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政府委員(
奥野誠亮君)
電気ガス税についてはいろいろな
考え方があると思います。ただ、経過的にどういう道をたどってきたかということを申し上げさしていただきたいと思います。
二十年でありましたか、国税でありました
電気ガス税を
廃止いたしましたので、それを受けまして、
地方税として
電気ガス税を課するようにいたしたわけであります。その当時、
工業用の
電気につきましては、全面的に
課税をいたしておりませんでした。その結果、また
電気ガス税のウェートというのは非常に低いものでありました。
工業用と非
工業用との区分も非常にわかりにくいものでありまして、その際に
地方税としてなお継続したいという私
たちの
考え方に対しまして、注意をしてくれた人がございます。これを
工業用は全面的にはずすなら、
電気ガス税を残しておくことはあまり
意味がないぞということが
一つございました。それから、もう
一つは、やはり当時といたしましては、
電気を使った方が、まきを使うよりなおコストが低くなる、こういうふうに
電気の料金をかなり強く抑えられておりましたので、消費規正というような
意味もあわせて、
電気ガス税を続けていった方がいいと、こういう
考え方を言ってくれた人もありました。そういうような経過をたどりまして、特に国が料金を押えている。その結果、その企業に対して価格差補給金を出している。こういう場合に、
電気ガス税を課しまして、
地方団体の
収入はふえるが、国から価格差補給金をまた追加して渡さなければならない。それじゃ
意味がないわけでありますので、そういう
産業で、
電気の原価の中に占める割合が非常に大きいというものだけ
課税からはずしたわけでございます。
その後だんだんと
電気の料金も引き上げられて参りまして、消費規正という
意味でこういう税金を続けてゆくということは、もう筋が通らなくなってきているわけであります。そうしますと、やはり
電気ガス税を将来に続けてゆくといたしまするならば、
電気を多量に使うような家庭でありますと、比較的所得の多い家庭だと思うのであります。家がだんだんと電化されてくる、そういう家庭は比較的
担税力がある。こういうことが言えるわけでありますので、
消費面から
担税力を捕捉していくんだと、そういう
意味においては、
電気ガス税というものがよろしいじゃないか、こういう
考え方がやはり生まれてくるのだと思うのであります。同町に他面、
電気の料金がだんだん重くなって参りますと、
電気ガス税の負担も、企業にとりましてかなり重いものになっていくだろうと思うのであります。そうなって参りますと、
電気を
原料に使わないで、石炭を使うとか、あるいはその他のものを使うとか、こういうようなことを
電気ガス税との関連において比較をしなければならない、こういう問題も起ってくるわけであります。そうしますと、やはり、原材料
課税になるような面は避けていくべきだ、そうしたしますと、今の
非課税の
範囲をもっと一挙に広げるという問題になるわけでありますが、そういたしますと、
地方団体の有力な
税収入にもなっておりまして、地方賦政が必ずしも安定しておりません際に、多額の
減収を来たすようなことはやるべきではない、こういう心配がございます。もう
一つは、また一挙に広げて参りますと、
電気ガス税の徴収が非常に複雑になって参りますと、せっかく徴税費のかからないところにこの税の特徴がございますので、非常にめんどうなことにもなってくるわけであります。そういう両方の問題がございますので、やはり減税をするのは、あるいは免税をするのは、
基礎資材の
製品に限っておきたい。
基礎資材の
製品に限りましても、将来新しいそういう
製品ができて参ります場合に、同じ
意味合いにおいてその
部分は
非課税にせざるを得ない、こういうふうに思うわけであります。
こういうような
状況できておるわけでありまして、将来どういうようにするかということを今まで歩んできた道から申し上げますと、やはり
地方財政の
状況、もう
一つは徴税事務があまり複雑にならないように、この三つを頭置きながら、若干
非課税の
範囲をむしろ拡大するということではなかろうか、こういう
考え方も持っておるわけでございます。いずれにしましても、お説のような御
意見も有力にあるわけでございますので、将来ともこの問題、この税につきましては、持って行き方を十分研究工夫していかなければならないところだろうというように存じております。