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国務大臣(
田中角榮君) どうも申し上げたいようなことまでおっしゃいましたけれ
ども、私は実際そういうことをやっていないのです。そして私は警官動員ということで、ちょうどいい時期にぶっつかるようですから、私は、こういうことで十分議論をして、あやまちがないようにするには、いい機会だと思います。だから私も積極的に発言をして申し上げているのですが、その私自身がもう
春闘に対して
警察官を入れろ、既定のものを内閣において、また労働閣僚において、また
郵政大臣においてやったのじゃないかと、もうやったことはわかるじゃないか、こういうことは全然ないのです。これはもう私は明確に申し上げます。そして
組合運動であるからできるだけ、少しくらいの行きすぎがあっても、なるべく
警察官などは入れないで、正常な状態にするように
お互いに
努力しなければならぬ。特に第三の勢力を入れて調和をはかるということは、
労働組合運動に対しては行きすぎだという
考えも認めます。これは私もそういう
考えを持っている。だから逓信部内における犯罪に対しても、警察の発動を促すよりも、なるべく監察官でやりなさいということを言っているのですから、私はそういう
考えでは普通の常識を持っている。しかし
組合運動というものに対しては、少し行きすぎがあるのは当り前であって、
警察官は全然動員してはならないのだということにはならないのです。(「そんなことを言っていない」と呼ぶ者あり)いやならないのです。だから私は先ほど言ったのは、きっと
スケジュール闘争というものであす何人くるのだということがわかっておったので、それに対応して
お互いに混乱のないようにということで、
警察官を待機せしめたので、しょう。私は、何人待機をして、建物の中に入れてはならぬということを言っておりません。だから、私はそういう
人間じゃないのだから、これは言っておりません。また将来を見てもなるほど
田中の言が正しいということをじきにおわかりになると思う。だから私もそういうことを言っておりませんし、言っておらないにもかかわらずそういう状態になったことは、これはあまりいい
状況ではありません。ありませんから将来はなるべくそういうことのないように、というふうにしなければならない。しかし同時に
組合員というものも、われわれも行き過ぎが少しあっても、これはもう当然なんで、
警察官などに干渉されるものじゃないのだということになって、すわり込みをやろう、取りかこみをやろうということは、ここまできた正常な
組合運動をもう一ぺん逆戻りさせることで、そういうことがあってはならぬということを
考えたわけであります。私は、おとといまでにやったことは、
組合にそういうことをやっちゃいかぬぞ、ということを言ったのですが、これは言ってあるのです。言ってあるだけではない、これはもう年末から口をすっぱくして言っている。片づくものは全部片づける。何にも
闘争目的がなくとも、まあ全逓というものはとにかく全官公労の先端をいくものであって、これが中核体であって、これが下手になってしまうと総評も何も皆困るから、君らも皆右へならえでやれというときに困るだろう。その場合に、
お互いが何らかの共同的な動きをしなければならぬ
立場を、個人的には了解するのです。しかし私はそうかと言って、たださなければならぬものはたださないわけにはいかぬぞ。だから私は、なるべく
お互いの間に角突きあいが起らぬように、十分
考えてくれということを口をすっぱくして言っている。私はできれば、これは口をすっぱくして言っているのですが、
春闘で困るときには、もう全逓は、
退職年金法ができるということならばそれに全精力を傾けて、もう
春闘はやっていられないのだ、もし
春闘をやるなら、これが全部通ってしまってからやらなければならぬ、というくらいにいかなければならぬ、私はその間に
誠意を持って
提案をするのだということを言っている。しかもこの間の七カ条の
要求に対しては、私はぶっきらぼうにそんなことはできないという
回答は出していない。もうそれに対してはこういう
状況になっておって、こういう時期に
お互いに
話し合いをしてこうなるのだから、今の問題じゃないじゃないか、また現在に
要求をされても結論は私の方では出せないのだ、ということをよく話をしている。なおこういう
スケジュール闘争等が組まれておるが、これに対してはぜひ穏健にやってくれ、今までの
お互いによき慣習をこわすようなことは毫末もやってもらいたくない、ということを文書をもって全逓に言っておる私の方では。だから普通からいえば昨日くらい来ても、私も管理者も知恵がないなと思うのです。実際今から
考えると昨日くらい、相手方の出方を見ておって、そうしてとにかく
警察官がいなければ、五百人も来てすわり込んで郵便の送達もできなくなったような
状況になって、それを今日になって
警察官を入れれば向うも納得し、決して正常な労使の慣行をくずすものじゃないけれ
ども、来ないうちから待機さしておったということは、これはどうも卑俗な言葉で言えば、出ない化けものにたまげおったということになるでしょう。昨日だけで、議論をして
お互いにそういう轍を踏まないようにまたうまくやろうということになれば、あえて私もマイナスだけを責めらるべきじゃない。こういうふうに
考えますので、皆さんが今日言われたことを十分私も
考えて、もう一ぺんこれは行き過ぎだと、この
委員会だけじゃなく、日本全国民が見ても、これは議会全体で
考えてもこの行き過ぎはいかぬ、これは
警察官を動員するということに対しては、最近非常に
お互いに神経過敏にものを
考えてきたのですから、だから私は
警察官を四百人も入れた、装甲車を出したということになると、これは
田中のやつは全く衣だと思ったら下が鎧だ、そういうことになりますから、私は十分
一つ考えますから、過去の実績の面で、今日のところはその程度にお願いをできればはなはだ幸甚だと思います。