○柴谷要君 今、副総裁が戒告をめぐっての昇給問題で問題がこじれてきているというようなことを言いましたが、全く事実無根です。そんなことは。事実無根ですよ、そんなことは。岡山地本が交渉しておりますのは、戒告ではなくて訓告の問題なんです。訓告の問題は、御存じのように一月の昇給の協定の中にうたわれている事項なんです。ことに、昨年の七月というのは
当局が一方的に昇給を実施した、
当局が何ら組合の意思も聞かずに一方的に処理をした、そのために当時訓告をされた人が昇給の対象から除かれたんです。昨年の七月。ところが、本年の一月になってあなたの方もお考え直し、組合の方もあなた方の御意見を入れて協定を結ばれたのでしょう、昇給の協定を。その昇給協定を結んだ中に、年間を通じていわゆる七月も
——七月に一方的にやったことには行き過ぎがあったから、年間を通じてこの問題については両者話し合いの上で解決しなさいという協定を結ばれたはずです。それに基いて岡山地本が岡山鉄道
管理局長を相手に団体交渉を続けてきたのです。いいですか。続けてきたのです。ところが、
当局がこれに応じない。やむを得ず広島の地方調停
委員会に問題を持ち込んだ。ところが、これは本部、本庁間において協定が結ばれたぐらいだから、地方局においても労使双方が誠意をもって話し合いをしなさいというあっせんで努力をされておった。ところが、あなたがまだお調べにならぬということは、まことにどうも手抜かりだと思うのですよ。私の方は現地において現地にどういう事態が起きたかということを早く知っていくために、きのうから、きようにかけて一応
調査をしてみた、こういう結果が出てきておるのです。いわゆる昇給の問題については、
局長と組合との間に大体了解、話し合いがついた。ところが、本庁に伺いを立てたところが、本庁のどなたか知りませんけれども、とやかくの指図をしたために、現地
局長がこの問題の取扱いについて後退の気味を示してきた。そこで、あっせんの労をとっていただくために浜井調停
委員長が、これは前の広島市長さんですが、努力をされて、いろいろ労使双方を呼んで話し合いをしていただいたのです。その際に、できるだけ前進をした姿の中で両者が円満に話し合いをしなさいというあっせんが出されて、それに向って努力をしてきた。ところが、どうした風の吹き回しか、大へん話がよく来たところが、途中から御
当局の方が意思を翻してきて、そうして実は二月の二十八日の日に
委員長が現地に来る、広島からいわゆる岡山に出かけてくる、こういうことになったらば、国鉄
当局の方が、いわゆる岡山国鉄
管理局長の方が都合が悪いからというので中止をさしている。あっせんのためにわざわざ岡山まで乗り込まれるという調停
委員長を局の御都合でとめられておる。それならば三月三日に伺いましょうということに話がついて、三月三日に実は調停
委員長が来るはずであったのだけれども、三月三日の目には調停
委員長が御病気のために三月三日には行けないということになったのです。ひいて、十日参りましょう、こういうことになったのですよ。ところがだ、ところが、そのときに三月三日に調停
委員長は来ないけれども、
局長と組合の代表というものが話し合いをしたわけです。ところが、その話し合いの席上、いわゆるその調停
委員長が来られても、あっせんには乗れないというような御
当局からの発言があった。これはもう明らかにその席上に臨んだ者から聞いたのです。そこにいわゆる労使紛争の問題を調停
委員会に持ちこんで、広島からわざわざ岡山まで出かけられる調停
委員長の熱意、あるいは努力もさらさら
当局はくむ様子がない、こういうことでいわゆる組合が何名かの人間をつまり局に向って陳情にやったわけです。その際にまあたまたま屋上に上ったのは事実です。ところが、これに向って
局長は円満に話し合いをしたいから組合の代表者に来るようにと、こういうことで、いわゆる組合の
委員長を呼んで
局長が
——当時列席されましたのは
局長に八木公安支部長
——公安支部長と言ってもおわかりにならぬかもしれないが、営業部長です。これに労働課長同席した。組合は
委員長が書記長を帯同して、五者でもってそれでは円満に引くか、あるいはこのままがんばるかという話し合いをしておるさなかに、これは現地の実際の実情を聞きますと、両者の間で警察官も引きましょう、組合も同時に引きましょうという約束が、
局長と
委員長の間に話し合いができた。その話し合いが最後の結びに来る前に、八木営業部長がその席からすっと出られまして、そうして屋上におられる警官隊に指揮を出して公安官に指揮を出してそうしてあの実力行使をやった。実力行使を始めたときには、すでに
局長と
委員長との間に、両者円満に同時退場ということが約束された。それで
局長も驚いた。組合の
委員長も驚いて現地へ飛んで行って、まあまあというので押えた。でありますから、その際のトラブルがいわゆる小林君の負傷となり、十数名の負傷者が出た。いつのことでもありますけれども、現地で必ず、現地の
責任者と組合の
責任者が話し合って、大方のところが円満に話し合いがついて、同時撤退というのをやっておった。まさに寸刻を出ずして両者の話し合いがきちっとつくという瞬間に、同席しておった八木営業部長が退席をして、そうしてそれ突っ込めという指揮をしたという。これはとにもかくにも問題を徴発した
行為ですよ。こういう実情をお調べになって、国会に
報告してもらいませんことには、これはわれわれ納得いきません。特にこの問題については、その前に岡山西署の次席、この人と
委員長が会って、どういうことであなた方は出てこられたのだ、業務には一向差しつかえないじゃないか、列車の運行にも一向差しつかえないじゃないか、労使の問題として、しかも、庁舎の中で今退場しろ、あるいはがんばるのだということで話し合いをしておるさなかに、なぜ警察官を出動させるのだ、こういうことで西署の次席に組合側から話し合いをした。ところが、これは御
当局の要請にこたえて来たのだということなんです。ところが、実情を調べてみますると、これは非常に人権を無視した
行為もあるわけです。警察としては、十二時を過ぎても昼飯を食わせぬものだから、何とか早く片づけて警察官は飯を食おうと思って待っておった、ところが、団体交渉でつぶれて、だんだん時間が過ぎていって、二時をちょっと過ぎたときになって、瞬間に、腹もすいて持ちこたえられないというので、一ぺんに引き揚げかかったようなことが出てきておる。こういう事実の上に立ってみますと、少くとも問題の本質を掘り下げて、どうしてそういう行動に移ったか。両者の間に円満に話し合いがついて、まさに両者が撤退をしよう、両方とも解散をしようという話し合いが最高
責任者の間に生まれていながら、ああいうふうな不祥事態を、激突させたということについては、少くとも席をはずされて指揮をしたという、私は八木営業部長、いわゆる公安支部長であるところの人間のあまりにも軽率な行動ではなかったかと思う。この点は少くとも事実をお調べになればおわかりと思うので、その際には、国鉄
当局としても厳重な私は処分が必要じゃないかと思う。私はそのくらいのことを思っておる。そのことがそれだけで済んでいるのじゃない。いよいよ解散されたあと、
委員長が先ほどの約束
通り両者円満に撤退しようという約束がついたにもかかわらず、ああいうふうな不当なることをしてもらっては困るじゃないかと言って
局長に申し入れをしたところが、
局長は大衆の前へ出て、これはまずいことをしてくれた、心から陳謝するとおわびをしておる。この事実は新聞も報道しておりまするし、事実私は
局長が職員の前へ出てきておわびをした、陳謝をしたということを確実に聞いておる。そうなってくるというと、少くとも岡山地本
関係の最高の
責任者である
局長がその非を認めておるのですから、これは十分御
当局としてもお調べを願って、現地の実情というものをもっと詳しく握ってもらいたいと思う。これに対して
当局はまだ調べが足りない。こういうことであるようでありまするけれども、私は重ねてこの点を要望しておきますけれども、十分お調べを願いたいと思う。
関係者といたしましては、先ほど私が申し上げましたように、調停
委員長の浜井さんという人は非常な熱意を持って労使問題を解決してやろうということで広島から岡山地本まで出かけてきておる。それに対して組合はこの労苦に報いるために、われわれはほかの不満なことがあっても、調停のあっせんのためには、われわれは
当局と話し合いをして妥結をしようということで、少くとも岡山地本における行動としては、私は当然りっぱな行動だったと思うのです。ところが、
局長はその意思を動かしながらも、約束の取りきめもしない、約束をしてもそれをほごにしておる、こういう
現実の面に立って、今後の私は労働運動として非常に嘆かわしい問題も今後起きると思う、こういう扱いでは。どうか
一つその点を、私が申し上げることがかりに間違いがあるというなら御指摘願ってもけっこうだと思う。ごらんの
通り、岡山地方新聞等におきましては、
局長組合にあやまるなんということを新聞に書かれているのですから、特にけがをした人間の状態等を調べてみますというと、新聞に重傷と、こう出た。あたかも組合が報道したというふうに組合に対して御
当局はお考えになっておると思うが、一向に組合は負傷者の状態等は発表しておらぬ。たまたま当時かけつけました新聞社の方が診察をされたお医者さんに聞いたというのです。そうしたらこれこれの状態だ、こういうことでそのまま記事に載せたというのが
現実なんです。今日どういう
立場をとっておるかといえば、組合はこれを医師に聞いたところが、軽微な負傷で、十日間くらいでなおりそうだ、まあ多少の誤診があったにいたしましても、二週間くらいでなおるだろうということで、負傷の問題については、組合は一切外部にはどうのこうのということは言っておらぬ。これは現地
当局者の言をかりて言いますと、組合が誇大に宣伝しておるように言っているそうでありますけれども、そういう事実はない。そういう
意味に立って、私どもはこの国鉄のお医者さんだか、あるいは外部のお医者さんだかしりませんけれども、新聞社の人が行って聞いたらば、事実こうだと言った、その傷
程度とは今日違った診断がなされたというようないろいろな問題があるわけです。どうか
一つそういう事実をもっと事実として調べてもらいませんと、何か今まで副総裁の言われたことは、不当にも組合が占拠してのぼりを立て、赤旗を立ててわいわい騒いだから警察官の導入をして排除した、これなら警察官の導入をするのは当然だというように一般はおとりになると思うのだが、私はそんなものじゃないと思う。この岡山地本の問題等は、とにかく
局長が大衆の前で陳謝をするなんというのは容易なもんじゃないと思う。特に
局長と組合との間にうまい話し合いができた、その瞬間をねらって実力行使をやらしておるなんということは、まことに奇々怪々なことで、このような国鉄幹部がいる限りにおいては、今後どんな事態が発生するかわからぬと思うので、八木公安支部長の問題については、厳重に取り調べた上で断固たる措置をとってもらいたいということを強く要望して、本問題に対する副総裁の考え方を伺っておきたいと考えます。