にけっこうだと思います。こういう非常に喜ばしい改正があるかたわら、それは些少の点ではありますが、新しく今度は通信士の免許の申請をする場合に、六にありますように二百円の手数料を取る新しい規定が設けられましたが、せっかく親心をもって更新なしに、これは少い金ではありますが、終身、試験を通れば資格を与えてやろうということなんですから、二百円のようなみみっちい金を取らなくてもいいのではないかと思うのですが、こういう点、あえて取ろうという、欲をかいてたくさん上げた上にまた取ろうという気持が出ている。そこら辺もちょっと理解できない。  それからもう一つはこの百三条の中で、従来は、さっき久保委員からの質問がありまして大臣からお答えになりましたが、国に対しても手数料を取っておったのでありますが、今回国に対しては適用しないことになりました。ただし電電公社と国鉄についてはこれは取るのだ、こういうことになっているのですが、これは私は大臣にも考えていただきたいのですが、公共企業体はあくまでもこれは国有ですから、国からも取るならこれは右へならえでいいと思いますが、国から取らぬというのですからあえて電電公社や国鉄から取る必要はないと思うのです。それがどの程度取らなければ電波監理局の運営ができないということでもないだろうし、国の予算がこれを取らなければまかなえないということでもないだろうと思いますが、どういう根拠、首尾一貫してないと思うのですが、そういう点一つお答え願いたいと思います。
  97. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 本件につきましては、石川法規課長をもって詳細を答弁させます。
  98. 石川義憲

    説明員石川義憲君) ただいまの御質問の点につきましてお答え申し上げます。  第一に、新しい改正案におきまして電力のランクをつけたのはどういうわけかという質問であったと思いますが、先ほどちょっと触れましたように、無線局種類が非常に多くなりまして、制定当時と大へん変ってきております。かつ将来もどのくらいの電力でどういう仕事ができるかという点は、いろいろ進歩すると思うのです。従って法律で現在書いてありますようなランクの欄のつけ方が必ずしも適当でない、将来もまた変化するであろう、従ってそういう点は実情に合うように改正いたしたい、そういう内容政令できめさしていただきたい。そういう趣旨でございます。  それから第二点の、放送する無線局の話でございますが、これにつきましては先ほども触れましたように、ただいまお話の申請手数料が一万三千五百円ということになっておりますが、この電波法ができましたときは、放送局につきましてはテレビジョンがないときでございます。テレビジョンにつきましては一般ラジオの放送局と違いましてかなり申請につきましてもあるいは検査につきましても手数料がよけい要る。どのくらい要るかということはそう簡車に機械的に言えませんけれども、ここでは五割ということに踏んでおります。そしてこれが最高額を書いてありますから、ここに放送局と書いてありますものは、実はそのテレビのものを抑えて書いております。だから全部これだけ取るという趣旨では決してございません。先ほどもお話いたしましたように電力の区分を実際に合うようにいたしまして、現在の現実にいただいております手数料よりも、ものによっては安くなるというものもできるということにいたしております。これは現在まだ決定しておりませんから明確には申し上げられませんけれども、大体そういう方針考えております。従いましていずれも合理化の線がら出たものであると思います。  それからさっきの試験手数料の問題でございますが、現在の取り方にいたしますと一本になっておるということは、試験を受けて合格してもせぬでも同じように取られる、ということの不合理を救済するために、こういうことをいたしておりますが、現実には今度予定しておりますものは、受験者の手数料の負担がふえないようにいたしたい、ということで現在案を考えております。  それから先ほどの公社、国鉄の問題でありますが、その問題につきましては公共性が高いから国から取らぬという趣旨ではございません。国から取るということは、結局一般会計から出した金を一般会計に納める、一般会計の面で申し上げますと、国の金を国が取って国のポケットに納めるということは、手続がふえるだけで意味かない。問題はそのときに特別会計のものをどうするかということでございますが、現実に特別会計で無線局を持っておる例はきわめてわずかであります。それで同じく国でありまして、ただいま私が申し上げた趣旨からは若干違いますけれども、同じ国ということで、この際は整理いたしまして、少し理屈が合わないけれども特別会計のものを国に含めて、要するに国の金、国か一方に出して一方で取るということはナンセンスだ。具体的な例を申し上げますと、郵政省電波監理局では無線局を持っております。国が自分で取って国に歳入するという形になっておりますから、その点実情に合わしたというだけでございます。
  99. 鈴木強

    ○鈴木強君 百三条、そうですね、総括的に幾つかに区分して、細区分をやめて、幾つかの柱を立てて、あとこまかい点は政令によってきめるということですが、その政令によってきある額はもうできておりますか、手数料の何といいますか……。
  100. 石川義憲

    説明員石川義憲君) 従来から検討は重ねておりますけれども、まだできておりません。  試案程度のものでただはじいてみましたところが、大体一・七倍ぐらいに収入がなると思います。従って今百三条の最高額に例をとりましたけれども、最高額の限度を大体現在の三倍ということに押えております。そういう最高額は三倍でありますけれども、先ほどから何度も御説明申し上げたように、いろいろな実際に合うような改正をいたします結果、大体今われわれが考えておりますような、まだ大臣にもお見せしておりませんが、そういう案ではその程度になりますので、実際問題としては非常に合理化されるというように考えます。
  101. 鈴木強

    ○鈴木強君 私は普通こういう法律改正でも、特に法律によって手数料がきまっていない場合は、ある程度法案審議の中で、あとで延ばしてあなたの方で検討していただくこともけっこうですが、しかし少くとも今日まで手数料というものは法律によってちゃんときめて、しかもこまかい区分もして明定されたものですから、この改正をもちろん適正にするために御苦労願ったと思いますが、少くともこの申請に際してこういう政令できめる、こういうものくらいは私たちここでやはり示していただかないと、ただその点を無条件でおまかせして、最高三倍、最低は何倍ですかしれませんが、平均して一・七倍程度です、それも試案でありますということでは、私たちこの法律を上げるに際してもちょっと困ると思う。ですから事務的に非常に困難かもしれませんけれども、試案で大臣に見せておらないということですが、一つ大臣にきょうのうちにでも見ていただいて、忙がしいでしょうが、そうして大体これは監理局の方と大臣の方でお話し合いの上で、この辺が妥当であろうというぐらいのものは、正式にこの委員会に呈示してもらわないと、明日採決といっても困ると思う。ですからこの点を、大へんお忙がしいでしょうが、作業を進めていただいて、あすの朝早くでも委員会開会当初にでも、そういった政令内容をここで一応披露していただきたいと思いますが、その点はできますか。
  102. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 非常に重要な御発言でありまして、まあこういう法律案審議していただく場合のポイントでありますから、明らかに申し上げますが、これは値上げをするというよりも合理化せよということでやるわけでありますから、これは慎重にきめなければいかぬと思います。でありますが、きょうのうちにこまかいものをばたばたきめてお見せをするよりも、慎重を期すために、この法律案を上げていただいても、この法律による改正案が不当なものにならないように、きめる前には委員会で御相談をしてもらうことの方が、もう一ぺん……何回か慎重に審議をしてきめる、こういうことをお約束しておいた方が、かえっていいと思うのです。私の方でどさくさにきめて、より妥当なものにならなかったというよりも、ただいまの御発言もありますから、お互いが一つ納得のいくような方法を将来とるということを明確に申し上げておいて、御了承いただける方がいいのじゃないかと思うのです。
  103. 鈴木強

    ○鈴木強君 私も火事どろ的に拙速審議をきらう方ですから、大臣のおっしゃる通りでもいいのですが、ただ石川さんのお話によると、ある程度試案的なものもあって、ここに倍数が示されましたから、ちょっと申し上げる気になったのです。最高三倍、平均一・七倍ということになりますと、一般的な、たとえば電灯料金とかNHK料金というようなことになりますと、たとえ十円上げるのでも大へんな騒ぎです。しかし、たまたまこれは適用になる範囲が少いものですから、ある程度気楽に皆さんも考えているかもしれませぬが、しかし、問題によっては、私はこの二百円の新しく免許申請に対して金を取るなんということだって、いろいろ理屈はあるでしょうが、いわば、率直に言って相当に不当だと思うのです。今までなかったものを今度新しく取ろうというのですから、その理由だって、率直に言ってあまり明確でないのです。だから、言い出せばいろいろありますけれども、事と次第によっては、出し方によっては相当やはり世論の反撃を食う問題です。だから、あえて法律から削って政令に回そうとおっしゃるのだから、われわれはそれをただ政令にまかせるということだけでは心配ですから、大臣を信頼してくれといえば信頼していいのですから、どういう方法でもいいのですけれども、しかし、まあ無理にやれというわけではないのですから、事務当局の方である程度作ったものがあるなら、それでもいいですから、一応大臣にも目を通していただいて、そうしてあしたできたらやっていただく、もしできなければ、私は値上げすることについては反対なんです。率直に言って反対なんですから、いずれまたその節委員会の方にお諮りしていただく、大臣のおっしゃるようでもいいと思います。無理なことは言いませんから、そういう点で一つ相談していただけませぬか。
  104. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) わかりました。
  105. 鈴木強

    ○鈴木強君 それから、石川さんのお話によりまして、テレビジョンの場合は、「放送をする無線局」ということですね、これでいいのですね。そうしますと、百三条の二号のロのところに、「放送をする無線局九万九千円」というのがございますね。それから今度八号のところへ参りまして、ロに、「放送をする無線局四万九千五百円」、こういうふうにございます。これはどういうふうな、七十三条とか規定がございますが、ちょっと私この点不勉強でまことに済みませんが、ちょっと教えていただきたいと思います。
  106. 石川義憲

    説明員石川義憲君) 説明申し上げます。百三条のワクの中の一というのは、申請手数料でございます。それから第二の第十条、これは落成後の検査、普通落成検査手数料と称しております。それから第三のものは、これは従来定期検査といっておったものでございます。それで、今度若干法文を変えておりますけれども、定期検査をやるときの手数料、これを出しております。それから八は、これは整理いたしておりますから、前の三となっておりますのを切りまして新たに八といたしまして、七十三条のそこに入っておるのであります。
  107. 鈴木強

    ○鈴木強君 八の方はそうすると検査のあれですね。
  108. 石川義憲

    説明員石川義憲君) 定期検査
  109. 鈴木強

    ○鈴木強君 四万九千五百円ですね。
  110. 石川義憲

    説明員石川義憲君) そうです。
  111. 鈴木強

    ○鈴木強君 第十条に新しく捜入されております落成したときに郵政大臣に届け出て、さっきの検査の点でございますが、「無線従事者の資格及び員数」これはいいのですが、その次に「並びに時計及び書類」と、こう入っておりますね。ところが第六十条との関連で、ここにはっきり「無線局には、正確な時計及び無線検査簿、無線業務日誌その他郵政省令で定める書類を備えつけておかなければならない。」と、こう書いてあるのです。ですから、私はこれとの関連で、第十条に特に時計と書類というのを入れたのはどういうことですか、入れなくとも済むのじゃないかと思うのですけれども、この点ちょっと御説明していただきたいと思います。
  112. 石川義憲

    説明員石川義憲君) 非常にこまかいことでありますが、先ほどちょっと触れました「時計及び書類」、これは業務用の書類、条約で要求されておる書類でありますが、これが現在六十条の必要備えつけ書類になっております。この第十条という規定は、最後の検査でありまして、この検査に合格したならば、無線局の波を出してよろしいということになりますので、その際にこれが備わっておることが必要である、実際今でも実は大体こういうふうになっておるのですけれども、この際明確になっておるということは、法律上はなっておりませんでしたけれども、当然出発いたします時計の必要な局としては、その時計がなくても困るということで、出発上必要な具体的なものを、ここに検査するという対象に加えたのでございます。
  113. 鈴木強

    ○鈴木強君 これはちょっと、石川さんのおっしゃるのはどういう意味で言われているのか、ピントがはずれていませんでしょうか。第十条の規定は、第八条の予備免許を受けた者は、工事が落成したときに、その旨を郵政大臣に届け出る、それで、その無線設備と無線従事者の資格及び員数、これを検査を受けなければならないというのが現行法ですね。ところがその六十条を見ますと、ここには義務規定として、当然「正確な時計及び無線検査簿、無線業務日誌その他郵政省令で定める書類を備えつけておかなければならない。」という規定があるのですから、こういう規定を置きながら、なおかつそれがあるかないか検査するということなんですが、しかし、ここで特に時計と書類を、これは今まではなくても、今あなたがおっしゃったように、実際にはやられておったのでしょう。私はこの六十条を厳密にいえば、検査すること自体も、法律からいうとおかしいような格好になるのですね、念には念を入れるとおっしゃるのかわかりませぬが、ちょっとダブっているように思うのですけれども、しかし、今まで実際運用上時計とか書類は六十条によって当然置かなければならないものであるので、あえて検査をしなくてもよかったんだと、こう思うのですが、私はどうもここで時計と書類というものをここで入れなくてはならなかったのか。その現実論でもいいのです、実態論でもいいのですが、あなたの方の必要性ということを説明してもらえばわかるのです。
  114. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 私もちょっと見ると、六十条と十条が入れかわっておると非常によくわかると思うのですが、同じことであってこの六十条の方に備えつけ業務が明確になっておるのです。ところが、この六十条の改正というものは後段において「但し、郵政省令で定める無線局」ですか、つまり小さなものに対しては、「これらの全部又は一部の備えつけを省略することができる。」という除外例を改正法で開いてあります。この十条は御承知通り、落成後の検査規定した条項であります。でありますので、六十条の備えつけなければならないもの及び無線従事者の資格及び員数等について検査を受けなければならないという現行規定がありますから、それで六十条に今度除外例を設けましたが、六十条をここに入れて、同じくあわせて時計及び無線業務日誌等も検査を受けた方がよろしいというふうに親切にやっただけであります。だから、非常によくわかっていただけると思うのです。
  115. 鈴木強

    ○鈴木強君 これはむしろ船舶無線のような場合ですね、これはそうでなくて、非常無線関係は非常に沈黙時間がありますから、時間は非常に厳格でないといけないと思いますが、特に船舶などの場合は外へ出るのですから、だから出航する場合に正確な時計であるかどうかを念を入れていくということはけっこうだと思います。そういう意味においてけっこうだと思いますが、その場合とは違うのですね。今、大臣がおっしゃったように、予備免許を受けたものが工事を完成したときにこの検査を受けるということですね、しかし、当然この無線局というものは、こういう六十条の規定というものを明確に具備していなければできないことになっておるわけですから、だから考えようによっては確かに大臣の言ったように、たとえ郵政省令で定める局がどういう局か知りませぬけれども、そこでそういうものはなくてもいいのだ、こういうようなことは逆で、ちょっと言わんとする趣旨とは精神的に相反するように思うし、むしろどういう局であって、時計というようなものは厳格にやるというのは、改正するならするで、それはほかのものと違いまして、時計なんかは厳密にやられるならやられた方がいいと思うのですよ。しかし、いずれにしても船舶局の出航の際の検査と違いまして、予備免許が認可された工事が落成したときにやられるわけでありますから、どうも私は六十条の規定はなくていいのじゃないかと思いますが、今まで何か時計でまずい点があったとか、書類で不備な点があったことが指摘されておるのですか、まあしかし、これは行政面の指導でやってもいいのだから、あえて私は入れることに反対もしませぬけれども、どうもあまりこまか過ぎると思う。こまかいことであっても、考え方は重大ですから、だから僕はずっと見てみてこの点は質問しておくわけですよ。
  116. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) あなたのように、非常にこう緻密に考えていただくと、確かに私もこんな条文要らないなと思うのです。と思うのですが、これはもう法文の体裁といいますか、一つの形として第十条かで絶対必要な必須条件として何々を備えつけなければならないと、こう規定した以上はどこかで検査に応じられるようにしなければならない、検査を受けなければならないというふうに普通規定するのがいいわけであります。でありますが、十条に対してはこの備えつけ要求、六十条に要求しておるものに対しては検査の条項がなかったわけです。当然あればよかったものがなかったわけですが、今度は六十条に除外例を設けましたので、まあ現行法でも、いじるわけでありますから、入れておけばいいじゃないかというわけで十条にやったわけであります。ところが、出港というようなときに厳密に検査すればいいのですが、落成のときに検査すると、これはもう相当期間間違いのない時計たというくらいにしか検査ができないわけなんで、実際この十条からいいますと時計内容とか何かでなく、時計もある、帳簿もちゃんと備えてあるということを確認することだけにしか適用されないと思いますから、どうしてもなければならぬというものではありませぬが、法文上の体裁からあってもいいと、こういうように考えておるのであります。
  117. 鈴木強

    ○鈴木強君 私の言わんとするところを大臣言ったのですが、たとえば十条というのがそれほど必要であれは、私は十条の上に、なお郵政の人たちが検査をするのが好きなのだから行って検査をするということは、やっぱり官僚というか何というか、おれは検査官だというような気持があるので、喜ぶことだと思うのだが、そういうことはないと私は思いますがね。しかし、十条によって免許を受けたというものが落成をしたときだけこういう厳格な規定を置いている。じゃ、これは何年に一ぺんやるのですか。落成したときだけやればいいのですか、そうじゃないのですか。大十条というものが私は生まておるので、六十条はほんとうの義務規定ですからね。これだけはどうしても備えつけなければ無線局はだめだという条文ですから、これによって私はすべてが事足りていると思うのですが、この時計とか、書類の検査というのは、時計検査は何年に一ぺんあるのですか。
  118. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) なるほど私も今条文を見ましたら、六十条では置かなければならない。絶対備えつけ必須条件としてあるわけです。七十三条に、「郵政大臣は、毎年一回、あらかじめ通知する期日に、」云々とずっとありまして、第六十条の時計及び書類を検査させる、「但し、その年に免許を受けた無線局及び外国地間を航行中の船舶の無線局については、この限りではない。」というのがありますから、だからその七十三条、毎年一回やらなくちゃならないくらい重要な時計だから、落成検査のときは当然やらなくちゃいかぬ、書いておこうと、こういうふうに受けているわけですから、一つ御了承いただきたい。
  119. 鈴木強

    ○鈴木強君 わかりました。六十条に時計、書類が書いてあるのだね、こっちの方には抜けておったから入れたと、こういうことですか。
  120. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) そうです。
  121. 鈴木強

    ○鈴木強君 それならそれでいいんです。それからもう一つ、さっきの手数料を国鉄と電電だけは除外しないということについては、僕はどうしても大臣、納得できないのですよ。要するに特別会計と一般会計とおっしゃるが、どうもこれは電電公社の場合には、もちろん政府機関の機関予算として別にやっておりますから、特別会計にすればそれは間違いないだろうが、一般的にいうと、特別会計じゃないのですよ。予算は三本立になっておりますからね。そういう意味一般会計とは別だということはわかりますが、しかし、国有公共企業体という新しい形態なんですよ。これはもうすでに固定資産税をかけようということで、確かに電電とか、専売とか国鉄に対して、そういうことが一昨年からやられておりまして、これは非常に非難ごうごうなんですよ、率直に言って。だから、これは廃止すべきだと思うのですがね。しかし、そういうことは別としても、どうもその、国のこの無線関係手数料を取らぬということであるならば、これは一般会計でたらい回しに何とかかんとかということでなしに、やはり取らぬということは、もっと理論的な問題があるはずですから、一般会計から取るものは取って、出すものは出すのだから、そういうことでなしに、やっぱり明確に国鉄と電電を抜かしたという理由が、さっきの石川さんの説明では不十分ですよ。私はどうしても納得できないのですが、大臣はどう思いますか。
  122. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 私も半分くらいはあなたの思想に賛成なんです。私も一般会計の間でもって、同じことをやったり取ったりは、郵政省は自分で免許をしておって自分が金を払っているということは、これはおかしいので、こんなものを切ってしまおうじゃないかという軽い気持で整理をしたわけです。問題は、民間と——一般私人と公社との問題をどうするかという問題でありますが、公社も政府関係機関でありますし、もちろん公益事業の最先端をいくものでありますから、公社にそういう特権を与えても悪いことは考えておりませぬ。私は特に公社に対しては、幾らでもめんどうを見ようという気持でありますから、私の思想からいえば公社を除外してやるということは考えられぬと思います。でありますが、この問題はまだ今の固定資産税の問題と、また公社が民間に移っていくというような場合も考えられますので、慎重に一つあなたの今の御発言を中心にして考えてみるようにいたします。
  123. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあしかし、大臣重大な発言ですよ。公社が民間に移っていくなんていうことは、少くともこれは大臣、この段階で言われては困るのです。私は。公企体の答申案も出て、私は予算委員会であなたに質問をして明確になっておりますから、そういうこととは別にして、とにもかくにも公社から取るということはこれは私はまずいと思うので、まあわが党も考えますが、半分ぐらい賛成だというのだから、もう少し押せば私は全部賛成になると思うのですが、大臣は院議に従うということをよく言うので、この点はちょっと矛盾したことはなさそうですが、人間は神様ではないのですから、間違いもあるんですから。やはりどうも大臣の言われているような公社を思う気持からすると、ちょっと矛盾しているように思いますから、私たちもよく考えますから、大臣もその点はよく考えておいていただきたいと思います。
  124. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) このたびの法律はこれは原案のままでお願いいたしますが、次の段階までには一つ十分ただいまの御発言を中心にして考えます。
  125. 鈴木強

    ○鈴木強君 それは大臣答弁しなくても……そういうことになると困るので、僕らはよく考えますから、まあ改正の段階ですから、一つ悪い点をまたいい方に直そうじゃないですか。私は質問を終ります。
  126. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記をとめて    〔速記中止
  127. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記を起して。
  128. 山田節男

    ○山田節男君 先ほど鈴木委員の質問があって、あるいは大臣そのほか政府委員の御答弁で重複しておったら、もうこれは議事録であとで拝見しますから御答弁の必要はありませんが、先ほど鈴木委員から質問のあった例の第百四条の二の問題、先ほど大臣答弁あるいは説明員答弁がありましたが、この第百四条の二の「予備免許免許又は許可」は無線放送局を含むことなんですか。
  129. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) その通りであります。
  130. 山田節男

    ○山田節男君 そうしますと、郵政省に、ことに大臣の諮問機関として電波監理審議会というものがあって、これは単に技術的のみの審議じゃないので、放送法の定むる電波を最も能率的に、しかも公共の福祉に適合するようにこれを審議するわけです。ですから、大体大臣の諮問機関である電波監理審議会、さらに電波の技術の方の審議会もあるわけですから、なぜこの第百四条の二に、放送局も含む予備免許、許可について条件、期限を付する必要があるのか、この点が、これはことに放送局、無線放送をしておるものにとって、これはわれわれにいつも疑問視した点を訴えてきておるのでありますが、この電波法趣旨からいって電波を最も公平に、しかも能率を上げるように、しかも公共の福祉にこれを適合するようにやる、これも根本原則です。諮問機関が二つもある、それで十分条件というものは法文にもうたっている資格要件というものにちゃんとあるのですから、それ以外の条件というきわめてばく然としたものを法によって規制するということは、先ほど来鈴木委員大臣との応答を見ておりますと、やはり非常にこの点を乱用されるのじゃないか。ですから、むしろ誤解を受けないためにも、また不当な干渉ができるというような憂いをなくするためには、むしろこういう条件とかあるいは期限というものは政令でやる、これは規則によってこれを規制した方がむしろ今までの電波法の精神からすれば妥当なんじゃないか、どうもこの第百四条の二に特にこれを挿入したという必要が、さきの大臣の御答弁の一部分を聞いてみて、電波法の精神からもどうも納得できないのですが、先ほどこの期限ということ、たとえば周波数を使用する期限が云々ということを言われましたけれども、これは一つ行政措置であって、何も法律で期限なんかきめる必要はないので、これは明らかに行政措置なんです。さらに条件といいますが、電波法に定められる免許を受ける者の資格要件、あるいは免許を申請する者の要件というものは法に明示してあるのですから、それ以外の条件というものは具体的にどういうものがあるか、この点一つはっきりとさせいてただきたいと思います。
  131. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) これは、今般予備免許を与えるときに非常に問題になったのでありますが、第七条、第八条によって条件を付せられるものは非常に技術的なものであります。周波数とか、それから電力の問題とか、それから工事完成期間とか、必要なものとかというような非常に限られたものでありますが、今までの例よりも非常に変っておりましたのは、新しく今度無線局の申請しましたのが非常にたくさんの人たちで、しかも優劣を付しがたい、しかも電波法並びに放送法等の精神を貫くためには二者択一というよりも、より合理的な企業体ができればよろしいというようなもので、混合方式をとったわけでありますが、そういう場合には、混合方式を完成させるために必要ないろいろな条件があります、ありますが、しかも停止付条件の免許というものに対しては三月三十一日という期限を付したのですが、この中には、九九%うまくまとまりましたからよかったのですが、中にはまとまらなかったものが一社ありましたが、どうしてまとまらなかったといえば取締役会の過程においてもいわば法律が明示した期限を付しても一向に、それは無効にならないで、これはあくまでも有効なんです、裁判で争えばこっちへくるのだというような意見がいろいろ出るわけでありますので、電波監理審議会でもそういう意見をつけるということはもちろん妥当なことと私は考えますが、できるだけ法律に明定した方がいいことでありましたので、条件及び期限を付することができると、こういうふうに明確に規定したわけであります。
  132. 山田節男

    ○山田節男君 少くとも法律でこういう免許あるいは予備免許の許可に条件を付するということは、これは先ほど申し上げた電波法でちゃんときめておる免許申請の資格要件、あるいは免許を受ける資格要件、これは明示してある。これは法律できちんとしてある。だから、その他の問題につきましては、今申し上げましたように、大臣は二つも審議会を持っているわけです。これでいろいろな条件がきまるわけです。要は法律で示すべきものは、電波は国民の共有物であるからして、なるべく能率化して、公共の福祉に合うように、しかもこれを公平に分配する、これを監理せねばならぬ、これははっきりしているのですが、なおその上に万全を期するために電波監理審議会におきましても公聴会というものがある。これば、ことに無線免許については、なぜ公聴会というのが民主国家において尊重されるかといえば、結局公共の福祉のためにこれか最も合理的に、いいように配分するために公聴会というのを開く、日本にも公聴会制度を行なっているのですから、そうしますと、大体免許あるいは予備免許の許可の条件というものは、そういうもので結論が出る、今大臣のおっしゃるようなのはこれはめったにないことですが、今回のテレビジョンの民間放送、公共放送の免許を一度に何十というものをいたさなければならない、こういうことが殺到した場合に何か条件、期限がほしい、こう思われるのじゃないかと思いますが、これはもう田中大臣が今回の何十というテレビジョンの公共、民間の放送に予備免許を与える場合に、その申請者に対して一つの条件を明示されて、しかも期限を付して、そうしてこれでよければ免許を与える、こういう措置をおとりになった、これは一つ行政措置なんです。これは、ですからもう行政措置でいいのです。しかも大臣行政措置でできることなのです。それをもし、今、大臣がおっしゃった、また、大臣が絶えずやられたことを法制化しようとする意味ならば、先ほど来、繰り返して申し上げるように、この電波法の精神に非常にこれは相反するのじゃないか、こういう印象を持つわけです。ですから、これは放送局の開設の基準規則にしましても、これなんかも法で規制すべきものではないかということが本委員会でしばしば論ぜられた。しかし、これは別格にああいう規則を設けられて、これによってやっておる。これは大臣行政措置的にやるにはあまりに重大であるから規則によってやっておる。ですから、今、大臣の意図されるようなことは大臣行政権範囲内でやる、そういう誤解を受け、また、おそれをいだかしめるような修正をするほど、緊迫した問題があるのではない。今後テレビジョンに何十という予備免許を与えるということはこれはないのでありますから、再免許という場合には、これは新しい予備免許と違うのでありますから、何を苦しんでこういったような一種の拘束規定をここに設ける必要があるかということが、どうも大臣の今までの御答弁では納得いかないのです。そこにやはり官僚が不当に干渉するのじゃないかという、実は電波法に反する一つの不安といいますか、疑惑を持っておる。ですから、もしこういう条件、期限を付するのだったなら、もっと内容を明らかにするとか、さもなくんば、条件、期限ということを何かはかの言葉で、簡易な一つ——条件ということに違いないが、こういう「条件又は期限を附する」ということになると、今申し上げたように、不当に干渉を受けるのじゃないかという不安を一般の者に持たすわけです。私はどうもこの百四条の二にこういう規定をわざわざ設ける必要はない。これが意図されておる事項大臣行政権でもって、自由裁量の範囲でこれをやり得る。こう思うのですけれども、どうでしょうか。
  133. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) これはもちろん電波監理審議会の議を経て、答申に基いて予備免許を与えるわけでありますが、法律に明定がありませぬと、非常に物議をかもしやすいのです。どういうことであるかというと、電波無線局の予備免許の交付を受けたら会社を作ろうという発起人でもって出してきておる。そうしますと、電波法で与えなければならないということでありますと、競願者がなければ与える。与えると、実際にとんでもない会社を作ってしまう。ということは、発起人の代表者ばかりが会社を作ってしまって、実際にいつまでたっても中がごたごたしておって、われわれが当初与えたような結果が起きないという問題があります。でありますから、普通であるならば、じゃ作ればいいじゃないかというので、作って、その条件が具備されれば予備免許を与えるということでもいいのでありますが、いずれにしても発起人に予備免許を与えなければならないというような問題が起きておりますので、電波法及び放送法等が正しく運用されるためには最小やむを得ない限度において条件を付する。しかも、条件や期限というものは、この法律事項に必要な最小限度のものであり、公共の利益に反したり、不当な義務を課すというようなことであってはならないというまくらでもってきちんとしぼってありますから、そういう意味ではどうしてもこういう条文を必要とする。もう一つは、行政措置で、行政権範囲内じゃないかというのですが、行政措置で、行政権範囲内で私はできると思っておるのですが、法文に明定がありませぬので、争いに対して対抗することができないのであります。もう一つ、御承知通り競願者等から郵政大臣に対して異議の申し立て、その他のものが出た場合は、当然電波監理審議会で裁判を行わなければならぬものですから、そうしますと、自分でもってつけた条件に対して、また自分で裁判をしなければいかぬというような立場から考えても、行政措置でできるというようなことではなく、やはり法律において予備免許免許または許可に際して、最小限の条件、期限を付するということかできるという法律的権利を明定しておく方がよろしいと、こういう考え方のもとに条文を設けておるのです。でありますから、これを拡大解釈して、いささかも電波法や放送法に逆行したような行政措置を行うというような考えは毛頭ございません。
  134. 山田節男

    ○山田節男君 これは、大臣の口からもしばしば言われたように、現行法ではだれでも一般の、一つの資格要件さえ備えれば免許の申請ができる。自由にできるわけであります。政府もこの条件さえかなっておれば許さなければならない。こういうことですが、もちろんこれは電波法の根本精神でありますが、先ほど申し上げたように、たとえば一つの周波数に対して二つ以上の競願者がある。一つの条件を定めておいて、それで一つにしぼる法的根拠を持ちたいという御意向じゃないかと私は思うのです。しかしこれは、こういう例は、私は、今後はたくさんないだろうということ、それからもう一つには、もしそういう免許を申請し、またそれを一定条件のものに許可を受けられるという自由といいますか、その権利を、ある条件をつけて、これを拘束するということになれば、これはばく然としてただ「条件文は期限を附する」というようなことで国民の免許申請の自由を束縛すると、その内容を法的に具体的に示さないと、非常にばく然として、ただ「条件又は期限を附することかできる。」というのでは、これは民主国家の、しかも現下の情勢の法律としては、非常にこれははく然としておる。しかも自由を侵害される。ここに根本的な一つの疑いを生じてくるのは、私は当然のことだと思うのです。ですから、先ほど大臣の申されたような、実際、大臣権限でやるにしても、法的根拠がほしいとおっしゃるならば、その根拠を法にやはり明示しないと、これはいけないと思う。ですから、過般のテレビジョンの予備免許について、大臣が非常に困られた。一つの波に対して三つも四つも出たために、措置されるに困るということは、これば私もよくわかるのです。しかし、これは、大臣がきわめて手ぎわのいい行政措置によって、一社はまとまらぬにしても、あとは、九九%というものはこれでまとまっておるんです。むしろそうした方が電波法の民主主義といいますか、自由、これが守り得る。こういう項目を入れると、電波法の民主的な電波の観測研究というものが、これによってスポイルされる、こういう感じがするわけです。どうも今の大臣の、これによって、この適用によって、一つ万全を期せようとされる点が、法で明示されるならともかくも、こういうばく然とした条文のもとに行政的にそれを根拠としてやるという危険がどうも私は非常にあると思うのですね。その思想が今の電波行政電波法の根本精神にとって、非常に危険である。こういう疑いを持つのは私はむしろ当然じゃないかと思う。
  135. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) それは、今の山田さんの御発言、よくわかります。私も、自由を侵害してはいかんということはわかるのですが、そうなると、野放しということになるのであって、しかもこのいわゆる電波法の第一条に、「この法律は、電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」というような、「利用を確保することによって、公共の福祉を増進する。」これは、公共の福祉を増進することと、円満な行政権が行えるということに対して、最小必要限度の条文を設ける。これは免許の責任者としてはどうしてもやらなければならぬというものに対しては、そういう条文を必要とするわけでありますか、百四条の二項というものを新しく設けたことは、いわゆる期限を付し、条件を付することが、電波法の精神に逆行するような、いわゆる官が不当な干渉をするようになっちゃいかぬということで、二項に、公共の利益を増進することをはばむような、しかも当該処分を受ける者に不当な義務を課するようなものであってはならない。そういう原則がぱんとはめられております。はめられておりますから、できれば私も先ほど申し上げましたが、政令とか省令とか、できれば、左記に列記するような条件または期限を付することができるというふうに書くことが一番この法の精神を侵すおそれがなくなるわけでありましてそういうことを考えたわけです。考えたんですが、これはもういろいろな例によって、まあ法律に書く場合には、予備免許の失効する——予備免許の効力を停止せしめる期間といえども六カ月にまたがってはならぬとか、まあ法律的に書いてもなかなかむずかしい問題であります。でありますから、少くともそういうおそれが全然ないように、百四条の二の二項の後段でもって、その条件または期限の範囲というものを非常に狭めてありますから、それと、今の放送法の公共の福祉を増進するためのもの云々というふうにしぼってあるように、非常にしぼってありまして、必要最小限の条件または期限を付する。もちろん、電波法や放送法に逆行するような条件や期限を付すようなことはないということでありますので、これ以上に、まあこういう条文を削除してしまえば別でありますが、そうでなければ、こまかく明定をするか、また次の段階において省令政令に譲るか、現行のままにするか、どっちかしかないと思うのです、私は、予備免許を与えてみて、非常に痛切に感じましたのは、中に、法律などというのは、みんなが善良であってくれればいいんですが、予備免許はわれわれは自動的にもらえるのだ——もらえる権利ばかり主張して、国民的義務観念を全然考えない人がいる。予備免許をもらえば、われわれが合同しようがしまいが、そういうものに対しては一切無効宣言などあろうはずはないので、明らかに予備免許をもらったものは有効なんだという議論をする人が非常に多くて非常に困っておるのです。そういう意味電波法の円満な施行をはかるために、必要最小限に条件または期限を付そう、こういうのでございまして、これを拡大解釈しようなどという考えは全くないものということをあらためて申し上げておきます。
  136. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記をとめて。    〔速記中止
  137. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記を始めて。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時五十二分散会