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1958-03-26 第28回国会 参議院 決算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十六日(水曜日)    午後一時四十九分開会     —————————————   委員の異動 本日委員堀本宜実君、手島栄君、森田 豊壽君、松村秀逸君及び井上清一君辞 任につき、宮田重文君、仲原善一君、 武藤常介君、大谷贇雄君及び林屋亀次 郎君を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     高野 一夫君    理事            仲原 善一君            平島 敏夫君            相澤 重明君            大矢  正君    委員            石井  桂君            稲浦 鹿藏君            大谷 贇雄君            勝俣  稔君            永野  護君            西岡 ハル君            林屋亀次郎君            増原 恵吉君            松岡 平市君            宮田 重文君            武藤 常介君            吉江 勝保君            東   隆君            大倉 精一君            岡  三郎君            島   清君            鈴木  壽君            相馬 助治君            大竹平八郎君            岩間 正男君   国務大臣    郵 政 大 臣 田中 角榮君   政府委員    電気通信監理官 松田 英一君    郵政省監察局長 荒巻伊勢雄君    郵政省郵務局長 板野  學君    郵政省貯金局長 加藤 桂一君    郵政省簡易保険    局長      大塚  茂君    郵政省経理局長 西村 尚治君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    会計検査院事務    総局第二局長  保岡  豊君    会計検査院事務    総局第五局長  上村 照昌君    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君     —————————————  本日の会議に付した案件 ○理事の辞任及び補欠互選昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  (内閣提出)(第二十七回国会継  続) ○昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  (内閣提出)(第二十七回国会継  続) ○昭和三十年度国税収納金整理資金受  払計算書内閣提出)(第二十七回  国会継続) ○昭和三十年度政府関係機関決算書  (内閣提出)(第二十七回国会継  続)     —————————————
  2. 高野一夫

    委員長高野一夫君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。  まず、委員変更を御報告申し上げます。三月二十六日付をもって、堀本宜實君、手島栄君、森田豊壽君、松村秀逸君が辞任されまして、宮田重文君、仲原善一君、武藤常介君、大谷贇雄君補欠選任されました。     —————————————
  3. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 次に、理事補欠互選を行いたいと存じます。堀本宜貴君が委員を辞任されましたために、理事に欠員を生じております。従来の慣例もございますので、理事互選委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 御異議ないと認めます。堀本宜實君の補欠として、仲原善一君を指名いたします。     —————————————
  5. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算昭和三十年度特別会計歳入歳出決算昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日は郵政省の部及び日本電信電話公社の部を審議いたします。郵政省に関する検査報告批難事項は、第一千九百六十四号から第一千九百九十二号までであります。なお、日本電信電話公社検査報告批難事項は、第二千百七十五号から第二千百八十二号までであります。  まず会計検査院から概要説明を願います。
  6. 保岡豊

    説明員保岡豊君) 郵政省の部だけを申し上げます。  不当事項の前に、二百三十三ページの事業損益について説明いたします。事業損益につきましては、昭和三十年度収益総額が九百九十億でありまして、九億の利益を計上しております。これは、前年度も六億計上しております。前年度と比べまして、収益業務費も両方とも増加いたしております。収益の方では、切手類代、後納及び別納料金、それから郵便貯金特別会計簡易生命保険及郵便年金特別会計日本電信電話公社など他会計からの受け入れ増加いたしております。業務費の方は、人件費を四十二億、物件費も十五億増加しております。利益金は、既往年度からの欠損金がございますので、この減額に充てております。  二百三十四ページに、他会計からの受け入れについて述べております。郵政事業特別会計は、他会計の仕事をやっておりますので、それの経費を回収いたしますために、受け入れをしております。収入の五四%がこの受け入れになっておりまして、これは経費と同額を公平に受け入れるのが理想でございますので、これを調べてみますと、郵便貯金からは約十六億、これはほかにもありますので、郵便貯金だけのそのものではございません。それから簡易保険及郵便年金の方からは十億、これは貯金の方からは受け入れ不足で、保険の方からは受け入れ超過、こう過不足がございます。それを述べておるものであります。  不当事項に入りまして、千九百六十四号はお年玉年賀はがき、これの購入に当りまして、五億枚の半数二億三千万枚、これを印刷局に注文いたしまして、残りを民間印刷会社に注文いたしました。そこで印刷局では、この契約の直後にその一部を——六千五百万枚でありますが、これを民間会社に下請に出しております。民間に出すくらいならば、郵政省が直接民間に出した方が有利であったということになるのであります。郵政省民間に出している値段の方が、印刷局民間に出しました値段よりも安いものでありますから、こういうことを申しておるわけであります。これは二十九年度でも同様の事態が起っておりましたのに、三十年度も三十一年度も引き続いて同じようなことを繰り返しているわけで、印刷局受注能力について事前によく打ち合せてやるべきであった、こういう批難であります。  その次の千九百六十五から、千九百六十八のこの役務、そのうち前の三件は逓送に関するものでございますが、六十五と六十六は郵便専用自動申請負料についてであります。この配車計画がもう少しよくなれば節約できた、これが全体で十四件、四百五十万円あります。このうち年間五十万円以上は節約できたというのが千九百六十五号と六十六号の二件でありまして、六十五号の方は積載郵袋数から見て、二トン車でなくても一トン車によって逓送することができたというので、一トン車に変える場合には九十七万円節約できた。それから六十六号は、非常に郵袋数が少いので、乗合自動車に託送ができる、乗合自動車に託送すれば五十九万円節約できた、こういうものであります。  六十七号は大分、宮崎両県から大阪、兵庫、奈良、和歌山にあてた小包郵便物を送るために、大阪——別府間の船便によっておりました。ところが国鉄大分——門司——大阪への上り便郵便車を調べてみますと、その郵便車の余積が、右の荷量に対しまして十分余積がありますので、その余積を利用すれば船便契約しなくてもよかった、こういうのであります。それで国鉄郵便車を利用する場合には、ここに積みかえの要員が門司大阪の駅で要る、こういうものを考えまして、約六十万円を見込んだとしても、全体で二百六十万円を節約することができた、こういうものであります。  次の千九百六十八号は封鉛購入するに当りまして、大阪製造業者から購入したのでありますが、一たん東京の倉庫に納入させて、これをまたほかの運送業者大阪郵政局に荷作り運送させた。大阪郵政局の分は大阪からすぐそのまま行けば簡単に送れますので、何も東京まで持って来なくても直接納入させればよかったではないか、こうすれば少くとも五十六万円節減できた、こういうものであります。  その次は、郵便貯金特別会計説明をしております。郵便貯金特別会計は三十年度も八百億の純増を上げておりますが、依然として毎年欠損でありまして、三十年度も五千一億の欠損となっております。それで欠損金総額は百九十四億円に達しております。この郵便貯金の中には催告によって没入できるいわゆる睡眠口座が十億ばかりございます。それから二百四十ページに書いてありますが、割増金付定額郵便貯金目標額は初め百億であったものが六十億に減額しております。それなのに割増金だけはそのままにして郵政事業特別会計繰り入れられている。これは割増金は元来貯金利子に相当するものでありますから、親金が減ったらこの繰り入れも少くてもよかったのじゃないか、また利子に相当するものであるから繰り入れないでもいいのじゃないか、こういうふうにした方が望ましい、こういうことを言っております。それから郵便貯金預託高に対する収入の割合は六・一三%で、資金コストは七・一八%で逆ざやになっておりますが、経費率が好転いたしましたために、前年度に比べて逆ざやが〇・二八%減少しております。  その次に簡易生命保険及び郵便年金特別会計について説明しております。簡易生命保険につきましては、保険料を値下げいたしましたので、保険料も一件当りは下っておりますが、保険金額は前年度より増加しております。それから事業費率は前年度に比べ、一・二%減少して、付加損も一・五%縮小していますが、本年度契約準備金を一度にふやしましたので、五億の欠損を計上しております。  次に不当事項不正行為でありますが、毎年郵政省不正行為は非常に多いのでありまして、二十九年度に比べると増加しております。三十一年度は多少減っておりますが、そう大して減っておりません。ここで五万円以上をとりますと、五十六事項ございまして、五千万円領得されております。この大要は毎年同じようなものでありまして、二百四十二ページに(ア)(イ)(ウ)とありますが、(ア)は外務員犯罪であります。外務員が集金したものの全部または一部をそのまま取ってしまう、それでまだ集金しないことにしている、こういう件であります。それから(イ)の方は内務員内務員がやはり同じようなことをしたり、また貯金払い戻し金受領証を偽造するなどの方法領得したものであります。(ウ)は、特定郵便局長、これは内務員と同じような態様によって領得したものであります。そこで、五十万円以上をとって見ますと、二百四十三ページから番号をふって並べてございますが、これが二十四件、四千五百万円であります。この番号をふってあるものを、(ア)の外務員普通郵便局特定郵便局に分けまして、普通郵便局はこのうち七件ございます。千九百七十一の松戸、千九百七十四の西陣、千九百七十六の鳳、千九百七十七の呉、千九百七十八と千九百七十九の広島駅前、千九百九十の平、こういうふうに七件ございます。これはみな普通郵便局外務員犯罪でございます。特定郵便局は、この五十万円以上は外務員はございません。内務員に参りますと、普通郵便局は五十万円以上四件ございまして、羽咋、西淀川、宇和島、折尾、この四件でございます。特定郵便局は九件ございます。初めの中野昭和通日本橋横山町など九件でございまして、この金額は一千百万円、それから特定郵便局長、これは、このうち四件ございまして、五十万円以上、これが四件ございます。金額は一千百万円、それで千九百八十三の嘉瀬外三件になっております。  以上まとめてみますと、普通郵便局は全体で二十九件ある。そのうち、五十万円以上が十一件、特定郵便局は二十七件、うち五十万円以上が十三件、こういうことになっております。それで、こういう犯罪は、犯罪が起ったというではなくて、この年度にこれだけ見つかったということでありますから、ふえたということをすぐには申し上げられないかもしれません。そこで、これらのうちには、事務処理方法について正規の取扱いが励行されなかったということで、不正行為が起ったり、発生したのに、その発見の機会を失ったということが認められるものがありますが、これは十分励行して、そういう未然防止をしなくてはならない、こう考えております。  以上で説明を終ります。
  7. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 次に、日本電信電話公社の方につきまして、会計検査院説明を求めます。
  8. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 日本電信電話公社関係について御説明申し上げます。昭和三十年度検査報告に掲記しました事項は、不当事項五件、不正行為三件、計八件となっております。不当事項のうち、工事関係は三件でございまして、最初は、二千百七十五号の工事設計に当り関連部門間の連絡を欠いたため不経済となったものでありまして、近畿電気通信局大阪管理部城東分局加入者増設工事を千六百九十余万円で施行されたものであります。この工事は、二十八年八月の電話局設置計画に基いて実施せられましたもので、この計画には、極楽橋方面の三十五年度における加入希望者を千三百二十四名と見込んでありますが、その計画は、二十九年八月変更せられ、城東分局の一部を新設予定今里分局に加え、三十二年十月開局することになり、今里分局が完成しますと、本件工事で見込みました加入希望者千三百二十四名のうち八百三十八名は今里分局加入区域となるものでありますから、本件工事から除外すべきものでありまして、このように計画変更があったのに、連絡が不十分のため、旧計画によって工事を施行せられたため、当局計算によりましても、約四百三十万円が不経済となっておるものであります。  二千百七十六号は、工事予定価格積算の問題でありまして、東北電気通信局折爪極超短波無線中継所道路新設工事その他工事を三千六百万円で請け負わせておられますが、この予定価格積算に当って、道路に敷く砂利をすべてふもとから人力で山に運搬するということで積算しておられますが、現場状況等から見まして、車両による運搬が可能と考えられますので、これによって積算するのが妥当でありまして、車両運搬として積算しますと、約五百八十万円は安くて済んだものと考えられます。  二千百七十七号は、契約方法が適切でなかったため不経済となったもので、ありまして、これは、日本電信電話公社黒石外中継所無線増設工事総額五千三十余万円で請け争わせておられますが、この予定価格積算におきまして、機材運搬費をすべて人力または馬ぞりで運搬するということで算定しておられます。このような積算をせられたのは、運搬道路がないということと、積雪期に入るという点を考えて積算されたものでありますが、機材を運びます道路は、別途工事が施行され、機材運搬するころにはおおむね完成することになっており、また、積雪の点についても、時期から見てそれほど車両による運搬が不可能とも考えられませんから、車両による運搬として積算することが適当であったと考えられます。かりに、車両運搬とし積算しないにいたしましても、車両運搬人力または馬ぞりによる場合とでは、相当経費が違いますので、工事実施の結果によって価格改訂処置をとることとせられたならば、相当経費が節減できたものでありまして、いま、実際車両運搬によったものによって計算しますと、約三百五十万円が節約できたことになります。  次は、物件関係の二件でありまして、いずれも価格の問題であります。  最初の二千七十八号は、富士通信機製造株式会社からH型自動交換機部品を六千五百万円で購入せられたものについてでありますが、この購入価格は、適正原価を把握することなく、旧統制額物価変動によりスライドする方法によって決定されておるのであります。そこで、検査院で、年間購入額が五十万円以上のものについて所要材料工数等会社について調査の上、公社にわける原価計算基準を適用して計算してみますと、約千百万円が高価となっておるものであります。  次は、二千百七十九号でありまして、これは、二十五ミリメートルほか四種類のケーブルリング千七百十二万余個を一億二千四百六十八万余円で購入しておられるものについての、主要材料予定価格積算の問題であります。予定価格のうち、材料費が五〇%余を占めておりますが、この材料のうち約五六%を占めている硬鋼線価格を経三・二ミリメートルから三・五ミリメートルのものは、キログラム当たり百三十円、経四・五ミリメートルのもの百三十二円として積算されておりますが、私の方の調査の結果によりますと、二・九ミリメートルから三・五ミリメートルのもので八十九円、経四ミリメートルから五ミリメートルのもので九十二円程度で、当局積算は四十円または四十三円高価となっております。従って適正に予定価格積算されたといたしますと、約九百七十万円を節約し得たものと考えられます。  二千百八十号から二千百八十二号は、職員不正行為により公社損害を与えたものでありまして、二百二十七万余円の現金と、帳簿価格にいたしまして五百十六万余円のものの領得であります。  なお最初の方に概括記述として、一般の概況のほかに、資金について当初の計画より相当資金事情がよくなっている点、固定資産経理におきまして、資産を削除した場合の取扱いが前年度と異なっておるため、前年度に比べ相当除却費増加している点などを記述しております。以上で説明を終ります。
  9. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 次に郵政省から概要説明を願います。
  10. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 郵政事業特別会計郵便貯金特別会計及び簡易生命保険及び郵便年金特別会計昭和三十年度決算概要と、会計検査院から御指摘のありました事項について申し上げます。  郵政事業特別会計の三十年度事業損益についてみますと、収益総額は九百九十億二百余万円でありまして、損失総額九百八十億三千二百余万円との差額九億七千余万円が当期利益金となっております。この利益金は、前年度と同様、既往年度からの繰り越し欠損金四十五億八百余万円を減額いたしました。  なお、郵便貯金特別会計等会計からの繰り入れについて御指摘がありましたが、これら繰入額につきましては、なお一そう慎重に検討したい所存であります。  郵便貯金特別会計の三十年度歳入歳出額は三百五十億四千九百余万円でありまして、これを損益計算上からみますと、歳入額不足補てんのための資金運用部特別会計からの受け入れ五十一億六千余万円が含まれておりますので、前年度と同様、損失繰り越しとして整理いたしました。従がって三十年度末における損失額累計は百九十四億八千六百余万円であります。  簡易生命保険及び郵便年金特別会計の三十年度歳入額九百三十七億六千四百余万円に対し、歳出額は三百四十五億三千五百余万円でありまして、差引歳入超過額は五百九十二億二千九百余万円となっております。この歳入超過額はそれぞれ積立金に組み入れましたが、三十年度末の積立金累計額は二千六百六十八億二千余万円であります。  次に会計検査院から御指摘事項について申し上げます。不当及び不正事項として三十年度二十八件の指摘事項のありましたことは、郵政大臣としてまことに遺憾に存じます。まず、不当事項のうち、千九百六十四、契約処置当を得なかったため不経済購入となっているもの、につきましては、大蔵省印刷局印刷製造能力及び実績等をも考慮しまして、二億三千余万枚と決定し、契約したものでありますが、御指摘のような事実がありましたので、今後は受注能力等十分検討の上発注するよう努力いたします。千九百六十五から千九百六十六の郵便専用自動車配車計画が当を得ないものにつきましては、御指摘通りでありますので、それぞれ三十一年六月から十二月までに改定実施し、請負料の節約をはかりました。千九百六十七の船舶による郵便物運送が適当でないものにつきましては、昭和三十二年三月改正いたしました。千九百六十八の封鉛納入場所指定が適当でなかったため不経済となっているものにつきましては、御指摘通りでありますので、今後納入場所指定につきましては、不経済にならないよう努力いたします。  次に職員不正行為により国に損害を与えたもの、としましては、千九百六十九から千九百九十二までの二十四件となっておりますが、この種犯罪が跡を絶たないことは、まことに遺憾に存じます。今後は引続き業務監察及び会計監査を強力に実施するほか、新たに郵政監察官補をして事故及び犯罪防止上必要な重点事項を考査せしめる等極力この種犯罪事前防止等努力する所存であります。  以上、決算概要検査報告事項に対する当省の見解の大要を申し上げましたが、さらに綱紀の粛正、経理事務適正化につきまして、一そう努力したいと存じます。
  11. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 次に、日本電信電話公社側から概要説明を願います。
  12. 靱勉

    説明員(靱勉君) 総裁病気欠席のため、私がかわりまして、昭和三十年度決算検査報告に関しまして、日本電信電話公社として一言説明申し上げたいと存じます。  昭和三十年度公社事業収入は、電話加入者数増加によりますと増収と、サービスの向上改善に努めましたことが、経済事情の好転と相待って、全般的に利用度増加をもたらしました結果、前年度に比べて若干の純益増を上げることができた次第でございます。しかしながら、今後の見通しを大まかに申し上げますと、財産除却費減価償却費等施設の取りかえや、増加に伴いまして増大して参りますのと、施設拡張改良に伴う電信電話債券利子の支払いも増加してきますので、現在程度利益率の維持については、かなり懸念もございますが、今後も一そう経営改善合理化努力する所存でございます。  本年度検査報告で御指摘を受けました事項は、不当事項五件、不正行為三件でございまして、これを前年度不当事項十八件、不正行為八件と比較いたしますと、若干改善の跡がうかがわれるのでありますが、今後とも事業成績向上について一そうの努力をいたしたいと考えます。  建設工事は、電信電話拡充五カ年計画の第三年度として、工事計画達成のため総力をあげて努力いたしました結果、検査報告記載通り順調な進捗を示し、当初の計画を遂行することができた次第でございます。ことに加入申込み早期開通につきましては、極力努力いたしてきたとろでありまして、三十年度末までに、加入者開通四十二万名の計画に対し、六十二万余名の実績を上げることができた次第でございます。これについては、今後も一そう努力を傾注いたしまして、国民の期待に沿いたい所存でございます。しかしながら、個々の工事のやり方なり内容につきましては、不当事項で御指摘の例のごとく、不手際なものもあることをよく承知しております。今後の事業経営の根幹は、この建設工事をいかに経済的に計画し、能率的に実施するかにあると思われますので、今後も経営重点をこの点に集中する考えでございます。  今回御指摘を受けました事項は、工事設計に当って部内の連絡が不十分であったもの、あるいは工事現場の実情を十分把握していなかったもの等でありまして、かかる事態を生じたことは、まことに遺憾に存じている次第でありますが、今後はこのような事例のないよう関係者に厳達し、一そうの改善をはかる所存でございます。  次に資材調達管理及び運用についてでありますが、ここ数年来極力改善努力して参りました結果、検査報告記載通り貯蔵品在庫の減少、回転率向上等資材業務については相当成果を上げることができた次第でございます。しかしながら、通信資材購入価格につきましては、一部適正原価の把握が不十分で、御指摘のような事例が生じましたことはまことに遺憾とするところでございます。何分通信資材は、三万余点に及ぶ多種多様のものがありますので、これらの適正価格を適時に的確に把握することは非常に困難な状況であったのでありますが、当公社といたしましても、三十年八月資材局に原価調査課を設けて、専門に調査改善に当らせている次第でございますので、御了承をお願いいたします。  最後に、不正行為についてでありますが、このような事故が職員の中より起きましたことはまことに申しわけございません。本人に対しましては、懲戒免職、監督者に対しましては、厳重に処分いたしましたとともに、損害額の回収につきましても鋭意努力中でございます。当公社におきましては、内部監査を頻繁に実施いたしますとともに、監督者に対しましても、自治検査を励行するよう指導し、あわせて防止策を強化いたしました結果、前年度に比してかなり効果を上げ、事故件数も次第に減少してきております。また内部監査制度を強化するために、三十一年五月から従来の会計監査業務監察を統合して監査局を設立いたしました等、機構の整備拡充をはかりまして、綱紀の粛正、事故の早期発見と事前防止努力いたしている次第でございまして、今後とも一そうこの面に力を入れて、事故の絶滅をはかっていくつもり下でございます。  はなはだ簡単でございますが、概略を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
  13. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 以上をもって説明は終りました。御質問のある方は順次御発言を願います。  なお、本件に関しまして、当局側から、向って右から会計検査院保岡第二局長上村第五局長、日本電電公社靱副総裁郵政省から西村経理局長田中郵政大臣郵政省荒巻監察局長、同じく板野郵務局長、同じく加藤貯金局長、同じく大塚簡易保険局長が出席されております。     —————————————
  14. 高野一夫

    委員長高野一夫君) なお、この際委員変更がありましたので、報告いたします。ただいま井上清一君が辞任されまして、林屋亀次郎君が補欠選任されました。     —————————————
  15. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 順次御発言を願います。
  16. 松岡平市

    ○松岡平市君 ごく簡単な事務的なことでありますが、会計検査院にお伺いいたします。  批難事項千九百六十四、これに三十年度の年賀はがきの点について批難をしておられます。同時に最後に、「三十一年度においても同局では三十二年用お年玉年賀はがき五千万枚を前記同様大日本印刷株式会社ほか一会社に下請けさせたため約百万円が不経済となっている。」こういうことを批難しておられるが、それは会計検査院がこの事項を発見して郵政当局に御注意になったはずでありますが、それはすでに三十二年度のはがきもこういう手配をしたのちに三十年度の分についてこういう発見をされたのかどうか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  17. 保岡豊

    説明員保岡豊君) ただいまおっしゃいますように、私の方で調査いたしましたときに、すでに三十一年度の分はその段階に入っております。それで同時にここに掲げたわけでございます。
  18. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうすると、この事案については、もうすでに三十一年度検査報告では何ら批難しておられない。そうすると、やはり検査の時期はこれと同じだったと思うのでありますが、三十二年度においては、もはやそういう事態は生じておらぬ。こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  19. 保岡豊

    説明員保岡豊君) 現在三十三年度はやっておりまして、これは私の方で確認はしておりませんけれども、聴取いたしました結果では、三十二年度はこういうことになっていない、ということを聞いております。まだ確認はいたしておりません。
  20. 松岡平市

    ○松岡平市君 これは重大な事柄であって、金額はごくわずかでありますが、こういう批難があってもなお是正しておらぬということになれば、またわれわれは郵政省の怠慢について質疑をいろいろしなければならぬと思うのですが、三十一年度までは続けてこういうことをやっておられた。三十二年度においてはどういうふうな措置をとられたかということ、簡単なことでありますけれども、重大なことでありますから、大臣でなくともけっこうですが、担当の局長から御説明を願いたいと思います。
  21. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 三十一年度は御承知の通り千九百六十四号で批難を受けましたので、三十二年度は大蔵省の印刷局との間にいろいろ調整を行なってやりましたので、印刷局から下請けに出されたというような、三十一年度批難事項に該当するような措置はとっておりませんので、円満に行っております。
  22. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 田中郵政大臣は衆議院の予算委員会から出席を要求されておりますので、なるべく最初に大臣に対する質疑をお願いいたします。
  23. 東隆

    ○東隆君 私は役務に関する事項千九百六十五号から六十六号、これに関係をしたものでお伺いをいたしますが、専用自動車の配車計画は、私は情実を避けて、そうして十分に調査の上に配車の計画を立てるべきである、こういう考え方を持つものでありますが、その点ここに現われたものは私は情実が非常にあるだろう、そこからこういうような案件が起きておると思うのです。従ってこの案件は、大臣の前の方の時代でありますが、大臣は非常に浪曲などをやられて人情大臣と、こう言われるそうでありますが、これ以上情実的にやられると大へんなことになるので、そういう点についてどういうふうにお考えになっておるか。  それからさらに、これに似通った事案があると思うのです。ことに私が特に聞きたいのは、郵政省関係の役人をしておった者が会社を作りまして、そうして自動車の運送をやっておる会社があるはずであります。日本逓送会社というのじゃないかと思いますが、その関係と関連をして実は大臣からお伺いをいたしたい。というのは、この逓送会社の所在地はことごとく、非常に郵便物の多い地帯で、実は郵政省がもし独立採算をするという場合に考えるならば、当然郵政省の直営でもってやるべき筋合いのところに会社ができている。そのためにこの会社が、実のところを申しますと、最近のことはよくわかりませんが、先年私どもが調べたときには、この会社が実は資産再評価をやり、そうして二割の配当をし、そうして税金も国に納めておる。こういうようなものができ上っておるわけであります。私はここに現われているような案件は、これは実は非常にささいなもので、かえってそういうようなものについて将来は直営にするとか、そういうようなことをやって経費を節約するのが、これが当然の郵政大臣としての考えでなければならぬ、こういうふうに私は考える。従ってそれに対して、郵政大臣は異なった考え方をお持ちかもしれませんが、いろいろな点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  24. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 御指摘のありましたような不当事項を、少数ではありますが出しましたことにつきましては、先ほど申し上げましたように、はなはだ遺憾の意を表しているわけでありますし、特に将来こういうことのないように、万全の措置をしているわけでございます。おおむねこの種の契約に当っては、郵便物運送委託法第三条によりまして、競争入札にすることが原則になっておるわけでございます。これはもう法律になくても、競争入札にし、適正な、最も確実にして低廉な方法をとらなければならぬことは言を待たないわけでございます。しかしこの逓送の料金は、御承知の通り運輸大臣の認可を受けておるのでありまして、基本原則はきまっておるわけであります。特に、同法第四条第四項の「運送料金が法令若しくはこれに基く行政官庁の処分により確定額をもって定められている」場合は、随意契約をやってもよろしいということに準拠して、日本逓送その他に請け負わしめておるわけでございます。でありますから、日本逓送その他に請け負わしておるということが、必ずしも不経済だというふうには考えられないわけでございます。  これはまあ一般論でありますが、具体的なものを申し上げますと、直営にして、逓送会社その他に請け負わしめるよりももっと安い場合はもちろん直営にすべきでありますが、御承知の通り長い歴史を持っております郵便事業を十分精査をいたしますと、日本逓送その他民間会社に一部逓送を請け負わしめることが、より合理的であり、低廉である、直営ではどうも現在の料金よりも高くつくという根拠に基いて、請負制度を継続いたしておるわけでございます。  今の御質問の中で、二割配当というようなお話もございましたが、どういう会社かわかりませんが、日本逓送会社は現在一割ちょっとの配当をしておると思いますが、その他のもので、逓送だけをやっておって二割の配当をしておるようなものはないと思います。でありますから、逓送をあわせて請負っておるような会社は、ほかの方で上げた利益で配当しておるんだと、こういうふうに考えられるわけでございます。私も浪曲などをやるから、どうも随意契約論者じゃないかというお話でありますが、これは、公的と私的は全然別でございまして、そういう意思は毛頭持っておりませんことを明らかに申し上げます。
  25. 東隆

    ○東隆君 安心をすべきであろうと思うんですが、実は私は、逓送会社のことについて、以前——二十九年でございましたか、実はお伺いをいたしたわけであります。そのときに、実は郵政省の監督権はほとんど及ばないわけであります。商事会社には。従って、その中身を非常に疑問を持ちまして調べたときに、たしか二割の配当をしておる、しかも資本の再評価をいたしまして、そして堂々たる会社ができ上っておったわけであります。そうして事業報告ですね、損益計算書とか、そういうようなものが実は非常に粗末なものなんです。その業務報告書を見ましてね。従って私どもは、もし東京近郊というような郵便物の非常に多い所においては、これは直覚でもっておやりになった方がいいのではないかと、こういう考え方だった。ところが、それを会社がやるというからには、これは十分に利益が上るから、そこで会社経営をすると、こういうことになっておるんであると、こういう想定のもとに実はその当時お聞きをいたしたわけであります。ところが、案の定そういうような状態である。私は実は一体税金をどれぐらい納めておるのであろうか、こういうことをお聞きをいたしたのでありますが、それはついにわからずじまいになりました。これは郵政省としては、会社にまで入り込んで調べるわけにも参りませんから、それを詳細に知ることができないと思いますが、しかし、その会社を構成しておる者の中に、やはり郵政省関係の人が非常にたくさん入っておる、こういうことなんです。問題は。従って、そこから起きてくるところのものは、私は非常にまゆつばものである、こういうふうに考えたわけであります。  それで、その後の経過を実はお聞きいたしたいわけでありますが、先ほど一割そこそこの配当だ、こういうふうに言われましたが、私はそういうふうになってけっこうだろうと思います。しかし、その当時は二割たしかあったはずであります。そこで私は、国営でもしそれをおやりになりまするならば、その出資に対するところの配当、それから、少くとも国家に納めるところの法人税、そういうようなものは、これは必要のない経費なんだ。従ってそれだけのものをおやりになるならば、私は十分に郵政省の直営でもってやっていいじゃないか、こういう考え方を持つわけであります。この考え方は郵政省ばかりでなくて、他のたとえば省営バスの問題等を考えてみましても、非常に収益の上るような地帯におけるところは、ことごとく私営バスが繁昌いたしておる。そうして省営バスは、実のところを言うと、もうからない所ばかりやっておる。そうして国鉄そのものは案は非常に不便な所にも線を延ばしてやっていかなければならぬ、こういうことになっている。独立採算制を叫んでいる以上、私は収益が上る地帯はどんどんやるべきでないかと思う。収益の上る地帯をどんどんやって、そうして収益の上らない地帯に、つまり赤字になるような地帯にはそちらの方から補給していくということを考えなければ、決して郵政事業のようなものは公平にプールはできない。私はそういうような考え方に立った場合に、なぜ東京や、そういうような非常に便利なところだけにこの会社ができて、しかも郵政省と非常に関係のある人たちによって構成された会社ができている。私はその点を郵政大臣がどのようにお考えになっているか。これをはっきりお答えを願います。
  26. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) お答えいたします。日本逓送会社は、現在の配当は一割二分だそうであります。なぜ日本逓送会社がこういうことをやっているのか。一割二分も配当ができる状態であれば直営でやっていいんじゃないかという議論が当然出るわけであります。私も就任すると同時に、この日本逓送というものに感ずきまして、郵政一家というふうに見られては困るし、なぜ一体日逓にだけこういう特殊なものをやらしているんだと、特に御指摘がありましたように日逓の幹部はほとんど郵政省出身者であります。でありますので、どうも郵政一家としてこういうものが利益を壟断しておるんじゃないかと言われやすいので、どうしてだということをただしておったわけでありますが、現在日逓がやっておりますものをそのまま省側で引き継いで直営にする場合は、非常に長い歴史がありますので、相当な問題がある。特に日逓がやっておることを省が現在直営でやることになりますと、どうも赤字を覚悟でやらなければならぬということになるというので、現在日逓を使っておるわけであります。日逓ばかりでなく、別のところでは、またいろいろな運送会社や船舶会社や航空会社を使っておるわけでありますが、そういう意味で日逓もある意味において郵政省の逓送下請けということをやっております。これはなぜこういうふうになったかと申しますと、じゃ日逓と同じようにして入札をやって、ほかでもってやりたい人があったならばやったらいいじゃないかという議論もあると思いますが、昭和十七年十二月一日に創立をいたしました当時から、逓信大臣の基本業務命令という命令書を出したわけであります。これはきっと——関係法令はよくわかりませんが、運送関係命令、または鉄道、船舶運送法等による命令だと思いますが、こういう意味でそういう特殊会社として逓信大臣が業務命令を出して整備をさせ、下請けをさしておった、こういう事情がございました。その意味で政府は会社の事業計画、定款の変更、役員の任命、利益金の処分等の認可、または財産目録や貸借対照表等の関係書類を提出させたり、随時検査をしておったというわけでありますから、これは全く逓信事業が必要やむを得ない措置としての特殊法人という状態でございました。これが戦後昭和二十二年六月の末日限りだそうでありますが、基本業務命令を廃止をすると。でありますので、一般の専用自動車業者と同一の取扱いになった、そのまま今日に及んでおる、こういうことでございます。でありますので、現在ではまあいろいろな問題が考えられますが、ある意味からいうと、大きな弊害はありませんし、弊害というよりも日逓がやる方がより合理的であって、長い歴史で逓送の業績を上げておるので、そういう歴史を尊んだ方がいいのだ、これをすぐ直轄に切りかえるわけにはとうてい不可能だというような事情から、現在もなお日逓をして逓送の業務に従事せしめておるということでありまして、ちょっと考えると、郵政一家として何か壟断しているのじゃないかなというような議論も出るとは思いますが、実際問題はそういう意味で、日逓をして下請をせしめておるというのが実情でございます。
  27. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 大臣がお急ぎのようでありますから、特に一言お伺いいたしたいのでありますが、実はNHK、日本放送協会の問題なんでありますが、これはまあ監督のお立場におられるのでありまして、われわれはNHKをかりに聞かなくても御承知の通り聴取料は取られておるわけであります。従いまして、NHKに対する国民の関心というものは、非常に大きいのでございます。ところが大臣の御就任の前のことでこれはあるのでありますが、私は死人にむちを打ちたくはございませんが、なくなられた永田清さんが会長になられたわけでありますが、これはまあ新聞紙上でもあなたもすでに御承知の通り、例の日新製糖の問題で非常な会社並びに株主に迷惑をかけた、ああいう事件があるわけであります。今なお未亡人と会社との間に刑事事件が起きている、国民はそういう立場のNHKに対しては、非常な大きな関心を持っておる。しかるにもかかわらず、そういうような大きな事件をあえてなしたような人が、その国民の関心の的である放送協会の会長になったということに対しては、非常な不可解な気持を持っておるわけなんでありますが、これはまあ御就任前のことではあっても、あくまでもこれは郵政大臣としての私は責任であろうと思うのでありますが、どうしてこういう方を会長に持っていったか、あるいはまた今後こういう問題について、大臣はいかなる御所見を持っておられるのか、その点をお聞きしたいと思います。
  28. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 私の就任前に選任をせられた先会長の問題でございますので、意見を申し上げることはどうかと思いますが、法律に基いては経営委員会が会長を任命するということになっておりまして、政府及び国会の承認を必要としないという法制の建前でございます。しかし永田さんの選任の問題に対して、私は個人的に聞いたことはございますが、いろいろ経営委員会でも持ち回った結果、適当な人に何人か持ち回ったそうでありますが、わしもいやだ、わしもいやだというので、みんな断わられて、最後に永田君ではどうかということで本人の意向を打診してみたら、まあ非常に学者として、また実業者として、放送というようなものに入れば、もう学究としての生活を捨てなければならないのだが、懇望せられれば一つやってみましょうかということで、やむを得ず受諾をせられたというような事情をお聞きしたのであります。私は永田さんの問題は、いろいろ新聞やその他ニュース線上をにぎわしておるようでありますが、こういう人……、新聞やその他でもって言われておりますが、私はまあ就任後、永田さんが死ぬまでNHKの再建問題に対して何回か意見を聞いて、また折衝したりしたことがありますが、私の知る限りにおいては不適当な人だったということは考えておりません。おりませんが、私がNHKの会長に対して言えることは、放送法に的確な欠格事項がございますから、そういう欠格事由に適合した人は、経営委員会が任命するにしても、そういうおそれのある人は会長候補から除いてもらいたいという私的な意見を持っておるだけであって、前会長に対しては今申し上げた以外には申し上げられないということが実情でございます。
  29. 岩間正男

    ○岩間正男君 ちょっとお伺いしたいのですが、電電公社との関係の問題ですが、特に大臣にお聞きしておきたい。お帰りになるようですが、その前に……。これは独立採算制の立場をとっておると思うのですが、この経営面につきましてどれだけ独立性を重んずるのか、こういう点で非常にやはり現在の経理の中に問題があるのじゃないかと思いますが、この点についてまず所見を伺っておきたい。
  30. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 電電公社は御承知の通り戦後の機構でございますが、昭和二十七年でございますか、設立してから五、六年の業績を上げておるわけでありますが、いろいろな企業のある中で、電電公社公社形態は非常によろしいということを言われておりますことは御承知の通りであります。特に先日答申がございました公共企業体等に関する審議会でも、電電公社は現行のままでよろしいと、ただ経理関係、財政関係に対してはもっと弾力的な条項を認めて、自由な、また意欲的な企業ができるようにした方がよろしいという答申がございます。私も就任後、電電公社に対しては機構は現在のままでよろしいが、ただし財政をその他に対してはもっと弾力的な条項を付与すべきだということで種々折衝をいたしておったわけでございます。でありますから、昭和三十三年度の予算案には、電電公社関係予算の予算総則で、弾力という条項を大幅に認めまして、当該年度に生じた剰余金も建設勘定に繰り入れることができるというふうに、できるだけワクを広げて自主的な運営を強化して参りたいという考えでございます。
  31. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の何ですか、資金の残余金についてどうなっているか、そこのところもう一ぺん……。
  32. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 三十三年度の予算総則で、当該年度に生じた剰余金も翌年度でなければ使えないというようなことを廃しまして、当該年度中に建設勘定に流用ができるようにというふうに道を開いたわけでございます。
  33. 岩間正男

    ○岩間正男君 実は、この会計検査院指摘の中で資金問題があるわけです。これは三十年の古いことになりますが、その後どういうふうに改正になったか、その点もあわせて伺いたいのですが、この三十年度計画を見ますというと、当初の計画と非常に狂ってしまう。そうして百九十七億ですか、これらの膨大な剰余金を資金計画の中に残してしまった、それがまあ今のやり方では公社法との関係もあって、これを預託しなくちゃならない、そういうことで、しかも政府に預託した金利は非常に安い。しかも一方においては、これは電電公社の公債を募集しておる。さらに受益者の負担というような場合を見ましても、これはまあ大体六分、公債の場合は七分七厘の利子を払っておると思うのですが、加入者の引き受けの場合は六分九厘、こういう見当になっている。ところが預託ではこれは三分足らずということになるので、その利ざやだけでもこれの計算によるというと、四億くらいの欠損を、これを見込んでいる、そういうような経理ですね。これはまあ独立採算制の点から見るというと、非常にやっぱり問題があるのじゃないか。つまり政府との関係を、これは国鉄の場合もそうでありますが、見てみますると、都合のいいところは公社になっている、都合の悪いところはやはり政府がこれを支配するというような格好で、非常に干渉が強い、こういう形は免れないと思う。こういう面からいえば、独立採算制というような体制をとるのなら、それをほんとうに貫いて、公社法にもし問題があるとすれば、公社法そのものを私は改正しなくちゃならない、そういうような問題が含まれているのじゃないかと思うのですが、こういう点についてどうですか。
  34. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 御承知の通り、当該年度の剰余金はそのまま国庫に預託しなければならない。三十億までは利子を付さない、三十億以上であっても日歩八厘しかつかない。それで高い社債を募集しておるということであります。社債ではなく、高い公社公債を買ってもらっておるということでありますから、非常に不合理であるということは私も認めております。でありますから、今年度はわずかでございますが、新しく財政投融資の中で還付の資金及び資金運用資金をもって幾らか財政的にまかなおうということでありますし、三十二年度繰り越し分も還付をもってまかなおう、しかもそれは七分以下でまかなおうというふうに、できるだけ努力はいたしておるわけであります。ただ根本的な議論としては、公社としてもっと弾力条項を発動すべきであるということは私も同感でございます。でありまするので、三十三年度は先ほども申し上げましたように、弾力条項を発動できるように予算総則で明確にしたわけでございますが、実際問題を申し上げますと、今年度までは少し剰余金がございましたが、これからはなかなか剰余金が出てこない、今までのように大幅には出てこないという実情であるようであります。それは第一次五カ年計画が戦災地の復興という意味で非常に経済的に有利な立場にあったものの復興でありましたから、状態はよかったのでありますが、今年度からの第二次五カ年計画では農村電話、山村電話、漁村電話、また公衆電話というようなものにも非常な重点をおいておりますので、第二次五カ年計画の初年度七百五十億では相当まあ裸になったという姿で、含みも非常に少くなったということで、第二次五カ年計画の第二年次、第三年次くらいになりますと、自己資金というものも現在のようには考えられない。というよりも、一歩進めて相当大幅な財政資金に頼らなければならないというような状態でございます。おおむね第二次五カ年計画総額は四千百億でございますし、財政資金によらなければならないものはおおむね千五百億と見ておるわけであります。千五百億を、幾ら公募をして幾ら財政資金に頼るかという問題でございますが、最低に見ても財政資金が五百億ないし六百億は投入しなければならないという状況でございますので、今までのように百億も百五十億も預託をしておくというようなことは、ほとんどなくなるということでございます。  いずれにしましても、三十億も五十億も預託をしておいて、高い利息を払いながら利息をもらえないというような不合理は是正しなければならないという考えでございます。しかし、この問題に対して、大蔵省当局はどうせ金を貸せるんだし、しかも長い間預託をしておくわけではないので、これはちょうど事業家が当座預金をしておきますと、事業として直ちに引き出す金だから利息をつけないのだ、その原則に基いてまあ三十億という限度をきめておるわけでありますが、まあ三十億の限度が当座預金の限度かどうかということも問題でございますので、これらは先ほど申し上げました通り、答申案の線に沿ってもっと合理化しなければならないという点でございます。
  35. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ不合理は認めておられるので、それについての改正を意図しておられるようですが、そうすると、公社法に対して一つの制限がある。こういう問題、預託の問題についての制限条項のようなものを緩和する、こういうような努力を一応されようというふうに考えておられますか。
  36. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 大蔵当局とこの問題に対しては折衝を続けております。
  37. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは、公社の独立採算制の問題を貫く政府の態度を明確にするということが、私は非常に重要ではないかと思う。これは国鉄にも起っている問題ですが、依然として何というか、あいまいな態度が実は続いておるわけです。先ほど申しましたように、公社の都合のいいときには公社でやる、こういうことではほんとうに何も守れない。それから金を貸せるのだから、それでまあ幾分安いので預託してもいいのではないか、こういうことになると、結局これは経営の方にかぶされてくるだろうと思います。今年度の予算の状態をちょっと見たが、昨年度よりも利子及び債務取扱い費というのがふえておるわけです。こういうことが当然公社経営を圧迫している。今労働者なんかの方でも要求をされておるわけです。それで二千円、三千円という賃上げの要求がされている。これに対して、ゼロ回答しかし得ない。それもなぜかというと、結局は公社経営が苦しい、そういうような資金源がないのだということで、これが一つの問題にされてくると思う。従って、私はこの公社経営そのものをもっともっと明確に独立採算の線を守っていく。そうして政府とのあいまいなこの線をはっきり切っていくということが非常に重要だと思いますが、その点について、ことに労働者の要求との関連において、今までの不合理な運営をどうするかという点について、最後に御意見を述べていただきたい。
  38. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 非常に重要な問題でありますし、将来にわたる問題でありますから、私から今の段階における考えを述べてみたいと思います。  電電公社国鉄も、戦後公社になったものは独立採算制を進めて民間企業に移行した方がよいだろうというような意見も相当強くありますが、御承知の通り事業が事業であり、独立的な国家事業でございますので、現在は公社として政府関係機関の形態を保っているわけであります。法律に基く政府関係機関でありますから、当然財政その他の問題に対しても法律的な制約を受けるというわけでございます。でありますから、法律に準拠する公社であっても、もっと弾力条項を発動して、もっと企業意欲を十分発揮できるようにしなければならないという段階でございます。今は。でありますが、これを進めて完全な独立採算制でやれるかどうかということになると、なかなか問題があります。でありますので、この間梶井総裁が、政府が財政資金を出さなければ、一つ外国から借りようというので、私も相談にあずかって、外資の導入ということも考えたのでありますが、これは第二次五カ年計画では、電電公社はベイ・ラインに乗って、民間企業であれば当然配当もできる優秀な内容だと思います。少くとも現在の状態において含み資産も少くなり、裸に近いものになったとは言いながら、国鉄ほどではない。資産内容はまだまだいいのであります。でありますから、現在は独立採算にしてもいいのでありますが、これが法律に基いて全国あまねくサービスを開始しなければならない、こういうことになりますと、今までのような状態にはいかないのです。だからこれから五年目にどうなるかということを今盛んに研究しておるのですが、五年後くらいはいいのですが、その後に第三次五カ年計画をするようになってきますと、いわゆる公益事業、こういう色彩が非常に強く出て参りまして、北海道でも、山の中でも全部電話を架設するというときになると、今度はちょうど今の郵便現業のような状態で、ある場合によっては赤字が出る。赤字が出ても当然やらなければならない事業であります。でありますから、そのときのことを考えますと、やはり政府がなるべく要らざる統制や要らざる干渉は極力廃除しつつ、企業意欲を盛り上げていきながらも、公社の持つ使命性格というものを十分考えて、やはり形態は公社形態を続ける方がよいのではないかと現在のところは考えておるのであります。で、将来の見通しやその他も十分考慮しながらもできるだけ官業のマイナスを廃除して、公社としてのよさを発揮できるように法律改正をしなければならない、こういう考えを持っておるわけでございます。  でありますので、今度は法律改正を大幅にできなかったのは、答申案が予算編成のもう寸前に出ましたので、答申に沿って抜本的な改正はできなかった次第でありますが、やはり三十四年度の予算案等を編成するまでには、公社の行き方、特に財政的な面に対する問題に対してはもう一ぺん検討して、より合理的なものにしなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
  39. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 大臣は三時ごろお帰りになる予定でありますが、まだその他にありますか。
  40. 岩間正男

    ○岩間正男君 弾力条項で融通できる額は、そういうワクがあるのですか。あればそれはどのくらいですか。その点を聞かして下さい。
  41. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 今年度の予算は七百五十億でございます。七百五十億でございますが、実際の収入が予定よりも上って八百億まで上るような場合はどうするかという御質問だと思いますが、五十億の剰余金が出た場合には、当該年度の建設費に回しまして、八百億の事業を進めよう、こういう考えであります。でありまするが、公募債や借入金等をやろうとした場合にワクがありますので、このワク以上には公募は行えないのでありますので、電電公社収入金がふえた場合には、このまま当該年度の建設勘定に振りかえて事業を拡大していきたい、こういう考えであります。
  42. 東隆

    ○東隆君 先ほどの点、しり切れとんぼになりましたが、お伺いしますが、逓送関係は歴史があるのだ、こういうお話で、この会社が設立をされたのは昭和十七年、その当時は基本命令を出して会社を十分監督をしておった、こういうふうにお話しになりました。そうして二十二年にその基本命令を廃止をした。従って普通の商社ということになったわけで、そこでその当時を回想しますと、民営に移管をする等のいろいろな問題が非常に台頭をしておった時分であります。そんなふうな空気でもっておやりになったのじゃないか、こういうふうに考えますが、基本命令を廃止した後において競争入札をするとすれば、競争入札の対象にするとすれば、実は東京その他の付近においては独占的に企業をやっておるようになってしまうわけで、そこでこれは始末が悪いことになる、そこで随意契約ということになると、これも実は非常に疑問符を打たなければならないことになってくる、そこでどういうふうに監督をされておるか、これは非常に東京だけ考えてみましても、国民の総数の一割を占めておると思いますから、郵政事業から見ると、非常に関係の大きいところで、そこの問題でありますから、私は特にどういうふうに監督をされておるか、その点々をお聞きいたしたい。
  43. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) お答えをいたします。日本逓送会社というものに対して、当然民間会社と同じようになったんだと、民間会社とは一体どこが違うかということが一つのポイントだと思いますが、これはこういうふうになっております。昭和十六年の九月ごろより六大都市の受命業者間において事業統合をやろう、それまでは幾つかの請負会社があったわけです。それが十六年九月ごろに事業を統合しようということをやりまして、中央自動車株式会社ほか七業者が合同で日本郵便逓送株式会社というものを作ったのです。それで昭和十七年の末に登記をして、同年の十二万の一日から事業を開始しておるという、こういう歴史を持っておるわけであります。でありますから、この会社郵政省の下請をやるということを目標にして作られた、合同で作られた会社でありますから、一般会社のように転向しろといってもなかなか転向しにくい。というのは、自動車も約九百両近い特殊な自動車を持っておりまして、現在逓送事業をやっておるわけであります。でありますので、そういう歴史がありますから、業務命令を出して逓送をさしておったんですが、御承知の通り戦後はこういうものはなるべくやめようという思想もありましたので、一応そういう思想で一般会社と同列に扱うようになったわけであります。その後昭和二十四年の十二月に郵便物運送委託法という法律ができまして、この第三条で先ほど申し上げました通り郵便物運送等を委託する場合には競争によらなければならぬという原則を定めまして、しかも同法第四条の四項で「その運送料金が法令若しくはこれに基く行政官庁の処分により確定額をもって定められている」ものは随意契約でよろしい、こういう法的根拠に基きまして、日本逓送会社を引き続き郵便逓送に使っておる、こういう状況でございます。でありますが、日本逓送会社だけに限っているわけじゃないのでありまして、いろいろな会社や機関も同じように利用いたしておるわけであります。
  44. 東隆

    ○東隆君 私は、その官でもう少し監督を周到にやる考え方をお持ちになりませんか。実はこれは私は雪どころで新潟からの大臣ですから申しますが、郵便物を配達をする者は、いなかの方なんか、ことに雪道なんかの場合には、馬そりなんかでもって重い荷物を運んでいる者もよけてやっているのです。それくらい逓送の何については、非常に国民は何といいますか、敬意を表してやっておるわけです。いいですか、そういうような仕事なんですが、これが大都会になるとそうでもないでしょうけれども、しかし私は信書であるとか非常に大切なものを郵送する、こういうような点から考えてみて、私は専用のものを作るということについて何も反対をするのじゃない、しかしそのものに対して官庁が何ら監督権も発動できないような、そういう形でもってやるべきじゃない。その事業そのものについても周到にやり得るようなことを考えなければならぬ、場合によっては役所が資本を投じて、そうして監督し得るような体制を作るとか、もしそれが普通の会社でありますならば、そういうことはできませんけれども、そういうような特殊会社をこしらえる、そういうのならば話はわかりますけれども、普通の会社にして、そうして通り一ぺんの監督をするということになりますると、私は人権もやはり尊重するというような面からいえば、これは相当問題になる点じゃないかと思うのです。ことに非常に大きな部分を占めておるところであればあるほど、私は考えなければならぬ点があるのじゃないか、この点は当時の民営に移すとかそういうような思想のために、簡単に監督権を剥奪されたような形になっている。私はその点を一つ十分に、大臣はいろいろ改革をされておるようでありますから、この機会に改革をする意思があるかどうか、この点を率直に一つお聞かせを願いたい。
  45. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) お答え申し上げます。私も大臣に就任しましたときに、東京中を走っておる赤い自動車、あれは皆郵政省のものだと思っておりましたら、あれは皆逓送会社のものだとわかって、敬礼をして損をしたと思っておるくらいでありまして、この問題には相当私は趣味を持って、突っ込んで研究いたしております。だからこういう問題に対しては、どうしても郵政一家というふうな考え方にもなりますし、事実郵政省の先輩がたくさん行っているのですから、運輸大臣の認可を受けている基本料金であっても、料金の範囲内でもって契約をするにしても、何らか方法はないのかということを研究しておるわけであります。でありますから、事務当局にもこれらの問題に対して、将来問題が起きないように何らか立法措置ができるのかというような問題を調査せしめております。おりますが、今の状態では、その郵政省設置法等でもって、関係機関として法律で規制をするわけにはちょっと参らぬようであります。もう一つは、一面において公社でも皆民間、民営に移行するようなときに、その事業の大部分が郵政省との契約に基く事業に携わっておるとしても、これが特殊法人というふうにできるような情勢下にないというふうな問題が二つ目にございますでありますので、現在においては実際は監査はしております。実際監査をしておりますが、何に基いて監査をしておるかというと、事実は郵政省の仕事だけしかやっておりませんから、泣く子と地頭には勝てないという意味で、向うからうちの会計はこういう状態でございますから、実際高くはございませんということでしょう、相当強い監査をしておるようであります。もう一つは契約書に監査ができる。一体、これでやれるのかどうか。適正な値段であるかどうかという問題もありますが、契約書には相当の条項がうたってございます。でありますので、将来の問題を考えてみても、やはり随意契約を行う場合、相当契約書に強い条項をうたって、それが適正を期さなければいかぬと、こういう問題が一つございます。もう一つは、ほかの業者が自分もやりたいというような問題に対して、一体どうすればいいのかという問題は、十分一つ納得のいく解決点を出さなければ、今まで歴史があるからというだけで、日本逓送をしてやらしめておるということになりますと、日本逓送がそれでもって何割配当もできるのだということになると、うまいところもあるのだろうということにもなりまするので、そういう問題を十分研究し、立法措置ができないにしても、契約書等に明確な規定を設けて、遺憾なきを期すようにと、こういうふうに事務当局と私との間で、何らかの一つ、今よりも合理的な適切な手段を考究中でございます。
  46. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 皆さんに御了承を願いたいのでございますが、衆議院の予算委員会から再三要求がございまするので、大臣は三時十五分に御退席を願いたいと思います。どうぞ、そのおつもりで簡単に御質疑を願いたいと思います。
  47. 岡三郎

    ○岡三郎君 回りくどい話はやめて、郵政省として、決算において例年指摘されて、なお改善が遂げられていない、こういう事項があるのですが、その宿題ですな、例年々々指摘され、決算上郵政者として特段の措置がとられておるとは見受けられない事項、これは一体何だと思いますか。
  48. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) それはどうも、それはきっと特定郵便局長の非違行為じゃないですか。
  49. 岡三郎

    ○岡三郎君 大体まあ、そういうわけですが、その点がわからぬようじゃ、これは根本的に、ここへ出てくる資格はないと私は思って聞いたのですが、半ば合格しているようですが、この十六ページに、田中郵政相はよく読んでもらわなければ困ると思うのですが、ここに三十年度決算、私は特別のことを聞こうと思っているわけじゃないのです。会計検査院指摘しているところを、政府機関がどれだけまじめに実際にこれをやっておるか。不正行為郵政省では、日本のあらゆる官庁のうちで一番多いと書いてある。書いてあるのですよ、ここに。不正行為が一番多いと書いてある。「従来から不正行為は、郵政省貯金保険の関係職員にとくに多く見受けられたが、本年度においても郵便貯金の預入金や簡易生命保険保険料領得するなどの事例が依然として多く、」と指摘されておる。その一覧表が八ページにある。八ページには、不正行為の中では断然郵政省がトップにある。これをもって会計検査院は、どうして直さないのかというふうに婉曲に言っているのです。「まだ前記のように多数の不正行為が発見されているのは誠に遺憾である」とある。本院が毎年度検査報告に記述して注意を促しておるが、さらに改まらぬ、出直しなさいというところですね、ほんとうは。決算承認まかりならぬというところですよ、これは。今年だけじゃない。毎年指摘されているが、毎年直らない。こういうふうにしなさいということを検査院指摘しているのですよ。ところが、それが少しも改善されていない。監督なんかがよくできていないと書いてある。だから、結果としてだいぶ起ってきているのですが、これも全部検査したとは思わない。その中で一部分検査して、こう出てきていると思うのです。これはどうしますか。
  50. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) きついおしかりでございまして、まことに面目ないわけでございます。私も、先ほど申し上げましたように、これらの問題に対しては、将来国損を来たさないように、十分な処置をしなければならないということは、申し上げた通りでございます。非常に僅少でありますが、昭和二十七年に七十人であったものが二十八年に四十九人、それから二十九年には五十一人、三十年には五十一人、三十一年には三十九人と、人間は減っております。犯罪人員は非常に減っているようでありますが、これは逆に言いますと、相当減っておることになっているのです。これは扱う金額が倍になっておりますから、そういうことからいうと、相当な——戦後二十六、七年まではちょっと問題があったようでありますが、二十九年、三十年ごろからは相当下っております。でありますが、これは私も悪いとは思っておりましたが、一番悪いとは考えておらなかったのであります。ここに相当手きびしく書いてありますが、これは特に考えていただかなければならぬのは、官庁でありますから、国民の血税という立場から考えて、寸毫の損耗もかけてはならないということに対しては、非常にまじめでなければならぬと考えております。しかし、ほかの官庁と比べて、金額が多い——金額ではありません、件数が多いというのは、これは非常に違う官庁でありまして、郵政省はほとんど金に関係する官庁である。郵便がそうであります。貯金がそうであります。保険がそうであります。だから、その意味で一番金に関係がある、大蔵省は関係があるようでありますが、金を集めるのは、ほとんどが郵政省であります。現在、一兆二千億の資金運用資金のうち六千五百億、七千億は、郵便貯金の金でございますし、一兆五千億のこの契約金額で実際の運用、四千五百億が簡保の金である。しかも、集めるのは一般の窓口、特定局だけでも一万六千局で、その窓口で扱っておる。こういうので、こまかい金を、非常にたくさんの口座を扱っておる。特に振替貯金の口座でも五十九万口座もある。睡眠口座でも三十万口座もあるというように、非常に扱う金額が大きいのと、枚数と窓口が非常に多い。そういうことで、特殊な事情にあるということは、実情は一つお考えいただきたい。実は私は一件でも不正行為があってはならないということは、非常に強く考えておりますが、ある意味では、日本の官庁で郵政省だけが特別な官庁であるということも、一つ御了解いただきたいと思います。でありますから、私も、この業務犯罪というものを何とかなくしようというので、研究した結果でありますが、戦後、郵政省設置法の中だけに監察官というものを認めておる。監察官は、現在七百名が定員でございますが、何しろ、二十六万名から三十万名という中で七百名、六百名の監察官では、どうにもならないということでありますが、できれば、これを十名ぐらいにしなければいかぬということで考えて参ったわけでございますが、今年度、昨年度、両年度にわたって、監察官制度を新しく新設いたしまして、わずかばかりではございますが、合計百人、六十名から二百名ぐらい増員したわけであります。そんなことで、犯罪事実が全部なくなったとは思いませんが、鋭意、一つ犯罪撲滅に努力したいと考えます。
  51. 岡三郎

    ○岡三郎君 もう時間が……。私は、むずかしいことを言っていないので、大臣が自分で勝手にうんとしゃべり過ぎて時間をとったのだから。一言、まことに申しわけないから、どうするかという次の策を聞きたい。これは千名にしたって、だめですよ。ところが、特別だからといって容赦できない。これは零細な金を集めておるのですから、逆にいえば、この金というものは最も尊い金かもわからない。だから、そういう点でいえば、理屈はつけようだから、私はそういうことは言わぬが、改善のあとが見られておるように、今大臣が言われましたが、今度三十一年もそうだった、三十二年、今度またずっと下っていくようならいいが、これはまだわからぬけれども、しかし、実質的に、先のことは別、三十年度決算報告によれば、「まだ改善の跡がみられない。」と書いてある。その不正額は五千二百四十四万余円に及んでおり、まだ改善の跡がみられない。これは怠慢ですよ、こういう指摘を受けることは。そう思いませんか、大臣は。怠慢でしょう。まだ改善の跡がみられない。——大臣は、大臣の就任の当時じゃなくて、過去のことだから、涼しい顔をしておられるが、その周りについておられる政府委員はざんきで、ここにほんとうは出て来ては困ると思う。陳謝して、まことに申しわけない。額の問題じゃない、件数が減っておるとか何とか言うけれども、「まだ改善の跡がみられない。」というのは、重大な指摘ですよ。毎年々々決算報告書を読んでおるけれども、そのとき言われておるときだけで、あとはカエルのつらに小便というようなことで、さっぱり改善の跡が見られない。これはこういう指摘を受けることは、これは情ないと思うのです。大臣じゃなくて回りについておる政府委員がこれではだらしがないと思うのです。だから今大臣が一生懸命に官僚当局を弁護して三十一件になってきたと言うけれども、三十一件でもたまたま見落しが多くてそういう件数になったのかもしれぬ、全部端から端まで調べておるのじゃないのですから。そういう点で私が大臣にお願いしたいことは、画期的な対策を掲げるならばいい、改善の質が上る方策を至急考察して、検討して本院に出してもらいたい。なかなか絶無はできないが、こういうふうにすればいいのじゃないか、それについてここに三カ条ばかり書いてありますよ、ここの処罰のやつを見るというと、実に戒告とか訓告とか何とかいうことばかりやっておる。だめですよ。私はもっと罰を重くして改善されるとは思わないけれども、しかし一つの方法として、長い間同じような慢性状態になっておるやつは、やっぱり一つショック反応をやってとってもらわなければ困るのです。改善になったらそれをまたやめる。あるときは一ぺん原爆方式というものも考えてもらいたい。原爆方式は必ずしもいいとは思いませんよ、一応とにかく何とか監督がうまくいくように、監督の任に当る者が部下を過信するとか、いろいろなことが書いてあるけれども、監督する直属長官は部下が被害を起した場合には、自分も責任をとるのだという態勢が一つの方法かもわかりませんが、一つ十分研究して、こういう指摘が起らないように一つ計画表を出してもらいたい、これだけです。
  52. 高野一夫

    委員長高野一夫君) きわめて簡単に願います。時間がございませんから。
  53. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) ただいまの御質問につきまして、私も常に考えておりますことでありますので、早急に何らかの方法を立案したいと考えます。
  54. 相澤重明

    ○相澤重明君 郵政大臣、先ほどの東委員指摘をされたこの郵送会社ですか、この点については指摘事項でもいま少し考えたならば安く上るのじゃないかと、こういう点がありますね、たくさん。それと関連をして、先ほど大臣は最後のお答えは、事務当局に命じて研究をしておると、検討、調査をしておると、こういうお話でありますが、おそらくその改善が私は出ると思うのです。そういう点で、単にきょうの決算委員会で、この際だからお答えをしておくということじゃなくして、やはりこのような指摘事項損失が、会計検査院から、いま少しく適切な処置をとればこういうことがなかったという点を真剣にお考えになって、私は東委員の言われたような問題に取っ組んでいただきたい、私どもはできるならば、いろいろな経歴はあるかもしらぬが、もちろんそれをつぶすのじゃないけれども、やはり直営というものも十分考えていいのじゃないか、こういう点もあわせて私は検討することを、大臣の答弁を信じて一つ確認しておきたいと思うのですが、この点どうですか。
  55. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 了解いたしました。
  56. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 政府委員に対する御質疑はありませんか。
  57. 岡三郎

    ○岡三郎君 この特定郵便局長を含めた不正行為に対するいろいろな方策を今までとってこられたと思うのですがね、結局特定郵便局自体というものの検討が足りないのではないかという気もするのですが、こういう点について会計検査院の方として今までこういう事項を調べて、相当やはり考えてこういう指摘をしておると思うんだが、検査院の方として、郵政省が従来とってきた中で、これは改善のためにこうやったという努力のあとをあなた方が認められたという点がありますか。
  58. 保岡豊

    説明員保岡豊君) 監察を担当しておられる監察局長とときどき会っておりまして、対策を考えております。で監察局長もとにかく一年に必ず一局は回るようにしておる、それはふやしてやっておると、先ほどのお話のように、それから足りないところは経理局の監査課の方にも手伝ってもらっておる。ですからまずその回りの密度はふえたと思います。  それからもう一つ先ほど私ちょっと申し上げましたが、実際だんだんに人間が減っても量が多くなるんです。量と金額は多くなるんです。これはまだ見つからないのが多いというわけで、私これを非常に心配しております。今年発生して今年つかまったならこれはいいと思いますが、長く今ここに書いてあります二十六年ころからのやつもあります。二十七年、二十八年もありますから、これが三十年度まで続いて連綿としてやっておる、これがどうして見つからないのか、こういう点を非常にお考え願いたいということはしょっちゅう申しておりまして、この点もお考えになっているようでありますが、先ほど申しましたように三十一年度は数は減りました。減りましたけれども、量と金額が多いものですから、やはり四千六百万円というのがあがっております。これは五千二百万円であります。そういうふうにだんだん監察が進みまして、早くつかまるのはふえたけれども、やはり長く続いておるものはやらないというように私は観察しております。その点を今後やっていただきたいと申しております。そういうわけでございます。
  59. 岡三郎

    ○岡三郎君 今の会計検査院の中で、私が郵政当局にお聞きしたいことは、監察官が回っていかぬとわからぬ、こういう点が問題だと思うのですがね、しょっちゅう一緒に職場にいる者が、その人間がなかなかうまくやっていてわからぬという場合もあるが、二年も三年もやって相当の額を上げてきておるということになると、これは職場の内部においてそういうものを早期発見するような手だてを考えたことがあるんですか。同じ職場の中で、これは特定郵便局という問題になるかもわからぬがね。
  60. 荒巻伊勢雄

    政府委員荒巻伊勢雄君) お答え申し上げます。当該職場の中におきまして、事前によく発見するようにということにつきましては、自治監査という方針によりまして、当該局長あるいは管理者が帳簿その他一定の基準に従いましたポイントを常に調べるという建前になっておるんでございます。それから監察官が臨局いたしまして調べるということは、これは徹底的に見るわけでございますが、帳簿の面そのほか関係資料というものが整っています場合に、さらにこれを容疑の事件があるであろうかということを突っ込みますためには、さらに別個の調査をいたさなければなりません。すなわち貯金局、保険支局等への報告いたされました資料と、現実に利用者等が持っておる貯金通帳、あるいは保険領収証等との照らし合せというような作業も必要でございまして、全部の局につきまして、さような犯罪容疑の手段といたしましての調査をいたしますことは、非常に事務量といたしてもむずかしいという困難なものがあるという次第でございます。そこで考査というものをすべて摘発という前提のもとに立ったやり方を打ち建てたらいかがかというようなことも考えられるのでございますが、現在までの方針といたしましては、報告せられた資料が必ずしも真実ではないものがあるということを考えまして、たとえば定額貯金の満期になりました払い済み証書につきましては、地方貯金局からの資料をあらかじめ取りまして、その調査資料に基きまして、その局へ臨んでその帳簿を調べる、つまり初めから少し疑わしいという前提のもとに立った調査の仕方もする、こういうようなことも加味いたしまして、なるべく早期に発見する。表面上の正しい符合された資料では不十分であるというような観点に立ちまして、考査をするというふうに方針を立てている次第でございます。  また今年度におきましては、新たに設置、増員いたしました郵政監察官補で、特に特定局方面に、重点的に考査をするということで方針を立てておるのでございまして、監察官補がすでに数件にわたりまして、被疑事実というようなものも発見いたしておるのでございます。さような意味合いにおきまして、従来はとかく資料が十分整っておるということだけで犯罪が発見せられなかったということを極力避けまして、深く掘り下げて考査をするというようないき方になってきておる次第でございます。
  61. 松岡平市

    ○松岡平市君 ちょっと一つ聞きます。批難事項の千九百六十六、熊本郵政局ですが、この検査院の方では年額三万円で足りる、乗合自動車に託送を頼めば年額三万円でいい、それを六十二万一千四百八十円で鹿児島商船株式会社に請け負わせている。これは同じ不正不当という事項のうちでもちょっと了解に苦しむ。批難されておるところめものを読むと、同区間の積載郵袋数は平均わずか二個である、これは三十年度。その前はこれが十個も二十個もあったのか。平均二個であるという事実があるのに、そしてこれを乗合自動車に頼めば年額三万円で済む。それを六十何万円の請負にするということは、これは常識でないのです。常識でありません。ほかのいろいろ常識の契約をして、それが不正であったとか、あるいは不当であったとかというのとは少し距離が違うのですこの事犯は。この事犯は違います。これは一体どういうことでこういうことをしたのか、熊本郵政局のこういう不正契約をしたことについての経緯、こういうものに対して、こういうことをしたことについてどういう責任を追及されておるのか、これは当然ここにおいでになるまでに、件数も少いのだから十分お調べになっていると思う。これは一つここで説明していただきたい。
  62. 板野學

    政府委員(板野學君) お答えいたします。種ケ島局と国上局間の郵便物運送につきましては、積載郵袋数はただいま先生がおっしゃいましたように、平常は非常に少いのでございます。従いまして、従来から乗合自動車の託送に切りかえるように慎重検討中でございましたが、国上局におきましては、船便が到着いたしました翌日は、どうしても配達物数が多くなるわけでございます。従いまして、集配の時間が延伸をいたしまして、市街の取り集め便は、そのようなときには当日の上り便に不結束になる、どうしても船が到着すれば物が多くなるものですから不結束になる。従いまして、郵便サービスの低下を来たすことになりまするので、乗合自動車会社側とバスの時間を何とか繰り下げて、そのようなときに積んでもらいたいというような折衝を従来ともやっておったのでございまするが、土地の状況等からいたしまして、バス会社の方でなかなか時間の点につきまして承諾しない。このようなことで、やむを得ずまあ専用自動車によって運送いたしておった次第でございまするが、ただいまの会計検査院等の指摘もありましたので、特に船便が着きまして物の多いときには、専用自動車によって臨時便を仕立てる。こういうようなことに変更いたしまして、乗合バスに積んで節約する。こういうふうにいたした次第でございます。
  63. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうすると、まあこの批難事項会計検査院の方が少し無理だということになりますね、あなたのお話を聞いておると。これは乗合自動車があってもなくても、円滑な郵便業務をやられるために何も五十九万円、全体の上から五十九万円も多い契約しなければならぬわけでない。この批難を見てみると、三万円で済むものを六十二万円という契約をしたから、私たちはそう思うんだが、あなたの話を聞くというと、船が着くときに乗合自動車が出ないから、それじゃ円滑な逓送ができないんだ、こういう御説明、少くともそういう御説明であることだけは間違いない、そうすると、こういう批難をあなた方が熊本郵政局であろうが、郵政省であろうが、会計検査院から先ほどおしかりを受けることは毛頭なかったであろう。あなたの御説明通りであるならば、私はこれからあらためて会計検査院にその見解を聞かなければならないが、あとであなたの方でもお話があったから——船が着いたたびに専用の契約をすることに改めた、こういうふうにお話になるので、それにいたしましても五十九万円助かるんだという会計検査院批難というものは当らない、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  64. 板野學

    政府委員(板野學君) どうも私の説明が不十分でございまして、まことに申しわけないと思いますが、会計検査院指摘されました事項につきましては、私どもももっともだというふうに考えております。ただ、今まで会社側との時間の繰り下げの折衝がまあ私どもの力が足らずにうまくいかなかった、これは会社側ともいろいろ折衝いたしまして、物の少いときには、二個くらいのときにはこれはバスに積みましても、これは別に支障もございませんので、バスに積んでやっていこう、従いまして、物の多いときには、バスに積み切れないような場合には臨時便を仕立てやる、こういう工合に今後改めるということでございます。どうも説明不十分でございまして、失礼いたしました。
  65. 松岡平市

    ○松岡平市君 一つ会計検査院にこの点につきまして、私が質問したことと郵政省の答弁、今の船の着く——これはどういうときにどう着くのか、それと乗合バスとの時間の関係ということが説明の要点になっているようですけれども、そういう点も十分お調べになってこういう批難をされたと思うんですが、その辺のところをもう少し納得のいくように御説明を願いたい。
  66. 保岡豊

    説明員保岡豊君) 時間も調べました。しかしその二個というのは平均、年間のちょうど平均でございます。それですから、普通平均でこういうものはみんな計画するものでございます。あるときにそれをこす場合があります、そういうこす場合には少しバスの出発時刻に間に合いかねるということもあるかもしれませんけれども、そういうことは私の方も一応相手方の方に照会をいたしまして、変えることができるというものだけをここの批難にあげておるわけでございます。この逓送の問題はみんなそうでございます。相手方でそういうふうに変えたというものだけにしぼってございます。そういうわけで、あいるは非常に多かった場合にはバスのあれに間に合わない、それだからバスの方に特別に頼んで時間の変更をしたということもあり得ると思います。
  67. 松岡平市

    ○松岡平市君 よろしゅうございますか、郵務局長。私がいろいろもう言わんでもいいけれども、少し飛び離れておる。これはさらに言えば、あなたの方の不当あいるは不正とやられているものを、あるいは建設、農林いろいろやりましたが、そこの中では少くとも一応注意はしてみましたけれども、担当者が非常に不都合であったとか、いろいろいかぬことはいかぬけれどもやむを得なかったと、やむを得ないと言っては悪いけれども、それより以上追及できない事案が大部分である。ところが、郵政省のこの批難されている事項というものは、少し気をつけられれば初めからこういうものは起らぬ事故というばかりです。まじめに、国民の血税で仕事をしているのだということで気をつけられれば、批難事項をお読みになればわかるが、これは少し気をつけられて、まじめにやられれば起ってこない事故ばかりです。こういう特異性を持っている。特に今私が申し上げたものは、額においては五十何万円の損失にすぎないけれども、これはちゃんとやられれば、毎日二個だ、そうして乗合バスもあるのだ、それをちゃんとやれば三万円ですむのだ。それを六十何万円でやるということは、郵政局長を処分しなければならない。こういうことは不まじめですよ。そして、聞いてみると、バスの時間云々とおっしゃるけれども、今会計検査院の話を聞けば、それはそういうことだけでもまじめに、不必要な国費を支弁しないで済むようにしようということになれば、これはもう少し注意されなければいけませんよ。これはあまりに歴然としていますから申し上げる。さらに答弁は要りませんけれども、この次ここでこういう趣旨の批難をお受けにならないように、隷下全般にもう少し注意をしていただきたい、それだけ御注意申し上げておきます。
  68. 板野學

    政府委員(板野學君) 御指摘の点につきましては、十分今後注意いたしまして、今後この種の事件の起きないように気をつけるつもりでございます。
  69. 相澤重明

    ○相澤重明君 不正行為の項の千九百六十九号から千九百九十二号までの、「職員不正行為により国に損害を与えたもの、」その中で特定郵便局長の事故になっておるものがかなり見えますね。私のお尋ねしたいのは、特定郵便局長は、郵政事業に対する経歴を持っておった人が特定郵便局長になって、この不正をやった人が多いのか、それとも、いわゆるあまり郵政事業についてはよく知らない、ただこの特定郵便局というものを作って、そこの局長に任命されたということで、まあこの程度のことはやってもわからんだろうというような形でこの事故が起きておるのか、その内容について、どういうふうになっておったか、ちょっと御答弁をいただきたいと思うのです。
  70. 荒巻伊勢雄

    政府委員荒巻伊勢雄君) 三十年度の御指摘の事件につきましては、四件のものがここに掲げられてございます。このうち、部内者から特定局長になりました者が三名、部外者から特定局長になりました者が一名、こういうふうに相なっております。
  71. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、この特定郵便局長のこうした事故について、一体郵政省としては今後どういう対策をもって事故をなくするという考え方がありますか。
  72. 荒巻伊勢雄

    政府委員荒巻伊勢雄君) 特定局長犯罪につきましては、先ほど申し上げましたような監察官補による重点的な考査、事前調査、資料の準備、こういうようなことでさらに深い考査をする、こういう行き方が一つございます。なお、特定郵便局長につきましては、毎年一回特定郵便局長会議というようなものもありまして、郵政局長主宰のもとに、各種の事務を指示いたすのでありますが、さような機会にも防犯思想を徹底するということでいかなければならないと存じます。また、特定局業務推進連絡会議というものもありまして、さらに部会組織というようなものもございまするので、相互によく十分に注意するようなふうにこの防犯思想を徹底する、こういう行き方も必要だと存じます。また犯罪の傾向等を十分に調べまして、ことに定額貯金の証書と実際の報告とを変えて、長期間にわたる横領をするというような事件が非常に多うございますので、定額貯金関係の事故につきましては、さらによく注意をして考査をすると、こういうようなことで、極力特定局長、管理者個人の非違、不正行為というものは防ぐということが進んで参りたいと存じます。
  73. 相澤重明

    ○相澤重明君 今あなたの説明を聞いておると、業務の連絡会議とか、あいるは局長会議とか、あいるは施設の問題とか、内容監察というようなことが大体のお話になっておるようですが、特定局長のいわゆる業務量に対する報酬、あいるは借り受けに対するところのいわゆる貸借関係、こういうようなものがあまり適正でない。従って、安い人件費とか、あいるは安い施設借り上げ金といいますか、そういうようなものによって、つい人を使っておるためによけいに金を出したとか、あるいはまた安いために足りないからその方のつまみ食いをしたとか、こういうようなことはなかったですか。
  74. 荒巻伊勢雄

    政府委員荒巻伊勢雄君) 特定局長不正行為のもととなっております原因というようなことを調べてみますると、貧困ということではございません。すなわち、俸給が足りないとか、そのほか収入不足しておるということではないように思われます。でき心、あいるはそのほか目前のいろいろな不当な欲望のためにかようなことに相なっておるのではないだろうかというようなふうに私どもは見ておる次第であります。
  75. 相澤重明

    ○相澤重明君 ほかに、実はお尋ねしたいのは、郵便のポストの配置等の問題も実はお尋ねをしたいわけです。あいるはまた、電電公社については、電話機の設置等の問題についてもお尋ねをしたいわけですが、きょうはあまり時間がないので、三十一年度の中で少しやりたいと思うのですが、たった一つだけ例をあげてお尋ねをしておきたいと思うのですが、たとえば神奈川県の高座郡に大和という所がある。そこの共済病院に多くの結核患者が収容されておるわけでありますが、そういうところでは、部外に郵便を出しにいくといっても、これはなかなか大へんです。けれども、なかなかそういう点について郵政省としては、部内にポストを設置してもらいたいという強い要請があるけれども、言を左右にしておってなかなかやってくれぬと、こういうことを私ども陳情を受けておる。これについては、きょうはまあそう深く突っ込んで言いませんが、もしそういう態度をとっておるとすると、これはけしからぬと思う。郵政省がいわゆる病院等に対するところの態度というものを根本的に私どもは考えていかなければならぬと思うのですが、一体そういう基準等についてどうなっておるかということだけを簡単に私はお答を願いたいと思う。いずれこれは私もたくさんそういう事例について申し上げる機会もあると思うのでありますが、できるだけ改善をされて、サービスを向上さしておるということは聞いておるのですが、そういうとにかくあまり文句を言えない、外へも出ることができないというような病院等について特段の考慮があってしかるべきだと思うのですが、そういう点についてはどのようになっておるか、一つお尋ねをしておきたいと思うのです。
  76. 板野學

    政府委員(板野學君) お答いいたします。ポストの配置基準は、ただいまのところ、市内はポストの間の距離が二百五十メートル以上、享便戸数が二百戸以上、それから市外につきましては、ポストの間の距離が四百メートル以上、享便戸数が二百戸以上、このような一応の基準がございまするが、なお非常に利用数の多いところは、この基準外でも作っておる状況でございます。ただいまのところ毎年約二千個ほど全国では設置いたしております。大体全国では、この標準に従いましても一万個不足だということになっておりまするので、これを当初五カ年計画で解消いたしたいというように考えておりましたが、いわいろ要望もございまするので、このポストの配置基準につきましても、なるべく緩和措置をいたしたい、またポストの増置の数につきましても、五カ年というよりも、この二、三カ年のうちに何とかこれを処理いたしたいというふうに考えまして、ただいま御指摘のございました病院その他の非常にまあ不便なところには、なるべく優先的に早く措置をいたしたい、このように考えております。
  77. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 今、相澤委員から病院のお話が出ましたので、そのことに関連をして一つお尋ねしたい。郵便物の配達をしなさる人々、これは全国で四万人もおられる。私どもは実はこれらの人々に対して日ごろ非常に感謝と実は誠意を心から表しておるわけです。そこでこういうような、まあ過労になりがちだと思うのです。そういうような人々の羅病率はどのぐらいあるものか。
  78. 西村尚治

    政府委員(西村尚治君) 今手元に詳細な資料を持ち合せておりませんので、後刻ととのえまして、先生のお手元にお届けいたしたいと思います。
  79. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこで、一体ああいうなかなかえらい仕事ですが、この志願者というものは果してたくさんあるかどうか、その点はいかがですか。
  80. 西村尚治

    政府委員(西村尚治君) 志願者といたしましては、公務員の四級職試験という、一般の局員になりますのに四級職試験、三級職試験を受けなければならないわけでございます。それが正式な一応ルートになっておるわけでございますが、この試験は人事院の方から委託を受けまして、各郵政局で年に一回ずつ実施しております。それに対する希望者の率は、私前に大阪におりましたので、その経験から見ますと、大阪などでは志願者は採用人員に対して二十倍ぐらいになっている、非常にむしろ競争率は激しいというのが実情でございます。
  81. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこで、それらの人々の教育訓練はどこでやっておられるのですか。
  82. 西村尚治

    政府委員(西村尚治君) これは各郵政局管内にそれぞれ郵政研修所というのがございまして、四級職なり三級職の合格決定者に対しまして、四月一日から一年間ずつ授業、訓練あるいは特目訓練などを行なって、それからあと職場に配置ということになっております。
  83. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それでそういう配達される人々に対する郵政省としての表彰というような制度があるだろうと思うのですが、そういうようなことは行われておるかどうか。
  84. 西村尚治

    政府委員(西村尚治君) これはございます。それぞれ郵便業務従業員、あるいは貯金保険共通部門の従業員に対しまして、毎年大臣なり郵政局長なりの表彰を実施いたしております。と同時に特にその中で優秀な者につきましては、毎年四月二十日が郵政記念日でございますが、そのときに特に選抜して本省に集めまして、中央で最高の栄誉とも私ども見ておるわけでございますが、大臣表彰を行なっております。
  85. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 どうか願わくばこういうような人々に対しては、精神的にも、また形の上におきましても、でき得る限り優遇してあげていただきたいということを実はお願いするわけです。
  86. 松岡平市

    ○松岡平市君 監察局長にお尋ねいたします。三十年度決算で、会計検査院が各種の郵便局の不正事項を五十六件摘発しており、三十一年度には三十件摘発しておるわけですが、あなたの方は七百人の監察官がおって、最近は監察官補もできておるが、会計検査院とは別途にあなたの方もこういう不正不当事項を十分調査しておられる、この会計検査院がこれだけやっているが、三十年度においてあなたの方の監察局でこういう事項をみずから摘発したものの件数、その内容、これを一つこの機会にお聞かせ願っておきます。
  87. 荒巻伊勢雄

    政府委員荒巻伊勢雄君) 三十年度の被犯罪事件はいずれも監察官が発見いたしまして、それぞれの処置を講じたということになっているわけでございます。その場合に、その場で発見するものもございますし、それから申告等によりまして、監察官が行って発見するものもございますし、地方貯金局、保険局等からの事故通達によりまして、調べた上で犯罪ということで発見するものもございますが、原則として監察官が被疑事実を調べまして、所定の刑事上の手続をとる、あるいは行政処分の対象とするというようなふうになっておる次第であります。
  88. 松岡平市

    ○松岡平市君 そうすると、ここで会計検査院批難事項として掲げておるものは、会計検査院が発見して批難したのではなくて、あなたの方の監察局で犯罪事項として摘発したものを、これを会計検査院が並べておるということですか。
  89. 荒巻伊勢雄

    政府委員荒巻伊勢雄君) さようでございます。
  90. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  91. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 速記をつけて。  ほかに御質疑はございませんか。——御質疑はないと認めます。  それでは以上をもちまして、郵政省の部、検査報告批難事項千九百六十四号から千九百九十二号まで、並びに日本電信電話公社の部、検査報告批難事項第二千百七十五号から第二千百八十二号までの質疑は、これをもって終了したものとすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  以上をもって本日の決算に関する審議は終了いたしました。     —————————————
  93. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 次回は明後日やるつもりでございまするが、本日の委員会散会後、委員長理事打合せ会において、協議いたしました結果、なるべく即刻に皆様に連絡を申し上げたいと思います。
  94. 島清

    ○島清君 日本農中金の融資に関連いたしまして、それぞれ関係者においでをいただきまして、そしてもう少し明確にすべきは明確にしなければならないというので、わが党の両理事を通じまして、関係者の方々に参考人としてでも出ていただいて、もう少しはっきりとしていただきたいと私はお願いをしてあったのでありますけれども、委員長の方におかれまして、なかなか私及びわが党の要求通り取り計らいかねておられる事情があるやに承わっておりますが、その間について、委員長の、とりあえずなぜそういうふうに扱いかねておられるのか、その間の事情について御説明を願いたい。
  95. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 私から申し上げますが、御了解願いたいことは、その件につきましては、昨日も委員長理事打合せ会で協議いたしましたが、各会派の理事間において、いまだ意見の一致を見ておりません。従って本日、委員会散会後あらためて打合せ会をいたしまして、そこで意見の調整をはかりたいと考えておりますので、その内容、結論につきましては、この席でまだ申し上げるわけに参らぬと考えます。さように御了承願いたいと思います。
  96. 島清

    ○島清君 それが、お尋ねを申し上げたいと思っておりまする私の要望、並びにそれを支持しておりますわが党の委員各位の要求に対して、委員長が善意で善処されようとするということであれば了承いたしまするが、しかしながら、委員長を持っておられるということで、何かこれが政治的な問題として、それでなるべくならば、これが関係者を来てもらいたくないといったような考え方のもとにおいてのことであるといたしまするならば、委員会の方でもう少し論議をして、さらに論議をした上で委員長理事打合せ会の方におまかせした方がよろしいのではないかと、私はこう思いまするので、委員長の方で一つ適当にとり上げていただいて、審議の進行をはかっていただきたいと、こういうふうに思います。
  97. 高野一夫

    委員長高野一夫君) それぞれ各会派の理事は、それぞれ各会派の各委員の意見をまとめて理事会にお臨みになっているものと考えます。委員一長は善意も悪意もございませんので、できるだけ白紙の状態をもって、両方のすべての意見が円満に調整されることを希望しております。しかしながら、私は私として一つの意見はもちろん持っております。持っておりますけれども、それは現段階においてまだ委員長の意見として申し上げるわけに参らないのでありまして、それは先ほど来申し上げました通りに、理事会において、さらに十分協議した上で、そのあとにおいて次の機会に申し上げたい、お諮りしたい、かように考えるわけであります。
  98. 島清

    ○島清君 もしも、私がお聞きするところによりますというと、大体一つ真相は明らかになったのではないか、そこで農林省やその他農中金の現在の責任者の範囲においてのみ喚問をして聞けば足りるのではないか、こういうようなお考えが前提に立って、各理事間の意見の調整ができてないといたしまするならば、私はこの際一つ明確にして、私が何ゆえにそういう方々においでを願ってもう少し真相をはっきりしなければならないかという理由を申し上げますならば、申し上げるまでもございませんが、日本農工という財産は、その所有者であると見られておる高橋さんは三億七千万円の値打があると、こういうふうに言っておられますが、それには確信があるようで、それは日立の方で大体において手離しをするならば、買い取ってもよろしいというふうに、三億七千万といったようなところが時価相場として出ておるように私は承わっております。ところが三億七千万という評価をされておりますのが、農中金の方においては二億一千五百万の評価しかされておりません。そこでここに一億五千五百万の開きがあるわけでありますが、よしんば農中金の方が評価されておられます二億一千五百万の値打ちしかないにいたしましても、これが農中金の諸君が最初から最後まで合法的にこれが抵当権が設定されて、権利行使ができるということになりまするならば、農中金の方で損をしなければならないという総額は一億三千六百七十万でございます。どうしても一億八千という、いわゆる損失というものは出て参りません。これは数字的にすぐ出てくると思うのでありますが、さらに私たちが非常にけげんに感じますることは、日本農工というのが今もって高橋は自分の物であると、こう主張しておりますが、いつの間にか日本農工は高橋というのが分離されておりまして、そうしてその個人高橋に五千五百万円の金を渡すということが、委員会の資料として提出されるに至りましては、これは非常にこの質問者といたしましても、委員会の権威にかけましても、やはりこれは相当に究明しなければならない問題じゃなかろうかと思います。  さらに私の質問に関連をいたしまして、相馬委員のお尋ねの、一体日本農工に対する融資の承認を与えたのはだれであるかという場合に、氏名をあげて、当時の農林大臣の名前があげられているのであります。その農林大臣にいたしまするならば、委員会の方で自分の名前が出ているのでありますから、あるいはその機会において明確にしたいというふうにお考えであるかもしれませんし、また私たちもその真相をお尋ねしなければならないというふうに考えておるわけでありまして、そういう意味において、関係者の方々においでを願いまして、さらにお名前の出た方々があるいは釈明する、真相を明らかにする機会を持ちたいものだと思っておられるかもしれませんし、またそういう方々の釈明、説明されることによって、われわれの不思議と思っていることが解消されるかもしれません。そういう意味において関係者の方方においでをいただかなければならないと思っているわけであります。高橋さんその他の当時の方々に二回もおいでをいただいているのでありますが、今の日本農工の社長がここにおいでを願わないということは、今までの審議の経過からいたしましても、私は納得のできない筋合いだと、しかも日本農工の社長が、さらに私たちが不思議に思います残余の財産をここで継承されるということになりまするならば、私たちはますますそのわれわれの理解しかねるところを納得するまで、私はやはり関係者から説明を求めなければならないと、こういうふうに考えているわけでございまして、この点について委員長から御回答を求めるということは大へん困難であろうかと思いまするので、わが党の相沢理事が、まあ御承諾をいただくならば、私はこういうような問題を含めていただいて、さらに委員長理事打合せの会で善処していただくということについては、異議はございませんけれども、こういう私が今申し上げておることについて、委員長の方で理解しかねるという点がございまして、さらに理解しかねるというようなお気持のままで委員長理事打合会の方にお臨みになるということでございまするならば、もう少しここで論議をしてみたい、こういうふうに考えます。
  99. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 私から申し上げますが、ただいま島委員が御説明になりましたことは、その通り昨日相澤委員から詳細に時間をかけて御説明がありましたので、今のお話の内容は、一応あなたの意見としてわれわれは伺っております。そこでその意見をもとにいたしまして、また別の意見ももとにいたしまして、協議を進めている段階でございますので、理事会の方におまかせ願いたいと思います。
  100. 松岡平市

    ○松岡平市君 何か先ほど島君の発言で、政治的な含みがあるならば云々というようなことをおっしゃるけれども、そんなものは毛頭ございませんから、誤解のないように。理事会の内容がどういうことであったか知りませんけれども、少くとも私たちの会派に関する限りは、この問題について政治的な含みというようなものは毛頭ないということだけは、理事各位、あるいは委員長も、委員長理事打合会においてて誤解のないように申し上げてもらいたい。
  101. 島清

    ○島清君 私は松岡委員に対して非常に賛成でございます。こういう問題は何ら政治的な考慮なくして、やっぱり決算委員会として究明すべきは究明するようにすべきであるという、こういう私は私自身の職責上から申し上げておるのであって、でありまするので、これは私は松岡委員の個人の意見ではなくして、相なるべくば一つ自民党さんの全体の御意思として、この問題を善処されることを特に希望しておきます。
  102. 松岡平市

    ○松岡平市君 私の個人の意見でございません。私は先ほど足りなかったかもしらぬけれども、私の所属する会派に関する限りは、この問題について政治的な意図というものは毛頭ない。ただ一つ申し上げておきます。ただこれを明らかにするということについては、私たちは時間の許す限り幾らでもおつき合いをいたします。しかしこの参議院の決算委員会で取り上ぐべき問題の範囲というものは、裁判所とは異なりますから、その点については島委員においても十分良識をもって審議を進めていただくように申し上げます。
  103. 島清

    ○島清君 松岡議員は聞き捨てならないところの発言をせられている、良識をもってというのは……。真相を究明するに、あるいは表現の適切じゃない場合もあり得るかもしれないけれども、何よりこっちの方は真相を究明しなければならぬ。そしてはっきりしたところの真相の上に立って結論を出さなければならないというので聞いているのであって、微に入り細にわたってやるということが、裁判的である、決算委員会的でないということはあり得ないと思うのです。私も十分に良識を備えているつもりです。この問題についてどこに私の良識が欠けたところがあるかどうか、具体的な例を上げて示していただきたいと思います。
  104. 松岡平市

    ○松岡平市君 何も私はあなたが良識を欠いているとは一言も発言をしておりませんし、良識をもってこれからやっていただきたいと申し上げているだけである。
  105. 島清

    ○島清君 良識をもってということは、良識がなかったということを意味している。逆の解釈でいえば、今までは良識がなかったということです。
  106. 松岡平市

    ○松岡平市君 これは私はあなたが良識がないとは言わないし、あなたの良識を疑っておらない。今後ますます良識をもってやっていただきたいということを申し上げているだけであります。
  107. 高野一夫

    委員長高野一夫君) この件については先ほど申し上げた通り委員長理事の打合会の協議の段階でございますから、さように御了承いただきたいと思います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時十四分散会