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1958-03-27 第28回国会 参議院 地方行政委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十七日(木曜日)    午前十時三十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 武治君    理事            大沢 雄一君            小柳 牧衞君            加瀬  完君            鈴木  壽君    委員            伊能繁次郎右            伊能 芳雄君            佐野  廣君            西郷吉之助君            館  哲二君            成田 一郎君            本多 市郎君            中田 吉雄君            成瀬 幡治君            森 八三一君   国務大臣    国 務 大 臣 郡  祐一君   政府委員    自治庁行政局長 藤井 貞夫君    自治庁財政局長 小林與三次君    自治庁税務局長 奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件公営企業金融公庫法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○地方交付税法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○新市町村建設促進法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 小林武治

    委員長小林武治君) これより委員会を開きます。  まず、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案議題に供します。  本案につきまして、昨日、大蔵委員長より、委員会決議を経て、文書をもって申し入れがございましたので、御報告いたします。申し入れ内容につきましては、お手元に配付いたしました申入書の写しによって御承知置きを願います。  本件につきましては、質疑は終局いたしたものと認めて差しつかえございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めます。  よって、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願います。付帯決議案等がございましたら、その際にお述べを願います。
  4. 大沢雄一

    大沢雄一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本案付帯決議を付して賛成の意を表するものであります。  政府原案は、昨年六月設置以来、順調な経営を行なっておりまする公営企業金融公庫基礎をさらに強化してその健全な運営に寄与するために、政府出資五億円を増加して、資本金を十億円に改めんとするものでございまして、適切必要な改正であると存じます。また、衆議院修正は、今後公庫において予算で認められた資金範囲内におきまして、公営企業の一時資金貸付を認めんとするものでございまして、公庫資金運用の計画の間におきまして、資金を集めて貸し付けをする間に時間的ズレを生じまする場合に、長期貸付支障のない範囲で一時資金の借り入れを認める、こういう趣旨からの修正であるということが明らかになっておりまするわけでございます。従いまして、去る二十六国会における国会付帯決議趣旨にも沿いまするし、また公庫運営にも資する面が少くないと存ずるものでございまして、公庫目的性格に反するものではないと私は考えるものでございます。  以上の理由によりまして本案賛成の意を表するものでございます。  さらに、私はこの際、お手元に御配付申し上げました付帯決議を付したいと存ずるのでございます。付帯決議を念のために朗読申し上げます。   公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案付帯決議(案)本法の施行に当り、政府は左の諸点に留意してその適正かつ円滑な運営を図り、公営企業発展住民福祉の増進に資すべきである。  一、今後更に、公庫出資金及び公庫債発行限度額を増額し、公庫の機能を充実し、公営企業発展を図ること。  一、地方団体積立金地方職員共済組合市町村職員恩給組合等地方団体関係積立金公庫債の引受を通じて地方に還元し、地方住民福祉を増進するために活用すること、  一、公庫の行う一時借入金資金貸付については、公営企業に係る長期資金貸付支障を及ぼさない等これが運用に慎重を期すること。  一、公営企業に係る一時借入金資金につき政府資金の一層積極的な融通をはかるよう措置すること。  右決議する。  地方公共団体公営企業の整備は、民生安定のため、また、地方産業振興のために、今後ますます重要の度を加えることと存ずるのでございます。これに対処いたしまして、公営企業金融公庫の健全な発達をはかり、業務の拡大をはかることが必要と存ずるのでございます。従って、政府は必要に応じまして資金ワク、また公募債ワクを今後も拡大しまして、公庫の使命の達成を期すべきでありますると同時に、公営企業金融公庫運営につきましても、その健全な運営に資するよう監督指導を怠らざることが必要であると存ずるのでございます。  なお、また、公営企業発展のために、政府といたしましては、公庫によりまする公募債のみならず、政府資金を低利かつ安定したる条件をもって、どしどし公営企業に対しまして融資をいたしまして、一そうその公営企業の円滑なる運営に資するようにする必要があると存ずるわけでございます。  これらの点につきましては、過日来の本委員会質疑応答の間におきまして、すでに委員各位にも明らかにさしましたことと存ずるのでございます。  以上のような理由によりまして、この付帯決議を付して本案賛成いたしたいと存ずる次第でございます。どうか委員各位の御賛同をお願い申し上げる次第でございます。
  5. 森八三一

    ○森八三一君 私は、ただいま議題になりました公営企業金融公庫法の一部改正に対しまして、緑風会を代表するものではありませんが、委員の立場におきまして、政府提案の当初の原案には、公営企業金融公庫業務を拡大して、その目的を達成しようとする方向がにじみ出ておるわけでありますので、賛意を表するわけでありますが、関連して、衆議院におきまして、短期資金貸付ができるように修正をされて本院に付託されておるわけでありますが、このことにつきましては、質疑応答を通じまして、本来の目的に反するような措置はいたさないとか、そういうような危険を生ずる心配はないというような説明はなされておるのでありますが、法律がかくのごとくに修正されるということになりますと、及んで、本来の長期資金の貸出に支障を及ぼし、累を券き起すような危険がないとは保証されないと思うのであります。今回の公営企業金融公庫資金量その他をもっていたしますれば、かくのごとく業務範囲を拡大いたしますることは、必ずしも妥当とは思われません。政府提案の当初の原案内容において公営企業金融公庫業務運営すべきであると、かように考えます。そういうような観点からいたしまして、本案には遺憾ながら賛成いたしかねる意見を表明するわけであります。
  6. 加瀬完

    加瀬完君 私は、日本社会党を代表いたしまして、修正されました案並びに大沢委員からただいまお話しになりました付帯決議の両案に対しまして賛成をいたします。  ただ、次の二、三点を希望として申し添えたいと思います。  第一点は、修正されました条項は、衆参両院で昨年、付帯決議として全会一致で通っているものであります。このような付帯決議というものを政府みずからがもっと尊重して、衆議院修正が出される以前に、当然原案として提案される運びになるべき性質のものじゃないか、そういう点、近時付帯決議というものがやや付帯決議し放しで、政府の尊重さというものがやや欠けているのじゃないか、こういう点、院あるいは委員会付帯決議というものについてはもっと尊重してもらわなければ困るという点であります。  第二点は、修正案についての質疑過程におきまして、大蔵省等から相当強い反対の意見が積極的に申し述べられております。このような修正案が通っているからには、しかも、それが、先ほど申しましたような両院付帯決議性格と同じものであるからには、自治庁としては、政府としての意見一致を作り出す点についてもっと積極的に努力をすべきではないか、自治庁見解大蔵省見解が相対立する、こういうことでは、審議をするわれわれとしては、はなはだ奇怪な感を持たざるを得ない、こういうことではなくて、政府一つ意見をはっきりさせて、それで法案あるいは修正案に対する、こういう態度をとってもらいたいということであります。  第三点は、大沢委員提出付帯決議案は、当然なことでありますが、その第四項にありまする政府資金の一そう積極的な融通をはかるように措置されたいという点は、大蔵省にも強調した点でありますが、結局、自治庁としても、どうして、政府資金の一そう積極的な融通をはからせ得るという具体的の方策をもっと講ずべきじゃないか、大蔵省にも質疑過程で、われわれはただしているのでありますが、大蔵省自治庁も、政府資金の一そう積極的な融通具体策というものを何ら持たないで、必要やむを得ず修正部分のような点が出てきたわけでありますのに、それに対して、こういう修正を出さなければならないような原因というものの責任はさっぱり感じないでおりますことは、どうもわれわれとしても腑に落ちないのであります。付帯決議案の特に四項の点については、具体的な方策を立ててもらいたい。  以上の希望条件を付しまして賛成をいたします。
  7. 小林武治

    委員長小林武治君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。  公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案衆議院送付通り可決することに賛成諸君挙手を求めます。    〔賛成者挙手
  8. 小林武治

    委員長小林武治君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中、大沢君より提出されました付帯決議案を問題に供します。  大沢提出決議案を可決することに賛成諸君挙手を求めます。    〔賛成者挙手
  9. 小林武治

    委員長小林武治君) 多数と認めます。よって大沢提出決議案は、多数をもって、本委員会付帯決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における委員長口頭報告内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他日後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。  それから、報告書には多数意見者署名を付することになっておりまするから、本案を可とされた諸君は順次、御署名を願います。   多数意見者署名     大沢 雄一  小柳 牧衛     西郷吉之助  成田 一郎     伊能 芳雄  本多 市郎     中田 吉雄  鈴木  壽     成瀬 幡治  加瀬  完   —————————————
  11. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案  地方交付税法の一部を改正する法律案  以上、両案を便宜一括して議題に供します。  まず、地方交付税法の一部を改正する法律案について政府より内容概略説明を聴取いたします。
  12. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 今回の交付税法改正は、その中心は交付税率改正でございます。交付税率は御承知通り、現行百分の二十六を百分の二十七・五というように改めたのでございまして、それに伴う諸般の改正をやったのが内容でございます。  それではまず第一番は、交付税率を引き上げましたのに伴いまして、普通交付税の額と特別交付税の額の配分につきましても率を変えることにいたしたのでございます。この意味は、われわれといたしましては、できるだけ交付税はきまった規定によりまして普通交付税として地方に流すということが交付税趣旨でもありまして、できるだけそういたしたい。それで特別交付税のうちでいわば機械的な基準で配っておりますものにつきましても、普通交付税に入れられるものはできるだけ入れることにして、そうして普通交付税として配分をいたしたい。特別交付税は、ほんとうに動きのつかない特殊の事情あるものに限定する方向に持っていきたい、こういう基本的な考え方をいたしておるのでございます。それでこの際、総額がふえました機会に、従来普通交付税は百分の九十三であったのを百分の九十四にし、特別交付税は百分の八であったのを百分の六に改めるということにいたしたのでございます。大体これで金額は百三十四億余りになろうと思います。前年度の特別交付税は百五十億前後でございましたが、金額的に言えば少し減っております。減っておりますが、そのうち一部特別交付税から普通交付税に切りかえるものを作りまして、実質的には大体似たような数字になるだろうと考えております。  それから次には、その交付税率総額がふえましたのに伴いまして、基準財政需要額につきまして必要な改正を加えたのでございます。これにつきましても、基準財政需要額算定方法を、なるべくこの法律測定単位を作り得るものは測定単位を作って、そうして単位費用によって計算ができるようにして、そしていわゆる補正というものをできるだけルールに乗せた方が筋だという考え方を持っておるのでございまして、その意味におきまして、今回新たな測定単位といたしまして、都道府県分につきましては恩給費を加えることにいたしたのであります。恩給費はもうほとんどこれは義務的な経費でございまして、各団体によって恣意的に左右されるものでもなし、実際退職した人にもう理屈なしにある一定の基準で配らざるを得ないのでございますので、恩給費を新たに経費に立てまして、恩給受給権者数測定単位とすることにしたのでございます。それからいま一つは、海岸保全施設につきまして新たな測定単位を設けることにいたしたのであります。この海岸保全施設につきましては、海岸保全法ができまして、海岸保全台帳所管官庁責任においてきちんとしたものができておりますので、この海外保全に要する経費海岸保全台帳基礎にした海岸保全施設の延長によって加えたい、こういう基準でございます。  それから教育費につきまして、今度新たに義務教育職員につきまして標準定数制度が別途、文部省の方の提案によって設けられることになりますので、教員の給与費基礎には、むしろこの標準定数を使った方が至当だと考えられますので、小学校費及び中学校費測定単位を、教職員数学校数に改めることにいたしたのでございます。具体的には文部省標準定数に関する法律は、経過的にはみな政令に譲っている問題が多いのでございまして、その政令の改訂を見なければほんとうの正確な数字が出てきませんが、いずれにしろ、関係法令に基いて定まった数字基礎として交付税配分することにして、そうしていわゆる義務教育標準定数財政面から確保していく、保障していくという態勢をとりたいと存ずるのでございます。  それからいま一つの問題は、例の公債費の問題でございまして、昭和三十二年度におきましては、臨時特例といたしまして、特別地方債償還費として配ったのでございますが、これが交付税の一・五の引き上げに伴いまして、恒久化することが可能となりましたので、これを一般普通交付税の中にはっきり打ち立てまして、公債費対策としての支障のない措置を講じたい、そういうふうに考えているのでございます。これにつきましては、他に、暫定措置を恒久化したということのほかに、中身におきましても改正を加えたいと思っております。それは、従来の公債費のうちで、いわゆる給与等のかわりに出しました公債費につきましては、全額交付税の力において計算をする仕組みになっておりましたが、そうでない、いわゆる公共事業とか義務教育施設等につきましての公債費につきましては利子の半分だけ見よう、こういう仕組みになっておったのでございます。利子半額交付税を通じて考える。ところが、だんだん実態を見ますというと、利子半額だけを見ておっては、公債費対策としては十全の措置とはこれは言えないと思います。と申しますのは、次第に償還期が過ぎますというと、利子よりも元金の償還の方が金額が多くなって参りまして、利子だけではいわば末細りになるのであります。それといま一つは、利子だけを見ておりますと、非常に公債費重圧の大きい団体では、とてもこれはやっていけそうもないのでございまして、そこでやはり公債費一般財源との比較をながめまして、財政力に比して公債費重圧が特に多いというところに対しましては、いま少しく流れが多く流れるような流れ方を考えないといかぬのじゃないか、こういう考えをもちまして、この単位費用利子の半分であったというのをやめまして、元利償還金の一応四分の一というのをベースにいたしまして、それからあとは、この財政力に応じて、公債費重圧の多いところには補正を加えまして、そうして公債費対策としての遺憾のないような措置を講じたい、こういうふうに存じているのでございます。これよって、少くとも過去の公債費問題につきましては必要な措置が、まあ見方によれば、それは十分とは申せぬかもしれませんが、まず、われわれとして考えられる必要な措置が講ぜられることになる、こういうふうに存じているのでございます。これがまあ主要な改正につきまして……。  そのあと個々単位費用算定の問題になるのでございますが、単位費用につきましては、全般的な問題といたしまして、期末手当の増額あるいは通勤手当制度新設等給与関係制度改正がありますので、それに伴う給与費人件費につきましては全部見て単位費用を改訂する、これが一つ。それからいま一つは、投資的経費をできるだけ充実したい、こういうので、ほとんどすべての経費につきまして、投資的経費に重点を置いて単位費用を再計算することにいたしたのであります。そういう結果、それぞれの単位費用が相当額ふえております。  それからいま一つ改正は、態容補正の問題でございまして、これにつきましては、先ほどちょっと申しました通り、この公債償還費につきましては、財政力に応じて補正できるように、補正根拠を与えるということが一つ。それからいま一つは、いわゆる態容補正の問題につきましては、そのやり方が府県分につきましては、何と申しますか、府県態容計算するのに、府県を構成している個々山町村態容から積み上げて計算をいたしておりますので、その結果、どうしても不合理な面がある。たとえば県の態容としては、全体としては低いかもしれませんが、県関係職員費などというものはもつぱら県庁町在地の当該市態容によってきまるのでありまして、そこでまあ一般経費が使われる以上は、当該市基礎にして府県態容も見なかったら不合理な面がある。こういうふうな点がございましたので、そこらの点を是正するような道をはかりたいというふうに存じておるのでございます。  それから基準財政収入額の問題につきましては、自転車荷車税が廃止になりまして、それに伴うて税制が若干変っておりますので、その変更に応ずるように、これはまあほとんど整理といっていいと思いますが、そういう意味改正がなされたわけでございます。  その他、若干の規定修正いたしておりますが、これはほとんど技術的な改正といっていいと思います。一つ交付税交付すべき時期、十六条の改正一つございますが、これは要するに交付税の額というものは、今、交付時期と交付額がきまっておりまして、最初の四月、六月には概算交付をすることになっておりますが、    〔委員長退席理事大沢雄一着席〕 その場合には、その前年度の交付額基礎にして概算交付する仕組みになっております。ところが、実際はその団体の収支が変りまして、場合によっては不交付団体になる団体があり、交付税が著しく減額になることが明瞭なる団体につきましても、前年度の実績で配ることになっておりますので、そういう団体には一ぺん配って、あとから還付を命ぜぬといかぬということがありましたので、そういうことが明瞭なところでは、一ぺんやって取り上げるということは、まことにおろかなことでありますので、むしろそういう場合には交付しなくてもいい、あるいは交付額を減額してよいといった式の道を開いた方がよかろうというので、そういう規定を置くことにいたしたのでございます。  それからいま一つは、十七条の三でございますが、交付税の額の算定に用いた資料につきましての検査規定を入れておいたのでございます。これは現在、交付税算定に用いるいろんな資料は、それぞれの市町村から県を通じて、あるいは府県のものは府県から出てくるのでございますが、その資料に基いて自治庁機械計算で出すわけでございますので、資料検査ということが、交付税配分の最も重大な要件でございます。従来その資料につきまして、多少誤算があったり何かする場合もなかったとも思いませんので、これをまあ適正にするために、自治庁といたしましても、資料についての検査規定を命じて、適宜、実際に合うようにその適正性を確認するという必要があろうと思うのでございます。そういう意味で、それに関連する根拠規定を置くことにいたしたわけでございます。  まあ大体そういったことでありまして、あとは字句を多少整理している問題がございますが、ほとんど技術上の問題で、別に申し上げるほどのことはないと、こういうふうに存じております。各行政項目ごと単位費用算定基礎につきましては、これは別途、別冊で「各行政項目別単位費用算定基礎」という資料をお配りいたしてございますので、これによって御承知おきを願いたいと思います。それぞれの経費につきまして、それを作り出した計算基礎をこまかく計上してございます。まあ煩になりますので、その説明は省略いたしたいと思っております。
  13. 大沢雄一

    理事大沢雄一君) 両案に対する質疑は午後に譲ります。   —————————————
  14. 大沢雄一

    理事大沢雄一君) 次に、新市町村建設促進法の一部を改正する法律案議題に供します。  本案は、去る二十五日、予備審査議案として委員会に付託されました。  これより政府提案理由説明を聴取いたします。
  15. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。    〔理事大沢雄一退席委員長着席〕  昭和三十一年六月三十日、新市町村建設促進法が制定施行されましてから今日まで、一年十カ月を経過いたしたのでありますが、この間、都道府県の境界にわたる町村合併案件が数件発生いたしましたことは御承知通りであります。  これらは、関係市町村から合併申請はありましたが、関係都県において申請を行わないため、政府といたしましては、内閣総理大臣諮問機関である新市町村建設促進中央審議会意見を聞く手続をとっていたものであります。  中央審議会においては、慎重な調査検討の結果、去る三月二十五日、答申を提出したのでありますが、政府において事案の公正にして円滑な解決をはかるためには、なお、若干の時間的余裕を必要とするものと考えられるのであります。  さらに、関係市町村において合併の議決を行なってからすでに四カ月を経過し、また近く四カ月を経過しようとする県境にわたる町村合併案件が二件発生いたしているのであります。  しかるに、越県合併の処理に関する規定は、新市町村建設促進法の付則の定めるところによりまして、本年三月三十一日に失効することと相なっておりますので、この際、この規定の失効後といえども、九月三十日までの間は従前の例により得ることといたしますよう所要の改正をいたしたいと存ずるのであります。  以上が新市町村建設促進法の一部を改正する法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  16. 小林武治

    委員長小林武治君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  17. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて。  午前はこれにて休憩いたします。    午前十一時十一分休憩    —————・—————    午前十一時十一分休憩    午後一時三十一分開会
  18. 小林武治

    委員長小林武治君) 委員会を再開いたします。  地方税法の一部を改正する法律案  地方交付税法の一部を改正する法律案  以上、両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  19. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 減税ということは、私たちは歓迎しなければならぬことなんです、大筋としては。しかし、今度減税されますと、地方自治体についてのやりくりの問題がある。ですから、あなたの方としては、大きく地方財政の立場から、どういうような結論が出て、減税をおやりになるのか、いわゆる財政計画との関連が出てくると思うのです。そういう点について、一つ基本的なお話を承わりたいと思います。
  20. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) お話のように、減税する場合、納税者の立場も考えなければなりませんし、これを財源として行政をやって参ります地方団体の立場も考えていかなければならないわけであります。基本的には、地方交付税制度を通じまして、各地方団体を通じて必要最小限度の財源は保障する、こういう建前をとっておりまするので、全体として保障できる水準、これを確保して参らなければならない、かように考えておるわけでございます。この水準を確保できますならば、納税者の立場から見まして、優先順位を考慮しながら、必要な税率の調整はやるべきだと、こう考えます。しかしながら、その場合におきまして、特定の団体においては、財政収入に激変を生ずる場合がございます。こういう場合には、激変緩和の措置として、従来もとって参りましたように、特別交付税制度運用によって解決をせざるを得ない、かように考えておるわけでございます。
  21. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私もあなたと議論をどうこうするというわけじゃございません。そういう理屈は非常にたくさんあるのですが、それはさておきまして、激変の問題で、昨日も私は承わっておりますが、木引税の問題でございます。それから自転車荷車税等の歓迎すべき減税に見合うために、たばこ消費税をお上げになる。それが見合っていないというようなために、木引税の問題について特交で見ると、こうおつしやいますが、あなたの調査として、大体ここのところは、たとえば木引税で七〇%も減税し、あるいは自転車荷車税によって、これが廃止になることによって、たばこ消費税と見合わないところ、そういう町村がどれくらいあるか。あるいはそれに対しては、特交でただ見るのだというお話なんですが、それじゃそのワクをどのくらい見ておいでになるか、そういう点について一つ、財政当局と打ち合せしておると思いますが、お聞かせを願いたいと思います。
  22. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 自転車荷車税の問題につきましては、単に、自転車荷車税の廃止による減収補てんのために、たばこ消費税の税率を二%引き上げたというだけにとどまりませんで、別途、現在、自動車税の課税客体になっております二輪の小型自動車や軽自動車も、市町村税におろすわけでございますので、この増収がございます。なおまた、自転車荷車税でありますと、徴税のために収入の二割くらいは使っていると思っております。これに反しまして、たばこ消費税でありますと、徴税費はまずゼロと、こう考えていいと思うのであります。こういうことをあわせ考えていただきますと、町村でありましても、減収になる団体がかなり少くなってくるのじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。ただ、町村全体として見ました場合には、大体数字が見合っておるわけでありますけれども、中には、増収になる団体もございます半面に、減収になる団体もあろうと思っています。しかし、その影響は比較的少いと思っております。木材引取税になりますと、今までの制限税率五%が三%に下つて参るわけでございますので、制限税率一ぱいで課税しておった、しかも、適正な課税をやっておった団体におきましては、税率引き下げがそのまま減収になって現われて参るわけでございまして、こういう団体が北海道、それから東北の一部におきまして顕著に見られると思っております。その他の地方におきましては、必ずしも課税において十分適正を得ていない面がございますので、税率が引き下げられましても、もし適正課税を思い切ってやっていただきますならば、必ずも減収にならないというように考えておるわけでございます。地域的に北海道、東北の一部においては減収になる、その他の団体におきましては、課税の適正化によって減収を補える、かように見込んでおるわけでございます。そういうような事情にございますので、木材引取税については、自治庁部内で、減収補てんのことを相談しておるわけでございまして、「木材引取税の税率の引下げに伴い、課税の適正化を図るもなお従前に比し減収が生ずると認められる市町村については、差当り昭和三十三年度において同年度分の木材引取税に係る基準財政収入額基礎として算定した標準税収入見込額が前年度の木材引取税の収入済額に満たない市町村に対しては、当該満たない額を特別交付税として当該市町村交付する。」、こういうことを決定いたしておるわけでございます。言いかえれば、こういう団体におきましても、別途、地方交付税法改正案を提出いたしておりまするように、保障されます基準財政収入額がかなり引き上げられます。従いまして、木材引取税の減収も、こういう面で救われるところが相当あるわけでございますけれども、しかし、木材引取税については、減収額をそのまま特別交付税として見ていきたい、こういう決定をいたしまして、激変緩和を特別交付税制度を通じて積極的にやりたい、かように考えておるわけでございます。
  23. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 木引の問題については、ほかの方からもあると思いますから、簡単にしたいと思いますが、今読み上げられましたその部内決定、それは自治庁としての御決定のものであり、そうして木引で片っ方で増になるところもあるのじゃないか、適正化で増になるのじゃないか、適正化という一つの前提があると思います。従前通りであるならば、必ず二分の一に減るわけですから、私は減ってくると思います。適正化の問題について、何かあなたの方として、こういうようなことをやったらいいじゃないか、各市町村はこれに対して非常に難渋しておるわけです。何か適正化の方途に、具体的に問題が起きずにうまくやれるというようなことを検討されて、その方途というものをあなたの方は特別に見つけられたのかどうか。市町村長は、現実に悩んでおる、苦しんでおって、適正化のいい方法はないわけです。ところがおっしゃった適正化を前提として増があると、こうおっしゃる。御研究になったものがあったら一つ……。
  24. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 木材引取税の運用につきましては、従来からいろいろ摩擦を起しておりましたので、昨年、税率を一%引き下げました半面、適正化によって税収入は減らないようにと、こういうことを考えたわけでございます。その結果、市町村によりましては、従量課税によっていた部分について、基礎となります素材の評価額をかなり引き上げた結果、税率は下っているにかかわらず、税額が二倍をこえるというような団体が出て参りました。その結果、業界と市町村との間でかなりもめたところがございます。宮崎県を中心とする地域においてその問題が顕著であったわけでございます。従いまして、今回税率を下げて、さらに適正課税によってその穴埋めをやるのだということになりますと、従来と同じように、争いを繰り返して、かえって混乱を起すのじゃないか、こういう懸念があるわけでございまして、その点御心配いただいているのだと思っております。しかし、その後林野庁等とも話し合いをいたしました結果、税率引き下げをはかるならば、全面的に協力をしていきたいし、同時にまた、業界の廃止運動ももちろん取り下げにして、そちらの方面においてもそういう方向に協力したい、こういう話があったわけでございまして、そういう話を前提にして、今回思い切った税率の引き下げ案を提案をいたしておるわけでございます。  これについて実は自治庁と農林省との間で一つの申し合わせをいたしております。これをそのまま申し上げますことが、今御質問いただきました点にお答えすることになるのじゃなかろうかと思うのであります。一つは、「自治庁が示す「道都府県別木材石当り平均税額」の基礎となる素材価格は、昭和二十九年における価格を基礎としているので、その後の素材価格の上昇割合を基礎として改訂すること。」、そうしますと、従量課税をとっております場合に基礎になります価格が上って参りますから、税率が下りましても、税率の引き下げられただけが減収になるわけではない。価格引き上げによりまして、若干補てんされる。こういうことになるわけであります。なお従来、自治庁が示しております価格、それにもなお下回った価格で課税しておる団体もございます。これは適正課税につきまして、林野庁も業界も協力するということでございますので、そういう話にわれわれとしては期待をいたしておるわけでございます。  第二は、「国有林材の引取にかかる木材引取税については全面的に営林署長が特別徴収すること。」でございます。本来市町村が条例で指定いたしますと、営林署長が特別徴収すべきでありますけれども、しかし、いろいろ業界のあつれき等がございまして、必ずしも私たちの希望するようには参っていない地域が相当数ございます。こういうことのないように林野庁が強く営林署長を指導していきたい、全面的に特別徴収をすると、こういうことを約束してくれておるわけでございます。  第三は、「立木のまま売払う国有林材については、営林署長から関係の市町村長にこの旨通知するとともに木材引取税の徴収に協力すること。」、立木のまま売り払いますのは、素材の引き取りじゃございませんから、特別徴収はできないわけでございますけれども、立木のまま買った人たちがまた転々売買をするかもしれませんが、また、自分で伐採をして、素材を引き取っていくのが通例だろうと思います。従いまして、だれが立木を買ったのか、そのつど関係の市町村長に営林署長から通知をしてもらう。それを基礎にして、見きわめた上で納税義務者に対しまして納税を督促していきたい、かように考えておるわけであります。  第四は、「林野庁は、民有林材についても、木材引取税の適実課税の円滑な運営に協力させ、所期の税収入の確保に寄与するようにすること。」、これが一方で反対運動があるわけでございます。木材引取税廃止運動もあるわけでございますが、林野庁としてもそういうことのないように、むしろ適実課税に民有林材についても協力したい、こういうことを言っておるわけでございます。  第五は、「木材引取税の特別徴収義務にかかる手数料及びこれに類するものの提供等は直ちに廃止させること。」、関係営林署によりましては、若干市町村に負担をかけている向きもあるやに聞いておりますので、そういうことのないようにしたいということでございます。  こういうことを前提にして、木材引取税の税率改正案を国会提案をいたしておるわけでございます。
  25. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、今お聞きしておるようなことは、大体今までやられてきておることであって、これで適正化というものが前進をして、そうしてトラブルが解消するわけでもないと思います。また捕捉が非常に確かになってきて、税率を下げたことに対してその穴埋めができるなどということは毛頭考えておりません。しかしこの問題は、先ほども申し上げましたように、ほかの方がおやりになるから譲りまして、この自転車荷車税と、このたばこの法律ですが、私もたくさんのことを調査しておるわけじゃございませんけれども、私の知り得ているところでは、大都市が非常にこれがために税収が伸びるわけなのです。ところが、大都市周辺の町村は減ってくるわけです。そういうところに対して、今お聞きしますと、徴税費がどうとか、あるいは軽自動車を穴埋めするから、それが一ぱいになったということですが、あなたの方で、それではどこか具体的に町村をお調べになって、大体とんとんにいける、あるいはこれよりも上回る、たばこ消費税をやることによって上回るとか、あるいは下回るというようなことを具体的に御調査になった資料がございましたら一つ御提示を願いたいと思います。
  26. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) お話のような資料の請求が衆議院にもございまして、提出しておりますので、参議院にも提出させていただくようにいたします。
  27. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これはむしろ大臣の方にお尋ねするのが本来だと思いますが、しかし、まあ自治庁としても一つ、局長ですから、税務局長としてお答えを願いたいと思うのでございますが、今一番因っているのは、財源のあるところはいいわけです。いわゆる僻地、山間地が非常に困っておるわけです。そういうところから今いったようなものを減税される——私は減税に反対するわけじゃないけれども、減税されると非常に税収が減ります。そこで結果はどうなっておるかというと、固定資産税を不当に高く見積るか、それも非常に反対が多いということになると、大体住民税というようなところをたくさんとらなくちゃならぬことになる。この前も財政計画を見ておりますと、何か四十億ぐらい標準課税よりもたくさん上回ったところがあるのであるから、四十億増だと、それは隠しておるというような御答弁をいただいたのです。あなたの方は、こういうところに対してこういうものを減税をしていくと、しかし、それがとりもなおさず、逆に今度は住民の人たち、その地域の人たちにかえって増税という形ではね返っておるわけです。そういうような点についてはどういうふうにお考えになっておるか。
  28. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) おっしゃっていますように、自転車荷車税は、現在かなり零細な大衆負担になっておると思います。そういう結局住民の担税力のないところに、こういう税収入が比較的多い。またそういうような零細な大衆負担になっていますから、廃止をいたしたいわけでございますから、従いまして、弱小の町村の収入が比較的多く減収になっていくという傾向がございます。これは自転車荷車税の廃止がそういう趣旨にあります以上はやむを得ないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。しかしその結果、また必要な財源は確保しなければならないのだから、市町村民税や固定資産税にしわ寄ったのでは、弱小の町村の住民負担が形をかえてふえるだけじゃないか、こういうことになりまして、御懸念のような問題が起ってくると思います。従いまして、木材引取税、自転車荷車税の廃止によりまして減収になりますような団体は、大体において地方交付税交付を受けている団体でございます。この交付税計算におきまして、基準財政収入額が、もしお説のようなことになって参りますと、減って参りますので、自然交付税交付額がふえてくるということになるわけでございますので、独立税収入の減少が地方交付税の増収になってくるということで、やはり補てんはされるのじゃないだろうか、かように考えておるわけであります。ことに、今回は、地方税の伸びや地方交付税の増額等を通じまして、基準財政需要額そのものが大幅に引き上げられるわけでございまして、そういうことを考慮に入れますと、減収補てんよりもさらに大きな額が、当該市町村に財源として増強されていくじゃないか。従いまして、自転車荷車税の廃止による減収が、そのまま市町村民税の負担増加や、固定資産税の負担増加にはなっていかない、かような考え方を持っておるわけであります。さらに言えかえますれば、自転車荷電税を廃止することによって、零細な大衆負担を排除するのには、三十三年度はちょうどいい機会じゃないだろうか、こういう考え方さえ持っておるわけであります。
  29. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 若干議論になりますが、交付税で穴埋めができるじゃないか、だから住民の負担は増していないのだ、こうおっしゃるが、現実には、住民税は、標準課税あるいはその示されておる税率以上にとっておるというのが実情なんです。そうせなければ村はやっていけない。それは、何にもやらぬということなら別ですが、若干の投資的な仕事をやっていこうというようなことになれば、どうしてもやらなくちゃならん。ですから、あなたの方としておっしゃる大筋は、そういうものはみんな交付税でやる、基準財政需要額に見合うものはやるのだから差しつかえないじゃないかとおっしゃってしまえばそれまでだと思いますが、実情はそうではなくて、あなたの方はそうおっしゃるけれども、見ちゃいない。だから、どうしてもしょうがないから住民税をふやしてやっていこうじゃないか、こういうのが現状だと思う。実情はそうなっておる。そういうところに対して、それじゃ住民税を、標準課税率じゃなくて、一、二、三とあるですね、あれより以上にとっておる。それは投資的なものだから、それはぜいたくなやり方だから、こうおっしゃるのか。そういうものについて検討をされてみると、なるほど、学校も作らなくちゃならぬ、村道もある程度作らなくちゃならぬ、用排水等の問題についてもやらなくちゃならぬ、こういうものさしの見方になると思いますが、私は、正しく見ていただくなら、当然そういうものは村として認めざるを得ないと思います。そういうようなところに対して、若干交付税なんかふやしてやる、いわゆる行政水準の引き上げの問題になってくるわけですけれども、そういうところに対して何にも示されずにおって、そういうものを低く見ておると言うなら、あなたの議論が通っていくと思います。それでは私は、地方自治体は全然前進しないじゃないかということを憂えておるわけです。これは議論ですから別として、逆に今度は、山間僻地に財源を何か確保する意味において、交付税は格別として、あなたの方では何か財源的に検討されておるものがあるのか、あるいは幾ら探してみても、新しくここで税を一つ生み出して、そして地方自治体が潤うようないいものはないか、その辺の御研究と申しますか、検討されたことについて承わりたい。
  30. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 自転車荷車税の場合と木材引取税の場合とでは、私は町村に与える影響がかなり違っていると思います。というのは、木材引取税の場合には、従来基準財政収入額算定しておりました以上に多額の税収入をあげておった市町村が、東北の一部や北海道にあるわけでございまして、従いまして、この部分は、制度改正によりまして税率が引き下げられ、その結果、従来のような額をあげようと思ってもあげられなくなるわけでございまするので、地方交付税制度で保障しているからいいのだというわけには参らない、こう思っておるわけであります。これに反して、自転車荷車税の場合には、当該市町村が徴収しておりますものが、そのまま基準財政収入額に算入されて参るわけでございます。従いまして、この廃止に伴う基準財政収入額が減って参りますれば、そのまま地方交付税の増額になって戻っていくわけだから、全体としては保障されている。従って、このことから直ちに住民税の負担や固定資産税の負担がふえてくるということにはならない、かように考えておるわけでございます。  なお、山村によい財源を考えていないかということでございますが、従来、やはりそれぞれの市町村に必要な財源は市町村住民でまかなっていくというような立場が強かった結果、財源のない団体は非常に重い負担を背負わされておった。それが、漸次均衡のとれた負担に私たちは変りつつあると思っておるわけでございます。変りつつある。一番強い力は、やはり地方交付税の財源供与だと思うのでありまして、自転車荷車税、その他の従来の雑税というものが、とかく弱小の町村住民の負担重加になっておったわけでありまして、これを取り下げますことが、地域間の負担の均衡化に一歩前進させることになっていく、そのかわり、そういう団体につきましては、全国的な財源で補てんをしていくというやり方にならざるを得ないじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。もっとも、弱小の町村におきましても、無理のない税源がありますならば、そういう方法をできるだけ取り上げていくべきだと思います。また、そういう意味で、比較的普遍的な税ということになりますと、たばこ消費税というようなことになるものでありますから、自転車荷車税廃止による独立税収入の減収補てんをたばこ消費税で埋め合せたということになっておるわけでございます。比較的どの市町村においても普遍的に所在する税で、現在考えられる税ということになりますと、たばこ消費税というようなことになるじゃないだろうか、かように考えておるわけであります。それにいたしましても、やはり消費能力というものが都市住民と町村住民との間にかなり開きがございますので、やはり収入は若干片寄ると思います。それ以上に、どの市町村にも必要な均衡のとれた財源を付与するということになりますと、私たちは独立税は非常にむつかしいじゃないだろうか、こういう考え方を持っておるわけでございます。
  31. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 わかりますですが、そうしますと、交付税でこれをやっていこうじゃないかということになると、交付税算定基準とか、あるいは交付税の中の一つの項目を、たとえば面積と人口と比較して、希薄になったところのそれに対してある何%かを見る、あるいは耕地と申しますか、山林というか、そういうふうなものとの比率で、あるところをとって、それに何%かの交付税を見ていくというような格好にせざるを得ないと思う。今で見ると、たとえば学校数と先生でいうなら、先生の数やなんかというようなことが交付税の問題になって参りますけれども、これは小林さんの方の担当かもしれませんが、少くとも、あなたの方としてお話し願いたいことは、とするなら、交付税算定基準と申しますか、配分基準と申しますか、そういうようなところに何か見るような特別措置を私はせなければならぬと思う。そういうような点について、あなたの方と財政局の方とお話しになっておるようなことはございましょうか。
  32. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 財政局との間には常に緊密な連絡をとっていろいろ話し合いをしているわけであります。私は、しかし、地方交付税制度というものが、漸次お考えになっておるような方向に進みつつある、こういうように思っておるわけでありまして、地方交付税制度ができました当初は、やはり現実の財政需要を頭に置いて財源配分をせざるを得なかったじゃないだろうかと思います。たとえば、道路のできているところと道路のできていないところがございます。現実の道路の面積を基準にして基準財政需要額計算していきます以上は、すでに発達したところに相当の財源が行きまして、これから道路を作らなければならないようなところには財源が行きません。従いまして、道路費というものを、そういう現実の道路を基礎にして配分するのがいいのか、それよりもむしろ、面積、人口等を基礎にして、あるべき道路面積というようなものを描いて、基準財政需要額算定していくのがいいのか、こういう問題になってくると思います。こういうこともあって、貧弱な団体に比較的基準財政需要額が多く見積られるような修正地方交付税の中でも逐次加えられて参ってきておるわけであります。あるべき財政需要を基礎にして考えるべきじゃないか、それをさらに一歩前進さして、あるべき財政需要から、さらに今まで講ずべき施設を講じていなかった地域の財政需要をもっと大きく見てやる、こういうところに進めることによって、均衡化をさらに急激に前進させる、こういう考え方もあろうかと思うのでありますが、要するにこういう問題は、行政水準を引き上げながら、その引き上げた度合いを、今まで恵まれていなかった地域に多く見ていくことによって解決するのじゃないだろうか、今まで施設のあったところの財源を削りまして、いまだ恵まれていない地域に回すわけにもいきませんので、地方財政を充実する、全体としての行政水準を引き上げる、その場合に、今まで恵まれていなかった地域に上げていく、こういうことが考えられるのじゃないか、こういう漸進的なやり方をせざるを得ないと思うのでありまして、地方交付税制度発展というものは、大体そういう経過をたどってきているのではないか、こう思っております。
  33. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 次に、この前、衆参ともについておったと思いますけれども、大衆飲食の三百円、五百円、八百円を千円というふうな付帯決議が出ております。そういうことは取り残されてしまって、ここにあるように、突然、木引税が出てきた。これは業者と町村当局との間で種々トラブルがあったことも私ども承知しております。そういうような付帯決議のあるものはやめて、あのときに一%下げればさしたる問題がないというような木引税の問題が突然に出てくる。何か自治庁一つの圧力団体といいますか、政治的に動いておられるのじゃないか、もう少し騒ぎ立てれば、あるいは改正案が出てくるというような疑いが大衆飲食の人たちにもあるのじゃないか、これは非常に拙劣じゃないかと思う。しかも、国会では付帯決議があって、決議案の尊重、そういう点と、大衆飲食をはずしたことについて、積極的な理由一つ説明願いたい。
  34. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 遊興飲食税の改正につきましては、先の国会におきます当委員会付帯決議は重々承知しているわけでございまして、この点につきましても、絶えず検討を加えて参ってきているわけであります。しかし、御承知のように、遊興飲食税につきましての改正税法は、昨年の七月から施行になっているわけであります。まだ施行になりましてから十カ月たっていないわけでございます。これは、やはり遊興飲食税の関係業界は、御承知のように種々雑多でございまして、全体を通じて円滑なる運営の行えるように考えて参りませんと、また摩擦を起す、いろいろと混乱を生じてくるということになりますので、いましばらく改正税法施行の経過を見た上で結論を出していきたい、こういうふうに考えておりましたために、この国会としては見送ったわけであります。そうして同時に、私たちの研究問題として、絶えず地方からの報告も求めておりますし、私自身としても、いろいろ調査を続けて参ってきているわけでございますので、当然、必要な検討の結果を、なるべく早い機会に出さなければならないと存じているわけでございます。
  35. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 あなた、研究するとか何とかおっしゃらずに、この前の速記録を見ればわかりますけれども、むしろ来年は一つ三百円、五百円、八百円を千円に直すということを積極的にあなたは発言しておいでになりますよ。ここで今見ると、これは十カ月、片方は十二カ月たっているから、二カ月の差で税法改正をするとか、そういうようなことは、少しあなたの御都合主義的な御答弁としか承われません。今もおっしゃったような、ただそれだけのことで遊興飲食税の方はたな上げしたのですか。
  36. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 遊興飲食税の改正につきまして、将来手直しをしたい、どちらかといいますと、三百円の免税点を引き上げていく方向で解決をしたい、こういうことはお約束できると考えております。ただその時期の問題でありますが、七月から施行になったばかりでありますし、また業界それぞれがいろいろな希望を持っておりますし、また税務行政の実際を見ていきますと、なお考慮するなり、いろいろなことを考えなければならないようでございます。ことに、業態区分といいましょうか、保健所あるいは警察当局、そういう面の協力を得なければならない問題もございます。そういう面との話し合いも実はしておるわけでございまして、そういうことを総合的に考えていきますと、やはり一年たたないうちにすぐに結論を出すということは、また混乱を起すおそれもあるので、いましばらく改正税法実施の経過を見た方がよろしいのじゃないか、こういうように考えておったわけでございまして、今もさように考えておるわけでございます。
  37. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 まあ議論になることですから……。  その次に、電気ガス税の問題ですけれども、御承知のように、これを払っておるのは、ただ単に一般家庭の使用者が電気ガス税を払っておるというような格好になってしまっておるわけですが、一体、電気ガス税というものに対して、あなた方は、基本的な考え方といいますか、どんなふうにお考えになっておりますか。
  38. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 電気ガス税を将来どう持っていくかということになると思うのでありますが、やはり省費面から担税力を捕捉する、そういう性格の税にすべきだ、言いかえれば消費税に純化していくべきだ、こういうように考えておるわけであります。しかしながら、簡易な課税によって相当額の税収入をあげるという間接税の特徴も忘れてはいけませんので、その点も考慮しなければならないと思いますが、大きな筋としては、消費税に純化する方向で、この税を将来なお続けていくべきだ、かように考えているわけであります。
  39. 小林武治

    委員長小林武治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  40. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて。
  41. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 大臣にお伺いするのですが、この前、財政計画をやったときに、大臣にちょっと伺うのですが、私非常に心配しておるのは、いわゆる貧弱町村と申しますか、山間僻地の自治体というものは非常にお気の毒なんです。行政水準とか何とかというよりも、うんと下回っているのです。お気の毒なんです。そういうところに対して私は積極的に大臣として手をお打ちになるといい。この前お聞きしますと、税源は僻村ではどぶろくだということでありましたが、そういうお話はさることながら、私は一つの財源を見つけることが非常に困難だとするなら、交付税等で勘案されなくちゃならぬと思う。税務局長は、交付税に道路の問題の方で例を引いて、未開発の問題も、そういう問題も含めてあるし、あるいは僻地の振興だとか何とかというような、あるいは寒冷地対策の補助金だとか、そういうことでめんどうを見ておられますことは、私は重々わかります。わかりますが、なおこの際思い切って、交付税一つ算定基準の中に、たとえば人口と面積との比率を見て、その希薄なところにそういうものをやるというようなこと、あるいは一村の人口に対して、通学距離が二里も通って行かなければ小学校へ行けないというような、そういうものの何か私はいろいろな測定方法があると思うのです。とにかくそういうところに対してめんどうを見ていくというような手を打たなければ私は打ちようがないと思う。そういうことに対して積極的な何か御対策というものがないのか、それともずるずるずるずるやっておしまいになるのか、大臣というのは任期が大体一年くらいです、今まで。それから長官も内務畑でお育ちで、こういうことに対して非常に熱意があると承わっておるのですが、何かあなたのときに画期的な対策を立てられるお考えはないのか承わりたい。
  42. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは成瀬君のおっしゃる通りで、私は山村あるいは漁村も含めて同じような問題があるかと思います。思いますが、ことに山村について考えてみまして、私一つは、これは政府部内のことでありますけれども、国有資産等所在市町村交付金でございますか、あれなども一応見てはおりますが、どうも評価が少いようでございます。これはまあ非常にあらたまった談判でもございませんけれども、赤城君などとも話をいたしているのでありますが、国有資産等所在市町村交付金の方を増せれば大へん格好がいいのだと言う。これは一つの話でございますよ、一つの話でございますが、そんなことはいかぬ、それは筋が違うことであり……。われわれ、国有資産の交付金を考えなければいかぬのじゃないか、私は今のような挿話は別としまして、事柄としてはどうしてもそうあらねばならないと思いまして、林野庁と折衝いたしております。それで、そうしたことも山村に対する一つの対策、それから私は、どうしてもこの三十三年度中に地方税と国税を通じまして、やはり一つの税の見方でございますね、これは変えなければ相ならぬものだと思っております。しかしその場合でも、果して山村に適切な税金ありやいなやということは問題と思います。そういたしまするならば、それと、つまりそうした問題、自主財源というものをどうして与えるかということに一つ努力してみなければなりません。  それから交付税というものが、私は交付税の二七・五%というのは限度にきておると思います。思いまするけれども、幸いにして地方団体の財政が、これはよほど油断をせずに見ていかなければなりません。見ていかなければなりませんが、もし、これから割合に安定した伸び方をいたしますならば、交付税というものの配分でございますね、ことしをごらん下さいましても、公債をたくさんしょって苦しい府県でありますとか——徳島県なとはそういう例でございましょう。あるいは佐賀県のようなところ、ああいう海岸線の長いところで海岸の施設に金が要っておりますと、こうしたものを一つの標準にとらえる。これでもある程度の対策ができていくようにそろばんをはじいていくと、おのずから出て参ります。そういたしますならば、交付税というものの持ちます機能が、何と申しますか、ある程度ほんとうの調整的な意味合いで、御指摘の山村のようなところに盛りつけて参る。そういうところは今までよりも、それは交付税のことでありますから、地方団体に共通の財源ではありますが、山村などに多く盛りつけるということは可能になって参ると思う。ただ、山村なるがゆえに木引の減収補てんというような場合には減収分を見てやらなければなりませんが、山村のような場合には、今も成瀬君も例をちょっとお引きになりましたが、何か山村にぴったり当てはまる基準というものをこしらえて参る、こうしたことはどうしても考えなければならぬことだと思います。私は交付税というものは、立て方が次第にそういうものに移っていくことが望ましいことであり、ほんとうに、いかようにしても財源のないところにそのような形で財源を与えてやるというやり方に、これは交付税はすべきものだと思っております。三十三年度の交付税につきまして、若干府県等については対策を講じたのでありますが、これでは不十分である。そうして私はもっと、先ほども申した税で国、地方を通じた検討をいたしますのとあわせて、交付税というものに、毎年手直しじゃない、ある程度はっきりした改革というものを出していきたいと思っております。
  43. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、交付税配分方法ですね。これをもう一ぺん根本的に実は検討してもらいたいと、こう思っております。そういう意味で申し上げた。だから大臣のお答えを聞きますと、おっしゃることはよくわかりますが、大体、単位費用基準が上っただけであって、しいていえば、海岸保全施設の延長ということが測定単位の中でふえた程度であります。そうでなくて、経費の種類というところか何かのところに特別なものをやっていただかなければ、私はあなたのおっしゃる山村、漁村、そういうものを含めてやることはできない。そういう点についてぜひ一つやっていただきたいと思いますが、これは決意のほどを伺ったわけですが、一つ来年度には、これは、あなたがおっしゃるように積極的な手を打つことを約束していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  44. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 密度補正を現に行なっておりまするもっとこれを強化するというようなことも、さしあたって必要なことでありましょう。私はほんとうにあれだけ大きい額になりました交付税というものについては、一つ成瀬君のおっしゃるごとく、根本的に考え直す作業にすぐ入りたいと思っております。一つの根本さえきまれば、これはそう狂いなしに運び得ることですから、ぜひなるべく早く結論は出したいと思っております。
  45. 加瀬完

    加瀬完君 長官が今、成瀬委員の質問に対しまして、交付税配分方法を三十四年度以降根本的に改革をして、たとえば、木引税などで財源が枯渇した町村にも、交付税によって財源補てんが永久にできるような方法をとるというようなお話ですが、交付税というのは、税率をまた非常に引き上げるという形ではなく、一応固まったような形になっているわけです。それで現状の配分方法で各団体間に配分をしても、まだまだほしいというところがあるかもしれないけれども、交付税はもらい過ぎるというところはないと思う。その違った形の配分方法をとれば、現在の配分方法で交付税を受けておる団体間にまた別な財源問題のアンバランスができると思うのです。総額がふえないで固まってしまっておるのに、配分方法だけいじったって、これは固有財源を木引税なんかのように減らしてきた町村だけに、余分に交付税から引いて持っていくという方法は、具体的にはとれないと思うのですが、どうでしょう、その点は。
  46. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは、ことしの交付税配分をいたしました際に、多くの市町村について増額を……、元金がふえたのですから増額はしておりますが、にもかかわらず、事業税の収入その他が相当大きくなりまして、従来、交付団体であったのが、不交付団体になっておるのもございます。これはそれだけ伸びていくのですから、加瀬君の言われるように、全国をひっくるめて考えれば、総計において、財政計画で申し上げたようなことでありまするけれども、個々市町村について見れば、必ずしも一がいに、片方でマイナスをしたら片方がすぐ困る、片方にかき上げをしたらば片方で必ず削らなければならぬ、そうはなっておらず、市町村の私は一つの問題は、今全体をひっくるめての財政計画はあるが、個々市町村についてのどうも検討なり指導が足りない。しかし、その問題はその問題としまして、私も加瀬君の言われるような点のあることはわかります。それで、一方ではどうしても自主財源をもっと与えるということを考えなきゃならぬ。私が成瀬君にお答えしておりましたのは、自主財源を与える方法を講じても、山村等はやはりそういういいものがないのじゃないか、そうすると交付税というものの考え方、これは確かに地方団体の共通の財源ではあるけれども、重点の置き方が、今まではどうも私見ておりまして、これは目に触れることでありますけれども、たとえば徳島であるとか佐賀であるとか、鳥取であるとか、そういう県などでは、どうしても今までの重圧で、それを先に見なければいかぬというものがございまして、これに対しましてある程度対策を講じましたならば、私は重点をもっと下げて、市町村、あるいは貧弱な町村、そっちの方へウエートを置きかえていくというような工合に、交付税についてものを考えていきたい、こういうつもりで申したのであります。
  47. 加瀬完

    加瀬完君 関連でございますから、簡単に御質問申し上げますが、筋の立て方としては、一応長官のおっしゃるようなこともよくわかるんですが、交付税の税率そのものが一・五%伸びたけれども、地方団体側からいわせれば、その一・五%でも足りないという見解を持っているわけですし、また実際一・五%伸びても、新しい交付税配分方法で配分をしても、まだ特に貧弱団体の財政問題が一挙に解決できるということにはならないと思う。で、大きな府県などのアンバランスを一応解消することができても、これが町村にまでおりていって、個々の町村を交付税だけで解決しようといっても、配分方法をいろいろ態容補正等で研究して下さることはけっこうですけれども、交付税総額そのものが広がってこないときに、配分方法をいろいろ考えても、それだけでは問題の解決にならないと思うのですよ。で、ちょっと関連からそれるかもしれませんが、この木材の引取税などについても、これだけの税源というものを、財源というものを町村から取るというなら、当然これにひとりでに埋まるような対策ということが考えられなければ、どうしてもそれは交付税で埋めるといったって、特殊な町村にだけ交付税をよけい配分をするという方法は、なかなか具体的に作業に入ったときにはむずかしいのじゃないか、詳しく申し上げますならば、たとえば北海道の置戸町なら置戸町では、昭和三十一年の町村の決算額と木材引取税の決算額のパーセンテージが、後者が前者に対する六五・二%になっております。その木引税がなくなったために、六五・二%減ったものを、六五・二%に近いものをぴたりと交付税で埋めるという方法は、どう計算をしたってなかなか出てこないと思う。そうなってくると、交付税で将来解決するということは、少くも置戸町なら置戸町という町村にとっては、これは長官がおっしゃってくれても、どうもその希望も確実には持つことができないということになるのじゃないか。そういう税の改正というものをやることは、大筋として木引税なんかを含むということはいいかもしれないけれども、個々の町村の財政事情というものから見れば、これはあまりに犠牲をかぶせ過ぎるのじゃないか、こういう疑問を表の上からも持ちますので、どうも交付税で将来やるというならば、交付税でも何でもいい、現状において税の欠陥を、へこみを埋めていくような方法を先に考えて、それで木引税の税率を引き下げるということをやらなければ筋は逆じゃないかということを感じますのでお伺いをするわけです。
  48. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは実際、地方税というものは扱いがむずかしいところだと思う。国税なら、全国をひっくるめて予定額を得る税なり、その税率なり額なりで見て出てくるのですね。ところが、地方税というのは、確かに木引を見まして、去年の実績を見ましても、一%下げても倍以上に伸び上った。九州の町村などは伸び上っておる。全体を見れば一つのめどはつくのであります。これはまた全体の税額を見れば、法定税として置いておくのに適当な税ということが考えられる。ところが、これを一つ一つに当てはめますと、どうしてもアンバランスが起るのでございますならば、それならば、全体でなるべく負担の軽減をはかっていくという一つ方向はあるのですから、そうすると、全体を見れば変りはないが、地域々々で、しかも、木引を例におとりになったから木引でいいますと、北海道と東北の一部と、こういうことになります。それは、どうしてもやはり減収補てんの方法というのは、何か調整的な財源で扱わなければならない。しかし、おっしゃるように、それをぴったり当てはまるようにしますならば、非常に恣意的な配分をしなければならな。それは行政機関としてすべきことじゃない。すると、どうしてもそこの食い違いというものが出て参ります。これは確かに大事な問題でありまして、さっき私が財政計画の全体を見ては、ある程度の考え方が成り立つけれども、どうしてももう少しこまかく、町村の個別に、全町村の三千幾百の市町村一つ一つとは申しませんけれども、これを何らかに段階で分けたようなものの考え方が必要じゃないだろうか、そんな意味合いで、成瀬君の言われた山村というのが、これは一つおそらくこれから取り上げるべき問題だと思います。ところが加瀬君御指摘の通り、確かにむずかしい問題があります。そこの調整というようなことが大事な問題であろうと思います。これは、私は必ずしも役所の者が十分にできることじゃございませんで、政党の者あるいは学識経験者、そうしたあらゆる方面の知識も借りにゃいかぬ問題だと思っております。
  49. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 木引の問題が出ておりますから、そのことに関連してと申しますか、そのことで一つお尋ねしたいと思います。税の減税のあり方というのは、冗談いえば、芸者の花代がずっと下って参りまして、相当一挙に半分に減ったことは記憶しております。今度の木引も一%下って今度半分に減る、二つこういうふうに非常に優遇されたということになるわけですが、その税が減税になったからどうということじゃなくて、バランスの問題とか、農地解放のごときも、いわゆる農地の地主と山林地主との考え方ですね、それから固定資産税はかかっておらないわけです。税がとれるということは、立木に税のとれるのは確かにいわゆる木引税以外にないわけです。そういう、何と申しますか、今までの一つの歴史を考えて、そしてバランスのとれた公平な政治というものが行われることがこいねがわしい姿だと思う。そういうような点にかんがみまして、木引税を二%に下げることが妥当であるというような結論が出されたのか。ただ単に問題がある、これは非常に値が高いから、税が多過ぎるからこういうことをやったのだ、こういうのか、その辺の点はどんなふうに検討されておりますか。
  50. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) その点は確かにおっしやることはわかるのです。ただ、私は昭和二十四年でしたか、二十五年でしたか、あのときに市町村税に移しました木引というものが、あまり安定したというか、落ちついた状態になっていないように思うのです。それはああいう特別の徴収義務者を置いて、そしてとる税でございます。しかも、これはけしからぬといえばけしからぬことなんだが、どうも特別徴収義務者の協力が十分されておらないし、それから営林署長を特別な徴収義務者にしておりますのが全部じゃない。これは数字は私もはっきり覚えておりません。かなりの数というものは特別徴収義務者になっておらない。そのために、非常にとりやすい市町村ととりにくい市町村とある。営林署長を特別徴収義務者にしていなければ、ほとんど国有林について扱いが困りますからね。私がもう一ついつも考えるのは、町村の税というのは、なるべく徴税費のかからぬようにしてやらなければ無理だと思う。国の税務署ならできることであっても、地方の町村で、徴税費がかかるようなことはできない。特別徴収義務者の協力というものは、今までの状態では不十分だ。それから素材の価格の点でございますとか、そうした点をすっかり吟味していきますと、自治庁と農林省との間に、今度これははっきりと約束をしてものをきめて、初めて落ちついた状況になるのじゃないだろうか。これで果して完全に落ちついた状況になるかどうかは、これから実施の状況を見なければいかぬと思っております。それから私の方がよほど督励をいたしませんと、林野庁必ずしも動くかどうかという懸念は持っております。しかし、まあまあレールの上に乗せたように思いますから、これでようやく落ちつくのじゃないだろうか。そうすれば相当素材価格というのは大きいものでありますから、今度のように二%——なるほど前から半分にしたというと非常な減り方でありますけれども、二%ということで落ちつく税じゃないだろうか。私はむしろ木引がこの数カ年間市町村税としてあまり安定しない状態にあって今日に至った、こんな工合に考えております。
  51. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そのことではなくて、私がお尋ねしたいのは、いわゆる山林地主と農地地主とのバランスの問題、片一方じゃ農地解放、片一方じゃ山林解放が行われておらない。しかも固定資産税の対象には農地を持っておればなっております。ところが山林の方は、土地にかかるかもしれないが、立木には全然かかっておらないのです。そういう点についてバランスの点を見て、そしてこの税率を定められておると思うのですが、これで山林地主と農地地主とバランスがとれておるのだ、こんなふうにお考えになっておるのですか。
  52. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは山林地主ということになりますと、例の立木の課税という問題が起ってくるのです。自然林などはなかなかこれじゃもう評価の押えようがないから、こういう引取課税にいたしている。引取課税にいたしているという意味合いで、あるいはおっしゃるように幾らか山持ちの方が楽だということは言えるかもしれません。しかし、私はいろいろな意味から適令伐木前に木を切ったりするようなことのないように、それからいろいろな今の自然林などはなかなか押えにくいというような考慮から、やはり引取課税の方がいいと思います。引取課税にしていった場合の比較というような問題は、これはあるいは政府委員の方がよく知っているかもしれませんが、私は、それは山持ちの方に、ことに今の木材の価格から見ますと、幾らか楽だというようなことは言えるかとは思います。
  53. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 山林地主は、私は極端なことを言えば非常にいいと思うのです。優遇されていると思うのです。これはなるほど、保安林で切ってはいけないというようなことはありますが、少くとも引取税でもその税の負担は、支払う人はなるほど買った人が支払うことになっているけれども、それは売価の中に織り込みのものです。山林地主が、山林所有者が税を出すときはただ一回、このときだけなんです。しかも大体三十年から七十年、九十年に払う税なんです。そういうものと、いわゆる農地を持っている人との比較というものを検討してみましたときに、私は先ほど申しましたように、少し山林所有者が優遇され過ぎているのじゃないか。バランスがとれていないじゃないか、こう言いたいのです。
  54. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 今、大臣からもお話がございましたように、木材引取税そのものは一応消費者転嫁を予想しているものでございますので、必ずしも山林所有者と農地所有者との負担の均衡問題に直接つながっていくということにはならないと思います。ただ、経済の実勢いかんによりましては、この負担が逆転していく、好転していく、こういう問題もございますので、関係がないとは言い切れないと思います。ただ、財産税の問題あるいはまた農地解放の問題、そういうようなことをめぐって考えられます問題は、従来からの山林所有者は山林所有者のまま今日までずっときているものだから非常に恵まれた状態にある、こういうことは言えると思います。ただ所得税の課税の問題につきましても、農地の場合には、供出米につきまして、供出の予約申し込みの時期にもよるわけでございますが、収入金額に算入しないというような方式がとられている。山林につきましては五分五乗の方式がとられているというようなことがございますので、現在の課税方式がどちらに有利になっているかということになりますと、かなり問題があると思います。ただ、従来、財産税課税の問題、農地解放の問題、こういう問題を通じて、山林所有者が非常に恵まれた地位に今日あるのじゃないか、これは私はその通りだと考えているわけでございまする
  55. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 奥野さん、農地解放のことでのアンバランスだけではないのです。これは税を支払う者は、なるほど引取税というものは消費者転嫁でしょう。それは売価の中に入っている。立木を持っている人、その人が税を支払うのは、ほんとうに三代というけれども、山というのは三代に一ぺんの税です。それを片一方は固定資産税をとっている。いろいろなことに、たとえば売るときには一つの売買税と同じようにとられるわけです。そういうものがいわゆる公平な——二%がいいとか四%がいいとかいうふうなことを言うのじゃない。そうじゃなくて、公平な税というもので一つやっていただかないと、やはりそこには内容的にはいろいろな問題が出てくるんじゃないか、こういう点で言っておる。そういう点をあなたの方は検討せずに、それは陳情があったからこれを四%を二%に下げたとか、税がそれだけあればいいとか、これで見合うとか、そういう小手先のことで事を処理しているんじゃないか、少くともそういうことについて、何か理論的にこうだという数字をあげてこういう説明ができると、こうおっしゃるものがあれば、私は承わりたいと思います。
  56. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) おっしゃっていますこと、まことにわれわれ深く傾聴しなければならない問題だと思っております。ただ、先ほども大臣からお話がございましたように、木材引取税の運営をめぐりまして、非常に混乱を繰り返して参ったわけでございます。従いまして、この木材引取税の運営を円滑なものにするのにはどうしたらいいか、こういうようなことからいろいろ研究をいたしまして、そうして将来安定した姿にこれを持っていきたい。しかし、財政収入も上げなければなりませんので、さしあたり、現在上げられている程度の税収入を目途にして適正課税をやるとすれば、幾らまで税率が下げられるだろうか、そういうことから二%という税率が生まれて参ったわけであります。しかし、もとより御指摘のように木材引取税の税率はいかにあるべきかということを、農地の所有者あるいは山林の所有者の負担をも考えて研究しなければならないと思います。その場合に、少くとも固定資産税の税率以下であるということは、これはあり得ないと思うのでありまして、そういうようなことも考え合わせまして、さしあたり、二%にすることによって適正課税をすれば、現在程度の収入が確保できる。同時にこの税を将来にわたって安定したものとしていけるという、こういうようなことに結論を見出したわけでございます。御指摘のように、さらに山林所有者あるいは農地所有者の負担をどう持っていくかという問題は、所得税その他の問題も関連してくると思うのでございまして、総合的に考えなければならないことだと思います。木材引取税の税率問題につきましては、今申し上げましたような見地からこの結論を得たようなわけなのであります。
  57. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これはまあ押し問答をしていてもしようがないことですが、電気ガス税について、長官、これは払っておるのは、ほんとうに家庭の電気を使っている人が払っておるだけなんです。あるいはガスを……。ああいうものは何というのですか、いろいろの措置法的なものによって、実際私たちはない方がいいのじゃないか。むしろ全廃される方が適当じゃないか、こう考えておるのです。それができないとするなら、せめて防犯的な立場からいっても、街灯くらいは一つ公共的なものはやめられたらどうだという考え方なんですが、基本的に電気、ガス税についてはどういうお考えを持っておられるか。
  58. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 電気、ガス税、これもまあ市町村税になりましてから間のない税でありますが、あの税の性質というものは、おそらく消費税に純化していくことだと思います。それから、消費税に純化いたしますれば、なるべく簡素に、さっき申しましたように徴税に手間がかからぬやり方、そういたしますと、私はその街灯にかけないというのは、必ずしもそれに反対だというつもりでもありませんけれども、ああいうのは、街灯というてもイルミネーションみたいなものがありますな。いろいろなものがたくさんあるものでありますから、簡素にするということになると、勢いそうしたものを街灯だけ引き抜くことがむずかしくなるのじゃないかと思います。傾向としては、お尋ねのような意味合いでは消費税に純化していく。そうしたときに、ほんとう地方税としての電気ガス税というものは落ち着くのだと思います。
  59. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 奥野さんにお尋ねしますが、一体、電気の使われておる量に対して何%ぐらいがいわゆる税対象になっているのですか。
  60. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 電気の量からいいますと、課税になっていますのが四一、二%じゃないかと思います。電気の料金からいいますと、課税になっていますのが六七%ぐらいではなかったかと思っております。
  61. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 実際、私たちも工業のためにいろいろなものに電気を使う、そういうところは電気、ガス税を少くすればコストが安くなることはわかるわけです。何か今申しましたように、今日、電気がなければ、これはまあ税法でいえば、片一方はマッチや何かにも税がついておるのですから、それと一緒だとおっしゃるが、電気とかガスというものは今日では家庭の必需品なんですからね。こういうものからは本来はとらないような格好のことができぬものかという点が一つです。  それから、もう一つ。もしそれができないとすれば、税財源のためにどうしてもできないとするならば、どうしても、たとえば橋の欄干なんかにはどんなことをしてもつけておかねばならぬものなんです。公共的なものなんです。そういうものからは税をとらぬようにしても差しつかえないのじゃないか、こう思っておるわけですが、その点について。
  62. 奧野誠亮

    政府委員(奧野誠亮君) 電気ガス税は、間接税でありますだけに、広く国民に負担を求めざるを得ない。その結果は、必ずしも担税力のない人にも電気ガス税の負担を求めることになるのじゃないかというお話、これはその通りだと思います。それが間接税の短所でもありまた長所でもあるのだということ、かように考えておるわけであります。しかしながら、比較的担税力の多い人たちの電気の消費量が多いわけでありますので、そういう意味では担税力に応じて電気、ガス税の負担を多くしているということになっていると考えているのであります。  なお、欄干の街路灯についてお話がございましたが、私たち街路灯を市町村費で設置しておりますのを相当数知っておるわけであります。また、部落協議会みたいなところで負担しているところもございます。あるいは商店で金を出し合って作っているところもあるわけでございます。市町村でやっているということになりますと、自分で税をとって、それを電力会社へ街路灯の費用として払っておるわけでございますので、これは免税してもしなくても結果的には同じじゃないか、こういうように思っておるわけであります。また、商店などがイルミネーションなどにかなりに経費を出しておるものになって参りますと、それはむしろそういう格好で税を負担してもらってもいいということになりますので、これはかなり、ものによって、あるいは市町村のそういうものについての考え方によってかなり違った実態になっているだろうと考えているわけでございます。
  63. 小林武治

    委員長小林武治君) ちょっと速記をとめて。    午後二時四十七分速記中止    —————・—————    午後三時一分速記開始
  64. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて下さい。  本件に関する質疑は次回に続行することとし、この程度にとどめます。   —————————————
  65. 小林武治

    委員長小林武治君) 先ほど新市町村建設促進法の一部を改正する法律案が本付託になりましたので、これよりこの法律案議題とすることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 小林武治

    委員長小林武治君) 議題といたします。  質疑のおありの方は御発言願います  速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  67. 小林武治

    委員長小林武治君) 速記を始めて。
  68. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 審議会からの答申案が出て参りまして、今度期間が延長された。その期間の間、しばしば今までは答申を尊重されるということをおっしゃっておる。しかし、法の建前の中では、やはり総理大臣の裁定ということになるから、そこにはおのずから違った結論もあり得るということが予想されますが、ただ単に、住民が非常に騒いでおるというために、期間と申しますか、冷却期間をこの際設置する必要上、まあ六カ月後に裁定をお下しになるものか、それとも答申が出て参りましてから、近々のうちに総理大臣としての裁定をお下しになるのか、この延長法案とは関係なしに、答申になったものは裁定を下されるものかどうか、その辺のことを一つ……。
  69. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私、提案理由でも申し述べましたように、公正にして円滑な処理をいたしますために、期間を与えていただけますならば、その間によく調整をいたしまして、そして住民の意向に沿うようにして参りたいと考えております。
  70. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 提案理由の中に、若干の時間的余裕を必要とするものと考えられますという、この若干という意味は、非常に法の建前からいえば、この三月三十一日で終りますから、そこで審議会等も私はタイミング的にお開きになったと思いますが、愼重に御審議ということになれば、若干という意味は非常にいろいろな意味に解釈できるし思いますが、じゃ裁定は一体この国会開会中にお出しになるものか、閉会後になるというような、大筋としてはどの辺をめどに置いておいでになりますか。
  71. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 先ほどもちょっと懇談のときに申し上げましたように、今までこういう保証をいたせばもう安心ではないかというようなことを申しましても、なかなか白熱しておりました際には、それが平らに受け入れられておりませんでした。それでずいぶん乱暴なやり取りにも相なりました。それで今度、これから与えられました時期になるべく早く、さっそくそういう措置を講じまして、これなら住民が安心であり、これなら福祉のためにはかり得るのだということを納得してもらえましたら、納得してもらえるのが、これはなるべく早くいたしたいと思いますし、さような状態になりましたら、たとえこれだけの期間の御延長を願いましても、急速に処理をいたすつもりでおりまする
  72. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、確かに一つはああいう答申案が出るということに対しましては、いきり立っているということはわかります。しかし、片一方では、裁定までに若干の余裕を置いて、そうして裁定では答申案と若干違った結論が出るかもしれぬというようなことをにおわせば、両方から東京へ陳情といいますか、そういうようなことも勘案して、私は適切な御処理を願いたい。これを六カ月間延長することによって裁定がまた延びるというようなことについては、いい工合に押えてもいただかなければなりませんけれども、片一方ではそういう東京への陳情といいますか、そういうような働きかけも相当なものだと思いますから、そういう弊害もあるということを一つお忘れなく、適切な御処理を願いたいということが一つと、もう一つは、町村合併案件が二件発生いたしております。この二件については、一つこの六カ月以内に裁定は出すということをお約束していただきたいと思います。
  73. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 第一段の点、ほんとうにこれからまた今までのような騒ぎが起りましたら大へんでございますから、その点については私どもも、今からも、これからは冷静に、ほんとうに行政的にものを扱うようにしなけりゃいけないのだということをだいぶ浸透するようにいたしております。  それから第二の点につきましても、明日になりますと、審議会に付議できる期間に入りますので、さよういたしましたら書類の整い次第、至急手続をいたしまして、そうしてすみやかに進めて参りますようにはからうことにいたします。
  74. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私もここに資料として審議会の答申案が出ておりますが、このことに関連しての質疑一つあとに保留をしておきます。
  75. 小林武治

    委員長小林武治君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めて、これより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。  新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案原案通り可決することに賛成諸君挙手を願います。    〔賛成者挙手
  77. 小林武治

    委員長小林武治君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における委員長口頭報告内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 小林武治

    委員長小林武治君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。  それから、報告書には多数意見者署名を付することになっておりまするから、本案を可とされた諸君は、順次、御署名を願います。   多数意見者署名     小柳 牧衞  西郷吉之助     佐野  廣  館  哲二     成田 一郎  大沢 雄一     加瀬  完  成瀬 幡治     中田 吉雄  鈴木  壽     本多 市郎
  79. 小林武治

    委員長小林武治君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時十九分散会