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説明員(上村照昌君)(上村照昌)
○
説明員
(
上村照昌
君)
日本国有鉄道
に関して御
説明
いたします。
昭和
三十年度の
検査報告
に掲記しました
個別事項
の件数は、
工事関係
十五件、
物件関係
十六件、
役務関係
一件、
不正行為
一件、
合計
三十三件となっております。 まず
工事
について申しますと、
工事
の
経理
が適正を欠いたものとして、二千百四十二号と二千百四十三号の二件があります。二千百四十二号は、
岐阜工事事務所
で
直営工事
の
人夫賃
として支払ったこととなっております五百九十余が円のうちには、
人夫賃
以外のものに支払っているものがあり、事実が相違しておりまして、
内容
の
確認
が困難な
事態
でありまして、二千百四十三号は、
静岡鉄道管理局
で
請負工事
が
設計
通り
竣工したということで
経理
されておりますのに、実際は
設計個所
と異なる
個所
を
施行
したり、あるいは前年度
施行済み
の
個所
を
施行
したということになっておりまして、
工事
の
実態
の
把握
が困難な
状況
であります。従いまして、
直営工事
においては実際と合致する
工事経理
をする必要があり、また
請負工事
におきましては、
工事個所
の
検討
、現場の
確認
を十分にする必要があると考えます。 次は
予定価格
の
積算
が過大であったため、
工事費
が高価となっているものが八件あります。まず、二千百四十四号の
大阪工事事務所
の
赤穂線
の
工事
で、ずい道掘
さく工事費
の
予定価格
の問題であります。掘
さく工事
におきましては、岩の性質が
工事費
に非常に影響するものでありますが、
本件
は、
工事費
の
積算
において、すべて岩を硬岩として
積算
されておりますけれども、当時の
状況等
から見まして、全部を硬岩とする必要はなかったものと考えられます。また掘
さく
に要する
電力量
を、全
工事期間
を通じて機械がフルに動くというふうに、
一般
には考えられないように多く
積算
されておられます。その結果、七億二千万円の
工事
に対し、概算四千九百万円が高価な
積算
となっているのであります。 二千百四十五号は、
札幌工事事務所
で
札幌用品庫改築工事
を
請負
に付します場合に、
請負
人持ち
材料
であります
鋼材
の
価格
について、
市場
の
調査
が十分でなかったため、
工事費
約四百二十万円が高価となっているものであります。 二千百四十六号は、
東京工事事務所
で請け負わせた
神田
駅町
架橋新設
その他
工事
ほか二
工事
におきまして、
材料
であります
コンクリート杭
の
価格
の
検討
が十分でなかったものであります。
コンクリート
くいは、当時
業者
の
価格表
が出ているのでありますが、大口の
取引
の場合にはその
価格
より値引きされ、しかも
運賃
は
業者持ち
で
取引
されている
実情
でありますのに、
調査
が十分でなかったために
価格表
を
基礎
にして
契約
されたため、約七百九十万円が高価となっているものであります。 二千百四十七号は、
名古屋鉄道管理局
で、
名古屋
、枇杷島間の
改良工事
を
請負
に付するに
当り
まして、
予定価格
の
積算
をする際、この
工事
に
使用
する
コンクリートブロック制作
に要しまする砂、
砂利等
の
市場価格等
の
調査
が十分でなかったため、
工事費
が約三百九十万円高価と認められるものであります。 二千百四十八号は、
東京電気工事事務所
で、
特別高圧ケーブル新設工事
を請け負わすに
当り
、
工事
の
実態
の
調査
が十分でなかったため、浅い根掘や厚さの薄い
基礎コンクリート
には
土留型ワク
を
使用
しないのが
通常
でありますのに、
業者
も
使用
しておらぬのでありますが、これを
積算
したりされたため、約四百三十万円の
工事費
が高価と認められる
事態
であります。 二千百四十九号は、
東京工事事務所
で
請負
に付せられた
上野
・
田端
間その二十八
田端
駅
構内土工
その他その二
工事
における
捨土費
の問題であります。
本件
は、当初の
契約
において
捨土費
を
立米当り
三百七十五円として
積算
されて
契約
されたものでありますが、
工事
途中において
設計変更
の必要がありましたために、未
施行部分
を解除して、さらに同一
業者
と
契約
されたものであります。その場合、
捨土費
を
立米当り
七百五十七円に上げて
契約
されております。しかも当時捨土につきましては、大体
東京都内
において
立米当り
二百六十円
程度
であると考えられますの、で、少くとも当初の三百七十円
程度
で
契約
するのが妥当と考えられ、それによりますと、約三百十万円が節約し得たと考えられます。 二千百五十号は、
東京工事事務所
で
神田
・
上野
間その二十六高架橋く
体新設
、その他
工事
ほか二十三件の
工事
を
請負
に付するに
当り
まして、
工事
に
使用
する生
コンクリート
の
予定価格
を
積算
する際、諸
経費
として生
コンクリート
の
価格
の一五%から二〇%を見込んでありますが、生
コンクリート
の
取引
の
実態等
から見まして、諸
経費
は七%くらいが適当と考えられ、これによって
積算
しますと、約七百四十万円が節約できたものであります。なお生
コンクリート
につきましては、
業者持ち
としないで、
国鉄
の
支給扱い
とする
方法
がとられれば、一そう
右利
であると考えられます。 二千百五十一号は、
東京鉄道管理局
で
大宮変電
区油入
遮断機
ほか二
工事
を
請負
に付するに
当り
まして、
工事
の
内容
であります套管の
価格
を一
業者
の見積りを
基礎
として
予定価格
を概算されたため、他の
業者
その他について
調査
されたならば、なお相当有利な
予定価格
を
積算
し、
契約
できたと思われるものでありまして、
調査
が十分でありましたならば、約百六十万円は節約、できたと考えられるものであります。次は
工事
の
施行
に
当り
、
契約処置
が適切でなかったため、不
経済
となっているものが二件であります。 まず、二千百五十二号の
契約相手方
の
選定
の問題でありますが、
東京鉄道管理局
で
軌条用タイプレート
の
改造工事
を
請負
に出された
相手方
は、
改造工事
を行う施設がなく、全部
下請け
に出している
状況
でありますが、これを直接
下請け業者
と
契約
する
配意
がとられたならば、約百三十万円が節約し得たと考えられるものであります。 次は二千百五十三号の
電動車
五十八両の
更新修繕工事
の
請負
についてでありますが、この
工事
については
主要部分
を
業者持ち
として
契約
しておられますが、
部内工事
において行われる同種の
修繕工事
、あるいは
新製電車
の
製作請負
の場合には、
資材局
で一括調達して
支給扱い
とするなど有利な
方法
がとられておりますから、同様に
支給扱い
とせられたならば、約千百万円が節約できたと考えられるものであります。 次は二千百五十四号の
工事
の
設計
と
施行
とが相違しておるものであります。これは
大阪電気工事事務所
で、米原駅
構内電車線路支持物新設
、その二
工事
ほか十八件の
工事
を
請負
に出して
設計
通り
完成したものとして
検収
しておりますが、実際を調べてみますと、
基礎コンクリート
などが
設計
と異なる形ででき上っておるものでありまして、
設計
に比べて出来町が約四百九十万円不足しておるものであります。
工事関係
の
最後
は、二千百五十五号と二千百五十六号の
工事用交付材料
の
残材
が
回収不足
となっておるものであります。これは
岐阜工事事務所
と
東京工事事務所
において、
工事用
として
業者
に交付された古
軌条
の
残材
が
回収不足
となっておる
事態
でありまして、このような
事態
の発生したのは、
契約
上
残材
を回収することになっておるのに
材料交付
の際
残量発生見込数量
をあらかじめ算定しなかったり、あるいは
工事
が完成した際、
請負
人が
残材
を持ってきた場合に
検討
しないで、そのまま受け入れられておられるためであります。 次は
物件関係
について
説明
します。最初は
予定価格
の
積算
が過大なため
購入価格
が高価となったと認められるもので、二千百五十七号から二千百六十一号までの五件であります。 二千百五十七号は、
資材局
で
購入
せられた
貨車
六百両についてでありますが、
予定価格
の
積算
から見ますると、
支給材料
及び
請負
人持ち
鉄鋼部品
を除いた
鋼材
の
所要量
について、大体
製品歩留り
が六八%になっておりますが、
部内工場
などにおける
歩留り
は相当上回っており、
歩留り
について
考慮
が十分払われていたならば、約二千万円は
積算
を少くすることができたと考えられます。 二千百五十八号は、
車両用パッド
の構入でありまするが、
予定価格
を
積算
した
主要材料
であります
牛毛
の
価格
が過大であったり、
加工費
が過大であったため、約五百万が円が高価と認められるものであります。 二千百五十九号は、三等寝
台車用毛布カバー
の
府入費
についてでありまして、
毛布
の寸法からして、
カバー
の
布地
は四十二インチ幅で十分でありますのに、五十四インチ幅として
布地
を
積算
されましたため、約五百六十万円が不
経済
になっておるのであります。 二千百六十号は、
九州地方資材部
における腕木の
購入
でありますが、原木の
価格
を高く見積ったり、
製材歩留り
を多く見積られたなどのため、約三百十万円が高価と認められるのであります。 二千百六十一号は、
関西地方資材部
の
炭酸紙
の
購入
でありますが、これは
業者
の
販売状況
その他
資材部
の
購入状況
を
考慮
し
購入
せられたならば、約八十八方円が節約できたと考えられるのであります。 次は
物件
の
購入処置
が適切でなかったため不
経済
となっていると認められるもので、二千百六十二号から二千百六十五号までの四件であります。 二千百六十二号は、
まくら木
の
購入
についてであります。三十年度中に
まくら木
の一種、二種、
三種合計
四百十余万本を二十一億余万円で
購入
しておられますが、
まくら木
の
購入
につきましては、二十九年度
検査報告
において
購入方法等
について
改善
を促したところでありますが、その後
検査院
において
実態
を
調査
しました結果、
納入業者
のうちには
契約
だけいたしまして、同
業者
に代納させたり、
契約全量
を
下請け
させ、
中間手数料
を得ている者などが少くなく、また
防腐工場
及び
用品庫
を主な
納地
としておられますが、
検収
に伴い発生する約三十万本の
排却品
に対する不用な
運賃
を要するなど、
購入価格
を高くする結果となっております。従いまして、
まくら木
の
購入
につきましては、努めて
業者
と直接
契約
することとし、
納地
を
生産者発
駅とするように
考慮
しますれば、
経費
も相当軽減し得るのではないかと考えます。また
用品庫
納めで納入させたため、二段
輸送
、逆
輸送
となり、不
経済
になっていたり、あるいは
まくら木
の割れのおそれのあるものについて
鉄線巻
を実施しておられますが、
材料
の
所要量
や、
労務費
の
積算
が適切でないため高価となっているものであります。 二千百六十三号は、
中部資材部
で
水石けん
の一種でありますタマゴ=シャンプーを
銘柄指定
と同様な
方法
で五百二十万余円で聴入しておられますが、他の
資材部
、では、同一
用途日本工業規格
の
粉石けん
を
使用
しておられますので、同じものを
購入
せられたならば約二百四十万円が節約できたものであります。 二千百六十四号は、
関東地方資材部
で
亜鉛メッキ綱
より線として
購入
せられたものについてでありますが、
検査院
で
納入品
について
品質
を
調査
しておりますと、実際に納まったものは
通常鉄線
と称しているものでありまして、
価格
の点から見ますと、約七十万円は安いものが入っておるのであります。このようなことになりましたのは、
購入価桁
の定め方が適当でなかったためと考えられます。 二十百六十五号は、
九州地方資材部
で
毛布
を千四百八十一枚
購入
するに当って、
風合見本通り
ということで
紡毛糸
の
質等
について明らかにしないで構入されたため、実際納入されました品は
品質
が悪く、一枚
当り
千五十円
程度
のもので、
購入価格
の一枚
当り
千三百円と比べて
総額
四十万円が不
経済
となっております。 次は二千百六十六号の
冷蔵車
の
制作
に
当り
、
交付材料
が多過ぎたため不
経済
となったと認められるものであります。その
製作
に
当り
まして、
ステンレス綱板
を支給しておられますが、
鋼板
の
板取り
、溶接については符に指示しておられないのでありますから、その
板取り
については最も有利な
方法
で
板取り
をする打算で、
交付材料
の
数量
を
決定
されるのが適当と思うのでありますが、
検査院
で
板取り
の
計算
をいたしました結果、
鋼板
が相当少くて済むことがわかり、その点について
検討
が十分であれば、約五百四十万円が節約できたとえられます。 二千百六十七号は、
国有鉄道営業局
で利用可能な
手小荷物切符
を廃冊処理させたため、約千七十万円が不
経済
となったものであります。 二千百六十八号は、
構内営業料
及び
土地建物等
の
使用料決定
の問題であります。
土地建物等
の
使用料
につきましては、従来著しく低かったので、二十九年度において従来の
料金
を改訂しましたが、その実施に
当り
、
改訂料金
が従来の
料金
に比べ
一定
額をこえるものにつきましては、三十一年度において
適正料金
になるように次年度以降漸増することとして二十九年度の
料金
を定められましたが、三十年度になり、さらに前年度に比べ大幅の
値上り
となるもの、
負担
の容易でないもの、
局所長
がやむを得ないと認めましたものについて、
一定
の
条件
のもとに三十年度において三十九年度の
料金
を据え置くことができる
取扱い
を
決定
され、その結果、
東京
、
大阪
両
鉄道管理局
においては全面的に該当するものとし、
名古屋
、金沢、門司の三局では一部のものがこれに該当するとして、
合計
四百三十一件について二十九年度
料金
を据え置いて制定されております。その
処置
が緩慢でありまして、ただいま申しました
処置
をとられたものにつきましては、
負担能力
が十分あると認められるものも相当含まれておる
状況
であります。 なお、
鉄道会館
の
土地
、
建物
の
使用料
の問題を記述しておりますが、その要旨は
使用料
の
基礎
となっております駅の特殊の
収益力
を含めた
地価
を六十万円と評定され、それから
土地
の
使用承認
のときから
料金改訂
のときまでの
値上り分
の半分を
鉄道会館
に帰属することとして
坪当り
四十三万五千円として、これを
基礎
として
使用料
を
決定
されておりますが、六十万円の
評価
も必ずしも適当とは考えられませんし、
値上り分
の半分を
相手方
に帰属させる
処置
も、
本件
が
権利金
を取っていないなど、民間の
貸借例
と
条件
が異なっておりますので、必ずしも妥当とは考えられません。また名店街の
部分
について
一般
の
高架下
と同様な割引がしてありますが、この点も
考慮
の余地があると考えられます。それから
現有鉄道会館
は六階まででありますが、将来十二階となるということで、十二階を
基礎
として
料金
を
決定
されておりますが、妥当とは考えられないなどの点が記述してありまして、
鉄道会館
は民衆駅の
料金決定
の
基準
となるものでありますから、
国鉄
において十分
検討
されることを望んでおるわけであります。 次は
土地
の
売り渡し価格
が低廉と認められるもので、二千百六十九号から二千百七十一号の三件であります。二千百六十号は、
広島鉄道管理
上局で
鉄道
弘済会に売り渡された
広島
の
土地
の問題でありまして、これは
さら地
の
価格
から弘済会の
建物
が建っているということから、
借地権相当額
として三割を
減額
しておられますが、御承知の
通り国鉄
の
使用承認
に
当り
、
使用期間
が一カ年、
期間満了
後は
使用者
の
負担
において
さら地
に回復して返還することが
条件
となっており、
国鉄
の他の
売り渡し事例
がこのような
減額措置
をとらないのを例となっておりますので、他の
事例
と同様な
扱い
をしますと、約六百八十万円は高価に売却し得たこととなります。 二千百七十号は、
東京鉄道管理局
で
鉄鋼ビルディング
に売却せられた
土地
の
価格
の問題であります。この
土地
は帯状のくほんだ
土地
であるということで
坪当り
八万円で売却しておられますが、
買受人
の申し立てにより売却されたもので、
買受人
においてその
所有地
と
一体
として
使用
ができるものでありますから、銀行の
正常地
としての
評価額
二十一万円から凹地を
正常地
にする
経費坪当り
一万六千円を差し引いた
坪当り
十九万四千円で売るのが至当と考えられます。これによりますと、約四百六十万円は有利に処分できたものと思います。 二千百七十一号は、
大阪鉄道管理局
で
京阪神急行電鉄株式会社
に売却せられた
土地
の
価格
の問題であります。これも前と同じように帯状の不
整形地
ということで
一般
の
地価
より二〇%引きで売却されておりますが、
買受人
において、
買受人
の
土地
と
一体
として
劇場建設
のため
購入
を希望しているもので、特にこのような
減額
は必要ないのでありまして、もし
減額
しないで売却せられたとしますと、約三百七十万円は有利に処分し得たものと考えます。 次は二千百七十二号の
車両
の
使用料
の問題でありまして三十年度中各
鉄道管理局
で
貨車
の
使用料
として一億七百余が円を徴収しておられますが、二十九年度以降
財産
の
使用料
については、再
調達見込価格
を
基礎
として算定した
使用料
を徴収する
取扱い
が定められ、
建物等
につきましては、この
方法
によっておられますので、
貨車
についてもこの
方法
によって
料金
を改訂せられたといたしますと、さらに約二千八百万円を徴収し得たものと考えられます。 次に
役務関係
の二千百七十三号でありますが、
東京鉄道管理局
で
鉄道整備会社
に諸け負わせた
電車
の
清掃代金
についてでありまして、この作業は独占的に右の
会社
に請け負わせておるものでありますから、前年度の実績を勘案して
請負代金
を
決定
せられるのが妥当と考えられます。この
方法
によったといたしますと、
請負代金
四千三百万円は約三百六十万円を
減額
できたものではないかと考えます。
最後
は二千百七十四号の
不正行為
でありますが、特に御
説明
いたす点はございません。 以上申し述べたほか、
総括記述
として前の方に
資産
の再
評価
が必ずしも適当に行われていないこと。予算の
経理
として
委託工事
に従事した職員の
給与等
を
給与総額
とは
関係
なく支出されている点、
工事
について
受託工事
で直接費のほか
間接費
を回収するのに
一定
の乗率によっておられますが、
実情
に即しないようになっていること、あるいは
土地建物等
の
管理運用
が適当に行われていない面があること等について述べています。以上で
説明
を終ります。
kokalog - 国会議事録検索
1958-03-12 第28回国会 参議院 決算委員会 第11号
公式Web版
昭和三十年度一般会計歳入歳出決算 (会議録情報)
0
昭和
三十三年三月十二日(水曜日) 午後一時三十一分開会 ――
―――――――――――
委員
の移動 三月十一日
委員大谷瑩潤君
及び
官田重
文君
辞任
につき、その
補欠
として
松村
秀逸
君及び
手島栄
君を
議長
において指 名した。 本日
委員竹中恒夫
君
辞任
につき、その
補欠
として
千田正
君を
議長
において指 名した。 ――
―――――――――――
出席者
は左の
通り
。
委員長
高野
一夫
君
大谷
贇雄君 平島 敏夫君 相澤 重明君 奥 むめお君
委員
石井
桂君 勝俣 稔君
手島
栄君 西岡 ハル君 堀本 宜実君 増原
恵吉
君 松岡 平市君
松村
秀逸
君 大倉 精一君 岡 三郎君 島 清君
竹中
勝男君
千田
正君 岩間 正男君
政府委員
大蔵政務次官
白井 勇君
大蔵省管財局長
賀屋
正雄君
運輸省鉄道監督
局長
權田 良彦君
事務局側
常任委員会専門
員 池田 修蔵君
説明員
大蔵省管財局国
有
財産
第二課長 市瀬
泰蔵
君
大蔵省関東財務
局管財部長
宮川
政純
君
会計検査院事務
総局第五
局長
上村
照昌
君
日本国有鉄道
副 総裁
小倉
俊夫
君
日本国有鉄道常
務理事
久保 亀夫君
日本国有鉄道常
務理事
石井
昭正
君 ――
―――――――――――
本日の会議に付した
案件
○
昭和
三十年度
一般会計歳入歳出決算
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継
続) ○
昭和
三十年度
特別会計歳入歳出決算
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継
続) ○
昭和
三十年度
国税収納金整理資金受
払計算書
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継続
) ○
昭和
三十年度
政府関係機関決算書
(
内閣提出
)(第二十七回
国会継
続) ――
―――――――――――
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
1
○
委員長
(
高野一夫
君) ただいまから本日の
決算委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
変更
を報告申し上げます。三月十一日付、
大谷瑩潤君
、
宮田重文
君が
辞任
されまして、
松村秀逸
君、
手島栄
君が
補欠
選任されました。また、本日付をもって、
竹中恒夫
君が
辞任
、
千田正
君が
補欠
選任されました。 ――
―――――――――――
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
2
○
委員長
(
高野一夫
君) 本日の
委員長
及び
理事打合会
におきまして、申し合せました
事項
を報告申し上げます。次川は三月十四日金曜日午後一時から開会いたしまして、農林中金の融資問題について
政府当局
に対する
質疑
を行います。その次は来週月曜日、三月十七日午後一時から開会いたしまして、
国鉄
に関する
決算審議
を行います。以上の
通り
決定
することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
3
○
委員長
(
高野一夫
君) 御
異議
ないものと認めて、さように
決定
いたします。 ――
―――――――――――
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
4
○
委員長
(
高野一夫
君)
昭和
三十年度
一般会計歳入歳出決算
、
昭和
三十年度
特別会計歳入歳出決算
、
昭和
三十年度
国税収納金整理資金受払計算書
、
昭和
三十年度
政府関係機関決算書
を議題といたします。 本日は、
日本国有鉄道
の部を審議いたします。
検査報告批難事項
は、第二千百四十二号から第二千百七十四号までであります。まず
会計検査院
から
概要
の
説明
を願います。
説明員(上村照昌君)(上村照昌)
5
○
説明員
(
上村照昌
君)
日本国有鉄道
に関して御
説明
いたします。
昭和
三十年度の
検査報告
に掲記しました
個別事項
の件数は、
工事関係
十五件、
物件関係
十六件、
役務関係
一件、
不正行為
一件、
合計
三十三件となっております。 まず
工事
について申しますと、
工事
の
経理
が適正を欠いたものとして、二千百四十二号と二千百四十三号の二件があります。二千百四十二号は、
岐阜工事事務所
で
直営工事
の
人夫賃
として支払ったこととなっております五百九十余が円のうちには、
人夫賃
以外のものに支払っているものがあり、事実が相違しておりまして、
内容
の
確認
が困難な
事態
でありまして、二千百四十三号は、
静岡鉄道管理局
で
請負工事
が
設計
通り
竣工したということで
経理
されておりますのに、実際は
設計個所
と異なる
個所
を
施行
したり、あるいは前年度
施行済み
の
個所
を
施行
したということになっておりまして、
工事
の
実態
の
把握
が困難な
状況
であります。従いまして、
直営工事
においては実際と合致する
工事経理
をする必要があり、また
請負工事
におきましては、
工事個所
の
検討
、現場の
確認
を十分にする必要があると考えます。 次は
予定価格
の
積算
が過大であったため、
工事費
が高価となっているものが八件あります。まず、二千百四十四号の
大阪工事事務所
の
赤穂線
の
工事
で、ずい道掘
さく工事費
の
予定価格
の問題であります。掘
さく工事
におきましては、岩の性質が
工事費
に非常に影響するものでありますが、
本件
は、
工事費
の
積算
において、すべて岩を硬岩として
積算
されておりますけれども、当時の
状況等
から見まして、全部を硬岩とする必要はなかったものと考えられます。また掘
さく
に要する
電力量
を、全
工事期間
を通じて機械がフルに動くというふうに、
一般
には考えられないように多く
積算
されておられます。その結果、七億二千万円の
工事
に対し、概算四千九百万円が高価な
積算
となっているのであります。 二千百四十五号は、
札幌工事事務所
で
札幌用品庫改築工事
を
請負
に付します場合に、
請負
人持ち
材料
であります
鋼材
の
価格
について、
市場
の
調査
が十分でなかったため、
工事費
約四百二十万円が高価となっているものであります。 二千百四十六号は、
東京工事事務所
で請け負わせた
神田
駅町
架橋新設
その他
工事
ほか二
工事
におきまして、
材料
であります
コンクリート杭
の
価格
の
検討
が十分でなかったものであります。
コンクリート
くいは、当時
業者
の
価格表
が出ているのでありますが、大口の
取引
の場合にはその
価格
より値引きされ、しかも
運賃
は
業者持ち
で
取引
されている
実情
でありますのに、
調査
が十分でなかったために
価格表
を
基礎
にして
契約
されたため、約七百九十万円が高価となっているものであります。 二千百四十七号は、
名古屋鉄道管理局
で、
名古屋
、枇杷島間の
改良工事
を
請負
に付するに
当り
まして、
予定価格
の
積算
をする際、この
工事
に
使用
する
コンクリートブロック制作
に要しまする砂、
砂利等
の
市場価格等
の
調査
が十分でなかったため、
工事費
が約三百九十万円高価と認められるものであります。 二千百四十八号は、
東京電気工事事務所
で、
特別高圧ケーブル新設工事
を請け負わすに
当り
、
工事
の
実態
の
調査
が十分でなかったため、浅い根掘や厚さの薄い
基礎コンクリート
には
土留型ワク
を
使用
しないのが
通常
でありますのに、
業者
も
使用
しておらぬのでありますが、これを
積算
したりされたため、約四百三十万円の
工事費
が高価と認められる
事態
であります。 二千百四十九号は、
東京工事事務所
で
請負
に付せられた
上野
・
田端
間その二十八
田端
駅
構内土工
その他その二
工事
における
捨土費
の問題であります。
本件
は、当初の
契約
において
捨土費
を
立米当り
三百七十五円として
積算
されて
契約
されたものでありますが、
工事
途中において
設計変更
の必要がありましたために、未
施行部分
を解除して、さらに同一
業者
と
契約
されたものであります。その場合、
捨土費
を
立米当り
七百五十七円に上げて
契約
されております。しかも当時捨土につきましては、大体
東京都内
において
立米当り
二百六十円
程度
であると考えられますの、で、少くとも当初の三百七十円
程度
で
契約
するのが妥当と考えられ、それによりますと、約三百十万円が節約し得たと考えられます。 二千百五十号は、
東京工事事務所
で
神田
・
上野
間その二十六高架橋く
体新設
、その他
工事
ほか二十三件の
工事
を
請負
に付するに
当り
まして、
工事
に
使用
する生
コンクリート
の
予定価格
を
積算
する際、諸
経費
として生
コンクリート
の
価格
の一五%から二〇%を見込んでありますが、生
コンクリート
の
取引
の
実態等
から見まして、諸
経費
は七%くらいが適当と考えられ、これによって
積算
しますと、約七百四十万円が節約できたものであります。なお生
コンクリート
につきましては、
業者持ち
としないで、
国鉄
の
支給扱い
とする
方法
がとられれば、一そう
右利
であると考えられます。 二千百五十一号は、
東京鉄道管理局
で
大宮変電
区油入
遮断機
ほか二
工事
を
請負
に付するに
当り
まして、
工事
の
内容
であります套管の
価格
を一
業者
の見積りを
基礎
として
予定価格
を概算されたため、他の
業者
その他について
調査
されたならば、なお相当有利な
予定価格
を
積算
し、
契約
できたと思われるものでありまして、
調査
が十分でありましたならば、約百六十万円は節約、できたと考えられるものであります。次は
工事
の
施行
に
当り
、
契約処置
が適切でなかったため、不
経済
となっているものが二件であります。 まず、二千百五十二号の
契約相手方
の
選定
の問題でありますが、
東京鉄道管理局
で
軌条用タイプレート
の
改造工事
を
請負
に出された
相手方
は、
改造工事
を行う施設がなく、全部
下請け
に出している
状況
でありますが、これを直接
下請け業者
と
契約
する
配意
がとられたならば、約百三十万円が節約し得たと考えられるものであります。 次は二千百五十三号の
電動車
五十八両の
更新修繕工事
の
請負
についてでありますが、この
工事
については
主要部分
を
業者持ち
として
契約
しておられますが、
部内工事
において行われる同種の
修繕工事
、あるいは
新製電車
の
製作請負
の場合には、
資材局
で一括調達して
支給扱い
とするなど有利な
方法
がとられておりますから、同様に
支給扱い
とせられたならば、約千百万円が節約できたと考えられるものであります。 次は二千百五十四号の
工事
の
設計
と
施行
とが相違しておるものであります。これは
大阪電気工事事務所
で、米原駅
構内電車線路支持物新設
、その二
工事
ほか十八件の
工事
を
請負
に出して
設計
通り
完成したものとして
検収
しておりますが、実際を調べてみますと、
基礎コンクリート
などが
設計
と異なる形ででき上っておるものでありまして、
設計
に比べて出来町が約四百九十万円不足しておるものであります。
工事関係
の
最後
は、二千百五十五号と二千百五十六号の
工事用交付材料
の
残材
が
回収不足
となっておるものであります。これは
岐阜工事事務所
と
東京工事事務所
において、
工事用
として
業者
に交付された古
軌条
の
残材
が
回収不足
となっておる
事態
でありまして、このような
事態
の発生したのは、
契約
上
残材
を回収することになっておるのに
材料交付
の際
残量発生見込数量
をあらかじめ算定しなかったり、あるいは
工事
が完成した際、
請負
人が
残材
を持ってきた場合に
検討
しないで、そのまま受け入れられておられるためであります。 次は
物件関係
について
説明
します。最初は
予定価格
の
積算
が過大なため
購入価格
が高価となったと認められるもので、二千百五十七号から二千百六十一号までの五件であります。 二千百五十七号は、
資材局
で
購入
せられた
貨車
六百両についてでありますが、
予定価格
の
積算
から見ますると、
支給材料
及び
請負
人持ち
鉄鋼部品
を除いた
鋼材
の
所要量
について、大体
製品歩留り
が六八%になっておりますが、
部内工場
などにおける
歩留り
は相当上回っており、
歩留り
について
考慮
が十分払われていたならば、約二千万円は
積算
を少くすることができたと考えられます。 二千百五十八号は、
車両用パッド
の構入でありまするが、
予定価格
を
積算
した
主要材料
であります
牛毛
の
価格
が過大であったり、
加工費
が過大であったため、約五百万が円が高価と認められるものであります。 二千百五十九号は、三等寝
台車用毛布カバー
の
府入費
についてでありまして、
毛布
の寸法からして、
カバー
の
布地
は四十二インチ幅で十分でありますのに、五十四インチ幅として
布地
を
積算
されましたため、約五百六十万円が不
経済
になっておるのであります。 二千百六十号は、
九州地方資材部
における腕木の
購入
でありますが、原木の
価格
を高く見積ったり、
製材歩留り
を多く見積られたなどのため、約三百十万円が高価と認められるのであります。 二千百六十一号は、
関西地方資材部
の
炭酸紙
の
購入
でありますが、これは
業者
の
販売状況
その他
資材部
の
購入状況
を
考慮
し
購入
せられたならば、約八十八方円が節約できたと考えられるのであります。 次は
物件
の
購入処置
が適切でなかったため不
経済
となっていると認められるもので、二千百六十二号から二千百六十五号までの四件であります。 二千百六十二号は、
まくら木
の
購入
についてであります。三十年度中に
まくら木
の一種、二種、
三種合計
四百十余万本を二十一億余万円で
購入
しておられますが、
まくら木
の
購入
につきましては、二十九年度
検査報告
において
購入方法等
について
改善
を促したところでありますが、その後
検査院
において
実態
を
調査
しました結果、
納入業者
のうちには
契約
だけいたしまして、同
業者
に代納させたり、
契約全量
を
下請け
させ、
中間手数料
を得ている者などが少くなく、また
防腐工場
及び
用品庫
を主な
納地
としておられますが、
検収
に伴い発生する約三十万本の
排却品
に対する不用な
運賃
を要するなど、
購入価格
を高くする結果となっております。従いまして、
まくら木
の
購入
につきましては、努めて
業者
と直接
契約
することとし、
納地
を
生産者発
駅とするように
考慮
しますれば、
経費
も相当軽減し得るのではないかと考えます。また
用品庫
納めで納入させたため、二段
輸送
、逆
輸送
となり、不
経済
になっていたり、あるいは
まくら木
の割れのおそれのあるものについて
鉄線巻
を実施しておられますが、
材料
の
所要量
や、
労務費
の
積算
が適切でないため高価となっているものであります。 二千百六十三号は、
中部資材部
で
水石けん
の一種でありますタマゴ=シャンプーを
銘柄指定
と同様な
方法
で五百二十万余円で聴入しておられますが、他の
資材部
、では、同一
用途日本工業規格
の
粉石けん
を
使用
しておられますので、同じものを
購入
せられたならば約二百四十万円が節約できたものであります。 二千百六十四号は、
関東地方資材部
で
亜鉛メッキ綱
より線として
購入
せられたものについてでありますが、
検査院
で
納入品
について
品質
を
調査
しておりますと、実際に納まったものは
通常鉄線
と称しているものでありまして、
価格
の点から見ますと、約七十万円は安いものが入っておるのであります。このようなことになりましたのは、
購入価桁
の定め方が適当でなかったためと考えられます。 二十百六十五号は、
九州地方資材部
で
毛布
を千四百八十一枚
購入
するに当って、
風合見本通り
ということで
紡毛糸
の
質等
について明らかにしないで構入されたため、実際納入されました品は
品質
が悪く、一枚
当り
千五十円
程度
のもので、
購入価格
の一枚
当り
千三百円と比べて
総額
四十万円が不
経済
となっております。 次は二千百六十六号の
冷蔵車
の
制作
に
当り
、
交付材料
が多過ぎたため不
経済
となったと認められるものであります。その
製作
に
当り
まして、
ステンレス綱板
を支給しておられますが、
鋼板
の
板取り
、溶接については符に指示しておられないのでありますから、その
板取り
については最も有利な
方法
で
板取り
をする打算で、
交付材料
の
数量
を
決定
されるのが適当と思うのでありますが、
検査院
で
板取り
の
計算
をいたしました結果、
鋼板
が相当少くて済むことがわかり、その点について
検討
が十分であれば、約五百四十万円が節約できたとえられます。 二千百六十七号は、
国有鉄道営業局
で利用可能な
手小荷物切符
を廃冊処理させたため、約千七十万円が不
経済
となったものであります。 二千百六十八号は、
構内営業料
及び
土地建物等
の
使用料決定
の問題であります。
土地建物等
の
使用料
につきましては、従来著しく低かったので、二十九年度において従来の
料金
を改訂しましたが、その実施に
当り
、
改訂料金
が従来の
料金
に比べ
一定
額をこえるものにつきましては、三十一年度において
適正料金
になるように次年度以降漸増することとして二十九年度の
料金
を定められましたが、三十年度になり、さらに前年度に比べ大幅の
値上り
となるもの、
負担
の容易でないもの、
局所長
がやむを得ないと認めましたものについて、
一定
の
条件
のもとに三十年度において三十九年度の
料金
を据え置くことができる
取扱い
を
決定
され、その結果、
東京
、
大阪
両
鉄道管理局
においては全面的に該当するものとし、
名古屋
、金沢、門司の三局では一部のものがこれに該当するとして、
合計
四百三十一件について二十九年度
料金
を据え置いて制定されております。その
処置
が緩慢でありまして、ただいま申しました
処置
をとられたものにつきましては、
負担能力
が十分あると認められるものも相当含まれておる
状況
であります。 なお、
鉄道会館
の
土地
、
建物
の
使用料
の問題を記述しておりますが、その要旨は
使用料
の
基礎
となっております駅の特殊の
収益力
を含めた
地価
を六十万円と評定され、それから
土地
の
使用承認
のときから
料金改訂
のときまでの
値上り分
の半分を
鉄道会館
に帰属することとして
坪当り
四十三万五千円として、これを
基礎
として
使用料
を
決定
されておりますが、六十万円の
評価
も必ずしも適当とは考えられませんし、
値上り分
の半分を
相手方
に帰属させる
処置
も、
本件
が
権利金
を取っていないなど、民間の
貸借例
と
条件
が異なっておりますので、必ずしも妥当とは考えられません。また名店街の
部分
について
一般
の
高架下
と同様な割引がしてありますが、この点も
考慮
の余地があると考えられます。それから
現有鉄道会館
は六階まででありますが、将来十二階となるということで、十二階を
基礎
として
料金
を
決定
されておりますが、妥当とは考えられないなどの点が記述してありまして、
鉄道会館
は民衆駅の
料金決定
の
基準
となるものでありますから、
国鉄
において十分
検討
されることを望んでおるわけであります。 次は
土地
の
売り渡し価格
が低廉と認められるもので、二千百六十九号から二千百七十一号の三件であります。二千百六十号は、
広島鉄道管理
上局で
鉄道
弘済会に売り渡された
広島
の
土地
の問題でありまして、これは
さら地
の
価格
から弘済会の
建物
が建っているということから、
借地権相当額
として三割を
減額
しておられますが、御承知の
通り国鉄
の
使用承認
に
当り
、
使用期間
が一カ年、
期間満了
後は
使用者
の
負担
において
さら地
に回復して返還することが
条件
となっており、
国鉄
の他の
売り渡し事例
がこのような
減額措置
をとらないのを例となっておりますので、他の
事例
と同様な
扱い
をしますと、約六百八十万円は高価に売却し得たこととなります。 二千百七十号は、
東京鉄道管理局
で
鉄鋼ビルディング
に売却せられた
土地
の
価格
の問題であります。この
土地
は帯状のくほんだ
土地
であるということで
坪当り
八万円で売却しておられますが、
買受人
の申し立てにより売却されたもので、
買受人
においてその
所有地
と
一体
として
使用
ができるものでありますから、銀行の
正常地
としての
評価額
二十一万円から凹地を
正常地
にする
経費坪当り
一万六千円を差し引いた
坪当り
十九万四千円で売るのが至当と考えられます。これによりますと、約四百六十万円は有利に処分できたものと思います。 二千百七十一号は、
大阪鉄道管理局
で
京阪神急行電鉄株式会社
に売却せられた
土地
の
価格
の問題であります。これも前と同じように帯状の不
整形地
ということで
一般
の
地価
より二〇%引きで売却されておりますが、
買受人
において、
買受人
の
土地
と
一体
として
劇場建設
のため
購入
を希望しているもので、特にこのような
減額
は必要ないのでありまして、もし
減額
しないで売却せられたとしますと、約三百七十万円は有利に処分し得たものと考えます。 次は二千百七十二号の
車両
の
使用料
の問題でありまして三十年度中各
鉄道管理局
で
貨車
の
使用料
として一億七百余が円を徴収しておられますが、二十九年度以降
財産
の
使用料
については、再
調達見込価格
を
基礎
として算定した
使用料
を徴収する
取扱い
が定められ、
建物等
につきましては、この
方法
によっておられますので、
貨車
についてもこの
方法
によって
料金
を改訂せられたといたしますと、さらに約二千八百万円を徴収し得たものと考えられます。 次に
役務関係
の二千百七十三号でありますが、
東京鉄道管理局
で
鉄道整備会社
に諸け負わせた
電車
の
清掃代金
についてでありまして、この作業は独占的に右の
会社
に請け負わせておるものでありますから、前年度の実績を勘案して
請負代金
を
決定
せられるのが妥当と考えられます。この
方法
によったといたしますと、
請負代金
四千三百万円は約三百六十万円を
減額
できたものではないかと考えます。
最後
は二千百七十四号の
不正行為
でありますが、特に御
説明
いたす点はございません。 以上申し述べたほか、
総括記述
として前の方に
資産
の再
評価
が必ずしも適当に行われていないこと。予算の
経理
として
委託工事
に従事した職員の
給与等
を
給与総額
とは
関係
なく支出されている点、
工事
について
受託工事
で直接費のほか
間接費
を回収するのに
一定
の乗率によっておられますが、
実情
に即しないようになっていること、あるいは
土地建物等
の
管理運用
が適当に行われていない面があること等について述べています。以上で
説明
を終ります。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
6
○
委員長
(
高野一夫
君) 次に、
国鉄側
から
概要
の
説明
を願います。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
7
○
説明員
(
小倉俊夫
君)
概要
の御
説明
を申し上げまして、個々の
案件
につきましては、御
質疑
に応じましてお答え申し上げたいと存じます。 まず、今回いろいろ
検査院
から
鉄道
の運営につきまして、
批難事項
として御注意がありましたことは、私
ども管理者
としてまことに申しわけなく、今後とも御
指摘
の点につきましては十分留意しまして、今後
批難事項
が一件でも少くなるようにということを極力努力いたすつもりでございます。 ただいま御
指摘
のうちの
工事関係
について申し上げますと、
工事
の
不当経理防止
、また
工事
の
監督
、
検収
の厳正につきましては、機会あるごとにその指導に努めて参ったのでございます。
予定価額
の
積算
につきましては、
積算方法
の
統一
、並びに
積算基準
の
適正化
に関しまして、
国鉄
の
実情
に即応するような細目の制定につきまして、
検討
いたして参りましたが、近く成案を得る運びとなっております。
設計
の
積算
に
当り
ましては、現地の
調査
や
工事施行
の
実態
、及び
使用材料
の適正な
価格
を十分
把握
するよう指導し、また
契約相手方
の
選定
や、
経費率等
につきましても、なお一そう
検討
を行わせまして、不
経済
にならないよう
改善
して参りたいと考えております。また
内部機構
といたしましても、
契約審査役
及び
契約課
を設置いたしまして、
予定価格
及び
契約
の適正に努めておる次第でございます。 次に
物件
に関しましては、
資材
の
調達
、
管理
及び
運用
につきましては、常に
検討
を加え、その
改善
に努めて参ったのでございまするが、
予定価格
の
積算基準
及び
積算方法
の
統一
、
市場価格
の
調査
、施策の
実態
の
把握等
をさらに一そう厳格に行いまして、
経済的購入
をはかるよう指導いたしております。また本社の
資材局
には新しく
調査課
を設置いたしまして、これらの点をなお一そう強化推進することにいたしておりまして、ただいまその
充実
をはかっておる次第でございます。 次に
固定財産
の
管理
につきまして申し上げますと、
構内営業料
及び
土地建物使用料
の
決定
につきましては、
昭和
二十九年上度に改訂しました
使用料
が
一般
に従前に比べて相当著しい
値上り
となり、
契約
の締結に困難を来たし、その後
料金
の
緩和措置等
を講じて円満なる
資産
の
運用
に努力して参ったのでありまするが、これによりましても、なおかつ解決しないものが多かったため、ひとまず据え置きの
措置
を講じた次第でございます。特に
高架下
につきましては、
管理
の適正、業務の
充実
を期するため、
部内組織
といたしましては、
東京
、
大阪
両
鉄道管理局
にそれぞれ
管財
区を、また
東京鉄道管理局
には
管財部
を新しく設置いたしまして、
他方学識経験者
をもって組織する
高架下管理刷新委員会
を新しく設置し、固定
資産
、特に
高架下
の
運用
につきまして、その御
検討
をいただいております。近くその御答申をいただくことになっておりまして、かようなことによりまして、固定
資産
の
運用
に遺憾なきを期して参りたいと存じております。
不正行為
につきましては、従前から会計処理の方式について
改善
をはか り、事故の絶滅を期して参ったのでございまするが、重ねてこれらに関する諸規定及び諸通達の励行方にりきまして厳重な通達を発し、その防止に万全を期しております。 その他御
指摘
を受けましたのもございまするが、それぞれの
案件
につきましては、十分
調査
研究いたしまして、それぞれ
改善
の
処置
を講じております。自後重ねて同様な御
指摘
を受けないようにということを鋭意努力いたしておる次第でございます。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
8
○
委員長
(
高野一夫
君) 以上をもって
説明
は終りました。御
質疑
のある方は順次御発言を願います。 なお、この機会の当局側から御主席の方々は、右から順に
会計検査院
の
上村
第五
局長
、
日本国有鉄道
の久保常
務理事
、同じく
石井
常
務理事
、
小倉
副総裁、潮江常
務理事
、大石常
務理事
、運輸省から権田
鉄道
監督
局長
、なお
鉄道
監督
局の深草国有
鉄道
財政課長が出席されております。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
9
○
大谷
贇雄君 ただいま
会計検査院
の
指摘
事項
の
説明
を受けましたし、それに対しまして、
国鉄
の副総裁の方から遺憾なきを期しておる、こういうお話でありますが、どうも遺憾なきを期しておられても、まことに遺憾の連続でありまして、はなはだそういうことは遺憾千万だと私は思う。 そこで第二千百六十二号の
まくら木
の問題でありますが、
昭和
二十九年度の決算報告においても
購入価格
が非常に高価になっておる、中間
業者
から
購入
するものが少くない、あるいはまた
予定価格
が
実情
に浴っておらぬというようなことで
検討
を
会計検査院
から求められた、しかるに三十年度の
契約
の分につきましても、こういうような
資材
を高価で買っておる、そのために非常な不
経済
となっておるというのでありますが、
一体
全国で
まくら木
を納入をしている
業者
というものはどのくらいあるのでございますか、伺いたい。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
10
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 大体百三十ないし百五十くらいの
業者
がございます。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
11
○
大谷
贇雄君 そこで、これは
指摘
の
説明
に書いてありまするしように、随意
契約
により
購入
することが最も有利であるとしておるというようなことが書いてありますが、それは指定であるのか、また入札制度になっているのか、その点はどういうふうになっているのですか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
12
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 実は、この
まくら木
業者
は、比較的小規模でやっております
業者
が多いのでございまして、生産者は比較的小規模でございまして、いろいろ金融の点等にも困るのでございまするので、大きな
業者
の融資を受けていると、そういうふうなことで、この点につきましては、前年度も御
指摘
を受けましたので、私どもいろいろ研究はいたしましたが、非常に全国に散在しており、ただいま申し上げましたような特殊な事情がございまするので、なかなか
一般
公開競争
契約
ということは困難な点がございまするので、ただいまのところ、
一般
公開競争
契約
は無理であるということで、特に随意
契約
をお願いしておる次第でございます。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
13
○
大谷
贇雄君 そうしますと、そういう随意
契約
をしておられることが、非常に
検査院
の
指摘
されるように高価であるというようなことになりがちではありませんか、いかがですか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
14
○
説明員
(
小倉俊夫
君)
まくら木
につきましては、従来の
購入価格
がございまするのと、もう一つは、私ども長年相当
数量
を買っておりまして、いろいろ始終
調査
いたしておりまするので、適正な
価格
を算定することが困難でないと存じます。さらに申し上げますると、営林署の素材がございまして、営林署では毎年売り渡しの建値を設けておられます。これは大体
一般
市場
よりも安いように承知しておりまするが、そういう点も参酌いたしまして、もし問いようでありますれば、値段をたたいて買っておりまするので、不当に高いとも考えておらない次第でございます。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
15
○
大谷
贇雄君 そこで、今まあ相当たくさん
購入
しておる、こういうお話でありますが、
一体
年額どのくらい
購入
をなさるのですか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
16
○
説明員
(
小倉俊夫
君) お答え申し上げます。これは三十年度の
契約
でございまするが、いろいろ、並
まくら木
、あるいはくり
まくら木
、橋梁
まくら木
等がございまするが、
合計
で申し上げますと、四百五十五万六千本を
購入
いたしまして、その
契約
金額は二十八億八千五百万円と相なっております。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
17
○
大谷
贇雄君 そうしますと、そのようにたくさん要るわけでありますが、そこでこの二十八億円余というような支出をされておるのも、先ほどのお話によりますると、百三十軒の
業者
から
購入
をしておる、こういうことでありますか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
18
○
説明員
(
小倉俊夫
君) その
通り
でございます。三十年度か三十一年度かよくはっきりいたしませんが、手元の資料では百三十四軒というふうになっておりますので、大体その見当で毎年
契約
いたしております。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
19
○
大谷
贇雄君 そこで、まあ先ほどのお話では、十分にいろいろ
検討
をして、
評価
をして、高いものはたたいておるから適正であるというようなお話でございまするが、この二千百六十二号の後段に
指摘
をされておりまする、三種材というのでありますか、この三種材というのでも、東北地方
資材部
が
材料
支給で日通に請け負わしておる
価格
から見ても、一カ所
当り
十五円
程度
が相当であると、そのために
総額
八百九十万円は高価になっているというように
検査院
は言っておるが、その点についてのお考えはどうなんですか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
20
○
説明員
(
小倉俊夫
君)
会計検査院
の御
指摘
の点につきましては、いろいろ研究いたしまして、このうちで、できるだけ生産地で買ったらいいじゃないかというふうな御
指摘
もございますので、と申しますのは、私どもは生産地で買いましても、
検収
であるとか、あるいは保管であるとかいう点で、いろいろ人手も傘いまするし、かつての例で山元で買いまして、これはブナであろうと存じまするが、大量腐らした例もございまして、できるだけ
納地
を集中するようにいたして参りましたのですが、そういたしますと、やはり
運賃
の
関係
で高くなるというふうな御
指摘
もございまするので、そういう点は、私どもさらに
調査
いたしまして、生産地で買って差しつかえないものは生産地で買うように切りかえをいたしたのでございます。そういう点。それからまた、いろいろ調べてみますと、全然山を持っておらないような
業者
も中にはございましたので、そういうものは
取引
を廃止いたしましたし、そういう点で、
会計検査院
の御趣旨を汲みまして
改善
をいたしております。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
21
○
大谷
贇雄君 そこで、こういう膨大な
資材
を
国鉄
は要しまするし、また
購入
をしなければ
鉄道
の運行にも非常に影響するわけで、その点は、最近東海道等でも
電車
ができて、大へん便利になったわけです。私どもまあ非常にありがたく思っております。ところが、これはやはり
まくら木
や何かがだんだん古くなっているのだろうというようなことで、振動が多くて、食堂車に入ってスープを飲もうとすると流れ出るというようなことで、流れる分量の方が多い、(笑声)まあそんなでもありませんが、とにかくよく食べられぬというようなことは、そういう施設がだんだん悪くなっていくからそういうことになるのだろうと思うので、これは急速に一つ大いに臓していただかなければなりませんが、しかし、この内部におきまして、こういう膨大な
資材
をお買いになる場合については、その機構というものは公正にできるようになっていると思うのですが、
資材部
の機構というのはどういうことになっているのですか、そういう
購入
について。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
22
○
説明員
(
小倉俊夫
君)
資材
は、
まくら木
は全部本社で
契約
いたすことになっておりまして、本社には
資材局
というのがございます。その
資材局
の中の非鉄金属課というその課におきまして、
業者
と折衝して見積りを徴し、さらに何回も値段の交渉をいたしまして、そして原案が作成できますると、それを伺いの書類にいたしまして、
資材局
長それから担当常
務理事
、副総裁、総裁という決裁を得て
契約
をいたすことになっております。で、さらに先ほど申し上げましたように、今回は
資材局
の中に
調査課
というのを別に一つ設けまして、担当の非鉄金属課で
契約
いたしましても、さらに
市場
の模様その他から見ましてこれをチェックして、そうして公正妥当な値段であるかどうかを再
検討
して、伺いを出すような仕組みにいたしております。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
23
○
大谷
贇雄君 そこでこの三極材だけでも、
検査院
が八百九十万円も高いというふうに
指摘
しているわけでありますが、これはやはりさっきもそういうのはブローカーをやめるとか、あるいは中間の手数料を取るというようなものをやめて、合理化して
改善
していく、こういうことでありますが、この八百九十万円というものについては高いのだというふうに
国鉄
当局もお認めなんですか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
24
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 非常に御答弁がしにくいのですが、
会計検査院
の御
指摘
もいろいろ根拠があると思います。しかしながら、まあ私どもの方におきまして、この
通り
高かったのか、あるいは言葉を返して申しますれば、
会計検査院
の御
指摘
の
通り
の値段で買えたかどうかということにつきましては、まだ疑問を存している次第であります。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
25
○
大谷
贇雄君 そうしますと、これは
会計検査院
の問題になってくるわけですが、先般相澤
委員
と御一緒に
大阪
の
国鉄
の
土地
の問題で参りましたときに、実は新聞記者の諸君との会見をしたわけです。そうしましたら、
会計検査院
の若い人の中には、まるで検事が検察庁で取り調べるように非常な人権じゅうりんみたいなふうにもとれぬでもないような検査の仕方をしたということを、これは異口同音に実は
指摘
された。どこか山の高い、危ないがけのようなところに馬で登らして何をしたというような話を聞いたので、これは税務署の若い吏員が権力を持っておるがゆえに、人民に対して高飛車に出るというようなこともあるやに開くわけでありますが、そういうような行き過ぎなどはないかどうか、その点
会計検査院
としてはどういうような――院内のそういう検査に当られる方々の私は教養を、高めていかなければいかぬのじゃないか、やはりあたたかい気持でいかなければいかぬのじゃないかということをそのときに感じたわけです。むろんこの秋霜烈日の態度も、一面には不正があることに対してはこれは必要でございましょうけれども、しかし行き過ぎというようなことがあっては、これは容易ならぬことであって、ここに書いてある八百九十万円その他の問題につきましても、今の副総裁のお話は遠慮しいしいおっしゃっておられるのだが、
一体
会計検査院
はそれについてどういう御所見でありましょうか、この点伺っておきたいと思います。
説明員(上村照昌君)(上村照昌)
26
○
説明員
(
上村照昌
君)
検査院
に対して検査の
調査
状況
のことについて御質問がございましたが、この御質問の点で、実は
まくら木
のことでそういうお話が出たわけなんですが、
まくら木
の点につきまして、ちょっとまずその方から御
説明
しておきたいと思うのですが、
まくら木
の二千百六十二号について書いてあることは、相当大胆なことが書いてあるというふうに御承知願っていいわけなんです。これは前段の
部分
についてでございます。これは
納入業者
の
選定
とか、あるいは
納地
を
変更
することによって相当有利な
方法
がとれるのじゃないかという一つの示唆を比較的大胆に言っておるわけです。ただいまお話の八百九十万円云々という点は、このまた書きのところに書いてあるものでございまして、その点につきましては、
国鉄
も了承されて直すということに運んでおるわけでございます。 一番問題は、そこよりもむしろ
納入業者
を、私の方で言いましたように、あるいは
納地
を全面的にそうできるかできぬかということについては、相当実行上問題がございますけれども、
国鉄
におかれても相当その点について御
考慮
願いまして、納入業社の点につきましても、幾分は
改善
をされております。それから納入場所につきましても、件数を拾ってみますと、現場の納め、それから
用品庫
納めが次第に少くなってきておるというような数字が出てきまして、
国鉄
においても、ある
程度
改善
されておるという
状況
をみておるわけであります。この
まくら木
の点につきましては、そういうことでございまして、特にきつい調べをしておるというようなことはないと考えますが、ただいまお話がありました点につきましては、これは非常にわれわれとしても関心を持たなければならぬことだと、かように考えております。検査をいたします場合に、これは
国鉄
につきましても、ほかの省でもそうでございますけれども、無理の検査をするということは、結局において
改善
措置
がなかなかむずかしくなるというふうなことを私は痛切に考えておるわけなんです。それで私ども検査するに
当り
まして、実際検査に当る者が熱心なあまり、ある
程度
まで行き過ぎのことが起り得る場合がある。これは一面に言えば熱心であるからという点は買ってやらなければなりませんけれども、大きい目からも見なければならぬものでありますから、そういう点は十分戒めて、真に国家なり
国鉄
がよくなるようにという考え方で、無理な君考え方でいってはいかんというふうに実は申しておるわけであります。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
27
○
大谷
贇雄君 そこで、
検査院
のお考えだと、幾分
程度
国鉄
の方では
改善
をなさっておるというので、幾分
程度
というさぢに御
指摘
でありますが、これは、
一体
国鉄
は国民の
財産
でありますから、私は、慎重の上にも慎重にこの
資材
の
購入
等もしていくことが、国民の
財産
の保持の点から申しましても大事なことだと思うのですが、まも一番初めに遺憾なきを期しておるというお話でありますが、
会計検査院
の方は幾分
程度
ということなのだが、その点についての副総裁の御所信を一つ伺いたい。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
28
○
説明員
(
小倉俊夫
君)
まくら木
は、
鉄道
の施設として欠くべからざるものでございますが、毎年多額に
購入
いたしておりまするので、これを高く買うか安く買うかということは、大きな問題になります。ただ、私どもは別の面から、たとえば、倉庫納めあるいは分工場納めになりますと、人手が助かるとか、あるいは現場において盗まれることがないとか、いろいろなほかの面のことも考えまして、従来生産地オン・レールで買わなかったのでございますが、いろいろ御
指摘
も受けまして、なるほどとうなずける点もございますので、ただいまお話し申し上げましたように、倉庫納めを次第に減少いたしまして、生産地で買う、そして
会計検査院
の御
指摘
のように、極力二重
輸送
になりませんように努めて参りたいと存じます。 なおただいま問題になりました八百九十万円の
請負
金につきましても、さらに再
検討
しまして、極力日通をして安く請け負わせるように努力して参りたいと思います。全国の
輸送
でございますから、全国的のプールの日本通運に請け負わせるのが便宜であるということでやっておりますが、なお、そういう点も
考慮
いたしまして、極力運搬費も安くいきたい、こういうふうに考えております。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
29
○
大谷
贇雄君 そこで、まあ一つ極力適正な
価格
でいきますように、一つ決算の上から予算を適正にあれしていくという御注意を申し上げて、今後とも御
改善
をお願いいたしたいと思うのでありますが、先ほど副総裁のお話では……。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
30
○
委員長
(
高野一夫
君) ちょっと――私から
国鉄側
に資料を要求したいと思います。ただいま
大谷
委員
から
まくら木
についてのいろんな
質疑
がございましたが、
まくら木
の耐久性いかんということは、
国鉄
にとっても非常に重要な問題であろうかと思います。従って、耐久力が強い、長年月にわたって強いか弱いかということについては、不断に検査をされておるものを私は確信をしております。そこで、耐久力が強いということになりますれば、年々買う
購入
金額、本数も減ってくるわけであるし、従ってまた、決算上の不足がありましても、その金額はきわめて少額に済むことになる。ただし、耐久力が強いけれども、それが日本国内において供給できない、こういうような場合があるかもしれない。あるいはそういうような研究が現在できておりまして、そうしてそれがこういう方面において、日本において植林をするなら植林をする、こういうことにするならば、将来に向って日本の
まくら木
問題の解決が行われるであろう、こういうような研究が林野庁あるいは
国鉄側
の間において不断になされておるに違いないと払は思うのであります。その点についての資料を次回までに、ありますならば御提出を願いたい、これをお願いしておきます。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
31
○
説明員
(
小倉俊夫
君)
まくら木
の耐久性につきましては、従前から研究いたしておりまするので、そういう点もあわせまして、ただいまの資料を至急調製してお届けいたします。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
32
○
委員長
(
高野一夫
君) お願いいたします。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
33
○
大谷
贇雄君 もう一点。先ほど副総裁から、
輸送
賃というものはなるべく安く、向くならぬようにしたいというお話でありましたが、そこで、第二千百七十二号の「
車両
使用料
が低れんと認められるもの」、これはどうも収入の方が低廉になってしまって工合が悪いわけで、借りる方は安くていいわけですが、収入が低廉では困るわけですが、東武
鉄道
から改訂されざる
使用料
を徴収しておるために、二千八百万円が低額になっておる。あるいはまた、
最後
のところにありまするように、三十年度における客車の
使用料決定
方式に従って
使用料
を
計算
すると云々とあって、支払い増加となる分を
考慮
しても約二千八百万円増収となる、こういう
指摘
をお受けになっていらっしゃるわけでありますが、この点についてはいかがなものでありますか、御所見を一つ。
説明員(石井昭正君)(石井昭正)
34
○
説明員
(
石井
昭正
君) この
車両
使用料
と申しますのは、荷主さんの御要求によりまして、
国鉄
と
会社
線と連絡して
輸送
する場合の
会社
側と私どもの方の
負担
の間合を調整しておるものであります。御承知のように、貨物
運賃
というものは
一定
いたしております。そういたしますと、
会社
側としては、何ら実際の収入の増加はないのに、これだけ
使用料
がふえるということもはなはだ不公平になるというような考えで、従来は、これは貨物
運賃
の改正を機会に変えることにいたしておったわけであります。御承知のように、
運賃
の改正が二十八年以降ございませんので、この改訂をいたさなかったのでございまするが、
会計検査院
の御
指摘
は、
一般
の
財産
その他すべて再
調達見込価格
を
基礎
としてやれ、こういうお話でございます。これは、今までの考え方と考え方を異にするのでございますので、私どもの方も一挙にこれをやるというわけにはいきかねるのでございまして、幸い、いろいろ問題もございましたが、本年の四月に
運賃
の改訂をお認め願いましたので、この機会に再
調達見込価格
を
基礎
とした
料金
に改訂いたしましたわけでございまして、大体いきさつはそういうようなことで御了承願いたいと思います。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
35
○
大谷
贇雄君 それからさっきの
資材
の
購入
の問題でありますが、購買部で取り扱う商品の
輸送
というものにつきましては、これは無賃でございますか。聞くところによると、八、九割引きをしておるというようなことを聞いておりますが、もしそういうことであるとするならば、これは正当の
運賃
収入に甚大な影響を来たすのじゃないか、かように思いますが、その間のことについて伺いたい。
説明員(石井昭正君)(石井昭正)
36
○
説明員
(
石井
昭正
君) 共済組合の物資部で購買いたしております貨物
運賃
につきまして、ただいまお話のような八割引きということ、これはずっと明治年代からやっておるわけであります。昨年
運賃
改正の際にいろいろ御非難もございまして、私ども改むべきものは改めなければならんという観点に立ちまして、たしか昨年の一月か二月だったと記憶しておりますが、これを全部廃止いたしまして、ただいまではそういう特別の割引は一切やっておりません。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
37
○
大谷
贇雄君 けっこうです。
相澤重明君(相澤重明)
38
○相澤重明君 この際お尋ねをしておきたいと思うのですが、それは
会計検査院
から
指摘
されておるところの私は本文について、特に
土地建物等
の
固定財産
の
管理運用
について、どのように
改善
をされておるかということをまず一つ冒頭に御報告を私は願いたいと思うのであります。ともすれば、
国鉄
の
財産
というものの
管理
が不十分なために、当然徴収できるものが損を与えておる。その反面においてはどうも収入が少いということで利用者
負担
、いわゆる
運賃
値上げということに肩がわりされるおそれがある。
一般
国民から見ればできるだけ
運賃
というものは安くしてもらいたいし、そしてまたいい
鉄道
であってほしい。これは私は国民の願いだと思う。従って、この
土地
、
建物等
についての同定
財産
の
管理運用
はどのように行われておるか、まずこれから一つお尋ねをしていきたいと思うのです。
説明員(石井昭正君)(石井昭正)
39
○
説明員
(
石井
昭正
君)
国鉄
所有の
土地
建物
あるいは
高架下
などの同定
財産
管理
、特に部外の貸付
関係
で、非常に
使用
関係
が複雑でございます。大都市付近の
鉄道管理局
の
財産
管理
業務というものを強化いたすために、三十二年、昨年一月以降次のような
措置
を講じて参っております。 第一は、
東京鉄道管理局
に
管財部
を設置いたしました。従来
土地
、
建物
の貸付についての事務は、駅構内及び
高架下
の
土地
それから
建物
の貸付については、営業部事業課で行なっておりました。その他の
土地
、
建物
の
管理
につきましては、施設部用地課においてそれぞれ
処置
して参ったのでありますが、これを一本化いたしまして、
財産
管理
の強化をはかるために、新たに
東京鉄道管理局
には
昭和
三十二年
管財部
を設置いたしました。これは局の仕事でございますが、一番ウィークとなっておりますのは、現実の現場を握った
管理
をする現場執行業務でございまするが、この点につきましては、
東京鉄道管理局
内の
土地
、
建物
、
高架下
などの
管理
の現場執行業務ということを目的といたしまして、それだけに専念いたす
管財
区というものを新橋、
上野
、新宿三カ所に、これは昨年三月設置をいたしたわけでございます。それからなお
大阪
並びに天田寺両
管理
職の岡染下の
管理
につきましても、従来これは
鉄道
弘済会が中に入って、いわゆる一括承認制という
管理
方式をとって参ったのでありますが、これを直接承認制に本年度中に切りかえたい、かように考えまして、昨年の十二月に
大阪
及び神戸に
管財
区を設置いたしました。その他そういう特別の業務機関を設置するまでに至らない局につきましては、それぞれ業務量に応じて局及び現場機関にその要員を増強いたしました次第でございます。
相澤重明君(相澤重明)
40
○相澤重明君
土地
、
建物等
固定財産
の
管理運用
についての今の具体的な
管理
の方針が出されたわけでありますが、それならば、その
管理運用
の方針は出されても、現場で
契約
をする場合は直接
契約
かあるいは間接
契約
かという問題については、かなりいろんな批判が出ておるのでありますが、その点については直接
契約
をされる、さらに
大阪
等には
管財
区を設ける、こういうことも言われたと思うのでありますが、その
状況
はどのようになっておるか。全国で
国鉄
としてその
契約
を締結しておる
状況
というものはどういうふうになっておるか、これを一つ御発表願いたいと思う。
説明員(石井昭正君)(石井昭正)
41
○
説明員
(
石井
昭正
君) 御質問の要点は、たとえば
東京
の
高架下
などにおきましては、
使用
名義人と、それから実際に使っておる者とは違う。実際に使っておる者は、
使用
名義人が使っておらないで、
使用
名義人からいわゆるまた借りとでも申しますか、そういう者が使っておる。そういうものの数というお話でございますか、あるいは
東京
、
大阪
のように
鉄道
弘済会というものが一応一括して承認を受けて、さらに実際の
使用者
は弘済会との間で一種の
使用
契約
を結んでおるというような趣旨のものでございますか、この点ちょっと判別いたしかねた次第でございまするが、私どもの方といたしましては、極力直接承認にするということが建前、もちろんそういうふうにいたしたいと思っております。一番困難をきわめておりますのは、御承知の
東京
の岡染下
関係
でございまして、これにつきましては、相当件数また貸しと申しますか、
使用
名義人から転貸しを受けておるものがございます。それを何とか解消いたしたいと思っておりますが、何分にも生活権にも関すこるとであり、またいろいろ沿革もございますので、過去のものをされいに掃除するということはなかなかむずかしいのであります。しかし、逐次その点について努力をいたしておりまして、なお今後の方針につきましても、先ほど副総裁が御答弁を申し上げましたように、
高架下管理刷新委員会
というもので過去一年間いろいろ御審議を願っておりますので、従ってこれによって御了承を得次第、この線に沿ってやって参りたいと思っております。そのほかの点につきましては、これは私どもの方といたしましては、おそらくそういう転貸しと――私どもの方の直接承認でなくて、転貸しというような事実はほとんど存在していないじゃないか、またさようなものがあれば、直ちに改めたいと思っておりますが、存在していないじゃないか、かように考えておる次第でございます。
相澤重明君(相澤重明)
42
○相澤重明君 今の
石井
常
務理事
の答弁を聞いておるというと、とにかく
国鉄
としては
財産
をできるだけ正しく
把握
して、そして収入を多くするために、できるならば早急にいわゆる直接
契約
に持っていきたい、しかし、従来のいわゆる経過
措置
もあるので、一応また貸しというか、いわゆる他の人が名義貸しになっておる場合がある。しかしこういうものはできるだけ早く直接貸すように直していきたい、こういうふうに言われたというふうに理解してよろしいですか。
説明員(石井昭正君)(石井昭正)
43
○
説明員
(
石井
昭正
君) おっしゃる
通り
でございますが、少し問題がこんがらがるようなことを申し上げて恐縮でございますが、また貸しも二
通り
あるので、純然たる
通り
抜け、すなわち自分の借りたものをそのまま人に貸すというのは、これは即座にそういう
処置
をとり得るし、またそういうようにいたしたいと思っております。非常に困難を感じておるのは
国鉄
から
土地
を借りており、その借りた者が自分の力で
建物
を建てて、これを第三者に貸すというようなケースが普通また貸しと称せられておりますが、これは法律上ただいまのところいろいろ
検討
さしていただきましたが、これは法律上正当な合的法な行為であるということになっておりまして、従ってこれを束縛いたしますものは、
契約
当初からそういうことをしてはいかぬということをはっきり
契約
条件
にうたって、それにもとった場合には、
契約
を解除するというような一本をとってやるという方式で進んでいかなければならないのじゃないかと思っておりますが、そういう種類のまた貸しにつきましても、極力直接
使用者
との承認に切りかえたいと思って、これは理屈ではなくして、いろいろ折衝をして、慫慂したりしてやって参りたいと思っておりますが、そういう点が非常に難点でございますが、それから純然たるまた貸しというようなものにつきましては、できるだけ早くきれいさっぱりやりたい。かように考えております。
相澤重明君(相澤重明)
44
○相澤重明君 ほかに質問もたくさんありますが、実はきょうは前の、昨年の六月に本
決算委員会
で松岡
委員
から大蔵大臣に質問された
事項
に関連をして、私はきょうは大蔵省の
管財部
関係
を呼んでおりますので、その点に入っていきたいと思うのですが、その前に
国鉄
に一つお尋ねしておきたいのは、修繕費等の問題も、先ほど
大谷
委員
より
指摘
されたように、物品の
購入
あるいは
貨車
、客車の修繕、こういうような
指摘
事項
もたくさんあるわけですね。そこで厚生
関係
の問題に一つ入って、たとえば具体的に、大船に大蔵省
管財部
から借用しておる
土地
に職員の家族寮を建てておるわけですが、これは非常にいたんでひどくなっておるというので、この家の建てかえというものを強く要望されておるわけでありますが、
国鉄
当局においては、本年度の予算等において、三十年度の経過から見て、修繕費等が非常に減らされておる。従って、寮の方ももちろん予算の削減を受けるかもしれぬ、職員のそういう労働
条件
に
関係
する住宅問題についても削減をされていくということでは、職員もなかなかこれは大へんだと思う。そこで、具体的に大船のあの寮について改造をする気持があるかないか。この点について率直にそういう予算を組んでおるかどうか、お尋ねをしておきたいと思うのです。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
45
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 概括的に申し上げますと、三十二年度の予算は非常に窮屈でございまして、御
指摘
の
通り
に信繕も事欠くというような状態が出て参りました。そういう場合に、やはりそのしわ寄せとなりますのはどうしても営繕
関係
でございましたので、営繕
関係
につきましては、特に修繕費が不足しましたために相当各現場とも困ったような
実情
でございます。今年はできるだけそういうことがないようにということで、いろいろ
関係
方面にもお願いをいたしまして、昨年度よりも多く経営費をいただいておりますので、営繕
関係
にもさほど当ってこない。やはり職員の休養施設といったようなものには、能率向上の点から見ましても、環境をよくしていきたいということを考えておりますので、
一般
的に申し上げまして、休養施設には三十三年度には相当力を入れて参りたいと存じます。ただ御
指摘
の個々のものにつきましては、これは大体
管理
局でいたすのでございまして、
管理
局で本予算がまだ
決定
しておりませんので、局においてもはっきりした実行予算を組むまでには至っていないと思いまするが、いろいろ修繕の不足していた、修繕が緊急に迫っておるようなところには、極力金を回していくように指示いたしたいと考えております。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
46
○
委員長
(
高野一夫
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
47
○
委員長
(
高野一夫
君) 速記を始めて。
島清君(島清)
48
○島清君 ただいま相澤
委員
からの御質問に対しまして、常務さんですか、お答えになりましたのは。その
土地
のまた貸しですか、それに対するお答えでございますが、
土地
は
国鉄
のものであって、さらにこれがまた貸しをした場合に、それで家を建てられた場合には合法的であるからというようなことでしたが、家屋を建てまする場合には、
土地
所有者のそこに工作物を建ててよろしいというような了解
事項
がなければ、たしかに建築には取りかかることはできなかったように記憶するのですが、その点について私の記憶の間違いでございましょうか。もしそうであるといたしまするならば、今、合法性を云々されますることは、そこらの前提を少し無視しておられるのじゃないか、そう思うのですが、その意いかがでございましょうか。
説明員(石井昭正君)(石井昭正)
49
○
説明員
(
石井
昭正
君)
土地
を貸します際には、用途によって承認いたしますが、その場合に、やはり
建物
を建てるということは私の方としては承認いたしておるわけでございます。ただその
建物
を建てた場合に、直接
土地
の
使用
行がその
建物
なり工作物を
使用
することを――、私の方はそのつもりで貸したのでありまするが、ところがあちらの方はそれをまた第三者に貸すということについて、ただいまの法制上ではなかなかむずかしい問題があるということを申し上げたのでございます。
岡三郎君(岡三郎)
50
○岡三郎君 その件についてちょっと関連があるのだが、私が前に決算
委員
をやったときの問題の中にある一つの
事例
だが、仙台駅構内に隣接する
土地
の問題ですね、あれは片づきましたか。仙台の駅に続いているところの
土地
、あれはずい分懸案になったもので、あれは完全に片づいていますか。
説明員(石井昭正君)(石井昭正)
51
○
説明員
(
石井
昭正
君) 今御
指摘
の点につきまして、なお詳細
調査
いたしまするが、ただいま聞いておりますところでは、まだはっきり解決いたしておらないようでございます。
岡三郎君(岡三郎)
52
○岡三郎君 これは、もうずい分昔のことで、これが片づかないようだったらほかのものが片づくわけがないと私は思う。あれだけはっきりしているものでも、大体その中に有力者が加わっておるというと、政治的になかなか解決がむずかしい。こういう問題についてやはり
国鉄
当局はそういうものに対して基本的な考えを、いわゆる小
委員
会とかいうようなものを作ったって、実際はなかなか解決していないというこの現実を、もうちょっと明確にしてもらわなければ私は困ると思う。
決算委員会
の方でも、そのときは
指摘
するが、その後において
委員
が変るというと、それがうやむやになってしまって、しばらくたって聞くというと、まだ解決しておらぬというのでは私は困ると思うので、もう一ぺんその詳細を一つこちらの方へお聞かせ願いたいと思う。 それから、これも毎年の例ですが、私、今ここで大して勉強しておらぬので、ぱらぱらとめくってみましたが、二千百四十三号と二千百四十八号、それから二千百五十四号、この三件の中に日本電設工業株式
会社
というのが載っているわけなんです。これは
国鉄
の外郭団体ですか。それだけお聞きしたいと思う。この資料をもらいたいから。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
53
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 外郭団体ということが、はっきりした定義はございませんですが、この
会社
は、長くから
国鉄
の
工事
をいたしておりまして、かつては共済組合が株を持っておりましたし、また職員が多数入っております
関係
で、まあ部外からごらんになれば、
国鉄
に
関係
が深い、こうおつしゃることは当然でございます。ただ、ただいまでは共済組合の株式は全部引き揚げましたので、資本的にも
関係
はございません。ただ従来比較的
鉄道
の
工事
を多く引き受けておった、また職員が多数入っておるという点だけは縁が深いと申しますか、そういう
関係
にございます。
岡三郎君(岡三郎)
54
○岡三郎君 私はきょうまあむずかしいことは言いませんが、これだけの件数の中で、ぱらぱらめくってみると、同じ
会社
の名前が三つもいわゆる不当
事項
の中で出てくるということは、これは相当なものだというふうに考えざるを得ない。これは
会計検査院
の方でどの
程度
調査
をされたかわからぬが、相当にこれは
工事
の
契約
量があると私は判定します。それほど大きな
会社
でないかもしれぬが、まあそういうふうな点で、これは私の記憶するところでは毎年こういう不当
事項
を出しておる
会社
でないかと私は思う。例年こういうふうな
会社
の名前が載っていたように私は記憶するのです。この点
会計検査院
の方ではどうですか。
説明員(上村照昌君)(上村照昌)
55
○
説明員
(
上村照昌
君) お話のように大体毎年載っております。三十一年度もやはり相当載っております。載っでおりますが、正確に一々どういうふうに載ったかということは記憶にありませんが、大体載っておるように思っております。
岡三郎君(岡三郎)
56
○岡三郎君 あなたも私ぐらいしか知らぬ。
会計検査院
がそんなだらしないことでは困る。やはりこういうふうに犯を重ねる、と言うとおかしいが、しょっちゅう載っておるものはこれをチェックして、私はこの
程度
の
指摘
では困ると思うのだが、これは
検査院
の方においても、しばしば
会計検査院
の報告に載っておるような
会社
は、これはやっぱり一応マークしておかなければならぬと私は思うのだが、これは私の記憶するところでは、相当に前からの古つわものの
会社
だと思う。察するにこれは
国鉄
当局と切っても切れないさびた縁があると私は思うが、そういうことでしょっちゅうにぎわしていると思う。私は
決算委員会
というものは、ある事件が起きてから
会計検査院
が検査をして、それをまた二年も三年もたってからわれわれがやっておるので、全く考えようによれば、ずいぶん国としてはのんきなものだ。のんきなものの
委員
の一人だからのんきにならざるを得ないような気がするのですが、ちょっとしたところの
国鉄
の
事項
の中で同じ
会社
の名前が三つも工合の悪いところに出ておるということは、考えてもらわなければならない。少し遠慮をさせなさいよ。一年ぐらいはまともな仕事をして、
検査院
から
指摘
されないように善処せられたいくらいに
小倉
さんから言われなければ、これは
国鉄
というものは
一体
何をやっておるかと私は思うのです。毎年々々同じことをやっておる。幾ら
決算委員会
で言ってもこれはぬかにくぎなんです。これでは私は
検査院
も遺憾の意を表するし、われわれ
決算委員会
も遺憾の意を表さざるを得ないと思う。前にも外郭団体のことを割合われわれも聞いたが、私は現在の幹部が不出なことをしておるとは思わないが、従来の因縁から、
契約
というものが随意
契約
とか指名競争
契約
とかいろいろありますが、やはり
工事
を請け負わせること自体において、私はずいぶんルーズな点があるのじゃないかという気がするのです。だからそういう点で、この
国鉄
の
会計検査院
の報告があるのです。これは
国鉄
の方でもわかるから、十分
昭和
二十五、六年ごろから調べていただいて、毎年々々載っておる
会社
はどうだ、一年ぐらいおいて載っておる
会社
はどうだというふうに調べて、それを繰り返さないようにしてもらいたいと思う。 もう一ぺんお伺いしたいのだが、これは資料要求ですが、どういうふうな重役が
国鉄
から入っているか、現存
国鉄
と
契約
している
会社
の一覧表を私は出してもらいたいと思う。これは膨大で困るというなら大
会社
、中
会社
、小
会社
ぐらいに分けて、ベスト・テンの
契約
高があるところで、その構成人員の中で
国鉄
出身の人がどれくらいこの
会社
に入っているか。その結果として不当
事項
が
昭和
何年から三十年ごろまでにどのくらい起っているか、これをここで私追及しようとは思わないが、あなた方の反省資料として作る必要があると思う。私はその点、今の資料を要求しておきます。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
57
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 御要求の資料は早速調製いたしてお届けいたします。 この機会に日本電設に対しまする私どもの考え方、あるいは今までとりました
措置
等を要約して御
説明
申し上げたいと思います。日本電設は、実は戦後電気
関係
の
工事
力が
一般
に低かった場合に、
鉄道
の
工事
を主として遂行するためにできました
会社
でございまして、電化にとりましては、また一方率直に申しまして功績がございまして、また、日本電設で発明いたしました活線のままの硝子取りかえというようなことが、現在
国鉄
の電化
工事
に非常に役立っておるのでございますが、そういうことはさておきまして、近年非常に
会計検査院
からの御批難が多かったので、私どもも日本電設に対しましては厳重な態度をもって臨んで参ったのでございます。それで三十二年、昨年でございますが、二月の十六日には警告書を出しました。それから七月におきましては、
大阪
支店に対し、通信線路及び通信機器
工事
の指名停止を向う三カ月間いたしました。つまり、その期間私の方では一切
取引
をしないという厳重な処分でございまするが、それから三十二年の九月におきましては、仙台の支店に対しましては、二カ月間の指名停止をいたしました。それからさらに警告書を発しております。それで、この三十年度、三十一年度もございまするが、この
批難事項
で御批難の
事項
につきましては、当方においてももっと
監督
を厳重にしなければいかぬ、そういう点で遺憾な点があるということで、
国鉄
の部内の
監督
者に対しましても厳重な
措置
をいたしました。それで当方の部内の職員といたしましては、これは三十一年度の決算についてでございまするが、大電工電力課長に警告し、
設計
者を戒告にし、また次に大鉄電力部長、通信課長、通信分区長を訓告にする、あるいは通信区長を戒告にする、また仙台の電気部長、電力課長、電力分区長を訓告にし、さらに電力区長も戒告にするというふうな厳重な
措置
をとって参ったのでございます。それで、日本電設に対しましては、先ほど申しましたように、再三厳重な警告を発したのでございます。 そういうふうにいたしまして厳重に戒告をし、日本電設自体におきましても反省をする点が多く、部内の専務その他が責任を負って辞職をいたしましたし、また社長から責任者が処罰を受けたというようなことでございまして、今後ますます
監督
を十分にいたして、かようなことのないように進んでおる次第でございまして、この点御了察願いたいと存じます。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
58
○
委員長
(
高野一夫
君) 私から
国鉄側
に資料の要求をいたします。ただいま岡
委員
からの御要求がございましたが、それは常にこの
決算委員会
で問題になるような、
会計検査院
から連年
指摘
されたような
会社
があるようである。こういうことでございますから、もしもさような
会社
があるといたしますならば、その
会社
の名称、あるいはその
会社
の構成等につきまして、できるだけ必要な
程度
におきまして、詳しく書き出して資料の提供をお願いいたします。 なお、そういうような
会社
がしばしばここに出て参っておるとかりにいたしますならば、それに対する
会計検査院
が検査をされた結果についてのさらに意見をお聞きしなければなるまいと思いますので、あらかじめその点は御了承おき願いたいと思います。 速記とめて。 〔速記中止〕
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
59
○
委員長
(
高野一夫
君) 速記つけて。 ちょっと申し上げておきます。大蔵小側から
賀屋
管財
局長
、
管財
局の市瀬国有
財産
第二課長、関東財務局の宮川
管財部
長、同じく横浜の大角財務部長が
政府委員
並びに補助
説明
者として出席されており、おっつけ白井政務次官も出席されるはずでありますから、あらかじめ御了承おき願います。
会計検査院
からは大澤第一
局長
が出ておられます。
相澤重明君(相澤重明)
60
○相澤重明君 大蔵省の
管財
局長
にお尋ねをいたしますが、現在大蔵省としては
国鉄
にどのくらいの国有
財産
の貸付があるか、どのくらいの坪数、あるいはいわゆる金額、にしてどのくらい、こういう点を一つお答えをいただきたいと思います。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
61
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) 大蔵省所管の
一般
会計所属の普通
財産
の貸付の
総額
は、ただいま手元にございますが、そのうち
国鉄
にどのくらい貸しておるかという点につきましては、ただいま手元に資料を持ち合わせておりませんので、後刻調べましてお答えいたしたいと存じます。
相澤重明君(相澤重明)
62
○相澤重明君 それではその際に
国鉄
に坪数にしてどのくらい、金額にしてどのくらい貸しておるかということを一つ資料を提出していただきたい。
国鉄
にお尋ねをいたしたいのでありますが、大蔵省から借りておる場合に、これはもちろん必要であるから借りておると思うのでありますが、そういうものを今後どうしてもこれは
国鉄
がさらに継続して使わなければいかぬ、あるいは買い取ってまでこれを使う、こういう考え方でおるかどうか、またそれがわかっておるものはどのくらいの坪数であるか、こういう点がおわかりになりましたならば御答弁いただきたい、もしなければ簡単にないから後刻資料を提出するというふうにお答えをいただきたい。
説明員(久保亀夫君)(久保亀夫)
63
○
説明員
(久保亀夫君)
国鉄
が国有
財産
の貸付を受けておりますのは、ほとんど全部終戦後旧軍の
財産
の用地、あるいは
建物等
をお借りしたのが始まりでございまして、その後私どもの方といたしましては、できるだけどうしても業務上要るものは売り払っていただく、払い下げていただく、そうでないものはお返しするというような方針で相当整理して参りました。まだ整理のし切れないのもございますが、結局売り払いを受けたものと今日ただいまお借りしておるものと両方でございますが、その数字の詳細につきましては、ただいま手元に持ち合せておりませんので、これを資料として後刻提出いたしたいと思います。
相澤重明君(相澤重明)
64
○相澤重明君 白井政務次宜にお尋ねをいたしたいと思います。まあ同じ同僚議員として大へんあれですが、昨年の池田大蔵大臣が所管をしておった当事の国有
財産
の
管理
についての考え方と今日一萬田大蔵大臣が主宰をしておるときの国有
財産
の
管理
について方針に
変更
があるかないか、あるいは昨年の国有
財産
の
管理
についての本
委員
会における方針について、それを具体的に下部に流して処理をすることをあなた方は指導をしてきたかどうか、この点についてまず詳細に大蔵次官から御答弁をいただきたいと思います。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
65
○
政府委員
(白井勇君) 大蔵大臣がかわりまして一萬田大臣になりましたからと申しまして、国有
財産
の
管理
につきましては別に変った方針ではやっておりません。申し上げるまでもなしに、当
委員
会でもしばしば問題とされましたように、国有
財産
の区別につきましてのいろいろな整備の問題等につきましては、いつも問題になっております。しかし、よくこれを考えてみますというと、御承知の
通り
にあの戦争中、あるいは戦後を通じましてのごたごたの結果、急に大蔵省に引き継がれましたような結果になっておるのでございまして、その整備にはやはり相当の日数を要するような事情にもあるわけでありまして、おいおいと足りないところは補って参っておるのでありますし、またこれらの処理につきまして本省で考えておりますことは、またよく末端の方にも伝えて処理いたしておる次第でございます。
相澤重明君(相澤重明)
66
○相澤重明君 昨年の六月二十七日の本
委員
会における松岡平市君の大蔵大臣に対する質問が出ておるわけであります。これを読んでみますと、「国有
財産
の
管理
というものが非常に不十分だ。
管財
局長
の
説明
をお聞きすると、
実態
調査
を三十二年度からやる。こういうことであって、少くとも
実態
調査
をやらなければ、国有
財産
がどうなっておるかということは今はわからぬと、こういう
状況
下にあるように受け取れるわけです。
一体
、そういう
事態
になったのはどういうわけでのるか。終戦後、戦争のために何か特別な理由があってそういうふうになったのか、あるいは国有
財産
の
管理
というものは戦争前も、まあ長い間に
実態
がわからないようになるような
管理
をされてきたのかどうか。われわれは、もっと大蔵省が国有
財産
の
管理
を、
実態
調査
をしなければわからぬような
管理
をしておるということは、これはもう実に意外でございます。」こういう松岡
委員
は質問しているわけであります。これに対して池田大蔵大臣は、いろいろ申しましたけれども、次のような答弁をしておるわけであります。「
実態
調査
につきまして一億あまりの予算を計上いたしました。これでやっていくのでございますが、御承知の
通り
、戦後に引き受けました各種の雑種
財産
が多種多様でございます。われわれとしては、これをできるだけ早く活用しよう、民間に売り払うものは売り払う、また廃棄処分するものは廃棄処分して、そうしてできるだけ能率を上げて処理していこう、それをしながら、片方に新たに国有
財産
の
実態
調査
をしていこう、」、こういうふうに池田大蔵大臣は述べておるのであります。この池田大蔵大臣の述べておることが今日もあなた方は踏襲をされておるのかどうか、この点について政務次官並びに
管財
局長
にお尋ねをしたいと思うのです。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
67
○
政府委員
(白井勇君) 今会議録をお読みいただきました松岡
委員
の御質問は、私ももし当時決算
委員
に出ておりますれは、同じような質問をしたろうと思いますし、そういう感じを持って見た場合があるのであります。ただその後いろいろ話を聞き、
調査
をいたしてみまするというと、また一面におきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、昔から国有
財産
としまして大蔵省が
管理
しておりますもの、そういうものにつきましては、これは台帳もしっかりしているものと思いますけれども、御承知の
通り
に少くとも国有に移管されますものが一切がっさいあの終戦直後に大蔵省所管に変ってしまった、こういうような段階がある。しかも戦争中相当無理をいたしまして軍の施設等になりましたものもあるわけでありまして、そういうものが従来平常におきまして大蔵省が
管理
をするような
関係
もあったと考えられますし、そのもの自体が相当くるいがあるようなものもあるように思われますので、御承知の
通り
に今池田大臣が当時申されましたように、三十二年度から別途
経費
をもちまして、たしか当
委員
会等におかれましても問題になりましたこともあろうと思いますが、できるだけ早くこの
実態
を
把握
する、こういうことに現在といたしましては努力をいたしておるわけであります。ただ非常に数が多いものでありますから、一年や少しではとてもできない。やはり三年ぐらいの年数をかけていたしませんというと、具体的にはそれぞれのものは
把握
できない。これはまことに遺憾でありまするけれども、実際は今申しましたように、引き継ぎの場合にそういう状態に引き継がれたものであります。これまたやむを得ない事情もあろうかと思っておりまするが、できるだけわれわれといたしましては、早くその
実態
を
把握
しまして、適正な
管理
なり処理をいたしたいと、こう考えておる次第であります。
相澤重明君(相澤重明)
68
○相澤重明君
管財
局長
にお尋ねいたしたいわけでありますが、全国のいわゆる地方の
管財
局あるいは財務部、こういうところに具体的にどのような指導
事項
を流しておるか、今の大蔵大臣の答弁に対する指導
事項
というものを御
説明
をいただきたい。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
69
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) お話に出ました普通
財産
の
実態
調査
の点につきましては、御参考までにその進捗
状況
を申し上げてみたいと存じます。先ほども政務次官から御答弁ございましたように、また昨年の大臣の御答弁にもありましたように、一億をこえます予算を計上いたしまして、三十二年等からおおむね三カ年計画をもちまして
実態
調査
に着手をいたしました。まず第一年度であります三十二年度につきましては、当初の予算上の年間計画といたしまして、件数で申し上げますと、
土地
、
建物
合せまして一万五千百七十三件
調査
をする計画を立てたのでございます。その後いろいろやりくりをいたしまして、実行上の年間計画といたしましては、さらにこの数を若干ふやしまして一万七千二百五十五件を
調査
の対象といたしたのであります。で、一月末現在でその実績がどうなっておるかということを申し上げますと、着手と完了とを申し上げますが、着手の件数は一万六千四百八十二件という数字になっております。ただし
調査
を完全に完了いたしました件数は九千六百七十五件となっておりますが、この年度末三月三十一日までの見込みにつき申し上げますと、着手ベースで申し上げますと、先ほど申し上げました実行計画の一万七千二百五十五件を若干上回る件数につきまして着手でき得る見込みと相なっておりまして、年度末における完了の件数は、今のところ一万六千をやや切る
程度
完了する見込みでございます。若干は着手だけいたしまして、次年度に完了が繰り越される
部分
もあるわけでございますが、当初の予算で計画いたしました件数よりも上回る実績を上げ得る見込みとなっております。さらに三十三年度の
調査
につきましては、予算は前年
程度
でございますし、人員もあまりふえておりませんが、過去の経験によりましていろいろ能率化をはかりまして、三十三年度におきましては、件数といたしましては二万件を
調査
する予定にいたしまして、ただいま局別あるいは財務部別にこの計画を立案中でございまして、この点につきましては、普通
財産
実態
調査
要領というものを本省において作成いたしまして、これにのっとりまして各財務部が実行に当るということで、下部への徹底をはかっておる次第でございます。
相澤重明君(相澤重明)
70
○相澤重明君
管財
局長
の言うおおむね三年というのは、三年間という意味か、三年も過ぎることもあるということか、その点はいかがですか。あるいは三年以内ということか。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
71
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) おおむね三年と申しますのは三十二年度、三年度、四年度の計画でございますので、予算その他の
関係
からあるいは若干三十五年度に延びる場合もあろうかと思いますが、でき得るだけ三十二、三、四の三カ年度間におきまして予定の
調査
を完了いたしたいと考えておる次第であります。
相澤重明君(相澤重明)
72
○相澤重明君 政務次官にお尋ねをいたしますが、政務次官は本院の
決算委員会
における
委員
会の審議された
事項
、並びに本院における決算に対するところの結論、そういうものについてどういうように考えておるか、まずそれからお尋ねします。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
73
○
政府委員
(白井勇君) これは当
決算委員会
のみならず、少くも国会の
委員
会の御意向なりあるいは御決議というものは十分尊重いたしまして行政をやっていかなければならぬ、こう考えております。
相澤重明君(相澤重明)
74
○相澤重明君 そういたしますというと、先ほどの松岡議員の質問についてさらに池田大蔵大臣が述べて、松岡議員は次のように言っておる。少くとも「それを整理するのに三年間もかかるというのでは、ちょっと私はあまりいいことではないと思う。予算の
関係
もありましょうが、」「三年を目標としているが、一年や二年は延びるかもしれないというようなことでは、」いかぬということで、「予算は大蔵省で、何しろ自分のところのことですから、倍額にされても国有
財産
の
実態
をはっきりするというようなことは、三年はおろか、ことし一年でやってしまうというようなことを」やらなければいかぬ。こう言って本院でははっきり松岡議員は
指摘
をしておる。にもかかわらず、今の
管財
局長
の言うのは、 いわゆる三カ年度、三十二年度、三年度、四年度を目途にしておるけれども、あるいは五年度になるかもしれないというのは、
一体
本院の私どもの意思と、大蔵大臣の意思の食い違いをどうするか、政務次官これをどういうように考えておるか、これをまずあなたの御答弁を求めたい。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
75
○
政府委員
(白井勇君) これは当時松岡
委員
が今お話のように、三年では長過ぎるのではないか、やはりだれしもそういうような感じを持つだろうと私も思います。でありまするが、国会の皆さん方の御意見もありまするので、少くも三年計画をもって何とか完了したいと、こういう建前をとって進めておるわけでありまして、今
管財
局長
が申しましたことは、これはやはり実務をあずかりまする実際の担当の責任者になりまするというと、やはり非常に大事をとりまして申し上げるわけでありまして、私も、大蔵省としましては、皆さん方の御意向にありますように、できるだけ早くこの問題というものは
調査
を完了したい、こう私どもは考えておりますので、決して皆さん方の御趣旨に沿わないような考え方でものを進める気は毛頭ございません。
相澤重明君(相澤重明)
76
○相澤重明君 これは非常に重要なことである。少くとも政務次官が、あなたは大蔵省の方針というものが国会の意思に沿って、国会の意思を尊重をして作るとするならば、やはり最高の責任者で、ある大蔵大臣あるいは大蔵次官は事務当局にはそのような指示をしなければならぬ、今あなたは、いわゆる
局長
とかあるいは事務当局に対して遠慮をされておる、これが日本の一番欠陥なんだ。官僚に対する遠慮というものが、ともすれば政治に対するところの悪を生んでくる。こういうことがあなたの今、いみじくも答弁の中に出てきておる。これは少くとも岸内閣の方針なり、あるいは大蔵省の方針というものが出されたならば、官僚は当然それに従って、その
事項
を進めなきゃならぬ。このように思うのであるが、
一体
あなたはそのことをどういうふうに政治的な立場で責任を負おうとするのか、今あなたの言うように官僚をかばっていくという考えなのか、何とか政治に対するはっきりした政府の方針、国会の方針というものが出されたならば、それを遂行させるために事務当局を鞭達していくのか、その点についてのあなたのお考えはいかがですか。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
77
○
政府委員
(白井勇君) いろいろ御注意をいただきましたのでありますが、私も官僚は大きらいでありまして、決して官僚の手先になりまして事をやっていくなどという気は毛頭ございません。ただ私申し上げましたのは、やはり役人の立場になって、責任を持った地位になりますというと、大事をとりますから自重しました表現をしておるのでありまして、ということを私は一応申し上げたのでありまして、皆様方の御指示にありますように、非常にこれは困難な問題であります。非常に数の多い問題でもありまするし、しかしながらできるだけ私の方は皆様方の御指示になりますように早くこれを終了したい、こういう考えで進んでおります。先ほどお話のありました
通り
、大蔵省は自分のところで予算を組むのだから必要なものをどしどし取って、そしてやったらいいじゃないかというお気持もわかりますけれども、予算を実際預りましております大蔵省の立場になりますと、内部の予算というものは非常にじみちなものでありまして、今お話しのようなことは各省に対する
関係
からいいましても、むしろうちわうちわとこう予算を組まざるを得ない立場にあるものでありまして、これはまことに大蔵省の実務をやります者から見ますと、非常に同情を要するような点もありますので、この点は一つ御理解を願いたいと思います。
相澤重明君(相澤重明)
78
○相澤重明君 白井君にそう怒っても仕方がないのだけれども、これは指導性の問題だから、政務次官同士あるいは大蔵大臣となれば、やはり国の方針についてははっきりと指導しなければならぬ。それに対してともすればやはり事務当局が、答申というものあるいは政策というものを自分たちのために曲げるようなことがあってはならない。そのことはやはり予算編成過程において、あるいはそれを議論をする中で私どもは十分消化のできるもの、こう思うわけです。従ってあなたの苦しいことはよくわかるが、やはり指導としてはそういうふうにやってもらいたい。しかも本院における決算というのは、御承知のように担当の大臣がおるわけじゃない。これは各省庁に対して本
委員
会においては十分に審議をして、そして国民の税金というものが誤まりなく執行されるということをわれわれは監査をするわけだ。従って大蔵大臣を初め、各省庁は、この参議院の決算
委員
が裁判官の立場で実はこの問題を処理しておるわけだ。そういう点で私はその趣旨というものを一つ尊重されて、今後の衝に当っていただきたい、こう思うわけです。 次に、それでは管材
局長
にお尋ねをしたいと思うのでありますが、非常に膨大ないわゆる事務
内容
を持っておるということは、私もよくわかります。わかりますが、それでは三カ年計画ということで一応進んで、第一年度については先ほどあなたの御答弁を聞きますというと、一月末までに着手したのが一万六千四百八十二件、そのうち完了いたしたのが九千六百七十五件、こういうふうにあなたは御答弁をされておるわけでありますが、その中で、先ほど、前の池田大蔵大臣が
説明
されておるように、国有
財産
の台帳として整理をされるその中には、当然このいわゆる戦前、戦後を通じての非常な混乱期に、たくさんの
財産
を大蔵省はかかえておったのであるから、これをできるだけ活用する。たとえば今問題になっておるところの駐留軍の要員が離職をする、こういう場合に、駐留軍のその離職される人たちに対するところの国有
財産
の提供ということもあるであろう。あるいはまた地方公共団体によってどうしても国有
財産
を払い下げてもらいたい、こういう場合もあるであろう。あるいは元のいわゆる所有主が、もう戦後軍部がなくなったのであるから、当然必要でないから、これは大蔵省に一応併合されておっても、一つ元に払い下げてもらいたい、こういう趣旨のものもあるであろう。
一体
九千六百七十五件の中でそのような処理ができたものはどのように分類していっておるか、この
内容
について一つ御
説明
を願いたい。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
79
○
政府委員
(
賀屋
正雄君)
実態
調査
の完了いたしました九千何がしというものにつきましては、その活用と申しますか、処分の方針はまだ具体的にはきまっておらないものが多いと思うわけでございますが、お話にありましたように、国有
財産
をいたずらにかかえておるということは、
管理
の立場から申しましても不適当であるということは、私どもも全く同感でございまして、物納
財産
初め旧軍用
財産
等、そういったものにこの
実態
の必ずしも明らかでないものが多いわけでございますが、明らかになりましたならば、できるだけ早く売り払いの方針に移行する。貸付の要望もあるわけでございますが、私どもといたしましては、ただいまの方針としては、貸付よりも売り払いを優先するという考え方でもって方針を立てまして、地方の財務局等にも徹底をはかっておるわけでございます。処分の場合の
一般
的方針といたしましては、いろいろあるけわでございますが、先ほどお話にございましたような、占領軍の引き揚げに伴いまして、いわゆる駐留軍労務者で失職をされる方が多いのでありますが、これらの方々が健全な企業組合を結成せられまして、その事業遂行のために国有
財産
を利用したいという場合におきましては、目具体的な個々のケースに
当り
ましてできる限り御協力を申し上げるつもりでおりまして、今日までで実視しました例はまだ少ないのでありますが、実例を一つ申し上げますと、神奈川県の平塚にございます
土地
約一千四百坪
建物
約百坪につきまして企業組合共和ブロックというものに対しまして売り払いをするということでただいま手続を進めております。その他駐留軍の労務者の方々に対しまして職業のあっせん、補導をいたしますために、国有
財産
を活用したいという御希望もあるようでございまして、これにつきましては福岡市の香椎所在の
土地
約三千五百坪というものを自動車運転訓練場用地といたしまして貸しつける手続を進めております。そういったように、いろいろこの駐留軍労務者のあるいは居住施設のために活用することでありますとか、あるいはもっと駐留軍労働者の失業対策の根本的な問題といたしまして、膨大な国有
財産
が返って参りました場合、でき得る限り企業を誘致いたしまして、その雇用の機会を多くする。その企業誘致に国有
財産
を活用するということも、いろいろ研究中でございまして、これは内閣の特需等対策協議会におきましても取り上げ、熱心に研究されておるわけでございますが、大蔵省の立場からも、これにはでき得る限りの御協力を申し上げるつもりでおる次第でございます。
相澤重明君(相澤重明)
80
○相澤重明君 先ほどの御答弁では、一部の、神奈川とか福岡の問題は御報告になりましたけれども、そのほとんどは
調査
一応完了したけれども、処分についてはまだ十分できておらない、こういうことだと思います。そこでやはり本院の昨年度における意向としても、これはできるだけ早く処理をして、そして国民の
財産
なりあるいはまた大蔵省の、国の
財産
なり、こういうものに区分をしてもらう。できるだけそういう処理を急いでもらいたいというのが希望でありますから、この点については一つ
調査
が終ったから、その
調査
をしつばなしということに陥らんように、これは
局長
の方で指示をしていただきたい、こう思うわけであります。 次にお尋ねをしたいのは、参議院等で十分な
質疑
を行なった中から、三十に年度から実施することになったわけでありますが、それまでの整理というものについては、
一体
大蔵省はどのように地方財務局なり財務部に処理方針というものを流しておったのか。それは全然今までやっておらなかったのか、こういう質問がちょっと出るわけです。これはこの前のこの
委員
会の際にも、たとえば
東京
都のように、今道路になっておる国有
財産
が実は台帳に載っておった、こういうので非常に問題になったわけであります。しかしこれはあとでよく調べてみると、すでに
東京
都に譲渡してあったということがわかったわけですが、そのようにして非常に
管理
が不十分であったということなんですが、それ以前はどういうふうになっておったか。
説明員(市瀬泰蔵君)(市瀬泰蔵)
81
○
説明員
(市瀬
泰蔵
君) 三十二年度から
実態
調査
を開始いたしまして、それまでしばしば
会計検査院
等から
指摘
を受けました
管理
の不十分、自分の
管理
しておる
財産
がどこにあるかわからないというようなことのないように努めておりますが、その前につきましても、全然放置しておったのではございませんで、漸次
財産
別と申しますか、大蔵省所管の普通
財産
になりましたその取得の原因別に、たとえば物納
財産
についてはこういうように処理して、
管理
し、処分をしなさい。旧軍から引き継いだ材帳については次のようにやるように。それから他の省庁から用途廃止によって引き継ぎを受けたものはこういう
方法
で処理するように、というような個別的な通達はそのつど下部に流しまして、徹底を期しておる次第でございます。
相澤重明君(相澤重明)
82
○相澤重明君 あなたのただいまの御答弁で参りますと、そのつど、三十二年度から本格的にこの
調査
に入る前にも指示をしてきた。しかしもしあなたが指示をしたけれどもやらなかったら
一体
どうなるのですか。地方の財務局なりあるいは財務部がそういう本省のいわゆる指示
事項
に従わなかった場合にはどういうことになるのですか。
説明員(市瀬泰蔵君)(市瀬泰蔵)
83
○
説明員
(市瀬
泰蔵
君) 本省の指示に従わないという場合の御質問でございますが、これは本省の
管財
局にも
管財
監査官というのがありますし、それから大臣官房には財務考査官というのがありまして、財務局、財務部の職員の事績及び事業の遂行
状況
はいろいろ監査しておりますので、あるいはそういう表立った監査によらない場合でありましても、私ども本省の担当職員が財務局、財務部に出張いたしました際に、そういうような
事例
を発見いたしました場合には、本省の指示
通り
実施するよう是正方に指導しております。
相澤重明君(相澤重明)
84
○相澤重明君 本省の指示
通り
にやるようにという御趣旨は、その
通り
だと思うのです。しかし実際に仕事がそういうふうに進んでおらなかった。そのために大蔵省としての仕事は実はあまり進んでおらないから国民からいろいろ非難が出てくる、こういうことは間違いのないことだと私は思うのです。その間におけるいわゆる官僚の仕事に対する熱意の欠除というものがそういう点に現われてくるのじゃないか、私はこう思うのですが、一つの具体的な
事例
をあげてあなたに一つ御
説明
していただこうと思うのであります。それは私がこう思うのでありますが、いわゆる戦争中に陸軍なり海軍なりで必要ということで、その
土地
の住民のいい悪いにかかわらず、とにかく軍部の命令であるということで強制接収をした
土地
、
建物
というものはたくさんある。これは先ほどから御
説明
した
通り
ですね。そういうものに対して当然本省としては、いわゆる終戦後いろいろな問題はあったかもしらんけれども、国有
財産
の
管理
については努力をされたと私どもは思うわけです。しかし残念ながら、地方の財務局なりあるいは財務部ではそれを履行しておらない。そのために国有
財産
に登記がしてない。こういうような場合には、あなた方は具体的にどうするのですか。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
85
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) ただいまの御質問の、旧軍用
財産
でありましたものが大蔵省所管の
財産
になりまして、その
財産
につきまして未登記のものがたくさんあるというお話は事実でございまして、詳しい件数が全国でどの
程度
であるかという点はまだはっきりと
調査
はいたしておりませんが、ときどき具体的な問題として爼上に上ってくるわけでございます。この問題の処理につきまして、どのような方針をとっているかということを御
説明
いたしたいと存じますが、旧地主が承諾いたしませんために、所有権の移転登記が困難な
財産
につきましては、旧軍が買収いたしました当時の
関係
資料につきまして
調査
をいたしまして、国の所有であることを
確認
するとともに、
相手方
に対しまして極力登記の移転を交渉いたしている次第でございます。ただいま申し上げました
実態
調査
の一部として、このような未登記
財産
についても積極的に
調査
をいたしまして、判明いたしましたものにつきまして逐次このような
措置
をとっているのでありますが、国への登記手続が終了いたしません前に、
相手方
が第三者に不法に処分するというおそれもございますので、これに対処するためにとりあえず仮処分、仮登記の
処置
を講ずることといたしております。さらに必要があります場合には、訴訟を提起いたしまして国に登記名義を移すことといたしているわけでございます。つまり旧所有者においてあくまでも登記の移転をがえんじないあるいはその所有権の主張をしている方々に対しましては、旧軍において買収を行なった事実がないということが
確認
されない限りは、国は原則といたしまして訴訟という手段によりまして解決をはかるつもりで対処いたしております。
相澤重明君(相澤重明)
86
○相澤重明君 他の
関係
委員
からもいろいろ質問が出ますから、私はきわめて簡単に御質問をしたいと思うのですが、今のあなたの御
説明
で参りますというと、旧軍部が接収したものあるいは物納を命じたもの、こういうものについて登記がないものはいわゆる仮登記なり、登記をするように努力をしておる。それは当然当時の軍部からの正規な、いわゆるこれらに対する補償というものが出されたものである、こういうお立場に立って国の
財産
として
確認
をされるものである、こういう、ふうになろうと思うのであります。そこでさらに進んで私はお尋ねをしたいのでありますが、国の
財産
であれば、
一体
税金というものはもとの人にかかるのか、かからんのか、この点はいかがですか。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
87
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) 個人が売却いたしまして、国の
財産
になりました上は個人に対しては税金はかからないと思うのでございます。
相澤重明君(相澤重明)
88
○相澤重明君 きわめて明瞭になったわけでありますが、そういたしますと、たとえばそれがいろいろな手続上の問題があっても、とにかく個人の所有権としていわゆる固定資症税がかかってくるという場合には、これは当然その人が、旧軍でありますから、戦時中から今日までいわゆる
財産
に対するところの権利を認められた、このように私は理解をしてもいいかと思うのでありますが、あなたの今の御答弁についていかがですか。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
89
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) かりに国に売却いたしました後におきまして、たとえば固定
資産
税をかけられた場合におきましては、その国に移転したということがはっきりいたしております場合には、それは地方公共団体の何と申しますか、間違った
措置
でございますので、税金は還付されることになろうと思うのでございます。税金を納めたからその
土地
なり
建物
が自分のものであるということにはならないと思います。
相澤重明君(相澤重明)
90
○相澤重明君
一体
個人の損害を、その長い期間に対する個人の損害というものを、今地方税なら地方税で地方自治体が還付をするというのであるけれども、その還付をするのはどこの欠損でまかなうのですか。これはつまり地方自治体は毎年々々予算を組んで、そうしていわゆる少い中にも住民から税金とり上げて、いわゆる運営をはかっておるのでありますが、もしそういうのが先ほど申し上げるように、たくさん
事例
があるということになったら、その人たちに対する損害は地方自治体自体でそれがまかないきれますか。どこの部でそれをまかなうのか、あるいはそういう財政法の建前がどこに出でおるのか、その点を明らかにしていただきたい。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
91
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) あやまって徴税した分につきましては、そもそもがあやまちであったわけでございますので、地方公共団体としては当然還付すべきものであると思います。ただそれがその地方公共団体の財政でまかない切れないほど大きなものであるかどうかという点については、まあそういう
事例
はめったにないのじゃないか、これは想像でございますが……。
相澤重明君(相澤重明)
92
○相澤重明君 そうすると、私は
管財
局長
にお尋ねをしなければいかぬのですが、先ほどあなたはたくさんなそういう
事例
があるということをおっしゃったじゃないですか。速記録を調べてみればわかるのだが、先ほどはそういう
事例
もたくさんあるでしょう、こういうお話だったから、私はたくさんあるだろう、こういうことを言っておる。たくさんあるとしたならば、
一体
そういうものはどういう法律に基いて、財政法なら、財政法のどこにそういうことが規定してあるか、そういうことを私はお尋ねしておるのです。またそういう金額というものはどういうふうに出てくるのか、こういうことを
指摘
をしておるのであります。
説明員(市瀬泰蔵君)(市瀬泰蔵)
93
○
説明員
(市瀬
泰蔵
君) かわってお答えいたしますが、先ほどの御質問にありましたように、地方公共団体があやまって課税したものでございますと、これは地方公共団体においてそのあと始末の責を負わなければならないのでございますが、現在におきましては国有
資産
等所在市町村交付金及び納付金に関する法律というのがありまして、これは
昭和
三十一年に公布されたものでございますが、大蔵省所管の普通
財産
等で民間等に貸し付けしておりまして収益を生じておりますと、そういう
財産
につきましては国が市町村に交付金を交付するという形におきまして地方公共団体にそれ相当の金額を交付しておるわけでございます。ただいま御質問がありましたように、国有となっているものでありましても登記が完了していないものは全国各地にかなりたくさんありますけれども、これは私どもとしましては全部国有のものである、こういう観点から処理をしておりまして、そのもののうちにはかなりの面積のものは他人に貸しております。そしてその貸付料収入が上っているということに基きまして、地方公共団体に交付金として、大体固定
資産
税相当額の金額として算定されておるのでございますが、交付しておりますので、国有でありますものは交付金の対象になる。そしてそれをもし地方公共団体が誤まって旧地主と申しますか、たまたま登記面だけは所有者になっておる方にその所有の事実に基いて課税されたとしましたならば、それは返還されるべき、還付せらるべきものであるということでございます。
相澤重明君(相澤重明)
94
○相澤重明君 きわめてだんだん明瞭になって、きたわけでありますが、そうしますというと、それらの長い間いわゆる個人に損害を与えたことは国の指導の誤りである、国が手続きを怠ったためである、こういうふうに理解をしてよろしいですね。
説明員(市瀬泰蔵君)(市瀬泰蔵)
95
○
説明員
(市瀬
泰蔵
君) むしろ登記面だけにとらわれずに、地方公共団体の徴税当局が事実に基いた審査をして課税をすべきものであると考えます。
相澤重明君(相澤重明)
96
○相澤重明君 地方自治団体、地方自治団体というけれども、地方自治団体が大蔵省の
財産
になっておらなければ個人の所有と見なして税金をかけるのは当然じゃないか。大蔵省の国有
財産
として登記がしてあれば、これは国有
財産
であるから個人のところに税金をかけるのはおかしい、こういうことになる。あなたの言うのは旧軍部がいわゆる買収をしたが登記がしてなかったために、地方自治団体が税金をかけたからそれは地方自治団体の誤ちだということは筋が通らぬじゃないか。
説明員(市瀬泰蔵君)(市瀬泰蔵)
97
○
説明員
(市瀬
泰蔵
君) 現在の民事法におきましては、登記は不動産の場合に対抗要件にはなりましても公信力がありませんので、
通常
地方公共団体におきまして徴税に当っては登記面のみにとらわれることなく、現実にその
土地
が国の
管理
しておるところでございますから、その事実に基いて課税すべきものかどうか、
検討
すべきものであると考えます。
相澤重明君(相澤重明)
98
○相澤重明君 これは今のそういうようなことで、もちろんその法律的な解釈はこれはあとで議論をするにしても、そういうことでいったならばいつまでたっても、これは先ほども私は議事録を読んだように、大蔵省は観念論にとらわれておって、実際の作業が進んでいかない、こういうことになると私は思う。私は特に今
指摘
をしたいのは、やはり仕事というものはその都度順序よくやっていけば、こういう問題は起らなかった。これは大蔵省はいわゆる買収をしたあるいは旧軍部の
財産
を引き継いだ、そういうことをすみやかに手続きをとったならば、地方自治団体もそういう手数はしなくても済んだ。また個人にも損害を与えなくても済んだ。これはいかに抗弁しようとも大蔵省がこの
管理
を誤まっておったということは間違いないじゃないですか。その点については白井政務次官はどう思いますか。次官の答弁を一つ求めましょう。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
99
○
政府委員
(白井勇君) 先ほどもお話にありました
通り
に、そういう何と申しますか、普通のとるべき手続きというようなものがとられずに、いろいろな複雑な状態が出てきているのだと思いますので、それだけにやはり引き継ぎました大蔵省としましても、いろいろまためんどうさがあるわけでありまして、だからといって決して大蔵省のみが
管理
の適正を欠いておった、こういうふうにも私は申し上げかねるのじゃないか。ただそういう何といいますか、ああいうど
さく
さの場合でありますからして、そういういろいろな手違いというものはおのずからあるのでありまして、そういうものを先ほど来お話のありました
通り
に、われわれといたしましては、できるだけ早く処理、しなければならぬ、こういうことで進めておるわけでありまして、一つ御了承願いたいと思います。
相澤重明君(相澤重明)
100
○相澤重明君 まあ政務次官らしい答弁だけれども、実際にこれはもう大蔵省のやはり手続ができておらなつかたことが原因であるということは、これはもうどう抗弁しょうとも、それは私は抗弁のしょうがない。
財産
管理
について不十分であった。従って地方公共団体も、それをまた
確認
をすればよかったかもしれぬけれども、それが
確認
ができなかったために、本人の損害になっていったということになるわけです。そこで私はまあそういう問題については、できるだけやはり大蔵省としての筋を通して、そうして先ほど松岡
委員
の質問に対する池田前の大蔵大臣が言ったように、どうしても大蔵省がこれは国有
財産
として処理をしなければならぬものは別であるが、とにかくできるだけ地方公共団体なり、あるいはまた必要でなければ、もとの人たちに返す、あるいはまた必要として申請をされる人たちに返す、こういう私は考え方に立っていいと思うのです。そういうことについては、白井次官、あなたはどういうふうにお考えになりますか。この池田大蔵大臣が言ったようなことについて、今日もそういうふうにあなたが考えているかどうか。この点についてお答えをいただきたいと思います。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
101
○
政府委員
(白井勇君) 先ほどから申し上げております言葉を繰り、返すようになると思いますが、とにかくさしあたりの問題としましては、
実態
把握
というものが十分できていないものでありますから、それをできるだけすみやかにやりまして、先ほど来から御質問のありまする
通り
に、いろいろ実際は軍が買いましたものが登記の面においては落ちております。いろいろそういうところに複雑な問題が出てきておるわけでありまして、これがまた普通の事務のように順調に進んでおりますれば、これは台帳を作るにしましても、
実態
を
把握
するにしましても、処理をいたすにしましても、これは事は簡単にいくと思いますが、そこに問題があるわけであります。ですから、私どもの方としましては、できるだけ早く
実態
を
把握
いたしまして、そうしてされましたものは、それは先ほどからお話のありました
通り
に、できるだけすみやかに適正な処理をするということがわれわれの務めだと、こう考えておる次第であります。
相澤重明君(相澤重明)
102
○相澤重明君 まあそういう点で、今の白井次官ができるだけ早く処理をするということで、一つここで問題を出したいと思うのでありますが、特に仕事を一生懸命やっておる、できるだけ早く
実態
を
把握
する、処分も早くする、こういうようなことをいわれておっても、実際にその気で地方の財務局なり財務部がやらなければ、私はできないと思う。実際事務の渋滞というものははなはだしい。私は昨年の八月、関東財務局に行ってみたところが、大蔵省の勤務時間は何時から何時までだかしらぬが、昼過ぎてもう一時になっても一時半になっても、なかなか担当者はいない。はたの方では、とにかくいわゆる将棋か碁かやっておって、責任ある者は外へ飯を食いに行っちゃつていて、いない。こういうようなことがやはり下部で行われるようでは、幾らあなたがうまいことを言ったところで、これはやっぱり実際に仕事ができない。そこで一つの例が、私は神奈川県の労働金庫の手続の問題で昨年八月関東財務局に出たけれども、いまだもって、そういうものを処理をしておらない。これはもう半年以上だ。だからここに私が一つの例を出したのは、戸塚市ですね。横浜市の戸塚区公田町に、旧軍部が接収をした
土地
がある。その
土地
について、これは関東財務局の三十三年三月八日の
調査
によると、所在は横浜市戸塚区小管ケ谷町桂町公田町としてある。口座名は旧第一海軍燃料廠、沿革は、
昭和
二十年十月三十一日としてあって、台帳
数量
には
土地
一一二、九二〇坪、
建物
が一四、五七一坪、工作物が一式、立木一、七七七本とこういうふうに書いてありますが、その中でこの旧地主の金子良吉さんという人の所有
土地
が横浜市戸塚区公田町字中耕地五百十番、田が四畝、そのほかに畦畔が六歩、こういうのがあって、それがこの財務部の調べによると、
昭和
十八年の四月一日に六百四十五円で買収をしたことになっておる。ところがこの手続が旧海軍の施設部がしておらなかったために、今日まで全部この旧所有主に固定
資産
税がかかっておる。たとえば
昭和
三十二年度の固定
資産
税を見ると、この人の固定
資産
税が
昭和
三十二年度に五千六百二十円で、横浜市長の命によって横浜市戸塚区長が徴収をしておる。こういう納税済みというのが出ておる。そうするとこれは十五カ年ですね、十四年幾らですか、これだけの長い期間というものはいわゆる固定
資産
税を徴収しておった、こういうことになる。これに対して十四年も五年も固定
資産
税を徴収しておったのを、先ほどの
管財
局長
の話じゃないけれども、これは国が交付金として出しますといったところで、これは大へんなことだと思うのです。これは一つの例です。ほかにも私はそういうのをたくさん持っております。こういうようなことをしておいて、そうしてこれらの人たちが、旧軍部がなくなって現在は
管財部
が
国鉄
の寮に
土地
を貸しておる。そこで私は先ほど
国鉄
の当局に、あの
建物
はもう古いからいわゆるこれを改造する考えはないか、こういうことを質問をしたのでありますが、まあこまかい点については所管
事項
として本名でなくて東鉄であるから、これは予算面であとで調べてもらうということになると思うのです。そういうことでありますが、一応旧軍部の
土地
としてわずか五百円か六百円で買ったものが、つまり今日十五カ年も――とにかく昨年だけで言ってもこれだけの多くの、五千六百二十円も同定
資産
税を取っておる、こういうことが
一体
大蔵省は、ああこれは私の方でない、これは地方自治団体の責任です。こういうことで済まされるか済まされないか、こういう問題になると思う。私はそういう点を直していただかなければならぬことが一つでありますが、先ほども言うように、むしろこれらの損害については十分話し合いをして、そうして解決をするのが当然じゃないか、こう思うわけです。そういう点について、それらの長い間損害を与えたことに対して
一体
そういう話し合いをして処理をする方針があるのか、それとももうそれは地方自治団体のことですから、大蔵省に地方自治団体からその損害金を報告してくれば、大蔵省は全部払います。交付金の中で賄いますとこういうことになるか、一つこの点ば次官を初め、相当者に一つ答弁してもらいたいのであります。これは具体的な
事例
です。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
103
○
政府委員
(白井勇君) いろいろお調べの
事例
を聞きますれば聞きまするほど、こういう処理の問題というものがむずかしいものであるということは一そうその感を深くするものでありますが、だれが考えましても、まことに不合理なことだと思います。ただその対策というものをどういうふうに処理をして参りますことがいいものでありまするか、これはまたよく事務当局とも
検討
しなければならぬと思いますので、その点はよく事務当局にもよく
検討
してもらいまして、また御連絡申し上げたいと思います。
相澤重明君(相澤重明)
104
○相澤重明君 事務当局はどうだ。次官の言った
通り
か。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
105
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) 問題になっております
土地
でございますが、百三十二坪ばかしの
土地
につきまして
調査
いたしましたところ、今お話のございました金子良吉氏の父親がなくなったのでございますが、その人の名義で税がかかっておるということになっておりまして、この
土地
につきましては、その登記が完了いたしておらないのでございますが、御本人から
昭和
十八年に登記の承諾書というものも出ておりますので、この点につきましてどういうふうに処理すべきかという点につきましては、現地の財務局あるいは財務部とよく協議いたしましてその対策を
決定
いたしたいと思います。
相澤重明君(相澤重明)
106
○相澤重明君 これはあなたは
昭和
十八年に登記の了承をしておるというのでありますが、そうなっておらないのだ、むしろ
国鉄
に貸しておって、そして実際に
国鉄
の
建物
はその上にない、これは道路のはたなんです。現地を実は私は
調査
してきた、陳情がきておったから現地を
調査
した、ところが何ら支障がない、何ら支障がなくて、しかも
国鉄
の家族が住んでおって、そこにはひまに飽かせて菜っぱでも作っておる、お百姓は
土地
をとられて、そして自分たちは百姓をやりたいとみんな言っておるのだが、取り上げられたものは大した支障のないところに菜っぱや大根が作られておる、これは国民感情としてもなかなか許されんことだ、しかもその上に本人は了承したということを言っていない、できるだけ早く払い下げてもらいたいということを言っておった。ところがなかなか財務局や財務部が言うことを聞かない、何を言うか国民はと、官僚があぐらをかいて弱い者をいじめてどんどん自分の思うことを進めていこうとした、ところが百姓でもなかなか言うことを聞かない、聞かないのでやむを得ず昨年の三十二年の十一月七日に横浜の裁判所で仮登記をした、私はちゃんと裁判所の書類を持っております。昨年われわれが国会でさんざんやって、それにやはり近いものですから、みんなよく知っておる、なるほど国有
財産
については私ども必要なものは当然仕方がないけれども、できるだけ大蔵大臣がそう言うのだから、これはやっぱり大蔵省もあたたかい目で見てくれるだろう、話し合いもするだろうと、こういうふうに見ておったが、何を言うておるとふんぞり返っておったから、作業が進まない、ついに仕方がなくて裁判所の仮登記を出した、こういうことをやる官僚なんだ、大蔵省がそういうやり方をすることがいわゆる人民の上にあぐらをかいておるということなんですよ、どうなんです。この登記は。これでもあなた方は仕事を、いわゆる十分に国民の意思を守ってやる、あるいは国会のいわゆる審議における意見を尊重するということが言えますか、先ほども申し上げたように、三十二年にもこの人の税金というものは、金子さんの税金は五千六百二十円、まだほかにもあります。伯耆さんという人なんかも四十三百五十円をちゃんと払っておる、ちゃんとみんな出ておる、そういうことを一つも地方の財務部なり関東財務局はやっておらぬじゃないか、それでも次官そういうふうに善良な官僚としての仕事をやったと言えますか、次官、こういう点についてあなたはどう思うか、次官からこれを一つ答弁を願いたい。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
107
○
政府委員
(白井勇君) 私きょうこちらに参りますにつきまして、そういう具体的なことをよく
検討
して参りませんでしたので、今のお話のようでありますれば、またその趣旨に沿いましてよく
調査
、
検討
いたしましてあらためて出て参りたいと思います。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
108
○
委員長
(
高野一夫
君) ただいまの相澤
委員
の質問はきわめて具体的な実例があげられておるわけでございまするが、幸いにして関東財務局から
説明員
が御出席になっておりますから、関東財務局の立場においてただいまの相澤
委員
の質問に対して御答弁を願います。
説明員(宮川政純君)(宮川政純)
109
○
説明員
(宮川
政純
君) この
土地
は全部で四千五百十九坪ありまして、これを当初
国鉄
に貸しておったんでございます。
昭和
二十一年四月一日以来でございます。それから
昭和
三十一年三月三十一日まで貸付し、その後関東財務局といたしましては、公務員宿舎用地が横浜近辺に適当なところがございませんでしたので、これを一つ候補地にしようということで、そのうちの八百九十七坪を公務員宿舎予定地として
決定
したわけであります。その中にただいま金子さんの
土地
が大
部分
含まれておりまして、その一部が
国鉄
の方にまたがっておるわけであります。そういうような現状でございまして、ただいまのところはそういうことで本省とも話を進めておりますし、
昭和
三十三年度において公務員宿舎を建てるべく今計画を進めております。従ってこの
土地
が現在未利用のままというのでなくて
土地
を公務員宿舎用地として利用する計画になっております。
相澤重明君(相澤重明)
110
○相澤重明君 今の答弁を聞くと今度は公務員宿舎を建てるという。公務員宿舎を建てるというのは関東財務局が建てるのか、大蔵省が建てるのか、それはどうなんです。
説明員(宮川政純君)(宮川政純)
111
○
説明員
(宮川
政純
君) これは大蔵省が全体の、全国の公務員宿舎の総
合計
画をいたしておりまして、そうして関東財務局の管内においては、これこれというふうに指示がございます。それに基きまして私どもの方では適当な
土地
を物色いたしまして、そうしてその割り当てられた宿舎を建てるということになっております。
相澤重明君(相澤重明)
112
○相澤重明君 ますますこの話はけしからない話になってくる。とにかくその
土地
をもと持っておった人たちが軍に四百円か五百円で強制的にとられて、そうしてもう戦後は必要がなくなったから、できるだけ早く解除をしてもらいたいという気持になっておるにもかかわらず、まあ一応
国鉄
に貸した、しかし
国鉄
は全部を借りておるわけじゃない、それは先ほどもちょっとお話が出たようにまだ
さら地
でたくさんあいておる。従ってそれに対して地元の人たちは早く返還をしてもらいたいということを言っても、今度はいやおれの方は当然大蔵省の所管だから、ここにいろいろな計画を立てるんだということであり、いみじくも三十一年からそういう計画を立てたと。これは一つ
管財
局長
に聞くが、
一体
今度予算のどのくらいで建てることに
決定
したのか、予算を
説明
して下さい。
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
113
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) 公務員宿舎につきましては、御承知かと思いますが、国家公務員のための国設宿舎に関する法律という特別法がございまして、これには宿舎審議会というのがございまして、大蔵大臣が年間計画をあらかじめ作りまして、この審議会に付議いたしまして
決定
するものでございます。予算につきましては、昭年三十三年度におきましては、
一般
会計十三億、特別会計等で七億八百万円の予算を取りまして、三十三年度の公務員宿舎の設置計画をただいま樹立中でございます。
岡三郎君(岡三郎)
114
○岡三郎君 もうちょっと具体的にってくれぬとわからぬ。十三億と七億八百万円でやると、それはもうすでに
土地
は、この公務員宿舎の
土地
になっておるというふうな話だが……。
説明員(宮川政純君)(宮川政純)
115
○
説明員
(宮川
政純
君) 予定しておるわけです。
岡三郎君(岡三郎)
116
○岡三郎君 予定というのはまだ
決定
しているわけじゃないじゃないか、そうでしょう。何かそこでもう建つようになっているというような話に聞えますが、もっとはっきりして下さい。予定ということは予定であって、まだ
決定
してないんでしょう。
説明員(宮川政純君)(宮川政純)
117
○
説明員
(宮川
政純
君) 公務員宿舎は、まず予定地というものを本省と私どもの方で内部的に、さめるわけでございます。そしてこれがいよいよ機が熟しまして、実行の段取になりましたときに、これが行政
財産
として、それぞれの所管の官庁に所管がえになるわけでございます。
岡三郎君(岡三郎)
118
○岡三郎君 だからそういうふうならばそういうふうなことで、そこで麗々しく言うからまた混乱しちゃうんだよ。まるで予定が
決定
したようになってもう動かしがたいような印象を与えるから、ますます白井政務次官の話が
検討
し善処しますよなんということで、いろいろ善処の仕方も
検討
の仕方もあると思うが、要するにこれはまだペンディングの問題として、一応そういうふうに考えておるが、未確定なものだから……。御承知のように予算もまだきまっておらぬのだから、そういうことをあまり挑発的に言うと私は工合が悪いと思う。だからそういう点は明確にして、今相澤
委員
が言ったように、私はこの問題についてはよくわからぬが、政務次官の方で個々の具体的な問題については未
検討
だから、まだここで的確にこうするという返事ができない、これは当然なんです。ただ問題は、これほどいろいろと論議されてきている中で、大蔵省としてはその
実態
をもうちょっと精査して、そうして政治的にものを考えて、これは感情だけじゃ考えられぬですよ。それでこの問題をどうしたらば一番いいのか、それはもとの所有者は返してくれというのは
当り
前だよ、戦争の前に安い金でとられて、それを返してもらいたいという気持はうんとあると思う、これは私は人情として
当り
前だと思う。 〔
委員長
退席、理事
大谷
贇雄君着席〕 国の方として今度逆に
財産
を保管する建前として、一応こうなったからには、そう簡単には返しませんというあなた方の立場も私はよくわかると思う。だから結局相澤
委員
の言っておることについても十分わかるし、国の
財産
を
管理
している官庁としての大蔵省がそう簡単に言われたら、では返しますという、こういうだらしのない官庁でも私はならぬと思うわけでございます。そこで話というものは、初めて、どういうふうにすべきかという経路を尋ねて具体的な話になると思う。というのは、何年に幾らの固定
資産
税を取ったというけれども、その固定
資産
税を取った金を当時の物価をスライドしてどのくらいにその金がなるかということの、こういう
計算
をしてやってもらわなければならぬわけだし、その当時の四百円だか六百円だか知らぬが、その貨幣価値が今の物価に比例して、
土地
価格
というもが何百倍――大体どのくらいのものかということになれば、そういうものを相関
関係
で相殺してみて、大体これくらいのものならばこういう
財産
になる、
土地
はこれくらいの金でもとへ戻してやったら一番みんながさっぱりする。国も損をしないし、本人たちも損をしない――私は公務員宿舎の
土地
なんというものはまだ方々にうんとあるんだから、戸塚の山の中へ持っていったら公務員がかわいそうだという考え方も二面あると思うんです。そういうことで解決の
方法
はあると思う。国としても、固定
資産
税を払ってきた方としても、幾分助平根性があったと思うんです。いっかまたこの
財産
は返ってくるんじゃないかという気持があったから金を払っていたんだと思う。こういう庶民の声というものも聞かなければならぬ。接収貴金属の問題にしても、政府は大財閥に対しては貴金属を返そう返そうとしている、そうしてこういうものはあくまでもダニのごとくしがみついて仮登記にして取り上げてしまう、こういうことになるならば、私はやはり政府の責任においてもとへ戻さなければならぬ、しかしそれもやはり
財産
を保管するという政府の責任があるから、私はこれ以上言わない。で、これは一つ具体的に国も損をしないように、それから本人の方もそう何もこれをずるくごまかして取り上げるというんじゃなくて、やはりそれに伴っていろいろ考えられている面もあるのだから、一つ私は和解を勧めるね、こういうものについては国と本人の間で。 〔理事
大谷
贇雄君退席、理事平島 敏夫君着席〕
岩間正男君(岩間正男)
119
○岩間正男君 ちょっと関連して。それはやはり国民感情の面から少し考えてもらいたいね。戦時中取り上げておいて、それを
国鉄
の方に貸しておいて……。それが今度国有
財産
だからというのでこれを取り上げた、そして貸しておる。しかし一方では固定
資産
税をこれは払っておる、いつの間にかそこに公務員住宅が建つということは、どういうことになる。これはむろん
関係
者にーー当人だけじゃなくて、これの与える影響、やり方というものは少し強引だと思う。これは決してほんとうにこの国民の声を聞いてやるという政治にはならぬと思う。やはり官僚独善と言われても仕方がないと思う。私は第三者として聞いておるが、そういう印象はいなめない。そういうような政治をやるのだという印象を与えるのは大蔵省の本旨ではないと思う。むしろそうだとすれば、これはわれわれは徹底的にこの問題を究明しなければならないのだ。そういう点で、先ほどこれはよく
事態
を調べてやると言われたが、この点やってもらいたいと思う。それからとにかく当人ともずいぶん話し合ってみなければならない。当人を納得させることができるかどうか、納得させてないで、この問題を強引にやるということは国会は了承することができないと思う。この点も考えて答弁願いたい。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
120
○
政府委員
(白井勇君) 先ほど申しましたように、私は突然呼び出しをいただきましたので、具体的のそういう問題は了承してなかったのでありまして、先ほどのように、国有地になったものが、前の地主さんが固定
資産
税を払っておるというようなことはまことにおかしな話じゃないかと、これはまことにごもっともでしょうと、そういう点もありまするし、私としてはよく
実態
をさらに
調査
をいたしまして、これの善処をいたしたいと、このように考えております。
相澤重明君(相澤重明)
121
○相澤重明君 今の白井君の言うごとく私どもも十分その点は了解をするものです。しかし私の一番根本の趣旨は、とにかく大蔵省の国有
財産
というものが不明確のままでは困る。それで
財産
の処理というものを少くとも三カ年かかって大蔵省は国有
財産
の所有を明らかにしていきたい、こういうねらいがあるわけです。ところがいかに本省がそういうふうに考えておっても、地方の財務局や財務部がそういうことを一生懸命やろうということにならなければ、これは三カ年が五カ年か十カ年になるかわからぬので、これは国民に対する奉仕じゃない、これが第一。 それから第二の問題は、その問題の処理に当って、少くとも長い間国民の権利というものをしいたげておるようなことは、これはやはり直さなければいかぬことで、特にこれらの問題については私は具体的な
事例
としてあげたのであって、全国的にもそういうものもあるでしょうし、これは前の池田大蔵大臣が言ったように、また今日も岸内閣の方針としても、一萬田大蔵大臣の方針としても、昨年も今年も違わないとすれば、なるべくその趣旨というものは私はやはり下部の人たちにも生かさなければならぬだろう、こう思うのに、そういうことはやらぬで、ややもするとあぐらをかいてやるということについては、これは私どもは了承するわけにはいかぬ、こういうことを言っておるわけです。ですから白井政務次官の答弁で私もよく了解します。了解しますが、このことについては、私も重大な関心を持っておるわけで、いかに大蔵省は処理をするかということは、いずれ
決算委員会
の中で私も明らかにしてもらおうと思うのです。 そういう点で、一つこのたくさんな
土地
を
国鉄
を初め、各官庁にも貸しておると思うのです。やはり適正な
料金
あるいは適正ないわゆる
管理
というものはやらなければならぬ、こういうことを私は付言をして、きょうは一応この
管財
関係
については終りますが、そういう点を、これを一つ次官も今後ぜひ督励をしていただきたい、こう思うのです。
岡三郎君(岡三郎)
122
○岡三郎君 私は紛争を込み入らせぬように……、公務員宿舎云々といったこと、これは将来の問題だから、これをあわててきめるようなことをして、無理に公務員宿舎にいたしましたならば、これは困ります。こういうふうな上から押しつけてくるようなやり方だけは、これは遠慮をしておいてもらいたいと思うのだが、この点は、問題は一応現状の姿をここへストップして、いろいろ
調査
をしてみて、そしていろいろと打開してから、これはどうしても政府のものであるというなら、それから公務員宿舎をやってもおそくないのだから……、そうでしょう。だから既成事実を作らないで、現状のままの一つの
条件
のもとにいろいろと
調査
し、話し合いするということにならぬと、どうもやっておることと、言っておることと違うという、こういうことになると心証が非常に悪くなるから、その点だけは一つ御留意願いたいと思うが、次官その点どうでしょう。
岩間正男君(岩間正男)
123
○岩間正男君 関連して。白井次官の先ほどの言明がありましたので、これを信頼して当
委員
会としてはこれを見守り、なお近い将来に報告を受けるということを、ここで
確認
しておいてもらいたいと思う。この処理の仕方は
一体
どうなったのか、正しく当
委員
会の意思が反映されているかどうかということについて報告を受ける、このことを
確認
しておいてもらいたい、
委員
会で。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
124
○
大谷
贇雄君
小倉
副総裁にお尋ねをいたしておきたいと思うのですが……。(「ちょっと待てよ。
委員長
、今の問題を処理してから」と呼ぶ者あり)
理事(平島敏夫君)(平島敏夫)
125
○理事(平島敏夫君) ただいまの岡、岩間、相澤各
委員
からの御要求に対して、大蔵省としては
委員
からの申し出の
通り
に今後処理されることを
確認
されますかどうか、その点をはっきりしておいていただきたいと思います。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
126
○
政府委員
(白井勇君) 岡
委員
のおっしゃいますように、既成事実を作って云々というような考え方はございません。先ほど申し上げましたように、私は具体的の問題は全然承知しないのでございますから、よく調べまして後日御連絡申し上げます。
岡三郎君(岡三郎)
127
○岡三郎君 調べただけじゃだめだ、今の点は。現状を
確認
して、みんなうんうんと言っているんだ、私の言っていることに。つまり現状において
土地
の問題がこういう状態になっている、だからまだ予算の方も一応まだ
決定
してないんだし、将来建設するという気持があるかもわからぬけれども、この
土地
を公務員宿舎にするというふうなことをあわててすることなくして、それでも十分間に合うのだから、だから既成事実を作ってやるということではなくして、一応この問題についてフェアな立場で大蔵省の方として善処してもらいたい、こういうことなんです。つまり予定するということになると、予定が今度
決定
になるということで、もう話し合いもへちまもないということになっては工合が悪いだろうと、こういうことを言っているわけです。 〔理事平島敏夫君退席、
委員長
着 席〕
政府委員(賀屋正雄君)(賀屋正雄)
128
○
政府委員
(
賀屋
正雄君) ただいま公務員宿舎は予定はいたしておりましたが、公務員宿舎の予定敷地といたしまして
国鉄
からお返し願いましたのは八百九十七坪でございまして、ただいまの問題となっております金子さんの
土地
は百三十坪ばかりでございます。これはまだ実地についてよく調べてみないとわからないのでございますが、全部がこの八百九十七坪に入っておりますかどうか、その辺をよく調べてみないとわからないと思うのでございますが、まあ私どもといたしましては、かりにこれが百三十二坪が八百九十七坪に入っておるという場合におきましては、まあ公務員宿舎に現実に利用するという意はあるいは将来に延ばす必要があろうかと考えておりますが、ただ一言私から申し上げておきたいと思いますことは、この戦時中旧軍が買収いたしました
土地
につきましては、いろいろのいきさつがあったようでございます。値段につきましてもいろいろ問題があったかと思います。そういった点を
考慮
いたしますと、なるほど国民感情といたしましては、そのままもとへ、軍が使わなくなった以上はもとへ返してほしいというのは人情でございますが、
管財
局の立場を申し上げますれば、冒頭に相澤
委員
からもおしかりを受けましたように、
管理
の仕方がなっていない、未登記の
土地
もたくさんある、こういった点についてどういう方針をとっているかということにつきまして御
説明
いたしましたように、できるだけ
実態
調査
を促進いたしまして、またはっきりと軍に買収されなかった事績がない限りは、やはり国有地といたしまして保全する必要がありますので、先ほどおしかりもございましたが、仮登記の申請をいたしたわけでございまして、そういった事情でございまして、やはり国有地としての
管理
という面からいたしまして必ずしも一概に国民感情のみから旧地主さんにお返しするということはなかなかできにくい問題である。ただ当
委員
会のいろいろな御意見もしんしゃくいたしまして、最終的な処理につきましては、今後十分
関係
者と協議をいたしましてやりたいと思います。
岩間正男君(岩間正男)
129
○岩間正男君 そういうことを旧官僚が巻き返してくるということになりますと、私たちはやはり一言いっておかなくちゃならない。われわれは無理なことを申し上げていないのですよ。これはよく話し合って当人を納得させて返すことができるんなら返してもいいでしょう。しかし返すことができないという建前もあるんでしょうね。そうすれば、その問題については当人とよく話し合って納得の上でこれは進めて下さいということを私は言ったので、これを返せとか何とかいうことを強制的に私たちは干渉する権利はないわけです。ただ国民感情として了承できますか。その点を
考慮
して、そうしてあなたたちの一つの方針があるでありましょうから、その方針をも考えて、そうしてしかもあまり遺漏のないように、問題を荒立てないようにやってもらいたいということをわれわれは言っているので、それに対してあなたがまた警戒線を張って何かおかしいことを巻き返してくるので、これは白井政務次官がせっかくこの問題について再
検討
するという当然政治的な立場からこの問題についてとにかく妥当な、国民が納得する、国民感情を刺激しないという線において、これは公明な解決をすることをわれわれは期待したから、このなにを了解したわけです。しかしあなたが何かそういうことを言い出すというとかえって荒立てることになるのでありますから、私たちはただ当
委員
会として、これだけ関与してみんなが熱心に論じた問題でありますから、当然この問題については事後処理の問題について、できるだけ早い機会において当
委員
会に報告をいただきたい。これまた当然だろうと思う。それについてこれははっきり了解していただければいいのじゃないかと思います。そうでしょう、当
委員
会の意向は……。そういうことならまとまるのじゃないか。それについて報告をこれは政務次官にお願いしておきます。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
130
○
政府委員
(白井勇君) 御趣旨はよくわかりましたから御報告申し上げたいと思います。
岡三郎君(岡三郎)
131
○岡三郎君 とにかく話のわかったように言っても何かかんか言い返すわけだから、私は
管財
局が国の
財産
を持っておるのは
当り
前だと言っておる。ただし国として接収貴金属のようなものについては、これは名前のわかったものについては返すという、金で。こういうことを一方でやりながら、こういうふうなかわいそうなお百姓きんたちがこういうことを言っておるのを、あなたたちはどう考えるかということを言っているわけです。だから私は国の
財産
をみんな言われてから、ごそごそ返せということを言っているのじゃない。ただ問題は今こういういろいろな手違いになっている、だからどんどんどんどん国有
財産
の整理をしてもらうことは賛成なんです。ただ問題は相当期間にわたって固定
資産
税をとってきたようなものもある。しかしこれはいわゆる地方当局の手落ちだと言ってしまえばそれまでだけれども、そんなふうないろいろな事件がそこに介在しているから、あまり混乱させぬように現在の
事態
の中においてどうしたらいいかということを十分
調査
して、当局として、政務次官の方として、これに対するところの善処を要請しておるわけです。そうしてその結果をここで報告してもらいたいということを筋を通して言っているわけなんですよ。やみくもに何でもかんでもこれを返さなければいかぬということを言っておるのじゃない。だからそういうふうな点で話のわかるように話をつけてもらったらどうか、こういうことを言っておるのだから、原則論にかえって国の
財産
は私たちの責任でございますからというようなことを言う、そういうふうな巻き返しはやめてもらいたいと思って言ったわけだが、この点は政務次官よろしいですな、趣旨はわかったな……。
政府委員(白井勇君)(白井勇)
132
○
政府委員
(白井勇君) 御趣旨はよくわかりましたから
調査
いたしまして、その結果によりまして御報告いたします。
相澤重明君(相澤重明)
133
○相澤重明君 私はだから実は本日の
決算委員会
でも関東財務
局長
と横浜の野毛の財務部長を参考人として呼ぶ。実は
政府委員
なり
説明員
として呼んではいかん。もっと究明しなければならぬ問題がある、こういうことを理事会で言ったのだ。ところが
高野
委員長
は、そう言わなくても、白井君もいることだし、まあ一つ何とかして本
委員
会として良識をもってやれば話はつくんじゃないかと、こういう話で来たから、私は、それなら
委員長
に一つまかすということで来たわけだ。私はもちろんこういう悪い例というものを残してはいかぬ。国有
財産
の整理というものがはっきりできておらぬ。これは大蔵省の役人がやはりそういう誠意をもって処理しておらないから、結局はいくら大臣が国会で答弁をしても、すなおにそのことが行われておらない。そういうことを私どもは、これは公務員であるけれども、場合によれば、これは参考人として呼び、そうして
質疑
の中においていけなければ、この前の農林中金の問題と同じように、証人として喚問すべきである、こういう私は実は主張をしたわけです。理事会で……。しかしまあ私は岡野
委員長
の立場というものを十分了承して、そうしてまあ大蔵省から事実の
説明
を求めて、そうして私どもはできるだけ協力していこう、こういうことを言っておるのであって、一つも何も元の
土地
の所有者であるから、これは必ずしも返さなくちゃいかんということを言っておるのじゃない。一つもそんなことを言っていない。けれども、そういうことを、ややもすれば、いわゆる、大蔵大臣なり次官が言ったことを事務当局がごまかしていくと、こういうことについては、われわれはこれはなかなか了承できない。またそういうことを私どもは正しくあり方をきめていくというのが本
決算委員会
だ。だから先ほども言ったように、決算
委員
というのは、別に各省庁の大臣なり、担当者に私どもは
説明
を求めるのじゃなくて、私どもは裁判官のつもりで、国民の
財産
がどう正しく実は
運用
されておるか、あるいは大蔵省としては国有
財産
はとう
管理
されているか、こういうことを私どもは本
決算委員会
で調べなきゃならぬ。こういうことを筋を通して言っているわけです。それにもかかわらず、そういうふうなことをやるのならば、これは、
委員長
、私は白井政務次官の言ったことを信用しているから、私どもは黙っておったが、私どもは了解すると言ったけれども、この結果いかんによっては財務
局長
と財務部長を参考人として呼び、場合によったならば、証人として切りかえて――私はそれまでの強硬意見を持っておったけれども、本日は次官の一応の言明を私は良識あるものとして了承をいたします。
島清君(島清)
134
○島清君 関連して。私はちょっと五分ばかり時間を頂戴いたしまして、私は実はせっかく大蔵省の
管財
の諸君が見えられたので、いろいろ聞こうと思っておりましたが、今まで機会がございませんので、後日の適当の機会にお聞きしたいと思いますので、三点ばかりちょっと資料の御提出を願いたいと思います。 それは今あなたの方が国有
財産
の処理を急いでおられるようなことを言っておられましたが、急ぐことも大へん必要でございますけれども、その処理の経過については慎重でかつまた国民が納得するような
処置
でなければならないと思います。その意味におきましてくず化
物件
がかなりあると思います。それが私たち聞くところによりますると、二十万トンくらいあるといわれておりますが、その処理の方式の仕方があなたたちはA、B、Cと、こういう工合にカルテルを作らせまして、そこに払い下げておられるようですが、これなんかも国民は納得しないと思うのです。そこでそのくず化
物件
の処理の方針について、なぜそういったような三段階に分けて、カルテルを結成させて、そして指名入札みたようなことをやらしているかということと、さらに将来もそういうふうにいきたいのか。今までのそのやり方については、是正の方針があるかどうか。さらに今まで、こういったようなカルテルに、どのくらいの
物件
を払い下げて、そして他にはどういうふうな払い下げの処理がされたか。この方式についてお尋ねしたい。 もう一点は神奈川の
関係
の財務局の方がここへおられますので、追浜とそれから田浦の協同工作株式
会社
ですか、こちらの方が大蔵省から借りておられる
土地
で賃貸、また貸しをされているのがあるはずです。片方は一万坪、それに相当の
建物
が建っている。片方は二千坪、それに相当の
建物
が建っている。そういうことで、それがどういう形で賃貸借されて、さらにまた転貸をさせておりまするこの
実情
についてどういうふうになっているか。今後の処理の方針についてどういうふうにされようとするのか、これが一点。 もう一点は
東京
のどまん中で、今あなたたちが公務員宿舎の話をしておられましたが、公務員宿舎などをお作りになりまするのに、この辺が一番適当じゃないかと思われるのですが、浜離宮の前にありまする
土地
のことです。それは築地青果株式
会社
に払い下げておられまするほか、確かに四、五件だと思いますが、所は鉄座東で八丁目十九番地二十四で、これが三百八十四坪、払い下げられております。さらに同じようなので、銀座東八丁目十九番地二十六、これが千三百七十坪払い下げられております。さらに銀座東八丁目十九番地二十一、八十一坪、それからやはり銀座東八丁目十九番地二十、これが百八十五坪、さらに銀座東八丁目十九番地十二に二百四十五坪ですか、こういう工合に分れて払い下げをされているようですが、これは随契になっております。そしてこれはそれぞれ払い下げをされた
会社
、どういう目的で払い下げの申請があり、さらにどのような形で払い下げを実現し、さらに今はどういう工合にその
土地
が
使用
されているか。そしてその目的と現在のあり方と符合するかどうか。さらにそれぞれ払い下げを受けました
会社
の名前、資本の額、その払い下げの申請をしたときから、今までの重役の氏名、さらに業態、さらに業績、こういうようなことについて明細御報告を、資料の御提出を願いたと思います。そしてその次には適当な機会に私はこれを中心にいたしまして御質問を申し上げる所存でございます。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
135
○
委員長
(
高野一夫
君) ただいまの島
委員
の資料を要求いたします。御善処願います。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
136
○
大谷
贇雄君 大へん時間がおそくなって、同僚各位のごめいわくでありまするが、この際お尋ねをさせていただきたいと思います。 第一点は、今ちょうど大蔵省当局がきておられまするので、これまた詳細なる資料をお願いをいたしたいと思うのでありますが、それは愛知県の春日井市に名城大学いう大学がある。
名古屋
市内に本拠があって、
名古屋
市内の方は、
昭和
区の駒方町に広大な
建物
があって、それも名城大学の校舎になっている、さらに春日井市の何万坪、十万坪ぐらいあるのじゃないかと思うのですが、それが名城大学農学部という、生徒は一人か三人おるかしりませんが、とにかく、各種学校であったものが、急速に戦前に専門学校にいつのまにかなり、それから戦後名城大学という大学になりまして、今だいぶもめておるわけですが、そのために、春日井市の発展を阻害いたしておる、こういうふうなことを聞いておるのであります。私ども、実は地元の一人といたしまして、
一体
管財
局は、ああいう膨大なものを名城大学にだけ、むろん金のあるはずはないから売却したのではなかろう、おそらく貸しておられるのだろうと思うのですが、今日春日井市は、王子製紙等が参りまして、平和産業の都市として非常に発展をいたしておるのにもかかわらず、そういう大学等が、これは学生が一ぱいおるならいいですよ。それでなしに、単に敷地として
使用
させておるという点につきまして、これは非常にみんなが、
一体
大蔵省というものはどういうだらしのないずさんなことをしていなさるんだという印象を持っております。従いまして、これの詳細なる経緯並びに今日使われておりまする
状況等
、島
委員
と同じように、詳細なる一つ御報告をこの際お願いをいたしておきたいと思うのです。 さらに、
小倉
副総裁にお尋ねを申し上げたいのですが、と申しますのは、先般の静岡鉄通管内におきまするところの無賃ホテル列車の件につきまして、その後御報告を受けておりませんが、損害賠償か、あるいは追徴金にするかということはまだ未定である、なおまた、信賞必罰の精神に沿って、優良なる職員に対しては表彰もどんどんするし、かくのごとき者に対しては大いに処分をするということで、今後大いにかくかくの不祥事が起らないように格段の努力をいたしますという御答弁でありましたが、その後の
処置
をお尋ねいたします。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
137
○
委員長
(
高野一夫
君) なお、
大谷
委員
に御了解願っておきますが、ただいまの意つきましては、
国鉄
の方から私の方に御連絡がございまして、かくかくの処分をしたという御連絡がございましたが、これは適当な機会があると思いまして、その席で当局から
説明
を願った方がよかろう、こういうことで当局に指示を申し上げておきましたから、今申し述べられた点につきましては、さような経過でございますので、あしからず御了承願いたいと思います。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
138
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 寝台車の不当
使用
事故につきましては、東鉄
局長
斎藤治平、厳重注意。東鉄運転部長徳永勝、訓告。
東京
鉄道
局営業部旅客課長原田種達、厳重注意。東鉄運転部客
貨車
課長浜田一男、訓告。同じく客
貨車
課蓮見徳太郎、訓告。同じく客
貨車
課福山文三、減給四カ月十五分の一。
東京
品川客車区長仲野義孝、減給三カ月十五分の一。静岡
鉄道
局長
広瀬真一、訓告。静岡運転部長和田勇、戒告。静岡運転客
貨車
課長多田袈裟雄、減給四カ月十五分の一。静岡運転客
貨車
課桐田良三、戒告。同じく
上野
岩男、減給三ヵ月一十五分の一。国労客
貨車
協議会副
議長
池田辰雄、減給三カ月十五分の一。国労静岡客
貨車
協議会
議長
鈴木貞一、減給三カ月十五分の一、以上の処分をいたしました。また、損害賠償は十五万円余収受いたしました。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
139
○
大谷
贇雄君 そこで、その問題につきましては、損害賠償ということに、追徴金ということでなしに、損害賠償ということですでにその金は入ったと了承していいわけでございますね。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
140
○
説明員
(
小倉俊夫
君) よろしゅうございます。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
141
○
大谷
贇雄君 そこで、副総裁は今後再びかようなことを繰り返さぬように、不祥事の起らぬように特段の努力をいたす、綱紀粛正をいたすというお誓いでございましたが、昨日の新聞を見ますると、新潟県におきまして、乗車証を偽造をして、そうし、それが発見されたということが、おとついもきのうも二回にわたって大々的に各新聞に報告をされておりますが、この間の事情を一つ御
説明
願いたいと思います。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
142
○
委員長
(
高野一夫
君) 時間がございませんので、きわめて簡潔に願います。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
143
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 事件の
概要
は、三月八日に、新潟駅において、新潟地方本部の者二名が職員証明書を提示して出場しようとしたのを集札口で発見いたしました。これからは正当
運賃
を収受いたしました。次に、三月九日におきまして、これも新潟の地本書記長が職員証明書を提示して出場しようとしたのを改札係が発見しまして、取り調べましたが、後日支払うということで了解を求めて当人は帰りましたが、証明書は、職務定期乗車証に類似してはおりまするが、これが偽造に当るかどうかということにつきましては、まだ議論がございます。そのほか印刷所、枚数、時期等については、現存のところまだ明らかにはなっておりません。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
144
○
大谷
贇雄君 これは、あなたの先般の特段の配慮、注意をするということの御明に対しまして、はなはだ遺憾な次第でございます。これは、今お話では、地方本部の人だと言われましたが、これは
国鉄
の職員なんですか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
145
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 前に申し上げました両名は、これは組合の書記でございまして、職員ではございません。あとで申し上げました一名は、元職員でございましたが、ただいま解雇を受けておりますので、
鉄道
職員ではございません。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
146
○
大谷
贇雄君 そうしますると、これはゆゆしい問題だと思うのですが、職員にあらざるものが職員の証明書を持っておったということは、
一体
それは、あなたは今偽造かどうかが疑問だと仰せになった。類似をしているということになれば、明らかにそれは本物の証明書でなしに、偽造されたる証明書ということは明らかでありませんか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
147
○
説明員
(
小倉俊夫
君) ただいま申し上げましたのは職員証明書でございまして、これは組合は別の考えを持ちまして、解職を受けた者でありましても、まだ職員であるという見解を組合の方は持っております。私の方は、それは組合員でないということで、ここで見解の相違がございます。また偽造その他と、偽造について申し上げましたのは、偽造ということは、これは乗車証として発行しておるものかどうかということは、これはわかりません。組合では職員証明書であるということでございますから、乗車証の偽造ということについてはいろいろ疑問があります。こう申し上げておるのであります。
相澤重明君(相澤重明)
148
○相澤重明君 関連質問。副総裁にお尋ねをしておきたいと思うのですが、あなたは今、
大谷
委員
の御質問に対して、職員の証明書というふうに言われておりますが、
国鉄
職員のいわゆる乗車証にかわる証明書を、あなたは今言われたというふうに私は記憶するのでありますが、その
通り
でありますか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
149
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 私の言葉が足りませんでしたが、職員証明書と書いてございまして、この中に、記入
事項
として、右は
国鉄
労働組合職員たることを証明すると、こう書いてございます。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
150
○
大谷
贇雄君 そうしますと、
国鉄
労組の職員たることを証明す、というので、無賃乗車ができるのですか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
151
○
説明員
(
小倉俊夫
君) それはできません。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
152
○
大谷
贇雄君 そこで、できないものを、そうしまするというと、欺瞞をして乗っておったと、こういうことでありますか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
153
○
説明員
(
小倉俊夫
君) 国労としましては、これは身分証明書であって、乗車の目的をもって発行したのではないと、こういう弁明をいたしております。しかし、それを行使して列車に乗り、場外に出ようとした者は、これは不正乗車になるわけでございます。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
154
○
大谷
贇雄君 そういうような
国鉄
労組の職員の証明書で不正乗車をしておるということは、これは容易ならざる実は問題であると思うのであります。そこでですね、先ほどのお話では、印刷所等を調べておるというようなお話でありまするが、
一体
どれくらい発行というものがされて、どのくらいそれによって乗っておるという御推定でありますか。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
155
○
説明員
(
小倉俊夫
君) そういうことを、ただいま
調査
中でございます。
大谷贇雄君(大谷贇雄)
156
○
大谷
贇雄君 私は、先般来、静岡のホテル無賃列車の問題につきまして、国民が非常な疑惑を持っておる、また再びかしょうなことが行われまするならば、国民としては汽車賃を払って乗るというようなことに対しまして、私はこれはすまぬというような感じを深くいたします。
国鉄
の職員の方々は、私は、先般も申しましたように、きわめて勤務がりっぱでありまして、私は、自分のことを申して恐縮でありますが、先代の応分から
国鉄
には深い
関係
を持っておりまして、常に感謝をいたして、日本の列車というものが一分一秒も違わぬ、世界において、最もすぐれておるということに関しましては、欧米各国を歩いて、私は痛切に感じ、感謝をいたしておるものでありまするが、たまたま先般の職員といい、今度は職員ならざるものが、その職員証明書を示して乗っておったしいうようなことは、これは
国鉄
の収入の面からいたしましても、私は容易ならざる問題であって、国民の疑惑をこの際はっきりととっていただきたい。副総裁が言明なされたように、もしそういうのがたくさん広がって、無賃不正乗車をしておるというようなことは断固取り締っていただいて、国民の
国鉄
に対する信頼の深いのを失墜することのないように、また
国鉄
のこの収入がそのことによって減ることのないように、一つ十分な御戒心をお願いしておきたいと思います。
小倉
副総裁の御所見をお伺いいたします。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
157
○
説明員
(
小倉俊夫
君) まことに不徳のいたすところで申しわけございません。この件に関しましては、早速国労本部の役員とも話しまして、こちらからはすみやかに全部回収するように申し込んでございます。また今後につきましても、不正乗車のないように十分取り締って参りたいと、かように考えております。
岩間正男君(岩間正男)
158
○岩間正男君 やはり
国鉄
には
国鉄
の習慣があり、これはいいか悪いかは別問題として、今まで容認されてきたそういうような問題がいろいろあるのじゃないかとわれわれ聞いておる。この問題だけ、何か突如として取り上げてくるという形で、この問題が当
委員
会で論議されておるわけですが、全般的にそういう問題を
検討
するという考えの上に立って、この問題は
一体
考えておられるのですか。副総裁はどうなんです。この問題だけ何か質問があって大騒ぎしておるが、われわれとしては全般的なそういう見解の上に立たなければこの問題は解決できないのだから、
部分
的にこういう形で取り上げることについては、必ずしも私たちはその時期がきていないのじゃないか。新聞でたまたま一つ二つの問題が出て非常に大きくなったわけです。そういう点で、これは当
委員
会でもし取組むのならば、もっとやはり一つの政策論議として、広範な問題として後日に譲っていただきたい、こう思うのです。
岡三郎君(岡三郎)
159
○岡三郎君 関連して。もうだいぶ時間がたったから……。私は不正乗車はもちろんけしからぬと思うのだが、
国鉄
が堂々と無料パスを出しておるわけだな。無料パスを出しておるみんなの目録を出してもらいたい。これの資料をお願いいたします。無料パスで堂々と乗っておる人がある。無料パス全部の目録を出してもらいたい。国会議員を含めて全部の……。これを出してくれなかったら、どうしようもない。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
160
○
説明員
(
小倉俊夫
君) この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ
調査
もできておりませんし、どういう事犯でありますか、こういうことも調べまして、国労の幹部とも話し合いまして、この問題は善処いたしたいと、こう考えておりますので、また私の不徳のいたすところはごかんべん願いまして、これ以上いじめていただかないようにお願いいたします。
岡三郎君(岡三郎)
161
○岡三郎君 今の答弁けしからぬよ。今、
小倉
副総裁はどういう気の回し方か知らぬが、いじめるわけじゃなくて、この際やはりそういうふうな問題が一応
指摘
されたのですから、今度は逆に
国鉄
経理
にとって相当の重荷を背負っているというふうにわれわれ開いているところの、いわゆる無賃乗車証だ、これを出しているわけなんだから、明確に。だからこれを全部その目録をずっと出してもらいたい。これだけは冗談話ではなくて、これは
委員
会として要求するのだから、
委員長
、要求してもらいたい。いじめるどころではない。これを縮小すれば
国鉄
の収入はふえるのだから……。
相澤重明君(相澤重明)
162
○相澤重明君 私もこれは大事なことだと思いますから、警察官がどのくらい交通費を払っておるか、消防官がどのくらい払っておるか、そういうものを全部資料として提出してもらいたい。それはどうしても、これはやはり
国鉄
の財政の上から大きな影響があると思う。今、
大谷
委員
の質問では新潟地方本部の問題を
国鉄
職員というようなまぎらわしい言葉で、あとは訂正をされましたけれども、これは私はやはり重要な問題だと思う。日夜とにかく毎日一人ぐらいずつは亡くなる人もあるし、けがは何十人、何百人という大ぜいの人が負傷して、とにかく日夜励んでおる
国鉄
職員の立場に立って、そして考えていけば、今の若干の問題はあるにしても、とにかくそのことだけが
国鉄
経営の面に大きく取り上げられる、こういうことは絶対私は許せない。だから
国鉄
経理
の中で必要だとされるそういう無賃乗車証を全部出してもらう。それから警察官なり消防官なりの通勤費がどういうことになっているか、そういうことを全部資料として提出してもらいたい。いずれこの本
決算委員会
で議論しましょう。そういうことでその資料を一つ
委員長
、要求しておいて下さい。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
163
○
委員長
(
高野一夫
君)
委員長
から申し上げますが、
小倉
副総裁の
大谷
委員
に対する御答弁がございましたけれども、新潟の問題につきましてはまだ
国鉄
として十分御
調査
ができていないやに察しますので、この点は新聞記事とか何とかいうことでなく、現地において十分真相をお確かめ願いたいと思います。なお資料については、ただいまの岡
委員
、相澤
委員
の資料は、どうぞできる範囲において御提出を願いたいと思います。なお、相澤
委員
の
最後
の御要求の資料には非常にむずかしい問題があろうと思いますけれども、できるだけ資料を拠出していただきたいと思います。
岡三郎君(岡三郎)
164
○岡三郎君 ちょっと今、
委員長
できるだけとおっしゃいましたけれども、どういうわけでできるだけと言ったか知らぬが、私は現実に無料パスはでたらめに出しておるというふうには考えておりません。これは明確に控えて出していなければ大へんな問題ですよ。これは当然帳簿があると聞いておりますし、だから帳簿に載っておる
通り
の発行部数、それからそれに伴うところのカタログじゃないけれども、一覧表をずっと出してもらいたい。私はこれを見て
国鉄
経営に協力したいと思いますから。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
165
○
委員長
(
高野一夫
君) 私が要求いたしました発言の
内容
は、岡
委員
の資料は作成できると思いますけれども、相澤
委員
の
最後
の資料は、警察官のどうこうというようなことは簡単には資料の作成がむずかしかろうと、こう思いますので、この点は十分
国鉄
の方でも御
調査
の上、できるだけ資料を作成願いたいと、こういう意味で申し上げました。
説明員(小倉俊夫君)(小倉俊夫)
166
○
説明員
(
小倉俊夫
君)
委員長
のお言葉の
通り
にいたすことにいたします。 なお、先ほどの私の発言中不穏当なことがございましたのはここで取り消しておきます。
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
167
○
委員長
(
高野一夫
君) 本日の
質疑
はこの
程度
にとどめたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
委員長(高野一夫君)(高野一夫)
168
○
委員長
(
高野一夫
君) 次回の
国鉄
に関する審議は来週月曜日三月十七日午後一時から行います。 なお、本
委員
会の次回は三月十四日金曜日午後一時から農林中央企画の問題につきまして政府に対する
質疑
を行います。 本日はこれをもって散会いたします。 午後五時二十四分散会