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政府委員(
松本瀧藏君) 昨日、
佐多委員から
武器輸出の問題に関しまして、
通産省と打ち合せた結果を一つ調べてくれ、報告しろということでございました。
通産省と連絡いたしました結果は、はっきりいたしましたことは、
サウジ・
アラビアから、
兵器を含む若干の
軍需物資の
輸出許可可能についての照会があったことははっきりいたしました。しかし、まだ
日本といたしましては、
サウジ・
アラビアにこれらのものを
輸出すべきであるかどうか、これを許すべきかどうかにつきましては、まだ決定の段階に入っておりません。なお、
中近東地域は、
国際紛争の非常に多いところでございまして、昨日も申し上げましたごとく、これらの
地域に
武器を
輸出することによって、かえって
紛争を激化するようなことがあってはなりませんので、こういう問題を十分勘案いたしまして、
慎重対策を講じたいと、こう考えております。
さらに一般的に申しまして、
政府としては、
武器を絶対にそれでは
輸出しない方針を堅持しているのかというこの問題に関しましては、特別の
輸出制限をこれに加えているわけではございませんので、今日のところ、
兵器を絶対に
輸出しないということを申し上げることはできないと思うのであります。しかし、商品のいろいろな性質上、先ほど申しましたごとく、
国際情勢あるいは
わが国と
相手国との
関係の問題、いろいろな微妙な
問題等あたりありますので、これらの問題は、個々の
具体的ケースについて
関係省と密な連絡をとりまして、今後処理していきたいと、こう考えます。
さらに、戦後におきまして、
わが国の
武器輸出実績といたしましては、
タイ国と
ビルマ国、
台湾等東南アジアの
友好国に向けられたごくわずかな額でありまするが、
銃弾が
輸出されている事実がございます。
以上、御報告申し上げます。