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岩間正男君 関連して。これは重大な発言じゃないかと思います。去年われわれはこの点については
国鉄当局が確認して、そうしてこの五カ年計画は完全にやるのだ、こういうことによってあの法案は審議されたわけなんです。今のように複々線を作るのも改良費に入れるといような言い方だったら、私は大
へんなことになると思うのです。当然今
中村委員の質問というのは、
国民の公約を一体果すのかどうか、同じ限られた資金の中で、もし余っておるなら、これはいいでしょう、
国民の公約を果しておいて、そうして金が余っているのだから、新線の建設をするというのじゃ違反じゃありません。発展と認めることができるかもしれません。しかし一方において、現実的にはっきり
数字に現われている。權田さんの
説明を聞きましても、なるほど老朽施設の取りかえ、こういうものは六〇%、通勤
輸送は四五%、ほかのものはどうなっているか。公約している幹線
輸送対策、電化、電車化、ディーゼル化、これらはみな二〇%、三〇%にも達しない。しかも、
平均すると三四%から三六%である。五カ年計画によりますと、今、
中村君も言われましたが、毎年資金は等分に分けられているはずです。そうなってくると、当然四〇%が今
年度に完成されなければならない。ところが現実的には、それが新線建設の方に食われるという形になっております。その理由としては、資金の
不足というような問題、スロー・ダウンの問題などからんでいるのでありますが、とにかく三四%である。そうすると、次
年度はどうなるか、三
年度、四
年度、五
年度、大体これは六四%施工しなければならないということになります。そうすると、一年の
平均をいたしますと、もう二二・三%遂行しなければならないということになります。
現状は先に行って大
へんなことになると思う。私がこのことを特にお伺いしておりますのは、資金計画と非常に
関係がある。資金は限られている。あとでもっと詳しくお聞きしたいのですけれ
ども、資金の面から見まして非常に窮屈な格好になっております。これは
国鉄の
要求が通らなかったからだと思う。たとえば資金運用部資金などは
要求が半額以下に削られている。私の仄聞するところによると、五百九十億
要求されたということを聞いている。しかし、実質的には二百億に削られている。そしてその足りない分は、あるいは
収入の
見積り過大、
水増し、あるいは経費を節約することによって
収入を多く見積る、そこから浮かす、もう
一つは、公債の方に振り向けるというようなことで、昨年とはずいぶん変った方式がとられている。それでもなおかつ、昨年のワクを守ることができないという格好になっている。そういうことになっていきますと、これはどういうことになるか、ことに一方で新線建設が九十億、百三十億、百五十億というふうにふえている。資金の量というものは、一応のワクがかかっているということになれば、当然これは改良費の方が食われてくる。そうなってくると、どうしても今までのやり方によるというと、資金が足りない。
政府の投融資は非常に限られて、ぎりぎりにされている。それから公債の発行もいろいろひもつきで窮屈な場面になってくる。そうすると当然今の
国鉄の
考え方としては、結局運賃
収入の方にその財源を求めざるを得ないという格好が出てくるのではないか。そしてここに第二、第三のやはり
運賃値上げというようなものが、要因としてはらまれているということは非常に重大だと思う。この問題は、今
国鉄の進めております資金計画と関連しまして、さらに、この財源をやはり大衆の負担の方に求めるという今までの常套手段と非常に私は
関係があると思う。そこへもってきて、さらに東海道線の複々線化というような問題が起ってきておりますけれ
ども、
総裁は事もなげに言われましたけれ
ども、これは大体三十億ぐらいの資金が要るのでございます。そういうふうになると、これは全部最初の公約というものは圧迫されてくずれてくるという問題が現実に起ってくる。これは現実にはっきりと起ってきているのです。こういう問題を私たちは見のがすことができないのでありまして、われわれは、はっきりと昨年は公約実施の面、これを大きな看板に掲げまして、そうしてこれを名目としまして一割三分の運賃の値上げをやらせたのです。従って、われわれはそういう点では
国民に大きな責任を負っている。そういうものが
基礎からくずされて、そうしてここの
答弁だけでうまくごまかされるということは、これはわれわれは断じて了承することができないと思います。こういう点について、どういうふうに一体公約を実施されるのか、そして
運賃値上げは、これは現実にやられているのでありますから、これをどう貫くか、もしそうでないとすれば、これは運賃は元へ戻したらいいと思います、早い話が。もう五カ年計画はくずれたのですから、大衆を欺瞞しているということになっております。この言葉は少し強いかもしらぬけれ
ども、そういう格好になっております。事実
予算書がこれを語っております。そういうことになったら、あのようなことはわれわれはなはだ
見通し違いで申しわけございません、従って、この一割三分は取り消します、元へ戻します、そして新たに資金計画を求めてこれをやるということに私はいかなければならぬと思う。そうでなければ政治の公約ということは貫くことができない。これはわれわれ了承することができないところがあるのですが、この点については、
運輸大臣も
総裁も
関係者から腹をくくって
一つ御
答弁を願いたい。断じてわれわれは了承できません。