運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
○
説明員
(町田幹夫君) 今
建設省
のお答えになったのと全く同感であります。
kokalog - 国会議事録検索
1958-03-04 第28回国会 参議院 建設委員会 第9号
公式Web版
道路整備緊急措置法案(内閣送付、 (会議録情報)
0
昭和
三十三年三月四日(火曜日)午後一 時五十四分
開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
竹下
豐次君
理事
石井 桂君 西田 信一君
稲浦
鹿藏
君
田中
一君
委員
岩沢
忠恭
君 中野
文門
君 内村 清次君
小酒井義男
君 坂本 昭君 重盛
壽治
君 村上 義一君
国務大臣
建 設 大 臣
根本龍太郎
君
政府委員
通商産業省鉱山
保安局長
小岩井康朔
君
建設省河川局長
山本
三郎
君
建設省道路局長
富樫 凱一君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
通商産業省石炭
局炭政課長
町田 幹夫君
通商産業省鉱山
保安局管理課長
竹田 達夫君
建設省河川
町次 長
関盛
吉雄君
建設省河川局水
政課長
国宗
正義君
建設省河川局砂
防課長
戸田福三郎
君
—————————————
本日の会議に付した
案件
○
道路整備緊急措置法案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
道路法
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣送付、
予備審査
) ○
日本道路公団法
の一部を
改正
する法
律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
建設事業
並びに
建設
諸
計画
に関する
調査
の件 (
建設省設置法
の一部
改正
に関する 件) (多摩川の
河川敷占用
に関する件) ○
地すべり等防止法案
(
内閣送付
、予 備審査)
—————————————
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
1
○
委員長
(
竹下豐次君
) ただいまより
建設委員会
を
開会
いたします。 本日の
委員長
及び
理事打合会
において、決定した事項について御報告いたします。 まず本日の
委員会
の運営について協議を行いました。本日はまず
道路関係
三
法案
の
提案理由
の
説明
を
聴取
し、なお本
委員会
に
関連
のある
道路整備特別会計法案
、
建設省設置法
の一部を
改正
する
法律案
の
説明
を聞いた後、
地すべり等防止法案
の
質疑
を行うことに
意見
の一致をみました。 次に六日の
委員会
は、
公営住宅法
第六条第三項の
規定
に基き、承認を求めるの件の
提案理由
の
説明聴取
、および
地すべり等防止法案
の
質疑
を行うことにいたしました。 なお今後
調査案件
は、
委員会
の
開会
の
たびごと
に
議題
として
参議院公報
に掲載することに決定いたしました。 以上御報告申し上げます。
—————————————
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
2
○
委員長
(
竹下豐次君
) これより本日の議事に入ります。
道路整備緊急措置法案
、
日本道路公団法
の一部を
改正
する
法律案
、
道路法
の一部を
改正
する
法律案
について、
根本建設大臣
から
提案理由
の
説明
を
聴取
することにいたしたいと思います。
国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)
3
○
国務大臣
(
根本龍太郎
君) ただいま
議題
となりました
道路整備緊急措置法案
につきまして、
提案理由
及びその
要旨
を御
説明
いたします。
現行
の
道路整備費
の
財源等
に関する
臨時措置法
は、御
承知
の
通り
、
昭和
二十九
年度
を
初年度
とする
道路整備
五ヵ年
計画
を樹立し、その
実施
に要する
費用
の
財源
に
揮発油税収入
を充てる
措置
を講じたものでありまして、この
法律
が
わが国
の
道路整備
の
促進
に対して果してきた役割は、まことに大なるものがあったのであります。 しかるに、最近における
産業経済
の急速なる発展に伴い、
道路輸送
の
需要
が著しく
増大
したにもかかわらず、
道路
の
整備
はこれに伴わず、
道路交通
は各所において飽和の状態を現出し、
産業
各部門に対して隘路を形成している現状であります。かかる事態に対処し
道路
の
整備
をすみやかに行い、立ちおくれた
わが国
の
道路
を
先進諸国
の水準まで到達させ、
輸送需要
に即応させることは目下最大の急務と申すべきであります。 ここにおいて、従前の
道路整備
五ヵ年
計画
を改め、新たなる構想のもとに
昭和
三十三
年度
を
初年度
とする
道路整備
五ヵ年
計画
を樹立し、その
実施
に要する
費用
の
財源
を確保する等の
措置
を講じまして、
道路
の
計画的整備
をはかり、もって
我が国経済基盤
の
強化
に資することが必要となって参ったのであります。 以上申し述べました
観点
から、ここに、この
法律案
を提出した次第であります。 以下、この
法律案
の
要旨
を御
説明
申し上げます。 第一に、
建設大臣
は、
昭和
三十三
年度
以降五ヵ年間における
高速自動車国道
、
一級国道
、二級
国道
及び
政令
で定める
都道府県道
その他の
道路
の
整備
に関する
計画
の案を作成して閣議の決定を求めなければならないこととし、この
計画
には、五ヵ年間に行うべき
道路
の
整備
の目標及び
整備
の
事業
の量を定めることといたしました。 第二に、
道路整備
五ヵ年
計画
の
実施
に要する
費用
の
財源
を確保するため、
政府
は、毎
年度
、
当該年度
の
揮発油税
の
収入額
の
予算額等
を
道路整備費
の
財源
に充てなければならないこととするほか、財政の許す範囲内において
道路整備費
の
財源
につき必要な
措置
を講ずるものとすることといたしました。 第三に、国の
負担金
の
割合
または
補助金
の率につきましては、
昭和
三七三
年度
においては、
現行
の
臨時措置法
においても
道路法
の
規定
に対する
特例
が認められておりますので、この
法律
においても、その
特例
を踏襲することとし、
昭和
三十四
年度
以降における国の
負担金
の
割合
または
補助金
の率につきましては、別に
法律
で定める
ところ
によることといたしました。 なお、国が
直轄
で行う
道路
の
整備
に要する
費用
についての
地方公共団体
の
負担金
の額の
特例
を設けるとともに、
付則
におきまして、
現行
の
道路整備費
の
財源等
に関する
臨時措置法
を廃止するほか、
関係法律
につきまして
所要
の
改正
を行なっております。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ、慎重御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。 次に
道路法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
提案理由
及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。 最近における
わが国
の
道路輸送量
の
増加
は、まことに目ざましいものがありますが、中でも
長距離
の
道路輸送量
の
増加
は、特に著しく、この趨勢は、
幹線道路
において今後さらに顕著になるものと考えられるのであります。従いまして、このような
長距離道路輸送量
の
増加
の傾向に対処するため、
幹線道路網
特に
一級国道
の画期的な
整備
をはかることが、緊急に要請されているのであります。 一方、
一級国道
の
管理
につきましては、従来から、
原則
として
都道府県知事
がこれを行う
建前
がとられてきたのでありますが、現下の
道路輸送
の状況にかんがみ、
一級国道
の重点的かつ効率的な
整備
をはかるため、
現行
の
管理方式
を改め
一級国道
の
新設
、
改築
は
原則
として
建設大臣
が行うこととするとともに、特に
指定
した
区間
については、
建設大臣
が、その
維持管理
の責に当ることにより、
一級国道
の
管理体制
の
強化
をはかりたいと存じます。 以上が、この
法律案
を
提案
した
理由
でありますが、以下その
要旨
について御
説明
申し上げます。 まず、第一に、
一級国道
の
新設
または
改築
は、
建設大臣
が行うことを
建前
とし、特別の事情により
都道府県知事
が行うことが適当であると認められるものにつきましては、
都道府県知事
においてこれを行うこととしたことであります。 第二に、
一級国道
のうち
政令
で
指定
する
区間
につきましては、
建設大臣
が
維持
、
修繕
、
災害復旧
その他の
管理
を行うこととし、その他の
一級国道
につきましては、
都道府県知事
がこれを行うこととしたことであります。 なお、この
指定区間
内の
一級国道
の
管理事務
につきましては、その一部を
都道府県知事
に行わせることができることといたしております。 第三に、
一級国道
の
管理
に要する
費用
の
負担
について
所要
の
改正
を行うこととしたことであります。 まず、
新設
または
改築
に要する
費用
につきましては、
現行通り
といたしております。 次に、
維持
、
修繕
その他の
管理
に要する
費用
につきましては、
指定区間
以外の
一級国道
については
現行通り
といたしておりますが、
指定区間
内の
一級国道
については国と
地方公共団体
とがそれぞれその二分の一を
負担
することとし、
管理事務
の一部を委任した場合のその
管理
に要する
費用
は
地方公共団体
が
負担
することといたしました。 なお、
昭和
三十三
年度
におきましては、経過的に
指定区間丙
の
一級国道
の
修繕
を除く
維持
その他の
管理
に要する
費用
は、国がその三分の一、
地方公共団体
が三分の二を
負担
することといたしております。 以上が
一級国道
の
管理
に関する
改正
の概要でありますが、このほか
関門国道トンネル等
の
水底トンネル
の
構造
を
保全
し、
交通
の危険を防止するため、
爆発性
または
易燃性
を有する物件その他の
危険物
を積載する車両の通行を禁止し、又は制限することができる
措置
を講じました。 なお、以上の
改正
に伴い
関係法律
の一部につきまして
所要
の
改正
を行なっております。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上すみやかに御可決されるようお願い申し上げます。 次にただいま
議題
になりました、
日本道路公団法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
提案
の
理由
及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。
高速自動国道中央自動車道
及び
高速自動車国道吹田神戸線
の
建設
につきましては、
現存日本道路公団
におきまして
用地
の
折衝等
を進めている
ところ
でありますが、この
高速自動車国道
の
建設費
は約八百億円の巨額に達し、その
建設
の
促進
をはかるためには、
国内資金
の調達とあわせて
外貨資金
を調達する必要があると認められますので、
日本道路公団法
の一部を
改正
して、
国際復興開発銀行
から
外貨資金
を借り入れるための必要な
措置
を講ずるため、この
法律案
を
提案
いたした次第であります。以下本
法律案
の
要旨
を御
説明
申し上げます。 まず第一に、
日本道路公団法
第二十八条の
政府
による
日本道路公団
の
債務
の保証に関する
規定
を
改正
して、同
公団
が
国際復興開発銀行
と締結する
外貨資金
の
借入契約
に基き
外貨
で支払わなければならない
債務
について、
政府
が保証することができることといたしております。 次に、
付則
におきまして、
国際復興開発銀行
からの外資の受入について日本開発銀行、日本輸出入銀行、
愛知用水公団等
が発行する
債券
の
利子
に対する
所得税
の免除に関する
法律
の一部を
改正
して、同法により
利子
に対する
所得税
左免除する
債券
に、
日本道路公団
が
国際復興開発銀行
と締結する
外貨資金
の
借入契約
に基き発行する必要のある
債券
を加えるようにいたしております。 以上がこの
法律案
の
提案
の
理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。 次に
建設省設置法
の一部を
改正
する
法律案
を御
説明
申し上げます。 このたび
建設省
の
組織
及び
所掌事務
について
所要
の
改正
を行うため、
建設省設置法
の一部を
改正
する
法律案
を
提案
し、ただいま
衆議院内閣委員会
において御
審議
中でありますが、
建設省
の
組織
に関することでありますので、本
法案
の
要旨
について当
委員会
におきましても御
説明
申し上げ、各位の御了承をお願いいたしておきたいと存じます。 本
法案
における
改正
のおもなものは次の三点であります。 まず第一に、
本省
の
内部部局
である
道路局
の
機構
を
整備
拡充することといたしたことであります。
道路
の
整備
につきましては、
政府
は
昭和
三十三
年度
において、これを国の最
重要施策
の一として取り上げ、最近における
自動車交通
の激増に対処し、
産業基盤
の
強化
に資するため、従来の
計画
を大幅に拡充した
道路整備
五ヵ年
計画
を新たに樹立し、これに伴い
特別会計
を設けて、
幹線
と
地方重要道路
の双方にわたり逐次その
整備
をはかることといたしたのでありますが、新
道路整備
五ヵ年
計画
に基く
道路整備事業
を強力に推進して参りますため、このたび
道路行政
を担当している
本省機構
を
整備
拡充することといたした次第であります。すなわち、
道路局
に
管理部
及び
建設部
を設け、
管理
、
建設
の画面から今後の
道路行政
の一そうの推進を期する所存であります。 次に、
本省
に
地方支分部局
として新たに
北陸地方建設局
及び
四国地方建設局
を設置するとともに、
地方建設局
の
内部部局
を
整備
拡充することといたしたことであります。 現在、
建設省
の
地方支分部局
として
東北地方建設局
、
関東地方建設局
、
中部地方建設局
、
近畿地方建設局
、
中国四国地方建設局
、
九州地方建設局
の六
地方建設局
が設置されており、
河川
、
道路等
の国の
直轄事業
の
実施
に当っておりますが、年々の
事業量
の
増大
に伴い、これら
事業実施
の万全を期するためには、
北陸地方
及び
四国地方
に
地方建設局
を設ける必要が生じてきていたのであります。加うるに、来
年度
以降におきましては、先ほど申し上げましたように
道路整備
五ヵ年
計画
に基く
直轄
の
道路整備事業
が相当
増加
することとなりますので、この際、
北陸地方建設局
及び
四国地方建設局
の二
地方建設局
を新たに設け、
事務通常
の適正かつ
能率化
を期することといたした次第であります。すなわち、従来の
関東地方建設局
の
所管区域
であります
新潟
県、並びに
中部地方建設局
の
所管区域
であります
石川
県、及び
富山
県を
所管区域
とする
北陸地方建設局
と、従来の
中国四国地方建設局
の
所管区域
であります
四国
四県を
所管区域
とする
四国地方建設局
を設置することとしたのであります。 また
地方建設局
の
内部部局
につきましては、
道路事業等
の
増大
に伴い、
事業実施
の
能率化
をはかるとともに、
河川事業
、
道路専業
の遂行に当って、その責任を明確化する等のため、従来の
庶務部
、
工務部
及び
企画部
にかえて
総務部
、
河川部
、
道路部
及び
企画室
を置くこととし、
東北地方建設局
及び
関東地方建設局
には、これらの部のほか
用地部
を
新設
することといたしました。なお、
営繕
に関する
事務
につきましては、その
事務
の性質上従来の
所管区域
によって処理する方が適当と考えられますので、
新設
の
北陸地方建設局
及び
四国地方建設局
においてこれを分掌しないこととし、これらの
地方建設局
には
営繕部
を置かないことといたしました。 第三に、
地理調査所
の
位置
を
東京
都に変更することとしたことであります。
地理調査所
は、戦時中の
疎開先長野
県から、戦後千葉県に移転し、現在に至っておりますが、このたび
東京
都目黒区上目黒に
建設
されております新庁舎に移転することとなりましたので、その
位置
を
東京
都に改めることとしたのであります。 その他
地方建設局
の
所掌事務等
につきまして、若干の
事務的改正
を加えることといたしました。 以上が今回の
建設者設置法
の一部を
改正
する
法律案
の
要旨
でございますが、何とぞ格別の御協力を賜わらんことをお願いいたします。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
4
○
委員長
(
竹下豐次君
) 次に、本
委員会
に
関連
がある
法案
で、ほかの
委員会
に付託になっています
道路整備特別会計法案
の
説明
を
聴取
したいと思っておりましたが、
大蔵大臣
と
大蔵政務次官
が、
大蔵委員会
の
法案
の
審議
のために今どうしてもはずせないというわけでありまするので、この
聴取
は後の機会にいたしたいと思います。
建設省設置法
の一部を
改正
する
法律案
につきましても、これも本
委員会
に
関連
のある
案件
として御
説明
を求めたいという心組みになっておりましたのを、
建設大臣
が早手回しに御
説明
になりましたので、事後承認いたすことにいたします。 以上の各
案件
についての
質疑
は後日にいたしたいと思います。
—————————————
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
5
○
委員長
(
竹下豐次君
) それでは
地すべり等防止法案
を
議題
にいたします。御
質疑
のおありの方は順次御
質疑
をお願いいたします。 それから
質疑
の
方法
でございますが、各
条審議
ということはいたしませんで、各
章別
に御
質疑
を願いたいと思っております。 まず第一章総則を
議題
といたします。
田中一君(田中一)
6
○
田中一
君
建設大臣
に伺いますが、この
法律案
は
災害
を守るという
原則
に立っているものでありますけれ
ども
、少くとも現在あります
ところ
の他の
法律
をもって規制しても、この
実施
は別に困難でないのではないかというような
考え方
を持っておるのですが、なぜ
単行法
としてここに出さなきゃならないかという点が第一点。 それから
一つ一つ
の
国土
に関する
異常現象
と申しますか、あるいは
災害
を遠因とする数々の
現象
、これらのものは常に今日までは
議員立法
で
提案
されておりました。そこで本
法案
を
政府提案
として提出しようとした
考え方
、この二つを
一つ
伺うと同時に、私は勉強しておらぬからはっきりわかりませんけれ
ども
、このような地方的な
一つ
の
現象
というものを中心とした
立法例
というものが、むろんこれは単なる
建設省
ばかりじゃございません、農林省、運輸省、その他の
各省等
で幾つ、どういうものがあるかという点について御質問いたしたいと思います。
国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)
7
○
国務大臣
(
根本龍太郎
君) まず第一に、
地すべり等
の
防止法
を
単独立法
として
政府提案
いたした
理由
については、御
承知
のように、昨年の異常の豪雨に伴いまして、
西九州方面
において非常に甚大な被害が起りました。これに
関連
しまして、この際
地すべり等
に関する
立法
をすべきであるという
意見
が、
関係方面
はもとよりのこと、当
委員会等
においても強く要請されましたので、
政府
といたしましては、従来
砂防法
、あるいは
森林法等
でそれぞれやっておりましたけれ
ども
、必ずしも十全ではない、この際むしろ統一した
法律案
を作ることが必要である、かように認めまして、
単独立法
といたしたわけでございます。 第二番目は、
災害防止
に関するこういう
法律案
が、従来
議員立法
として出されたのを、なぜ
政府提案
にしたかという
理由
でございますが、これはただいま申し上げたことと若干重複する
理由
でございまするが、やはりこの際は
政府
が主導的にやることが必要であると認めるとともに、そういうふうな御要望にこたえて
政府提案
といたした次第でございます。 なお従来の
立法例
につきましては、
事務当局
から御
説明
申し上げます。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
8
○
政府委員
(
山本三郎
君) 先ほど
地域
的に非常に局限されておるという
お話
がございましたが、なるほど
全国
の各
都道府県
に、全部はないわけでございますが、私
ども
の
調査
によりますと、
全国
で三十六
都道府県
にございまして、ほとんど全
地域
にわたっておるという
関係
でございまて、
特別地域
の
特別立法
というふうには、私
ども
はこの程度ありまするとやはり考えないで、敷衍的の
法律案
であるというふうに考えておる次第であります。
田中一君(田中一)
9
○
田中一
君 私は
全国
、三十六
府県
にわたっておるからいいの悪いのというのではない。
国土保全
の
基本法
というものを立てれば、あらゆる
国土
に関する悪
現象
というものが、あるいは
復旧
なり予防なりが講じられるのではないかということなんです。ちょっと今六法全書を調べておりませんからわかりませんけれ
ども
、たとえば
南九州
における
ところ
の
シラス地帯
の
法律
にしても、そうした
一つ
の部分的な
国土
の
現象
をとらえて
単独立法
化するということは、これは当然避けなければならぬのです。現にもう
農林関係
におきましても
建設関係
におきましても、
地すべり
に対する
ところ
の
調査
も、
地すべり
に対する
ところ
の
対策
も立っておるのです。立っておるにかかわらず、なぜ
単独立法
としてしなければならぬかということになりますと、今
大臣
が言っているように、
主観
としてその方がいいと思ったかうそうしたのだということになれば、何をかいわんやなんです。
国土
を
保全
するという
基本法
があれば、その面にあらゆる
実施
の
措置
というものはとられるはずなんです。たとえば
シラス地帯
の面におきましても、一応これは
全国
的に
シラス地帯
がございます。しかし
予算
の
配分
というものは、やはり特定な顕著な
災害
の
地点
のみに集中されるというのが、今日までの
現行法
の行き方でございます。従って
地すべり防止法
というものができても、これはやはり重点的には、ある地方的な顕著な
災害
の
地点
のみに
予算
の
裏づけ
がある、ということにならざるを得ないのです。従って三十六
府県
五千五百ヵ所といわれておる
ところ
のこの
地帯
に対して、三十三
年度
の
予算
の
裏づけ
というものは、どういう形で
配分
されるかという点を考えますと、これは御答弁願いますけれ
ども
、こうした
現象
だけをとらえてそれを追っていく
立法化
というものは、これは少くとも国民をいたずらに戸惑いさせるのみでありまして、基本的な
立法
の態度というものではないのではないか、かように考えるのです。従って
建設大臣
が
自分
の
主観
でこの方がいいのだといえば、これ何をかいわんやです。論議のほかです。しかし
国土
の
保全
ということを考えた場合には、
基本法
はおのずからございます。これによって律せるものだろうと思うのですが、その点について私は
主観
といっているけれ
ども
、
主観
を
裏づけ
るような
予算
の
配分
が行われるのではないかと思いますから、三十三
年度
の
予算
はどのようにどの
地区
にどういう工合に
配分
されるか。これはまあ
農林大臣
がおりませんから、ただいまは
建設大臣
だけの御
弁弁
を求めますけれ
ども
、詳細に御報告願いたいと思うのです。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
10
○
政府委員
(
山本三郎
君) 三十三
年度
の
予算
はどのくらいであるか、あるいはどういう
地帯
にどのくらい
配分
されるかというお尋ねでございますが、詳しい各
府県ごと
の割り振りにつきましては、当初の
要求
に対しまして
予算
が決定いたしましたのは、四億
あまり
の
要求
に対しまして一億八千八百万円くらいの
予算
でございますので、具体的にどの県に幾ら
配分
するということは今作業中でございますので、詳しい数字は申し上げられませんが、全体の
事業費
といたしましては、
建設省
の
地すべり対策事業費
は約二億六千六百万円の
事業費
に相なります。
補助金
といたしまして一億八千八百万円でございます。そのほかに
地すべり地域
を
指定
する
調査
、それから工事にかかる前の
調査
と二つございますが、それを合せまして七百万円
あまり
でございます。これで現在考えておりますのでは北海道ほか三十六道
府県
におきまして、大体二百五十
地区
を来
年度
は対象にしたい、そのうち継続の分が百三十七でございまして、新しく着手したいと思っているのは残りの百十三
地区
に相なります。このうちのおもなる
実施地帯
といたしましては
新潟
、
長野
、
富山
、
石川
の
北陸地帯
における
地すべり地帯
、それから
四国
の徳島、愛媛、高知、
九州
の佐賀、
長崎等
の
地区
でございまして、その他にもやはり
東北方面等
には
地すべり
で非常に危険な
地帯
もございますので、それらも勘案いたしまして、
全国
的にはやはりすべり出す
危険性
の多い
地点
は
調査
できますので、それらの
地帯
から
実施
していきたいというふうに考えております。
田中一君(田中一)
11
○
田中一
君
現行法
でその
調査
が不可能であるとは思いませんけれ
ども
、
単独立法
するにはその
理由
があると思うのですが、それらの五千五百ヵ所、十四万町歩といわれる
ところ
のこの
地域
の
調査
は、
単行法
でなければ完全
調査
できぬという
考え方
ですか。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
12
○
政府委員
(
山本三郎
君) 五千五百ヵ所の
調査
につきましては、主として現在までは
都道府県
が
自分
の
観点
に立って
調査
しておったわけでございますが、中にはむずかしい
地質構造
に
関連
する問題がございますので、ぜひこれは大局的にしかも
地質学者等
を動員して
調査
をしなければならぬ。そうしないと、
地すべり
の
区域
の
指定
であるとか、あるいは
方法
の立案に当りましても
調査
が重要であるということで、来
年度
の
予算
におきましては、先ほ
ども
申し上げました
調査
は
直轄
の
調査
ということで、
補助
ではございませんで
直轄
の
調査
で計上いたしました。そういうふうな点も
法律
の中に、
主務大臣
が
地すべり防止区域
の
指定
をする際には、前もって
大臣
が
調査
をして
地すべり防止区域
の
指定
をやる。それからむずかしい所につきましては、
事業
に先だつ
調査
も
一つ直轄
でやろうということに相なっておるわけでございまして、従来の
方法
よりも国で
一つ
大いに力を入れ、しかも
学者等
の力を借りて
地域
を
指定
し、しかも方策も立てよう、ということに相なっておるわけでございます。
田中一君(田中一)
13
○
田中一
君
単独立法
の方が大蔵省に対して
予算
を取るのに都合がいいのだ、というようなことはどうなんです。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
14
○
政府委員
(
山本三郎
君) 先ほど全体の
国土保全
の
法律
を立てたらいいじゃないかという
お話
でございました。私
ども
もぜひ総合的にそういうことができますならば、まことにけっこうであると考えておるわけでございますが、従来この
国土保全
に関する
法律
は、
建設省
はもちろんのことほかの省でもそれに対する
法律
があるわけでございまして、それらも全般的に一緒の
法律
にするということは、なかなか今の
ところ
相当の時間もかかるという点から、こういうふうな
単独立法
を考えたわけでございます。 それから
予算
を取る上にどうかということでございますが、確かに、国で
調査
するというような点は、
法律
に
規定
してございますと非常に強くなりましてこれは各
地区
で非常に強い要望もございますし、また普通の砂防工事とは違った内容を持っておる
現象
も考えられるわけでございましてそれらはぜひ
一つ
少し知識を商い点から
調査
していかなければならぬという点から、
直轄
調査
の
規定
な
ども
いたしたわけでございまして、そういうことをおきめいただくならば、今後におきましてもそういう
調査
は強力に推進していけるのじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、
法律
を通していただいたから
予算
かすぐ取りよくなるというようなことは、いずれの場合にも考えられるというわけじゃございませんが、今回におきましては、この
法律
をぜひ通すという意味からいきましても、そういう施策が
予算
的に確立されていくのではないかというふうに考えております。
田中一君(田中一)
15
○
田中一
君 私はどうもこういう部分的な、地方的な
現象
を
一つ一つ
単行法
をもって追っかけていかなければならぬということは、これはやはり
国土
計画
の貧困からきているものと思うのです。実際に日本の
国土
というものを根本的に
調査
をして行政面で把握しておってそうして考えるならば、こういうものは全部織り込んだものが考えられてしかるべきだと思うのです。従って今後ともこうした日本の
国土
に対する
調査
等が強力に行われるならば、またこれもっとほかに
方法
があるのです。
現象
だけをとらえて追っかけていくというのは、これは
災害
に対する
復旧
事業
ということになりまして他に
方法
はあると思うのです。そこで、もしもほんとうに日本の
国土
というものに対する
調査
を真剣におやりになるならば、一番今問題になっているのは
特別会計
をもって運営している林野庁、林野庁が所管している
ところ
の
地帯
、これらのものはただ
災害
があるから調べるのだというのじゃなくして、実際に
国土
の
保全
を
自分
の担当主管としている
ところ
の
建設大臣
は、それこそ実態を十分
調査
するということの方が望ましいと思う。現にもうむろん林野庁としては立木が主でありましょうけれ
ども
、これはむろん
災害
を守るためにも必要でありましょうけれ
ども
、これらのものに対しては一般の平民は入れないのです。またそれは一応長い
計画
のもとに
自分
の行政
区域
にしておりまして、私はこういうものこそ
国土
調査
のほんとうの問題じゃないかと思うのです。ただ
一つ一つ
の
災害
その他の
現象
というものをとらえて
立法化
するということに対しては、相当な疑問を持っておるのですが、この点は
建設大臣
はどういうお考えを持っていますか。
国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)
16
○
国務大臣
(
根本龍太郎
君) ただいま
田中
さんが御指摘になりました点は、以前から各方面でいろいろ御議論のある
ところ
でございまして、いわゆる
国土保全
、
国土
の開発を総合的にやるという意味において、行政
機構
においても
国土
省を設置すべきだ、さよういたしまして
建設省
の所管しておる所掌事項、あるいは林野庁の所管しておる
ところ
の所掌事項、こういうものをあわせてやるべきだという、これは根本的議論があり得ると思います。われわれも鳩山内閣当時御
承知
のように、行政
機構
の改革に当りまして、この問題を一応具体的な対象として検討いたしてみたのでありますが、いろいろと御議論がございまして、ついにその機に至らない状況でございます。従いまして、現在におきましては個々の問題を各所管省別に
立法
する
ところ
の傾向が非常に強いわけでございまして、しかもその間もとより同じ内閣でありまするがゆえに、連絡はしておるものの、若干その点では足らない部面が多い。特に今日までの経過から見ますれば、
地すべり等
のような問題につきましては、あるいは緊急砂防、あるいはまた林野庁における
保全
措置
としてやっておるというものも、実態は必ずしもそれに沿わない。そのために昨年の異常豪雨の際におきましても事前の
措置
ができないで、結局事後において緊急の
予算
措置
であとを追っかけていく。そこでどうしても事前にこういうふうな、しかも予測し得る
地すべり
の実態からいたしますならば、未前にこれらの
災害
を防止するような
措置
と、また
災害
が出たことについて統一的な施策をすべきである。こういう
観点
から
田中
さんの言われるような根本的な行政
機構
の
改正
はできないために、これはやむを得ず
単独立法
で
措置
することが現実に必要である、かように考えた次第でございます。
田中一君(田中一)
17
○
田中一
君 そこで、そういうお考えならば、これはあなた方の問題だからもう何も言いませんが、ぼた山と
地すべり
山、この二つのどちらを主として対象にして考えていますか。むろんこれにはぼた山もあわせて行うような形になっております。
地すべり
という
現象
とぼた山という人為的な
災害
を生む山、対象が主としてどちらにウェイトをかけておられるのか。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
18
○
政府委員
(
山本三郎
君) これは主眼がどちらにあるかというお尋ねのようでございますが、
法律
の目的にもありますように、併立でございましてただ、ぼた山につきましては、鉱業権者のあるものは当然その方が
措置
しなければならないものがございますので、そういうものは対象にしていないわけでございますが、それ以外のものにつきましては併立でございます。
田中一君(田中一)
19
○
田中一
君 同じように考えておられるならば、現在の鉱山保安法に基く施設、施策といいますか、こうしたものがどういう工合に行われているか、むろん、その際には鉱業権者であり、かつまた当然かつての鉱業権者であってそのぼた山そのものの所有権というものがどこにあるか、というような点も十分に
調査
が済んでいると思いますけれ
ども
、そういう点は今五千五百ヵ所の
ところ
ではどうもなんとも
調査
ができないでしょうけれ
ども
、少くともぼた山が相当あるといわれておる
ところ
の北
九州
、西
九州
の各地においては、ぼた山を対象にして考えようとすることの方が多いのか、あるいはどの
地区
では
地すべり
という自然
現象
ですね、むろんこれには原因があるでしょうけれ
ども
、われわれの見る目からは自然
現象
と見、天災と見えるような形のもの、それから人為的なぼた山、ぼた山は人造山でございますから、従って、どちらの方に現段階では
事業
のウエイトがかかっておるか。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
20
○
政府委員
(
山本三郎
君)
地すべり
につきましては、先ほど先生のおっしゃったように五千五百余りございます、
全国
で。ぼた山につきましては、現在の
ところ
の調べによりますと、
全国
で約千六百三十ヵ所ばかりございまして、そのうちまだぼた山を堆積中のものと、まだ鉱業を営みつつありまして、ぼた山がまだ大きくなりつつあるというものが約千ヵ所ございます。もう全然堆積をやっていないものが六百二十三ヵ所、こういう実情でございます。その堆積の終了したものが、この
法律
の対象にもちろんなるわけでございますが、所有権の
関係
から六百二十三ヵ所を見ますと、鉱業権者が持っておりますのが三百九十七ヵ所、その他のもの、これは鉱業権者以外の者が持っているのが百五十二カ所ございまして、所有者の不明のものが七十四ヵ所ございます。このうち鉱業権者の持っておりますものは、もちろん今回の
法律
の対象に相なりません、あとで申し上げました百五十二カ所と七十四ヵ所、合計二百二十六ヵ所がこの
法律
の対象になるものであるというふうに考えておるわけでありまして、先ほどの
地すべり
の五千五百ヵ所に比べますと、三十分の一ぐらいしかないのでございまして、もちろん
事業費
におきましては、圧倒的に
地すべり
に充てるものが多いわけでございまして、来
年度
におきましても、ぼた山に対して
建設省
として入れようという
予算
はこの
割合
ぐらいの比例に相なっております。
田中一君(田中一)
21
○
田中一
君 いや、
地すべり地帯
といっても、五千五百ヵ所のうちその規模が一番大きな問題なんでよ。個所で示されても相当大規模なものもあれば、小さなものもあると思う。だから、私は実際ぼた山と
地すべり
区域
との比例というものは、主としてぼた山の方に集中されなくちゃならないのじゃないかと思うのです。現在の
災害
を守ろうという場合ならば、むろん、これには私の知っている
新潟
県、山形県等にも
地すべり
がありますけれ
ども
、これはもうぼた山の崩壊の方がもっとこわいのです、実際言うと。あの西
九州
ですか、あの辺の山はおおむねぼた山なんですね。そういうものに対する実際の
調査
というものが、ことに三十三
年度
の
予算
のつけ方というもの、それから現在までつけております
予算
、二十七年から引き続きつけました
予算
というものがどの方面に使われておったか。
説明員(戸田福三郎君)(戸田福三郎)
22
○
説明員
(
戸田福三郎
君) ぼた山はまだ十分
調査
がいたしてございませんが、過去にやりましたのは、ここ一、二年前から始めたのでありまして、先ほど
田中
先生のおっしゃった
昭和
二十七年からというのは
地すべり
だけでございます。
田中一君(田中一)
23
○
田中一
君 そうすると、鉱業権者の山に対しては、これは通産省がやっているのだからといって知らぬ顔をしているわけですか。ということはですね、これは
地すべり防止法
なんです。鉱業権を持っておる
ところ
の鉱山所有者、またはぼた山の所有者はこの
法律
ができても、他のもの、今の六百二十三ヵ所のうち三百九十七ヵ所はこの
法律
から放任されるということになりますね。しかしながら、鉱山保安法によって規制されるのだということになっておりますけれ
ども
、実際は三十三
年度
予算
で通産省はこれらに対する
調査
費とかなんとかを、具体的には鉱業権者が、それは当然
負担
するのだということが前提でありますけれ
ども
、それを強制するような何かの
措置
をとろうとしておるのですか。それともそれはこの
法律
によって当然その精神は了解済みなんだということになっておるのですか。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
24
○
説明員
(
関盛
吉雄君) ただいまの御質問でございますが、本
法案
におきましても、第二条の定義の
ところ
に、本法のぼた山として対象といたしますものを、この第二項に
規定
いたしております。すなわち、
地すべり等防止法案
でいいます
対策
を要しますぼた山と申しますのは、「石炭又は亜炭に係る捨石が集積されてできた山であって、この
法律
の施行の際現に存するものをいい、鉱山保安法第四条又は第二十六条の
規定
により鉱業権者又は鉱業権者とみなされる者が必要な
措置
を講ずべきものを除くもの」といたしておりますゆえんのものは、今、先生
お話
の第四条によりまして、現に鉱業権者である者が、いろいろな
措置
をすべきことを鉱山保安法の
規定
によって明記せられております。さらに第二十六条の
規定
によりまして、その者が鉱業権者でなくなりましても、五年間は保安上の命令を受けまして、その場合においても同様の
措置
をすべきことが
規定
されております。かつ、その保安上の義務につきましては、通産省の
関係
政令
並びに規則によりまして、詳細な、義務的な
規定
が指導上も、また法制上も完備しているわけでございまして、本法の施行の際に、現に存するものにつきましては、先ほ
ども
お話
がありましたように、この義務者がおらないのでございます。しかも鉱山保安法というものが、今日のような段階、十分
整備
されておらなかった時代に発生したものでありましたり、またきわめて古い段階のぼた山として今日存しているもの、こういうことでございますので、通産省の方の
関係
におきましては、
政府
部内といたしましては、今後このようなぼた山が、鉱山保安法の指導上の問題なり、監督上の問題として新たに発生することのないように、通産省からも
現行法
規の十分なる
実施
をはかっていかれることになっております。
田中一君(田中一)
25
○
田中一
君 大体ぼた山を作るという人たちは、おおむね中小炭鉱が多いのですね。だからこうして全然だれのものかわからぬものが七十四ヵ所もあり、それからもう鉱業権者以外の者のものになっているのが百五十二カ所もあるということ、こうした実態というものをすっかりお調べになって対象がはっきりした。はっきりしたが、鉱業権者の持っている三百九十七ヵ所というものに対しては、実際鉱山保安法による
ところ
の保安施設というものが十分にできているのですか。おそらくあとになってこれはおれの方の分野じゃないから知らぬということじゃ困ると思うんですよ。もし。そういうものが実際に鉱山保安法によって、今、次長が完全にできているというけれ
ども
、できているというのは
法律
ができているのであって、実際はできているかどうかの問題をお調べになったと思うのですが、そういう点はどういう現状ですか。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
26
○
説明員
(
関盛
吉雄君) ただいま御指摘の
通り
に、
国土
の
保全
という
観点
から、残された形になったものが、今後発生するということは、国といたしましても、またこの種の
事業
を
地方公共団体
が、国の機関といたしまして
実施
いたします場合の結果、
費用
負担
を生ずることからいたしましても、
お話
の
通り
でございます。従って今回の
地すべり等防止法案
の中にぼた山
対策
というものを入れます場合におきましては、
政府
部内といたしましても、よくその点を検討いたしたのでございます。申し上げておりますように、鉱業法及び鉱山保安法によまする指導監督を、この際さらに一そう通産省当局から徹底して行なっていただくと同時に、詳細の
規定
は
現行
規定
におきましても、省令等に規律されております。従って鉱山保安等に直接
関係
のある義務者が、ただいま堆積中のぼた山、もしくは、堆積終了後といえ
ども
、その義務を有しているものに対する崩壊防止の責任についての、実際上の工事の設計等につきましても、
建設省
の方におきましても目下相談を受けておりまして、従前の指導以上に本法の制定によりまして、今後遺棄されることのぼた山のないように、
対策
を相談いたしております。
田中一君(田中一)
27
○
田中一
君 この第四条には、
主務大臣
が
区域
を
指定
するということになっておりますが、それが今いう鉱山保安法による
ところ
の
保全
義務があるにもかかわらずそれをしない場合、その
区域
とそれらの鉱業権を持っている人たちのぼた山、いわゆるその
法律
の適用外のぼた山と隣接というような場合には、小規模の最小限度の
地域
を
指定
するなんて言わないで、やはり全部
関連
するのですから全部を
指定
した方が安全度が相当強くなると思うのです。そういう点は、この
法律
ができたことによって、鉱山保安法の方にもう少し強く働きかけるような形のものができなかったのかどうか。おそらく西
九州
、北
九州
等の中小炭鉱のぼた山は、まるで同じような山がそのままつながっているような所が多いのです。片一方は鉱業権者があるからこれはらち外であると、
主務大臣
の
建設大臣
あるいは通産
大臣
はこれを
指定
しない。しかしもしそれが崩壊した場合には次の山にも、その
区域
全体にも悪影響があるという場合、何か手を打たなければ、これはおれの縄張りじゃないと言ってうっちゃっておくことは、地元の人たちが安心できないわけなんです。そういう点は、あるいは鉱山保安法をもっと
強化
するような
改正
をするとか、何とかしなくちゃならぬと思うのですが、その点は、四条の
指定
される
区域
と
指定
されないものとの、完全な同じような保安施設と
保全
施設というものがなされなければならない、という点からどう考えておりますか。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
28
○
説明員
(
関盛
吉雄君) まことにごもっともな御
意見
でございまして、同様に
国土保全
上一方においては国の機関としての知事が、当該ぼた山の崩壊防止
区域
として
指定
された所をやるぼた山と、それから鉱業権者、もしくは、みなされる鉱業権者が、同様の立場において、そのぼた山を
国土
の
保全
上
管理
すべき立場にあってやるべきその性質のものが隣接しておる、という形になるわけでございまして、実質的に鉱業法、鉱山保安法の内容を詳細に検討いたしてみますと、
法律
の形の上におきましては、十分なる
措置
が講じ得られることになっておりますので、問題は、本法の施行に伴って、同様の実効があがるような行政
措置
を通産省と共同してやると、こういうことに目下打ち合せをいたしております。
田中一君(田中一)
29
○
田中一
君 鉱業権を持っている人が所有している危険なぼた山は、別の
法律
でやるのだからいいのだ、といって放置しておく、国民はそれを知らぬ。
指定
区域
じゃないからそれは安全なものだという見方をするから、それが隣接する場合、これは相当危険なものがあると思うのです。だから私はそういうものをも含めた
指定
区域
というものをきめなければならぬと思うのです。ことにそういう
保全
施設をしないという所はおおむね中小炭鉱であって、これはいつでもそんなものはうっちゃっておく。中小炭鉱のあり方として炭価が下ればそのまま閉鎖して逃げてしまう。そうすれば従事している
ところ
の労働者の諸君も相手がいなくなったので、しようがなしにちりぢりばらばらに、当然労働法で守られているようなすべての
要求
もできないで、そのまま雲散霧消するというのが普通のあり方なんです。従ってこういうような所に問題が起ってくるわけなんです。それでまた炭価が高くなれば、いつのまにか舞い戻ってきてまた掘っているというようなことがあるのですが、鉱業権者に対する
保全
義務、そういうものを私はもう少し詳しく通産省の所管の局長からでも伺わないと、非常に安心しないわけなんです。そういう点は
一つ
あなたの方に聞いても困ると思うけれ
ども
。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
30
○
政府委員
(
山本三郎
君) 今の
お話
の点につきましては、この
法律
の立案中においてもそういう話は通産省、大蔵省との間で十分やったわけでありまして、今後の取締りの
方法
につきましては、いずれかの機会に通産当局をお連れいたしますので、お聞きいただきたい。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
31
○
委員長
(
竹下豐次君
) ちょっと私から
関連
してお尋ねしたいのですが、この第二条の二項に「
法律
の施行の際現に存するものを」というのですが、このあとできるもので、そうして新しくできたものについては、もとより鉱業権者、または鉱業権者とみなされるものが一応あるわけですが、それらが何年かあとになくなり、ただぼた山だけが残る場合が予想されるわけですね。その取締りはどういうことになるのですか。通産省の方の
関係
で何か取締規則が別にあるのですか。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
32
○
説明員
(
関盛
吉雄君) この
法律
の立て方は、現に存するぼた山で、鉱業権者もしくは、それとみなされる鉱業権者のないものにだけ限定すると。それでは今後、そういう鉱業権者もしくは鉱業権者とみなされるもののないものを作らぬようにする
方法
をどうするか、ということに、帰着するわけでございまして、それは先ほど
田中
先生の御質問の一部にも
関係
しておるわけでございまして、
政府
全体といたしましては、かようなものが今後発生しないように、通産行政の面からの監督並びに防止の
措置
を十分講ずるということで、現在の
法律
改正
の必要の有無についても検討いたしたのであります。その結果
現行法
の
改正
ではなくて、実際の運用上の点について至らない点は省令、
政令
以下の点で、十分徹底することができるという
お話
でありますから、先ほど局長から
お話
のように、いずれ通産省から御
説明
していただければおわかりのことかと思います。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
33
○
委員長
(
竹下豐次君
) 通産省から
説明
を聞けばわかるのですけれ
ども
、この
法律
をお作りになる場合のお気持としては、通産省の権限で取締りのできる、鉱業権者もしくは鉱業権者とみなされる者がなくては、通産省が取締りにくいのだから、またそういう
法律
もないのだから、それでそこを拾って取締規則を作るというのがねらいですから、そうすると、私がお尋ねした、この後そういう類似のものが生ずる可能性は十分あります、長い間には。でありますから、初め作るときには気をつけて作っても、何年かたてばまた
構造
が乱れてきたりするようなことも一応心配される、そういう考えにおいてやるべきことだろうと思う。それも一緒にお考えにならなければならない問題じゃないかと思う。そのときには、やはり今日まで通産省の管轄から離れてしまったものがあるように、そういうものがこの後起るとすれば、やはりその部分については、かつての部分はあなたの方でお取締りになると同様に、このあとの分についても、あなたの方でお取締りになることの方が
考え方
が一貫するのではないか。かようにも私は考えておるので、それは通産省の方であるということを当然初めから仮定されるのはどうか。かように思うが、これはいかがですか。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
34
○
説明員
(
関盛
吉雄君) この
法律
は、今
委員長
のおっしゃるようなこの
法律
の施行の際、現に存していなかったけれ
ども
今後出てきた、第四条または第二十六条の鉱業権者もしくはそれとみなされる鉱業権者が、必要の
措置
を講ずべきものとして取扱われないものが出てきた、こういう場合のぼた山というものは一体どうするか。こういう問題でありますが、これはこの
法律
の
建前
といたしましては、この
法律
ではぼた山とは言わない、そういうものを一体どうするかということは、そういうものが今後出ないようにするということがまず先決で、出た場合についてはどうするかということについては、今この
法律
の直接の問題としては考えておらない、こういうことであります。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
35
○
委員長
(
竹下豐次君
) 私の言うのは、この後出ないようにするというにはどういうふうにしたらいいか、というようなことを通産省の方にまかせないで、あなたの方でしっかり考えるべきものじゃないか。もとより向うと相談の上ということはいいでしょうけれ
ども
。それを言っている。先ほどからの
お話
を聞きますと、その点はそういう問題は通産省の問題であるかのようなふうにちょっと聞きとれましたので。私の聞き違いがあるのかもしれません。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
36
○
説明員
(
関盛
吉雄君) よくわかりました。結局通産省と十分相談をいたしまして、通産行政土の監督の不行届、もしくは
法律
の欠陥からこういうぼた山が今後発生しないように、われわれの方も両方とも十分話をする。それからまたその具現に努めてもらう、こういう相談をいたしております。
田中一君(田中一)
37
○
田中一
君 現在あのぼた山を築造するのは、まあ主として鉱業権を持っておる者がやりますけれ
ども
、土地と山との所有者というものば実体は違っておりますか。同じ人ですか、違っておる人ですか。今の例えば六百二十三ヵ所全部、その内訳は三つになっていますけれ
ども
ね。その三つともどうなっておりますか。ぼた山そのものをこれは作るのですからね。作った所有者と土地の所有者とはどういう
関係
になっておりますか。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
38
○
説明員
(
関盛
吉雄君) これは一々のぼた山について、先ほど数字が出ましたものについて調べたわけではございませんけれ
ども
、土地とぼた山とは一応分離されておる形態が多いようでございます。それでこのぼた山そのものは何であるかということを、いろいろ
法律
的に検討いたしますと、あれは動産であるという
説明
でございます。で、現実の慣行といたしましては、そのぼた山を堆積する際に、その土地にいわゆる借地権を設定いたしましたり、あるいはまあ土地を買ったり、そういうふうな形で土地の所有権とは一応分離して取り扱われておる形態が多い。こういうふうに聞いております。
田中一君(田中一)
39
○
田中一
君 まあ大体人造なんですからね。これはもう動産であると思いますがね。しかしそういうような見方はですよ、他の物権と同じような見方をしている、まあ主としてですよ、われわれは、
関係
ない人は非常に誤解するわけなのですね。あれを動産だと見る、人造山だと見る場合には動産だ。しかしそうでない、自然な山と見る場合にはこれは不動産だという見方をしますからね。そういう
調査
は今後してはっきりと、これは何だ、これは何だときめるつもりですか。また鉱山法にもそういうことはどういう工合に明記されていますか、鉱山保安法にも。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
40
○
説明員
(
関盛
吉雄君) ただいまの問題は二点ございましたが、ぼた山の土地の堆積の
関係
と、それからその所有権とかあるいは使用権とか、諸般の問題につきましては十分な
調査
をいたさなければならぬと思っております。さらにただいまの
お話
のぼた山の鉱業法上の取扱いは、どういうふうな表現をしておるか、ということについて水
政課長
からお答え申し上げます。
説明員(国宗正義君)(国宗正義)
41
○
説明員
(
国宗
正義君) お尋ねのどの場合に動産とみなし、どの場合に動産とみなさずして不動産になるか、という明文の
規定
は鉱業法自身にはございませんですが、鉱業法第三条第二項におきましては、鉱物の「廃鉱または鉱さいであって土地と付合しているものは、鉱物とみなす。」という
規定
がございまして、この際、鉱滓であって土地と付合する、ただいま議論されておりますぼた山は、石炭または亜炭の捨石でございますから、まさに鉱油でございまして、土地と付合しておる場合は鉱物になる。と申しますことは、ほかならぬ、先ほど次長が御
説明
しましたように、ぼた山が土地と付合して一体となれば、その土地自身になるわけでございまして、ほかならぬ不動産になるわけでございます。不動産になったらば、土地でございますから、土地の中に入っておりますこのような鉱物すなわちミネラルは、鉱業法上の鉱物になるわけでございまして、鉱業権が設定できるということになりますものですから、その場合にのみ不動産になる。従いまして先ほどからの議論は、鉱業権設定に適するかいなかということから判定いたしまして、土地の中にある、従って付合して一体となった場合は鉱業権の設定の対象になる。通常のぼた山につきましては、鉱業権の設定の対象にならない。従って土地でもなければ鉱物でもないという扱いを、大審院の判決以来なしておるわけでございます。
田中一君(田中一)
42
○
田中一
君 そうするとこう理解していいわけですね。ぼた山の中に、まあ石炭でございましょうぬ、石炭がまじっておったぼた山を、今度はぼた山は全然鉱業権の設定がない、だれかがそのぼた山に対して、それは何万分の一、何十万分の一でも鉱石があればそれはおれに採掘させてくれと言ってきて、許可をする場合には鉱山になる。それからそのままに置いてあってやった場合には動産だということなんですね。ぼた山は炭価が高い場合には相当カロリーの低いものでもどんどん掘って売れる。
ところ
が炭価が安い場合には高カロリーのものでなければ売れんから、そんなものは捨ててぼたの中にぶち込んでいくということはあり得ると思うのですね。その場合にやはりぼた山の中には鉱物は含まれておるから、その鉱業権というものを設定してくれと言って、そこからまだぼた山をくずしてその鉱物を取るときには、鉱業権が設定され、鉱山すなわち不動産と見るとこういうことなんですか。 そういう実例はあるんです。たくさん。北
九州
、西
九州
へ行きますとよくそういう実例があるんです。ぼた山から石炭をまた掘るやつがいるんです。
説明員(国宗正義君)(国宗正義)
43
○
説明員
(
国宗
正義君) お尋ねの問題は、これは全く通産の鉱業行政に関することでございますが、私
ども
聞く
ところ
によりますと、ぼた山の捨て石が石炭の層をなすという、物理的な
現象
を呈する場合もございますし、また石炭ならざる鉱物が入っておる場合もあるわけでございます。その場合の取扱いでございますが、一般にやはり動産につきましては鉱業権が設定できませんものでございますから、今のお尋ねの石炭を掘るような場合は、実際上鉱物を土地を掘りくり返して掘っておるわけでございますが、そのような採石をする人には鉱業法の適用はなく、許可なくして行なっておる実情であると聞いておるわけでございます。
田中一君(田中一)
44
○
田中一
君 これは通産の人を、鉱山局長でも呼ばないと進まないな。定義から納得しなければ入れないからね。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
45
○
委員長
(
竹下豐次君
) ちょっとこの際申し上げますが、
建設大臣
は三時二十分ごろから内閣
委員会
で設置法
関係
の
質疑
に応じたいと思うので、そのころ退席したいというお申し出があったのでありますが、
大臣
に対する御質問のお方はなるべく早目にお願いしたいと思います。
田中一君(田中一)
46
○
田中一
君 またこの次に機会がありますから、あなたにはそのときに質問します。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
47
○
委員長
(
竹下豐次君
) ほかの方いかがでございますか。きょうに限ったことではないので、またこの次にもおいで願わなければなりません。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中上〕
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
48
○
委員長
(
竹下豐次君
) 速記を始めて下さい。
田中
君の質問は、一応これで留保いたしまして、ほかの問題について御
質疑
のお方は、順次御発言願います。
西田信一君(西田信一)
49
○西田信一君
大臣
の
説明
によりますと、
全国
の
地すべり
個所は五千五百ヵ所、面積で十四万五千町歩あるということで、これに対する
対策
としてこの
法案
か出されたわけですね。そこで、先ほどそれは三十六
都道府県
にまたがっておるということでありますが、こまかい
ところ
までは必要ありませんが、そのおもな分布をまずちょっとお伺いしたいと思うんです。五千五百ヵ所というのは、その三十六
都道府県
、主要な所でけっこうですが、どういうふうに分布しておりますか。これはちょっとおもな所だけおっしゃっていただいて、こまかい所は資料にして出していただきたい。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
50
○
政府委員
(
山本三郎
君) それでは資料を後ほど差し上げますが、おもな所を御
説明
申し上げますと、
全国
で五千五百八十四ヵ所でございまして、面積が十四万三千二百六十三町歩に相なっておりますが、そのうち千町歩以上のものをかりに申し上げますと、山形県が百九十五ヵ所で約四千町歩、
新潟
が千二百九十二ヵ所で二万一千九百町歩、
富山
が百四十九ヵ所で二千八百五十九町歩、
石川
県が二百三十四ヵ所で六千二百三十九町歩、山梨が二十一ヵ所で五千百五十六町歩、
長野
が八百五十四ヵ所一万二千八百九町歩、それから兵庫県が百二十七ヵ所で千百七十五町歩、和歌山が百三十四ヵ所で二千百二十四町歩、徳島県が一番多うございまして、千五十八ヵ所で七万町歩、愛媛が二百六十三ヵ所で二千二百四十一町歩、高知県が八十九ヵ所で千四百七十九町歩、それから佐賀県が百二十一ヵ所で千百五十五町歩、長崎県が百六十六ヵ所で二千三百九十五町歩となっております。
西田信一君(西田信一)
51
○西田信一君 これはあとで詳細な資料をちょうだいしたいと思いますが、そこでこれだけの個所があって、現在継続が百三十七ヵ所、新規が百十三ヵ所で、三十三
年度
で
事業
の対象になるものが二百五十だ、こういう御
説明
がございました。
全国
で五千五百ヵ所の二百五十ですから二十分の一程度のものですが、もちろんこの五千五百ヵ所全部が
指定
されるとは考えておりませんけれ
ども
、少くともこの
法律
を作るために
全国
の
調査
をされて、五千五百ヵ所は一応
地すべり
の個所として認められておる以上、相当のものがこれは対象になるだろうと考えるわけです。 そこで
地すべり防止区域
の
指定
の問題ですが、これは
建設大臣
が必要と認める場合に、現地
調査
をやってこれを
指定
する、
指定
の場合には
都道府県知事
の
意見
を聞くと、こうなっておるようですが、この
指定
というのは、要するにこの
地すべり
防止工事を
実施
するということと相当の
関連
を持つと思いますが、それで相当長期にわたって順次
指定
していくということになりましては、実際にこの
法律
を作った効果はあがらぬじゃないかというふうに考えるわけです。そこで
指定
は、ある期間内に一応全部
指定
をするという方針であるのか、それとも
予算
に見合う程度に順次重要なものというか、必要度の高いものから
指定
をしていくというような方針であるのか、この点はどういうお考えでしょうか。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
52
○
政府委員
(
山本三郎
君) 現在
地すべり
区域
といたしまして、先ほど御
説明
申し上げましたように、
全国
で五千五百個所余りございますが、現在三十二
年度
ではどのくらいやるかということでございますが、
調査
を行なった上でやるわけでございますが、
昭和
三十三
年度
中におきましてはそのうち約千六百個所くらいは
指定
したい。これはもちろん
建設省
もやるわけでございますが、農林省も
指定
するものを含めております。 それでもう
一つ
は、工事をやる所以外も
指定
するかという
お話
でございますが、これは千六百個所のうちにはもちろん工事を全部やる分だけではございませんで、行為制限をする等の必要から、そういうものをやれば非常に有益であるというような
地点
もございますので、その中にはもちろん工事をやらないで、行為制限等の問題から、緊急性のあるものから
指定
していくわけでございまして、
全国
的には大体三年くらいの間には
指定
してしまいたいというふうに考えております。
西田信一君(西田信一)
53
○西田信一君 大体の方針がわかりました。三年くらいで一応
指定
を終りたい、こういうことでございますが、そこで
全国
で五千五百個所のうち、三十三
年度
ではとりあえず千六百個所の
指定
をしたい、こういうことでございましたが、しからば
全国
のこの五千工百個所、これはもちろんおよその概数と思いますが、三ヵ年間にどのくらい大体
指定
対象になる
地域
があるという見込みなんでしょうか。三年目にはその
指定
する個所数がどれくらいになるというような大体の見通しはございますか。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
54
○
政府委員
(
山本三郎
君) 五千五百につきましては、従来から県の
調査
で大体
地すべり地域
というものは詳細な五万分の一図面にできております。なおしかしこれは一応全般的に
建設省
あるいは農林省におきましても、現地等調べまして
調査
するわけでございますが、大体におきまして三年間におきまして全
地域
を
指定
したい、五千五百くらいは全部
指定
しなければならぬというふうに考えております。
西田信一君(西田信一)
55
○西田信一君 そこで先ほどの
説明
によりますと、従来各省で
調査
もしており、また
都道府県
の
調査
等もあるけれ
ども
、
指定
をする主務省としてあなた方で直接
調査
を行なった上でやりたい、こういう御
説明
がございました。しかるに
予算
は今
年度
七百万円の
調査
費であるということでございますが、この程度で全
地域
の
調査
が行われるというお見通しでございますか、そのはいかがですか。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
56
○
政府委員
(
山本三郎
君) 先ほど御
説明
申し上げました七百万円余りというのは、
建設省
分の
調査
費でございまして、そのほか農林省で計上されておりますのが、林野
関係
といたしまして四百五十五万円、農地
関係
といたしまして百六十万円ございますので、これらを合わせますと、三十三
年度
で
調査
費で千三百万円くらいになりますので、これをもって大体三分の一くらいの
調査
はできるというふうに考えております。
田中一君(田中一)
57
○
田中一
君 これはこういう考えではなかったかな。
農林大臣
、
建設大臣
、通産
大臣
も含めて鉱業権のあるぼた山、鉱業権者が持っているぼた山を含めて、全部一応この
法律
でおさめて、そうして通産
大臣
はその鉱業権を持っておる部分に対して、この
法律
をもって
強化
するという
考え方
が妥当なんだ。同じ
地域
の隣接している人造山と、それから同じような
現象
の
建設省
所管のものもあれば、これにくっついて農林省所管のものもあると思うのだ。その場合には物件、対象が同じなんだから、全部この
法律
に入れてしまって、そうして通産
大臣
は鉱山保安法以外に、法の精神はむろんのこと、これ以外にこの
法律
でもっと強く同じような規制をするということの方が正しいと思うのだ。さもなければ分離してしまう。しかし、ぼた山に対する
対策
というものがなくてはならんのですよ。そうすればわれわれが心配するような心配がなくなってくるわけなんですよ。別の
法律
をもって規制するということになると、この
法律
は新しい
法律
だから、ことに
補助金
もつくのだからびんとくるけれ
ども
、これらのおそらく鉱山保安法では
補助金
なんかないのじゃないかと思う。むろんそれは営利
事業
だから、当然それでやるのだということになると思うのだ。そこにやはり
保全
施設を作ろうという意欲の問題が、おのずから、この場合と一般鉱業権があるぼた山の場合とは、違ってくるということにならざるを得ないのです。何も営利
事業
をやっている
ところ
の人たちに、今ここで簡単に
補助金
をやるとは言いません。言いませんが、同じ
現象
なんだから、
一つ
の
法律
をもって規制するということの方が、そうしてその所管を分担した方が正しい姿ではないかと思うのだ。これは、どこまでも自然
現象
の
地すべり
、それから農林は分けてもかまわんけれ
ども
、そういう分け方をしなければ、僕は完全にいかないと思うのだが、どうですか。ということは、この
法律
を作る場合に、各省の間でそういうことが出なかったのですか。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
58
○
政府委員
(
山本三郎
君) この
法律
に入れようという議論まではなかったのでございますが、この
法律
を作ると同時に、鉱山保安法なり鉱業法を
改正
して、もっと現状よりもよくなるように
一つ
改正
する必要があるんじゃないかという議論は出たわけでございます。しかし先ほど次長から申し上げましたように、今の
法律
で十分取締りするという根拠はあるわけでございまして、その線によって通産省は今までも、先ほど
お話
もございましたように、大きな炭鉱は割りと施設をしているわけでございますが、おっしゃるように小さな炭鉱はなかなかできないというのが、通産当局も実情はそういうことだということでございまして、この方面に主力を入れて保安施設をやらせるようにすることが必要であるということで、今の
法律
で十分できるから、その点で
一つ
取締りを
強化
していくということになって、それではそれを
一つ
やってもらおうということに相なったわけであります。
田中一君(田中一)
59
○
田中一
君 ことに土地の所有者として、そのぼた山という物権というか、動産は、所有権が違う場合には、所有権を放棄すればいいんだからね。おれのものじゃないと言えばいいのです。次次に善意な第三者の手を二、三回ぐるぐる回っていけば、だれのものかわからなくなってしまう、善意な第三者で。だれのものかなかなか困難だからね、これは。ですからさっき
委員長
が質問しているように、そういう
現象
で、それを縛ろうとしても、合法的にだれもわからぬ山になることは可能なんです、だれが所有者か。原因を作った者が当然
負担
するのであって、善意な第三者というものにはおそらく義務はないと思う。もちろんそうなると、だれのものかわからぬ、
法律
を作って規制する、義務が強制されて、だれもわからぬ山が新しくできてくる、ということになるのじゃないかと思うのです。それで、その原因を作った
ところ
の者は、逃げてしまったり破産してしまったりすれば、これは法人なんというものは、炭鉱なんというものはすぐにつぶれてしまうのですよ。そのかわりすぐに芽が出てくるのです。これは炭価によって生きたり死んだりするのですよ。だから逆に、今まで
自分
のものだったぼた山が、この
法律
によって所有権がなくなってしまうような傾向が多くなるのじゃないかと思う。そういうことも考えられると思うのですよ。そういう点はどうです。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
60
○
政府委員
(
山本三郎
君) これはなかなか
理由
づけとしてはむずかしいわけでございますが、ここで入れておきまして鉱業権のあるものも入れておくのだということに相なりますと、これは
考え方
の違いかもしれませんが、国が施策をやってくれるのだというようなことがちょっとでも現われますと、さらに今申されたような傾向が強くなりはせぬかということもおそれられますので、一般の税金でやるものは
一つ
できるだけ少くしたいと、対象を少くして、当然やるべき義務のある者はその方でやってもらうという趣旨で、こういうふうにしておるわけであります。
田中一君(田中一)
61
○
田中一
君 あの、これはまあ鉱山局で来ればわかるけれ
ども
ね、鉱業権者すなわち採掘業者じゃないと思うのですね。ない場合があるわけね。鉱業権者が必ず
自分
でそれを採掘するということじゃなく、請負いでぼたと必要な鉱物を含んだものを請負いでやらせてそれでその辺に捨てている場合もあるのですね。鉱業権者だけ縛っても、おれじゃない、請負人なら請負人、第三者にやらせたのであって、捨てたのはおれじゃない、あれが捨てたんだということになる。ぼたというものはこれは鉱業権者のものじゃないかもわからぬ、そういうことがあると思うのですよ。こういうきめ方をすると、そういう逃げ方がある。掘ったらお前にみんなくれてやる。いい炭だけこっちへよこせと言って、採掘業者がそれを捨てていくということもあり得るのです。その場合どうするかね。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
62
○
説明員
(
関盛
吉雄君) これは鉱山保安法の第四条の鉱業権者の義務という
規定
がございまして、それにはやはり捨石とか鉱滓の処理に伴う危害防止とか、あるいは鉱害防止というふうなことが
法律
上義務づけられておりまして、実際に鉱業権者がいわゆる鉱業権を行使するに当りまして、その詳細な施業
計画
を、鉱山保安
関係
の主管部局の認可を受けまして、現実にやる行為の許可を受けることに、
法律
上
規定
せられておりますので、そのような業務の執行が請負いの形をとっておりましても、鉱業権者としての義務というものは
法律
上明定されておる、こういうふうにわれわれ解釈しておるのであります。
田中一君(田中一)
63
○
田中一
君 そうすると、地下に埋没されている鉱物というものをそのまま第三者に贈与する、くれてやる、全部やっちゃうのです、掘っていい。そのかわりそのうちのこれだけのものはおれの方によこせといって、ある一定の炭を向うにやってしまったものを取り上げる。これは鉱業権者じゃない、鉱業権者はもっと幾らか取り上げるのが鉱業権者であって、鉱業権を持たなければ堀れないということはないと思うのですよ。そうするとその人間がずりとかぼたをどこかへ堆積するといった場合には、鉱業権だけを縛ったってその
現象
はなくならないと思うのだ。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
64
○
委員長
(
竹下豐次君
) 石炭局の炭
政課長
の町田幹夫君、鉱山保安局の局長小岩井君、同局の
管理
課長竹田達夫君、三人が見えました。
田中一君(田中一)
65
○
田中一
君 今
地すべり等防止法案
の
質疑
をやっておるのですが、通産省の方に今伺いますけれ
ども
、ぼた山というものの定義をここで、はっきり法文では出ておるのですけれ
ども
、ぼた山というものの
法律
的な
説明
を私
ども
詳しく知らぬもんだから、見れば大体わかっています。けれ
ども
詳しく御
説明
を願いたいと思うのです。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
66
○
説明員
(町田幹夫君) ぼた山の
法律
的な定義ということでございますが、ぼた山とは御
承知
のように、石炭をまあ坑内から採掘いたすわけでございますが、その石炭は、通常この坑内におきまして、石炭分と石が一緒にまじった、いわゆるあら炭と申しますが、あら炭一名また原炭とも申しますが、原炭が出て参るわけでございます。その原炭を選炭機、あるいは手選いたしまして、石炭分だけをより分けまして、その残りのかすと申しますか、残ったものはまあ通常捨て石ということになるわけでございますが、これを一定の場所に堆積しておくと、あるいはこれを、海岸炭坑等におきましては、埋め立てに用いると、こういうふうなものでございます。
田中一君(田中一)
67
○
田中一
君 そうしますと、先ほ
ども
河川
局の方に聞いたのですが、これは動産か不動産かということになりますと、今の御
説明
じゃ動産ということになるわけですね。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
68
○
説明員
(町田幹夫君) これの
法律
的な取扱いにおきましては、普通の場合には動産の扱いをいたしております。ただこれが非常に長年月たちまして土地とまあ一体をなして、あるいはその上に草が生えるというふうな形になりました場合には、これを動産の取扱いをせずに、土地と一体をなしたものとして不動産として取り扱うと、そうしてそういう場合にはそれは一種の鉱物も含んでおりますので、鉱業権の対象にもなるというような場合もございます。
田中一君(田中一)
69
○
田中一
君 そうすると土地と一体になるという
現象
はどういうことでございますか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
70
○
説明員
(町田幹夫君) 土地と一体になりますというのは、捨て石をだんだんと堆積いたしましてそれが長い年月の間にいろいろ表面等が風化いたしまして、そして非常に何と申しますか土地と見分けがつかなくなるという場合でございます。
田中一君(田中一)
71
○
田中一
君 たとえば鉄と鉄とを溶接する場合にも、媒体として金属を使いますが、一体じゃない、一体とはいわない。
構造
としては一体となるかもしらぬが、その部分としては本質的に違うわけですよ。だから一体となるとか今風化するとか長い年月とかいわれたが、風化するような長い年月とは一体どのくらいの年月をいっておるのですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
72
○
説明員
(町田幹夫君) このぼたの性質によりまして、非常に風化しやすいものとそうでないものとによりまして一がいには申せないのでございますけれ
ども
、大体一体をなすということになれば四、五十年以上たったものだと、こういうふうに御了解をお願いいたします。
田中一君(田中一)
73
○
田中一
君 草のはえたような場合というのは、草がはえるとそれはもう四、五十年以上と見ていいのですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
74
○
説明員
(町田幹夫君) 一がいには申せないと思います。
田中一君(田中一)
75
○
田中一
君 この
地すべり等防止法案
に盛り込んである
ところ
のぼた山の定義というものは、今あなたが
説明
しているぼた山のうちの
建設省
が担任する分、国が担任する分としてきめているぼた山は、だれの所有者かわからない、というものを指して一応対象にしているのです。そこで国が対象として、
自分
の方でその防止をやろうといっているぼた山というものは、実例をあげますとどういう程度のもので、どこにあるどういうものというような、われわれが理解できるような実例を
一つ
示してほしいと思うのですが。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
76
○
説明員
(町田幹夫君) この
法律
におきまして対象といたしておりますぼた山は、いわゆる
管理
者不明と、それから鉱業権者以外のものが所有いたしておるぼた山でございまして、実例といたしましては、鞍手郡の西川
地区
等にあるぼた山の中にはそういうものもある、こういうことでございます。
田中一君(田中一)
77
○
田中一
君 そうするとだれのものかわからぬということ、それから鉱業権者のものでないということは、あなたの方で何か登録法かあるいは台帳か何かあって、通産省の方に申告でもさして登録する、この山は鉱業権者の山だ、これはそうでない山だ、こういう工合にあなたの方で申告でもさして登録しているのですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
78
○
説明員
(町田幹夫君) 現在の
ところ
登録はいたしておりません。しかしながらこの
法律
の施行と同時に、各通産局におきましてぼた山の
一つ一つ
につきまして、綿密な
調査
をいたしまして、いわゆるこの
法律
の対象になり得る可能性のあるもの、そうでないものというものははっきり区分けがつくと思います。その結果それをまあ現在
法律
で登録ということはいたしておりませんけれ
ども
、それをはっきり区分けいたしまして分けておる、ということは十分可能である、こういうふうに考えております。
田中一君(田中一)
79
○
田中一
君 このぼた山は、鉱業権者にとって、現在どのくらいな価値があるものと推定されるか、あるいは将来どのくらいの価値があるものと推定されるか、それにまた総合して経済価値というものはどのくらい見ておられるか、向いたいと思うのです。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
80
○
説明員
(町田幹夫君) ぼた山の価値の問題でございますが、これは従来は何と申しますか厄介ものでございまして、ほとんど価値はないものだ、こういうふうに考えられておったのでございますが、最近におきましては低品位炭の利用というふうな面から、ある程度価値が出ておる面も出て参りました。これはこういう低品位炭の利用の状況等によりまして、ある程度価値は変るわけでございます。それとまたこのぼた山の中で、昔のように非常に選炭技術が進歩しておりません当時のぼた山におきましては、石炭分が相当残っておる面もございますし、最近の選炭技術が進歩した場合には、いわばほんとうの選炭面で
あまり
価値がないということになるのでございまして、一がいにどの程度の価値があるかということは、ここではっきり申し上げられないのでございまして、個々のぼた山について判断する以外にはないだろう、こういうふうに思います。
田中一君(田中一)
81
○
田中一
君
建設省河川
局が示しただれの所有かわからぬといっておる七十四ヵ所の分、これは相当古いものだと思うのですが、これは今あなたが言っておる、選炭技術などが劣った時分の古いものだと思うのです。そうするとだれのものかわからぬのだから、さっそく当
委員会
において
委員
がそれに鉱業権の設定の申請をした場合には、それは直ちに価値があるものだということになるのですが。そういうことになるとはなはだどうも妙なことになりまして、さっそくここにおる七、八人の者が、七十四ヵ所あるのだから三つくらいずつ分けられるから取っておこうということにならざるを得ないのですが、不明であるということ、これは
河川
局は通産省の
調査
で
説明
したのか、あるいは通産省に
関係
なしにして独自の
調査
をしたのか、伺いたいと思います。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
82
○
政府委員
(
山本三郎
君) 先ほど御
説明
申し上げましたのは、通産省の
調査
の資料でございます。
田中一君(田中一)
83
○
田中一
君 七十四ヵ所の実態というものは、経済価値というものは、七十四のうちのどこにある。どれは、どれくらいの価値があるだろうということは、おそらくあなたの方、わかっておると思うのです。従ってそれをお知らせ願いたいと思うのです。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
84
○
説明員
(町田幹夫君) 経済価値の問題でございますが、これはもちろん石炭分は相当残っておりますから、それを水洗をしてそれから石炭分を取るということになれば、ある程度の経済価値はあるわけでございますけれ
ども
、しかし一面これを掘り崩しまして、そこにいろいろ洗炭汚水を流すという面におきましては、また社会的ないろいろな弊害も伴う場面もございます。それで現存何と申しますか、水洗業等がいろいろやっておりますのは、その弊害の方は
あまり
顧慮せずに、もっぱら
自分
の利益のために石炭分を掘るということだけをやっております。これをかりに何と申しますか、社会的な弊害を
あまり
起こさない
方法
で、石炭分を取るということになりました場合に、そのマイナスの方と利益の方と加算いたしまして、それが国民経済的な価値があるかどうかという問題は、相当疑問であろうと思いまして、ただその石炭分が幾らあるかということだけで、価値があるとかないとかということは一がいに論ぜられない問題で、むしろその弊害の方も顧慮して経済価値を決定しなければならぬだろう、こういうふうに考えております。
田中一君(田中一)
85
○
田中一
君 そうしますと、今のこの七十四の所有者不明の山は遺失物の届出を出しておりますか、通産省は。これは遺失物ですから、あなたが発見したのだからさっそく遺失物の届出を出さなければならねと思う、だれのものかわからぬということはあり得ないのだから。どういう手続をしてこの山を見ておりますか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
86
○
説明員
(町田幹夫君) これはいわゆる所有者不明でございまして、まあいわば遺失物届を出す人もいないというふうな状況でございます。(笑声)
西田信一君(西田信一)
87
○西田信一君 今の問題大事な
ところ
だと思いますけれ
ども
、この
法律
の適用、この
法律
の第二条の第二項が適用されるのは、要するに所有者不明のぼた山とこの
法律
では称せられておりますね。そこで今遺失物の話が出ましたが、所有者がないということはないと思う。私は所有者はあるけれ
ども
、それが不明であるということであると思う。不明の場合にその帰属がどうなろかということ、これは国の所有物になっておるのか、無主物になっておるのか、その点は今遺失物の質問がありましたから、それに
関連
してこれは明確にしておいていただかないと、重大な問題だと思いますから、これを
一つ
明らかにしておいていただきたい。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
88
○
説明員
(町田幹夫君) 所有者不明と申しますのは、まあだれかこれが持ち主があるということは事実であろうと思います。ただそれがだれであるかということが確認できない、こういうことでございます。
田中一君(田中一)
89
○
田中一
君 だれのものかわからぬから遺失物なんでしょう。これは少くとも遺失物です。だけれ
ども
、これはだれかのものなんですよ。道ばたに財布が落っこっている、拾えばいいでしょう、拾って届け出ればいいでしょう。そうすると、一定の年限がたてば国のものになるでしょう。そうすると国が堂々と国の所有だから申し出をすればいいのです。そういう物件が相当あるのですか、通産省
関係
の山では。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
90
○
説明員
(町田幹夫君) 現在の調べにおきましては、
建設省
の御報告の
通り
七十四ヶ所ばかりそういうものがある、こういうことであります。
小酒井義男君(小酒井義男)
91
○
小酒井義男
君
関連
ですが、このぼた山がでまたのは、だれかその鉱業権を持って仕事をやったからできたのだから、大体、その人に今それだけの力があるかないかは別として、だれの時代にそれができたのかという
調査
は、あなたの方でわかるのだと思うのです。もう死んでしまっておらぬかもしれません。あるいは所在不明かもしれませんが、全然わからぬということじゃないと思うのです。どうなんですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
92
○
説明員
(町田幹夫君) ぼた山は先ほどの
お話
もございましたように、当初は動産ということで出発いたしております。従いまして、山が御
承知
のように、
昭和
二十八、九年当時非常な不況でございまして、何百という炭鉱がつぶれたような情勢にございました。そういう際鉱業権者がどこかに逃げたとか、行方不明になったとか、こういう事例もございました。それからまた山がやめました場合に、ぼた山を切り離して譲渡した、というふうな場合がございまして、その所有権等が転々といたしておりますので、現在におきましてはなかなかその所有者の確認ができないということでございまして、これをまあ綿密に
一つ一つ
たぐっていくということになれば、相当の日数をかければあるいははっきりするものもあるということも考えられると思います。
西田信一君(西田信一)
93
○西田信一君 ちょっと先ほどの最初の
田中
委員
に対するお答えと、今のお答えではだいぶ食い違いが出てきたと思うのです。これを最初の
お話
では風化して何か数十年たったら、これはもう土地と一体であって、いわゆる土地とみなすという見解に立っておられたようですが、しかし、今の
お話
によると、あるいは所有者がどこかにいるかもしれぬ、探せば出てくるかもしれぬ、こういうことなんですが、それではどうもちょっと明確を欠くし、問題点が残ると思うのですね。ですから、少くともこれをこの
法律
でこの山をぼた山として扱うには、そこの
ところ
をはっきりさせなければならぬと思う。所有者があるという見解ならば、これに対する何らかの
措置
が講ぜられた後、初めてこの
法律
の適用を受くべきものだと私は思うのですが、そこの
ところ
は非常に不明確で、あるいは所有者があるかもしれぬ、根気よく探せば出てくるかもしれぬけれ
ども
、まあ、今の
ところ
わからぬ、ということでは非常に私問題があると思いますが、この点もっとはっきりする必要があると思いますが、いかがですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
94
○
説明員
(町田幹夫君) 探せばわかるというのが多少誤解を招いたように考えられますが、これは非常にそれを過去数十年にもさかのぼりまして、非常に何といいますか、
一つ一つ
たぐっていくということになれば、あるいはこれは探し出すということが絶対に不可能、全部わからないのだということはないので、ある程度のものは、これは所有者がわかるという場合もあると思いますが、おおむね現在の状況におきましては、通常の手段をもちましては非常に困難だ、ほとんど
管理
者というものを発見することは無理ではないか、こういうふうに考えております。
田中一君(田中一)
95
○
田中一
君 ちょっと本論に入るのだけれ
ども
、そこで私はそのぼた山の所有者を探せというのじゃないのですよ。この
法律
では鉱業権者、または鉱業権者とみなされるものは除いてあるのですから、所有者だって当然善意の第三者であるならば、
法律
適用の鉱業権者並びに鉱業権者とみなされるもの以外の持っているものは、当然国がするようになっておるのですから……、この
法律
はそうでございましょう。そうでしょう
河川
局長。だから、こうした不明のものなら不明のものでもいいのですが、私があなたに質問しているのは、不明だけではいかぬというのですよ。帰趨を明らかにせよというのです。そういうものが日本の社会に存在するということが
自分
じゃ不思議なくらいに思うのですよ。そうして、そういうものはおおむねさっきあなたが言っているような、三十年、四十年、五十年たっているものだと思うのです。そうなると、自然にそれは不動産ということになるのです。あなたの言っているような定義からいうと不動産なんですね。動産じゃないですね。不動産がだれのものかわからないまま移っていくということはあり得ないことだと思うのですよ。だからさっき言っているように、当
委員会
からみな申請して、
自分
で取ってしまおうと思っている。冗談言ったわけですね。従って、不動産なら不動産のように、あなたの方で、むろんこれはあなたの方の問題か、あるいはどこの問題になるか、遺失物として通産省の鉱山局がそれを届出をすれば、これはある一定の年限がたちますと遺失物であったということになりますから、国に帰属することができる、こういうものであってはならぬと思います。先ほどあなたの話を聞くと、今日これは不動産でしょう、あなたの先ほどの
説明
の定義を聞くと不動産。不動産が残っているから私
ども
が拾って一割なんぼかもらってもいいと思うのです。これはちょっと冗談を言ったのですが、そういうことがあってはならぬ。そういうものがあるにかかわらず、あなたの方で知らぬ顔をするということはない。それが今度の
法律
の対象ということじゃないのですよ、私の言っているのは。当然そういう工合に鉱業権者以外のものの、あるいは鉱業権者とみなされるもの以外のものの所有なら、当然国がすることになっているのですが、そういうものがあるとはちょっと考えられないのですがね。そればどういう
措置
をとろうとしているのですか。だれのものかわからないからそのままであるのだということじゃないと思うのですよ。動産の遺失物はあるが、不動産の遺失物はちょっとどう解釈をしたらいいのかな。これはまあ鉱山局、通産省でわからない、知らないからだれかもう別の人にきてもらわないと……。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
96
○
委員長
(
竹下豐次君
) 速記をとめて。 〔速記中止〕
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
97
○
委員長
(
竹下豐次君
) 速記をつけて。
重盛壽治君(重盛壽治)
98
○重盛
壽治
君 私
ども
は常識的に考えれば
河川
局長の言うように無主物の土地ということは考えられない。第一に、七十何ヵ所の所有者のないものがあるから、それを
地すべり
法でぼた山に当てはめるのだというこのこと自体はおかしいが、これはあとで問題にするとしても、第一、鉱山で採炭をするという場合に、たまたま海でも近い場合には、廃炭を海に捨てるというような場合は考えられる。この海に地所ができれば、やはり鉱山主がそのできた地所はおれの埋立地だと主張することは、大体常識的に考えられる。そうでない場合、海も何にもない場合に廃炭をどこに捨てるか。廃炭を捨てるべき土地を最初に買収をしておくのか。Aの
地区
を炭鉱で石炭をとる場合には、Bの
地区
を廃炭の
地区
として買っていなければならぬ。ここだけの鉱山を持てば、あとのでてきたものはどこに捨ててもいいということにはなりませんでしょう。どこに捨てるのか、県庁か何かに許可を得るのでしょう。得た所は
自分
が金を出して廃炭をする所だということで、結局その部分はその人の不動産になっていくわけじゃないんですか。そうでございますね。まずその点を
一つ
。どこにでも捨てるのか、捨てる地所はやはり特定の所に捨てるのであるか、この点をまず伺いたい。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
99
○
説明員
(町田幹夫君) 埋め立て等の場合は、普通固有水面の埋め立て許可をもらいまして、そこに埋め立てるのでございます。それからぼたを捨てる場合には、まあ鉱業権者が
自分
の土地に捨てる場合、それから他人の土地を買いまして、まあ買えば
自分
の土地になるわけでありますが、そこに捨てる場合、それから他人から土地を借りましてその上に捨てる場合、まあ通常この三種だろうと思います。
重盛壽治君(重盛壽治)
100
○重盛
壽治
君 それは常識的にわかる。そうなんだが、その結果が、
自分
が買って捨てた土地ならば、当然
自分
の土地になるし、ぼたを捨てることで、特定の所まで埋め立てをしてもらうために貸す人はあるが、人のぼたを捨るために、
自分
の土地がどうなってもかまわぬということで貸す人はないと思う。従って第三の場合の起ることは、これはあったかもしれないが、便宜上貸して適当な所まで埋め立ててあとはお断じするという貸し方はある。そうでなくて、ぼたを捨てるためにただ土地を提供する人はないし、第一地代をどれだけ取るかしらぬけれ
ども
、ただそれだけのために貸すということは考えられない。そうであっても、どういう形であっても、そのできたぼた山というのは、最初は不動産であったかもしれぬが、だんだん、そう十年も二十年もたたないうちに、やはり動産としてその鉱業権者が持つことになると思うんですよ。それが
一つ
。 その場合、今あなた方の言う
通り
として、だれのものかわからぬというような土地の場合に、だれのものかわからぬのだけれ
ども
処置するという場合に、これから
調査
するとおっしゃる。これから
調査
する場合に、非常にそこが有能な所であり、しかも価値のあるものは、これはおれのものだと言って主張する。危険だけ現われて、おそらく価値のないものは、これは私のものじゃないと言ってそれを投げ出された場合には、一体どういう処置をとるか。そんなことはあり得るかどうか。もっと言えば、七十四ヵ所というのはどこから拾ってきたか根拠がわからぬけれ
ども
、そういうことはあり得ないと思う。それに類したものがどんどん出てくると考えられるのだが、これは一体どこで、だれが処置しているのですか。あなたの方の
考え方
も、
河川
局長の
考え方
も、両方聞きたいのですがね。それは必要なものなら
自分
のものだと言いますよ。これから価値のあるものはこれはおれのものだから、国でよけいなことをしてくれるなと言いますよ。あれは危険だし、おれが手をつけるだけ損だから、私のものでありませんと言ってしまうこともあるでしょう。これから、
法律
ができたからと、
一つ一つ
これにあてはめていくということができないという場合に、一体どう処置するのか、それを
一つ
教えてもらいたいと思うんですよ、あなたの
意見
を。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
101
○
説明員
(町田幹夫君) この
法律
の適用外になっておりますのは、いわゆる鉱業権者が所有しているぼた山で、これはこの
法律
の適用除外になっております。従いまして、鉱業法なり鉱山保安法の適用を受けるわけでありますが、鉱業法なり鉱山保安法におきましては、施業案と申しまして、いわゆる一種の
事業
許可制、
事業
の許可をいたしておりまして、この
事業
許可の内容といたしましてどういう場所にどういうぼた山を作るということが、
事業
許可の内容になっておりますので、そのぼた山がいわゆる鉱業法なり鉱山保安法の適用のあるぼた山であるか、あるいは適用のないぼた山であるかということは、その鉱山における施業案の内容等を十分審査いたしますことによって、それが判明するわけでございまして、ただ、鉱業権者の便宜によりまして、この適用のあるぼた山になったり、鉱山保安法の適用になるというようなことはないと考えております。
重盛壽治君(重盛壽治)
102
○重盛
壽治
君 そうすると、通産省は、この
法律
ができればそれを
調査
させるが、今までの形では、そういうものの
調査
ができておらぬということなんですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
103
○
説明員
(町田幹夫君) 現在におきましても
調査
はできております。ただ、先ほどの
お話
は、それについて
法律
等で登録制をしいておるかという
お話
でございましたが、登録はいたしておりませんと、こう申し上げたわけでございます。
重盛壽治君(重盛壽治)
104
○重盛
壽治
君 まあわからぬが、いま
一つ
だけあなたに聞いておきますが、こういう場合はどうなりますか。
一つ
この山を採炭する、しかし
自分
だけの自己資本でできないけれ
ども
権利は私がここで持っておる。そこで
自分
だけでできないから請負制度にする、さっき
田中
委員
が聞いておられたが、乙が請負をしてその何割かを山の山主に返す、その請負師がそこでぼた山をたくさん作ってその請け負った主がどこかよそへ行ってしまった、こういう場合にはそのぼた山はだれのぼた山になりますか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
105
○
説明員
(町田幹夫君) 請負という制度は、これは非合法にやれば別でございますけれ
ども
、現在の制度といたしましては、そういう制度はいわゆる租鉱権という制度がございまして、鉱業権をある特定の人に賃貸しする、こういうことになるわけでございます。そういたしましてその租鉱権者がぼた山を作るということになれば、そのぼた山
管理
の責任はその租鉱権者が持つ、こういうことになっております。
田中一君(田中一)
106
○
田中一
君
関連
して。そうするとなんですか、たとえば今の
お話
と同じことなんですが、一定の金で譲渡してしまった、そのもらった人は
自分
の必要な石炭だけもらって、あとはそれを捨ててぼた山ができたという場合、これはやはり鉱業権者とみなされるものですか。かりに僕が鉱業権者ならあなたに、お前にやるから掘って持っていけと、僕はそのうちのいい
ところ
だけもらってそれであとは捨てる。いいものだけこっちがもらうわけですね。その場合はそのもらって掘って選炭して悪いものを捨てた人は鉱業権者とみなされる
法律
上の相手ですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
107
○
説明員
(町田幹夫君) 御質問の内容がちょっとはっきりしない点もあるのでございますが、鉱業権者が石炭を掘りましてその石炭をぼたと一緒にいたしまして他人にかりに譲渡するということがありました場合には、その譲り受けた人は鉱業権者ということにはみなされない、こういうふうに考えております。
田中一君(田中一)
108
○
田中一
君 ちょっと違うのです。その掘ることも、掘って持っていけと言って人にやるわけですよ、掘りますその人は鉱業権者じゃないのです。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
109
○
説明員
(町田幹夫君) その採掘することを人に譲渡すということは、
法律
上はあり得ないのでございまして、その場合はやはり租鉱権を設定するという形をしなければ、ただ他人に、ある特定の人にやるから掘っていけということは
法律
上は許されないということになっております。
田中一君(田中一)
110
○
田中一
君 そうすると、今度この
法律
はいよいよ通過しそうになった、そこでこれを全部譲渡してしまう、これは五年でしたね、五年は責任があるのだというふうになっておりますね。あるいはその会社は一ぺん人にやっちゃってつぶして眠らしちゃう、中小炭鉱にたくさんそういうことはあるのです。そんなもので
一つ
のぼた山を
管理
、
保全
施設をやるには何百万円もかかると思ったら、簡単ですよ、すぐ会社を解放してしまう。これは主として個人が持っている場合もあるのです。鉱業権というものはそれはまた必要なときは買えばいいわけですから、でそれを善意の第三者に譲ってしまう。実は鉱業権者には売っても五年間義務があるけれ
ども
、人格がなくなってしまえばこれはもう何にも責任がないわけです。そういう場合にはそういうことが相当起きるという危険は感じませんか。 もう一ぺん言いますが、この
法律
ができて
自分
の方の何と申しますか、鉱山保安法の義務というものが現在ある、この
法律
をもって
強化
されて、会まであなたの方では、こういう鉱山保安法があっても、なかなかどうして徹底してやらなかった。今度これをやると
建設省
がやかましく言ってくるので、どうしても強行しなければならないという場合に、二つ三つのぼた山があって、ぼた山の
保全
施設をやるには相当金がかかる、それではもうこの際どっちみち炭の値段が安いのだから会社を解散してしまえといって解散してしまう、だれかに売ってしまう。そうすると買った人は善意の第三者、そうしてなるほど五ヵ年間は義務があるけれ
ども
、人格が全部なくなってしまう。むろんぼた山というものはその場合には、義務づけられる
ところ
の相手が消滅してしまえば、当然国がそれをしなければならないことになる、この
法律
から見ると、そういうことはたくさん起きるという危険は感じておりませんか。そのような場合には、当然解散した会社というものは、義務を持とうとしても人格がないのだから、これは当然この
法律
は国が
指定
するようになると思うが、これはならぬと思うか、なると思いますか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
111
○
説明員
(町田幹夫君) お説のような場合も理論的には十分可能だろうと思います。ただぼた山というものは炭鉱の操業に必要欠くべからざるものでありまして、これを簡単に、何というか保安監督の方の規制が強くなるということだけで、これを簡単に譲渡するということは、そうたくさんはあり得ないのではないか。ただこれが過去二十七、八年のような非常に不況なときに、ああいう事態が再び招来するということになりますれば、あるいはそういうことも絶対にないとは私は申し上げかねるわけでありますけれ
ども
、通常な状態であれば、そのぼた山というものが炭鉱の操業に必要欠くべからざるものである以上、そう簡単に、それをただ保安監督の何というか、責任をのがれるために譲渡するというケースは、非常に少いのではないか、かように考えております。
田中一君(田中一)
112
○
田中一
君
河川
局長からの
説明
では、ぼた山は六百二十三ヵ所ある。そのうち鉱業権者がはっきりしているのは三百九十七、そういう鉱業権者以外の者が百五十二ある、従って必要なぼた山は残しておく、そうでない山はやはり他人に売ってしまうということもある。現にもうここに百五十二というものは採掘に必要がないので他人に譲渡しておる。鉱業権者でない者が持っておる。これは
法律
の対象になる山です。あなたが今言っているようなことは調べておらないのではっきり言えないが、現に百五十二というものは他人に譲ってしまっておる山がある。だから保安施設というものが相当な金がかかって、
自分
の経営に支障があるとなったら、むろんもうそういう余分なものは持っておる人がないから、他人に譲ってしまうということはあり得るわけですよ。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
113
○
説明員
(町田幹夫君) もちろん理論的にはそういう場合も可能であろうと思います。ただこの
地すべり
法ができまして、この
地すべり
の対象になるぼた山等につきましては、それを何と申しますか、いろいろ形状が変更するというふうなことについて、いろいろ
都道府県知事
の許可その他の制約が課せられるわけでございまして、またそれはいわゆる鉱業法なり鉱山保安法の適用は、その人は受けないにいたしましても、やはりそのぼた山の責任者といたしまして、所有者といたしまして、社会的ないろんな、それの崩壊を防止するような
措置
も講じなければならぬ面もございますし、いろいろ責任も伴うわけでございますけれ
ども
、そうなれば、そういう非常にめんどうなものを喜んで受け取るという人も非常にまあ減るのではないか、こういうふうに考えます。
田中一君(田中一)
114
○
田中一
君 受けたといって、何も
自分
が保安施設をしなければならぬ義務はないのです、第三者は。鉱業権者あるいは鉱業権者とみなされる者以外の者が受けた場合、売っちゃった方がいい、国がやってくれますよ、
都道府県
がやってくれますよ。その方が得じゃないですか、そういうことはあり得るわけですよ。
小酒井義男君(小酒井義男)
115
○
小酒井義男
君
関連
するのだけれ
ども
、鉱業権の譲渡は、受けた場合には、採炭をする場合は必ずぼた山というものは必要なんですね、なくちゃ困るのですね。それを一体になって新しい所有権者が責任を持たなければならぬというような、そういうことは何か鉱山法の
関係
ではありませんか。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
116
○
委員長
(
竹下豐次君
) 今すぐお答えができませんでしたら、よく研究なさって、間違いのない返事をあとでお願いするよりしようがないと思いますが、いかがですが。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
117
○
説明員
(町田幹夫君) 鉱業権者以外の者が持っておるぼた山等につきまして、それが非常に崩壊の危険がある、あるいは非常な危険な状態にあるということになれば、それによって他人にいろいろ社会的な損害を与えるということになれば、その人がやはり民法上の損害賠償請求権があると、こういうふうに考えられるわけであります。
田中一君(田中一)
118
○
田中一
君 私が言っておるのは、責任を言っておるのじゃないのですよ。具体的なものが起きれば、これは当然そういう民法上の損害賠償があれば、もししいて作為があるならば、これは刑法上の罪も受けるのですよ。受けるからいいというのではなくて、そういうものは
現行法
からいって責任がないのじゃないかというのですよ。危険があるならば
主務大臣
はそれを
区域
心設定して国が保護施設をするのだ、これがこの
法律
の主目的です。従って刑法上の罪とか、民法上の責任とかということは当然別途の問題なんですよ。私はこの
法律
の
審議
を今しておるのです。従って鉱業権者並びに鉱業権者とみなされない人が、譲渡された場合には権限がないわけなんですから、この
法律
がそうなって、そうした保安施設というものがうんと金がかかるようになりますと、あなたの言っておるような社会的地位とか何とか、そんなことを言うてあなたの
ところ
へ来るのは三井とか三菱とか、そういう人かもしれませんけれ
ども
、私が言っておるのは、もっと弱い弱小業者を書っておるのです。大きなものはなかなかそういうまねはしませんよ。ちゃんとある程度まであなたの方の目をごまかしても一応保安施設をやっておる、そうでないものがいるというのです、多く、あなたが言った
昭和
二十七、八年ごろには。そういうものが、このために何百万円も何千万円もかかるということになると逃げ出す危険があるのですよ。その場合には一応会社を解散して余った財産を受けて、新会社ができてまた作業をやっているのです。そういうことが起ってくるのですよ。そういうことは社会的な地位ある者云々でできないとか、あるいは民法上の責任があるというのは当然ですよ。それは当然ですけれ
ども
、そういうものもあえてするものがおるのじゃないか、そういうものが起きるのではないかということを言っておるのですよ。起きるでしょう。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
119
○
説明員
(町田幹夫君) お説のような場合もあり得ると思います。
田中一君(田中一)
120
○
田中一
君 そこでそうなると問題は、あなたの方で鉱業法並びに鉱山保安法で、ぼた山そのものに対する規制というものを
強化
しなければならぬ、そういうことになるのですよ。現に
建設省
は
自分
の方で調べたものではない、ただあなたの方からこれでございますといって示された六百二十三ヵ所をもってわれわれに
説明
しているのですよ。これから実際の
調査
をするんでしょう、おそらく。その場合にそうしたものよりも、現在やっている中小炭鉱の方が、もっと危険なものを持っている方が多いんじゃないかと思うのですよ、そういう感じ方をしておるのです。だからまあ根本的には、ぼた山に対する定義は不満足ですから私は次回に譲りますけれ
ども
、そうしたものについては当然実地の
調査
をして十分に各炭鉱ぼた山の実態というものを知らなければ、この
法案
の
審議
はできないことになるのです。そういういい加減なものでは、われわれの方でたとい少数党の社会党であっても、そのまま見のがすわけにいかぬことになる。だから
委員長
にお願いしたいのは、これ以上質問してもしようがありません。これは
一つ
ぼた山の定義と、鉱業法にいう
ところ
のぼた山に対する
保全
の条文なり実態なり、同時にまた鉱山保安法による
ところ
の同じような状態なりを資料と
説明
で十分に、次の
委員会
でも私伺いますから
説明
していただきたい。そうして
河川
局に言いたいのは、そうしたものはあちらの方にまかせればいいんだという気持で、こういう
法律案
を
提案
してはいけません。これは別な
法案
があるから向うでやるのだというだけでは、あなたの方にぶつかってもあなたの力で答弁できない。さっき言ったってそれは鉱山保安法でちゃんとできております、できておりますといってもしなければ何にもならないのですよ。そんなものが民法上の損害賠償とか何とかいった
ところ
が、
災害
があって人を大勢殺したのでは、そんなものは何もならないのです。そういうことがあってはならぬからこの
地すべり等防止法案
も立案されたわけですから、先ほ
ども
言っているように全部、あなたの方の持っている通産省所管のものも全部入れてこの
法律
に盛り込んだらどうかというような私見まで先ほど漏らしたのですけれ
ども
、
委員長
、私はこれ以上しません。次回でもう少し統一した
意見
を伺わないと何ともできません。ことに衆議院ではまだ
審議
をしていないそうですから、しばらく私は待ちます。
西田信一君(西田信一)
121
○西田信一君 だいぶぼた山のこと問題になっておりますが、これは私の解釈、間違いないと思いますけれ
ども
、念のために伺っておきたいのは、この第二条の第二項のこのぼた山の定義の中に、この
法律
施行の際現存するということが
一つ
あります。それからもう
一つ
この「鉱業権者または鉱業権者とみなされる者が必要な
措置
を講ずべきものを除く」とありますが、これは要するに保安の責めに任ずる鉱業権者が存在しない、こういうことであるか。この存在しないということは現に存在しないと、こういうふうに私は解釈しておったのですが、間違いがないかどうかお答え願いたい。現に存在しない、両方とも存在しない、こういうことであるのか、一方は、山だけは現存しておるが将来においてそういうものがなくなった場合に、これを適用するというのであるか。その点がちょっと、私は前者に考えておるがどうですか。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
122
○
説明員
(
関盛
吉雄君) 第二条の第二項の、鉱山保安法の鉱業権者と、見なされる者、両方いずれも本法を施行する当時に現に存在しないものということでございます。
西田信一君(西田信一)
123
○西田信一君 その点がはっきりいたしましたから、これでまあ明確になりましたからもう一点伺いたいのですが、先ほどどうも明確にならなかったのですが、私は
田中
委員
とちょっと違った
観点
からお尋ねしておったのです。ということはですね、このぼた山、ここでいうぼた山というのが現在においては非常にまあある意味においては価値が出てきておる、ということを先ほどお答えがありました。しかも所有者がわからないんだが、これは所有者がないのじゃなくて、所膚着はあるが要するに不明である、こういうことであったわけです。そこでそういう前提に立ってお尋ねをするのですが、これはまあ通産省と
建設省
と町方から伺いたいと思いますが、そういう場合に所有着がある。しかも若干の価値がある、そういうものに対してこの
法律
の適用をいたすわけですが、そういう場合にそのある時期に、もし欲の深い人があって所有権者がここに現われてきて、所有権の侵害であるとか何とかいう問題が起る危険がないのかどうか。それに対してもしそういうことが起きても、それを防止できるだけの根拠があるのかどうか、こういう点について見解を伺っておきたい。
説明員(関盛吉雄君)(関盛吉雄)
124
○
説明員
(
関盛
吉雄君) ただいまの御質問は、本法の対象になるぼた山が、鉱業権者ではないけれ
ども
、ぼた山の所有権者があり、またその所有権を主張する者が出たときにおけるぼた山に対する本法の規制は、所有権の理論から見て有効なりやどうかと、こういう御質問でございます。この
法律
はこの目的に示しておりますように、これらの
地域
における崩壊の防止を考えておりまして、そのことによって
国土
の
保全
、民生の安定をはかることを目的といたしております。そしてまたこの防止
区域
の
指定
も、第三条におきまして公共の利害に密接な
関係
のあるものを
指定
いたしまして、その
指定
された
区域
内における行為制限等を行う。
管理
を
実施
するのでございます。憲法の条章から見ましても、このような鉱物
管理
は、公益の必要がある場合において、
法律
をもって
規定
せられる場合は、これは有効にできますので、従って公益の必要上このような
措置
をいたさなければならぬ、という
観点
でこの
法案
を立案したような次第でございます。
西田信一君(西田信一)
125
○西田信一君 じゃ、通産省どうですか。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
126
○
説明員
(町田幹夫君) 今
建設省
のお答えになったのと全く同感であります。
重盛壽治君(重盛壽治)
127
○重盛
壽治
君 まだ
法律
ができたわけでないから、こうしようという
考え方
だから、論議の余地はあろうと思うけれ
ども
、今のつまり鉱業権を持っている者以外の者に当てはめるという、この
考え方
というものは、今まで論議したうち内からいっても、かなり危険なものであるということ、と同時にまた逆のことも言えるわけですね。あなたの時代に何でもやってやるということになれば、全部の山をとても対象にはできないということ、その話はわかる。そこで問題は、ここにどういうけじめをつけていくかということが大きな問題になる。先ほど
田中
委員
が言われましたように、かりに私が山を持っておったと仮定する、そしてかなり危険な山であったとするならば、これはだれかに譲渡しますよ。譲渡するかとりあえずくれてやる。そして国家が直してくれたときにまたこの適正価格で、防止にかかった何十分の一かの金で取り戻すということも、これは極端な話だけれ
ども
考えられる。あなたのような紳士はそういうことはしないと思うけれ
ども
、日本の紳士はそういうことばかりするのが日本の紳士だ。そういうことを考えると、こういうなまぬるい
法律
ではかなりそういうことで処理されることが考えられる。 そこでまず私のお尋ねしたいことは、急速に現在どことどこにこれに該当するものがあるということを、所番地を明確にして至急に調べて出していただきたいということが
一つ
。 もう
一つ
は鉱山法を当然これに
関連
して変えて、鉱山法の方もかなり窮屈というか、きちっとしたものにしなければ両立しないと思う。鉱山法を変える意思があるかないか。当然変えていかなければならないと思うが、その点をどういうふうに考えておるか。この点だけをちょっと
一つ
返事を承わりたいと思う、どなたでもいいが。
説明員(竹田達夫君)(竹田達夫)
128
○
説明員
(竹田達夫君) 鉱山保安法が鉱害防止の
観点
から、ぼた山等につきましてそのぼたの積み方、その他いろいろな規制を加えておるわけであります。ただこの鉱山保安法と申しますのは
昭和
二十四年に
立法
をされまして、その後の鉱山業者の稼行しております
ところ
ぼた山、あるいは鉱業権者が
管理
しておりますぼた山につきましては、鉱害を発生せしめないようにいろいろその施設、その
管理
につきましては従来も取り締って参っておるのでございます。ただその取締りにつきましては、若干このぼた山の科学的な成因等につきましても、まだ科学的に十分究明されない点もございますので、それらも国の
補助金
もいただきまして、ぼた山の成因につきまして科学的な究明をいたしておりまして、近くその結論を見る段階に相なっております。従いましてそういう科学的な成因を突きとめましたならば、現在鉱業権者が持ちまして、その稼行をしておりますぼた山につきましての取締りは、厳重に取り締まって参る所存でございますので、現在今までに掘りましたもので、現在鉱業権者の所有外にありますものにつきまして、取り上げていただきますならば、今後は鉱業権者の責任においてこの保安法の法条に照しまして取り締っていきますれば、十分であろうと考えるわけでございます。 ただ先ほどから御議論がございました、しからば鉱業権者がこの動産のような扱いを受けております
ところ
のぼた山を勝手に処分するんじゃないか、それが果して
法律
上十分押えられるかどうかという点につきましては、
法律
上譲渡制限ということは、鉱業法にも鉱山保安法にも明確には
規定
してございません。しかし、この害のありますものを他の方に勝手に鉱業権者が処分いたしまして、そうして
自分
の責めをのがれるというように、脱法的な譲渡をするということになりますならば、この鉱害の
観点
からいたしまして作業の停止も命ぜられますし、最後には鉱業権の取り消しまでもできることに相なっておりますので、われわれの方といたしましては、この保安法の適用を厳格にすることによりまして、
法律
の
改正
はよろしいのではないかと考えております。ただその譲渡制限というようなものを、
法律
に明確にするかどうかということにつきましては、そう簡単にこういう動産でありますか、あるいは不動産でありますか、
法律
的な性格にも疑義がありますものにつきまして、譲渡制限を永久につけるということは、憲法上からみましても果して適当かどうかというような議論もございますので、今の
ところ
は
法律
改正
をこれと同時にいたすということは、考えていないという段階でございます。
田中一君(田中一)
129
○
田中一
君 何ですか、売ったりなんかしたら鉱業権を取っちまったりなんかする、ということを、言っておりますけれ
ども
、現にこれはぼた山の場合だけでなくて、中小炭鉱というものは、あなた方は私が言うよりよく知っているはずなんです。炭価が安くなれば山を締めてしまうんですよ。百人、二百人いる労働者は退職手当も何ももらわなくて、おっぽり出されるんですよ。いいですか、そしてまた炭価がよくなればまたきて、人間を集めて石炭を掘っているのが常道なんです。私がこんなことを言うよりあなた方がよく知っているはずだ、そういう人たちが重盛君が言っているように山をよそに売ってしまって、保安業務をのがれたいというのは、こんなことは労働者の生活を脅かすものよりもっと、もっとというより同じくらい悪いことですよ。労働者の生活なんということは平ちゃらですよ。その犠牲によって中小炭鉱というものは
維持
されているわけですよ。
説明員(竹田達夫君)(竹田達夫)
130
○
説明員
(竹田達夫君) ただいまおっしゃいました点はその
通り
でございまして、これは鉱山が稼動しておりますときに、そういう有害物を発生せしめないように取り締っていくのが鉱山保安法の
建前
でございますので、その段階におきまして、将来にわたりましても無害なものにするということを、保安法の運用といたしましてはして参りたいと思う。ただいまおっしゃいましたように、保安法によりまして、過去におきまして作ったぼた山が、これが非常に危険を増してくるであろう、従いましてこの際法人を解散して、もう一切がっさい水に流そうというような中小の悪い者がおりましたならば、これは遺憾ながらおっしゃいますように、この
法律
の
建前
は追及できるということになりましても、その主体が死んでしまうと申しますか、消滅してしまいますので、これは追及できないわけでございますが、ぼた山の問題からすぐ鉱業権まで放棄するというようなものは、かりにその法人がおりましても、そのぼた山の始末について経済能力がないということも考えられるわけでございますので、あくまでも保安法の
建前
といたしましては、保安法の適用の段階におきまして無害なものにする、こういう
考え方
で運用しております。
田中一君(田中一)
131
○
田中一
君 そうじゃないんですよ、鉱業権というものを善意な第三者に安く売ってしまうんですよ。
自分
の兄弟でも何でもいい、善意な第三者に鉱業権を譲ってしまって山を放棄するんです。鉱業権の消滅にはならないですよ、あなた方は今鉱業権を取ってしまうなんていうことまでもいかすのではないかと言っておりますけれ
ども
、その場合にもう善意な第三者に鉱業権を譲ってしまっておりますし、そうなってからではつかまえようがないのではないかというのです。その場合には善意な第三者にはその責任はいきません。民法上いかんはずです。従ってそういうことになるからつかまらないと言っているんです。そういう傾向が多くなりはせんか。それまで鉱山保安法とか鉱業法というものは、善意な第三者が今まで持っていた人間の責任を負わなければならぬということになっておりますか、私はなっていないと思うのです。
説明員(竹田達夫君)(竹田達夫)
132
○
説明員
(竹田達夫君) ただいまの
お話
でございますと、鉱業権の譲渡を制限しない限りにおきましては、売った者に対しましては、その責任者、原因者としまして追及いたしますけれ
ども
、善意の第三春にその責任を追及することは、これは困難でございます。またそういうような、善意の第三者にも、そういうマイナスの場合の義務を課するということにつきましては、これはちょっと憲法土にも問題があるのじゃなかろうかと、こういうふうに考えております。
田中一君(田中一)
133
○
田中一
君 私のはそれを追及するというのじゃないのですよ。追及しようにもその者がなくなってしまう、この
法律
の施行のときには、保安義務者というものがはっきりしておったものが、それがなくなってしまうというのです。そういう人格がなくなってしまうということを言っているのですよ。そういうが危険が多分にあるのじゃないかというのです、中小業者の場合には。
重盛壽治君(重盛壽治)
134
○重盛
壽治
君 最後に
一つ
聞いておきますが、われわれの常識で実際にはないかもしれないが、甲という者が鉱山をやっている、そうしてこの鉱山主がかなり行き詰っている。そしてこの鉱山主はもう鉱山を引き上げてしまった。そしこの鉱山主が持っておった危険なぼた山が
一つ
こっちにあったとする。それまで
一つ
乙に売るというのに、それは引き受けられないという場合が出てくる。それで仕方がない、それじゃ幾らでも形のある方だけ引き受けてくれ、それでその人が行方不明になっちゃったと仮定する。その場合はぼた山は今の
法律
の対象になるのか、ならぬのか、どういう対象になるのか、それを
一つ
だけ聞かしてもらいたい。なるのでしょう、この
法律
の対象には。聞いてなかったのですか、じゃもう一ぺん。 鉱山主がいたが、かなり行き詰まってきた。小炭鉱であったが、しかしかなり古くからやっていたものだから、ぼた山だけはかなり大きなぼた山を持っていたと仮定する。しかしこれだけでしようがないから売り飛ばして、鉱山はもうこりごりしたからやめます、
一つ
買ってくれと、乙が買おう、しかしあのぼた山までは引き受けられないという場合には、これだけでいいから
法律
の出ないうちに早く
一つ
この山だけ買ってくれ、よろしい一千万円で買おうということで、ぼた山だけは前の鉱山主の名前で残っていて、依然として危険な姿で置かれたという場合には、この
法律
を当てはめるのか、当てはめないのかということです。
説明員(町田幹夫君)(町田幹夫)
135
○
説明員
(町田幹夫君) その場合には、前の鉱業権者の責任が残っているわけでございまして、この
法律
の適用はないというふうに考えております。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
136
○
委員長
(
竹下豐次君
) 本案についての
質疑
は本日はこの程度にとどめまして、次回にお願いしたいと思います。 なお、
政府
の諸君に申し上げますが、本日の御答弁で、ぼた山の所属の問題、この
法律
の対象になっておるぼた山の所属の問題その他について、御答弁のはっきりしなかったような点については、
政府
の
意見
をはっきりおきめになりまして、次の機会に御
説明
を願いたいと思います。
重盛壽治君(重盛壽治)
137
○重盛
壽治
君 先ほど
要求
した資料について……。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
138
○
委員長
(
竹下豐次君
) 先ほど重盛
委員
から
要求
されました資料を提供されるように要望いたします。
—————————————
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
139
○
委員長
(
竹下豐次君
) なお
田中
委員
から一般
調査
の件につきまして、ごく簡単に
質疑
がしたいという申し入れが先ほどから出ております。
田中一君(田中一)
140
○
田中一
君
河川
局長に伺いますが、せんだって六郷川の、六郷ゴルフクラブと同じようなケースで、
東京
都が世田谷区に
河川
敷の使用を許可したことは、今区議会でも問題になりまして、東急という電鉄会社に又貸しをするという問題が起きております。そこでこうした問題は、先般
建設大臣
も言っている
通り
、国が当然
管理
すべき
直轄
河川
等が、そうしていたずらに営利
事業
に貸与されているという現状があってはならぬから、
全国
的に
調査
をしてくれという申し入れをしたにかかわらず、今そうした問題が起きているんです。従ってこの経緯は、どういうことで東急にそれが又貸しをするようになったか。またそういう傾向を、最高
管理
者である
ところ
の
建設大臣
としては、認めておられるのかどうか。つい二、三回前の
委員会
で六郷川の提防の上の問題を論議し、
建設省
は直ちにそれを強制執行するとまで言明したにかかわらず、その上流の多摩川においては、また同じような問題が起きておる。で、非公式ながら
河川
局長に申し入れをしておきましたが、それはどうなっておるか、それを
一つ
御報告願いたい。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
141
○
政府委員
(
山本三郎
君) この間の多摩川の不法建築の問題につきましては、
東京
都知事から大田区長に対しまして撤去命令を出しました。それで直ちに撤去されるものと私
ども
は
承知
いたしておりますが、撤去されなければ、これを強制執行しようということで進んでおります。 それから上流の多摩川の
河川
敷地の占用の問題でございますが、これは不法占拠とかいうような問題ではございませんけれ
ども
、経緯は、この
地点
の
河川
敷の占用は東急と世田谷区との競願になりまして
東京
都に出て参りました。
東京
都知事といたしましては、審査の結果、競願者はありましたけれ
ども
、世田谷区に昨年の十二月許可しております。その後、世田谷区から東急等に対しまして貸し付けたというような事実はまだございません。ただ私も新聞等、先生からも新聞をいただきましたが、私も世田谷区に住んでおりますので、毎日、新聞は見ておりますが、そういうふうな事態、貸すとか貸さぬとかいうような話が出ているということは、そういう筋からは
承知
しておりますけれ
ども
、これを又貸ししょうというようなことに相なりますれば、
河川
法の
規定
によりまして知事の転貸の許可をとらないと転貸はできないわけでございます。まだ転貸等の問題につきましては、世田谷区から
東京
都に申請も出ておらないという状況でございます。
田中一君(田中一)
142
○
田中一
君
河川
敷が、むろん世田谷区と東急との競願になったものを、世田谷区に占用を許したということは、これは世田谷区の区という公共性というものを考えてやったものと思う。それが競願者の東急にそれを又貸しをするということになるならば、なぜ初めから東急に貸さないかということになるんです。従って公共の名を借りて、国家のもの、ことに国民の生活に利害
関係
の非常にある物件を、常利
事業
に又貸しをするというようなことがあってはならぬと思うんです。従って私が先般も言っておるように、おそらく今の
建設省
は、すべて公共の名を借りて、そうした又貸しで営利団体に貸すような指導をしておる、と認定せざるを得ないんです。そうでなければ、少くとも今回の、その世田谷区が東急に又貸ししょうという
案件
に対しては、直ちに
東京
都に向って注意を喚起すべきである。そうして、もしも世田谷区からそういう申請がきた場合には、拒否すべきである、こう私は考えているんです。もしそれをしないならば、公共の名を借りて、国民生活に非常に重大な
関係
の深い
河川
を、一画利業者の利潤追求の手段にさせるというようなことになりますから、これは
建設大臣
がおられれば
建設大臣
に聞こうと思ったんですが、いずれ
大臣
には伺いますが、この点は十分省議をもって御相談の上、
東京
都に向って十分なる関心を持たすように、同時に、また
政府
としては、
河川
敷並びに堤防等に対しては、どのような方針で、
河川
維持
に
関係
のない部分に対して貸すような方針をとるかということを、はっきり次の当
委員会
までに答弁していただきたい。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
143
○
政府委員
(
山本三郎
君) ただいまの
お話
で、営利会社に特に利益を得させるように指導しておる、という
お話
のようでございますが、その点は絶対にございません。 それから今後の問題でございますが、私
ども
といたしましては、
河川
が最も良好な状態に保持されるように、しかも有効に使ってもらう、できるだけ公共のために使ってもらうということは、私
ども
常に考えておるのでございまして、指導方針といたしまして、特に個人のために営利を得させる、というような点から指導しておることは絶対にございませんから、その点は御了承を願います。
田中一君(田中一)
144
○
田中一
君 ないならば、今新聞等で見られているように、そういう問題になっているものに対しては、
東京
都知事に向って、申請がきて許可してしまってからではしようがないとあなたが言うんですから、許可する前に、そういう点を阻止するような手段をとっていただきたい。もしこれを貸すようなことになりますれば、今の
建設省
は、公共に名を借りて、営利団体にそうしたものを、利潤をあげるための手段に貸しておるという方針と見受ける以外にないんです。
政府委員(山本三郎君)(山本三郎)
145
○
政府委員
(
山本三郎
君) この多摩川の
河川
敷の問題は、
建設省
の
維持
区域
にも相なっております。従いまして知事が許可する際におきましては、少くとも
建設省
の
地方建設局
には協議をしなければならぬという
建前
になっておりますから、御趣旨の点は、具体的の問題、東急に貸すのかどこに貸すのかという問題は、この際東急はいかぬというようなことではなくて、全般的にさっき申し上げたような方針で指導して参りたいと思います。
委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)
146
○
委員長
(
竹下豐次君
) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会