○横川正市君 ちょっと各項目ごとになるのでありますが、
日本で
条約の九十八号の
団結権団交権のいわゆる不当
労働行為に関する
条約に対しては
批准をいたしておるわけでありますが、これと密接不可分な結社の自由と
団結権の問題が、今もってこの
批准をされておらない、こういうことから今度の藤田君以下の
決議案になって現われたので、私
どもこの
委員会に強く期待するところは、二十七年の六月の十七日に提案されて十八日に議決されました
決議案の提案者をちょっと調べてみると、現在の閣僚に入っておられる方も名前を連ねて、この
批准促進について署名をされておるわけなんであります。ですから、そういうそのいろいろないきさつはどうあろうとも、問題は、やはりこの
促進決議案というのは
社会党の六人の人が
発議者になって、賛成者が本院
社会党員全体であるという形から変えて、二十七年の六月に出された案と同じように、これは
国会の議決として全会一致を私たちは望みたい、こういうふうに思うわけであります。そういう建前から、今まで実は
石田労働大臣の
国会答弁等も私いろいろ調べて見たのでありますが、言葉の上ではきわめて尊重されて、諸
条件を満たして、そうして
条約や勧告については、少くとも立法的にも行政的にもこれを認めて、あるいは
社会環境上からも、これを引き上げて行くようにしたいのだということを言われておるわけであります。その
趣旨に従って私
どもがこの
決議案を取り扱ってもらえるならば、私はこれは、
促進決議案というものは全会一致でまとまるものだというふうに思うわけなんでありますが、それがまとまらない、そこに問題があるのでありまして、先ほどの
労働大臣の言を借りますと、たとえば
労働問題懇談会という第三者的な
立場に立って見る人たちの
意見を聞くために、
政府としては、一切これにはあまりくちばしを入れたくないのだということを言っておられますが、私は逆に、
石田労働大臣の個人的な
意見であっても、若い閣僚として新しいセンスをもって、はっきりとしたこれに対する
意見というものを期待し、また表明してもらいたいものだというふうに思っておるわけなんです。そういう
労働大臣の言明があるにもかかわらず、二月の十四日の中西
労働次官の
意見を見ますと、抽象論としては
条約批准は望ましいけれ
ども、
国内法との
関係、世論を無視するわけにいかない。それから、
政府としては直ちに
批准するわけにいかないという明確な
態度を出しているわけです。これは
労働大臣は
意見を言っておらないのだから、
労働次官が
意見を言ったということについて、あえてそれは
責任をとるとか、とらないとか、そういうことで問題を処理するのではなしに、大臣としては
意見を言っていないが、事務当局は、やっぱりはっきりと
意見を言っているわけです。片一方、飼手さんは
ILOに行ってどういうことを言っているかというと、昨年の六月の十四日、
政府代表としての飼手さんは、この六月の十四日に、
政府としては労使と協議をして、そうしてできるだけ早い
機会にこれを
批准するように持って行きたいのだということを言っておる。それから八月の二十日の日の
労働次官名による回答には、これは
労働大臣の言明もあるのでありますが、これでも、このことについては明確な回答をいたしております。それから九月の十八日にも、やはりこれは
労働問題の諮問
委員会にかけて、そしてできるだけすみやかに回答したいのだというように、日を追って見ますと、
政府の
態度というのは、いわば
労働大臣がこの前の
衆議院の
会合で言われましたような、一貫した表面上の
意見というものがあるわけですね。私はそれと、
関連をして、実は
労働大臣の言っておりまするいわゆる諸
条件を満たして、そしてその諸
条件が満たされたら、これを
批准するのだというふうに言われておりますが、一体この諸
条件というのは何なんであるかというふうに考えてみますと、たとえば、この問題の中で一番むずかしいのは、やはり何といっても
国内法の中の、ことに公労法、あるいは国家公務員法の中に、公労法で言えば四条三項の問題で、これを持っておるということは、いわばこの八十七号と抵触をする。その場合に、
労働大臣としてはこの公労法の四条三項を改正するという建前に立って、以前に私の方に説明されたような
政府の
意見、いわゆる
労働大臣の
国会答弁、こういうものがあって、まあ言われておるのか、それとも四条三項とか、それから地方公営企業
労働関係法で言えば五条の三項ですか、これの改正というものはしないのだと、こういう建前に立って、事実上はこれを
批准しないのだということにつながる。そういう
態度をとりながら、ただ
国会答弁や、あるいは
ILOに対する
政府代表の答弁というものは、きわめて儀礼的に社交的な体面を保つにとどまるような、そういう
態度で答えを出しておられる。この点が、私はこれを全会一致に持って行くためには、きわめて重要な問題だと思うので、これをお聞きしたい。