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1958-03-06 第28回国会 参議院 逓信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月六日(木曜日)    午前十時五十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     宮田 重文君    理事            松平 勇雄君            山田 節男君    委員            石坂 豊一君            黒川 武雄君            新谷寅三郎君            前田佳都男君            久保  等君            鈴木  強君            光村 甚助君            森中 守義君            横川 正市君            野田 俊作君   国務大臣    郵 政 大 臣 田中 角榮君   政府委員    郵政政務次官  最上 英子君    郵政省電気通信    監理官     松田 英一君    郵政省電気通信    監理官     岩田 敏男君    郵政省貯金局長 加藤 桂一君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君    日本電信電話公    社業務局長   吉沢 武雄君    日本電信電話公    社資材局長   和氣孝太郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵便為替法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○郵便振替貯金法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (テレビジョン電波割当計画に関す  る件)  (日本電信電話公社工作工場等に関  する件)   —————————————
  2. 宮田重文

    委員長宮田重文君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、郵便為替法の一部を改正する法律案及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き質疑を行います。
  3. 横川正市

    横川正市君 昨日私の方から事務当局へ、最終的に賛成をするといたしましても、その取扱い上、ことに現金を取扱う上で、相当程度防犯意味を含めて、そのいろいろな内容を完備してもらいたいということを要望し、たとえば封筒であるとか、あるいは証紙であるとか等について、郵便現金封筒との関連でどういうものを取り扱うのかについて質問をいたしておったのであります。それからもう一つは、法案提出までの間に、電電公社との間で委託料金等について、まだ最終的結論が出ておらないということでありましたが、これはどうも法案提出までにその手続が了しておらなかったということは、少し法案提出までの過程からいって、ずさんではなかったかというふうに思うのですけれども、その点、今日お答え願えれば、一つその点をお答え願いたい。
  4. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) お答えいたします。昨日当委員会電電との間の話合いはどうかという御質問をいただいてまことに恐縮でありました。この法律案を出しますときに、根本は、電電公社から郵政省に対しての要求がありまして立法を私が考えましたので、この間の間は非常に円満にいき、今まではどうも少し法律が片寄り過ぎてぎしぎしいたしておりましたので、こんなことは両方でもって譲り合って道を開けばいいじゃないかということが、この法律案の改正の契機になりましたので、両方の間では円満にものが運ぶという考えでおりました。昨日もすぐ、委員会での御発言がございましたので、郵政省電電公社との間で話を進めましたところ、円満に話がつきました。もちろんこれはつくという前提でもって法案を出して下さい、出しましょう、ということでありましたので、その内容を申し上げますと、おおむね電信為替振替事務原価はどれくらいかということになりますと、大体二十一円程度になるようであります。今度電電公社委託事務を受けますので、郵政省に払わなければならない金額はどの程度かといいますと、今まで一通に対して大体二十五円の電報配達委託手数料郵便局に払っておりましたから、こちらが二十一円払って向うから二十五円もらうということであれば、まあこれは相殺勘定を起したらどうか、こういうふうに話をしました。それで厳密に、二十五円郵便局に払っておるものが正しいのか、またこちらが二十一円払うというのが正しいのかは議論のあるところでありますから、非常に近しい間だし、そういうわけで二十五円と二十一円を相殺勘定しよう、どちらも払わないようにしよう、こういうことで円満に話がついたわけでございます。  それから現金封筒の問題につきましては、今お回しをいたしますが、今まで使っております現金封筒は青色でありますが、今度はこういう色でもってやりたい、チョコレート色であります。なぜチョコレート色にしたかというので私も聞いてみたのですが、赤か黒かもっとはっきりしたらどうか、赤か黒にすると慶弔いずれかにひっかかるのです。慶弔いずれも使えるということになれば、やはりこの程度のものを使わなければいかぬというのでチョコレート色にきめました。ここに現金封縅紙その他のものがございますので、あとから一つごらんいただきたいと考えます。
  5. 横川正市

    横川正市君 相殺勘定ということになれば、なるほどその金額からいくと二十一円と二十五円ということですから、開きは四円で大したことはないといえば大したことはないようですけれども、実際にはこれはどうなんですか、電電公社として、要望したという側に立って四円負けてしまったということにならないですか。実際上は、相殺勘定ということ、その点、いささか私はやはり郵便局料金を決定するときのものの考え方といいますか、そういった点に、この間光村委員からも原価計算要求書を出されて、その要求書に基いて出された原価計算表というのを見てみますと、料金というものは政治的ないしは公共性というものを非常に高く評価されて、実際上は郵便その他は増収になっているからそれ以上上げられないのだという意見も片面にありますけれども原価計算をすると、実際上、そういう面でまことにどうもつじつまの合わない料金決定がされている。こういういろいろな料金の中にそういう矛盾点があるわけですよ。ですから今度の場合も、私はこの料金をどういうふうにきめるかということに立って相当慎重にされたと思うのでありますけれども、もうこの件に関する限りは、そういうばかなことがなくて、将来原価計算をやっても決して赤字になるようなことはないのだと、こういうふうな考え方でやられたのだろうと、こういうふうに思うのですね。そうすると、今のように二十一円程度のものがかかる、それから郵政二十五円配達料として払っておった、これは相殺されたのだということで、何かそこに無理があるようにも思われるのですが、全然これは無理がないということでやられたのかどうか、その点一つと、それからもう一つは、冠婚葬祭ですからね。印刷その他、今この封筒を初めて見たのです。それで封緘紙はこれはこれでいいとして、封筒はどうなんですか。これは二種類ですね。これは印刷手数料その他の問題はあると思うのですが、同時に、喜び悲しみのやつがこの中に入るわけではないのですね。喜びのためのあれが入っていくとか、悲しみのためのあれが入っていくとか、必ず分れるものなんでしょう、実際上は。それで分れるものなら、これはちょうど電報封筒がそうのように、二つ印刷を分けたらどうなんですか。色、デザインを変えてみたらどうなんですか。もし印刷していなかったならその点も考慮したらいいのじゃないのですか。
  6. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 二十一円と二十五円との四円の差をおおむね妥当として相殺勘定を起しましたが、事務的な問題に関しては、政府委員をして答弁せしめますが、その封筒の問題は、今のところではそういう一案がありまして、それは慶弔ともその封筒を使おう、中に入っている電報用紙慶弔おのずから違う、赤いものが入ったり、黒いものが入ったりと、こういうわけです。しかし、そこまでやるなら封筒も赤と黒にはっきり分けた方がいいじゃないかという御議論があれば、これはまだ現在刷っているわけではありませんから、ある意味においてはもう少し研究してもよろしいと、こういうわけでございます。
  7. 加藤桂一

    政府委員加藤桂一君) ただいま大臣から御説明がございましたのを補足させていただきますが、実は、電電公社事務の一部を委託するその委託事務内容をもう少し詳しく分析して御説明いたしたいと思いますが、それは電信為替のいわゆる振り出し受付事務の一部を委託するわけでございます。その電信為替振り出し受付事務と単にいいましても、その内容四つからなっておりまして、簡単に申し上げますが、差出人から電信為替振出請求書を受け取りまして、これを検査して為替金料金に相当する現金を受け取る事務、それから第二は、受領証書及び原符を作りまして、受け取りを要するに差出人に渡すという事務、第三は、為替電報名あて局調査しました上、電報発信紙を作りまして為替電報を発信する事務、第四といたしましては、当日扱いの電信現金計算して確かめるところの目締め決算事務、この四つからなっています。このうち電電公社委託する事務としましては、前の一と二の二つ事務でございます。  それから先はどういうふうにやるかと申しますと、電電公社との現在の話し合いにおきましては、一々電報局郵便局——付近郵便局とがきめておきまして、その郵便局のところで責任者お互いがきめておきまして、電話で、これだけの申し込みがあった、幾ら幾ら申し込みがあって、どこどこへ送るものだということを電話で照会し合いまして、そして郵便局で今度は為替を組んで発信すると、こういうことになるわけでありまして、従いまして、この四つ事務を全部原価計算いたすということは、なかなか現在はっきりした数字を出すということはむずかしいわけでございますが、昭和三十一年度に作りました資料でございますが、この振り出し事務原価計算いたしますと、大体六十九円九十銭という数字が出るわけでございまして、電電公社に一と二の事務委託するということになりまして、その事務の割合が大体この中の約三〇%ということになる次第でございます。従いまして、その原価が大体二十一円程度になる、こういうことになったわけでございます。それで電電公社に二十一円を一通につきましてこちらは支払うということが至当なわけでございます。ところが一方におきまして、電電公社の方のこれは御言い分もございますが、受取人の所にその現金封筒が参りまして開くと中から電報が出てくる、慶弔電報にしましても、出てくるというときに、これは通信文でございますから、どんな紙に書いて知らせてもいいということになるのですが、それではせっかく電電公社と話し合ってやる意味がないのでありまして、これは電信電話公社用紙を使いましたちゃんとした電報と同じものを配るというところに意味があるのでございまして、従いまして、こういうものを委託しないとしますれば、もとの制度でございますと、電信為替を打たれた方が必ず別に電報を打つだろう、そうすると電電公社の方では配達事務が必要になる、その場合に、直轄局のない所では、郵政の方に委託して電報配達をしているわけでございますが、それについて一通二十五円というものを郵政省の方に委託手数料として払っている、こういう状況でございますので、それが私の方の郵便局の方でその現金封筒の中へ一緒に入れまして、電報を届けるということになりますので、二十五円と二十一円、二十一円程度でございますが、それとの開き四円だけの差だということになりますので、当座、とにかく一応両者は相殺してやっていこう、こういうことに昨日連絡をして完全に話し合いがまとまった、こういう次第でございます。
  8. 横川正市

    横川正市君 私は、料金原価計算の点でなるほど、なかなかむずかしいものだと思うのです。ことに、何人かの手を流れ作業のような格好で渡って、そうして発信人から受信されるまで、あるいは発信人から現金が送達されるまでの過程原価計算することは大へんむずかしいと思うのですが、そういう意味では正確に原価計算というのをやってもらいたい。それから二つの問題は、郵政の場合には、委託会計が非常に多いわけですね。ですから委託会計が多いということが、収益に対して、私どもはいろいろな面を今まで郵政会計上持っておったと思うのです。その面で委託会計が非常に多いというその郵政立場というものを、たとえば郵便料金を決定するような格好委託会計のものを決定するということは、これは二重の赤字になる可能性があるわけですから、そういうことで、委託会計にはある意味では過酷になるぐらいな要求をしている点もあるやにちょっと聞いているのです。郵便関係等ではそういうことから、はっきりいえば、たとえば電電公社直轄業務をやればもっと安く上るのだ、しかし、郵政委託しているから年間百何十億かのものを取られてしまうという声もなきにしもあらずなんですよ。実際上はそういう声が末端の電電公社に働いている職員の人たちから出てくるということは、私はこれは決していいことではない。そこで、郵政会計というものを、郵便のようにはっきりと収入でまかなえるものと、委託でまかなえるものとのいろいろな緻密な計算をしてもらって、そうしてその計算に基いてはっきりとした郵便会計というものを打ち立てていくべきだと思うのです。そうでないと、いつまでたってもどうもやはりそういう全体の気風というものが何か明朗にならないで、問題の解決にいつでもほかの方とは関係なしに跡を残してしまうというような印象を与える。郵政省と聞けば、何か金のない役所というように響くというのですね。そういう印象を持たしめるのではないか。だから、今度の場合は、新しい仕事を始めるについての原価計算という問題でありますから、そこまで深く突っ込んで問題を解決することにはならぬと思いますけれども料金を決定する点については、一つ、この点を十分考慮して料金決定というものをやってもらいたい、こういうように思うのです。ことに、この間種別の原価比較表というやつをずっとやってもらって、ここに資料をもらったのです。これは大臣にも見てもらったと思うのですが、これでいくと、なるほど、奉仕しなければならないという気持は私どもも十分持っているわけです。私どもといえば語弊がありますが、おそらくこれは郵便局に働いているすべての人がそういう気持を持っていると思うのです。しかし、この原価計算書を見られると、実際上はサービス精神が劣ってくるだろうと思うのです。大切な郵便配達する立場の人が、これを持って行ってもたった何ぼだというふうに考えるのと、今度は逆に、持って行っても何ぼ損しているのだというに考えると、これはやはりサービス精神が劣ってくるということは当然だと思うのですね。それを何らか政治的に解決されているというのなら別問題でありますが、それもされていない。そういうことがありますので、一々例を申しませんが、新規にしても、これから改正しようという場合であっても、料金その他の問題は根本的な問題でありますから、十分一つ注意してやっていただきたい。それからもう一つは、今の封筒でありますけれども、初めて見て、これはなるほどいいものを出したというふうには感じないのですね。もっとやはり、印刷の手間とか何とかが同じならば、もう少しあか抜けのしたやつを一つ考えてもらいたい。それからもう一つは、一目瞭然でわかるように、やはり封筒で書いた方が私はいいんじゃないか。この二つを、これは質問も含んでおりますから、答弁願えれば答弁いただきたいと思いますが、以上で私からの質問は終りたいと思います。
  9. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 封筒の問題に対しては、簡単な問題でありますし、工夫すればいいことでありますから、今の発言を十分了解いたしまして、何らかのもっといいものを一つ考えてみることにいたします。  郵便料金の問題は、これは郵便料金原価計算書を差し上げておりますが、この原価計算書そのものを私も見ましたが、あまり姿のいいものだとは思っておりません。これは御承知通り昭和二十二、三年から六年までに、郵便料金というものが、官業料金を上げないということで、それを押えて、補給金式なものを郵政特別会計に入れ、現在百億ばかり将来返さなければならない問題もあるのですが、こういうものが起きたということは、郵便料金というものはとにかく上げなければならないのだが、官業だから及ぼす影響が大きいので、とにかく押えよう押えようということでこういう姿になり、今日までそれが抜本的に修正せられないできておるのです。だから、ある意味においては、第一種、第二種は比較的合理的に原価計算がされているといいながら、第三種、第四種でありますか、こういうものは全くの赤字で、配れば配るほど赤字を累増すると、こういう問題がありますので、いつかこの問題を片づけなければならぬと思います。もっと筋の通ったものにしなければならぬと思いますが、これは御承知通り、すべての物価政策というものの基調をなすものでありますので、まあできるだけ早い機会に、こういうものは一つ何とかもっと合理的なものにしなければいかぬと、そうして、郵政事業官業なるがゆえに、また一般に及ぼす影響が大きいので、実際はここまで上げられるのだが、及ぼす影響がこわいので、ここらでがまんをしてもらうのだと、しかし実際は、郵政事業というものは国にこれだけ裨益しているのだというふうにはっきりわかればいいのですが、そうでなく、うやむやのうちに郵政だけが非常に不合理な料金で、そのままずるずるべったりにやられなければならぬというようなことは、一つ早急に解決しなければいかぬという考えでございます。  それからなお、委託料金の問題は、なかなか、先ほど局長が申した通り、相当こまかい問題でございますが、こういう問題も相互の信頼が基調になる問題でございますので、お互いが簡単に納得するという程度のものでなければいかぬということが考えられますので、何らかの機関を設けて、これが将来の方策等に対しても十分の検討を行いたいということを申し上げておきます。
  10. 光村甚助

    光村甚助君 この法案に直接関係があるのではないのですが、簡易保険契約者に金を貸しておりますね。そういうようなことが、貯金で、定期で金を頂けている者がどうしても金が要る、必要だという場合に、この金を貸す制度を作ったらいいじゃないかということを、去年も前田さんあたりから要望があったのですが、その点、大臣考えているか、それを一つ伺いたい。
  11. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) お答えいたします。この問題は、私が大臣就任後、当委員会でも御質問がありましたので、この国会法案を出したいと思っておりました。定額貯金証書担保でもって金を貸し付けるという問題や、新種預金のことを考えたのですが、大蔵事務当局と折衝したのでありますが、今度は、簡易保険制限額の引き上げの問題、それから臨時国会貯金制限額を三十万円に引き上げたというようなふうに、矢つぎばやに問題がありましたので、この国会だけは何とか一つ見送ってもらいたいと、そのかわりに昭和三十三年度に減税貯蓄の問題が大蔵省で十分案ができるので、そういう案ができた上に一つ考えようということでありましたので、せっかく法案は準備をいたしましたが、この国会では撤回をいたしたわけでございます。
  12. 光村甚助

    光村甚助君 大臣はおそらく改造でやめるかしれぬが、ずっと留任したら、来国会で出しますね。
  13. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) これはどうしてもやりたいという考えでございます。
  14. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。討論、採決は来週行います。   —————————————
  15. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 次に、電気通信並びに電波に関する調査議題といたします。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  16. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 速記を始めて。
  17. 森中守義

    森中守義君 その後のチャンネルプランのことについて大臣意見を聞いておきたいと思います。だいぶ長い間慎重に協議を重ねてチャンネルプランがおりたようでありますが、あのときの大臣報告と、その他の協定書等を見まして、ある程度満足なものができたとは思っておりました。しかし、その後一定の期限に到着しても、なかなかテレビが発足しない、地域的にですね。こういう実情をよく聞いてみますと、当初われわれが懸念していた、新聞、ラジオ及びテレビ、この三つのものを包含したものがだいぶできそうな気配がある。これは明らかに両院における大臣の言明と食い違っておると思いますが、その後の進捗状況大臣の方でどういう工合に把握をしておるか、あらかたのところでけっこうですから、とりあえず答えて下さい。
  18. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 昨年の十月の二十二日にNHK及び民放三十六局に対して予備免許を交付したわけでございますが、その予備免許は、御承知通り昭和三十三年三月三十一日、すなわちこの三月三十一日までの効力停止免許でございます。効力停止でありまして、その効力の発生は、郵政大臣が行う確認によって初めて効力を発生すると、こういう停止条件付予備免許をいたしておるわけでございます。で、全国三十何局の問題をずっと見ておりますと、ごく一、二のものを除いては、円満に行っております。この三十六局のうちの三分の一ぐらいは、競願者が全くないものであります。これは青森とか山形とか、そういう競願の全然ないものが大体三分の一ございます。これは比較的小さな局であります。こういうものは現在ほとんど問題はありませんので、確認を行える段階になっております。それから会社を新設するものが五分の一程度ございますが、これもおおむね順調に進んでおります。まあこの中でも大体十二、三局分は現在すでに確認が行える状態になっております。それからあとに残っておりますのはラジオ会社、既設のラジオ会社を主体にして競願者との混合方式をとって何割々々というようなものが、相互了解をいたしましてそしてこの増資の比率によって重役を新しく入れろということで、しかも、相互円満に協定が行われた場合、確認証を交付する、こういうものが一番最後に残っておるのであります。これが一番問題があるわけです。この問題の中も相当片づきまして。今のところでは、問題のあるのは三、四カ所であります。三、四カ所を除いては、ほとんどこの三月三十一日の停止期限一ぱいまでには十分確認ができる、しかも、相互とも円満に協定を行なって私が予備免許を交付した状態と同じ状況において確認ができるという状態でございます。  なお、この確認状況に対しては、電波監理審議会に対しても報告をしなければならないのでありますので、近く一覧表を作って、次ぐらいの電波監理審議会報告をしたいという考えを持っておるわけでございます。中で一、二、まあ最後まで残るのは場合によっては一カ所であります。その一カ所は多少、今の状態ではもう十五日間ぐらいすれば円満に話ができそうでありますから、四月の十五日ぐらいまで待ってくれないかと、こういう今申し入れが一つございます。これはどういうことかというと、社名を変更しろ、こういう問題があります。そういうわけで最後まで残るのは一つ二つだろう、こういうような状態で、比較的円満に進行いたしておりますことを御報告申し上げます。
  19. 森中守義

    森中守義君 私が指摘をしようというのが混合方式のものの一つであり、そしてまた一、二のものが非常に問題になっておるということですが、その中の一つであるかもしれません。それで大臣協定書を交付したときですね。相互がある程度納得をした、こういう話をわれわれ聞いていたのですよ。ところが、元来ラジオを中心にやってきた方の側がすこぶる頑強で、この協定を、協定精神というのか、あるいは大臣説明したものを解釈を違えて、どうしても譲歩するような気配がありません。これは明らかに確認証を交付すべきでないし、もう少し協議の余地が残されておると思うのですが、やはり私どもは基本的に考えてみて、新聞、ラジオ及びテレビ、この三つのものを既存の新聞会社、これを中心にしたものが経営の中心になるということは、どうしても言論の独裁のそしりを免れぬと思うのですよ。ですから、果して協定書を出すときに大臣の方から行政指導をすると、こういう説明が行われたかどうかわかりませんが、まあやはりこれは当事者相互間での事態の円満な解決というものはすこぶる困難ではないかというような実情が察知されます。それでは、そういう困難な情勢にあり、勢い三月三十一日という所定の日限までにできない場合に、四月十五日程度までの延期を了承するのか。あるいはその間になおできなければ、行政指導を行うか、この辺の見解はどういうことですか。
  20. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 三月三十一日まで停止付条件でございますから、三月三十一日までに確認が行えないものは失効いたすつもりでございます。これを期限を延長するという考えはごうまつもありません。これは明確に申し上げておきます。このマスコミの独占ということに対しては、私も非常に懸念をいたしております。特に地方意思というようなものは、ニュースも言論もみな一つになってしまう、ラジオも新聞もテレビ一つになるということは、好ましい姿ではございませんから、そういうものの排除のために混合方式というものをとったわけであります。しかも、それはお互いに互譲の精神を発揮して、お互いが譲り合わないならば、マスコミの独占というものに反射的になるのだから、だから、そういうことは十分一つ互譲の精神を発揮して了解をしてもらいたいということで、私が予備免許を交付するときは、問題は少しはありますが、こういう方式以外にないでしょうというので、相互納得をしてやっておるわけです。ところが、三月三十一日までというけれども、十五日か一カ月は延ばされるだろう、突っぱねておく方が得なんだ、もし競願者が言うことを聞かない場合には、失効後新しく競願方式になるから、一ぺん免許をもらったラジオの方に来るんだというような、こういうような前提をもって正常な協調さえも拒んでおるものは、適格者だとは考えておりません。こういうものに対しては免許を失効させるつもりです。失効させると、新しい申請が出てもこれは拒むことはできませんが、申請が出たからその人に免許がいくとは限りません。しかも、テレビに対してはマイクロ・ウエーブの計画等、広範な、しかも、精密なお互い相互関係の計画を立てて、十月二十二日にふん切ったのでありますから、一カ所や二カ所の人たちが、この大きな、また日本のほとんどすべてがうまくいっておるときに、その一、二のものがうまくいかないということは、協調性がないということと、もう一つは、譲り合う気持がないからそうなるのでありまして、こういうものに対しては、あらためて免許のいわゆる適格性を欠くというふうにこの四月後になれば考えなければならないだろうと、私個人としては、相当明確に考えております。だから、十月二十二日までには円満にまとまるという前提で予備免許を交付したのでありますから、できるだけ三月三十一日の予備免許効力期間一ぱいにものを片づけたいというので、現在は電波監理局へ相互を呼びまして円満に話をつけております。これで相当円満に片づきまして、あと三月一ぱいに片づかないじゃないかというのが一、二カ所ございますが、これは私の責任でもございますので、場合によれば私が双方を呼んでできるだけ三月三十一日までにきまりがつくように、行政的な指導をいたしたいという考えでございます。で、場合によれば、私が裁定案を出して、この裁定に服さざる場合は、効力停止のままに失効という場合もあり得るというふうに、相当明確な考えを持っておるわけでございます。
  21. 森中守義

    森中守義君 大体、大臣の見解が明らかになりましたので、ぜひそういうような方針で強行してもらいたいと思いますが、私は抽象的でなく、ここに若干具体的に述べておきたいと思います。要するに混合方式の場合に、七五対二五、こういったような比率のもとに行われております。つまり七五の方は新聞、ラジオを元来持っていたものであり、新しく競願した方が二五、従って、七五対二五という数が、二五の方の正当の主張を場合によってはひん曲げておるというきらいがだいぶ強い。そうなるとやはり言論の独裁を財力という力によって押しまくるという傾向がきわめて顕著でありますから、こういう際における大臣の正当な判断を私は期待をいたします。  同時に、またもう一つ、最近の状況だと、どうしても社長に擬していた者、在来の人物が工合が悪い。従って、新しく引き合いに出してきたのがきわめて濃厚な政党色を持った政党人である。しかもこれが国会にすでに席を置いた者であり、かつまた、将来も国会に出んとする人である、こういうような人物を今据えようとしているように聞いておりますが、なるほど、新聞やラジオに党籍を持つ者あるいは議席を持つ者がいないでもありませんけれども、まあやはり言論の公正な中正な道を歩いていくには、どうしても、こういう人を七五の側の方から強制的に押しかぶせてくるということは、これまた言論の公正を欠くではないかというような印象もわれわれは受けるし、また、その地域における公平なる世論というものも、そういうことをあらかた指摘をしております。だから、三月三十一日までに大臣が当事者を招致するとか、あるいは裁定を下すという場合には、よほど慎重にこういうことを取り扱ってもらいたいと思いますが、その内容も大体大臣は御存じだろうと思いますが、どういう御見解であるか、承わっておきたいと思います。
  22. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 現行放送法では、御承知通り、私がそういうこまかいところまではいろいろ言えないようになっております。また、現行の電波法でもそうでありますが、その事業免許を行うときの、免許に対する準拠法さえもないような現在であって、電波法の免許を受けた者が事業免許を受けた者だというふうな状態になっております。だから、放送法を改正する過程におきましても、明確な事業免許の基準も設けたいと考えたのでありますが、なかなか、そこまでいくと言論干渉になる道を開くおそれがあるということで、ついに今般は見送ったわけでありますが、しかし、私としては、法律のあるなしにかかわらず、将来日本における電波というものの持つ威力、地位、重要さというものを十分見通しまして、国民世論に逆行するような業態でもって放送業が運行されてはならない、また、不的確だと思われるような人が、憲法違反とか、法律に制約がないじゃないかというようなことで、強引に免許人の対象となることは、私が、行政的な立場議論のあるところではありますが、排除できると、こういうまあ自分なりの考えで、相当強硬な条件をつけて予備免許をいたしておるわけであります。だから、ある程度の条件をのまなければ免許をしない、こういうぐらいに強い態度をとったわけであります。それは、放送が持つ非常に重要な面を認識をしてある面においては、法律違反じゃないかとさえ言われることを覚悟をして、相当強い免許の条件をつけたわけでありますから、少くともあの免許の条件が具備され実行されなければ、その精神がゆがめられるというような状態においては、確認は絶対行わないということを明確に申し上げておけると思います。
  23. 森中守義

    森中守義君 もうこれで私終りますが、明確に確認できるのは、要するに三月三十一日という提出期日の延期はしないということ、それと、話がうまくつかない場合には、もちろん確認書の交付はしない、その間に、大臣の方では、所定の方針に基いて裁定を下すとか、あるいは双方を招致して協議を行わしめる、こういうことはあり得るということですね。
  24. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) さようでございます。   —————————————
  25. 鈴木強

    ○鈴木強君 私は、前回の委員会において、電電公社の工作工場の経営方針について質問をしたのでありまするが、時間の関係で途中で中断をしております。従って、非常に大事な問題でありますから、きょうはまず最初に、その工作工場の経営方針についてお伺いしたいと存じます。  前回の委員会で、私たちが非常に長い間、工作工場の基本的な経営方針について公社が明確にこれを決定すべきである、こういう立場に立っていろいろと意見も出しておったのでありまするが、その結果、公社が、先般一応工作工場の長期経営方針というものを決定したようでありますが、前回の委員会における梶井総裁の御答弁によりますと、工作工場の採算等その他から考えまして、廃止ないし統合していくという、こういう御回答があったのでありますが、この考え方は、われわれが委員会において、工作工場の長期経営方針を幾たびか論ずる考え方とは全く反するのでありまして、少くとも私たちは廃止ないし統合するという立場に立ってものを考えておったわけではないのでありまして、たとえば、私は公社の考え方がどの辺にあるのか、非常に了解に苦しんでおるのでありまするが、その当時要求いたしました資料を拝見してみますと、今後の運営方針等につきましても、何かしら、従来ありきたりの形でやっておりました古い機械を修理することが採算がとれない、また機械の修理がだんだんと減ってくると、こういうことから工作工場の仕事が減少していくのである、こういう立場をとっておられるのであります。そうして、具体的に、工場の合併、統合計画の中を見ますと、少くとも信越、奈良、沼津、四国、佐賀、こういった工場を三十四年度ないし五年度において廃止をしていく、あるいは合併していく、こういうことがあるのでありますが、これは私は、現段階における公社のお考え方としては非常に問題があろうかと存じますが、さて、この廃止ないしは統合ということになりますと、現実に五つの工作工場がこれで見ましてもなくなっていくのでありますから、要員関係その他非常に問題があろうかと存じます。おそらくこの点について、ちょっと私前回質問いたしましたが、総裁が本委員会において電電事業の概況を説明された中に、昨年の秋季年末闘争の際に、全電通の労働組合と団体交渉が了解点に達して、覚書と協約を結んでおられるが、これは当然合理化問題についてであります。その中を見ますと、労働条件、特に要員に関係のある設備計画については、組合と事前協議を行うこと、それから、ここに機械化等により生ずる余剰人員は、配置転換等により、これを行うことによって吸収し、人員整理等の事態をなるべく到来せしめないようにすること、これらを中心として、第二次五カ年計画の遂行に当っていきたい、こういうことで、しかも誠意をもってこの事態を解決するために、こういうことをやったのだ、こういうように御説明を受けたのであります。従って、私は、少くともこの精神というものはどういう点にあるのか、この際明確にしていただきたいのでありますが、この工作工場の問題も、私は当然この中に入ると思うのでありますが、これはどういう考え方をお持ちでございましょうか。一つ総裁にお尋ねしたいと思います。
  26. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 今の合理化に伴いましての配置転換等につきましては、昨年の暮に組合との間に折衝いたしまして、今後そういう計画に対しては事前に組合と協議して、そうして円満に解決するようにするということを申してあるわけであります。しかし、それはおもなる目的が、電信電話の拡張工事に伴いまして、機械化がだんだん進んで参ります。従って、大量に配置転換をしたい、あるいは大量に職種転換をしなければならぬという事態がだんだんに起きて参りますので、そういう事柄をさして申したのであります。その意味から申しまして、工作工場は施設そのもの、つまり電信電話の拡張に伴うところの施設そのものではないのでありますから、今申しました団体交渉によってきめました協定の中に含めておるわけではないのであります。そうして工作工場につきましての、工場の廃止あるいは縮小というような問題につきまして、やはり配置転換というものはやむを得ず起るだろうと思います。従って、配置転換をする場合におきましては、一応そのことを話して、そして話し合いをするという考えは持っておりまするけれども、団体交渉の形式によって話を進めるという意味ではないのであります。
  27. 鈴木強

    ○鈴木強君 ちょっと論旨が一貫しないように思うのですけれども、合理化が進んで自動改式がなされていく、その際に配置転換、職種転換が出てくるので、そういう場合に対しては、事前協議をやるのであって、ここに書いてある中には工作工場は入っておらない、こういうことでありますが、私は少くとも事前に協議をしようという精神は、ここに書いてありますように、その設備計画によって生ずる要員措置ですね、これは配置転換なり職種転換なり、あるいは場合によったら人員整理ということが出てくるでありましょう。そういった要員措置が伴う設備計画については、やはり労働組合の労働条件というものに関係があるわけですから、特に公社がお取り上げになって、そして事前に協議をしょう、こういう私は精神だと思うのです、あなたもそういうことをおっしゃったわけです。ですから、少くともこの締結された精神というものは、今回の工作工場の場合も、少くとも五つの工作工場が廃止をされますと四百二十三名は職場がなくなります。このなくなる方々を配置転換なり職種転換によって、その近所の何か電報局の開局等を契機に配置転換しよう、こういうような考え方でありますが、これは自動改式等によって生ずる設備計画と私はごうまつも差がないと思うのです。そうであるならば、当然もしここに書いてある中にないとすらならば、これは入れなければならぬことでありますし、その精神自体は、私は総裁のおっしゃっている考え方と思いますから、そういう点いかがでございますか。論旨が非常に一貫しておらないと私思いますが、その点をもう一つ明確にしていただきたいと思います。
  28. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) ただいま申しましたように、昨年の暮に組合との間で締結いたしました事柄は、自動化あるいは機械化に伴う配置転換に対しまして、事前にその計画を協議して、そしてきめていこうということでありまして、はっきりそのことはしておるのでございます。従って、工作工場がその項目の中に含まれてないということだけは事実でございます。しかし、今おっしゃる通りに、配置転換という問題は、相当労働条件に影響することであります。でありますから、配置転換に対しましても、われわれは単に一方的にそれをきめて直ちに発令するというわけじゃなく、あらかじめその当事者、その人々、並びに組合の方に対しても話をして、そして進めていく、こういうわけでございます。ですから、精神は大体同じようなんでありまするけれども、形式的に申しますると、昨年暮れの協約、団体交渉の結果というものは、オートメーションに伴うものなのであります、というように限定されておるわけであります。
  29. 鈴木強

    ○鈴木強君 あなたの方のその事業概要の説明の中の今疑問になっておった点が、全電通労働組合と少くとも事前協議をしよう、設備計画について話し合いをしようということは、当時結ばれた精神が自動改式と中継機械化、この二つにあるということであれば、これは労働組合と公社の間でおきめになったことですから、私はそれでいいと思います。ただしかし、あなたも否定しておらないようでありますが、こういう事前協議を行おうというその精神ですな、基本的な考え方は、あくまでも自動改式によって多数の人たちが職場を失う、そういう段階になると当然配置転換、職種転換が出てくるのでありましょう。自動改式の場合とあるいは中継機械化の場合同じだと思います。ですから、そういう公社が今非常に第二次五カ年計画を推進する過程においても、このようなものが出てくるのでありますが、少くとも公社事業の一環として、工作工場の経営について、皆さんがいろいろ検討された結果出されたこの方針というのが、私は少くとも合理化の一環だと思うのです。ですから、そうであるならば、やはりただ単に電信電話の設備の近代化ですね、こういうことによって事前協議が、話ができるようになっておるのだが、しかし、もう一歩発展をして、公社当局が、少くとも四百二十三名という人たちが職場を失う統廃合でありますから、こういう計画を立てるときに、この結ばれた精神というものは十分私は体して、そして円満に労使の間に、この統廃合というものをもしかりにやるとしても、おやりになるのが一番賢明な方法ではないかと思うのです。そういうことをなぜ公社はやらなかったのでありますか。私たち聞くところによると、全電通労働組合は相当にこの問題については強い反対をしておりますが、現にその工場で働いておる二千数百の職員は、自分たちの職場を何とかして確保して、電気通信事業の一環の中でそれぞれの使命を果していきたい、こういう熱意に燃えて今日作業にいそしんでいるのですから、そういうまじめな純真な職員を思うとき、あまりにも形式主義に流れて、昨年暮れにこう結ばれているから、これはもう合理化の中に入らぬし、公社がやるんだという考え方をもって物を律することがおかしいと思う。そういう点、私は大いに反省をすべき必要があると思って、少くとも結んだ精神というものは、工作工場にも通ずるものだと思う。これに対して否定する立場があるならば、もっと一つ明確に根拠を示してもらいたいと思う。
  30. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 精神は同じでありますが、計画の場合におきましても、一応われわれとしましては、計画の案は作ります。その案を作りますそれをもとにしまして協議を進めるわけであります。またオートメーションの場合におきましては、一つの局で数百名の人が一度に要らなくなるという状態が発生するわけです。でありますから、計画のとき十分そのことを協議してやりませんと、非常にめんどうが起きやすいので、そういう大量な人が配置転換とか、または職種転換をしなければならぬ場合においては、協議することは当然だと思います。  続いて工作工場の問題につきましては、計画を作りますのと同じような意味において計画を作ったのであります。従って、この計画をただいまのところ組合の人にこれをすぐ渡しまして、そして話し合いを今進めつつあるところであります。でありますから、形式上の相違はありますけれども、やり方としては、同じようなやり方を今しておるのであります。決して組合に無断で、われわれが独断的にこの計画を、工作工場の改廃の計画を直ちに進めようという態度をとることはないと思います。
  31. 鈴木強

    ○鈴木強君 ちょっと総裁にしては、何といいますか、小手先のような答弁をされておるのですが、私は、もっと総裁はまじめにものを答弁してくれるので、それを期待しておるのですが、ちょっと私、ごまかされやすいようなことを言ったんではないかと思うのですが、要するに、数百名の自動改式によって人が動いている、なるほど北九州の五つの局が、自動改式に変ったときには、これはもう五百何名の人が、少くとも配置転換、職種転換にさらされ、首切りにさらされる機会がありまして、従来やっておられる公社の自動改式あるいは中継機械化等につきましては、そうその何百名、一千名近いというものは一局舎にないのです、特に申し上げまして。たとえ五十人であっても、六十人であっても、百人であっても、やはり自動改式なり中継機械化によって配置転換、職種転換が出てくるということは通例でありますから、そのことを私はさしておると思うのです。ですから、工作工場の場合も、百十二名の人が——沼津でしたら百十二名の人が要らなくなる、信越も百人、こういうことで一番少い佐賀でも五十六名の人たちが職場を失ってくるのです。言うならば自動改式、中継機械化以上に自分の職場がなくなってくる事態は考えなければいかぬと思う。当然自動改式、中継機械化以上にこの問題は労働問題としては大きな問題ではないかと思うのです。ですから、そういう意味でもっと端的に計画を作って組合に示します。なるほど、それが当然でありましょう、この結ばれた精神でありますから。一つの案を作って組合と相談をなされる、これが団体交渉の形になるか、協議の形になるか、それが話し合いになるかしりませんけれども、いずれにしても話し合いをするということがこの精神だと思うのです。また、いろいろな問題についてそういうことをやってきておると思うのです。ですから、この精神を貫く意味においても、工作工場の問題について、やはり組合と事前に協議をする必要があったのじゃないかと思うわけでありますが、総裁の話ですと、何か一応形式を踏んでいるように思えますけれども、そうではないと私たちは思うのです。われわれが国会の中で何回か中間的な意見を求めつつ、計画の促進をお願いしておったのですが、われわれの方も一つも聞いておらなかったし、また組合でも、私たちの聞く範囲におきましては、事前に案を作って組合と協議したということは絶対ない、要するに、きまってしまってから、こうきまったから君たち、協力しなさい、こういうまことに一方的な態度に出ているのが現実です。こういうことでは、せっかくやろうとする計画がむしろ後退をして、所期の目的を達することは非常に困難になってくると思うのです。ですから、そんなへたなことをおやりになったことに対して、大きな反省を私は公社当局に求めているわけであります。何か小手先でものを判断しないで、率直にこの精神精神として、やはり工作工場その他、今後またいろいろなケースが出てくると思いますが、そういう場合に、労使間の円満な話し合いによって解決するという形の大精神だけはぜひ貫いていただきたいと思うのです。そういう点で何か相談したようなことを言われておるのですが、そうではないでしょう。前回の委員会で初めて私は公社が長期計画を立てたということを知ったわけです。ですから、その内容を知らせて下さい、こういうことで資料を求めておったわけでして、これが昨日の委員会に出て参りまして、私たちも初めて知ったわけですから、そのようなことは今までなかったと思うのです。今おっしゃった意味はどういうことでございますか。
  32. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 実はお尋ねの範囲内においてお答えをしておるものですから、それ以外のことになるべく触れないでおりましたのですが、問題としましては、この工作工場の問題は、職場を失うという意味ではないのであります。人々は、場合によりましては、同じ職種で配置転換になる場合もありますし、また同じ土地において職種が変る場合があるという意味であって、決して職場を全然完全に失ってしまうのじゃない。必ず働く場所はわれわれとしては考えなければならないという考えでやっております。また工作工場の案を、国会にはもちろん提出しなかったのでありまするけれども、その事前に、案ができてすぐ組合にこれを提示しました。そうして組合の方から、これに対して検討をして希望を申し出てきたわけであります。それに対してわれわれの方が今回答しております。でありまするから、かような折衝は一ぺんやそこいらできまるものじゃないと思います。今後数回お互いに懇談をいたしまして、そうして一致点を見出したいという努力を今続けておるわけであります。それが国会の方にわかりまして、国会の方でこの案を提示しろというお話がありましたから、国会の方がおくれたというだけの話でございまして、組合にはもう前から見せて相談しておるわけであります。決して今配置転換やあるいは職種転換に関連して、私どもは全然話をしないでやるという考えでは毛頭ありません。十分に話をして了解を求めるように努力はしていきたいという考えで進めておるわけであります。
  33. 鈴木強

    ○鈴木強君 どうも今の答弁は納得できないのですが、この案が決定したのは、これによりますと、二月十日でございますか。これで見ますと二月十日に日が入っておりますが、そうですが。
  34. 和氣孝太郎

    説明員和氣孝太郎君) この案の決定いたしましたのは、私の記憶では二月十日ごろと思っております。
  35. 鈴木強

    ○鈴木強君 資材局長は、少くともこの計画をお作りになった一番当事者と思うのでありますが、二月十日ごろだというような非常にあいまいな言葉は私は困ると思うのです。少くとも四百二十三名の人たちが職場を失うということの解釈は、総裁と私どもとちょっと違うのですが、そういう重大な問題の決定が、いつごろということでは非常にあいまいでありますから、はっきりして下さい。十日なら十日と、一つはっきりしてもらいたい。いつですか、これは。
  36. 和氣孝太郎

    説明員和氣孝太郎君) 決定の意味でございますが、幹部会議で決定いたしました日を申し上げたのがよろしいか、あるいは正式に書類として決裁になった日を申し上げた方がよろしいか、どちらかと思って、今ころというあいまいな言葉を使ったのでございますが、書類といたしまして決裁になりましたのは二月七日でございます。
  37. 鈴木強

    ○鈴木強君 よけいなことを言うから恥をかくんです、あなたは。幹部会議で決定したのかどちらかなんて言うものですから。要するに私の聞いているのは、正式に決定した日、つまり判こをもらってこうなりましたときまった日がそうなんです。ですから今総裁は、何か組合と事前に何回も話し合いをしてやってきたというのですが、具体的にそれでは何月何日にどういうことでやったのか、その点を一つはっきりこの際していただきたい。すなわち計画を立てて、それについていつ交渉して、また組合からはどういう意見が出てきて、それを公社はどういうふうにやったか、その点はっきりしてもらいたいと思います。
  38. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 何月何日にどういう交渉をしたということにつきましては、資材局長からお答えいたしますが、私の申しているのは、今後も話し合いを続けていくという意味でありまして、もうすでに話し合いは済んでしまったという意味じゃないのであります。ですから、まだ話し合いに入った程度でありまして、せいぜい一回か二回やったんだろうと思います。だから、今後なお続けていって、お互いに了解点に達するように努力するという考えでありまして、決してこれでもって済んだという意味じゃないことを御了解願いたいと思います。
  39. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、総裁の今の御発言は、要するに二月の七日の決定をされる前に話したということじゃなしに、その後組合と話し合いをした、こういうことですか。
  40. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) そうです。
  41. 鈴木強

    ○鈴木強君 それではわかりました。それなら結局私がさっき申し上げたように、昨年結ばれた団体交渉の、設備計画に対する事前協議のその精神というものを総裁も認めていただいているわけですが、そうであるならば、その精神に基いてどうして事前に話し合いができなかったのか。私たちの知っている範囲では、少くとも公社が一方的におきめになった、こういうふうに理解しているのですが、もし事前にあったなら具体的に日を数えてもらいたい、こう言ったのですが、それが間違いであればけっこうです。ですから、そうであれば、やはり私のさっき総裁にお尋ねした精神というものを否定されてこの決定をされたということになるわけです。ですから私は、少くとも賢明なる総裁以下幹部諸君が、この合理化の問題について、何とか一つ内輪の中で、実際には首切りが出てくる、そうして一生懸命働いて事業を戦前以上のサービスまで上げてきて、そうして従業員は苦しい中にも今年一応五百八十九億という膨大な自己資金をみずからの力によって作り出しつつ電話のサービスをもっとよくしようと思って努力しているわけです。そういう苦しみを、私は経営者も現在の電電公社の職員もお互い立場においてやっておるわけですから、その過程において生ずる労働条件、総裁のおっしゃるように、なるほど皆さんは廃止される近辺の、自動改式等に即応して配置がえをしろということでありますから、そうしたら確かに職場は失わないと思います。しかし、現実に何十年か働いてきたその職場がなくなるということを言っておるのです。そういうことを考えた場合に、当然現職のまま行ける方もあるでしょうが、それは配置転換という一つの悪い条件が出て参ります。さらにまた職種が変る場合も出て参りましょう。その場合には、また自分の何年かやってきた仕事を捨てて新しい職種の中に行く訓練をしなければならない、そういう非常に各個人にとりますと重大な問題がひそんでいるわけです。ですから、そういう問題に対してもう少しこの結ばれた精神を、私は非常に喜んで総裁報告を聞いたのでありますが、その精神は厳然として今後の一切の合理化問題に適応していただきたいと思うわけですが、そういう精神総裁が認めておられるにもかかわらず、今までこういう事前的な協議もなされずに、何か隠密にきめて、そしてだっとやるのだ、こういうような格好でやってきたことに対しては、私は公社の皆さんのやってきた良識からいっても、非常にわれわれ耳を疑うような気持を持たざるを得ないのですが、ここで過去のことを言っても、私は、死んだ子の年を数えるようなものですから、これ以上とやかく申しませんが、少くとも私は、今日三十年間勤続したわれわれの仲間があなたから毎年一回表彰状を受けます。しかし、その表彰状を受けるわれわれの仲間がほんとうにわれわれのかわいい子供の教育ができるでしょうか、自分の住う一軒も建つでしょうか、私は、総裁から形式的な表彰状をもらうよりも、その人たちがもう少し身の回りのことができるような労働条件にしてもらいたいということを、私は心の中から願っていると思うのです。そういう立場にあるわれわれの電電公社の職員が実際に合理化によってずいぶん痛手をこうむっていると思うのでありますが、こうした事実を国会も、公社当局も、また、私たちも率先して事業の実態というものを国民に理解をしていただいて、そしてわれわれはこの五カ年計画に対して国民の支持を得なければならぬと思うのですが、こういう立場に立つときに、私は少くとも民主的な労働運動が運営されている全電通ともっと簡明率直に腹をすえて話し合いをして円満に解決し、お互い譲り合うところはうまく譲り合って、そして国民の期待に沿うように電電事業をもっとよくしていかなければならぬと思うのです。そういう立場に立って、私は非常に今までのやり方については、公社が反省すべき点があろうと私は今でも強く思っております。そこで、幸い総裁も、こういうふうにきまったが、しかし、今後組合の方とよく話し合いをして、そして円満に解決したいという御所存でありますから、非常に私たちもその点はけっこうだと思いますが、今公社ではこの計画を立てて、三十四年、要するに来年の何月になるか知りませんが、一番早く廃止されるのは佐賀工場だと思いますが、そこにおる諸君も非常な不安動揺に立たされておると思います。従って、先ほど来申し上げておりますその精神というものを公社がおやりになるとするならば、まさか決定されたこの計画によって団体交渉をやるが、結論が出ようが出まいが、公社は一方的にその計画を進めていくのだ、こういうようなことはお考えになっておらないと思いますが、私は念のために、一つその点も総裁から御意見を承わっておきたいと思うのであります。
  42. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 事前に協議をしなかったということで御非難があるのですが、これは仕事の順序を申し上げないとわかりにくいのですけれども、一応設備計画にしましても、こういう計画にしましても、われわれの方としましては、担当している局の人が相当研究をしまして案を作ります。その案を作りまして私どものところに持って参りまして、そして幹部が皆集まってさらに協議をするわけであります。そして重要な事項につきましては、さらにこれを経営委員会にかけまして協議をする、こういう順序になっておるので、その協議をわれわれどもがして大体腹案を得ないうちに組合に折衝するということは、これは案がまだ固っておらぬものですから、事前に相談するということができないのであります。しかし、自分らの頭としましては、考え方としましては、そういうふうに設備計画を得る、あるいはこういう工作工場の問題に対する一つの案を得た後に組合と協議しよう、こういうわけでありまして、設備計画についても、設備計画がきまらないうちには協議のしょうがない、こういう意味であります。ですから、みな決定後、事後という形になりますけれども、その決定ということに対して、私どもは、今の機械化の問題にしましても、組合と協議しまして、どうしてもこれは組合の意見を入れなければならぬという場合におきましては、計画を変更するという考えでやっておるわけであります。従って、この工作工場の問題につきましても、今後話し合いをしまして、組合の言われることがもっともだ、これは自分らの考えが誤まっておることであるならば、これは当然われわれは改めよう、また組合の言われることが無理であるならば、われわれは十分納得のいかれるまで説得して、そして納得の上で実行に移していこう、内部にはこまかい点がいろいろありまして、工場の整理統合というばかりじゃなく、事務の取扱いであるとか、いろいろなことが入っておるのであります。従って、組合としましては、そういう事務の取扱いの簡素化なんということにつきましては、むしろ賛成を表しておられると思うのです。でありますから、そういう賛成されました事項だけでも、これはなるべく早く実行していこうという考えであります。これは一応この案における工場のなくなるというのは、三十五年度において初めて実行されるのでありまして、この間にまだ二年も余裕がありまするから、十分にその間に話し合いをし、そしてまた検討する余地があるということを申し上げておきます。  ちょっとつけ加えますが、佐賀だけが三十四年度だそうですが、あとは、三十五年度……。
  43. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうですね、三十五年度にこれは開始されるのですが、それで総裁、もう少し率直に言っていただきたいのですが、団体交渉をやりますね。やってもし公社の計画にまずい点があれば変えますと、これはけっこうであります。しかし、どうも公社は役所というか、官庁ではないと私は思うのでありますが、内容はとにかく似かよっておりますが、そんな古くさいことは考えないと思いますが、少くともそういう精神であれば、話が円満にまとまるまでは一切の準備行動は起さぬということですね、その点は一つ、どうですか。大事なところですから、はっきりしておいていただきたいと思います。
  44. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 準備行動は起します。しかし、実行はしない、こういうことであります。なぜかと言いますと、準備はしておきませんと、いよいよやるというときにやはり急に間に合わないという場合がありまするから、仕事といたしましては、いろいろ研究し、これはこういうふうにした方がいいとか、もっとこまかい点をずっと検討しなければいけませんから、そういうことはやります。しかし、組合とは十分に話し合いをして、しかる後に実行していきたい、こういうわけであります。
  45. 久保等

    ○久保等君 関連して。実はただいまの問題なんですが、話が抽象論だと、これは必ずしもはっきした結論を出すことは私はむずかしいと思うのですが、ただしかし、総裁の今言われる準備のための作業はどんどん進めるのだという問題は、実はこれは私は非常に問題だと思う。というのは、今、総裁が言われるように、ほんとうにざっくばらんに組合側と話し合って、そしてその話し合いの上にさらに納得を得た上でやるのだということがほんとうの基本的な考え方だとすると、準備をどんどん進められるということになると、もし話し合いの結果、それがまた変更しなければならぬのだということになると、これは非常に混乱を逆に起すということが考えられると思うのです。従って、今公社で作られた案は、総裁のいろいろ先ほど来の御説明を承わると、要するに公社側の一つの案を作ったのだ、一案を作ったのだ、それをもって今後組合とも十分話し合いをしていって、そして組合に納得してもらって、それから実行に移すのだというお話だと思う。だとするなら、私はやはり話し合いをする前提としての案を持つことが必要だが、しかし、それは一案であって、何かしらやはり既成事実をどんどん準備を進めていく過程において作り上げて押しつけていくのだという形に結果的にならざるを得ないじゃないか。だから、もしそうだとすると、それは話し合いじゃなくて、当初から持っておる一つ考え方をただ説明するのに若干時間を費した結果にしかならぬと思う。これは非常に問題だと思う。実は私も、その点がすでにいろいろ職場あたりの従業員の方々から耳に入って聞いておるのであります。総裁は、非常に弾力性のあるようなことを国会においても答弁せられておる。現実に職場では、公社のあの案に基く準備を進めて、どんどん行っているというような話を実は聞いておるのであります。それは僕らは職場で働いているんだから、現実をよく知っているんだ。総裁はどういう気持でいるか知らぬが、職場では既定方針に基いて準備が進められておって、僕らとしては、何か国会でやりとりされておること自体がまだるっこしいような気持がするというような話を私は一両日中に聞いている。従って、総裁の言われる、準備は進めるんだという、その準備は、一応の、単なるペーパー・プランでないという意味調査をされるなり、あるいはいろいろ実情を研究されるという程度の準備は、当然あってしかるべきだと思う。しかし、既定方針に基いて、この五工場のごときは廃止されるわけなんですが、人員の面において、少くとも二割近くの人たちの配置転換というような、こういった問題に対する準備なんという問題は、完全に了解がせられた上で準備されて、何カ年計画か知らないけれども、計画を進められていくのが当然だと思います。作業の方を進められるということは、話し合いのまず前提がくずれるんじゃないか。ですから、この点は、私どもは、誤解の起きないように、総裁の方でもう少しはっきりした御答弁をいただきたいと思います。
  46. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 私の申し上げようが悪かったように思います。準備行動という意味をよく今おっしゃられる意味に了解しなかった。つまり準備作業と、こう思っておったのです。次に、この案によりまして、各通信局にいろいろな、われわれの方から、こういう考えでやれ、それから、そういうことに対する準備を進めてくれということを通知を出しております。そういうような問題につきましては、一応私どもとしては、前の出した通知をそのまま保留しておいてくれ、そうしてその話が進んで、もっと了解が得られてから後に、その問題を取り上げてくれというような取扱いをするつもりであります。ですから、今言われた準備行動ですね。準備行動というのは、一時保留することをしたいと、こう考えております。
  47. 久保等

    ○久保等君 ですから、私がただいま御質問申し上げたような趣旨だと総裁も御理解なされるわけなんでしょうね、簡単に申しますると。
  48. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 今おっしゃられたような準備行動という意味においては、私どもは推し進めていかないつもりです。
  49. 森中守義

    森中守義君 私は、総裁の答弁を聞いておりますると、いろいろ疑問が生じてくるのです。それは、今国会の当初に、電信電話公社の事業概況説明というのが行われております。この中に、第二次五カ年計画を三十三年度から始めるということで、所定の報告が行われておりますが、当然これはもう、拡大も縮小も、五カ年計画の中に私は入るのが至当だ、これが計画の本体でなければならぬ、こう思っておるのですが、今までの答弁から行けば、この運営計画に入っていないこの工場の関係は、そうなると、一体電電公社の第二次五カ年計画というものは、ただ単に拡大することだけが事業の計画であるという、こういう判断しかつかぬのです。この点はどういうことなんですか。拡大していくことだけが運営の計画であり、縮小していくことは、これは五カ年計画に入っていないとするならば、予算審議の点においても、あるいはその他全体の電電公社の計画の面についても、非常に大きな疑問を持たざるを得ないのですが、この点について、もう少し具体的に、計画ということについて説明をしてもらいたいと思います。
  50. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 第二次五カ年計画のような拡充計画におきましては、これは、全体的に申しまして、拡大していくわけであります。しかし、その内部においては、これは、いわゆる合理化というものは当然行われていくわけであります。で、これは、一方においては、技術の進歩によりまして、従来よりも縮小する部分ができないとはいえない。たとえば、機械のごときも、従来考えているよりも非常に進歩いたしまして、そうして大きさが非常に小さくなってくるということになりますると、その設備が小さくなってくるに伴って、建物も、今までよりも大きく建てる必要はない。むしろ小さい建物でも間に合う。あるいは場合によったら、現在の建物を利用することもできるというふうに、これはまあ、いわば技術の進歩に伴うところの一種の合理化というものは当然起ってくるものだと私は思います。そういう問題がこの計画の内部に織り込まれているというだけの話でありまして、それを、計画全体の拡大の中に一々入れなくちゃならぬということになりますと、余りにもこまかくなるものですから、それが書いてないという意味であります。
  51. 森中守義

    森中守義君 そういう御答弁であれば、これはますます問題だと思うのですよ。もちろん、今の総裁のようなものの考え方もございましょうが、五つの大きな工場をつぶすということがどれほど大きな問題であるかということは、今まで鈴木、久保お二人の同僚議員から主張した通りであります。私は、電電公社が事業の拡大計画だけを表に出して、そうして縮小していく部面、合理化の部面を計画の中に載せていないとすれば、当然これは、審議するわけには参りません。つまり拡大のために縮小というものが反応的に行われてきますれば、当然これは、連鎖反応的に、拡大をする部面はこれとこれだ、縮小する部面はこれとこれ、合理化するのはこれとこれであるというように、両々相待った計画でなければ、正常な私は電電公社の運営計画にはならぬと思うのですが、これは、英才をもって誇っている電電公社の頭脳を集めた意見としては、少しいただきかねるような気がしますがね。その点どうですか。
  52. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 工作工場の問題が、縮小されるかという話でありますが、これは、この前にも申し上げました通りに、技術の進歩に伴いまして、工作をしなければならぬ仕事の量が、かなり以前から減りつつあるのであります。従ってこれは、一方において拡充に伴っての工作工場の仕事がふえるということと、それから、技術の進歩に伴って、工作する内容が違ってきている。仕事の量が減っていくということと相関連しておりまして、一方においては拡充をし、一方においては縮小する、そういうことが、長年の間に重なり重なって、今日まで来てしまったのであります。従って、ここに現われた結果としましては、非常に大きな変化のように見えるのでありますけれども、実はこれは、もうすでに七、八年来に積り積ってきたことが一度に現われたというにすぎないのでありまして、実際は、過去におきましても、工作工場の仕事の量に応じて多少なる変化があったのでございまして、これは、一々計画にあげるほどの大きな計画じゃなくて、わずかずつ変化が伴ってきているわけであります。今回のこのような場合は、今までの積り積ったものが現われたものですから、いかにも大きくなってきて、これが計画になぜ包含されておらないかというお言葉を聞くわけでありますが、従って、私どもとしましては、これを実行する上においては、相当慎重にやっていきたいのでありまするから、決して一度にこれをやらないで、漸進的にやっていこうという考えのもとに、この案を実は作ったわけでございます。
  53. 森中守義

    森中守義君 私の質問に対する答弁としては、どうもやはり中心がはずれております。私が聞いているのは、第二次五カ年計画が三十三年度から始まるから、そういう場合は、これはもう電電公社の経営に限らず、会社、官庁の経営も、プラスの面がこれだけあり、マイナスの面がこれだけあり、差引勘定幾らになるという、ごく単純な常識はどうなんだと、こう聞いておる。つまり電電公社では、電話を幾らふやす、あるいは電信を自動中継に変える、こういういわゆる拡大の方、強化の方だけを五カ年計画として発表して、縮小していく部面、合理化する部面、この分をなぜこの中にあげていないのか、そういうプラス、マイナスが一緒に出てこないと、ほんとうの計画にならぬのではないか、こういう方式を私は聞いておるんですよ。
  54. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 第二次五カ年計画におきましても、事業の拡大に伴うところの増員は何名、それから、事業の合理化に伴うところの減員が何名というものを一々算出いたします。そうしまして、それを相殺して、現実の問題として何名ふえる必要があるのかということをみな算出しておるのであります。そういう意味で、このサービスに関係する施設並びに人員に関する限りは、一応増の部分と減の部分と、みんな勘定しております。
  55. 森中守義

    森中守義君 勘定の中に入っておるとすれば、結局五つの工作工場の廃止の問題は、五カ年計画の大まかな一環になっている、こういうことなんですか。そうなれば、ちょっと答弁が食い違いますよ。
  56. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) これは、五カ年計画の一環の中にもちろん含まれてはおりまするけれども、今のサービスの方のものと問題が違うものですから、全く別個にこれを考えてきたわけであります。
  57. 森中守義

    森中守義君 そうしますと、やはりその関連がありますから、勘定に入っておる、含まれておる、こういうことであれば、電電公社で作られているいわゆる第二次五カ年計画の一環として、こういう項目はあげるのが当然だと思う。しかるに、先般来の総裁の答弁の中からは、これは別個である。こういったように終始しておりますよ。意味が合わないじゃないですか、それでは。
  58. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 今申し上げましたように、設備計画の中にはこれは含まれておりません。従って、第二次五カ年計画の内部には、これは含まれておりませんけれども、別個の問題としてわれわれがこれを提案した、こういう意味であります。
  59. 森中守義

    森中守義君 それでわかりました。別個のものとして、関連を持ちながら作っておる、こういうことでありますから、当然私は、第二次五カ年計画の中に、電信電話を拡大していく部面はこれとこれであり、縮小されていく部面はこれとこれである、こういう一貫した五カ年計画にならなければ、電電公社の正しい運営計画を作っている第二次五カ年計画の意味をなさぬと思う。そういう意味で今出されている工作工場関係の縮小計画というものは、自動的に第二次五カ年計画の中に混入していくのが正当だと思うのですが、一応これを廃案にして五カ年計画の中に再検討を加える、縮小部面として。そういう御意思はありませんか。
  60. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) これを廃案にして、そしてさらにまた、第二次五カ年計画の内部の中へ入れて検討するということは、ちょっと考えられません。一応この案は、これによって、同じような仕事をしている工場をなるべく一緒にして、そうして能率を上げていこう。従って、人数は多少減りますけれども、それは、保守の方にその人たちをみな配置転換さしていくという考え方のもとに、人間の増員というものについては考えられておりますけれども、こいつを全然廃案にしていくということになりますと、廃案にしても、またさらに検討しますと、同じような案が出てくるというだけの話でありまして、むだな仕事になりやせぬかと思います。
  61. 森中守義

    森中守義君 私は、これはやはり、ものの順序というのか、手順としては、そういうことにいかなければうそだと思うのですよ。今、たまさか縮小されていく部面が工作工場ということで出ておりますが、あとは、局舎の問題が出てくるかもしれない、要員関係が出てくるかもわかりません。昨年副総裁に私は、計画だけ進行させたが、要員対策が並行していないではないか、要員対策の並行しないような五カ年計画というものはあり得ないということを主張したことがありますが、拡大する部面だけを表に出して、これが電電公社の五カ年計画でございますよというところに、そもそも計画に矛盾があり、そしてまた誤謬があり、大きなしわ寄せが来ていると思う。国会の中で審議をする場合も、電信電話の拡大はこういう方向へ合理化する、縮小するのはこうこういうものである、それで電電公社を今後五カ年間にかけてより健全なものにしていこうという、こういう結論が出ておりませんと、拡大する部面だけをむやみにわれわれは、あれもいい、これもいいということを 言っておりますと、縮小合理化ということが、全くこれは留守になってく る。そうしてそういうのがまた表に出ないと——たまさか国会の中でこの工作工場の問題が取り上げられたので、ここまで論議が進展してきたわけでありますが、われわれが知らない間に五カ年計画を推進していくために、いろいろな矛盾が電電公社の中に存在しているのではないか、私はこうも思うのです。だから、洗いざらいに拡大、縮小、合理化、こういう一連の計画のものを電電公社にわれわれは求めたいと思うのです。これが大体常識じゃないですか。事業経営の筋道だと思うのですが、どうですか。
  62. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 今のお話の通りに、従来の拡充計画というものが設備の拡充計画のみであって、要員関係が全然考えられてないのじゃないかというお話がありましたが、これは、私も前から痛切に感じていることでありまして、計画の内容において、ここに働く人々の職場の問題を考えない限りは、サービスの改善というものはできない。従って、どういう場所にどれだけの人がふえ、どういう場所にどれだけの人が減るのであるかということにつきましては、私は、当然五カ年計画の内部に入れなくっちゃいけないということで、それは、現在の計画の細目においては、全部調べておるわけであります。しかし、一方におきまして、住宅計画であるとか、あるいは研究所の計画であるとか、あるいは病院の計画であるとかいうような問題が、これは、ただいま金額でその中に別に積まれておりまして、それを適当に、今の人の異動その他設備の必要に応じてこれをやっていくというので、これは金額できめられておりまするけれども、この計画の内部において、もし設備計画の方に金が足りないという場合においては、こちらの方を融通する、また設備計画が非常に経済化をはかられて、資金が余裕ができたならばこっちへ持ってくるというような、その計画の内容においての融通というものがわれわれに許されておるものですから、あとの住宅あるいは研究所、病院、訓練というような問題につきましては、これは別途にそのつど、毎年度計画を立てるようにいたしております。で、修理の問題は、これは保全の問題に実は関連しておる。当然器材を経済的に使うために、従来故障のあった器材、これを修理しまして、これを場合によりますと、拡充に使う場合もありますし、保全に使う場合もありますが、大部分はやはり保全に使うのであります。そういう意味におきまして、これは、拡充計画というよりも、むしろ経営的な計画のもとに入っていくものでありまするから、五カ年計画の中に特にこれを含まない、含んでおるとは言い得ないのであります。
  63. 森中守義

    森中守義君 どうも私の勉強が足りないのか、電電公社の事情を知らなさ過ぎるのかわかりませんが、ここで私が御質問を申し上げておることに対しては、どうもぴんとした答えが出てこないのですよ。私が言っておりますのは、要するに、拡大の面だけを五カ年計画として立てておけば、これに要員の問題も、局舎の問題も、あるいはその他の縮小する設備の問題等も出てくるであろう。そうなると、拡大する部門を所定の日限に合わして進行していく中から、どうしても片手落ちが生ずるのではないか、これが一つの問題。これでは一貫した計画にならぬではないかと、こう言っておるのです。  それと、もう一つは、常識的に考えてみても、収入があり、支出がある、差引勘定が幾らになるか、まあこういうつじつまが合ったようなつまり総合計画でなければ、電電公社の正しい五カ年計画とは言えないのではなかろうか、こういうことに対してどうお考えですかと、こう聞いておるのですよ。
  64. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) これはもちろん、計画そのものの中には、廃止されているものも入っておるわけであります。たとえば、局につきましても、今まで手動交換であるものが自動交換になるという場合におきましては、これは人の問題ももちろんあります。と同時に、設備といたしましても、自動交換を新たに装置して、従来の磁石式あるいは共電式の交換機が一応撤去されてしまう、その撤去されたものを一応これを修理して使うものもありますし、あるいはそれを分解して、補修に使うものもあります。また、全然使うことができないで、廃棄処分にするものもあります。ですからして、そういうものは、計画の中に一々こまかく検討して入れてはありませんけれども、大体従来これくらい、何%ぐらいは使える、何%ぐらいは廃棄処分にしなくてはいけないというようなめどから、計画における単金の中にそれを組め入れていきたい。
  65. 森中守義

    森中守義君 なるほどこれは、全然マイナスの面を没却しての計画は進み得ないと思いますけれども、一々小さなものまでも計画の中に、支出の面、縮小、合理化する面はこれだとうたい入れなくても、少くとも五つの工場を、しかも長年の歴史を持つこの工場を合併しようという問題であるとか、あるいは年間に全国で幾つの局舎の新築をやるとか、要員はこうするという程度の大体合理化、縮小の面でも漸次整理していけば、三つなり四つなり大きな柱になると思う。そういうものを入れたらどうなのか。だから、当然工作工場の問題は、縮小合理化されていく面としては、ごく大きな問題であろう、だから、拡大の面は、電信、電話、これだけである、縮小はこれだけであるという、そういう程度のものは出せないのかと、こう言っておる。また、そういうように私ども承知して、五カ年計画を審議しませんと、ただ、先刻申し上げたように、むやみに日限を切って仕事をおやりになるわけですから、その間に片一方の方がおろそかになっちゃ困ります。拡大もしていかなくちゃならぬ。しかし、拡大するために計数やあるいは整理はされておるのでしょうけれども、そういうものが並行的についていかないと、総合的な検討ができないのです。そういう意味で、プラス、マイナス二つの面、総合的な計画が必要ではなかろうか、こう言っているのでありまして、これに対して総裁は、どうお考えになるのですか。大体これは常識じゃないでしょうかね。
  66. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) そのこまかい一々の細目についてやるわけじゃありませんが、たとえば、減価償却積立金というものがある。これは撤去してもはやそれを採用しない、そういう場合におきましては、一応のめどとしまして、年々自己の資産に対して、あるパーセンテージの減価償却の積立金をするわけであります。その減価償却の積立金を実は拡充の方へ使っていっているわけであります。でありまするから、その積立金そのものがその年に全部使えなくなるという意味じゃないのであります。現在使っておりますものは、ライフがたとえば二十年ということでありますならば、それを二十年間に償却する。そうすると、五%づつ積み立てていくわけであります。しかしそれは、初年度においてすぐ五%減耗して、全然使えないのじゃありません。それだけの金を二十年間に積み立てて、二十年後においてちょうど設備がゼロになると同時に、それを取りかえるだけの費用がそこに積まれておるという問題であります。でありますから、その金を適宜拡充の方へ使っていくようなわけでありますから、従ってその減価償却積立金の中には、取りかえに使うものもありますし、また、一時将来の拡充のために使う部面もあるわけであります。従って、計算上、経理上の上から言いますれば、一方においてそれだけ資産的には減っていっておるのでありますから、一方にそれを拡充に使っただけはまたさらに資産がふえていくということで、減価償却積立金の、理論的にはそこに合理的な設備ができるわけであります。そういう計算のもとに五カ年計画を立てるわけでありますから、一々、これが幾ら減る、これは幾らふえるということにはなかなかできないのです。結局そういう資金をみな集めてきまして、設備計画というものを作っているわけであります。
  67. 森中守義

    森中守義君 どうもおわかりになりませんね。私は、そういう細大漏らさず、一銭一厘も違わないような拡大、縮小の面を出せと言っているのじゃないのです、大体ものの順序といたしまして、拡大する場合にはこれだけだ、縮小する場合にはこういうものがある、そういう連鎖反応的に一緒に検討しないと、五カ年計画は審議できない、こう言っているのです。よろしゅうございますね。つまり、拡大は大いに、これは公共の事業ですから、しなくちゃなりません。しかし、むやみに拡大していくために、片一方の方が犠牲になることは、これは困ると言うのです。また、現実にそういうものが今までに二、三あります。だから、計画の方式としては、拡大、縮小、合理化、こういう大ざっぱなものが両々相待って一緒に出てこないと、片手落ちではなかろうか、また計画が形式を整えていないのじゃないか、こういうことを言っているつもりなんですが、御理解いただけませんか。
  68. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 拡充計画の中に、そういうふうに、項目別に、ここまでが拡大であり、ここまでが合理化であり、ここまでが縮小であるというふうに、分けてはやっておりません。どこの局を今度は廃止する、どこの局の交換機は、廃止した後において使えなければこれを廃棄処分にしてしまうというようなわけでありまして、その中に皆織り込まれているわけでありまして、そういうように、これは拡大であり、これは合理化であり、これは縮小であるということを拡充の中でこまかく分けるということになりますと、大へんな手数が要りますので、今の修理工場の問題は、申し上げたように、これは保全の問題でありまして、拡大の問題との関連はあまり強く持っておらない、ですから、経理の上における合理化としてわれわれは考えている。
  69. 森中守義

    森中守義君 大体私は、意味が通じないと答えが出ないと思うのです。そうでしょう。それで、電電公社が、さっき申し上げたように、英才を誇っておりますが、しかも、機構的にも、いろいろなことが調査できる人が配置になっております。そういう機関があ る。こういうものを動員して、毎日仕事をおやりになっているのでありますから、拡大、縮小ということの、縮小の部面の計数が出ない、その項目があがってないなんということは、これは私は、あり得ないと思います。もしそういうような電電公社の実態であるならば、これは、電電公社は大へんですよ。だから、拡大、縮小という一連の計画を出したらどうですかこう言っておるのです。おわかりにならなけれ ば、また同僚の議員の方がたくさん同じような御質問があるでしょうから、私は一応これで、満足な答弁が得られないので、発言の自由を留保するということで、ここで一応切っておきま す。
  70. 靱勉

    説明員(靱勉君) 総裁の答弁を補足させていただきますが、先般来ごらんに入れております電信電話の拡充の五カ年計画は、これは、主として設備の拡充計画、それには当然資金計画、また、先ほど来おっしゃった要員計画というものは、非常に重要な問題でありますから、これは当然に考えなければ拡充五カ年計画が立たぬ。ただし、先ほど総裁からも御答弁申し上げたように、その他あるいは研究上の問題、あるいはまた通信技術の新技術をどういうふうに導入していくか、あるいは厚生施設というようなものにつきましても、私どもやはりできるだけ長期の計画を立てまして、実施していかなければならぬというので、そういう計画も別に策定いたしておるわけであります。今問題になっておりまする工作工場の問題につきましては、電信電話設備の拡充五カ年計画ができました上で、それによってどういうふうに修理事業というものがなっていくか、そういうものを検討して、別途考えるという態勢でございましたので、今御質問のように、電電公社の事業運営五カ年計画となりますれば、当然にそういうような、拡充整備計画に載っていない他の考えもあわせて総合されることが、御指摘のように正当だと思います。ただ、先般ごらんに入れておりますの は、まさに電信電話設備の拡充計画だけでございまして、運営全体の五カ年計画ということにはなっていないのでございます。ですから、これらが全部総合されたものができていないもの は、まだ未熱であるとおっしゃればまさにその通りでございますが、大体設備の五カ年計画にいたしましても、これはまあ一番長期に見通しを立てまして、サービスの改善という計画を中心として、対利用者との関係も一番基本的な問題でございますから、まずそれを策定いたしまして、それに基きまして、他の計画もこれを立てていく。それからまた、具体的に申しますれば、年々に予算要求をする際に、そういうような計画を織り込んでごらんに入れる、こういう形になっておるのでありまして、御審議を願うという形になっておるのでございまして、三十三年度の予算といたしましては、直接あまり今度の工作工場の経費関係というものが問題になる程度のものでなかったものでございますから、一緒に提出していなかった、こういう形でございまして、損益勘定あるいは建設勘定におきましても、あるいは局舎を建てる予算、工作工場の新築をするというようなときになりますれば、もちろん予算として御審議を願う次第であります。まあ今、問題になっておりまする案にいたしましても、三十四年度、三十五年度以降に、かなり具体的な問題になってくる。三十三年度におきましては、一応品目の整理とか、やり方を変えていこうという案になっておりますために、大きく予算項目としてなっていなかった、こういうような次第でございまして、今、御指摘の点は、確かに、電信電話事業運営の全体計画ということになれば、おっしゃるように、そういうものも織り込まなければならぬ。ただし、先般来御説明申し上げておりますのは、中心をなす設備計画の五カ年計画を策定いたした、こういうことでございますので、御了承願いたいと思います。
  71. 鈴木強

    ○鈴木強君 問題を元に戻しまして、工作工場の問題につきましては、先般、総裁から明確に、団体交渉をやって結論が出るまでは準備行動をとらないということが明確になりましたから、非常にけっこうでございます。そこで私は、答弁は必要ありませんが、この機会に二、三公社に要望をしておきたいと思います。まず、いろいろと問題のありました工作工場の運営方針について、とにもかくにも一応の結論が出て参りました。しかし、この結論の出し方については、先般来非常に問題があることば十分おわかりのことだと存じますが、特にこの際、まず第一番に申し上げておきたいのは、工作工場というものの必要性、これはもちろん、これからずっと伸びて参ります電電公社の計画の中で、新らしい設備も入って参るでしょう。明治時代に使っておった古い機械が、もう耐用年限が過ぎて、それぞれ処分しなければならないことも出てくるでありましょう。しかし、いずれにしても、高度な、しかも多種な技術が電電公社の中に入ってくることは事実であります。現に今日入りつつあります。従って、これらの新技術に対応する修理計画というものは、やはりよほど先を見越してやりませんと、失敗を犯すと思います。私は、少くとも電電公社の事業というものは、公社法の精神にもありますように、電電公社というものが責任をもってこの運営に当っていくということが建前であります。しかもこれは、公平に電気通信事業というものを国民にサービスしていくということだろうと思います。また、この事業を完成する過程において、関連メーカーの方々にわれわれがずいぶんお世話にならなければならぬ点が出て参ります。ですから、私は、すべての問題について、公社が自分の力でやっていくのだということではございません。新しい技術の御援助等は、当然やっていただかなければならぬのでありますが、できるだけその比重というものを公社が強く持っていくという考え方をやはり堅持しなければいけないと思います。そういう立場に立つと、今後いろいろな新しい技術が入って参りますが、そういった技術の修理等についても、公社が原則的にやはりやっていくのだという態勢を堅持しなければいけないと思います。この示された運営計画を見ますと、何かしら、小型搬送機だとか、明治時代の古い電話機等を今までやってきておるのだが、そういうものは時代おくれだから廃棄してしまうのだ、そうすれば、もうこれから品質もよくなってくるから、そう修理もなくなってくるから、工場は閉鎖ないし処分していくのだ、こういうような考え方だと思いますが、これは私は、思い違いもはなはだしいと思います。さっき申し上げたような前提に立つならば、やはりそれに対応する工作工場というものを完璧化することが一番大事なことだと思いますが、そういう運営方式についても、これは労使間において十分協議がなされると思いますから、これは、まず希望として私はこの点申し上げておきます。  それから、なぜそれでは、今まで工作工場が非常に問題になってきておるかと申しますと、やはり工作関係——工場計算規程というのがありまして、これによって非常に窮屈な、独立採算制と申しますか、収入支出の見合いを押しつけられておりますから、従業員は非常に戦々きょうきょうとしておる。こういった工場計算というものが、工作工場関係だけに今日適用されておりまして、そういう面からいって、従業員が非常に不安な気持になっております。ですから、私たちが口をすっぱくするほど申し上げるのは、この工場計算というものに抜本的にメスを入れてもらいたい。しかも、さっき申し上げた前提に立ってそういうことをわれわれは主張してきておったのでありますが、今度の公社の計画の内容を見ますと、わずかに、この点については、将来工場計算規程を簡素化するのだという点に触れて、逃げております。これはきわめて重要な点でありまして、この点こそ私は明確にして、そうしてその上に立って、こうあるべきだということであるならば、私は、どういう結論をお出しになりましても、一応納得できるのでありますが、この大事な点をごまかしてしまって、将来の懸案にしてしまって、そうして縮小の方向を出しておるということは、まことに重大でありますから、この問題を解決しない限り、どういう形におきましても、将来工作工場の職員は依然として不安な気持に置かれてくる。これは、火を見るより明らかであります。ですから、こういう点をまず一つ抜本的に労使間において話し合いをしていただきたい、こういうことであります。  それから、このことが当然人件費等の問題にからんでくるでありましょうし、現在の作業日報を作らなければならぬということにも関連するわけですから、そういう面からいって、将来電電公社事務規程の簡素化を考えておられるということなら、今私が申し上げたことと合致するわけです。その将来の団交の中に早くこれを出して、早急にこの結論を出すということになろうかと思います。これはいろいろ議論もあろうかと思いますが、少くとも将来に、さっき申し上げた、電電事業というものが、いろいろな設備が入って参りましても、それに対応する技術というものも体得することが私は必要だと思います。たとえば、自動車の運転手になるにも、最近はただ運転技術だけを二カ月か三カ月習って、さあ今度車が坂の上で故障した、その故障はどこが故障なのかわからない、というような現実もあるようであります。これはいわば片ちんばなものであると思います。少くともそういうことはとるべきでないと思う。やはり運転免許を持つ人は、むずかしい故障は別としても、ある程度の機械の操作ということ、故障というものを発見して自分で直せるだけの技術をほしいと思うわけです。そういうことも公社の今後の工作工場の問題についても適応するのじゃないかと思うのです。ですから今後、電気通信研究所という立派な研究所があるわけですから、そういった研究機関とこの工作工場をどういうふうにタイアップさせていくか、これも一つの問題でありましょう。  それから、職員の訓練等についても、もちろん学園がございますが、しかし、工作工場というものが今申し上げたような技術保存という立場に立って、やはり一つ、これは完全な訓練機関ではございません、工作工場ですから、しかし、万一の場合にそういった技術を保存するという意味から申しましても、今申し上げた技術を修得させるという意味からしましても、大事なことだと思いますから、この点も一つ関連をしていただく。そういうふうにして、とにかくなくするのだ、統合するのだ、ということでなしに、もう少し抜本的な考え方をこの際公社は再検討していただきたいと思います。  それから、通信局の現在の十一ですかございますが、こういった行政区画的に一応大ざっぱに割ってありますが、これらの問題につきましても、今回出された工作工場の廃止統合を見ますと、相当疑問が出て参ります。たとえば四国を二つにして、片方は大阪に持ってくる、片一方は中国ですか、そこで修理すればいいのじゃないか。あるいは新潟は東京に持ってくればいいのだからそうするのだ。こういうような機械的な考え方をしておるのでありますが、そうしますと、現在の電気通信局所在地ごとに区画されております、この区画の問題まで論議が発展するような気がするのです。この点もう少し慎重に研究してもらいたいと思います。  以上四点ばかり申し上げましたけれども、結論的に、これらの点をどうぞ一つ、せっかく円満に解決しようという公社の熱意が、少くともこの委員会において表明されたのでありますから、今後の労使間の円満な解決を念願するものでありますが、今後団交の経過等も十分われわれにお聞かせ願い、必要があれば、私たちも意見をこの委員会において申し上げて、ぜひ国会も一緒になってこの困難な問題について解決をしよう、という熱意を持っておるわけでありますから、そういう点で一つ積極的な団体交渉を重ねていただいて、本問題の円満な解決を念願をしておきたいと思います。
  72. 久保等

    ○久保等君 今の質問に関連する問題なんですが、工場計算の問題について私総裁に若干お尋ねしたいと思うのですが、工作工場で一番問題になっておる点は、突き詰めていえば工場計算の問題だと思うのです。ところが現実に今の工作工場の実態は、すでに公社でお作りになった試案の中でも言われておるように、工作工場に働く従業員の人たちにとっては、他の部門より以上に工作密度が非常に高い、というようなことを認めておられるようです。確かに非常に一生懸命働いておられる。ところが一般の民間と同じような工場計算制度によって計算をして、能率が上らぬぞ、上らぬぞという形で、今日まで非常にしりをたたいて運営をしてきておると思う。しかし結論的にいえば、やはりなお非難が絶えないからこの際縮小しようというような考え方を持っておられるようですが、私は、今、鈴木委員も言われた問題にも関連するのでありますが、工作工場の経営そのものを積極的な考え方の上に立って経営していこうとするのか。それとも工場計算なりあるいは採算なりという問題からだけ、工作工場の問題を考えていこうとするのか。ここに私は問題が分れる根本の理由があるのじゃないかと思うのです。今までの経過を見ておりますると、残念ながら、とにかく民間と局部的な面だけをとらえて経済比較をしてみる。ところがどうも民間と比べて経済的にあまり成績がよくない。それならばそういったものは、公社からできるだけ切り捨てていった方がいいのじゃないかというようなお考えが、私は特に総裁のお考え方もそこにあるのじゃないかと思うのですが、これが今度の工作工場あたりの問題の取り上げ方の根底に流れておるのじゃないか、という実は気がするのです。しかしながら特に電気通信事業というものが、戦後において合理化々々々というようなこと、特に電電公社になってからは、企業合理化という観点で、非常に経済面を強く取り上げておることについては、私どももある程度賛成をしたいと思う。しかしただ、電気通信事業というものが、民間の企業と違った非常に重要な公共事業である。しかもまた電気通信事業には、非常に高度な技術的な水準が要求せられる。それからまた非常に日進月歩、移り変っていく技術というものを、やはり中心にした企業であるというところに、特殊性が私はあると思うのです。従ってたとえば修繕部門なら修繕部門だけをとらえて、民間の小さな一修繕工場、そういったものだけとそれを経済比較をするということは、私は根本において誤まっておると思う。なぜかといえば、電気通信事業でやっております工作工場というものは、大きな電気通信事業、すなわち運用なり保守なりやっておる面の中における一つの工作工場も、私は大きな意味ではやはり補繕部門になると思うのです。従ってそういう一環としての工作工場と、単に工作関係だけをやっておる民間と、企業だけの経済比較をやって、そこで甲乙の判定を下すというようなことは非常に酷でもあるし、またこれは電気通信事業としては、そういう判断は私はすべきでないというふうに実は思うわけなんです。これらの点がどうも私ども、基本的な問題として、ちょっと納得がいかないのですし、今度の工作工場に出てきた、できるだけ将来は縮小していって、むしろ廃止した方がいいのじゃないかというような考え方が、この根底にあるように見受けられると思うのですが、電気通信事業の特殊事情を考えた場合には、これはやはりここ一年二年というだけの問題だけじゃなくて、長い将来の電気通信事業の発展ということを考えるならば、民間なんかでできない、将来の電気通信事業というものの技術を、どういう標準まで持っていくべきか、またその技術そのものの保存なり向上というものを、どこが考えていくかという問題になると、これは民間の企業ではなくて、やはり電気通信事業に負わされた一つの使命だと思う。それをただ単に、今日の経済情勢なり民間における生産、あるいは修理の状況等を判断して、しかも電気通信事業部門におけるある一部の部門だけをとって経済比較をして、そこで甲乙の判定を下すというようなことは、根本的に誤まっているのじゃないかというように考えるのですが、そういう有機的な電気通信事業という、生きている電気通信事業なり、あるいはそれに伴う保全部門、あるいは修理部門、そういったようなものは当然関連さして私は考えていかなければならぬ問題だと思うのですが、総裁、いかがですか。
  73. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) ただいま鈴木委員、久保委員からのいろいろの有益な御意見を伺いまして、まったく同感であります。ことに御指摘になりました工場計算事務規程というものは、これはある程度無理だと私は思っております。私自身も修理工場を自分でやったことがあります。その際にどういうような事務をやり、どういうふうに修理していくかということを経験しております。現在の公社の工作工場のやり方というものは、いわゆる物を新しく作るときの工事計算である、製造するときの計算事務である。従ってその計算事務を修理工場に当てはめることは非常に困難なのであります。ところがこの規程というものは公社になってできたのじゃなくて、電通省時代からもうすでにあったのであります。それをただわれわれが踏襲してきたのでありますから、電通省の当時においてどうしてこういう規程ができたのだか、私自身にもよくわからない。しかし現実の問題として無理だ、だからこれは計算方式をもう少し変えなければいかんということは痛切に感じておりまして、三十三年度中にこれを改善してしまいたいという考えを持っております。これは今の工作工場の問題に、内部に含まれてそういうことをやるつもりでおります。また先ほど言われた新技術の問題並びに修理技術と保全との問題等につきましては、これはやはりみなわれわれは工作工場というもので関連がありますでしょうし、技術はどんどん進歩して参りますものですから、現在のような修理方式では内容が変ってしまうと思う。しかし、新しい技術を含んだ機材に対しても、やはり保全修理工場である程度はやってもらわないといけない、全部それを民間の工場に出してしまうという意味では毛頭ないのであります。それからまた、修理の技術を覚えることによって保全が一そうよくなるだろうということも、これは現実の問題であります。ですから修理の技術をわれわれは全然持たないでいい、という考えは持っておらないのであります。修理技術というものは保全とは密接不可分のものであるから、これを工作工場において保有して、将来とも保全の技術を進歩さしたいという考え方であります。
  74. 久保等

    ○久保等君 私は今総裁が劈頭に言われた、工作工場の工場計算等の問題についても、むしろ非常に意外に思っているくらいだと言われたことについては、私も実はそのままに感じておるわけです。いわば設備の問題にしてもそれからあそこに働いておられる従業員の方々に対しても、今まではとにかく、従業員の方々はだんだん老齢化していく。ところがこれに対する対策についても、訓練あるいは新らしい技術を身につけられるような方途は全然考えていない。また設備はこれまた十年一日のごとく古い設備をそのまま使っておる。こういう扱い方をしていけば、当然そういう工場で、近代化をどんどんしている電気通信事業の機器の修理ができるはずがないと思う。そういう扱い方をして結果的にどうも使いものにならない、あるいはやらしてみれば非常に時間がかかるということでは、私は全くこれは工場に働く従業員の方々に対して申しわけないと思う。工作工場の扱いの問題については、もう少し生かして使う方法を積極的に考えなければいけないと思う。これは設備についても当然ある程度近代化していかなければならない。またそこに働く人たちについても、技術の習得については特別の考慮を払わなければならない。それは工作工場の工場計算の問題のらち外の問題だと思う。電気通信事業が技術というものをほんとうに採算を抜きにして、ときと場合によっては考えていかなければならない、という重要な公共事業であるとするならば、これは当然そういうものに対する設備資金なり、あるいは人員の訓練その他の問題については、よほど積極的な私は考慮を払わなければいけないというふうに実は思うのです。ただ現実の最近における動きというものは、極端なことを言えばなるがままにまかしておった。局舎なんかについても、これは非常にひどい局舎です。総裁もよく御存じだと思うのです。工作工場で非常に近代化されたりっぱな工場だと言われるものは一つもない、率直に言って、どこをごらんになっても。九州の佐賀だけは最近見ておりませんから、これは焼けたあとの佐賀は知りませんが、しかし、全国的に大体もうほとんどが建物そのものが非常に悪くて、そこで日日働いておられる方々にはお気の毒だという状況の中にある。ですから工作工場で働いておる人たちは、今申し上げたように非常に不安動揺の中に置かれておる。しかも、片方においてそろばん片手にしりをたたかれるという情勢にあることについては、むしろ私はこういった工作工場という形で運営してきたことについて、現場の工作工場ではなく、本省あたりにおける私は責任者たちの扱い方の問題について、強い反省をお願いしなければならないというふうに考えておるわけです。  私は、結論からこの問題について申し上げますならば、もうからないというか、割が悪いからこれを縮小していくという考え方ではなく、積極的な意味を持たす。従って、内容を申し上げますならば、今申し上げた設備、人員の問題についても、これをむしろどんどん拡充していく、あるいは内容を充実していく、こういう方向に特別の一つ御配慮を願いたいと思うのです。ここ何年か非常にしわ寄せされたような形で、たまりにたまった状態が、今日の私は状態になって現われておると思う。従って、それを表面的にいえば、今度作られた試案を批判をしておるような批判が当る結果になっておると思うが、その内容にあげて来たったゆえんは、私が先ほど申し上げたような、今までに基本的な運営の方針ができていれば、一つ民間の方が早いようだし、能率もいいようだということで一つ一つ切り落した結果、消極的な扱いになってきた結果が、今日のような情勢になっておる私は大きな原因だと思う。そういう意味で、技術的な立場でこの工作工場の内容をむしろ充実していくのだ、これを育成指導していくのだという立場をぜひ一つおとり願いたいと思う。  さらに私は、付け加えて技術の問題について総裁に申し上げるのは、まことに釈迦に説法のような話で恐縮なんですが、電気通信事業の建設部門における問題についても、今言った工作工場の問題と同じような問題が、やはり本質的にあるのじゃないかという気がするのです。それは何かと申しますると、今日電気通信事業が、非常に大規模な拡充計画をもって、建設工事をやっておられます。ところがこの建設工事のほとんど大半というものは、民間企業に依存した形でやられているわけです。しかしこれが果して、電気通信事業のほんとうのあり方として正しいかどうかということになると、私はこれに対しては非常に大きな疑問を持ちます。それはなぜかというと、保全部門の立場から考えてみましても、ほんとうに完全な保全をやっていこうとするのには、技術屋である立場から考えてみた場合には、ある程度建設工事の建設過程にも参加していなければ、いざ鎌倉というときになった場合に、故障が出て修理をしなければならぬという場合に、どこをどうケーブルが通って、どういう過程を経て建設がなされたのか全然わからないという立場で、保全部門に引き継ぎがされても、これでは理屈通りに完全な保守ができない。私はそういう意味で、保全部門との関連において必要な限度においては、建設工事は、やはり電気通信事業を直接扱っておる電電公社が、直接これを担当すべきだというふうに考える。ところがこれもまた最近の趨勢を見ておりますと、非常に民営といいますか、民間でやっておりまする建設工事会社に、過度に請け負わしているという傾向が結局多い。こういうことでは、ほんとうの保全という立場からだけ見ても、ほんとうの技術を十分に電気通信事業に携わっておられる従業員の方々が身につけて、保全を行なって電気通信事業を行なっていくということができないのじゃないかというふうに私は考えるのです。  この具体的な一例としては、建設工事会社が、実は自分みずからの能力においてさえ消化しきれないほどの工事をやったがゆえに、逆に時と場合によると電電公社の従業員がお手伝いをしているといった問題すらないではないわけだ。こういうようなことからしても私はこっけいな話だと思う。ずっと私は十年も二十年も昔の時代の郷愁感をもって申し上げるわけじゃないのですけれども、特に、非常に技術屋としての権威者であられる総裁に、こういうことを申し上げるのは恐縮なんですけれども、しかし私、電気通信事業をずっとここ十年、二十年の過去を振りかえって眺めてみますときに、何かしら技術部門のほんとうの技術という面が、電気通信事業に携わる電電公社にはない、民間企業の中に移されていきつつある。極端なことを言うと紺屋の白ばかまということがありますけれども、紺屋の白ばかまは、自分のところでやろうと思ってもやれないほど非常に仕事がたくさんあるから、これを外に出して、自分みずからは紺に染めることもできなくて白いはかまをはかなければならぬということわざがありますが、電気通信事業の実情は紺屋の白ばかまでなくて、電気通信事業に携わっている従業員そのものが、紺に染めるという技術そのものを知らない。従って紺屋のしろうとというようなことにさえなりかねないような状況に、だんだんなんか移っていっているような気がするのです。私はそういうことではならないのじゃないか。たとえば、新しい機器を研究して、これをぜひ試作したいというような場合にも、これを民間にやらしているわけですから、もちろん私は全部が全部いけないとは思わない。しかし試作といっても一応研究をして、青写真にとった上その試作をしてみたらどういうことになるだろうかという、そういう試作をある程度私は電気事業そのものの技術、設備の能力の中において、やっぱりできる程度のものは持つ必要があるのじゃないか。簡単に青写真か何か作ったものがすぐ民間企業に移されていく。表面から見ると、何かほとんど安く、ただでそういった試作品ができるということで、非常に経済的じゃないかと言われるかもしれんが、しかしこれは必ず、民間企業というものは、総裁も民間で長い経験を持っておられるから、私が申し上げるのも変だけれども、何かの経費というものは、すべてこれは工場に納められる製品の中に含まれる。大量生産で納められる機器の中のやはり単価の中に入ってはね返ってくることですから、どこにそれが出てくるか出てこないかは別として、それはどこか回り回って電電公社が支払っておるという結果になる。私は従って結局試作の段階についてはある程度電電公社でやれる体制に、設備の面においてもまた人の面においても確立しておく必要があるのではないか、ということも実は考えておるわけなんです。  先ほど申し上げた建設工事過程の問題についても、電気通信事業に直接たずさわっておりますところの技術員の方々が、ある程度やはり建設工事にもタッチして参る、というような体制をやはり確立しておく必要があるのではないか。そのように私は考えるわけで、この問題は基本的には、先ほど一番最初から問題になっております工作工場の問題と、やはり相関連した問題である。技術の問題をどう考えたらいいか、できるだけ民間にやらせる。電電公社は極端にいえば、オペレーションだけやっていればいいのだという考えで扱っていこうとするのか、それともやはり技術そのものを電気通信事業にたずさわる人たちができるだけ身につけ、これをさらにどんどん時運に即応するような形で、何といいますか訓練もやって参る、研究もしていくのだというような考え方でいくかどうか、ここらに私は本質的な岐路があると思う。もしそういう私が今申し上げたような考え方に立つとするならば、工作工場の問題なんかについても、その問題と非常に変った意味で、実質的な、むしろ拡充し充実していくのだという考え方になって参るだろうと思うのです。従ってここらは電気通信事業の上の大きな施設部門における、流通部門における扱い方の本質が問題だと思う。総裁のこれに対する考え方をこの機会に承わっておきたいと思います。もちろん抽象的な議論に若干なるきらいがあると思いますけれども、一応そういう方向についてどういうお考えなのか一つお聞きしたいと思います。
  75. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 電信電話技術は非常に進歩の早い技術であります。従ってこの技術の進歩をはかることの使命というものは、電電公社にあると私ども信じております。でありまするから新しい技術に対する研究ということについては、十分われわれは経費も人もかけてやっていきたい。またその研究所に付属して相当な試作工場を持っておりまして、一応自分のところで研究するために使う設備並びに部品等は、みな製作ができるようになっております。ただしこれで一応見当がつきましたときに、これを民間の会社に商用試験をするために作らせる。そうしませんと電気通信研究所でいつまでも製作するというわけにもいきませんですから、基本的なものは全部やりました上でこれを指示して民間の会社に作らせる。そしてそれを使ってみてよければその経験をもってだんだん量産にもっていく、という意味での民間での試作はやりまするけれども、基本的な試作というものはみな研究所の中でやっております。  また工事そのものにつきましても、現在の実績から申しますると、大体工事量の半分が民間に出ておるのであります。半分は依然として電電公社でやっております。従ってみずから建設工事をやることによって、将来の技術の進歩をはかるということについては、決して遺憾のないようにやっておるつもりであります。そういう意味におきまして、私どもはやはり電信電話技術の進歩発達をはかる中心は電電公社でなければならない。そういう意味でありまして、これを工作工場と結びつけてどの程度にいくかということは問題であります。つまり工作工場がその設備を一般の工場のようにしますると、それが非常に膨大なものになります。それを活用するということが十分できないのじゃないかという点がありますから、新しいものを十分そこで勉強するということは必要でありまするけれども、設備を一般の製造会社の規模のように大きくするということは、疑問じゃないだろうかというふうに思います。  それから新技術の発展のために保全の意味からいいましても、工作工場がある程度の役をなすということは疑いのない問題であります。
  76. 久保等

    ○久保等君 それで先ほどちょっと私の質問した中で、工場計算の問題についてお尋ねをしたのですが、今度の案を見ますると、何か簡素化するというようなことがいわれておるのですが、その精神とする基本的な考え方とするところは、先ほど来の総裁の御説明、御答弁から伺いますると、相当根本的に考え方を変えようというような御趣旨のようでありますから、私もその点において賛成したいのです。ということは、何か事務的な簡素化をするというのではなくて、工場計算そのものの従来の考え方というものを、民間の工場と比較して経理計算等を考えておるのですが、これは今言ったようなことを考えると、非常に無理だということになるわけです。従って私は単にその事務的な扱い方の簡素化とか何とかということではなくて、やはり技術という立場から考えて参る場合には、また大きな機構の中における工作工場ということになって参りますると、極端なことを言えば、総裁の人件費も一部はやはり工場管理の面があるのだから、総裁の何千分の一か何百分の一か知らないけれども、給料も工作工場でみてもらわなければならぬ、というような考え方をしていくのだと、これは限度があると思うが、非常に無理な問題になってくると思う。これは今はそんなことは、従来だって考えておらないと思いますし、またそんなことを私は考えておるとは思わないのでありますが、しかし大きな一つの十数万の電気通信事業の中における工場計算の問題については、やはりこれは電気通信事業という本質から考えれば、仕事の考え方というものの特に重要なファクターについて、これをむしろ排除していくという意味で、従来のように過度な従業員に対するしわ寄せをなくするように、従業員に対する過度な疲労度というものを排除するというような考え方で、工場計算の問題については再検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
  77. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 現在の工場計算は修理原価を正確につかむという意味でやられたそうであります。その意味においては一応はよいのだ。しかしその修理原価を一応つかんだならば、それによって経費の割り出しをすればよろしいのでありますから、その計算方式をいつまでも続けるべきものではないと思います。従って私はこの工場計算の方法については十分検討していきたい。そうでないといかにもその計算様式にとらわれて無理に仕事をしたり、無理に手数をかけるというようなきらいがあります。現在一般の民間の会社でいいますると、直接要員と間接要員との比というものは一応標準があります。それから見ますると修理工場は間接要員が非常に多いのです。大体直接要員に近い数が配置されておる。それは主として計算事務に要するにわずらわされるということであります。さようなむだをわれわれはやはり考え直さなければいかぬという考えをもっております。三十三年度にはこの問題を解決するために、今しきりに調査しておるという意味でありまして、今その具体案が作られておらぬものですから、ここに提示しなかった、実際にはやりたい、こういう意味であります。
  78. 鈴木強

    ○鈴木強君 時間もおくれておりますが、緊急に総裁にお尋ねしておきたい点が一件あります。これもいろいろこの委員会で何回か論じきたった問題でありますが、パワース・サマスのことであります。昨年公社は実施したいということで訓練を続けておったのですが、それがだんだん延びておりますが、聞くところによりますと何か三月十一日に一方的に、公社は試行ということに名をかりてやるのだというのですが、それはどういうふうになっておりますか、その点一つこの機会に伺っておきたいと思います。
  79. 吉沢武雄

    説明員(吉沢武雄君) パワース・サマスの採用の理由なり、あるいは公社としての実施計画につきましては、前回に詳しく御説明申し上げました。その方針で実は機器の整備なりあるいは訓練なりをやっておったのであります。従って大体訓練の経過もある程度の実績をおさめ、それに伴いまして必要なる要員の増員も考えまして、実施したいという考えのもとに、組合とは話を進めておったのであります。ところが組合の方の見解といたしましては、やはり作業過程において、新しい仕事の疲労度が相当増すのじゃないか、それがためには特例休暇をある程度ふやしてもらわなければ困る、こういう見解が組合からの実施上の一つの要件でございます。私どもそういう点につきまして十分実は考えたつもりでございますが、その意味では限られた範囲でまずやってみたい、名古屋におきましては当座実施の範囲は長距離即時の区間だけやってみたい、現在の九十六名かおりますそれに対して二十名くらい増員をいたしまして、まず試験的にやってみて、その二十名というのも作業密度が相当ふえますから、まず二十名ぐらいふやせば従来の作業の疲労度は特別ふえるはずもないだろう、こういう見解で一つ試行的にやってみようじゃありませんか、その結果非常に作業度も、あるいは疲労度も多いというならば、そこに特例休暇なり、あるいは増員措置も考えてみたい。こういう主張で目下話し合いを進めておるのでございますが、実施予定は実は三月一日ごろ実施予定のつもりでおったのでありますが、やはり、これもまた組合とわれわれと十分話し合いのもとに、やっていった方がいいという考えのもとに、目下話し合いを進めております。従って予定の期日よりも実施が延びておる次第でございます。十分にこれは協議の下に実施していきたい、こういうふうに考えております。
  80. 鈴木強

    ○鈴木強君 大まかな公社の考え方はわかりますが、しかしまだ問題点として残っておりますのは、IBMとパワース・サマスとの技術の比較ですね、今二つやっておられるわけですが、将来どっちがいいのか、そういう比較も私たち聞きたいと思いますし、それからもっと進んで一〇三番だけを試行しようということなのですが、するならば、私はむしろ作業量の問題、それから疲労度の問題、こういった問題が今一番問題点なのでしょう、ほかにはないと思うのです。ですからその点だけにしぼられてきておりますから、もし試行ということで六ヵ月やるとすると、一応われわれは労使間の問題について、今まで労使間で問題になっている点を勘案してやってみる。それによって公社の方が言っておるのが正しいか、あるいは組合が主張しておる方が正しいのか、試行過程でわかってくると思うのです。ですから、そういう点を十分考えていただいて、試行するならば試行する方がいいと思うのです。そうしませんと、一〇三番だけやるとおっしゃるが、それはもうあなたの方では、訓練の方は成果を納めておるということでやっていきますけれども、それでは実際の作業度なり疲労度はどうなってくるのかという点が非常に疑問でありますから、その点を解決して私はやる方がいいと思うのですよ。そうしませんと、何か試行だということで、片方の主張を受け入れずにやってしまうということになりますと、今まで三カ月間円満に解決しようということで、せっかく努力して問題点がしぼられてきておるわけですから、その点を私はもう少し話し合いをして、現地でおそらくおやりになっておると思いますが、特別休暇とかその他の問題になって参りますと、必ずしも現地で解決できないような事項になるかと思いますから、本社でも私はやはり指導をしていただくように前から要望してもおりますし、やっておられるようですから、現地まかせではないと思いますが、なお十分連絡をとって今申し上げましたように、もし試行するとするならば、今言ったような問題点を含めて、組合の主張を入れてやってみるということで、もしあなたの方が正しかったら私は組合側も納得すると思うのです、試行でありますから。そういう点を入れないと、当然この問題は大きな問題になるような気がしますので、私はこの委員会で取り上げたわけですが、その点はいかがでございますか。もう無理に、一日が十一日に延びているのだからやるのだというのか、それとも今申し上げたような点をやるとしても、もう少し話し合いをして、そして妥協をしてやるのか、こういう点、いかがでございますか。
  81. 吉沢武雄

    説明員(吉沢武雄君) パワース・サマスと従来採用いたしておりますIBMとの経済比較、あるいは作業員の能率あるいは疲労度等、おっしゃるように非常に研究問題でございます。従ってIBMにつきまして、一応東京、大阪におきましては、その結果が出ました。しかし新しく採用いたしますパワース・サマスにつきましては、大体名古屋の区域をパワース・サマスを採用したら、IBMを採用したらどのくらいの経済上の利点があるかというものを出してみたのであります。大約年間一千五百万円程度、これは当初の見込みでございまして、その後機器の整備、その他でこの数字は変更されると思いますが、そういう大体のめどがついたものですから、新しいパワース・サマスの適当な都市として名古屋を選定したのであります。しかし、おっしゃるように果してパワース・サマスが当初の期待通りの効果を上げるものか、あるいはこれは日本で初めてですので、これのオペレーションなり保守なり、これも相当に研究問題であります。なおかつ実際に請求書がIBMのように正確にいくか、あるいは速度あるいは交換手の関係におきましても、非常に研究問題が多いものですから、ますパワース・サマスを今後採用するという方針をきめる前に、一応名古屋で試験をしてみまして、その結果今後の方針をきめたい。とともにIBMとどういうふうにこれを併用していくか、こういう問題もあわせて研究いたしたいと考えております。  そこで、今の具体的問題の名古屋でいつ実施するかという問題でありますが、これは今までは現地では多分に本社の意向をとり入れつつ話し合いをしてきたのであります。じんぜん日を送るわけにも参りません。従って最近の機会におきまして、現地の当事者を本社の方へ招致いたしまして、どういうふうな交渉過程なのか、あるいは組合の主張はどういうような点があるのかといういろいろな事情を聞きましたものですから、この措置につきましては、本社も共同態勢で、先ほど申したように納得のいくような線で実施をはかりたい、こういうふうに目下努力中でございます。
  82. 鈴木強

    ○鈴木強君 本社もいろいろ指導しているようですが、何か聞いておりますと、むしろ本社が若干もたもたしているから早くやりなさいというような、そういう力を加えているような気もするのですよ、私たちとしては。特に問題になるのは、今申し上げましたようにいろいろ問題が残っております。しかも通研ではいろいろパテントの問題もあるでしょうが、試作をして大量にこういう計算機を日本に入れろという空気も出ているときですから、非常に組合員も職員も敏感です。非常に事が大事であるので、おそらく名古屋だけでなしに東京、大阪でも、パワース・サマス、IBMを二つやっておりますが、北海道もあるいは九州もおそらく逐次に入れていくのじゃないかと思うのですが、そういうような情勢判断をするときに、ここで一カ月や二カ月間の無理をしてやるということが、非常に今後問題を残すと思うのです。一台に三千八百万円かかっているような大きな機械ですから、公社としてもできるだく早くやりたいということは私たちもわかります。わかりますけれども、一カ月や二カ月間テンポを早くしたことによって今後に問題を残して、せっかくやろうとする計画が挫折してはいけないと思いますので、今局長のお話によりますと、必ずしも強引にやろうということでもないようですから、どうか今の問題を十分勘案をして、もしやるとすれば私はそういう点をむしろ入れて、そうして試行をするという形でやってみたらどうかと思うのです。そうでないと、これはとても強い抵抗を受けるような気がしますから、特に一つその点は配慮して、無理に十一日にやるということでなしに、今後の運営をしていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますかどうか。
  83. 吉沢武雄

    説明員(吉沢武雄君) ただいまもお答え申し上げたように、強行突破をするというような態度ではございません。従ってここまで話を具体的に、あるいは時日をかけて実は両者にある程度誤解があったことが、だんだんなくなっております。御指摘のように問題の焦点がしぼられておりますから、これは職員局ともよく相談をしまして、やっていくつもりであります。
  84. 久保等

    ○久保等君 工作工場の問題については、私現段階で先ほどの御答弁等も伺ったことですから、情勢の推移等を今後とも見て参りたいと思います。従って私質問をいたしません。  本日のところ、時間もおそいですから終りますが、ただ最後一つ資料要求いたしておきたいと思います。それは修理について、部外修繕それから部内修繕ということで機器の修理をやっておられるわけですが、この部外、部内の修理のおもな品目、全部あげたら大へんですから、もちろんおもな品目を適当に選択していただいて書いていただくこと、それからそれに漏れるものはその他という形でけっこうですが、そういうようにしていただいて、数量になるか件数になるかその点も判断を願ってけっこうですが、数量ないし件数、それに対する金額、従って金額と数量ないしは件数は、これは全部網羅された形になるわけです。通信機器の修理の総体的な金額は当然出てくるわけですが、そういったことについて電電公社になって以降昭和二十八年度からでけっこうですが、昭和二十八年度から三十一年度までしか正確なことはわからないと思いますが、四カ年間、それから三十二年度もどの程度おわかりになるかわかりませんが、三十二年度の分もできる範囲内でこの五カ年間の一応趨勢がわかるように、資料一つ要求しておきたいと思うのです。委員長の方から一つお取り計らいを願いたいと思います。
  85. 和氣孝太郎

    説明員和氣孝太郎君) ただいまの御要求資料は提出いたします。
  86. 宮田重文

    委員長宮田重文君) では本日の委員会は、これにて散会いたします。    午後一時三十三分散会