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1958-02-28 第28回国会 参議院 地方行政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月二十八日(金曜日)    午前十一時二十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 武治君    理事            小柳 牧衞君            加瀬  完君            久保  等君    委員            伊能 芳雄君            西郷吉之助君            館  哲二君            成田 一郎君            本多 市郎君            鈴木  壽君            中田 吉雄君            松澤 兼人君   国務大臣    国 務 大 臣 郡  祐一君   政府委員    自治庁財政局長 小林與三次君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   —————————————地方交付税法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○地方行政の改革に関する調査の件  (昭和三十三年度地方財政に関する  件)   —————————————
  2. 小林武治

    委員長小林武治君) これより委員会を開きます。  まず、地方交付税法の一部を改正する法律案予備審査)を議題に供します。  これより提案理由説明を聴取いたします。
  3. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  ここ数年にわたって講じて参りました各般の地方財政健全化施策と、地方団体自体における努力とにより、地方財政の再建はようやく軌道に乗って参ったのでありますが、御承知のように、地方財政健全化措置の基本問題と考えられる、いわゆる既発行地方債にかかる公債費問題が未解決のまま残されておったのであります。政府は、第二十六回国会における衆参両院地方行政委員会の決議の趣旨にも基き、今般、地方交付税率を一・五%引き上げ、増強せられた地方交付税配分を通じて、この公債費問題を恒久的に解決することとするとともに、極力、既存地方税源確保をはかり、なお一般会計における地方債を可及的に一般財源に振りかえ、地方財政健全化施策の一そうの推進をはかることといたしたのであります。これらの措置に伴い、地方交付税率を変更するとともに、単位費用について、制度改正等に伴う所要改訂を加え、投資的経費を可及的に充実し、また、測定単位新設補正方法合理化等を行うことにより、基準財政需要額算定方法合理化及び明確化をさらに推進して、地方交付税の適正な算定を通じて増加された財源を合理的かつ適正に配分するため、地方交付税法の一部を改正する必要があるのであります。  以上が本法律案提案理由であります。  次ぎに本法律案内容要旨につきまして御説明いたします。  第一は、地方交付税総額に関する事項であります。その一は、地方交付税率を一・五%引き上げ、国税所得税法人税及び酒税の二七・五%といたしたことであります。その結果、昭和三十三年度において交付すべき地方交付税総額は、昭和三十一年度分精算額百十八億円を加え二千二百四十億円となります。  その二は、普通交付税特別交付税との割合を変更し、特別交付税は、交付税総額の百分の八から百分の六に、普通交付税は、百分の九十二から百分の九十四に改めることといたしたのであります。地方交付税は、できるだけ普通交付税として配分することが合理的であって、特別交付税の額が増加することは必ずしも適当とは考えられませんので、従来の特別交付税のうちすでに定型化したものの普通交付税への移しかえをもあわせ考慮し、おおむね従来の特別交付税総額確保することとして、その割合を改めることにしたのであります。  第二は、基準財政需要額算定方法に関する事項であります。その一は、測定単位新設改廃でありまして、地方交付税算定をより合理的ならしめるためには、できるだけ客観的、かつ合理的な測定単位によることが必要と考えられます。これがため、新たに測定単位として、道府県分中「その他の土木費」に「海岸保全施設の延長」を、「その他諸費」に「恩給受給権者数」を加え、義務教育職費を「教育職員数」及び「学校数」により測定することに改めるとともに、三十二年度限りの暫定的な公債費対策として認められていた「特別地方債償還費」を本則中に規定して恒久化し、かつ、そのうち「特定債償還費」の測定単位を、「元利償還金」に改めることとしたのであります。  その二は、単位費用改訂に関するものであります。単位費用改訂については、地方財源増強地方債の減少ともにらみ合せ、可及的に投資的経費充実をはかることを中心とし、(1)期末手当増額等制度改正に伴う改訂を行うこと、(2)旅費物件費合理化建築物機械類単価是正を行うこと、(3)標準施設合理化及び近代化を促進すること等を方針として、その全般にわたり所要改訂を加えたのであります。  その三は、補正方法に関するものであります。基準財政需要額算定合理化を期する上において、単位費用とともに補正方法合理化が重要な因子をなすものでありまして、特に態容補正につきましては、現状をさらに改善する必要が認められますので、今回、道府県分態容補正係数算定についてその合理化をはかるとともに、特定債償還費につきましては、その性格にかんがみ、いわゆる公債費対策恒久化を機会に、新たに財政力補正を行うこととし、弱小団体における公債費の重圧を緩和することといたしたのであります。  以上のほか、自転車荷車税廃止等地方税法改正に即応して、基準財政収入額算定方法に関する規定整備をはかり、また、地方交付税交付時期ごとに交付すべき額、及び算定資料検査等に関しても、所要規定整備することといたしたのであります。  以上が地方交付税法の一部を改正する法律案提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 小林武治

    委員長小林武治君) 本案に対する質疑は、他日に譲ります。   —————————————
  5. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、昭和三十三年度地方財政に関する件を議題といたします。  本計画について、まず政府説明を聴取いたします。
  6. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) ただいまお手元に配付いたしました昭和三十二年度地方財政計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  昭和三十三年度地方財政計画策定に当りましては、国庫予算編成基本方針に即応するとともに、地方財政現状にかんがみ、懸案でありました公債費問題を恒久的に解決し、前年度に引き続き、歳入歳出構成是正し、可及的に必要行政水準確保して、長期にわたる健全財政の基盤の確立をはかることを基本方針といたし、これに基き、次の四点を骨子といたしたのであります。  第一は、地方交付税税率を引き上げ、既発行地方債にかかる公債費問題の恒久的解決等をはかることであります。  第二は、地方税負担最小限度合理化をはかるほかは、できるだけ自主財源確保することであります。  第三は、一般財源充実とも相待って、一般会計における地方債発行額を減少し、歳入構成是正をはかることであります。第四は、できるだけ行政水準確保をはかることであります。  以上のような前提のもとに、昭和三十三年度の地方財政計画策定いたしました結果、その歳出規模は一兆二千三百七十一億七千三百万円となり、昭和三十二年度地方財政計画に比して、九百億五千八百万円を増加することとなりました。  次に、歳出及び歳入のおもな内容について簡単に御説明申し上げます。  先ず第一に、歳出について申し上げます。その一は、給与費であります。給与費につきましては、昇給義務教育職員高等学校教職員費等増加に伴う給与費の増、退職手当暫定手当管理職手当等の増を見込んだ結果、前年度に比し二百九十六億九千五百万円を増加し、四千七百三十二億六千一百万円となっております。  その二は、恩給費であります。恩給費につきましては、昭和三十一年度決算を基礎として増加率を考え、なお文官恩給是正に要する経費等を加減して算定した結果、前年に比し四億四千五百万円増の二百十八億三千万円となっております。  その三は、その他の消費的経費であります。このうち、国庫補助負担金を伴う経費については、それぞれの国の予算額基礎として積算を行い、国庫補助負担金を伴わない経費については、昭和三十二年度の地方財政計画の額を基礎として、これに増減経費を加減いたしました。その結果、国庫補助負担金を伴う経費は一千二百七十二億七千二百万円となり、前年度に比し六十七億七千二百万円を増加し、国庫補助負担金を伴わない経費は一千五百三十五億六百万円となり、前年度に比し二億七千二百万円の増加となっております。  なお、国庫補助負担金を伴わない経費につきましては、国の予算編成方針に準じて、旅費物件費等の二%程度の節約を行うこととしたほか、人口増に伴う経費の増、旧法戸籍改訂事務に要する経費増等を見込んでおります。  その四は、公債費であります。公債費は八百二十八億四百万円であり、前年に比し六十億七千三百万円の増加となっております。公債費累増につきましては、つとにその根本的対策確立が問題となっていたのでありますが、今回、地方交付税率一・五%を引き上げることにより、その配分を通じて公共事業債等特定地方債元利償還金の一部について財源措置を行うこととし、既発行地方債にかかるいわゆる公債費問題について恒久的解決をはかるものとするとともに、なお後に述べますように、一般財源増強に伴い、一般会計における地方債発行額をさらに減少せしめ、将来における公債費累増を押えることといたしました。  その五は、道路橋梁等維持補修費であります。この経費は四百十九億四千五百万円で、前年度に比し二百六十一億九千万円の増となっておりますが、これは道路橋梁の現況にかんがみ、その維持補修費最低必要額を見込んで算定いたしたものであります。  その六は、公共事業費であります。公共事業費については、国の予算額に基き積算いたしたのでありますが、前年度に比して三十五億三千三百万円を増し、一千九百二十七億二千六百万円となっております。このうち、増減の著しいものは、道路整備事業費の増二十九億八千九百万円、臨時就労対策事業費の増二十億四千五百万円、災害復旧事業費の減三十七億二千四百万円等であります。  その七は、失業対策事業費であります。失業対策事業費につきましても、公共事業費と同様の方法によって積算をいたしましたが、前年度に比し三十八億三千七百万円を増加し、三百四十億七千七百万円となっております。  その八は、国庫補助負担金を伴わない建設事業費であります。これは昭和三十二年度地方財政計画の額を基礎として、道路整備五カ年計画との関連における道路整備事業費の増一百五億円、下水屎尿処理施設等環境衛生施設整備に要する増七十九億八千万円、義務教育施設整備のために必要な敷地買収費に要する増十五億七千五百万円、新市町村建設に要する経費の増二十億六千三百万円等を見込んで算定いたしました結果、前年度に比し二百二十八億三千八百万円を増し、一千三十二億八千四百万円となっております。  第二は歳入であります。  その一は、地方税収入であります。税収入のうち、普通税につきましては、前年度地方財政計画上の額に対しまして四百九十一億九千七百万円の増加が予定されるのでありますが、国税減税並びに地方税負担合理化をはかるための税制改正により二十億四千六百万円減収となりますので、差引四百七十一億五千一百万円の増収となり、総額四千九百六十三億七千二百万円となっております。  目的税につきましては、二十七億二千三百万円の自然増収及び制度改正による増一億二千八百万円が見込まれ、百四十一億四千三百万円となっており、その結果、地方税収入総額は五千百五億一千五百万円と見込まれ、前年度に比し五百億二百万円の増加となっております。  その二は、地方譲与税であります。譲与税収入については二十五億八百万円の増を見込んで三百二十一億七千四百万円と算定いたしました。これは、入場譲与税については自然増収六億二千九百万円を見込み、百八十三億三千六百万円、地方道路譲与税については、自然増収十七億八千万円を見込み百三十一億五千三百万円、特別とん譲与税については、自然増収九千九百万円を見込み六億八千五百万円と算定し、これらを合算いたしたものであります。  その三は、地方交付税であります。地方交付税総額は二千二百四十億一千一百万円を見込みましたが、これは法定の繰入率を一・五%引上げることとし、減税後の国税三税の収入見込額七千七百十六億八千一二百万円の二七・五%の額に、昭和三十一年度の精算分百十七億九千八百万円を加算して算定したものでありまして、前年度に比し二百八十六億三千九百万円の増となっております。  その四は、国有提供施設等所在市町村助成交付金であります。これは十億円で、前年に比し五億円の増となっております。  その五は、国庫補助負担金であります。国庫補助負担金は、義務教育費負担金において五十八億六千四百万円の増、その他の普通補助負担金において三十一億二千二百万円の増、公共事業費補助負担金において十三億六千七百万円の増、失業対策事業費負担金において二十二億八千五百万円の増でありまして、総計において、前年度に比し百二十六億三千八百万円を増し、三千八十二億三千八百万円となっております。  その六は地方債であります。地方債につきましては、地方団体歳入構成をできるだけ合理化するため、一般財源充実に伴い、一般会計においてこれに振りかえることを適当とする地方債を減少せしめることを基本方針といたしまして、地方財政計画に計上する地方債は、前年度に比し七十億円を減じ、四百五十億円といたしたのであります。  なお、明年度における地方債としては、地方財政計画に計上する右のほかに、公営企業債四百八十億円、収益的建設事業債六十億円、退職手当債十億円を予定しており、地方債総額は一千億円であります。資金別内訳は、政府資金八百五十億円、公募百五十億円であります。  その七は、雑収入であります。雑収入につきましては、昭和三十二年度地方財政計画額基礎とし、これに所要増減を行なった結果、一千百六十二億三千五百万円となり、前年度に比し二十七億七千二百万円の増となっております。おもな内容は、高等学校生徒増に伴う授業料の増、給与費の増に伴う恩給納付金の増、発電水利使用料料率引き上げの平年度化に伴う増、及び国庫補助負担金を伴わない建設事業費の増に伴う受益者分担金増等であります。  以上が昭和三十三年度地方財政計画概要であります。これを要約いたしますと、前年度計画額に比し、地方税増収が五百二十五億円見込まれ、これに二百八十六億円の地方交付税の増を加えて、一般財源はかなり充実することとなり、これによって、義務的経費増加減、その他国の諸施策に伴う必要経費をまかなうほか、地方債七十億円を減額して、歳入構成是正をはかり、さらに、行政水準確保のために約三百数十億円の経費を計上することができたのであります。地方団体における行政水準実態に省みるときは、もとより不十分のそしりを免れないのではありますが、前年度のそれと比較するときは、改善の度合は見るべきものがあり、地方財政は、実質的意味においてもその健全化を推進することができるものと考えております。本計画により、地方財政をめぐる諸問題は一段と解決の歩が進められたのでありまして、なお残された若干の問題につきましては、政府としてもさらに解決努力を重ねてゆきたいと存じますが、各地方団体においても、それぞれ自主的にすみやかに財政健全性の回復ないしは財政構造合理化を達成し、長期にわたる健全財政基礎確立するように、積極的に推進して参りたいと存じております。
  7. 小林武治

    委員長小林武治君) 次に、政府委員より詳細説明を聴取いたします。
  8. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 財政計画内容につきまして、お手元にお配りいたしました「昭和三十三年度地方財政計画説明」、この資料に基きまして御説明をいたしたいと思います。  この第一ページに、地方財政計一画の策定方針及び基本的な考え方を書いてございますが、これは今長官から説明のあった通りでございまして、一つは、交付税率改訂して、既発行地方債にかかる公債費問題の恒久的解決等をはかる、これが一点でございます。それから既存財源はできるだけ確保して、ほんとうの税制につきましては最小限度合理化にとどめることにしたい、それが二点。それから一般財源充実とも相待って、一般会計において一般財源に振りかえることを適当とする地方債を減額いたしまして、歳入構成是正をはかる、歳入の姿を正しくしたい、これが第三点。それから第四点は、できるだけ行政水準確保をはかりたい、特に新市町村建設につきましては意を用いたい、これが四点でございます。こういう基本的な考え方財政計画を組んだのでございまして、その中身につきましては、次の四ページの第二表をごらん願いたいと思います。  ここに三十三年度と三十二年度の比較がございます。こまかいことはまたあらためて御説明いたします。これを概観いたしますと、給与費におきましては四千七百三十二億で二百九十六億の増になっております。各費目別経費がここに書いてございますが、こまかいことはあとで御説明を申し上げます。それから恩給費の増、これはもう全く義務的な形式的な増でございます。それ以外の「その他の経費」といたしまして七十億ふえておりますが、そのうち、国庫補助負担金を伴うものにつきましては、総額が千百七十二億で六十七億の増で、特に申し上げたいことは、義務教育関係教材費の増でございます。これが新しく教材費につきまして国庫補助負担制度がとられることになりましたのに伴う増で十六億ございます。それから、その他の消費的な経費生活保護とか児童福祉関係とか、その他の経費で五十五億ふえております。それから国庫補助負担金を伴わない、地方単独消費的経費におきましては、二億七千万の増でございます。それで総体的に消費的経費におきまして、三百七十一億の増、公債費は六十億の増、維持補修費は百六十一億の増、それから投資的経費は、公共事業で三十五億ふえておりまして、失対が三十八億、こういう増になっております。これはもういずれも国の施策に伴う経費でございまして、格別に手を加えておりません。それから三番目が、国庫補助負担金を伴わない建設事業費で、これが二百二十八億で、われわれが、地方行政水準をできるだけ確保するために財源を与えるべきだと考えておりました経費総体でございます、この内訳もあらためて御説明を申し上げます。  それで総額が九百億ふえまして一兆二千三百七十一億、国の財政規模が一兆三千百二十一億でございますから、国全体の財政規模から比較しますと七百五十億ほど総体的には小さくなっております。これは地方財政計画が、昨年度は御承知通り、国より百億多いのでございまして、むしろこれでは地方財政規模が小さくなり過ぎておるのではないかという議論も一面においてあり得る問題でございますが、国の財政予算の上におきましては、例のたな上げ資金等の問題もございまして、実質的な規模におきましてはまずとんとん、こういうふうにわれわれとしては考えておるのでございます。そのうちの歳入の問題もあとから詳しく申し上げることにいたしまして、第三表、六ページの「増減事由に関する調」を作ってございますから、そこで増減内容を概観をいたしたいと思います。このうち歳出につきましては、給与費関係の増が二百九十六億ございますが、その給与費の増のうち、一つ昇給による当然の増でございます。この昇給につきましては、従来四%の昇給率を見込んでおりましたのですが、実態から考えまして、それではどうにも足らぬので、四・二%ということにいたしました。それと、つまり人員増に伴う増を含んで百五十一億、人員の増というのは、消防関係職員とか、あるいは産業教育振興のために文部省の方でも特別措置を設置しますから、それに対応する職員の増とか、あるいは高等学校とか幼稚園等の当然児童生徒数に伴う増とか、職業訓練法等の新しい制度ができましたのに伴う増とか、そういうような職員の増を約四千百人ほど見込みまして、そうしてこの数字を計上いたしたのであります。それから(ロ)は、義務教育水準確保で、これもあらためて申し上げますが、新しく文部省の方で教員の標準定数を作って、できるだけ妥当な標準数確保したい、それに伴いまして、差し引きいたしまして純増三千七百人ほどの増を去年よりいたすことにいたしておりまして、それに伴う増がここに現われておるのでございます。それから、期末手当の増は、これは去年制度がきまりましたもので四十二億、石炭、薪炭手当単価改訂の増二億八千万、それから通勤手当は、御承知通り今度新しく国家公務員について制度が設けられますので、それに見合う歳出として三十億、それから暫定手当の切りかえは、これはもう去年発足いたしました本年度分でございまして三十七億、管理職手当につきましては、小中学校の校長につきまして新しくこの制度が設けられますので、小中学校だけというわけにもいきませんので、高等学校あるいは大学等学校長学部長につきましても同様の措置をすることにして九億七千万、これは本俸の七%の割合でやっております。それから合併による減五億九千万、これは合併計画の進捗に伴いまして、新市町村建設計画の一環として、できるだけ消費的経費を節約する、そうしてそいつを投資的経費に回わすというのが従来からの基本方針でございまして、その計画に従いまして五億九千万減じ、逆にこの経費を全部投資的経費に回わすという考え方で、一番下の方の欄の投資的経費のうちに、新市町村建設経費二十億の増を見込んでおります。この減の要素も入れて、さらに積極的に二十億ふやしておるわけでございます。大体そういう総体で二百九十六億になっております。  恩給及び退隠料は先ほど申し上げた通りであります。  それからその他の経費は、補助金を伴うものと、伴わないものとありますが、これもあらためて御説明申し上げます。  公債費は六十価、道路橋梁維持補修費が百六十一億、これが目立っておるのでございますが、これはかねてから地方財政計画上非常に不十分で、われわれの考えでは、むしろこれはもう純義務的な経費だと考えておる経費でございます。要するに、道路橋梁現勢を維持するためには当然ある程度の維持補修費が必要で、われわれにすれば、人間に給与を与えて生活を保護するとともに、こういう施設につきましてはある程度砂利その他を食べさせて、やはり現勢を維持する、そういう経費として、百六十一億は必ずしも十分じゃありませんが、幸いにしてこれだけ充実することができたのでございます。  それから投資的経費の、国の予算増減に伴うものが総体で七十三億でございまして、それから国庫補助金を伴わない建設事業が二百二十八億、これは、われわれが行政水準確保として従来議論をしておった経費でございまして、その内訳が、下水屎尿処理等の都市的な施設環境衛生施設中心にして七十九億、それから道路整備が百五億、これは道路につきましては、新しく五カ年計画が国において立てられまして、国も大幅に仕事をやる、それに対応して地方単独道路事業も当然整備する必要がありますので、百五億ほど見ることにいたしたのでございます。それから義務教育学校敷地買収費として十五億、これはまあ従来当然こういう経費を見るべきものであったのですが、計画上も十分でない。場合によっては当然国の補助の対象としてもいいものとわれわれは考えておりますが、残念ながらことしはその問題は補助としては解決しておりません。しかし自活庁といたしましては、起債の運用に当りまして、必要な敷地はやっぱり起債の対象に来年度からいたしたい、そういう考えでおるのでございます。それから、新市町村建設関係として二十億、災害復旧七億二千万というのは、単災でございまして、従来、単独災害についての手当てが少いじゃないかという問題が、ございまして、これはまあこれで十分とは必ずしも言えぬかもしれませんが、まずまずのところで七億二千万、こういう経費でございます。  それから税の方は、普通税自然増収に伴う普通税の増が四百九十一億、国税減税、または今度の税制改正による増減を計算いたしまして二十億あって、合計四百七十一億の増でございます。それから目的税につきましても同様な計算をいたしまして二十八億の増で、それで合計五百億、それから譲与税においては二十五億の増、こういう考えでございます。交付税とか、基地交付金は特に申し上げる必要もありません。国庫支出金は百二十六億の増で、地方債を七十億減らし、雑収入が二十七億ふえて、結局九百億、こういうことに相なっておるのであります。  それで、次のページに、大まかに歳入歳出構成で前年度のと対比をやってみたのでございます。そういたしますと、地方税におきましては、明年度は五千百五億で四一・三%になります。去年は四〇・二%だったのが四一・三%、構成比じゃ比率が上っております。譲与税構成比は前年通り、それから交付税が一七%から一八・一%これも上っております。国庫支出金は二五・八から二四・九とやや減、地方債は四・五から三・六と、これも減じております。雑収入はちょっと減っております。それで全体としての伸び率を一番右の欄に書いてございますが、結局交付税と地方税の伸びが大きく、まあ基地交付金は倍になっております。これも大きいですが、そうして地方債が減ったというのが大勢でございます。歳入の面におきましては、とにかくも一般財源がやや割合からいって、増強されたということが言えると思うのでございます。  それから歳出の面におきましては、消費的経費が六四・九から六三・二と、これは構成比が減っております。それから公債費がとんとん、絶対額がふえておりますがとんとん、それから維持補修費が二・三から三・四で、ちょと伸びております。投資的経費は二六・一から二六・七で、これもちょっと伸びております。結局この維持補修費投資的経費におきまして去年より伸びて、それから消費的経費におきまして減ったと、これもまあ歳出構成からいえば、一段と健全性を増したんじゃないか、こういうふうに大観できると思うのでございます。  それから次に、ややこまかい説明を書いてございまして、そのうち特に重要な面だけを拾って御説明を申し上げたいと思います。給与費のうちの、一般職員及び義務制以外の教員の給与費の問題でございますが、これは先ほども申しました通り昇給率を四%から四・二%にしたという問題が一つ、それから新しく考えられております通勤手当管理職手当、それから従来から引き続きの期米手当、石炭及び薪炭手当増等を見込んで計算をして百四十八億の増になったのでございます。それから次に臨特職員の問題でございまして、臨時職員はできるだけ一般化すると、こういうのが基本的な考え方で、国家公務員につきましてもこの方針がとられたのに対応いたしまして、地方もそれに準じてやる。国家公務員につきましては、常勤労務者の二割をこのたび定員化することになりましたので、地方においてもそれに見合うことをやろうじゃないか、それで計画においてその二割を定員化する方針をとったのでございます。  それから警察職員につきましては、先ほどもちょっと申しました通りその実態、勤務の特殊性にかんがみまして、超勤を上げることにいたしたのであります。超勤を従来の六%から九%に引き上げることにして、その他の問題は一般職通り、この点だけは特に御報告申し上げたいと思います。  その次は、義務教育関係職員給与費でございまして、これはまあ来年の問題としては大きな問題点の一つだろうと思います。これは御承知通り明年度は小学校の生徒は、ここに書いてあります通り五十一万人ふえるんですが、中学校の生徒は五十万これは減ります。その差引増減に伴って始末を考え、なお学校統合の進捗等による教職員増減を考え、その上にさらに、従来の極端なすし詰め学級と申しますか、そういうものをできるだけ緩和したいという考え方で、そういう増を五千人ほど見込みまして、結局昨年より差引——ちょっと九ページの第五表をごらん願いたいんですが、それによりますと、まあ児童生徒の増減に伴う増減は三角の千人になります。しかし学校統合による増減も二百五十一人の減になりますが、学級規模の適正化による増五千人を考え、差引、前年度より三千七百四十九人の教員をふやす、こういう前提で財政計画を組んでおるのでございます。これを具体的に各県にどうして割り当てるかという問題が、今度文部省から提案になります教職員標準定数に関する法律の問題でございまして、それぞれこれは実施上いろいろむずかしい問題があろうかと思いますが、その法律に基いて各県の定数を合理的に算定をする、そうして、自治庁といたしましては、その法律の予定しております教職員というものを、先ほど交付税法の説明で大臣も申しました通り単位費用に組んで、交付税の上からこの給与費を保障する、こういうことで適正な教職員給与というものを各府県に公平な基準で確保いたしたいという考えでおるわけでございます。  それから議員委員の報酬は、これは国の特別職もふえるので、それに見合ってふやすことにいたしました。  恩給、退隠料は特に申し上げることございません。  それからその他の経費で、国庫補助負担金を伴うものにつきましては、第六表、十ページにその国の補助負担金の表がございます。要するに表に基きまして地方財源所要額を計上いたしたわけでございます。そのうちで特に申し上げたいのは、先ほども触れましたが、文部省所管の教材費の負担、これはPTAその他によく公費負担のものが転嫁されているという問題が議論になっておりますが、その中心一つ教材費でございまして、教材費の国庫負担制度確立するということが問題点の一つだったのでございますが、ことしは、まあ必ずしもわれわれ十分だとは考えておりませんが、ともかくも一部制度確立した、それに見合う経費財政計画の上におきましてもはっきり確保する、こういうことにいたしたのでございます。その他は厚生省所管研管の社会保障関係、保健衛生関係の経費の増が顕著なものでございます。あとはまあごらん願いたいと思います。  このほかに、この備考にちょっと書いてありますが、国庫支出金として形の上で地方団体にいく経費として、まだ国の予算では三十億ほどございます。それは地方団体を経由して個人に通り抜けになっておりますので、財政計画の土においてはこれは除外いたしております。  それから十一ページにいきまして、国の補助負担で補助率の変更のあったもの、あるいは新設、廃止のあったもの、その主要なものを拾って掲げてございます。補助率の変更、消滅の問題につきましては、予算の編成の過程でずいぶん議論があったのでございますが、結局まあほとんど全部もとへ戻りまして、多少の変動があったにとどまったのでございます。  そのうちの(イ)は、補助率の変更が行われたものでありまして、これは小さいもので、特に申し上げることはないと思います。そのうちに義務教育教材費があらためて二分の一になったことも書いてございます。それから新設されたものがここに十数件ございます。金額的に言えばそれほど大きな金額のものはございません。それから全然廃止されたものがあります。これはまあいわば零細補助金と申しますか、その他補助の目的をおおむね達成しておるということでやめになったものでございまして、金額から言いましても取るに足るほどのものとは申せません。  それから国庫補助負担を伴わない経費で、ございまして、これは総額が千五百三十五億、これにつきましては、われわれの考えは、去年の財政計画基礎にして、減らすものは減らし、ふやすものはふやすと、こういう考え方で参りまして、国におきましても、この旅費物件費等の節減をはかって、これを建設的な方向に回すという基本方針をとっておりますので、地方においてもそれに準ずる措置をとる必要がある。地方には地方の実情がございますので、国並みにはいかぬので、地方の実情に合うように旅費物件費等で二%程度を節約する、こういうことにいたしまして、そのほかに人口の増に伴う経費とか、あるいは戸籍法の改訂に伴う経費の増、あるいは国庫補助負担金の廃止とか、一般財源の振りかえに伴う経費の増とか、海区漁業調整委員の選挙費の増とか、そういうようなものを差引計算をし、なお合併の進捗に伴う消費的経費合理化の減も入れまして、結局差引二億七千一百万円の増にいたしたのでございます。それからこの一般財源に振りかえられました国庫補助金はきわめて小さいもので、ここに二つございます。  それから次のページに公債費がございまして、公債費につきましては六十億の増になっております。これは従来、自治庁の資料でよく七、八十億ふえるのじゃないかという資料が出ておりますが、その前提として、明年度われわれは、やはり一般会計においても必要な起債は確保すべきだ、むしろ起債を増額する必要があるという前提で議論をしておりましたのでふえたので、確定的に、むしろ七十億の減になった数字を基礎にいたしますと六十億の増でございます。元金が四百七十一億、利子が三百五十六億と、合計八百二十八億です。この元金と利子との割合でございますが、去年が三百九十九と三百六十七で、大体見合った形でございましたが、今後はむしろ元金がだんだんふえていく、こういう形勢になろうと思うのであります。当初におきましては、大体元金と利子と半分々々でございますが、償還が進むに従って元金の割合がふえていくということになっております。そこで、この八百二十八億——総額で去年より六十億の増でございますが、これにいたしましても、相当な経費でございまして、御案内の通り公債費の借り入れの方は四百五十億でございますから、その借りる方よりも倍近い借金返しをせざるを得ない、そこにやはり一つの問題点があろうと思っております。  それからなおこのほかに、ワク外に書いておきましたが、再建価債というものの償還費が百億ございます。この再建債は財政計画に載せておりません。要するに、計画上のいろいろな歳出のつまり始末をするとか、あるいはその他の収入の増をはかるとかということによって再建債の償還をはかるという建前になっておりますので、現実のそれぞれの団体におきましては、この百億の重みというものが別に加わってくると、この点だけははっきりしておく必要があろうと思うのでございます。  それから維持補修費は、先ほど申しました通り、百六十一億で、道路橋梁、河川を中心にいたしまして、建設省の専門家の意見を基礎にして、普通の砂利道ならばどれくらいの補修費が要るかということを前提にして、一応この金額を計上いたしたのでございますが、専門的な意見から見れば、まだこれは十分な数字にはなっておりません。しかしながら、これだけふえればだいぶ面目を変えることができるのじゃないかというふうな期待を多少持っておるのでございます。  それから投資的経費におきましては、公共事業の問題でございまして、公共事業につきまして特に申し上げたいのは、災害復旧の問題でございまして、災害復旧は全体で三十七億減っております。これは国の方針に従っただけの問題でございますが、この災害復旧事業に対する扱いによって、過年災の復旧率は、大体二十六年災、七年災三十年災は百パーセント完了、ところが二十八年災と二十九年災は残事業の五〇%程度、三十一年災は総事業の八五%程度、三十二年災については総事業の六五%程度を完了する見込みになっております。でございますから、三・五・二の比率で災害の片をつけたいという基本的な考え方は、まだ十分に貫かれておりません。こういう災害のない年に過年の災害の片をつけるということが、われわれ地方財政の立場から見ても、災害対策の上から見ても必要じゃないかという考え方を一貫してとっておったのでありますけれども、まあ来年度の予算におきましては必ずしも十分貫かれておらぬ。非常に残念でございますが、やむを得ない次第でございます。  それから公共事業費のおもなる費目は、第十表に掲げてございます。これでごらん願いたいのですが、そのうちで一番伸びるのが道路整備で二十九億、臨時就労で二十億、これが一番大きく、その他それぞれ多少伸びて、総体で七十二億の増、災害復旧では、逆に三十三億の減になっておるのでございます。そこで差引計算して三十五億の増と、こういうことでございます。災害の減を考えなければ、全体としてはやはり相当伸びておる計算になっております。  それから、その次の十五ページに参りまして、失業対策事業費ですが、これは三十八億失対がふえております。その前年度との比較がその表に出ておりまして、中心は吸収人員の増で、ございますが、単価も多少変っております。労務費が三百二円から三百六円、事務費が三十一円九十一銭から三十四円三十三銭と、多少変っておりますが、これはいずれも国の施策に右へならえでございます。  それから3は、国庫補助金を伴わない事業でございまして、これは先ほどそれぞれ内訳を申し上げましたが、そのうち災害復旧事業につきまして、従来単独災害を公共災害に対する比率として一五・六%をとっておったのでございます。この率が少いじゃないかということでいつも議論になったのでございまして、これはすこぶるごもっともな点があるわけです。これは、ことし、その災害につきましてはほんとうにどれだけかかるのかというので、各省の係官とも共同して自治庁で各地の災害の実態を見ました結果、それを実態に合せて総体計算をしますと、大体一八%程度で済むと、こういう数字が出て参りましたので、一五・六から一八%に引き上げるという建前をとったのでございます。もっとも、個々の団体におきましては、もちろん食い違いがあろうと思いますが、われわれといたしましては、今後は単災の扱いはそれぞれの市町村実態基礎にして問題を考えたいと、総体としてはまず一八%で済むと、こういう前提でおるわけでございます。そういうことで、いわゆる行政水準確保の問題として二百二十八億ふやすことができましたが、これはわれわれの目から見れば、もちろんまだ十分なものだとは考えておりませんが、相当な進展になるということだけは言えるのではないかと存じております。  それから、その次の交付税の不交付団体における問題は、これはまあ特に申し上げるようなこともございません。  歳出が以上でございまして、歳入は、まあこまかいところはまた税務当局の方から、それぞれ御説明があろうと思いますが、総体的に見て、現行制度における増減が、道府県税、市町村税、目的税を合せて五百十九億、それから税制改正等による増減が三角の十九億で、差し引き五百億ふえると、こういう計算になっておるのでございます。この点で、この間も一応問題がありましたが、住民税の問題で、このほかに四十億ほど隠れておるじゃないかという議論があったので、ございまして、これは先ほど説明しませんでしたが、計画の備考の方に、本表に掲げるもののほか、住民税の所得割についてなお四十億が見込まれるということを、正式の計画の上において明示してございます。三ページの備考でございます。この前御説明申し上げた通りでございますが、これはわれわれの考えでは、財政計画は、要するに標準税の標準的な収入を基礎にして標準的な歳出を考える、こういう前提に立っておりますから、全部標準税率によって税を見るべきじゃないか、それ以外に法定外の税を取ったり、あるいは超過課税を取ったりしておるところがありますが、それはまあ個々の団体の個々の扱いの問題でありまして、これをある団体が取ったからといってふやす、取っておらぬからといってマイナスにするということでは、むしろこの財政計画の趣旨からいっていかぬじゃないか、こういう前提で貫いて参っておるのでございます。そこで住民税につきましては、従来住民税は課税方式がいろいろございまして、第一方式、第二方式の問題を一体どう見るかというのでいろいろ議論があって、結局、第一方式と第二方式を五割々々あるものだと、こういう前提で計画を組んでおったのでございます。ところが、今度準率の制度ができた以上は、やはり準率を一つ基礎にして考えるべきじゃないか。それで自治庁といたしましては、準率によって住民税の所得割を見込む。ところが、去年の計画では第二方式で半分見込んでおりますから、それは実質的に言えば、準率の超過の課税に当る分が現にあるじゃないか。それで去年との比較においてはなお四十億程度は現に残っておるじゃないかと、こういう問題があったのでございます。事実われわれ準率をとった以上は、現実の個々の団体では、必ずしも減税を全部やっておるとは限っておりませんが、準率に向ってできるだけ税を公平化するということが趣旨であるという考え方をとっておりまして、逐次無理のない準率のところに、それぞれの税負担が軽減されることを期待はいたしておるのでございますが、現にまだ四十億程度のものがこれは残るであろう、そういうので、その残るであろうという数字は、去年は計画の中へ現に入っておったのだが、そことの比較においてはそういうことがある、そういうことだけを(注)に明らかにしようじゃないか、こういうことでこれは書くことにいたしたのでございまして、この数字はむしろ将来もう消えてなくなるべきものだというのが、われわれの基本的な考え方なのでございます。それだけのことで、備考にその点を、去年と比較した上、去年が入っておったのに、全然ベースを違わせるのはおかしいじゃないかという問題がありましたので、その点だけを明らかにしるして置こうということにしたのでございます。  それから、この個々の税の増減は十七ページにそれぞれの税について掲げてございます。十七ページ及び十八ページ、県及び市町村について書いてございますから、ごらん願いたいと思います。  それから次の十九ページは譲与税で、これは特に申し上げることはありません。交付税、この交付税も申し上げることはございません。一番下の国庫支出金でございますが、この国庫支出金は総額で三千八十二億でございます。とうとうまあ計画上も三千億を突破した支出金が公共団体に入っております。この三千億と、いわゆる交付税の二千二百四十億の五千二百何億—五千三百億程度の数字が、要するに国の予算の中から地方へいわば通り抜けになっていると、こういうことが国の予算の上におきましては、われわれは考慮すべき問題点の一つだと考えておるのでございますが、そのうちの国庫支出金がふえましたものの一番大きな、義務教育関係の国庫負担金の増で五十八億ございます。百二十六億のうちの半分近くは義務教育費関係の国庫負担金の増でございます。その中心は、教職員の今の給与費の問題でございますが、なお教材費も一応ここへ加算してございます。その他の公共事業関係の負担金が十三億、失対が二十二億、それからそうでない、社会保険とか社会福祉とか、公衆衛生関係とか、保健関係とかいった消費的な国庫補助負担金の増が三十一億、こういう内訳になっているのでございます。  それから最後のページの地方債、この地方債も今までしばしば御説明申し上げたのでございますが、要するに、前年度に比して財政計画の上においては七十億の減になっております。それ以外にはこの収益的建設事業退職手当債公営企業債計画外として扱っておりまして、これはまあそれぞれ多少の増減がございます。要するに一般会計が減り、収益的建設事業が十億ふえ、退職手当債も、実際にかんがみまして二十億減らす、公営企業の方に十億回した、総体として差引七十億の減。このうち資金の内訳の問題ですが、一般会計は全部政府資金、これもまあ一つ進歩した点でありまして、一般会計は、われわれは当然政府資金でやるべきものと、こういう前提でおったのでございます。その他の内訳につきましては、総体的に政府資金が八百五十で、公募が百五十、この公募債の中の百五十の中で、例の公営企業金融公庫が引き受けるものが八十、公庫の引き受けないものが七十、こういう計算になります。それで大体この七十億というのがいわゆる指定公募債で、大府県、大都市等が市場に公募しておるのが七十億でございまして、結局それ以外のすべての府県、市町村の公募分は全部公庫で引き受ける、公庫債八十億の中で全部引き受ける。ですから一般の団体におきましては、公募の心配はもうさせぬという前提になっているのでございます。まあもっともそのワクが少いじゃないかという根本問題はありますが、要するに借りにつきましては全部公庫で世話をしてやるということになったのでありまして、この点も非常な進歩であります。しかしながら、ただ問題は、いわゆる指定公募債の七十億でございます。これはまたあらためて御説明申し上げたい問題点ですが、これはなかなか実際はこのごろ消化に困難をいたしておりまして、率直な話が、本年度におきましても相当繰り越しができるのじゃないか、われわれは市場公募債の消化につきまして、日銀とか大蔵省関係とか、いろいろ話を進めておりますけれども、おくれおくれになっております。こういうことではその大府県の仕事が進まぬので、むしろこういうものにつきましては公庫の方でめんどうを見てやる道を開かなかったならば、指定公募債の動きがつかぬのじゃないかという問題が一つありまして、これは今後の問題点として、われわれといたしましても一生懸命に対策を講じたいと、こう存じております。  それから雑収入の二十七億の増は、これはもう取り上げて申し上げるほどのこともございませんので、この表をごらん下さって御了承を願いたいと思います。
  9. 小林武治

    委員長小林武治君) 本件に関する質疑は、次回に譲ります。
  10. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 昨年の給与の切りかえの実態に関する資料というのがありますか。
  11. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) どういう……。
  12. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 大体五・二%で横すべりをやっているのだろうと思いますが……。
  13. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 給与実態は、これは切りかえは、私は全部やっておると思います。それでございますから、ただ、切りかえたあと給与の額がどうなっているか、こういう実は問題がございまして、私は給与の切りかえの前後の措置を見ぬといかぬので、今度また公務員課の方で、給与実態調査をやろうというので、今度所要予算を取っております。そこで全府県市町村をもう一ぺん洗って、実態を来年度の事業として調べて、対策も考えたい、こういうふうに考えております。
  14. 松澤兼人

    ○松澤兼人君 今、そうするとそういうものの資料というものはないわけですか。ある程度の資料があれば、それを一つ見せていただきたい。合併後、合併町村の中で調整をやっている分があるのじゃないかと思いますが、そういうようなこともわかるように、給与の切りかえ、調整、そういう資料がありましたら見せていただきたいと思います。あるいは公務員課かもしれませんが、連絡していただきたいと思います。
  15. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) あるだけの資料は差し上げたいと思います。個々の具体的なやつはまとめたものがあるかどうか疑問ですが、調べてあるものは差し上げます。
  16. 加瀬完

    ○加瀬完君 資料のお願いですけれどもね。これは財政局長の方にお願いするのは筋違いかもしれませんが、今御説明のありました、標準税率を用いておる市町村と、標準税率を用いないで従来の方法でやっておる市町村の、大体傾向といいましょうか、数といいましょうか、そういうものを一つお出し願いたいと思います。  それからもう一つ、今、松澤先生の方からお話がありました、一応給与の切りかえをいたしましても、まだ国、府県と比べると、はるかに市町村は低いと思うのです。そこで、大体の中小都市あるいは町村、こういったものの一番高いところと、一番低いところでもいいですから、やはり給与の傾向というようなのがどれくらいの線におさまっているか、その二つの資料をあわせてお願いいたします。
  17. 小林與三次

    政府委員小林與三次君) 今の給与のやつは、あるだけの資料を差し上げます。こういうのは率直に申しまして、全市町村を調べないとわからぬものですから、それで、切りかえが高い、あるいは安い、まだいろいろ議論があるので、もう一度根本的に調べようじゃないかということで、予算を取ることにいたしたのでございます。現にあるだけのことは一つ御報告申し上げます。
  18. 小林武治

    委員長小林武治君) 本日は、これにて散会いたします。次回は、三月四日午前十時より開会いたします。    午後零時三十一分散会