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1958-03-13 第28回国会 参議院 議院運営委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月十三日(木曜日)    午前十時五十五分開会     —————————————   委員の異動 三月十二日委員西田信一辞任につ き、その補欠として下條康麿君を議長 において指名した。 本日委員森中守義君、大河原一次君及 び永岡光治辞任につき、その補欠と して椿繁夫君、横川正市君及び北村暢 君を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安井  謙君    理事            斎藤  昇君            佐野  廣君            小酒井義男君            小林 孝平君            島村 軍次君    委員            江藤  智君            柴田  栄君            田中 茂穂君            中野 文門君            中原 善一君            前田佳都男君            北村  暢君            柴谷  要君            光村 甚助君         —————    副  議  長 寺尾  豊君         —————   政府委員    内閣官房長官  愛知 揆一君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    参     事    (事務次長)  宮坂 完孝君    参     事    (委員部長)  渡辺  猛君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  小沢 俊郎君   法務局側    法 制 局 長 齋藤 朔郎君     —————————————   本日の会議に付した案件職員出向及び任用に関内する件 ○政府委員任命承認に関する件 ○議院運営小委員補欠選任の件     —————————————
  2. 安井謙

    委員長安井謙君) 議院運営委員会を開きます。  職員の人事に関する件につきまして、事務総長から報告がございます。
  3. 河野義克

    事務総長河野義克君) このたび記録部長参事丹羽寒月君が国立国会図書館専門調査員に転任する運びとなりましたので、同君の出向を命じたいと存じます。なお、記録部長の後任には、法制局からの出向を得て、同局第二部長岸田実君を任命いたしたいと存じます。  何とぞ御承認お願いいたします。
  4. 安井謙

    委員長安井謙君) 本件を承認することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないと認めまして承認いたします。     —————————————
  6. 安井謙

    委員長安井謙君) それから次に、実は先般来、政府委員任命承認に関する件が理事会でいろいろ議題になつておりまして、政府委員任命承認につきましては、本来、議長の権限、職権で当然きまるべきものでありますが、特別の場合には、その補佐機関として理事会が一応検討することになつております。これにつきまして、この承認案件そのものと言いますより、政府政府委員任命するために承認を求める態度、その他につきまして、議会運営上の全般の問題として、一度この議運でよく検討をしたいし、政府の所信もただしておきたい。こういう御意見が理事会から出ておりましたので、きょうの運営委員会で、官房長官の御出席を願って、御質疑なり御検討を願いたいと思います。  なお、問題がありまして、きめなければならぬ問題がありますと、一応また理事会に持ち帰りましてお諮りをしたいと、こういうふうに考えております。官房長官出席しておりますから……。
  7. 小林孝平

    小林孝平君 この政府委員の問題につきましては、先般、文部省官房総務参事官自治庁総務参事官、法務省の官房調査課長と、この三名を政府委員任命したいというので承認要求がきましたが、いろいろ事情を聞きましたら、それぞれ官房長がおらないので、今度の国会設置法の一部を改正して官房長を置くことになるから、それまで、今回だけこのそれぞれの参事官調査課長政府委員にしてくれ、こういう話だったのです。これはいろいろ問題がありましたけれども、従来もかくのごとき場合は承認をしておりましたから、これを承認したわけなんですが、その後、さらに今度、大蔵省主計局法規課長司計課長、給与課長の三課長政府委員にしてくれ、こういう要求がありました。これは主計局長はおられるし、また次長もおられるから、する必要がないじゃないかということでありましたけれども、非常に各委員会出席をしなければならぬということで、これも従来承認をした例によりまして承認をしたわけです。ところがその後、さらに今度、郵政省文書課長政府委員任命してくれ、こういう話があったわけなんです。そこで、これは先ほど委員長が申されているように、理事会において、議長の諮問にこたえて決定するはずなんでありますけれども、この際、政府にただしておかなければならぬことは、政府としてどうも不統一ではないか。この前、官房長がおらないから、文部、自治、法務のそれぞれの課長参事官政府委員任命してくれ、こういうことであって、郵政省文書課長をしなければならぬのなら、そのとき一緒に出してくるべきはずなんです。従って、今回またぽつりぽつりと、こういうふうに出てくるところを見ると、政府には政府委員に対する確たる解釈統一した解釈がないのではないか、また、政府委員というものについて、はっきりどういうことをやらせるかということの考え方が一致しておらないから、こういう不統一になってくるのではないかと思うのですが、この点から考えまして、この際、政府委員というのは、どういうことを言うのかということを、一応政府見解をただしておきたいと思うのです。
  8. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 政府委員の問題でございますが、政府といたしましては、次のような考え方政府委員の選考をしているわけでございます。  まず第一は、原則としては各省、各庁の局長、またはこれと同等以上の者を任命するというのが政府原則でございます。ただ、予算決算審査のための各省各庁の会計課長、あるいはこれに準ずるような者は、特に各省庁の局長またはこれと同等以上の者に準じて取り扱って参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。  それから衆参両院の本会議、または各委員会審議が時間的に重複する等のために、これらのものだけでは必要な各委員会出席要求に応ずることが、事実上不可能または困難と考えられる場合がございます。その場合には例外的なお取扱いを願いたいと考えているわけでございます。  それから今一つ官房長制のない省庁で、官房の所管に属する議案等審議に属じます場合には、先ほども御指摘がございましたが、文書課長総務参事官というようなものが、実際上これの説明に当る、また御質問に応じなければならないと考えているわけでございます。内閣といたしましては、各省庁から、これら政府委員関係いたしまするものについて、任命あるいは国会への承認へのお願いをいたしますために、内閣自体といたしましても、以上申し上げましたような原則に従いまして、できるだけ厳選をいたして、所要の限度にとどめまして、国会の方に御承認お願いする、こういうやり方をやって参っており、またこういう趣旨は一そう厳格に守って参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。  それから今一つ、ただいま御指摘がございました郵政省官房長の問題は、実は郵政省設置法の一部改正法律案国会への提出が他のものよりおくれまして、その関係で、自治庁あるいは文部省というような場合と同時に出さなかったのは、いかがかというような御指摘がございましたが、これは法律案の提案がおくれまして、郵政省設置法の一部改正につきましては、政務次官の次には、直接これを担当する政府委員というものがございませんことが、他の文部省自治庁の場合と同じように、政府といたしまして、はなはだ不便を感じますために、衆参両院の御審議を円滑に願う意味において、文書課長政府委員承認お願いした、こういうふうな格好になっているわけであります。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 この政府委員のほかに、説明員として各省課長たちがたくさん国会答弁されております。従来のそういう例から見まして、たとえば大蔵省主計局について言えば、法規司計給与の三課長は、説明員としてされたらいいのじゃないか、こう思うのです。これに対して、われわれはこういうふうの考え方をもってお尋ねしたところが、大蔵省官房長はその際に、説明員だと説明責任が持てない、こういうふうに御説明になった。責任ある答弁をさせたいから政府委員にするのだ、これは官房長官も理、事会の席上でお話になったのですが、これは非常におかしいと思うので、説明員であればその説明責任を待てない、政府委員なら持てる、そういう根拠はどこから出てくるのです。
  10. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 私は責任が持てないというようなことを申し上げたつもりはないのでありまして、説明員と言うのは、必ずしも御審議を願っている法案審議に限りませんで、事実の御説明その他細部にわたりまする点について、こまかい点についての御説明を申し上げるという意味におきましては、その限りにおいて、やはり政府説明員でございますから責任がなければならない。また、そういうふうにいたしておるつもりでございますが、しかし、何と申しますか、方針の問題、あるいは立案に当りました立案者の意図、これを政府を代表して、責任をもってそれを申し上げるというのは、やはり政府委員ということになると私思うのであります。そういう点におきまして、政府委員というものは非常に間度責任をもって説明に当り、政府を代表している、こういうふうに御理解お願いいたしたいと思います。
  11. 小林孝平

    小林孝平君 高度の責任とか、低度の責任とか、そういうことは、これは問題にならぬと思うのです。それで、説明員というものは、その限られた部分についてその説明をする。今回の文書課長だってあるいは前に任命をしましたそれぞれの課長だってそうなんだ。その限られた問題について説明をし、答弁をするのであってそれ以外のことはしないわけなんだ。だから本質的には同じわけなんです。それからさらに、これは大臣なり、政務次官がおられるのですから、政務次官なんか大いにやられたらどうですか、そういう基本的な方針については。大体、課長が基本的な方針立案趣旨、そういう基本的な方針について責任ある答弁をするということが私はおかしいと思う。これは政府が、その大臣なり、あるいは政務次官責任をもって答弁するので、説明員並び説明員に類似するような政府委員答弁をさせるということがおかしい。その点どうです。
  12. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) それはごもっともだと思うのでありまするが、大臣なり、政務次官が、各法案等について詳細な点についてまで御説明を申し上げかねるということがあることは、これは御了解願えると考えておるのであります。そういう点におきまして、先ほど原則として申し上げましたように、各省、各庁の局長以上を政府委員にするということを原則にいたしておるわけでございますが、たとえば大蔵省主計局司計課とか、法規課とか、あるいは給与課というようなものは、その所管しておりまする仕事それ自体が、国会のいろいろの予算決算、あるいは財政法規その他に関する仕事が、国会との間の関係においては、特にそれ自体がこれらの課長の職責になっておりますような関係もあって、一般的に、他省政府委員になっていない局長とそれとは、どちらがどうかという問題ではなくて、もっぱら国会のいろいろの御審議、それから国会政府のつながりにおいて、もっとも密接な、関係深い仕事をやっておりまする者を政府委員にしていただきたい、これが国会の御審議の円滑をはかる上から言っても、政府としては、ぜひそういうふうにしていただきたい、こういう気持であわるけです。
  13. 小林孝平

    小林孝平君 官房長官の御説明は、私の質問にちっとも満足を与えていないのです。というのは、この説明員政府委員の実質上の区別ですね、これは政府委員はみずから発言を求めて発言ができる、説明員はみずから発言を求めて発言することができないという違いだけなんです。そのほか違うのは、公報が朝配られるかどうかということが現実的に違うだけです。あるいは白いバッジをつけて、わしは政府委員だと言って、そこらを歩く、それだけが現実的には違うだけです。あと国会審議において、何ら説明員政府委員答弁と、この限られた問題については違いがないのです。もし、そういう説明員答弁したものは、その限られたものについて責任が負えないということになれば、今後、説明員に対する国会質疑をやめなければらない、そういう無責任発言をどんどんされては困ったことです。従って、さっきから官房長官のおっしゃったことは、何のために政府委員になることを要求されておるのか少しもわかりません。そこでこれは官房長官に、今直ちに答弁をせい、説明をせいと申しても、なかなか満足する答弁ができないでしょう。それはできない理由は、政府委員というものの考え方に、はっきりした考え方がないからだと思う。この政府委員というのは、大体、政府という言葉が新憲法にはないのです。帝国憲法明治憲法には政府という言葉はありますけれども、この新憲法にはない。従って、おそらくこの国会法が制定されるとき、政府委員という言葉は非常に問題になったと思う。政府委員とは何ぞや、政府とは何ぞやということで、これは国会法の制定のとき、おそらく相当の論議を呼んだだろうと思う、今その記録を見ませんからわかりませんが。そこで、この政府委員という言葉は、帝国憲法時代から引き続いた観念であって、今の国会審議は、帝国憲法下における国会審議を一部踏襲し、あるいはそういう観念でもって国会審議が行われておるところに、この政府委員というものが存在をし、これを政府がまた多くの者を政府委員承認要求されてくる理由だろうと思う。帝国憲法下においては、天皇政府天皇官吏というので、これに対して説明を求め、そうして答弁をさせ、発言をさせておった。ところが今は全然国会のありかというものは変っておるのです。帝国憲法下における政府委員というようなものは、名前は同じ政府委員だけれども、本質的には、国会において、そういう天皇官吏として発言をするような地位に置かれていないのです。従って、私はこの政府委員というものは、昔の帝国憲法下における政府委員と、一般の、当時、説明員という言葉があったかどうかちょっと忘れましたが、それの差異と、今の政府委員説明員との差異とは非常に違ったものがあると思う。帝国憲法下においては、ほとんど国会において説明員発言を許さなかった、たまたま許せば、佐藤賢了軍務局課員のような場合が起きた例はありますけれども、ほとんど発言は許さなかった。そういう場合と、今のように、かなり、自由に説明員発言を許している。今の擬法下における説明員政府委員との差異というものは、ほとんどなくなっておると思う。それを、ことさらこの政府委員任命をしてくれという承認を強く要求される理由が私にはわからない、こう思うのです。
  14. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 私は先ほど申し上げましたことで、政府見解というものはおわかりいただきたいと思うのでありますが、と申しますのは、やはり現在の制度のもとにおいて、政府委員というものが厳然としてあるわけでございます。その内容がどういうふうに帝国憲法時代と違っているかということは別といたしましても、現実の問題として政府委員という制度がありますことは、政府としてもありがたいことで、国会のいろいろの御審議を円滑にしていただく上において、私は政府委員という制度があることは、政府としても喜ぶべきことであると思っておるのであります。ただしかしながら、説明員というようなことで、だれでもが説明ができるというよりは、先ほど申しましたように、なるべく限定いたしまして、各省、各庁の局長というものを原則にしております。それから、これから官房長を作るというような設置法の御説明に上る場合には、政務次官以外には、何と申しますか、政府委員として中心になってやるべきものはございませんので、特に文書課長、あるいはこれにかわるものをお願いいたしたいということで、これは、幸いにして各省設置法の一部改正案が御審議の結果成立するということになれば、官房長にこれはなるような資格の者でございます。それからいま一つ、先ほど来御指摘司計課とか、法規課あるいは給与課というものは、それ自体予算決算あるいは財政法規上において、特にその課長のやっておりまする仕事自体が、これは実は国会の御審議お願いするための、何と言いますか、仕事を集中的に持っておるものでございまして、あたかも各省会計課長が特に政府委員としての資格を与えられておりまするのと同様に、私は理解していただけるのではなかろうかと思います。それ以外の者については、政府委員というものは任命をしない、あるいは御承認お願いをしないというのが内閣基本方針であり、建前でございますから、そういう点から御理解をいただきたいのでございます。
  15. 小林孝平

    小林孝平君 なかなかこれは、あなたの御説明理解が行くというようなものではないのですけれども、たとえば、あなたの御説明でいろいろ矛盾しているところがあります。この郵政省文書課長なんか、先般と離して政府委員任命要求してきたということは、この関係法案提出がおくれたから、これがおくれたと先ほど説明になったのです。私はこれはあげ足とろうとしないのです。というのは、これは一理あると思うのです。従って、こういう今の御説明からわかるように、この政府委員などというものは、第何国会の間、政府委員任命する、こう発令されるのですが、今後はこの関係法案関係審議する議案についてだけ期間を限って任命するのが、私は至当だと思うのです。ただいまの官房長官の御答弁から考えても、こういうことは今後考えなければならぬ、のべつまくなしに、この長期の国会の、五カ月にもわたる国会の間、政府委員になってもらう、こういうことでは行政能率も非常に低下をする、それに頼って国務大臣に、政府委員であるがゆえに多数ぞろぞろと、あとからついて歩いて行く、わずかのメモを出すために役所の方にいない、こういうことは現在非常に行政能率低下をしておる、これは国務大臣が一生懸命勉強すれば、あるいは政務次官が今のように連絡係のように、メッセンジャー・ボーイのような役割でなくて、ほんとうに政務次官としての役割を果すならば、こういう多数の政府委員などというものは必要ないと思うのです。この点について私は官房長官から説明を求めようと思いませんけれども、私は委員長にお尋ねしますが、先般来のこの理事会における議論並びに本日のこの私の質問を通じまして、委員長として、今後この政府委員性格等について、本院として独自の立場で研究をする必要があるとお考えになるかどうか、私は当然必要があるとお答えになると思いますが、念のためにお尋ねしておきます。
  16. 安井謙

    委員長安井謙君) お答えします。従来の政府委員というものの性格なり、あり方につきましては、先ほどから官房長官説明で一応われわれはわかる気もいたしますが、しかし、委員の御要求もありまして、今後の政府委員というもののあり方運営等について、議院運営委員会あるいは理事会として十分検討をするかどうかという点のお尋ねに対しましては、十分今後検討して行きたいと思っております。
  17. 斎藤昇

    斎藤昇君 ただいま委員長は、今後、政府委員というものに対して国会運営上どういうように考えるか、さらに検討をして見たいというお言葉もございましたが、私も少し見解をただしておきたいと思います。つきましては、法制局長おいででございますから、法制局長にまずお伺いをいたします。  国会法建前政府委員というものを設けておる趣旨は、国会において議案等審議する際に、政府意向を聞きたいという場合には、国務大臣または政府委員からその説明を聞くというのが建前になっておると思います。今日、説明員がたくさんこられて、そうして政府委員説明もまた説明員説明も、ほとんど同じような扱ひをしておりますが、これは国会法建前から言えば、むしろ国会には政府側政府委員をして答弁をせしめる、そして説明員国会法には何もないわけでありますから、もちろん国会から、しいて要求をすれば、説明員も出てこなければ法案審議等にさわるだろうというので、拒否はされますまいが、建前としては、大体、政府委員に聞くべきものは聞くのだ、そうして今日行政事務の非常に忙しい際に、国会に大ぜいの政府委員をくぎづけにするというような行き方は、国会運営自身としても考えるべきものであり、いわゆる行政府国会とのその関連を考えて、ここに説明員という制度を設けたものである、私はかように考えます。従って、政府委員議長承認を与えない場合には、説明員としても建前としては政府から出席しなくていいものだ、説明員は。それから政府委員答弁をさせますというのであれば、それで済むのであって、政府委員答弁は聞かぬ、説明員を出せということは、私は国会としてはやるべきことではないと言いますか、この国会法建前から言っても妥当な運営の仕方ではない。これらがこの国会法第七章の規定趣旨ではなかろうか、第七十一条には、「委員会は、議長を経由して国務大臣及び政府委員出席を求めることができる。」ということがあって、特にこれが国務大臣政府委員に限定をしておるという趣旨から考えても、さようではなかろうか。なる一ほど旧憲法時代よりも、新憲法下議会になってから、常任委員会等もできて、その審議が非常に細密にわたる関係からでありましょうか、従前よりも説明員説明を聞くことが非常に多くなっておると思いますが、しかし建前はそうではない、かように国会法を読むのでありますが、法制局長はどういうお考えでございますか、お聞かせ願いたい。
  18. 齋藤朔郎

    法制局長齋藤朔郎君) ただいまの国会法上の政府委員制度趣旨につきましては、抽象的には、今、斎藤委員の言われた通りだと私も思います。国会法の第七章に国務大臣及び政府委員規定が設けられております趣旨は、国会政府側意向を確かめる、議案審査の必要上、政府側説明を求める、そういうためには国務大臣及び政府委員から説明を求めるというのが原側的な筋で、説明員というのは、特殊な突発的な事項について説明をするという補助的な制度だと私は思います。
  19. 斎藤昇

    斎藤昇君 さような建前であります以上は、国会法の六十九条によって、内閣政府委員任命したいといって承認を求めてきた場合には、特殊の事情がない限りは、私は議長が、これは承認をしても、しなくてもいいというようにも読めますけれども、むしろ私は承認をすべきもので、ことさらに承認をしないというようなためには——何か特別な理由でもない限りは不承認というようなことをすべきでないというのが、この第六十九条及び第七章全体を通じての法意ではなかろうか、かように思いますが、御所見はいかがですか。
  20. 齋藤朔郎

    法制局長齋藤朔郎君) その点は結局、議長がおきめになる裁量の問題だと思いますけれども、政府側で、特にこういう必要で、こういう政府委員任命したいという申し出があれば、その事情十分審査、考慮した上で、おきめになることだと思います。それに承諾を与えられるかどうかということにつきましては、私個人として、どうこうと申し上げることはできませんけれども、政府側から、そういう事情を具体的に指摘して任命を求められておるのですから、天際的の運用としては、特殊な、そういう任命の必要がないというような理由があれば格別でございますけれども、多くの場合においては、やはりそういう片っ方で必要があるといって、その事情を具体的に明らかにしておるのですから、それに承認を与えられるような措置になる場合が、一般的に言って多いのではないかというように考えます。
  21. 斎藤昇

    斎藤昇君 私は法制局長の立場とされては、ただいま小林委員発言の次第もあり、また議運の理事会においては、政府委員をなるべく少くしょうという今までの方針でもありますから、そういうような御答弁をなさるよりほかになかろうと私は思いますが、私は法意としては、議長は、むやみやたらに政府政府委員承認を出した場合に、それを拒むということのできるような法意ではなかろう、私は六十九条をさように読みます。つきましては、官房長官にお尋ねをいたしますが、今日、説明員政府委員とがほとんど差別のないくらいに、ある委員会においては、むしろ政府委員よりも説明員答弁の方が多いというような委員会が相当多いのであります。これは説明を求める委員あるいは委員会の都合からもありましょうが、しかし、それは政府委員がほんとうに十分のものを把握しておらぬというところから、その政府委員説明では食い足らないというので、説明員にもっと詳しくさせるということが多いのじゃないか、かように私は思います。従って、政府委員はもう少し責任をもって、国会議員から質問があった場合に、どんなことでもというのは無理かもしれませんが、大体のことは答えられるように御勉強をしていただくと同時に、説明員説明はやらなくても済むような御指導をいただきたいと思います。これについて官房長官は、政府委員任命をしておく、しかし大事なことはむしろ説明員にさせる、昔ある有名な国務大臣が、これは非常に大事なことでありますから、説明員説明をさせるということがあったそうでありますが、これは私はほんとうの行き方ではないと思いますが、いかがですか。
  22. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ただいまのお説は、もう私全く御同感でございます。要するに、先ほど申し上げましたように、政府委員をして国会の御審議に十分な働きをさせる、これを必要以上にふやすことはいかぬ、それから政府の立場においては、なるべく説明員説明するというようなことは避けたいのでありますが、また、今後そういうふうにいたしたいと思いまして、政府委員に大いに勉励をしてもらいたいと思っております。ただ、まあ蛇足かもしれませんが、非常に最近いろいろの面で御審議も微に入り細にわたりますもので、ある一つの特定のことについて、非常に深く、かつこまかく御質疑がある場合におきましては、先ほど申しましたように、説明員が事実の説明ということで説明をさせていただかないと、政府委員がちょっとカバーし切れないところがあるかと思いますので、その辺は御了承願いたいと思います。それから、なお今後におきましても、私としての方針を申し上げますならば、各省各庁の局長あるいはそれ以上の者でありましても、この国会あるいはその他の国会の会期中に、その局の担当する法律案が何もないというような場合には、もちろん政府委員任命をしないということで私は参りたいと思います。そういう際に、その局長の所管する事項について、何らかの関連で御質問があった場合には、これは局長以上でありましても、説明員資格で御説明をすればよろしい、こういうふうに私は考えます。
  23. 斎藤昇

    斎藤昇君 ただいま御両所からの御答弁を伺ったのでありますが、私は先ほどから述べましたような理由によりまして、われわれの国会運営におきまして、説明員を割に数多く呼んでいる、そのために国会の開会中は、ほとんど行政府仕事が停頓するというような状況は、これは国民も非常に困っておると私は思います。従って私の意見といたしましては、政府委員の数を制限するというよりは、ある程度の政府委員を認めて、そして説明員がこなくても済むように、国会が始まっても本来の仕事ができるというような運営をしたいという意見を持っておるということを、この席上で申し上げておきたいと思います。同時に、この政府委員が、ある法案、ある案件についてのみしか資格がないという政府委員任命の仕方は、国会法法意ではなかろう、政府委員となった以上は、この事柄に限って、その以外は政府委員資格を認めないというわけには参りますまい。ただ、事実上そういうようになるのが事の次第でありますけれども、しかし条件付で、その条件にはずれた点にまでわたって説明をすれば、これは政府委員としての説明を逸脱するというようなことに相なってはならぬと思うから、この点も一つの所見として、私はこの席上で述べておきたいと思います。
  24. 小酒井義男

    小酒井義男君 今、斎藤委員から、いろいろ法律的な立場から政府委員の問題の質疑を行ったが、私は違った観点から官房長官に伺っておきたいと思います。  今の国会では、本会議というのは、これはほとんど儀式というような形で、実質的な法案審議は各常任委員会中心でやられておる。そういう関係で、非常に関係の多い省ですと、政務次官を二名作るという方法も講ぜられておる。そういうふうにして、なおかつ各委員会に人が足りないので、極端な例ですと、課長をもって政府の立場を代表する答弁をさせて行くのだということになると、場合によっては、ある委員会には、課長が一人出て行って答弁することが政府答弁なんだ、それでいいのだということになると、委員会というものが非常に軽く扱われておるという印象を受けざるを得ない。そういう考え方はどうですか、官房長宮。
  25. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これももっともなお尋ねでございまして、一つは、私は格式というか、常識的に申して格式の問題であります。そういう点においては、原則的に局長以上、こういうふうに考えております。ところがもう一つ、仕事の性格から参ります問題として、理事会でも率直に申し上げた記憶がございますが、たとえば、何々省の外局の長官というような格式の高い人であっても、政府委員なついてないような者もある。これに反して、格式からいうと、それより格段に低い主計局司計課長というようなものを政府委員任命お願いする。ここに第一の格式の原則からいって、おかしいじゃないかというお尋ねが出てくるのは、もっともだと思いますが、先ほど斎藤委員の御意見にもちょっと触れる点だと思いますが、たとえば司計課長の仕事は、一般会計予算、特別会計予算、公社公団の準政府機関の予算というもの全部を取りまとめてのいわゆる司計であって、決算がその主体の内容になると思います。この司計課長の立場と職責というものは、国会の開会中は、あげてその仕事自体国会と密着して離れるべからざるものであるという点において、実質的に格式は低いけれども、その仕事の性質が国会の御審議と全く百パーセント密着しておるものであって、たとえば、これも常識的な説明ですが、司計課長は、国会の開会中は大蔵省の中の自分の部屋にいること、あるいはいないことが、直接それによって国民の利便に関係することは、ほとんどないと申しても過言ではないと思う。その仕事自体が、国会との関係において御説明をしたり、あるいは御質疑にお答えをするという、この予算決算審議それ自体が、もうこの地位の最大の、ほとんど唯一のと言ってもいいような仕事の性格である。その場合におきましては、こういう者こそが、現在の法律で認められておるところの政府委員に最も適すると言いますか、その範=に入るものであると私は思うのであります。そういう点において、あたかも各省においても、会計課長原則的に政府委員になるというような慣行でございますが、その各省会計課長よりもより以上に、私は司計課長、法規課長あるいは給与課長といったような者の方が、政府委員に最もお願いしなければならぬような性格の仕事であるということが、まあ第二の要素として私はあると思うのであります。で、この第一の格式の問題はあくまで原則でございますが、ごく限られた数個のポストでございますけれども、そういう課長の職であっても、政府委員お願いを、ぜひいたしたいというものがあるというような事情を一つ御了解を願いたいと思います。
  26. 小酒井義男

    小酒井義男君 ですから、先ほどからそういう実態についてはいろいろ闘いたのです。御答弁があったのです。私は形式、形として、そういう点をどう思われるかということをお尋ねしておるのです。
  27. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 形としては、私の申し上げますように、やはり第一の原則というものがあくまでも本則であるべきである。これはまあそう申し上げる以外に……格式の問題あるいは形式の問題としては私はそうだと思っております。だから、どうしてもこれは形式だけの問題ではないのでありまして、くどいようでございますが、各省各庁の局長あるいは外局の長官についても、政府委員でないものは相当あるはずでございます。第一、事務次官というものは、これはまた原則として政府委員お願いしないということになっておる。そういうような事情がございますことを御了解を願いたいと思います。
  28. 小酒井義男

    小酒井義男君 私の関係してきた従来の委員会では、まあ大臣が委員会に出られるか、そうでなければ政務次官が出られるかですね。課長一人出てきて委員会が開かれたというようなことは経験がないのであります。ほかにはあるかもしれませんが。そういう点から考えてみた場合に、政務次官が出れば、やはり政務次官にももっと責任を持たせぬと、ただ飾りもの的な存在になってしまうので、飾りもの的なものだというふうにお考えになっておるなら、今のような御答弁でもこれはいいと思うのですが、そうでなくして、今の形ではどうもおかしいと思うのです。官房長官政務次官というものを、それじゃどういうようにお考えになっておるか。
  29. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 政務次官は申すまでもございませんが、各国務大臣に対して副大臣の立場において政務を総括的に大臣に対して補佐する役でございますから、政務次官の立場というのは非常に高く私ども考えております。同時に、政務次官がもっと活躍すればいいではないかというような御趣旨については、私も同感で、そういうふうにぜひ運営したいと思いまして、今国会中におきましても、よけいなことでございますが、早期に政務次官会議を開きまして、政務その他の審議について協力一致し、あるいは各省の意見を取りまとめ、大いに国会に対して活躍をできるような態勢に、逐次やっておるような次第でございます。
  30. 小酒井義男

    小酒井義男君 そういう形に私はしていただきたいと思うのです。そういうことができれば、今問題になる各省課長政府委員ということは、これは説明員で済むことになってくるのじゃないかと思うのです。実質上。ですから、やはり各委員会のいろいろな運営を参議院として考えた場合には、私は従来の惰性で、現在の場合は急に切りかえることはできぬと思うのですが、将来としては、そういう形に移行するように官房長官が今努力しておるという御答弁ですから、そういうふうに進めていただきたいことを申し添えておきます。
  31. 北村暢

    北村暢君 今の政務次官の問題ね、政務次官が副大臣の形でやられるとなると、官房長官にお伺いしたいのだが、北海道開発庁というところのね、あれはまだできて六、七年にしかならないのだが、政務次官は何人変っておりますか。
  32. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ちょっと今正確にお話を申し上げるだけの用意をして参りませんでした。
  33. 北村暢

    北村暢君 私の記憶が誤まりでなければですが、大体、七年間に十四人か十五人、政務次官が変っております。ひどいのになると、何日もやってない政務次官がおるんですよ。一体それで政務次官として、副大臣として、政府委員として一体責任が負えるような答弁ができるかできないか、大体考えてもらえばわかる。今までの政務次官の取扱い方が、私どもはやはり国会運営上から見て、これはまあだれがなってないから、この次はだれの番だとか、適材適所なんて言っていませんよ、これは。とんでもないところに、とんでもない関係のない政務次官が行ったりするもんだから、全然答弁できなくて、たくさんの説明員を要するし、それからたくさんの政府委員も要する。これは実際に国会を見てきてその通りになっておる。そういう官房長官の意図するようような形に政務次官がなっておらないですよ。それは政府が一番よく知っているし、一番よくあんた反省してもらわなければ。北海道の開発庁の政務次官は七年間に十四、五人変っておりますよ。記憶にないかどうか知りませんけれどもね、そういうような実態なんです。ですから政務次官に対する根本的な政府考え方というものに対して、非常に軽く扱われておるんじゃないかという気持がいたします。ですから、この点は国会運営上から非常に私は反省する必要があると思います。  それからもう一つは、先ほども言われておるように課長政府委員になる。それで官房長官の言われる大蔵省司計課長なり給与課長なりを、まあ前段のそういう意味から言って政府委員任命するというのもわかるのだが、各省会計課長任命される。それが農林省の例をとれば、会計課長というものがなくなって予算課長と経理厚生課長とかいう、それが両者とも政府委員任命されておるわけです。そういう形で、会計課長というものがまた複数になって二人任命しなければならない。こういうようなこと。それで農林水産委員に、いまだかつて経理厚生課長というのが政府委員任命されて一回も出たことがない、用事もなかった。そういう形で任命されている政府委員もおるわけです。ですから、しゃくし定木的にいかないで、今、官房長官がいろいろ言われているようなことが、言われておるようになっておらないから、これはやはりこの議運としてもよく検討されることが必要だし、政府としても、もう少しやはり政府委員に対する考え方というものを、はっきりする必要があるんじゃないか。これは私は率直に言って、今言ったような事例になっておるものですから、さっぱりその官房長官の意図するようになっておらぬようだから、これは政府として、やはり運営上非常に誤まった形が実際にあるということを指摘しておきたいと思います。
  34. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ちょっと申し上げておきたいと思いますが、今御指摘の農林省の場合は、非常に異例な場合であると思いますが、これらの点について、ただいまのお話の筋、御同感の点が私も非常に多いのでありまして、私がここで申し上げておりますようなふうに今後運営ができるように、ぜひ努力いたしたいと思います。
  35. 小林孝平

    小林孝平君 私は特に申し上げることはもうなかったんですけれども、齋藤さんの御発言で、私のせっかくここでお話を申し上げたことが、ゆがめられて解釈されるように御発言になったもんだから、念のために申し上げておきます。これは私は説明員で何やつてもいい、説明員をどんどんしゃべらしたらいいじゃないかということで申し上げているのじゃないのです。これは齋藤さんと同じように、説明員のごときは厳格に制限をすべきである。そうして齋藤さんのおっしゃるように、国務大臣政務次官責任を持って、もっと勉強してやったらいい。先ほど、昔は大臣が、これは重要なことであるから説明員だか政府委員に話させる、説明員政府委員答弁させると、これは昔と言われましたが、今でもそれに類似のことは多々あるのです。ただ、言わなくても、メモでもってたどたどしく答弁をしている例がたくさんある。だから、そういうことを私は説明員で何でもやっていいというのじゃないのです。国務大臣、あるいは任命された政務次官、あるいは政府委員が、ほんとうに責任をもって答弁をするようにしたらいい。その説明員を、今のように格式で、各省各局の局長なら説明員にするということでは、私はこれは国会法に、齋藤君が六十九条、七十条の規定があるからと、こうおつしやるけれども、私の申し上げておるのは、この規定それ自身が非常に問題のある規定なんです。この国会法の制定の早々の際に、旧憲法下の思想をそのまま引き継いでおられるところに、今のいろいろの問題があるのです。国会の今の運営の仕方も、また繰り返すようになりますけれども、旧帝国憲法下国会運営の残渣が相当ある。こういうことをわれわれ自身の手で払拭をして新しい憲法下における国会運営というものを考える必要があるのじゃないか。そうすれば当然今のこの六十九条の規定、七十条の規定というものについて相当な疑義がある。こういう点を明らかにしなければならぬのではないか。これを議運の委員長お願いをして、われわれの手で正しい解釈、正しい国会運営の方法を検討する必要があるのじゃないかということを申し上げたのです。ちょっと齋藤さんがつけ加えられたので、私の言っていることは、何でも説明員を連れてくればいいじゃないかというふうに解釈されるように御発言がありましたので、私の真意をゆがめられたものですから、念のために申し上げておきます。
  36. 安井謙

    委員長安井謙君) よくわかりました、その点は。小林委員のおっしゃる通りに了解いたします。  ほかに質問もなければ、本日この案件につきましては、この程度にいたしたいと思います。     —————————————
  37. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、議院運営小委員補欠選任に関する件が出ておりますので、委員部長から報告させます。
  38. 渡辺猛

    ○参事(渡辺猛君) 日本社会党から、議院運営小委員補欠といたしまして横川正市君が推薦されております。
  39. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいまの報告通り決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないものと認めて決定いたします。  それでは、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会