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1958-02-18 第28回国会 参議院 運輸委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年二月十八日(火曜日) 午後一時三十九分開会
—————————————
委員
の異動 二月十三日
委員松岡平
市君
辞任
につ き、その補欠として
森田豊壽
君を議長 において指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
天田
勝正
君 理事
江藤
智君
成田
一郎
君
三木與吉郎
君
大倉
精一
君
委員
石原幹市郎
君 井村
徳ニ
君 植竹 春彦君 平島 敏夫君 廣瀬 久忠君 相澤 重明君 柴谷 要君
中村
正雄
君
松浦
清一君 市川 房枝君
岩間
正男君
国務大臣
運 輸 大 臣
中村三之丞
君
政府委員
運輸大臣官房長
朝田 靜夫君
運輸大臣官房会
計課長 佐藤 光夫君
運輸省海運局長
粟澤
一男君
運輸省船舶局長
山下
正雄
君
運輸省船員局長
森 嚴夫君
運輸省港湾局長
天埜
良吉君
運輸省鉄道監督
局長
権田 良彦君
運輸省自動車局
長 山内
公猷君
運輸省航空局長
林 坦君
運輸省観光局長
細田 吉藏君
捕獲審検
再
審査
委員会事務局長
辻 章男君
海上保安庁長官
島居辰次郎
君
海上保安庁次長
安西 正道君
気象庁長官
和達
清夫君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
航空法
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣送付、
予備審査
) ○
派遣委員
の
報告
○
運輸事情等
に関する
調査
の件 (大島、
熱海航路
に関する件) (
南極観測船宗谷
の
運航
に関する 件)
—————————————
天田勝正
1
○
委員長
(
天田勝正
君) ただいまから
運輸委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の変更について
報告
いたします。 二月十三日
松岡平
市君が
辞任
、
森田豊壽
君が補欠選任せられました。
—————————————
天田勝正
2
○
委員長
(
天田勝正
君) 次に、
航空法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 まず、
政府
より
提案理由
の
説明
を求めます。
中村三之丞
3
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) ただいま上程されました
航空法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案理由
を御
説明
いたします。 御
承知
のごとく、
航空法
は、
民間航空
の再開とともに
昭和
二十七年制定公布されまして、自後
昭和
二十九年に一部の
改正
を見たのみで今日に至っておるのであります。しかるに、この間、
航空
の発達は、日進月歩まことに目ざましいものがありまして今後においても、さらに飛躍的な
発展
を遂げるものと思われるのであります。この目ざましい
航空界
の
発展
に即応し、かつ、最近における
航空機
の
運航
の
実情
及び数年来の
航空法施行
の
実情
にかんがみまして、本法に
所要
の
改正
を加える必要が生じたのであります。 ます、
航空
の安全の
確保
につきましては、
政府
といたしましても、種々
努力
を重ねて参ったのでありますが、
航空機
の
高速化
、
航空交通
の
頻繁化
に伴い、現行の
規定
のみでは安全の
確保
に万全を期し得られないうらみがありますので、この際これらに関する
規定
を
整備
する必要があるのであります。 また、一昨年制定されました
空港整備法
に基きまして、
空港
の
整備
も着々その実をあげつつあるので、その円滑な
運用
を期するため、
飛行場
の
管理等
に関する
規定
を
整備
する必要があるのであります。さらに、飛行機の
大型化等
に伴い、
耐空証明等
の
手数料
の額を
適正化
する必要があるのであります。 以上がこの
法律案
を提案する
理由
であります。 次に、この
法律案
によります主要な
改正点
につきまして御
説明
申し上げます。 第一は、
運輸大臣
が
耐空証明
を行う場合の
指定事項
を追加するよう
改正
し、
航空機自体
の
安全性
の
強化
をはかったことであります。 第二は、
飛行場
及び
航空保安施設
の
管理基準
を、従来の単なる技術上の
基準
から
保安
上の
基準
に改め、さらに、
公共
の用に供する
飛行場
につきましては、その
設置者
が
管理規程
を定め、
運輸大臣
の認可を受けることにいたしますとともに、
飛行場
内で
施設
を損傷したり、
航空機
に向かって物を投げたりする
危険行為
及び
特定区域
べの立ち入七を禁止することにいたしまして
航空
の安全の
強化
及び
飛行場
の
運営
の
円滑化
をはかったことであります。 第三は、
定期航空運送事業
の用に供する
航空機
の
機長
の
路線資格
につきまして、新たに
運輸大臣
の認定及び
定期的審査
の制度を設けることにいたしまして、
定期航空運送事業
の
公共性
にかんがみ、特にその
安全性
の向上をはかったことであります。 第四は、
航空機
の
機長
が、出発前に、
整備
の
状況
、
気象情報等
の
航空機
の
運航
に必要な
事項
を確認しなければならないことを、
法律
上の義務といたしまして、
機長
の責任を明確にし、
安全性
の
確保
をはかったことであります。 第五は、
飛行場
及びその
周辺
の上空におきましては、
航空機
は、
運輸大臣
の定める航行の
方法
に従って航行しなければならないことにいたしまして、特に
航空交通
の頻繁であります
飛行場周辺
における
秩序
の
維持
と安全の
確保
をはかったことであります。 第六は、
運輸大臣
が、
航空機
の
運航
のため必要な
情報
を
航空機乗組員
に提供することを
法律
上明定するとともに、ロケット、花火の打ち上げ、その他の
航空機
の飛行に
影響
を及ぼすおそれのある
行為
を行う者は、事前に
運輸大臣
に通報しなければならないことにいたしまして、その
情報
の提供の万全を期した次第であります。 第七は、最近における
大型機
の
導入等
に伴い、
検査手数料
の
最高額
を改めるなど、一部の
手数料
の額の
適正化
をはかったことであります。 なお、
定義規定
の一部を明確化いたしますとともに、その他
所要
の
改正
を加えた次第であります。 以上、この
法律案
の
提案理由
及び主要な
改正点
につきまして御
説明
いたしました。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
天田勝正
4
○
委員長
(
天田勝正
君)
本件
の質疑は、これを次回に譲りたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
天田勝正
5
○
委員長
(
天田勝正
君) 御
異議
ないものと認め、さよう取り計らいます。
—————————————
天田勝正
6
○
委員長
(
天田勝正
君) 次に、先般当
委員会
が行いました
委員派遣
について、
派遣委員
からの
報告
を求めます。
関西班成田委員
より
説明
を願います。
成田一郎
7
○
成田一郎
君 ただいま
議題
となりました
議員派遣
の件につきまして御
報告
申し上げます。 今回の
派遣議員
は、
天田委員長外江藤委員
、
松浦委員
、
高良委員
、
岩間委員
の諸君と私でありましたが、
最初
、
南海丸事件
の
調査
並びに
遺家族弔問
のため、和歌山市に参りましたが、
本件
に関しましては、すでに
高良委員
より御
報告
があったのであります。私は、
江藤委員
、
松浦委員
、
岩間委員
と去る一月三十一日から二月五日まで六日間にわたり
関西地方
の
港湾等
を
調査
して参りましたので、それについて以下おもなる点について、その概要を御
報告
申し上げます。
最初
に、
港湾関係
について申し上げます。まず、
大阪
港でありますが、その
修築
十カ年
計画
によりますと、その
事業
の
特色
は、冬の季節風による
荷役機能
の
低下
、都心との
交通
の不便、
地盤沈下
による
港湾機能
の
低下
及び
高潮被害等
の欠点を一挙に解決することでありまして、内
港化
の
計画
の進捗とともに、次第にその
効果
を表わしてきているのであります。しかしながら、
計画年度
もやがて終らんとする現在、財政上の
理由
によって、
工事
は約三六%を残し、また立案当時想定された
港湾利用
上の諸般の情勢も、十カ年を経過した今日では幾多のズレがあり、
港勢
も、
取扱い貨物量
では
戦前
の五六%、
入港汽船隻数
は六二%にすぎなくなっております。かように戦後、当港の
港勢
の回復がはかばかしくない
原因
としては、
修築事業
が未完了であるため、
港湾機能
が十分に発揮されず、また
大阪
港の
主要取引先
であった中国、インドその他
アジア諸国
との
貿易
が減少したこと、あるいは
海上輸送費
が
陸上運賃
に比べて
割り高
であり、内
航海運
が
陸上輸送機関
との競争に不利な地位に立たされていること等によるものと思われます。その
対策
としては、
安治川
、
尻無川等
の諸河川を拡幅して、当港を内
港化
することを
計画
しており、さらに、
港内浚渫
の土砂をもって
南港工業地帯
約百七十万坪の造成を決定していますが、
資金不足
のため、いまだ本格的な
工事
には着手しておりません。しかし、
わが国基幹産業
の
発展
のためにもきわめて有効なものでありますので、その
促進
をはかるべきものと考えます。 次に、
輸送関係
について申し上げますと、
船舶
の
入港状況
は、
昭和
三十一年度は、
外国船舶
九百八十二隻、
日本船舶
二万二千三百五十六隻となっております。旅客船については、六社が
四国向け貨客船
を就航させており、関西汽船では、
観光外客誘致
のため、
高速優秀観光船
を
建造
する
計画
がありまして、融資を
要望
しております。
貨物船
については、
外航貨物定期航路事業者
としては、
邦船
十一社、
外船
十九社でありまして、主として沖縄、台湾、フィリピン、インドネシア、ベンガル、
豪州方面
の
就航船舶
が寄港し、ニュヨーク、欧州、
アフリカ航路等
は、
復航揚荷
のみ寄港するものが多いとのことであります。従って、
外航船誘致
または
大型船
の停泊をさせるため、
港湾設備
の
拡充
、改善、
船員厚生施設
の
完備等
が
要望
されております。 次に、当港の
港湾運送事業
の
登録者数
は六百四十五
業者
で、その
常用労務者
は一万六百名以上になっており、
港湾運送事業
の
性格
として、他の
産業
に比して著しく
波動性
が大きいために、企業の規模を
最低限度
にとどめ、雇用する
常用労務者
もできるだけ少くして、
不足分
については、
日雇い労務者
をもって充当しているようであります。 第二に、
神戸
港について申し上げます。
本港
の
港湾拡張計画
のおもなるものについては、まず、
東部
の
港湾拡張計画
があります。すなわち、
昭和
二十八年度より始まる二十カ年
計画
のもので、このうち現在
施行
中の第一区の
工事
は、
昭和
三十二年度までの五カ年
計画
で
実施
しております。また、
大型船用バース
の
不足
を克服するため、
昭和
二十六年度に第七
突堤
、二十九年度に第八
突堤
の
建造
に着手し、本年五月、第七
突堤
は一部を除いて
建設
が完了し、ことに、その
東側倉庫
には
神戸唯一
のサイロが
建設
されております。第八
突堤
は、第七
突堤
の約二倍の延長四百メートルのもので、
西側下部構造
はほとんど
完成
しております。さらに、
東部埋立地前面
の第五
防波堤
を築造することが強く
要望
されております。この
東部港湾拡張計画
に対し
西部港湾拡張計画
があり、
西部工場地帯
を縦貫する運河もすでに
拡幅改修
が行われて着々と
工事
が進められておるようであります。 次に、当港の最近における
港運業界
の動向について
説明
しますと、
昭和
三十二年の上半期は、
海運界
の好景気を反映して比較的恵まれていたのでありますが、後半期より
金融引き締め
の
影響
を受けて、特に
輸入
の
港湾荷役量
が激減しております。すなわち、
船内荷役実績
では、五月に
揚積合計
七十八万トンが
最高
で、逐次年末にかけて
下降線
をたどり、十一月は五十六万トンと近来における
最低
を示しております。同じく、
はしけ回漕トン数
及び
沿岸荷役実績
についても同様の線を示しております。
本港
は
輸出港
であるため、
乙仲業者
が多く、
港湾運送事業法
によって登録してない
業者
があり、これらの
業者
を整理するため、昨年三月以来、
神戸海運局
と
近畿海運局
と協調のもとに
登録促進
を行い、すでに二十社以上を登録せしめました。 次に、
本港
において
昭和
三十二年一カ
年間
は、
倉庫業
にとって最近における最も活況を呈した年で、各
業者
は積極的に続々と
倉庫新築
を
計画
または実工しているそうであります。すなわち、戦後、
戦災
により焼失または接収された
倉庫
の代替として急造された
構造
の劣悪な
倉庫
及び
遠隔地
に散在している
倉庫
を一カ所に集中、近代化し、経営の
合理化
をはかろうとする積極的な動きが見られるのであります。 次に、
姫路
港について申し上げます。当港は
富士製鉄広畑工場
の所在する
広畑
港が主であって、
年間
六百四十隻の
入港船
がありまして、その
取扱い貨物
は、
鉄くず
、
鉄鉱石
及び
石炭
が主で、
揚荷
は
年間
約二百八十五万トンでありますが、
鉄鋼不況
により、やや
鉄くず輸入
は減少しているようであります。昨年十一月一日に
姫路
港の
港湾施設
の
運営
の
合理化
をはかるために、
飾磨港
区に
姫路埠頭株式会社
が設立され、その
事業
が開始されております。
本港
は、昨年から
地元姫路
市を
中心
に開港の
促進
について強い
要望
があり、各
方面
から
早急実現
を期待されております。
本港
の
飾磨港
区には
物揚場
、
臨港道路
の
完成
をはかるとともに、
網干港
区の
防波堤
の
かさ上げ浚渫
、各港区にわたる
水深維持
のため、約三万立方メートルの
浚渫
を予定し、
公共用
一万トン
岸壁
を初め、
施設
の
拡充計画
を立てております。 次に、
尼崎
港について申し上げます、当港は
原材料
の
輸入
が主であって、最近の統計でに、
入港船
は六百四十一隻、
取扱い荷役量
百三十五万トンであります。
尼崎
の
地盤沈下
は周知のように、相当前から起っていたものでありますが、
昭和
三十年ごろから
速度
を増し、
昭和
十一年以降十五年ころが最もはなはだしく、
昭和
二十年に至り、ほとんど休止しました。ところが、
昭和
二十四年ごろから再び
沈下
を始め、最近では一部においてますます
速度
を増しております。
沈下
の
原因
は、
地下水
の大量な
くみ上げ
にあるということはまず疑いのないところであります。この
対策
としては、
工業用水
を大量、安価に供給することが根本でありますので、
昭和
三十一年、
工業用水法
による
指定地域
に指定され、
阪神電鉄以南
及び
国鉄尼崎線以東地区
を
地下水
くみ上げ
制限地区
として、これらの
地区
の大部分の
工場
に対し、全面的に
工業用水道
によって給水する
計画
を立てました。すなわち、
昭和
三十一年は第一期
工事
として工費四億四千万円、第二期
工事
としては、
昭和
三十五年までに六億を見積っており、将来
地盤沈下抑制
の
効果
が現われることが期待されております。 以上は
港湾関係
であります。 次に、伊丹
空港
について申し上げますと、御
承知
のように、当
飛行場
は、昨年四月五日
極東空軍
の声明により、来たる三月末日までに
日本政府
に返還されることになっており、解除後は早急に純
民間空港
として全面的に改修する必要があります。当
飛行場
の将来
計画
としては、
国際空港
として必要な諸
施設
、特に将来予想せられる
大型旅客機
に対する
滑走路
の
新設
が要請されております。 次に、
大阪環状線計画
について申し上げます。すなわち、現在の西成線、城東線、
関西線並び
に
大阪臨港線
を約二・五キロの
新設路線
によって結びつけますと、一周二一・七キロ、
所要
時間四十二分で、
東京山手線
の約三分の二の
環状線
を形成することができます。
昭和
三十一年三月着工、
昭和
三十六年…月に竣工の見込みであります。 この
環状線
は、
地元大阪
市において
昭和
八年以来の懸案でありまして、
戦前実現
をはばんでいた
用地確保
と
安治川
の架橋問題が、
戦災復興区画整理
と
安治川内
港の
完成
に伴い解決される見通しがつきましたので、
昭和
三十年六月、
大阪市長
から
環状線新設工事実施促進方
の申し出がありました。すなわち、西九条−
天王寺間環状線新設
に要する
工事費概算
二十八億円に相当する
利用債
を
昭和
三十年度から三十四年度までの五カ
年間
に
地元
において引き受けること、
環状線新設
に要する
用地
のうち、
大阪
市の
区画整理地区
内のものは市から
国鉄
に対し無償譲渡すること、
安治川橋梁
はけた
下OP
七・八
メーター
の
固定橋
とすること等を条件として
昭和
三十年十二月、
環状線新設工事
の
実施
が決定されたのであります。なお、
大阪
市より三十一年十一月、
安治川橋梁
の高さをでき得る限り高くするよう
陳情
があり、三十二年九月、けた
下OP
一二・二五
メーター
に改定されております。 最後に、
姫路
市においては、
姫路
駅の改築に伴う民衆駅の
建設
についての強い
要望
があったのであります。その
建設計画
は
最終段階
にまで進捗しているようでありますが、
現地
の
事情
は、急速にこれを実現する必要ありと認められたのであります。 以上をもって私の
報告
を終ります。
天田勝正
8
○
委員長
(
天田勝正
君) 次に、
新潟
・
福島班
、
大倉委員
の
報告
を求めます。
大倉精一
9
○
大倉精一
君
新潟港
の現況及び
東北本線
の
小口貨物中心
駅
集約共同輸送
その他
国鉄
の
輸送状況等実情調査
のため、
早川委員
とともに、去る一月十六日から五日間、
高崎
、
新潟
及び水戸に派遣され、視察して参りましたので、簡単に御
報告
申し上げます。 順序といたしまして、まず
最初
に、
東北本線
の
小口貨物中心
駅
集約共同輸送
の
実施
後の
状況
について申し上げます。 御
承知
の
通り
、
東北本線
の
小口貨物
の
共同輸送
は、
貨車
の
積載効率
を上げ、
列車
の
速度
を向上し、これによって
節減
した
貨車
を
車扱い貨物
の
輸送
に充当することにより、
輸送力
の増強をはかり、同時に
輸送経費
の
節減
を行い、
小口貨物輸送
の
合理化
を目的として始められたものであります。
実施
は昨年十月一日で、
区間
は秋葉原−盛岡間、この
区間
に十二の停車駅を設け、これを
中心
駅とし、
中心
駅と
中心
駅の間の中間駅発着の
小口貨物
の
輸送
を
貨車
にかえて
国鉄自動車
で
輸送
するものであります。この
中心
駅
集約共同輸送
を始めてから
小口貨物輸送
の
使用車
がどのくらい減ったかと申しますと、
中心
駅
集約実施
前の一日
平均
が、
走行キロ
から現在車に換算して、千三百十五車でありましたのが、
実施
後の十月中旬で九百一車となり、四百十四車
節減
され、これだけ
車扱い貨物輸送
の方に回されたこととなっております。が、この数字は、当初の
計画通り
ではないそうでありまして、その
原因
は、駅の
設備
が未
完成
のまま
実施
したことと、支線行き
直通小口積み車
を仕立てているためであるとのことでありました。 次に、
使用車
の
節減
に対し
自動車
の
走行キロ
がどの
程度
になっているかと申しますと、十月中の一日
平均
が四千百五十キロで、
計画
に対し八八%に当り、
輸送数量
は、
計画
に対し六三%となって、
走行キロ
と
輸送数量
の減少の
割合
が異なっておりますが、これは
荷姿
の悪い
貨物
の占める
割合
が大きく、一
車平均積載個数
が、
計画
の八十五個に対し七十五個にとどまったことによるとのことでありました。
高崎管理局内
のみについて、十月の
小口貨物車運用
及び
輸送方
を比較してみても、
代用列車
が大宮−
宇都宮
間で
ダイヤ改正
前の四
往復
が一
往復
に、
宇都宮
−白河間三
往復
が一
往復
に減り、五
往復
が
節減
されたそうであります。また、
貨車
の
積載効率
も、従来の五・五トンから六・三トンと、0・八トンの
効率
が上ってきたということでありました。これで見ますと、
輸送数量等
、いまだ当初の
計画量
には達しておりませんが、
共同輸送
の
実施方法そのもの
について幾多不
合理
の面があり、将来さらに
抜本的検討
を加えて、
合理
的な
運営
をはかるべきものと思われます。 次に、
新潟港
について申し上げます。
新潟港
は、
終戦
後大陸との
関係
がなくなり、一時は再起不能に近い
状態
にまでなってしまったが、最近
港勢
を回復して、三十一年、三十二年の
内外出入貨物
は各二百万トンをこえるまでになり、ことに、
外国貿易貨物
が百十万トンもあって、
戦前
にもない
発展ぶり
を示し、その大半が
石油類
であることは、
新潟港
の最近の
特色
であるという話でありました。また、
戦前
は
商業中継港
であったが、
臨海工業地帯
の開発に従い、近ごろは
港自体
の
性格
もだいぶ変化して、
出入貨物
の八割近くが
石油
、
石炭
、
燐鉱石
、塩、過
燐酸石灰等
、
工業原材料
により占められるようになったことも著しい変化ではないかということでありました。なお、今後は
対ソ貿易
の
伸びいかん
が、この港にとっては一つの問題であるといわれておりました。 次に、
海岸決壊
と
地盤沈下
の
現状
について申し上げます。まず、西
海岸
の日和山から
海岸決壊
に対する
防護工事
を見ました。
現場
での
説明
によりますと、
潜堤
、
縦堤
及び
護岸工事
も予定の九〇%
程度
が
完成
し、三つが総合的な
効果
を発揮するようになったので、
海岸
の
決壊
は一応とまっているということでありました。 続いて、
東海岸
の
新潟鉄工所
に行き、
地盤沈下
の
実情
を見ました。ここはつい最近地面の
かさ上げ
をしたということでありましたが、
水面
は足元近く、常時
排水ポンプ
は運転しているということでした。ここの岸に立って
港口方面
を見ますと、
西突堤
は今にも崩壊するのではないかと思われるくらい、日本海の怒濤にたたかれており、この
突堤
を越えた波が直接
東海岸
を侵食しております。
説明
によりますと、
港口
から
埠頭
にかけての
導流堤
も
水面下
に隠れた個所があるということでありました。 続いて、
新潟鉄工所
から
臨港埠頭
に行きましたが、ここは
岸壁
が
水面
近くまで
沈下
したため、従来の
岸壁
の上に高さ一メートルくらいのコンクリートの防壁を築き上げてありました。これで一応、防潮、防水の役には立ってると見受けましたが、問題は、
倉庫等
の
建造物
で
地盤沈下
によって浸水してくる水を防止するため、建物の周囲に土のうを積み重ねてある
状態
でありました。
臨港埠頭
から次は
昭和石油裏
、
三菱鉱業裏
の
海岸
、平和町と視察しました。
昭和石油裏
から
三菱鉱業裏
にかけては
縦堤
と
護岸
はありますが、
三菱鉱業
の
裏海岸
から平和町、
飛行場方面
にかけては、自然の砂丘が
海岸線
で、終
戦前
まで
飛行場
への
道路
であったというのが、すでに波打ちぎわ近くになっており、付近は
地盤沈下
と
海岸侵食
を受けて
排水
は悪くなる、そのため宅地、畑地は湿地または沼地となり、中には家の床下まで水が浸入しているところもありました。また、先般の
新潟
市の大火のあとで、
罹災者
のために急造したという住宅が、この
海岸侵食
の著しい地点に近い所にありますが、
視察現場
で
居住者代表
から強風、高湖のときは不安にたえないという
陳情
がありました。それから市内の
排水不良地帯
、
浸水地域
も視察して参りました。この
地盤沈下原因調査
のため、
港湾建設局
も三十三年度予算に千七百万円要求しているということでありましたが、私どもが
現地
で聞いたところによると、
大蔵省査定
で四百万円に削減されたという話でありました。なお、この
原因調査
について、
港湾建設局長
は、
調査
を始めても、その結果が判明するまでには、少くとも三、四年はかかると思うし、現在
天然ガス採取
のため、一日に四、五十万トンの
地下水
を
くみ上げ
ており、この量は年々増加するばかりと考えられるので、早急に何らかの
対策
を講じないと問題はますます大きくなり、思わぬ混乱を起す心配がありはしないかと申しておりました。 次に、
陸運関係
で、先般の当
委員会
で問題となりました
自家用自動車
の
営業類似行為取締り
の件と、
新潟電鉄通運株式会社争議
の件について、その後の経過をただしましたところ、
自家用自動車
の
営業類似行為
の
取締り
については、昨年十二月末に、
大臣
の指示を受けてからは、
摘発態勢
をさらに
強化
して
陸運局
、
陸運事務所
を一体とした
特別委員会
を設置し、
検察当局
の積極的な協力を要請して、悪質なものから
摘発
に着手しているが、この悪質なものは聴聞の呼び出しにも応ぜず、また、その
使用車両
を
他人名義
にしている者もあるので、
証拠資料
の収集には若干の時日を要すると思うが、断固強い
決意
をもって
取締り
を進めているとのことでありました。この件につきましては、
現地陸運当局
の
決意
を了とするとともに、次の三点につき、強く
要望
してきました。すなわち、(1)かかる
現状
は法の権威と
輸送秩序確保
の見地よりきわめて遺憾であるから、すみやかに正常の
状態
に復するよう格段の
努力
を払うべきである。(2)その際、その
従業員
の生活に不安を与えないよう留意すべきである。(3)さらにあわせて、
免許業者
がこれがためにいやしくも萎縮するがごときことなく、正常な
公益事業活動
のできるよう留意すべきである。 また、
新潟電鉄通運株式会社
の
争議
の件につきましては、昨年十二月十九日の当
委員会
で
事情
を聴取しました以後、
現地
の
陸運局
は、暮の二十五日に社長より
事情
を聴取し、口頭で事件の解決方を勧告しております。次いで二十七日には地労委と県の労政課に対し、早期解決の
促進
方を要請し、労使双方に対しては、書面で早期解決方を勧告しております。それらに対しまして、十二月二十七日、一月十一日、一月十五日と三回にわたり、労使双方で話し合いを進める
状態
にまで一応進捗してきたとのことでありました。この問題につきましては、労使双方の代表者に対しまして、それぞれ
公共
事業
であり、長期間
事業
を休止していることは、はなはだ遺憾であるから、すみやかに
事業
の再開をするとともに、事件の早期解決に特段の
努力
をしてほしい旨を強く
要望
して参りました。 さらに、中越
自動車
株式会社の労働
争議
事件に関し、その経過内容の
報告
がありましたが、
本件
に関しては、
陸運局
も
事業
の監督という立場から
争議
の早期解決を
要望
し、
輸送
の
確保
に最善の措置をとるよう勧告しており、運行はおおむね
確保
されているということでありました。 最後に鉄道
関係
でございますが、各局とも三十二年度下半期から
金融引き締め
の
影響
が旅客、
貨物
両面に現われ始め、滞貨も漸減しているとのことでありました。
輸送
の面では、
新潟
局については、
新潟
の操車場も
完成
し、羽越線の有効長の延伸や
列車
増発等により最近は著しく改善され、少くとも操車場に関する限り、能力
不足
ということは解消したということでありました。なお、局として困っていることは、他局からの盈車の到着が少く、特に春肥、米の
輸送
に必要な屋根車が
不足
し、その獲得に苦労しているとのことでありました。水戸では常磐炭の
輸送
が漸増し、ために常磐線の線路容量が極度に詰まってきたので、常磐線の電化と同時に、平以北の複線化をぜひ実現してほしいということでありました。また、日立を
中心
とした通勤
輸送
、水戸を
中心
とした通勤、通学
輸送
にも何らか
対策
を立てぬと行き詰まりそうだということでありました。その他、修繕費を来年度予算では増額してほしいとの
要望
もありました。
高崎
でも、信越線の
輸送力
が問題になり、その解決のためには、碓氷峠の勾配を改良しない限り、とうにもならないということでありました。 以上につけ加えまして今回の視察旅行中に受けました
陳情
について簡単に申し添えます。
高崎
におきましては、県の
交通
対策
委員
から、信越線の改良、上越線
高崎
−渋川間の線増及び
調査
線である嬬恋線の
建設
線編入方について
新潟
においては、沼垂駅の旅客取扱い存続方について、利用者代表から、白河では、市長から、
東北本線
の電化に伴い白河在の機関区がなくなるので、新しい
現場
機関を白河に設けてほしい旨、水戸では、既成同盟会から、常磐線の電化
促進
について、
陳情
を受けました。 以上御
報告
申し上げます。
天田勝正
10
○
委員長
(
天田勝正
君) ただいまの
報告
に関連いたしまして、
自動車
局長
から発言を求められております。これを許します。
山内公猷
11
○
政府委員
(山内
公猷君
) ただいま
新潟
地区
におきまする種々の
争議
につきまして御
報告
を承わったわけでございますが、その後の
状態
につきまして御
説明
を申し上げたいと思います。 初めに、
新潟
通運のストライキの
関係
でございますが、ただいまの御
報告
にもありましたように、当
委員会
におきまして御質疑がありました後、直ちに
陸運局
長を呼びまして、
陸運局
において地方労働
委員会
に早期解決のあっせんを希望するとともに、会社に対しては勧告を、組合に対しては
要望
書を手渡しまして、早期解決を
陸運局
といたしまして強く
要望
いたした次第でございます。その後、労使双方に
争議
解決のための交渉再開のきざしが見えまして、また一方、地労委におきましてもあっせん
方法
を三者構成に切りかえました。三者構成と申しますのは、会社、組合それから地労委のあっせんということだろうと思いますが、それで十二月二十七日に第一回のあっせん会が開かれました。その際には、地労委の話としまして、今後一般荷主に迷惑をかけぬということが第一点、第二といたしまして、今後の交渉は会社、組合において行うということで、この二点を前提といたしまして、双方解決について
努力
し、相互に会社の再建案を協議するということの申し合せを行いまして交渉が再開されたわけでございます。その後労使双方からいろいろ解決案が持ち寄られまして種々交渉が持たれたのでありますが、論議のその際の争点といたしましては、本社の機構の問題、いかに機構を改革するかという問題、人員整理及び退職金支給に関するこの三点にしぼられたわけでございます。この間、
陸運局
といたしましても、地方労働
委員会
に連絡をとりますとともに、会社及び組合に対して
事業
の再開を
要望
するなど、これが解決に
努力
はいたして参ったわけでございます。その結果、二月一日を目途といたしまして
事業
再開に
努力
することに労使の大体の意見が一致をいたしまして、また会社側として、機構改革問題についてある
程度
の了解を与えましたために、二月一日の
事業
再開に若干の希望が見られたのであります。一月下旬に会社役員の全部を
陸運局
に呼びまして、二月一日からの
事業
再開を強く
要望
したのであります。しかし、一月二十八日の交渉におきまして、組合が新たな四項目の要求を持ち出しましたために、再び交渉は不調に陥り、二月一日に
事業
を再開をするというふうにいかず、自主交渉を今日まで続けておるわけでございます。 これは労働
争議
の一般情勢でございますが、
輸送関係
につきましては、
争議
発生の当初において
新潟
電鉄通運の取扱いとなります
争議
区間
各駅着の
貨物
は受託及び発送停止の手配をいたしましたが、誤扱いとなって相当の到着がありましたので、これらの
貨物
は着駅の変更または荷受人の変更または直荷主の直取りで処理をいたしました。最近に至りましては、これら事故
貨物
はございません。当地からの発送
貨物
については、他の通運会社の所在する東関屋駅及び
国鉄
線各駅で取り扱い、到着
貨物
も同様であります。通運
業者
扱いとしない直扱いの
貨物
については、直接荷主が
新潟
交通
と運送契約を締結し、自己の手で発送、到着
貨物
を取り扱っておりますので、現在におきまして混乱
状態
はございません。 以上述べました
通り
の経過でございまして、今日なお
事業
再開に至りませんことは、
事業
の公益性にかんがみましてまことに遺憾でございまして、当局といたしましては、今後とも地方労働
委員会
と密接な連絡をとりまして、解決のために
努力
をいたすように考えておるわけでございます。 次に、中越
自動車
労働
争議
も、ただいま御
報告
の
通り
でございまして、この件につきましては、二月の十四日地労委が労使双方に対しまして勧告案を提示いたしまして、それを労使双方受諾をいたしましたので、解決をいたしましたので、詳細・勧告案の内容その他は省略をさしていただきます。 次に、同じく
新潟
陸運局
管内におきます
自家用自動車
の営業
取締り
につきまして本
委員会
で御質疑があり、ただいま御
報告
があった
通り
でございまして、
陸運局
といたしましては、ただいまの
報告
のように、警察本部及び
新潟
市の東、西両警察署の協力を得まして、徹底的に
取締り
に乗り出します一面、新聞、ラジオを通じまして荷主、一般公衆に対しましてPRを行いまして、われわれといたしましては、相当の
効果
を上げているものと思っております。 行政処分につきましては、違反判明次第、相応の処分を行うことにいたしておりますが、第一次の処分といたしましては、車両の使用を禁止されたものは六名でございます。禁止されました車両は普通車が十両、小型車が三両、使用禁止の期間は大体一カ月ないしニカ月になっております。使用禁止処分につきましては、処分
確保
の裏づけとなりますための
自動車
の登録番号標の領置を命じておりますが、この命令に応じない者三名に対しまして、二月十五日告発をいたしたわけでございます。その後につきましても、この
取締り
の手をゆるめず、
交通
秩序
の
維持
乏格段の
努力
をまだ継続いたしておるわけでございます。 以上、簡単でございますが、御視察に伴う自後の経過につきまして大
報告
申し上げます。
天田勝正
12
○
委員長
(
天田勝正
君) ただいまの
自動車
局長
の御発言に対して御質疑がございますか。
大倉精一
13
○
大倉精一
君 今の
説明
に対して若干お伺いしたいと思うのですが、もぐり
業者
のその後の
状況
の件について、相手の
効果
を上げているという、そういう
報告
がありましたが、実は、この件について、その後の情勢を私ども
調査
をしてみますというと、必ずしも
効果
が上っていない。われわれが行った当初におきましては、相当の
決意
でもって、この
報告
にある
通り
、私が
報告
したように、相当の
決意
でもって態勢を固めてやりかけだそうでありますが、やはりその後において、これがどうもしり切れトンボのような格好になっておる、そういうことを
現地
の者から聞いております。特に山田六松という男が、やれるならやってみろといったような例の調子でもって、けんか腰でもって相変らず法の裏をくぐってやっておる、これに対して
陸運局
としてはどうも手のつけようがないというような
現状
のような工合に聞いております。あるいはまた最近四車両ほど山田六松のナンバーを取り上げると言っておりますけれども、しかしながら、すぐそのあとで
他人名義
の車を次々と補充して、相変らずどんどん営業をやっている、こういう
実情
なんですが、その間の
事情
はどんな工合になっているか、御
説明
を願いたいと思います。
山内公猷
14
○
政府委員
(山内
公猷君
)
新潟
陸運局
長の私どもへの
報告
といたしましては、ただいま御指摘のありましたように、山田六松名義の小型車一両並びに丸軍運輸という、これは山田六松の、何といいますか、
関係
している会社でございまして、この車四両、これをニカ月の使用禁止処分にいたしました。車両標の領置には応じましたので、車両標等は領置いたしております。その後の違反につきましても、今までと同様に各警察の協力を得てやっておりまして、第一次処分のほかに、さらに、違反者がまだあるので現在
調査
中である、それも判明次第処分をしたいというふうに本省の方には連絡をいたしておりますので、しり切れトンボということにはなっていない。われわれといたしましては、あくまで
交通
秩序
の
維持
という上におきまして、徹底的にそういう違反事犯につきましては、その絶滅を期して仕事をいたしているわけでございます。
大倉精一
15
○
大倉精一
君 この問題が持ち上ってから相当の期間がたつんですが、しかも、先般
運輸大臣
がこれは断固としてやるということでもあったのですが、しかし、いろいろ経過、いきさつはあるにしましても、現在なおかつ相当の数の白ナンバーの車が、しかも、堂々と何々運送店という看板をかけてあるいはそういうものを車の横っ腹に書いて営業
行為
を続けている、こういうことは事実だと私は思うのですが、どういうわけで相当期間たった今日においてもそうしたことが
新潟
から払拭できないのか、そういう
原因
について
説明
を願いたいと思います。
山内公猷
16
○
政府委員
(山内
公猷君
) 看板をかけただけでは処分はむずかしいのでございます。
道路
運送法におきましては、いわゆる自家用車の有償
行為
あるいは
営業類似行為
規定
にひっかからなければ処分できません。 そのためには、やはり確たる証拠をつかみまして、経営者を呼び出して認知をさせ、しかる後に行政処分をするというのが大筋でございまして、そういう証拠の収集というものにつきまして、非常に
陸運局
は
努力
いたしているわけでございます。青板をかすたという事実だけではだめなので、やはり
道路
運送法の違反事実というものをつかまえませんと処分ができないわけでございます。
大倉精一
17
○
大倉精一
君 これはですね、この前の
委員会
でも質問して、蒸し返すような格好になるのですけれども、自家用車がないしょで営業
行為
をやっているという場合には、いろいろ処分を考えなければならぬでしょうけれども、白ナンバーで堂々と看板をかけて、そうして車の横腹へ何々運送店という字を書いて、そうして
従業員
六十数名を使い、外交員を置いて堂々とやっている、しかも、これらの証拠を固めることができないからといって、この問題が持ち上って四カ月かたった今日になってもどうにもならぬ、これで一体
道路
運送法なんというものはあるのか、ないのか、
陸運局
というものは一体あるのか、ないのか、そういうものはないんじゃないかと……。
法律
があって、監督官庁があって、そのおひざ元において堂々と運送屋の看板をかけて、外交員を使って営業している、
事業
税も一文も払ってない、これは一体
法律
があるのか、ないのか、監督官庁があるのか、ないのか、疑わざるを得ないんですが、根本的にそういうものを絶滅できないという
理由
はどこにあるのですか。法の不備だけでは済まされないものがあると思うのですが、いかがですか。
山内公猷
18
○
政府委員
(山内
公猷君
) その点につきましては、
調査
の権能の問題でございますが、警察力をともに行使をいたしまして、それによりましてできるわけでございます。その意味におきまして、
陸運局
長は警察本部並びに所轄警察署の協力を得てやっておるわけでございます。
大倉精一
19
○
大倉精一
君 どうも私は納得いかないのですが……。
運輸大臣
にお伺いしたいのですが、この前あなたは断固としてやらなければならないという腹をきめたというようなお話もあったのですが、
大臣
みずからそういうような御方針があり、御意図があり、しかもいろいろ手を打っておるにかかわらず、いまだに
新潟
においで
現状
が直らない、白ナンバーが依然として法を無視してやっておる、これは
大臣
、断固としてこれを直すんだと、こうおっしゃっても直せない。これは、しかし、一つ
大臣
としてどういうふうにお考えになるか。
運輸大臣
が言っても直るのか直らないのか、これはもう
法律
やめちゃった方がいいのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
中村三之丞
20
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 今のお言葉は、昨年の末あなたから御質問があって、そうして
局長
を呼び寄せて、私は断固という言葉を使いましたかどうか……。厳重に取り締る、こういうことを指示いたしまして、帰ってやっておるのです。それで、今
局長
から御
報告
申し上げましたように
報告
してきておるのですが、私もまだ手ぬるいと思います。しかし、まあ
法律
で、
道路
運送法でどこまで取り締まれるかどうか。これはまあ非常に微妙なところがあるようでございますが、しかし、これは
局長
から申しましたように、警察の力と申しますか、共同していけば、そういう悪質なものは私は取り締れないということはないと思う。今あなたの申しましたように、
取締り
をやってみろ、やってみろというような、こういう態度でおるということは、それは私も
局長
がなめられているのだと思います。ですから、この間私はきつく言ったのです。しかし、私がいつも行くわけにも参りません。まあ運輸省の出先の
局長
でございますから、
局長
を信頼して今までやっておるわけでございますが、今後この経過を見まして、私どもはこういうものをすみやかに絶滅するように
努力
をいたしたいと思っておる次第です。
大倉精一
21
○
大倉精一
君
現地
へ行って非常に私は不可解に思ったことが一つあるので、その点について。私の
報告
の中で、こういう
報告
をしたわけです。すなわち、「あわせて
免許業者
がこれがためにいやしくも萎縮するがごときことなく、正常な
公益事業活動
ができるように留意すべきである。」、こういう
報告
を申しましたが、これは実は
新潟
に参りましたときに、初め
業者
がこぞって
陳情
するはずだったんです。ところが、どうもその後
関係
方面
からいろいろ圧力があったがために、どうもこれ以上やるというと後難がこわい、あとがこわいということでもって、
陳情
がなくなって、そうしてもうひっそりかんと
業者
が声をひそめておる、そういう
状況
に私はぶつかった。これは私は非常な重大な問題だと、こう思うのです。こういういわゆる法に基いて、正常な
公益事業活動
をやっておる者が、こういうきわめて不正な、不
合理
な問題に対してものが言えない、言えば将来がこわいというようなことがもしかりにその
通り
に
新潟
にあるとすれば、これは重大な問題である、こう考えて、あえてこういう
要望
をしてきたわけです。こういうことは真偽は別にしまして、いやしくもこういうような
行為
が
現地
にあり、こういう
状態
の片りんが見られ、その中で依然として白ナンバーの堂々たる
営業類似行為
といいますか、もぐり
業者
がさっぱりこれが姿を消さない、これはどういうわけか。ここにいわゆる
新潟
が禁猟区と言われるゆえんがありまして、免許々々と言わぬでも、白ナンバーを持って
新潟
市内へ行けば何とかなるんだ、こういうことでもってどんどん白ナンバーが
新潟
へ
新潟
へと寄ってくる、こういう
状態
で当局はこれを拱手傍観、手の施しようがない、こうなったら一体法の
秩序
はどうなるか。ですから、特に
新潟
こういう
状態
は徹底的にこれを直さなければ、是正しなければならぬ、こう私は考えておるわけです。それで法の不備もあるであろうけれども、当然これは人間の作った
法律
ですから不備はあるでしょう、あるでしょうが、問題はこういうものを直そうという
決意
が当局にあるかないか、熱意と勇気とその
決意
があるかどうか、これが私は問題だと思う。でありますから、かりに白ナンバーの車をとっつかまえて、それを
現場
でもって事実をつかまえれば、これはその場でもって車検証を取り上げることができると思う。そういう熱意があるならば、わずか十数両のものはこれはたちまちに解消すると思うんですが、そういうようなことについて、
局長
、どうでしょう、そういうことはやれますか。
山内公猷
22
○
政府委員
(山内
公猷君
)
現場
でナンバーをすぐに取り上げるということはむずかしいと思います。やはり事務所へつれて参りまして、事務所で領置を命じ、領置に応じた場合には、仮ナンバーを渡さないと車は動けなくなるので、通常そういうふうにやっております。
大倉精一
23
○
大倉精一
君 そうしますと、
局長
の御意見では、今の
法律
では、あるいは機構では、
道路
運送法の
秩序
というものは非常に守ることはむずかしいと、こういう結論になりますか。
山内公猷
24
○
政府委員
(山内
公猷君
) 問題はいろいろあるわけでございますが、通常の場合に違反
行為
が判明をし、たとえば警察の方からそういう連絡がある、あるいは別途にそういう違反の事実がはっきりしたという場合には、そういう違反者の出頭を命ずるわけでございます。出頭した場合には、十分調べた上で
自動車
登録番号標の領置を命じまして、それに応じた場合には、仮ナンバーを与えて帰すというのが普通の
状態
でございますが、その領置に応じないというようなものに対しましては、さらに重い行政処分をいたしまして警察署にこのさばきをしてもらう、別途われわれの方といたしましても、行政処分も並行してする、ということにいたしておる次第で、どうしても領置に応じないという場合には、行政代執行の条文の適用があるかということにつきましては、従前からいろいろ問題がございまして、運輸省といたしまして、法制局あるいは法務省あたりにも十分この適用方についての意見も聞いたのでございますが、現在の行政代執行法の建前からいって、行政代執行をするということはむずかしいということになっております。
大倉精一
25
○
大倉精一
君 その
説明
を私聞いておるんではなくて、時間がかかりますから結論的に聞いておるのでありまして、現在の
道路
運送法においては、あるいは通運
事業
法においては、いわゆる法の
秩序
あるいは
輸送
秩序
というものを守ることは、これはむずかしいと言われるのか、あるいはこれはなかなかできがたいものである、現在の
法律
では
輸送
秩序
を守ることはできがたいものであるというふうにお考えになっておるか、あるいはできるというふうにお考えになっておるのか、そこのところずばりと私は聞いておる。
山内公猷
26
○
政府委員
(山内
公猷君
) 大体それは法令一般に関する問題でございますから、
道路
運送法におきましても、できないというわけではございません。ただしかし、そのために相当数の職員を持っておるというわけでもございませんので、その意味でそういうものの、何といいますか、
摘発
方が手ぬるいではないかという御批判は十分あると思います。しかし、御
承知
の
通り
車が非常にふえたにもかかわらず、
陸運局
の職員といいますのは、ほとんど人員がふえておりません。特にこういう
輸送関係
の職員といいますのは、二十四年に
陸運局
事務所、運輸省が再出発いたしてましてからも、ふえておることはないわけでありまして、法を守るのに、そう完全な人的配置をしておるとはわれわれの方も思っておりません。それで要は、こういうことをやりますためには、どうしても警察当局の助力を得なければならないということで、その点につきましては、各
陸運局
とも所轄の警察本部と十分な連絡をとりまして、そういう
取締り
を
計画
的にやっておるというのが
現状
でございます。
天田勝正
27
○
委員長
(
天田勝正
君)
大倉
君、簡潔に一つ願います。
大倉精一
28
○
大倉精一
君 今の話しでいきますと、
道路
運送法によって別に
秩序
を守れないことはない、ないが、人間が足らぬのだと、こういうことになるようですね。人間が足らぬ、こういうことになっておるようです。そうしますと、これまた新しい問題がここに出てくる。これは一つ
大臣
にお伺いしたいんですが、
法律
というものを作っておいて、そしてそれに必要な人間を配置しない、それがために
法律
の目的が一向達せられない、逆にどんどんどんどんそういう不正がばっこする、こういうことになっておるような今の山内
局長
の御答弁なんですが、そういう問題について
大臣
はどういうふうにお考えになっておるか。しかも、警察の協力を請う、これは
大臣
として、そういう
方面
に万々の手を打たなければならぬと思うんですが、人間が足りないから法の
秩序
は守れないんだ、あるいは
輸送
秩序
は守れないんだ、こういうような趣旨に私受け取れるんですが、果してそうかどうか。これは大事なことだと思うので、
大臣
の御答弁を承わりたい。
中村三之丞
29
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 必ずしも人間が足らぬからできないということはないと思います。これは、
局長
が人間に事を託したということは、やろうと思ったら私はやれると思う。問題はやはり警察との協力、これはうまくいけてるのじゃないかと私は思う。現に、東京でハンケチ・タクシーとか書籍タクシーとか、十分あれは取り締っております。これは、非常に、ここの
陸運局
長が警察当局と上手に、上手にと言うと言葉はおかしゅうございますが、緊密に連絡してやれておるのです。私はやれないことはないと思うんですよ。今後、私も推移を見まして、
局長
に話をして、やはり警察の力を借らなきゃならぬという
局長
の答弁、これは私は事実だと思います。しかし、
新潟
局が人が足らないからできないんだということではあるまいと私は思うのであります。これはちょっと誤まった言い方じゃないかと思います。やろうと思ったら私はやれると思います。
大倉精一
30
○
大倉精一
君 まあこの問題は、これ以上やってもなかなか明確なお答えがないと思うんですが、しかし、これは
道路
運送ないしはその他の路面運送の
秩序
の面からいきまして、放置すべき問題じゃないと私は思うんです。それで、われわれがあちらへ行っていろいろと
調査
をし、また、いろいろと意見を聞いてきたんですが、そのときは、今
報告
を申し上げたように、断固とした処置をもってやる、あるいは暴力が加わるかもしらぬが、それにめげずにやりますと、こういう
報告
をされておりましたが、依然として、その後の
状態
というものは改善されていない。一体この
原因
はどこにあるか、これは、私はもう一回
現地
の
関係
者にこちらへ来てもらって、この
委員会
におきまして、つぶさにその
状況
を聞きたいと思いますが、そういう手続を一つお願いしたいと思うんです。
天田勝正
31
○
委員長
(
天田勝正
君)
大倉委員
に申し上げますが、きょう予定の案件がございますから、この件は、本日はこの
程度
にしていただきまして、今お申し出の
方法
につきましては、後刻理事会等で御相談いたしまして、それぞれ
所要
な
方法
をとりたいと存じます。
相澤重明
32
○相澤重明君 関連してちょっと一つ。
天田勝正
33
○
委員長
(
天田勝正
君) 簡潔に。
相澤重明
34
○相澤重明君 簡潔に
運輸大臣
に、これも次の
委員会
に一つこまかく調べてこの席でこの
対策
を
報告
してもらいたいと思うんですが、今
運輸大臣
が言ったハンケチ・タクシー、あるいは書籍タクシー、こういうのが都内とか神奈川とか群馬とか、そういう所で約千台あるそうです。それで、これらの
関係
者の話を私も聞いたんですが、一つ国会へ大々的
陳情
をやろうというようなことを言っておるそうですよ、まあその内容がその
通り
であるのかどうか、それはよくわからぬが、少くとも
陸運局
としては、
自動車
行政に携わっておる者としては、そういう点はわかるだろうと思うんです。これは内容によっては、本を売る人とハンケチを売る人、これはやっぱりみなそのグループによって違うらしいんですが、夜なんかは、キューピーさんなんと言って非常に町の人に歓迎されておるということまで聞いておる。キューピーの中に電気がついておって、白ナンバーのキューピーが電気がついておるというと、これはハンケチとか書籍とかを売ってお客さんを送るんだ、こういうことを言っているらしい。千台もそういうのが何々会社とか何の団体とかいうことを作って堂々とやっておる。今
運輸大臣
の言うように、
法律
があるのかないのかわからぬが、そういう点を与えるようなことは私はよくないと思う。私は、昨年の三十二年度の予算の際にもこれは
運輸大臣
にたしか御質問申し上げたと思うのですが、
自動車
行政そのものについても、法はもちろん取り締らなきやならぬけれども、その反面に、指導監督という面をやはり
強化
をしていかなきゃならぬだろう。そういう点についての若干の手の抜けているところやあるいはまた足りない点があって、そういう問題が起きるのも一つの
理由
ではないか。それから通運
事業
法にしろ、あるいは
道路
運送法にしろ、法があれば、やはりその法に適合するように指導監督していかなきゃならぬだろう、そういう点を私は、きょうは時間がありませんから、一つこの機会に
要望
しておきたいと思うのです。ぜひこの次には資料をそろえて、一体どうしたらばそういう多くの人たちをいわゆる正しい方向に持っていくことができるのか、こういう点を、
新潟
の問題も含めて一つ
報告
をしてもらいたい。きょうは、それを議論をするという時間がありませんから、
委員長
の言う
通り
に、私は
要望
しておいて、資料を提出してもらいたい、
対策
等も含んで。
岩間正男
35
○
岩間
正男君 私もここで聞いていまして今の質疑応答を非常に奇異な感じを受けている。
大臣
と
局長
の答弁はまた食い違っている。この前断固やるということでしたが、これが実際事務当局で果してどの
程度
遂行されたのか、今の答弁からでは疑わしいと思う。この問題、これは
法律
の欠陥なのか、行
政府
の処置の欠陥なのか、こういう点について
大倉
君は質問しているのです。これに対する明確な答弁がないわけです。こういう点から、もう少しこの問題に対する見解を統一して、はっきり出してもらいたいと思う。どうも今までの答弁では、のらりくらりということになって、しかも、意見の統一がないという格好で出ている。非常にまずいのじゃないか。こういうことを言っていても、この前断固としてやると言ったのはニカ月間。二カ月間何やっていたかということになると思うのです。そういうことではまずいと思う。また断固を繰り返して半年たった二年たった、ということでは話になりません。こういう点で、もっと明快に問題点をはっきりえぐってもらいたい。
天田勝正
36
○
委員長
(
天田勝正
君) 私も聞いていて奇異の感を持っております。ただ、本日予定の案件がございますので、この問題はこの問題として次回に十分に時間をとってやりたい。ただいま相澤
委員
、
岩間委員
の御
要望
は、当局の方でよく胸にとめて、次回にはさようなことのないように一つ計らっていただきたいと存じます。 それでは次に、南極……。
相澤重明
37
○相澤重明君 次に移るのですか。さっきの関西の
報告
は、そのままなんですか。質疑はさせないのですか。
天田勝正
38
○
委員長
(
天田勝正
君)
報告
だけですから。
相澤重明
39
○相澤重明君
報告
だけで質問をさせないんですか。
天田勝正
40
○
委員長
(
天田勝正
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
天田勝正
41
○
委員長
(
天田勝正
君) 速記をつけて。
相澤重明
42
○相澤重明君
運輸大臣
に一つお尋ねをし、また、あとで考え方を統一して一つ御
報告
願いたいと思うのですが、それは、先ほど
神戸
港、
大阪
港等の
港湾施設
に対する
報告
が
成田
委員
からなされたわけでありますが、昨年の国会でこれはもちろん
関係
の常任
委員会
としては大蔵
委員会
なり地方行政
委員会
の、とん税並びに特別とん税の問題であります。これについては、いわゆる重要港湾、特に外航港湾に対してはできるだけ固定資産税をなくするために、とん税並びに特別とん税の創設を昨年行なったわけでありますが、その際、これは広瀬先生がおったかどうか、大蔵
委員会
においては、国の収入が非常に多くなるし、従来五円のものが八円、三円値上げをされておる。従って、そのいわゆる予定される収入というものをどういう
方面
に使うかということについても、当時大蔵
委員会
においても、大蔵省は不明確なままにこれはいわゆる可決されておる問題であります。で、大蔵省としてその当時の言われたことは、できるだけ重要港湾に対して、
関係
の方々の
陳情
やあるいは大蔵
委員会
の中で、予算の都合がつくならば、それを地方港湾に、いわゆる重要港湾に還元をする、こういうようなことも考えていいけれども、今、とにかく
法律案
を提案をして、そしてここでまたその
法律案
を
改正
するということはできない、修正することはできない、こういうようなお話し合いがあって、とにもかくにも、昨年はとん税並びに特別とん税法案というものは通過をした、こういうことを私どもは聞いておるのでありますが、今、全国の重要港湾を見ますというと、非常に
港湾施設
あるいは荷役機械等の
整備
のために、たくさんの地方
公共
団体としては費用が必要になっておるわけであります。そこで、それらの地方の重要港湾に対するところの、このとん税並びに特別とん税の
法律案
を制定をした当時の考え方というものを修正をして、そうして若干なりともそういう地方
公共
団体に還元をする意思が、運輸当局として
関係
の大蔵省なり、あるいは自治庁なり、そういうところに提案をする意思があるかないか、こういう点を私は実はお尋ねをしておきたいと思った。しかし、時間が、先ほど
委員長
も言っておる
通り
、ありませんから、私はそういう問題について、これは大蔵省所管であるとか、あるいはいわゆる地方行政の所管であるからそのままでいいということでなくて、この運輸省の所管
事項
の中に含まれる問題でありますから、こういう点について、一つ運輸省として積極的にこの問題を取り上げて、そうしてその方針というものを私は提案をしていただきたい、提示をしていただきたい、こう思うのであります。もしいろんな、
大臣
の方でまあ私の方に、それではどういう
理由
かというようなことをもしお尋ねがあれば、私は幾らでも御答弁を申し上げるつもりでおりますが、きょうは逆でありますから、一つそういう点について
運輸大臣
の方で検討されて、本
運輸委員会
に御提示を願いたい、こう思うのであります。
中村三之丞
43
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) そういうとん税あるいは特別とん税、こういう収入を還元する、これは私は一つの考えだと思います。しかし、今のところは、一般会計から港湾
公共
事業
をもらっておる、こういうことで、あるいは進んで私は港湾特別会計という構想を持ちまして交渉をしたんですが、これはまあ将来に見送られたのですが、そのとん税の問題については、一つ私も研究をしてみたいと思います。 〔
委員長
退席、理事
大倉精一
君着席〕
岩間正男
44
○
岩間
正男君 先ほどの
調査
報告
に関連しまして、ちょっとお伺いしたいのは、この前から問題になっておりました
地盤沈下
に対する
対策
の問題です。これについて、今年度の予算がどういうような形になっておるか。ことに、
新潟
の問題が非常にこの前問題になったわけでありますが、これに対する今度の
対策
はどうなっておるか。それから最近の
新潟
の情勢をわれわれも二、三耳にしておるのでありますが、その後、最近またいろいろな
決壊
事故が起っておるように聞いておりますが、こういう点をどの
程度
つかんでおるか、この点を伺いたい。
中村三之丞
45
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 詳細な数字は港湾
局長
が今文書を持っておりますからお答えいたしますが、
地盤沈下
に関する経費は、それは要求
通り
にはとれなかったのです。しかし、必要な経費はとれておるはずでございます。それから十二月の末に一つこわれた所がありますが、これはたしか千二百万円の予備金支出をもって復旧するようになっておりまして、全体として
新潟港
の港湾
修築
、
地盤沈下
の問題については、十分な経費とは申しませんけれども、事欠かないある
程度
は計上されておりますから、今港湾
局長
からお答えを申し上げます。
天埜良吉
46
○
政府委員
(
天埜
良吉君)
新潟
の
地盤沈下
に対しまして、先ほどのお尋ねのうち、十二月の突風の起りましたときに生じた災害については、至急災害査定をいたしまして、ただいま
大臣
から
報告
がありましたように、予備費から、支出をして、とりあえずの修理にかかるという方針をとっております。 なお、
新潟港
の
地盤沈下
に対する三十三年度の予算要求は、総額におきまして、災害復旧その他を含めて、国費で一億四千六百二十七万円、
事業
費が一億七千二十七万円を要求しております。なお、この
地盤沈下
の現象を起す
原因
を
調査
して抜本的な
対策
を立てなくてはなりませんので、
地盤沈下
の
調査
費といたしまして、千七百万円の全体
計画
に対して九百万円を三十三年度あげております。なお、これに相関連して県、市、すわち
地元
において一千万円ずつ、二千万円を出して、全体で二千九百万円の
調査
費を組む予定になっております。
岩間正男
47
○
岩間
正男君 要求額と今度の決定額ですね、さっきは要求額についてお話があったと思うのですが、決定の額はどうなんですか。
天埜良吉
48
○
政府委員
(
天埜
良吉君) これは要求額と申しますのは、ただいま国会に予算要求をしておりますその額を申し上げておるわけでございます。
岩間正男
49
○
岩間
正男君 最近の
実情
についてどの
程度
つかんでおられるか、これはどうですか。
天埜良吉
50
○
政府委員
(
天埜
良吉君) 最近
地盤沈下
がどの
程度
に進みつつあるかということにつきまして
報告
を受けております。なお、
地盤沈下
がやまないで、約十センチないし十二、三センチの
沈下
をこの数カ月、三、四カ月で起しておるようだという
報告
を受けております。
岩間正男
51
○
岩間
正男君 私たちは、去年の十二月の中ごろ市民大会があって、
実情
を見たわけですが、その後、十二月の二十三日に非常にまた強い暴風が吹いて、相当あの辺の防潮堤がやられた。最近は一月十三日に北西風の二十八メートルというような強力な風が吹いて、これはもうあそこの応旧
施設
をやった
東海岸
の
突堤
のつけ根が百メートルくらいやられた。さらに、下手の方が百五十メートルくらい
決壊
して、大へんな騒ぎになった。それで消防団から、警察から、自衛隊まで出動して、七千俵の土のうを打ち込んで何とか海水の浸入を防いだ、こういうようなことが最近、これは事実起っておるのであります。で、それに対する一体今度の予算措置というものは、
大臣
の先ほどのお話ですというと、どうにか間に合うんだ、こういう話でありますが、これは
地元
の要求と非常に隔たりがあるんじゃないか、この
程度
の一体要求額でもってこれはやれるというふうにお考えになっているのか。全体の港湾の費用と関連もあると思うのですが、この点でどのような一体具体的
努力
をされたか、こういう点について、その経過を少し漏らしてもらいたいと思うのです。
中村三之丞
52
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) この
地盤沈下
、ことに
新潟港
全体については、当初の概算要求は、私は幾らであったかちょっと今記憶いたしませんが、査定されたことは事実です。概算要求がそのまま通っておりません。しかし、査定された金額をもっていたしましても、現在の
新潟港
の
修築
、
地盤沈下
の
対策
については、私は可能なる
努力
ができると、こういうふうに判断をいたしております。それはもう十分でないとおっしゃれば……、まあ概算
通り
に計上されておりません。しかし、全体のほかの港湾の経費も要りますし、まず、ほかから比べまして、私は
新潟
、ことに
地盤沈下
対策
につきましては、相当できておると考えております。
大倉精一
53
○理事(
大倉精一
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
大倉精一
54
○理事(
大倉精一
君) 速記をつけて。
岩間正男
55
○
岩間
正男君 これは時間の
関係
もあり、詳細はもっと明らかにしたいと思うのですが、大体今のこの要求予算の範囲で
工事
量はどういうようなことになるのですか、概略だけでも聞けばわかるだろうと思う。これでもって
大臣
の今の御答弁の、とにかく概算要求は切られたけれども、それでもまあ当分は何とかやれると、こういうお話なんですが、概算要求そのものは、われわれ
地元
の
実情
を見たのでありますが、それに対しましては少なかった。それをさらに切られておるのでありますから、とても、これは焼け石に水になるのではないかという危険を感ずるわけです。これに対して大体
工事
量はどんなふうになりますか。
天埜良吉
56
○
政府委員
(
天埜
良吉君)
地盤沈下
の応急
対策
の要求の費用は、ただいま
大臣
がおっしゃいました
通り
です。この最後に要求しております、今私が申し上げた数字とあまり変らない。わずかに減っておるかもしれませんが、ほとんど変らない。そう申しますのは、これは昨年の十二月から災害が起っております。災害でこわされた所を復旧し、それの関連復旧費と合せて
施行
いたしますので、ほとんどわれわれが考えました復旧の応急手当費の全額に近いものが計上されております。その内容を申し上げますと、西
防波堤
の
かさ上げ
が一千万円、
西突堤
の補強が七千万円、それで八千万円です。それから
東海岸
の堤防が一千四百万円、合計して九千四百万円、それから
西突堤
災害復旧が二千五百二十七万円、同様
東海岸
、山下
護岸
等を合せて五千百万、小計が七千六百二十七万円、総合計が一億七千二十七万円でございまして大して初めの要求と変らない数字が上げられたわけであります。
—————————————
大倉精一
57
○理事(
大倉精一
君) 次に、大島−
熱海航路
に関する件について、
松浦委員
より緊急質問が出ておりますので、これを許可いたします。
松浦清一
58
○
松浦
清一君 熱海と大島との間の旅客の定期航路
事業
につきまして、三十一年の五月二十一日に東海汽船株式会社から、また同年同月の二十三日から伊豆箱根鉄道株式会社から許可申請が出ておりましてそれに関連をして熱海並びに大島各港間に非常に大きな政治問題になっておる、こういうことになっておりますが、その経過について詳しく御
報告
を願いたいと思います。
運輸大臣
はこの問題についてはよく御
承知
のはずでありますから、ごくこまかい事務的な問題につきましては、海運
局長
でもけっこうでありまするけれども、事政治問題化している事態でありますので、主として
運輸大臣
から御答弁を願いたいと思います。
中村三之丞
59
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) この航路の問題につきましては、政治問題化しておるかどうかは私ははっきり存じません。しかし、そういうことを意味するのでありますか、私のところにずいぶん大挙して
陳情
に見えます。両派と申しますか、かりにこの言葉を使うことをお許し願いたい。両派から
陳情
に見えます。それは私は受けておりますけれども、正式の書類は私はまだ見ておりません。また、海運局の方から私のところに何も言ってきておりません。
陳情
は受けておることは事実です。 〔理事
大倉精一
君退席、
委員長
着席〕このときに、私は率直に申しますと、そういう両派に分れてこういう小さな航路に
陳情
をなさるということは、一つ何かあなたの方で一本化することはできないのかと、むしろ私の方で反問をしておる次第でございまして、どういう政治問題になっておるのですか、私はただそういう
陳情
を受けて、二つの派に分れておるということは存じておりますが、これがいかなる
状態
に
発展
しておるのか、私はその
地元
その他の情勢については、遺憾ながら存じておりません。
松浦清一
60
○
松浦
清一君 熱海の政治問題についての
事情
は御
承知
ないと思いますから、私の知り得る範囲をこちらの方からお教え申し上げますと、熱海の市会に対して、具体的なことは今
調査
中でありまするから、わかり次第またこの
委員会
で御
説明
する機会もあろうかと思いますが、非常に大きな政治的な動きがありまして、そうしてその次の伊豆箱根鉄道に許可してやる方がいいんだ、そういうことをきめて、この点は
運輸大臣
は御存じなのかどうか知りませんが、こうなっておる。それから、大島ではちょうど三十二人の町会議員がまつ二つに分れまして、十六対十六になって、片や東海汽船、片や伊豆箱根鉄道に許可をしてやるのがいい、こういうことになっているのであります。それから大島を除く各島、各社は全島全村こぞって東海汽船に、在来の経験、
関係
等から、伊豆開発のために東海汽船が適当である、こういうことを言っておるわけです。それは
陳情
書の形において、また口頭による
陳情
において非常に多く運輸省の方にも行っておるし、国会の方にもそういう
陳情
が来ておるのでしょう。これが今の政治的な問題です。そこで、運輸省ではこれを運輸審議会にかけて、そうしてその結果を待とうとしておる態度だと聞いておるのですが、そういう
状態
でありますか。
粟澤一男
61
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 昨年の十二月二十七日に運輸審議会に諮問をいたしまして、その手続の終了を待っております。
松浦清一
62
○
松浦
清一君
運輸大臣
に伺いますが、東海汽船は明治二十二年以来この
方面
の航海に仕事を持ちまして、そうして戦争中に船の徴発や、いろいろな
関係
で休航になって、そうして途中でもってそれが再開をいたしましたが、熱海港の船の係留の
施設
が不完全なために、
昭和
二十九年の洞爺丸事件の
関係
から、もしも港内で船客に事故が起るようなことがあっては困る、こういうことで休航の申請を法に基いていたしておるわけであります。それを、その休航に対しては
運輸大臣
が許可をしておるわけです。ですから、三十一年の五月二十一日の東海汽船、五月二十三日の伊豆箱根鉄道のいわゆる海上運送法第三条に基く許可申請とはいうものの在来の経過というものがまるきり違うわけなんです。それを違わないと理解をしておる当局のその御理解の基礎になるものを一つお教えを願いたい、
運輸大臣
からお答えを願いたい。
中村三之丞
63
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 私は過去におけることは存じておりません。私は七月以来就任でございますから、それ以前にいかなることがあったか私は存じておりません。それは
局長
が知っているだろうと思いますのでお答えいたさせます。ただ、私の答弁は、まだ正式の書類も、まだ運輸審議会で審議中のようでありますので、書類を持ってきておりません。ただ、さっき申しましたように両派の方々、私のところべ
陳情
にお見えになった
陳情
者に対しては、私は普通に丁寧親切にお目にかかって意見を承わっておるだけでございまして、イエスともノーとも私はその点は何とも申し上げられません。
松浦清一
64
○
松浦
清一君
大臣
らしき答弁なんで、両派の
陳情
があって、そして同じように公平に答弁しておられると、こう言われればそんなことはないだろうと言うわけにはいきませんから、どうもしようがありませんが、これは事務的なことで伺いたいのですが、今までのこの東海汽船側から航路
計画
の変更についての許可申請をして、認可された経過があります。ちょっと書いたものがありますから読みます。
昭和
二十五年の十二月二十七日の認可により(乙)船−これは(甲)船と(乙)船とありますが、それを詳しく言うと長くなりますから言いませんが、乙船の大島、伊東間を休航ということが、これは正式に手続をして認可になっております。 それから
昭和
二十六年の三月三十一日の認可によって(甲)船の大島−見高−下田間が休航されておる、それから同年の六月八日の認可によって乙船の大島−伊東、熱海−大島間が開航されておる、それから
昭和
二十九年の十月の八日の認可によって(甲)航の大島−下田間が再開して、(乙)船の大島−熱海間が開航しておる、それから同年の十二月九日の認可で、(乙)船の大島−熱海間が休航されて大島−下田間が間航しておる、こういう経過をたどって三十一年五月に海上運送法の第三条によるその認可の申請をいたしましたけれども、いろいろ法的根拠を調べてみまするというと、これは新しい旅客定期航路
事業
の許可申請に該当すべきものでないということがわかったので、昨年の十月の二十九日付で、休航許可になっているものを再開をしたいという申請を出し直してみるわけです。この休航が認可されて、それから再開が認可されてきた経過を見てみまするというと、海上運送法の第三条によって新しく許可されるべき性質のものではない、休航されているものの再開は、
運輸大臣
の行政権限として、審議会にかけなくても、認可をして差しつかえないものである、こういう判断を私どもはいたしております。その点についての
大臣
の御見解を承わりたいと思います。
中村三之丞
65
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 私は、それは今ここでどういうものであるか、経過を私は存じませんから、はっきり申し上げかねます。運輸審議会から私のところへ送ってきた場合には私も判断いたします。いまだ私のところの手元に何も持ってきておりません。しかし、今の仰せの
法律
的解釈ですが、事務的なことはこれは海運
局長
からお答えさせた方がはっきり御了解願えると思います。
柴谷要
66
○柴谷要君 関連して。
松浦委員
の質問に対して、
大臣
は両派から
陳情
がある、それを懇切丁寧に聞いておる、今審議会にかかっておるということを言われておる。そこで、古い話だけれども、
大臣
の真意を一つ確かめておきたいと思う。
大臣
は私鉄運賃値上げの問題のときには、あなたはこういうことをおっしゃっておられる。というのは、運輸審議会がいかような結論を出そうとも、私は断固自分の所信に向って猛進する、こう言っておられる。ところが、この免許の問題については、熱海−大島間の航路の問題については、両派の意見を聞いている、しかし、あとは運審の意見を聞いて、結論を待って、というようなことを言っておられる。そうすると、あなたは運審の結論というものをお待ちになっているとすれば、運審の結論というものは非常に重要視されていると思うのです。そうすれば、いわゆる運審の方が、これは航路法に書いてあるから再開していいのだと、こういう結論、あるいは新しい会社に免許すべしと、こういう御意向、これが出てくれば、その
通り
大臣
はおやりになる意思があるか、それを一つ私確かめておきたい。
中村三之丞
67
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 私鉄の問題のことについて、ここでお答えいたしましたことは、私は記憶いたしております。運輸審議会の答申は尊重するが、盲従はしない。これは衆参両院の
運輸委員会
で答弁いたしております。今の汽船会社の問題は、私の方にまだ書類が回ってきておりません。運輸審議会にかけたのが合法的であるか、いかぬのか、これは今
松浦委員
からお話しになりましたが、そのことは
局長
から私はお答えさせまするが、運輸審議会から私にまだ何も言ってきておりません。来たときに私は私の態度度をはっきりいたします。それは私はちゅうちょはいたしません。しかし、今のところ何も来ておりません。 私鉄のことは申し上げた
通り
でございます。これは今後とも、運輸審議会の答申に対する私の態度でございまして在任中はこの私の方針は変えないつもりでおります。
松浦清一
68
○
松浦
清一君 一番最近の休航の申請を出したのは二十九年の十一月八日です、これは離島航路
整備
法の第七条によって申請が出ておる。これは許可されておる。それから三十一年十月一日になっても、そのままでは気が済まないので、さらに海上運送法に基いてまた休航の許可を出しておる。だから、問題の判断が、一番重点的なことは、海上運送法なり離島航路
整備
法なりに基いて、そして旅客定期航路
事業
というものが、一つの航路をさしておるのか、全体の
事業
をさしておるのかという
法律
に対する判断が、これが問題の一番基礎になると思う。私が想像するところは、もし行政官庁が親切に指導するならば、その三十一年の五月に東海汽船から新しい申請を出してきたときに、これは新しい新免の申請を出さなくてもよろしい。今まで休航するという一つの線の、一つの航路の休航を許可してあるのであるから、これは再開の許可申請を出せばいい、こう指導すれば、審議会にかけなくても、
運輸大臣
が行政権限によってこれを許可することができる。ところが想像するところ、そのころになって一つの政治的な圧力がかかっているのではないかと想像されるから、政治問題として私は質問しておる。で、それを一つ簡潔にお答えを願いたいので十が、幾つもの航路に就航しておる一つの
事業
者が、海上運送法による
事業
者と称するものは一つの航路をさしているのか、あるいは全体の定期旅客の
事業
をさしているのか、その法的な判断を一つお聞かせを願いたいと思います。
粟澤一男
69
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 御質問の趣旨がよくわかりかねるのですが、
事業
者といった場合には、当該
事業
を営んでおる全体をさしていうものと了解いたしております。
天田勝正
70
○
委員長
(
天田勝正
君) 質問に全然答えていないよ。それでは
委員会
の進行がストップするのです。私から注意申し上げますが、杉浦
委員
のおっしゃるのは、一たん許可した航路を休航願を出してこれが認可されておる、休航なんであるから、当然に
法律
に基いて再開の申請をすればいいのであって、そうすれば、役所側が誤まって新免の許可を出したならば、それは誤まりであって、再開の許可を求めればよろしいのだと、こういうふうに教えればよろしいのだ、これが行政上の親切な処置であると思うのですけれども、そういう場合でも、全部、休航というのが即営業を返上したという形と同じに一体扱うのかどうか、こう聞いておるのです。
粟澤一男
71
○
政府委員
(
粟澤
一男君) まことに申しわけございません。補足いたします。ただいま御指摘の点につきましては、
松浦
先生から仰せがありました
通り
、二十九年の十二月九日に、それまで東京−大島−熱海という線をやっておりましたのが——毎週土曜日にやっておったわけでございますが——そのほかに東京−大島−下田という線がございまして、これは土曜はやっておらなかったわけです。そこへ大島−熱海間の土曜日の便を持って参りまして、従いまして、大島−熱海間はそれからやめになったわけです、こういう事実でございます。従いましてこの場合には、大島−熱海間の方を変更いたしまして、
事業
計画
変更の認可を受けて変更いたしておるわけであります。従って、私どもの今までの取扱い上も、解釈上も、大体大島−熱海聞というものは、そのときすでに大島−下田の方へ持っていったと、こういう見解をとっております。従いましてお話の三十一年の五月にその線を始めるという場合には、
理由
はいろいろございますが、その線は新規免許という形でお出しになっても一向差しつかえない、こういう解釈をとりまして、新規免許の申請を受け付けたわけであります。
松浦清一
72
○
松浦
清一君 それは、去年の十月二十九日に出した再開申請の書類は一体どういう扱いをされたのですか。
粟澤一男
73
○
政府委員
(
粟澤
一男君) これは、せっかくお持ちいただきましたので、いろいろ検討をいたしてみたわけでございますが、大体内容を見ましても、ただいま申し上げましたように、大島−熱海間にはすでに航路もなし、また、現在やっております大島−下田間の、これは毎日一
往復
ずつやっておりますが、それを熱海の方に変更いたしまして、大島−熱海間を毎日一
往復
ずつやる、それから大島−下田間も毎日一
往復
ずつやるということでございます。先ほど申し上げましたように、今までの取扱いから見ましても、こういう場合には、変更ということよりも、むしろ新しく大島−熱海間を新規に免許申請をするという方が実態にも近い、こう考えております。
松浦清一
74
○
松浦
清一君 どうして新規の許可をしなければならぬのですか。前に休航をするときに、認可を与えておいて、今度再開するときに再開の手続をとればいいのでしょう。
粟澤一男
75
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 前の分が先ほど申し上げましたように
計画
変更の認可をとっておりまして、休止という手続がないものでございますから、従いまして、大島−熱海間を大島−下田間に変更して持っていった、こういう格好になっております。それから二十九年の十二月でございますから、もうすでに三年余りたつておるわけでございます。普通休止の場合には、
法律
でも一年以内の休止期間というようなことがきめてございます。大体期間から見ましても、現在としては新規免許の方が適当ではないか、こういうふうに考えます。
松浦清一
76
○
松浦
清一君 それは、一体休航するということは、手続の
法律
用語からいえば、私の了解によると、
事業
計画
の変更なんですよ。休航するということは、公法としての
法律
用語からいえば、
事業
計画
の変更なんです。これを新免と同一に扱うということは、一体どこの何法の何条にそういう
規定
があるのですか。
粟澤一男
77
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 休止と
事業
計画
の変更は、
法律
でもはっきり分けて条文で
規定
いたしております。それから先ほども再々申し上げました
通り
、その当時、大島−熱海というものを大島−下田の方へ持っていった、こういうふうに了解いたしております。
松浦清一
78
○
松浦
清一君 それでは、ずばりと一つお答えを願いたいわけですが、いろいろの航路を持っている
事業
者が一つの航路の
計画
の変更をするということを、海上運送法でいう一つの
事業
者というのですか。海上運送法の第十五条によりますと「旅客定期航路
事業
者は、その
事業
を休止し、又は廃止しようとするときは、省令の定める手続により、
運輸大臣
の許可を受けなければならない。」、そうしてこの場合には、運輸審議会にかけなければならぬ、こういうことなんですよ。東海汽船株式会社が全面的に一たん許可を受けている
事業
を廃止をしよう、休止をしよう、こういうことで届出をしたときには、これは運輸審議会にかけなければならぬ。あなたの方の理解では、一つの航路の変更でも、単なる
事業
計画
の変更と理解しないでやはり
事業
と見るわけですか。
事業
全体と見るわけですか。とんでもないことだと私は思うのですよ。
粟澤一男
79
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 先ほど言葉が足りませんであるいは不十分だったかと思いますが、海上運送法では、
事業
は、免許を受けました航路ごとに
事業
という概念で行われております。従いまして、先ほど申し上げましたのは、
事業
者という場合には、一つ一つの
事業
でなくて、その当該の者をいっている、こういうことを申し上げたつもりでございます。
事業
は免許を受けました各航路ごとにやっております。従いまして今の十五条の問題につきましては、免許を受けた一航路を休止するという場合に、
事業
の休止の申請をするわけでございます。
松浦清一
80
○
松浦
清一君 そうすると熱海と大島間の航路は、
事業
者とは見ないわけでしょう。端的にそうでしょう。そうすると、その航路を休止するという手続は、あくまでも休止の、休航の手続ですね。
法律
用語でいえば、
事業
計画
の変更届をしたわけでしょう。それに対して認可を与えたのだ、ところが、それに対して、再開の申請が出る前に、会社の方はこれを先に出せばよかったと思うのだ、しかし、新免の認可申請と同じものを出したわけですね。そのときに行政官庁は親切にこれを取り扱えば、お宅は休航手続をして認可をしているのだから、今度は再開の申請をすればよろしい、こういうふうに教えて、そうして
運輸大臣
の行政権限によって、許可を与えればよかったわけです。その辺のところから、どっちからか政治的な動きが出てきたから、もたもた免許を延ばしてきて、そうして運輸審議会にかけて云々しているというのが実態なんでしょう、この問題の。そうでしょう。
粟澤一男
81
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 五月二十一日に新規免許の申請をいたしておりますが、そのときに政治的な問題があって特別の考慮でそれを受け付けたというのは事実でございません。
松浦清一
82
○
松浦
清一君 そうすると役所の方ではもう、東海汽船株式会社は、熱海−大島間の航路は放棄したものだという理解に基いているのですか、放棄しておったものだと理解しておるわけですか。
粟澤一男
83
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 放棄という言葉が適当であるかどうか…−。
天田勝正
84
○
委員長
(
天田勝正
君)
法律
解釈ですから、すべてきちっとなさいよ。
粟澤一男
85
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 当局としましては、航路がないと、こういうふうに考えているわけであります。
松浦清一
86
○
松浦
清一君 なかなかそれは答弁できないでしょうよ。それなら私は大へんなあなたの方は間違いを犯していると思う。大へんな間違いを犯していると思う。熱海−大島航路はもうすでに廃止をしているのだという理解に基くなら、何のために、三十年の六月三十日にこの会社から運賃改訂の申請をしておるが、そのときに熱海−大島間の航路の運賃についても、申請しないのにどうして許可したのですか、ないものをどうして許可したのですか。
粟澤一男
87
○
政府委員
(
粟澤
一男君) その事実がございますのですか、これは私ども考えますのに、申しわけございませんが、誤謬だと思います。
松浦清一
88
○
松浦
清一君 それはいろいろな政治問題が今起ってきたので、そういうふうなことをおっしゃるけれども、運賃改訂の申請に対して許可を与えた当時は、まだこの航路権は東海汽船株式会社に生きているものとの理解に基いておらなかったものに許可するはずがないですが、運賃改訂の許可をしている。そんなばかなことはありませんよ。私はめったに
委員会
で発言しませんけれども、言い出したらやりますよ。そんなばかな話はありますか、答えて下さい。
粟澤一男
89
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 手続上の誤謬は非常に申しわけないと思いますが、政治的な配慮で特別にこれを取り扱ったという事実はございません。
松浦清一
90
○
松浦
清一君 そんなら、このときの運賃改訂の許可をされたということは間違いですか。
粟澤一男
91
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 実際、航路を
実施
しておりませんし、すでに航路権もないというところに運賃認可をいたしているのは間違いでございます。
松浦清一
92
○
松浦
清一君
運輸大臣
、そういう、行政庁の長として、間違いは一体どうなさるのです。
中村三之丞
93
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) これは適当に私も
調査
をしなければ、今ここでどうしようということは申し上げられませんが、過去の経過を私も研究いたしたいと思います。
松浦清一
94
○
松浦
清一君 今この
委員会
で問題になるまで、運輸省の事務当局はこれをお気づきにならなかったのですか。
粟澤一男
95
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 運賃認可の問題につきましては、気がつきませんでした。
松浦清一
96
○
松浦
清一君 それは、海運
局長
のようないい人を私ここできゅうきゅう言わせるということは目的じゃないのですよ。これは政治的な圧力がかかったことはないとあなたはおっしゃるけれども、これは必ずある。これは私は調べ上げますよ。運輸審議会へかけぬでもいいものを審議会にかけて、そうしてもたもたしている間に何かの手を打とう、こういう、悪い言葉でいえば、陰謀、悪い言葉であれば、政治力か、経済力か、何かの圧力がかかっていることは間違いないのだ。そういう行脚のやり方は、そういう政治問題を起すような行政のやり方というものに対しては、私はどうも得心がいかぬ。運輸審議会から引き下げて、認可を与えた休航の再開、つまり昨年の十月二十九日付で出した再開申請に対して許可をしてもらいたい、こういうことを私は申し上げているのです。 それからもう一つ、大体名前を言っては悪いのですけれども、伊豆箱根鉄道が申請をしている船の内容などというものは、これはとんでもない話、これは当りまえだったら直ちに却下をしなければならぬ船だ。東海汽船から出している申請書の主要
船舶
を調べてみましたが、千八百トンの橘丸、船令二十一年。淡路丸、船令八年、千二百トン。菊丸、船令二十六年、八百トン。あけぼの丸、四百トン、船令十年、二十六年もたっている船が新しいとは言えないが、大体耐航の線である。ところが、伊豆箱根鉄道から三十一年五月二十三日付で出した、一番
最初
に出した船は、たった九十九トンの第十二龍宮丸という船だ。九十九トンの船で、熱海−大島間の航路に就航させられる型の船でないことは、これはしろうと考えに考えてもわかる。これはいかぬというようなことを事務当局で言われたものか、九州商船が長福丸という五百二十六トン、船令三十二年に達する船、これは九州の五島
方面
の客を積んで運ぶには古過ぎるという船で、楓丸という代船を
建造
してこの船を廃船にしようとしているやつを、約四千万円で伊豆箱根鉄道が買ってきて、しからば、この船を使うから、と言って申請を出した、南海丸の事件、紫雲丸の事件、たび重なる海難事故というものは、いろいろの事由はあるのでしょう、第五北川丸は御
承知
の
通り
四百トン足らずの船令三十二年の木造船であってこの間の南海丸は、関西汽船と競争をして、船客を吸収するために、水深の浅いトップ・ヘビーな船を作って、そして客の吸収にきゅうきゅうとしておった。そのために、南海丸の事件の沈没の
原因
というものが、海難審判の結果を待たなければわからぬとしても、とにかく、トップ・ヘビーで突風に耐えられない船型であったことは、天下周知の事実なんです。そういうことがひんぴんとして起って、われわれが究明をするたびに、再びこういうことは繰り返さないということを運輸当局を初め
運輸大臣
がしばしば言明をされているにかかわらず、三十二年もたっている、よその会社がもう係船をしようというようなボロ船を買ってきて、そして申請を出している、何事ですこれは。
運輸大臣
、こんなことでいいのですか。
中村三之丞
97
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) この二つの汽船会社の詳細なことについては、私は存じません。これは私ほんとうに存じませんのです。知ったかぶりいたしません。しかし、私のところに来ますのは、運輸審議会からの答申をつけて、事務次官、政務次官を経て、最後に私のところに来るのでありますから、私はそういう事実があれば、これは私として最後の判断を下して決定しなければなりませんが、今のお話のことは、私はその船のことについては、不幸にして知っておりません。しかし、それは事実であるか、よく調べてみましょう。現在のところ私は存じません。
松浦清一
98
○
松浦
清一君 それならば簡単に私聞きますから。よその船会社が、もう客を積んで運ぶのには非常に不安定な船であるという、そういうボロ船を買ってきて、そうして大島と熱海の間に就航させるということが妥当であるかどうかということについての
運輸大臣
の見解をお聞きしたい。
中村三之丞
99
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) それは
船舶
局が
船舶
の検査をするだろうと私は思います。しかし、その検査の結果、そういうものが、事実があがれば、これはそういう所に就航は私は許可しないだろうと思うのです。決して、どんな船だって通るとは私は考えません。
船舶
検査の過程は経なければならないと思います。
松浦清一
100
○
松浦
清一君
船舶
検査、
船舶
検査といいますけれども、南海丸でも検査は通っているのですよ。北川丸も検査を通っているのですよ。しかし、これらの船が、北川丸が古過ぎたから沈没したのだと、私は、その
原因
のすべてが古過ぎたからだとは私は申し上げない。しかし、第五北川丸がもし鋼船であったならば、岩礁に乗り上げても直ちに沈没するというようなことはなかったであろうと、私はいささか船に経験を持つので、私はなかったかもしれないと思うのです。南海丸の検査は通ったけれども、あのようなトップ・ヘビーのおいらん船でなかったならば、あの風のために沈没するというようなことはなかったかもしれないと私は思うのです。だから、船体検査の規格についても考え直さなければならぬということは、この前の
委員会
で質問をした人も尋ねておるし、あなたもそのように答えておる。検査を待つまでもなく、よその会社も使えないといって代船
建造
をしておるボロ船なんだから、検査をする前に、判断をしてみればわかることなんですよ。そんな船は適当だと思いますか、適当でないと思いますか、
大臣
の見解はどうですか。
中村三之丞
101
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) だから、それはもう船令の古い老朽船が適当でないということは、これはいかに熱海−大島の短距離といえども、どんな風が吹くかしれません。これは人命尊重の上において、私は
船舶
検査の結果がその
基準
に合わないものならば、それは就航をさすべきものでないと思います。
中村正雄
102
○
中村
正雄
君 ちょっと
大臣
に手続のことについて。私はあるいは知らないからこういう解釈をするかもわからないのですが、今までの
大臣
の御答弁によると、
業者
から申請が出ているらしいけれども、自分はまだ知らない、運輸審議会から一応回って自分のところに来るわけであって、それまではわからない、こういう御答弁があったのですが、海運
関係
は私は存じませんが、運輸審議会は
大臣
の諮問機関であって、
大臣
が一たん書類に決裁して、これは運輸審議会に諮問すべきだと判断して、
運輸大臣
の方から私は運輸審議会に諮問する、こういう手続になっておると思うのですが、もし、運輸審議会に直接
業者
あるいは地方機関から行って、審議会から
大臣
の方に書類が回ってくる、こういうような御答弁だと思うのですが、どちらがほんとうなんですか。
中村三之丞
103
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 現在の
実情
は、たとえばいろいろの申請書が、
船舶
局なら
船舶
局や鉄道監督局ですか、それから
自動車
局、そういうものが、事務当局が検討します、そうしてそれが運輸審議会へ行く、運輸審議会が私どもの方へ答申で、この願いは、あるいは申請は適正である、あるいは却下すべきものである、というときに、私どもの方に実は最後にやってくるのでございます。そうしてそのときに、私が、よければ私がそれを許可をいたします。いかぬ場合は、私はそれに再検討を命ずることもございますが、最後に実は私どものところに回ってくる、これが
実情
で、私は隠しもいたしません。
中村正雄
104
○
中村
正雄
君 私のお聞きしているのは、これは運輸省内部の事務手続は、
大臣
がどういうふうにされるか、これは
大臣
の自由にできるわけです。いわゆる
大臣
が決裁をしなくて課長に決裁権を与えようと、
局長
に与えようと、御自由でありますが、現在の法規の建前からいえば、運輸審議会は
大臣
の諮問機関であって、諮問するかどうかは法規によって
大臣
が決定すると、こうなっていると思うのです。従って、
大臣
が運輸審議会に、こういう願いがあるが、一応意見を聞きたいと、こういう正式な決裁を経て運輸審議会に回すように私はなっていると思うのです。従って、
大臣
が、運輸審議会から回ってこないから私は内容を知らないということは、内部においては言えるかもしれないが、国会でそういう答弁をされることは私は納得できない。この点はどうなっているか。特に今の
中村
運輸大臣
は、今まで
局長
に軽微
事項
としてまかしておった事件も、これはまかし切れないで、おれが全部見るのだと言ってあなたが見られて、事務が渋滞しているという
状態
なんです。その
大臣
から今のような答弁を聞くのは納得できないので、この点はっきりさしていただきたい。
中村三之丞
105
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) 私は現存の事務当局から私の方に持ってきている事実を申し上げているのでございまして、たとえば、今まで
局長
代決になっておったものを私まで持ってきてくれということを言うたことは事実です。しかし、私が見まして適当なものは許可をいたして、不適当なものは再
調査
を命じているので、決して事務能率の渋滞は来たしておりません。しかし、私鉄運賃の申請なんというものは、これはストップしてもらいたいということで、その意味で事務が渋滞しているということにあるいはなるかもしれませんが、私はああいう問題は、私鉄の運賃のストップは政策上やむを得ずストップさしているわけでございます。その点からいえば、あるいは事務渋滞かもわかりません。しかし、大きな政策の上からいってこれはやむを得ない事態であると思っております。運輸審議会から来るのは、私は
法律
につきましては、いろいろ御意見のあった、また解釈上そうなるとおっしゃるかもしれませんが、実際の
状態
は、私の方に最後に来ているわけなんです。私は現在の形のまま申し上げたわけであります。新規のこの免許とかいうような場合は、これは事務当局から私の方へ、運輸審議会がこれは免許するのが適当と認めるという書類が参りまして、これを私は判断して原局に渡しているわけでございます。これは事実を申し上げているわけであります。
中村正雄
106
○
中村
正雄
君 いや、私は私鉄の運賃のことを聞いているわけじゃないのであって、いわゆる現在の
道路
運送法その他の運輸審議会の権限に
関係
します問題につきまして、運輸審議会に諮問するのは
大臣
がするのか、あるいは
局長
がするのかということになれば、やはり
運輸大臣
がする、こうなっているのだから、内部において
大臣
が知る、知らないは、これは御自由に言われてもいいけれども、国会でおれは知らないということが、私は
大臣
の答弁として言えるかどうかという、この点をお尋ねしたのです。
中村三之丞
107
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) それは
法律
ではそうなっております。しかし、内部の事務手続では、私が今申しましたような手続になっているのでありますから、現在のいろいろな問題の事務処理の過程においては、私は詳しいことは存じません。そうして最後に、運輸審議会がこれを適当と認めるか、適当と認めないかというときに、事務次官、政務次官、それから私の方に来まして私はその
説明
を最後に求め、そうしてその
説明
がいいか、悪いか、書類を点検して、最後に私が署名をすべきか否かを私は判断しているのでありまして、それは
法律
には、確かにおっしゃる
通り
、そう書いてあるが、実際の内部においてはそういうふうになっているということを、手続を私は申し上げただけでございます。
柴谷要
108
○柴谷要君 熱海−大島の航路の
新設
の問題について、
業者
から新免許が出ているわけですが、その扱いを
局長
は
大臣
にどのように復命して、そうして運輸審議会に諮問したか、その当時の経緯を一つ話してくれませんか。
粟澤一男
109
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 期日等ははっきり覚えておりませんが、書類を持ちませんで、口頭でこういうことがあるということを御
報告
申し上げました。それから運輸審議会には、先ほど申し上げましたように、昨年の十二月二十七日に諮問をいたしております。なお、補足いたしますが、運輸審議会に諮って意見を聞かなけはばならぬということは、海上運送法の
法律
に
規定
してございます。
松浦清一
110
○
松浦
清一君 それはですね、あなたの解釈の間違いがあるんですよ。さっき三十年に運賃の変更申請をしたのは間違いであったと言ったのですけれども、そのときのあなたの理解は、これは休航しているのだ、休航しているのだという
理由
に基いて運賃変更の許可を与えている。間違いないでしょう。ところが、休航の許可申請に対して許可を与えておったんだから、航路再開を運輸審議会に諮らずして、
運輸大臣
の行政権限によって認可を与えらるべきはずであったものが、それを直ちに与えないで、運輸審議会に持っていってもたもたさせている、こういうのが実態なんですよ、この問題の。だから、今までのことは、それはそういうことを言ってみたところでどうにもしようがない。これからもう一ぺん運賃の変更の申請を許可した当時の心境に返ったら、昨年の十月二十九日に出した再開の許可申請に対して、
運輸大臣
が認可を与えられるはずですから、離島航路
整備
法の第七条——その書類をもう一ぺん見直してもらうと今までの経過というものが書いてあります。こういう
理由
で、休航の申請を出して許可された。そしてまた再開をして、また休航した。今度は再開をしたいのだ、こういう申請になっておりますよ。それならば海上運送法、離島航路
整備
法に基いて
運輸大臣
で認可ができるはずなんです。そこへ問題を戻してもらいたいということを僕は言っている。そうすれば間違いはない。(「それができるかどうか」と呼ぶ者あり)
天田勝正
111
○
委員長
(
天田勝正
君) 答弁がありますか。
粟澤一男
112
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 実際上の取扱いを申し上げますと、
本件
のような競願になった場合には、一方が
計画
変更であり、一方が新規の免許申請でございました場合にも、運輸省としては、一応運輸審議会に新規の分を諮問いたしまして、それからなお同様の路線に
計画
変更の申請が出ておりますということを詳細に
説明
いたしまして、大体今までの取扱い
方法
といたしましては、運輸審議会の結論を待って行政処分をする、こういう取扱いにいたしております。
松浦清一
113
○
松浦
清一君 海上運送法の第十一条は、
運航
計画
についての変更に対しての許可申請のことが定められておる。これは航路
計画
の変更届に対しては、運輸審議会にかけなくても、
運輸大臣
が認可できるはずです。それと再開の認可申請に対しても
運輸大臣
が認可ができるはずなんです。間違いないでしょう。そういう間違いのない筋を通ればこういう問題は起らない。間違って横道にそれるから問題が起る。だから、私は今ここで、おそらく海運
局長
、
運輸大臣
やはり相談なさる必要があると思うから即答を求めません。よく一つ相談して下さい。腹をくくって相談して下さい。それで私は打ち切っておきますから……、この次でもその次でもよろしいですから……。
天田勝正
114
○
委員長
(
天田勝正
君)
松浦
君は答弁を追及しないというのですけれども、しかし、
法律
上の問題なんですから、今ある
法律
なんですから、今即答ができるはずです。
松浦清一
115
○
松浦
清一君 それは今即答せぬでもいいです。よく相談して下さい。あまり無理をしちやいけませんよ。
天田勝正
116
○
委員長
(
天田勝正
君) では、私は議事の進行上注意申し上げておきますが、ここに至るには、もし運輸省の解釈をそのまま通すとするならば、誤まりがあったということを認めざるを得ないということになる。それは仮定の話ですけれども、もしそういう場合に、一体だれが責任をとるんですか、それだけ聞いておきます。だれが責任をとるか、これはどうなんです。
中村三之丞
117
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) それは一応
実情
を調べて、責任の所在がどこにあるか、私どもが判断してみなければならぬので、今私がここでだれに責任があると申し上げることは差し控えたいと思います。
天田勝正
118
○
委員長
(
天田勝正
君) それは、はっきり間違いであったということを
局長
は答えておるんですよ、明瞭に。もう調べる必要はないことなんで、だから、仮定であっても言い得る。それでだれに一体責任があるんだと、こう言う。
粟澤一男
119
○
政府委員
(
粟澤
一男君) 事務当局としては私だと思います。
天田勝正
120
○
委員長
(
天田勝正
君) 許可権限は
大臣
にある。あなたにないですよ。そういうことを言うから議事が進行しない。自分の権限もありもしないものを。そううぬぼれてはいけませんよ。まあこの
程度
にいたしておきます、きょうは。
—————————————
天田勝正
121
○
委員長
(
天田勝正
君) 次に、南極探険船宗谷の現況につきまして、
政府
より発言を求められております。これを許可いたします。
島居辰次郎
122
○
政府委員
(
島居辰次郎
君) 宗谷につきましては、皆様に御心配をかけておりますので、その後の行動につきまして
現地
から逐次
報告
があるのでございますが、その要点をかいつまんで
説明
させていただきます。お手元に宗谷航跡図というのが配付してございますので、それをごらんいただければけっこうと存ずるのであります。 その後、宗谷はバートン・アイランド号と一緒になりまして、そこに書いてございますリュッツォフ・ホルム湾のまん中辺にございますオングル島から西北西六十八海里の所でとまりまして、これ以上はパートン・アイランド号の能力をもってしてもオングル島の方へ近づけないというので、ここからあるいは氷上
輸送
とか、あるいは
航空機
による
輸送
、こういうものを考えましていろいろ手を尽したのでございますが、
現地
の
状況
というものは、大体一日に十センチばかり結氷して参りますような
状況
でございますし、あまり猶予ができない、こういうふうな
状況
になりましたので、二月の十四日の
現地
時間の十八時二十分にそこを離岸することになりました。つきましては、第一次越冬隊の十一人と、犬九匹というものを連れまして、ここから第二次越冬隊あるいは荷物を
輸送
するということは断念しまして、また新しい接岸地を求めまして東北東の方に元来た道を帰っていったのであります。その間、天候の不良もございましたし、また来たときの道はすでにもう閉されておったりいたしまして、わずかなるリードを深したり、あるいは爆破作業をしまして、非常に苦難なる道を帰っていったのでありますが、その一日には、バートン・アイランド号が突っ込んでいった氷原に船首をはさまれまして、それが抜けなくなって、宗谷があとからワイヤー・ロープでこれを引き戻したのでありますが、そのワイヤー・ロープが切れてしまうと、こういうふうな非常に困難なる
状況
で、前の方を爆破してやっとバートン・アイランドも脱出した、こういうふうな
状況
であります。また、十六日の
現地
時間十八時三十分ごろには、氷厚を連ねておりましたリードに横たわる幅約千
メーター
の氷域をバートン・アイランドに追随して宗谷が前進中、前の氷からあとの方へ引き戻すそのときに激震をやりまして、そうしてかじの面に多少故障を起したというふうな非常に苦難な道をたどっておるのであります。しかしながら、航行には別に差しつかえがないようであります。その後、水量の九ないし六ぐらいの氷海を北の方に進みまして、その航跡図には赤いペンでしるしてございますが、十七日の十四時二十五分にオングル島の北北西の六十八海里の地点で外洋にようやく脱出することができたのであります。そうして十八日の午前零時、日本時間にいたしますとけさの六時でありますが、それにはオングル島の北の方七十二海里の所でなお行動しておるようなわけでございます。そうして今後の行動といたしますと、宗谷は現在のその位置から西の方を
調査
して、そうして進入水路があるかどうか。また、オングル島へなるべく越冬隊を置くには空輸よりほかにないのでありますので、その飛行機の離陸するに適当なる氷原があるかどうか。そして東の方には、バートン・アイランドが受け持ちまして、その進入水路並びに飛行機の離陸するような場所があるかどうかということを手分けして
調査
しておるような次第であります。それは本日その
調査
に入っておるようでございますが、
現地
の
計画
によりますと、大体第二次越冬隊をできるだけ縮小いたしまして、八名くらいに編成してそしてそれを空輸して
現地
にやろう、こういうことを言ってきているのが最も新しい
報告
でございます。 以上、大体その後の
状況
の要点をかいつまんで
説明
させていただきました。
天田勝正
123
○
委員長
(
天田勝正
君) ただいまの
報告
に対して質疑がございますか。
岩間正男
124
○
岩間
正男君 私は、まあこれに対しまして二、三点の基本的な問題だけ伺っておきたいのですが、大体目的をこれは十分に達することができないという、非常に残念な
状態
に陥ったわけです。これについて、一体この
原因
、こういうものをどういうふうに把握しておられるのか。今後のこれは打開策として、これらのいろいろな困難な諸条件を克服しなければならないと、こういうふうに考えるわけでありますが、そういう点から
最初
の
計画
と、それからいろいろ天候の問題なんかも出たんでありますが、その他いろいろな設営のやり方、それから準備の仕方、それと関連して当然これは予算の問題が出てくると思うのですが、そういう点を総合していろいろ今度の芳ばしくない結果が招来されたその
原因
についてお伺いしたいと思う。
島居辰次郎
125
○
政府委員
(
島居辰次郎
君) 御存じのように、南極という所はなかなか困難な所でございまして、そうしてまたその資料と申しましても、この間申しましたロス海の方とかウェッデル海の方の資料はあるのでありますが、このリュッツォフ・ホルム湾に関しましては、何らその資料がないのであります。そこで、われわれの方といたしますと、一昨々年、ここへ参る前の年に松本船長、山本航海長、それから重松機関長、この三人を捕鯨船に乗せまして、前
調査
にこの沖の方までやったんであります。そのときの松本船長の
報告
によりますと、宗谷でも何とか行けるかもしれませんと、それはどの国も行ったことがない所なんでなかなかわからないのでありますが、行けるかもしれないと、やってみましょうと、こういう
報告
であった、結論だけ申しますと。そこで、私どもはそれを信じまして、宗谷に時間の許す限りできるだけの改装を施しまして出したようなわけであります。 そこで、天候の
状況
でございますが、おとどしの
状況
はかように何とか行けるであろうと、こういうような
状況
なんであります。去年は非常に天候がよかったかと思いますが、そういうような
状況
と多少の差はあるにせよ、大した差はなかったかと思うのであります。ところが、本年の
状況
は、去年とはまた格段の差がございまして、水温、気温、風の方向などずっと統計をとっておりますが、全く比較にならぬほど、たとえば気温の例をあげますと、去年は一月の末約一週間というものはプラスだったのでありますが、ことしは全然プラスのときがなくて、まあ二度ばかりあったかと思うのであります。水温がまた去年は気温におくれまして、二月の初旬、一日から八日ごろ、九日ちょっと下りまして十日ごろまでプラスぜったのでありますが、ことしはずっとマイナスの一・五度または六度の辺を前後しておるようなわけでございまして、非常に違うと。それから風の
状況
を申しますと、これは気象
関係
でございますが、去年は
割合
南の風が多くて——少し横道になりますが、非常にヘリコプターを飛ばして偵察ができた。われわれといたしましては、あまりヘリコプターを飛ばし過ぎるので、あまりいわゆるうちょうてんになってくれては困ると、もう少し慎重にやらぬと、もしものことがあったら困るというので、ヘリコプターを押えようかと思ったほどであります。ところが、本年は非常に天候が悪くて、東北東または東の風が多い。また曇り、それから雪と、こういうので、なかなかヘリコプターの飛ぶ機会が少かったようであります。この二、三日ちょっといいので、水路
状況
の
調査
をやっておるようでありますが、こういう一、二の現象的な例をあげましても、去年とは格段に気象
状況
が悪いのであります。また、ほかの例をあげますと、この間も
説明
させていただいたと思いますが、各国の砕氷船、ベルギーが二隻、モーソン基地におる豪州の砕氷船が一隻、また、アメリカのウエストウインド、いう砕氷艦が一隻、みなそれぞれ氷に閉ざされておって、南極一の能力を誇っているグレーシャー号でさえスクリューの翼に故障を起してニュージーランドで修理しておる。その他の米国の砕氷艦も、今宗谷の所に来ているバートン・アイランド号が無事ぐらいで、あとはみな傷ついておると、こういうような
状況
で、非常に悪い
状況
なのであります。こういう
状況
から宗谷また去年のごとくスムーズにはいかなかったと、こういうふうな
状況
もあるかと思うのであります。そこで、この地図で御
説明
をさせていただきましたように、バートン・アイランド号の三
メーター
六の砕氷能力の船でさえ、あの地点よりオングル島の方へは近づけなかったというような
状況
もありますので、非常に去年に比べて天候が、天候というか、気象
状況
が悪いということが言えるのであります。しかしながら、しからば、ことしの天候が普通であって、去年のが特別によかったのかどうかということは、これはまだ資料が三
年間
ぐらいしかございませんので、何とも、どっちが普通であるかということは言えないのでございますが、ことしだけ言いますと、去年より非常に悪く、ですからまた、前にも申し上げたと思うのでありますが、たとえば基地によりましては非常に
状況
が違うのであります。そのオングル島のある付近は暖流が距岸千二百海里の所を通っておりますが、反対側のロス海の所は距岸八百海里の所を通っておると、こういうふうな
状況
で、その暖流による
現地
に及ぼすいろいろな気象
状況
が非常に悪く、だから、まあ端的に申しますと、オングル島にある
昭和
基地という所があまりまあ行くにしてはやさしい所ではないということも言えるかと思うのであります。こういうふうないろいろな面がございますので、どういうところに
原因
があるかと言いますと、これは一つではないのでありまして、いろいろの各
方面
の
状況
から今年まあスムーズにいかなかったということになったのではないかと思うのであります。
岩間正男
126
○
岩間
正男君 最もまあ未知の要素をたくさん持っておる、それに南極のことでありますから、従って、また探検ということは必要であるのでありますから、われわれはこの完璧を望むということは、これは言っても不可能な面があるということは一応了承できる。だが、それにしても、今のお話によれば、今にして思えば、オングル島付近はどうもあまり適当でなかったというようなことを、これはとにかく責任者の一人である島居長官から今われわれが聞くと、こういう形で実は探検が進められている、
調査
が進められているところに問題がある。やはり事前の研究、資料がないからということなんですが、非常にやっぱり不十分な面があるのです。これに対する一体万般の準備が整ったのかどうか。ことに、未知の海で、三年分の資料しかないというのに、昨年だけのことを頭に描いて今度の準備が進められて、昨年よりもややましの態勢をとったから、これは何とか突破できるだろう、非常な冒険ですね。こういう点で私はいろいろお聞きしなければならない問題があると思うのですが、今日は時間の
関係
もありますから、総合的に最後に、ちょっと調べていただきたい。世界各国でいろいろな
調査
をやっている、これに対して、いろいろな今までの設営のやり方も、
情報
としてはあなたたち、つかんでおられると思うのです。どういうふうな一体船を使ったか、何人の一体探検隊を出しておるか、それからそのとき持って行っている一体いろいろな用具のようなもの、そういうものはどういう
程度
まで準備しておるか、それに伴う一体予算の裏づけ、この点が非常に重要だと思うのだが、この裏づけは一体どういうふうになっておるか、そういう点から、つまり全体の、世界のこのたびの南極観測に対する全体の動きの中から、日本の立場というものをはっきりわれわれはっかんでみなければ、これは日本の問題を論ずることはできないと思うのです。それで何か新聞だけを見ているというと、日本の問題だけが、南極の中で大写しになって、しかも、あまり芳ばしくない形で、何カ月もこれはトップ記事で毎日毎日出る。そうして毎日々々やっぱりそのことをラジオは報道をしている。最後には越冬隊を送ることができないので、十五匹の犬が残るということで、あまり芳ばしくない。やはりこれは全体の視野からわれわれは科学的に検討するのでなければ、この問題を解決するために、私たちはあなたたちの一つの
計画
に助力することはできない、こういう観点からそういう点はどうでしょう。
島居辰次郎
127
○
政府委員
(
島居辰次郎
君) 多少誤解というと失礼でございますが、ございますので申し上げますが、この観測
事業
という——
事業
というのは観測の仕事です、観測の仕事というものは、これは文部省の方でおやりになるのでございまして、オングル島の場所も文部省の方つまり学術会議の方で、外国で会議があってそこできめられて、それを持ってこられて、そうして日本にどっか船はないかということをお探しになった。それから私の方が手をあげてやると言ったわけではないのでありまして、ほかに船がなくて、そうして海上
保安
庁にやってくれというようなことで、われわれはいわばそのあてがい扶持をこうむったわけです。ですからその辺も一つわれわれの身になってもらいたいと思うのです。ですから私の方としましては、それも出発の約一年足らず前にきめられまして、そうして持ち込まれたわけです。そうして私どもがその当時断わる、かりに断わったといたしますと、日本のためにもなりませんし、また、科学的の技術、観測の方ができなくなる、まあ私どもとしましては、それではできるだけこういうような
方法
でもしていかざるを得ないのではなかろうか、こういうようなことで、時間も一年しかございませんので、いわゆるその予算は別にして考えますと、新しい船を作るのにやはり二年半ばかりかかるわけでございます。そこで、現在ある船で、そうしていかにしてこの船を改造するか、当時の日本の情勢として、これを持っていくのにはどうしたらいいかということも非常にいろいろ各
方面
から研究し、またこれに乗り組ましていく乗組員につきましては、これまた日本の、ここに
松浦
先生もおられますが、全海員組合の方にもいろいろ諮り、また南極に行った捕鯨船の乗組員の人にも諮って、いろいろの見地からきめて行ったわけなんでございまして、われわれとしては、ほんとうに
精一
ぱいということを言わざるを得ないのでございます。そこで、しかしながら、オングル島の付近の資料といたしましては、先ほど申し上げたわけでございますが、南極全部の資料は、これはアメリカと英国と両版がありまして、古くからの資料でございますので、これもずいぶんあちこちと研究いたしますし、また、外国の資料もございまして、ほんとうにいろいろな準備は、私の方としてはできるだけやったようなわけであります。 なお、今の御質問でございました観測隊に関するいろいろな準備その他につきましては、これはその
方面
の
関係
の方から一つこの次の機会にでも——きょうおいでになっていないかと思いますから、御答弁さしていただきたいと思います。
岩間正男
128
○
岩間
正男君 今のお話をお聞きいたしますと、何か義理人情にからまれてやったというようなことですが、それじゃどうもやはり今日の結果が出てくるのは無理もないのじゃないかという感を私は深くしたわけであります。逆に成功すれば大へん
海上保安庁長官
のあるいは鼻が高かったのじゃないかと思われる節もあるのであります。それはあなたの立場としては、一応わかります。それは日本の今の科学に対する政策の問題なんですが、この点が非常に間に合せ的なものでやられている。それがまあ実際は船の調達を命じられて、そうしてなけなしのところから船を調達した苦しい気持はわかる。しかしまあ、これは
大臣
にも聞いていただきたいと思うのですが、これは日本の今のこういう問題に、科学に対する
政府
の態度にも非常に私は
関係
があると思うのですよ。これの予算の裏づけの面からいって、どれほど
政府
が熱を持ったか。民間の協力でなけなしの金を小学生、中学生からまで集めるという形でこれは行われている。そういう形で果してこれだけの大きな
事業
を一体やることができるかどうか、こういう点から、言いますと、今の運輸省の一部局の長官からお話があったのでありますけれども、もう少しやはりこれは
政府
としては本腰を入れなくちゃならないのじゃないか。科学陣の動員ももっとこれはさるべきだし、さらに、何よりも問題なのは、やはり予算の裏づけの問題じゃないかという点を非常に感ずるわけです。そういう点から私たちはお聞きをしているわけでありまして、むろん、これは一番責任の官庁は文部省だということでありますけれども、しかし、まあ相当運輸省としてもこれに力を入れて島居さんなんか、いつも記者会見のときなんか顔が出ているから、特にお聞きをしているのであります。ちょっと今のような形ではまずいと思う、答弁が。ですから、そういう点からできるだけの資料を私は要求したいと思います。これは何も文部省だから文部省で聞いてくれということじゃないと思う。文部省で聞き合せて、これは資料をそちらにもらってもいいと思う。全般的な
政府
のバック・アップが非常に私は足りなかったのじゃないかという点について、これは
大臣
の所見を伺っておきたい、いかがですか。
中村三之丞
129
○
国務大臣
(
中村三之丞
君) まあ、運輸省は船の問題の責任であるといって、観測のことはよそにまかすと、私はそんなことは申しません。これは
政府
全体としての科学の探査でございます。そこで、観測のことについては、私は実際知識は持ちませんから、ここに申し上げることは差し控えたいと思いますが、ところが、こちらが
努力
いたしました船のことでございます。私も昨年宗谷の改装を見に行きましたが、まあしろうとですけれども、あれだけ
努力
をされているのですから、これならば改装によって行けると思いましたが、しかし、今にしてみれば、外国のと比べれば、これは、私はどうも改装した船ですから、砕氷力においても、あるいはその他においても劣っておったと思います。これをもっと深く突き詰めていきますると、結局は予算の問題、経費の問題であるというふうになると思いまするが、しかし、今回のは、あるいは見方によっては失敗かもしれませんけれども、また一面の見方からすれば、これによって非常な貴重な経験を私は得たと思っております。ことに、前人未踏のあの氷海べ行くのでございますから、私はいい経験ができたと思います。のみならず、長官このごろなかなか熱心でございまして、時間ごとに私どもに
報告
をしてくれるのです。その点はどうぞ一つ御了承を願いたい。それらをいろいろ判断をしてみますると、本年は非常に氷状が悪い。ベルギーでも非常に困難を来たした。ベルギーでも困難を来たしても、何もこっちが成功すればいいのでございますけれども、そういう
状態
でございます。そういう氷状の悪い所へあの宗谷の性能をもってして向うまでよく行けたというふうに一つ寛大にごらんを願いたいと思いまするが、大局から見ては、どうも私はまだああいうものに対する経費のぶち込み方が足らぬと思います。その点は、仰せのように、もっと新造船の性能のいいのを持っていくというようなことをすればよかったのじゃないかと、今は思っておりますけれども、これは将来一つ、今の経験にかんがみて、最も確実な
方法
、確実な船で行けるようなことは、将来できれば日本の科学のために私は喜ばしいことだと思うております。
岩間正男
130
○
岩間
正男君 どういう形でもいいんですが、とにかく、先ほどお願いしたような資料を、当
委員会
としても何とかわれわれの手に渡るような処置を、
委員長
にこれはお願いしたいと思うんですが、これは長官、いかがですか。この点で、直接の主要な責任者でないということでなく、やはり船の問題もありますけれども、先ほど申しましたように、各国の比較したやつですな、そういうものをほしいと思う。これは成功しているところもあるわけなんですから。そういう形で一体、その
原因
を突き詰めるのは、私たちしろうとがやらなくてもいいようなものかもしれませんが、しかし、一番問題なのは、やはりこの予算の裏づけの問題が相当大きな私は要素になっておると思う。ほんとうに科学陣が自分の科学の力量を発揮することができるような態勢の一体予算が組まれておるのかどうか、この点は非常に疑問なきを得ない。疑問なきを得ないというより、結論がはっきり出ている。この点をわれわれとしましては、やはり論議の的にしてそうしてこの点を解決するのが当然われわれの任務だという点からお願いしているんですが、いかがでしょうか。
島居辰次郎
131
○
政府委員
(
島居辰次郎
君) 御依頼の資料を、さっそくその
方面
に当りまして、取りそろえて配付さしていただくことにいたします。
大倉精一
132
○
大倉精一
君 ちょっと関連して質問したのですが。
岩間
君の質問は予算の面からいろいろ御質問になったと思うのですが、これに関連して、今、長官の御答弁、それから
大臣
の御答弁を聞いておりますると、南極という非常に、何といいますか、極地へ行く態勢そのものができておったかどうかということについて、国民は若干の疑惑を持っておる。たとえば宗谷で向うへ出掛ける南極観測隊の指揮命令系統は一体どうなっておるのか、これはやっぱり大きな問題だろうと思う。ああいう極地へ行って大任を果すためには、いろんな困難にぶつかって、団結をしなければならぬ、あるいは忍ばなければならぬ、こういうことが大きな要素だと私は思うのですが、ここでお伺いすることでないかもしれませんけれども、その指揮命令という系統はどうなっておるのか、こういうことについて、これは万全を期しておったのかどうかということについて、
説明
が願えれば一つお伺いしたいと思う。
島居辰次郎
133
○
政府委員
(
島居辰次郎
君) ごもっともなことだと思っております。宗谷につきましては、これは海上
保安
庁の職員でございますので、船長がすべての
運航
の責任は持っておりますので、船長の
現場
における指揮権はあるわけであります。ほかの国におきましても、大体船の
運航
面、どこへ着けるかというようなことにつきましては、アメリカでもそうでありますが、大体において船長がその指揮権を持っておるようであります。それで観測隊に行く人は、そのお客さんで、いわゆる乗客で行くというのが普通の例であります。そこで観測される観測に行く人々と、それから宗谷の乗組員との
関係
は、これは具体的のものに当りまして、どこに着けて、どういう所にやるというようなことにつきましては、具体的のその接岸の、はんとうの具体的の場所というようなことにつきましては、船長と隊長とがよく協議してやる。幸いに船長と隊長と非常に緊密な連絡をしまして、仲よくやっておりますので、その
現場
におけるそごは、去年もございませんでしたし、ことしもないと信じております。また、中央におきましては、南極観測統合推進本部というものが文部省に設けられておりまして文部
大臣
が本部長をされておりますが、われわれは
委員
で行っていますが、この船の方の面と、文部省の方の面とはしょっちゅう連絡をとっております。ことに、近ごろではこういう重大ないろいろな時期に来ておりますので、毎日、当然でありますが、電話をかけ、あるいはこちらから行ったり、向うから来たりして緊密な連絡をとっておるような次第であります。
大倉精一
134
○
大倉精一
君 きょうは詳しく御質問申し上げるつもりじゃないのでありますが、今の答弁からいきますと、何らその機構上に支障のないような御答弁ですけれども、いろいろな解説を聞いたりあるいは書き物で見たりしますと、必ずしもそれがうまくいってない、こういうことが伝えられるわけなんです。これは私はもう少し
調査
をしてから質問したいと思うのでございますけれども、たとえば一例を申し上げますと、もうアメリカのバートン号ですか、あれが救援におもむくという、こういう場合に、いわゆる海上
保安
庁を
中心
とするこっちにいる人ですか、こういう人が直接交渉をし、その段取りをしておることが、肝心の
現地
の永田隊長以下の観測陣は全然これを知らなかった、こういうことも出ておるのですが、こういう事実はあったんですか。
島居辰次郎
135
○
政府委員
(
島居辰次郎
君) 外国船の援助を頼みますについては、いろいろの
方法
があるわけでございまして、たとえば世間の人が事実をよく御存じなくていろいろなことを言われるのでありますが、船の方はすぐおわかりと思いますが、たとえば、去年のオビ号のような場合は、これはエマージェンシーの場合でございまして、船から船にSOSなりスリーXを出すという場合は、船から船へ連絡する場合でございまして、何ら本国の
政府
なり、あるいはほかの機関が関与する余地はないのであります。ところが、今回の場合は、その場合と違いまして、氷海から脱出するのに手伝ってもらったり、あるいはいい基地を見つけるのに手伝ってもらうということの場合は、いわゆるSOSの場合とかスリーXの場合とは違うのでありまして、これはいわゆる援助でございます。これは、ですから向うとしても、必ずしも来なければならないということはないのでありまして、そこで、向うもそれぞれ任務がありまして、こちらからぜひ来てくれと言っても、なかなか用事がある場合には来れない。そこで、少くとも
現場
に来るには二週間くらいの余裕がなくちゃならぬというので、一月の初めごろからだんだんあの場合、氷原に閉ざされて、西へ西へと流されておりましたので、われわれもこれはおそらく自力で脱出するではあろうけれども、それがあまりおそく脱出いたしますと、本観測に非常に差しさわりがあるというようなことから、船長とも無電でしょっちゅう連絡いたしまして、少くとも二週間の余裕は要るから、前もってこちらへ言ってよこせ、こういうような連絡をとっておったのであります。そこで、こちらの方といたしましても、たとえば一番近い所、
昭和
基地から西の方二百七十マイル、約三百海里、そこにベルギーの砕氷船がおりましたけれども、これは宗谷よりも能力の小さい、五分の一くらいの砕氷船であって、しかも、これは氷に閉じ込められている。それから東の方の約六百マイルの所のモーソン基地には、豪州の基地でありますが、これは二千百トンくらいで、宗谷より約五、六百トン小さくて、これまた氷に閉ざされておる。そこであまり役に立たない。それで役に立つとする船は、あまり遠くでは時間がかかるというので、最も近い距離にある船で、しかも、宗谷よりも相当能力のいい船を外務省を通じて探してもらっていたのであります。そこで、約東方千三百五十海里の辺、今のバートン・アイランド号が向うの
貨物船
を護送していっているというのがありましたので、早速これをつかまえて、もちろん、宗谷とも連絡し、宗谷の方からも、それでは一つ頼むというふうな無電が来ましたので、私どもの方はアメリカの方へ交渉してやった、こういう次第でございます。しかし、船長といたしましては、部下の職員あるいは隊員の方に、何から何まで、その
運航
上のことについていろいろ一々
報告
をすることもないかと思いますが、しかしながら、重大な問題については、永田隊長とはしょっちゅう打ち合せておりますので、いろいろの伝えられるところはありますが、永田隊長とは完全な了解のもとにやったことと考えております。
大倉精一
136
○
大倉精一
君 この問題は次の機会に譲って、きょうはこれで終ります。
天田勝正
137
○
委員長
(
天田勝正
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
天田勝正
138
○
委員長
(
天田勝正
君) 速記をつけて。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十四分散会 —————・—————