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1958-03-17 第28回国会 参議院 決算委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月十七日(月曜日)    午後一時五十八分開会     —————————————   委員の異動 本日委員竹中勝男辞任につき、その 補欠として鈴木壽君を議長において指 名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     高野 一夫君    理事            平島 敏夫君            堀本 宜実君            相澤 重明君    委員            稲浦 鹿藏君            勝俣  稔君            増原 恵吉君            松岡 平市君            吉江 勝保君            東   隆君            大倉 精一君            岡  三郎君            島   清君            大竹平八郎君            岩間 正男君   政府委員    運輸省鉄道監督    局長      權田 良彦君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局第五局長  上村 照昌君    日本国有鉄道副    総裁      小倉 俊夫君    日本国有鉄道常    務理事     久保 亀夫君    日本国有鉄道常    務理事     石井 昭正君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会運営に関する件 ○昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  (内閣提出)(第二十七回国会継  続) ○昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  (内閣提出)(第二十七回国会継  続) ○昭和三十年度国税収納金整理資金受  払計算書内閣提出)(第二十七回  国会継続) ○昭和三十年度政府関係機関決算書  (内閣提出)(第二十七回国会継  続) ○国家財政の経理及び国有財産の管理  に関する調査の件  (農林中央金庫等融資状況に関す  る件) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 高野一夫

    委員長高野一夫君) ただいまから本日の決算委員会開会いたします。  まず委員の変更を報告申し上げますが、三月十七日付をもって竹中勝男君が辞任鈴木壽君が補欠選任されました。     —————————————
  3. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 本日の委員長理事打合会において打ち合せた事柄でございまするが、先週農林大臣出席を求めまして、農林中金等融資状況について質疑を行う予定でございましたが、赤城農林大臣出席不可能となりましたので、休憩のまま散会いたしたのであります。本日は諸般の事情委員長理事打合会において考慮いたしました結果、三回にわたる参考人の陳述並びに証人証言等につきましては、十分これを把握するために、詳細にわれわれの方で調査する必要がございますので、しばらくそのために時間をかしていただきたいのであります。そこで、それとにらみ合せて、できるだけ早い機会に、農林大臣は留守でありまするが、かわる農林省当局に対しての質疑を行いたいと思います。そうして本日は国鉄に関する決算審議を行いたいと思いますので、御了承を願いたいと思います。
  4. 岩間正男

    岩間正男君 私は一応決定されました委員長理事打合会決定につきまして、希望を述べておきたいと思います。  第一に、この決算委員会運営の問題でありますが、実は昨年度から問題になっておりますが、現在すでに三十三年を迎えておるのに三十年度をやっておる、昨年も同じような事態が超って、当時の関係者はほとんどその職にいない。そうして、ことにまあ政府委員のごときはほとんどもう当時の関係者がいない。従いまして、このような問題について責任問題を明確にすることはできない。ですからどのように表面はそのとき注意をいたします、厳重に監督いたしますということを言ったとしましても、それは全くそのときのがれの言葉になっております。腹の底では、これは実は自分の関係したことじゃないのだ、こういう気持政府委員の中にも多分にあるのじゃないか。これが当委員会運営の中で、決算委員会がほんとうに審議をし、その審議の結果が現実の国政に反映することができないというそういう一つの大きな原因になっている。そういうような点からしまして、昨年の決算委員会におきましては、できるだけ過年度分は上げて、そして現行のものに近ずこう、こういうことで、昨年のあとを振りかえってみますというと、三月十五日にこれは二十九年度は上がっております。それから三十年度に入ったのでありますが、これもなるだけ早く上げようというので、昨年は休会中に実に十三回の委員会を開いておるわけであります。しかるに今年度は、いろいろな事情もあったでありましょうけれども、いまだに三十年度でわれわれはまあ難航しておるというような姿であります。しかも問題は、非常に山積みになっておる。ことに、日本農工農林中金融資事件のごときは、もうすでに一カ月半になろうとしております。ただいまの御報告がありましたけれども、この前の十日に一月前の問題が蒸し返されて問題になりました。しかしこれはなかなか質問が終了しないということで、さらに次に持ち越されたのであります。そのとき私の関係したことにつきましては、質問を保留したわけでありますが、ことに私は農林大臣並びに現農林中金理事長の楠見義男君の出席を要請したはずであります。ところが一昨々日の委員会では、農林大臣は出られない、出たとしても二十分か三十分というので、これもそれじゃ仕方がないというので、これは流会になってしまいました。むろん日ソ交渉というような役目を引き受けておる農林大臣でありますから、これを私たちは、そこを無理をして引っぱり出すこともできないというような事情はわかります。わかりますけれども、この経過を見ますと、どうも農林大臣はこの問題についてもう出られないようなことを、そういうことは予定がわかっておるにもかかわらず、それに対する対応策が実はなかったというような形で実は出られない、そして別に代理を呼ばなければならないというような事態に陥ったのじゃないか、この問題が、しかも決算委員会速記録調査して、このいろいろな食い違い、偽証の問題について、相違点を調べなくちゃならない、そういうことによってまた延ばされておるのでありますが、これは事務当局にも要請したいのでありますけれども、一体これは、どのぐらいのページがあるかわからないのでありますけれども、鋭意努力をして、この問題については、徹底的に問題を追及するなら追及して、それによって結論を得るというようなやり方をしなければ、一体どこにいって三十年度の決算が完了するのかわからないわけです。そういうことになりますと、ますますおくれてしまう。全く古い材料でもってこの決算委員会運営される限りにおきましては、やはり現実の政治に対する反映の度合いというものは非常に薄くなる。そういう点から考えて、どうも私は、せっかくこの委員長理事打合会決定されたのでありますが、委員長理事打合会に対しましても特に要望したい点は、もう少しやはり問題をぱきぱき決定してもらいたいと思う。つまり委員長理事打合会はその日になってその日の——本委員会が開かれる三十分前に開かれるというような、あるいは十分前に開かれるというような事態をみておるのでありますが、それではわれわれはいろいろな問題を審議してきて、審議予定に従ってやるということが非常に困難になります。ここにきてから問題が起ったということでは、これは全く審議というものは、計画的な審議はできないわけであります。少くとも委員長理事はそういう点ではそれに対処してもらいたい、事前に二日なり三日なりにそういうような点について相談していただきたい。  それから当委員会決定されるものは、委員長理事打合会に持ち込まなくても、即決できる問題がたくさんあると思う。そういう問題が一々委員長理事打合会に持ち込まれるため、こういうような事態も起っておると思う。委員長理事の御努力には敬意を表するわけでありますから、この点を私は何もとやかく言うのではありませんし、当委員会正常的運行、能率的な審議という点から考えまして、どうもただいまのような御報告、そうしてそのような御報告が何回も重なっておるのであります。そういう形で日本農工の問題が延々一カ月半にもなろうとしておるのでありますが、そういうことでは望ましくないのではないか。私はそういう点から、決算委員会職責の点から、この面について再検討をしていただきたい、そういう点を特に要望いたしたいと思うのでありますが、この点について善処をお願いしておきます。
  5. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 私から岩岡委員に申し上げますが、なるべく一日も早く昭和三十年度の決算を済まして、次の三十一年度に移りたい気持岩間委員とわれわれ同様に考えておるわけであります。たまたま農林中金融資問題等事件が起りまして、このために非常に長時間をとってしまったようなことになりまして、予定が非常に延びたわけであります。なおまた、この農林中金の問題につきましては、一回一回の速記録をもってはなかなか把握することが容易でございませんので、一応参考人を呼んだ日、並びに再度にわたる証言、こういうものを総合的に調査批判を加えまして、そうして質問者質疑内容、並びに答弁者答弁内容等について十分分析検討いたしました結果、本委員会をしていかなる態度をとるべきかということを皆さんと御相談しなければならないと思います。これも再度の証言をとりまして、ただとって質疑をしたというばかりでは、これは当委員会職責を果すゆえんではないと考えますので、この点についても私は岩間委員と同様に、当委員会結論を持つ決定的態度を一日を早く急ぎたい、かように考えておるわけでありますから、どうかあしからず御了承を願いたい。  なお、委員長及び理事打合会の方の開会の時期等につきましての御注意は、十分一つ考慮いたしたいと思います。
  6. 岩間正男

    岩間正男君 具体的には、それではいつこれは取り上げられることになりますか。そうしてそれについてのまた大体審議予定を私たち今から伺っておくことは重要だと思います。それから今のお話でありましたが、証人喚問に関する問題も当委員会としての責任ですから、これはりっぱに果さなければならないと思います。しかしそれだけじゃございません。私たちのやはり一つ問題にしなければならないのは、この農林省当局が果して農林中金に対する監督行政の面にどういうことをやっているか、それから現在の赤城農政に連なる自民党農政、そういうものと農林中金一体金融政策というものの関連ですか、この点をわれわれはやはり政治的に追及する、政策的にここを論議するというところが非常に重要な一つの問題になっておると思うのであります。事実審理の問題も一方で進めていただいていいのでありますけれども、われわれは焦点をそこにやはり大きく合せていかなければならないと思うわけでありますから、そういう点からこの点についての考慮もぜひやっていただいて、具体的にはこれはどういうふうになるか、それから全般的に考えまして、あと残余の分もあると思うのでありますが、これについての大体審議予定というものは立たないのかどうか、つまりケース・バイ・ケースというようなやり方では、やはり混乱するんじゃないか、少くとも二週間、三週間の審議予定を立てておいて、その通り立ててさえも実行できないというのが実態だと思います。ましてそういう予定がない場合には、なお混乱すると思うのですから、そういう点についてもお伺いしたい。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 今の岩間委員の御発言ももっともで、私も委員長理事の打合会でそういうふうに主張をしたわけです。それで今、これは一つ委員皆さんに一応知っておいてもらって、今岩間委員の言うように審議日程も組む予定があると思うので、お聞き取り願いたいのですが、残されておるのは、郵政省、労働省、建設省、専売、電電両公社、それから公庫、公団、それに予備費、こういう関係が残されているわけです。そうしますというと、今月一ぱいであと考えられるのは三日しかありません。従って臨時にやれば、まあ四回からできるわけです。それにしても各省のをやるというと、まずせいぜい二つかあるいは三つしかできません。それというのは農林中金の問題が残っているし、国鉄のきょうの審議経過いかんによる、こういうことにもなるわけで、予備費の問題についてはどうしても四月中旬以降にはやはりやらなきゃならぬ、こういう考え方で、四月の上旬までに一応各省なり公社関係をあげてしまいたいということで、きょうの理事会でも私は審議をしたわけです。しかし各省にただ単に入ってしまうというと、冒頭岩間さんが言われたように、農林中金の問題が一カ月も一カ月半もかかってしまうということであっては、これはいけないから、本日取扱い方について委員会に御相談をして、そうしてなるべく早くこの問題も一つ解決をしていく、こういうまあ方針を出したわけであります。そこで、その中で考えられることは、きょうやはりこれは委員会で私はそういう点も特に委員皆さん意見というものを出しておいてもらいたいと思うのでありますが、今岩間委員の言ったように、理事会においても私の意見自民党意見と違うわけです。というのは楠見理事長参考人として呼ぶかどうかということについて意見が一致しないわけです。意見が一致しないものを委員会にお諮りするわけにはなかなかいかぬわけで、その取扱い方を含んで、証人のいわゆる証言についてどうわれわれは取り扱っていくかということも一応相談をしなければならぬ、こういうことできょうは国鉄決算の部に入る前に、まず最初に農林中金の問題を取り上げよう、そして委員会意思を御決定を願ってから国鉄の部に入る。できるならばきょうのその結果いかんによって、水曜日の決算委員会にも農林中金の問題を私は出してもらうというふうに、実は委員長理事の打合会ではきめているわけです。ですからここで問題になるのは、岩間さんのおっしゃるように、農林大臣出席を求めておったが、事実上きょうで、まあ明日出発ということになるとこれはできない。従ってかわるべき者、並びに今まで島、相馬あるいは岩間委員等、各委員等から出されておった、この証人喚問をしていろいろお話を聞いておる中にさらに参考人を呼ばなきゃならぬ、いわゆる楠見理事長とか、あるいは河野元農林大臣とかという話もあった。しかしそれについてはもう農林当局だけに聞いて、それで一応の処理をしたらどうかという与党側意見もある。われわれの方ではまあ参考人を呼んだらどうかという意見もある。これはきまらない。きまらないから一応ここできょうは委員会に、皆さんに御意見を聞いて、その取扱い方をまとめたらどうか、こういう形で実は委員長冒頭努力をされ、ここに提案をされておるわけです。そういうわけで、私はむしろ委員皆さんが今後の審議日程、そういうものについては一応今申し上げたように御了解を願って、この取扱い方ですね、これについてやはり意思を私は出しておいて、きめていただく必要がある、こういうふうに思う。  以上が大体きょうの委員長理事打合会における考え方、また方針として出されたことです。
  8. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 私から再度申し上げておきますが、一般決算はただいま相澤委員からもお話がありました通りに、あとおよそ七回を要すると思います。従って農林中金等の問題を考慮いたしまして、昭和三十年度の決算総じまいは四月上旬中には終るようにしたい、こういうような目途のもとに委員会運営をいたしたいと思っておりますから、御了承を賜りたいと思います。
  9. 岡三郎

    岡三郎君 今の問題について、委員長理事打合会において農林中金跡始末をつける立場上から、中金理事長の楠見君を参考人として来てもらう問題について、両党間に意見が食い違っておる。こういう話ですが、本員の考え方としては、やはり農林中金としては一応農工問題ですね、に対して処理方式というものを出しておるわけだ。つまり現在のこの楠見氏がこの融資についての関係は直接ないとしても、事後処理として現在これに対する跡始末をまあこうしたらいいという一つのシステムを出して、参考意見としてやられておるという段階だと思うのです。そういう意味において跡始末をつけるということになるならば、これに対する意見というのでありますか、これに対する考え方といいますか、そういうものについて、明確にやはりただしておく筋合いではないかと思うのです。それはなぜかというと、前々回において農林省に、この資料農林省責任を持って出したのかと言ったら、これは違うのだ、農林省という名前はついておるが、これは農林中金が出した一つ資料だということは明確に言っておるわけで、そういう建前からも、やはり楠見農林中金理事長を一応参考人として来ていただいて、その間における事情を明確にしておく必要があるのではないかと思うのですよ。これがどういうふうに委員会参考人としていけないのか、その事情をちょっと聞いておきたいと思うんですがね。
  10. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 委員長理事打合会のその詳しい内容は今申し上げませんが、ともかく委員長といたしましては、そういうような問題も含めまして、できるだけ円満に打ち合せを進めていきたい、かようにまあ考えているわけであります。従ってできるだけ早く日本農工の問題についての結論を出すために、さらに委員長理事打合会の円満なる結論を得たいと努力いたしたいと思っておりますから、今しばらく御猶予を願いたい。
  11. 岡三郎

    岡三郎君 その委員長気持はわかるが、今しばらくしばらくといって、そういうことで時間をとるから、運営上においても相当時間が、まあ私から言わせればむだになる点が相当多く出てくる。だからそういう点を含めて日程を作って、大体こういうふうにやるんだということで、委員長の先ほど言っておるように、これを早く終って、三十一年度の決算報告が出ているんだから、それに移ろうという気持全員変りはないと思う。その中でたまたま農工問題がここではっきり出てきているわけだから、これを処理しない限りにおいて、これを終るということもちょっとおかしな問題だから、全体を通覧して日程を立てて、その問題はぜひともその中に含めておいていただきたい。これは自民党の方の理事の方に一つその方の意見を聞いておきたいと思う。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 楠見君の参考人としての出席の問題については、これは私この前余儀ない事情で席をはずしましたが、羽田の方から委員長の意を受けて事務員の方が電話を下さった。そのときにはっきり農林大臣と楠見君は呼んでもらいたい、こういうふうに申し出ておった。これをお聞きになったかならないか知らないが、この速記録を見ますと、農林大臣だけになっている。これはあるいは事務の手落ちか、あるいは委員長の方で忘れられたのかわからない。私が要求しておるのは、今岡委員が話されたこともありますが、もう一つは何といっても当の責任者、実際的な責任者はこれは農林中金役員でなくちゃならぬ。しかもこれは政府機関ではございません。政府機関ではないけれども、ほとんどまあ政府機関に準ずるような形の機関なんだ。こういう場合には一応政府委員ということではないのでありますけれども、やむを得ず参考人の形をとっておりまするけれども、ほとんどこれはやはり国会開会中には出席する義務があると考えていい問題だと思う。これは旧役員あるいはもう民間の方というような場合だったら、これは事務手続も非常に複雑かとも思いまするが、少くとも政府機関に準ずるような機関最高責任者が当委員会出席要求があるときに、それを拒絶するという理由については私は全くこれはわからないのですよ。政府がいるからいいじゃないか、農林省だけで十分じゃないかというお話でありますけれども、今までの監督行政でみますというと、これはこの点もあとで聞かなければはっきりしませんけれども、一体報告義務があることになっているけれども、農林中金報告を受けているのかね。それについて一体何年かにわたるこのやり方の中で、そういうような警告を発しているのかというと、そういう事実もなさそうです。ほとんどほっかぶりなんです、ほっかぶり的な監督しかやってない。従いまして、ここで農林大臣中金理事長を呼んで、同じ場所においてこの問題を明確にし、今後農林中金運営の問題についてはっきりした方針をここで明らかにしてもらう、こういうことが非常に審議の中では必要だ。ところがお話によりますと、農林大臣は呼んでくる、農林大臣で足りなければ理事長を呼んでくる。必ず足りないという事態が起ります。速記録を読んでみましたけれども、ほとんどちんぷんかんぷんの答弁しかしていない、全然知りもしないのです。こういうふうな問題にタッチしている農林大臣、その後勉強をしているか知りませんが、今度代理ということになりますと、もっと不明確です。これはまるで靴を隔ててかゆさをかくようなことになりますから、どうしたって楠見君もここに出席してもらって、ここではっきりした、ここでやはり両方が立ち会いの上でないと、私は審議が進まないと思う。もしも農林大臣を呼んでおいて、あとまたもう一回農林中金理事長を呼ぶのだ、こういうことになりますと、審議はますますおくれる。われわれは審議を促進するために協力してそういうことを申しているのでありますが、この点についてこれがどういう判定が出たのかわかりませんが、今までの参考人とか、今までの証人とは違った性格において、当然現在の責任を負うところの、現職にあるところの理事長出席するのは、だれが考えても当然だと思う。そういう点からこれは異論のないことと思う。それがなければ実際画龍点睛を欠くということになる。そういう点でぜひ私は今度は一緒に呼んでいただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
  13. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 私から申し上げますが、できるだけ岡委員からの御質問もありましたが、われわれの考え方といたしましては、速急に速記録調査万端進めまして、できるならば明後日の委員会におきまして、農林中金の問題についての当局に対する質疑を行うように運びたい、かように考えて相談を進めているわけであります。  なお、ただいま楠見理事長参考人として招致するという件につきましては、委員長理事打合会の上におきまして、意見が一致しておりませんので、これまた委員長理事打合会を開きまして、御意見も十分勘案いたしまして、相談を進めることにいたしますから、この辺で御了承を願いたいと思います。
  14. 岩間正男

    岩間正男君 委員長理事会打合でなくていいと思う。大体委員長理事の打合会というのは、何かこれはそこで全部きめる、そこで権威を持つというような考え方は少し間違いじゃないか。本委員会がせっかく開かれているので、ここで諮ってきめていけば私はいいと思うのに、それを委員長理事というような打合会に全部持ち込む。だから運営が延びている。そこで話がつかなかったのですから、ここで私たちいろいろ意見も述べましたから、これに対する反対意見のおありの方もいらっしゃるかしれませんが、ここで意見を堂々と述べられて、その結果やっぱり決定された方がこれは促進すると思うのですが、いかがでしょう。少しも不思議でないと思うのです。筋の通ったことはやはり筋の通ったことでお進めになっていただきたい。わざわざ本委員会がこうして開かれているのに、そうしてその問題を相談しているのに、また委員長理事打合会に持ち込む、こういうことをやっておりますと、どこまでいってもらちがあかない。そこでだめになったらどうなりますか、また延びてしまう。そういうことではまずいと思いますので、差しつかえないと思いますが、いかがしょう。
  15. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 速記をとめて。    午後二時二十五分速記中止      —————・—————    午後二時四十八分速記開始
  16. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 速記を始めて。  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算昭和三十年度特別会計歳入歳出決算昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十年度政府関係機関決算書を議題といたします。本日は前回に引き続き日本国有鉄道の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第二千百四十二号から第二千百七十四号まででございます。  本日当局側から御出席の方は、右から、会計検査院の上村第五局長日本国有鉄道の久保常務理事、小倉副総裁、石井常務理事、潮江常務理事、運輸省の権田鉄道監督局長出席されております。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  17. 岩間正男

    岩間正男君 私はこの三十年度の決算に入る前に、実は昨年度の当委員会におきまして、国鉄当局に説明を求め、資料を要求しておったのでありますが、それが実は出されていない。これはまあ当局側の怠慢だと思うのでありますが、私のお伺いしたのは、これは後納制度の問題なんです。これは石井理事が当時これに対して答弁に当られております。後納制度によって大体運賃収入の四〇%くらいの金額がそうなっている。従ってそれを前納にし、当りまえの経営にした場合にはどれだけの利益があるか。つまり現在の後納制度でやっていくために国鉄経営に対して相当な損害をこれはかけているのです。それでその面を調査して出していただきたい、承知いたしましたということになっているのでありますけれども、これはほとんど出ていないのであります。  その次の問題は、米軍の輸送関係の問題であります。この米軍の輸送関係の問題についてこれはコマーシャル・ベースになっているのだ、しかしコマシャル・ベースになっている基本において、これは日米相互間に合同委員会を持ち、そうしてこの分科会において決定されているのじゃないか、そういう関連はどうなっているのか。それからそれによって一体日本の運送事業の中でいろいろな負担がされていると思うのだが、その点はどうなっているのか。この二つの資料を実は私最近速記録でずっと振り返ってみまして、これは出ていなということに気がついたわけなんです。これはやはり国鉄経営を実はわれわれが審議していく場合に非常に重要な問題ですから、早急に、非常に一年後にこんなことを蒸し返すようで工合が悪いのでありますけれども、これは出していただけますか。
  18. 石井昭正

    説明員(石井昭正君) 昨年度岩間先生からそういう御要求のあったことはよく承知いたしておりますし、実は私の記憶では、その当時資料を整えた記憶があるのでありますが、それが岩間先生にもちろんこの委員会の席上で御説明申し上げたという記憶はございませんが、至急整えた記憶はあるのであります。それでまだ岩間先生のところにそれが差し上げてなかったということでございますれば、大へん恐縮でございますので、ただいまは持っておりませんが、帰りまして、昨年度の書類を調べまして、さっそくお届けすることにいたしたい、かように思います。
  19. 高野一夫

    委員長高野一夫君) ほかに御質疑ないですか。
  20. 岡三郎

    岡三郎君 いろいろと毎年不当事項の内容を見ると、設計及びその工事の検収という問題で手落ちが非常に多いように見受けられるのですが、この二千百四十二号の人夫賃の支払い、これはどうしてこういうふうなでたらめなことになったのか、もう少し事情を説明してもらいたいということ。  それからその次の二千百四十三号の中において、設計個所と相違する個所に施行したというもの、それが八十七個所ですが、過年度の工事で施行済みとなっている個所と重複するものが五十三個所というと、これは少々の間違いではないようですが、こういう点について設計に当って施行個所の検討がどうなされたのか、工事の検収をどういうふうに一般にやっておるのかという点がここに指摘されておるのですが、これについて一つ御説明をちょっと聞いておきたいと思うのです。
  21. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 二千百四十二号につきましては、請負人夫の支払い金額が事実に相違しておる、また支払い内容を確認することができないという御指摘でございますが、本件工事費のうち一部正規の手続をしないで経理しておりましたことは、まことに手抜かりでございまして、遺憾の意を表します。関係者はこれにつきまして、減給等の処分をいたしました。またこういう現地につきましては、直ちに是正をいたさせました。こういう経理と設計を変えたものにつきましては、今後厳重に戒めるつもりでございます。  また二千百四十三号につきましては、設計個所と施行個所が相違しておるという御指摘でございましたが、実はこれは工事のいろいろな個所が非常にたくさんございまして、その経理の処理が入り狂いをいたしておったのでございまして、工事の総数につきましては総体は合っておりまするが、その経理が不十分でありましたために、あちらこちらになっておりまして、会計検査院の御指摘を受けたのでございまして、こういう点につきましても、課長、部長、局長それぞれを処分いたしまして、こういうあやまちを繰り返さないようにということにいたしました。なお総括的に、工事につきましては、この工事の監督要員を充実いたしまして、今後十分に監督するような手段をとりましたし、また今後こういう工事にありがちなことは、大てい当初の設計に比較いたしまして、現地に当りますと、やはり当初の計画通りに遂行できない部面もできて参ります。そういう場合に現場限りで当初の設計と違った工事をして、そのままに済ましていた例があったのでございまするが、今後は必ずその設計変更を正規に整えるようにと、こういうことを戒めておる次第でございます。
  22. 岡三郎

    岡三郎君 私は今のような説明をしても、厳重に処分したというような今までの例からいえば、ほとんど名目的な注意とか処分で、ほんとうに今後再びこういうふうなことを起さないというふうに、厳罰になっていないと私は思うのだ、いつでも。結局設計と全然違ったものをやって、あとで設計変更をしなかったという程度のものでなくて、二千百四十二号においても、結局支払いの方法というものを相当ラフにやり過ぎているということから見れば、これは全体の工事の中に流れている国鉄の流儀というものが、私はここに端的に出ているのではないかという気がするのです。これを一つ一つずっと読んでいってみると、こういうことによって国鉄は膨大なる損害を年間を通して受けているのではないか、こういう気がするのですが、この不当事項をずっと見ていって、大体会計検査院の方として全部は見られない、その一部分でしょうが、これはばく然とした問いになるけれども、工事をもう少し厳重にして、そうしてこういう不当事項というものを是正していくことによって、私は相当国鉄の経理に寄与する面があると思うのだが、そういう点について会計検査院の方として、毎年々々いろいろと調査をしておるわけだが、こういう面に対するいろいろと国鉄に対する勧告をなしたと思うのですが、それが実際に効果を上げているかどうかという点について一つお答えを願いたいと思います。
  23. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 三十年度に検査報告に掲記しました要項が大体三十三件でございます。それから三十一年度に検査報告に掲記しました事項が十六件、件数は約半分になっております。検査の施行の状況は大体同じような状況になっております。件数が減ったというだけで必ずしもよくなったといえない場合もあるかと思いますが、大体三十年度と三十一年度とを比べて考えました場合に、資材の調達関係は検査院で検査いたしまして、こういう点はこういうふうにするのがいいじゃないかというような点を、そのつどそのつど照会なりいたしまして、見解をただしておるわけでありますが、三十一年度の分につきましては、国鉄関係において非常に反応が早く現われまして、従来で申しますと、いろんなことを申し上げましても、なかなか是正されることが比較的おそかったように考えるのでありますが、資材関係につきましては、相当早く是正できるものは是正していく、価格の高いものにつきまして、そのもの自身は下げられないにいたしましても、その後の契約からは順次下げていくというような措置が相当とられておるように考えています。その点につきましては、三十一年度の検査報告にちょっと触れて書いております。  それから工事関係の設計と出来高が不足しておるというような点につきましては、三十年度と三十一年度を比べますと、むしろ三十一年度の方がふえておるという形になっておりますが、その点につきましても、今後実際効果が現われるかどうかという点は、なお十分検討してみなければなりませんが、相当手を打っているというように考えられます。  それから予定価格の問題では、三十一年度の方に現われておりますのは、やはり電気関係の方の分が工事で現われております。これは先般も御指摘がありました日本電設というような関係も現われておりますが、これは見方でいろいろあろうかと思いますが、私の方としましては、予定価格は積算の問題として実は考えておるわけでございますが、その点で一応考えられる点は、電気関係の土木に関するような工事について、国鉄の要員等に多少問題があろうというようなことを実は考えておったわけであります。その点につきまして、鉄道の方にも申し上げておるわけでございまして、この点も充実していくというふうに御説明を聞いておりますので、われわれが考え、国鉄でよくやっていこうという面が順次強力にとられていくならば、全部不当事項がなくなるというふうには考えませんけれども、順次よくなるのではないかというふうに実は私どもは期待しながら検査をしておるわけでございます。
  24. 岡三郎

    岡三郎君 いま一点だけ。国鉄の部内監査は従前と比べて一体どういうふうに充実し、対策をとっているのですか。国鉄の内部ですね。工事をいわゆる検収する場合においての方法とか、設計とか、いろいろ資材の購入とか、そういう面について部内で当然会計検査院が指摘する前に相当やられておるのが妥当だと思うのですが、この部内監査におけるあるいは資材購入、その他の面におけるところの当局の対策といいますか、そういう点をちょっと聞かしてもらいたい。
  25. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 部内監査をできるだけ厳重にいたそうと考えまして、部内監察機構といたしまして、総裁直属に監察局というのを設けまして、局長その他本社で多分四、五十名だったと存じまするが、監査機構を整備いたしました。またそこで監査いたしましたのを御承知の通りに監査委員会というものもございますので、監査委員会にも御報告し、また別に関係者の方にも注意すると、こういう組織になっております。ただいま四、五十名と申し上げましたが、百六十名だそうでございます。それから……。
  26. 岡三郎

    岡三郎君 それでいいです。どうもその点あやふやで、もうちょっとしっかりしてもらいたいと思うのだが、この前もらった、要請した資料が今手元に来ているわけですが、これを見るというと、やはり日本電設工業株式会社でいろいろと処罰その他をしたと言っても、もうほとんど国鉄関係の出身者がまあ重役陣営を占めておる。こういうふうな関係では後輩に当るところの国鉄役員はなかなか思うようにできないような気がするのですがね。こういうふうないわゆる外郭団体というものと国鉄の契約というものは、従前から批判されておるのですが、こういう点について、当局としてどう対処していったらいいのかということについての検討が私はあるべきだと思う。会社の方でいろいろと処罰をしたと言っても、毎年々々そういう例が繰り返されているということになるならば、私は三カ月とかなんとかというものではなくして、一カ年なら向う一カ年間ぐらいもう工事というものの契約はせぬと、そういうふうな厳然とした態度をとらなければ、三カ月ぐらいでは、また時期が来たならばすぐいけるのだと、こういうことになるのではないかと思うのだが、私はそう思っているのでございますが、国鉄の方はどう思いますか。つまりその会社でもそういったようないろいろな問題が起ってきているときに、三カ月ぐらいの契約をしないというふうな罰則の適用では、私は改まらぬのじゃないかと思うのだが、その点どうですか。
  27. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 会社にはやはり営業上の信用というものがございまして、指名停止というのは会社の面目を傷つけ、信用を失い、非常な苦痛でございます。それで従来とも指名の停止ということはほとんどやったことはございません。慎重にやっておりまするが、御指摘のこの日本電設関係につきましては、私自身責任を持ちまして、この批難事項の改善、批難事項のような不当工事についての是正を私自身取り扱いまして、数回責任者も呼びつけて厳重に注意をいたしました。そういうような関係から三カ月の指名停止、及び引き続いて二カ月の指名停止ということはまあ非常にきつい、従来にないきつい処罰でありまして、十分その反省の目的を達しておるものと、こういうふうに考えております。
  28. 岡三郎

    岡三郎君 だって三十一年度にもまたその例が出てきているということをどう考えるのだ。結局どこに根本的な欠陥があるのだかということ、私はやはりそういうふうな不当事項をしばしば起したところの会社は工事させないと、このくらいの態度でなかったら改まらぬですよ。これはもしも小倉さんが自分の金で仕事をさせて自分の住宅を建設さしたときに、その二割も三割もちょろまかされて、その建築屋にもう一ぺん仕事をさせますか。これは国鉄という大世帯をしょって、ともすればこれは自分のものでないのだというゆるみがそこに出てきているのじゃないかと思うのです。だからそういう点で三カ月、二カ月やっても、まだ是正されないというならば、もう少し是正方法というものを考究してもらわなければならぬ。今、上村第五局長の話だというと、三十一年の例においてもその例が出ている、こういうことを私は指摘して、それではやはり緩に失するのではないかと私は思うのだが、その点についてもう一ぺん意見を聞きたいと思う。
  29. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 御指摘の通りに、三十一年におきましても検査院の批難を受けたのであります。それで三十年度につきましては、この指摘事項につきまして、それぞれ国鉄部内の監督者につきまして処分をいたしました以外に、会社に厳重に注意いたしましたが、先ほど申しました三カ月の停止及び二カ月の停止ということは、実は三十一年度にまたこういうことが出て参りましたので、それでいたしたのでございます。決算がおくれます関係上、時日がずれますが、今回その指名停止をいたしましたので、三十二年度につきましては、現に非常に改まりつつございます。そのほかに、日本電設につきましては、それぞれ工事が悪い分は会社の費用で手直しもさせ、また、三十年度におきまして、設計と合わないものにつきましては、金銭の戻入もいたさせたのでございます。それで、ちょっと申し上げますと、先ほども申し上げましたように、この問題は私は非常に心配いたしまして、直接相手の責任者を呼びまして、私から再三警告書を手渡しいたしたのでございまするが、三十二年の九月十八日に私が出しました警告書には、原文は、「1、工事契約の義務観念の厳正、2、工事施工の厳正、確実ということについて貴社内全般に十分なる注意とその徹底を図り反省を促すものである。」、それで、「もしかような事例が今後再び繰り返されれば諸法規に基き貴社自体に対して厳重な措置を講ぜざるを得ないことを重ねて警告する。」、こういうふうな非常にきびしい警告をいたしておりまして、ぜひ今後の工事については適正をはかりたいと、私自身監督いたすつもりで今進んでおる次第でございます。
  30. 岡三郎

    岡三郎君 まあこの程度にしておきますが、最終的に会計検査院の方にちょっとお伺いしますが、このほかに、国鉄との契約において、過去から現在に至って、日本電設のようにしばしば不当事項を繰り返して、会計検査院から指摘された会社はほかにありますか。
  31. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 昭和二十五年度の検査報告から実は調べて、二十五年度以降三十一年度までについて調べてみたわけでございますが、日本電設が一番多くありまして、二十五年度はございませんが、二十六年度から各年度ございまして、三十一年度までで批難件数の番号に載っておりますのが十四件でございます。それから、同じく電気関係の工事をやっております新生電業株式会社が、二十八年からございまして、二十八年から三十年度まではおのおの一件、三十一年度が二件、全部で二十八年度から五件というふうになっております。それから鉄道建設工業株式会社が二十五年度に一件、三十年度、三十一年度がおのおの一件。それから、東鉄工業株式会社が二十八年度、二十九年度がおのおの一件、三十年度が二件、合せて四件、大体こういうふうな状況になっております。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 岡委員から指摘されましたように、工事の請負においていろいろ指摘事項が多いのです。これは昨年からの継続問題で、やはり昨年におきましても、いろいろそういう問題が当委員会でも論議されたと思う。私は、その中でも一つの代表的な事例として少し詳細に承わりたいと思う。二千百四十六件です。これは、神田駅高架橋新設その他を含めまして八千百七十七万なにがしというような総額になる相当膨大なものなんですが、この際会計検査院の指摘事項が相当詳細にあげられている。これに対する国鉄当局の説明を見ますと、非常に簡単です。大体指摘事項はこんなに膨大なもので、政府の説明はいつでもこの三分の一しかないという格好で実は決算の書類というのは作られておる、これは問題があると思うのです、基本的に。もっとやはり、詳細に指摘されておるのでありますから、それについて積算の基礎とか、当時の事情とか、そういうものは詳細になされないと、単にこれは、これによりますというと、「一般経費率の低減および運送費の調査についての配意に欠けたことは遺憾である。」、こういうようなことを言っているだけなんですね。これじゃやっぱり当委員会審議するといったって、具体的にわからんわけです。どこが一体悪いのか。「今後は、十分注意する。なお、関係者に対しては、厳重注意した。」、これは判こで押したような説明書になっているわけです。私はその一件を取り上げてお伺いするのは、実はほかの件数とも深い関係があるわけなんですが、その積算の基礎というのは、一体どういうふうになっておるのか、一体指摘事項が果してその通りであったのかどうか、こういう点で、これはわれわれとしましては一事例から相当検討してみなくちゃならないと思うのです。まず、国鉄当局にお伺いしたいのでありますが、一体この工事費の内容ですね、そうしてこれはどういう積算の基礎を持つものか、この点まずこの二千百四十六件によりまして明らかにしてもらいたい。
  33. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) この二千百四十六号の神田駅高架橋新設その他工事の基礎くい打ち工事の工事費が高価と認められるもの、この工業内容につきましては、実は非常に詳しい資料が出ております。国鉄の積算につきましても、材料費、運送費、それから経費の中でも材料費、運送費、これが出ておりまして、これについて検査院の御積算なすったのも参考に対比してございます。それから次に、国鉄と会計検査院とのくい関係の比較でございますが、くいの長さ、これは、 四メートル、五メートル、六メートルから十メートルまでで、しかも、上下の別を区分けいたしまして、くい本数が全部出ておりまして、この単価も全部違っております。くいの長さで四メートルが単価が一本が、下ですと四千四百五十円、上下の別の上の方では五千二百円。これが四メートルから十メートルまでそれぞれ違っておりまして、十メートルになりますと、下が一万二千六百円、上が一万三千九百円、これがおのおのの金額も詳しく出ております。それからその次には、この上のくいと下のくいと区別してございまして、これも四メートルないし十メートルでございまして、そのくいの価格、それから継ぎ手の価格、それから運送費、これが各別々に出ております。それから次には運送費につきまして、これも四メートルないし十メートルで、四メートルは六百九十二円から、十メートルでは一千三百十三円というものまで実は出ております。それからくいの価格も一覧表として工場置場渡しでくいの長さ、大同の価格表、磐城の価格表、それから国鉄の積算表、そういうふうに実は非常に詳しく出ておりまするので、何か要約して御説明するのがちょっと困難のようでございますが、これは表にしまして、別にお届けいたしたらどうかと考えております。
  34. 岩間正男

    岩間正男君 むろん一つ一つの工事の実体について、これは立ち入って詳細に見るということは、われわれの能力ではできない問題だと思いますけれども、この件については一つの代表的な事例として今当委員会審議しているわけなんですが、その中で私たちやはり必要と思いますのは、指摘事項、指摘されておる点は大体三つに分れてくるんじゃないか、コンクリートのくいそのものが非常に高かった、単価において高かった。第二の問題は運送費の問題だけれども、この運送費は大体東京あたりの場合は現場で渡されているので、現場で幾らということになっている、それにさらに運送費を加算するということが非常に問題になるんじゃないか、それから一般経費の積算の基礎にしても、これはくいだけの一五%と、それからくいの運送費の二二%、こういうことになると、これは非常に高いんじゃないか、工事現場持ち込みで取引されるのが普通の東京あたりの例なんであります。それに対して合わないじゃないか、こういう点が大体大きく指摘され、そのような基礎に立った積算によってなされた国鉄の経費は、総額にして甘く見ても七百九十万円も高くなっているんじゃないかというような指摘だと思う。従ってその点にこれはやはり重点を合わして、その点を国鉄側としてはどう見るのか、果して会計検査院の指摘が正しいのか、誤まっているのか、これは国鉄の今までの契約の実態に合っているのか、こういう点が私たちははっきりさせなきゃならないのであります。その点について、これは検査院から御説明を願いたいのでありますが、ここの指摘事項は国鉄側とも話し合いをされたと思うのですが、こういう点についてはどうなんですか、この指摘された点は間違いなく、やはりこの通りになっているのですか。
  35. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) ただいま御指摘のようにコンクリートのくいの価格自体の問題が第一点、その中での問題点が主として運送費の問題でございまして、当時カタログ価格を中心にいたしまして、価格の予定価格を立てましたのと、それから当時使いましたコンクリート、大同コンクリート、磐城セメント等、これがそれぞれ現地の工場渡しということになっておりまして、カタログ価格通りに、同時にすべてカタログ価格には運送費を含んでないという建値になっておりましたので、これに運送費を加算して計算いたしたわけでございますが、実情によりますと、会計検査院の御指摘になるような点もまるまるではございませんが、相当あるというような実情でございまして、今後につきましては、その辺の実情を十分精査して予定価格を立てるということに改めたい。  それからもう一つの大きな点は、一般経費の点でございますが、これはこの問題に限らず他にも二、三一般経費の額が多い、率が高過ぎるという会計検査院の御指摘がございまして、これにつきましては、この件につきましても相当低減いたしまして、一五%ということに、通常の場合よりつまり請負人の材料が多いということで通常の二十数パーセントより減少して計算したのでありますが、会計検査院の御指摘はもっと少くてもいいのじゃないか、たとえば一〇%相当というような御見解でございまして、この点は一〇%が絶対かどうかということは、いろいろその点では若干の疑問はございますが、これにつきましては、前々から申し上げておりましたように、請負価格積算基準委員会をその後作りまして、昨年答申を得ましたので、一般経費の低減という点につきましては、私たち大きな問題として会計検査院の御指摘の趣旨を考えて今基準を作りつつあります。ただこの場合に会計検査院御指摘の一〇%がぜひとも絶対正しいかどうかについては、これはその結論を待って出したい、かように考えております。
  36. 岩間正男

    岩間正男君 この点は検査院の方から御説明願います。
  37. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) ただいまの最初の値段の点はあまり問題ないかと思います。諸経費の点が一五%が一%で大体いいのではないか、これもなかなか、ただいまもお話しのように困難な問題はございますが、最初に書いてございますように、予定価格の積算のうちコンクリートのくいの価格というものが非常に大きいパーセンテージを占めておるわけでございます。そういう点を勘案いたしまして、大体一〇%がいいじゃないかというふうな考え方でおるわけでございます。
  38. 岩間正男

    岩間正男君 これは食い違いがあるのですが、コンクリートのくいが全体の六八%から七五%、そうすると、それを基準にして一般経費を見ていく、それから運送費を見る、こういうことになればどうしても過大になりやすい、こういうことで指摘されておるのでありますが、これはどうなんですか。たとえば一般の市中の契約とかいうものがあると思うのですが、会計検査院ではそういうものを把握されて、市中におけるこういう建築の場合なんかを把握されて、その基礎の上に立って今の指摘をされておるのでしょうか、その点どうでしょうか。
  39. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) ただいまの点はくいの値段の点でございましょうか。
  40. 岩間正男

    岩間正男君 結局くいの値段になりますけれども、運送費を含めたくいの値段ということになりますと、くいの値段のことになりますけれども、同時にその一〇%のこと……。
  41. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) ただいまの点は価格表に載っておる値段で、大体東京都内については運賃がなくて取引できるというふうに生産しておる会社が申しておりますし、実際取引しておる実例が大体そういうふうになっておるわけです。
  42. 岩間正男

    岩間正男君 その点はどうなんですか、ずいぶんここのところで大きな食い違いが出ると思うのですね。原料費が非常に膨大で、その上に何パーセントとかかるやり方でこの運賃と一般経費がまかなわれておるのですが、しかも一五%ですか、運賃の場合は一五%、さらにその運賃の二二%、二つ合せて一般経費というような実にややこしいやり方になっておるわけですけれども、一般の商取引では、東京都内の場合は運賃は結局取らない、そういう建前で取引されておるのですか、その間の経緯はどういうふうになっておるのですか。
  43. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) この点は先ほど申しましたように、二つ問題があるわけでございまして、ただいまのこの場合は、まず価格の面でございますが、私どもはカタログ価格の上で、運送費を含まないというカタログ価格を中心にして契約をいたしたということでございましたが、実情を会計検査院の御指摘もあり、一応ただしたところによりますと、運送費の相当部分は余分であったということに結果においては実はなるようでございまして、この点につきましては、その後カタログ価格のみにはよらないということで、現地渡しという建前で取引するということに指導しております。  それからもう一つの点は、一般経費の問題でございます。これはコンクリートくいについては、一般経費一五%を私ども積算いたしたのでございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、これだけ請負人持ち材料の多い分につきましては、一般経費は一五%、あるいは若干高いのではないかということで、積算基準委員会の答申に基きまして近く結論を出すようにいたしておりますが、会計検査院御指摘のように、一〇%が正しいかどうかということについては、まだ疑問を持っておる、こういうことでございます。
  44. 岩間正男

    岩間正男君 これは運送費が、たいていはカタログの価格で東京の場合は取引されている、そうすると運送費だけ浮くわけですけれども、そういうことになりますと、この計算はどれくらいになるのですか、大体検査院の方で計算されておりますか、運送費については。
  45. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) その点の計算は、会計検査院の御計算そのものだけで比較いたしますと、会計検査院の御計算によりますと、材料費と運送費を合せまして、と申しますよりも、この場合運送費を加算しないで四千五百四十四万円、私どもの方の計算では材料費が四千四百五十四万六千円、運送費が五百五十六万六千円、合計五千万円、それに対して一般経費、これを先ほど申し上げました率で七百二十九万一千円と見ております。それから検査院の場合、一〇%という御計算で四百五十四万円が至当ではないかと、こういう御指摘で、それを合計いたしますと、私どもの予定価格は、この該当項目に対しまして五千八百三万円、それから会計検査院の積算の結果によりますと四千九百九十八万円、その差が大体先ほどの数字約八百万円になるわけでございますす。
  46. 岩間正男

    岩間正男君 何ですか、一〇%のところはこれはおくとして、そのほかのところで大体会計検査院の指摘は認められるということになるのですか、これはどうなんですか。一〇%とか一五%とかいう点は一応おくとして、しかし会計検査院の指摘事項は認める、こういうことになっておるのですか、どうなんです。
  47. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) 一〇%の点につきましては、若干われわれの方で計数も低減する余地があるということで研究をいたしておりますが、前の件につきましては、大体御指摘に近いのではないかと、こういうことでございます。
  48. 岩間正男

    岩間正男君 これはあとでさらに聞きますけれども、その前に一つお聞きしたいのは、これはどうなんでしょう、工事費の受け渡し、これは今までの習慣なのかもしれませんけれども、運送費としては、くいの幾ら、これは一応当てはまるかもしれませんけれども一般経費としてはくいの価格の一五%、それからくいの運送費の二二%または二三%、こういうような非常に概算的な契約の仕方です。実際に工事に必要なこれは原価計算を各項目にわたって詳しくやった方がいいんじゃないですか、どうも何の何%ということになりますと、先ほどの会計検査院の指摘のように、一応基礎になるコンクリート、しかも全体の三分の二以上を占めるこのコンクリートのくいが非常に高いということになりますと、一般経費も運送費もはね上る、そこに問題を非常に何といいますか、その中にいろいろな問題を含ませることはできるのじゃないか、こういう契約は非常に過去の古い一つの習慣、こういうような形で、それでもう少し国鉄あたりの契約はもっと近代的な形で、いろいろな工事費なら工事費、そういうものの一般経費の内容をもっと分析して、そうしてその原価計算の上に立って厳密な工事契約をするのが妥当だ、私はこういうふうに考えるのですが、この点について、これは国鉄当局並びに会計検査院の御意見を伺いたいと思います。
  49. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) ただいまのお話しの点は、お話しのように実は考えるわけでございますが、先ほどの説明でちょっと私間違った説明をしたかと思いますので、訂正さしていただきたいと思います。一五%が一〇%でよろしいという点でございますが、これはくいの関係の諸経費が一五%、そのほかのこれは六〇何%がくいの値段になっておりますが、その分についての諸経費率が一五%、あとの分につきましては二〇何%、普通の諸経費率になっているのでございます。その点ちょっと訂正さしていただきまして、もう一回説明いたしますと、一五%となっているのがくいの関係では一〇%でよろしい。よろしいとみましたのは、大体の根拠といたしましては、国鉄で納品庫その他で諸経費の中を分析いたしていきまして、大体必要でないと思われるようなものを除きまして、大体一五%が一〇%ぐらいでよろしいのではないかというふうな一応の計算をとっているのであります。ちょっとここの点が説明が前に間違っておりましたので、訂正いたします。
  50. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) ただいまの問題につきましての国鉄考え方なり従来の行き方を御説明いたします。これは根本は請負工事の予定価格を作る上の方式の問題でございますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたような方式並びに基準の立て方、特に一般経費をどういうパーセンテージにするかということは、実は委員会の主たる問題であったのでございますが、御承知かと思いますが、工事費の予定価格を立てます際に三つに分類できるわけでございます。一つは純粋の工事費、これはつまり直接労務費、それから材料費、運搬費、こういったものが純工事費になるわけでございます。それからこのほかに現場経費といいますか、労務管理費とか、現場の人件費とか、そういったものがございます。それからもう一つ上積みに一般管理費がございます。これは一番極端な例は本店の費用とか、それから税金まで入るわけでございますが、そういった一般管理費、あるいは適正な利益、こういうものが入るわけでございます。このうちのただいま申し上げましたような一般経費、一般管理費、この二つをあわせたものを一般経費と称しているのでございます。これは従来のみならず現在の土木工事の請負い、土木に限らず請負工事の積算の仕方、個々の材料費がどういう単価が適当であるか、あるいは労務費を一体一人当り地域別で何ぼみるか、それから設計に従って一体何人工かかるか、こういうことは非常にこまかく計算いたします。それからそれに対しまして、それではこれがかりに一千万円なら一千万円純工事費がかかる、これに対して一般工事費をどうみるか、そういった積算をするのが通例でございますし、私ども今回積算基準委員会の答申を受けましたのも、精密ではございませんが、大きなその方向に沿っているわけでございます。ただその場合に非常に問題になりますのは、工事によって非常に内容的に違う。たとえば非常に工事が大きな工事になればどうしても一般経費が比較的少くて済むとか、あるいは小さな工事だと割合に諸掛りが高くつく。また今日、今御指摘の例のごとく、請負人持ち材料が非常に多いのは、一般経費は工事費に対して割合に少くていい、こういった低減をする工事、それから請負人持ち材料の多いものについては低減するという考え方、原則はこれは大方どこでも異論のないところでございまして、この低減の仕方等について個々具体的な場合に実は現在いろいろなルールを作って当てはめているわけでございますが、この点について、まあこの場合は、その低減の仕方が低いのじゃないかという御指摘を受けたわけでございまして、通常、請負人持ち材料のない場合は二二%、あるいは大蔵省から一つの基準が数年前出ておりますが、二七%という基準も実は出ております。その辺も勘案して、私どもの方で、今、繰り返し申し上げるようですが、基準委員会の答申に基いて検討しておるわけでございまして、大体そういう立て方につきましては、内客の精疎は別といたしまして、通常そういった土木あるいは電気等の請負工事については行われていると考えております。
  51. 岩間正男

    岩間正男君 両者の御意見を伺ってみますと、違っているように思うのです。やはり検査院の方は詳細に原価計算をして、そういう基礎のあるものを示している。そして国鉄の方は、そういうものはしているのだけれども、しかし契約をやるときには、やはり今までの習慣で概括的にやっている、ここに私は問題があるのじゃないか。やはり請負人の方でうまみのない仕事は、これはとらぬという格好になっている。そこで、うまみというやつは、今の概括的な計算、こういうところから出てくる。しかし、これは単にうまみだけの……、業者にとっては、うまみかもしれませんけれども、これは当委員会にとっては、うまみとして看過することはできない問題なんです。すでにこういうような点で、今までしばしばこれは問題になったところだと思う。だから、そういう点でやはり近代的な私たちは契約の方針を、これはしなくちゃならないと思うのですけれども、先ほどのお話によりますと、基準委員会というのがある。この基準委員会の答申によって決定しているのだ、だから差しつかえないのじゃないかというお話でありますが、これは基準委員会というのはどこでどういうふうに作られたのですか。これはちょっとその構成についてお伺いしたい。
  52. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) これは一昨年だと思いますが、工事の、たとえばきょう御指摘を受けましたような問題にもからみまして、国鉄の工事請負人の資格の問題、それからさらには、ただいまお話の出ました予定価格の立て方といったようなものにつきまして、   〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕 いろいろ議会の御批判もございましたので、これに対してこたえる意味もございまして、部外のいわゆる学識経験者、あるいは関係官庁、たとえば建設省の担当の方とか、そういった方に一年にわたりまして御検討を願いまして、その請負業者の資格、あるいは指名をいたします基準、それからただいまの予定価格の基準を答申をいただきまして、もちろん私ども指名の問題は別にいたしまして、基準の点につきましても、私ども答申をそのまま、あるいは、うのみにするとか、そういうことじゃございませんので、そういった会計検査院からも、あるいはその他からも御指摘を受けたような点を十二分にしんしゃくして、その答申を一つの参考にして、これもいろいろの部外の権威者の出された一つ結論でもございますので、両々相にらんで結論を出したい、もちろん大きな方向はできるだけ安く、率もできるだけ低くということで現在結論を出すべく進んでおる、こういうことでございます。
  53. 岩間正男

    岩間正男君 これは正式に何というのですか、この基準委員会というのは初めて私聞いたのですが、どういう名前で、それから、これは構成人員なんか大体わかったら……。
  54. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) 正式に設けましたのは昭和三十一年一月、正式の名前は請負工事予定価格積算基準委員会委員の名簿はちょっと今持ち合せておりませんので、後刻御報告いたします。
  55. 岩間正男

    岩間正男君 これは国鉄のあれだけですか、それとも一般の国の契約に関する事項全部でしょうか。
  56. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) これは国鉄限りのものでございます。
  57. 岩間正男

    岩間正男君 これは私たち実は今まで知らなかったので、うかつで知らないのでありますけれども、この基準委員会はどういうふうに運用されているのか、それから、その構成の問題、こういうことも必要だと思います。これはたまたまそういうものに諮問して、そこで認めるということで、そこで、つまり、皆さんの今までの請負のやり方を合理化するという形で運用されたのでは非常に工合悪いと思います。そういう意味から、相当これは権威のある、もちろん部外の方も入っておる、学識経験者によって構成されているというのであります。これを信用しないわけじゃないけれども、そういう人たち意見を参考にして、なおかつ、このような指摘事項がたくさん出ておるというところに、やはり、この基準委員会を信用していいか悪いかという問題がはっきり渦巻いておる、こういう点では、やはり基準委員会というものを日の目を当てて明らかにする必要があると思います。これはいかがでしょう。これは小倉副総裁にお伺いします。
  58. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 実はこの委員会を開きましたのは、御承知の通りに、前に国鉄の実態を調査するということで経営調査会というものが運輸大臣の諮問機関で設立いたされまして、そこで国鉄の業務運営の点につきまして細大漏らさず御検討願ったのでございますが、その節に、工事請負を適正にするために部外の委員会を設けるのが適正であるといったような御趣旨がありましたので、それに基きましてただいまの委員会を設定したのでございます。  それで委員長は平山復二郎氏、これはパシフィック・コンサルタント株式会社取締役社長、以下委員をイロハ順申し上げますと、今井四郎先生、建設省から富岡茂雄氏、運輸省から田中倫治氏、建設省から建部仁彦氏、国鉄の建設局長の高原、大蔵省としては中尾博之氏、電源開発株式会社から野瀬正儀氏、建設省から山内一郎氏、電化協会から小林謙二氏、東京電力株式会社佐藤勇吉氏、建設省から三橋信一氏、日本電信電話公社から鈴木氏等でございまして、そのほかに国鉄からも建設局長の高原、常務理事の並木、経理局長久保、その他一、二が入って構成いたしておる次第でございます。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 これはだれに責任を負うのですか。運輸大臣ですか、責任を負うところは。そうしてこれはどういうふうに開かれておるのか。案件があるたびに開かれておるのか。つまりケース・バイ・ケースですか。それとも定例に開かれておるか。
  60. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) これは国鉄の請負工事というものをいかにすべきかという全体的な御検討を願い、さらにその請負工事会社の選定の基準を設けていただく。これは国鉄総裁の諮問機関でございまして、それが国鉄総裁に諮問せられまして、その諮問の答申は総裁に出されまして、総裁から実務機関の方に命令される。こういう仕組みになっております。
  61. 岩間正男

    岩間正男君 私たちこれを今まで知らなかったのですが、先ほどお聞きしたので、それの構成なり、それから運営の仕方なりについて、具体的にわかるような、何かパンフレットがあるようですが、そういうものをちょうだいしたいと思うのです。なぜそういうことを問題にするかというと、今の一つの事例でありますが、幾多指摘されている中から一つの例をやや詳しく私はいろいろ質問したわけなんです。その中でやはりいろいろな食い違いが出てくるわけです。そうして、しかもこれは、運送費のごときは、東京の場合は現場渡しだから、これは別にそれを原価計算に、経営費に入れて組まなくてもいい、こういう点は、はっきり認められている。その結果、かれこれしまして、甘く見ても七百九十万円というような損害を受けている。こういう例は、先ほど岡委員も指摘されましたように、無数にあるわけですね。依然として跡を絶たない。昨年もこれは問題になったわけです。昨年は何か電信盤だと思いますが、これについて実際機械を作るところに注文すれば安くいくやつを第三者に注文した。そういうふうにして総合的にやったところが、実際は百六十万か何ぼか高くなった。総合的にやれば安くなるということはわかるのだが、総合的にやったらば高くなるというので、ずいぶんこの辺は、問題としては小さかったが、当委員会としても非常に問題にされた問題だと思う。そういうことが跡を絶たないと思う。  私はこういう問題と関連しまして、実は国鉄の五カ年計画との関連をちょっとお伺いしたい。といいますのは、昨年の運賃値上げのときに五カ年計画の問題が問題になりました。この中で、国鉄の工事量というのは、三十一年度までの大体二倍ということになったわけです。ところが、工事局の人員は一向ふやさない。そうしておいて、どういうふうな方法でやるかというと、ほとんど全部これを外注に出す。こうなりますと、やはりこのような、いわば指摘されるような問題が含まれているわけです。つまり私は先ほど業者のうまみという言葉で表現しましたけれども、しかし当委員会としましては、このうまみこそが汚職の一つのこれは源泉になるわけです。そうしてこういうような形でこれが運営されるというところに、やはり国鉄経営の非常に大きな問題が出ていると思う。これは国鉄全体の中にやはりまだ明確にされていない、いわば今までの習慣やそういうもので残されてきたところの、日の目がほんとうに当てられていない部面じゃないかと考えられる。今度の五カ年計画の中で、たくさんの工事量が外注を本体として進めるということで、内部の工事局の機能そのものを十分に発揮することができない形になつてきた。   〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕 この問題と、今のような工事のうまみという形で——つまり一方では、また、岡委員からも指摘されましたが、何か特定の、そうして国鉄と縁故の深いような業者に請負をされていく、その背面というものは、一体これはどういうふうになっているかという、やはり国民の疑惑が一つ集まっているわけなんです。こういう点で、私は外注にたよらざるを得ない、工事量はふえたのだからたよらざるを得ないということで、あなた方は説明されていると思うのであります。しかし、工事局をもっとこれは拡充するなり、そうして人員をもっと増加するなり、そういうふうにすることによって、たとえば設計図一つ見ましても、これは内部で設計図を作らせれば二十万でできるけれども、これを外注するから百万円というものをみすみすと払っている。これはやはり相当な損失です。せっかくそのような機能を持ちながら、実はその機能を十分に発揮させない。そうして外注に出す。そういうようなことの中にまた問題も出てきている。たとえば、どうしても長年そういう問題を手にかけてきた、熟練されたところの優秀な工事局の諸君でなくちゃできないというようなこと、たとえばトンネルの問題とか、橋梁の問題とか、その他専門的な技術を必要とするものがたくさんあると思う。そういうものまで外注に出しているんじゃないか、そういうところから工事の疎漏ということも出てくる。これは非常に私は重要な問題だと考えるのでありますが、依然として三十三年度、来年度におきましてもこれは外注を中心としてやられるのであるかどうか。この点やはり基本的な国鉄の工事経営の問題としてお伺いしたいと思います。いかがでございましょうか。
  62. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 五カ年計画との関連についての御質問でございますが、工事量が、工事費が約倍になりまして、しかしその際に工事費はできるだけ節約するように、単価を切り下げるようにという実はきびしい御査定を受けたのでありまして、そういう点では総額がふえましたけれども、その内容とする工事量がそれ以上ふえておりますので、私どもは懸命になって単価の切り下げを考えております。それでただいま、設計はもう原則として外に出すのではないかという御指摘でございますが、決してそうではございません。やはり従来と同様にできるだけ部内でやっていきたい。しかしながら従来と違いまして、従来でも、たとえば車両等につきましてはメーカーと一部共同設計をいたしたりしておりまするが、今回は工事量が非常にふえまして、やはり設計能力が不足する分も出て参りますから、そういう点を補う意味におきましては、部外に設計を依頼することもありますが、決して原則的に部外に設計を出すというようなことは全然考えておりません。むしろできるだけ部内で設計して、足らざるを部外に協力を願う、こういうつもりをしております。それからまた工事費につきましても、非常に技術の進歩によりまして、昔と比較しまして、橋梁でありますとか墜道でありますとかいうものは、工事の期間も非常に短縮せられましたし、従いまして工事費も、私、今、宙では覚えておりまませんが、昔より非常に単価が安くでき上るようになって参りました。また購入につきましても、いろいろ御指摘の点につきましては、高きに過ぎる点をいろいろ御指摘になりましたが、また私どもが努力いたしましてずいぶん節約いたしておる点も多方面にございますので、そういう点はますます私ども努力して参りますから御了承願いたいと、こう考えております。
  63. 岩間正男

    岩間正男君 私お聞きしたいのは、国鉄のやはり大きい方針として、外注中心主義でいくのか、それとも国鉄部内の優秀な工事局の能力を期待しやっていくのか。これは昨年の話では外注中心主義の方にいくのだ、外注を大部分にするのだ、こういうような話だったのでありますが、これを本年も依然として踏襲されるのかどうか。これと関連して、昨年これはいろいろ工事をされたわけでありますが、大ざっぱでいいのでありますが、内部でされた工事の量、それから外部に外注として出された工事の量、これはどういうような割合になっておりますか、この点お伺いしたいと思います。
  64. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) ちょっと御質問についてお教えいただきたいのですが、設計そのものを外注する場合と、それから工事そのもの、工事施行を外注する場合とございまして、この点は副総裁の補足を申し上げるようですが、工事の設計についてはあくまで部内で行う。ただ若干の例外的に外注をお願いすることがある。それから工事のそのものの施行については、外注の場合もあるし、また直営も、もちろんございます。この場合は直営主義とも申せませんし、外注主義とも申せませんと思いますが、今お尋ねの率と申されたのはどちらのことに伺ったらいいか、お教え願いたいと思います。
  65. 岩間正男

    岩間正男君 これは両方ともです。だから設計の場合はどういうふうになっているか。全体に必要な設計の何割ぐらいは外注されるのか。内部ではどれくらいやられたのか。それからこの工事の場合ですね、これは外注はどれくらい、直営はどれくらい、こういう点についてあらましわかりましたら、これはお聞かせ願いたい。
  66. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 調査してすぐ資料をお届けいたします。
  67. 岩間正男

    岩間正男君 これは概括的に言うと、やはり昨年の方針を踏襲されていったわけですね、外注に大部分出すと。とてもこれは内部では消化できないから、そこで外注に出す……。工事局の人員の増強というのはこれはほとんど昨年はなされなかった。こういったことも関連して、そういうふうにこれはならざるを得なかったのですか、いかがですか。
  68. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) その設計につきましては、先ほど中で上げましたように、ほとんどが原則的には部内で設計いたしております。それで、そういう設計要員が不足をきたしたのもございましたので、そういう点も極力充実いたしております。全面の主要な線路の設計などは東京に集中して特別の事務所を設けまして、部内の事務所で、そこで全部設計いたしておるような次第であります。ただ申し上げましたのは、ときたま、まあ車両の設計などで共同設計をした例もあるということだけでございまして、根本的には従来と同じように、設計は部内でいたしていきたい。しかし将来手に余りますような場合には、外注も補足的には考えなければなるまいか、こういうことでございます。
  69. 岩間正男

    岩間正男君 これはあれではきまらないのですか。作業量になりますが、大体金の計算でわかると思うのです。工事のために必要な設計に要する費用と、実際に工事に要する費用と、これの割合はどういうふうになりますか。設計費というのは、非常に少いものでしょう。全体のどのくらいですか。
  70. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) 工事によりまして非常に違いまするし、類型的なものもあるのと、全然新らしい工事というのもございますので、ちょっと簡単に率は出ないかと思いますが、二、三の例をとって御説明することはできるかと思いますので、別に用意したいと思います。
  71. 岩間正男

    岩間正男君 ですから、私は全体の工事関係をひっくるめて、その中でやはり実際の工事に要する経費というものは大部分じゃないかと思う。設計費というのは、その中のこれは一〇%か、五%に当りますか、私はしろうとですから、その正確な数字はわかりません。大体見たって、これは五%とかという数字になるのじゃないか。そういうふうな点から、部内でこれは今までの限度があって消化できないというので、これはほとんど業者に請け負わせておる、こういう格好になっておる。そうすると、たとえば、ここの指摘を見ましても、例年に変らないほどずいぶんやはり依然として指摘をされておる。これは来年あたり、三十二年度あたりになってくるとどういうふうになりますか、これもおそらくふえざるを得ないのじゃないか、そういう事態も出てくるのじゃないかということを非常に心配するのです。と言いますのは、依然として国鉄の請負の中に横たわっている問題として、先ほど申しましたような問題があるのです。やはり国鉄の縁故関係、あるいは外郭団体、あるいは国鉄関係の元の役員、そういうような人たちによって経営されておるところ、それで、やはりこれは相当市価よりも高いというような、つまり、うまみのある形でもって落される、こういうことがどの程度まで一体……。何回も決算委員会で指摘されるにかかわらず直っているのかどうか。ここのところにやはり一つ大きな問題が私はあると思う。この問題はやはり大体のそういう数量を検討してみて、そうして五カ年計画という重大な一つの進路を変えるような方向が出てきておるのでありますから、これと関連してこれは明確にすることが必要じゃないか。もしもこの委員会で指摘されることが年年続いて、その基礎の上に外注が非常に大きくされるということになれば、やはりここでもっと腐敗や、それから好ましからざる事項が多く出てくる、発生してくる可能性が非常にある。こういう点について当委員会国鉄の今後の工事の運営について相当やはり監視する必要があるということを私は考えるのです。  これと関連しましてまだもう一つお聞きしたいのでありまするが、昨年度の予算によりますと、工事関係の人員はほとんどこれはふやさないという建前であったと思うのであります。まあ設計から見ましても、大体設計量だけでも二倍になっている、これで同じ人員では耐えられない。もしふやさないという事態になれば、これは具体的にはどういうふうに運営されますか。この実態を、私よくわかりませんのでお聞かせ願いたいと思います。
  72. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) お答えの前に申し上げますと、再三申し上げましたが、設計はほとんど全部国鉄の部内でやっております。工事をいたします場合には、やはりこちらで設計をいたしまして、その設計をもとにして見積りをいたすのが原則でございますから、設計はほとんど全部を部内でいたしております。これは従来の方針でございますし、今後もこういうふうに継続していきたいと思います。  それから工事要員につきましては、工事につきましても多少の繁閑がございますし、あるいは他の方面からできるだけ工事関係に働けるような人員の振りかえをいたしまして、できるだけ工事部面を充実いたしました。なお来年度も増員をお願いしておりまするので、そういう方面で、工事の設計といわず、調査といわず、工事に関する機関の充実をはかって参りたいと思います。しかしながら、今国鉄が課せられておりまする現状から見ますれば、すぐに飛躍して工事関係の充実を百パーセントいたすことはできないので、そういう点は残念に思っております。
  73. 岩間正男

    岩間正男君 これはまあ設計はほとんどやるということになりますと、工事量が二倍になっているのですから、従って設計に関する人員からみましても、これはふやさなければならないのじゃないか。それをまあ、あなたたちの内部で振りかえて、何とかまかなってきたということでありますが、しかしこれはやはり工事の積極性から考えて、もっとこういう問題は明確にすべきじゃないかと、当時私は宮澤運輸大臣にこの点を質問したわけであります。工事量が二倍になり、人員は一つもふやさない。そうなれば、現在いる工事局の人たちがこの負担を背負うことになる、そのしわを背負うことになる、こういうことでは非常にまずいのじゃないか。そこで、当然その結果は外注をきたし、外注第一主義ということに転換していくのじゃないか。そういうふうになれば、国鉄運営の面で非常に今後いろいろな問題が発生してくる、こういう点を検討してほしいと、こういうことを申したのでありますが、当時はこれに対する的確な答弁がなかったわけであります。しかしそれを部内で、いわば何とか振りかえてまかなっているということでありますが、私はこの点は、これでは行き詰まりがくるし、非常に不明確じゃないかというふうに考えるのです。これと関係しまして、今年度の予算を見ましても、工事局の関係の予算というものはふえていないと思うのです。むしろ減っていると思う。こういう中で五カ年計画を遂行するということは、非常にやはり困難を伴うのじゃないか。こういう点について明確な今後の方針をお持ちになっているかどうか、これはやはり非常に重要です。そうしてこの問題は請負とも関係しますから、当然どうしてもそういうような工事局の人の充足が不十分だということになりますと、これは外部に発注せざるを得ない。そうしますと、やはりこういう指摘事項というものが、もっともっとふえざるを得ない。少くとも根本を改めない限りは……。こういう点を常に質問申し上げておりますが、こういう点について、これを引っくるめた明確な当局の説明をお願いしたいと思うのです。
  74. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 五カ年計画を遂行いたしますには、諸般の業務がふえて参りますのは、これは当然でございます。しかし一つの企業といたしましては、企業会計で十分節約もしていかなければならぬという使命も実は負わされておるわけでございます。それで私どもは工事の設計につきましても十分事欠かないようにいろいろ努力いたしますと同時に、諸般の能率もあげて対処していきたい、しかしながらどうしても必要な最小限度の増員につきましては、関係方面に今後お願いして参るつもりでございます。
  75. 相澤重明

    相澤重明君 緊急質問の形になるわけですが、これは上村第五局長にお尋ねをしたいと思うのであります。御承知のように昭和二十九年に北海道の洞爺丸事故によって多くの人命を失ったわけでありますが、その人たちに対する弔慰金あるいはまた国鉄の損害、こういうものは当然この三十年度の決算の中で私は御説明があってもよかったと思うのですが、それらの事項について会計検査院では別に何らこれに触れることがなかったかどうか、あるいはまた、そのことについてあなたの方では国鉄のそれらの事情というものを調査をしたかどうか、それについて最初にお答えを願いたいと思います。
  76. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 洞爺丸の海難事故について経理処置を調査したかということでございますが、見舞金その他が出ておるという点は、今、金額その他を記憶いたしませんが、大体見ております。それから損害が発生して、その後廃棄になったもの、あるいは修理されたものという点は見ておりますけれども、特に不当だというふうに考える点がございませんので、検査報告には載せておらないような状況でございます。
  77. 相澤重明

    相澤重明君 そういたしますと、会計検査院としては、洞爺丸事故については一応の説明を受けて数字は見たけれども、特に指摘すべきことはなかったという関係で、今回の三十年度の決算の中でも取り上げることはなかった、このように理解してよろしいのですね。
  78. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 私どもの調べた範囲においては大体そういうふうに考えて処理していると思います。
  79. 相澤重明

    相澤重明君 国鉄当局にお願いをしたいと思うのでありますが、この洞爺丸のいわゆる被害をこうむった方々の総数あるいは金額、弔慰金、見舞金等、そういうものについてはすでに何回か発表されたと思うのですが、最終的に三十年度に支出された金は幾らでありますか。またどのくらいになっておるか。これを一つ答弁をいただきたいと思います。
  80. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) 洞爺丸の関係につきましては、船体そのものの損害、あるいはただいま申された、直後に支出いたしました例の閣議決定によるお一人五十万円ずつ、それからその後一昨年でございますか、支出いたしましてこれで大体お話のつきましたのが総額三、四億になりますが、そういった金額、それから海難直後の御遺族の方々の宿泊費等、もろもろの雑費、こういった支出になるのでございますが、そのうち三十年度決算の分として的確に幾らということは、ただいま資料を持ち合せておりませんが、三十年度分としては、支出として出ておりますのは直後の善後処理、それから直後の弔慰金が中心になっております。それは別途調べまして御報告いたします。
  81. 相澤重明

    相澤重明君 それではさらにお尋ねをしたいと思うのでありますが、もちろん三十年度だけで処理が全部ついておるとは私も思いません。そこで継続していろいろと努力をされたことと私は思うのでありますが、特に当局が多くの犠牲者の中で特別に処置をしなければならなかったということを、あなた方は行なったか行なっていなかったか、そういう点があれば一つ御説明をいただきたい。
  82. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) ちょっとあるいは御質問の御趣旨に答え切れないかもしれませんが、遭難者の方々、御遺族に対しましては、御承知のように当時直後に閣議決定でとりあえずおひと方五十万円、これは御承知の通りでありますが、その後裁判が非常に長引いてなかなか結論を得ない、今日も御承知の通り結論を得ないわけでございまして、また過失か不可抗力かといったような微妙な点がまだ今日係属中でございますので、それにもかかわらず御遺族の方が非常にお困り等々の問題があって、これは一昨年でありますか、いろいろそういった問題も勘案して善後処置を約三、四億の金額であったかと思いますが、遺族会その他と御相談申し上げて、一応そういう処置をいたしたということでございまして、御質問の趣旨が、あるいは特別にというのは、何かお示しでもあったら思いつくかと思いますが。
  83. 相澤重明

    相澤重明君 それでは一つ私の方からお尋ねしたいと思いますが、この多くの犠牲者の中に外人の方が一人おったと私は思いますが、特にその方に対するいわゆる弔慰金等の問題について一般と異った方式がとられておる、あるいは別に追加して出されておる、こういうことがあったかなかったか、その点をお尋ねしたい。
  84. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) その点は、たしか外人の方のお一人があとになって解決いたしたように記憶しておりますが、私の記憶では、考えは方と申しますか、つまり先ほど申し上げた判決に至らないで、お互いがお話し合いで解決しましょうということで遺族会等と御相談いたしました。計算の方式はもちろん絶対額は給料その他人により皆違いますので、考え方は同じであったと記憶いたしておりますが、なお調査いたしたいと思います。
  85. 相澤重明

    相澤重明君 なお調査でなくて、少くともなくなった方々には見舞金なり、弔慰金を支出しているのは、先ほどあなたの言う通り閣議決定の線で出されたという点がある。あるいは国鉄が個別に折衝されて出されたのもあるわけです。その中で特に米国のなくなった方に対して一体幾らのいわゆるお見舞金なり、あるいは弔慰金というものを出されておるか、こういう点について私はお尋ねをしておるわけです。先ほどあなたのおっしゃったように、日本人についてはとにかく五十万そこそこのいわゆる決定額というものを一応出されて、そして個別折衝されたと思うが、この米国人に対しては千数百万円の金が出たということがよく言われておるが、これは一体どういうことなのか。これは私は真偽のほどはわからないが、それでお尋ねしておるのであるから、そこで一体一律に閣議決定で支払われたその後にそういうようなことをされたか、されなかったか、この点について実はお尋ねしておるわけです。
  86. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 私は閣議決定の一人五十万円のときには在職しておりませんので知りませんでしたが、その後の和解のときには私自分で衝に当りましたので、こまかなことは別として、大綱は承知しておりますが、あのときには遺族の方々もできるだけ早く金額がほしいと、しかしながら裁判が国鉄に過失があるかどうかということの判定はまだきまっておりませんので、もし国鉄に過失がありとすれば賠償額がふえますし、そうでないと減るということで、その点がまだ裁判の進行中でありますので、どちら側にもわからない、しかしながらできるだけ早く金を受け取りたいという御遺族の方の御意向もございまして、国鉄責任ありとすれば、計算されるであろうところのその金額から五十万円を引きまして、その残額の六割を差し上げたようなわけで、これにつきまして遺族の方も御満足になりまして、大体現在では千名前後の御遺族のうちで、まだその和解をなさらないのは数名にとどまると思っております。その数名の方もまあいろいろな特殊な関係で、あるいは所在が不明確であるとか、あちらさん側でいろいろ親族の争いで決定しないとかいうことで、はっきりお断りになったのは、たった一名じゃないかと思います。そういう場合に、実は外人の方の賠償というものは非常にむずかしいので、それは一応別にいたして考えてきたと思います。それで、ことにどの範囲ですか知りませんが、外人の人は米国の国内法によりまして政府から出る分もございます。その分をどうしようかということがいろいろなむずかしいことでございまして、結局今のところはペンディングになりまして、この裁判の進行を待っておる、こういうふうなことで、今お尋ねのような一人だけ特別にしたということは、私の記憶する限りではございませんので、もう一回そちらの方をよく調べまして、お答えいたすことにいたします。
  87. 相澤重明

    相澤重明君 今の副総裁のお話の中で、外人に対しては特別に政府で考えておることもあった、あるいは国鉄の全体の中での見舞金あるいは弔慰金というのは閣議決定ということであった、ということになると、二つの方法というものが一応予定をせられるわけです。そこで一体それが政府でお考えになっておったというのはどの程度のものなのか、あるいはまたそれは実際にもう全然国鉄の方ではそういうことは聞かないで、とにかくまあ外人であろうと日本人であろうと同じような扱いをしてきた、こういうふうに解釈ができるのか、今あなたの答弁では何か二つの方法が私は講じられておるように思うのだが、その点はいかがでしょうか。
  88. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) それは、この日本人の殉難者につきましては、こちら限りでできまするが、外人、ことに米人関係につきましては、米国のいろいろな補償といったような、あるいはそれが何の補償と、社会補償でありますか、何の補償でありますか知りませんが、そういうふうな関係もございまして複雑でありますから、そういう点で扱いが二途になるというのはこれは当然でございまして、不公平でも何でもないと私は考えます。それで、ただその今の御質問の支給方法その他につきまして、現在までどうなっているか、今後の見通しはどうかということにつきましては、ただいま唐突の御質問ですから、詳しい責任のある御答弁はできませんので、これは記録が全部整っておりまするからして、別に詳細に御提出いたすことにいたします。
  89. 相澤重明

    相澤重明君 そういたしますというと、一度これはあなたの御答弁速記録に残っておるわけですから、あとで調べればいいのですが、今のことを私どもがすなおに聞きますというと、外人の場合、特に私は米国人ということを名前をあげたわけでありますが、そういう方々に対しては社会補償的なものやいろいろな要素というものがあるから、当然これはよけいに政府としても処置をしなければならない、またそのことはあってもいい、こういうような私は御答弁だったと思うのです。そこで、そういうことを一体いつ閣議できめたのか、政府方針を出されたのか、そのことがおわかりになったならば御答弁をいただきたい。
  90. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) ただいまの閣議の問題でございますが、あの洞爺丸の災害直後に、まあ原因の問題についてはいろいろ協議がございましたけれども、とにかく遭難者に対してとりあえず弔慰はすべきだということで、これはむしろ政府でお取り上げになって、閣議でその原因のいかんを問わず見舞金を五十万円出すべきであるという政府決定をいたされたわけでございまして、それに従って国鉄としては、理由のいかんを問わずとりあえず支出する、ところがその後だんだんとこれは申しわけのないことですが、突き詰めますと、法律問題に相なるわけでございまして、過失があるかどうかといったようなことになり、これについては海難審判所で慎重に審議をしておられる最中である。ところが一方では遺族の方々も、あまり時間がたつのでは困るということで、一種の和解とでも申しましょうか、いわゆる御承知かと思いますが、ホフマン式といったようなことで計算をする方式がございまして、通常過失があると仮定いたしますれば、こういう方々は大体これだけの収入がある、これに対してはホフマン方式を適用いたしまして、たとえば百万円とか、給料の非常に高い方には二百万円とか、いろいろケースはございます。子供の方にはどうだとか、こういう計算をいたしまして、責任決定すれば当然お支払いする、ところが責任についてまだペンディングだ、しかも解決が迫られているということで、示談と申しますか、和解ということで遺族会の皆様方と相談して、もちろんこの遺族会は国内の方々だけの代表で、ここで御相談いたしまして、先ほど副総裁の申し上げたようなお話で、事件のいわゆる解決を待たないで、一応これで早急に納めよう、こういうことにお話がついたわけであります。ですからこれについては政府方針とかということはございませんが、政府としてはもちろん早く解決されることを望んでおられると思います。ただ外人につきましては、全然その場合別でございまして、そういった和解ということも、遺族会を対象としてやるわけに参らぬ、それから副総裁の先ほど申されたむずかしい問題のありますのと、米国の公務員でございまして、その他の市民の方につきましては、考え方によれば、そういった和解もできぬことはないということで、個々に適当な方法をもって御折衝申し上げておった、こういうことでございます。
  91. 島清

    ○島清君 関連して。……今相澤委員質問に対して、御一人に対して特別の配慮が加えられたということの答弁のようでありますが、そのときに遭難をされた受難者の外国人の員数は何人ぐらいございましたですか、それとその員数の国籍別ですね、たとえば今アメリカ人のところに特別御配慮があったようでありまするが、アメリカ人はこの者一人であったのか、アメリカ人というのが、その者以外にもっとおられたかどうか、さらにそのアメリカ人というのは、どういったような日本における身分上の人であったかどうか、そういうものが今おわかりでございましたら、承わっておきたいと思います。
  92. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 特別の配慮をしたというふうな前提でお話しでございますが、まだ私ども今まで御答弁しておりますのは、実はそういうことを深く承知しておりませんで、突然のことでありますから、よく調査して御報告申し上げます。  それからまた外人の員数は大体——幾名でございましたか、これもはっきりわかっておりますので、この場であやふやなことを申し上げますよりは、帰りましたらもう正確な数字がわかっておりますので、これを御報告申し上げるつもりでおります。
  93. 相澤重明

    相澤重明君 まあ御承知のように、この海難事故、特に国鉄が連絡船としての事故としては非常に当時世論を巻き起したものであります。従ってこれについては解決を、よく結果をとってやるということは、国鉄にとっても非常に私は大事なことだと思う。その後御承知のように、紫雲丸とか南海丸の事件も起きて、いつもやはり海難事故について非常なきびしい世論というものが出ておるわけです。そういう中で、特にまあお気の毒な遺族の方々に対する処置というものも早急にしなきゃならぬと、こう思うのです。従ってこの事件についても二十九年に起きた事故でありますから、私はできるだけ誠意を示していけば、これらの対策というものも早く進むのではないか、こう思っておるわけだ。いま一つは裁判中の問題ということでありますが、裁判はあと一体何件残っておるのかですね。今残されておるのかということも実はお尋ねをしたかったわけであります。  それから特に一般的な感情として言われることは、日本人と外人と、こういういわゆる感情論というものが、外人なるが故に一千万円以上でもいい、日本人なるが故に五十万か百万でいい、こういうことはなかなかこれはもしそうであるとすれば、私はよくわからないが、そうであるとすれば、これは大へんな私は問題だと思う。そこで事実がどうであるのか、あるいは先ほどお話のあったように、政府方針として、国鉄国鉄で見舞金なり弔慰金を出すが、そのほかに政府としての方針で出されるものは幾らか、こういうようなことがあるならば、それもやはり私は明確にしなければ、今後の少くとも問題の処理に私は禍根を残すだろう、こういう点を心配するわけだ。従って三十年度のうちに、私はある程度の目鼻が努力されてつけられたと、こう考えておりましたから、実は先ほどこれらのことについて何ら報告がなかったので、会計検査院にお尋ねをしたわけでありますけれども、三十年度からさらに今日まで、まだ残っておるものがあるとすれば、一体これはどういうふうにあと解決をしていくのか、その見通しについても国鉄に実はお尋ねをしたいわけだ。で、もし本日先ほどの副総裁の御答弁のように、実際がよくわからないから調べて御報告するというならば、それらのことを含んで私は資料として提出をしていただきたい、こう思うのであります。巷間そういうことが流れますというと、非常なこれはあれだけ世論のきびしい批判があり、しかも国会においても洞爺丸のこの事件については非常に大きな問題として取り上げられたことでありますから、その善後処置というものは、やはり私は正しい方向で進められなければならぬじゃないか、こう思うのでありますが、そういう点についても、一つ副総裁の御答弁を願いたいと思うのです。
  94. 小倉俊夫

    説明員(小倉俊夫君) 実は洞爺丸の事件につきましては、結局鉄道に過失があるかどうかということが未定であります間は、賠償の算定が絶対にできないのであります。それで船が沈みましてから、その五十万円の一時的なお金は差し上げましたけれども、あとの残額は、これは普通の状態では払えないんであります。しかしながら二年も経過しまして、遺族の方々は非常に困るということでありまするので、特段に私が向うの遺族会の会長さん、その他とお諮りしまして、その上にこの関係の向きの方々とも御相談いたしまして、それなら和解、示談にしたらよかろうということでお払いしましたので、この点については私は遺族の方に非常に感謝されておると思います。その先に払いましたことにつきましては、これは私がその妥結といいますか、協定をいたします場合に、遺族の会長さんと握手までしまして、お互いに喜び合ったのでございますから、国鉄としてもこういう難問題が解決したんだ、遺族の方々にも、先にお金をもらったんだということで非常に喜んでいただきましたので、そういう点につきましては、私は遺族の方に御不満はない。それからあとの個々の方々にも一々承諾書をいただきまして、そしてお金をお払いした次第でありまして、皆さん喜んで御納得の上でこの示談をいたしたのでございます。しかしながらただいま申し上げますように、外人につきましては、結局先ほど申し上げましたように、賠償につきましては、ホフマン式というので計算いたしまして、それはその人の身分であるとかあるいは月々の収入であるとか、そういうものが一つの算定の基礎になります。それともう一つ事情も違いますので、外人の方々については、これはおくれておるのでございます。しかしこういうことで、ただいまの資料につきましては、できるだけすみやかに調製してお届けいたすつもりであります。
  95. 岩間正男

    岩間正男君 ちょっと関連して一、二点だけ今の問題でお聞きしたいのですが、閣議決定、これは外人の補償の場合特別に行われてきておる、これはどういう根拠によって決定されておるのですか、その内容が実は知りたいのです。国鉄当局の方でおわかりでしたら教えていただきたい。  それからその閣議決定の線は、やはり国鉄としては無条件でのまれるのでありますか、どうですか。  第三には、ホフマン式という問題ですが、ホフマン式というような、これは非常に機械的に適用するということになると、つまり生活の水準というよりも、貨幣価値が非常に違っておる、アメリカと日本の場合では大へんな開きになっている、こういう問題については、実はビキニの補償の問題なんかと関連して非常に問題が発生してくると思うのです。つまり外交問題でもあり得る問題なんです。従って国鉄としても軽々にこの問題を決定できないので、やはり一国の当然自主権の問題とも関連してくる。つまり人間の命というものを一番簡単に金で計算するという形で、これは大衆の目には映るのです。日本人だから五十万円、アメリカ人だから一千万円ということでは、これはやはり了承できない問題が出てくるのです。そういう問題としての日米間の取りきめというものは、こういうような不慮の災害なんかにあるのかどうか、そういうものが基準として閣議は決定されておるのかどうか、閣議決定については国鉄は無条件でこれを承認するのか、ホフマン式のこの適用というものに機械的にはできない問題があるのです。この三点についてお伺いします。
  96. 石井昭正

    説明員(石井昭正君) 閣議決定のありましたときの事情につきましては、私が一番よく承知しておりますので申し上げますが、間議決定をいたしましたときは、御承知のように非常な大災害が起って世論が非常にきびしいときでありまして、普通の今までに考えられております国鉄責任があるかないかわからない場合におきまして、とっておった国鉄の従来の前例では、なかなか世間の御納得も得られないし、また事柄の性質上不穏当だろうというような気分が私どももいたしましたし、政府当局におきましてもお考えになって、その結果といたしまして、しかしながら国鉄自体としてそういう独断的な取り計らいをすることも、他の事例その他との関係上いかがかということで、特に閣議の決定でございますか、正式には御了解であったかもしれませんが、とにかく閣議決定と御同様な趣旨に閣議でもって審議を願いまして、成年男子の方に五十万円、その他年令において若干の差のついたのを、一律に過失の有無その他の条件を問わずお支払いしておる。この点については内外人の差別をいたしませんで、外人の方にも五十万円というものを差し上げて、これはあちらさんが受け取るか受け取らないか、あちらさんがそういうものを受け取りました場合におきましては、一種の将来の損害賠償額の放棄とみなされるというような慣習もあるようでございますので、いろいろ問題があったようでございましたが、結局その後大体においてお受け取りになったように聞いております。その点は内外人何ら区別なくされて、また当時の事情として、その閣議決定に対しましては、国鉄といたしましては、世上のいろいろの状況その他から考えて、閣議決定通り実施いたしましたので、別に異論を申し上げるわけでも何でもございません。閣議決定によって行いましたことはそれだけでございまして、それ以外のものはただいま久保常務から御説明申し上げたと思いますが、純然たる民事上の問題として処理して参っておるはずでございます。
  97. 久保亀夫

    説明員(久保亀夫君) そういった場合の最終的な損害賠償と申しますか、弔慰金を最終的に、たとえば過失があるということが明瞭になりました場合にする計算方式はいろいろございます。これはもちろんつかみ金ということには参りませんで、子供さんであるとか、あるいは収入の多い方であるとか、あるいはこう言ってはなんでございますが、先の長い方、先の短い方、いろいろあるわけでございまして、そういったことを、計数にはホフマン式とかいろいろの方式がございますが、そういうことを基準として出すということは通常の方式でございまして、同時にその場合の社会的の影響その他いろいろ考慮されますが、本筋はあくまでもそういう本筋でございまして、この場合の外人との関係でございますが、多くの場合、外人の場合は邦人と比較して収入が多いということですから、石井常務から申しました通り、純然たる民事的な問題として扱われておる。現にあの桜木町事件の場合にも、実は一例を申し上げますと、外人の船長さんなどがおられまして、やはりある程度そういったような関係から高くなっておるというような事例もございます。この点は純民事的な問題として考えて、もちろんその社会的影響その他は常に頭にあるわけでございますが、大筋はそういうことではないかと思います。具体的な計算例等につきましては、先ほども一例ございましたが、先ほど申し上げた通りでございます。
  98. 高野一夫

    委員長高野一夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  99. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 速記をつけて。  ほかに御発言もなければ、日本国有鉄道の問題につきましては、国鉄関係国有財産の登記に関する問題、その他資料を要求されているような問題を除きまして、検査報告批難事項第二千百四十二号から第二千百七十四号までの質疑は、以上をもって終了したものとすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 御異議ないと認めまして、さように決定いたします。     —————————————
  101. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 次回の委員会についてお諮りいたします。次回は明後日、三月十九日午後一時から開会いたします。昭和三十年度決算、農林漁業金融公庫の部の審議並びに調査事件といたしまして、農林中央金庫等融資状況等に関する件を審議いたします。関係者といたしましては、農林省からの関係政府委員並びに農林漁業金融公庫の総裁ほか責任当事者、及び農林中央金庫の楠見理事長参考人として出席を求めたいと思います。以上の通り決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 高野一夫

    委員長高野一夫君) 御異議ないと認めて、さように決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十六分散会