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1958-04-16 第28回国会 参議院 地方行政委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十六日(水曜日)    午後一時十八分開会     —————————————   委員異動 本日委員成瀬幡治君、占部秀男君及び 佐野廣君辞任につき、その補欠として 山口重彦君、相馬助治君及び木村篤太 郎君を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 武治君    理事      大沢 雄一君            小柳 牧衞君            加瀬  完君            鈴木  壽君    委員            伊能 芳雄君            西郷吉之助君            館  哲二君            成田 一郎君            本多 市郎君            久保  等君            相馬 助治君            中田 吉雄君            松澤 兼人君            森 八三一君            白木義一郎君   衆議院議員    古川 丈吉君   国務大臣    国 務 大 臣 郡  祐一君   政府委員    自治庁行政局長 藤井 貞夫君    自治庁選挙局長 兼子 秀夫君    自治庁財政局長 小林與三次君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   説明員    自治庁財政局財    政課長     柴田  護君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○公職選挙法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付) ○地方交付税法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 小林武治

    委員長小林武治君) これより委員会を開きます。  まず、委員異動を申し上げます。  本日、成瀬幡治君、占部秀男君が辞任され、山口重彦君、相馬助治君が、それぞれ補欠選任されましたので報告いたします。     —————————————
  3. 小林武治

    委員長小林武治君) これより本日の議事に入ります。  まず、公職選挙法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題に供します。  政府より提案理由説明を聴取いたします。
  4. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  この法律案は、(一)最近における町村合併進捗に伴い選挙方法を実情に即するように改めること、(二)第二十四回国会における参議院議員選挙方法改正に伴い、衆議院議員その他の選挙についても所要の調整を加えること、(三)あわせて、選挙管理執行に関する規定について合理化をはかることの三点を中心として、公職選挙法必要最小限度改正を加えようとするものであります。  まず、町村合併進捗に伴う改正であります。御承知のように、町村合併の結果、郡市の区域に著しい変動が生じまして、現在の郡市の区域をそのまま都道府県議会議員選挙画定基礎的単位とすることができなくなりました。そこで、選挙制度調査会の答申に沿って、人口議員一人当り人口半数にも達しない郡市は、これを独立選挙区とすることを認めないものとするとともに、いわゆる飛び地またはこれに類似する状況にある郡については、それぞれの地区独立の郡の区域とみなして選挙画定単位とする等、郡市の区域をもって都道府県議会議員選挙区とする原則に若干の例外的措置を認めることとしたのであります。  なお、同じく、町村合併の結果町村規模が拡大されたことにかんがみまして、現在、投票の当日、郡市の区域外にあるため不在となる場合に認められている不在者投票を、同一の郡内であっても、町村区域外であればこれを認めることといたしました。  また、町村選挙については、区域の拡大に伴い、新たに選挙運動用はがき使用を認め、選挙運動用ポスター枚数を増加し、町村長選挙については、新たに小型自動車もしくは軽自動車または船舶の使用を認める等、選挙の手続及び運動方法合理化をはかることといたしております。  第二に、参議院議員選挙方法改正に伴う規定整備であります。  御承知のように最近における交通宣伝等選奉迎勅手段の発達の状況にかんがみまして、この際、衆議院議員選挙運動期間を二十日に短縮するとともに、選挙運動用はがき及びポスター枚数をそれぞれ五割及び六割増加することといたしました。これは、過般の屡議院議員選挙運動方法改正とも見合うものであります。  地方公共団体選挙につきましては、運動期間は、すでにこの前改正いたしておりますので、はがき及びポスター枚数を増加するにとどめることといたしました。  第三に、選半管理及び執行等会理化に関する事項であります。  すなわち、衆議院議員選挙区の境界にわたって郡の廃合が行われた後、旧都の境界にわたって新たに町村の設置があった場合におけるその町村所属選挙区の決定方法、二以上の選挙を同時に行う場合における投票及び開票順序決定方法等についてこれを明確にする規定を設け、立会演説会における演説順序決定方法合理化し、立会演説会場における秩序保持に関する規定整備し、選挙管理委員会における異議の申し立てまたは訴願の審理の適正を期するため、証人喚問制度を設ける等の措置を講ずることといたしたのであります。  なお、現在、指定都市以外の市及び町村選挙管理委員会は、委員定数三人とされており、しかもその全員が出席しなければ会議を開くことができないものとされておりますため、委員会の運営上種々不便がありますので、今回、委員会権限整備することとされたのに伴い、この法律案付則において、地方自治法の一部を改正し、その定数を四人とすることといたしております。  そのほか、付則におきまして、ただいま申し上げました公職選挙法の一部改正に伴い、関係法律規定整理を行うことといたしたのであります。  以上が公職選挙法の一部を改正する法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、政府委員より、本案に関する詳細説明を聴取いたします。
  6. 兼子秀夫

    政府委員兼子秀夫君) 本案につきまして逐条的に御説明申し上げます。  第十三条第三項に「あらたに設置された市及び部の区域又は支庁所管区域の変更により選挙区の境界をなす郡の区域又は支庁所管区域境界がなくなった後に当該境界にわたってあらたに設置された町村選挙区の所属については、政令で定める。」、これは従前の規定は、新たに市が設置されました場合は規定があったのでございますが、町村が設置されます場合も予想されますので、町村合併が予想されますので、市及び郡の区域ということに改めたのであります。その結果、第二項の市の規定を削ったものでございます。  それから、第十五条の改正関係は、町村合併の結果、郡がいわゆる飛び地状況をなしておりますので、その処理をはかった規定でございまして、第一項の郡市の原則は従来通りといたしまして、第二項は、人口半数に達しないときは、条例で隣接の他の郡市に合区するという、いわゆる強制合区の規定を設けたのでございます。第三項は、人口半数以上であって議員一人当り人口に達しないときは、条例で、他の郡市の選挙区と合せることができる、いわゆる任意合区の規定であります。この建前は、従来は、一、二万の人口選挙区は合せることができるという規定になっておりましたものを、半数以下は第二項の規定強制合区の規定を置き、第三項は従来通り建前といたしたのであります。第四項は、これは飛び地があります場合に、この飛び地を郡の区域とみなすことができるようにいたしたものでございます。  第十五条第六項は、強制合口区の規定あるいは任意合区の規定によって選挙区を作ります場合、あるいは第五項でも、市町村議会議員選挙、これはすぐには関係ないわけでございますが、その場合に、選挙区を設ける場合においては「行政区画衆議院議員選挙区、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならない。」という規定を置いたものでございます。  それから第十五条に八項といたしまして、議員任期中新たに郡市の設定があった場合の規定、現在政令規定いたしておりますが、そのような選挙区あるいは議員の数というようなものにつきまして、政令規定できるという根拠を第八項に置いたものでございます。  その次の第十五条の二は、整備でございます。  次に、「第三十一条第四項中「二十五日」を「二十日」に改める。」、これは総選挙の公示に関する規定でございまして、今回、運動期間を短縮いたしまして、これを二十日に改めるものでございます。それに伴いまして、三十四条は告示規定でございますが、その規定整備いたしております。  それから第三十三条第一五項第二号中あるいは第三号中の整理は、これは教育委員会制度が三十一年の六月三十日、法律第百六十三号によりまして教育委員制度が廃止されましたときに、整理が十分にされなかったものでありまして今回この教育委員の名前だけが残っておりますのを、字句整理いたしたのでございます。  それから「第四十九条第一号及び第二号中「郡市」を「市町村」に改める。」、これは不在者投票に関する規定でございまして従来は郡市の、区域外に出ました場合に、不在者投票を認めましたのを、今回、市町村区域外に出ました場合に認めようとするものでございます。  第五十七条第二項は、これは字句整理であります。  それから七十一条も整理であります。  第八十六条第一項第二号中、これも字句整理と、教育委員会委員字句整理でございます。  それから「第百十三条第三項各号列記以外の部分中」、これも従来の教育委員制度の廃止に伴います整理が不十分でありましたので、今回これを整理いたすものでございます。  それから百十六条中の改正に関します部分は、百十三条第三項の便乗選挙の場合におきまして、議員がすべてない場合は、やはり再十六条中に規定することが必要であるということから、今回これを整備をいたすものでございます。  それから百二十二条の二という新たな規定を設けまして、これは投票及び開票順序に関する規定でございますが、市町村同時選挙を行います場合、あるいは府県市町村選挙を同時に行います場合に、その選挙投票及び開票順序につきまして、従来規定がなかった関係上、府県市町村選挙が重なります場合には、都道府県選挙管理委員会が定めることにいたしたものでございます。  百三十二条は、これはメートル法実施に伴う整理でございます。  百四十一条は、今回町村長選挙自動車を認めることにいたしました。小型自動車または軽自動車に限ることといたしまして認めることにいたしたのでございます。それに伴います改正でございます。  第百四十二条は、選挙運動用はがきに関する規定でございますが、今回衆議院議員につきまして一万枚を一万五千枚に改めますとともに、都道府県知事につきまして、参議院地方選出議員と同様に一万枚を、当該都道府県区域内の衆議院議員選挙区の数が一である場合には二万五千枚、それを超えます場合には、「一を増すごとに三千枚を一万五千枚に加えた数」ということに改めますとともに、都道府県会議員は二千枚を三千枚に改め、指定都市市長は一万枚を一万五千枚、指定都市議員は一千枚を一千五百枚に、一般市の市長は二千枚を三千枚に、一般市の市会離日は五百枚を八百枚に改めることといたしたのであります。第七号は、町村選挙につきまして、長の選挙におきまして一千枚、議員選挙におきまして三百枚のはがき使用を認めるものでございます。  第百四十二条は、通常はがきに関する規定でございますが、百四十二条の改正に伴います整理をいたすものでございます。  第百四十四条の改正は、選挙運動用ポスターに関する規定でありまして、衆議院議員選挙につきまして五千枚を八千枚に改め、都道府県議会議員及び市長につきまして五百枚を八百枚に、指定都市市長二千枚を三千枚に改め、町村議会議員及び長百枚を三百枚に改めますとともに、従来。ポスター規格がタブロイドということになっておりましたが、実際上裁断の結果一センチの違いがありますので、今回これを正確に規格を定めんとするものであります。  百四十七条はメートル法実施に伴います整理、でございます。  それから百四十八条範三項にただし書きを加えまして、点字新聞は、従来第三種郵便物の認可を得ておらず、さらに有利な取扱いをされておりましたが、選挙法上は第三種郵便物ということが要件でございましたので、今回点字新聞に限って第三種郵便物という要件を除外して、選挙の報道、評論ができるようにしようとするものであります。  それから百五十三条、立会演説会に関する規定は、町村合併の結果、町村規模が変ってきたということに伴いまして、今回この規定を改めようとするものであります。それから百五十五条の第一項「立会演説会開催計画決定及び告示」に関する規定でございますが、「衆議院議員選挙にあっては三日以内に、その他の選挙にあっては二日以内に、」となっておりましたものを、参議院選挙と同様に「二日以内に」と改めようとするものでございます。  第百五十六条の二第四項を第五項といたしまして、第三項として新たに「班別編成による立会演説会への参加」に関する規定でございますが、演説順序決定が従来は一回限り、ございましたのを、立会演説会を行う期間を二または三の期間に分けまして、それぞれの期間ごとに行うことができるようにしようとするものであります、  第百五十九条は、「立会流説会場秩序保持」に関する規定でございますが、今回新たに第三項に「市町村選挙管理委員会は、立会演読会開催当り会場秩序保持に関するこの法律規定趣旨及び内容を説明し、並びに会場の見易い場所に掲示する等の方法により、立会演説会合秩序保持に努めなければならない。」、秩序保持に関する規定を置きますとともに、第一項の趣旨に従わなかった者は、「退去させることができる。」という規定を「退去させなければならない。」ということに改めようとするものであります。  次に、第百六十五条及び第百六十五条の二の改正は、メートル法実施に伴うものであります。  第百七十六条の改正は、従来「回数券十五枚」ということになっておりましたが、これは回数券という観念ではなく、実際の実施におきましては普通の乗車券を利用するのでございますので、「回数券十五枚」という規定を「片道普通乗車券三十枚」ということに改めようとするものであります。  第百七十七条は同様の整理でございます。  それから、二百一条の五、これは先ほど申し上げました。ポスタータプロイド規格改正の点でございます。  その前に、百九十九条の四は、衆議院におきまして修正がございました。これは後ほど御説明があろうと思いますので、省略いたします。  第二百一条の十一は、これはメートル法実施に伴います整理でございます。  二百十二条、「選挙人等出頭及び証言の請求」に関する規定でございますが、「選挙管理委員会は、本章に規定する異議の中立又は訴願の提起があった場合において、その決定又は裁決のため必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人出頭及び証言を求めることができる。」という規定を置きまして、地方自治法第百条に、議会調査権にこのような規定がございまして、その同様な権限選挙管理委員会に認めまして、選挙異議の申し立て、訴願審査の真実を確保しようとするものであります。  第二項は、地方自治法第百条第二項と同趣旨規定でございまして、民事訴訟法中、証人の迅問に関する規定の準用の関係規定いたしたものでございます。ただし、罰金、拘留、勾引または過料に関する規定は準用いたさないのでございます。  第三項は、「第一項の規定により出頭した選挙人その他の関係人の要した実費は、当該地方公共団体が、条例の定めるところにより、弁償しなければならない。」という規定を置こうとするものであります。  次は字句整理でございます。  次は、「第二百三十九条の二各号列記以外の部分中」、これも字句整理でございますが、同条第三号中の改正は、国有鉄道法改正に伴いまして、国有鉄道経営委員会というものがなくなりましたので、それに伴った改正をしようとするものであります。  次は、第二百五十一条中の改正は、「当選人選挙犯罪に因る当選無効」に関する規定でございますが、「一百五十二条の三(選挙人等偽証罪)」を加えようとするものであります。  それから、次は、第二百五十二条中の改正は、同様「選挙犯罪に因る処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止」に関する規定でございますが、同様に「選挙人等偽証罪の罪」を加えまして、その場合に、第二百五十二条の二「政党その他の政治団体政治活動規制違反」というものも、今回新たに整理しようとするものでありますが、「除く」方の罪にともに入れるわけであります。  第二百五十二条の次に三としまして「選挙人偽証罪」の規定を置くものであります 「第二百十二条第二項において準用する民事訴訟法規定により宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上五年以下の禁錮に処する。」、これは地方自治法第百条第七項と同様な規定でございます。  第二項は、前項の罪は、「告発を待って論ずる。」こととしたのであります。  第三項は、自白の場合に「刑を減軽し、又は免除することができる」という規定を置くものでございまして、地方自治法第百条の第八項、第九項と同趣旨規定でございます。  次に、第二百一五十三条、「刑事事件処理」、いわゆる百日裁判の規定に関するものでございますが、これも先ほど申し上げましたと同様に、第二百五十二条の二、「政党その他の政治団体政治活動規制違反の罪」、第二百五十二条の三、「選挙人等偽証罪」を、除く方に入れるものでございます。  第二百七十一条中の改正は、これは整理でございます。  次は付則でございまして、第一項に「この法律は、昭和三十三年六月一日から施行する。」ことといたしまして、「ただし、衆議院議員選挙に関しては、次の総選挙から施行する。」ことといたしたのでございます。  二項、三項は、それぞれ経過措置に関する規定でございます。  第四項は「町村合併に係る都道府県議会議員選挙区に関する特例」でございますが、「昭和三十年四月二十三日に行われた都道府県議会議員一般選挙において、町村合併促進法第十一条の五」、これは三十六条及び三十七条一項において準用する場合を含みますので、同様に、これは町村合併と同趣旨規定でございますが、その「規定に基きその選挙区に関して同条に規定する特例に上ることとされた区域を有する郡又は市について必要があるときは、この法律の施行後各都道府県につき最初に行われる都道府県議会議員一般選挙から当該一般選挙により選出される議員任期が終る百までの間に限り、条例当該区域が従前属していた郡市の区域と合せて一選挙区を設けることができる。」少しめんどうな規定でございますが、趣旨といたしますところは、前回選挙に際しまして、一般選挙におきまして、この十一条の、促進法、十一条の五の規定に基きまして、いわゆる特例条例適用した区域があったのでございますが、選挙後、町村合併が行われまして先に特例条例適用を受けました、区域は二回限りということでありましたが、県内にその後合併が行われまして、特例条例適用を受ける地域がございますので、県におきましては、同様にもう一回特例条例適用を定める必要があるのではないかという意見がございますので、そのような地区に対しましては、さらに一回限り特例条例適用ができるような規定を置こうとするものであります。  次は、「関係法律の一部改正」でございまして、国会議員選挙等執行経費の基準に関する法律中、衆議院議員ポスター用紙費を、三千三百円を五千三百円に改めるものであります。  また、最高裁判所裁判官国民審査法におきまして「審査の期日及び裁判官氏名告示」が第五条でございますか、第四十三条は「再審査」の規定でご己いますが、それぞれ「二十五日」を二十日」に改めるものでございます。次は、五十四条は整理でございます。第七項は、農業委員会に関する法律、それから第八項は漁業法中、それぞれ選挙法を準用いたしておりますので、今回の改正に伴いまして「政党その他の政治団体政治活動規制違反」、「選挙人等偽証罪の罪」という規定をそれぞれ整理いたすものでございます。  それから第九項は、地方自治法の一部改正でございまして、従来選挙管理委員会は、都道府県五大市が、推定郡市が四人でありましてその他の市及び町村におきましては委員の数は三人でありましたのを四人に改めることといたしたのでございます。第十項は地方自治法の一部改正に伴う経過措置を定めたものでございます。第十一項は、同様に選挙管理委員残任期間に相当する期間経過措置を定めたものでございます。
  7. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、本案は、衆議院において修正のうえ送付されましたので、右修正点について衆議院側より説明を聴取いたします。  衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員長代理理事古川丈吉君。
  8. 古川丈吉

    衆議院議員古川丈吉君) 衆議院修正にかかる部分について御説明申し上ります。  当該選挙に関し、公職候補者等寄付または公職候補者等関係会社等寄付は、現行法によって禁止されているのでありますが、さらに、公職候補者等氏名等を冠した後援会等団体寄付を禁止する規定を設ける必要があると認められますので、政府原案にこれを加えたものであります。  法文といたしましては、お手元に配付されております四ページに、第百九十九条の四といたしまして、「公職候補者又は公職候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)の氏名が表示され又はその氏名が類推されるような名称が表示されている団体は、当該選挙に関し、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域)内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならない。但し、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職候補者若しくは公職候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)に対し寄附をする場合は、この限りでない。」、これが主たる条文でありまするが、その他、これに関連する罰則規定等について所要修正をいたしたものであります。
  9. 小林武治

    委員長小林武治君) 本案に対する質疑は、次回に譲ります。     —————————————
  10. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、前回に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案議題に供します。  質疑のおありの方は、御発言を願います。  速記をとめて。   〔速記中止
  11. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて。
  12. 鈴木壽

    鈴木壽君 測定単位単位費用の問題ですが、教育費関係でございますが、詳しい資料をいただいておりませんので、ちょっとわかりかねるためにお聞きするのですが、一つ中小学校等におきまして、産休の補充とか、あるいは結核とか、その他事故補充の教職員の問題でございますが、従来は休職その他として多少見ておるようでございます、三十二年度までは。これはあの定員の数等からしまして、率がどの程度まで今まで見ておられるのか。たとえば一%とか二%とかいうふうにきめておるかどうか、あるいはまた三十三年度はどういうふうになりますか、その点を一つお聞きしたいと思います。
  13. 柴田護

    説明員柴田護君) 従来は学校ごとにその関係を計算をいたしておりました関係で、特に率を幾らにするといったような形ではなしに、単位表の額そのものにおきましては従来は見ていなかった。今回標準定数といったような関係をとります関係上、その中に休職、産休の職員を含めた標準団体規模というものを測定して単位費用を割り出しておりますが、従来はむしろ学校ごとでございましたので、学校ごと単位表を見ておりましたために、特にその部分を明示をして、幾ら産休なり休職というものを見ておるといったような見方はしていなかったわけでございます。
  14. 鈴木壽

    鈴木壽君 昨年度、三十二年度までのたとえば小学校費、中学校費等におきまして、その教職員の数につきまし  ては、たとえば小学校におきましては校長一人、これは市町村関係の方に載っておるので、校長一人、教諭十八人、それから養護教諭、給食事務職員として三・六人、これは小学校でございますが、こういうふうに半端な数がついておりますのですから、何か一つの指数があって振り分けてこういうことをなされたのじゃないかと、こういうふうに見られましたものですから、その点一つ
  15. 柴田護

    説明員柴田護君) 失礼いたしました。私が申し上げましたのは道府県分の計算を申し上げたのでございます。市町村の場合におきましては、標準施設としては、一般的な財政計画上の結休率というのは大体三%でございますが、その率を使っております。あとの六というのは、今おっしゃいましたような産休とか何とかそういうものを含めての計算で、財政計画の計数を基礎にして、それに文部当局の御意見も聞いて一応の規模として見ておるわけでございますけれども、単位表そのものにはその点は市町村分には出てこないわけでございます。
  16. 鈴木壽

    鈴木壽君 もしこういうものが見られるとすれば、私は都道府県分の算定の際に出るのじゃないかと思って見ましたが、それが入っておらない。市町村のものを見た場合に、今申しますように、休職等のことも含めた三・六人とかあるいは二・五人という、中学校の方では二・五人というようなものが入っておりますから、私さっき申しましたように、何かそういう一つの割合でもってここに標準の施設の規模の中に見られておって、それがまたどこかに、実質的に積算の内容の中に入ってきておるのかどうか、こういうふうに今思ったわけですからお聞きしましたのですが、それは従来はそういうものが入っておらなかったということですね。
  17. 柴田護

    説明員柴田護君) 休職につきましては、一応ぶち込みにして見ている格好になっております。ただその間の関係は、従来の単位表では明瞭を欠いております。今回新しい標準職員数を使うことにいたしましたので、その標準職員数による標準団体の教職員数の中に、休職も産休職員も含めて計算をいたしております。御参考に申し上げますと、小学校では七千百三十人の職員数のうちで、産休と休職と合せまして百四十人を含めております。
  18. 鈴木壽

    鈴木壽君 中学校のを一つと、それからなお、産休だけでなしに、結核とか、あるいはその他の事故によるいわゆる事故補充というものも含まれておるのかどうか、その点をあらためてお聞きしたいと思います。
  19. 柴田護

    説明員柴田護君) 中学校の場合は標準団体で二百十校、生徒数は十一万人、教職員数は三千八百七十六人でございますが、そのうちで休職、産休は七十六人であります。お尋ねのいろいろ事故によります臨時の代替職員とか、あるいは結休職員とかいったふうなものもその中に、この七十六人なりあるいは小学校の百四十人の中に含まれておると考えていただきたいと思います。
  20. 鈴木壽

    鈴木壽君 教育費関係で、これとは直接関係しませんが、今までよく当委員会等におきましても問題となりましたPTA等の負担の問題ですが、これはPTA等の負担において、いわゆる教育費の特に施設関係のものに相当部分、場合によっては三分の二程度使われておるというのが実情なんでございますが、そういうことについては、従来とも、ぜひなくしたいと、こういうふうな建前であったと思うのでございますが、なくするために、これは財政計画の方とも関連してくるのでございますが、交付税等において、施設関係、単なる校舎そのものだけでなしに、設備、施設等の関係において、何かそういうものを考えながら、単位登用というものをはじき出す一つの要素として取り入れていく考えがあるかどうか、これを一つお聞かせ願いたいと思います。
  21. 柴田護

    説明員柴田護君) 従来でも単位費用の中では、教材費等につきましては相当厚く、財政計画上見ております。基準財政需要に直しますと、財政計画の基礎、つまり財政計画上は、従来は渡し切りの教材費、つまり地方負担のつかない教材費というものも財政計画上組んでおったのでございますが、その場合でも、交付税の積算基礎では、そのままではいけませんので、国庫負担金で見ております教材費以上のものを見ておりましたのですが、今回は二分の一国庫負担になりましたから、さらにその内容は充実されたわけでございます。  お尋ねの点につきましては、結局、財政計画上、PTA負担等が一般公費に振りかわって参りますと、その振りかわって参りました分は、その経費が充実されていくわけでございますが、それが教育費で申しますと、単位費用にはね返ってくるはね返り方は、たとえば学校の場合で考えますならば、学校の備品の充実であるとか、たとえばピアノの質をよくするとか、あるいは教材費の中身を充実していくとかいったような格好で、単位費用を充実していくということになろうかと思うのでございますが、大体そういう方向で、いろいろ考えておりますけれども、何分にもPTA負担等の公費振りかえが十分じゃございませんので、現在のところ、その辺のところは、単位費用上十分見ておるとは言えません。ただ、御指摘のような方向で将来考えていきたいと思います。大体おもなるものは、教材費の中身の充実と、設備、施設の充実だろうかと考えております。
  22. 鈴木壽

    鈴木壽君 教材費の充実、それから施設の充実ということで、特に今PTA等の負担によってまかなわれておるものは、施設の面が非常に多いわけなんです。実情はそうなっておると思うのです。この施設といってもいろいろあると思いますが、戦後の教育が、いろ・いろの意味で変ってきておると、従ってそういうふうに変った教育に即応できるような設備なり施設なりというような、あるいは教具等が必要なのにもかかわらず、それが一向公費をもってはやってもらえないというところに、今の問題の一番大きなところがあるわけで、ちょっと見れば、あるいはそんなものは要らないものだろうとか、何かぜいたくに思えるような、そういうものであっても、しかし、今の教育からすれば、ぜひなければならぬと、たとえば視聴覚教育の問題なり、いろいろな問題が特に最近、そういう場合において取り上げられておるのですから、そういうものを考えた場合、これは単なる学校なり教育の場のアクセサリーじゃなくて、実質的にそれがどうしても必要なんだということの結果、勢いPTAの方におぶさっていくという格好をとらざるを得なくなってきていると思うのです。そこで、そういういわゆる設備施設というものを考えていきます場合に、私はやはりこういう単位費用の中に、そういうものがよほど強く取り入れられてこないと、この問題はやはり解決しない。口では一般の財源がふえたらそれもなくなるだろうとか何とかいろいろなことを言っても、結局は私、問題はやはりここに持ち込んで解決してゆくことによって可能になってくるのじゃないか、こういうふうに思うのでございますが、今、課長さんからも、漸次そういう方向に持っていきたいというお考えの御発表がいただけましたけれども、重ねてこれは一つ大事な私は問題だと思いますので、局長さんからでも、さらにお答えがいただければありがたいと思うのです。
  23. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これはごもっともでございまして、このPTA、その他公費で負担すべきものを、住民が負担しているものをすみやかになくしたいというのが、われわれ最大の念願でございましたが、今度の財政計画は非常に残念な結果になっているのでございます。今後におきましては、その問題を最重点の一つとしてぜひ考えたい、そうするためには、今の財政計画上財源を樹立することが基本であるとともに、そのはね返りと申しますか、結果として、交付税の単位費用におきましても、当然是正すべきものは是正しなくちゃならないと考えているのでございます。小中学校の教育の施設、教材、教具等につきましては、私はやはり今のままでは十分だとは考えられません。特にだんだん高度化していく趨勢でございますので、そういう実際の需要にできるだけ近づけるように、今後とも積極的な研究を進めたいと思っております。
  24. 鈴木壽

    鈴木壽君 重ねてでございますが、幸い大臣もおいででございますから、大臣にお尋ねするのですが、これはよほど前の新聞だったと思いますが、大臣が地方財政の充実あるいはそういう面で、いろいろな新聞のタイトルによると、郡構想なるもので一部の新聞に出たものの中に、この問題が取り上げられておったと記憶しております。が、先ほど申しましたような観点から、私はやはり一つの当然の財政需要の一環としてこれを取り上げていって、こういうものを、算定でも当然従って見ていく、こういうところにまでいけば、私は普通の意味での財源付与とか何とかいう格好では、解決できないのではないかというふうに考えておりますが、そういう面で、局長からもお答えがございましたけれども、大臣のこの問題に対する考え方についてお聞かせ願いたいと思うのです。
  25. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私は今の地方財政の問題というのは、御指摘の税外負担の問題というのは、国の場合なんかと非常に違った特殊なものである。しかも、これをどうしても解決いたしませんければ、地方財政というのは安定したものに相ならぬと思います。従いまして、ただいままでの努力、またこれからの努力も、どうして財源を確実に付与するかということでございますが、これを今度配分して参ります点になって参りますと、お話のような点に共鳴する部分も非常に多いのでございまして、そういう方向で一つ検討いたしたいと思います。
  26. 鈴木壽

    鈴木壽君 経費の種類のところで、厚生労働費でございますが、この中の一と二、生活保護費と、それから社会福祉費、生活保護費は、単位費用は昨年度より今度六十円ばかりふえているようでございます。五十七円何がしというものがふえている。ところが社会福祉費は、百十一円八十三銭から六十五円九十銭、四十六円ばかり減っておりますのですが、私は、これはなぜこういうふうになって減ったのだろうと思って調べてみましたら、いただいた資料の中に、社会福祉主事の設置費というものを、従来あった社会福祉費の方から生活保護費の方へ移したということの御説明があって、大体わかりました。今の数字の増減については大体わかりましたが、これは社会福祉主事というものが、一体今のいろいろな法規なり仕事の面からいって、社会福祉費の中に組み入れておくべきものか、あるいは今回おやりになったように生活保護費の方で含めておやりになったらいいものか、実はまあこれを見て迷ったわけなんですが、私の考えは、やはりその生活保護費の方へ今回移されましたが、社会福祉費の方に入れるべき性質のものじゃないだろうかと、これは総額からしますと、多少ふえておりますし、こっちの項目からこっちの項目へ移ったと、これだけのことでございますから、実質的にそのために経費がどうのこうのということはもちろんございませんけれども、ただこういうふうに種類を分けて、それに従っていろいろ計算をし、測定の単位を定め、あるいは単位費用を定めていく作業の過程の中には、当然やはり私従来のようなことが一応筋が通るのじゃないだろうかと、こういうふうに思っているのですが、この点についての考え方を詳しく承わってみたいと思います。
  27. 柴田護

    説明員柴田護君) 私たちも実は鈴木先生と同じような考え方で、実はおととしの単位費用を去年変更をいたしまして、社会福祉費の方に入れてみたのでございます。ところが、やってみました結果はよくない、よくないと申しますのは、どういうことかと申し上げますと、社会福祉費というものは、大体生活保護者の数というものとマッチして置かれておるのが実情でございます。で、また厚生省の社会福祉費の設置の基準も、大体生活保護費の配分とマッチしてきめられおる。ところが生活保護費につきましては、人口で測定をいたしますが、その測定される人口に対して、生活保護者の密度補正というものをやるのでございます。と申しますのは、人口測定単位にいたしておりますが、人口の中に生活保護者が占める割合が高いほど生活保護費が要るわけでございますので、割増し補正をやる、その割増し補正を生活保護費でやりますが、社会福祉費はやりません。そこでまあ密度補正をかけます場合に、社会福祉費も生活保護費と同じ形において密度補正をしてやらなければうまくいかない。ところが社会福祉費の中で社会福祉主事の経費を見て参りますと、ほかのものにはかけませんので関係が出てこない、それからまた、それに同じような生活保護者密度をかけて参りますと、よけいな経費までかかってくる、ほかの社会福祉費以外の社会福祉関係の経費もかかってくる、そこで正確を欠くことになって参る。で、朝令暮改のおしかりはやむを得ませんけれども、去年のやり方を変えまして、社会福祉費は生活保護費に移すようにした、こうして参りますと、生活保護費及び社会福祉費の経費が実態に合うように補正されていく基礎が定まって参りますので、補正の係数をかけましても伸びていく、こういうことになるわけであります。
  28. 鈴木壽

    鈴木壽君 それでは次の、産業経済費の二の林野行政費でございますが、これは民有林野の面積が、今度林野の面積というふうに変ったのでございますが、これについて一つ説明願いたいと思います。
  29. 柴田護

    説明員柴田護君) これは字句の正確を期しただけでございます。別段の意味はございません。従来も民有林野の面積で林野の面積を測定しておったわけでございます。表現が不適正であったので、それを直したのでございます。
  30. 鈴木壽

    鈴木壽君 民有林野の面積といったものを林野の面積と今度直すんでしょう。
  31. 柴田護

    説明員柴田護君) 説明が行き届きませず失礼いたしましたが、実は、民有林野の面積と申しましても、統計上は公有林が入っておるわけでございます。で、その表現がむしろおかしいので、林野の面積で、それからその国有林野を除く、こういうことにしなければ林野の面積の経費が出てこない、そこで表現を明確にしたというだけでございます。
  32. 鈴木壽

    鈴木壽君 じゃこういうふうに了解していいのですね。民有林野の面積といっても、従来は公有林を含めておったのだ、しかし公有林を含めながら単に民有林野というだけでは表現の上でどうも適正を欠くようなところがあるから、林野の面積と直したと、こういうことでございますか。
  33. 柴田護

    説明員柴田護君) その通りでございます。
  34. 鈴木壽

    鈴木壽君 関連して、この問題で、さっきの教育費の中で、私きょうの質問には直接あと関係しませんが、なるべく早い機会にあれでしょうか、小中学校の単位襲用の算出の基礎等について、それ出していただけないでしょうか、何かいろいろ問題があるようですが。
  35. 柴田護

    説明員柴田護君) 市町村分の経費については極力出します。ただ県分につきましては、標準定数関係が若干ございますので、少しおくれるかもしれませんが、これも御希望に従いまして出したいと思います。
  36. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 三十二年度の特別交付税の算定要綱をいただいていますが、福岡県ははなはだしく特別交付税が多いようでしたが、これは折しもリコール運動のあったさなかですが、反対派のてこ入れのために出されたんではよもやなかろうと思うのですが、この算定要綱のどの条項に当るのか。なお三十一年度並びに三十二年度の特別交付税の額ということについて一つ説明を願います。
  37. 柴田護

    説明員柴田護君) ちょっと県別の資料を持ち合せませんので、詳しい計数は後ほど御報告申し上げますが、福岡県の場合はこの算定要綱の中の……、十六「基準税額が過大又は過少であること」、この中の道府県民税と事業税、この二つで普通の県ではマイナスが立つのでございますけれども、福岡県の場合はプラスが立っておる。と申しますのは、当初の見積りがまあ過大であった。それを特別交付税の場合でルール計算で精算をいたしますが、その精算額でプラスが立ったのが大きな原因であります。普通の県ではマイナスが立って、基準財政収入額の方がむしろ少くて、法人分について再精算をしますと、よけい基準財政収入がふえる、その差額をマイナスに立てるのでございますけれども、福岡県の場合に、福岡県ほか四県くらいだったと思いますけれども、プラスが立っておる、その関係で非常に特別交付税がふえた、普通交付税ではむしろ伸びは非常に少くて、減っておりますけれども、逆に特別交付税の場合でそれが半分程度カバーされている、こういう恰好になります。
  38. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この三十二年度特別交付税算定要綱案の二十一、十六ですか……。
  39. 柴田護

    説明員柴田護君) 御指摘の資料では、二十一の事業税法人分でございます。私が申し上げましたのは、本委員会におとといお配りいたしました項目別の計算が出ておりますが、その資料の番号の十六、総理府令で申し上げますと、第三条の第二号の十三でございます。
  40. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 事業税をそれでは過大に見積っておったわけですね。それで私は福岡県のような、八幡を初め巨大産業のたくさんある、いわばそういうときにどうしてそういうふうになったのでしょう、少し納得いかぬのですが、その点。
  41. 柴田護

    説明員柴田護君) それは前年度の基準財政収入額をはじきます場合には、法人分につきましては、前年度の半年分の決算を基礎にしてこれを伸張率で伸ばすわけなんでございます。伸ばす場合は、財政計画の自然増収率というのを参考にいたしますけれども、これを伸ばして計算をする。それでそのときに非常に収入がよかったといたしますと、その部分が過大算定になるのであります。大きな法人分につきましては、これは分割分につきましてはそれでありますし、分割しない分については、前年一年間の実績をとりまして、国税、法人税の基礎になった所得をとって、それを伸ばすわけです。これは福岡県は大きな法人を持っておりますけれども、そういうことは福岡県に限らず、大阪府だって兵庫県だってままあることでございます。
  42. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、投資補正係数を算定する場合に使っているあの総合指数、その総合指数で福岡クラスの、ところでやはり同じような結果になっているかどうか。たとえば、私三十二年度のは持っていませんが、総合指数で福岡県は六〇一で、上から数えて七番目ぐらいの順位です。非常に工業化の進んだ、好況を最も税の上に反映するであろう同じようなところが、同じような総合指数のところが、やはりそういう福岡のような三十二年度の特別交付税で同じような結果になっている、同じような結果になっておれば、柴田課長の言われることも了解できるのですが、どうも福岡のようなところでそうなるということは、他の類似の産業構造といいますか、投資構造のところがそうなっておれば了解しますが、福岡だけということになると、どうも納得できがたいのですが、それはいかがですか。
  43. 柴田護

    説明員柴田護君) 具体的な計数でここにお話し申し上げると一番はっきりするかと思うのでございますが、そういうことがあろうと思いますので、実は投資補正の基礎に使いまする基準財政収入額、つまり標準財政収入を使います場合には、前年度のものを使わずに、数年間の平均したものを使うことにいたしております。そうしますと、その変動が一部は特別交付税で補正されますし、その翌年分、残ったものについて翌年分の基準財政収入に加算されてそこで修正されて参りますので、その間が平均されてくる。同じようなことの非常に大きな県は、福岡県と同じような税務構成といいますか、租税の構造といいますか、そういう態容を持つ県は兵庫県でございます。兵庫県はもっと福岡県以上に激しい県で、これは税が上ったり下ったり、非常に法人事業税が大きく動くところでございます。多かれ少かれ、こういうところではそういうような特別交付税で大きくひっくり返ることがしょっちゅうございます。現に兵庫県あたりは、ことしの基準財政収入の精算分は非常に多い、おととしでしたか、先おととしでございましたか、非常に精算分が多く出まして、予想以上に特別交付税がいってしまった。その反面、普通交付税では非常に予想以上に減ったというようなことがあるのでございます。できればそういうことを避けるようにいたしたいのでございますけれども、算定技術上いかんともしがたいので、長期的に見れば平均化されるのじゃないかということで、やむを得ず現在そういう方法をとっているわけでございます。
  44. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 財政局長、財政課長、良識のあることですから、そういうことはなかろうと思いますが、なるほど兵庫県は造船業を主体として、最も景気変動を強く受けるところですが、やはり福岡が製鉄を中心にし、いろいろな産業構造からして、どうもただいまの説明だけでは、私も実は三十二年度のやつを忘れて持ってきていませんが、一覧表を見れば、柴田課長の言われた通りかどうかわかりませんが、ああいう高度な工業化の進んだ、しかも一つの産業でなしに、広般な関連産業もあって、景気変動が十分調節されるといいますか、それでどうもそうなるという点が、リコール運動があったりして、そんたくしたわけではないのですが、これはその程度にしておきましょう。  それから郡長官にお尋ねしますが、普通交付税なり特別交付税の特別分を発表される形式なんですが、われわれも、長官が決裁をされるまでに、必ずしもそれをうかがい知る方法がないではない。しかしながら、一部の人はいち早くそれを察知して、府県市町村に電報を打っている。君のところは幾らになった、あれは平衡交付金の神さんだというようなことであるのです。私たちは、大臣が決裁されてからということでせんさくしませんが、大臣の御決裁がないから、まだ発表の限りでありませんというので、それ以上せんさくいたしませんが、そういいながら、かなり漏れているのですが、一体それは与党議員には事前にいち早く連絡して、あたかもそういうことのあるように、与党議員の力添えでやったように利用するようなことになっているのかどうか、私はこれ以上は言いませんが、具体的な例証は幾らでも持っているのです。この点はどうですか。大臣の決裁のないまでは与党議員たりといえども発表しないのか、野党議員にはその線を厳守しながら、特に自治庁出身の大先輩に対してはその限りでないのか、その辺の規律はどうですか。
  45. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私は、私が決裁いたす前に、私のところにくる前に中身を話しをいたすというようなことはほとんど考えられないのでありますが、ひとり交付税のみならず、私自身といたしましても、非常にその点も気をつけております。事前に漏れが出ましたり、あるいはお話のように一部の人が知っておったというようなことは、私自身としても決して好ましいことではございません。従いまして、これはいかがでございましょう、私扱うようになりましてから特にその点はかなりきびしく気をつけておるつもりでございます。私が処置をいたします前に話をいたすようなことはないと思います。かつ、私のところで決裁をいたしましても、それを成規の手続で発表いたしますまでの間というものは、特に私自身気をつけておるつもりでございます。今後も、どういう事態におきましても、その気持は十分引き継いで立てて参りたいと思っております。おっしゃることはよく私はわかります。
  46. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これはまあ公共事業費の各県、市町村に対する割当更正関係その他は割合開放的で、もう大臣の決裁というまでもなく、およそこれぐらいいくでしょうというようなことは、もう割合その辺はうかがい知ることは容易なんです、特に建設省等においては。ところが、自治庁においては、まあ野党議員だといってひがみもいたしませんが、なかなかその辺はきびしいが、まあ大先輩といいますか、その点はだいぶ郡長官が御就任以来よくなっているでしょうが、なおそういう形跡なきにしもあらずである。私はそういう特別、他の省よりそうきびしくされる必要があるかどうか。まあ官紀という点から言えば、大臣の御決裁があってからが当然でしょうが、しかしそこに甲、乙必ずしも一律にやられていないところに一言申し上げておきたいことが多々あるわけです。今後一つ気をつけていただきたいと思うわけであります。  次に、今度交付税率が、交付税の総額が基準税の二六から二七・五に、一・五増額修正されるわけですが、交付税法の六条の三です。「引き続き」、「著しく異なる」という規定があって、そういう場合のみこの率を変えるというふうになっているのですが、われわれが聞いていますのは、「著しく」とはまあ百億程度で、それが二年ぐらいですか……。というような説明を聞き、解説等でもそういうふうになっているのですが、この一・五を上げた、この程度でいいとされた、過去二年くらいどういう測定でこうなっているのか。まあ政治的な配慮ですから、やはり基準税に対して二六を二七・五に上げたその基準的な問題ですね。「著しく」、「引き続き」、「異なる」ような場合に変えるのだ。そうでない場合は、三税にリンクして変えないのだというふうになって、それが平衡交付金よりか違った何だという説明を受けているのですが、それはどうですか。
  47. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) この交付税率の問題につきましては、これはまあいろいろ議論が私はあり得ると思います。われわれといたしましても、あれで全くもう十二分に満足だという気持は必ずしも持っておるわけではございませんが、結局まあいろいろな経緯がありまして、国の財政の問題もあり、地方の財政も総合的に検討しなくちゃいかぬ、こういう問題もあり、それから、特に本年度につきましては、昨年度の例の公債費に対する暫定措置というものを恒久化すると、こういう基本的な問題もあって、そうしてまあいろいろ総合的に勘案いたした結果、まああれでがまんをする——がまんをせざるを得ない。率直に申しまして、そういうことでこれはさまったのでございます。
  48. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうすると、小林局長の話では、あまり根本原則といいますか、その率を変える問題の基本的な理論的な根拠といいますか、はっきりしないようですが、財務協会から出しております地方交付税法の解説を見ると、交付税の率というものは、所得税、法人税及び酒税に対する率は原則として変更しないのが建前で、これを変えるという場合は、やっぱり「引き続き」、「著しく異なる」のだということで、「引き続き」とは少くとも二年間、「著しく」とは百億以上というようなことになっているのですが、まあふえさえすればどうでもいいということでもないでしょうが、やはり平衡交付金制度の欠点と、弊害といいますか、そういうものを改めるために、三つの税を基準税として、それにリンクして、それを変える場合は、やはりふえることをわれわれも期待するのですが、やっぱり準則というものがなければならぬのですが、いろいろ財政計画で算定してみると、引き続いて少くとも二年間、著しく百億以上というふうなことに、そういうことで計算してみてやっぱり二七・五ということに、この解説を当てはめてみるとどうなりますか。
  49. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) この二七・五ということになりましたのは、むしろ去年の交付税率の改訂から引き続きの問題でございまして、今、中田委員おっしゃいました通り、理論的に地方の交付税率をどう考えるか、こういうことになれば、われわれといたしましても、要するに問題が地方になしに、全く国税の立場で、国税の減税がかりに行われた、国につきましては減税の理由があっても、地方にはそういう理由がない以上は、それは地方に影響のないように率のはね返しをやるべし、こういう基本的な考え方はわれわれも依然としてとっておるのでございます。そこで、まあ去年問題の一千億減税があって、その始末をどうするか、こういうことで大へんな問題になって、三%以上引き上げるべきだという、われわれも主張いたしておったのでございますが、御案内のようないろいろな事情から、一%で、二六%を引き上げる。公債費の問題は、別に自分の交付税の先食いか、あと食いか知りませんが、そういう形で始末をつけると、こういう形になってしまったのでございます。そこで、この始末を、結局、恒久的にけりをつけるために、今の公債費の問題を恒久的に解決をするのを、交付税率の増でやろうということが、諸般の事情から考えて最も地方にとって適当であろうという結論になって、そいつを中心に税率を引き上げた。それが今度の二七・五になったと、こういうのが実際の姿でございます。われわれがかねてからとっておる理屈からいえば、そこは相当妥協が、率直に申して、行われておるということは事実だと思います。ああいう形五所得税の減税があれば、そのまま率をはね返せという主張を貫くべきものが筋であろうと思いますが、今、申しましたような諸般の事情で、ああいう形で妥結、こういうことになったのでございます。
  50. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私の党も諸般の事情で賛成しているのですが、この基準税の増減と率の関係ですね。これはやはり昨年特に問題でしたし、また、政府与党とされては、来年度は所得税を中心に一千億の減税を考慮するというようなことになれば、やはり、この基準税の増減と交付税の率という問題は、やはり相当、その結びつきをどういうふうに理解するかということが起きてくると思うのですが、私も基準税率の変動が直ちに率に、その大小にかかわらず、はね返るべきだという考えは持たぬのですが、この点、相当結びつきを考えていかぬと、問題になると思うのですが、本年度は、もし国税における、交付税と関係する主税の減税がなければ、七十億くらいですか、当然ふえるべかりしものが滅っているのですが、たしか法人税が百三十四億、酒税が五十五億、所得税が五十億、合計二百四十億大体減っているのですが、それは率を変える事由にはならぬ、こういう考えですか。
  51. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは今仰せの通り、ことし国税に一部の減税がありまして減税の理由は、これはいろいろあったのは事実でございます。それで、いろいろの理由いかんにせよ、地方においてはその率をはね仮すべきじゃないかという、これは理論も主張も、現に一部にあったことも、これは事実でございます。われわれといたしましても、そういう問題を考えるべきじゃないかということも、いろいろ議論もしたのでございますが、結局、具体的な、この地方財政全般の問題の解決策として、交付税率をどうするか、こういうことに関連いたしましては、今の一・五%の引き上げでがまんせざるを得まいという結論になったのでございます。
  52. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと七十億くらいというものは、今度の率の修正の中にもう吸収されて、十分解決済みだと、こういうことでございますか。
  53. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) まあ、そいつもひっくるめて、これで少くとも今年の問題は解決済みと、一応こう考えざるを得ないと思います。
  54. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は、まあ国税の伸びもあるし、多年苦しかった数年来の努力を思うと、まあ、ほっと一息ついたというような安心感から、こういう問題をもっときびしく考えておかるべきじゃないか、対大蔵省の折衝で、交付公債の利子の問題、その他、投資というわけではないのですが、少し手ぬるい、大体今年は、例年きびしくやっておるから、今年はこの程度というようなことで、地方財政に内在する困難というものを軽く見ておられるのじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。
  55. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これは御批判とおしかりは、いろいろこれはあろうと思いますが、自治庁といたしましては、これはあらん限りの力を尽して、今の少くとも交付税率一・五%の問題を解決して、その他、いろいろ減税問題等もありましたが、その問題も一応滞りなく解決をして、問題を明年度以降の問題、こういうことにいたしたつもりでございます。今の直轄事業の交付公債の問題は、おっしゃる通り未解決になっておりますが、これも今後の問題といたしまして その解決に努力いたしたいと存じております。
  56. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この交付税の対象になる基準税といいますか、所得税、法人税、酒税の三つ、いろいろ景気変動を受ける割合は違うのですが、この三つというものは、もうこれでいいのだ、一番、法人税が変動は多いでしょうし、酒税は割合安定し、所得税がその中間だというような解説もあるのですが、これはもっとふやすということはどうなんですか。私は、あとで御質問しようと思っておるのですが、府県市町村の財政構造というものが、この交付税を配分するいろいろな何か非常に較差がひどくなってきやせぬか、そういうことを考えると、たとえば遊興飲食税、入場譲与税というようなものを、これをひっくるめて配分するというふうにすると、どうなりますか。
  57. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これはまあ地方の財源の全体を一体どう考えるかという、一番基本的な問題になってくるだろうと思います。しかし、われわれといたしましては、やはり地方の財源は、まあできるだけほんとうに自主的に取得もできれば、使えもするという形の財源から基礎に考えてやって、できるだけそういたしたい。だから、自主的な税をなるべく中心に考えて、交付税は一番最後に考えたい。その中間に譲与税の問題があるかもしれませんが、考え方としては、やはり私はそういくべきじゃないか。交付税の税率ばかり上っていくことがいいか悪いか、基本的に問題があろうと思います。地方の財政、行政を全部中央でますにはかって画一的にコントロールしてしまえという考えになれば、交付税一本論というものも成り立つかもしれませんが、それは私はできるだけ避けて自主的な活動と考え方を残すべきものじゃないかと思うのでございます。それでございますから、まあ、しかし、その税制その他の問題につきましては、いろいろ、現にこの国会でも問題になったいろいろな問題もございまして明年度はもっと全般的に問題を考えるのだというふうに政府の方で言っておられますので、われわれといたしましては、そういうような問題もひっくるめてなお検討いたしたいと思いますが、まあ基本的には、今申しましたような考え方を中心にいくべきじゃないかと存じております。
  58. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私も、地方で徴税して配分をするということで、自主的の努力をせずに、交付税がたくさんもらえる運動ばかりが徴税にかわるようなことは、問題だと思うのです。しかし、地方の財政力、税の力というものがだんだんアンバランスを調整できない現在は、交付税の基準税は三つにしても、入場譲与税の配分方法その他考えざるを得ないようになりはしないかと、それはどうですか。
  59. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) そういう問題も今後出てくるかもしれません、われわれといたしまして、今すぐそいつをどうこうするということまで考えておりませんが、そういう議論も私はあろうと思います。だが、将来の研究課題にいたしたいと、こう存ずるのでございます。
  60. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この普通交付税の総額を百分の九十四にされて、特別交付税を百分の六にされたということは、できるだけこれを少くするという御趣旨はよくわかるのですが、しかし、それには私は普通交付税の配分が、もうこの配分方式というものが完全に確立していくにつれてこれは私は減っていくべき問題だと思うのです。ところが四十六の都道府県の財政構造、特に一万あったやつを、町村を三分の一にし、五百の市ができて、配分する対象の財政構造のアンバランスが調整できぬ現在、果してこの率を少くすることは、いろいろ個人的とは言いませんが、そういう少くするという趣旨はわかりますが、やはりこの交付税の配分方式をだんだん完成していかれるには、なかなか対象が四千近くの対象というもののバラエティからして、私はなかなか捕捉できないのじゃないか。これは作品吉ですか、一昨日ですか、鈴木委員が質問されましたが、今回を見ても、とにかく恩給受給者の数あるいは海岸保全施設の延長、あるいは小中学校の測定単位費用というようなものは毎年相当広範な改正をして順次いかれねばならぬという段階で、私はまた来年やってみられて、また大幅な改正が出ないという保証もないし、そういう際に、よくその少い百分の六で、そういう配分する対象自体のバラエティが少しもまだ直ってこない現在、間に合う、実情に即する配分ができるかどうか、いかがでしょう。
  61. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) それはごもっともでございます。それで特別交付税も必要なものはやっぱり私は確保しておく必要があろうと思いますので、それで大体、従来必要とした実額はリザーブしておく必要がある。しかし総体としてそれ以上ふやす必要はないのじゃないか、それからまた、特別交付税のうちにも、従来ほとんど標準的な経費として定型化しておる配り方をしておる経費が相当ありますが、そういうものはなるべく普通交付税の方に持っていって、そしてもう計算もはっきりさせる、地方でも早くわかる、こういう仕組みの方が、財政の運営上適当であろうという考え方もございまして、やったのでございます。しかしながら、今申しました通り、実際従来の経験から考えて、まずまずほんとうの臨時的な経費で必要だと思われるものはリザーブしてございますので、まあこの程度でいいんじゃないかと考えておる次第でございます。
  62. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、三十二年度の特別交付税の算定要綱、道府県分と市町村分とあるんですが、この中の百分の二くらいのものが定型化されたというふうな考えですか、どうなんですか。定型化されたものを普通交付税に繰り入れて、いろいろな諸事情の変化には十分これで対応できる、こういうお考えでしょうか。
  63. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 百分の二と申しますよりも、実額の問題でございます。そこで従来やっておりました、たとえば単独災害の償還費の問題とか、緩慢災害事業費の問題とか、あるいは特定債について財政力補正の問題とか、そういうようなものはもうきまり切った方式でいっていいからというので、これは普通交付税に入れることにいたしたのでございます。結局、何と申しますか、公平に各県に金をどう配るかという配り方の問題でございますから、われわれといたしましては、できるだけ早くすっきりとした形で配るようなものを多く作って、そうしてほんとうに臨時的に、予測できない突発的な事態が起ったものについてまあ特交で考える、できたらそういう方向にできるだけ持ってゆきたいと思います。ただ、形としては、仕事はきまり切っておりますけれども、団体が非常に特殊だ、こういうものも実はあるのでございまして、たとえば地方の特殊の風土病というものは、毎年あることにきまり切っておりますが、非常に特殊な団体しか……そういうようなものは普通交付税の算定に入れようもございませんので、そういうようなものは残さざるを得ない。団体がきわめて特殊であるか、需要がほんとうに特殊であるか、そういうようなものになるべく限って、そうしてほかは普通交付税でゆきたい、特別交付税のうちでも形のきまっちゃっておるものはなるべく配分方式を確定してしまって、今までは毎年々々変えておりますが、それもできたら、そのうちのきまり切ったものはむしろきまり切った方式で特別交付税でもやっちゃうというような形のものを、ぜひわれわれ研究をいたしたい、全体としてそういう考え方で交付税の配分を考えて参りたいと思うのでございます。
  64. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私も先に申しましたように、特別交付金の割合を少くされるという原則においては了承するんですが、なかなかその配分する対象自体、諸事情の変化というようなことから考えて、そうして毎年これをできるだけ精緻なものにされるために、大幅な改正がされつつある現在、間に合うかどうか、十分事態に即応できるかどうかということについては、やはり今後の補正係数等もありますが、一考を要する問題ではないかというわけであります。  それから、今度のこの改正で、多年懸案であります公債費対策を考えられたということは非常にけっこうですが、この対象になるものが特別措置債償還費というものは百パーセント見てあるんです。それから特定債償還費というものは二割五分しか見てない。このことがこの程度で、果して公債費対策が十分であり得るか、わずかな額の方だけは百パーセント見てあるが、非常に大きい額の方は二割五分では、私は公債費対策はいまだしといわざるを得ないと思うんですが、いかがでしょう。
  65. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 仰せの通り公債費につきましてどういう経費をどれだけ見るか、こういうことにつきましては、それはいろいろ議論があります。特にここに書いてあります給与費に書いたようなものは、これはもう理屈なしに全く公債の償還費といっても理屈がないんでありますから、これは交付税で百パーセント見よう、その他の公債費につきましては、公共事業にしろ六・三制にしろ、ともかくもその借金というものによって地方の事業ができて、現にその施設がみな残っておるわけでございますから、これにつきましては、その地方自体も、やはりこれは考えてしかるべきでございます。起債でやったところと、自己財源でやったところと現にあるのでございますから、そういうものを百パーセント見てしまったら、従来これはまじめに 何と申しますか 自分の財源を持ち出してやったようなところと、むしろこれは不均衡になりまして、逆な議論が出てくるのでございます。さりながら、実際それが現実の財政の上に非常な重圧になっておることも、またこれは事実でございますので、そこらのところのかね合いを考えるよりしようがないじゃないかと、そういうことで、前年度は、御承知通り、利子の半分を見ようじゃないかということにしたのでございます。それで、その利子の半分という考え方で一応前年度は出発をして、まあ交付税法も御決議を願って、執行して参ったのでございますが、これはまた利子の半分だけではどうにも動きがつかぬのでございます。それは、もうすでに御案内の通り、今後はこの元金がだんだんふえていきまして、利子の方が減ってくるのであります。今までは、大体利子と元金がパーパーだったから、利子の半分でもよかったのでありますが、今後利子の方がだんだん減ってきますと、そうすると、減ってくるものの半分しか交付税の方で見ぬということになりますと、償還費の足しになりません。どうしたって元金につきましても見ることを考えぬといかぬ。そこで、この割合を、まあ元本合せたものとして、一応四分の一の二十五円で抑えたのでございます。そこで、これだけでは足らぬのはもう明瞭でございますから、この公債費が、何と申しますか、団体の財政力とバランスの合わぬところは財政力補正で厚く見てやらぬといかぬじゃないかと、こういう考え方でございまして、おそらくは、この二五%が元本の少くとも半分近くなるところまでは、ひどいところは補正を考えるべきじゃないかと、この補正の問題は、今後の研究題目でございますが、そうすれば、そこほどまで見てやれば、実際公債費問題で悩んでいるところも、大体私は公債費に対する対策としては一応の見通しがつくのじゃないかと、こういうふうに考えておるのでございます。で、ございますから、結局、これからの補正の見方をどの限度までいくか、それが半分で足らなければ、もっと上げたらいいじゃないかという議論もあり得るのでございまして、今の見当は、まあまあ元本の半分くらいまでせいぜい考えればいいじゃないかという気持でございますが、現実の実際の必要とかみ合せて、そこらは一つ適正を期したい、こういうふうに考えております。
  66. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これはまあ起債は許可されるので、その起債の償還を高い率で見ることは、やり者得というようなことも考えられますが、小林局長のところで厳正な査定で、全国バランスを見、必要の緊急の度合い等でやられるので、そういう心配もないじゃないですか、どうなんですか。
  67. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 率直に申しまして、今後の許可をする起債につきましては、そういう心配はこれはないと思います。これはまた、われわれとしては、心配のないように起債の詮議方針を運用するつもりでございます。問題は、要するに過去の公債費の問題でございまして、率直に申しまして、そういう団体の償還力とか、そういうものを全然考えずに、まあ財源措置的に起債が許可された、赤字が出そうだからこの起債を許可してやれと、こういうような形で、どうしても財政計画がつじつまが合わぬから、起債で穴埋めしようという形で行われたものの始末でございますから、これはやむを得ずこういう措置をとったのでございまして、去年あたりから新しく起債の許可をしておりますものにつきましては、将来こんな心配事が起らぬように、これは一般財源とのにらみ合いで適切を期しておるつもりでございます。
  68. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 従来はまあ公共災害の復旧費が九割五分見られておるわけですが、その他の公債費というものは、これは従来はそれ以外にはないのですが、実際は各行政費目の中に減価償却として入っているのですか、これはどの程度実際入っていると理解すべきですか。
  69. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) これはまあ減価償却費として、一応交付税、もしくは財政需要の計算上見てある。しかしそれが、率直に申しまして、過去においてはこれは財政交付税そのものも少かったものだから、そこに非常にひずみと申しますか、引っ込んでいるところがあった。これを今度はだいぶふやすことにいたしておりますから、今後の問題といたしましては、一応今後は新しく公共事業債として発行されるものにつきましては、まずまず財政交付税の算定の基準で見られておるものと見ていただいてよかろうと思うのでございます。ただ、今度一緒に変えることにいたしましたのは、例の準災害と申しますか、地盤沈下とか海岸侵食のように、これは全く当該団体の意思を超越して、天然自然で災害に準ずるものが起ると、こういうものは特別に考えてやらなければいかぬではないかというので、災害復旧事業に準じて、普通交付税で、その元利償還費の一部は基準財政需要額で見るべきじゃないか、こういうことで、今度の改正にその問題を取り上げることにいたしたのでございます。
  70. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 先に小林局長も言われたように、ある意味では、公債費は、財源が少いので、調整的な意味も含めて出されておる面もあるし、私はもう少しあとで具体的に再建団体についてお尋ぬしますが、やらないと、実際公債費問題の対策にならぬじゃないかというふうに考えるのですが、いかがですか。
  71. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) それは仰せの通りでございまして、この過去の公債費問題につきましてはともかくも、まあ今さら理由をせんさくしても始まらぬのでございまして、現実の団体の財政運営、並びに今後数年間、あるいはまあ十年近くなるかもしれませんが、その間動きがつかぬという問題につきましては、私は、一般財源とのにらみ合いでございますが、交付税の運用を通じても終局的に解決の道を確立してやらなくちゃなるまいと、こういうふうに存じております。
  72. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それでは、具体的にお尋ねしますが、府県が再建団体十八ありますし、小林局長のところで出されたのでしょうが、昭和三十二年の十二月二十五日に再建白書といいますか、それが出されて、特に代表的な例として佐賀県と徳島県の再建計画が出されておるのですが、これを見て、徳島県は知事選挙を四回やらねば再建ができぬようになっておる。いわば一応の紙上の再建プランと言ってもいいわけで、しかも二十九年の基準年度からすると、基準年度の交付税を私率をはじいてみたのですが、一〇〇としますると、三十三年度は一二一というふうで、あまりこれが佐賀県はふえていない。しかも地方債は、二十九年を一〇〇とすると、三十三年度は三〇%、しかも公債費の償還は、三十三年度は、二十九年を一〇〇とすると、二三三というような、非常な再建の容易でないことを示しますし、この傾向は徳島も同様なんですが、一体この再建計画が、補正係数をはじかれぬとわからぬでしょうが、一体どの程度この公債費、新しい費目を起されたことによって、徳島、長崎等はどの程度一体再建期間を短縮できるか。われわれ現地に行ってみても、全く再建ノイローゼといいますか、ほとんど県政に手がつかぬというような状態ですが、これで一体どの程度財政事情は好転し、短縮できるか、およその見通しはいかがでしょう。
  73. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 今の再建の白書と申しますか、自治庁で資料を発表したのでございますが、これはもうその通りでございまして、私は現在の再建計画は、率直に申しまして、自治団体の再建のための計画としては、まあほとんどこれは計画というのがはずかしい内容を持っていると思うのでございます。仰せの通り、十何年閥もあれだけでなしに、その間に人員整理、去年の減だっておそらく数百人、全部合せたら数千人になるようなものを見込んでおりますし、仕事は仕事で全くがた落ちで、ひどいところは三割とか四割とかいうような仕事を圧縮するというふうな計画になっておるのでございまして、こういう計画通りとうていやれるものじゃございません。それでございますから、われわれといたしましては、その再建計画をともかくも実施できるような形に早く直してやらなければいかぬ、これがもう基本的な考え方でございまして、そのために一般財源、特に交付税がある程度ふえるということが必要だったのでございます。まあ幸いにいたしまして、公債費の問題も一応めどがつきましたので、金額が幾らいくかということまで私もはっきりしたことを申し上げかねますけれども、私は今度計画を根本的に県にも変えてもらいまして、そういたしますというと、少くとも三十二年度と申しますか、三十二年度の実績の行政規模は当然これは確保できるような計画に私は直すことができると思うのでございます。それだけじゃもちろん足らぬのでありますが、三十二年度寸どまりというようなばかなことをするわけにはいかぬので、その上にやはりある程度の行政のレベルを伸ばしていく、そういうこともある程度加味した計画が今度はきっとできるだろう、こういう考えを持っております。それで直ちに期間短縮になるかならぬかということになりますというと、そこまで私も今自信を持って申し上げることができませんが、現に期間短縮は、自主的に行なっておる府県市町村も少くないのでございまして私正確な数字は知りませんが、おそらくこの三月の末で再建団体をやめてしまうという府県市町村が、私はやはり十くらいはあるのではないかと思います。それから、期間の短縮をおそらくやっておるのは四十くらいあるはずだと思います。これは一度まとめまして委員会にも御報告申し上げたいと実は思っております。そういう姿がほっておいてもある程度できるはずでございまして、ともかくも、今度の計画変更によってどういう形になるか、そういうことを一ぺんわれわれも見て、また今度の対策を考えぬといかぬのではないか、大体において格好がつくようになりやせぬかという、これは見当でございますが、見当をつけております。その姿を見て、なお考えるべき問題は考えるようにいたしたいと存じております。
  74. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 柴田課長にお伺いしますが、局長からは聞かなんだのですか、前年度のことですが、公債費問題を含めて、佐賀、徳島、その他財政再建の困難なところは、とにかく今度の交付税法の改正で、根本的に解決したいということを数回承わったように思うのですが、とにかく代表的な、最もティピカルな徳島を見ますると、歳入の方では、とにかくその大宗をなす地方交付祝のふえ方が、この再建計画ではあまりふえない。もっとも三十二年度は、二十九年度を基準にしますと、五割七分ふえておる。ところが、地方債の方は、これはもうほとんど一割以下に落されてしまう。まずこういうのが歳入の特徴的な問題である。歳出の方は、投資的な経費がもう五分の一になる。しかも公債費は倍以上になると、こういう全然仕事をせずに借金の跡始末だけしていくと、これではなかなか県民を県政につないでいくこともできないし、なかなか問題だと思うのですが、具体的に一体どの程度徳島県なり佐賀県の財政事情が好転するか、これは一体地方債の問題からきているのか、財政構造に起因する配分上のいろいろな問題のためにこうなっているのか、どの程度短縮でき、どの程度好転し、これは単に公債費の問題だけかどうか、それはいかがですか。
  75. 柴田護

    説明員柴田護君) 徳島県の問題は、公債費だけとは申し上げませんけれども、まあ公債費問題が主であります。その原因は、交付税の中の投資的経費の取り扱い方——つまり数年前の平衡交付金時代からでございますが、取り扱い方というものは、いわば経営の施設の維持費といいますか、維持補修費と申しますか、でき上った施設というものを維持していくための金は交付税で認めている。しかし、新たに水準の低いものを引き上げていくと、いわば開発関係といいますか、そういうものの経費というものは地方債でやるのだと、勢いそういうようなやり方を振り返ってみますとして参っておるのであります。そこで、あえて徳島に限りません、東北でも同じような問題が起っておるわけでございますけれども、いわば財政力のない府県におきましては、どうしても一般団体並みに行政水準を持っていくために、勢い地方債を起して仕事をしておると、それがまあ今日はね返っておる。その中には、国が意識的にそういうような地方債のつけ方をしたところもありますし、徳高県の場合にはそれが相当あると考えられます。そのほかに、徳島県といたしましては、まあ財政力を離れて仕事一点張りに走った時代があるのでありまして、昭和二十六年、七年、八年、九年と、このころの徳島県の事業分量というものは、投資的経費と消費的経費の比率というものをごらん願いますと、全国的な比率から見まして、非常に多いのであります。しかも、その財源はほとんど起債であるということになっておりまして大部分は財政運営の本義を離れた財政運営が行われておったということも言えると思うのであります。言いかえますれば、徳島の場合には、国の措置に基因する場合もありますし、地方団体が財政運営の本義を忘れて、とにかく仕事だ、赤字を出したって何を出したって仕事は仕事だということで、収支の均衡という本義を忘れて運営した分もあるのでございます。まあこういうような考えでございますが、地力財源の配分そのものにおいて欠点があったのも事実でございます。その一つは、交付税全体を通じまして、開発経費と申しますか、いわゆる投資的経費の処理の仕方がまずかった点が一つです。もう一つは、徳島県の場合には、地すべりという特殊問題があります。この地すべりというものの特殊問題の扱いは、実際、実情は、緩慢災害という言葉でいわれますけれども、一種の災害であるにもかかわらず、それが災害復旧興としては扱われませんで、全く乏しい特別交付税のワクで始末をされてきた。これがほかの府県と違うところでございます。  徳島県について申し上げますと、一般的なものといたしまして、公債費問題に対する跡始末といたしましては、財政力補正というものを適用する。現に本年度も、財政力補正のまねごとを特別交付税でやっております。そのためにたしか、記憶ははっきりいたしませんが、基準財政需要額に直しまして五、六千万、もうちょっとありましたかの、相当の需要が増しておりますが、これを今度は普通交付税で本格的に取り上げる、そして徳島県財政を圧迫していくであろう救済にかかる、公債費の圧迫を除く。もう一つは、従来特別交付税で処理して、普通交付税で処理していない——つまり交付税上は完全に処理していなかった緩慢災害の部分につきましては、普通交付税の災害復旧費の中に取り入れて、これを災害復旧費と同じような扱いをして解決していこう、こういうことが一点。それからもう一つは、徳島県だけじゃございませんで、佐賀県あるいは高知県等も入って参りますが、いわゆる府県行政の特質からくるところの財政措置と申しますか、つまり財源の貧弱なところほど県としては財政需要が多い。その関係が態容補正係数の中にうまく現われてこない。つまり市町村の係数をそのまま積み上げて参りますので、貧弱市町村をよけいかかえておるところは、勢い補正係数が低く出てくる。ところが実際の経費は、そういう府県ほど市町村のめんどうを見るべき分野が多い。従って経費は逆に多いのじゃないか。これを直す方法といたしましては、市町村の態容係数を積み上げていって府県の態容係数とする方法を改めなければならない。そこで、態容補正係数を変えようとしておるわけでございます。これらの点を改めまして、徳島県等のそういう団体に対しては対処ができる。もちろん、理想からいいますれば、十分とは言えないかもしれませんが、極力対処し得る態勢ができると私たちは考えておるわけでございます。どのくらいふえるかとおっしゃいましても、ちょっと返答いたしかねます。と申しますのは、基準財政収入の計算もございますし、補正係数の算定もあるわけでございますので、ここで幾らふえるということを言えとおっしゃいましても、私たちの口からははっきり言いかねるのでございますが、まあそういう方法で極力努力をしてみたい、かように考えております。  佐賀県の場合はちょっと事情を異にしておりまして、佐賀県の財政窮迫の原因は、いろいろございますけれども、主として過去からふり返ってみますと、この原因は、昭和二十五年の税制改正に実はある程度起因しておると思います。と申しますのは、佐賀県のような県は、昔の地租、家屋税がございました時代におきましては、相当安定した財源を持っており、この安定した財源で財政運営が行われておったのでありまして、現に、昭和二十三年、四年、五年、このあたりの佐賀県財政は、決してそう派手なものではございませんけれども、非常に安定した、比較的小さいなりに弾力のある財政運営をして参ったのでありますが、昭和二十五年になりまして、税制改正が行われて、府県税の中心が事業税になってしまった。そうして地租家屋税は、固定資産税として市町村におろされて参りました。その間の税制改正に即応する即応態勢と申しますか、即応して、財政運営態度を改めていかなければならない。ところが、その辺の順応がおくれた。それがまあ佐賀県財政を困窮に陥れた一つの遠因であります。その後、災害等もございますし、また干拓等の経費が十分見られていないというような問題もありましてまあ交付税の算定上残されていく、いわば自由財源というのが佐賀県の場合は非常に少い。にもかかわらず、佐賀県は教育王国で、教育が非常に熱心だ。これに対して応ぜないわけにはいかない。その辺のギャップがだんだん広まって参る。かたがた、公債費問題もそういうふうに累加していく。こういうことになっていっておるのが一つの、佐賀県の財政困窮の過程をたどりますと、そういういろいろな複雑な分子が織りなして困窮を招いておる。その間、もちろん佐賀県財政の運営自身においても間違った、誤まった点もあるのでございますけれども、その原因は、徳島県の場合と違いまして、非常に複雑であります。で、交付税法上の、交付税配分上、これをどう解決するかという問題になって参りますと、徳島県のようにしかく簡単には実は参りません。と申しますのは、佐賀県とよく似た県が香川県でございますけれども、香川県も同じようなことが言えるのであります。単に佐賀県が財政再建団体ということだけで、特殊の地位を占めているのではございませんで、交付税の算定上は、公債費問題という特殊問題を別にいたしますと、佐賀県と香川県とは非常によく似ておるのでございます。どれくらい似ておるかと申しますと、面積が非常に小さい。しかも、人口は稠密である。で、言いかえますならば、人口密度が非常に高くて、しかも、その主力は農業、従って現行の府県税制上は税収入が少い、こういうことになるのでございます。  そこで、これを救う方法は、一つは、先ほど来申し上げました弱小府県の態容差の縮小という問題が一つ、それから佐賀県の場合は、公債費問題に対する財政力補正というものがある程度きいて参る。もう一つは、佐賀県の場合には、海岸堤防の特殊経費があります。これは海岸保全施設の延長をはずして参りますと、別建にいたしますと、ある程度出てくるのではないか、こういう感じを持っておるわけでありますが、基本的には、佐賀県といったような乏しい財源を持つ県が、交付税の算定上置かれております二割の留保財源、この留保財源を交付税算定上どのようにこれを補っていくか、カバーしていくかということになるのでありましてそこになって参りますと、投資補正の問題に結局なるのではないかと私は考えたいのであります。投資補正の問題を今までのようなやり方で考えていきますと、実は人口密度が稠密でありますし、経済構造がある程度高いのであります。従って投資補正係数もあまりうまくいってない。そこで、投資補正のやり方を別のやり方で考え直していかなければならぬのではないか、こういうことになろうかと考えております。この問題は、非常にむずかしい問題でございまして佐賀県の救済をどうするかという問題は、私どもにとって一つの交付税算定上の山と申しますか、限界と申しますか、であります。で、今回も実は係官を派遣いたしまして、佐賀県につきましては財政状態を、中身を全部洗っております。その洗った結果を見まして投資補正等についてやはり相当の改善を加えなければいかぬのではないか、そういうように考えております。これにつきましても、そういう手段を講じますれば、再建計画の将来の部分についても相当合理化し得るのじゃないかというように現在のところ考えております。
  76. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 徳島と佐賀の財政再建計画を見ますと、先に申し上げましたように、投資的な経費は五分の一ないし四分の一に再建計画の間は減っている。しかし公債費は倍になっている。これはまあ象徴的な問題ですが、そこで歳入の方を見ますると、先に言われたような二十五年のシャウプ税制等の改正もあり、また農業県等からして、特別に徴税を強化するということもできない。やはり教職員を勤務評定その他で整理してみてもなかなかいけないので、私は結局、地方交付税及び地方譲与税の配分の中に、柴田課長のところで作られるこれはやはり試金石で、私はむしろそういうふうになったのは、やはり多年大蔵省が、これまで総ワクをふやす問題もあるが、配分上の問題もあるといって指摘したような問題が、ようやく昨今緒につき出したという、もう自治庁の財政局がきめる配分方式は最善のものだという自信の強さといいますか、そういうことによって、私はむしろ特に、佐賀県等の当局のいろいろな不手際よりか、やはり構造上それに対応するような適切な配分方式が確立しなかったというところにあるような気がするのです。しかし計算してみなければわからぬと言われても、多年の勘で、およそこの程度の測定単位を新たに改正し、補正係数を、予定されるようなこの補正係数を合理化するということで、およそ目鼻もついているでしょうが、直感的におよそどれくらいになるということは大体わかるでしょう。幾らくらい大体大よそのめどは、大観的な見通しはどうですか。
  77. 柴田護

    説明員柴田護君) 基準財政需要額で試算いたしますと、道府県大体平均いたしまして、去年の一割二分くらいの基準財政需要額が伸びる予定である。従って佐賀県、徳島県につきましては、少くともそれ以上伸びる。まことに申しわけございませんが、その程度で一つごかんべんを願いたいと思います。
  78. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 大体それでは、実際この十八の府県、その他市町村の再建団体で、はなはだしく事情の困難なものがどの程度救われるかということは、実際態容補正その他でないので、まああなたまかせでまかせろと、悪いようにせぬからというようなことで了承しなくてはならぬので、きょう何時間もらっても、実際は私が遷延するというのじゃなしに、実際は問題があると思うわけであります。そこでその問題は一つ十分佐賀、徳島等を含む、はなはだしく困難なところは、まあまじめにやりさえすれば、何とか県民を県政につないでいけるという程度にはして、全く当局は、もう朝に再建、夕に再建で、何にも手がつかぬというようなことでは、過去どうあろうと、私はやはりもっと適切な措置がとらるべきだというふうに考え、そういう意見を申し上げておきたいと思うわけであります。  そこで、これはいつも問題になるのですが、この交付税の測定単位単位費用というものが、まあ既存の人口や施設というものが中心で、静態的な見方で、保守的なそういう測定単位に該当するようなところが有利に配分されていくという弊害のあったことは、動態的な観念を入れてやられようということでまあなっているのですが、この後進県といいますか、その後進性を取り戻す過去の施設、行政実績等を中心としての配分と、それと将来の投資をいたしまして、そうして、その行政水準の全国的なバランスに合わしていくというこの両者がかね合って果していけるかどうかということは、やはり今度この態容補正をどうされるかということに非常にからんでくるのですが、この新しい投資補正の考えも入れて、まあ三年目ですが、その総合指数を見ても、やっぱり必ずしもこの県民所得指数、県税指数、経済構造指数、それらを勘案して、総合指数というものをはじき出してそれでやるということが、必ずしも実際に合っていないということは、佐賀の例からも言われる。特に、たとえば非常に後進性があると思われる北海道等も、上から数えることが早いほど総合指数というものが高いというようなことから見まして、昭和三十一年、三十二年、この投資補正の観念を入れて本年度は三年度になろうとするのですが、一体その過去の二年間の経験にかんがみて、どういうふうにしていかれようという大体の構想はあると思うのですが、それはいかがですか。
  79. 柴田護

    説明員柴田護君) 御指摘のように、過去二年間やりましたのは、起債の減額に対応して、一般財源で投資的経費を与える、こういうことを中心にやったのでございまして、やりました結果は、総合指標のとり方が重過ぎる。総合指標のとり方がまあ七割三割でございますが、この七割三割が重過ぎますので、結局その間のひずみが、県を常識的に並べますと、途中でくしの歯がかけるように妙なところが出てくるということになりますので、総合指標というものにあまり重きを置くやり方は変えたいと思います。むしろ適当な指標をとって、そうして個別指標というものを中心に考えていく、こういう方向に進んでいきたいと考えております。
  80. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ちょっとそれではわからぬのですがね。三十一年は、県民所得指数、県税指数、経済構造指数というものから総合指数をはじき出されておる。昨年は何か県民所得指数か落して、まあ総合指数をはじき出されている。それでやってみましても、いずれにしても、まあ西郷さんのところは——鹿児島は有利になっているのですが、(笑声)やはりこの辺境地帯の北海道というようなところは、どう見ても、この全国上から十番目というような順位にきております。最も後進性、そして投資効果の上るところが出てこないというようなことでは、個別に考えてみるというのですが、もっと一般的な基準を示していただかぬと、これがどうなるかわからぬのですがね。
  81. 柴田護

    説明員柴田護君) お言葉を返しますが、北海道の場合は少し事情が違うのでございまして、これはその倒置でもって相当大規模な開発をやっております。普通の内地の県とは違うのでありまして、内地の県の全部、こう一わたり見回しますと、やはり南九州とか東北とかいうものは、大体それに合った傾向が出て参っております。ただ非常におかしいのは、今までお話しになっておりましたような人口密度と申しますか、農業中心で、ある程度所得レベルが低いと考えておるにもかかわらず、まん中に非常に多くの都市がある。たとえば仙台でございますとかあるいは石川でございますとか、こういうところでは、まん中のその都市の計数が付近の低い計数を打ち消しましてあまり高く出ない、こういうことになりますので、その辺のところは経済構造のとり方で一工夫を要する。経済構造のとり方が一工夫と申しますのは、その賃金水準というものをある程度取り入れていきたい、この方法でやりますと、今までの経済構造のとり方よりか実態に近いものが出て参るのであります。  それから個別指標と申しましたのは、道路について申し上げますならば、未改良の道路の全道路に対する比率でございまして、あるいは橋梁でございましたら、木橋の中で申しますと、かけかえを要します橋数の比率、こういったものをとって、まあこういうものを中心にして指標を描いていきたい。従来のような総合指標を中心にとりますと、どうも経費の実態に合わないようなものが出て参りますので、そういう方法で進みたい。個別指標のウェートを大きくしていって、総合指標のウエートをうんと下げるような方向へ考えていきたい、こういうふうに考えております。
  82. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 いずれにしても、過去二年間の経験にかんがみ、より妥当な方式を考慮されるのでしょうが、何といってもこの態容補が、従来は都市的な団体ですか、現有施設の数の多いところがいろいろあって有利だと思うのです。そして施設を持たない団体、今後持たねばならぬ団体というようなものに十分合うようなやはりこの態容補正を考えていただきたいということを、まあ強く希望をして、その点は終りたいと思うのですが、この段階補正ですね、数値が増加するに従ってこの単位当りの費用が少くなる。これが府県については人口百七十万、そうなると弱小団体といいますか、十分考慮されないで、あらゆる財政努力にもかかわらず、なかなか網の目の中に入れてもらえぬということがあると思うのですが、この段階補正についてはどうお考えですか。
  83. 柴田護

    説明員柴田護君) 段階補正も現在描いておりますカーブのもとでは、おっしゃるように、私どもはぎりぎり一ぱい上げておると考えております。ただ問題は、その今、段階補正をかけていない経費について段階補正がかかるのじゃないか。たとえば産業経済費をつかんでみますと、産業経済費について段階補正というものが一体かからぬのか、段階補正は。産業経済費の中でも人件費等は入っておるわけですけれども、こういうものにも段階補正がかけ得る余地があるのじゃないか、こういう問題が一つございます。そういう方向で御指摘の問題は再検討していきたいということで作業をいたしております。むしろ府県の問題といたしましては、私は態容補正の方が段階補正よりかむしろ問題があるのじゃないか。態容補正のきめ方の方が大きいウエートを持つのじゃないかというふうに考えております。
  84. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 郡長官にお尋ねしますが、態容補正や段階補正等で、行政の質と量の差とか、あるいは行政権能の差というものをいろいろ調整していかれようとするのも限界があるのじゃないか。むしろその基盤である経済構造の差を根本的に直す、工場配置法というような問題を、これは通産省等にまかせずに、自治庁としてももっとこういうアンバランスを調整されるということとともに、根本的にやはりイギリス等でやっているような工場配置法というようなもので経済構造をバランスしていくというようなことが必要じゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
  85. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私はおっしゃる点非常に同感であります。それで、私も一体、国土総合開発法であるとか、首都圏の整備であるとか、こうしたものも、やはりねらいは、もっとバランスのとれた、国全体の発達をする点にあるのじゃないかという主張を持ち、また、それを扱いまする方との協議はいたしておるつもりであります。実際、現在の各県の税の収入一人当りで比べてみまして、税の収入と、交付税を込めました一般財源とを比較いたしますと、税の収入に非常に差があるにもかかわらず、交付税を込めました一般財源では、ほとんど収入一人当りは全国似たような状態に相なってきておる。うれがむしろ私は、そうした交付税のやり方のために、かえって地方自治の、実際府県というようなものについても、どのような新しい制度を考えるべきかという点が、実は根本は解決していないにもかかわらず、現在の一般財源の付与の仕方のために、それが何と申しますか、かすみがかかったような感じで、実態は実はわれわれも、またその県民も把握していないというような感じがいたします。それで、おっしゃるように、私ははっきりと地方を富ませなければ、あるいは富の偏在と文化の偏在というものを是正いたさなければ相ならぬと思います。今後の地方自治の発展というのは、そういう点に私は積極的な目標を置くべきものだろうと思います。おっしゃる点、非常に私も同じような考えを持って事に当ろうと思い、また、実は地方制度にいたしましても、市町村の総合的な指導ということを今後考え出したいと思っておりますけれども、そういったものも、要は一体工場配置なり経済の均衡、文化の適正な置き方、そうしたことに実は重点を置いていかなきゃいかぬ、こう考えております。おっしゃる通り、従いまして、法律等につきましても、その所管等につきましても、主張すべきものは十分主張し、あるいは私は、新しい地方自治と結びついた立法でも要求すべきじゃないかと考えております。
  86. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 いろいろこの交付税の配分上の工夫をされていますが、結局、工場の自然的な立地、富の編在というような、まあ跡始末のようなことで、私はやはり通産省、企画庁、その他にまかせ切らずに、こういう問題も本格的に取り組んで、一つ工業をどう配置するかということを一つ研究していただきたいと思うわけであります。具体的なそのことを重ねて希望しておきます。  この海岸の保全施設の延長というところですが、ここでお尋ねいたしたいのは、静岡県の浜名湖、それから長崎県の大村湾というようなものは、一体これはどうなるんですか。私よく詳しいことは聞かぬのでお伺いしたいんですが、長崎の大村湾というものと浜名湖というものは、湾と湖というものは違うが、性格はあまり変らないと、これを浜名湖と同じような計算をしてもらうと、長崎県がはなはだ有利じゃないかという意見を聞いてるんですが、これはいかがですか。
  87. 柴田護

    説明員柴田護君) 面積の計算は、建設省の地理調査所において公表した最近の地方団体の面積によっておりまして、この公表した面積の中には、たしか浜名湖は面積の中に入っておりますが、大村湾は湾でございますので、湖沼面積の中には入っておらぬと考えております。これはまあ、どうするかという問題……、実態の議論はいろいろございましょうけれどもまあここでの計算上は、面積として調査所が公表したものを使っておりますので、その限りにおきましては、まあ大村湾も入れるような取扱いはできにくい、まあこういうことでございます。
  88. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 実は私、地方行政の森委員、それから安井議員等と一緒に、だいぶその関係で西海橋の辺が浜名湖の海に連なっている点と相違があるかということを、気をつけてみたんです。そうすると、一体、これはまあそれの当否は別にして、これを浜名湖と同じような計算をすると、一体交付税はふえるのか、長崎はふえないのか、これはどうなんです。今度は海岸の延長ということに入ってくるんですか、大村湾はどうなんですか。
  89. 柴田護

    説明員柴田護君) これは、大村湾の海岸が海岸保全施設になっておりますれば入って参りますけれども、これは知事が指定するのでありまして現在指定しておるかどうか、私は承知いたしておりません。ただ、面積の中に入れて参りますと、それは面積を測定単位にしている部分はふえますけれども、まあその他の面積ですから、ふえましても微々たるもので、端数程度しかふえないだろうと考えております。
  90. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 その直観は、勘というものは、まだ私はじいてみにゃわからぬと思いますが、私はあまり構造——地質調査所ですか、それの結果はともかく、あんまり変らぬように思うんです。その点、一つ具体的に検討してみていただきたいことを申し添えておきます。  それから、これはちょっと忘れたんですが、投資補正というものが、府県だけですかね、市町村はまだそういうことをやる必要ないということなんでしょうか、技術的な問題ですか、それはどうなんですか。
  91. 柴田護

    説明員柴田護君) 理論といたしましては、市町村にもかけ得るのでございます。従いまして今回の改正法律案で、市町村にもかけ、適用し得るように改正をしようと思っております。
  92. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 教育費の問題ですが、これはすでにわが党の加瀬委員等からも質問があったように承わっているんですが、今度、小中学校の測定単位の中から学級数というものを落す結果は——教員数に比べて落したわけですね。これを落すことがどういう影響を及ぼすか。この学級数というものは、学校数や教員数の中に吸収されて、完全な意味で含まれているかどうか。私は、これは児童数が少くて、分教場や学校の多いようなところには、この測定単位の仕方では大都市が有利になって、一学級当り定員フルに入っているところが有利になっていく結果にならないか……。
  93. 柴田護

    説明員柴田護君) 結果的に見ますと、有利になるのか、今までが不利であったのか、それは考えようだと思いますけれども、従来のやり方では、標準定数といったようなものがございませんので、児童数と学級数、学校数と三本建にして、そうして学校数のところで校長の経費を見、学級数と児童数を通じて教員数を仮想しておったわけでございます。今度標準定数が単級数を基礎にして出て参りますので、さような配慮はなくなった。むしろ標準定数を基礎にして計算した方が、より実態に即したものができる、今までよりかむしろ合理化されるとわれわれは考えております。
  94. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは今度できます定数確保の法案ですか、それと関連してでしょうが、この結果が、むしろ定数確保ということだが、かえって減っていくところもできるんじゃないか。この測定単位はたしかずっと変ってきて、児童数にウエートを置いて、学級数を軽く見ていたのが、たしかだんだんと児童数と学級数、学校数というものと同じような比重で考えて、児童数に比べて学校と学級が多いところの問題を考えておったんですが、そういう経緯があるんですが、いろいろこれは文部省との関係もあるでしょうが、私はそういうおそれがないかということを結論として……、それは大丈夫なんですか。
  95. 柴田護

    説明員柴田護君) 経過的には御指摘の通りでございますが、学校数というものを基礎に置いて標準定数を計算する方式になっておりますので、小さな学級をたくさん擁しておるところは、それなりに必要な計算が出て参りまずし、むしろ今までの荒い計算よりもこちらの方が合理的だと考えております。
  96. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それではもうやめますが、この交付税の総額は二千二百四十億ですか、という膨大なものですが、この計算方式のむずかしさ——難解というもので、なかなか国会でも十分審議を尽すことができないので、大臣や局長はまあ忙しくて、ほとんど柴田課長の一存で(笑声)一存とは言いませんけれども、そこできまって、やはり大きくゆれるということは大きな問題で、やはりもう自治庁の財政課でやっていることが何人の言うことよりも最善であるという、まあ自信も必要でしょうが、広くあちこちの世論を聞いて、実情に合うような精緻なものにするという謙虚さを私は希望してまだたくさんありますが、委員長の御要請で、これで終ります。     —————————————
  97. 小林武治

    委員長小林武治君) ただいま、委員異動がありましたから御報告いたします。  佐野廣君が辞任いたしまして、木村篤太郎君が補欠選任されました。     —————————————
  98. 大沢雄一

    ○大沢雄一君 私は、さらに時間のないころ、まことに他の委員諸君に恐縮でございますが、突発事項で、ただいまをおきましては機会がありませんので、ごく簡単にお尋ねし、また、お願いしておきたいと思います。それは、ほかでもありませんが、この三月の末に全国的に襲いました雑雪害の対策の関係でございます。くどくど申しませんが、近年最もひどい凍霜害でありました三十一年の被害が百十億、その次の二十八年が九十億、しかるに今回は、今判明しておるだけでも二百十二億、誇張ではありません、まったくこれは未曾有だ。麦秋等になりませば、これは大きな問題になってくるということは火を見るよりも明らかでございます。そこでいろいろ被害農家に対する対策は、別の委員会等でもむろん講じられるわけでありまするが、直接この委員会に関しまする問題といたしまして、この罹災農家に対する租税の減免措置の問題と、特にただいま審議を願っておりまする交付税につきましては、災害による税収入の減、あるいは災害のための経費の増加に対する府県市町村に対しまする特別交付税の強い要請が起っておることは御承知通りであります。ところで、今回この特交の額が八%から六%に減らされたとたんのことでありまして例年必要な実額はリザーブするという意味で、六%で足りるということで交付されておりますわけでありまするが、この未曾有の被害ということを考えまするときに、いささか私は不安なきを得ないという感じを持つわけであります。大体二十八年、三十一年に特交の生じた金額が何億か、それと比例をいたしますれば、大体今回の災害、これは現在二百十二億ですが、さらにこれは私ふえると思いまするが、大体見当がつくのではないかと思いますが、それに対しまして十分対処できる御用意があるかどうか、これについてお伺いするとともに、自治庁長官にぜひ一つ善処を御要望申し上げたいと思います。
  99. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 確かにこのたびの霜害はおびただしいものでありまして政府といたしましても、ごく最近総合的な対策を決定いたそうと思っております。それで自治庁の関係しております税の減収、また自治体の需要増加、これらにつきまして、相当な額に上ると思っておりますけれども、しかし凍霜害のこのたびをまかないますためには、特交で十分まかない得るという見当をつけております。今年さらに途中で起ります——何と申しましてもそれは風水害の食いますのは大きいのでございまして、ですから、将来の災害ということについて考えるべき点はございますけれども、凍霜害につきましては、十分まかない得る見込みを立てております。そのために措置をいたします点がおろそかになるようなことは絶対にございませんように扱って参ります。
  100. 小林武治

    委員長小林武治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めます。  採決に入ります。  地方交付税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。   〔賛成者挙手〕
  103. 小林武治

    委員長小林武治君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における委員長の口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた諸君は順次、御署名を願います。   多数意見者署名     大沢 雄一  館  哲二     小柳 牧衞  西郷吉之助     伊能 芳雄  成田 一郎     本多 市郎  加瀬  完     中田 吉雄  松澤 兼人     鈴木  壽  久保  等     森 八三一  白木義一郎
  105. 小林武治

    委員長小林武治君) 本日は、これにて散会いたします。    午後四時六分散会      —————・—————