運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1958-02-20 第28回国会 参議院 建設委員会 第6号 公式Web版

share
  1. 建設事業並びに建設諸計画に関する (会議録情報)

    昭和三十三年二月二十日(木曜日)午後 一時五十二分開会     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     竹下 豐次君    理事            石井  桂君            稲浦 鹿藏君            西田 信一君            田中  一君    委員            岩沢 忠恭君            小山邦太郎君            斎藤  昇君            中野 文門君            武藤 常介君            内村 清次君            小酒井義男君            坂本  昭君            戸叶  武君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 根本龍太郎君   政府委員    自治庁税務局長 奥野 誠亮君    建設大臣官房会    計課長     南部 哲也君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 富樫 凱一君    建設省住宅局長 植田 俊雄君    建設省営繕局長 櫻井 良雄君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件建設事業並びに建設計画に関する  調査の件  (昭和三十三年度建設省関係予算に  関する件)     ―――――――――――――
  2. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) ただいまより建設委員会を開会いたします。  議事に入りまする前に、本日の委員長及び理事打合会において決定いたしましたことについて御報告いたします。  日程について協議をいたしました結果、二十五日は都合により委員会取りやめ、二十七日は水防法案についての質疑、それから地すべり等防止法案提案理由説明、二十八日は水防法案質疑、採決、それから調査案件、三月の四日は地すべり等防止法案質疑調査案件を行うことに決定いたしました。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) 異議なしと認めます。     ―――――――――――――
  4. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) それではこれより本日の議事に入ります。  昭和三十三年度建設省関係予算に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  それから本日出席しておられる政府当局は、根本建設大臣河川届長山本三郎君、道路局長富樫凱一君住宅局長植田俊雄君、営繕局長櫻井良雄君、自治庁税務局長奥野誠亮君、それだけであります。
  5. 田中一君(田中一)

    田中一君 建設大臣に伺いたいことは、昨年、一昨年とも国有資産等所在刑町村交付金及び納付金に関する法律が出ておりますが、これが公営住宅に対しましては、一応免税の措置をとられてきたのは御承知通りでございます。そこで三十三年度はどういう措置をとるつもりでございますか、その点を第一に伺いたいと思います。建設大臣とむろん自治庁話し合いが済んでいると思うので、これ非常に大きな問題ですから、そこで建設大臣から伺うのがよろしいのですけれども、もしも……。
  6. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 私からお答え申し上げます。  この問題につきましては前委員会当時からいろいろありまして、両省で十分今検討さしておるのでありまして、その経緯については住宅局長並びに自治庁から説明するようにいたします。
  7. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 公営住宅に関しまする所在市町村交付金の問題につきましては、建設省におきまして、古い公営住宅について家賃調整の問題があることを指摘せられておりました。家賃調整の大きな問題があります際に、交付金相当額をそのまま家質に転嫁するような措置をとりますと、この家賃の不均衡をますます拡大することになって参るわけであります。そういうことから今おあげになりました法律施行当時に、すでに家賃の定まっておりました部分につきましては、あの法律ができたからといって、直ちに交付金相当額をそのまま家賃に転嫁することは差しとめで参っております。その結果府県財政負担がふえるわけでございますので、その部分につきましては特別交付税で別途補てんするやり方をして参ったわけであります。三十三年度におきましても家賃調整の問題につきましては、直ちに踏み切りがたい事情があるようでございますので、従来と同じような措置交付金の問題についてはとって参りたい、かように考えておるわけでございます。将来家賃調整が行われまする場合には、あの法律精神に従って、措置府県にまかしたい、しかしそれまでは今までと同じような措置をとって参ることによりまして、すでにあの法律制定当時に定まっておりました家賃に、直ちに改変を加えることは差し控えたい、かように考えております。
  8. 田中一君(田中一)

    田中一君 住宅局長に伺いますが、今奥野さんの話のように家賃のアンバランスというものを是正した上に適用するというならば、その調査なり心組みというものの作業はどのくらい進んでおるか、伺いたいと思うんです。
  9. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 公営住宅家賃につきまして、建設年度によりまして相当な開きがあることは御承知通りでございます。これが調整につきまして各種の方間から議論があるわけでございます。しかし家賃生活費に直結する問題でございまして、現在の居住者生活内容にも相当影響する問題でございますので、私ども慎重に研究いたしているわけでございます。従いまして、家賃調整をするということについては、自治庁通達内容においても盛り込まれている問題でございますが、いつの時期にこれをやれるかということもまだ未決定でございます。しかしながら私ども内部作業といたしましては、真剣に検討していることは事実でございます。しかしこれは真剣に研究しているということは、それで古い家賃を上げるということの結論を得たという意味じゃございません。一つの研究すべき問題として検討しておる、こういう段階でございます。
  10. 田中一君(田中一)

    田中一君 地方公共団体は非常に毎年々々不安を感じておるのです。むろん一つ内閣の性格が不動の形で年度初めに諸般の政策を発表しておられるのであれば、これは安定した気持でこれをやるんですけれども、ことに岸内閣は、全く筋の通らんような予算を組んだに、思いつきのような数々の放送をしておるわけなんです。そこで、全国的に、現在でも国会同僚議員等にも相当な陳情が参ったと思うんです。もしも、政府がいつごろまでにどうするというような覚悟がないならば、場合によれば法律改正をしてもいいじゃないかというように考えておるんですが、一体、私は、これを取れということを勧めるために言っておるんじゃございません、誤解しないで下さい。取らないように措置づけてくれということを言っておるんであって、そういう点についての考え方は、いつごろどういうことになるかという予想のもとに、三十二年度も徴収しないんだと、それは別途交付金で補てんするという御答弁でありますから、それじゃいつごろまでそういうような暫定的な措置をとっていくか。見通しがここのところ三年、五年、十年たたなければ全国的な調査はできない。ことに本年度は、内閣統計局住宅実態調査もやっているようですから、その結論でも出てそれをどうするこうするというようなことならいいんですが、常に不安を感じておるんです。そういう点の心がまえですね。それから、もしやるならば、その実態から見て三十三年度、三十四年度、三十五年度、この三カ年は取らないような措置をとりますならとります、というような形の答弁が望ましいと思うんです。
  11. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) この問題につきましては、建設省自治庁とが話し合いまして、その結果に基きまして府県通達を出しておるわけであります。その通達の中におきましては、家賃調整が行われるまでは、交付金関係だけで家賃を引き上げる、こういうことはすべきでない、そのかわり別途財源措置はする、こう言っているわけであります。従いまして、今おっしゃいましたように、府県方針のきまらないままに不安な姿でいるということは、私はないと思うのであります。家賃調整をやると、こういう段階になりました際に、交付金の問題も解決がつくわけでございまするので、今のような方針府県に明示しておいて別段支障が起ってこないんじゃないか、かように考えております。もし、三十四年、三十五年も家賃調数をおやりにならないということになりますれば、交付金関係は、やはり従来通り続けていくということになるわけでございます。
  12. 田中一君(田中一)

    田中一君 よくわかりました。各地方議会も持たれることでございますから、その点は十分に徹底するように、もう一度、再度そういう通牒をお出しになることが一番親切な措置であろうと思うんです。その点はひとつよろしくお願いします。  同時に、昨年もだいぶ紛糾いたしました公団住宅は、どういうことになりますか、考えておりますか。
  13. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 公団住宅につきましては、個々の市町村がそれぞれ別途な評価を行なっておったわけでありまして、その結果いろいろな支障もあったわけでございますので、評価につきまして、自治庁の方で統一的な基準を示したわけでございます。これによってある程度固定資産税負担の問題が解決されたと思っております。しかし、なお公団あるいは建設省の側から、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律、その法律によって律せられるような負担に変えてもらいたい、こういうような希望もあるわけでございます。しかしながら、税制全体につきましては、いろいろ問題もある際でございますので、総合的に今後なお検討していきたいというように存じておるわけでございます。
  14. 田中一君(田中一)

    田中一君 それじゃ昨年、公団並びに建設省から自治庁とのいろいろな折衝の結果、一応の結果が出たと思うんです。それをひとつ明確に御答弁願いたいと思うんです。昨年の措置ですね、これは公団もただこの法律そのままをやろうとしたんじゃなくして、公団自身も低家賃にするための措置をとったはずだと思うんですが、住宅局長自治庁との話し合い結論公団が実際に居住者に対してとった結論等を御報告願いたいと思います。
  15. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 公団住宅に対しましての固定資産税の現在の賦課状況につきましては、ただいま自治庁からお話のありました通りであります。評価につきまして全国統一評価をきめていただいて、また、固定資産税率は同じでございますけれども新築住宅については三年間二分の一にするという一つ奨励措置がございます。その適用によりまして、公団固定資産税は現在十四坪で四百円程度のものでございます。また、この固定資産税家賃に含ませるということにつきまして昨年の秋には相当紛争がございましたが、この点は公団入居者も漸次理解して参りまして、最近の公団家賃収納状況は非常に好転して参りまして、九〇%をこえるような納入成績に相なっております。
  16. 田中一君(田中一)

    田中一君 私は、その除外例で二分の一にしたからいいというのじゃなくて、実質的に昨年のあの紛争から、公団が実収したところの金というものがどうなっているかと何っているのです。四万円に対する七%という金だけじゃなかったと思うのですが、どういう軽減措置をとったかということを伺っているのです。公団の方の監理官は来ていないのですか。監理官おらんでも、局長おわかりでしょう。
  17. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) ただいま申し上げましたように、統一評価に基いた固定資産及び都市計画税税率を加えました自分の一・六に対しまして、三年間を二分の一でございまして、平均的に申しますれば十四坪の家で一カ月四百五円でございます。この固定資座税公団家賃の中に含めて取っておるわけであります。これは公団に対して市町村から令書が出ておりますから、それに基いて家賃を徴収しているわけでございます。
  18. 田中一君(田中一)

    田中一君 たとえば東京都の三鷹の牟礼は徴収しないのです。これはかかっていないのです。松戸その他はかかっておるのですね。おわかりでしょう。ことに松戸等は、あの光カ丘紛争から、御承知のように、年度固定資産税は、一月の現在を起点として計算されるようになっております。ところが、昨年と同じような論議を戦わすのはもうごめんですけれども、入居したのは四月過ぎです。そうして一月からの分のものを取るというのはおかしな話であって、場合によれば、一年間延期して翌年の三十三年の一月から計算して取っている場所もあるのですよ。こういうことを言って、私、取れというのじゃないのです、これも。誤解しないで下さい。取れというのじゃないのです。取らない措置をとれという方向を示してくれと言っているのです。片方公団住宅は取るし、片方公団住宅があるところの市町村は取らない、ということがあっちゃならんというのですよ。だから取れというのじゃないですよ、くどく言いますけれども。取らないように措置をしたらどうかというのです。本年度も、本年に入ってからも相当完成しますし、これが一月一日を起点としての課税になりますから、そういう点についても十分考慮しないと、同じような紛争が起きるのです。それでなくてすら公団住宅は高い高いということになっているのですし、ことに根本建設大臣は、低家賃政策というものを打ち出そうとして、本年度は第一種住宅を千戸減らして二種を二千戸ふやしたということにも現われておるように、根本さんの精神だけは買ってもいいのです。けれども実際の問題としてそういう方向に行っていないから申し上げるのです。公団住宅が年々建つのです。したがって、そういうようなことがあっちゃならぬから申し上げたのである。ことに光カ丘等は一月一日の現状から課税されているが、入居者が四月以後に定住した場合、その何カ月間かは軽減したはずだと思うのです。あるいは四、五と二カ月間は取らないように措置したということがあるかもしれません。そういう点は実際はどうなっているのかということ、自治庁としてもそうしたようなばらばらことがあってはならぬと思うのです。それではどっちみち初めからその年度の一月に住まない場合には、これはもうその年度は取らない、別途地方に対する交付金で税収を是正するという考え方を持たなければならぬと思う。毎年々々起きる問題なんです、公団が存続する限り。その点についての実態心がまえを伺いたいと思うのです。
  19. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 固定資産税関係だけを先に私から答弁さしていただきたいと思います。  公団住宅に対しまする固定資産税は、公団自体課税されるわけでございます。これをどう使用者に転嫁するかということは、まあ、公団家賃をきめるときにお考えになればよろしいことでありまして、家賃はやはり最初からずっと同じ額できめらるべきものだろうと思いますので、かりに二月に建築された、従ってその年度文固定資産税課税にならないだろうと思いますけれども、翌年度から固定資産税が課せられるから、家賃が上ってくるということは、私は、これは公団内部の問題ですけれども、そうなければならない問題でなしに、全体にこういう計算になるのじゃなかろうか、こういう考え方を持っておるものでございます。私からこういうことを申し上げるのは行き過ぎだと存じますが、とにかく固定資産税というのは公団自体課税されるものであります。使用者課税されるものではないということだけを御了解願っておきたいと思います。
  20. 田中一君(田中一)

    田中一君 もちろん公団内部の、税の負担の問題については、あなたのおっしゃる通りなんです。しかしそれを指導していくのは建設大臣なんですから、建設大臣はそういう場合にはどう指導するか。ただこれは今言っている通り市町村がその税を取ろうという心組みの所もあれば、取らない場合もあるということ、これはやはりどちらの方にあなたは軍配を上げるか、まあ結局税金を取る人はみつぎ取りと聖書に書いてあります。あまりいい役目のものじゃないでしょうけれども、あなたの方は取ろうという立場に立つかと思いますが、取らないものもあるのですから、やはり取らないという国民に愛されるようなみつぎ取りになってほしいと思うのです。そういう意味で今の奥野さんのしゃくし定木の公式論は伺っておりますが、公団としてはどういう措置をとったか。それから奥野さんの場合には、今言った通り全部が全部取っていない、という実態から見てどういう処置をとるか。しかしこれも申しますよ、それは全部取るべきであるという御答弁は伺いたくないのです。
  21. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) よく御承知のように、一月一日現在において家屋になっておったかどうか、こういうことで課税できるか課税できないかという問題になるわけでございます。今課税しておった所もあるし、課税していなかった所もあるというお話でございます。おそらく家屋として完成しておった度合か違っておったのじゃないかと思うのでありまして、今まで課税されておった所もそれで正しかったと思います。課税されていなかった所もそれで正しかったのである、というふうに私たちは推察をいたしておるわけでございます。
  22. 田中一君(田中一)

    田中一君 奥野さんは仮定に立ってものを言っているのですから、実態を知っているのは建設省ですから植田さんから伺いましょう。
  23. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 私、田中先生の現在の御質問に基きまして、御質問の趣旨がどういうことかというととがわかりました。問題は、田中先生のお言葉で申し上げますれば、同じような竣工度合であったにかかわらず、一つ市町村はかけた、一つ市町村はかけない、こういうことをおっしゃっております。具体的に団地の面は申しませんが、私はよくわかっております。私どもは、これはただいま奥野局長から申し上げましたように、度合というものは同一であるべきものであって、ある富裕団体の方はあるいは見のがしておる。そうでない、団地の形成に伴い袋して各種の費用の要るような所は取りたいというような気持はあると思いますが、度合は同じであるべきだと存じます。しかし先日もこの席でも申し上げましたように、例の住宅協会に対する固定資産税賦課状況から見ましても、やはり富裕団体はできるだけかけない方向にものを考えますし、またそうでない所はかける方に早くいこうと、こういう傾向がございまして、度合としては、法律論からは同じかと存じますが、財政の豊かでない所とそうでない所には、ものの考え方に若干の差はあり得ると考えるわけでございます。具体的に二つの団地を比較したり、また前国会お話がございましたことに基きまして、公団がどういう措置をとったかということにつきましては、まだ私報告を聞いておりませんので、別の機会に御報告申し上げたいと思います。
  24. 田中一君(田中一)

    田中一君 それじゃ奥野さん、あなた、ある市町村が取らないという場合、だから別の方の当然いくべき交付金を、お前のところは黒字だからこれはやらぬぞというようないじわるなことをしないでしょうね。そういうととはどうなんです。それは非常に大事なことです。あなたのところで市町村の自主にまかして、いい政治をする人は取らなくてもいいのだけれども、ほんとうは取るべきだというようなことを推し進めますと、別の方であなた、江戸のかたきを長崎でとるというようなことをしないとも限らない、みつぎ取りというやつは。そういうととろをどう指導するか伺いたい。
  25. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 家屋として完成しておったと見るか見ないかということにつきまして、市町村間において取扱いに不備があることは適当でございませんので、あたう限り統一的な措置が行われ得るよう、自治庁といたしましても今後ともさらに十分指導していきたいというように存じております。  今お話のございました、地方交付税計算の場合にどうするかという問題でございますが、これは固定資産税基準財政収入額計算いたします場合に、一月一日現在においてあった家屋床面積がどれだけであるか、ということを市町村から報告さしておりまして、その報告に基きまして算定をしているわけでございますので、結果的には市町村措置に基いて計算している、こういうことになろうかと存じます。
  26. 田中一君(田中一)

    田中一君 そうすると、その市町村が、ある市町村は完成しているけれども、これは完成してないものとして報告すれば、あなたの方はそれによって別途交付金はできてないものとしての課税をする。従って、自主的には市町村国民からもらおうが自治庁からもらおうが同じことだということなんですね。
  27. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 市町村課税すべき状態にあるのに課税しないでおくというような場合には、自治庁といたしまして市町村報告を訂正すべきだと思います。しかしながら、実際問題として、私たちは、課税すべきものは課税するが、すべきでないものは課税しないというやり方をしていくべきだと考えまして、市町村報告をそのまま使っているわけでございます。
  28. 田中一君(田中一)

    田中一君 当然そういう答弁でいいと思いますが、あなたの場合には。  そこで建設大臣は、今論議しておりますような問題について、これは政治的に解決するべきだと思うのですが、どういう見解を持っていますか。
  29. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) これは課税の問題については、それが地方自治体で、おる町村ではかけているが、ある町村でかけていないということの問題は、建設省としては直接タッチすべき問題じゃないと思います。これはどこまでも自治庁においてやるべき問題であると思います。建設省としては、むしろ現存、先ほど局長から説明いたさせましたごとくに、一応統一した基準のもとに固定資産税をかけておりますから、固定資産税自身公団にかけるものだという前提で立つならば、今の公社、公団については固定資産税について納付金制度をとっているとするならば、やはり同一制度をとれば、より統一した安定したことになるのじゃないかということで、その折衝を今しているというわけでございます。
  30. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 この問題は、昨年は公団住宅家賃不払いの大きな問題として取り上げられており、当時、大臣も今のような御答弁ではなかったのですね。最初一つ自治庁の方とも積極的に交渉して、固定資産税の問題も、これはなんとか考えようというような発言が新聞にも載った。私たちも重要視したよりどころは、やはり大臣の政治的な、何と申しますか、交渉によって解決するものだと期待していたのです。しかし善明が少し変っておりますようですから、とれと関連はいたしますけれども、確かに建設大臣は、昨年この問題解決に当って、来年度金利コスト一つ引き下げて、そうして家賃の安い方向に必ずし向けていこうというような発言のあったことは、これは事実だと思います。そこでこの金利引き下げということについて、本年度財政投融資の問題を見てみたところが、公団住宅に対しては、産投資金は逆に昨年度から五十八億の減です。そうして運用部資金においては五十五億の増し、債券が五十億の減で、総計は三百十二億で三十二年度から比較して四十三億円の減になっておるのですね。こういうような資金コストで果して本年度家賃を引き下げるという状態にいっておるかどうか、その点について一つ大臣の御答弁をお願いいたしたいと思います。
  31. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) まず第一に、私が昨年公団住宅問題中、特に固定資産税の問題について言及したことと違っておるじゃないか、これは違っておりません。あのときには、だいぶ社会党の方々、あるいは入居者の方から固定資産税はこれは減免すべきだ、こういうことでございます。しかしこれはすでに契約上はっきりと契約しておることについては、現状の条件でどうしても納めていただきたい。しかし固定資産税は、できるだけ合理的にかつ軽減することについては努力する、ということを言明いたしたつもりであります。その結果先ほど自治庁から御説明がありましたごとくに、従来各町村において非常にバランスがとれていない。これも一つの原因であるということで、統一的な基準によって私どもは考えている。  それから先ほど田中さんの御質問にお答えしたように、これはむしろ納付金制度にした方が合理的であるし、それから御承知のように、固定資産税の例の契約の期限が関係しておりまするので、そういう問題をも政治的に解決するために納付金制度にすべきであるということで交渉しているということであります。昨年私が当委員会において申し上げたこととは全然違っておりません。  ただ、今第二の問題として指摘されました低家賃制度をとるということを言っておりながら、現実に三十五年度公団の資金構成が後退しておる、いわば資金コストが高くなるようになっておる。これは御指摘の通りです。これは私どもも非常に遺憾に思っております。本年の予算編成に当りまして、私はいわば一般会計からの繰り入れと申しますか、利子のかからない資金を増大することに努力いたしまして、なおまた利子のかかるのでもできるだけ低利子のものをもってこれに臨む、という努力をいたしたのでございますけれども、今年の全体の資金配分に当りまして、私たちの力がそこまで及びませんで、遂に閣議決定の線において受諾をせざるを得なくなったと、こういう状況です。こういう観点からもいたしまして、私は全体として住宅政策における私の構想を生かすために、公団住宅を従来よりそれで減らしたわけです。どうしても今のままでいきますれば、これは公団住宅の分が割高になる。この割高になるものを増加するということはとるべきではないということで、相当程度、これは五千戸減らしたわけです。そうして割合に資金コストの高くない公営、これは御承知のように、大部分が補助金でございます。で、これは政府財政計画からするならば、なるべくそれは避けたいところでありまするけれども、資金構成において私の意図が容れられない限りにおいて、これは当然私が主張する立場でありますので、この点は大蔵省が大幅に譲りまして、公営住宅における低家賃制度を貫いた。なおまた公庫においては御承知のような措置であります。こういう状況であります。従いまして、今御指摘の点は私が意図したことと違った結果になりましたけれども、全体としては低家賃制度への努力を続けてきております。なおまた物価の引下げによる問題もございまするので、そうした点を勘案して御了承願いたいと思います。
  32. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 まあ率直に、あなたが資金構成において当時言明されたことと実際が逆になったと、遺憾の意を表せられたわけだが、しかしこれは問題は遺憾の意を表するだけではいけないのですね。だから五千戸だけ少くして、大体低家賃制度というものは維持しておるのだと、こういう実証を実は私まあ突きとめたいのですけれども、この用地費と建築費が本年度はどういう見通しになっておるか。これは必ず下る見通しか、上る見通しか、この見解をまず聞きますが。と同時に、三十二年度公団家賃の平均、それからまた三十三年度の見通しの平均ですね、これをはっきり立ててあるのでしょうか。この点一つ答弁を願いたい。
  33. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 遺憾の意を表しただけじゃいかぬ、というのはどういうことですか。遺憾の意を表しただけじゃいかぬというのはどういうことですか。
  34. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 いや、遺憾の意を表しただけでは……、あなたの言明に期待しておったのだ、政治力に期待しておったのだから、それであなたに……。
  35. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) だから一体その遺憾の意を表しただけではいかぬというのは、どういう意味かを聞いておるのです。それは私はここで努力すると言いました。しかし全体としては皆様の御理解する程度に私はやっておるつもりです。しかもこの資金構成が、政府全体の資金の運用上私が意図したところにいかなかったから、むしろ一般会計の負担を多くしてまで全体の住宅政策の推進をはかってきておるつもりです。しかもその資金構成が本来ならば高くなるにもかかわらず、三十二年度に比して高家賃制度をとろうとしてはおりません。だからそういう点はやはり余裕ある態度をもって聞いていただきたいと思います。政治というものは、一々そういうことを言われておったのでは……それは言論は自由ですよ、自由でありまするけれども、それをせっかく期待したけれども、できないのは遺憾だというならいいのですけれども、遺憾と言うだけでは足らぬということになりますれば、一体どうすればいいか、私も反問せざるを得ない。だからお互いに政治家であります。お互いに政治家でありますから、その点をもう少し余裕のあるお話をお願いしておきたいわけです。
  36. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 いや、それは遺憾の意を表しただけじゃいかぬということは、政治家としては当然だと、あなたは政治をやっておるのですから、その執行者ですから、だから私に対して遺憾の意を表したことは確かである。今言ったところですね、あなたの。しかしこれは遺憾の意は表したけれども、こういうような見通し、家賃はこういうふうな見通しになるのだ、あるいはまたその住宅、宅地の値上りというものはこういうふうな状態になるのだ、建設費の値上りというものはこういう状態になるのだということをなぜ説明しないのか。その点を説明して初めて、自分は昨年資金コストを下げるというようなことを言明はしたけれども、こういうふうな実績によって、決して先年度よりも家質が上るというようなことにはなりませんからと、なぜそれを続けて言わないのですか。それを言わずにおって、言っておるから、僕は今反問しておるわけです。そうでしょう。
  37. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 私は全体としての資金構成を聞かれたので、資金コストの問題については、私が意図したこととはそのままにはいかなかった、従ってその点を私は自分の構想がそのままでいかなかったについて遺憾だと、それから家賃の問題については高くしょうとはいたしておりませんので、これは事務当局から答弁いたさせます。
  38. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 三十三年度予算要求に当りましては、ただいま大臣お話のございましたように、資金コストを下げて、資金コスト公団家賃の一番大きなファクターでございますので、努力したのでございますが、結局は三十二年度と同様賃貸住宅につきましては四分一厘の資金コスト、分譲住宅につきましては七分一厘のコストでございます。来年度の建築費の趨勢でございますが、公団住宅につきましては耐火住宅でございますので、鉄、セメントの値下りが相当見込まれるわけでございますから、そういう意味におきまして、建設費は若干下げてもいいわけでございまして、予算の上におきましては三%の減と相なっております。用地費の見方につきましては、これは場所によって違うわけでございますけれども、相当公団が造成した土地も持っておりますし、また早目に手当した土地もございますので、そういう観点から申しまして用地費の現在の、若干それは一時よりも傾向は落ちて参りますけれども、増高でないとは申せません、増高の傾向はございますけれども公団住宅に関する限りはその用地費の増というものは大きく出て参らないであろう、こういうような観点からいたしまして現在三十二年度家賃は全国平均で申しますと、十四坪でいたしまして先ほどの固定資産税を含めまして約五千二百円でございます。これは先ほどの建築費の単価減等がそのままはね返って反映して参りますれば、これよりも若干安くなる見込みでございます。しかしこの安くなるということを強調するほどのことは、あるいは不適当かと存じます。安くなれば安くなることを期待いたしますけれども、その金額はそう大きなものではございませんので、少くとも平均的には三十二年度家賃は維持できる、こういうふうにお考えいただいたらいいのではないかと存じております。
  39. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 そうすると、三十二年度と三十三年度の平均家賃と価格の見通しはどうですか、はっきりしていますか。
  40. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) ただいま申しましたように、十四坪平均のアパートにおきましては三十二年度が五千二百六十二円、こういう平均になります。これに対しまして三十三年度の予定の家賃は全国平均でこれよりも百円程度安くなるわけでございます。しかしこれは個々の家ができ上ってからほんとうにかかりました原価によって計算するわけでございますので、百円だけ下るということまではっきり申し上げるのが適当かどうかと存じましたので、私どもは百円下るといたしましても、個々の敷地の入手状況その他によって変ってくるわけであります。下る単価から申しますれば下ることになっおりますけれども、必ずしも平均は下げ切れると申すことは適当でございませんので、少くとも三十二年度の水準は維持できる、こういうふうに申し上げたわけでございます。
  41. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 最近公団住宅入居希望に対しての契約は、その給料の根拠、いわゆる自分のバックの給与高というものはだいぶ上っておるようです。二万五千円から約三万二、三千円というようなふうに上っておるわけでしょう。というのは現実に公団住宅家賃は上りつつある情勢、その点ははっきりあなたの方では調べて、とっておるのですね。
  42. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 住宅公団住宅にはいろいろの種類がございまして、間数の小さいものでございますれば、二万五千円クラスの人も入れる所もございますが、平均的な世帯住宅になりますと、十三坪以上になりますと、家賃も相当張って参りますので、現在実際の入居の申込みに当りましては、月収が五倍あるいは六倍というところを標準にいたしまして、募集いたしておりますことは事実でございます。
  43. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 もう一つこれは自治庁関係にお尋ねしたいのですが、土地の評価額のことですが、これが自治庁計画では法律面で改正するかどうかしりませんけれども、とにかくその価格を引き上げる、こういうような傾向にありはしませんか。
  44. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 土地を評価するのは市町村でありますが、市町村評価するに当りまして、その市町村内の宅地の平均価格が幾らになるかということを自治庁の方で示しております。この価格が売買地価と比べてみますと三割前後にしかなっていないというような実情で、家屋その他との間に非常な不均衡を生じて参っております。そういうようなことから昨年土地につきましては、この一月一日現在における評価に際しては、五%程度を引き上げた線で価格を示したわけでございます。
  45. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 こういった諸要素というものが、私たちの見通しではやはり家賃の高い要素の中に含まれてきはしないか。しかしあなたの方では百円程度は安くなるという見通しですけれども、これが現実と変った場合のときにおいては、これは建設大臣どうですか、あなたの政治的立場をはっきりしておいて下さい。
  46. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) これは現実に実行してみなければ今から、予測ですから、はっきり言えないわけでございます。その意味において、住宅局長も大体現在の想定では百円程度安くなるつもりですけれども、現実についてはそれほどはっきり言えないので、そこまで下げるとは言わない。こういっておるわけです。
  47. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 あなたの立場としては。
  48. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 私の立場はそういうことです。できるだけ安くするというところに努力するということです。
  49. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 高くなったらどうなるかということです。
  50. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 高くなったということは、これは現実にかかったものを従来の計算方式でこれは家賃にするというだけであります。
  51. 坂本昭君(坂本昭)

    ○坂本昭君 建設大臣に伺いたいと思いますが、先ほど来公団固定資産の問題がだいぶ論議されまして、利子のつかない政府出資金を、ふやしたかったのが、ふやすことができなかったのは遺憾であるという御説明がありました。私はそれははなはだ遺憾であると、はなはだくらいつける必要があるのじゃないか、そう思っております。というのは、昨年来加納総裁も、繰り返してこういう固定資産税の問題でいろいろ居住者に迷惑をかけることについては、来年度はぜひ利子のつかない、あるいは低利子の出資金をたくさん獲得したいということを、非常に積極的に主張しておられましたし、また大臣もそういう御意図でありましたので、われわれとしてはこれはもう与野党あげまして実はこれに期待を持っておったわけです。その点がいかなかったということは、これは今後ぜひわれわれの希望している方向へ、大臣の申し送り事項としてでも必ずやっていただきたい。  なおそれに関連して、低家賃住宅政策大臣としてはきわめて積極的に考えておられましたが、この前の委員会住宅局長の話によると、新しい公営住宅に対する家賃補給の問題も全部だめであった、そういう説明があって、これはいよいよはなはだ遺憾であるということを感ぜざるを得ないのです。大臣としてこの家賃補給の点がうまくいかなかったということについて、今後どういうふうな方策で低家質政策、特に低所得層の人に対する方策を考えておられるか、御説明をいただきたいと思います。
  52. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 低家賃政策の努力をやったことが結果が悪かったから、はなはだ遺憾だということを言わされておるわけでありますが、従って、初めから努力しなければ遺憾の意を表しなくてもいいというようなことではないと私は思います。そこで御承知のように、低家賃制度を実現するために、非常な低額所得者に対する家賃補給というような形で、われわれの方では提案いたしたわけでありますが、これが大蔵省と議論の分れ目でありまして、それはむしろ住宅政策として取り上げる問題じゃないのじゃないか、これはむしろ社会保障制度としてとるべきだ、従ってそういう意味において住宅政策をやるということについては、理論的に同調し得ないというところが基本的な問題でございました。そういう結果本年については、これは引き続いて研究するということで、これはついにわれわれの主張がいれられなかったわけでございます。しからば社会保障制度の方面においてこれが実現されたかというと、これまた社会保障制度の全体の問題がまだ結論が出ていないというので、実はこれも実現していないということであります。この点は私も自分の意図することができないので、最後までこれは大蔵省と意見の対立のままにきておるわけでございます。あなた方も御承知のように、主管大臣が、自分が意図することができなかったということは、これは私としても遺憾でありますが、さればといって、しからば積極的な施策をとらない方がいいとは私は思いません。その意味において、私は機会あるごとにこの問題を推進するということが必要だろうと思います。従って当建設委員会はいろいろと積極的な、建設的な意味において私を激励していただきまして、私も感謝しておりまするが、力の足らない点をお叱り受けるならば、いつでも私はお叱りを受けてもけっこうだと思います。現在の状況においては、これはいかなる所管の地位におりましても、自分の意図するところが全部そのままに実現できないというのは、これは弁明ではございませんが、やむを得ない事実でございます。しかしそれだといって私は意思はくじけません。自分はさらに一段と努力をするつもりでございます。
  53. 坂本昭君(坂本昭)

    ○坂本昭君 そこで今社会保障という言葉が出て参りましたけれども、これは非常に重大な点だと思います。この点については与党と野党というのは非常に基本的に考えが違うと思います。これはまた一つ総理とも一緒に一回ゆっくり検討してみたいと思っております。結局その辺のものの考え方の差からこの住宅政策に対する問題も私は分れてくると思う。たとえばこのたび二万一千戸ほど最初大蔵省の査定で削られまして、大臣が一生懸命努力せられて十九万九千の、前年度、三十二年度と同じところまで復活せられたという努力は、これは私も大いに認める点にやぶさかではありませんが、数だけが住宅政策の基本じゃないのです。特に私は今度のこの政策を見ますと、これはもう一般でも指摘せられておりますけれども、かなりインチキというとちょっと言葉が悪いかもしれませんが、数にみずからごまかされているのではないだろうかと思われる節があるのです。それはたとえば第二種の住宅を二千戸増した、安い方を増したということはいいようだけれども、だいぶ予算が少くて済みますから、そういう点でほんとうに二種の住宅をふやさなければならない、低所得者層に対して一生懸命やらなければいかぬというなら、二千や三千ではなくて、もっと重点的に私は増すべきであったと思う。それからまた公庫住宅も四千戸ふえているのです。ところが公庫住宅というものは、政府がみずからそれに出資するのではなくて、多分に人におぶさるものであります。ことに昨年もそうでしたけれども、今度も増築の二万五千なんというこういうものをやはり二戸建の中に入れている、こういう考え方はのけなければいけないのではないか。こういうものを一国の住宅政策の中で戸数に入れるという考え方自体が誤まっているのではないか、そういう点でこれは一つ大臣にむずかしいことをお尋ねいたしますけれども、これをお伺いしてからあと少し私の考えをまたいろいろと聞いていただきたいと思うのです。それは住宅政策というものは数だけではない、その中でスイート・ホームが、一家団らんの生活が営まれるような、そういう一つ住宅を作っていくということがこれが一番大事なことであって、もちろんそれには低家賃ということも伴ってきます。一体今日の日本人の国民の生活の中で、衣食住の中で、食はほぼ満足せられるところにいった、衣の方はこれも満足せられるところにいった、今一番問題はやはり住だと思うのです。住に対する国民の要求というものはまことに深刻なものがあります。その点について大臣がどのように認識しておられるか、また住ということについての建設大臣の哲学を一つ聞かしていただいて、それからあともう少し私の考えを一つ述べたいと思うのです。
  54. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 御指摘の通り十数年前の戦争によって一番多くの犠牲を受けたのは住宅でございます。さなきだに人口の増加の署しい、周密なる人口を有する日本の国にとっては、戦前から住宅問題が非常に深刻な問題でありました。ところがあの大戦争によって全く収拾すべからざる住宅地獄になった。戦後国民の努力によって食生活、衣料の方は安定しましたけれども、何しろ住宅となりますれば金額も相当これはまとまったものでなければ建設できない、戦前におきましては住宅投資が一応経済的に成り立った、しかるに戦後においては住宅に投資することは採算がとれないのみならず、かえって現在の家賃の状況からみればこれはできないということになりましたために、やはりこれは相当程度のまとまった金を持った人でなければ、住宅を作れないという状況になったことが、より以上住宅問題を深刻にしたものと考えなければならないと思います。なおまた従前でありますれば、不動産金融が相当簡易、簡便に地方銀行においてなされたけれども、現在ではほとんど不動産金融がなされていないということが、住宅政策に対するいわば金融の窓口が全部シャット・アウトされておるということが、第三のこれは難点として出てきたと思われるのでございます。しかも一面におきましては、住宅に対する要求が、家を焼かれた人のほかに、新しい家庭を持った人方がどんどんふえてくるということにもなりました。こういう観点からいたしまして、鳩山内閣のときに初めて住宅問題に重点を指向して参ったのでありますが、しかしなかなか政府財政状況が必ずしもその意図のままに資金の投入ができない、こういう現状できておるわけでございます。  今住宅に対するフィロソフィを述べろということでございまするが、これは戦後各国を見ましても、やはりこの住宅問題がその国の政治的あるいはまた思想的な大きな問題になっておりまして戦後行われるいろいろの犯罪の頻発、こういう問題も、まあ究極するところは、住宅問題にその根拠を発するんじゃないかといわれるような状況であるわけでございます。その意味におきまして、これは単一の方法ではなかなかできないわけでありまするから、あらゆる総合的な施策をもって、この住宅の充足をはからなければならないと考えておるわけであります。その意味におきまして、政府といたしましては、いろいろと住宅建設に関する税制上の優遇の措置、あるいはまた直接政府資金によって住宅を建てて供与する、あるいは公庫によって金融の措置を講ずる、あるいは市町村団体が補助助成を受けて低家賃制度でやるというふうな、非常に多角的な措置をとらざるを得ないと思っておるのでございます。こういう観点からいたしまして、先般も御説明申し上げました住宅五カ年計画を立てましてやっておるのでありますが、また一面におきましては、住宅はやはり今スイート・ホーム論が出たごとくに、一応の企画によって政府が建てておるけれども、それでも必ずしもみなが満足しない点がある、やはり個人差というか家庭は自分の住みよきものにしたいという考えがありますので、その点で活用されるのは公庫ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。この住宅問題は現在いろいろの政策の中で、最も重要にして、かつ、最もむずかしい問題でありまするので、私もできるだけの努力を傾けておるのでございます。これについては、やはり従来から問題になっておりましたごとくに、住宅を作れということと、しかもそれは安く作れということに非常に問題があるのでございます。現在のところでは、公団住宅を作るということになれば、これは入りたい人がたくさんあるから、非常に奨励されておりまするが、一たん入ってみると、どうも自分の給与との関係から見れば高過ぎるという反発が起されます。また一方からいうと、政府が作って、しかも安いものに入って不満であるなら、おれたちがかわってやろうじゃないか……特定の人間に対して特定の利益だけを与えるというのは適当でないという議論も出て、ここにいろいろの紛争が起るのでありまするけれども、しかしこれはその個々の立場からみて、いろいろの議論がございましても、やはり究極において、総合的に見て、できるだけ住宅をたくさん作り、しかも漸次これが規格も高くなり値段も低く持っていくという、余裕ある態度でこの住宅問題を考えないと、一つ一つの個々の立場から片目でものを見れば、せっかくのこういう問題も円満に遂行できないじゃないかということを考えておる次第でございます。特に先ほど指摘いたされました宅地の問題がその一つの例でございます。現在住宅政策で一番困難な問題は、宅地の人手難、それが高いということです。これをやろうとすると、今度は農地との関係があって、すぐに農地をつぶすのはけしからぬ、しかもそれが安く買い過ぎる、もう少し高くせいという要求が出て参るわけです。そうすると自然に家賃にかぶさってくる。こういうような状況で、やはりこれはおのずから公共の立場から見て、総合的に施策をいたすようにわれわれも考えまするし、国会におかれても、そういう点から、一つ高い段階から御指導御協力を賜わりたい、かように考える次第でございます。
  55. 坂本昭君(坂本昭)

    ○坂本昭君 住宅問題が犯罪とか貧困の非常な原因になる、ということについての大臣のお考えは私たちも全く同感であります。しかし鳩山内閣のとき以来、初めて全面的に出てきたところのこの住宅政策の問題が、今回は非常に後退をしている。道路政策の方はやや伸びたけれども住宅政策は、それと引きかえかどうかしりませんけれども、後退をしたということは、私ははなはだ残念であります。特に昨年大臣とも約束をしたことで、きわめて大事な点が無視せられている。それは今のお話を伺ってみますと、住宅の必要性については大臣もよくわかっておられると思いますけれども、低所得層の人に対するところの、ほんとうの理解と把握が非常に乏しいんではないか、そう私は思われるのであります。現在これは先般の委員会で資料を要求したんですか、まだきょういただいておりません。公営住宅に対する申し込みの数が全国的にどの程度あるか、そういう全国的な数はありませんが、私のちょっと新聞で見た範囲内でも、たとえば四十六戸できたのに、千二百六十六人、二七・五倍の申し込みがある。二階建の場合には五十七人に一人である。あるいはこれが東京都の都営住宅の場合だと六十五倍もある。それからまた神戸などでは、十回以上もくじを引いて落選している人が五千世帯以上もある。神戸の住宅課では、おもしろい子供の歌が住宅課の中にかかっているそうですが、こういう歌だそうです。「窓を開けたら向うの丘にアパートが見える、鉄筋コンクリートの五階建アパート、白いアパートだ、僕ン所は市営住宅で古いから、新しいアパートヘかわりたいな」、これは子供の非常に単純な歌です。歌だけれども、なかなか子供らしいすなおな気持を訴えている。もちろん子供として、公営住宅へ入っているんだからそれでいいじゃないかという人もたくさんあると思います。ただ子供は公営住宅よりも、白いアパートへ移りたいという気持を率直に子供として歌っていると思いますが、これは子供だけの気持でなくて、もういろいろな人がこういう気持をいっておりますし、たとえば各県から私たちの方へも陳情がありますが、家賃負担の面からも、公営住宅を最も重視してもらいたいという意見は、これはもうすべての県からきておりますし、それから昨年の暮にありました住宅建設推進全国大会、このときも公営住宅に最重点を置いて、低家賃の維持を一つはかってもらいたい、これは全国民的な要求であります。で、最近あの例の売春防止の問題が出ておりますけれども、この問題あたりも、担当の人といろいろ話をしてみますと、従業婦にとって一番密接な切実な問題は、安い家がほしいということです。安い家があれば、まだ仕事の方は何としてでも探すんだといっている。今転廃業している人が、貯金の五万や六万あっても、高いアパートへ入ってしまえばそれですぐ貯金はなくなってしまう。そうするとまた元へ戻らなくてはならない。それで浅草あたりの中小企業の商店地区では、いなかから来た若い娘さんたちがザコ寝している。そういうことからだんだんと転落の機会も多い。結局売春防止の問題も、帰するところ、そういう低家賃住宅あるいは寮、そういったものを非常に要求している。ところがこれは昨年の九月の末でしたか、昭島市で、いわゆる昭和郷という引揚者の家が焼けまして死人ができました。そのときにいろいろ調べてみますと、あの焼けた引揚者の寮は、一棟に十六世帯で全部で二十棟あります。大体は米軍の労務者や工場の労務者が多い。こういうものがまだ幾らでも残っている。私はこれを機会に実は厚生省の方で調べてもらったんです。現在戦災者、引揚者などが、占い集団収容施設にどの程度残っているか調べてみますと、現在で全国二十二都道府県に百三施設があります。そうして四千五百八十六世帯、人数で一万八千五百九十四名、こういう人がこの古い集団収容施設に入っている。半数は戦災者です、それから約三分の一が引揚者です。で、この人たちの生活の程度を見ますと、生活保護を受けている人が約一五%、それから収入が二万円未満の人が三五%、言いかえれば生活保護と一万円以下の人が半分だということですね。それから一万六千円以上の人というのはわずか二〇%程度にしか過ぎない、そういう実情なんです。昨年は厚生省としては、こういう低所得層の住宅対策として全部て十四億五千六百万円、これをこの貧困な、特にボーダー・ラインの人たちに対して、十カ年計画で十万世帯の人たちのこの住居の問題を解決したいということで、昭和三十二年度については五千戸で十四億五千六百十万円の要求をいたしました。これは全部削られてしまったのです。削られてしまってそのときの理由は、住宅政策というものは一貫しなくてはいけない、だから厚生省などがそんなに出さないで、建設省でやれということで、前の南條大臣のときにも、この問題については建設省と大蔵省と厚生省で特に一つ検討してもらいたいということでお約束していただき、さらにまた根本大臣のときにもこれはお約束をしていただいたはずなんです。ところがそうして今度は厚生省は、こういう低所得層に対するところのこういう特殊な寮、あるいはこういうまあ第三種公営住宅といいますか、こういう概念の予算の要求というものは全然しなかった。ところがそれを建設省としては何らそれに裏打ちするようなところのものを全然していない、これはどうもお約束違いではないか、一番実体を把握しているところの厚生省の意見を、住宅政策であるから建設省でまとめろということになって、それでいよいよまとめたところが、実際はこの公営住宅の方もわずか第二種が二千戸ふえただけであって、少しも前進をしていない、これははなはだ私はお約束と違うと思うのです。これについて一つ大臣の御説明をいただきたいと思います。
  56. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 今のボーダー・ラインの人々については先ほどちょっと触れましたように、これは家賃補給によって問題を解決しようということで予算請求したわけです。と申しまするのは、第三種公営住宅という概念でものを考えますと、非常にこの程度の低い、かつまた非常に狭いものになりまして、住宅という名に値しない、しかもこれは小さくなれば小さくなるほど割合にこれは家賃が割高になるわけです。そこでわれわれとしましては第三種公営住宅という考え方はやめて、最低限度は第二種公営住宅の規格を下げるべきじゃない、住宅である限りにおいては。しかしそれではボーダー・ラインの人が入らない、それでそれに対する家賃補助、こういう形で要求をしていたわけなんです。その点については厚生省とわれわれとは全く意見が同じでありましたが、残念ながら予算折衝の間においてそれが実現できないまま終ってしまったというわけであります。そこで非常にこれは残念でありまするので、今後さらにこの問題は引き続きわれわれも検討するとともに、大蔵省をして認識せしめたいというふうに考えております。
  57. 坂本昭君(坂本昭)

    ○坂本昭君 建設省住宅政策がだんだん統一の方向に向いて、今のような三種に準ずべきものを建設省で考えるようになったのは、一つの前進だと思うのです。しかしこの前出していただきました書類の中にも、厚生年金住宅その他というものがありまして、この厚生年金住宅は、現在労働者から厚生年金として積み立てられたものが千八百億から二千億くらいあると思うのです。膨大なものです。そうしてこれの還元融資として労働者の住宅が若干できておりますけれども、これなどはもちろん今のボーダー・ラインの人に充てるというのには、直接還元になりませんけれども、少くとも労働者の方へこの厚生年金の還元融資で大量に建てていけば、ほかの厚生年金を払っていない人たちに、二種の公営住宅あたりの回りは早くくるということも考えられるんです。これについてはここで自民党と社会党との基本的な考え方の差というものは、労働者から取った厚生年金保険というのは、厚生年金の積み立てを取って、そうして資金運用部資金としてほかへ流して、そうして軍艦を作ったり飛行機を作ってしまう、私たちは、当然労働者から取ったものは労働者に還元すべきではないか。もし今大臣が低所得層の人に対する住宅を建てなくちゃならない、犯罪と貧困の元であるからこれを解決しなくちゃならぬという熱意があるならば、私は、与党の中において率先してこういうものを低所得層の人の住宅にふり向けるような、そういう決意を持っていただきたい、そのお考えを一つ
  58. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 御承知のように、政府資金の財源とこれの主要費目についての議論は前からございますが、たとえば郵便年金の方におきましては、郵便年金を特定の目的のためにこれは使うべきである、あるいは生命保険のような問題も、これをどう使うべきかということで非常にいろいろ議論がございますが、現在のところ、政府といたしましては、そうしたところのいろいろの年金とか、基金とか、あるいはまた政府が扱っているところの預金というものは、総括してこれは使うべきだという立場をとっているのであります。そこでこれの活用の方法については、十分に目的を尊重いたしまして私も研究し、財務当局とも十分に話し合いをしたいと思っておりますが、やはり画期的な一つ住宅政策なんかをやる場合には、何かそうした最も的確な、これは一つの投資とみてもいいんですが、住宅は、特にこれが不燃住宅なんかのようになって参りますれば、これはできると思いますが、ただ今の労働者関係のあの資金を公営というところに持っていくのは、これは困難なわけです。もしやるとすれば、公団住宅でやるということになりますれば、これは相当永続する財産でありますが、公営になりますと、どうしてもまだ規格が少い。しかも公営は御承知のように半分ないし三分の二が補助金であります。あとは地方の起債でやるわけですから、その起債の原資として見るのは果して適当であるかどうかというところに、これは議論があるわけであります。そうなりますれば結局こういうものをもし利用するとすれば、むしろ公庫の資金に充てるというようなことが考えられないか、あるいはまた労働組合なり職員組合が住宅建設するときに当って、優先的にそれを附してやるというような方法も考えられるのじゃないかと思いますが、こういうような点はさらに専務当局で十分に検討いたさしたいと思います。
  59. 坂本昭君(坂本昭)

    ○坂本昭君 最後に。おそらく大臣は好意的な気持を持っておられても、自民党の政策としてはなかなかそうならないだろうと思うんですね。やはりその点は、昨年も大臣住宅政策について大いに自画自賛せられておって、これは一つ国民に審判していただくということで昨年の委員会はお別れしたのですが、やはりきょうの委員会ではまあ自画自賛でなくて、若干遺憾の意を表せられたということで、大臣としても相当責任を感じておられるということは感じましたが、これはおそらく今のままの内閣方針であるならば、なかなかできぬじゃないか、とうていやれない。もし大臣がほんとうにおやりになるならば、それはこれはもう大した功績を残すであろうということを私は最後に申し上げ、一応これで質問を終ります。
  60. 西田信一君(西田信一)

    ○西田信一君 先ほど来公営あるいは公簿 公団を通しまして低家質の問題が相当議論の対象になっておりますが、これに対して根本建設大臣はまあ非常な努力をされておるという点は、私も大いに敬意を表します。しかしながら私は前回の委員会で資料を求めたわけでありますが、これは主として公団住宅についての資料を求めたわけであります。先ほど建設大臣の御答弁の中にも、極力努力をしておるが、用地の値上り、取得難ということが家賃を高くする、あるいはまた分譲価格を高くする要因になっておるということで、苦慮しておるという御答弁がございまして、その通りだと思います。そこでまず住宅局長等にお尋ねしまして、最後に大臣のお考えを伺いたいと思いますが、いただいた資料は皆さんに差し上げてございますか……。  まず住宅局長にお尋ねをいたしますが、これは私は全部共通の問題として考えておるわけですが、例を公団にとって申し上げます。そこでこの間いただいた三十三年度の対策費という資料ですが、これによりましても、公団予算は三十二年度においては三万五千戸で三百六十五億、それから三十三年度は三万戸で三百十二億ということでありますからして、平均はここで目の子で勘定いたしましても一戸百万円そこそこということに予算は組まれておるように思う。この予算の中に今問題になっておる川地費というものは含まれておるのかどうか。それから含まれておるとすれば、大体平均何坪ぐらいを含んでおるのか。それから公団住宅というものは、一戸当りは平均何坪ぐらいになってこの予算を組まれておるか、この点をまずお伺いをいたします。
  61. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 住宅公団の資金でございますが、ただいまお話のように平均してお割り願いますと、大体一戸当り百万円でございますが、その中に用地費は原則的には含んでおります。ただし通常特定分譲と申しておりますものにつきましては、買主と申しますか、建てて売り払う相手方が土地を提供する場合がございますので、そういう場合は用地費は入っておりません。
  62. 西田信一君(西田信一)

    ○西田信一君 答弁がまだ足りないのですが、それではこの三万戸というのは、大体平均何坪であり、それから収得する、買収する川地というのは一戸当り大体何坪ぐらいで、この予算内容はどうなっているか。
  63. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 坪数におきましては、建坪で平均十四坪で予算が成立いたしております。  それからこれは耐火で四階程度のアパートを建てますのが普通でございますが、敷地の需要といたしましては、一戸当り二十坪平均でございます。  なお単価といたしましては、全国平均の賃貸住宅の場合の用地費の単価は、これは十四万五千円になっております。これは賃貸住宅の場合でございますので、あまりいい土地は、いいと申しますか、あまり都会地のまん中でありますとか、そういう便利な土地は選びません。若干郊外になっておりますが、そういう所の単価でございます。従いまして、ただいま公団で東京都内で分譲いたしておりますような土地になりますと、この用地費というものは相当高いものになっているわけでございます。
  64. 西田信一君(西田信一)

    ○西田信一君 そこでただいまちょうだいした資料について見たわけですが、私は前回の委員会でも非常に不思議に思って、あなたの答弁によると、主体工事費大体五万円そこそこである。分譲の場合を例にとりますが、分譲の場合は坪当りいずれも十数万、十二万、十三万となっている。この場合主体工事費が五万円そこそこであるにしましては、あまりどうも高過ぎるではないかと思ってその資料をいただいた。その資料によってだいぶはっきりして参りましたが、私がいただいた資料によると、たとえば白金台町では一戸当りの用地費が六十五万六千円になっておる。東中野の十四坪、四十五万六千円、こういうことになっておって、十三坪七合で百七十八万、こういうことになっておる。そういたしますと、ただいま平均の百万円というのと、実際はその中には特定分譲もありますから若干それは下りましょうけれども、非常に実施額とに開きがあるように思う。この点はいかがでございますか。
  65. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 地価につきましては建設の位置によって非常に違うわけでございます。一般分譲の場合にただいま御指摘のありましたような東中野、白金台町でございますとか、こういう所で建てます場合には、土地は坪当り数万円のものでございますが、一方平均単価よりも安く手に入れ、あるいは造成したところがございますから予算といたしましては間に合うわけでございます。しかしながら立地条件によりまして相当な開きがございます。これは事実でございます。
  66. 西田信一君(西田信一)

    ○西田信一君 私が調べたところによりますと、このいただいた資料にはありませんけれども、最近住宅公団建設をいたしました某団地における一戸当りの用地費が八十六万三千円、こういうものがあるようです。そういたしますと住宅を買うということよりももう土地を買うような結果になっておる。これではいかに低家賃政策とかあるいは安い住宅を提供するとかいいましても、これはますますどうも先ほどの議論のような結果になってくるんではないか、こういうふうに思われるわけです。しかもこれは独立した住宅であるならば、宅地というものはいかにも自分の所有地というような感じがいたしますけれども、これは共有地であってなかなか売買も自由にならぬというような土地を、八十何万も出さなければ住宅が手に入らぬということでは非常に問題だと思う。そこで実際に、先ほど大臣も非常に苦慮されておったようでありますが、安い宅地を手に入れるということについて、どういうような具体的な対策をとっておるのかということをお聞きしたい。
  67. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 宅地を市価よりも無理やりに安くするという方法は現在の制度ではできないわけでございます。いかに賢い方をうまくやるか、あるいは仲介者がありました場合に、相当の信用できる仲介者を選びまして、その方の上手なあっせんによって中開を少く買い入れる、あるいは若干交通機関としてもまだ不整備でございましたが、先行き交通機関の整備される見込みがありまして、地価が安ければそれも買い入れる。手といたしましては、現在の土地の法制のもとにおきましては、やはりまとめてできるだけ安く買ってそれをためて置くという以外には手がないと存じます。ただそういう措置につきましては、賃貸住宅一つ一つ団地に何百戸、あるいは千戸も建てます場合においてはそういう措置をとるわけでございます。ただいま西田先生御指摘になりましたのは分譲住宅でございます。しかも分譲住宅でも、特定分譲の方はもう少し安い所を選んでおりますが、一般分譲でございまして、しかも東京都内の比較的便利な所を選んでおりますので、こういう高いものになっておるわけでございます。で、これの譲渡先につきましては、個人は比較的少くて大部分が法人の給与住宅になっておるのが実情でございます。
  68. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) 奥野局長が何かお急ぎの用があって退席したいという御希望があります。もし局長質問があるお方は、この際、途中でありますが、先に御質疑願いたいと思います。
  69. 西田信一君(西田信一)

    ○西田信一君 私は、今の問題に触れて局長にお尋ねしたいと思います。そこで、今御返事を伺うというと、現行制度下においては実際の市価よりも安く買うことはできないんだ、しかも、あまり対策はないんだという御答弁で、非常に私は落胆したんですが、これは、いかにどんな制度下においても、安く買うことは一向差しつかえないはずです。そして、安く買う方法というものはいろいろ考えられると思う。そこでお聞きしたいんですが、少くともこういうような住宅を建てるということは、これは大きな国の政策でございまするし、また、地方公共団体市町村等とも重大な関係を持つと思う。でございまするからして、少くとも、ただいまのような大きな団地で、将来そこが発展する、あるいは交通機関との関連を持つような所は、そういうものに協力させるということも考えられますが、私は、都道府県とか市町村とかそういうところにもっと協力させるというようなことが考えられるのじゃないか。そういう手を、今のところは、さっきの御寺弁によると、ちっとも考えておられないようですが、これは、そういう手を十分用いられる、それによって相当の効果があげられるんじゃないか。また国有地等につまましても、国はもっと考えるということも考えられると思います。これらについて、住宅局長は、建設省としては、どう考えるのか。それからまた同時に、自治庁としては、こういうことに対する協力についてどんなようなお考えを持っておられるか、局長から。
  70. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 私からお答えいたしましょう。今、西田さんが御指摘になった点は、非常に重大な問題でございまするので、国有地で住宅に転用できるものは、優先的に転換するように協力方折衝をいたしておりまして、漸次それをやりつつあります。それから地方自治体におきまして、公営住宅建設するために必要なる宅地を造成するためには、補助等、あるいはまた起債等もありまするが、これもでき得るだけ自治庁と協力しつつ助成するような方策をとっております。それからもう一つ、海岸地区において埋め立ての可能な所は、割合にこの方は、従来の経験からすると安いようであります。こういう所はできるだけ、これはもとより漁業補償の問題等もございまするが、この点も農林省とよく連絡をいたしまして、住宅になり得る埋め立て地区については極力これを造成いたしたい、かように考えております。ただし、今住宅局長がお答え申し上げましたように、既存の宅地を買うということになりますれば、これはどうしても市価に追従せざるを得ない。そこは便利な所はございまするけれども、でき得べくんば、現在は若干交付が不便でありましても、道路施設を建設省で総合的に考えることによって、ある程度まで、現在の原野とかあるいは森林地帯等において宅地にし得るものは、そういうような付帯施設を総合的にやることによって、できるだけ安い団地を作るというふうに努力をいたしたいと考えておる次第であります。
  71. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 私の所管ではございませんけれども、非常に大切な問題でございますので、建設省からの要請に応じまして必要な協力はしていかなければならないというふうに存じております。
  72. 西田信一君(西田信一)

    ○西田信一君 大体私がお尋ねすることに対する大臣のお答えがございましたので、これ以上お尋ねいたしませんが、ただ最後に一点、低家賃政策という観点から、土地の価格をこの家賃の中に組み入れるということについて、何かもう少しこれを別途はずして、何かそれを除いたところの家賃を定めるというようなことに対する検討をされる、というようなお考えが建設大臣にないかどうか、政府側にないかどうか、こういう点についてはいかがですか。
  73. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) これは非常にむずかしい問題でございまするので、今後十分に検討いたしたいと存じております。
  74. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) 内村さん、先ほどから発言を求められておりますが、奥野君に対する質問でございますか。
  75. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 いや、違います。
  76. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) それじゃあとに、ちょっとお待ち下さい。
  77. 田中一君(田中一)

    田中一君 これは大臣に伺いますが、公営住宅の配分の問題ですね、全国的な。農村地区においては、農村にもう少しくれという要求もあるらしい。住宅困窮度の高い密度の高い大都市においては、また地方においては、公営住宅の自分の自己負担金が捻出できないから返す、というような傾向もあるのだから、自分の方にくれ、こういうような要求があるのです。それで、建設省は、住宅局長としては、ずいぶん苦労すると思うのです、この配分については。かつては、東京都などは、年々相当数の公営住宅を返しているという現状もございましたし、そこで、本年度の例の住宅調査によって一応何らかの動向が示されると結論が出ると思うのですけれども、北海道の例を一つとって考えてみますと、北海道は、年度公営住宅の割当というものを都市に五五%、それから郡部地区に四五%という振り分けをしているわけなんです。ですけれども市部の方が負担ができないというので、返還するような点が多いわけなんです。やむを得ず道がそれを買い受けて郡部に持っていくとか、あるいは、都市部に道の公営住宅を作るなんということも行われているのです。そこで、こういう点が、奥野君聞いて下さい、自治庁市町村に対する起債というものが、住宅用の計画と乗っていないということが言えるのじゃないかと思うのです。当然中小都市等は、特別に住宅局の方には自分の方へ何戸くれと来ますけれども、それは、結局、起債が可能であるという前提に立って計画せられる向きが多いのです。したがって、建設省自治庁とは公営住宅の配分について緊密な連絡はないんではないか、こう考えるわけなんですよ。今までは何と言っても、税金を取ったり金を貸してやったりする方が強いのです、日本の今日の社会においては。だから建設省としては、なかなか建設計画に乗ってこない自治庁だと、こう思うのですが、そういう点は、現在まで公営住宅の都道府県市町村に対する割当の場合に、どういうような連絡をとりつつ分配しておるかという点を伺いたいのです。
  78. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 北海道についての御設例がただいまございましたが、北海道は別のことにいたしまして、現存……
  79. 田中一君(田中一)

    田中一君 別じゃないよ。
  80. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 北海道でございません、全国でのお話を申し上げますと、全国におきましては、市部が七〇%、郡部が三〇%という状況でございます。毎年の配分におきまして、やはり他の事業と同様に、公営住宅の戸数よりも多くの要求もあることは事実でございます。しかし、配分をいたしました後におきまして、財政の事情が許さないので返して参ることも事実でございます。これはほかの事業の場合等も同様でございますが、公営住宅につきましては家賃で償還する建前をとっておりますので、自治体の財政難局といたしましては、これもできるだけ起債に仰ぐ傾向があるわけでございます。起債の裏づけがないと償還できないからというので、返して参る場合がございます。返して参りました場合に、それが決してそのまま残るのじゃございません。他に非常に要望の強い所がございましてすぐ廻しておりますから、現在のところ、余るということは決してございません。したがいまして、起債がうまくつきますれば、この配分がほんとうに需要がある所に参るわけでございます。来年度地方財政の起債計画も、金額的には大蔵省と自治庁との間でまとまっているかとも存じますが、(「それがまとまっていないのだ」と呼ぶ者あり)今後まとまって――内部的にはっきりきまっておりませんですが、今後私どもその点につきましては自治庁とも折衝いたしたいと思います。
  81. 田中一君(田中一)

    田中一君 そうすると、植田局長は、あなたは自分の立場だけを守るような発言をしてはいけません。そうでしょう。余ってくれば、余ったものをほかにほしいものがあればそれに回すということでは済まないのです。従って実際に全国的な、都道府県市町村が、自分の方はこれだけほしくて、これだけが可能なんだという数字を把握しないで、ただこれなら公平だと、間違った意味の公平の原則を立てておって配分しておるということになるのです。むろん自己負担金の裏づけがないものは配分すべからずです、これは。そこで、実態というものをつかまなければならない。同時に、自流庁としても、事前に建設省がそういう計画を持つならば、それに対して地方的な、都道府県市町村財政状態を勘案して、当然宝くじが当るだろうというような考えでもって計画された計画を中央に持ってくるから返還その他が行われるのです。自治庁としては事前にそういう建設省の配分計画に参画しているのかどうか、あるいは地方が勝手にやったものに対して、高いところから、お前の方じゃこれはできませんという工合にやるのか、同時にまた、公営住宅全般に対して年度々々どのような起債の割当を考えておるか、同時にまた、三十三年の予算においては、現にこれが出されておりますから、これに対してどういう考え方財政当局――大蔵省と話し合いをしておるか、その点を明らかにしていただきたい。
  82. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) 私の所管ではないのですけれども自治庁として考えております方向だけを申し上げまして、足りませんところは他の政府委員から後日答弁させていただきたいと思います。  今御指摘がございましたように、三十三年度地方債総額、これは三十二年度千七十億円に対しまして一千億円見込んでおるわけでございます。従いまして、ある意味においては若干減って参るわけでございます。しかしながら、一般財源でまかなうべき性質の事業につきましては、なるたけ一般財源でまかなってもらいたい。地方債を財源としない。しかしながら、住宅のように、使用料が将来償還財源になって参りますようなものにつきましては、いたずらに使用額を限らないで、一般財源を回し得ない団体につきましては全額を地方債で充当するようなやり方をすべきだ、こういう考え方に立っておるわけでございます。従いまして、地方債総額が減って参ったから直もに住宅のようなものについての地方債を減らしていくというような考え方は毛頭持っておりません。  また、住宅の補助金につきまして、建設省から事前に協議を受けておるかという問題でございますが、これにつきましては、将来十分連絡をしていただきますことは、地方債の配分に当りましても必要なことじゃないかというふうに存じまして、関係当局ともさらに連絡をよくするように、私からも今の御意見を伝えたいと思います。
  83. 田中一君(田中一)

    田中一君 従って、むろん建設省の配分が先行するか、自治庁地方起債というものが先行するか、どちらが先行するかという問題になると思うのです。同じ内閣政府機関でありますから、当然そのような、能力以上のものを要求するとか、あるいは他の要求地区の要求度と比較して、低いものに対しても優先的にやるとかいうことは、正しい公平な分配とは言えないのじゃないか。私の願いたいのは正しい分配、正しい分配というものは全国に一律にずっと、まんべんなくばらまくのが正しいという意味ではないのです。実際の要求度とその地方自治団体の力と勘案しながらしなければならぬ。同時にまた、自己負担金があるのですから、その親元であるところの、査定をするところの自治庁と緊密な連絡をとらなければ正しい分配にはならない。従って、今の御答弁では、まあ自治庁奥野さんは自分の所管ではございませんけれども、今のような御答弁なら満足です。しかし、植田さんに対しては、今のような答弁では不満足です。  そうしてもう一つ重ねて、この分配というものが今北海道の例を申したように、都市部の方に重点的に五五%出しているけれども、その都市部が引き受けられないために返そうとする。そうすると、道はその返そうとする分を自分の負担によってその市に建ててやっている、これは当然でございます。これは非常に優秀な知事がいるところではそういうことをするでございましょう。しかし優秀でない、とんでもない知事がいるところでは、東京都のように何千戸というものを返す実例もこの公営住宅ができ上ってから三べんございます。これであっちゃならぬと思うのです。それで配分についてはその実態を知らなければならぬ。もう一つ重ねて伺うのは、この配分というものは、都道府県はやめる、ことに先ほど言っているように国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律というものがあると、もし、先ほどあなたが言ったように家賃調整ができた、家賃の全国的な調整かできた暁には、当然これは都道府県負担しなければならぬのです、税金は。市町村に対して交付しなければならぬのです。そうすると、都道府県がやっておりますところの住宅というものは、家賃がここでやはりアン・バランスが生れてくるのです、新しいこの法律によっても。そういう危険が多分にあると思う。これは奥野さん、おわかりでしょうね。当然そうなります。従って、公営住宅の配分というものは市町村単位にやるというような原則くらいは立てないと、このような法律があって、さっき奥野さんの説明のように、いずれ全国的に公営住宅家賃調整できた暁には、この法律を発効して実施いたしますということになりますと、自分の行政区域におけるところの住宅を都道府県負担した場合には、その市町村に対して必ず交付金を計上しなければならぬ。そうなると、その部分は、それは富裕県はけっこうでございますけれども、貧しい県は、赤字県というものは家賃にどうしても入れなければならぬ。そこで再び是正した暁に、なおかつこういう法律がありますと、家賃の不均衡が生まれてくる。これは相当お考えににならなければならぬと思うのです。これは根本さんおわかりですね、この点は。そこで、さっきも言っているように、この法律の改正をしないかということを言いたくなるわけです。この法律の改正をして、公営住宅に対してはこの交付金を免除するというような方向に持たなければ、一つの問題が解決した暁にまた一つの問題が生まれてくるということなんです。その問題が一つです。  そこで同時に、この配分については正しい配分をしなければならぬ。正しい配分を。それでできるならば、都道府県に対する配分をやめて、全部市町村単位の配分にする。その裏づけとするところは、自治庁が自己負担ができないものに対しては起債を認めるという大原則を立てなければ、スムーズに公営住宅というものは建設されない。ごとに、今西田委員も言うように、これには宅地の問題があるのです。計画を遂行する、実地に遂行するには宅地の取得が必ず必須の条件なんです。そういう点も勘案しなければならぬと思うので、建設大臣の所見を伺いたい。あなたは先ほど前段に申し上げたようにこの長い法律――国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律にも関連して、三十三年度公営住宅分配並びに実施完成までの見通しと信念を伺いたいと思うのです。そうしておざなりならば私はもう要りません。あなたが閣議においても、今後閣内においてもこういうふうにしなければならぬ、なるほどお前の言うことは――間違いならば間違いだとおっしゃって下さい、お前の言うことは正しいのだ、それならばこういう方向に行きましょうという御答弁ならば伺います、どうです。
  84. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) ただいま御質問の点の第一点の、配分に当りまして、関係市町村住宅難世帯の実情と、同時にそれが財政力あるかどうかということを十分見きわめてから配分せよということでございますが、この点は原則的にその通りでございまして、従来とも心がけておったわけでございますが、たまには配分いたしました先で、当初は建てるつもりでおりましても、その後財政の事情、あるいは場合によっては起債がつかない等の事情もございまして、途中で補助金を返還して参る場合もあろうかと存じます。また田中先生は、あるいはもっと財政力のあるところにだけというふうな御趣旨じゃないかと存じます。
  85. 田中一君(田中一)

    田中一君 そんなことじゃない。ないところは起債を認めろと言っておるんですよ、必要度によってと言っておる。私の質問を誤解してはいけませんよ。
  86. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) わかりました。市部、郡部の配分につきましても、十分その点は考慮いたしまして実施いたしたいと存じております。  次の問題といたしまして、府県別の配分をやめて、市町村別の配分にしたらどうか、こういう御趣旨でございますが、現在でも都道府県に配分いたします場合におきましては、これを事業主体別に何市町村で幾らという内訳をとりまして配分をいたしておるわけでございます。ただ、田中先生のおっしゃいましたことの御趣旨で私ちょっと申し上げますと、一つの問題といたしまして、交付金は、県営の住宅に対しては市町村交付金をもらうということになっておりますが、市町村営については交付金という問題がない。従いまして、市町村営で建てれば交付金は払わぬでもいいが、家質は安い。府県で建てれば家賃はそれだけ高くなる。そこに私は、国会で成立いたしました法律ではございますけれども一つの問題点はあるように存じます。そういうことを主として市町村に配分すべきであって、都道府県に配分すべきでない、こういう御趣旨であるといたしますれば、それだけの理由だけで、市町村営ばかりにいたしまして都道府県の経営する公営住宅をなくするということもそう簡単にはいかない。
  87. 田中一君(田中一)

    田中一君 質問の趣旨と逆ですよ。都道府県に対するものをやめろと言うんですよ。市町村単位でもって割り当てろと言うんですよ、私の言っているのは。
  88. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 現在県営等で配分いたしております。案施いたしております公営住宅は、県内の住宅不足に応じまして、それを府県営で実施いたしておるわけでございます。地元の市町村が実施する能力がない場合に、上級公共団体でありますところの府県がその市町村に建てることも現在の状況においては悪いとは考えられぬわけでございまして、問題は交付金の問題が問題でございまして、それなるがゆえに都道府県営の公営住宅を今直ちにやめなければならぬということにはなるまいかと、そういうことにはならぬのではなかろうかと、かように考えておるわけであります。
  89. 田中一君(田中一)

    田中一君 どうもちょいちょい私の質問を誤解して、速記に残るのですから、私がそういうでたらめ言っているようにとられては困るんですよ。もしあなたが今言っているように、現在の都道府県常の公営住宅も必要なりと言うならば、不必要だということを言っているんじゃないんです、その場合にはこの交付金制度というものを改正しろと言っているんですよ。そうしなければ、家賃調整ができた暁において、また新しいアン・バランスが生まれると言うんですよ。おわかりでしょう。
  90. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) ただいまの田中先生お話によりまして趣旨はわかりました。御趣旨の点はわかりましたが、あの法律を今改正するかどうかということになりますと、私どもの所管でもございませんので即答はできないわけでございます。そういう意味で先ほどのようなあいまいな表現でお答えをしたわけでございます。
  91. 田中一君(田中一)

    田中一君 そこでおおむね市町村が引き受けるといいながら市町村が引き受けられない場合があるのです。県営でやるならば、同時にまた都市に割り当てても、都市もさっき言ったように不測の事態によって――ということは自治庁が起債を認めませんなんというと、認める前提のもとに計画したやつがだめになってくるのですよ。いいですか。そうなった場合に、やむを得ず都道府県が、都道府県営として、返したくないものだから、たって市町村の地域に建てるということが通例行われておる現状なんですよ。従って、あなたの方でそういう点も十分に勘案してしなければならぬと言うのです。同時にまた、今言う家賃調整ができても、また新しいアンバランスが生まれるんだから、この交付金の問題は根本的に考え直さなければならぬと言うのですよ。三十三年度計画がどういう計画になっておるかしりませんけれども、今言う都市部優先にするか、郡部優先にするかというようなことは、あなたが官僚の頭からすぐ割り切らないで、実態を十分に調査して、力なり、環境なり、能力なり、起債なりを勘案して割り当てればその心配は、かくまで心配はない。しかしながら、都道府県はやむを得ず、キャンセルされると自分で引き受けてしなければならぬということが多いと言うのです。その多いか少いかということをあなたは調べたことございますか。おそらくそれも住宅局長したことないと思う。それは稗田君の方が専門だから、もし調べがあるならば出して下さい。年度別に、公営住宅ができてから今日まで、そういうようなことの実態が、どうなってきたか、推移を。そういう点を申し上げておるのです。大臣一つ、今のたくさん言いましたけれども、総合して今の公営住宅に関する考え方なんですから、いいかげんならいやですよ、あなたの政治的答弁じゃ。ほんとうに具体的に、なるほどと納得したならば、こうしたいという気持をですな。
  92. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 公営住宅の配分は、御承知のように、これは現実に住宅が不足し、かつそれを需要しておる、こういうことが一番の根本的配分の基礎であらねばならぬと思います。同時にまた、これが全額国庫負担でない限りにおいて、地方がこれを受け入れ得る態勢にあるかどうかもこれは関係いたします。しかしながら、住宅政策の点からするならば、現実に需要されておる面をまず第一に考えまして、自治庁におかれましても、これは国の国策として取り上げておる住宅政策でありまするがゆえに、この需要に合うがごとき財政指導をしていただくのが私は望ましい。従いまして、一般財源においてやればそれは問題なし。それができなければ起債に仰がなければならない。ところが、起債によっていろいろ公共事業をやる部面はたくさんありますから、その優先順位をどう判定するかという問題になるだろうと思います。この点については十分建設省自治庁と連絡をとって、その間著しき認識の相違なきように努力をいたしたいと考えております。  その次に、公営住宅の配分に当りまして、市町村と都道府県をどういうふうに配分するかということの問題があるようであります。これは原則といたしまして、御指摘のように、現実に実施するところの市町村が基本的な団体であるべきだと思います。しかし、市町村自体においてその計画を実施し得る客観的基礎を失っておる、またやりたいけれどもやり得ないという場合において、都道府県が県政あるいは道政の総合的観点から立ってこれをやるということは、これはまた許されてしかるべきことと存じます。ただ問題は、今の税金の問題と、それから交付金の問題とに関連して御議論がございまするが、これはわれわれとして端的にここで割り切って、今私が答弁し得る問題じゃないようです。この点は税制の問題、それから同時に地方財政全体の運営の問題になりまするので、十分にこれは関係省庁と連絡の上この問題を解決しなきゃならぬと思います。従来ともこの問題はいろいろ国会でも議論され、かつまた関係官庁においても議論されておるところでありまするが、なかなか複雑な状況でこれについて結論が出ないために法律には明定されておるけれども、毎年々々時限を切って便法をもってやっておるということでありまするが、この問題についてはよく自治庁、大蔵省と連携をとって今後十分に検討を進めたい、かように考えておる次第であります。
  93. 田中一君(田中一)

    田中一君 家質調整をやってもこの法律が現存する限り、また都道府県経賞家賃市町村経営家賃とにアンバランスが生まれるということです。この是正は責任が重大ですからそれらの点を十分に考えていただきたいと思います。奥野さんから何か。
  94. 政府委員(奥野誠亮君)(奥野誠亮)

    政府委員奥野誠亮君) ちょっと誤解があるのではないかと思いますので説明させていただきたいと思います。  都道府県公営住宅建設するか、市町村公営住宅建設するかによって交付金の取扱い方が違ってくるような御意見があったように思います。これは市町村でありましても交付金相当額家賃に加算しようと思えばできる法律になっておるわけであります。また、府県でありましても必ず交付金相当額家質に加算しなければならないということはないわけでありまして、府県家賃政策に従いましてこれを自まかないしようと、あるいは加算しようとゆだねておるわけでございます。自治庁といたしましては何がなんでも税金を取ろうとしてこのような措置を考えたわけじゃないのでございまして、固定資産税全体の均衡化をはかっていく、あるいはまた所在の市町村公営住宅というものが、気持よく受け入れられていくというようなことを総合的に勘案いたしました結果、固定資産税にかわるものといたしまして交付金制度を考えましたわけでございます。しかしながら、低家賃政策の問題でございますので、第一種住宅でありましても固定資産税相当額の四割、第二種公営住宅でありましては固定資産税相当額の二割をもって交付金にするというようなことも考えておるわけでございます。同時にまた、低家賃政策というものはこの交付金をどうこうすることだけで解決できるものではないと思っているわけでございまして、今お話がございましたように国庫負担いたしておりまする残額につきましては、地方債を発行いたしております。この地方債をどこから資金を借り入れてくるかということによりまして利子負担というものがかなり違って参ります。従来は相当の部分を公募資金によってまかなわれておりました。公募資金でありますと、どうしても利率がかなり高くついて参ります。私たちはこういう問題以来できる限りその経費を少からしめるという意味合いにおきまして、公募資金をできる限り政府資金に切りかえさせよう、また梓発行しておりました高い利率の公募資金につきましては、低利債への借りかえを一つ認めていこうじゃないか。こういうことを通じまして一方で交付金の問題はございますけれども、他方では地方負担の軽減をはかることによって、いたずらに家賃引き上げをしなくても交付金制度をそのままに運営していく制度をあみ出したい、こういうようなことで努力をいたして参ったわけでございます。なお、この交付金の問題につきましては、すでにこの法律制定当時に家賃がきまっておった、こういうものにつきましては、それをそのまま家賃に転嫁をいたしますと、家賃を引き上げたということになってしまいまして、現在の家賃そのものに非常にアンバランスがあるのに、そのアンバランスを拡大するようなことになってきますので、この部分につきましては、将来家賃調整が行われる際に解決をすることにいたしまして、それまでは地方団体がかりに家賃に転嫁しようと思ってもしちゃいけないのだ、しないでもらいたい、そのかわり別途にその財源の穴埋めをするから、こういう措置をとってきておるわけでございます。従いまして、この法律ができましてから後に建設されて参ります公営住宅につきましては、この法律に基きまして府県なり市町村なりが大体家賃をきめていくが、これは限度額が法律にきまっておるわけでございますので、その範囲内で府県なり、市町村なりがしかるべき家賃をきめていけばよろしいと、こういう考え方をとっておるわけでございます。しかしその場合におきましても、今市しましたように、地方負担をできる限り軽減をしていきたい、こういうような考え方でおるわけでございまして、要するにこの法律ができましたときにすでに建設されており、しかも家賃がきまっておった住宅と、今後できて参りまする住宅家賃と、法律は二つに分けて考えておるわけでございます。従来のものにつきましては田中さんのおっしゃられた通り、われわれも今後努力して参りたいと考えておるわけであります。
  95. 田中一君(田中一)

    田中一君 あなたのおっしゃる通り法律を制定し、法律を守っておる側からはその通りなんです。しかし公営住宅法という法律もあるのです。家賃というのはどういう基準で算定するかということがちゃんと出ているのです。計算基準が示されていて交付金に見合う分を免除しようとすればそれに対して国民の税金、市民の税金からそれを負担しなきゃならない、特定なる居住者に対して市民全体が負担するのだという考え方に立てば、これは問題ございませんけれども、大体今日の資本主義社会においては、独立採算的な感覚は盛り込まれてあるのです。ことに取ってもいいときめられておるところの税金ならば取ろうとする方向に向うのです。あなたのおっしゃったように、低家賃政策はそれのみで解決するものではない。幾らかかろうと安くすれば安くできる。できるけれども、また公営住宅法には家賃の算定基準というものがございます。従って、自分の町村財政によって取れる範囲ならば取ろうとする傾向がある。現に東京都の取っておる公営住宅というものは三鷹市の場合には三鷹市が請求します。取ろうとします。そしてなるべく家賃を安くしてその税金で補なおうという考え方を当然持つのです。地方の、ことに今日の民選市長というものはやはり市民にアッピールします、そういう形で行くものです。あなたの言っている低家賃政策というものは、すべてこの交付金問題によって解決されるべきものではないという理論は正しい。しかし、これは政策の問題であって、もしほんとうにそうして、逆に考えてこの分は、この分によって取る交付金というものは家賃関係なしにしようというような法律があるならば取りません。しかし、そのかわり自治庁はその分だけ別途交付金でもって補助してやろうということであればいいが――現にそういう道がある限り取ろうとするのは当りまえです。今日の社会においては、そういう面から見れば必ずこの分は家賃に入れろという前提に立っていないことはわかっております。わかっておりますけれども、そういう方向に向っておることは事実であります。ことに一方においては、公営住宅家賃というものをきめようとする一つ基準がございますし、公団住宅にいたしましても同じことですし公団住宅にいたしましてもそういう公租公課というものを入れるのだということが事業経営書ですか、事業計画書に入っておれば、当然それは公団方針によってその分は家賃に入れますよということになります。だから、あなたの議論は正しい これは自治庁としての議論は正しいけれども、実際において他にそれを加算するのだというような規則があれば加算しようとする、取ろうとするのは当然です。従って、その面においては全体の住宅政策家賃政策に対しては、これは奥野さんは税金を取る方の側ですからあなたのお言葉は返上いたしまして、実際建設大臣がほんとうの低家賃政策、従って交付金というものは家賃に加算すべからずというもし法律ができたならばそれなら納得いたします。いたしますが、今の程度、今の現状では当然加算しようという傾向にあることだけは指摘しなければならないと思います。この法律を改正しようということを奥野さんはいきり立って言うけれども根本建設大臣奥野さんはそう言っているが、また交付金法律精神と低家賃政策とは別でございますと、家賃に何も、その分の税率だけを家賃に場入れなくてもよろしいというけれども、これも奥野さんの言うことは正しいですけれども、あなたの今後の家賃算定基準というものは公団住宅にいたしましても、公営住宅にいたしましてもどういう方向をもって立とうとしていらっしゃいますか。またその分は絶対に地方が一般財源において負担せよと、その分だけはだから取るなということ、結局そういうのを取らないで、家賃家賃だけでやるという方針をとるならば納得いたします。それはどうですか。
  96. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 今、田中さんが言うように、端的にこれは税金を取らないで、従ってまた家賃を、低家賃をするためにそういうふうな措置を講ずるということは私は翻り切って言えません。
  97. 田中一君(田中一)

    田中一君 私もそう思います。この問題はやはりあすに問題を残しておりますから、そういう点は十分御研究願いたいと思うのです。
  98. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 新五カ年計画に関連して一つお尋ねしたいのですけれども、先ほどから、いわゆる終戦後の住宅不足に対する国民の要望、それに対する大臣方針を聞きました。問題は、たとえば道路の問題にいたしましても、あるいはまた河川、災害復旧と、それからまたこういった住宅建設、こうやって建設省一連の仕事というものが、これがやはり長期計画をもってほんとうに真にまじめに取り組んで国の経済の成長率に併行し、あるいはまたそれをリードしていくような政策の樹立というものは、これは一番緊要だと私は思っておるのです。それがややもすると、あるいは河川の方は災害復旧に追われて、あるいはまた住宅建設は看板だけで中身はどうも何と申しますか、民間自力建設ということに多くの数を期待して政府住宅建設があるいはその年度によって変っていく、ようやくこのごろになって私たちも期待したように道路の問題が一つ取り上げられておる、この点はやはり真剣に取り組んでいただかなくちゃならぬと思います。こういった情勢の中におきまして根本大臣の際に住宅建設というものは、私たちは一歩後退と言いたくはないのです。言いたくはないが、ちょっと足踏みしたような感じがしますよ、実際には。そこで、この足踏みの状態というものが、何かやはり根本的に、大臣もたとえば先ほど資金の問題についても、自分の努力が――今後もやるがとにかく一応政府方針としてこうやった自分の意に満たない問題も出たというようなことも言っておられるけれども根本において経済企画庁が出した新五カ年計画が、建設省とあるいはまた政府全体の方針とこれが基本になっていくのであるが、建設省はこれによって、これを頼りとしてまあこれを背骨として政府全体の意見がここに集中しておるからこれで一つやっていくのだというようなことに性格づけられておるものかどうか、この点をまず一つ明らかにしていただきたいと思います。
  99. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 今お尋ねがありました政府全体としての経済長期計画でございます。これは各省おのおのが自己の所管する行政事務について独自の構想を持っておったことはこれは事実でございます。しかしそういう状況では、結局毎年のように、悪い言葉でいえばこれが予算ぶんどり式になる、計画性が奏功されない、こういう観点からいたしまして、政府といたしましては、各省のいろいろの持っておる計画の基礎的条件として経済の長期見通しを立てたわけであります。これが、経済企画庁が民間の各社並びに専門家の諸君の協力を得まして長期の見通しを立てて、その総合的な長期計画の中においておのおのの事項別に一応の五カ年計画を立てた、これが現状でございます。従いまして住宅政策につきましてもこれを端的に申せば、鳩山内閣当時に大体十カ年計画の見通しを立てたわけです。ところが、昨年の石橋内閣の発足当時におきまして、当時は御承知のように経済の見通しが非常に順調であった。こういう見通しから、しかも世界経済の見通しについてもかなり楽観的要素が多く含まれたために、住宅政策も従来より非常にスピード・アップしてしまった。スピード・アップしまして従いまして鳩山内閣が考えておったよりも、建設事務当局が考えたよりも少し大きな計画にしたわけであります。ところが、現実に経済の実勢を見ますればこの見通しがだいぶ変ってきた。そのために御承知のように繰り延べをしなければならない。金融政策については相当、かつてないほどの緊縮政策をとってきた。これが今日に続いておるというような観点からいたしまして、今御指摘のように三十三年度は三十二年と同様であるから足踏みという結果になっておるのでございます。しかし、全体の見通しといたしましては、三十三年度に大体日本経済も今の変調から脱却いたしまして、外貨事情も緩和されてくる、貿易関係もこれがバランスがとられてくる、そうしてまた三十四年度からは今までの大体の見通しからすれば経済成長率も六・五%、あるいは六・六%程度は伸びてもインフレにならずにバランスがとられていく、こうなればここで三十三年度における停滞が自後において回復できる、こういうふうに考えておるわけでございます。  道路政策につきましては、従来二十九年から五カ年計画をやりましたが、これの見通しはかなり実は小さかったのです。この状況ではとうてい陸上輸送、特に道路輸送に対する需要を満たし得ないのみならず、現在の交通難が交通難であると同時に、人命の損傷が著しく出てきている。これを解決するためには単に従来の道路を改良し補修をするというほかに、国会において強く取り上げられた自動車専用道路のような高速自動車道を新たなる見地から作らなければならない。それと同時に、国道の全面的整備をやらなければならないというので取り上げられまして、その結果実は端的に申しますというと、財政当局から言わせるならば、どうもまだ日本の経済の実情からするならば、あまり重点を入れるということについては、従来言われたごとくに公共事業費に重点を入れるとインフレになるというまだ観念が頭から完全に抜け去っておりません。そういう関係で経済長期計画に当って五カ年間の道路投資額を六千五百億と大蔵省は主張した。われわれは最小限度九千五百億、でき得れば一兆円に持っていきたい、こういうことでありまして、その幅をもちまして事業量を六千五百億から九千五百億と経済企画庁が一応策定したのであります。非常に幅があるようでありまするが、これは日本経済の発展の状況は、かつて鳩山内閣当時経済企画庁長官をしておった高碕大臣が策定したものが、五カ年計画が三年になったら五カ年計画以上にいって、しまった、三年間でいってしまったという実績から見て、相当幅の広いものでいいじゃないか、こういう観点で策定した次第であります。そういうような観点で御指摘になりました政府の公共事業に対するいろいろの長期計画は、その基本において経済企画庁の長期経済見通しに基礎を置いてやっているが、しかしもとよりその間に重点のアクセントのつけ方は若干の違いがあります。現在のところ道路は最重点を入れている。これと大体同じと見ているのは住宅でございましてそのほか他の一般的な治山治水、こう見ていいのではないかと考えておる次第でございます。
  100. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 確かにあなたが官房長官のときでしたか、鳩山内閣のときに四十二万戸の建設というのが出た。これは看板はどうあれ、とにかくこれは一つの日ソ交渉というような外交的な問題と合せて、鳩山内閣に対するブームの一つであったと見ていいと思います。こうやって国民が非常に熱望している問題が、もうその後において五十二五戸と上げてみても、どうも政府政策に魅力が薄れてきているような感じがする。というのは、私が先年、たとえばこれは南條さんの大臣のときであったのだな、先年の住宅建設計百画の欠陥の一つとして問題になっておった低家賃住宅建設公団住宅とか公電住宅、特に公営住宅ですね、こういう問題に対して、一つのやはり重点の置きどころが違っておったような感じがいたします。これは予算委員会でも指摘したのですが、ここの点は幾らか直そうといったようなあせりがあるけれども、まだ十分ではない。そうやって一応建設戸数だけは引き上げてみましても、中身の点をずっと国民は注視しているんですよ。そのためにやはり政府政策に対して魅力が少しぼけてきたということを私は率直に申していいと思う。だからですよ、この際やはり道路の重点を置かれた今回の問題と同様に、あなたたちも基本的に住宅問題と取っ組んでもらいたいのだな。というのは、一体経済企画庁がおざなりに長期計画を立てているけれども、実際立てた政府機関で百二十万戸建つのだといっておっても、今年は何でしょう、十九万九千戸でしょう、二十四万戸建てなくちゃならない年度計画とすれば。それに十九万九千戸しか建っておらない。その内容は、先ほどの通りだと、こういうような状態になりますと、私は残念ながらあなたが一生懸命にこれと取っ組んでおるかどうかということを疑問に思うわけですが、だからそうしたならば一体住宅の不足というものは現実にどれくらいあるのだという、基礎の問題から取っ組んでやはりいかなくては、国民の要望にこれはぴんとこたえることはないだろう。ただ推定二百七十万戸だといってもどの調査でやっているか、この調査の問題も、たとえば新聞で見ますと、総理府がやり、建設省はその総理府の調査に従ってこれを基準にしてやるのか、どこが主体になってやるのか、これさえもわからない。こういう点から基礎から一つ取っ組んで熱意をもってやる御意思があるかどうか、この点はどうですか。
  101. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほども申しましたように、住宅政策は最もこれは困難な問題であるということはあなた方も御承知通りであります。それゆえにこそ常に国会でも非常に重大な関心をもって論議されているゆえんでございます。そこで、先ほども申しましたように、従来はこれは現実の政策としてほとんど取り上げられてなかったのを、鳩山内閣のときに初めて国策として相当程度の一般経費並びに財政投融資でこれはやることにしたわけです。しかも今日に至りましても、鳩山内閣当時の構想を後退してはおりません。むしろ前進しております。ただ、昨年石橋内閣の当時に構想したのからすれば停滞しているとこれは言い得ましょう。これは住宅政策に最大の関心を持っている皆さんから見れば、まだ足りないというふうにごらんになるのもこれまたむべな私は考えだと思いまするが、しかし、政府全体として見ますれば、現在の諸政策の中で、道路並びに住宅は最重点政策としてとっているという事実だけは、これはお認めになっていただきたいと思います。ただし、昭和三十三年度におきましては、この五カ年計画のうち、本来ならばもう少しスピードを上げるべきところをこれが停滞している、これはお説の通りであります。これは今回の予算編成の根本問題について触れるところでありまして、ここに社会党の皆さんとわれわれとの根本的な意見の違うところでございまして、御承知のように、相当額のいわばたな上げ財源をもって日本の経済の乱調子を調整してからあとでなければこれは使えないという考え方、このために、考え方によってはたな上げだけの財源があるならば、住宅政策なり、あるいはまた社会保障政策に投入すべきだというふうにお考えになる向きもあるでしょう。しかしながら、これはいわば恒常的な収入と見るよりも、過年度収入の増としてこれは一般経営費に入れるべきじゃないという考え方と、それからまた現在ややもすれば日本の政府財政投融資が一般の景気を刺激して、インフレヘの道を開く、これを防ぐという点においてここに停滞していると考えているわけであります。  これは一般論でございまするが、住宅について皆さんから見れば政府、また現実には私が建設大臣を担当しているがゆえに、この停滞の状況が物足りないというふうにお考えになるでしょうけれども、しかし現状からいたしましては、私自身が建設大臣という行政長官としては、必ずしも全面的にこれに賛意を表するわけじゃないけれども内閣の一体性と国務大臣という立場から全面的に国の財政面から見た場合には、この程度がやむを得ないというふうに考えているわけであります。しかし、先ほど以来各委員の御質問に対しまして、住宅政策については私も及ばずながら努力をいたしておりまするけれども、現存の財政状況においては、まあ現状においてこれはやむを得ない、こう考えておる次第でございます。
  102. 坂本昭君(坂本昭)

    ○坂本昭君 今、幾つかの長期計画お話が出ましたが、大臣一つ基本的に少し考えが間違っておられるのじゃないかという点が一つあります。それは私の今承知している範囲で道路整備の五カ年計画が三十九年から始まって、そしてまた今年五年終らないうちに、三十三年からまた五カ年ということになりました。これも、今先ほどちょっと大臣から予算のワクのことが出ましたが、これはまたあとで……。道路計画のことだけについてお尋ねしたいと思うのです。ところでこの長期計画の中で、住宅の問題、それから国民皆保険の問題、この二つは道路とは少し趣きを私は異にすると思う。特に経済企画庁で今長期計画を立てておられますが、昭和二十九年ごろから生産の指数がぐっと上って、そして経済白書によるというと、日本は非常にすばらしい飛躍を遂げておるというふうな考えが、現在の与党それから内閣の責任者の方々の頭を支配していると思う。ところが、実際は厚生白書が去年出ましたけれども、この厚生白書は、その点をはっきりと、生産指数は非常に上っているけれども、日本の国は中進国であって、国民の富の格差はだんだんとひどくなっていっている。大体文明国では、文明が進めば、富裕階級と貧困階級との数がだんだんと少くなって、お互いに上下の隔たりが近づいてくるけれども、日本の場合は、経済白書にいうように、非常に生産は上ったけれども、実は上下の隔たりが上ってきている。私はこの点が非常に大事な点であって、この点に対する認識をはっきりしないというと、道路政策の道路五カ年整備の計画、あるいは住宅の問題は、全くごっゃちに同じように考えて、同じようにできるというふうなお考えに大庭がなられるんじゃないか。実際を言うと、住宅あるいは国民健康保険というふうなものは、これは国民の生活、国民の経済生活に直結するものであって、今のように、たとえば今住宅の不足がことしの一月に二百十万戸あるといっていますけれども、だんだんと貧困階層がふえてくるというと、住宅問題はどんどん悪化していくんです。さらにこれが今まで住宅局もあまり触れていないんですけれども、最近はなかなか結婚が多くて、毎年七十万人ぐらい結婚して、三十五万ぐらい世帯ができるんです。その人たちは新しい考えのもとに、独立家屋を憎みたい。そういう独立家屋を営みたいという、こういう新しい時代の民主的な考え、こういうものが建設省の方では、実はあまり取り上げられていない。だから二百十万というものの中には、もっともっと内容的には貧困化して、そうして自分の家を維持することもできないような階層がどんどんふえていくということ、あるいはまた結婚していって、新しい考えのもとに独立家庭を憎みたいという人がふえていくというようなこと、そういうようなことで、この住宅問題は道路のような五ヵ年計画のようにはうまくいかないということ、そうしてまた国民皆保険の問題もそうですが、貧困なんです。取り残されたところの、約三千万の人が残されておりますが、そういう人の転落のスピードが早いということでを言ほど内村委員は、足踏みということを言われたんですが、これは大臣の努力に対して、敬意を表して足踏みということを言われたのであって、ほんとうは住宅状態、生活の状態が悪くなっているから、本質的にいうならば、これはやはり足踏みじゃなくて、私は後退だと思います。その点の考えがないということが、これがやはり今日の自由民主党の大きな間違いじゃないかと、私はそう思うんですが、これはまあ大臣の御意見があれば一つ聞かしていただいてもけっこうです。
  103. 内村清次君(内村清次)

    内村清次君 僕は一つ基礎から取り組んでいったらどうか、こういったことを申しましたが、これに対してあなたの答弁がなかったのが一つと、それからこの調査がどういう関係になっておるか。
  104. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) これは住宅局長から……。
  105. 政府委員(植田俊雄君)(植田俊雄)

    政府委員植田俊雄君) 先ほど坂木先生からお話がございましたように、百十万あるいは二百五万、私どもは算術計算によりまして、三十二年度末の住宅不足を二百五万と計償いたしております。これは昭和三十年度に実施いたしました住宅難世帯の戸数を二百七十万と見ました。その後民間自力あるいは政府施策住宅で建ちました住宅を差し引きまして、一方、毎年度の新規需要として二十万戸、こういうような算術計算の結果が、三十二年度末で二百五万ということに相なっておるわけでございます。しかし住宅の需要階層、あるいは充足した階層というものは、単にこういった算術計算だけで今後の五年間を通せるものでもなかろうかと存じます。むしろ新しき観点において、住宅難世帯の調査というものは、できるだけひんぱんに実施すべきだと考えまして、三十三年度において住宅調査予算を私ども要求いたしたわけでございます。一方、内閣統計局におきましては、毎五年ごとに住宅調査を実施いたしておりまして、三十三年度はその年に当るわけでございます。そこで内閣統計局といたしましては、自分たちのこの表看板である統計であるので、これは一つ自分の方に譲ってくれんか、そのかわりに内容につきましては、建設省の意見を十分尊重する。もちろんその調査内容につきましては、統計局の調査であるか建設省調査であるかわからぬ程度に緊密に調整をとりまして、また現にその連絡をすでに始めております。御承知でございますが、統計の仕事は各省でやりまして、集計段階になりますと、やはり統計局に頼むわけでございまして、いずれがやりましても同じでございます。建設省がやりましたのと統計局でやりましたのとで、将来の住宅政策としての資料の価値に差があってはいけないと存じますので、その点は十分調査いたしまして、この調査は三十三年度実施すれば、これは三十四年度でないと、あるいは全体的な把握はできないかと思いますが、速報でも求めまして、これはできるだけ早く住宅政策の面に反映さして参りたい、かように考えておるわけでございます。
  106. 田中一君(田中一)

    田中一君 前回の委員会に、非公式に山本河川局長に文書で申し入れをしておきましたけれども、河川敷並びに堤防しに、不当と思われる建築物を構築して営業を営んでいる団体があるんです。これは御承知と思いますけれども、東京、神奈川の接点にある六郷川の六郷ゴルフ・クラブの問題でございます。これは合法的に河川敷をゴルフの練習場として、老人たちのレクリエーション場として設置する考え方は、これはあり得ると思うんです。しかし、当時三十一年十二月ですけれども、ここに堤防上に箱番を作った、その箱番が、いつの間にか、昨年の三月ごろまでは、撤去しろといっても撤去しない。これは十二月ごろに箱番がどんどん大きくなって、切符売場、ロッカー、従業員控室、便所等が建設されているわけです。そうして堤防の外にあるところの住宅は、それによって糞尿の汲み取りもできないようなことになり、通行はむろんできなくなっているというような現状であります。ことにその不法と日される建築に対して、娯楽場といいますか、レクリエーション場といいますか、ゴルフ場の事務所に対して東京都は水道布設をして、従って使用量が多いから、付近の住宅の水圧が下って、夏になれば水にも苦しんでいるという現状、こういうものに対して、最高の河川の管理者である建設省がこれを知っているかどうか、十分に真相を調べて、この当委員会報告せよということを申し上げたわけです。私の方で調べてみますと、東京都では、これに対する建築の許可をしておらない。それから水道は、そのようなものが不法と知らずに布設したということを言っております。ことに東京都水道局の指導課長は、この六郷クラブ・ハウスの重要なメンバーの一人となっている。私はゴルフの非常に盛んな建設省の上級職員の中には、このクラブのメンバーがあるかないかの問題も伺いたいと思っているんです。いろいろ知っておりますけれども、ここでは言いませんけれども、そこでこういうものが、河川の最高の管理者である建設大臣並びに河川局長は、熟知しておって、黙認しておりて、このままの姿で置いていいのかどうか、この会社は大田区の区長が直接関係しております。ことごとく大田区の区長が区民の抵抗、陳情に対しては反発を加えていろという現状等、建設省は十分に調査をしたと思いますから、その点の現状はどうなっているのかという点について、河川局長の御報告を求めます。
  107. 政府委員(山本三郎君)(山本三郎)

    政府委員山本三郎君) この問題につきましては、本省といたしましては、お話がございました件にかんがみまして、河川管理者であります東京都知事を中心といたしまして事の真相を詳しく調べました。それからまた、私の方の出先の地建からは現地を調査にやりました。その結果現在までの実情が判明いたしましたので、それをまず御報告いたします。  お話の工作物でございますが、これは昭和三十年の十一月二十二日に、河川管理者でありまする東京都知事に大田区の区長が河川敷の占用の許可を申請して参ったのが許可になっております。この許可になりましたのは堤外の高水敷でございまして、今の工作物は全然含まれておりません。そうしてその後お話のように、飯場及び材料置場というような仮設的なものが、今お話の工作物の所に臨時的にできた――これも正式に申し上げますと、手続を臨んでやらなければいけないものでございます。その後お話のように、三十二年の十二月ころからその仮設物が改築せられて現在に至ったのでありまして、今お話がありましたように、ふろ場等、あるいは水道等が引かれているという実情が判明いたしたのでございます。しかし、結局その間におきまして私の方の現地の事務所からは再三注意をいたしまして、撤去をするようにというお話をいたしたのでございまして、その言うことをきかないで、現在までに至っているのか実情でございまして、従いましてこの工作物は、法律上の手続を踏まないで、不法に作っておったというのが実情でございます。
  108. 田中一君(田中一)

    田中一君 そこで、この問題の処置は後ほど伺いますけれども、少くとも日本の河川の最高なる責任者であるところの建設大臣は……、おそらく全国的にこのような事例がたくさんあるのではないかという不安を非常に感じております。それが公職にあるところの区長が、ゴルフ場として河川敷の使用を合法的に申請し、許可を受けた。これはまあ都並びに神奈川県におけるわれわれ同様の老人のためのレクリエーション場としては、あるいは考える点もないとは言えません。しかしながら、それが隣接の市民の非常なる損失を招くような、また交通その他において支障を来たすようなものであるならば、これはとうてい許せるものではないのです。河川敷においてもそうですよ。合法的に許可したものであってすら、市民生活に非常に影響があるものだといけないというのです。ましてやこれが不法である不法施設であったならば論外です。  私はこの際大臣に要求したいのは、全国的にこのような重要な河川が、不法に、公職にある者が、あるいは営利事業として不法占拠されている実例、あるいは合法的に占拠されている実例もあると思いますが、この二つのものの全国的な調査を要求します。それに対するところの調査を当委員会にお出しを願いたい。これが第一点。  第二点の問題は、現在のこの実情というものを河川局長ははっきりと確認したものならば、即刻にこの撤去を実施していただきたい。いかなる理由ももう理由じゃございません。もういかなる理由があろうとも、非合法であり、かつ付近の住民の生活を脅かすようなこの事態に対しては、即刻合法的な手段をもって全曲撤去ということの措置を講ずるという意思を表明するかどうか、建設大臣に伺いたいと思います。
  109. 国務大臣(根本龍太郎君)(根本龍太郎)

    国務大臣根本龍太郎君) この問題は、本日私実は河川局長から報告を受けております。はなはだこれは遺憾なことでございまして、御承知のように、従来こういうような河川敷の占拠、並びにいろいろの使用については、第一次的には、これは全部都道府県知事に管理をゆだねているわけであります。その第一次責任者が善良なる管理をしているものと私は今日まで信じておったのでありまするが、こういう事実があるとするならば、まことにこれは遺憾なことでございまして、さっそくこれは全面的に地建を通じまして、各都道府県知事管理者に対して、その現状調査報告を求めさせます。これによって報告いたします。  第二点のこの処置の問題でございまするが、不法かつ不当に占拠する者については、法によって直ちに処断をするように命じていきたいと思います。
  110. 田中一君(田中一)

    田中一君 非常に明快な、責任者としてのりっぱな態度であって、非常にうれしく思います。従って、これらの問題が地方的に相当あるという危険を多分に感じますので、一つの悪例を残しちゃいかぬから、あらゆる政治的な二作があろうとも、これを実施するように、河川局長にも十分に覚悟をここでお述べ願いたいと思います、大臣の意思があれば、聞かなければならないでしょうから。それから時間的な問題もここではっきりと言っていただきたいと思います。
  111. 政府委員(山本三郎君)(山本三郎)

    政府委員山本三郎君) ただいま大臣から申し上げましたように、この問題につきましては東京都の当局に対しまして、今までの処置に対して厳重な注意を与えておきました。そしてこの問題は直ちに撤去命令を出す。で、撤去命令を出さぬ場合におきましては、代執行という方法をとるということにしております。それからほかの事例につきましては、東京都は従来荒川筋におきましては、不法占拠のものを代執行でやった例を持っておるのであります。そういうことをしている一方におきまして、こういうことをやっているのはけしからぬじゃないかということも言っておるわけでございますから、こういう事例があったことを一つの例といたしまして、こういうことがあったぞということを例にいたしまして、各河川管理者にきびしく通牒をいたすつもりでございます。
  112. 田中一君(田中一)

    田中一君 前段申し上げたように、このクラブには東京都水道局指導課長、名前は言いませんけれども、がメンバーとなっております。従ってゴルフの好きな建設省におけるところの上級官僚の諸君も、これらのメンバーになっておるかおらないかの問題も、大臣一つ責任をもって御調査願います。そしてこれらのところには近寄らないように御指示を願いたいと思います。(笑声)
  113. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) 本件に関する質疑は、本日はとの程度でとどめまして、散会したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 委員長(竹下豐次君)(竹下豐次)

    委員長竹下豐次君) 異議なしと認めます。  それでは本日は、これで散会いたします。    午後四時四十分散会      ―――――・―――――