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政府委員(
小林與三次君) ちょっと去年の経緯の問題もございますので、私から先に答弁をさしていただきたいと思います。
昨年は明らかに、この
公債費問題を議論をするのにつきまして、私
自身も前の
長官も、まあ
公債費の
対策としてた別建で、今、
鈴木委員のおっしゃいましたような方策でぜひ
考えたい、そういう
趣旨のことが、私はこの
委員会でも議論になったことをよく記憶いたしているのでございます。それで、確かにそういうふうに
公債費の穴埋めということを特別の
補給金の形でやるということは、もう
一つの
考え方でございまして、これは
考え方からいえば、あるいは
一つの正論だと思います。そういうことも
一つの
考え方でございますが、去年いろいろ議論いたしましたのは、結局、既定の
交付税のワク内で、もう
地方に与えられてしまっております
交付税を、先食いをしたり、繰り延べをしたりして、そうして国の責任に属すべき
公債費問題を処理するということは、これはもう全く筋の通らぬ異例の
措置であるということは、これは強くわれわれも
考えているのでございます。過去の、国が始末すべき問題でありますから、新たに国が
財源を付与してやらなくちゃいかぬ、これはもう絶対の要件なのでございます。そこで、新らしく国が
財源を与えてやるという場合に、
補給金として
公債償還費にぴたりとやることが
一つと、それと、むしろそいつをあげる場合に、
交付税という
方式を使ったらどうか、こういう実は
考え方がこれはあり得るのでございまして、そのときの議論が、この前主として議論をされておったのでございます。そこで、
交付税を使うということが、そんならそれほど間違いかと申しますというと、まず
補給金の問題につきましては、今、
長官がおっしゃいました
通り、できるだけ
財源を与えるとか、
一般財源の形で与えた方が、これはもう
地方のためにもなり、現に
公債費の問題で去年論じておりましたのは、利子の半分を補給する、こういう問題でございまして、利子の半分だけを補給するという
方式をとれば、ほんとうに
公債費対策になるかと申しますというと、利子はだんだん減っていく、これから元金の償還が中心になっていくのでございまして、どうしたって元金を見てやらなければ
動きがつかないのであります。それからさらに、それは
団体のやはり
財政力をあんばいしてやらなければ、これは
公債費の圧迫に苦しんでおるところは何とも救いようがない、そういう問題がございまして、どうせ取った
財源を
地方の実情に合うように配るのならば、むしろ
公債費を、
交付税方式をとった方が、
地方全体のためにも、あるいは個々の
地方団体のためにもより合理的じゃないか、こういうことで、われわれとしてはその道を選ぶことにいたしたのでございます。
どうも、それならば、そういう
交付税の配り方をするのが
交付税方式としていいか、こういう議論がまた別にあり得るのでございまして、これは私は、今の
公債費問題は、結局、きのうもいろいろ議論がありまた
通り、過去において
一般財源として
地方に与うべきものを国が与えていなかった、その結果が今日ここに現われておるのでございまして、過去に
交付税をしかるべく見てそうしてこれを
一般の投資的経費について十分に見ておれば、何も
公債費がかりにありましても、その
一般財源の中で償還をしていけばいいのであって、特別の
財政措置をする必要がこれはないのであります。ところが不幸にして従来は、
一般財源において見るところが少かったので、そのぼこをどうしても見てやる必要がある。その形で過去の
交付税の欠陥を今後の
交付税の
方式で是正していくということが、私は
考えていい問題だと思うのでございます。
それから、災害の際に対する穴埋めの
方式を
交付税に入れるか入れぬか、この問題も実は議論もあり得ると思いますが、これは結局、災害につきましても、
地方団体としては、これは当然日本のような国ならば災害があり得るのでありますから、どういう災害があったって差しつかえのないように、
交付税が常時配分されておれば、それぞれの
団体で災害に備えて常博準備をしておいたって、これは一向にかまわぬのでございまして、そういう道も
考えられるわけでございます。しかし、まあ従来、そういうぎりぎりの
財政計画であり、
交付税でありますから、そんなゆとりはございません。それで、しょうがない、できてしまった災害の跡始末をこれは
考えざるを得ないということだけでございましてそれにつきましては、私は
地方における全くもう必要やむを得ない
財政需要のこれは最たるものでございますから、これを
交付税を活用して配るということも、
交付税の
趣旨からいってあながち反対するという必要はない、こういうふうにも
考えておるのでございまして、そういう先例もありますし、かたがた、今の
公債費の性質が過去のそういう欠陥に原因しておる、こういうこともございまして、さらに今後の
地方財政に対する国の
措置としても一番妥当の
措置であるという結論の上に立ってこういう
措置をとることに決定いたしたのでございます。