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1958-04-08 第28回国会 参議院 大蔵委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月八日(火曜日)    午後一時三十七分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河野 謙三君    理事            大内 四郎君            西川甚五郎君           小笠原二三男君            平林  剛君            天坊 裕彦君    委員            青木 一男君            木暮武太夫君            土田國太郎君            宮澤 喜一君            廣瀬 久忠君            山本 米治君            大矢  正君            栗山 良夫君            野溝  勝君            杉山 昌作君            前田 久吉君            野坂 参三君   委員外議員    農林水産委員長 重政 庸徳君   衆議院議員            竹山祐太郎君            内藤 友明君   政府委員    大蔵省為替局長 酒井 俊彦君    国税庁長官   北島 武雄君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君   説明員    国税庁間税部長 泉 美之松君     —————————————   本日の会議に付した案件たばこ耕作組合法案衆議院提出) ○たばこ専売法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○外国為替及び外国貿易管理法の一部  を改正する法律案内閣提出) ○租税及び金融に関する調査の件  (租税行政に関する件)     —————————————
  2. 河野謙三

    委員長河野謙三君) これより委員会を開きます。  まず、たばこ耕作組合法案について提案理由説明を聴取いたします。
  3. 竹山祐太郎

    衆議院議員竹山祐太郎君) ただいま議題となりましたたばこ耕作組合法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げさしていただきます。  本案は、御承知通り、昨年五月に衆議院提出されまして、継続審議になっておりました案件であります。その際、趣旨につきましては申し上げましたので、詳しい説明は省略をさしていただきますが、その後衆議院参議院等の御意見を十分尊重いたしまして、衆議院において修正が加えられまして、今回参議院の御審議をいただくことに相なったわけであります。その修正点につきましては、修正案提案者である内藤議員から御説明を申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  4. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 引き続きまして内容説明を聴取いたします。
  5. 内藤友明

    衆議院議員内藤友明君) 衆議院におきまして、たばこ耕作組合法案に対する修正案提案いたし、審議を終えましたので、これに関する概要を申し上げたいと思うのであります。  ただいま竹山議員から申し述べましたごとく、衆議院におきましては、昨年の夏以来、数次にわたりまして大蔵委員会専売小委員会を開きまして、慎重審議を続けておりました。このことにつきましては、十月十日及び十二月十三日の衆議院大蔵委員会で小委員会における審議の経過をあらまし中間報告をいたしておいたのでありますが、その後さらに検討を加えまして最終案を取りまとめ、今度衆議院を通過いたしました修正案となったのであります。  修正のおもな点を申し上げますと、まず第一に第三条で「組合地区は、地区たばこ耕作組合にあっては日本専売公社の定める区域、」となっておったのでありますが、これを適当でないとの意見がございましたので、「政令で定める区域」に改めたのでございます。  次に第八条の組合の行う事業のうち特に第三号の「葉たばこの生産上必要な肥料その他の資材の共同購入」につきまして、耕作組合農業協同組合などとの間に、不必要な競合や摩擦の生ずることのないように、関係者間において、相互に協調を保つよう努力しなければならない旨を規定し、大蔵大臣及び農林大臣が、必要があると認めるときは、これらの団体に対し、あっせん、調停または必要な勧告をすることができることといたしました。  次に第十七条の「(役員)」について、監事の定数は一人以上となっておりましたのを、二人以上に改め、役員選挙は、組合員総会において行うこととし、しかも推選の方法によって行わないこととし、また代議員会においても、役員選挙について、議決することができないことにいたしたのであります。  次に、第三十七条で、組合員総数が三百人をこえる地区組合は、総会にかわるべき代議員会を設けることができることになっておりましたが、この組合員総数を、三百人を五百人に改め、代議員定数は、七十人以上でなければならないことといたしました。  最後に、今回農林漁業団体職員共済組合法が成立いたしましたので、たばこ耕作組合についても、これが適用されることにするよう配慮いたしました。  以上が本修正案概要でございます。  なにとぞ御審議の上、全会一致御賛成願いたいと思うのであります。
  6. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記をやめて。   〔速記中止
  7. 河野謙三

  8. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 次に、たばこ専売法の一部を改正する法律案議題といたします。大蔵当局より内容説明を聴取いたしますが、その前に、衆議院議員内藤友明君から、修正点につきましての御説明を伺います。
  9. 内藤友明

    衆議院議員内藤友明君) ただいま議題となりました、たばこ専売法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  この法律案につきましては、この施行期日が、昭和三十三年四月一日となっておりますので、これを公布の日に改め、かつこれを四月一日にさかのぼって適用いたそうとするのが修正趣旨でございます。  なにとぞ御審議の上御賛成のほどお願い申し上げます。     —————————————
  10. 河野謙三

    委員長河野謙三君) それでは議題をもとに戻しまして、たばこ耕作組合法案につきまして、農林委員会からお手元に配付いたしました通り、本委員会申し入れがございました。この際、農林水産委員長重政君から、農林水産委員会を代表して御出席いただいておりますので、同君からその趣旨説明を聴取いたします。
  11. 重政庸徳

    委員外議員重政庸徳君) 農林水産委員会では、当委員会で御審議になっておりますたばこ耕作組合法案に対して、申し入れをいたしたいと思うのでございます。   ただいま貴委員会においてご審査中の、去る四月四日衆議院送付にかかる衆議院提出の「たばこ耕作組合法案」に関し、別記のように御措置願いたく、当委員会の総意をもって申し入れいたします。      記   たばこ耕作は農作の一部であって、農業上極めて重要な要素をなしており、たばこ耕作者団体である「たばこ耕作組合」は農業団体の一と  してその在り方如何は、農業協同組合  その他の農業団体と極めて重要且つ  深刻な関係に立ち、更にこの法律が  成立する場合においては「たばこ耕  作組合」は、農林漁業団体職員共済  組合に加入することになるのである  から、農林大臣は常時「たばこ耕作  組合」の実情を知悉しておく必要が  ある。仍て農林大臣も「たばこ耕作  組合」に対して関与することができ  るよう法律案修正せられたい。  かような趣旨でございます。どうかよろしくお願いをいたします。
  12. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  13. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 次に、再びたばこ専売法の一部を改正する法律案議題といたします。  大蔵当局より説明を聴取いたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  14. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記を始めて。  本案に対しましては、委員長、はなはだ不手際でありましたが、政府委員がいまだみえておりませんので、内容説明聴取は後日に譲ります。     —————————————
  15. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案議題といたします。御質疑のある方は順次御発言願います。
  16. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちょっと都合がありますので、質疑は次回に回すことにお願いいたします。
  17. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 本案質疑都合により後日に譲ります。     —————————————
  18. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 次にこの際、租税及び金融等に関する調査議題とし、租税行政について質疑を行います。  御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。  速記をとめて。   〔速記中止
  19. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記を始めて。
  20. 平林剛

    平林剛君 四月三日の大蔵委員会で、ビール会社確定申告数誤りがあるということを指摘いたしましてから、その後当局説明をいろいろ検討しましたが、なお幾つかの疑問があるわけで、本日はその疑問点について確めて参りたいと思いますから、そのつもりでお答えを願いたいと思います。  最初に、この問題の発展は、三月七日国税局からビール工場のある各税務署に対して電話指示がいったところから問題が起きたのでありまして、この電話指示については、先回の委員会でまさしくさような電話指示をした、誤り伝えられたか、あるいはそれが何か別の理由であるか、それは別にいたしまして、とにかく電話指示をしたことについては間税部長はまさしくその通りであるというお答えがありました。そこでその電話をしたのは、間税部長、あなたがなさったのかどうか、その点をまず最初にお聞きいたします。
  21. 泉美之松

    説明員泉美之松君) お答え申し上げます。私が直接電話したのではございません。
  22. 平林剛

    平林剛君 それではだれが指示をしたのか、そしてあなたは直接でないと、こう言われますが、あなたはそれを承知して指示をなさったかどうか。
  23. 泉美之松

    説明員泉美之松君) この前申し上げましたように、当初私がビール概数とそれから確数との間に従来差があるということに気がつきまして、二月が課税年度の終了になる月であるから、二月分については特に概数確数との差がないように注意をしてくれということを言ったわけでございます。それを受けまして課長補佐の方でいろいろ検討して電話連絡をいたしたわけでございます。従って私がそういう電話連絡のもとになる行為をしたということにつきまして、私が責任を感じておりまして、まことにこうしたことが起きましたことにつきまして非常に恐縮に存じ、申しわけないと思っております。
  24. 平林剛

    平林剛君 課長補佐とはだれですか。  それからもう一つは一八%という数字課長補佐から出た数字ですか、あなたの方から今いった確定の差が、概数確定数の差がないように、それは一八%であるからそれを調整するようにと指示してそこから出た数字ですか。
  25. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 前回も申し上げましたように、一八%という数字課長補佐概数確数との間にどうしてそういう差が出るかということを考えた際に、未納税出荷石数が正確に引き切られていないから、そういう間違いが起るのだ、従って未納税出荷石数を正確に引けば合うのだというふうに考えまして、その際に一八%ということを言ったわけでございます。
  26. 平林剛

    平林剛君 そうすると、一八%という数字はそのときあなたも承知しておったわけですね。
  27. 泉美之松

    説明員泉美之松君) そのとき私は承知しておらなかったわけでございます。私はただ概数確数との差があるから、それを今度は課税年度の終りだからそういう差が出ないようにしてくれということを言ったのであります。それを受けまして、課長補佐の方でそういう指示をするときに一八%ということを考えたわけでございます。
  28. 平林剛

    平林剛君 いずれにしても、あなたは三月三十一日の当委員会において嘘の答弁をなさっている。私がこの問題についてお尋ねをいたしたときに、国税庁長官は現在までそういうことを知らなかったという答弁であります。ところがあなたはビールがとにかく売れ行き不振になった原因がどこにあるかという私の質問に対し、あなたは「御質問の点は、ビールが二月中の出荷が昨年に比べまして八六%に落ちたという点に関連してのことと思います。私どもはその原因がどういう点にあるか、いろいろビール会社に当って調査しておるのでありますが、原因が的確にわからないのであります」、「お話のように、減税前に卸、小売が仕入れを控えるという点がたしかにありまして、これが減税の対象にならないビールにまで影響をしたことは事実だろうと思います。」、三月七日にある程度あなたは間税部長としての職責から課長補佐に指令を出して、そしてパーセントは今課長補佐が考えた数字であるというけれども、少くともこのことを知っておった。そして私がこの質問を行なったのに対し、ただいま読み上げたような答弁をなさったのちに、こまかく指摘をしたから、四月三日の委員会では、その事情説明いたしましたけれども、三月三十一日は少くとも当大蔵委員会の私の質問に対して、こういう答弁をなさっている。私はそこからも今度のビール脱税と言われる問題についての疑惑がよけい深められてきておるわけです。あなたはこの発言誤りであったということを率直に委員会に対して釈明をしていただきたい。
  29. 泉美之松

    説明員泉美之松君) まことにごもっともでございますが、私は三月三十一日の状態では一八%引いて出せと言ったということを知りませんでしたので、さようなことを申し上げたのでございます。事実に反しております点につきましてはまことに遺憾に思いますが、私はしかし、今回の事務上の手違いで起きたことでありまして、そのために何らかその間に不正な問題があるというふうにお考えいただくのは非常に心外に存ずる次第でございます。私自身の発言が当時概数確数を合せるように言ったことに対して、一八%引くというところまで知っておりますれば、そういう御答弁は申し上げなかったはずでございます。ただそういうことを知ったのがおそかったために、三十一日に不用意な発言になりましたことをまことに遺憾に思います。
  30. 平林剛

    平林剛君 今そうすると、一切の責任というのは課長補佐のところから出ている、あなたの指示もきわめてあいまいな指示であることはあとに指摘しますけれども課長補佐のところから根源が出たと、こう理解していいのですか。課長補佐が一八%という数字出して、そして電話指示出した、こういうことでありますか。
  31. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 間違いの原因は今申し上げた通りでございますが、事務当局責任者といたしまして私の責任であることは申すまでもないところでございまして、責任を十分痛感いたしております。
  32. 平林剛

    平林剛君 責任の痛感より前に、私は事態というものを明らかにしたい、こう考えておる。その責任についてはのちほどまた全般の事情がわかってから処置すべきものであって、まず最初に、私の質問に的確に答えてもらいたい、こう思うのです。そこであなたはこの課長補佐責任であるか、あるいはあなたも承知しておることであるか、この点はきわめてまだ明確を欠いております。おりますが、しばしば今回の電話指示事務上の手違いだという弁明をされている。事務上の手違いとしてはあまりにも見当のはずれた手違いです。私はこれは単なる事務上の手違いだけではない、こう思考するものです。なぜかというと、間税部長の態度からこの裏に何かあるかということだけを言うのは当らないかもしれません。三月三十一日に私が資料提出を求めたところが、国税庁長官電話をかけてすぐ御返事しますという答弁があったにもかかわらず、あなたは当然その答弁を聞いてすぐさま指示をしなければならぬにかかわらず、四月三日まで全然なかった。私は意識的なサボタージュではないかという疑いを持ったのでありますけれども、これは別です。すぐあとに私の手元に、あるいは当委員会に出提された資料を見ますというと、あなた方は一体ビールについてどんな税法上の取扱いを行なっているのか、はなはだ疑問に思うような資料提出が出されておるのです。  そこでもう一つ、四月三日の議事録がまだ手元に入っておりませんから確認をいたしたいと思います。それは前回提出された昭和三十三年二月分、会社別ビール移出概数石数調、この中にある移出概数石数日本麦酒朝日麦酒麒麟麦酒、宝酒造、それぞれ合計すると十万二千九百四十九石という数字説明がされましたが、この移出概数石数というのは一体何なのか、私が質問したのに対し、これは麦酒協会から毎月初旬に発表されたものを掲げたものですという答弁があったのです。まさしくそれに間違いありませんか。
  33. 泉美之松

    説明員泉美之松君) お話通り先般三日の日に提出いたしました会社別ビール移出概数石数調の方は、麦酒協会からの報告をそのまま掲げたのでございまして、平林委員のお言葉に対して弁明めいたことになりますが、私は三月三十一日のとき、平林委員の席にお伺いいたしまして、私の方では実は国税局別報告しかないのでございますということを申し上げたところ、国税局別の数でもいいからそれを出せと、こうおっしゃいましたので、私はそれでいいのかというふうに即断したのでございます。確かに委員会の席上では工場別に出せということでございましたが、私の方は工場別には普通とってませんので、特別にとらなければなりませんので、国税局別でいいのかというふうに即断いたしまして四月三日までそういう調査をいたしておりませんでした。これは先回も申し上げた点でございますが、その点は私が非常に不注意であったことでございます。申しわけないのでございます。ただいまの四月三日に差し出しました会社別の分はこれは麦酒協会のものでございます。それから先週のたしか金曜日と思いますが、お手元に差し上げました分は、これは税務署国税局から報告が集まりましたものを会社別工場別出したものでございます。ごらんのように朝日麦酒麒麟麦酒のところで石数が違っております。これは片方が麦酒協会の方から出た数字でございますので、私どもといたしましては税務署国税局の方から出た数字を信用するよりほかはないと考えております。
  34. 平林剛

    平林剛君 ただいま釈明がありましたが、少くとも私は委員会でははっきり課税石数申告したものを出してもらいたい、こう言っておるのでありますから、そこのところをぼかしたような資料をお出しになるというのは適当ではない。また私は今回の国税局の特に担当者であるあなたの資料提出の仕方はきわめて不穏当なやり方である。特に移出概数石数というのは、これは何も麦酒協会のものを持ってくる必要はないので、毎日あなたの出先の職員ビール会社へ出かけていって、そうしてビール会社の特別な部屋で厳格な帳簿を確認をして、毎日々々移出石数というものを確認しているはずでしょう。そうして帰るときにはわざわざ判を押して錠前を締めて、そこにはだれも入れないというような厳格な課税の仕方をしている。移出石数は少しも間違いのないように正確を期しておるのが、私は今までの国税庁の自慢にしている厳格な課税やり方だ、こう信じている。ところがわれわれの資料要求に対して、わざわざ麦酒協会報告をまず出してくるというようなことでは、あなた方の看板が泣くわけです。そこで私はここにもう一つ疑いを持ったのは、この概数報告数課税石数に違いがある、それが一八%である、誤まりかどうかは別にして、あなたに責任があることですから。そういう御説明でありますが、ちっとも一八%の関係は明瞭でないのです。あなたも先回の委員会にもう相当こまかく責任者として調べてきながら、きわめてずさんな答弁をなさる。一八%の根拠をいろいろ説明しましたけれども、どこから引き出してきても一八%という数字は出てこない。きょうは一つ私もその後いろいろなことを調査しまして、あなたの答弁に対して批判力を持つことができますが、一八%の根拠というものがどこから生まれてきたか。間税部長責任一つ答弁をして下さい。
  35. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 一八%の根拠と申しますのは、前年の三十二年の二月の未納税移出石数が三十一年三月から三十二年の一月までの間の未納税移出石数に対して一八%の割合になっておったのでございます。従って二月分の概数確数とを合せる処置として、未納税移出石数を正確に引けばいい、そこで一八%引けばいいというふうに即断したのが誤まりのもとでございまして、未納税移出石数は三十一年三月から三十二年一月までの十一ヵ月間の未納税移出石数に対する三十二年二月の夫納税移出石数割合が一八%であった。従って本来ならば、三十一年の三月から三十二年の一月までの間の未納税移出石数に対する一八%の数字出して、それを掛ければいいということになるべきはずでございますが、それを掛けるべき数字を誤まって一八%引く、こういったことになっているわけでございます。
  36. 平林剛

    平林剛君 私の手元ビール月別移出石調べというのがございまして、三十一年三月から三十二年の二月までの一年間にわたる概数確数調べがあります。あなたの方から出たのだからあなたも多分御承知になっていると思うのであります。もう一つ昭和三十二年三月から昭和三十三年二月までの概数確数との調べが出ております。他の委員はお持ちになっておらないからまことに恐縮でありますけれども、具体的に数字をあげて一八%の根拠説明して下さい。
  37. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 平林委員のお手元に差し上げましたビール月額移出石調べというのは概数確数との間が三十一年のときにはそれほど差がなかったのに、三十二年のときにこのような差が出たので、概数確数とを合せるようにと言ったという根拠数字でございまして、私がただいま申し上げました一八%と申しますのは、三十一年三月から三十二年一月の間の未納税移出石数が三万七千七百三十三石になっておるわけでございます。それに対しまして、三十二年二月分の未納税移出石数総額が六千六百三十九石でございまして、一八%——正確に申し上げますと一七・五九%になっているわけでございますが、これを切り上げて一八%と考えて、一八%という数字出しました。それを引けば概数確数が合うのだというふうに即断したところに、今回の間違いの原因が起きたわけでございます。先ほども申し上げましたように、こういうふうにして出しますならば、今度二月分のところで引くべきものは、三十二年三月から三十三年一月の間の未納税移出石数総額に一八%をかけたものを二月分の総移出石数と見まして引いておけば大体合うという勘定になるわけでございますが、その適用を誤まったということがあるわけでございます。
  38. 平林剛

    平林剛君 相当調べてきたのだが、あなたの説明を聞いただけではちっともぴんとこない。何のためにそういうことが必要であったかということも明瞭でございません。具体的にお尋ねしますが、三十三年二月の概数は、当初提出をせられたとき十万二千九百四十九石になっていた。これはあとであなたの方は訂正をされて、ほんとうは十二万何千石であったと、それがはっきりして参ったのでありますが、その十二万何千石かの概数をどういうふうにさせたら、今言っためんどくさい数字の一八%になって、それがどういう合理的な性格を持つことになるのですか。私はそこのところがちっともわからないのです。今度この事件が起きなければ、明らかにビール四社の移出石数は十万二千九百四十九石にかけるところの一八%プラスしたものになっていたわけですね。一八%減らして申告をさせたのでありますが、それは誤まりだと、こういうわけです。そこで、十万二千九百四十九に一八%を足したものが実際の庫出し移出石数で、それをどういうふうに発表させたら今のつじつまが合ってくると、こう考えてあなたが指示されたのですか。つまり、どういうふうに指示すればあなたがごてごて説明したようなことに目的が達せられたのですか、そういうことをちょっと合理性説明して下さい。
  39. 泉美之松

    説明員泉美之松君) これは間違いでありますので、なかなか合理的に説明が困難なことで、まことに申しわけないのでございますが、私が申しましたのは、従来この概数確数との間にこんなに差異がある。従って、今度概数報告をするときには確数とあまり差がないような報告を求めてくれということを言ったのであります。それを受けまして、課長補佐が、どうして概数確数の差があるかということを考えまして、まあ普通に考えられるのは、概数確数との差の生ずるのは戻し税があるからでありますが、戻し税がそんなにあるはずがない。とすれば、これは結局概数を出すときに、実際の庫出し石数の中から未納税出荷石数を引いたのが概数になって出てくるべき筋なのでございますが、その未納税出荷石数を正確に引いておらないから、こういうふうな概数確数との間が非常に差が出てくるということになるのではないかというふうに考えまして、それでは未納税出荷石数をきちんと引くには、未納税出荷石数が一体今までどれくらいあるかということを調べてみますと、先ほど申し上げましたように、三十一年の三月から三十二年の一月までの間の未納税出荷石数調べてみますと、三万七千石ある。それに対しまして、三十二年の二月の未納税出荷石数は一八%に当っておった。従いまして、それにほぼ見合う一八%の未納税出荷石数をきちんと引いてれば、概数確数は、戻し税の関係がありますから多少は差がありますけれども、ほぼ合うだろうというふうに考えたのでありまして、そのときに指示誤りまして、一八%を引けということを言ったわけであります。そこに間違いの生じた理由があるわけでございます。
  40. 平林剛

    平林剛君 私は、何年何月何日までにどうという統計をいじくりまわして、そうして無理に一八%の理由を聞こうとは思っていないのです。その数字がどっから出てきたかということが一番重要な問題になってくるのですよ。それから、あなたが今概数確数との間にいろいろ違いがあるというお話がありました。それは確かに、私の手元にある資料では、三十二年三月から三十三年二月までの数字を見ますと、概数確数との間には合計して一万二千百四十四石の違いがあります。多い月では二千三百七十六石も概数確数が違っておる。少い月でも二百九十四石も違っておる。年間にすると、一万二千百四十四石です。概数というものがもし間違いがなければ、この差が一万一千百四十四石というのは、一年間にわたって税額にすれば二億四千万円の税額がどっかで消えておることになるのです。今あなたはこれを、戻し税があるからそんなに多くはない、そうすればあと納税出荷があるからと、こうおっしゃいますが、そこのところは私は調べてみた。あなたの未納税出荷があるからということだけではどうも納得ができないのです。そこで、私の持っている資料承知でしょう。この資料概数、それから確数という、それぞれの数字は、大体比較対照すべき性質のものではないじゃないですか。あなたが今日まで説明をしたのによれば、この概数というのは麦酒協会の発表したものである。確数というのは、これは国税庁がつかむことができるものである。その比較対照になるべき性質のものでないものを掲げておいて、それに差石数があって、それがどうのこうのという説明では、根本から違ってくるのではないですか。それとも、この概数という数字は、まさしく酒税法第二十四条に規定する移出石数と見ていいのですか。
  41. 泉美之松

    説明員泉美之松君) お手元に差し上げております資料概数と申しますのは、これは先般申し上げましたように、普通は確数の方は、ある月分を翌月の十日までに税務署申告して、その月末までに国税庁報告する数字でございますが、それでは酒税行政上おそくなりますので、早く求めたいということから、ある月分の数字国税庁に十日までに報告を求める。その十日までに報告を求める関係上、税務署の方では二日、三日、四日ごろの間に工場から電話報告を受けまして、それを国税局報告し、それから国税局から国税庁報告が参るのでございまして、お手元に差し上げてある概数は、これは麦酒協会数字ではございません。税務署国税局から国税庁に集まった数字でございます。従って、その集まった数字と一月おくれになって集まりまする確数との間に差があるということは、やはりそこにどういう原因でどういう差が生じたかということを考えるべき問題はあるわけであります。
  42. 平林剛

    平林剛君 とにかく、あなたの説明はどうも納得できないし、実際上の課税のし方に対してもはなはだ疑問を感じておる。私は、こういう酒税の課税に対しては厳格なやり方をとっておって、毎日税務署職員が行っておって……、先ほど申し上げたようなやり方をとっておるのですから、その限りにおいては今の説明は納得できません。しかし、次の質問に移りますが、その後この指摘があって後に、国税庁修正をするための措置をとられたと思います。国税庁長官、文書でやってもらいたいという要求をしておきましたが、どういう文書をお出しになって、どういう措置になっておるか、現況について御報告を願いたい。
  43. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) この点につきましては、先般とりあえず関税部長より電話指示いたしたのでございますが、電話では不確かでございますので、さらに私の名前をもって、書面をもって訂正措置をいたさせまして、こういうふうに申し上げたのであります、四月四日付をもちまして、私の名前で、各国税局長宛てと申しましても、関係国税局長宛てでありますが、「ビールの2月分の移出石数に対する課税について」という表題をもちまして、内容といたしましては、   ビール移出石数については、従来酒税課税石数概数報告と酒税課税高表との間に誤差が多いので、特に課税年度の最終月に当る関係もあってその酒税課税石数概数報告による石数課税高表の石数に符合するように指示したところであるが、当庁においてその指示を誤ったため、2月分の移出石数を過少に申告する事態を生じこの申告に基いて課税が行われているのではないかとも思われるので、早急に2月分移出石数確認のうえ、もし、不足税額があるときは、これを直ちに徴収決定して納付させるように措置されたい。   なお、不足税額を徴収決定したと  きは、その税額等を別紙の様式によ  り4月20日までに報告されたい。  こういうふうに文書をもって確かに指示いたしまして、これによって申告をし直させ、不足分を徴収決定するということにいたしております。
  44. 平林剛

    平林剛君 課税石数はまだ確定をしておらないのですか。今日まで申告し直させたのでしょう、まだそれは今の文書をやっておるだけであって、国税庁の方にはあらためて修正申告をしたものは来ていない、そう理解していいんですか。
  45. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 先ほど申し上げました正式な文書による報告は参っておりませんけれども電話報告が参っております。
  46. 平林剛

    平林剛君 数字を上げて下さい。
  47. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 電話報告によりますと、十二万五千七百七十八石ということになっております。
  48. 平林剛

    平林剛君 十二万五千七百七十八石は、大体先ほど指摘した間違いの申告、十万二千九百四十九石に問題となった数字一八%を大体プラスしたものに幾らか多いが、その関係はどういうふうになりますか。
  49. 泉美之松

    説明員泉美之松君) これは約一八%になっておるはずでございますが、先般資料提出いたしましたように、概数の方では十万二千九百四十九石という報告があったのでございますが、申告石数の方が、十万三千二百十六石でございまして、不足の分が二万二千五百六十二石あったわけでございまして、もとの十二万五千七百七十八石に対しましては、一八%以内、十七%幾らの数字になっておるのであります。
  50. 平林剛

    平林剛君 単純な計算ですけれども最初の十万二千九百四十九石というのは誤りであって、十八%減らせという指示出したので、誤ったのであるから、移出石数というのは一八%をプラスしたものである、従って今回提出された十二万五千七百七十八石というのは、その誤りを直したものである。それだけで終ると、あなたは先回の委員会から私ども質問していたこととつじつまが合わなくなってくるのです。少くとも三十三年二月に、今まで問題となっている差石数を調整するならば、三十二年度に起っておる一万二千百四十四石という差石数の解決は放置されたことになりはしませんか。少くとも十二万五千七百七十八石に対し、あなたの方はわざわざ電話指示をし、こういうことを調整をしなければならないという必要性を感じた純然たる一万二千百四十四石はそのまま放置するという結果になるじゃありませんか。これはどういう措置をとらせるのですか。
  51. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 一万二千百四十四石という数字は、従来の概数確数との差の累計が一万二千百四十四石になっている、それほど差があるのはおかしいと申し上げたのでありまして、確数の累計の方では三十三年の一月まで調整とれているわけであります。従って二万二千百四十四石を調整するために今度そういうことを申したというのじゃないのであります。従来一万二千百四十四石も違うような誤差が生じているから、そういう誤差のないようにということを申したのでありまして、一万二千百四十四石を調整するという意図はなかったわけでございます。ただ平林委員お話しのように概数確数との間に、また私も気がついたのでありますが、一万二千百四十四石もの差があるということは戻し税の関係と普通考えられるわけでありますが、戻し税の関係にしてはいささか量が多くはないか、従ってこの差がどういう理由によって生じたかという点がたしかに問題でございまして、先ほど申し上げましたように、私の方の担当者は、概数確数もある月分の庫出しの全体から未納税出荷石数を引いて出すものなのでございますが、その未納税出荷石数が伝票の整理なんかがおくれておりまして、翌月の二日、三日ごろに引く関係上、十分未納税出荷石数が引き切られておらないのじゃないかという疑いをもって今回のような誤まった指示をいたした次第でございます。差石数が一万二千百四十四石あることはたしかに問題でございます。これにつきましてはどういう理由によって生じたかということを、今まで申し上げましたようなことが考えられるわけでありますが、なお十分調査をしなければならないと考えておりまして、本日も係官を工場の方にやりまして、どうしてそういう差が出るかということを調査いたさせております。
  52. 平林剛

    平林剛君 今回の質疑の中から、新たに差石数があるということについても、これまた私は無関心たり得ないので、この問題についてはまたあらためて国税庁の今後の取扱いについて見ておりますから、国民全般に疑問を残さない、納得した形で解決をはかることを希望し要求いたしておきます。  そこで国税庁長官に最後にお尋ねいたしますが、今回のこの措置の解決は、ただ誤まった数字、すなわち三月十日——法律では十日に申告をしたものと、今回修正して申告をさせたものの差だけの税額を徴収するということでおさめるつもりですか、酒税法第五十五条によれば、今回の措置はやはり私は事務上の手違いじゃない、なおそういうことで調査をいたしますけれども、ヒール会社を主体にして考えれば、これは明らかに故意であります。承知をして間違った申告をしたわけです。いかにお役所がこう言ったからといっても、いや、わしは、正しい申告をするという、正しい納税観念があれば、こんな大きな問題には発展しなかった、しかるにそれを承知して今回の申告をしたということは、明らかに酒税法五十五条、五十六条に反する行為である。だから単に未納税を不足した分を徴収するというだけでは、将来酒税法の取扱いから見てもこれは穏当なやり方ではありません。もし将来何かの間違いで他の酒造会社が同じような措置をやったときに、国税庁はしめしがつかないことになる。法律はやはりこういう点を戒めて、それぞれ情状によって高い低いはあるけれども、適当な罰則を設けておるわけなんです。ただ足りなかった分だけの追徴というだけで済ませるつもりか。それともこの酒税法に照して何かの措置をとるつもりか。この点を長官からお尋ねをいたしたいと思います。
  53. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 私は法律論から申しますと、酒税法の第五十六条の申告を偽った者というところに入る危険性が非常にあると思います。しかし、これはもともと業者に私は責任はないと思います。これは国税庁の担当官がたとえ錯覚に陥ったとしても誤まって指示いたしたものでございます。その誤まって指示いたしたものに対しまして、その通り出したからといって、それがかりに税法に違っておりました場合に、私は国税庁を預っている者といたしまして、その業者に対して責任を追及するということは私はできません。ですから、これはかりに正式に言えば、あるいは当てはまる危険性もあると思いますが、私はこういう場合におきましては 不問処分にすべきものである、こういうふうに考えます。
  54. 平林剛

    平林剛君 今のお答えはきわめて不満足なんです。そういうことであっては法律の精神というものは失われてしまう。私はただ不問に付して、それは国税庁が誤まって指示をしたものだから業者に責任がないということはありません。やはり責任があります。承知をしてそうして税金を滞納か、もしくは脱税をしよう、こういうことを行なった行為ですから、明らかに酒税法に違反をしておる。ですから、あなたの言う不問に付するということは、できない。あなたがかりに、幾らか関連があって間違いがあったから、ひけ目を感じてそうやっても国民が承知しません。私はこの点についてはあなたの答弁がきわめて不満で納得することができません。国税庁関係についてはどういう処置をなさいますか。
  55. 北島武雄

    政府委員(北島武雄君) 私はこの指示をいたしました職員、これももし法律的に申しますれば、従犯ということに相なるかと思います。あるいは従犯ということに相なりかねないのであります。しかしこれも実を申しますと、私もどうしてこんな間違いが生じたかと思いまして、いろいろ突っ込んで調査もいたしたのでありますが、これは私どもにも責任があると思います。というのは、今回の酒税法の改正に際しまして、酒の公定価格の改訂のために非常に過重な作業をその課長補佐に言いつけたのであります。何回となく情勢を見ながら新しい資料、新しい資料ということで何枚も作らせまして、それから、もう一つは、たまたま——これは不幸な事態でございますが、酒類業組合法の改正の問題が突然請願が出まして、その対策等に追われておりまして、いささか過労ぎみであったと思います。善意にやっておったが誤まってやった、こういう場合におきまして、私はこれはやはり十分もう少し事態を静かに、たってからゆっくり考えたいと思うのでございます。そういうふうな過重な仕事を負わせたのは私どもの至らないところでございます。そのために当人がこれによって非常に大きなショックを受けるということになりますれば、私も国税庁長官としては非常に相勤まらぬわけでございます。そういう点を十分見きわめた上で処分を考えたいと思います。
  56. 平林剛

    平林剛君 これは単に国税庁責任だけでなくて、私はもっと掘り下げていけば何かがある。今日のとこはそれをつかんで参りませんので、この程度で質問は留保しておきますが、今日までの答弁、それから問題の性格等から考えてみまして、あなたの承知しないまだ何物かがあると、こういう気がしてならぬのです。幸いこれが間違いであればこれにこしたことはありません。しかし、多数の国民が今回の問題については多大の疑念を持っておるのでありますから、その疑念を晴らすために、さらに私ども最善を尽すという義務があろうかと思います。きょうはあなたの答弁、それぞれ不満な点については指摘しておきました。なお行政当局やり方についてはもう少し様子を見させてもらって、それから私どもそれにつけ加えていくつもりであります。本日はこの程度で……。
  57. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 去年昭和三十二年の二月、これと全く同じ条件のもとにおいて、二月末で締め切って三月の十日以前に概数報告をとられておると思いますが、その概数報告はどうでございましたか。
  58. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 昨年の二月の概数報告は、十一万九千八百六石でございます。ただこれも確数とやや差がありまして、確数の方は十一万九千九十石になっております。
  59. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと、去年——まあおそらく役所の行政というものは、長い経験と、そうしてそのときどきの情勢を織り込んで判断されるのでしょうけれども、少くも昭和三十二年の二月のときは概数報告確定申告とぴたっと合っているじゃありませんか、大体。会っているんでしょうこれは。合っているんですね。
  60. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 七百十六石の差がございます。
  61. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 まあそれは十一万石に対してですから、合っていると言っていいでしょう。
  62. 泉美之松

    説明員泉美之松君) おおむね合っていると思います。
  63. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうでしょう。そうすると、今平林君とあなた方の応答を聞いていると、昭和三十三年二月末においても概数報告を一八%控除しろという電話がもしなかったとする。なかったとすればどれだけ出てくるのです。十二万五千七百七十八石におそらく近い数字が出てきたでしょう。どうですか。
  64. 泉美之松

    説明員泉美之松君) おそらくそういった数字が出たであろうと思います。
  65. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうでしょう。これをお認めになるね、現実に。電話で取ったらそれだけだと、こう言った。そうするとだね、私は非常に疑問に思うのは、この前もちょっと関連質問でしたのですが、去年の実績は大体びしゃっといっているということは、役所の概数確定報告の差が非常に少い。これは非常によくできていると思うのですよ、僕は。七百石くらいの違いですからね、いいわけだ。そういう実績、三十二年、三十一年、三十年、もっと先をずっと聞いてみればわかるでしょう。おそらくこれは毎年の例ですから、こういう工合にいっているのでしょう、ぴしっと。にもかかわらず、特に何を好んでことしの二月だけ熟練した国税庁の担当官が一八%引くような指示をしなきゃならなかったか。私はそこがどうしてもわからない。特に、そういう人為的な操作をしておいて、そうして新聞発表にはビールの売れ行きががた落ちだと、こういう工合に発表して朝日新聞は書いているわけです。天下の公器である新聞に事実に反する発表をして、国税庁は国民の目をごまかしたということになるじゃありませんか。私はこの二点はこの前も関連質問でただしましたけれども、どうしてもわからない。きょうも伺っていると、ますますわからなくなります。これは説明がどうしてもわからない。この点はきょうここではっきり私はしておいてもらいたいと思うのですが、どうしてもできなければ私の理解できるように、次回でもいいから説明をしていただきたい。どうなんですか、これは。あなた、新聞の発表を通じて国民をごまかしたのですよ。役所の中でちゃんと承知していることを隠しておいて、あなた売れ行きが落ちたというてごまかしたわけです。新聞の方では——朝日新聞だからこれはほんとうだと思う。僕の見たのは朝日だが、これは国税庁に抗議にこなくちゃならぬところですよ、ほんとうのところ。
  66. 泉美之松

    説明員泉美之松君) お答えいたしますが、三十一年の課税年度の際におきましては、実はこれは報告の調理方に誤謬があったせいだと思うのでございますが、概数確数を比較いたしますと、確数の方がトータルにおきましては四千五百三十五石多かったのでございます。従ってそのときには、まあ多い方のことでありますので、概数よりも確数の方が多かったということでありますから、別段問題にしなかったのであろうと思います。当時私、間税部長でございませんでしたから、どういう判断をしたかはよくわかりませんが、いずれにいたしましても、常識的に見まして、概数より確数が多うければ、問題にすべき筋ではなかろうと思います。  ただ、三十三年の課税年度につきましては、先ほど平林委員の御質問お答えいたしましたように、三十二年三月から一月までの間に累計いたしまして二万二千百四十四石、概数の方が確数より多いという事態を生じておったのでございます。そこで、去年と違って、ことしはこんなに概数確数の差の甲積ができておるから、この二月の際には十分注意しておかないと、概数確数の開きがまた大きくなっては因るよ、ということを注意いたしたのでございます。そこから問題が起きたのでございます。私がそういう注意をしなかったら、あるいはこういう問題は起らなかったかと思います。まことに恐縮に存じております。
  67. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 まあそこはいいよ。私は別に恐縮がってあやまってもらう必要はちっともないので、事実を確認してるんですよ。どうも理解できないのは、概数報告というものは、あくまでも概数報告でしょう。それと確定数とがぴたっと一致しなきゃならぬという理屈はないでしょう。概数報告をとって、そしてまあ期間が短いですから、そんなに大きな隔たりにならないというのは常識でしょうけれども確定報告概数報告に対してプラスになったりマイナスになったりするのは、これは当然なことでしょう。それを、しいて合せなきゃならぬという理屈が僕にはわからない。ます第一にそれがわからないんですがね。どうして合せなきゃならぬか。
  68. 泉美之松

    説明員泉美之松君) これは、私どもの方の世間に対する発表が、概数だけしか今まで発表しておらないのでありまして、そういう関係からいたしまして、国税庁の統計では、確数だけの統計が課税統計として表われて参るわけであります。そういう関係からいたしまして、合せた方がいいというふうに考えたわけでございます。  それから先ほどの御質問で、朝日新聞に発表したという点でございますが、あれは、ちょうど国会に用事がありまして、長官も私もこちらへ参っておる間に発表が行われたのでございまして、そのときに酒税課の者が立ち会いまして、十分その間の事情説明しておればよかったのでありますが、ビールががた落ちということは別段言わなかったのでありますが、何分にも八六%の数字になってるというところから、がた落ちという形容詞が新聞社の方で加えられた。しかし、このことにつきましては、重ねて申し上げますように、間違いでありましたので、訂正いたしたような次第であります。
  69. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は、そこまであなたが、担当した個人々々の問題のやり取りまで通じて答弁をまぜ合せられるなら、これははっきりお聞きしておかなきゃなりませんが、その新聞発表せられた日と、新聞発表した人はだれですか。
  70. 泉美之松

    説明員泉美之松君) たしか三月の二十日だったと思います。それから、新聞発表は広報の方でいたしますので、そちらの方で行ったと思います。
  71. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そのとき立ち会った国税庁の間税部の係官はだれですか。
  72. 泉美之松

    説明員泉美之松君) お答えいたします。当日は、この酒類の移出石数以外に、いろんなものが発表されたと思います。国税庁の間税部の酒税課の方からは、課長補佐が一人立ち会ったのでございます。
  73. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その課長補佐というのは、先ほどの一八%はじき出した御本人ですか。
  74. 泉美之松

    説明員泉美之松君) そうではございません。
  75. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 違う……、どこの何課の課長補佐ですか。
  76. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 酒税課には課長補佐が五人おりますので、そのうちほかの課長補佐が立ち会っております。
  77. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうすると、もう一つ聞きますが、この間、これは国税庁長官もお認めになったんですが、新聞発表のときの新聞発表の記事ですね、原稿、これはだれが書いたんですか、この問題に対する。
  78. 泉美之松

    説明員泉美之松君) これは数字だけを発表したのでございまして、その数字は酒税課の方で作ったわけでございます。
  79. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 大体わかりました。そうすると、もう一つ伺いますが、概数報告は一八%引いて報告しろということになりました。各メーカーにもこれは通じて、報告になっておる通りに十万二千九百四十九石、こういうことになっているわけです。これに基いて確定申告が役所に集まってくるのは普通ですといつになります、三月ですか。四月になってからですか。
  80. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 報告は三月三十一日までに求めることになっておりますが、郵便の関係どもございまして、やはり二、三日おくれるのが実情でございます。
  81. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 おくれる、……。そうしますと、これは肝心なところですが、もし国会で一八%が問題にならなくて、そうして概数報告は十万三千九百四十九石になっている、そういう実態の中で、大蔵省が黙っていたときには、一体確定申告はどういうふうになってきますか。
  82. 泉美之松

    説明員泉美之松君) これは二月分の報告から落して三月分の方に載せていくというふうな結果になると考えるのでございまして、別段それに相当する税金を脱税しようという意図はございませんので、(「そんなことは聞いてやせぬ」と呼ぶ者あり)三月分の確定申告となって現われてきておったであろうと考えております。
  83. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それを裏返していきますと、三月三十一日付で出したであろう確定申告は、この概数報告と同じように十万二千九百四十九石にプラスかマイナスか知りませんが、近い数で出ておった、一八%控除した額に近い数で出ておったと、こういうふうに理解していいですか。
  84. 泉美之松

    説明員泉美之松君) これは先般、また本日、資料を差し上げましたように、十万三千二百十六石という数字申告が出ております。
  85. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 わかりました。これは二月分の正式の申告なんですね、十万三千二百十六石というのは。
  86. 泉美之松

    説明員泉美之松君) さようでございます。
  87. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうします。と、今あなたのおっしゃったように、国会で問題になって、その結果申告のやり直しをして、三月分に含めてやるとおっしゃいましたが、少くとも、脱税問題は別としまして、このままでずっと帳消しになってしまうかどうかという疑問をわれわれ持っておるんだけれども、それは別として、十万三千二百十六石が三月三十一日に正式に申告された、その差額の一八%分二万何千石は一カ月おくれて申告国税庁にくる、そういうことになりますね、早くても。
  88. 泉美之松

    説明員泉美之松君) もし今回のごとき是正措置をとらなかったら、そういうことになったと思います。
  89. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういうことですね、そうしますと、二万石以上一ヵ月おくれるということになると、その総額は四億円だと、四億円に対して少くともその金利だけは国家が損したことになりますね。逆に業者がもうけたことになりますね。
  90. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 国の方は金利を取りませんから、国が損したということは言えないかと思いますが、業者の方がその金利相当分を負担せずして、もうけたであろうということは言えます。
  91. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 もうける者があれば損する者がありますよ。国庫でもその金が入って財政投融資にでもしてごらんなさい、必ず利息がつくんだから。無利息で補助金にでも出せば別ですが、損する者があれば得する者がありますよ。そういう考えでは大蔵省因るが……。そうすると何ですよ、あなた方は大して問題のないようなことをおっしゃるけれども、もし国会で問題にならなくて、しかも国税庁の長官も御存じない、間税部長も知らなかったと、こういうのだから、そういう、うんと一八%下部機構で税金が引かれておって、こういう操作がやられて、あなた方、全然国会で問題にならなかったときには、確実に三月の追加申告でこれだけ補充されると、そういう工合に言い切れますか。あるいは二カ月か三カ月延びたかもしれません。あるいはもっと長く、永久に延びたかもしれない。そういうことをここでわれわれが想像し心配することは不当だとお考えになりますか、どうです。
  92. 泉美之松

    説明員泉美之松君) 確かに御指摘の通り、もし国会で御指摘がなかったならば、一ヵ月は延びたであろうということは言えるのでございますが、麦酒協会の方の三月の上旬、中旬の発表を見ますると、相当石数がふえておりますから、やはりそれから見ますと、一ヵ月以上延びたであろうということは想像できません、と思います。
  93. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 まあその辺は私どもビール課税問題について完全なるしろうとですから、あなた方と議論を戦わして、しっぽをつかまえるまでの自信がありませんから、きょうはこの程度にしておきますが、少くとも、こういうように軽率……、悪意とか善意とかいう言葉は使いたくないが、軽率なるとにかく行政措置によって国庫に非常に迷惑をかけた。逆にビール業者に利得を与えたということだけはあなた方も御確認になったわけですからね。そういう意味で、いずれ平林君がまだ問題を保留しておられますから、後日何かされると思いますから、そのきにはそういう認識の上に立って国税庁としての一つ質問に答えてもらいたいと私は思いますが、今の両者の質疑を聞いておりますというと、さっぱりどこに責任があるのか、肝心なところに行くと申しわけなかった、恐縮でしたというだけで、その恐縮の程度、規模、深さなんというものは全然僕らにはわからない。だから大へん僭越だけれども、僕は関連質問で問題を整理してみたわけですが、そういうことでは私は今後国民が納得しないと思う。もう少し十分に自己批判をしてもらいたい、こう思うのです。
  94. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 本件に関する調査は本日はこの程度にとどめて、本日はこれにて散会いたします。     午後三時十四分散会      —————・—————