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1958-03-27 第28回国会 参議院 地方行政委員会 第20号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年三月二十七日(木曜日) 午前十時三十五分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
小林
武治
君
理事
大沢
雄一
君
小柳
牧衞
君
加瀬
完君
鈴木
壽君
委員
伊能繁次郎右
伊能
芳雄
君 佐野 廣君
西郷吉之助
君 館 哲二君
成田
一郎
君
本多
市郎
君
中田
吉雄
君
成瀬
幡治
君 森 八三一君
国務大臣
国 務 大 臣 郡
祐一
君
政府委員
自治庁行政局長
藤井 貞夫君
自治庁財政局長
小林與三次
君
自治庁税務局長
奧野
誠亮
君
事務局側
常任委員会専門
員
福永與一郎
君
—————————————
本日の
会議
に付した
案件
○
公営企業金融公庫法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣送付
、
予備審査
) ○新
市町村建設促進法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
小林武治
1
○
委員長
(
小林武治
君) これより
委員会
を開きます。 まず、
公営企業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
に供します。
本案
につきまして、昨日、
大蔵委員長
より、
委員会
の
決議
を経て、文書をもって
申し入れ
がございましたので、御報告いたします。
申し入れ
の
内容
につきましては、お
手元
に配付いたしました
申入書
の写しによって御
承知
置きを願います。 本件につきましては、
質疑
は終局いたしたものと認めて差しつかえございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小林武治
2
○
委員長
(
小林武治
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、これより
討論
に入ります。御
意見
のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
付帯決議案等
がございましたら、その際にお述べを願います。
大沢雄一
3
○
大沢雄一
君 私は、自由民主党を代表いたしまして、
本案
に
付帯決議
を付して
賛成
の意を表するものであります。
政府
の
原案
は、昨年六月設置以来、順調な経営を行なっておりまする
公営企業金融公庫
の
基礎
をさらに強化してその健全な
運営
に寄与するために、
政府
の
出資
五億円を増加して、
資本金
を十億円に改めんとするものでございまして、適切必要な
改正
であると存じます。また、
衆議院
の
修正
は、今後
公庫
において予算で認められた
資金
の
範囲
内におきまして、
公営企業
の一時
資金
の
貸付
を認めんとするものでございまして、
公庫
の
資金運用
の計画の間におきまして、
資金
を集めて貸し付けをする間に時間的ズレを生じまする場合に、
長期貸付
に
支障
のない
範囲
で一時
資金
の借り入れを認める、こういう
趣旨
からの
修正
であるということが明らかになっておりまするわけでございます。従いまして、去る二十六
国会
における
国会
の
付帯決議
の
趣旨
にも沿いまするし、また
公庫
の
運営
にも資する面が少くないと存ずるものでございまして、
公庫
の
目的
と
性格
に反するものではないと私は考えるものでございます。 以上の
理由
によりまして
本案
に
賛成
の意を表するものでございます。 さらに、私はこの際、お
手元
に御配付申し上げました
付帯決議
を付したいと存ずるのでございます。
付帯決議
を念のために朗読申し上げます。
公営企業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案付帯決議
(案)本法の施行に当り、
政府
は左の諸点に留意してその適正かつ円滑な
運営
を図り、
公営企業
の
発展
と
住民福祉
の増進に資すべきである。 一、今後更に、
公庫
の
出資金
及び
公庫債
の
発行限度額
を増額し、
公庫
の機能を充実し、
公営企業
の
発展
を図ること。 一、
地方団体
の
積立金
、
地方職員共済組合
、
市町村職員恩給組合等地方団体関係
の
積立金
を
公庫債
の引受を通じて
地方
に還元し、
地方住民
の
福祉
を増進するために活用すること、 一、
公庫
の行う一時
借入金
の
資金
の
貸付
については、
公営企業
に係る
長期資金
の
貸付
に
支障
を及ぼさない等これが
運用
に慎重を期すること。 一、
公営企業
に係る一時
借入金
の
資金
につき
政府資金
の一層積極的な
融通
をはかるよう
措置
すること。 右
決議
する。
地方公共団体
の
公営企業
の整備は、民生安定のため、また、
地方産業振興
のために、今後ますます重要の度を加えることと存ずるのでございます。これに対処いたしまして、
公営企業金融公庫
の健全な発達をはかり、
業務
の拡大をはかることが必要と存ずるのでございます。従って、
政府
は必要に応じまして
資金
の
ワク
、また
公募債
の
ワク
を今後も拡大しまして、
公庫
の使命の達成を期すべきでありますると同時に、
公営企業金融公庫
の
運営
につきましても、その健全な
運営
に資するよう
監督指導
を怠らざることが必要であると存ずるのでございます。 なお、また、
公営企業
の
発展
のために、
政府
といたしましては、
公庫
によりまする
公募債
のみならず、
政府資金
を低利かつ安定したる
条件
をもって、どしどし
公営企業
に対しまして融資をいたしまして、一そうその
公営企業
の円滑なる
運営
に資するようにする必要があると存ずるわけでございます。 これらの点につきましては、過日来の本
委員会
の
質疑応答
の間におきまして、すでに
委員各位
にも明らかにさしましたことと存ずるのでございます。 以上のような
理由
によりまして、この
付帯決議
を付して
本案
に
賛成
いたしたいと存ずる次第でございます。どうか
委員各位
の御賛同をお願い申し上げる次第でございます。
森八三一
4
○森八三一君 私は、ただいま
議題
になりました
公営企業金融公庫法
の一部
改正
に対しまして、
緑風会
を代表するものではありませんが、
委員
の立場におきまして、
政府提案
の当初の
原案
には、
公営企業金融公庫
の
業務
を拡大して、その
目的
を達成しようとする
方向
がにじみ出ておるわけでありますので、賛意を表するわけでありますが、関連して、
衆議院
におきまして、
短期資金
の
貸付
ができるように
修正
をされて本院に付託されておるわけでありますが、このことにつきましては、
質疑応答
を通じまして、本来の
目的
に反するような
措置
はいたさないとか、そういうような危険を生ずる心配はないというような
説明
はなされておるのでありますが、
法律
がかくのごとくに
修正
されるということになりますと、及んで、本来の
長期資金
の貸出に
支障
を及ぼし、累を券き起すような危険がないとは保証されないと思うのであります。今回の
公営企業金融公庫
の
資金量
その他をもっていたしますれば、かくのごとく
業務
の
範囲
を拡大いたしますることは、必ずしも妥当とは思われません。
政府提案
の当初の
原案
の
内容
において
公営企業金融公庫
の
業務
を
運営
すべきであると、かように考えます。そういうような観点からいたしまして、
本案
には遺憾ながら
賛成
いたしかねる
意見
を表明するわけであります。
加瀬完
5
○
加瀬完
君 私は、
日本社会党
を代表いたしまして、
修正
されました案並びに
大沢委員
からただいまお話しになりました
付帯決議
の両案に対しまして
賛成
をいたします。 ただ、次の二、三点を
希望
として申し添えたいと思います。 第一点は、
修正
されました条項は、
衆参両院
で昨年、
付帯決議
として
全会一致
で通っているものであります。このような
付帯決議
というものを
政府
みずからがもっと尊重して、
衆議院
の
修正
が出される以前に、当然
原案
として
提案
される運びになるべき性質のものじゃないか、そういう点、近時
付帯決議
というものがやや
付帯決議
し放しで、
政府
の尊重さというものがやや欠けているのじゃないか、こういう点、院あるいは
委員会
の
付帯決議
というものについてはもっと尊重してもらわなければ困るという点であります。 第二点は、
修正案
についての
質疑
の
過程
におきまして、
大蔵省等
から相当強い反対の
意見
が積極的に申し述べられております。このような
修正案
が通っているからには、しかも、それが、先ほど申しましたような
両院
の
付帯決議
の
性格
と同じものであるからには、
自治庁
としては、
政府
としての
意見
の
一致
を作り出す点についてもっと積極的に努力をすべきではないか、
自治庁
の
見解
と
大蔵省
の
見解
が相対立する、こういうことでは、
審議
をするわれわれとしては、はなはだ奇怪な感を持たざるを得ない、こういうことではなくて、
政府
が
一つ
の
意見
をはっきりさせて、それで法案あるいは
修正案
に対する、こういう態度をとってもらいたいということであります。 第三点は、
大沢委員提出
の
付帯決議案
は、当然なことでありますが、その第四項にありまする
政府資金
の一そう積極的な
融通
をはかるように
措置
されたいという点は、
大蔵省
にも強調した点でありますが、結局、
自治庁
としても、どうして、
政府資金
の一そう積極的な
融通
をはからせ得るという具体的の
方策
をもっと講ずべきじゃないか、
大蔵省
にも
質疑
の
過程
で、われわれはただしているのでありますが、
大蔵省
も
自治庁
も、
政府資金
の一そう積極的な
融通
の
具体策
というものを何ら持たないで、必要やむを得ず
修正部分
のような点が出てきたわけでありますのに、それに対して、こういう
修正
を出さなければならないような原因というものの
責任
はさっぱり感じないでおりますことは、どうもわれわれとしても腑に落ちないのであります。
付帯決議案
の特に四項の点については、具体的な
方策
を立ててもらいたい。 以上の
希望条件
を付しまして
賛成
をいたします。
小林武治
6
○
委員長
(
小林武治
君) 他に御発言もなければ、
討論
は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。
公営企業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案
を問題に供します。
本案
を
衆議院送付
案
通り
可決することに
賛成
の
諸君
の
挙手
を求めます。 〔
賛成者挙手
〕
小林武治
7
○
委員長
(
小林武治
君) 多数と認めます。よって
本案
は多数をもって
衆議院送付
案
通り
可決すべきものと決定いたしました。 次に、
討論
中、
大沢
君より
提出
されました
付帯決議案
を問題に供します。
大沢
君
提出
の
決議案
を可決することに
賛成
の
諸君
の
挙手
を求めます。 〔
賛成者挙手
〕
小林武治
8
○
委員長
(
小林武治
君) 多数と認めます。よって
大沢
君
提出
の
決議案
は、多数をもって、本
委員会
の
付帯決議
とすることに決定いたしました。 なお、本
院規則
第百四条による本
会議
における
委員長
の
口頭報告
の
内容
、第七十二条により議長に
提出
すべき
報告書
の作成その他日後の
手続
につきましては、慣例により、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小林武治
9
○
委員長
(
小林武治
君) 御
異議
ないと認めて、さよう決定いたします。 それから、
報告書
には多数
意見者
の
署名
を付することになっておりまするから、
本案
を可とされた
諸君
は順次、御
署名
を願います。 多数
意見者署名
大沢
雄一
小柳
牧衛
西郷吉之助
成田
一郎
伊能
芳雄
本多
市郎
中田
吉雄
鈴木
壽
成瀬
幡治
加瀬
完
—————————————
小林武治
10
○
委員長
(
小林武治
君) 次に、
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
以上、両案を便宜一括して
議題
に供します。 まず、
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
について
政府
より
内容
の
概略説明
を聴取いたします。
小林與三次
11
○
政府委員
(
小林與三次
君) 今回の
交付税法
の
改正
は、その中心は
交付税率
の
改正
でございます。
交付税率
は御
承知
の
通り
、現行百分の二十六を百分の二十七・五というように改めたのでございまして、それに伴う諸般の
改正
をやったのが
内容
でございます。 それではまず第一番は、
交付税率
を引き上げましたのに伴いまして、
普通交付税
の額と
特別交付税
の額の
配分
につきましても率を変えることにいたしたのでございます。この
意味
は、われわれといたしましては、できるだけ
交付税
はきまった
規定
によりまして
普通交付税
として
地方
に流すということが
交付税
の
趣旨
でもありまして、できるだけそういたしたい。それで
特別交付税
のうちでいわば機械的な
基準
で配っておりますものにつきましても、
普通交付税
に入れられるものはできるだけ入れることにして、そうして
普通交付税
として
配分
をいたしたい。
特別交付税
は、
ほんとう
に動きのつかない特殊の事情あるものに限定する
方向
に持っていきたい、こういう基本的な
考え方
をいたしておるのでございます。それでこの際、
総額
がふえました機会に、従来
普通交付税
は百分の九十三であったのを百分の九十四にし、
特別交付税
は百分の八であったのを百分の六に改めるということにいたしたのでございます。大体これで
金額
は百三十四億余りになろうと思います。前年度の
特別交付税
は百五十億前後でございましたが、
金額
的に言えば少し減っております。減っておりますが、そのうち一部
特別交付税
から
普通交付税
に切りかえるものを作りまして、実質的には大体似たような
数字
になるだろうと考えております。 それから次には、その
交付税率
が
総額
がふえましたのに伴いまして、
基準財政需要額
につきまして必要な
改正
を加えたのでございます。これにつきましても、
基準財政需要額
の
算定方法
を、なるべくこの
法律
上
測定単位
を作り得るものは
測定単位
を作って、そうして
単位費用
によって
計算
ができるようにして、そしていわゆる
補正
というものをできるだけルールに乗せた方が筋だという
考え方
を持っておるのでございまして、その
意味
におきまして、今回新たな
測定単位
といたしまして、
都道府県分
につきましては
恩給費
を加えることにいたしたのであります。
恩給費
はもうほとんどこれは義務的な
経費
でございまして、各
団体
によって恣意的に左右されるものでもなし、実際退職した人にもう理屈なしにある一定の
基準
で配らざるを得ないのでございますので、
恩給費
を新たに
経費
に立てまして、
恩給受給権者数
を
測定単位
とすることにしたのでございます。それからいま
一つ
は、
海岸保全施設
につきまして新たな
測定単位
を設けることにいたしたのであります。この
海岸保全施設
につきましては、
海岸保全法
ができまして、
海岸保全台帳
も
所管官庁
の
責任
においてきちんとしたものができておりますので、この
海外保全
に要する
経費
を
海岸保全台帳
を
基礎
にした
海岸保全施設
の延長によって加えたい、こういう
基準
でございます。 それから
教育費
につきまして、今度新たに
義務教育職員
につきまして
標準定数
の
制度
が別途、
文部省
の方の
提案
によって設けられることになりますので、教員の
給与費
の
基礎
には、むしろこの
標準定数
を使った方が至当だと考えられますので、
小学校費
及び
中学校費
の
測定単位
を、
教職員数
と
学校数
に改めることにいたしたのでございます。具体的には
文部省
の
標準定数
に関する
法律
は、経過的にはみな
政令
に譲っている問題が多いのでございまして、その
政令
の改訂を見なければ
ほんとう
の正確な
数字
が出てきませんが、いずれにしろ、
関係法令
に基いて定まった
数字
を
基礎
として
交付税
を
配分
することにして、そうしていわゆる
義務教育
の
標準定数
を
財政面
から確保していく、保障していくという態勢をとりたいと存ずるのでございます。 それからいま
一つ
の問題は、例の
公債費
の問題でございまして、
昭和
三十二年度におきましては、
臨時特例
といたしまして、
特別地方債償還費
として配ったのでございますが、これが
交付税
の一・五の引き上げに伴いまして、恒久化することが可能となりましたので、これを
一般
の
普通交付税
の中にはっきり打ち立てまして、
公債費対策
としての
支障
のない
措置
を講じたい、そういうふうに考えているのでございます。これにつきましては、他に、
暫定措置
を恒久化したということのほかに、中身におきましても
改正
を加えたいと思っております。それは、従来の
公債費
のうちで、いわゆる
給与等
のかわりに出しました
公債費
につきましては、
全額交付税
の力において
計算
をする
仕組み
になっておりましたが、そうでない、いわゆる
公共事業
とか
義務教育施設等
につきましての
公債費
につきましては
利子
の半分だけ見よう、こういう
仕組み
になっておったのでございます。
利子
の
半額
を
交付税
を通じて考える。ところが、だんだん実態を見ますというと、
利子
の
半額
だけを見ておっては、
公債費対策
としては十全の
措置
とはこれは言えないと思います。と申しますのは、次第に
償還期
が過ぎますというと、
利子
よりも元金の
償還
の方が
金額
が多くなって参りまして、
利子
だけではいわば末細りになるのであります。それといま
一つ
は、
利子
だけを見ておりますと、非常に
公債費
の
重圧
の大きい
団体
では、とてもこれはやっていけそうもないのでございまして、そこでやはり
公債費
と
一般財源
との比較をながめまして、
財政力
に比して
公債費
の
重圧
が特に多いというところに対しましては、いま少しく流れが多く流れるような流れ方を考えないといかぬのじゃないか、こういう考えをもちまして、この
単位費用
は
利子
の半分であったというのをやめまして、
元利償還金
の一応四分の一というのをベースにいたしまして、それから
あと
は、この
財政力
に応じて、
公債費
の
重圧
の多いところには
補正
を加えまして、そうして
公債費対策
としての遺憾のないような
措置
を講じたい、こういうふうに存じているのでございます。これよって、少くとも過去の
公債費
問題につきましては必要な
措置
が、まあ見方によれば、それは十分とは申せぬかもしれませんが、まず、われわれとして考えられる必要な
措置
が講ぜられることになる、こういうふうに存じているのでございます。これがまあ主要な
改正
につきまして……。 その
あと
は
個々
の
単位費用
の
算定
の問題になるのでございますが、
単位費用
につきましては、全般的な問題といたしまして、
期末手当
の増額あるいは
通勤手当制度
の
新設等
、
給与関係
の
制度
の
改正
がありますので、それに伴う
給与費
を
人件費
につきましては全部見て
単位費用
を改訂する、これが
一つ
。それからいま
一つ
は、
投資的経費
をできるだけ充実したい、こういうので、ほとんどすべての
経費
につきまして、
投資的経費
に重点を置いて
単位費用
を再
計算
することにいたしたのであります。そういう結果、それぞれの
単位費用
が相当額ふえております。 それからいま
一つ
の
改正
は、
態容補正
の問題でございまして、これにつきましては、先ほどちょっと申しました
通り
、この
公債
の
償還費
につきましては、
財政力
に応じて
補正
できるように、
補正
の
根拠
を与えるということが
一つ
。それからいま
一つ
は、いわゆる
態容補正
の問題につきましては、そのやり方が
府県分
につきましては、何と申しますか、
府県
の
態容
を
計算
するのに、
府県
を構成している
個々
の
山町村
の
態容
から積み上げて
計算
をいたしておりますので、その結果、どうしても不合理な面がある。たとえば県の
態容
としては、全体としては低いかもしれませんが、
県関係
の
職員費
などというものはもつ
ぱら県庁
町在地の
当該市
の
態容
によってきまるのでありまして、そこでまあ
一般
の
経費
が使われる以上は、
当該市
を
基礎
にして
府県
の
態容
も見なかったら不合理な面がある。こういうふうな点がございましたので、そこらの点を是正するような道をはかりたいというふうに存じておるのでございます。 それから
基準財政収入額
の問題につきましては、
自転車荷車税
が廃止になりまして、それに伴うて税制が若干変っておりますので、その変更に応ずるように、これはまあほとんど整理といっていいと思いますが、そういう
意味
の
改正
がなされたわけでございます。 その他、若干の
規定
を
修正
いたしておりますが、これはほとんど技術的な
改正
といっていいと思います。
一つ
は
交付税
の
交付
すべき時期、十六条の
改正
が
一つ
ございますが、これは要するに
交付税
の額というものは、今、
交付
時期と
交付額
がきまっておりまして、最初の四月、六月には
概算交付
をすることになっておりますが、 〔
委員長退席
、
理事大沢雄一
君
着席
〕 その場合には、その前年度の
交付額
を
基礎
にして
概算交付
する
仕組み
になっております。ところが、実際はその
団体
の収支が変りまして、場合によっては不
交付団体
になる
団体
があり、
交付税
が著しく減額になることが明瞭なる
団体
につきましても、前年度の実績で配ることになっておりますので、そういう
団体
には一ぺん配って、
あと
から還付を命ぜぬといかぬということがありましたので、そういうことが明瞭なところでは、一ぺんやって取り上げるということは、まことにおろかなことでありますので、むしろそういう場合には
交付
しなくてもいい、あるいは
交付額
を減額してよいといった式の道を開いた方がよかろうというので、そういう
規定
を置くことにいたしたのでございます。 それからいま
一つ
は、十七条の三でございますが、
交付税
の額の
算定
に用いた
資料
につきましての
検査
の
規定
を入れておいたのでございます。これは現在、
交付税
の
算定
に用いるいろんな
資料
は、それぞれの
市町村
から県を通じて、あるいは
府県
のものは
府県
から出てくるのでございますが、その
資料
に基いて
自治庁
は
機械計算
で出すわけでございますので、
資料
の
検査
ということが、
交付税配分
の最も重大な要件でございます。従来その
資料
につきまして、多少誤算があったり何かする場合もなかったとも思いませんので、これをまあ適正にするために、
自治庁
といたしましても、
資料
についての
検査
の
規定
を命じて、適宜、実際に合うようにその
適正性
を確認するという必要があろうと思うのでございます。そういう
意味
で、それに関連する
根拠規定
を置くことにいたしたわけでございます。 まあ大体そういったことでありまして、
あと
は字句を多少整理している問題がございますが、ほとんど技術上の問題で、別に申し上げるほどのことはないと、こういうふうに存じております。各
行政項目ごと
の
単位費用
の
算定
の
基礎
につきましては、これは別途、別冊で「各
行政項目別単位費用算定基礎
」という
資料
をお配りいたしてございますので、これによって御
承知おき
を願いたいと思います。それぞれの
経費
につきまして、それを作り出した
計算
の
基礎
をこまかく計上してございます。まあ煩になりますので、その
説明
は省略いたしたいと思っております。
大沢雄一
12
○
理事
(
大沢雄一
君) 両案に対する
質疑
は午後に譲ります。
—————————————
大沢雄一
13
○
理事
(
大沢雄一
君) 次に、新
市町村建設促進法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
に供します。
本案
は、去る二十五日、
予備審査議案
として
委員会
に付託されました。 これより
政府
の
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
郡祐一
14
○
国務大臣
(
郡祐一
君) 新
市町村建設促進法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。 〔
理事大沢雄一
君
退席
、
委員長着席
〕
昭和
三十一年六月三十日、新
市町村建設促進法
が制定施行されましてから今日まで、一年十カ月を経過いたしたのでありますが、この間、
都道府県
の境界にわたる
町村合併
の
案件
が数件発生いたしましたことは御
承知
の
通り
であります。 これらは、
関係市町村
から
合併
の
申請
はありましたが、
関係都県
において
申請
を行わないため、
政府
といたしましては、
内閣総理大臣
の
諮問機関
である新
市町村建設促進中央審議会
の
意見
を聞く
手続
をとっていたものであります。
中央審議会
においては、慎重な
調査検討
の結果、去る三月二十五日、答申を
提出
したのでありますが、
政府
において事案の公正にして円滑な解決をはかるためには、なお、若干の時間的余裕を必要とするものと考えられるのであります。 さらに、
関係市町村
において
合併
の議決を行なってからすでに四カ月を経過し、また近く四カ月を経過しようとする県境にわたる
町村合併
の
案件
が二件発生いたしているのであります。 しかるに、越県
合併
の処理に関する
規定
は、新
市町村建設促進法
の付則の定めるところによりまして、本年三月三十一日に失効することと相なっておりますので、この際、この
規定
の失効後といえども、九月三十日までの間は従前の例により得ることといたしますよう所要の
改正
をいたしたいと存ずるのであります。 以上が新
市町村建設促進法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
及びその
要旨
であります。何とぞ慎重に御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
小林武治
15
○
委員長
(
小林武治
君)
本案
に対する
質疑
は後日に譲ります。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小林武治
16
○
委員長
(
小林武治
君) 速記を始めて。 午前はこれにて休憩いたします。 午前十一時十一分休憩 —————・————— 午前十一時十一分休憩 午後一時三十一分開会
小林武治
17
○
委員長
(
小林武治
君)
委員会
を再開いたします。
地方税法
の一部を
改正
する
法律案
地方交付税法
の一部を
改正
する
法律案
以上、両案を一括して
議題
とし、
質疑
を行います。
質疑
のおありの方は、順次、御発言を願います。
成瀬幡治
18
○
成瀬
幡治
君 減税ということは、私たちは歓迎しなければならぬことなんです、大筋としては。しかし、今度減税されますと、
地方
自治体についてのやりくりの問題がある。ですから、あなたの方としては、大きく
地方
財政の立場から、どういうような結論が出て、減税をおやりになるのか、いわゆる財政計画との関連が出てくると思うのです。そういう点について、
一つ
基本的なお話を承わりたいと思います。
奧野誠亮
19
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) お話のように、減税する場合、納税者の立場も考えなければなりませんし、これを財源として行政をやって参ります
地方団体
の立場も考えていかなければならないわけであります。基本的には、
地方
交付税
制度
を通じまして、各
地方団体
を通じて必要最小限度の財源は保障する、こういう建前をとっておりまするので、全体として保障できる水準、これを確保して参らなければならない、かように考えておるわけでございます。この水準を確保できますならば、納税者の立場から見まして、優先順位を考慮しながら、必要な税率の調整はやるべきだと、こう考えます。しかしながら、その場合におきまして、特定の
団体
においては、財政収入に激変を生ずる場合がございます。こういう場合には、激変緩和の
措置
として、従来もとって参りましたように、
特別交付税
制度
の
運用
によって解決をせざるを得ない、かように考えておるわけでございます。
成瀬幡治
20
○
成瀬
幡治
君 私もあなたと議論をどうこうするというわけじゃございません。そういう理屈は非常にたくさんあるのですが、それはさておきまして、激変の問題で、昨日も私は承わっておりますが、木引税の問題でございます。それから
自転車荷車税
等の歓迎すべき減税に見合うために、たばこ消費税をお上げになる。それが見合っていないというようなために、木引税の問題について特交で見ると、こうおつしやいますが、あなたの調査として、大体ここのところは、たとえば木引税で七〇%も減税し、あるいは
自転車荷車税
によって、これが廃止になることによって、たばこ消費税と見合わないところ、そういう町村がどれくらいあるか。あるいはそれに対しては、特交でただ見るのだというお話なんですが、それじゃその
ワク
をどのくらい見ておいでになるか、そういう点について
一つ
、財政当局と打ち合せしておると思いますが、お聞かせを願いたいと思います。
奧野誠亮
21
○
政府委員
(奧野
誠亮
君)
自転車荷車税
の問題につきましては、単に、
自転車荷車税
の廃止による減収補てんのために、たばこ消費税の税率を二%引き上げたというだけにとどまりませんで、別途、現在、自動車税の課税客体になっております二輪の小型自動車や軽自動車も、
市町村
税におろすわけでございますので、この増収がございます。なおまた、
自転車荷車税
でありますと、徴税のために収入の二割くらいは使っていると思っております。これに反しまして、たばこ消費税でありますと、徴税費はまずゼロと、こう考えていいと思うのであります。こういうことをあわせ考えていただきますと、町村でありましても、減収になる
団体
がかなり少くなってくるのじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。ただ、町村全体として見ました場合には、大体
数字
が見合っておるわけでありますけれども、中には、増収になる
団体
もございます半面に、減収になる
団体
もあろうと思っています。しかし、その影響は比較的少いと思っております。木材引取税になりますと、今までの制限税率五%が三%に下つて参るわけでございますので、制限税率一ぱいで課税しておった、しかも、適正な課税をやっておった
団体
におきましては、税率引き下げがそのまま減収になって現われて参るわけでございまして、こういう
団体
が北海道、それから東北の一部におきまして顕著に見られると思っております。その他の
地方
におきましては、必ずしも課税において十分適正を得ていない面がございますので、税率が引き下げられましても、もし適正課税を思い切ってやっていただきますならば、必ずも減収にならないというように考えておるわけでございます。地域的に北海道、東北の一部においては減収になる、その他の
団体
におきましては、課税の適正化によって減収を補える、かように見込んでおるわけでございます。そういうような事情にございますので、木材引取税については、
自治庁
部内で、減収補てんのことを相談しておるわけでございまして、「木材引取税の税率の引下げに伴い、課税の適正化を図るもなお従前に比し減収が生ずると認められる
市町村
については、差当り
昭和
三十三年度において同年度分の木材引取税に係る
基準財政収入額
を
基礎
として
算定
した標準税収入見込額が前年度の木材引取税の収入済額に満たない
市町村
に対しては、
当該
満たない額を
特別交付税
として
当該
市町村
に
交付
する。」、こういうことを決定いたしておるわけでございます。言いかえれば、こういう
団体
におきましても、別途、
地方交付税法
の
改正
案を
提出
いたしておりまするように、保障されます
基準財政収入額
がかなり引き上げられます。従いまして、木材引取税の減収も、こういう面で救われるところが相当あるわけでございますけれども、しかし、木材引取税については、減収額をそのまま
特別交付税
として見ていきたい、こういう決定をいたしまして、激変緩和を
特別交付税
制度
を通じて積極的にやりたい、かように考えておるわけでございます。
成瀬幡治
22
○
成瀬
幡治
君 木引の問題については、ほかの方からもあると思いますから、簡単にしたいと思いますが、今読み上げられましたその部内決定、それは
自治庁
としての御決定のものであり、そうして木引で片っ方で増になるところもあるのじゃないか、適正化で増になるのじゃないか、適正化という
一つ
の前提があると思います。従前
通り
であるならば、必ず二分の一に減るわけですから、私は減ってくると思います。適正化の問題について、何かあなたの方として、こういうようなことをやったらいいじゃないか、各
市町村
はこれに対して非常に難渋しておるわけです。何か適正化の方途に、具体的に問題が起きずにうまくやれるというようなことを検討されて、その方途というものをあなたの方は特別に見つけられたのかどうか。
市町村
長は、現実に悩んでおる、苦しんでおって、適正化のいい方法はないわけです。ところがおっしゃった適正化を前提として増があると、こうおっしゃる。御研究になったものがあったら
一つ
……。
奧野誠亮
23
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 木材引取税の
運用
につきましては、従来からいろいろ摩擦を起しておりましたので、昨年、税率を一%引き下げました半面、適正化によって税収入は減らないようにと、こういうことを考えたわけでございます。その結果、
市町村
によりましては、従量課税によっていた部分について、
基礎
となります素材の評価額をかなり引き上げた結果、税率は下っているにかかわらず、税額が二倍をこえるというような
団体
が出て参りました。その結果、業界と
市町村
との間でかなりもめたところがございます。宮崎県を中心とする地域においてその問題が顕著であったわけでございます。従いまして、今回税率を下げて、さらに適正課税によってその穴埋めをやるのだということになりますと、従来と同じように、争いを繰り返して、かえって混乱を起すのじゃないか、こういう懸念があるわけでございまして、その点御心配いただいているのだと思っております。しかし、その後林野庁等とも話し合いをいたしました結果、税率引き下げをはかるならば、全面的に協力をしていきたいし、同時にまた、業界の廃止運動ももちろん取り下げにして、そちらの方面においてもそういう
方向
に協力したい、こういう話があったわけでございまして、そういう話を前提にして、今回思い切った税率の引き下げ案を
提案
をいたしておるわけでございます。 これについて実は
自治庁
と農林省との間で
一つ
の申し合わせをいたしております。これをそのまま申し上げますことが、今御質問いただきました点にお答えすることになるのじゃなかろうかと思うのであります。
一つ
は、「
自治庁
が示す「道都
府県
別木材石当り平均税額」の
基礎
となる素材価格は、
昭和
二十九年における価格を
基礎
としているので、その後の素材価格の上昇割合を
基礎
として改訂すること。」、そうしますと、従量課税をとっております場合に
基礎
になります価格が上って参りますから、税率が下りましても、税率の引き下げられただけが減収になるわけではない。価格引き上げによりまして、若干補てんされる。こういうことになるわけであります。なお従来、
自治庁
が示しております価格、それにもなお下回った価格で課税しておる
団体
もございます。これは適正課税につきまして、林野庁も業界も協力するということでございますので、そういう話にわれわれとしては期待をいたしておるわけでございます。 第二は、「国有林材の引取にかかる木材引取税については全面的に営林署長が特別徴収すること。」でございます。本来
市町村
が条例で指定いたしますと、営林署長が特別徴収すべきでありますけれども、しかし、いろいろ業界のあつれき等がございまして、必ずしも私たちの
希望
するようには参っていない地域が相当数ございます。こういうことのないように林野庁が強く営林署長を指導していきたい、全面的に特別徴収をすると、こういうことを約束してくれておるわけでございます。 第三は、「立木のまま売払う国有林材については、営林署長から関係の
市町村
長にこの旨通知するとともに木材引取税の徴収に協力すること。」、立木のまま売り払いますのは、素材の引き取りじゃございませんから、特別徴収はできないわけでございますけれども、立木のまま買った人たちがまた転々売買をするかもしれませんが、また、自分で伐採をして、素材を引き取っていくのが通例だろうと思います。従いまして、だれが立木を買ったのか、そのつど関係の
市町村
長に営林署長から通知をしてもらう。それを
基礎
にして、見きわめた上で納税義務者に対しまして納税を督促していきたい、かように考えておるわけであります。 第四は、「林野庁は、民有林材についても、木材引取税の適実課税の円滑な
運営
に協力させ、所期の税収入の確保に寄与するようにすること。」、これが一方で反対運動があるわけでございます。木材引取税廃止運動もあるわけでございますが、林野庁としてもそういうことのないように、むしろ適実課税に民有林材についても協力したい、こういうことを言っておるわけでございます。 第五は、「木材引取税の特別徴収義務にかかる手数料及びこれに類するものの提供等は直ちに廃止させること。」、関係営林署によりましては、若干
市町村
に負担をかけている向きもあるやに聞いておりますので、そういうことのないようにしたいということでございます。 こういうことを前提にして、木材引取税の税率
改正
案を
国会
に
提案
をいたしておるわけでございます。
成瀬幡治
24
○
成瀬
幡治
君 私は、今お聞きしておるようなことは、大体今までやられてきておることであって、これで適正化というものが前進をして、そうしてトラブルが解消するわけでもないと思います。また捕捉が非常に確かになってきて、税率を下げたことに対してその穴埋めができるなどということは毛頭考えておりません。しかしこの問題は、先ほども申し上げましたように、ほかの方がおやりになるから譲りまして、この
自転車荷車税
と、このたばこの
法律
ですが、私もたくさんのことを調査しておるわけじゃございませんけれども、私の知り得ているところでは、大都市が非常にこれがために税収が伸びるわけなのです。ところが、大都市周辺の町村は減ってくるわけです。そういうところに対して、今お聞きしますと、徴税費がどうとか、あるいは軽自動車を穴埋めするから、それが一ぱいになったということですが、あなたの方で、それではどこか具体的に町村をお調べになって、大体とんとんにいける、あるいはこれよりも上回る、たばこ消費税をやることによって上回るとか、あるいは下回るというようなことを具体的に御調査になった
資料
がございましたら
一つ
御提示を願いたいと思います。
奧野誠亮
25
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) お話のような
資料
の請求が
衆議院
にもございまして、
提出
しておりますので、参議院にも
提出
させていただくようにいたします。
成瀬幡治
26
○
成瀬
幡治
君 これはむしろ大臣の方にお尋ねするのが本来だと思いますが、しかし、まあ
自治庁
としても
一つ
、局長ですから、税務局長としてお答えを願いたいと思うのでございますが、今一番因っているのは、財源のあるところはいいわけです。いわゆる僻地、山間地が非常に困っておるわけです。そういうところから今いったようなものを減税される——私は減税に反対するわけじゃないけれども、減税されると非常に税収が減ります。そこで結果はどうなっておるかというと、固定資産税を不当に高く見積るか、それも非常に反対が多いということになると、大体住民税というようなところをたくさんとらなくちゃならぬことになる。この前も財政計画を見ておりますと、何か四十億ぐらい標準課税よりもたくさん上回ったところがあるのであるから、四十億増だと、それは隠しておるというような御答弁をいただいたのです。あなたの方は、こういうところに対してこういうものを減税をしていくと、しかし、それがとりもなおさず、逆に今度は住民の人たち、その地域の人たちにかえって増税という形ではね返っておるわけです。そういうような点についてはどういうふうにお考えになっておるか。
奧野誠亮
27
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) おっしゃっていますように、
自転車荷車税
は、現在かなり零細な大衆負担になっておると思います。そういう結局住民の担税力のないところに、こういう税収入が比較的多い。またそういうような零細な大衆負担になっていますから、廃止をいたしたいわけでございますから、従いまして、弱小の町村の収入が比較的多く減収になっていくという傾向がございます。これは
自転車荷車税
の廃止がそういう
趣旨
にあります以上はやむを得ないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。しかしその結果、また必要な財源は確保しなければならないのだから、
市町村
民税や固定資産税にしわ寄ったのでは、弱小の町村の住民負担が形をかえてふえるだけじゃないか、こういうことになりまして、御懸念のような問題が起ってくると思います。従いまして、木材引取税、
自転車荷車税
の廃止によりまして減収になりますような
団体
は、大体において
地方
交付税
の
交付
を受けている
団体
でございます。この
交付税
の
計算
におきまして、
基準財政収入額
が、もしお説のようなことになって参りますと、減って参りますので、自然
交付税
の
交付額
がふえてくるということになるわけでございますので、独立税収入の減少が
地方
交付税
の増収になってくるということで、やはり補てんはされるのじゃないだろうか、かように考えておるわけであります。ことに、今回は、
地方
税の伸びや
地方
交付税
の増額等を通じまして、
基準財政需要額
そのものが大幅に引き上げられるわけでございまして、そういうことを考慮に入れますと、減収補てんよりもさらに大きな額が、
当該
市町村
に財源として増強されていくじゃないか。従いまして、
自転車荷車税
の廃止による減収が、そのまま
市町村
民税の負担増加や、固定資産税の負担増加にはなっていかない、かような
考え方
を持っておるわけであります。さらに言えかえますれば、自転車荷電税を廃止することによって、零細な大衆負担を排除するのには、三十三年度はちょうどいい機会じゃないだろうか、こういう
考え方
さえ持っておるわけであります。
成瀬幡治
28
○
成瀬
幡治
君 若干議論になりますが、
交付税
で穴埋めができるじゃないか、だから住民の負担は増していないのだ、こうおっしゃるが、現実には、住民税は、標準課税あるいはその示されておる税率以上にとっておるというのが実情なんです。そうせなければ村はやっていけない。それは、何にもやらぬということなら別ですが、若干の投資的な仕事をやっていこうというようなことになれば、どうしてもやらなくちゃならん。ですから、あなたの方としておっしゃる大筋は、そういうものはみんな
交付税
でやる、
基準財政需要額
に見合うものはやるのだから差しつかえないじゃないかとおっしゃってしまえばそれまでだと思いますが、実情はそうではなくて、あなたの方はそうおっしゃるけれども、見ちゃいない。だから、どうしてもしょうがないから住民税をふやしてやっていこうじゃないか、こういうのが現状だと思う。実情はそうなっておる。そういうところに対して、それじゃ住民税を、標準課税率じゃなくて、一、二、三とあるですね、あれより以上にとっておる。それは投資的なものだから、それはぜいたくなやり方だから、こうおっしゃるのか。そういうものについて検討をされてみると、なるほど、学校も作らなくちゃならぬ、村道もある程度作らなくちゃならぬ、用排水等の問題についてもやらなくちゃならぬ、こういうものさしの見方になると思いますが、私は、正しく見ていただくなら、当然そういうものは村として認めざるを得ないと思います。そういうようなところに対して、若干
交付税
なんかふやしてやる、いわゆる行政水準の引き上げの問題になってくるわけですけれども、そういうところに対して何にも示されずにおって、そういうものを低く見ておると言うなら、あなたの議論が通っていくと思います。それでは私は、
地方
自治体は全然前進しないじゃないかということを憂えておるわけです。これは議論ですから別として、逆に今度は、山間僻地に財源を何か確保する
意味
において、
交付税
は格別として、あなたの方では何か財源的に検討されておるものがあるのか、あるいは幾ら探してみても、新しくここで税を
一つ
生み出して、そして
地方
自治体が潤うようないいものはないか、その辺の御研究と申しますか、検討されたことについて承わりたい。
奧野誠亮
29
○
政府委員
(奧野
誠亮
君)
自転車荷車税
の場合と木材引取税の場合とでは、私は町村に与える影響がかなり違っていると思います。というのは、木材引取税の場合には、従来
基準財政収入額
で
算定
しておりました以上に多額の税収入をあげておった
市町村
が、東北の一部や北海道にあるわけでございまして、従いまして、この部分は、
制度
改正
によりまして税率が引き下げられ、その結果、従来のような額をあげようと思ってもあげられなくなるわけでございまするので、
地方
交付税
制度
で保障しているからいいのだというわけには参らない、こう思っておるわけであります。これに反して、
自転車荷車税
の場合には、
当該
市町村
が徴収しておりますものが、そのまま
基準財政収入額
に算入されて参るわけでございます。従いまして、この廃止に伴う
基準財政収入額
が減って参りますれば、そのまま
地方
交付税
の増額になって戻っていくわけだから、全体としては保障されている。従って、このことから直ちに住民税の負担や固定資産税の負担がふえてくるということにはならない、かように考えておるわけでございます。 なお、山村によい財源を考えていないかということでございますが、従来、やはりそれぞれの
市町村
に必要な財源は
市町村
住民でまかなっていくというような立場が強かった結果、財源のない
団体
は非常に重い負担を背負わされておった。それが、漸次均衡のとれた負担に私たちは変りつつあると思っておるわけでございます。変りつつある。一番強い力は、やはり
地方
交付税
の財源供与だと思うのでありまして、
自転車荷車税
、その他の従来の雑税というものが、とかく弱小の町村住民の負担重加になっておったわけでありまして、これを取り下げますことが、地域間の負担の均衡化に一歩前進させることになっていく、そのかわり、そういう
団体
につきましては、全国的な財源で補てんをしていくというやり方にならざるを得ないじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。もっとも、弱小の町村におきましても、無理のない税源がありますならば、そういう方法をできるだけ取り上げていくべきだと思います。また、そういう
意味
で、比較的普遍的な税ということになりますと、たばこ消費税というようなことになるものでありますから、
自転車荷車税
廃止による独立税収入の減収補てんをたばこ消費税で埋め合せたということになっておるわけでございます。比較的どの
市町村
においても普遍的に所在する税で、現在考えられる税ということになりますと、たばこ消費税というようなことになるじゃないだろうか、かように考えておるわけであります。それにいたしましても、やはり消費能力というものが都市住民と町村住民との間にかなり開きがございますので、やはり収入は若干片寄ると思います。それ以上に、どの
市町村
にも必要な均衡のとれた財源を付与するということになりますと、私たちは独立税は非常にむつかしいじゃないだろうか、こういう
考え方
を持っておるわけでございます。
成瀬幡治
30
○
成瀬
幡治
君 わかりますですが、そうしますと、
交付税
でこれをやっていこうじゃないかということになると、
交付税
の
算定
基準
とか、あるいは
交付税
の中の
一つ
の項目を、たとえば面積と人口と比較して、希薄になったところのそれに対してある何%かを見る、あるいは耕地と申しますか、山林というか、そういうふうなものとの比率で、あるところをとって、それに何%かの
交付税
を見ていくというような格好にせざるを得ないと思う。今で見ると、たとえば
学校数
と先生でいうなら、先生の数やなんかというようなことが
交付税
の問題になって参りますけれども、これは
小林
さんの方の担当かもしれませんが、少くとも、あなたの方としてお話し願いたいことは、とするなら、
交付税
の
算定
基準
と申しますか、
配分
基準
と申しますか、そういうようなところに何か見るような特別
措置
を私はせなければならぬと思う。そういうような点について、あなたの方と財政局の方とお話しになっておるようなことはございましょうか。
奧野誠亮
31
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 財政局との間には常に緊密な連絡をとっていろいろ話し合いをしているわけであります。私は、しかし、
地方
交付税
制度
というものが、漸次お考えになっておるような
方向
に進みつつある、こういうように思っておるわけでありまして、
地方
交付税
制度
ができました当初は、やはり現実の財政需要を頭に置いて財源
配分
をせざるを得なかったじゃないだろうかと思います。たとえば、道路のできているところと道路のできていないところがございます。現実の道路の面積を
基準
にして
基準財政需要額
を
計算
していきます以上は、すでに発達したところに相当の財源が行きまして、これから道路を作らなければならないようなところには財源が行きません。従いまして、道路費というものを、そういう現実の道路を
基礎
にして
配分
するのがいいのか、それよりもむしろ、面積、人口等を
基礎
にして、あるべき道路面積というようなものを描いて、
基準財政需要額
を
算定
していくのがいいのか、こういう問題になってくると思います。こういうこともあって、貧弱な
団体
に比較的
基準財政需要額
が多く見積られるような
修正
を
地方
交付税
の中でも逐次加えられて参ってきておるわけであります。あるべき財政需要を
基礎
にして考えるべきじゃないか、それをさらに一歩前進さして、あるべき財政需要から、さらに今まで講ずべき施設を講じていなかった地域の財政需要をもっと大きく見てやる、こういうところに進めることによって、均衡化をさらに急激に前進させる、こういう
考え方
もあろうかと思うのでありますが、要するにこういう問題は、行政水準を引き上げながら、その引き上げた度合いを、今まで恵まれていなかった地域に多く見ていくことによって解決するのじゃないだろうか、今まで施設のあったところの財源を削りまして、いまだ恵まれていない地域に回すわけにもいきませんので、
地方
財政を充実する、全体としての行政水準を引き上げる、その場合に、今まで恵まれていなかった地域に上げていく、こういうことが考えられるのじゃないか、こういう漸進的なやり方をせざるを得ないと思うのでありまして、
地方
交付税
制度
の
発展
というものは、大体そういう経過をたどってきているのではないか、こう思っております。
成瀬幡治
32
○
成瀬
幡治
君 次に、この前、衆参ともについておったと思いますけれども、大衆飲食の三百円、五百円、八百円を千円というふうな
付帯決議
が出ております。そういうことは取り残されてしまって、ここにあるように、突然、木引税が出てきた。これは業者と町村当局との間で種々トラブルがあったことも私ども
承知
しております。そういうような
付帯決議
のあるものはやめて、あのときに一%下げればさしたる問題がないというような木引税の問題が突然に出てくる。何か
自治庁
に
一つ
の圧力
団体
といいますか、政治的に動いておられるのじゃないか、もう少し騒ぎ立てれば、あるいは
改正
案が出てくるというような疑いが大衆飲食の人たちにもあるのじゃないか、これは非常に拙劣じゃないかと思う。しかも、
国会
では
付帯決議
があって、
決議案
の尊重、そういう点と、大衆飲食をはずしたことについて、積極的な
理由
を
一つ
御
説明
願いたい。
奧野誠亮
33
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 遊興飲食税の
改正
につきましては、先の
国会
におきます当
委員会
の
付帯決議
は重々
承知
しているわけでございまして、この点につきましても、絶えず検討を加えて参ってきているわけであります。しかし、御
承知
のように、遊興飲食税につきましての
改正
税法は、昨年の七月から施行になっているわけであります。まだ施行になりましてから十カ月たっていないわけでございます。これは、やはり遊興飲食税の関係業界は、御
承知
のように種々雑多でございまして、全体を通じて円滑なる
運営
の行えるように考えて参りませんと、また摩擦を起す、いろいろと混乱を生じてくるということになりますので、いましばらく
改正
税法施行の経過を見た上で結論を出していきたい、こういうふうに考えておりましたために、この
国会
としては見送ったわけであります。そうして同時に、私たちの研究問題として、絶えず
地方
からの報告も求めておりますし、私自身としても、いろいろ調査を続けて参ってきているわけでございますので、当然、必要な検討の結果を、なるべく早い機会に出さなければならないと存じているわけでございます。
成瀬幡治
34
○
成瀬
幡治
君 あなた、研究するとか何とかおっしゃらずに、この前の速記録を見ればわかりますけれども、むしろ来年は
一つ
三百円、五百円、八百円を千円に直すということを積極的にあなたは発言しておいでになりますよ。ここで今見ると、これは十カ月、片方は十二カ月たっているから、二カ月の差で税法
改正
をするとか、そういうようなことは、少しあなたの御都合主義的な御答弁としか承われません。今もおっしゃったような、ただそれだけのことで遊興飲食税の方はたな上げしたのですか。
奧野誠亮
35
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 遊興飲食税の
改正
につきまして、将来手直しをしたい、どちらかといいますと、三百円の免税点を引き上げていく
方向
で解決をしたい、こういうことはお約束できると考えております。ただその時期の問題でありますが、七月から施行になったばかりでありますし、また業界それぞれがいろいろな
希望
を持っておりますし、また税務行政の実際を見ていきますと、なお考慮するなり、いろいろなことを考えなければならないようでございます。ことに、業態区分といいましょうか、保健所あるいは警察当局、そういう面の協力を得なければならない問題もございます。そういう面との話し合いも実はしておるわけでございまして、そういうことを総合的に考えていきますと、やはり一年たたないうちにすぐに結論を出すということは、また混乱を起すおそれもあるので、いましばらく
改正
税法実施の経過を見た方がよろしいのじゃないか、こういうように考えておったわけでございまして、今もさように考えておるわけでございます。
成瀬幡治
36
○
成瀬
幡治
君 まあ議論になることですから……。 その次に、電気ガス税の問題ですけれども、御
承知
のように、これを払っておるのは、ただ単に
一般
家庭の使用者が電気ガス税を払っておるというような格好になってしまっておるわけですが、一体、電気ガス税というものに対して、あなた方は、基本的な
考え方
といいますか、どんなふうにお考えになっておりますか。
奧野誠亮
37
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 電気ガス税を将来どう持っていくかということになると思うのでありますが、やはり省費面から担税力を捕捉する、そういう
性格
の税にすべきだ、言いかえれば消費税に純化していくべきだ、こういうように考えておるわけであります。しかしながら、簡易な課税によって相当額の税収入をあげるという間接税の特徴も忘れてはいけませんので、その点も考慮しなければならないと思いますが、大きな筋としては、消費税に純化する
方向
で、この税を将来なお続けていくべきだ、かように考えているわけであります。
小林武治
38
○
委員長
(
小林武治
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
小林武治
39
○
委員長
(
小林武治
君) 速記を始めて。
成瀬幡治
40
○
成瀬
幡治
君 大臣にお伺いするのですが、この前、財政計画をやったときに、大臣にちょっと伺うのですが、私非常に心配しておるのは、いわゆる貧弱町村と申しますか、山間僻地の自治体というものは非常にお気の毒なんです。行政水準とか何とかというよりも、うんと下回っているのです。お気の毒なんです。そういうところに対して私は積極的に大臣として手をお打ちになるといい。この前お聞きしますと、税源は僻村ではどぶろくだということでありましたが、そういうお話はさることながら、私は
一つ
の財源を見つけることが非常に困難だとするなら、
交付税
等で勘案されなくちゃならぬと思う。税務局長は、
交付税
に道路の問題の方で例を引いて、未開発の問題も、そういう問題も含めてあるし、あるいは僻地の振興だとか何とかというような、あるいは寒冷地対策の補助金だとか、そういうことでめんどうを見ておられますことは、私は重々わかります。わかりますが、なおこの際思い切って、
交付税
の
一つ
の
算定
基準
の中に、たとえば人口と面積との比率を見て、その希薄なところにそういうものをやるというようなこと、あるいは一村の人口に対して、通学距離が二里も通って行かなければ小学校へ行けないというような、そういうものの何か私はいろいろな測定方法があると思うのです。とにかくそういうところに対してめんどうを見ていくというような手を打たなければ私は打ちようがないと思う。そういうことに対して積極的な何か御対策というものがないのか、それともずるずるずるずるやっておしまいになるのか、大臣というのは任期が大体一年くらいです、今まで。それから長官も内務畑でお育ちで、こういうことに対して非常に熱意があると承わっておるのですが、何かあなたのときに画期的な対策を立てられるお考えはないのか承わりたい。
郡祐一
41
○
国務大臣
(
郡祐一
君) これは
成瀬
君のおっしゃる
通り
で、私は山村あるいは漁村も含めて同じような問題があるかと思います。思いますが、ことに山村について考えてみまして、私
一つ
は、これは
政府
部内のことでありますけれども、国有資産等所在
市町村
交付
金でございますか、あれなども一応見てはおりますが、どうも評価が少いようでございます。これはまあ非常にあらたまった談判でもございませんけれども、赤城君などとも話をいたしているのでありますが、国有資産等所在
市町村
交付
金の方を増せれば大へん格好がいいのだと言う。これは
一つ
の話でございますよ、
一つ
の話でございますが、そんなことはいかぬ、それは筋が違うことであり……。われわれ、国有資産の
交付
金を考えなければいかぬのじゃないか、私は今のような挿話は別としまして、事柄としてはどうしてもそうあらねばならないと思いまして、林野庁と折衝いたしております。それで、そうしたことも山村に対する
一つ
の対策、それから私は、どうしてもこの三十三年度中に
地方
税と国税を通じまして、やはり
一つ
の税の見方でございますね、これは変えなければ相ならぬものだと思っております。しかしその場合でも、果して山村に適切な税金ありやいなやということは問題と思います。そういたしまするならば、それと、つまりそうした問題、自主財源というものをどうして与えるかということに
一つ
努力してみなければなりません。 それから
交付税
というものが、私は
交付税
の二七・五%というのは限度にきておると思います。思いまするけれども、幸いにして
地方団体
の財政が、これはよほど油断をせずに見ていかなければなりません。見ていかなければなりませんが、もし、これから割合に安定した伸び方をいたしますならば、
交付税
というものの
配分
でございますね、ことしをごらん下さいましても、
公債
をたくさんしょって苦しい
府県
でありますとか——徳島県なとはそういう例でございましょう。あるいは佐賀県のようなところ、ああいう海岸線の長いところで海岸の施設に金が要っておりますと、こうしたものを
一つ
の標準にとらえる。これでもある程度の対策ができていくようにそろばんをはじいていくと、おのずから出て参ります。そういたしますならば、
交付税
というものの持ちます機能が、何と申しますか、ある程度
ほんとう
の調整的な
意味
合いで、御指摘の山村のようなところに盛りつけて参る。そういうところは今までよりも、それは
交付税
のことでありますから、
地方団体
に共通の財源ではありますが、山村などに多く盛りつけるということは可能になって参ると思う。ただ、山村なるがゆえに木引の減収補てんというような場合には減収分を見てやらなければなりませんが、山村のような場合には、今も
成瀬
君も例をちょっとお引きになりましたが、何か山村にぴったり当てはまる
基準
というものをこしらえて参る、こうしたことはどうしても考えなければならぬことだと思います。私は
交付税
というものは、立て方が次第にそういうものに移っていくことが望ましいことであり、
ほんとう
に、いかようにしても財源のないところにそのような形で財源を与えてやるというやり方に、これは
交付税
はすべきものだと思っております。三十三年度の
交付税
につきまして、若干
府県
等については対策を講じたのでありますが、これでは不十分である。そうして私はもっと、先ほども申した税で国、
地方
を通じた検討をいたしますのとあわせて、
交付税
というものに、毎年手直しじゃない、ある程度はっきりした改革というものを出していきたいと思っております。
成瀬幡治
42
○
成瀬
幡治
君 私は、
交付税
の
配分
方法ですね。これをもう一ぺん根本的に実は検討してもらいたいと、こう思っております。そういう
意味
で申し上げた。だから大臣のお答えを聞きますと、おっしゃることはよくわかりますが、大体、
単位費用
の
基準
が上っただけであって、しいていえば、
海岸保全施設
の延長ということが
測定単位
の中でふえた程度であります。そうでなくて、
経費
の種類というところか何かのところに特別なものをやっていただかなければ、私はあなたのおっしゃる山村、漁村、そういうものを含めてやることはできない。そういう点についてぜひ
一つ
やっていただきたいと思いますが、これは決意のほどを伺ったわけですが、
一つ
来年度には、これは、あなたがおっしゃるように積極的な手を打つことを約束していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
郡祐一
43
○
国務大臣
(
郡祐一
君) 密度
補正
を現に行なっておりまするもっとこれを強化するというようなことも、さしあたって必要なことでありましょう。私は
ほんとう
にあれだけ大きい額になりました
交付税
というものについては、
一つ
成瀬
君のおっしゃるごとく、根本的に考え直す作業にすぐ入りたいと思っております。
一つ
の根本さえきまれば、これはそう狂いなしに運び得ることですから、ぜひなるべく早く結論は出したいと思っております。
加瀬完
44
○
加瀬完
君 長官が今、
成瀬
委員
の質問に対しまして、
交付税
の
配分
方法を三十四年度以降根本的に改革をして、たとえば、木引税などで財源が枯渇した町村にも、
交付税
によって財源補てんが永久にできるような方法をとるというようなお話ですが、
交付税
というのは、税率をまた非常に引き上げるという形ではなく、一応固まったような形になっているわけです。それで現状の
配分
方法で各
団体
間に
配分
をしても、まだまだほしいというところがあるかもしれないけれども、
交付税
はもらい過ぎるというところはないと思う。その違った形の
配分
方法をとれば、現在の
配分
方法で
交付税
を受けておる
団体
間にまた別な財源問題のアンバランスができると思うのです。
総額
がふえないで固まってしまっておるのに、
配分
方法だけいじったって、これは固有財源を木引税なんかのように減らしてきた町村だけに、余分に
交付税
から引いて持っていくという方法は、具体的にはとれないと思うのですが、どうでしょう、その点は。
郡祐一
45
○
国務大臣
(
郡祐一
君) これは、ことしの
交付税
の
配分
をいたしました際に、多くの
市町村
について増額を……、元金がふえたのですから増額はしておりますが、にもかかわらず、事業税の収入その他が相当大きくなりまして、従来、
交付団体
であったのが、不
交付団体
になっておるのもございます。これはそれだけ伸びていくのですから、
加瀬
君の言われるように、全国をひっくるめて考えれば、総計において、財政計画で申し上げたようなことでありまするけれども、
個々
の
市町村
について見れば、必ずしも一がいに、片方でマイナスをしたら片方がすぐ困る、片方にかき上げをしたらば片方で必ず削らなければならぬ、そうはなっておらず、
市町村
の私は
一つ
の問題は、今全体をひっくるめての財政計画はあるが、
個々
の
市町村
についてのどうも検討なり指導が足りない。しかし、その問題はその問題としまして、私も
加瀬
君の言われるような点のあることはわかります。それで、一方ではどうしても自主財源をもっと与えるということを考えなきゃならぬ。私が
成瀬
君にお答えしておりましたのは、自主財源を与える方法を講じても、山村等はやはりそういういいものがないのじゃないか、そうすると
交付税
というものの
考え方
、これは確かに
地方団体
の共通の財源ではあるけれども、重点の置き方が、今まではどうも私見ておりまして、これは目に触れることでありますけれども、たとえば徳島であるとか佐賀であるとか、鳥取であるとか、そういう県などでは、どうしても今までの
重圧
で、それを先に見なければいかぬというものがございまして、これに対しましてある程度対策を講じましたならば、私は重点をもっと下げて、
市町村
、あるいは貧弱な町村、そっちの方へウエートを置きかえていくというような工合に、
交付税
についてものを考えていきたい、こういうつもりで申したのであります。
加瀬完
46
○
加瀬完
君 関連でございますから、簡単に御質問申し上げますが、筋の立て方としては、一応長官のおっしゃるようなこともよくわかるんですが、
交付税
の税率そのものが一・五%伸びたけれども、
地方団体
側からいわせれば、その一・五%でも足りないという
見解
を持っているわけですし、また実際一・五%伸びても、新しい
交付税
の
配分
方法で
配分
をしても、まだ特に貧弱
団体
の財政問題が一挙に解決できるということにはならないと思う。で、大きな
府県
などのアンバランスを一応解消することができても、これが町村にまでおりていって、
個々
の町村を
交付税
だけで解決しようといっても、
配分
方法をいろいろ
態容補正
等で研究して下さることはけっこうですけれども、
交付税
の
総額
そのものが広がってこないときに、
配分
方法をいろいろ考えても、それだけでは問題の解決にならないと思うのですよ。で、ちょっと関連からそれるかもしれませんが、この木材の引取税などについても、これだけの税源というものを、財源というものを町村から取るというなら、当然これにひとりでに埋まるような対策ということが考えられなければ、どうしてもそれは
交付税
で埋めるといったって、特殊な町村にだけ
交付税
をよけい
配分
をするという方法は、なかなか具体的に作業に入ったときにはむずかしいのじゃないか、詳しく申し上げますならば、たとえば北海道の置戸町なら置戸町では、
昭和
三十一年の町村の決算額と木材引取税の決算額のパーセンテージが、後者が前者に対する六五・二%になっております。その木引税がなくなったために、六五・二%減ったものを、六五・二%に近いものをぴたりと
交付税
で埋めるという方法は、どう
計算
をしたってなかなか出てこないと思う。そうなってくると、
交付税
で将来解決するということは、少くも置戸町なら置戸町という町村にとっては、これは長官がおっしゃってくれても、どうもその
希望
も確実には持つことができないということになるのじゃないか。そういう税の
改正
というものをやることは、大筋として木引税なんかを含むということはいいかもしれないけれども、
個々
の町村の財政事情というものから見れば、これはあまりに犠牲をかぶせ過ぎるのじゃないか、こういう疑問を表の上からも持ちますので、どうも
交付税
で将来やるというならば、
交付税
でも何でもいい、現状において税の欠陥を、へこみを埋めていくような方法を先に考えて、それで木引税の税率を引き下げるということをやらなければ筋は逆じゃないかということを感じますのでお伺いをするわけです。
郡祐一
47
○
国務大臣
(
郡祐一
君) これは実際、
地方
税というものは扱いがむずかしいところだと思う。国税なら、全国をひっくるめて予定額を得る税なり、その税率なり額なりで見て出てくるのですね。ところが、
地方
税というのは、確かに木引を見まして、去年の実績を見ましても、一%下げても倍以上に伸び上った。九州の町村などは伸び上っておる。全体を見れば
一つ
のめどはつくのであります。これはまた全体の税額を見れば、法定税として置いておくのに適当な税ということが考えられる。ところが、これを
一つ
一つ
に当てはめますと、どうしてもアンバランスが起るのでございますならば、それならば、全体でなるべく負担の軽減をはかっていくという
一つ
の
方向
はあるのですから、そうすると、全体を見れば変りはないが、地域々々で、しかも、木引を例におとりになったから木引でいいますと、北海道と東北の一部と、こういうことになります。それは、どうしてもやはり減収補てんの方法というのは、何か調整的な財源で扱わなければならない。しかし、おっしゃるように、それをぴったり当てはまるようにしますならば、非常に恣意的な
配分
をしなければならな。それは行政機関としてすべきことじゃない。すると、どうしてもそこの食い違いというものが出て参ります。これは確かに大事な問題でありまして、さっき私が財政計画の全体を見ては、ある程度の
考え方
が成り立つけれども、どうしてももう少しこまかく、町村の個別に、全町村の三千幾百の
市町村
一つ
一つ
とは申しませんけれども、これを何らかに段階で分けたようなものの
考え方
が必要じゃないだろうか、そんな
意味
合いで、
成瀬
君の言われた山村というのが、これは
一つ
おそらくこれから取り上げるべき問題だと思います。ところが
加瀬
君御指摘の
通り
、確かにむずかしい問題があります。そこの調整というようなことが大事な問題であろうと思います。これは、私は必ずしも役所の者が十分にできることじゃございませんで、政党の者あるいは学識経験者、そうしたあらゆる方面の知識も借りにゃいかぬ問題だと思っております。
成瀬幡治
48
○
成瀬
幡治
君 木引の問題が出ておりますから、そのことに関連してと申しますか、そのことで
一つ
お尋ねしたいと思います。税の減税のあり方というのは、冗談いえば、芸者の花代がずっと下って参りまして、相当一挙に半分に減ったことは記憶しております。今度の木引も一%下って今度半分に減る、二つこういうふうに非常に優遇されたということになるわけですが、その税が減税になったからどうということじゃなくて、バランスの問題とか、農地解放のごときも、いわゆる農地の地主と山林地主との
考え方
ですね、それから固定資産税はかかっておらないわけです。税がとれるということは、立木に税のとれるのは確かにいわゆる木引税以外にないわけです。そういう、何と申しますか、今までの
一つ
の歴史を考えて、そしてバランスのとれた公平な政治というものが行われることがこいねがわしい姿だと思う。そういうような点にかんがみまして、木引税を二%に下げることが妥当であるというような結論が出されたのか。ただ単に問題がある、これは非常に値が高いから、税が多過ぎるからこういうことをやったのだ、こういうのか、その辺の点はどんなふうに検討されておりますか。
郡祐一
49
○
国務大臣
(
郡祐一
君) その点は確かにおっしやることはわかるのです。ただ、私は
昭和
二十四年でしたか、二十五年でしたか、あのときに
市町村
税に移しました木引というものが、あまり安定したというか、落ちついた状態になっていないように思うのです。それはああいう特別の徴収義務者を置いて、そしてとる税でございます。しかも、これはけしからぬといえばけしからぬことなんだが、どうも特別徴収義務者の協力が十分されておらないし、それから営林署長を特別な徴収義務者にしておりますのが全部じゃない。これは
数字
は私もはっきり覚えておりません。かなりの数というものは特別徴収義務者になっておらない。そのために、非常にとりやすい
市町村
ととりにくい
市町村
とある。営林署長を特別徴収義務者にしていなければ、ほとんど国有林について扱いが困りますからね。私がもう
一つ
いつも考えるのは、町村の税というのは、なるべく徴税費のかからぬようにしてやらなければ無理だと思う。国の税務署ならできることであっても、
地方
の町村で、徴税費がかかるようなことはできない。特別徴収義務者の協力というものは、今までの状態では不十分だ。それから素材の価格の点でございますとか、そうした点をすっかり吟味していきますと、
自治庁
と農林省との間に、今度これははっきりと約束をしてものをきめて、初めて落ちついた状況になるのじゃないだろうか。これで果して完全に落ちついた状況になるかどうかは、これから実施の状況を見なければいかぬと思っております。それから私の方がよほど督励をいたしませんと、林野庁必ずしも動くかどうかという懸念は持っております。しかし、まあまあレールの上に乗せたように思いますから、これでようやく落ちつくのじゃないだろうか。そうすれば相当素材価格というのは大きいものでありますから、今度のように二%——なるほど前から半分にしたというと非常な減り方でありますけれども、二%ということで落ちつく税じゃないだろうか。私はむしろ木引がこの数カ年間
市町村
税としてあまり安定しない状態にあって今日に至った、こんな工合に考えております。
成瀬幡治
50
○
成瀬
幡治
君 そのことではなくて、私がお尋ねしたいのは、いわゆる山林地主と農地地主とのバランスの問題、片一方じゃ農地解放、片一方じゃ山林解放が行われておらない。しかも固定資産税の対象には農地を持っておればなっております。ところが山林の方は、土地にかかるかもしれないが、立木には全然かかっておらないのです。そういう点についてバランスの点を見て、そしてこの税率を定められておると思うのですが、これで山林地主と農地地主とバランスがとれておるのだ、こんなふうにお考えになっておるのですか。
郡祐一
51
○
国務大臣
(
郡祐一
君) これは山林地主ということになりますと、例の立木の課税という問題が起ってくるのです。自然林などはなかなかこれじゃもう評価の押えようがないから、こういう引取課税にいたしている。引取課税にいたしているという
意味
合いで、あるいはおっしゃるように幾らか山持ちの方が楽だということは言えるかもしれません。しかし、私はいろいろな
意味
から適令伐木前に木を切ったりするようなことのないように、それからいろいろな今の自然林などはなかなか押えにくいというような考慮から、やはり引取課税の方がいいと思います。引取課税にしていった場合の比較というような問題は、これはあるいは
政府委員
の方がよく知っているかもしれませんが、私は、それは山持ちの方に、ことに今の木材の価格から見ますと、幾らか楽だというようなことは言えるかとは思います。
成瀬幡治
52
○
成瀬
幡治
君 山林地主は、私は極端なことを言えば非常にいいと思うのです。優遇されていると思うのです。これはなるほど、保安林で切ってはいけないというようなことはありますが、少くとも引取税でもその税の負担は、支払う人はなるほど買った人が支払うことになっているけれども、それは売価の中に織り込みのものです。山林地主が、山林所有者が税を出すときはただ一回、このときだけなんです。しかも大体三十年から七十年、九十年に払う税なんです。そういうものと、いわゆる農地を持っている人との比較というものを検討してみましたときに、私は先ほど申しましたように、少し山林所有者が優遇され過ぎているのじゃないか。バランスがとれていないじゃないか、こう言いたいのです。
奧野誠亮
53
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 今、大臣からもお話がございましたように、木材引取税そのものは一応消費者転嫁を予想しているものでございますので、必ずしも山林所有者と農地所有者との負担の均衡問題に直接つながっていくということにはならないと思います。ただ、経済の実勢いかんによりましては、この負担が逆転していく、好転していく、こういう問題もございますので、関係がないとは言い切れないと思います。ただ、財産税の問題あるいはまた農地解放の問題、そういうようなことをめぐって考えられます問題は、従来からの山林所有者は山林所有者のまま今日までずっときているものだから非常に恵まれた状態にある、こういうことは言えると思います。ただ所得税の課税の問題につきましても、農地の場合には、供出米につきまして、供出の予約申し込みの時期にもよるわけでございますが、収入
金額
に算入しないというような方式がとられている。山林につきましては五分五乗の方式がとられているというようなことがございますので、現在の課税方式がどちらに有利になっているかということになりますと、かなり問題があると思います。ただ、従来、財産税課税の問題、農地解放の問題、こういう問題を通じて、山林所有者が非常に恵まれた地位に今日あるのじゃないか、これは私はその
通り
だと考えているわけでございまする
成瀬幡治
54
○
成瀬
幡治
君 奥野さん、農地解放のことでのアンバランスだけではないのです。これは税を支払う者は、なるほど引取税というものは消費者転嫁でしょう。それは売価の中に入っている。立木を持っている人、その人が税を支払うのは、
ほんとう
に三代というけれども、山というのは三代に一ぺんの税です。それを片一方は固定資産税をとっている。いろいろなことに、たとえば売るときには
一つ
の売買税と同じようにとられるわけです。そういうものがいわゆる公平な——二%がいいとか四%がいいとかいうふうなことを言うのじゃない。そうじゃなくて、公平な税というもので
一つ
やっていただかないと、やはりそこには
内容
的にはいろいろな問題が出てくるんじゃないか、こういう点で言っておる。そういう点をあなたの方は検討せずに、それは陳情があったからこれを四%を二%に下げたとか、税がそれだけあればいいとか、これで見合うとか、そういう小手先のことで事を処理しているんじゃないか、少くともそういうことについて、何か理論的にこうだという
数字
をあげてこういう
説明
ができると、こうおっしゃるものがあれば、私は承わりたいと思います。
奧野誠亮
55
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) おっしゃっていますこと、まことにわれわれ深く傾聴しなければならない問題だと思っております。ただ、先ほども大臣からお話がございましたように、木材引取税の
運営
をめぐりまして、非常に混乱を繰り返して参ったわけでございます。従いまして、この木材引取税の
運営
を円滑なものにするのにはどうしたらいいか、こういうようなことからいろいろ研究をいたしまして、そうして将来安定した姿にこれを持っていきたい。しかし、財政収入も上げなければなりませんので、さしあたり、現在上げられている程度の税収入を目途にして適正課税をやるとすれば、幾らまで税率が下げられるだろうか、そういうことから二%という税率が生まれて参ったわけであります。しかし、もとより御指摘のように木材引取税の税率はいかにあるべきかということを、農地の所有者あるいは山林の所有者の負担をも考えて研究しなければならないと思います。その場合に、少くとも固定資産税の税率以下であるということは、これはあり得ないと思うのでありまして、そういうようなことも考え合わせまして、さしあたり、二%にすることによって適正課税をすれば、現在程度の収入が確保できる。同時にこの税を将来にわたって安定したものとしていけるという、こういうようなことに結論を見出したわけでございます。御指摘のように、さらに山林所有者あるいは農地所有者の負担をどう持っていくかという問題は、所得税その他の問題も関連してくると思うのでございまして、総合的に考えなければならないことだと思います。木材引取税の税率問題につきましては、今申し上げましたような見地からこの結論を得たようなわけなのであります。
成瀬幡治
56
○
成瀬
幡治
君 これはまあ押し問答をしていてもしようがないことですが、電気ガス税について、長官、これは払っておるのは、
ほんとう
に家庭の電気を使っている人が払っておるだけなんです。あるいはガスを……。ああいうものは何というのですか、いろいろの
措置
法的なものによって、実際私たちはない方がいいのじゃないか。むしろ全廃される方が適当じゃないか、こう考えておるのです。それができないとするなら、せめて防犯的な立場からいっても、街灯くらいは
一つ
公共的なものはやめられたらどうだという
考え方
なんですが、基本的に電気、ガス税についてはどういうお考えを持っておられるか。
郡祐一
57
○
国務大臣
(
郡祐一
君) 電気、ガス税、これもまあ
市町村
税になりましてから間のない税でありますが、あの税の性質というものは、おそらく消費税に純化していくことだと思います。それから、消費税に純化いたしますれば、なるべく簡素に、さっき申しましたように徴税に手間がかからぬやり方、そういたしますと、私はその街灯にかけないというのは、必ずしもそれに反対だというつもりでもありませんけれども、ああいうのは、街灯というてもイルミネーションみたいなものがありますな。いろいろなものがたくさんあるものでありますから、簡素にするということになると、勢いそうしたものを街灯だけ引き抜くことがむずかしくなるのじゃないかと思います。傾向としては、お尋ねのような
意味
合いでは消費税に純化していく。そうしたときに、
ほんとう
に
地方
税としての電気ガス税というものは落ち着くのだと思います。
成瀬幡治
58
○
成瀬
幡治
君 奥野さんにお尋ねしますが、一体、電気の使われておる量に対して何%ぐらいがいわゆる税対象になっているのですか。
奧野誠亮
59
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 電気の量からいいますと、課税になっていますのが四一、二%じゃないかと思います。電気の料金からいいますと、課税になっていますのが六七%ぐらいではなかったかと思っております。
成瀬幡治
60
○
成瀬
幡治
君 実際、私たちも工業のためにいろいろなものに電気を使う、そういうところは電気、ガス税を少くすればコストが安くなることはわかるわけです。何か今申しましたように、今日、電気がなければ、これはまあ税法でいえば、片一方はマッチや何かにも税がついておるのですから、それと一緒だとおっしゃるが、電気とかガスというものは今日では家庭の必需品なんですからね。こういうものからは本来はとらないような格好のことができぬものかという点が
一つ
です。 それから、もう
一つ
。もしそれができないとすれば、税財源のためにどうしてもできないとするならば、どうしても、たとえば橋の欄干なんかにはどんなことをしてもつけておかねばならぬものなんです。公共的なものなんです。そういうものからは税をとらぬようにしても差しつかえないのじゃないか、こう思っておるわけですが、その点について。
奧野誠亮
61
○
政府委員
(奧野
誠亮
君) 電気ガス税は、間接税でありますだけに、広く国民に負担を求めざるを得ない。その結果は、必ずしも担税力のない人にも電気ガス税の負担を求めることになるのじゃないかというお話、これはその
通り
だと思います。それが間接税の短所でもありまた長所でもあるのだということ、かように考えておるわけであります。しかしながら、比較的担税力の多い人たちの電気の消費量が多いわけでありますので、そういう
意味
では担税力に応じて電気、ガス税の負担を多くしているということになっていると考えているのであります。 なお、欄干の街路灯についてお話がございましたが、私たち街路灯を
市町村
費で設置しておりますのを相当数知っておるわけであります。また、部落協議会みたいなところで負担しているところもございます。あるいは商店で金を出し合って作っているところもあるわけでございます。
市町村
でやっているということになりますと、自分で税をとって、それを電力会社へ街路灯の費用として払っておるわけでございますので、これは免税してもしなくても結果的には同じじゃないか、こういうように思っておるわけであります。また、商店などがイルミネーションなどにかなりに
経費
を出しておるものになって参りますと、それはむしろそういう格好で税を負担してもらってもいいということになりますので、これはかなり、ものによって、あるいは
市町村
のそういうものについての
考え方
によってかなり違った実態になっているだろうと考えているわけでございます。
小林武治
62
○
委員長
(
小林武治
君) ちょっと速記をとめて。 午後二時四十七分速記中止 —————・————— 午後三時一分速記開始
小林武治
63
○
委員長
(
小林武治
君) 速記を始めて下さい。 本件に関する
質疑
は次回に続行することとし、この程度にとどめます。
—————————————
小林武治
64
○
委員長
(
小林武治
君) 先ほど新
市町村建設促進法
の一部を
改正
する
法律案
が本付託になりましたので、これよりこの
法律案
を
議題
とすることに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小林武治
65
○
委員長
(
小林武治
君)
議題
といたします。
質疑
のおありの方は御発言願います 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
小林武治
66
○
委員長
(
小林武治
君) 速記を始めて。
成瀬幡治
67
○
成瀬
幡治
君
審議
会からの答申案が出て参りまして、今度期間が延長された。その期間の間、しばしば今までは答申を尊重されるということをおっしゃっておる。しかし、法の建前の中では、やはり総理大臣の裁定ということになるから、そこにはおのずから違った結論もあり得るということが予想されますが、ただ単に、住民が非常に騒いでおるというために、期間と申しますか、冷却期間をこの際設置する必要上、まあ六カ月後に裁定をお下しになるものか、それとも答申が出て参りましてから、近々のうちに総理大臣としての裁定をお下しになるのか、この延長法案とは関係なしに、答申になったものは裁定を下されるものかどうか、その辺のことを
一つ
……。
郡祐一
68
○
国務大臣
(
郡祐一
君) 私、
提案理由
でも申し述べましたように、公正にして円滑な処理をいたしますために、期間を与えていただけますならば、その間によく調整をいたしまして、そして住民の意向に沿うようにして参りたいと考えております。
成瀬幡治
69
○
成瀬
幡治
君
提案理由
の中に、若干の時間的余裕を必要とするものと考えられますという、この若干という
意味
は、非常に法の建前からいえば、この三月三十一日で終りますから、そこで
審議
会等も私はタイミング的にお開きになったと思いますが、愼重に御
審議
ということになれば、若干という
意味
は非常にいろいろな
意味
に解釈できるし思いますが、じゃ裁定は一体この
国会
開会中にお出しになるものか、閉会後になるというような、大筋としてはどの辺をめどに置いておいでになりますか。
郡祐一
70
○
国務大臣
(
郡祐一
君) 先ほどもちょっと懇談のときに申し上げましたように、今までこういう保証をいたせばもう安心ではないかというようなことを申しましても、なかなか白熱しておりました際には、それが平らに受け入れられておりませんでした。それでずいぶん乱暴なやり取りにも相なりました。それで今度、これから与えられました時期になるべく早く、さっそくそういう
措置
を講じまして、これなら住民が安心であり、これなら
福祉
のためにはかり得るのだということを納得してもらえましたら、納得してもらえるのが、これはなるべく早くいたしたいと思いますし、さような状態になりましたら、たとえこれだけの期間の御延長を願いましても、急速に処理をいたすつもりでおりまする
成瀬幡治
71
○
成瀬
幡治
君 私は、確かに
一つ
はああいう答申案が出るということに対しましては、いきり立っているということはわかります。しかし、片一方では、裁定までに若干の余裕を置いて、そうして裁定では答申案と若干違った結論が出るかもしれぬというようなことをにおわせば、両方から東京へ陳情といいますか、そういうようなことも勘案して、私は適切な御処理を願いたい。これを六カ月間延長することによって裁定がまた延びるというようなことについては、いい工合に押えてもいただかなければなりませんけれども、片一方ではそういう東京への陳情といいますか、そういうような働きかけも相当なものだと思いますから、そういう弊害もあるということを
一つ
お忘れなく、適切な御処理を願いたいということが
一つ
と、もう
一つ
は、
町村合併
の
案件
が二件発生いたしております。この二件については、
一つ
この六カ月以内に裁定は出すということをお約束していただきたいと思います。
郡祐一
72
○
国務大臣
(
郡祐一
君) 第一段の点、
ほんとう
にこれからまた今までのような騒ぎが起りましたら大へんでございますから、その点については私どもも、今からも、これからは冷静に、
ほんとう
に行政的にものを扱うようにしなけりゃいけないのだということをだいぶ浸透するようにいたしております。 それから第二の点につきましても、明日になりますと、
審議
会に付議できる期間に入りますので、さよういたしましたら書類の整い次第、至急
手続
をいたしまして、そうしてすみやかに進めて参りますようにはからうことにいたします。
成瀬幡治
73
○
成瀬
幡治
君 私もここに
資料
として
審議
会の答申案が出ておりますが、このことに関連しての
質疑
は
一つ
あと
に保留をしておきます。
小林武治
74
○
委員長
(
小林武治
君) 他に御発言もなければ、
本案
に対する
質疑
は終局したものと認めて御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小林武治
75
○
委員長
(
小林武治
君) 御
異議
ないと認めて、これより
討論
に入ります。 御
意見
のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、
討論
は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。 新
市町村建設促進法
の一部を
改正
する
法律案
を問題に供します。
本案
を
原案
通り
可決することに
賛成
の
諸君
の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
小林武治
76
○
委員長
(
小林武治
君)
全会一致
と認めます。よって
本案
は、
全会一致
をもって
原案
通り
可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
院規則
第百四条による本
会議
における
委員長
の
口頭報告
の
内容
、第七十二条により議長に
提出
すべき
報告書
の作成、その他自後の
手続
につきましては、慣例により、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小林武治
77
○
委員長
(
小林武治
君) 御
異議
ないと認めてさよう決定いたします。 それから、
報告書
には多数
意見者
の
署名
を付することになっておりまするから、
本案
を可とされた
諸君
は、順次、御
署名
を願います。 多数
意見者署名
小柳
牧衞
西郷吉之助
佐野 廣 館 哲二
成田
一郎
大沢
雄一
加瀬
完
成瀬
幡治
中田
吉雄
鈴木
壽
本多
市郎
小林武治
78
○
委員長
(
小林武治
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十九分散会