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中村正雄君 次に、陸上交通の安全確保、これまた
国鉄関係は除きまして
自動車関係では、今度
車両検査登録機能の充実という点で
予算化されておるわけでありますが、その他の面につきましては、何ら
予算化されておらない。先ほ
ども、直接民間交通の問題であるから
予算は要らないけれ
ども、日常の問題についてやはり人も要れば
予算も要る、こういう
発言であったわけですが、従って、まあこれに関連して、実は前の
委員会で新潟県のもぐりの業者について
大臣と
局長との間に
答弁の食い違いがあった、あのときに実は質問しようと思ったわけですが、一応
予算を
審議するときに私やったらいいんじゃないかと思って、私の意見を述べながら
一つ大臣と
局長にもう一度御
答弁願いたいと思うのですが……。
今ここに出されております
資料によりましても、
自動車の数というものは最近五カ年間に二・三倍になっておる。こういうふうに
資料にも述べられております。ところが、二・三倍になっております
自動車の内容は、ほとんどが営業車じゃなくて自家用車であろうと思うのです。営業車については、これは許可、免許の
関係でそうふえてはいない。自家用車についてはほとん
どもう申請だけでやれるわけですから、この二・三倍、二倍半近くになっております
自動車の
増加の内容はほとんど自家用車である。そういう
関係でいわゆるもぐりの業者等が相当ふえてきておる。こういうふうにまあ
数字の方から見られるわけなんです。ところが、実際トラック
関係だけを見てみましても、そういう監査といいますか、そういう
要員は現在各陸運
事務所に配置されておらないと思う。私の知っている範囲では、
東京であるとか、大阪であるとか、こういう主要な都道府県の陸運
事務所には監査
要員というのは配置されておって、わずか三名か、五角だろうと思いますが、これは監査に専念
いたしておるわけでございますが、大部分の府県の陸運
事務所には監査
定員が配置されなくて、いわゆる輸送課に所属いたしておりまするほかの
業務をしておる係員がその仕事の片手間に月のうち何日かきめて街頭に出て監査をやっておる、こういうのが現在の状態じゃないかと思うのです。従って、一日監査に出るとあとの始末をするために一週間も十日もかかる。従って、監査に出るとそれだけ日常の
業務が結局累積する。また日常の
業務も相当あるわけですから、それをやっていると監査に出られないという面が、相当あるのです。従ってそういうもぐり業者の摘発とか何とか、新潟県で問題になったような例は、これは新潟県では問題になりましたけれ
ども、どこの府県にでもいわゆる白ナンバーで営業行為をやっておるのがあるのは、これは天下周知の事実なんです。これを撲滅しようといっても、現在の陸運
事務所の
定員の構成なり今の
人員では不可能だと言っても私は過言ではないと思う。その上に先ほど
柴谷君が言ったように、実際には一般の
事務費を削減しておる。私は
運輸省の
予算の全体を見て参りますと、
指摘いたしましたような大きな費目の削減はこれは一千万、二千万あるいは一億と、こういう非常な大きな
数字にはなっておりますけれ
ども、実際
事務費とか旅費というものは、
一つの局で調べてみたって、全部重ねたって三十万か五十万、年間の範囲内で。この金を削減することは、実際は
運輸省の仕事の機能の面においては一億、二億の金を削減する以上に大きな影響を与えておる。私は今度の大蔵省の
予算の査定で一番不満のありますのは、こういう政治的な大きな費目についてはやはり削減しなくって、三十万、五十万円というような旅費であるとか、あるいは
事務費であるとか、こういういわゆる弱い者いじめの査定である、そこにこの
予算の根本に対して不満があるわけです。こういう面に対して
大臣はどういうふうにお考えになっているか。それから前の
委員会で問題になりましたもぐり、業者の撲滅も、人がいないからできないのじゃない、こういうふうに
大臣言われましたけれ
ども、私はまあ幾分陸運行政についてはくろうとの部類に属するわけですが、各陸運
事務所の状態を見ましても、そういう道路運送法の考えております体系を維持できない根本の原因は、私は
人員の不足と
経費の不足にあると思っております。これに対しては、
山内局長と大体意見が一致するわけですが、この点は
大臣はどういうふうにお考えになるか。また
局長はどういうふうにお考えになりますか。