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1958-04-10 第28回国会 参議院 建設委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月十日(木曜日)    午後一時五十四分開会     —————————————   委員の異動 四月九日委員井上清一君及び川口爲之 助君辞任につき、その補欠として後藤 義隆君及び酒井利雄君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    理事            石井  桂君            稲浦 鹿藏君            西田 信一君            田中  一君    委員            岩沢 忠恭君            小山邦太郎君            酒井 利雄君            平井 太郎君            最上 英子君            内村 清次君            坂本  昭君            戸叶  武君            村上 義一君            森田 義衞君   政府委員    厚生省公衆衛生    局環境衛生部長 尾村 偉久君    建設省計画局長 町田  稔君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省計画局総    務課長     志村 清一君    建設省計画局下    水道課長    岩井 四郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○下水道法案内閣提出衆議院送  付)     —————————————
  2. 石井桂

    理事石井桂君) それではただいまより建設委員県会を開会いたします。  まず委員の変更について御報告いたします。四月九日井上清一君、川口爲之助君が委員を辞任せられ、その補欠として後藤義隆君、酒井利雄君がそれぞれ委員に選任されました。     —————————————
  3. 石井桂

    理事石井桂君) それではこれより下水道法案を議題といたします。  本案は昨日衆議院において修正議決上本院に送付され、直ちに当委員会に本付託されましたので御報告いたします。  なお建設省より町田計画局長志村総務課長岩井下水道課長厚生省より尾村環境衛生部長田辺水道課長が出席されております。それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  4. 西田信一

    西田信一君 この「公債下水道」、「都市下水路」ともに定義がございますが、「主として市街地における」云々とあるわけです。そこでこの市街地ということがちょっと非常にばく然としておって、はっきりしないと思うのですが、この市街地というこの法律用語は、他に何か例がございましょうか。
  5. 町田稔

    政府委員町田稔君) 市街地意味といたしましては、人家連檐しておる区域ということでございますが、法律で他の立法例といたしましては日本住宅公団法土地区画整理法等市街地という言葉を使ってございます。
  6. 西田信一

    西田信一君 その二つ法律の、何といいますか市街地定義、これはただいま人家連檐というだけのことでございますか。
  7. 町田稔

    政府委員町田稔君) ただいま例をあげました、日本住宅公団法及び土地区画整理法等に用いられております市街地も、この下水道法市街地と同じように人家連檐というような意味に解釈いたしております。
  8. 西田信一

    西田信君 これは非常に観念的なことで恐縮なんですが、私ども市街地というものはまあその都市市街地とむしろ区別をして、市街地というのは、何かいなかの少しにぎやかな所を市街地といったような言い方を通俗的にしておるのですが、そういう点から言って何か市街地というのは人家連檐、いわゆる都市という観念が非常に薄いのではないか、こういうふうに思われますが、その点はいかがでしょうか。
  9. 町田稔

    政府委員町田稔君) ただいまの御意見ごもっともでございますが、実はその点を補う意味におきまして、下水道法案の第一条には法律目的を書いてございまするが、その後段に「もって都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。」というように、先生の御趣旨はこの第一条で表わしたつもりでございます。
  10. 西田信一

    西田信一君 従来の下水道法ではこれは市だけを対象にしておったように思います。今度は市町村まで範囲を広げて、しかも市街地ということでございますので、今御説明はございましたけれども、どうも都市という観念市街地という観念が何かこうはっきりしない。従っていわゆる都市といえないような市街、いわゆる市街というとそこのところどうも表現がはっきりしないですけれども、部落の集団といったような所も、この公共下水道法律範囲内に入るような気がいたすんですが、その点はどうお考えでしょうか。政府委員町田稔君) ただいまお答え申し上げましたように、第一条の目的に沿ってこの法律を運用すべきものと考えますので、主力を都市に注いでいくというようにして参りたいと思います。  それからまた現在の実は下水道の普及の状況からみましても、市の数が五百ございますけれども改良下水道を持っております地域が百四十都市しかございません。ですから今後かなり長い間都市に集中をしてやっていくということが必要だと思います。
  11. 西田信一

    西田信一君 そこでもう一ぺんくどいようですが、人家連檐とおっしゃいましたけれども人家連檐というのは、たとえば五十戸あっても六十戸あっても、続いてうちが軒並みに並んでいるのは人家連檐というのですが、その人家連檐がある戸数まとまったときに、都市形態をなしていると私たちは考えている。そこで人家連檐というのは、何か一つの標準を置くとか、人口要素ということを考えるというようなことが、私は下水道というこの事業の性格からいっても必要ではないかと考えますが、その点はどういうふうにお考えですか。
  12. 町田稔

    政府委員町田稔君) その点も考えまして、公共下水道と認めますものは第二条の三号に「下水を排除すべき区域政令で定める規模以上のもの」といたしまして、政令規定の中には、ただいま先生お話のございました人口密度等考慮して規模をきめたい、こういうふうに考えております。
  13. 西田信一

    西田信君 私が申し上げるのは、お答え質問とがちょっとぴんとこないのですが、人家連檐戸数というものとある程度以上に押える、あるいはまた人口要素というのがただ密度だけで、きわめて小さな市街でも密度の高い所がある。だから人家連檐戸数とかあるいは人口の数、集団人口の数というようなもので、どこか線を引くというようなことはお考えにならないだろうが、密度とか、あるいは政令案にありますような排水面積というようなここでは、これはどうもいわゆる都市という観念が薄らいでくるのじゃないか、それだけでは。こういうふうに考えるのですが、その点はもう少しはっきりなさることがいいんじゃありませんか。
  14. 岩井四郎

    説明員岩井四郎君) この点におきましては政令でなおこまかく検討することになっておりますが、大体の目標としましては人口三千くらい、そして密度なり区画考えまして、面積は二十ヘクタールから三十ヘクタールそれ以上、そういう線を考えたいと思います。
  15. 西田信一

    西田信一君 大体お答えでわかりました。人口についても連檐戸数についても考えるということですね。  排水面積とありますけれども、要するに排水面積というのは、その排水を必要とする市街面積というふうに考えてよろしいのですか。
  16. 町田稔

    政府委員町田稔君) 御意見通りであります。
  17. 西田信一

    西田信一君 次にお尋ねいたしますが、そういう考え方でおやりになるということであれば大へんけっこうだと思いますが、そこで私は相当都市については、下水道設置義務づけるということが、むしろ必要ではないかというふうにも考えるわけですが、この法律ではもちろんそういうことがありませんが、そういうことについてはどういう御検討をなさいましたですか。
  18. 町田稔

    政府委員町田稔君) 下水道を普及いたしますためには、法律で、相当の郡市は下水道設置することを義務づける、ということが最も有効な手段だと思いますが、そのためには国としても援助について義務を負う規定を設ける必要があると思います。そういうことになりますと、かなり財政上その他において問題もありますし、それから下水道ばかりでなく一般公共施設設置につきまして、公共団体義務を課した他の立法例もございませんので、下水道法にはその点規定してございませんが、今後下水道事業を各都市に大いに伸ばしていくように、予算的な措置その他を講じて参りたいと思います。
  19. 西田信一

    西田信一君 次に都市下水路についてですが、これは当該地方公共団体がみずから指定することになっておりますね。これはみずから指定するのですから自由に指定するわけだと思いますが、これを指定をするということと、それから国の予算補助になっているようですが、これとはどういう関係に立つのですか。指定がなければ補助を受けられないことになるのか、それとも指定ということと補助関係は何か関連があるのかどうか。
  20. 町田稔

    政府委員町田稔君) 現在は都市下水路というものがございませんので、都市水路という名前で事実上予算がついております。それで今後この法律が制定になりました場合には、都市水路都市下水路として取り扱って参りたいと思っておりますが、その場合には予算範囲内におきまして都市下水路指定されたものに国が補助をする、こういうようにいたして参りたいと思います。
  21. 西田信一

    西田信一君 この法律が成立した後に、この法律によって当該地方公共団体が、いわゆる都市下水路指定したものに限って将来補助考える、こういうお言葉ですか。
  22. 町田稔

    政府委員町田稔君) 御意見通りでございます。
  23. 西田信一

    西田信一君 そういたしますと、この地方公共団体指定をするということは、補助前提になるということでございますが、その指定というものは、ここでもちろん政令規模を定めるようになっておりますが、その規模通りのものであれば、地方公共団体は自由にいつでも指定できる、これは要するに政府側との協議とかというようなことは一切なしに、指定できるというふうに解釈してよろしいのですか。
  24. 町田稔

    政府委員町田稔君) 御意見通りでございまして、指定に当りまして、特に事前に建設省協議をする必要はございません。
  25. 西田信一

    西田信一君 次に下水道定義がここにございますが、これはこのように考えてよろしいのでしょうか。屎尿浄化槽を除くということになっておりますね。屎尿浄化槽、タンクというか槽ですね、これだけを除いたものを下水道というのだ、こういうことであって、屎尿処理場というのは下水と切り離すというのじゃないのでございますね、この点いかがですか。
  26. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) ここは屎尿浄化槽というのが熟語になっておりまして、ああいう水槽便所式のあれだけでございます。
  27. 西田信一

    西田信一君 この前も前回の委員会で他の先生から御質問があって、お答えがあったので繰り返してお聞きするようで恐縮ですが、私もどうも屎尿処理場はこれは当然下水道と切り離すことのできないものであって、これは当然一本化すべきものであり、従って行政機構においても一本化されるのが望ましいと思うのですが、この法律によりますと公共下水道定義には、下水を排除すべき区域がある規模以上であり、かつ汚水を排除すべき排水施設相当部分が暗渠であるというふうになっておりますが、これは将来やっぱり最終的に処理をするということを、下水道の何といいますか定義の中に、下水道の本質の中に、処理をするということを入れるお考えは、お持ちにならないでしょうか。ただしこれはもちろん大都市の場合、あるいは中都市、小都市の場合によって、必ずしもそれは全部処理しなければならないということにはならないと思いますが、処理することが本則である、本体であるというようなことになるならば、下水道には終末処理が必ずつくのだ、こういうふうに考える。それ以外の終末処理を含まない下水道、そういう所については何かしらん少しもの足りないものを感ずるのですが、この点は建設省厚生省両方から御意見を伺いたいと思います。
  28. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 厚生省といたしましても、都市公共下水道が敷設される以上は、屎尿処理もまたこれによって処理される、これが一番理想である、こう信じております。
  29. 町田稔

    政府委員町田稔君) 公共下水道設置いたします際に、屎尿処理を将来原則としては全部施設をしていくというように考えるべきだと思います。ただ地方財政的な事情等からまず管を作っておく、ということを余儀なくされる場合もございますが、理想としては先生のおっしゃる通りにいくべきだと建設省考えております。
  30. 西田信一

    西田信一君 そういうお考えであるといたしまするならば、今回この提案されておる下水道法案というものは、暫定的な一法律であって、将来も理想的なものとしては終末処理を含むところの下水道法であるべきで、将来そういう方向に一つこれは改めて、何といいますか改案されるというような、将来に対してはそういうお考えはお持ちなんでございますか。
  31. 町田稔

    政府委員町田稔君) 今回の下水道法案におきましても、公共下水道定義の中に書いてございますように、公共下水道には終末処理場を有することを前提といたしております。それでございますから、今回の下水道法におきましても、終末処理場まで含めたものを下水道考えております。ただその下水道のうち終末処理場部分は、所管省としては厚生省であるということだけでございまして、下水道であることは間違いないということになっております。
  32. 西田信一

    西田信一君 それから財政援助のことですが、これもこの前の質問お答えがあったようでございますけれども、こちらのこの公共下水道に対しましても、これは財政援助ができるというようなことになっておる。そういう意味からいうならば、都市下水路に対しても同様な扱いをしてもよかったのじゃないかと思いますが、特に法律に書かれないで予算法上にとどめられた理由は、何か特別なものがあるのでございますか。
  33. 町田稔

    政府委員町田稔君) 都市下水路につきましても従来予算補助がございました。従来の都市下水路に該当するものについて予算補助がございました。ただ下水道としましては公共下水道理想の形でございまして、公共下水道ができるまでの間、都市下水路をもって暫定的に代用をしていくというような意味がございますので、実はこの第三十四条の補助規定におきましては、公共下水道だけ補助規定を設けたのでございますが、衆議院の方におきまして御審議がございました際に、この点修正を受けております。
  34. 西田信一

    西田信一君 衆議院修正は、これは全くその意を得たものでございますから、これはけっこうでありますが、そこで公共下水道に対する国の補助ですが、これは「政令で定めるところにより」云々とございますが、たしか地方で特別な要望等もあったと思いますが、たとえば道路等について特別の法律補助をしている地域がある。そういう意味からいうならば、やはりこの場合においても同様の措置が講ぜられてしかるべきだと思いますが、政令等においてそういう点御考慮になる御意思がおありでしょうか。
  35. 町田稔

    政府委員町田稔君) 政令補助率を定めることになっておりますが、ただいまお話のございましたような点も十分考慮をして、今後政令案を作って参りたいと考えます。
  36. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 前の委員会のときにお願いした、この下水道法案に関する両省覚書を今お手元にくばられておりますが、これを厚生省側から一つ説明をして下さい。
  37. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) お手元にあります覚書の案、これは建設厚生両省十分協議をいたしまして、大体成案を得たものでございますが、この一の(イ)でございます。これは「終末処理場」に関しまして「放流するため」という場合に、いかにもこれでありますと、広い所に放しっぱなしだけが考えられるように思われますので、そうでなくて最近のように、終末処理の結果、これを工業用水に再回収といいますか、再生産的に使うというものも含むということを、お互いに了解いたしたわけでございます。  それから(ロ)の「排水施設の中途に設けられたポンプ施設、スクリーン及び沈砂池」、これはあくまで途中で圧を加える、あるいはごく粗雑な大きな木切れとかそういうようなもの、それから大きな砂のたぐいを沈澱させまして機械施設を保護するという意味で、ほんとう意味の質的な処理ということでないものが大部分でございますので、こういうようなものまで一々終末処理というようなことで、むずかしい規制をかけるということは全く間尺に合いませんので、そういうようなものは一応処理といえば処理といえますが、ほんとう意味の、ここで言う終末処理でないということを明確にしたわけでございます。従いまして、所管ももちろん、そういうものはパイプと一本で建設でおやりになる、こういうことでございます。  それから終末処理場というものは、従来もこれはお互いの解釈ははっきりしておったのでございますが、ただ質的な改善という場合に、しからば一構内にあるポンプそのもの質的改善関係ないんじゃないか、機械を逆転する間接的な基本施設というようないろいろなこともありまして、大蔵省との折衝した予算をそれじゃどこからどこまで出すというようなことがあってはいけませんので、いわゆる補完施設として、この終末処理そのものをやるのに一貫して装置になっているものは、この構内のものを終末処理場というものに含む、こういうように想定したわけでございます。ちょうど(ロ)と(ハ)がそこではっきり線を引いた、こういうことになる。  それから(ニ)につきまして「政令又は省令」、いろいろな所で各条文に出て参りますが、そのうち終末処理場に関する事項につきましては、厚生省意見を尊重する、それからこれを除く事項につきましては、建設省意見をそれぞれ尊重するということは、政令の場合には当然各省でこれはそれぞれ審査いたしまして、政令ができ上るわけでございますが、その場合に形式的に各省それぞれ勝手なことを言っては、これは物事が進捗いたしませんので、あくまでこの主管をするところの意見を十分尊重する、その専門的な知識を尊重する、こういう意味両省ではっきり申し合わせたわけでございます。   〔理事石井桂君退席、理事稲浦鹿臓君着席〕  それから放流水の水質の問題でございます。これは放流先衛生的な問題、衛生のほかに若干人間以外の魚類とか、さようなものとの関連もございますが、主として衛生関係でございますが、この点について両省の間に関する限り、両省がこれは十分意見協議してやったわけでございます。それから三でございますが、これは事業計画認可が出て参りますが、この場合にこの条文に基きまして、パイプ排水施設の方は建設大臣で、それから終末処理場に関しましては厚生大臣でやる。しかしながら先ほどの説明にもありましたように、現在百四十都市がやっておりまして、そのうちのまだ終末処理場は一部でございますので、この事業内容は、非常に厚生省の方の認可事項の力がはるか少いと思いますが、その場合に相互に直ちにすみやかに、このお互いに出て参りました内容の概要を、文書で連絡通報して、それぞれ協議をしてお互い計画にそごのないように便宜に供すると、こういうことをきめたわけでございます。  それから四の公共下水道計画に当りましては、その公共下水道区域便所水洗化を極力促進せしめるように、行政指導両方お互いにこれはやる。といいますのが、できれば既設の家屋についております便所も、せっかく公共下水道ができるならば、強制的に水洗化が望ましいのでございますが、これは現在の建築基準法によりましても、既設便所を直ちにここで強制するということが、先ほどの国家の補助負担、さようなものとの関係からできませんので、これは極力行政指導で変えるようにしていく、これは両名で強力に指導しよう、こういうことを申し合せたわけでございます。  それから五の公共下水道以外の終末処理場を有する下水道、すなわち小さい、たとえば専用水道に例をとりますれば、専用水道というふうなものに当るようなもの等で、やはり終末処理場を有する下水道もこれはあり得るわけでございますが、これはできるだけ将来下水道法で法的な措置を講ずる、さしあたりはこれまでは入らない、さようなことにいたしております。これが入れば建築基準法の方の規定も同時に改正する。これは両名で努力しようということを、これも十分両方で認識しあった、かようなわけでございます。
  38. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 ただいまの部長の御説明法案に関する覚書についてはわかったのでありますが、要するに下水道法案内容からみると、この下水道法案、非常に微にわたって、法文としては私は近来にない傑作のように思うのですけれども、ただその主管問題が終末処理厚生省でやり、その他のものを建設省でやるということになっておるのが、どうしても解せないのです。というのは、建設省が一種の排水作業だけを担任する。将来における都市衛生という点からくると、終末処理をいかにするかということが非常な関心の的で、これではどうも何がゆえに二つに分けたかということがどうしても解せないのでありますが、また先ほどの覚書によっても、両省が将来屎尿の問題は、水洗便所にできるだけ勧奨して、都市衛生設備を完備するということになれば、当然どの排水管工事にしましても下水管にしても、みんな終末処理場処理を行わなければならぬ、また行う計画ですべてのことをやっておる。そういうことになれば結局下水道法案は今建設省がお出しになっておりますけれども、実質はこの厚生省が全部持っておるということになるのじゃないかと思うのですが、そういうことならなぜこの終末処理厚生省建設省と分離してやっているか。私ども下水道というものは一本であるべきものだと思う、こう考えておる。だから下水道厚生省でなぜおとりにならなかったか、その点何か理由があるのですか。
  39. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) ただいまの御意見のように、両省でいろいろこれを審査するときにも、下水道法案そのものは全部一本化しておるわけでございますが、これを実際に取扱う主管省がここでは両省になっておりますが、実質的にはここへ盛り込まれておりません工場の廃液の、いわゆる下水処理するとか、そういうものもありまして、これはさらに他の省にもわたる点があるわけでございますが、法もそれから取扱いも簡略に一元化するということは、これは一般的にいって望ましいことであります。この点には異論はないのでありますが、ただこれに盛り込まれております、この生活と関連のある部分が、今のお話のように下水道の場合には、現実には趣旨が将来は衛生のためということが大部分になる。もちろんしかし都市浸水防御等排水も多くなる場合がありまして、これもないがしろにはできない。しかしどちらかというと、下水道の形は終末処理をつけるということからみますれば、衛生が第一ということがありまして、厚生省一本という論も成り立つわけです。これもお互いに率直に話し合ったことです。  ただ現実にもう一つの問題は、下水道を全部工事をする場合には、全然新しく未開拓の所にやるということは少いのでございまして、ほとんど全部が市街地道路に沿って、これを下へ埋めるというような、非常にこれは道路建設あるいは市街地造成と密接な関係がある。これとも引き離していろいろ施工計画をいたしますと、非常にまたこれは、せっかく衛生目的厚生省衛生計画そのものでやりましても、非常に実態に合わんで、かえってまずいんじゃないかというようなこと。それから現にそれぞれの省の機能といいますか、機構それ自身が、やはり下水道についてはそれぞれ分離した方が、他の欠点を補ってなお余りある、いろいろな現実解決策も持っておるというようなことで、さしあたりはかような形でいくのがよいということになりまして、昨年の設置法改正が行われましたときにもさような趣旨で、それぞれの両名の設置法の任務の改正がなされたわけでございます。
  40. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 今の御説明によりますと、排水工事というやつはいろいろ道路工事関連があるから、まあ通路の方の所管庁である建設省の方に譲ったんだと、それで終末処理衛生的の見地から衛生行政をやっておる厚生省でやるんだ。こういうように受け取ったんですが、それはそれとして、結局工事の量からいっても、終末処理を行う地域というものは工事費から見ても非常に少い。全体としての何は排水施設の方に重点が非常に多くかかっておると、いろいろ問題も、この排水施設を含めて生ずるものが多いと思う。だからすっきりする意味において、工事排水という点からは建設省衛生的な終末処理厚生省でやるということでなく、やはり上から下までずっと一貫したことにやることが最も望ましいので、先ほどもお話通りに、将来はまあこの下水道に対しては、終末処理はどうしてもつけることが望ましいと、こういうようなことならば、この今の主管省が、終末処理厚生省であるし、それでその他のものは建設省ということになれば、将来終末処理処理場がずっと多くなった場合においては、この主管省である厚生省というものは、先ほど私が申しましたように、下水道所管厚生省に取るようにするか、あるいはまたその終末処刑の主管建設省の方に譲る、というようなことが起り得ると思うのですがどうですか。
  41. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 将来はさようないずれかということが起り得るかと存じております。ただその時期は非常な将来じゃないかと思う。われわれの方から見ておりますのは、五百都市……、近く三万に都市の要件が下りますと、強制清掃しなければならぬ、つまり汚物の強制収集を命ぜられて、自治団体の汚物処理の方法が、この下水終末処理に全部置きかえられますというのは、これはまあ非常に遠い。過半にまでなるにも、極力努力いたしましてもまだ相当遠い。やはり終末処理そのものは逼迫している問題でございますから、いろいろな実態に即した処理方法ということでそれぞれあんばいしてやっていかなければいかんと思います。将来は確かにそういうことは起り得ると思いますが、当分の間はこれが二番いいじゃないか、こう存じております。
  42. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 そうすると、今この法案に出ているやつの、終末処理主管省厚生省でやるということを指示しておるやつは、これはまあ暫定というやつは、人によれば、二、三年先というというように考える人もあるし、あるいは、今部長お話通りに、相当年月の後になるだろうというようなこともありましょうけれども、まあ、大体、これは暫定暫置の過渡川における表現の仕方だ、こう解釈していいですか。
  43. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) まあ、暫定と言いますと、これは非常に粗末なという意味ではなくて、日本の理想的な都市形態ができてから終えるというのが本格と言いますと、まだ暫定のような感じがいたします。と言いますのが、先ほどから申し上げますように、まだ水洗便所の強制化にも入っておりませんし、それから、他の終末処理場をつけた下水道、ここに盛られておらん下水道等もまだまだ残るわけでございます。さような意味も含めまして、そういう意味ならばやはり暫定的な内容もある、かように考えます。
  44. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 そこで、今、厚生省所管というやつは、屎尿を含んだ汚水だけと、こういうことになっておるのですが、屎尿以外の終末処理は、この覚書によると、建設省のやつだというようなことで、どうも第三者から見ると、終末処理揚は一貫して、何も譲らなくたって、終末処理のやつを厚生省でおとりになったらいい。それで、片方は建設省にまかし、片方のきたないやつは私のほうでやるんだというようなことで、どうも、この下水道法案を見ると、ちぐはぐな、てんでんばらばらな、どっちにも顔を立てたというようなことで、それは、役所としては、取扱いをお互い覚書でつけておるんだから間違いっこないけれども、第三者の公共企業体が仕事をする場合に、非常にどじを踏むんですね。何がゆえに、あなたのほうの終末処理というものが非常に熱意をもって衛生的の見地からやらないで、屎尿以外の終末処理建設小に譲ったのか、そのいきさつをちょっと。
  45. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) これは両方でやはり研究いたしまして、ここでいいます終末処理、すなわち水質を安全に改善するというのは、現在のところも近い将来もおそらくこの屎尿を保有する下水以外にはないであろうという両方で見解に達しました。むしろ、この五にあります今度の法の規制にならないものがある。これはまだ建設省所管とも厚生省所管ともなくて、これがまだ残っておるわけでありまして、さような意味で、この法に盛り込まれております公共下水道に関しましては、大体全部尽しておると、こういうような見解でございます。
  46. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 根本については、僕は、建設大臣に来てもらって、その辺のところ、将来なりあるいは現在における、こういうような法案を出したということについて、一応聞きたいと思いますから、これ以上は質問しません。
  47. 西田信一

    西田信君 今の質疑の中に、屎尿以外の場合もあるということがございました。この法律の第二条にも下水定義がございますが、それには、「生活若しくは事業に起因し、」と、こうある。そうして(耕作の事業を除く。)と、こうあるですね。そうしますと、これは建設省に聞くんですが、「事業に起因し、」というのですから、工場の工場廃水なんかも全部含めるという考えですか。
  48. 町田稔

    政府委員町田稔君) 「事業」の中には、工場内関係事業も含んでおります。
  49. 西田信一

    西田信君 そうしますと、工場廃水を含めるということになると、相当大がかりなものになるわけですが、大きな工場があって工場廃水が主になってそれから市街地の汚水のほうは従になるというような場合も、公共下水道として扱われるお考えですか。
  50. 町田稔

    政府委員町田稔君) そういう場合も、公共下水道として現在も扱っておりますし、将来も公共下水道として扱って参りたいと思います。ただし、市街地を離れまして工場が河川の流域に飛び飛ひにある、しかも、そこが排水区域外であるという場合には、工場から直接河川に流しておるというような場合もございますが、市街地にあります工場の廃水は、全部公共下水道処理していくというように考えております。
  51. 西田信一

    西田信一君 今のお答えで、量的にいって工場廃水のほうが主で市街汚水のほうが従である場合でも公共下水道として従来も扱っておるして今後も扱う、これに含めるんだ、というお答えがございました。そうしますと、そういう場合に、国の財政援助ですね、これとの関係はどんなことになるのですか。あわせて伺いますが、そういう場合の工場の負担金というようなものは、この法律の上にどこか現れておりましょうか。それらの点とあわせて補助金と負担の関係を……。
  52. 岩井四郎

    説明員岩井四郎君) 一応ある区域考えまして、その区域内に工場があった場合には、これは当然公共下水道になるわけであります。ただ、補助は、公共下水道に対して補助を出すことになりますから、工場が入っておりましても補助は出ることになります。ただ、そうすると、工場が相当量出しておるのに負担金はどういうふうにするんだ、こういうことになりますが、これは量によって使用料を取りますから、これは均等になると思います。
  53. 町田稔

    政府委員町田稔君) なお、この法律の第十九条に、「公共下水道管理者は、政令で定めるところにより算出した量以上の下水を排除することができる排水設備が設けられることにより、公共下水道の改築を行うことが必要となったときは、その必要を生じた限度において、当該工事に要する費用の一部を当該排水設備を設ける者に負担させることができる。」という規定がございまして、大工場ができてそのために下水道を従来の規模以上に大きく改築しなければならんというような場合には、工場に費用の一部を負担させるという規定がございます。
  54. 西田信一

    西田信一君 受益負担で若干の負担をさせるし、あるいはまた、使用料で還元する、こういうことでございますが、さっき私がお聞きした公共下水道定義関連してお聞きするのですけれども、さっきの公共下水道定義においては、市街地のある、面積人口、戸数以上持っておる所をということでございましたが、ただいまの御答弁によりますというと、相当の工場廃水が主になるような場合でもこれを認めるんだということになりますと、さきほどの公正下水道定義にあるところの市街地との関係はどうなりますか、その市街地というものがそれ以下であっても、大きな工場等があって、その工場の廃液を流すために公共下水道が必要である場合には、これは市街地が小さくとも認めるということであるのか、一定の市街地区域が存在して、なおかつ工場があるという場合にのみ公共下水道として認めるのか、その点はどうなりますか。
  55. 町田稔

    政府委員町田稔君) ただいま御意見のございました最後の場合を考えておりまして、市街地内に工場があるという場合に公共下水道に流入させると、こういうことになろかと考えております。
  56. 西田信一

    西田信一君 そうすると、重ねて伺いますが、市街地を含めて、工場を含めて、さっきの市街地の規格に合うものを公共下水道として認めると、こういう結論でございますね。
  57. 町田稔

    政府委員町田稔君) さようでございます。
  58. 坂本昭

    ○坂本昭君 近代都市計画、特に近代都市の環境衛生上今度の新らしい下水道法案が提出されたので、むしろおそきに失しているというふうな感じがしないでもないのですが、先ほど来岩沢委員西田委員が論じられておった点は、私はやはりきわめて重要な点であって、特に一点について私はお伺いしたいと思いますが、それは二十一条に、公共下水道管理者の点が規定されていますが、この公共下水道管理者の指導監督はだれがどういうふうにしてされるのですか、建設省にお伺いしたい。
  59. 志村清一

    説明員志村清一君) 下水道法案におきまして、所管大臣といたしましては、終末処理場を除く分については建設大臣終末処理場に関しましては厚生大臣となっております、おのおのその担当に従って主務大臣が公共下水道管理者を監督するという格好になるかと思います。
  60. 坂本昭

    ○坂本昭君 この場合は、特に放流水の水質検査というのは、結局終末処理場において処理された処理液、あるいは放流水の問題かと思うのです。従ってそうなれば、これは厚生省の責任になるという意味なのですか。
  61. 志村清一

    説明員志村清一君) 放流水につきましては、第八条に「公共下水道から河川その他の公共の水域又は海域に放流される水(以下『放流水』という。)」といっておりまして、公共下水道の中には終末処理場のあるものとないものとございます。ある場合につきましては、当然終末処理場関連いたしまして、厚生大臣の方でみるということに相なっております。
  62. 坂本昭

    ○坂本昭君 なかなか複雑で、ある場合には厚生省が監督指導し、ある場合においては建設省が指導監督するという、何か行政措置の面でも非常に複雑なことが出てくるんじゃないですか、私は明確に、この公共下水道管理者というものに対しては、一貫して建設省なら建設省が指導監督をする、そうしてその指導監督の方針は政令でこのようにきめる、たとえば水質検査等の基準はこういうふうにきめる、そのきめるに当っては技術的に建設省が指導する、何かそういうふうに明確にしておくべきじゃないですか。
  63. 町田稔

    政府委員町田稔君) 放流水の水質基準等はただいまお話がございましたように、政令で定められるわけでございますが、その際には政令通りの水質で水が放流されておるかどうかという監督の問題があとに残るわけであります。その点ただいま総務課長からお答え申し上げましたように、終末処理場があって、終末処理場を通して水が放流される場合には厚生大臣が最終的に監督をする、それ以外の場合には建設大臣というふうにこの法律にはなっております。多少複雑な形になっておりますが、これは先刻来お答えいたしておりますように、所管両省にこういうふうに分れております結果、そういうふうになったのでございまして、非常に理想な形だとは考えませんが、過渡的にはそういう形でやむを得ないのじゃないかと存ずる次第であります。
  64. 坂本昭

    ○坂本昭君 従って先ほど岩沢委員からも再三指摘されておったように、都市の環境衛生上の問題からすると、むしろこれは厚生省が将来一貫してやるべきじゃないかという意見も私は当然出てくる問題だと思います。というのは、かりにこの水質基準に反したような放流が行われ、あるいはそういう終末処理が行われておった場合ですね、その処分、場合によればその廃液をやめろ、停止する場合の責任は一体だれがとるのですか。だれが廃液をやめる、場合によれば工業の、先ほど来西田委員質問にもありました通り、工業の処理水も入ってくる、そうした場合に工業生産をとめるというような問題も当然起ってくると思います。そういう場合の責任者はどの省になるか。これは建設省厚生省両方からお答えしていただきいと思います。
  65. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) まず第一に先ほどから、この放流水の水質検査そのものさえ両名にわたっているのじゃないかという点と、それから衛生の立場から、両方とも衛生行政の立場からこれを監督すべきだというお話。実は終末処理場があります場合には、その水質というものは、もう前提といたしまして終末処理場の機能、能力でこれはきまる問題であります。終末処理場を作る以上は、そこに入ってくるのはどうせこれはきたないもの、不適当なものでございますから終末処理場を設ける、それから排出されるものが中途半端に排出されるなら、これは不完全な終末処理でございますので、これが機能と機構は、必ず放流水が一定のいいものでなければならない、こういうものに基いてこれは構造や何かを作るわけでございます。これは大体そこで問題は片づく、ただしこれがいろいろなことで機能が故障したり何かすれば、結果は水質が悪くなることになりますから、検査をして、やはりこれは強い監督をしなければならない、さような意味関連性があるので一応これは厚生省。それから一般のずっと流れっぱなしで放流地域に行く、これは川もありますれば、下水に限らず、いろいろな放流水がそのまま海域に行く、あるいは公共水域に行くのが多数あるわけでありますが、これは水質検査の結果不良の場合、これで工合が悪いという場合に、現在のところ、こういうふうであっちゃいかんということは言えましょうけれども、どこのだれを、これはいかんと言って改良さすかというのは現実にはすぐには出てこない、むしろそういう場合には、これの改善方法としては終末処理場を作らせるということが解決方法になるわけでございます。さような場合にはこの覚書にあります通り両省で極力今の水質が必ずよくなるような構造、規格を持った終末処理場を作らせるようにその公共団体に勧めていく、こういう形になるわけでございます。
  66. 坂本昭

    ○坂本昭君 そうしますとですね 具体的に、たとえば一、二例をあげますと、これは尾村部長御存じでしょう、熊本の水俣市ですか、企業ができましたね、たしかマンガンによる多分工業の廃液の中のマンガンではないだろうかということですね。あそこの場合には、市街地ではないだろうと思うのですが、もしああいうような工場が市街地にあって、そしてきわめて危険である、そういうような事例の起った場合、その責任は、あの町の公共団体がその終末処理場を作るという責任において解決されるか、それとも、その工場がその特殊な生産をストップしてこの責任をとるか、そういう場合、一体どうなりますか。
  67. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) これは、十二条にございますように、その工場廃液が公共下水道につながっておる場合のそのもとに工場廃液があります場合には、この十二条で規制されるわけでございます。すなわち、その工場それ自身に、下水道の管理者の方が必要な場措置をしなければいかぬということが言えるようにここでなっております。  それから、今実例の出ました奇病の、水俣市の問題は、これは下水道をつけておりませんので、海に今のところ直後工場から流れてくる、これが海底にたまったと推定されます。それを魚が食べた。その魚を人間が食って、非常に重症な中毒症状を起した、こういう形でございます。従って、これは私は、下水道でなくて、むしろ近い将来何らか措置しなければいかぬ、いわゆる工場廃液の直接の処理、こういう規制がぜひ今必要になってくる。そういう意味で、この下水道の終末の水質をも規制するもとになり、さような一切の排水関係を規制しようということで、先般来経済企画片が窓口になりまして、各省と共同で、水質汚濁防止法というのがぜひ要るということで、提案をお願いしまして、各省が進めておるわけでございまして、まだ提案になっておりませんが、あれによりまして、公共の水の汚濁防止の基準がある、さらにその基準をきめるには審議会、これに基いて、こういう各種の法律上の水質の基準がきまってきますので、ある程度それは機械的に基準等はできるというような観点で進めておるわけでございます。
  68. 坂本昭

    ○坂本昭君 この下水の問題は、結局われわれの文化生活のいろいろの人間による、あるいは機械による、あるいは生産による最終の廃棄物処理機関ということになりますので、むしろこういう建築的な面よりも、先ほど岩沢委員が指摘せられた通り、環境衛生上の面が私は非常に重大な要素を持ってくるだろうと思うのです。特に今、水質汚濁防止法ですか、そういう案が計画されているということで、これはぜひ促進していただきたいと思います。たとえばこういう例もあるとと思うのです。最近の放射性物質のいわゆるウェイスト・ディスポーザルというのですか、廃棄物処理というのですか、これは、特に市街地の場合には、東海村の原子力研究所などは、市街地とは言われませんが、病院などにある放射性物質の廃棄、これなどは、これは尾村部長の監督のもとにあると思いますけれども、そういうものをどんどん下水の中へ捨ててしまってもわからないのです、だれも。ですから、この第八条に、水質の基準というものが出ていますけれども、これには、細菌学的ないろいろな基準などが出ていますが、そういう特殊な調査に対する基準というものを入れていないようですが、私は、第八条の水質の基準ということについて、どうもこの程度では、近代都市においてはまだまだきわめて不十分である。そういう点では、先ほど来西田委員もそれから岩沢委員も指摘せられておったのですけれども、この下水道法案というのは、どうもこれは、最終的な理想的な法案ではなくて、日本の近代都市を作り上げていくためのどうも暫定的な法案になりそうで、将来これがどんどん改革されるということは、きわめてお互いにとってありがたいことですが、特に第八条の水質の基準については、この程度のものでなくて、もう一歩進めたものをぜひ作っていただきたい。それについて、今言っておられた、その法案の準備、それがいつまでにできるか、そうしてその内容にはどの程度まで含まれているか、御説明いただきたい。
  69. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 水質汚濁防止法案のことであるかと思いますが、これは、この法案を作る協議会ができまして、経済企画庁が中心になりまして、関係各省それぞれの協議会の委員になりましてやった結果、ある程度の案はまとまりました。ただ、一、二の省との間で、まだ最終の調整がとれぬということで、この国会にもまだ提案がみられない、こういうことでございます。その場合に、水準がどの程度のものができるかという、やはり政令等できめるようになっておりますが、その案まではまだ具体的になっておりませんですが、審議の過程では、一番今やかましい放射性物質、あるいは今の中毒的な諸種の金属物というようなものも当然考えるという議論は十分出ておる、さような進行状況でございますので、実は最初は、この下水道法の場合にも水質の問題は、それが平行して出るであろうから、そこで一番妥当な詳しい基準ができれば、それを受けて立てるということで、ここへ参考資料に出ておりますのは、あくまでこれは、従来の考えの一面のように存じておるわけでございます。
  70. 田中一

    ○田中一君 どうも問題は、厚生省建設省がいつも所管争いをするような印象をわれわれは受けておるわけです。せんだっても援護局長でしたか、ここに見えて、住宅行政は今後建設省に一任するというような意味の発言もあったわけです。ところが、相変らず厚生年金の還元融資の住宅というのは厚生省が持っている。この下水道の問題につきましても、われわれ、国会においてここ数年論議をかわしてきて、どうやら今局長が説明したような覚書ができて、一つの妥結を見たということになっておりますが、従来まで、この下水道の許認可あるいは指導という面は、末端の行政官庁ではどういう扱いをしているわけですか。これはどちらも、両方関係しているものと思います、今の共管の建前から。そうして今後どういう形で各都道府県なり、あるいは都市が、市町村がやっていくか、両方から一つ伺いたいと思います。従来はどうしてやっているか、今後どうするか。
  71. 岩井四郎

    説明員岩井四郎君) 従来の認可手続は、地方から県を通して両省に参るわけであります。地方におきましては、やはり衛生部と土木部におきましてそれぞれ……。まず、概括申しますと、衛生部では、書類の受付、それから衛生方面を受け付ける。それから土木部では、工事面を担当して審査して書類を申達する。厚生省建設省所管分野は、やはり従来覚書がありまして、一応書類は両省が受け合う。それによりまして、その覚書の線に沿いまして、建設省は技術部面を検討する、他は厚生省が検討する、こういうことで、両省意見を合せまして、最後に一本で認可をする。こういうことになっております。
  72. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 中央の問題は先ほどからの話にございましたが、実際に一番関係のありまするのは地方のことであろうと思います。ただいまのところ、今のお話のように、衛生面につきましては、県におきましては、やはり衛生面は県の衛生部局が、これは人も、それから地方衛生研究所、検査施設も持っておりますので、その点の効力を発揮いたしまして、土木関係の部と、むしろ最近は、両方が力を出し合いまして、中身のいろいろな審査、監督、指導も高まったように存じております。それから今度は、実際の地方自治体でございます。これは、大きな大都市、中都市、それぞれによって機構が違いまして、それの複雑なものができぬところは、やはり衛生的な独立の機構を持たぬところがだいぶあります。ただ、今までは、そういうようなところで終末処理場を持ちましたり、それから、従来の下水道法による水質検査のいろいろの義務規定もございませんので、従いまして、そういうところでは、従来は、市町村の自治体では、小さいところは全部土木関係でやっておったかと存じます。東京のような大きいところになりますと、検査とか監督は相当部分、東京都の衛生試験所が全部仕事を引き受けまして、さような衛生面の規制を引き受けて、両方でマッチしてうまくやっておる、こういう形になっております。
  73. 田中一

    ○田中一君 終末処理場の設計か何か、標準のものがあれば、一つ資料をお出し願いたいと思います。今お持ちじゃないですか。
  74. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 今私、ここには、手元にはございませんが、すでにことしも、二十ヶ所ほど三十二年度でこれを進めておりますので、そのうちのモデル的なものをお手元に差し上げたいと存じます。それから、水道協会の特集号に、下水道の特集をいたしておりますので、これをごらん願いたいと思います。
  75. 田中一

    ○田中一君 この程度のもの、建設省では、こういうものを自分がもし所管をするとするならば、こういうものができますか。
  76. 岩井四郎

    説明員岩井四郎君) われわれ担当している者は、大部分同じく衛生工学者でありまして、できると思います。
  77. 田中一

    ○田中一君 今、坂本君が言っているように、水質の問題とか、化学廃液というものの処理の問題については、これは全く厚生省関係するものであるからいいと思いますが、築造の面まで、これは厚生省がしなければならぬというような論拠は、どうしても納得がいかないわけなんです。むろん、今言うように、この程度のものは、これはもう場合によれば衛生工事屋が作るのでしょう。だから、あなたの方で一つの基準を示し、また研究するのは、どうぞ大いに研究をやって、そのデータをあてがえば、むろん市町村でも、今末端の町村においては、同一の窓口でやっておるというような現状から見ても、私は、これはやはり一本にした方がいいと思います。そこで、一本にするということは、まあ一応建設省あるいは厚生省、どちらでもいいと思うんです。しかしながら、この事業の実態から見ると、これはまた国土計画の一環でありますから、まあこれは、建設省が当然主管すべきものである。ただし、今言うように、工業廃水とか屎尿などの面については、相当な、そのものずばりのものに対しては、厚生省が十分な監督権も持つというようなことで解決すべきものであろうと思うんです。上水道にいたしましても、今度まあ話し合いの結果、これもすいぶん四、五年来の懸案の問題が、われわれも、各委員会で論蔵をやっておりましたけれども、これも話し合いがついて、厚生省はその面は担当するということで話し合いがついたのですから、また一ぺん、一応工業用水にいたしましても、工業用水は通産省がやるんだと言ってあれした。われわれは、どうも他の委員会法案がかかるものだから、十分な審議もしないで向うにやってしまった。農業用水通ならは、農業用水は、これは百姓だから、どこまでも農林省で持つんだ、こういう形になっておるのが今の現状なんです。もし、そういう場合に、行政面で、各産業別なりあるいは設置法の権限的な問題で分類するならば、分けてするなら、もう築造面は、もはや建設省に移すべきであるというような考え方を強く持っておるのです。これはもう、長年そういう意見を持っておるのです。で、私は当然、この際この法案が新法として手直しをするに際しては、閣内におけるこういうような話し合いがあったにしても、今申し上げたような修正案を当然当委員会としては提案するのは義務であろうというような見解を持っておるわけなんです。そこで、この覚書というのは、むろん今まで共管という形になっておりましたから、建設省厚生省の間の話し合いの上でこういう結論が出たのでしょうけれども、この程度のものは、下水課長が言っておるように、何も衛生工事屋が作ってもいのです。土木屋が作っても作れます、この程度のものは。その点については、どういう見解を持っておりますか。どうも厚生省が築造まで所管しなければならないのだというお考えでおられるか、あるいは、今言っておるような廃液とか、それから屎尿の水質の検査ですね、そうした面の指導監督権というものを持っていればそれでもいいんだという考えを持っておるか、お伺いたします。
  78. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 確かに今のお話通り、もう技術の能力といいますれば、これはもう確かに、ここにおります水道課長岩井課長も同じようなところを出られ、同じような経路で、これはもう、どちらもできるといえばできることであろうかと思いますので、決して厚生省のもとにいないと屎尿処理の技術がないとかあるとか、こういう問題ではないと思います。あくまで、今のお話のように、行政上の一貫性ということで、所管よりも実際の行政内容の一貫性ということで、今のところは横に割っておるわけです、これは、例を申し上げますと、非常に類似でございますが、清掃法で、厚生省が一貫して汚物処理というものをここで規制しております。むしろ下水道は清掃法の除外規定みたいな形で、汚物に関する限り清掃法の十一条で、下水処理場がある場合には流してもいい。その他は一切都市地域では捨ててはいかぬことになっておる。むしろこれは除外的なものだ、現在のところはさような形なんです。もう一つの除外は、やはりその場合に、屎尿浄化槽、これが厚生省でできるものでありますから、一切屎尿に関する浄化槽関係厚生省でやっておるのでございます。これは逆に、建築の一貫性から見まして、これの築造の認可、許可は除外をいたして、これは建築主事の方へまかしております。あるうちを建てる場合に、一貫性のある便所だけは、これはそちらにまかすということで今まできておるわけであります。これはやはり、そのときどきの必要度の度合いに従いまして、これ全部が一本で一省一法というふうなことが実際いいと思うのでございますけれども、そういうようなわけにいかぬ点が多々あります。ですから、われわれも、一切永久に、厚生省がある限り、その屎尿処理だけが厚生省がよくて、その他は厚生省以外がいいとか、そういうような考えではなくて、今の衛生行政をやる場合には、他の清掃に基く汚物処理一切の任務遂行の土から、その部分であるから、今のところ一貫性でやらないとうまくいかぬ、かようなつもりでございまして、これはもう明らかに、下水といえば、当然予定されることは、一切汚物についてはもう考えないでもいい、自然的についてこういうふうになるという時期が来ますれば、一つこれはまた考え直さなければいけない、改めるべきだ、現在のところは、まだそこまで至っておらぬという見解でございます。
  79. 田中一

    ○田中一君 工業用水の自分の工場内における廃液の、その工場内の作業面の終末処理ですね。これはむろん、あなたの方で持っていると思うのですが、しかし、通産省がそういう工場監督の見地から権限を持っているのですか。
  80. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) これは、厳格に言いますと、現在、法の規制になっていないわけであります。公衆衛生上の問題からいえば、各省の要望で、それから、水質汚濁防止あるいはさらに煤煙の問題も法律がないわけでありますが、空気をよごすという煤煙防止法、これらが鉱害防止法として最近ぜひ必要となってきておるのであります。今までは法的には規制でき得ない、一般的な指導ということであったかと存じております。
  81. 田中一

    ○田中一君 都条例に何かありますね。工場規則とかなんとか、あれは何ですか。
  82. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 工場、事業場の鉱害防止に関する条例であります。これは、法律によらずに、地方自治法に基いて、適当に都市あるいは数県が現在やっておる、それをしいておるだけであります。
  83. 田中一

    ○田中一君 建築基準法にも、そうした面の規制がどこかにしてあったはずだと思うのですが、基準法三十一条ばかりでなくて、昔は、工場建築というものに対しては、都市建築か何かの法律にそうした意味の条項があったように記憶しているのですが、これはどうですかね。建設省の方ではわからぬですか。
  84. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 私の存じておりますのでは、工場安全規則によりまして、今は労働安全衛生規則と言っておりますが、従業員の衛生を守るために、事業場の中のいろいろの空気の汚染だとか、あるいは物体のいろいろな取扱いの規制を受けておりますが、外のいろいろな広い公衆のための衛生を規制するのは、今のところは、工場以外にはないように存じております。
  85. 田中一

    ○田中一君 そうすると、厚生省としても、築造に対しては場合によれば建設省の方にまかせてもいいんだし、屎尿、工場廃液等水質に関する問題は、どうしても自分の方が持っていたいという御意向のように、縮めて割り切って考えてもいいんですか。
  86. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 大体それに近いと思います。今の屎尿、すなわち糞便、小便の処理ということについては、厚生省というものが今のところ必要であります。ただ、それの処理方法として浄化槽もあるし、終末処理というのもあるわけで、そこで、これの監督と指導を、狭義でございますが、これを打っている、分けられないような関係でございます。
  87. 田中一

    ○田中一君 浄化槽は、御承知のように、たしか建築基準法で、明らかに浄化槽の設置ということは規定しておるわけです。一種の終末処理場も浄化槽にすぎないのですよ、屎尿の場合を考えたならば。だから、その規模の大きなものは、厚生省がするのだということにはならないと思うのですがね。そうすると、今の私の申し上げたこと、またあなたも納得したような形の修正案を当委員会で作ることは、もっとも、厚生省としては、妥当なものであるというようなお考えに縮まってきたように私は印象づけられました。  そこで、建設省の方へ伺いますが、そのような形で当委員会修正をした場合には、建設省としては好ましいと思いますか。そういうものは迷惑であるというようなお考えですか。勇気をもって言って下さい。
  88. 町田稔

    政府委員町田稔君) 実は、下水道法を出します際にも、ただいま御質疑のありました点につきましては、大いに各省、ことに建設省厚生省の間におきましても議論をいたしましたし、それから下水道法をやりますための開議等におきましても、その点も十分考慮をされまして、こういう形で一応原案ができた。御承知のように、この案の基礎をなしておりますのは、昨年定められました設置法でございまして、設置法でも、この案と同じような形で所管がきめられております。それで、その際にも実はもう大いに議論をいたしました。それで、建設省といたしましては、先刻来先生方のおっしゃっておられるような立場で議論をいたしましたし、厚生省といたしましては、先刻来部長からるる御説明のありましたような立場での談論があったわけであります。それで、それぞれ理由があるわけでございますが、結局、政府といたしましては、今下水道法に現われているような形でやるのがまあ一番いいんじゃないかということにきまったわけでございまして、その点は、私といたしましても、特にそれと違った発言をするわけには参らないと思います。
  89. 田中一

    ○田中一君 むろん解散気がまえで、いつ解放になるかという懸念があって、この法律が通らぬと困るというのが、むろん町田局長の腹の底だろうと思うのです。どうやら今日の新聞を見ても、二十四、五日ごろまでは解放はなさそうですから、社労との連合も持って、そうしてやはり国会としては、妥当な、われわれが判断して正しいと思うものを作るのが一番望ましいのです。これはもう、今まで私が申し上げているようなことは、局長も事実そういうような立場から論争をしたということを言っておるから、決して私が今申し上げたことが間違いではないと思うのです。そこで、むろん法律修正権もわれわれは持っておりますし、今までの行きがかりというものは、これはもう長い伝統がございます。なかなか話し合いの困難な面がたくさんあると思うのです。そういうものを解決するのは、やはり国会でなくちゃならぬと思うのです。従って、今、町田君の場合には、一応こういう申し合せができたからどうにもならぬという……どうにもならぬというよりも、これ以上のことは申し上げられないということの腹の中には、あるいは一つの期待があるのじゃないかと、こう考えており  今日は一つこの程度にして、厚生省建設省ともにもう一歩話し合いを進めて、われわれも各会派に持ち帰りまして、今申し上げたような点について、これは一番重大な問題ですから、この点についてお話をしてみたいと思うのですが、委員長、この際もうこの辺で委員会を閉じて、各会派に持ち帰って相談したらどうかと思うのですが、どうでしょう。
  90. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 先ほど町田局長にお尋ねありましたので、まあこちらにもお尋ねがあったとして……。  全く計画局長が言われた通り、政府当局としては、ああいう形で実は御審議をお願いしたわけであります。なお、厚生省としては、先ほどから御説明いたしましたように、これは決して現在のところ、所管争いとかというつもりはないのでございます。あくまでも厚生省としては、屎尿というのが実は非常なやかましい問題で、任務を負わされているものでございますから、これを全般的に能率的に処理せざるを得ない。いろいろな手段を考えましたが、この下水によるものを一番理想的な形として、その当分の間の処理の一方法としてという形でございますので、屎尿処理をうまくやるということには、どうしても処理機構が中心になるものでございますので、築造と、それから屎尿衛生的にやるということは、われわれの見解でも今のところは分けられない、表裏一体だ、かように考えておりまして、厚生省所管するのが当然じゃないかという協議で、こういう形になったのです。この点だけ御説明させていただきたいと思います。
  91. 田中一

    ○田中一君 それでは、建築基準法にありますところの浄化槽ですか、これもあなたの方でほしいというような御意向なんですか。
  92. 尾村偉久

    政府委員(尾村偉久君) 実はこれも、今各都道府県で、これの最後の日常の管理というものは、これは全部厚生省所管でやっておるわけです。できてしまってからこれを使い出しますと、全部これは、環境衛生監視員というのが保健所に置いてありまして、これが全部周辺からの処理苦情を聞き及びまして、これの改善をやる、築造のときのことをやった場合には、必ずこれは通報をしなければいかぬということになっておりまして、そのときからこれを監督にかかる。ところが、今の苦情の大部分が、最近のいろいろの屎尿の状況と、築造が前からの規定と合わなくなり、逐次これはいろんなものが進歩しておりますから、こういうことで、今いろいろの問題を起しておりますので、率直のことを申し上げると、築造の基準の設定、これは省令できめたわけでございますが、これらは、できれば厚生省であとの監督と同時に引き受ける、そして水準を衛生的見地で定めて、手続は機械的の問題になりますから、これは、一々個人個人の家庭が建築するのは非常な数でございますから、これは、建築基準の認可届出の一本でいいじゃないか、こう考えておりますが、実質は、できれば、築造の省令基準、監督権は現にやっておりますが、これは一本でいきたい、かように考えておるのです。
  93. 田中一

    ○田中一君 今、厚生省側の方の建築基準法にきめておりますところの各家庭の浄化槽、各家庭といっても、何千人も入るような劇場もあるのですから、これは、それがどの程度までがどうだということは、私は言及しませんけれども、そういうふうな希望があるそうですが、建設省側は、それに対してどうなんですか。
  94. 町田稔

    政府委員町田稔君) 私も、建築基準法関係、特に会お話しになっております点につきましては、十分知識がございませんので、今私の意見を申し上げることができませんが、おそらく厚生省の方からはそういう希望があって、住宅局長等とも御折衝になったことがあるのだろうと思います。今直ちにそのいきさつ等については、私知識がございませんので、お答えいたしかねます。
  95. 田中一

    ○田中一君 建設省も、おそらく屎尿の分析までしようという考えは持っておらないと思います。しかし、築造するのは、むろん直営でやるわけでなく、工事屋に頼んでやるのでしょう。特に末端の終末処理場も、おそらく厚生省が一々市町村が直営するのを監督するわけでないと思う。そしてまた、今百四十都市やっているといいますが、これらのものを一々出張っていって監督するというような人員もなかろうかと思います。これは、たまに初めの基準の図面を示したり、どうせよこうせよという指導は当然するでしょう。しかし、仕事をするのは厚生省自身がするわけでないのですから、そこで申し上げているわけです。上水道にいたしましても、一々基準はもちろん示すでありましょうけれども、あなたの方で仕事するわけでないのですから、仕事の面だけは、一貫して建設省に渡した方が、これは一番いいわけです。これは、今まで多目的ダムを作りましても、もう水が余って放流しているにもかかわらず、農林省の方の灌漑用水には予算が取れないというようなことで、むだに水を流していることが多いのです。そういう意味で、そうした一貫した事業は、これは一つのものにやらせるのが妥当なわけなのです。そこで、私はこれ以上言いませんが、われわれ国会として、一応社会党なり、自民営なり、縁風会にそれぞれ待ち帰って考えて、妥当な方針を立てたい、こう考えております。そこで、私は、この質疑は次まで持ち越したらどうかということを申し上げているわけです。その点はどうでしょう。
  96. 坂本昭

    ○坂本昭君 今の田中委員の御提案に私も賛成なのですが、それに関連して。結局今取り上げている問題は、日本の大臣から第一線に至る各級行政官並びに技術家の能力問題もずいぶん含まれてくると思う。根本的には、私は田中委員のお考えと全く同じであって、むしろ私が厚生省側に申し上げたいのは、厚生省側がこうした建築工事に関することまでいろいろ関与するより、厚生省はもっと仕事が多くあると思う。たとえば、先ほどもちょっと出ましたが、死の灰の問題、環境衛生の問題として煤煙の問題、工場の廃液の問題もあります。ああいう放射性物質の分布とか、マグロのカウントの問題であるとか、ああいう重大な点を、厚生省は環境衛生の立場で少し怠慢しているのではないかと思います。それからさらに、国民皆保険とか、皆年金とか、結核対策とか、もっとやらなければいかぬことがたくさんあるのです。それは、屎尿処理の問題も大事ですが、それはむしろあっさり建設省に渡してしまって、厚生省独自のよりやらなければならぬことに重点を置いていくべきです。もちろん、住宅問題などについては、私も建設省にかなり意見がある。建設省の人は、家を建てても中に住む人間のことは考えない。これは、社会党の住宅政策、ことに家賃対策を取り上げてもらえば解決できることですが、建設省に対してもかなり意見がありますが、厚生省自身がやらなければならぬことがほかにたくさんあるにもかわらず、いつまでも厚生省のセクショナリズムで、やらなければいかぬことを怠慢して、ほかのところに頭を突っ込む傾向が少し強過ぎるのではないか、これは、厚生省でも、その点十分反省していただいて、仕事を整理していただき、新しい時代の新しい問題は、特に環境衛生の立場で検討していただきたい。このことを希望として申し添えます。
  97. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  98. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 速記をつけて。  本日の質疑はこの程度にして、散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 御異議ないと認め、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十分散会      —————・—————