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1958-01-31 第28回国会 参議院 議院運営委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年一月三十一日(金曜日)    午後一時二十九分開会     —————————————    委員異動 一月三十日委員河野謙三辞任につ き、その補欠として森田義衞君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     安井  謙君    理事            斎藤  昇君            佐野  廣君            小酒井義男君            小林 孝平君            島村 軍次君    委員            大沢 雄一君            大谷藤之助君            後藤 義隆君            柴田  栄君            田中 茂穂君            中野 文門君            仲原 善一君            西田 信一君            前田佳都男君            阿部 竹松君            北村  暢君            柴谷  要君            椿  繁夫君         —————    議     長 松野 鶴平君    副  議  長 寺尾  豊君         —————   政府委員    内閣官房長官  愛知 揆一君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    参     事    (事務次長)  宮坂 完孝君    参     事    (委員部長)  渡邊  猛君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  小澤 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 齋藤 朔郎君     —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選議院運営小委員補欠選任の件 ○議院通常小委員予備員補欠選任の  件 ○昭和三十三年度特別会計予算参照書  中の正誤に関する件 ○日本銀行政策委員会委員任命同意  に関する件 ○国会法第三十九条但書規定による  議決に関する件(海外移住審議会委  員) ○国会法第三十九条但書規定による  議決に関する件(蚕糸業振興審議会  委員) ○外務公務員法第八条第三項の規定に  よる議決に関する件(日ソ漁業問題  交渉における日本政府代表) ○人事官任命同意に関する件 ○土地調整委員会委員任命同意に関  する件 ○文化財保護委員会委員任命同意に  関する件 ○国家公安委員会委員任命同意に関  する件     —————————————
  2. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは議院運営委員会を開きます。  けさ、政府の方から持ってこられましたと言いますか、提案がありました予算案正誤関係について、社会党から質問があるそうでありますから、それを議題といたします。
  3. 小林孝平

    小林孝平君 社会党から質問があるとおっしゃいましたが、その前に、むしろ政府の方から説明が必要でないですか、おかしいじゃないか。     —————————————
  4. 安井謙

    委員長安井謙君) 委員長、今あれしましたが、その前に、本委員会委員異動がありましたので、それを報告いたします。
  5. 渡邊猛

    参事渡邊猛君) 河野謙三君が辞任されまして、森田義衞君がその補欠として指名せられました。
  6. 安井謙

    委員長安井謙君) 別に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  8. 安井謙

    委員長安井謙君) 理事補欠互選の件及び議院運営小委員及び同予備員選任の件について御報告いたします。
  9. 渡邊猛

    参事渡邊猛君) 緑風会から河野謙三君の委員辞任に伴いまして、理事補欠として島村軍次君、小委員補欠として杉山昌作君、同予備員補欠として森田義衞君を推選されております。
  10. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいま御報告通り決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  12. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは正誤表の問題に関しまして、内閣官房長官から御説明を求めます。
  13. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 昭和三十三年度の予算につきましては、去る二十九日の朝、関係予算書審議に必要なためにお手元にお届けいたしたのであります。ところが昨日になりまして、昭和三十三年度の特別会計関係する資料の一部に誤まりを発見いたしましたので、その点を修正いたしまして、正誤表を昨日午後五時過ぎにお届けいたしたような次第でございます。  その修正正誤いたしました数字は、外国為替特別会計、いわゆる外為会計昭和三十二年度及び昭和三十三年度の末の予定貸借対照表の中に掲げられてありました数字正誤する必要がございましたので、その正誤表をお届けいたしたような次第であります。実は正誤いたしましてお届けいたしましたのが昨日の夕方になりましたために、当委員会に、そのことをその前に申し上げるだけの余裕がございませんで、すみやかに印刷をして配付いたしたような次第でございますので、その時間が前後いたしましたことは申しわけなく存じておるわけでございますが、さような次第で、今朝、本会議におきまして、大蔵大臣発言を求め、お許しをいただきまして、そのてんまつを御報告し、かつ御了承願ったような次第でございます。
  14. 小林孝平

    小林孝平君 この問題は、ただいま私たち、党といたしましても研究いたしまして、この修正正誤予算案自身関係あるかないかということを研究いたしました。ただいまのところ、われわれは関係があると断ずるのでございますけれども、さらに十分研究の上、関係あるといたしますれば、予算案撤回並びに再提出政府に求めることにいたしたいと考えているのでありますが、そこで今、官房長官は、その提出書類修正をし、正誤をいたしましたと、こうおっしゃいましたが、国会法の五十九条によれば、「内閣が、各議院会議又は委員会において議題となった議案修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。」と、こうあります。従ってただいま官房長官がおっしゃいましたように、修正をいたしました、一方的にいたしましたということでは因るのでありまして、当然、官房長官のおっしゃったように、修正をするのでありますから、これは本院の承諾を求めなければならない。その点いかがですか。
  15. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ただいま申しましたことに多少の誤解をいただいたようでございますが、昭和三十三年度特別会計予算正誤表をお届けいたしたのでございます。
  16. 小林孝平

    小林孝平君 前回の答弁をまた正誤をしたわけですね。
  17. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) その通りでございます。
  18. 小林孝平

    小林孝平君 こういう重大な、ただいまも申し上げたような、予賛案の撤回をしなければならないかどうかという疑義もあるような重大な問題に、ただいまおっしゃったような、一たん修正をしたのだ、こうおっしゃって、また直ちに、これは言い間違いであった、こういうような軽々しい態度はおかしいと思うのです。だからこういう間違いが出てくるのだろうと思う。あなた二回も修正をいたしましてと、こうおっしゃっておる。一回ならまだあれですが、二回にわたって、修正をしと、明らかに国会法第五十九条の規定に違反する行為をあなたは是認されておる。その点いかがですか。
  19. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 私は国会法にいわゆる修正という意味で申し上げたわけではございませんで、この数字訂正をしたという意味正誤を差し上げてあるのでありますから、その点は用語に不穏当な、不適当なことがあったかもしれませんが、これはあくまでも正誤でございます。
  20. 小林孝平

    小林孝平君 その国会法にいう修正であるかどうかということは、これは違います。とにかく修正であることは聞違いない。あなたが一方的に、この五十九条の修正と違うと言うけれども、それならば、どの程度のものが修正であるか、正誤による訂正はどの程度のものであるかということを、あなたははっきりお答えできますか。あなたのような言い方によれば、重大な法案の内容の変更も正誤表でやれるということになります。従来しばしばそれに類似の行動が政府にあったわけであります、今回のように、この重大なあれを単なる正誤表で片づける、こういうわけには参らぬと思うのです。これは明らかに修正であります。これは衆議院で追及されました予算案の歳入、歳出に直接影響があって、そうして、これが予算案撤回をするかどうかという問題とは別個であります。議案修正というものを単なる正誤表で何でもやれるという考え方はおかしいと思うのです。
  21. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これは今御説明をいたしました通りに、特別会計予算の差し出しました書類の中の、昭和三十三年度と昭和三十二年度の外為会計貸借対照表の中にある予定貸借対照表の見通しの数字でございますから、この数字を所要の姻所を正誤をしたわけでございます。ですから、その議案内容そのものというふうに考えないのが私ども考え方でございます。
  22. 小林孝平

    小林孝平君 これは先ほどの速記録を見なければわかりませんが、あなたの御答弁では、必要なる書類を提案いたしました、その提案した書類の中に重大なる間違いがあった、これを政府修正正誤をした、こうおっしゃっておる。だからこれが議案の重大なる一部であることは明らかです。しかも私はこの前に、この国会、二十九日に国会予算案を提案されました。二十七日を予定したのに二十九日になった場合に、あなたに、従来、国会に提案されました一切の書類を完全に二十九日までに整えて提案できるかどうかということをお尋ねして、少しも間違いなく全部必要な書類は出します。こういうことで出したのです。これは明らかに議案です。あなたが勝手にそれを、これは議案の一部でないというような解釈をされるのはおかしいと思うのです。そういうことをあなたの方でやられれば、今度は正誤表でもって何でもやれるということになる。あなたの方で、もしこれが重大なものでない、議案にも関係がないというなら、大蔵大臣はわざわざ陳謝なんかされなければいいじゃなかったですか。あくまでもそういう陳謝の必要はないと考えればやられなければいい。陳謝の必要があると認められたから、きわめて重大な問題であると思ったから、これは陳謝されたのでしょう。また、きょうの大蔵大臣の参議院における発言でも、どうぞ御承認を下さいと、こう言われた。承認をすれば、承認を必要としないものなら報告とすべきです。承認して下さいというのですから、われわれはするかしないかということを一生懸命考えて、これはちょっとできないということで私は今考えている。重大なものだから、そういうふうな発言をされているのです。正誤をいたしますと、こうおっしゃればいい。御承認をお願いいたしますと、こう言われるのは、その頭の中に潜在意識として、第五十九条に違反していると考えるからそういうことを言われる。何とかして一つうまくやって下さい、こういう気持でそういうことを言われる。そういう意識があなたに多少良心的にあるものだから、二回にわたって修正しとおっしゃっているのです。これが一回なら私も聞き流したかもしれんけれども、二回にわたって明らかに修正をいたしますと、こうおっしゃる。そういうことでやられては私は困ると思う。
  23. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 私は繰り返し申し上げますけれども、ここに書類にはっきりいたしておりますように正誤表をお届けをいたしました。しかもその数字の誤まりがありましたから、これを正誤いたしたのでありまして、いやしくも財政法に要求せられておる書類について、数字に誤まりがあって正誤をしなければならないような事態を引き起しましたことは政府として遺憾でございましたので、大蔵大臣から、特に衆参本会議場においてその意思を申し上げ、かつ御了解を願いたいという発言をいたした次第でございますから、どうぞ御了承を願いたいと思います。
  24. 小林孝平

    小林孝平君 だからこの正誤でもって、間違っていたから正誤をいたしましたということでは因ると思う。この国会法による修正をして院の承諾を要する限界正誤でやる限界はどこなんです。
  25. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これはしばしば申し上げますようにここに正誤表を差し上げました事態は、外為予定貸借対照表の中の数字でございますから、これは正誤ということで措置をさせていただきたいと考えたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、私は、まあ私の言うた言葉を非常に重視されておるようでありますが、これは数字を直した、誤まりがあったから直したという意味で、あくまでこれは正誤ということが正しい表現である。こういうふうに考えますので、その点は一つ了承を願いたいと思います。
  26. 小林孝平

    小林孝平君 これは了承を願いたいといったって簡単にいきませんよ。これはあなたは長年大蔵官僚としてやってこられた。また、そういうことに非常に精通されておるものだから、この議案修正等については非常に良心的にお考えになる。あなたが良心を持たれ、また、そういう多年の経験から、こういうことは困ったものだと考えられておるから、この修正をしということを現におっしゃっているのです。これはあなたのような方でなければ私は申し上げません。愛知さんだから私は簡単に聞き流すわけにもいかないと思う。これは水かけ論のようでありますけれども、こういう重大な、これは衆議院で追及した問題とは別なんです。予算本来に関係するものなら、明らかにこの予算案撤回、再提出という問題がありまして、これは別に言及しておりますが、何でもかんでも間違いがあったら正誤でやる。こういうことで従来しばしば議案修正正誤表でやっているのです。今回のように六百億に及ぶ——てにをはの間違いならまだこれはいいでしょう。しかし六百億に及ぶ、しかも国際間の非常に重大な問題になっておるこういう点を、間違ったのを正誤で出す。正誤というものはそんなものではないと思う。これは常識的に言えば、日本語正誤表というのは、その正誤というものは読み合せに間違ったとか、あるいは印刷の間違いだ、こういうことが正誤です。日本語正誤という言葉解釈の常識です。英語ではミス・プリントというのがこれだ。そのくらいのことは愛知さんでもおわかりだろうと思う。
  27. 安井謙

    委員長安井謙君) 小林さんに申し上げますが……。
  28. 小林孝平

    小林孝平君 いや、いや、あなたは私の発言を何か制限するような発言をされるのでしょうけれども、これはほんとうは朝やって、この問題を解決しなければ本会議を開かないはずでありましたけれども、われわれが招待をいたしました豪州の議員団がこられる、あなたはその接伴委員長だというので、その接伴委員長の面目をも考えまして、この点は陳謝だけを一言聞いて、午後の議運でやろうということになって、むしろあなたの面目を立ててやったのです。しかるに今になってから、小林君と発言を制限するがごとき、そういうことをやるならば、この議運運営についても重大な支障があるということを申し上げて、あなたは発言はしないで、愛知官房長官から発言を求めます。
  29. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) それはあくまでも字の、字と言いますか、それはまた取り消しますが、予算数字の誤まりを正したのでございますから、正誤ということでお取り扱いを願いたいと思います。
  30. 小林孝平

    小林孝平君 そういたしますと、たとえば、予算案でもいろいろ政府は提案した。その後、政府はしばしば圧力団体に屈しまして党の方針を変えられまして、予算基本方針を変更して予算を編成されるようなこともあったのです。そういう例から見ると、今後予算案提出してから、また従来のような圧力団体に屈しまして、ちょっと三百億円、軍人恩給にもう少し足さなければならぬというようなことで増す。そうしてこれは数字の間違いですから正誤表でよろしゅうございますというようなことを、今の調子ならやることになる。これは愛知さんの今の御発言はこれは実に重大な発言である。これを認めたらこれは大へんなことになる。これをまたあなたは正誤しなければならぬような発言をされているじゃありませんか。
  31. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) これは予算の、今例にあげられたようなものの訂正をするということであれば、これはもう大きな問題だと思います。しかしこれはあくまで、何べんも申し上げますが、外為会計の年度末における予定したところの貸借対照表の中の数字正誤であります。これ自体が議案ということにはなっておらぬ関係にございますので、ただいま御指摘になりました例とは、私はこれは非常に違う問題だと思います。
  32. 小林孝平

    小林孝平君 これはそういうことを認めれば、将来そういうことにだんだん波及するのです。そこで申し上げておるのです。  これは、大体まだ根本的な問題がありますけれども、この際ちょっと話題を変えまして、そもそもこういうことが起きてくる理由を案ずれば、これは綱紀が弛緩しているのです。岸内閣綱紀が弛緩しているから、こういう重大な誤まりを起すのです。私は幾多の例をあげて官房長官にお尋ねをしたり指摘をしたいと思うのです。大体、二十七日提出予定が二十九日になったというようなことも、これは内閣全体の綱紀が弛緩し、気分がゆるんでいるから、こういうことになる。たとえば、いかに綱紀が弛緩しているかという一つの例をあげれば、昨年の十二月、内閣総理大臣秘書官本某なる者が、わが党の中島代議士をしばしば電話で呼び出して急用がある、わが党の中島代議士はその秘書官に呼ばれる理由はないけれども、何のために呼ばれるのだと聞いたところ、ぜひ来てくれと、こう言う。従って、われわれは、これは党派を越えて、総理大臣が何か国家存亡に関する重要な問題の御相談があるのじゃないかと思いまして非常に多忙なところを出向きましたところ、二十万円を……、(「三十万円だ」と呼ぶ者あり)三十万円ですか、三十万円を出されて、これをとって下さい、これは話がおかしいと思って、これを断わって帰ってきた。その後、新聞紙の伝えるところによれば、これは聞違いであった、岸総理大臣関係議員餅代、当時は総選挙を予想されたかどうか知りませんが、その金を配られた。岸総理大臣がお配りになるなら、自民党の総裁としてお配りになるならいいけれども、いやしくも国家公務員たる秋本秘書官なる者が、こういうことをやっておる、これはこういうことをやっているようだから綱紀の弛緩をしているのです。こういう重大な秘書官の任務にある者が、この政治資金を配分する仕事をやっておる。しかもそういうことを間違って、非常に重大な仕事をやっているわが党の中島代議士を、仕事時間をさいて某ホテルに呼びつけたというようなことは、これは一体どうです。あなたは官房長官として、これに対してどういうふうに考えられますか、言いわけの言葉がありますか。
  33. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 綱紀の粛正につきましては、今後とも十分に注意して参りたいと思います。ただいまのお話でございますが、予算の扱い方、あるいはこういう数字の上に、参考資料というようなものではありますが、正誤をしなければならなかったというようなことについては、どういうようなことから、こういうことになったかということを十分、今後のこともございますから、注意をいたしたいと思っております。
  34. 安井謙

    委員長安井謙君) 委員長からちょっと一言……。
  35. 小林孝平

    小林孝平君 あなたそう急ぐ必要ないでしょう。
  36. 安井謙

    委員長安井謙君) いや、委員長からもちょっと一言申し上げたいと思ったのですが、小林君続きがあるようですから。
  37. 小林孝平

    小林孝平君 これは今申し上げたように、これは国家公務員であり、総理大臣秘書官である者が、こういうふうな、これは、党の総裁政治資金を党員にばらまくなどということは最大の政治行為です。こういうことを総理大臣秘書官がやるということに対して、あなたはどう考えられるのですか、あなたはこの実情を取り調べられて、この処置をされましたか。
  38. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 私としては遺憾なことだと存じております。
  39. 小林孝平

    小林孝平君 遺憾なことだけでなくて、これに対して、こういう重大な誤まりを犯した者に対して処分をされなかったのですか。またそういう、やられて取り調べられた結果、この秋本某なる者が、一体そういう多額の金をばらまいたというのは、一体何人くらいにわたってばらまいたかというようなことも、調べられたら、ここに明らかにされないと工合が悪いのじゃないか。
  40. 安井謙

    委員長安井謙君) 一言申し上げます。小林君がいろいろ正誤表の件につきまして御質問、御意見がありました。この点については非常にごもっともなこともたくさんある。それで、私、事情を考えましても、今朝、大蔵大臣から政府を代表して陳謝釈明をいたしたわけでありますし、また、ここで官房長官から種々その間の事情についての説明をし、釈明をしております事情がありますので、まあ今後とも、委員会としても、こういった手落ちのないように、一つ小林委員の御発議の意義も含めて、十分、委員会委員長からも警告をしたいと思っておりますが、その後の扱いその他の問題につきましては、これは見解の相違という点もございましょうし、ほかに案件もありますので、一応このくらいにしていただきたい。それからなお、先ほど後段にいろいろ問題を提起されているようでございますが、これは多少、議院運営委員会議事とはちょっと問題がはずれるかと思いますが、むろん御意見なりとしてお話しになることは、それは御自由でございましょうが、これを正確に、ここで官房長官から責任ある返事をとるというのはいかがかと思いますので、一つこれも御忠告という程度でおおさめを願いたいと思います。
  41. 小林孝平

    小林孝平君 委員長いろいろお話もわからないことはありません。あなたはまたこの議院運営委員会議事を円滑に運ぶために、いろいろ心配されている点もわかります。わかりますけれども
  42. 安井謙

    委員長安井謙君) それであったらよろしくお願いいたします。
  43. 小林孝平

    小林孝平君 わかりますけれども、今の発言はちょっとまだ早いのです。
  44. 安井謙

    委員長安井謙君) 二時になります。
  45. 小林孝平

    小林孝平君 二時になろうが、何であろうが、朝あのとき言ったように、あのときわれわれがんばった、らあなたは接伴委員長として面目を失したのです。われわれは了承した、それを私は協力いたしますとやった。そこで私は今、委員長が途中で要らないことを言ったものだから、焦点がぼけたようだけれども、それをぼかすわけにいきません。この秋本秘書官に対して実情をよくお聞きになり、そうして何か警告をするなり、あるいは処分をするなり、どういうことをおやりになったのですか。
  46. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) この点については、私としては先ほど申しましたように、遺憾の意を表明しているわけでございますが、この措置等については、一つども責任をもっておまかせをいただきたいと思います。
  47. 小林孝平

    小林孝平君 これはあの事件が起きたのは十二月なんです。すでにもう一月も末です。こういうことはすみやかに調べて断固処置すべきものなんです。これはよろしくお願いいたしますなどということでは済まぬと思う。これはいつまでに調べて、いつまでに処分をおやりになりますか。
  48. 安井謙

    委員長安井謙君) 委員長としてちょっと申し上げますが、これについては、私はここの委員会官房長官から責任のある明確な答弁を求めるということは、ちょっといかがかと思いますので、もしその必要があれば、これはもう一回理事会なり、何なりでよく御検討の上で、一つ今後願いたいと思います。
  49. 小林孝平

    小林孝平君 これはあなた途中でいろいろやってみて、それは無理だ、まだ無理であるかどうかわからぬのに、あなたは、ちょっとそれは急ぎ過ぎます。急ぐことは結局おそくなるのです。あなたが口をはさむだけ、それだけ時間がおそくなる、あなた、しばらく黙っておれば早く済みます。官房長官に私は御答弁をお願いいたします。一週間もあればこれは片づくでしょう、一体どういうことをおやりになったのか。
  50. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) それ自体については必ずしも知らないわけではもちろんございません。しかし先ほど申しましたように、一般的な綱紀の粛正ということは非常に大事なことでございますから、そういう点もあわせて考えまして、なるべくすみやかに御説明ができるよういたしたいと思います。
  51. 小林孝平

    小林孝平君 先ほど委員長の言われましたように、これはあらためて別の機会にやるとおっしゃいました。また、官房長官は今知らないわけでもない、さらにあらためて、今でも言えば、ある程度言える。しかしあらためてやりたいというのだから、すみやかにその機会を作りまして、この問題を十分、官房長官から納得のいく説明を聞くということで、この点についてだけ了承いたします。委員長よろしゅうございますね。その点はあなた今おっしゃったのですから。
  52. 安井謙

    委員長安井謙君) 私は取扱いについては、これは初めて今ここの委員会で飛び出した問題でありますので、全然、委員同士の話し合いもまだ理事会でもできておりませんし、その扱いについては慎重に一つ理事会等でも御検討を願って、その上で結論を出したい、こう言っているのです。
  53. 小林孝平

    小林孝平君 ちょっと、それはいいですけれども議運理事会に話の出なかったものは相談できないのですか、そういうことは非常に……。
  54. 安井謙

    委員長安井謙君) できないとは言っておりませんが、この問題は、果してここの委員会官房長官から責任のある答弁を求めることが適当な性質の問題であるかどうかについて、若干疑問もありますので、これに理事会で一ペん十分御検討を願いたいと思っております。
  55. 小林孝平

    小林孝平君 それはおかしい、さっきはあらためてやると言っている、今度は疑義があると言っておられる。
  56. 安井謙

    委員長安井謙君) 私は初めからそう言っているのです。理事会でやると言っております。
  57. 小林孝平

    小林孝平君 いや、この委員会でやると言っているのです。また官房長官説明をしたいと言っているのです。
  58. 安井謙

    委員長安井謙君) それは私は委員長としての見解を述べているのであります。官房長官官房長官
  59. 佐野廣

    ○佐野廣君 議事進行についてちょっと。
  60. 小林孝平

    小林孝平君 ちょっと発言中です。委員長のその苦衷もわかりますよ。これは重大な問題ですからね。あなた公正なる委員長だと思って今までやってきたけれども、やはり自由民主党から選出されているので、多少これは困ったと考えられて、そういう発言をされたのではないかと、まあ考えているのですが、これは今後の問題といたしまして、これは速記録をよく調べまして取り扱いします。これから本論なんです。こういうことだから、一つの例をあげてもこれなんです。これに類似の例をあげれば切りがないのだが、時間の関係一つしかあげませんが、こういうことだからこういう間違いがある。そういう間違いを全部正誤でもって解決しようという、そういう精神がおかしいのです。こういうことをやったら今に国会なんか要らないということになります。これは与党とか、野党とか、そういう問題じゃないのです。そう軽々しく取り扱うべき問題じゃないのです。一体、正誤表でもってやり得る範囲はどれだけだ、国会法第五十九条の国会承認を求める修正というものはどの程度のものであるかくらいは、はっきりしていなければこれは困ると思うのです。だから申し上げる。
  61. 佐野廣

    ○佐野廣君 小林先生言われることも、正誤の限度、限界、これはなかなかむずかしい問題だと思う。あなたの考えも、御下張も、非常に御心配になる点もよくわかります。これはみんな良識をもつて判断して、特に今まで例のない大蔵大臣が本会議で弁明もしたことですし、将来もそうたびたびこんなことが起ってもらっちゃ困るのだし、官房長官も誠意をもって、将来こういうことのないようにすると、こう言っているし、政府ももちろんそうですから、この際は一応、政府の言うところを了承して、今後に対してあなたは私ども与党だから何でも弁護するとおっしゃるかもしれんけれども、そうでなくして、私どもとして、こういう問題をたびたび起されちゃ困るのだから十分警告もし、注意してもらうことにして、今回はこれで一つ認めてもらいたい、重要な私はこういう発言をいたします。
  62. 小林孝平

    小林孝平君 大蔵大臣が本会議陳謝したから、これで何でもかんでも——そんなに大蔵大臣なんというものは、あんたよほど偉いもののつもりになっておるかもしれないけれども、大したものじゃないのです。本会議陳謝するくらいでものを片づけるという性質のものでない。あなた大蔵大臣をよほど偉いものに考えているのじゃないですか。
  63. 佐野廣

    ○佐野廣君 権威がある。
  64. 小林孝平

    小林孝平君 冗談じゃない。国会議員の方がよほどある。国会議員がこういう発言をしているので、日ごろ、ものわかりのいい佐野さんがそういうことを言っちゃいかぬですよ。(「議事進行」「二人で話していてもしようがない、議事進行」と呼ぶ者あり)
  65. 安井謙

    委員長安井謙君) 御静粛に願います。ここで小林君が今発言中のようでありますから、小林君の発言を続けていただきます。
  66. 小林孝平

    小林孝平君 そういうわけで、その大蔵大臣がどうこうというというのは、こんなものはつまらんことです。そこでわれわれは納得できません。ただ委員長は、いろいろの関係で、本日はこの程度にして、あらためてまた論じようという御意見でございますから、ほかの委員はわかりませんよ、私はこの問題を留保いたしまして、そうして議事の進行に協力をいたしたいと、こう思います。
  67. 安井謙

    委員長安井謙君) 了承いたしました。ただいまの小林君の御発言もございまして、本日、人事案件についてかける予定をしておりますので、その方に移りたいと思います。     —————————————
  68. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 その前に、ただいま今国会政府から提出される予定法律案の件名をいただきましたが、これまで、の例にかんがみますと、会期幾ばくもないときに、本院に案件が山積いたしまして、ために十分な審議ができないような経験がしばしばございます。そこで、これはちょっと通覧いたしますと、法律案件で百九十件、条約で十件、このほか議員提出法律案も相当あるだろうと考えますが、この全体の法律案の提出される日程予定、一体いつごろ上程されるものか、ここでは件名だけはわかりますけれども、これまで十分な審議が本院においてできなかったような経緯もあり、早く提出予定日時というものをお互いに承知いたしまして、そうして委員会の進行等に協力をしなければならぬと思うのですが、それについて一つ政府の御方針を大体承りたいと思います。
  69. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと椿君に申し上げますが、椿君おっしゃることは非常にごもっともなことで、前回の委員会におきましても、当委員会官房長官からそれに関連した御発言もあったわけなんでありまして、実は当委員会でも、あらためまして、これについては十分と今の御意思のあるところについて検討いたしたいと思っているわけであります。そこで、実はきょう一時ごろから委員会をやりまして、人事案件が済んで時間的余裕があれば、それにも触れ、またさらに足りなければ、あらためて月曜日以降の委員会でも検討したい、こういうふうに思っているわけです。それできょうは、できますれば予定案件としてかけております人平案件につきまして、一応御質問を願い、さらに時間の余裕があればお願いする。あるいはできなければ月曜日の委員会で、また独自の問題として一つ十分御検討願いたい、こう思っているのですが、それに御賛成願えませんか。
  70. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 そういう委員長の御方針であれば、これは御協力いたします。ただ、これは希望を一つ政府に申し上げたいのですが、法律の件名だけを羅列していただきましても、私の心配しております国会全体の運営については、御説明は多分あるでしょうけれども、この法律案はいつごろ出す、これはいつごろだという御説明はあるでしょうけれども、今度御説明をいただくときには、大体の予定提出日の一覧表というふうなものを作っていただいて、そうして政府も、ただいま小林君のお話を聞いておりますと、だいぶ綱紀弛緩している模様でございますから、一応出された提出予定日には必ず出していただいて、それぞれの委員会が、審議日程をあらかじめ組むことのできるような資料となるべきものを提出されるように願いたいと思います。これは一つ委員長から政府に希望してください。
  71. 安井謙

    委員長安井謙君) 御要望の点も十分一つ政府に伝えまして、御期待に沿うように最善の努力をしたいと思います。
  72. 小酒井義男

    小酒井義男君 先ほどの理事会では、政府から提出予定されている法案について官房長官から説明を聞くことになっておったと思いますが、それはやるんですね。
  73. 安井謙

    委員長安井謙君) それで今お話し申し上げましたように、時間的余裕があれば、それを先にやるのもよかろうというお話し合いをしておったわけですが、二時もだいぶ過ぎましたし、きょうは人事案件につきまして、各関係省の政府委員あるいは説明員もだいぶ長い時間待っておりますので、その方から先にやりたいと思います。     —————————————
  74. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは前回の政府側から説助を聞き、また質疑を行いました人事官任命同意に関する件ほか七件の人事案件議題といたします。  御質問のある方は順次御発言を願います。
  75. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 日銀の政策委員中山君が近く辞任される予定なので、古川智慧丸君を後任として推薦をしたいという案件についてでございますが、この辞任される予定というのは、いつごろやめられて、どういう理由でおやめになるのか、そういうこと。それからこれは日銀の政策委員会というものは日勤でございますか、それとも委員会のある都度だけ御出席をなさればよろしいのですか、そういうようなことについて官房長官から一つ
  76. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 日本銀行政策委員の中山均氏は相当長く勤務されましたし、それから老齢でもあるので、後進に道を譲りたいという意思で、昨年末に辞意を表明されました。従ってこれを受理するのが適当と考えて、後任の選考に入りましたわけでございます。これは常勤が建前でございます。そうして御承知と思いますが、政策委員会の本会議が毎月四、五回あるようございますが、そのときにはもちろんでございますが、常勤が建前になっております。
  77. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 前回、昨年の十一月の八日の本委員会において、同じ日銀の政策委員で原君の再任の同意を求められました際、私強く要望をし、政府の御意見愛知長官から伺ったわけですが、その際の御発言によりますと、日本銀行政策委員会というもののあり方につきまして、大蔵省なり、金融制度調査会において検討していただいておる、こういう御発言がございました。これはその後、金融制度調査会なり、大蔵省方面におきましても、日銀の政策委員会は当分存置して、日本銀行法に定める業務を継続してやって行く必要があるという結論になったので、あらためてここに後任者の選考をやられたのかどうか、こういう点について一つ
  78. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ただいま御指摘通り、十一月の当委員会におきまして、私がそういう発言をいたしておる次第は、私もちろんよく存じております。そこで金融制度調査会等におきましては、こういう日本銀行法に関係した研究をいたしておりましたわけでございますが、ただいまのところ、政策委員会制度というものは、やはり存置した方がよかろうというような空気でございますので、それを元にいたしまして、先ほど申しましたように中山委員から辞任の表明がございましたので、その後任の選考をいたし、また今お願いいたしております古川智慧丸君が適当と考えましたので、閣議の議を経て国会の御審議を願っておる次第でございます。
  79. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 私はその際にも愛知長官に、将来、日銀の政策委員を選任されるような場合には、最近の金融政策と言いますか、日銀、大蔵省を中心とする金融政策について、特に中小企業の金融について造詣の深い方を入れるべきである。その一例といたしまして、ここに前委員である千金良宗三郎君が前に関係しておられました三菱銀行のごときは、五十五億の資本金であって、三菱商事一社に対して五十八億の貸付を、昭和三十年の暮でありますけれども、やっておる。こういうその大口の集中的な融資を、私は改めるような行政指導なり、立法措置なりがとられなければ、中小企業の金融難緩和ということは不可能だということを例として申し上げまして、特に政府の日銀政策委員に対する選考の際の御参考にしていただきたいということを強く要望いたしました。で、その要望は、今度の吉川君で十分達成されるとお考えになって、ここにこの同意を求められたものかどうか。
  80. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) ただいまの御発言、まことにごもっともと思うのでございまして、政府としても今回の選任につきましては、実はこれは法律に基き、あるいは現在の制度として地方銀行の方に経験の明るい人ということで、法律の予想しておりまする範囲におきまして、中小金融についても相当の期間地方の、実はこれは具体的には岐県の十六銀行でございますが、この運営に非常に骨を折り、またそれを通じて地方金融にも明るい識見のある人ということで、この人が適当と考えたわけでございます。
  81. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 なるほど日本銀行法十三条の四項か、あれに基いてやられたのではございましょうが、前回そういう希望を私から申し上げました際、愛知長官は「なお、中小企業に対しての審議会というものもあるわけでございますが、それらの方からも、将来、政策委員というものを引き続き置きまするような場合においては、これの構成等については十分考えさせていただきたいと思います。」、こういうふうに御答弁をいただいたので、私はなるほど中小企業の総合対策、特に金融面についての対策について、深い政府の御配慮があるものと思って、前回、原君の再任の際には同意をした一人でございますが、今回、愛知長官のそういう御言明にもかかわらず、やはり依然として、中小企業の金融について、この人ならと、こう衆目の一致するような選考がなされていない、これは私は政府の声明が、その都度、そのときだけ都合のいいことを言われておって、一貫性がないように思われて遺憾にたえないのであります。こういう御言明を将来どういう機会に政府は具体化されようとするのか、それについて一つ重ねて長官の御意見を伺いたいと思います。
  82. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) まことにごもっともでございますが、実は金融制度調査会といたしましても中央銀行制度全般について、鋭意検討を現在続けておるわけでございます。日本銀行の政策委員会のあり方等も、当然そこで慎重に考究されておるわけでございます。ところが、それがまだ答申が出て参りませんのと、また所要の法律案の改正等もまだ準備ができませんので、現行の日本銀行法につきまして、その規定するところに従って後任を早く決定したいということで、できるだけそういう配意をいたしながら、現行制度のもとにおいて選び得る範囲の中において、政府のそういう気持が反映するようにということで人選をいたした次第でございます。
  83. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 現委員の千金良君は三菱、先般再選の同意をいたしました原君は三井、こういうように三井、三菱という日本の財閥の代名詞になっておるようなところから、わずか四人しか委員を選任のできないような制約のある員数の中で、三井、三菱から一人ずつ入られる、そうして政府が非常に中小企業対策というものを重要視しておられるので、その政策に沿うて、こういう金融政策の全般の検討をなされる政策委員会等には、必ず具体的な人選として、そういうものが出されるのか、私は愛知長官からそういう言明が先般もあったものですから期待をしておったのですが、今度出てきております古川君御自身に何も不足があるわけじゃございません。政策委員会のメンバー、その構成、これが私は政府の施政演説の中にもあったのですけれども、重大な中小企業対策ということで、しかも喫緊の金融問題、こういうものを審議する委員会委員に考慮されないということは、愛知長官の言明が実行なされないのみならず、政府の中小企業対策というものがどうも口頭禅に終るのではないかという気がしますので、非常に不満です。これは重ねてその言明をされたことについては、将来実行のできることを一つ言明していただくことを要望しながら、愛知長官の重ねての御答弁を求めます。
  84. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 昨年の十一月にも申し上げました私の考え方というのは変ってはおらぬのでございまして、そういう点から、ただいまの御意見も一々ごもっともだと存じます。ただ、先ほど申しましたような経緯がございますので、現在の法律に基きまして、地方銀行に関して経験と識見を有する者から一人選ばなければならないという建前になっておりますので、実はこれは率直に申しますと、今申しましたような私ども意見をも浸透させながら、実は地方銀行協会の民主的な選任に——一応意見を聞いてみたわけでございます。そういう点からも十分りっぱな、さような方面にも意見の十分ある、また経験の豊かであると認められる吉川氏が最も適当であろうというような意見でもございましたので、政府はこれを適当と認めて、そういう手続をとったようなわけでございますが、今後におきましても、本件には直接関係もあり、またないこともあろうかと思いますが、先般来申し上げておりますようなことについては、十分これが具体化できるように、この上とも努力いたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  85. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと申し上げますが、実は本会議予定が二時になっておりまして、かなり時間がたっておりますので、できましたら一つ簡単にお願いしたいと思います。
  86. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 簡単にやりますが、ただいまも同じような御答弁をいただいたのですが、十一月の際にも、将来こういう政策委員会などが存置されるというようなことになれば、御意見まことにごもっともでありますので、それを考慮して人選をいたしたい、こういう言明がある。ところが、今伺いますと、日本銀行法の十三条ノ四ですか、四をたてにとって、このワクをはめられておるから吉川君を選任したのだということなんですが、ほんとうに政府が中小企業の金融状態の現状について深い御理解があるのであれば、業界の事情に通じ、最も忠実に業界の意向を金融政策面に代表することのできるような人を選ぼうとするなら、何のことはない、法律改正を一緒にお考えになって、そうして中小企業の代表者にこの政策面に重要な発言のできる舞台を与えるべきだ。そのようにして政府の言行一致ということを信頼することができるのだ、国民として。しかるに、今のお話を何っておりますというと、十三条ノ四の五で「商業及工業ニ関シ優レタル経験ト識見ヲ有スル者一人」、こうなっておりますと、十一月に再任いたしました原君が四年の任期を終えられてからでないと、ただいまの長官の御言明は、これは御考慮されるに至らないということに、これはなるような気がする。そういうことでは、まことに中小企業の逼迫した現状に対して適切な措置ではないと考えられまするので、次に政策委員について選任をするような機会には、あわせて法律改正を行なってでも、ただいまの御言明を実施される御意向があるか、この点について重ねて長官の御答弁を求めます。
  87. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 本件については、先ほど申し上げましたように、実は政府といたしましては、広い立場から金融制度調査会が金融制度のあり方、日本銀行の制度につきましても、鋭意、政府の諮問に応じてただいま検討中なんでございまして、政府としては、その研究の結果がすみやかに答申され、またそれに応じて対処するようにして参りたいと思っておるわけでございますが、先ほど来お話もございますように、政府としては中小企業の尊重というような点については、この問題ももちろんでございますが、広い視野においていろいろと対策を講じておるわけでございます。そういう気持から申し上げますならば、できるだけそういう線に乗って、この制度についても改善を加えて行きたいと思っておるわけでございます。なお、ただいまの法制のもとにおいては、もちろん今御同意を求めておりまする具体的な人についても、相当に中小企業のことについては識見と経験を持っておるというふうに考えておるわけでございます。
  88. 小林孝平

    小林孝平君 簡単に一つだけお尋ねいたしますが、この前これが提案されましたとき、私はこの前この国会承認を求める人選につきまして、根本官房長官のとき、さらに十一月に愛知さんがこの議運で、政府任命の各種委員は一人で三つぐらい兼務するのが適当であろう、それ以上はどうもいろいろ差しつかえがあるのじゃないかというような御答弁をされておるのであります。そこで、今回この人事案件が提案されましたとき、私は一人の例をあげまして、従来のあれが、必ずしも御言明が実行されていないじゃないかということを申し上げましたら、官房長官から、これはもし今回任命されましたら、ほかの二つの委員を除いてみんな辞任してもらうのだ、こういう御言明がありました。これは私がお尋ねしたのは、特定の人の名前をあげましたけれども、それは例としてあげたのでありまして、一般的なことをお尋ねしたのです。これに対しまして、この三つは適当だと思いますので、従来のこの答弁の趣旨に沿いまして三つ以上にわたるものを辞任すると、こう言明された。これは実に重大な発言なんです。そこで、これは特に国会における速記録を参考にしてお尋ねをしたのに対しまして、その趣旨を生かして実行すると御言明になった。これはややもすれば、ほおかぶりをされている政府といたしまして、さすが愛知官房長官になってから、きわめて良心的に万事御実行になると思って敬服したのであります。そこで重ねて念のため官房長事にお尋ねいたしますが、この言明を実行されまして、三つ以上にわたる委員は、そういうものがあれば、あるいは任命したもの、あるいは任命を予定されておる方々に対して、これを皆辞任されることに取り計られると思いますが、こういうことをお尋ねするのは全く蛇足に類するのですけれども、念のためお尋ねいたしたい。まさか、また正誤されることはないだろうと思いますが。
  89. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 十一月のたしか八日であったかと思いますが、前々国会でございますか、この委員、あるいは政府任命、あるいは国会の御承認を得る人事につきましては、各省の諮問的な委員会委員というものはまあ別といたしまして、ここに厳格な、幾つ以上がいかぬとか、幾つ以下がいいということは、なかなか表現がむずかしいのでありますが、政府の気持としては、せいぜい三つか、四つというのが限界だと思っております。さようにいたしたい、こういうふうに申し上げたのでございます。そういうことでやって参りたいと思っております。それからなお、ただいま御承認を願っておりまする具体的な例になりますと恐縮なんでありますが、幸いにして御承認を得まするならば、ほかの、これは国会の御承認を得るような仕事ではございませんが、常勤を建前とする委員でございますから、特殊なものを除きまして全部辞任をしてもらうっもりでおります。
  90. 小林孝平

    小林孝平君 ただいまの御言明は非常に明快で、珍しくいいと思うのですが、さらにいろいろ調べまして、このせっかく御言明になったことを確実に実施していただくようにお願いをいたすとともに、私たちもそういうふうになっていない場合は、これを指摘いたしますから、ぜひ励行下さるように……。
  91. 安井謙

    委員長安井謙君) 阿部君何か御質疑ですか。——先ほども申し上げましたように、きょう二時から本会議予定で、衆議院との関係もありますので、できればきょうの予定は、これを御質疑を終了して、人事の案件でありますから、何度もやるのはどうかと思いますので、どうかここできめていただきたい、こう思ったのですが、まだ御質問が続いて、どうしてもいかぬとか、あるいは質問はないが、もう一度相談をしてみる必要があるということなら、ば、次の機会においてやることにして質問を打ち切る、あるいはごく簡単に質問してここでやる、どちらかにしていただきたいと思います。
  92. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうすると、私質問ありますけれども、その前に、前回の委員会で、河野委員だと思いましたが、各種委員会委員は、個人としてもりっばな委員でなければならないけれども、しかし、やはりその委員総体のメンバーとのにらみ合せも必要である。従って各メンバーが出ているものもあるけれども、メンバー全部そろっていないものもある。これは次期きあるときまでに出せよということで、委員長了解されて、政府当局も了解したわけ  ですよ。それを今きめるということになりますと、出時のことは一体どうなるのでございますか。
  93. 安井謙

    委員長安井謙君) お答えします。先ほど申し上げたつもり言い忘れたかもしれませんが、そうであれば、まことに恐縮なんですが、河野委員からの御要望もありまして、政府に請いたしました。結局こういうことなんです。政府が任命を要する委員会委員については、全員精細な略歴が全部ついているわけです、今度の資料にも。それからあの御要望になりましたのは、従って三十九条による議員が任命される場合だけの委員会のその委員の何は、略歴が結論として不足しておったわけです。そこでその点を補足させまして、お手元に差し上げておりますこれで、この民間人で議会の承認を要し喜ない委員の名前も全部網羅してお手元に差し上げてあるわけです。(「そんなものはない」と呼ぶ者あり)これは恒例によりまして皆さんの文書箱に配ったそうです。きょうの委員会の始まる前にお配りしております。
  94. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 河野さんのは議員のじゃないですよ。たとえば、日銀の政・策委員等はメンバー全部出ております。しかし出ていないものも七つ八つの中にあるから、これの委員等はよろしい、しかしこれ以外で現在委員に載っておらぬやつもある、こういうのを拾い上げて出してくれ、こういうお話だったのです。
  95. 安井謙

    委員長安井謙君) ですからその分は実は載っているのです。その末尾に全部ついています。
  96. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そこで質問があるのですが、質問を始めて、時間がないからと言って委員長に切られては、これは迷惑千万だから、やはりそのあたり議事進行について次期おやりになるとおきめになれば、私質問をやめます。が、話を始めたところで、実はということで委員長に切られますと困りますので、そのあたり明確にしていただかなければならぬ。
  97. 安井謙

    委員長安井謙君) きょうの理事会の話し合いでは、十分、ニ時ごろまでの−時間に、この質問はできるだろうというようなお見込みで本委員会を開いたのでありますが、いろいろいろな御質疑も重なりまして非常に時間も経過しました。しかしこれはここで終了して、そしてここで御採決をいただけないのは非常に遺憾でございますが、まだ御質問が残っているということであれば、やむを得ません、次回の委員会で質疑を継続いたします。
  98. 小酒井義男

    小酒井義男君 それで、先ほど言っておきました政府提出法案の予定説明も次回のときにお願いいたします。
  99. 安井謙

    委員長安井謙君) 次回の委員会におきまして、人事案件の残った質疑、さらに提出案件についての御説明をお願いしたいと思います。その時日は公報でお知らせいたします。  それでは日本はこれで休憩にいたしておきまして、本会議後、特別のことがなければ、そのまま散会にいたします。  それでは休憩いたします。    午後二時三十八分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕