○
山下義信君 私は、きょうは少し興奮しまして、
質問の仕方がしどろもどろで、意を尽しかねますが、腹が立って
しようがない。むかむかしてしょうがないんです。それで、もう幾らこれはですね。あなたにやかましく言うてみても
しようがない。そういうのでありますが、しかし、
事態を明白にしなければなりませんから、御
質問をして、
事態を明確にしておくのと、
農林共済の問題についての御
態度は、もう今質疑いたしまして、あなたの御
方針には、
あぜんとして言うところを知らぬ。ですから、これ以上
議論をする必要はない。ただ私は、もう驚き入っておる。こういう問題が起きた
原因はですね。あなたも先ほどのお答えの中でおっしゃったが、実際はですね。あなたがおっしゃった
通りなんです。正直におっしゃった
通りなんです。
国民年金の
制度に対する案を持っていない。持っていなかったために、阻止することができなかったんです。これは正直におっしゃったが、私はそれは情ないと思うんです。今日まで
厚生省、
所管省は、
国民年金制度に対する
基本的考え方、御
方針というものを持っていなかったということを、実際私は情ないと思うんです。
社会保障制度の
審議会の
答申が出たら、五人
委員会が何か言うてきたら、そういうものを見て、
参考にして、それから
考えるのだ、この
考え方ですね。
厚生省の中に流れておったこの
考え方ですね。
厚生大臣の持っておられたその
態度ですね。一体これが、
国民年金というものに取り組もうとする
所管省、
所管大臣の
態度ですか。元来
厚生省は、この
国民年金に対する
態度は、きわめて消極的であって、真剣に取り組もうとする
誠意は、
厚生省には見られなかった。一日一日、日にちを
向うへずらして、
世論がどのように要求
しようと、われわれがどのように声をからそうと、何だかんだ、四の五の言うて、これをずっと
向うへ押しやって、タブーにしてなるべく触れぬように触れぬようにして、何年今日まで
日数を重ねてきた。
社会保障制度審議会に諮問したのは去年の五月、彼らの怠慢は、私はこれは別に責めなければならぬが、この
社会保障制度審議会の
諸君は、一体何をしているか。当初彼らは、この
年金問題の
審議を二年、三年を要すると、のんべんだらりとやっておった。
国会で声が高ぐなるや、急遽周章ろうばいして、何か一夜づけのものを作ろうとして、何かばたばたやっている。五人
委員会というものを作ったりして、のんべんだらりと、海外を見てくるだの、どうするだの、そして
厚生省の
中枢幹部は、
国民年金というものは容易にやれるものじゃない。慎重にやらなければならぬのだ。二年、三年腰を据えて
検討しなきゃならぬ、その言いわけは、その
理由はもっともらしい。もっともらしいが、結局、
国民年金と取り組もうという
熱意はきわめて稀薄であった。敬遠しておったのです。拙速をやれば失敗する。
イギリスがどうのこうのと、くだらぬへ
理屈を並べたてて、真剣にこれと取り組もうとする
熱意は寸毫もなかった。だから、
厚生省としては、
国民年金制度に対するところの
構想もなければ、何にもない。なかったのであります。驚き入るのほかはない。私
どもは、おなじみのあなた方のお役所であり、
大臣ですから、こういうことはとっくに知っておったんでありますけれ
ども、黙して、じっと忍耐して、あなた方の
作業の積極的にお進みになるのを待っておった。何ですか、今日までの
態度は。そうしてですよ。一国の
総理大臣も
厚生大臣も、この
国民年金制度に対する何らかの
構想も持っていないということは何事なんです。
審議会の
答申が出たら、五人
委員会が何とか口上を並べたてたら
考えてみる。彼らは彼らでいいじゃありませんか。あなた方はあなた方で何らかの
構想を、
総理大臣としてはこういう
構想を持っておるのだ。
厚生大臣、君はどう思うか。
厚生大臣としては、僕はこういう大体の
構想なんだが、おれはこういう
方針を持っているのだが、
事務当局にも
検討させておるが、
審議会が何らかの
参考案を出したら、これは
参考にするけれ
ども、
厚生大臣としてはこういう
方針だということが、少くともあなた方としては、独自の御
構想というか、お
考えがなくちゃならぬ。何にも無
方針で、無
構想で、何にも
考えがないのだということではないはずであります。私はそう思う。属僚に
作業をお命じになるのでも、おれはこういう
構想なんだ。この
国民年金制度に対して、
堀木厚相はこういう
構想を持っている。これを骨子にして
作業を進めろ。こういう御指示をなすべきだ。あるいはなさっておるのかもしれませんけれ
ども、ですから、何ら案を持っていないということが、今日この
国民年金制度が、
世論がやかましくても、一歩も前進する見込みもないし、様子もないし、そうしてこの種のその進行を、何というか、撹乱するような
各種の案が他の方面から出てくるこれが最大の
原因なんです。しかし、こうなって参りますと、
国民年金制度が
国会でも
議論され、あなたもしばしば御
答弁に相なり、御
声明に相なって参りますると、お
考えがあるのだろうと思う。私は、この際、
厚生大臣としては、
国民年金制度に対してどういうふうな基本的なお
考えを持って
おいでになるのかということのもしお
考えがあるならば、この際、お聞かせを願いたいと思うのです。