○
政府委員(
小岩井康朔君) ただいまの御
質問でありますが、特に中小につきましては、私
どもも十分というほどの確信がない、というよりも多少は出得るのではないかということは
考えております。しかし私
どもはぼた山の監督につきまして、非常な危険を感じましたのは比較的最近のことでありまして、従来ぼた山につきましては十分な資料もございませんし、今の
お話のような何年間で現状のぼた山は作られたか、というような点も詳細には
承知しておりません。しかし現在ありまするぼた山の
状況については、かなり詳細に調査を済ませまして、大体の
状況もわかりますけれ
ども、今後杵島炭鉱を中心にいたしまして、従来三カ年ばかり研究をいたしまして大体のぼた山の推移というものがわか
つてきたわけであります。でぼた山は非常にあぶないように仰せられますけれ
ども、私
どもの
考えておりますのは、積んだときには割合に
危険性はないのでありますけれ
ども、これが二十年、三十年長年月
たちますと、内部が変化をいたして参りまして、自己崩壊を起すというようなケースが多いのでありますしそこで私
どもの監督といたしましては、通常ぼた山に水が入らぬように、ぼた山の
周囲にはずっと溝を作らせましてぼた山の上に降る雨はいたし方ありませんけれ
ども、山腹から流れ込むということのないように必ず溝を作らせる。それから崩れかかるような場合には土留め石垣、今申しました排水溝、これが主な
方法であります。しかしこれで防げないようなこともあります。大きい山が徐々に動き出すという
現象も最近ございます。こういうような場合にはバイブを回りから水平につつこみまして、中の水をずっと外に出すわけであります。こうしますとほとんど現状では動きがとまる、こういうような
状況になっております。ぼた山の崩壊防止につきましては大体以上の
方法をとりまして、ほぼ確信がついたような次第であります。特に大手のぼた山につきましては、かなり十分な崩壊防止の工事をやらせております。少しこまかく
お話してもよろしゅうございますが、ちょっと時間がかかりますので、かなりやらしておりまして先日の参考人の
お話のように大手ではほとんど問題はございません。ただ問題は中小でございますけれ
ども、中小につきましても、なるべくこの
法律のお世話になるようなぼた山を、でき得る限り少くするために、操業しております間に十分な
施設を、でき得る限り監督を厳にしまして十分な
施設を講じたい。しかし鉱業権が移りましてからも、ただいまの
お話のように五ヵ年間は責任を持たせております。その間にもちろん操業中にやらせるつもりでおります。できない場合にはその五ヵ年内に完全なものにして次の者に渡す、ということを
考えておるわけであります、しかし何しろ十分な資力のない中小でありますので、私
どもの
考えているだけが、十分に果してできますかどうかの懸念も多少持っておりますけれ
ども、私
どもの方は今後十分監督を厳にいたしまして、でき得る
範囲内に万全を期したい、かように
考えております。