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1958-03-26 第28回国会 参議院 決算委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年三月二十六日(水曜日) 午後一時四十九分開会
—————————————
委員
の異動 本日
委員堀本
宜実君、
手島栄
君、
森田
豊壽
君、
松村秀逸
君及び
井上清一
君辞 任につき、
宮田重文
君、
仲原善一
君、
武藤
常介君、
大谷贇雄君
及び
林屋亀次
郎君を議長において指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
高野
一夫
君
理事
仲原
善一
君 平島 敏夫君 相澤 重明君 大矢 正君
委員
石井 桂君
稲浦
鹿藏
君
大谷
贇雄君
勝俣 稔君 永野 護君 西岡 ハル君
林屋亀次郎
君 増原
恵吉
君 松岡 平市君
宮田
重文
君
武藤
常介君 吉江 勝保君 東 隆君 大倉 精一君 岡 三郎君 島 清君 鈴木 壽君 相馬 助治君
大竹平八郎
君 岩間 正男君
国務大臣
郵 政 大 臣
田中
角榮
君
政府委員
電気通信監理官
松田 英一君
郵政省監察局長
荒巻伊勢雄
君
郵政省郵務局長
板野 學君
郵政省貯金局長
加藤
桂一
君
郵政省簡易保険
局長
大塚 茂君
郵政省経理局長
西村 尚治君
事務局側
常任委員会専門
員 池田
修藏
君
説明員
会計検査院事務
総局
第二
局長
保岡
豊君
会計検査院事務
総局
第五
局長
上村
照昌
君
日本電信電話公
社副
総裁
靱 勉君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
理事
の辞任及び
補欠互選
○
昭和
三十
年度
一般会計歳入歳出決算
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継
続) ○
昭和
三十
年度
特別会計歳入歳出決算
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継
続) ○
昭和
三十
年度
国税収納金整理資金受
払計算書
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継続
) ○
昭和
三十
年度
政府関係機関決算書
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継
続)
—————————————
高野一夫
1
○
委員長
(
高野一夫
君) ただいまから本日の
委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
変更
を御報告申し上げます。三月二十六日付をもって、
堀本
宜實君、
手島栄
君、
森田豊壽
君、
松村秀逸
君が辞任されまして、
宮田重文
君、
仲原善一
君、
武藤
常介君、
大谷贇雄君
が
補欠
選任されました。
—————————————
高野一夫
2
○
委員長
(
高野一夫
君) 次に、
理事
の
補欠互選
を行いたいと存じます。
堀本
宜貴君が
委員
を辞任されましたために、
理事
に欠員を生じております。従来の慣例もございますので、
理事
の
互選
は
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
高野一夫
3
○
委員長
(
高野一夫
君) 御
異議
ないと認めます。
堀本
宜實君の
補欠
として、
仲原善一
君を指名いたします。
—————————————
高野一夫
4
○
委員長
(
高野一夫
君)
昭和
三十
年度
一般会計歳入歳出決算
、
昭和
三十
年度
特別会計歳入歳出決算
、
昭和
三十
年度
国税収納金整理資金受払計算書
、
昭和
三十
年度
政府関係機関決算書
を議題といたします。 本日は
郵政省
の部及び
日本電信電話公社
の部を審議いたします。
郵政省
に関する
検査報告批難事項
は、第一千九百六十四号から第一千九百九十二号までであります。なお、
日本電信電話公社
の
検査報告批難事項
は、第二千百七十五号から第二千百八十二号までであります。 まず
会計検査院
から
概要
の
説明
を願います。
保岡豊
5
○
説明員
(
保岡豊
君)
郵政省
の部だけを申し上げます。
不当事項
の前に、二百三十三ページの
事業損益
について
説明
いたします。
事業損益
につきましては、
昭和
三十
年度
収益総額
が九百九十億でありまして、九億の
利益
を計上しております。これは、前
年度
も六億計上しております。前
年度
と比べまして、
収益
も
業務費
も両方とも
増加
いたしております。
収益
の方では、
切手類代
、後納及び
別納料金
、それから
郵便貯金特別会計
、
簡易生命保険及郵便年金特別会計
、
日本電信電話公社
など他
会計
からの
受け入れ
を
増加
いたしております。
業務費
の方は、
人件費
を四十二億、
物件費
も十五億
増加
しております。
利益金
は、
既往年度
からの
欠損金
がございますので、この減額に充てております。 二百三十四ページに、他
会計
からの
受け入れ
について述べております。
郵政事業特別会計
は、他
会計
の仕事をやっておりますので、それの
経費
を回収いたしますために、
受け入れ
をしております。
収入
の五四%がこの
受け入れ
になっておりまして、これは
経費
と同額を公平に
受け入れ
るのが理想でございますので、これを調べてみますと、
郵便貯金
からは約十六億、これはほかにもありますので、
郵便貯金
だけのそのものではございません。それから
簡易保険及郵便年金
の方からは十億、これは
貯金
の方からは
受け入れ不足
で、
保険
の方からは
受け入れ超過
、こう過
不足
がございます。それを述べておるものであります。
不当事項
に入りまして、千九百六十四号は
お年玉年賀はがき
、これの
購入
に当りまして、五億枚の半数二億三千万枚、これを
印刷局
に注文いたしまして、残りを
民間
の
印刷会社
に注文いたしました。そこで
印刷局
では、この
契約
の直後にその一部を
——
六千五百万枚でありますが、これを
民間
の
会社
に下請に出しております。
民間
に出すくらいならば、
郵政省
が直接
民間
に出した方が有利であったということになるのであります。
郵政省
が
民間
に出している
値段
の方が、
印刷局
が
民間
に出しました
値段
よりも安いものでありますから、こういうことを申しておるわけであります。これは二十九
年度
でも同様の
事態
が起っておりましたのに、三十
年度
も三十一
年度
も引き続いて同じようなことを繰り返しているわけで、
印刷局
の
受注能力
について
事前
によく打ち合せてやるべきであった、こういう
批難
であります。 その次の千九百六十五から、千九百六十八のこの役務、そのうち前の三件は逓送に関するものでございますが、六十五と六十六は
郵便専用自動申請負料
についてであります。この
配車計画
がもう少しよくなれば節約できた、これが全体で十四件、四百五十万円あります。このうち
年間
五十万円以上は節約できたというのが千九百六十五号と六十六号の二件でありまして、六十五号の方は
積載郵袋数
から見て、二トン車でなくても一トン車によって逓送することができたというので、一トン車に変える場合には九十七万円節約できた。それから六十六号は、非常に
郵袋数
が少いので、
乗合自動車
に託送ができる、
乗合自動車
に託送すれば五十九万円節約できた、こういうものであります。 六十七号は
大分
、宮崎両県から
大阪
、兵庫、奈良、和歌山にあてた
小包郵便物
を送るために、
大阪——別府
間の
船便
によっておりました。ところが
国鉄
の
大分——門司——大阪
への
上り便
の
郵便車
を調べてみますと、その
郵便車
の余積が、右の
荷量
に対しまして
十分余積
がありますので、その余積を利用すれば
船便
を
契約
しなくてもよかった、こういうのであります。それで
国鉄
の
郵便車
を利用する場合には、ここに積みかえの要員が
門司
、
大阪
の駅で要る、こういうものを考えまして、約六十万円を見込んだとしても、全体で二百六十万円を節約することができた、こういうものであります。 次の千九百六十八号は
封鉛
を
購入
するに当りまして、
大阪
の
製造業者
から
購入
したのでありますが、一
たん東京
の倉庫に納入させて、これをまたほかの
運送業者
に
大阪郵政局
に荷作り
運送
させた。
大阪郵政局
の分は
大阪
からすぐそのまま行けば簡単に送れますので、何も
東京
まで持って来なくても直接納入させればよかったではないか、こうすれば少くとも五十六万円節減できた、こういうものであります。 その次は、
郵便貯金特別会計
の
説明
をしております。
郵便貯金特別会計
は三十
年度
も八百億の純増を上げておりますが、依然として毎年
欠損
でありまして、三十
年度
も五千一億の
欠損
となっております。それで
欠損金総額
は百九十四億円に達しております。この
郵便貯金
の中には催告によって没入できるいわゆる
睡眠口座
が十億ばかりございます。それから二百四十ページに書いてありますが、
割増金付定額郵便貯金
の
目標額
は初め百億であったものが六十億に減額しております。それなのに
割増金
だけはそのままにして
郵政事業特別会計
に
繰り入れ
られている。これは
割増金
は元来
貯金
の
利子
に相当するものでありますから、
親金
が減ったらこの
繰り入れ
も少くてもよかったのじゃないか、また
利子
に相当するものであるから
繰り入れ
ないでもいいのじゃないか、こういうふうにした方が望ましい、こういうことを言っております。それから
郵便貯金
の
預託高
に対する
収入
の割合は六・一三%で、
資金コスト
は七・一八%で
逆ざや
になっておりますが、
経費率
が好転いたしましたために、前
年度
に比べて
逆ざや
が〇・二八%減少しております。 その次に
簡易生命保険
及び
郵便年金特別会計
について
説明
しております。
簡易生命保険
につきましては、
保険料
を値下げいたしましたので、
保険料
も一件当りは下っておりますが、
保険金額
は前
年度
より
増加
しております。それから
事業費率
は前
年度
に比べ、一・二%減少して、
付加損
も一・五%縮小していますが、本
年度
は
契約準備金
を一度にふやしましたので、五億の
欠損
を計上しております。 次に
不当事項
の
不正行為
でありますが、毎年
郵政省
の
不正行為
は非常に多いのでありまして、二十九
年度
に比べると
増加
しております。三十一
年度
は多少減っておりますが、そう大して減っておりません。ここで五万円以上をとりますと、五十六
事項
ございまして、五千万円
領得
されております。この
大要
は毎年同じようなものでありまして、二百四十二ページに(ア)(イ)(ウ)とありますが、(ア)は
外務員
の
犯罪
であります。
外務員
が集金したものの全部または一部をそのまま取ってしまう、それでまだ集金しないことにしている、こういう件であります。それから(イ)の方は
内務員
、
内務員
がやはり同じようなことをしたり、また
貯金払い戻し金受領証
を偽造するなどの
方法
で
領得
したものであります。(ウ)は、
特定郵便局長
、これは
内務員
と同じような態様によって
領得
したものであります。そこで、五十万円以上をとって見ますと、二百四十三ページから
番号
をふって並べてございますが、これが二十四件、四千五百万円であります。この
番号
をふってあるものを、(ア)の
外務員
、
普通郵便局
と
特定郵便局
に分けまして、
普通郵便局
はこのうち七件ございます。千九百七十一の松戸、千九百七十四の西陣、千九百七十六の鳳、千九百七十七の呉、千九百七十八と千九百七十九の広島駅前、千九百九十の平、こういうふうに七件ございます。これはみな
普通郵便局
の
外務員
の
犯罪
でございます。
特定郵便局
は、この五十万円以上は
外務員
はございません。
内務員
に参りますと、
普通郵便局
は五十万円以上四件ございまして、羽咋、西淀川、宇和島、折尾、この四件でございます。
特定郵便局
は九件ございます。初めの
中野昭和通
、
日本橋横山
町など九件でございまして、この
金額
は一千百万円、それから
特定郵便局長
、これは、このうち四件ございまして、五十万円以上、これが四件ございます。
金額
は一千百万円、それで千九百八十三の
嘉瀬外
三件になっております。 以上まとめてみますと、
普通郵便局
は全体で二十九件ある。そのうち、五十万円以上が十一件、
特定郵便局
は二十七件、うち五十万円以上が十三件、こういうことになっております。それで、こういう
犯罪
は、
犯罪
が起ったというではなくて、この
年度
にこれだけ見つかったということでありますから、ふえたということをすぐには申し上げられないかもしれません。そこで、これらのうちには、
事務処理方法
について正規の
取扱い
が励行されなかったということで、
不正行為
が起ったり、発生したのに、その発見の機会を失ったということが認められるものがありますが、これは十分励行して、そういう
未然防止
をしなくてはならない、こう考えております。 以上で
説明
を終ります。
高野一夫
6
○
委員長
(
高野一夫
君) 次に、
日本電信電話公社
の方につきまして、
会計検査院
の
説明
を求めます。
上村照昌
7
○
説明員
(
上村照昌
君)
日本電信電話公社関係
について御
説明
申し上げます。
昭和
三十
年度
の
検査報告
に掲記しました
事項
は、
不当事項
五件、
不正行為
三件、計八件となっております。
不当事項
のうち、
工事関係
は三件でございまして、
最初
は、二千百七十五号の
工事
の
設計
に当り
関連部門
間の
連絡
を欠いたため不
経済
となったものでありまして、
近畿電気通信局大阪管理部
で
城東分局加入者
新
増設工事
を千六百九十余万円で施行されたものであります。この
工事
は、二十八年八月の
電話局設置計画
に基いて実施せられましたもので、この
計画
には、
極楽橋方面
の三十五
年度
における
加入希望者
を千三百二十四名と見込んでありますが、その
計画
は、二十九年八月
変更
せられ、
城東分局
の一部を
新設予定
の
今里分局
に加え、三十二年十月開局することになり、
今里分局
が完成しますと、
本件工事
で見込みました
加入希望者
千三百二十四名のうち八百三十八名は
今里分局
の
加入区域
となるものでありますから、
本件工事
から除外すべきものでありまして、このように
計画
の
変更
があったのに、
連絡
が不十分のため、旧
計画
によって
工事
を施行せられたため、
当局
の
計算
によりましても、約四百三十万円が不
経済
となっておるものであります。 二千百七十六号は、
工事
の
予定価格積算
の問題でありまして、
東北電気通信局
で
折爪
極超
短波無線中継所道路新設工事
その他
工事
を三千六百万円で請け負わせておられますが、この
予定価格
の
積算
に当って、
道路
に敷く砂利をすべてふもとから
人力
で山に
運搬
するということで
積算
しておられますが、
現場
の
状況等
から見まして、
車両
による
運搬
が可能と考えられますので、これによって
積算
するのが妥当でありまして、
車両運搬
として
積算
しますと、約五百八十万円は安くて済んだものと考えられます。 二千百七十七号は、
契約方法
が適切でなかったため不
経済
となったもので、ありまして、これは、
日本電信電話公社
で
黒石外
八
中継所
の
無線
新
増設工事
を
総額
五千三十余万円で請け争わせておられますが、この
予定価格
の
積算
におきまして、
機材
の
運搬費
をすべて
人力
または馬ぞりで
運搬
するということで算定しておられます。このような
積算
をせられたのは、
運搬道路
がないということと、
積雪期
に入るという点を考えて
積算
されたものでありますが、
機材
を運びます
道路
は、別途
工事
が施行され、
機材
を
運搬
するころにはおおむね完成することになっており、また、
積雪
の点についても、時期から見てそれほど
車両
による
運搬
が不可能とも考えられませんから、
車両
による
運搬
として
積算
することが適当であったと考えられます。かりに、
車両運搬
とし
積算
しないにいたしましても、
車両運搬
と
人力
または馬ぞりによる場合とでは、相当
経費
が違いますので、
工事実施
の結果によって
価格改訂
の
処置
をとることとせられたならば、相当
経費
が節減できたものでありまして、いま、実際
車両運搬
によったものによって
計算
しますと、約三百五十万円が節約できたことになります。 次は、
物件関係
の二件でありまして、いずれも
価格
の問題であります。
最初
の二千七十八号は、
富士通信機製造株式会社
から
H型自動交換機部品
を六千五百万円で
購入
せられたものについてでありますが、この
購入価格
は、
適正原価
を把握することなく、旧
統制額
を
物価変動
によりスライドする
方法
によって決定されておるのであります。そこで、
検査院
で、
年間購入額
が五十万円以上のものについて
所要材料
、
工数等
を
会社
について
調査
の上、
公社
にわける
原価計算基準
を適用して
計算
してみますと、約千百万円が高価となっておるものであります。 次は、二千百七十九号でありまして、これは、二十五ミリメートルほか四種類の
ケーブルリング
千七百十二万余個を一億二千四百六十八万余円で
購入
しておられるものについての、
主要材料
の
予定価格積算
の問題であります。
予定価格
のうち、
材料費
が五〇%余を占めておりますが、この
材料
のうち約五六%を占めている硬
鋼線
の
価格
を経三・二ミリメートルから三・五ミリメートルのものは、
キログラム当たり
百三十円、経四・五ミリメートルのもの百三十二円として
積算
されておりますが、私の方の
調査
の結果によりますと、二・九ミリメートルから三・五ミリメートルのもので八十九円、経四ミリメートルから五ミリメートルのもので九十二円
程度
で、
当局
の
積算
は四十円または四十三円高価となっております。従って適正に
予定価格
を
積算
されたといたしますと、約九百七十万円を節約し得たものと考えられます。 二千百八十号から二千百八十二号は、
職員
の
不正行為
により
公社
に
損害
を与えたものでありまして、二百二十七万余円の現金と、
帳簿価格
にいたしまして五百十六万余円のものの
領得
であります。 なお
最初
の方に
概括記述
として、
一般
の概況のほかに、
資金
について当初の
計画
より相当
資金事情
がよくなっている点、
固定資産
の
経理
におきまして、
資産
を削除した場合の
取扱い
が前
年度
と異なっておるため、前
年度
に比べ
相当除却費
が
増加
している点などを記述しております。以上で
説明
を終ります。
高野一夫
8
○
委員長
(
高野一夫
君) 次に
郵政省
から
概要
の
説明
を願います。
田中角榮
9
○
国務大臣
(
田中角榮
君)
郵政事業特別会計
、
郵便貯金特別会計
及び
簡易生命保険
及び
郵便年金特別会計
の
昭和
三十
年度
決算
の
概要
と、
会計検査院
から御
指摘
のありました
事項
について申し上げます。
郵政事業特別会計
の三十
年度
の
事業損益
についてみますと、
収益総額
は九百九十億二百余万円でありまして、
損失総額
九百八十億三千二百余万円との差額九億七千余万円が当期
利益金
となっております。この
利益金
は、前
年度
と同様、
既往年度
からの
繰り越し欠損金
四十五億八百余万円を減額いたしました。 なお、
郵便貯金特別会計等
他
会計
からの
繰り入れ
について御
指摘
がありましたが、これら繰入額につきましては、なお一そう慎重に検討したい
所存
であります。
郵便貯金特別会計
の三十
年度
の
歳入歳出額
は三百五十億四千九百余万円でありまして、これを
損益計算
上からみますと、
歳入額不足補てん
のための
資金運用部特別会計
からの
受け入れ
五十一億六千余万円が含まれておりますので、前
年度
と同様、
損失
の
繰り越し
として整理いたしました。従がって三十
年度
末における
損失額
の
累計
は百九十四億八千六百余万円であります。
簡易生命保険
及び
郵便年金特別会計
の三十
年度
の
歳入額
九百三十七億六千四百余万円に対し、
歳出額
は三百四十五億三千五百余万円でありまして、
差引歳入超過額
は五百九十二億二千九百余万円となっております。この
歳入超過額
はそれぞれ
積立金
に組み入れましたが、三十
年度
末の
積立金累計額
は二千六百六十八億二千余万円であります。 次に
会計検査院
から御
指摘
の
事項
について申し上げます。不当及び
不正事項
として三十
年度
二十八件の
指摘事項
のありましたことは、
郵政大臣
としてまことに遺憾に存じます。まず、
不当事項
のうち、千九百六十四、
契約処置当
を得なかったため不
経済
な
購入
となっているもの、につきましては、
大蔵省印刷局
の
印刷製造能力
及び
実績等
をも考慮しまして、二億三千余万枚と決定し、
契約
したものでありますが、御
指摘
のような事実がありましたので、今後は
受注能力等
を
十分検討
の上発注するよう
努力
いたします。千九百六十五から千九百六十六の
郵便専用自動車
の
配車計画
が当を得ないものにつきましては、御
指摘
の
通り
でありますので、それぞれ三十一年六月から十二月までに改定実施し、
請負料
の節約をはかりました。千九百六十七の船舶による
郵便物
の
運送
が適当でないものにつきましては、
昭和
三十二年三月改正いたしました。千九百六十八の
封鉛
の
納入場所
の
指定
が適当でなかったため不
経済
となっているものにつきましては、御
指摘
の
通り
でありますので、今後
納入場所
の
指定
につきましては、不
経済
にならないよう
努力
いたします。 次に
職員
の
不正行為
により国に
損害
を与えたもの、としましては、千九百六十九から千九百九十二までの二十四件となっておりますが、この
種犯罪
が跡を絶たないことは、まことに遺憾に存じます。今後は引続き
業務監察
及び
会計監査
を強力に実施するほか、新たに
郵政監察官補
をして事故及び
犯罪
の
防止
上必要な
重点事項
を考査せしめる等極力この
種犯罪
の
事前防止等
に
努力
する
所存
であります。 以上、
決算
の
概要
と
検査報告事項
に対する
当省
の見解の
大要
を申し上げましたが、さらに綱紀の粛正、
経理事務
の
適正化
につきまして、一そう
努力
したいと存じます。
高野一夫
10
○
委員長
(
高野一夫
君) 次に、
日本電信電話公社側
から
概要
の
説明
を願います。
靱勉
11
○
説明員
(靱勉君)
総裁病気欠席
のため、私がかわりまして、
昭和
三十
年度
決算検査報告
に関しまして、
日本電信電話公社
として一言
説明
申し上げたいと存じます。
昭和
三十
年度
当
公社
の
事業収入
は、
電話加入者数
の
増加
によりますと増収と、サービスの
向上改善
に努めましたことが、
経済事情
の好転と相待って、全般的に
利用度
の
増加
をもたらしました結果、前
年度
に比べて若干の
純益増
を上げることができた次第でございます。しかしながら、今後の見通しを大まかに申し上げますと、
財産除却費
、
減価償却費等
が
施設
の取りかえや、
増加
に伴いまして増大して参りますのと、
施設
の
拡張改良
に伴う
電信電話債券利子
の支払いも
増加
してきますので、現在
程度
の
利益率
の維持については、かなり懸念もございますが、今後も一そう
経営
の
改善
と
合理化
に
努力
する
所存
でございます。 本
年度検査報告
で御
指摘
を受けました
事項
は、
不当事項
五件、
不正行為
三件でございまして、これを前
年度
の
不当事項
十八件、
不正行為
八件と比較いたしますと、若干
改善
の跡がうかがわれるのでありますが、今後とも
事業成績
の
向上
について一そうの
努力
をいたしたいと考えます。
建設工事
は、
電信電話拡充
五カ年
計画
の第三
年度
として、
工事計画達成
のため総力をあげて
努力
いたしました結果、
検査報告
に
記載
の
通り
順調な進捗を示し、当初の
計画
を遂行することができた次第でございます。ことに
加入申込み
の
早期開通
につきましては、極力
努力
いたしてきたとろでありまして、三十
年度
末までに、
加入者開通
四十二万名の
計画
に対し、六十二万余名の
実績
を上げることができた次第でございます。これについては、今後も一そう
努力
を傾注いたしまして、国民の期待に沿いたい
所存
でございます。しかしながら、個々の
工事
のやり方なり内容につきましては、
不当事項
で御
指摘
の例のごとく、不手際なものもあることをよく承知しております。今後の
事業経営
の根幹は、この
建設工事
をいかに
経済
的に
計画
し、能率的に実施するかにあると思われますので、今後も
経営
の
重点
をこの点に集中する考えでございます。 今回御
指摘
を受けました
事項
は、
工事設計
に当って部内の
連絡
が不十分であったもの、あるいは
工事現場
の実情を十分把握していなかったもの等でありまして、かかる
事態
を生じたことは、まことに遺憾に存じている次第でありますが、今後はこのような
事例
のないよう
関係者
に厳達し、一そうの
改善
をはかる
所存
でございます。 次に
資材
の
調達管理
及び
運用
についてでありますが、ここ数年来極力
改善
に
努力
して参りました結果、
検査報告
に
記載
の
通り貯蔵品在庫
の減少、
回転率
の
向上等
、
資材業務
については相当成果を上げることができた次第でございます。しかしながら、
通信資材
の
購入価格
につきましては、一部
適正原価
の把握が不十分で、御
指摘
のような
事例
が生じましたことはまことに遺憾とするところでございます。
何分通信資材
は、三万余点に及ぶ多種多様のものがありますので、これらの適正
価格
を適時に的確に把握することは非常に困難な状況であったのでありますが、当
公社
といたしましても、三十年八月
資材
局に原価
調査
課を設けて、専門に
調査
改善
に当らせている次第でございますので、御了承をお願いいたします。 最後に、
不正行為
についてでありますが、このような事故が
職員
の中より起きましたことはまことに申しわけございません。本人に対しましては、懲戒免職、監督者に対しましては、厳重に処分いたしましたとともに、
損害
額の回収につきましても鋭意
努力
中でございます。当
公社
におきましては、内部監査を頻繁に実施いたしますとともに、監督者に対しましても、自治検査を励行するよう指導し、あわせて
防止
策を強化いたしました結果、前
年度
に比してかなり効果を上げ、事故件数も次第に減少してきております。また内部監査制度を強化するために、三十一年五月から従来の
会計監査
、
業務監察
を統合して監査局を設立いたしました等、機構の整備拡充をはかりまして、綱紀の粛正、事故の早期発見と
事前
防止
に
努力
いたしている次第でございまして、今後とも一そうこの面に力を入れて、事故の絶滅をはかっていくつもり下でございます。 はなはだ簡単でございますが、概略を御
説明
申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
高野一夫
12
○
委員長
(
高野一夫
君) 以上をもって
説明
は終りました。御質問のある方は順次御発言を願います。 なお、本件に関しまして、
当局
側から、向って右から
会計検査院
保岡
第二
局長
、
上村
第五
局長
、日本電電
公社
靱副
総裁
、
郵政省
から西村
経理
局長
、
田中
郵政大臣
、
郵政省
荒巻監察
局長
、同じく板野郵務
局長
、同じく加藤
貯金
局長
、同じく大塚簡易
保険
局長
が出席されております。
—————————————
高野一夫
13
○
委員長
(
高野一夫
君) なお、この際
委員
の
変更
がありましたので、報告いたします。ただいま
井上清一
君が辞任されまして、
林屋亀次郎
君が
補欠
選任されました。
—————————————
高野一夫
14
○
委員長
(
高野一夫
君) 順次御発言を願います。
松岡平市
15
○松岡平市君 ごく簡単な事務的なことでありますが、
会計検査院
にお伺いいたします。
批難
事項
千九百六十四、これに三十
年度
の年賀はがきの点について
批難
をしておられます。同時に最後に、「三十一
年度
においても同局では三十二年用
お年玉年賀はがき
五千万枚を前記同様大日本印刷株式
会社
ほか一
会社
に下請けさせたため約百万円が不
経済
となっている。」こういうことを
批難
しておられるが、それは
会計検査院
がこの
事項
を発見して郵政
当局
に御注意になったはずでありますが、それはすでに三十二
年度
のはがきもこういう手配をしたのちに三十
年度
の分についてこういう発見をされたのかどうか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
保岡豊
16
○
説明員
(
保岡豊
君) ただいまおっしゃいますように、私の方で
調査
いたしましたときに、すでに三十一
年度
の分はその段階に入っております。それで同時にここに掲げたわけでございます。
松岡平市
17
○松岡平市君 そうすると、この事案については、もうすでに三十一
年度
の
検査報告
では何ら
批難
しておられない。そうすると、やはり検査の時期はこれと同じだったと思うのでありますが、三十二
年度
においては、もはやそういう
事態
は生じておらぬ。こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
保岡豊
18
○
説明員
(
保岡豊
君) 現在三十三
年度
はやっておりまして、これは私の方で確認はしておりませんけれども、聴取いたしました結果では、三十二
年度
はこういうことになっていない、ということを聞いております。まだ確認はいたしておりません。
松岡平市
19
○松岡平市君 これは重大な事柄であって、
金額
はごくわずかでありますが、こういう
批難
があってもなお是正しておらぬということになれば、またわれわれは
郵政省
の怠慢について質疑をいろいろしなければならぬと思うのですが、三十一
年度
までは続けてこういうことをやっておられた。三十二
年度
においてはどういうふうな措置をとられたかということ、簡単なことでありますけれども、重大なことでありますから、大臣でなくともけっこうですが、担当の
局長
から御
説明
を願いたいと思います。
田中角榮
20
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 三十一
年度
は御承知の
通り
千九百六十四号で
批難
を受けましたので、三十二
年度
は大蔵省の
印刷局
との間にいろいろ調整を行なってやりましたので、
印刷局
から下請けに出されたというような、三十一
年度
の
批難
事項
に該当するような措置はとっておりませんので、円満に行っております。
高野一夫
21
○
委員長
(
高野一夫
君)
田中
郵政大臣
は衆議院の予算
委員会
から出席を要求されておりますので、なるべく
最初
に大臣に対する質疑をお願いいたします。
東隆
22
○東隆君 私は役務に関する
事項
千九百六十五号から六十六号、これに関係をしたものでお伺いをいたしますが、専用自動車の
配車計画
は、私は情実を避けて、そうして十分に
調査
の上に配車の
計画
を立てるべきである、こういう考え方を持つものでありますが、その点ここに現われたものは私は情実が非常にあるだろう、そこからこういうような案件が起きておると思うのです。従ってこの案件は、大臣の前の方の時代でありますが、大臣は非常に浪曲などをやられて人情大臣と、こう言われるそうでありますが、これ以上情実的にやられると大へんなことになるので、そういう点についてどういうふうにお考えになっておるか。 それからさらに、これに似通った事案があると思うのです。ことに私が特に聞きたいのは、
郵政省
関係の役人をしておった者が
会社
を作りまして、そうして自動車の
運送
をやっておる
会社
があるはずであります。日本逓送
会社
というのじゃないかと思いますが、その関係と関連をして実は大臣からお伺いをいたしたい。というのは、この逓送
会社
の所在地はことごとく、非常に
郵便物
の多い地帯で、実は
郵政省
がもし独立採算をするという場合に考えるならば、当然
郵政省
の直営でもってやるべき筋合いのところに
会社
ができている。そのためにこの
会社
が、実のところを申しますと、最近のことはよくわかりませんが、先年私どもが調べたときには、この
会社
が実は
資産
再評価をやり、そうして二割の配当をし、そうして税金も国に納めておる。こういうようなものができ上っておるわけであります。私はここに現われているような案件は、これは実は非常にささいなもので、かえってそういうようなものについて将来は直営にするとか、そういうようなことをやって
経費
を節約するのが、これが当然の
郵政大臣
としての考えでなければならぬ、こういうふうに私は考える。従ってそれに対して、
郵政大臣
は異なった考え方をお持ちかもしれませんが、いろいろな点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
田中角榮
23
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 御
指摘
のありましたような
不当事項
を、少数ではありますが出しましたことにつきましては、先ほど申し上げましたように、はなはだ遺憾の意を表しているわけでありますし、特に将来こういうことのないように、万全の措置をしているわけでございます。おおむねこの種の
契約
に当っては、
郵便物
運送
委託法第三条によりまして、競争入札にすることが原則になっておるわけでございます。これはもう法律になくても、競争入札にし、適正な、最も確実にして低廉な
方法
をとらなければならぬことは言を待たないわけでございます。しかしこの逓送の料金は、御承知の
通り
運輸大臣の認可を受けておるのでありまして、基本原則はきまっておるわけであります。特に、同法第四条第四項の「
運送
料金が法令若しくはこれに基く行政官庁の処分により確定額をもって定められている」場合は、随意
契約
をやってもよろしいということに準拠して、日本逓送その他に請け負わしめておるわけでございます。でありますから、日本逓送その他に請け負わしておるということが、必ずしも不
経済
だというふうには考えられないわけでございます。 これはまあ
一般
論でありますが、具体的なものを申し上げますと、直営にして、逓送
会社
その他に請け負わしめるよりももっと安い場合はもちろん直営にすべきでありますが、御承知の
通り
長い歴史を持っております郵便事業を十分精査をいたしますと、日本逓送その他
民間
会社
に一部逓送を請け負わしめることが、より合理的であり、低廉である、直営ではどうも現在の料金よりも高くつくという根拠に基いて、請負制度を継続いたしておるわけでございます。 今の御質問の中で、二割配当というようなお話もございましたが、どういう
会社
かわかりませんが、日本逓送
会社
は現在一割ちょっとの配当をしておると思いますが、その他のもので、逓送だけをやっておって二割の配当をしておるようなものはないと思います。でありますから、逓送をあわせて請負っておるような
会社
は、ほかの方で上げた
利益
で配当しておるんだと、こういうふうに考えられるわけでございます。私も浪曲などをやるから、どうも随意
契約
論者じゃないかというお話でありますが、これは、公的と私的は全然別でございまして、そういう意思は毛頭持っておりませんことを明らかに申し上げます。
東隆
24
○東隆君 安心をすべきであろうと思うんですが、実は私は、逓送
会社
のことについて、以前
——
二十九年でございましたか、実はお伺いをいたしたわけであります。そのときに、実は
郵政省
の監督権はほとんど及ばないわけであります。商事
会社
には。従って、その中身を非常に疑問を持ちまして調べたときに、たしか二割の配当をしておる、しかも資本の再評価をいたしまして、そして堂々たる
会社
ができ上っておったわけであります。そうして事業報告ですね、
損益計算
書とか、そういうようなものが実は非常に粗末なものなんです。その業務報告書を見ましてね。従って私どもは、もし
東京
近郊というような
郵便物
の非常に多い所においては、これは直覚でもっておやりになった方がいいのではないかと、こういう考え方だった。ところが、それを
会社
がやるというからには、これは十分に
利益
が上るから、そこで
会社
が
経営
をすると、こういうことになっておるんであると、こういう想定のもとに実はその当時お聞きをいたしたわけであります。ところが、案の定そういうような状態である。私は実は一体税金をどれぐらい納めておるのであろうか、こういうことをお聞きをいたしたのでありますが、それはついにわからずじまいになりました。これは
郵政省
としては、
会社
にまで入り込んで調べるわけにも参りませんから、それを詳細に知ることができないと思いますが、しかし、その
会社
を構成しておる者の中に、やはり
郵政省
関係の人が非常にたくさん入っておる、こういうことなんです。問題は。従って、そこから起きてくるところのものは、私は非常にまゆつばものである、こういうふうに考えたわけであります。 それで、その後の経過を実はお聞きいたしたいわけでありますが、先ほど一割そこそこの配当だ、こういうふうに言われましたが、私はそういうふうになってけっこうだろうと思います。しかし、その当時は二割たしかあったはずであります。そこで私は、国営でもしそれをおやりになりまするならば、その出資に対するところの配当、それから、少くとも国家に納めるところの法人税、そういうようなものは、これは必要のない
経費
なんだ。従ってそれだけのものをおやりになるならば、私は十分に
郵政省
の直営でもってやっていいじゃないか、こういう考え方を持つわけであります。この考え方は
郵政省
ばかりでなくて、他のたとえば省営バスの問題等を考えてみましても、非常に
収益
の上るような地帯におけるところは、ことごとく私営バスが繁昌いたしておる。そうして省営バスは、実のところを言うと、もうからない所ばかりやっておる。そうして
国鉄
そのものは案は非常に不便な所にも線を延ばしてやっていかなければならぬ、こういうことになっている。独立採算制を叫んでいる以上、私は
収益
が上る地帯はどんどんやるべきでないかと思う。
収益
の上る地帯をどんどんやって、そうして
収益
の上らない地帯に、つまり赤字になるような地帯にはそちらの方から補給していくということを考えなければ、決して郵政事業のようなものは公平にプールはできない。私はそういうような考え方に立った場合に、なぜ
東京
や、そういうような非常に便利なところだけにこの
会社
ができて、しかも
郵政省
と非常に関係のある人たちによって構成された
会社
ができている。私はその点を
郵政大臣
がどのようにお考えになっているか。これをはっきりお答えを願います。
田中角榮
25
○
国務大臣
(
田中角榮
君) お答えいたします。日本逓送
会社
は、現在の配当は一割二分だそうであります。なぜ日本逓送
会社
がこういうことをやっているのか。一割二分も配当ができる状態であれば直営でやっていいんじゃないかという議論が当然出るわけであります。私も就任すると同時に、この日本逓送というものに感ずきまして、郵政一家というふうに見られては困るし、なぜ一体日逓にだけこういう特殊なものをやらしているんだと、特に御
指摘
がありましたように日逓の幹部はほとんど
郵政省
出身者であります。でありますので、どうも郵政一家としてこういうものが
利益
を壟断しておるんじゃないかと言われやすいので、どうしてだということをただしておったわけでありますが、現在日逓がやっておりますものをそのまま省側で引き継いで直営にする場合は、非常に長い歴史がありますので、相当な問題がある。特に日逓がやっておることを省が現在直営でやることになりますと、どうも赤字を覚悟でやらなければならぬということになるというので、現在日逓を使っておるわけであります。日逓ばかりでなく、別のところでは、またいろいろな
運送
会社
や船舶
会社
や航空
会社
を使っておるわけでありますが、そういう意味で日逓もある意味において
郵政省
の逓送下請けということをやっております。これはなぜこういうふうになったかと申しますと、じゃ日逓と同じようにして入札をやって、ほかでもってやりたい人があったならばやったらいいじゃないかという議論もあると思いますが、
昭和
十七年十二月一日に創立をいたしました当時から、逓信大臣の基本業務命令という命令書を出したわけであります。これはきっと
——
関係法令はよくわかりませんが、
運送
関係命令、または鉄道、船舶
運送
法等による命令だと思いますが、こういう意味でそういう特殊
会社
として逓信大臣が業務命令を出して整備をさせ、下請けをさしておった、こういう事情がございました。その意味で政府は
会社
の事業
計画
、定款の
変更
、役員の任命、
利益金
の処分等の認可、または財産目録や貸借対照表等の関係書類を提出させたり、随時検査をしておったというわけでありますから、これは全く逓信事業が必要やむを得ない措置としての特殊法人という状態でございました。これが戦後
昭和
二十二年六月の末日限りだそうでありますが、基本業務命令を廃止をすると。でありますので、
一般
の専用自動車業者と同一の
取扱い
になった、そのまま今日に及んでおる、こういうことでございます。でありますので、現在ではまあいろいろな問題が考えられますが、ある意味からいうと、大きな弊害はありませんし、弊害というよりも日逓がやる方がより合理的であって、長い歴史で逓送の業績を上げておるので、そういう歴史を尊んだ方がいいのだ、これをすぐ直轄に切りかえるわけにはとうてい不可能だというような事情から、現在もなお日逓をして逓送の業務に従事せしめておるということでありまして、ちょっと考えると、郵政一家として何か壟断しているのじゃないかなというような議論も出るとは思いますが、実際問題はそういう意味で、日逓をして下請をせしめておるというのが実情でございます。
大竹平八郎
26
○
大竹平八郎
君 大臣がお急ぎのようでありますから、特に一言お伺いいたしたいのでありますが、実はNHK、日本放送協会の問題なんでありますが、これはまあ監督のお立場におられるのでありまして、われわれはNHKをかりに聞かなくても御承知の
通り
聴取料は取られておるわけであります。従いまして、NHKに対する国民の関心というものは、非常に大きいのでございます。ところが大臣の御就任の前のことでこれはあるのでありますが、私は死人にむちを打ちたくはございませんが、なくなられた永田清さんが会長になられたわけでありますが、これはまあ新聞紙上でもあなたもすでに御承知の
通り
、例の日新製糖の問題で非常な
会社
並びに株主に迷惑をかけた、ああいう事件があるわけであります。今なお未亡人と
会社
との間に刑事事件が起きている、国民はそういう立場のNHKに対しては、非常な大きな関心を持っておる。しかるにもかかわらず、そういうような大きな事件をあえてなしたような人が、その国民の関心の的である放送協会の会長になったということに対しては、非常な不可解な気持を持っておるわけなんでありますが、これはまあ御就任前のことではあっても、あくまでもこれは
郵政大臣
としての私は責任であろうと思うのでありますが、どうしてこういう方を会長に持っていったか、あるいはまた今後こういう問題について、大臣はいかなる御所見を持っておられるのか、その点をお聞きしたいと思います。
田中角榮
27
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 私の就任前に選任をせられた先会長の問題でございますので、意見を申し上げることはどうかと思いますが、法律に基いては
経営
委員会
が会長を任命するということになっておりまして、政府及び国会の承認を必要としないという法制の建前でございます。しかし永田さんの選任の問題に対して、私は個人的に聞いたことはございますが、いろいろ
経営
委員会
でも持ち回った結果、適当な人に何人か持ち回ったそうでありますが、わしもいやだ、わしもいやだというので、みんな断わられて、最後に永田君ではどうかということで本人の意向を打診してみたら、まあ非常に学者として、また実業者として、放送というようなものに入れば、もう学究としての生活を捨てなければならないのだが、懇望せられれば一つやってみましょうかということで、やむを得ず受諾をせられたというような事情をお聞きしたのであります。私は永田さんの問題は、いろいろ新聞やその他ニュース線上をにぎわしておるようでありますが、こういう人……、新聞やその他でもって言われておりますが、私はまあ就任後、永田さんが死ぬまでNHKの再建問題に対して何回か意見を聞いて、また折衝したりしたことがありますが、私の知る限りにおいては不適当な人だったということは考えておりません。おりませんが、私がNHKの会長に対して言えることは、放送法に的確な欠格
事項
がございますから、そういう欠格事由に適合した人は、
経営
委員会
が任命するにしても、そういうおそれのある人は会長候補から除いてもらいたいという私的な意見を持っておるだけであって、前会長に対しては今申し上げた以外には申し上げられないということが実情でございます。
岩間正男
28
○岩間正男君 ちょっとお伺いしたいのですが、電電
公社
との関係の問題ですが、特に大臣にお聞きしておきたい。お帰りになるようですが、その前に……。これは独立採算制の立場をとっておると思うのですが、この
経営
面につきましてどれだけ独立性を重んずるのか、こういう点で非常にやはり現在の
経理
の中に問題があるのじゃないかと思いますが、この点についてまず所見を伺っておきたい。
田中角榮
29
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 電電
公社
は御承知の
通り
戦後の機構でございますが、
昭和
二十七年でございますか、設立してから五、六年の業績を上げておるわけでありますが、いろいろな企業のある中で、電電
公社
の
公社
形態は非常によろしいということを言われておりますことは御承知の
通り
であります。特に先日答申がございました公共企業体等に関する審議会でも、電電
公社
は現行のままでよろしいと、ただ
経理
関係、財政関係に対してはもっと弾力的な条項を認めて、自由な、また意欲的な企業ができるようにした方がよろしいという答申がございます。私も就任後、電電
公社
に対しては機構は現在のままでよろしいが、ただし財政をその他に対してはもっと弾力的な条項を付与すべきだということで種々折衝をいたしておったわけでございます。でありますから、
昭和
三十三
年度
の予算案には、電電
公社
関係予算の予算総則で、弾力という条項を大幅に認めまして、当該
年度
に生じた剰余金も建設勘定に
繰り入れ
ることができるというふうに、できるだけワクを広げて自主的な運営を強化して参りたいという考えでございます。
岩間正男
30
○岩間正男君 今の何ですか、
資金
の残余金についてどうなっているか、そこのところもう一ぺん……。
田中角榮
31
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 三十三
年度
の予算総則で、当該
年度
に生じた剰余金も翌
年度
でなければ使えないというようなことを廃しまして、当該
年度
中に建設勘定に流用ができるようにというふうに道を開いたわけでございます。
岩間正男
32
○岩間正男君 実は、この
会計検査院
の
指摘
の中で
資金
問題があるわけです。これは三十年の古いことになりますが、その後どういうふうに改正になったか、その点もあわせて伺いたいのですが、この三十
年度
の
計画
を見ますというと、当初の
計画
と非常に狂ってしまう。そうして百九十七億ですか、これらの膨大な剰余金を
資金
計画
の中に残してしまった、それがまあ今のやり方では
公社
法との関係もあって、これを預託しなくちゃならない、そういうことで、しかも政府に預託した金利は非常に安い。しかも一方においては、これは電電
公社
の公債を募集しておる。さらに受益者の負担というような場合を見ましても、これはまあ大体六分、公債の場合は七分七厘の
利子
を払っておると思うのですが、加入者の引き受けの場合は六分九厘、こういう見当になっている。ところが預託ではこれは三分足らずということになるので、その利ざやだけでもこれの
計算
によるというと、四億くらいの
欠損
を、これを見込んでいる、そういうような
経理
ですね。これはまあ独立採算制の点から見るというと、非常にやっぱり問題があるのじゃないか。つまり政府との関係を、これは
国鉄
の場合もそうでありますが、見てみますると、都合のいいところは
公社
になっている、都合の悪いところはやはり政府がこれを支配するというような格好で、非常に干渉が強い、こういう形は免れないと思う。こういう面からいえば、独立採算制というような体制をとるのなら、それをほんとうに貫いて、
公社
法にもし問題があるとすれば、
公社
法そのものを私は改正しなくちゃならない、そういうような問題が含まれているのじゃないかと思うのですが、こういう点についてどうですか。
田中角榮
33
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 御承知の
通り
、当該
年度
の剰余金はそのまま国庫に預託しなければならない。三十億までは
利子
を付さない、三十億以上であっても日歩八厘しかつかない。それで高い社債を募集しておるということであります。社債ではなく、高い
公社
公債を買ってもらっておるということでありますから、非常に不合理であるということは私も認めております。でありますから、今
年度
はわずかでございますが、新しく財政投融資の中で還付の
資金
及び
資金
運用
部
資金
をもって幾らか財政的にまかなおうということでありますし、三十二
年度
の
繰り越し
分も還付をもってまかなおう、しかもそれは七分以下でまかなおうというふうに、できるだけ
努力
はいたしておるわけであります。ただ根本的な議論としては、
公社
としてもっと弾力条項を発動すべきであるということは私も同感でございます。でありまするので、三十三
年度
は先ほども申し上げましたように、弾力条項を発動できるように予算総則で明確にしたわけでございますが、実際問題を申し上げますと、今
年度
までは少し剰余金がございましたが、これからはなかなか剰余金が出てこない、今までのように大幅には出てこないという実情であるようであります。それは第一次五カ年
計画
が戦災地の復興という意味で非常に
経済
的に有利な立場にあったものの復興でありましたから、状態はよかったのでありますが、今
年度
からの第二次五カ年
計画
では農村電話、山村電話、漁村電話、また公衆電話というようなものにも非常な
重点
をおいておりますので、第二次五カ年
計画
の初
年度
七百五十億では相当まあ裸になったという姿で、含みも非常に少くなったということで、第二次五カ年
計画
の第二年次、第三年次くらいになりますと、自己
資金
というものも現在のようには考えられない。というよりも、一歩進めて相当大幅な財政
資金
に頼らなければならないというような状態でございます。おおむね第二次五カ年
計画
の
総額
は四千百億でございますし、財政
資金
によらなければならないものはおおむね千五百億と見ておるわけであります。千五百億を、幾ら公募をして幾ら財政
資金
に頼るかという問題でございますが、最低に見ても財政
資金
が五百億ないし六百億は投入しなければならないという状況でございますので、今までのように百億も百五十億も預託をしておくというようなことは、ほとんどなくなるということでございます。 いずれにしましても、三十億も五十億も預託をしておいて、高い利息を払いながら利息をもらえないというような不合理は是正しなければならないという考えでございます。しかし、この問題に対して、大蔵省
当局
はどうせ金を貸せるんだし、しかも長い間預託をしておくわけではないので、これはちょうど事業家が当座預金をしておきますと、事業として直ちに引き出す金だから利息をつけないのだ、その原則に基いてまあ三十億という限度をきめておるわけでありますが、まあ三十億の限度が当座預金の限度かどうかということも問題でございますので、これらは先ほど申し上げました
通り
、答申案の線に沿ってもっと
合理化
しなければならないという点でございます。
岩間正男
34
○岩間正男君 まあ不合理は認めておられるので、それについての改正を意図しておられるようですが、そうすると、
公社
法に対して一つの制限がある。こういう問題、預託の問題についての制限条項のようなものを緩和する、こういうような
努力
を一応されようというふうに考えておられますか。
田中角榮
35
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 大蔵
当局
とこの問題に対しては折衝を続けております。
岩間正男
36
○岩間正男君 これは、
公社
の独立採算制の問題を貫く政府の態度を明確にするということが、私は非常に重要ではないかと思う。これは
国鉄
にも起っている問題ですが、依然として何というか、あいまいな態度が実は続いておるわけです。先ほど申しましたように、
公社
の都合のいいときには
公社
でやる、こういうことではほんとうに何も守れない。それから金を貸せるのだから、それでまあ幾分安いので預託してもいいのではないか、こういうことになると、結局これは
経営
の方にかぶされてくるだろうと思います。今
年度
の予算の状態をちょっと見たが、昨
年度
よりも
利子
及び債務
取扱い
費というのがふえておるわけです。こういうことが当然
公社
の
経営
を圧迫している。今労働者なんかの方でも要求をされておるわけです。それで二千円、三千円という賃上げの要求がされている。これに対して、ゼロ回答しかし得ない。それもなぜかというと、結局は
公社
の
経営
が苦しい、そういうような
資金
源がないのだということで、これが一つの問題にされてくると思う。従って、私はこの
公社
の
経営
そのものをもっともっと明確に独立採算の線を守っていく。そうして政府とのあいまいなこの線をはっきり切っていくということが非常に重要だと思いますが、その点について、ことに労働者の要求との関連において、今までの不合理な運営をどうするかという点について、最後に御意見を述べていただきたい。
田中角榮
37
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 非常に重要な問題でありますし、将来にわたる問題でありますから、私から今の段階における考えを述べてみたいと思います。 電電
公社
も
国鉄
も、戦後
公社
になったものは独立採算制を進めて
民間
企業に移行した方がよいだろうというような意見も相当強くありますが、御承知の
通り
事業が事業であり、独立的な国家事業でございますので、現在は
公社
として政府関係機関の形態を保っているわけであります。法律に基く政府関係機関でありますから、当然財政その他の問題に対しても法律的な制約を受けるというわけでございます。でありますから、法律に準拠する
公社
であっても、もっと弾力条項を発動して、もっと企業意欲を十分発揮できるようにしなければならないという段階でございます。今は。でありますが、これを進めて完全な独立採算制でやれるかどうかということになると、なかなか問題があります。でありますので、この間梶井
総裁
が、政府が財政
資金
を出さなければ、一つ外国から借りようというので、私も相談にあずかって、外資の導入ということも考えたのでありますが、これは第二次五カ年
計画
では、電電
公社
はベイ・ラインに乗って、
民間
企業であれば当然配当もできる優秀な内容だと思います。少くとも現在の状態において含み
資産
も少くなり、裸に近いものになったとは言いながら、
国鉄
ほどではない。
資産
内容はまだまだいいのであります。でありますから、現在は独立採算にしてもいいのでありますが、これが法律に基いて全国あまねくサービスを開始しなければならない、こういうことになりますと、今までのような状態にはいかないのです。だからこれから五年目にどうなるかということを今盛んに研究しておるのですが、五年後くらいはいいのですが、その後に第三次五カ年
計画
をするようになってきますと、いわゆる公益事業、こういう色彩が非常に強く出て参りまして、北海道でも、山の中でも全部電話を架設するというときになると、今度はちょうど今の郵便現業のような状態で、ある場合によっては赤字が出る。赤字が出ても当然やらなければならない事業であります。でありますから、そのときのことを考えますと、やはり政府がなるべく要らざる統制や要らざる干渉は極力廃除しつつ、企業意欲を盛り上げていきながらも、
公社
の持つ使命性格というものを十分考えて、やはり形態は
公社
形態を続ける方がよいのではないかと現在のところは考えておるのであります。で、将来の見通しやその他も十分考慮しながらもできるだけ官業のマイナスを廃除して、
公社
としてのよさを発揮できるように法律改正をしなければならない、こういう考えを持っておるわけでございます。 でありますので、今度は法律改正を大幅にできなかったのは、答申案が予算編成のもう寸前に出ましたので、答申に沿って抜本的な改正はできなかった次第でありますが、やはり三十四
年度
の予算案等を編成するまでには、
公社
の行き方、特に財政的な面に対する問題に対してはもう一ぺん検討して、より合理的なものにしなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
高野一夫
38
○
委員長
(
高野一夫
君) 大臣は三時ごろお帰りになる予定でありますが、まだその他にありますか。
岩間正男
39
○岩間正男君 弾力条項で融通できる額は、そういうワクがあるのですか。あればそれはどのくらいですか。その点を聞かして下さい。
田中角榮
40
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 今
年度
の予算は七百五十億でございます。七百五十億でございますが、実際の
収入
が予定よりも上って八百億まで上るような場合はどうするかという御質問だと思いますが、五十億の剰余金が出た場合には、当該
年度
の建設費に回しまして、八百億の事業を進めよう、こういう考えであります。でありまするが、公募債や借入金等をやろうとした場合にワクがありますので、このワク以上には公募は行えないのでありますので、電電
公社
の
収入
金がふえた場合には、このまま当該
年度
の建設勘定に振りかえて事業を拡大していきたい、こういう考えであります。
東隆
41
○東隆君 先ほどの点、しり切れとんぼになりましたが、お伺いしますが、逓送関係は歴史があるのだ、こういうお話で、この
会社
が設立をされたのは
昭和
十七年、その当時は基本命令を出して
会社
を十分監督をしておった、こういうふうにお話しになりました。そうして二十二年にその基本命令を廃止をした。従って普通の商社ということになったわけで、そこでその当時を回想しますと、民営に移管をする等のいろいろな問題が非常に台頭をしておった時分であります。そんなふうな空気でもっておやりになったのじゃないか、こういうふうに考えますが、基本命令を廃止した後において競争入札をするとすれば、競争入札の対象にするとすれば、実は
東京
その他の付近においては独占的に企業をやっておるようになってしまうわけで、そこでこれは始末が悪いことになる、そこで随意
契約
ということになると、これも実は非常に疑問符を打たなければならないことになってくる、そこでどういうふうに監督をされておるか、これは非常に
東京
だけ考えてみましても、国民の総数の一割を占めておると思いますから、郵政事業から見ると、非常に関係の大きいところで、そこの問題でありますから、私は特にどういうふうに監督をされておるか、その点々をお聞きいたしたい。
田中角榮
42
○
国務大臣
(
田中角榮
君) お答えをいたします。日本逓送
会社
というものに対して、当然
民間
会社
と同じようになったんだと、
民間
会社
とは一体どこが違うかということが一つのポイントだと思いますが、これはこういうふうになっております。
昭和
十六年の九月ごろより六大都市の受命業者間において事業統合をやろう、それまでは幾つかの請負
会社
があったわけです。それが十六年九月ごろに事業を統合しようということをやりまして、中央自動車株式
会社
ほか七業者が合同で日本郵便逓送株式
会社
というものを作ったのです。それで
昭和
十七年の末に登記をして、同年の十二万の一日から事業を開始しておるという、こういう歴史を持っておるわけであります。でありますから、この
会社
は
郵政省
の下請をやるということを目標にして作られた、合同で作られた
会社
でありますから、
一般
会社
のように転向しろといってもなかなか転向しにくい。というのは、自動車も約九百両近い特殊な自動車を持っておりまして、現在逓送事業をやっておるわけであります。でありますので、そういう歴史がありますから、業務命令を出して逓送をさしておったんですが、御承知の
通り
戦後はこういうものはなるべくやめようという思想もありましたので、一応そういう思想で
一般
の
会社
と同列に扱うようになったわけであります。その後
昭和
二十四年の十二月に
郵便物
運送
委託法という法律ができまして、この第三条で先ほど申し上げました
通り
、
郵便物
の
運送
等を委託する場合には競争によらなければならぬという原則を定めまして、しかも同法第四条の四項で「その
運送
料金が法令若しくはこれに基く行政官庁の処分により確定額をもって定められている」ものは随意
契約
でよろしい、こういう法的根拠に基きまして、日本逓送
会社
を引き続き郵便逓送に使っておる、こういう状況でございます。でありますが、日本逓送
会社
だけに限っているわけじゃないのでありまして、いろいろな
会社
や機関も同じように利用いたしておるわけであります。
東隆
43
○東隆君 私は、その官でもう少し監督を周到にやる考え方をお持ちになりませんか。実はこれは私は雪どころで新潟からの大臣ですから申しますが、
郵便物
を配達をする者は、いなかの方なんか、ことに雪道なんかの場合には、馬そりなんかでもって重い荷物を運んでいる者もよけてやっているのです。それくらい逓送の何については、非常に国民は何といいますか、敬意を表してやっておるわけです。いいですか、そういうような仕事なんですが、これが大都会になるとそうでもないでしょうけれども、しかし私は信書であるとか非常に大切なものを郵送する、こういうような点から考えてみて、私は専用のものを作るということについて何も反対をするのじゃない、しかしそのものに対して官庁が何ら監督権も発動できないような、そういう形でもってやるべきじゃない。その事業そのものについても周到にやり得るようなことを考えなければならぬ、場合によっては役所が資本を投じて、そうして監督し得るような体制を作るとか、もしそれが普通の
会社
でありますならば、そういうことはできませんけれども、そういうような特殊
会社
をこしらえる、そういうのならば話はわかりますけれども、普通の
会社
にして、そうして
通り
一ぺんの監督をするということになりますると、私は人権もやはり尊重するというような面からいえば、これは相当問題になる点じゃないかと思うのです。ことに非常に大きな部分を占めておるところであればあるほど、私は考えなければならぬ点があるのじゃないか、この点は当時の民営に移すとかそういうような思想のために、簡単に監督権を剥奪されたような形になっている。私はその点を一つ十分に、大臣はいろいろ改革をされておるようでありますから、この機会に改革をする意思があるかどうか、この点を率直に一つお聞かせを願いたい。
田中角榮
44
○
国務大臣
(
田中角榮
君) お答え申し上げます。私も大臣に就任しましたときに、
東京
中を走っておる赤い自動車、あれは皆
郵政省
のものだと思っておりましたら、あれは皆逓送
会社
のものだとわかって、敬礼をして損をしたと思っておるくらいでありまして、この問題には相当私は趣味を持って、突っ込んで研究いたしております。だからこういう問題に対しては、どうしても郵政一家というふうな考え方にもなりますし、事実
郵政省
の先輩がたくさん行っているのですから、運輸大臣の認可を受けている基本料金であっても、料金の範囲内でもって
契約
をするにしても、何らか
方法
はないのかということを研究しておるわけであります。でありますから、事務
当局
にもこれらの問題に対して、将来問題が起きないように何らか立法措置ができるのかというような問題を
調査
せしめております。おりますが、今の状態では、その
郵政省
設置法等でもって、関係機関として法律で規制をするわけにはちょっと参らぬようであります。もう一つは、一面において
公社
でも皆
民間
、民営に移行するようなときに、その事業の大部分が
郵政省
との
契約
に基く事業に携わっておるとしても、これが特殊法人というふうにできるような情勢下にないというふうな問題が二つ目にございますでありますので、現在においては実際は監査はしております。実際監査をしておりますが、何に基いて監査をしておるかというと、事実は
郵政省
の仕事だけしかやっておりませんから、泣く子と地頭には勝てないという意味で、向うからうちの
会計
はこういう状態でございますから、実際高くはございませんということでしょう、相当強い監査をしておるようであります。もう一つは
契約
書に監査ができる。一体、これでやれるのかどうか。適正な
値段
であるかどうかという問題もありますが、
契約
書には相当の条項がうたってございます。でありますので、将来の問題を考えてみても、やはり随意
契約
を行う場合、相当
契約
書に強い条項をうたって、それが適正を期さなければいかぬと、こういう問題が一つございます。もう一つは、ほかの業者が自分もやりたいというような問題に対して、一体どうすればいいのかという問題は、十分一つ納得のいく解決点を出さなければ、今まで歴史があるからというだけで、日本逓送をしてやらしめておるということになりますと、日本逓送がそれでもって何割配当もできるのだということになると、うまいところもあるのだろうということにもなりまするので、そういう問題を十分研究し、立法措置ができないにしても、
契約
書等に明確な規定を設けて、遺憾なきを期すようにと、こういうふうに事務
当局
と私との間で、何らかの一つ、今よりも合理的な適切な手段を考究中でございます。
高野一夫
45
○
委員長
(
高野一夫
君) 皆さんに御了承を願いたいのでございますが、衆議院の予算
委員会
から再三要求がございまするので、大臣は三時十五分に御退席を願いたいと思います。どうぞ、そのおつもりで簡単に御質疑を願いたいと思います。
岡三郎
46
○岡三郎君 回りくどい話はやめて、
郵政省
として、
決算
において例年
指摘
されて、なお
改善
が遂げられていない、こういう
事項
があるのですが、その宿題ですな、例年々々
指摘
され、
決算
上郵政者として特段の措置がとられておるとは見受けられない
事項
、これは一体何だと思いますか。
田中角榮
47
○
国務大臣
(
田中角榮
君) それはどうも、それはきっと
特定郵便局長
の非違行為じゃないですか。
岡三郎
48
○岡三郎君 大体まあ、そういうわけですが、その点がわからぬようじゃ、これは根本的に、ここへ出てくる資格はないと私は思って聞いたのですが、半ば合格しているようですが、この十六ページに、
田中
郵政相はよく読んでもらわなければ困ると思うのですが、ここに三十
年度
の
決算
、私は特別のことを聞こうと思っているわけじゃないのです。
会計検査院
の
指摘
しているところを、政府機関がどれだけまじめに実際にこれをやっておるか。
不正行為
が
郵政省
では、日本のあらゆる官庁のうちで一番多いと書いてある。書いてあるのですよ、ここに。
不正行為
が一番多いと書いてある。「従来から
不正行為
は、
郵政省
の
貯金
、
保険
の関係
職員
にとくに多く見受けられたが、本
年度
においても
郵便貯金
の預入金や
簡易生命保険
保険料
を
領得
するなどの
事例
が依然として多く、」と
指摘
されておる。その一覧表が八ページにある。八ページには、
不正行為
の中では断然
郵政省
がトップにある。これをもって
会計検査院
は、どうして直さないのかというふうに婉曲に言っているのです。「まだ前記のように多数の
不正行為
が発見されているのは誠に遺憾である」とある。本院が毎
年度
の
検査報告
に記述して注意を促しておるが、さらに改まらぬ、出直しなさいというところですね、ほんとうは。
決算
承認まかりならぬというところですよ、これは。今年だけじゃない。毎年
指摘
されているが、毎年直らない。こういうふうにしなさいということを
検査院
が
指摘
しているのですよ。ところが、それが少しも
改善
されていない。監督なんかがよくできていないと書いてある。だから、結果としてだいぶ起ってきているのですが、これも全部検査したとは思わない。その中で一部分検査して、こう出てきていると思うのです。これはどうしますか。
田中角榮
49
○
国務大臣
(
田中角榮
君) きついおしかりでございまして、まことに面目ないわけでございます。私も、先ほど申し上げましたように、これらの問題に対しては、将来国損を来たさないように、十分な
処置
をしなければならないということは、申し上げた
通り
でございます。非常に僅少でありますが、
昭和
二十七年に七十人であったものが二十八年に四十九人、それから二十九年には五十一人、三十年には五十一人、三十一年には三十九人と、人間は減っております。
犯罪
人員は非常に減っているようでありますが、これは逆に言いますと、相当減っておることになっているのです。これは扱う
金額
が倍になっておりますから、そういうことからいうと、相当な
——
戦後二十六、七年まではちょっと問題があったようでありますが、二十九年、三十年ごろからは相当下っております。でありますが、これは私も悪いとは思っておりましたが、一番悪いとは考えておらなかったのであります。ここに相当手きびしく書いてありますが、これは特に考えていただかなければならぬのは、官庁でありますから、国民の血税という立場から考えて、寸毫の損耗もかけてはならないということに対しては、非常にまじめでなければならぬと考えております。しかし、ほかの官庁と比べて、
金額
が多い
——
金額
ではありません、件数が多いというのは、これは非常に違う官庁でありまして、
郵政省
はほとんど金に関係する官庁である。郵便がそうであります。
貯金
がそうであります。
保険
がそうであります。だから、その意味で一番金に関係がある、大蔵省は関係があるようでありますが、金を集めるのは、ほとんどが
郵政省
であります。現在、一兆二千億の
資金
運用
部
資金
のうち六千五百億、七千億は、
郵便貯金
の金でございますし、一兆五千億のこの
契約
金額
で実際の
運用
、四千五百億が簡保の金である。しかも、集めるのは
一般
の窓口、特定局だけでも一万六千局で、その窓口で扱っておる。こういうので、こまかい金を、非常にたくさんの口座を扱っておる。特に振替
貯金
の口座でも五十九万口座もある。
睡眠口座
でも三十万口座もあるというように、非常に扱う
金額
が大きいのと、枚数と窓口が非常に多い。そういうことで、特殊な事情にあるということは、実情は一つお考えいただきたい。実は私は一件でも
不正行為
があってはならないということは、非常に強く考えておりますが、ある意味では、日本の官庁で
郵政省
だけが特別な官庁であるということも、一つ御了解いただきたいと思います。でありますから、私も、この業務
犯罪
というものを何とかなくしようというので、研究した結果でありますが、戦後、
郵政省
設置法の中だけに監察官というものを認めておる。監察官は、現在七百名が定員でございますが、何しろ、二十六万名から三十万名という中で七百名、六百名の監察官では、どうにもならないということでありますが、できれば、これを十名ぐらいにしなければいかぬということで考えて参ったわけでございますが、今
年度
、昨
年度
、両
年度
にわたって、監察官制度を新しく新設いたしまして、わずかばかりではございますが、合計百人、六十名から二百名ぐらい増員したわけであります。そんなことで、
犯罪
事実が全部なくなったとは思いませんが、鋭意、一つ
犯罪
撲滅に
努力
したいと考えます。
岡三郎
50
○岡三郎君 もう時間が……。私は、むずかしいことを言っていないので、大臣が自分で勝手にうんとしゃべり過ぎて時間をとったのだから。一言、まことに申しわけないから、どうするかという次の策を聞きたい。これは千名にしたって、だめですよ。ところが、特別だからといって容赦できない。これは零細な金を集めておるのですから、逆にいえば、この金というものは最も尊い金かもわからない。だから、そういう点でいえば、理屈はつけようだから、私はそういうことは言わぬが、
改善
のあとが見られておるように、今大臣が言われましたが、今度三十一年もそうだった、三十二年、今度またずっと下っていくようならいいが、これはまだわからぬけれども、しかし、実質的に、先のことは別、三十
年度
の
決算
報告によれば、「まだ
改善
の跡がみられない。」と書いてある。その不正額は五千二百四十四万余円に及んでおり、まだ
改善
の跡がみられない。これは怠慢ですよ、こういう
指摘
を受けることは。そう思いませんか、大臣は。怠慢でしょう。まだ
改善
の跡がみられない。
——
大臣は、大臣の就任の当時じゃなくて、過去のことだから、涼しい顔をしておられるが、その周りについておられる
政府委員
はざんきで、ここにほんとうは出て来ては困ると思う。陳謝して、まことに申しわけない。額の問題じゃない、件数が減っておるとか何とか言うけれども、「まだ
改善
の跡がみられない。」というのは、重大な
指摘
ですよ。毎年々々
決算
報告書を読んでおるけれども、そのとき言われておるときだけで、あとはカエルのつらに小便というようなことで、さっぱり
改善
の跡が見られない。これはこういう
指摘
を受けることは、これは情ないと思うのです。大臣じゃなくて回りについておる
政府委員
がこれではだらしがないと思うのです。だから今大臣が一生懸命に官僚
当局
を弁護して三十一件になってきたと言うけれども、三十一件でもたまたま見落しが多くてそういう件数になったのかもしれぬ、全部端から端まで調べておるのじゃないのですから。そういう点で私が大臣にお願いしたいことは、画期的な対策を掲げるならばいい、
改善
の質が上る方策を至急考察して、検討して本院に出してもらいたい。なかなか絶無はできないが、こういうふうにすればいいのじゃないか、それについてここに三カ条ばかり書いてありますよ、ここの処罰のやつを見るというと、実に戒告とか訓告とか何とかいうことばかりやっておる。だめですよ。私はもっと罰を重くして
改善
されるとは思わないけれども、しかし一つの
方法
として、長い間同じような慢性状態になっておるやつは、やっぱり一つショック反応をやってとってもらわなければ困るのです。
改善
になったらそれをまたやめる。あるときは一ぺん原爆方式というものも考えてもらいたい。原爆方式は必ずしもいいとは思いませんよ、一応とにかく何とか監督がうまくいくように、監督の任に当る者が部下を過信するとか、いろいろなことが書いてあるけれども、監督する直属長官は部下が被害を起した場合には、自分も責任をとるのだという態勢が一つの
方法
かもわかりませんが、一つ十分研究して、こういう
指摘
が起らないように一つ
計画
表を出してもらいたい、これだけです。
高野一夫
51
○
委員長
(
高野一夫
君) きわめて簡単に願います。時間がございませんから。
田中角榮
52
○
国務大臣
(
田中角榮
君) ただいまの御質問につきまして、私も常に考えておりますことでありますので、早急に何らかの
方法
を立案したいと考えます。
相澤重明
53
○相澤重明君
郵政大臣
、先ほどの東
委員
の
指摘
をされたこの郵送
会社
ですか、この点については
指摘事項
でもいま少し考えたならば安く上るのじゃないかと、こういう点がありますね、たくさん。それと関連をして、先ほど大臣は最後のお答えは、事務
当局
に命じて研究をしておると、検討、
調査
をしておると、こういうお話でありますが、おそらくその
改善
が私は出ると思うのです。そういう点で、単にきょうの
決算
委員会
で、この際だからお答えをしておくということじゃなくして、やはりこのような
指摘事項
の
損失
が、
会計検査院
から、いま少しく適切な
処置
をとればこういうことがなかったという点を真剣にお考えになって、私は東
委員
の言われたような問題に取っ組んでいただきたい、私どもはできるならば、いろいろな経歴はあるかもしらぬが、もちろんそれをつぶすのじゃないけれども、やはり直営というものも十分考えていいのじゃないか、こういう点もあわせて私は検討することを、大臣の答弁を信じて一つ確認しておきたいと思うのですが、この点どうですか。
田中角榮
54
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 了解いたしました。
高野一夫
55
○
委員長
(
高野一夫
君)
政府委員
に対する御質疑はありませんか。
岡三郎
56
○岡三郎君 この
特定郵便局長
を含めた
不正行為
に対するいろいろな方策を今までとってこられたと思うのですがね、結局
特定郵便局
自体というものの検討が足りないのではないかという気もするのですが、こういう点について
会計検査院
の方として今までこういう
事項
を調べて、相当やはり考えてこういう
指摘
をしておると思うんだが、
検査院
の方として、
郵政省
が従来とってきた中で、これは
改善
のためにこうやったという
努力
のあとをあなた方が認められたという点がありますか。
保岡豊
57
○
説明員
(
保岡豊
君) 監察を担当しておられる監察
局長
とときどき会っておりまして、対策を考えております。で監察
局長
もとにかく一年に必ず一局は回るようにしておる、それはふやしてやっておると、先ほどのお話のように、それから足りないところは
経理
局の監査課の方にも手伝ってもらっておる。ですからまずその回りの密度はふえたと思います。 それからもう一つ先ほど私ちょっと申し上げましたが、実際だんだんに人間が減っても量が多くなるんです。量と
金額
は多くなるんです。これはまだ見つからないのが多いというわけで、私これを非常に心配しております。今年発生して今年つかまったならこれはいいと思いますが、長く今ここに書いてあります二十六年ころからのやつもあります。二十七年、二十八年もありますから、これが三十
年度
まで続いて連綿としてやっておる、これがどうして見つからないのか、こういう点を非常にお考え願いたいということはしょっちゅう申しておりまして、この点もお考えになっているようでありますが、先ほど申しましたように三十一
年度
は数は減りました。減りましたけれども、量と
金額
が多いものですから、やはり四千六百万円というのがあがっております。これは五千二百万円であります。そういうふうにだんだん監察が進みまして、早くつかまるのはふえたけれども、やはり長く続いておるものはやらないというように私は観察しております。その点を今後やっていただきたいと申しております。そういうわけでございます。
岡三郎
58
○岡三郎君 今の
会計検査院
の中で、私が郵政
当局
にお聞きしたいことは、監察官が回っていかぬとわからぬ、こういう点が問題だと思うのですがね、しょっちゅう一緒に職場にいる者が、その人間がなかなかうまくやっていてわからぬという場合もあるが、二年も三年もやって相当の額を上げてきておるということになると、これは職場の内部においてそういうものを早期発見するような手だてを考えたことがあるんですか。同じ職場の中で、これは
特定郵便局
という問題になるかもわからぬがね。
荒巻伊勢雄
59
○
政府委員
(
荒巻伊勢雄
君) お答え申し上げます。当該職場の中におきまして、
事前
によく発見するようにということにつきましては、自治監査という方針によりまして、当該
局長
あるいは管理者が帳簿その他一定の基準に従いましたポイントを常に調べるという建前になっておるんでございます。それから監察官が臨局いたしまして調べるということは、これは徹底的に見るわけでございますが、帳簿の面そのほか関係資料というものが整っています場合に、さらにこれを容疑の事件があるであろうかということを突っ込みますためには、さらに別個の
調査
をいたさなければなりません。すなわち
貯金
局、
保険
支局等への報告いたされました資料と、現実に利用者等が持っておる
貯金
通帳、あるいは
保険
領収証等との照らし合せというような作業も必要でございまして、全部の局につきまして、さような
犯罪
容疑の手段といたしましての
調査
をいたしますことは、非常に事務量といたしてもむずかしいという困難なものがあるという次第でございます。そこで考査というものをすべて摘発という前提のもとに立ったやり方を打ち建てたらいかがかというようなことも考えられるのでございますが、現在までの方針といたしましては、報告せられた資料が必ずしも真実ではないものがあるということを考えまして、たとえば定額
貯金
の満期になりました払い済み証書につきましては、地方
貯金
局からの資料をあらかじめ取りまして、その
調査
資料に基きまして、その局へ臨んでその帳簿を調べる、つまり初めから少し疑わしいという前提のもとに立った
調査
の仕方もする、こういうようなことも加味いたしまして、なるべく早期に発見する。表面上の正しい符合された資料では不十分であるというような観点に立ちまして、考査をするというふうに方針を立てている次第でございます。 また今
年度
におきましては、新たに設置、増員いたしました
郵政監察官補
で、特に特定局方面に、
重点
的に考査をするということで方針を立てておるのでございまして、監察官補がすでに数件にわたりまして、被疑事実というようなものも発見いたしておるのでございます。さような意味合いにおきまして、従来はとかく資料が十分整っておるということだけで
犯罪
が発見せられなかったということを極力避けまして、深く掘り下げて考査をするというようないき方になってきておる次第でございます。
松岡平市
60
○松岡平市君 ちょっと一つ聞きます。
批難
事項
の千九百六十六、熊本郵政局ですが、この
検査院
の方では年額三万円で足りる、
乗合自動車
に託送を頼めば年額三万円でいい、それを六十二万一千四百八十円で鹿児島商船株式
会社
に請け負わせている。これは同じ不正不当という
事項
のうちでもちょっと了解に苦しむ。
批難
されておるところめものを読むと、同区間の
積載郵袋数
は平均わずか二個である、これは三十
年度
。その前はこれが十個も二十個もあったのか。平均二個であるという事実があるのに、そしてこれを
乗合自動車
に頼めば年額三万円で済む。それを六十何万円の請負にするということは、これは常識でないのです。常識でありません。ほかのいろいろ常識の
契約
をして、それが不正であったとか、あるいは不当であったとかというのとは少し距離が違うのですこの事犯は。この事犯は違います。これは一体どういうことでこういうことをしたのか、熊本郵政局のこういう不正
契約
をしたことについての経緯、こういうものに対して、こういうことをしたことについてどういう責任を追及されておるのか、これは当然ここにおいでになるまでに、件数も少いのだから十分お調べになっていると思う。これは一つここで
説明
していただきたい。
板野學
61
○
政府委員
(板野學君) お答えいたします。種ケ島局と国上局間の
郵便物
の
運送
につきましては、
積載郵袋数
はただいま先生がおっしゃいましたように、平常は非常に少いのでございます。従いまして、従来から
乗合自動車
の託送に切りかえるように慎重検討中でございましたが、国上局におきましては、
船便
が到着いたしました翌日は、どうしても配達物数が多くなるわけでございます。従いまして、集配の時間が延伸をいたしまして、市街の取り集め便は、そのようなときには当日の
上り便
に不結束になる、どうしても船が到着すれば物が多くなるものですから不結束になる。従いまして、郵便サービスの低下を来たすことになりまするので、
乗合自動車
会社
側とバスの時間を何とか繰り下げて、そのようなときに積んでもらいたいというような折衝を従来ともやっておったのでございまするが、土地の
状況等
からいたしまして、バス
会社
の方でなかなか時間の点につきまして承諾しない。このようなことで、やむを得ずまあ専用自動車によって
運送
いたしておった次第でございまするが、ただいまの
会計検査院
等の
指摘
もありましたので、特に
船便
が着きまして物の多いときには、専用自動車によって臨時便を仕立てる。こういうようなことに
変更
いたしまして、乗合バスに積んで節約する。こういうふうにいたした次第でございます。
松岡平市
62
○松岡平市君 そうすると、まあこの
批難
事項
は
会計検査院
の方が少し無理だということになりますね、あなたのお話を聞いておると。これは
乗合自動車
があってもなくても、円滑な郵便業務をやられるために何も五十九万円、全体の上から五十九万円も多い
契約
しなければならぬわけでない。この
批難
を見てみると、三万円で済むものを六十二万円という
契約
をしたから、私たちはそう思うんだが、あなたの話を聞くというと、船が着くときに
乗合自動車
が出ないから、それじゃ円滑な逓送ができないんだ、こういう御
説明
、少くともそういう御
説明
であることだけは間違いない、そうすると、こういう
批難
をあなた方が熊本郵政局であろうが、
郵政省
であろうが、
会計検査院
から先ほどおしかりを受けることは毛頭なかったであろう。あなたの御
説明
の
通り
であるならば、私はこれからあらためて
会計検査院
にその見解を聞かなければならないが、あとであなたの方でもお話があったから
——
船が着いたたびに専用の
契約
をすることに改めた、こういうふうにお話になるので、それにいたしましても五十九万円助かるんだという
会計検査院
の
批難
というものは当らない、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
板野學
63
○
政府委員
(板野學君) どうも私の
説明
が不十分でございまして、まことに申しわけないと思いますが、
会計検査院
の
指摘
されました
事項
につきましては、私どもももっともだというふうに考えております。ただ、今まで
会社
側との時間の繰り下げの折衝がまあ私どもの力が足らずにうまくいかなかった、これは
会社
側ともいろいろ折衝いたしまして、物の少いときには、二個くらいのときにはこれはバスに積みましても、これは別に支障もございませんので、バスに積んでやっていこう、従いまして、物の多いときには、バスに積み切れないような場合には臨時便を仕立てやる、こういう工合に今後改めるということでございます。どうも
説明
不十分でございまして、失礼いたしました。
松岡平市
64
○松岡平市君 一つ
会計検査院
にこの点につきまして、私が質問したことと
郵政省
の答弁、今の船の着く
——
これはどういうときにどう着くのか、それと乗合バスとの時間の関係ということが
説明
の要点になっているようですけれども、そういう点も十分お調べになってこういう
批難
をされたと思うんですが、その辺のところをもう少し納得のいくように御
説明
を願いたい。
保岡豊
65
○
説明員
(
保岡豊
君) 時間も調べました。しかしその二個というのは平均、
年間
のちょうど平均でございます。それですから、普通平均でこういうものはみんな
計画
するものでございます。あるときにそれをこす場合があります、そういうこす場合には少しバスの出発時刻に間に合いかねるということもあるかもしれませんけれども、そういうことは私の方も一応相手方の方に照会をいたしまして、変えることができるというものだけをここの
批難
にあげておるわけでございます。この逓送の問題はみんなそうでございます。相手方でそういうふうに変えたというものだけにしぼってございます。そういうわけで、あいるは非常に多かった場合にはバスのあれに間に合わない、それだからバスの方に特別に頼んで時間の
変更
をしたということもあり得ると思います。
松岡平市
66
○松岡平市君 よろしゅうございますか、郵務
局長
。私がいろいろもう言わんでもいいけれども、少し飛び離れておる。これはさらに言えば、あなたの方の不当あいるは不正とやられているものを、あるいは建設、農林いろいろやりましたが、そこの中では少くとも一応注意はしてみましたけれども、担当者が非常に不都合であったとか、いろいろいかぬことはいかぬけれどもやむを得なかったと、やむを得ないと言っては悪いけれども、それより以上追及できない事案が大部分である。ところが、
郵政省
のこの
批難
されている
事項
というものは、少し気をつけられれば初めからこういうものは起らぬ事故というばかりです。まじめに、国民の血税で仕事をしているのだということで気をつけられれば、
批難
事項
をお読みになればわかるが、これは少し気をつけられて、まじめにやられれば起ってこない事故ばかりです。こういう特異性を持っている。特に今私が申し上げたものは、額においては五十何万円の
損失
にすぎないけれども、これはちゃんとやられれば、毎日二個だ、そうして乗合バスもあるのだ、それをちゃんとやれば三万円ですむのだ。それを六十何万円でやるということは、郵政
局長
を処分しなければならない。こういうことは不まじめですよ。そして、聞いてみると、バスの時間云々とおっしゃるけれども、今
会計検査院
の話を聞けば、それはそういうことだけでもまじめに、不必要な国費を支弁しないで済むようにしようということになれば、これはもう少し注意されなければいけませんよ。これはあまりに歴然としていますから申し上げる。さらに答弁は要りませんけれども、この次ここでこういう趣旨の
批難
をお受けにならないように、隷下全般にもう少し注意をしていただきたい、それだけ御注意申し上げておきます。
板野學
67
○
政府委員
(板野學君) 御
指摘
の点につきましては、十分今後注意いたしまして、今後この種の事件の起きないように気をつけるつもりでございます。
相澤重明
68
○相澤重明君
不正行為
の項の千九百六十九号から千九百九十二号までの、「
職員
の
不正行為
により国に
損害
を与えたもの、」その中で
特定郵便局長
の事故になっておるものがかなり見えますね。私のお尋ねしたいのは、
特定郵便局長
は、郵政事業に対する経歴を持っておった人が
特定郵便局長
になって、この不正をやった人が多いのか、それとも、いわゆるあまり郵政事業についてはよく知らない、ただこの
特定郵便局
というものを作って、そこの
局長
に任命されたということで、まあこの
程度
のことはやってもわからんだろうというような形でこの事故が起きておるのか、その内容について、どういうふうになっておったか、ちょっと御答弁をいただきたいと思うのです。
荒巻伊勢雄
69
○
政府委員
(
荒巻伊勢雄
君) 三十
年度
の御
指摘
の事件につきましては、四件のものがここに掲げられてございます。このうち、部内者から特定
局長
になりました者が三名、部外者から特定
局長
になりました者が一名、こういうふうに相なっております。
相澤重明
70
○相澤重明君 そうしますと、この
特定郵便局長
のこうした事故について、一体
郵政省
としては今後どういう対策をもって事故をなくするという考え方がありますか。
荒巻伊勢雄
71
○
政府委員
(
荒巻伊勢雄
君) 特定
局長
の
犯罪
につきましては、先ほど申し上げましたような監察官補による
重点
的な考査、
事前
調査
、資料の準備、こういうようなことでさらに深い考査をする、こういう行き方が一つございます。なお、
特定郵便局長
につきましては、毎年一回
特定郵便局長
会議というようなものもありまして、郵政
局長
主宰のもとに、各種の事務を指示いたすのでありますが、さような機会にも防犯思想を徹底するということでいかなければならないと存じます。また、特定局業務推進
連絡
会議というものもありまして、さらに部会組織というようなものもございまするので、相互によく十分に注意するようなふうにこの防犯思想を徹底する、こういう行き方も必要だと存じます。また
犯罪
の傾向等を十分に調べまして、ことに定額
貯金
の証書と実際の報告とを変えて、長期間にわたる横領をするというような事件が非常に多うございますので、定額
貯金
関係の事故につきましては、さらによく注意をして考査をすると、こういうようなことで、極力特定
局長
、管理者個人の非違、
不正行為
というものは防ぐということが進んで参りたいと存じます。
相澤重明
72
○相澤重明君 今あなたの
説明
を聞いておると、業務の
連絡
会議とか、あいるは
局長
会議とか、あいるは
施設
の問題とか、内容監察というようなことが大体のお話になっておるようですが、特定
局長
のいわゆる業務量に対する報酬、あいるは借り受けに対するところのいわゆる貸借関係、こういうようなものがあまり適正でない。従って、安い
人件費
とか、あいるは安い
施設
借り上げ金といいますか、そういうようなものによって、つい人を使っておるためによけいに金を出したとか、あるいはまた安いために足りないからその方のつまみ食いをしたとか、こういうようなことはなかったですか。
荒巻伊勢雄
73
○
政府委員
(
荒巻伊勢雄
君) 特定
局長
の
不正行為
のもととなっております原因というようなことを調べてみますると、貧困ということではございません。すなわち、俸給が足りないとか、そのほか
収入
が
不足
しておるということではないように思われます。でき心、あいるはそのほか目前のいろいろな不当な欲望のためにかようなことに相なっておるのではないだろうかというようなふうに私どもは見ておる次第であります。
相澤重明
74
○相澤重明君 ほかに、実はお尋ねしたいのは、郵便のポストの配置等の問題も実はお尋ねをしたいわけです。あいるはまた、電電
公社
については、電話機の設置等の問題についてもお尋ねをしたいわけですが、きょうはあまり時間がないので、三十一
年度
の中で少しやりたいと思うのですが、たった一つだけ例をあげてお尋ねをしておきたいと思うのですが、たとえば神奈川県の高座郡に大和という所がある。そこの共済病院に多くの結核患者が収容されておるわけでありますが、そういうところでは、部外に郵便を出しにいくといっても、これはなかなか大へんです。けれども、なかなかそういう点について
郵政省
としては、部内にポストを設置してもらいたいという強い要請があるけれども、言を左右にしておってなかなかやってくれぬと、こういうことを私ども陳情を受けておる。これについては、きょうはまあそう深く突っ込んで言いませんが、もしそういう態度をとっておるとすると、これはけしからぬと思う。
郵政省
がいわゆる病院等に対するところの態度というものを根本的に私どもは考えていかなければならぬと思うのですが、一体そういう基準等についてどうなっておるかということだけを簡単に私はお答を願いたいと思う。いずれこれは私もたくさんそういう
事例
について申し上げる機会もあると思うのでありますが、できるだけ
改善
をされて、サービスを
向上
さしておるということは聞いておるのですが、そういうとにかくあまり文句を言えない、外へも出ることができないというような病院等について特段の考慮があってしかるべきだと思うのですが、そういう点についてはどのようになっておるか、一つお尋ねをしておきたいと思うのです。
板野學
75
○
政府委員
(板野學君) お答いいたします。ポストの配置基準は、ただいまのところ、市内はポストの間の距離が二百五十メートル以上、享便戸数が二百戸以上、それから市外につきましては、ポストの間の距離が四百メートル以上、享便戸数が二百戸以上、このような一応の基準がございまするが、なお非常に利用数の多いところは、この基準外でも作っておる状況でございます。ただいまのところ毎年約二千個ほど全国では設置いたしております。大体全国では、この標準に従いましても一万個
不足
だということになっておりまするので、これを当初五カ年
計画
で解消いたしたいというように考えておりましたが、いわいろ要望もございまするので、このポストの配置基準につきましても、なるべく緩和措置をいたしたい、またポストの増置の数につきましても、五カ年というよりも、この二、三カ年のうちに何とかこれを処理いたしたいというふうに考えまして、ただいま御
指摘
のございました病院その他の非常にまあ不便なところには、なるべく優先的に早く措置をいたしたい、このように考えております。
大谷贇雄
76
○
大谷贇雄君
今、相澤
委員
から病院のお話が出ましたので、そのことに関連をして一つお尋ねしたい。
郵便物
の配達をしなさる人々、これは全国で四万人もおられる。私どもは実はこれらの人々に対して日ごろ非常に感謝と実は誠意を心から表しておるわけです。そこでこういうような、まあ過労になりがちだと思うのです。そういうような人々の羅病率はどのぐらいあるものか。
西村尚治
77
○
政府委員
(西村尚治君) 今手元に詳細な資料を持ち合せておりませんので、後刻ととのえまして、先生のお手元にお届けいたしたいと思います。
大谷贇雄
78
○
大谷贇雄君
そこで、一体ああいうなかなかえらい仕事ですが、この志願者というものは果してたくさんあるかどうか、その点はいかがですか。
西村尚治
79
○
政府委員
(西村尚治君) 志願者といたしましては、公務員の四級職試験という、
一般
の局員になりますのに四級職試験、三級職試験を受けなければならないわけでございます。それが正式な一応ルートになっておるわけでございますが、この試験は人事院の方から委託を受けまして、各郵政局で年に一回ずつ実施しております。それに対する希望者の率は、私前に
大阪
におりましたので、その経験から見ますと、
大阪
などでは志願者は採用人員に対して二十倍ぐらいになっている、非常にむしろ競争率は激しいというのが実情でございます。
大谷贇雄
80
○
大谷贇雄君
そこで、それらの人々の教育訓練はどこでやっておられるのですか。
西村尚治
81
○
政府委員
(西村尚治君) これは各郵政局管内にそれぞれ郵政研修所というのがございまして、四級職なり三級職の合格決定者に対しまして、四月一日から一
年間
ずつ授業、訓練あるいは特目訓練などを行なって、それからあと職場に配置ということになっております。
大谷贇雄
82
○
大谷贇雄君
それでそういう配達される人々に対する
郵政省
としての表彰というような制度があるだろうと思うのですが、そういうようなことは行われておるかどうか。
西村尚治
83
○
政府委員
(西村尚治君) これはございます。それぞれ郵便業務従業員、あるいは
貯金
、
保険
共通部門の従業員に対しまして、毎年大臣なり郵政
局長
なりの表彰を実施いたしております。と同時に特にその中で優秀な者につきましては、毎年四月二十日が郵政記念日でございますが、そのときに特に選抜して本省に集めまして、中央で最高の栄誉とも私ども見ておるわけでございますが、大臣表彰を行なっております。
大谷贇雄
84
○
大谷贇雄君
どうか願わくばこういうような人々に対しては、精神的にも、また形の上におきましても、でき得る限り優遇してあげていただきたいということを実はお願いするわけです。
松岡平市
85
○松岡平市君 監察
局長
にお尋ねいたします。三十
年度
の
決算
で、
会計検査院
が各種の郵便局の
不正事項
を五十六件摘発しており、三十一
年度
には三十件摘発しておるわけですが、あなたの方は七百人の監察官がおって、最近は監察官補もできておるが、
会計検査院
とは別途にあなたの方もこういう不正
不当事項
を十分
調査
しておられる、この
会計検査院
がこれだけやっているが、三十
年度
においてあなたの方の監察局でこういう
事項
をみずから摘発したものの件数、その内容、これを一つこの機会にお聞かせ願っておきます。
荒巻伊勢雄
86
○
政府委員
(
荒巻伊勢雄
君) 三十
年度
の被
犯罪
事件はいずれも監察官が発見いたしまして、それぞれの
処置
を講じたということになっているわけでございます。その場合に、その場で発見するものもございますし、それから申告等によりまして、監察官が行って発見するものもございますし、地方
貯金
局、
保険
局等からの事故通達によりまして、調べた上で
犯罪
ということで発見するものもございますが、原則として監察官が被疑事実を調べまして、所定の刑事上の手続をとる、あるいは行政処分の対象とするというようなふうになっておる次第であります。
松岡平市
87
○松岡平市君 そうすると、ここで
会計検査院
が
批難
事項
として掲げておるものは、
会計検査院
が発見して
批難
したのではなくて、あなたの方の監察局で
犯罪
事項
として摘発したものを、これを
会計検査院
が並べておるということですか。
荒巻伊勢雄
88
○
政府委員
(
荒巻伊勢雄
君) さようでございます。
高野一夫
89
○
委員長
(
高野一夫
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
高野一夫
90
○
委員長
(
高野一夫
君) 速記をつけて。 ほかに御質疑はございませんか。
——
御質疑はないと認めます。 それでは以上をもちまして、
郵政省
の部、
検査報告批難事項
千九百六十四号から千九百九十二号まで、並びに
日本電信電話公社
の部、
検査報告批難事項
第二千百七十五号から第二千百八十二号までの質疑は、これをもって終了したものとすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
高野一夫
91
○
委員長
(
高野一夫
君) 御
異議
ないと認め、さように決定いたします。 以上をもって本日の
決算
に関する審議は終了いたしました。
—————————————
高野一夫
92
○
委員長
(
高野一夫
君) 次回は明後日やるつもりでございまするが、本日の
委員会
散会後、
委員長
理事
打合せ会において、協議いたしました結果、なるべく即刻に皆様に
連絡
を申し上げたいと思います。
島清
93
○島清君 日本農中金の融資に関連いたしまして、それぞれ
関係者
においでをいただきまして、そしてもう少し明確にすべきは明確にしなければならないというので、わが党の両
理事
を通じまして、
関係者
の方々に参考人としてでも出ていただいて、もう少しはっきりとしていただきたいと私はお願いをしてあったのでありますけれども、
委員長
の方におかれまして、なかなか私及びわが党の要求
通り
取り計らいかねておられる事情があるやに承わっておりますが、その間について、
委員長
の、とりあえずなぜそういうふうに扱いかねておられるのか、その間の事情について御
説明
を願いたい。
高野一夫
94
○
委員長
(
高野一夫
君) 私から申し上げますが、御了解願いたいことは、その件につきましては、昨日も
委員長
、
理事
打合せ会で協議いたしましたが、各会派の
理事
間において、いまだ意見の一致を見ておりません。従って本日、
委員会
散会後あらためて打合せ会をいたしまして、そこで意見の調整をはかりたいと考えておりますので、その内容、結論につきましては、この席でまだ申し上げるわけに参らぬと考えます。さように御了承願いたいと思います。
島清
95
○島清君 それが、お尋ねを申し上げたいと思っておりまする私の要望、並びにそれを支持しておりますわが党の
委員
各位の要求に対して、
委員長
が善意で善処されようとするということであれば了承いたしまするが、しかしながら、
委員長
を持っておられるということで、何かこれが政治的な問題として、それでなるべくならば、これが
関係者
を来てもらいたくないといったような考え方のもとにおいてのことであるといたしまするならば、
委員会
の方でもう少し論議をして、さらに論議をした上で
委員長
、
理事
打合せ会の方におまかせした方がよろしいのではないかと、私はこう思いまするので、
委員長
の方で一つ適当にとり上げていただいて、審議の進行をはかっていただきたいと、こういうふうに思います。
高野一夫
96
○
委員長
(
高野一夫
君) それぞれ各会派の
理事
は、それぞれ各会派の各
委員
の意見をまとめて
理事
会にお臨みになっているものと考えます。
委員
一長は善意も悪意もございませんので、できるだけ白紙の状態をもって、両方のすべての意見が円満に調整されることを希望しております。しかしながら、私は私として一つの意見はもちろん持っております。持っておりますけれども、それは現段階においてまだ
委員長
の意見として申し上げるわけに参らないのでありまして、それは先ほど来申し上げました
通り
に、
理事
会において、さらに十分協議した上で、そのあとにおいて次の機会に申し上げたい、お諮りしたい、かように考えるわけであります。
島清
97
○島清君 もしも、私がお聞きするところによりますというと、大体一つ真相は明らかになったのではないか、そこで農林省やその他農中金の現在の責任者の範囲においてのみ喚問をして聞けば足りるのではないか、こういうようなお考えが前提に立って、各
理事
間の意見の調整ができてないといたしまするならば、私はこの際一つ明確にして、私が何ゆえにそういう方々においでを願ってもう少し真相をはっきりしなければならないかという理由を申し上げますならば、申し上げるまでもございませんが、日本農工という財産は、その所有者であると見られておる高橋さんは三億七千万円の値打があると、こういうふうに言っておられますが、それには確信があるようで、それは日立の方で大体において手離しをするならば、買い取ってもよろしいというふうに、三億七千万といったようなところが時価相場として出ておるように私は承わっております。ところが三億七千万という評価をされておりますのが、農中金の方においては二億一千五百万の評価しかされておりません。そこでここに一億五千五百万の開きがあるわけでありますが、よしんば農中金の方が評価されておられます二億一千五百万の値打ちしかないにいたしましても、これが農中金の諸君が
最初
から最後まで合法的にこれが抵当権が設定されて、権利行使ができるということになりまするならば、農中金の方で損をしなければならないという
総額
は一億三千六百七十万でございます。どうしても一億八千という、いわゆる
損失
というものは出て参りません。これは数字的にすぐ出てくると思うのでありますが、さらに私たちが非常にけげんに感じますることは、日本農工というのが今もって高橋は自分の物であると、こう主張しておりますが、いつの間にか日本農工は高橋というのが分離されておりまして、そうしてその個人高橋に五千五百万円の金を渡すということが、
委員会
の資料として提出されるに至りましては、これは非常にこの質問者といたしましても、
委員会
の権威にかけましても、やはりこれは相当に究明しなければならない問題じゃなかろうかと思います。 さらに私の質問に関連をいたしまして、相馬
委員
のお尋ねの、一体日本農工に対する融資の承認を与えたのはだれであるかという場合に、氏名をあげて、当時の農林大臣の名前があげられているのであります。その農林大臣にいたしまするならば、
委員会
の方で自分の名前が出ているのでありますから、あるいはその機会において明確にしたいというふうにお考えであるかもしれませんし、また私たちもその真相をお尋ねしなければならないというふうに考えておるわけでありまして、そういう意味において、
関係者
の方々においでを願いまして、さらにお名前の出た方々があるいは釈明する、真相を明らかにする機会を持ちたいものだと思っておられるかもしれませんし、またそういう方々の釈明、
説明
されることによって、われわれの不思議と思っていることが解消されるかもしれません。そういう意味において
関係者
の方方においでをいただかなければならないと思っているわけであります。高橋さんその他の当時の方々に二回もおいでをいただいているのでありますが、今の日本農工の社長がここにおいでを願わないということは、今までの審議の経過からいたしましても、私は納得のできない筋合いだと、しかも日本農工の社長が、さらに私たちが不思議に思います残余の財産をここで継承されるということになりまするならば、私たちはますますそのわれわれの理解しかねるところを納得するまで、私はやはり
関係者
から
説明
を求めなければならないと、こういうふうに考えているわけでございまして、この点について
委員長
から御回答を求めるということは大へん困難であろうかと思いまするので、わが党の相沢
理事
が、まあ御承諾をいただくならば、私はこういうような問題を含めていただいて、さらに
委員長
、
理事
打合せの会で善処していただくということについては、
異議
はございませんけれども、こういう私が今申し上げておることについて、
委員長
の方で理解しかねるという点がございまして、さらに理解しかねるというようなお気持のままで
委員長
、
理事
打合会の方にお臨みになるということでございまするならば、もう少しここで論議をしてみたい、こういうふうに考えます。
高野一夫
98
○
委員長
(
高野一夫
君) 私から申し上げますが、ただいま島
委員
が御
説明
になりましたことは、その
通り
昨日相澤
委員
から詳細に時間をかけて御
説明
がありましたので、今のお話の内容は、一応あなたの意見としてわれわれは伺っております。そこでその意見をもとにいたしまして、また別の意見ももとにいたしまして、協議を進めている段階でございますので、
理事
会の方におまかせ願いたいと思います。
松岡平市
99
○松岡平市君 何か先ほど島君の発言で、政治的な含みがあるならば云々というようなことをおっしゃるけれども、そんなものは毛頭ございませんから、誤解のないように。
理事
会の内容がどういうことであったか知りませんけれども、少くとも私たちの会派に関する限りは、この問題について政治的な含みというようなものは毛頭ないということだけは、
理事
各位、あるいは
委員長
も、
委員長
、
理事
打合会においてて誤解のないように申し上げてもらいたい。
島清
100
○島清君 私は松岡
委員
に対して非常に賛成でございます。こういう問題は何ら政治的な考慮なくして、やっぱり
決算
委員会
として究明すべきは究明するようにすべきであるという、こういう私は私自身の職責上から申し上げておるのであって、でありまするので、これは私は松岡
委員
の個人の意見ではなくして、相なるべくば一つ自民党さんの全体の御意思として、この問題を善処されることを特に希望しておきます。
松岡平市
101
○松岡平市君 私の個人の意見でございません。私は先ほど足りなかったかもしらぬけれども、私の所属する会派に関する限りは、この問題について政治的な意図というものは毛頭ない。ただ一つ申し上げておきます。ただこれを明らかにするということについては、私たちは時間の許す限り幾らでもおつき合いをいたします。しかしこの参議院の
決算
委員会
で取り上ぐべき問題の範囲というものは、裁判所とは異なりますから、その点については島
委員
においても十分良識をもって審議を進めていただくように申し上げます。
島清
102
○島清君 松岡議員は聞き捨てならないところの発言をせられている、良識をもってというのは……。真相を究明するに、あるいは表現の適切じゃない場合もあり得るかもしれないけれども、何よりこっちの方は真相を究明しなければならぬ。そしてはっきりしたところの真相の上に立って結論を出さなければならないというので聞いているのであって、微に入り細にわたってやるということが、裁判的である、
決算
委員会
的でないということはあり得ないと思うのです。私も十分に良識を備えているつもりです。この問題についてどこに私の良識が欠けたところがあるかどうか、具体的な例を上げて示していただきたいと思います。
松岡平市
103
○松岡平市君 何も私はあなたが良識を欠いているとは一言も発言をしておりませんし、良識をもってこれからやっていただきたいと申し上げているだけである。
島清
104
○島清君 良識をもってということは、良識がなかったということを意味している。逆の解釈でいえば、今までは良識がなかったということです。
松岡平市
105
○松岡平市君 これは私はあなたが良識がないとは言わないし、あなたの良識を疑っておらない。今後ますます良識をもってやっていただきたいということを申し上げているだけであります。
高野一夫
106
○
委員長
(
高野一夫
君) この件については先ほど申し上げた
通り
、
委員長
と
理事
の打合会の協議の段階でございますから、さように御了承いただきたいと思います。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時十四分散会