○茜ケ久保
分科員 お聞きしているとあなたの御
答弁としてはそれ以上出ることもできないと思うのでありますが、服の色を変えてみても何してみても、あんなものを下げさせては何もならないのです。かえってみっともない。確かに合服の色はいいです。あれをあのままスマートに着たらりっぱなものです。それにもってきて黒いバンドに拳銃にこん棒でしょう。これはかえってナンセンスです。むしろそれならそれでもっとごついものを着た方がいい。あんな拳銃とバンドを締めさせて、いろいろ色を変えてみてもかえってナンセンスです。職務上とおっしゃるけれども拳銃を一年間に警官が何回使ったかわかりますか。拳銃を使って何回いわゆる犯人と立ち回ったか、どのような効果があったか。拳銃をとられたりあるいは自分で暴発させてみたり、この間は警官が自分で撃っている。そんな例が幾らあるか。私が
考えると警官が拳銃を持って犯人逮捕に重大な功績をあげたことよりも、拳銃を持っておるがゆえに交番が襲われたり、警官が襲われたり、警官自身がよっぱらって撃ってみたり、こういう事故の方が多いと思う。あなた方はすぐに職務遂行とおっしゃるけれども、拳銃を持たなければならぬような事件は少いと思う。その場合には常時持ってもけっこうですよ。しかし交番に立っておったりいなかのおまわりさん、それこそ犯人どころか一年中何もないような部落のおまわりさんがやはり年中つけておる。そういうところを私は
考え直してもらいたいと思うのだ。そういうところにあなた方のいわゆる昔の警察官意識があると思うのです。先ほど言ったように何人かの犯人を目標として数多くの良民を脅かすことは、私は警察官の本務ではないと思う。これもあなたにこれ以上言っても無理でしょうから言いませんが、あなたも警務部長なんだ、一応あなたは警察庁の警務部長、最高責任者なんだ。あなたがやはりそういったことを
考えるところに警察官のいろいろな非難を受ける原因があると思う。あなた方はそれで済むから、いいが、私はこれを言うからには群馬県はもちろん出張先々であらゆる警官諸君と話し合って聞いたのです。あの常時皮の帯を締め、拳銃やこん棒を下げることに対しては、みんな不満を持っている。特殊な勤務中はやむを得ぬけれども、普通の場合にこれをはずしたらどんなに気持がせいせいするかわからぬということは異口同音なんです。これをあなた方はちゃんと知らなければいけませんよ。あなた
たちはやむを得ぬからつけておる。しかしこれをはずしたら、それだけでいわゆる民主警察、民衆警察の大きな一端が実現され得ると思う。これは真剣に
考えてもらいたい。まず最初には、全部取って悪ければ拳銃だけでも、あるいはどこかにいつでも急な場合には持てるように保管することもいいでしょうし、あんなこん棒
——も私は外国に行ったことはありませんが、映画などを見ても、外国の警官諸君は実にこん棒をうまく操作して楽しくやっておる。あの変な輪に差し込んで歩く姿は、私はみっともないと思う。警官諸君もひけ目を感じている。あなた方はそういう心理状態をつかんでそれに対処しなければならぬと思う。職務執行上というきまり文句では解決できないのです。職務執行上というようなきまり文句をおっしゃるから、
日本の警察が一向民主化されない。上官の前ではばかにかた苦しくまじめな顔をしているが、裏に行ったら何をするか、ここに問題がある。職階制も長所もありましょう。しかし上官の前ではばかに調子がよくて、一般の良民の前では何をするかということになる。私は、警察官の問題というものはそう軽々しくやれぬと思う。私がこう申し上げるのは、今でも地方に行くとあらゆる場合にいわゆるむちゃな警官、むちゃな警察力に泣いておる多くの国民のあることを知っておるがゆえです。私が先ほど冒頭に言ったようにするには、今言ったようなことも真剣に
考えていかなければならぬ。そういう職務執行上という言葉に隠れて、改善しようとする意図のないところに
日本の警察の封建性もあるし、非常に悪い面もあると思う。これは
一つぜひまた機会があったならば、私は公安
委員長や長官にも強く要望するし、また都合によっては私どもがそういったものを準備してもいいと思う。しかしあなた方が主体であるからぜひこの点は十二分に
考えてもらいたいと思う。これは要望しておきましょう。
次に、きのうの
大蔵省の予算の説明を承わりますと、歳入の部で免許手数料というのが五億幾らございます。これは
大蔵省の歳入ですが、この中には自動車運転手の免許書の書きかえ手数料を相当多く含んでおると聞くのであります。これは先般地方行政委員会でも指摘したのでありますが、現在全国に百万に近い運転手がございまして、従前は免許証の書きかえが五年だったわけです。それが戦後一時二年になって、最近三年になっておる。いろいろな
理由もあるようでありますが、このことも、お産婆さんとかあるいはあんまさんとかいろいろな免許を持っておる人がございますが、免許の期限があるのはおそらく運転手だけなんです。運転手という特殊な勤務で期限のあることもやむを得ぬでしょうけれども、これをもとの五年に延ばしていただきたい。私は、将来は当然もう期限を付さない、常時検査することはいいけれども、免許証の期限は無期限にすべきだという一人でありますが、それはそれとして、一応戦前の五年に延長することを要望し、警察庁でも考慮するということであったのでありますが、依然として変っていない。そこでここに免許証の手数料五億幾らというものが計上されておる、この中の大部分がいわゆる自動車運転免許の書きかえによる一手数料だと思います。となりますと、一回一免許証について二百円でありますから、私は四つ持っておりますが、一回書きかえると千円近くとられる。とにかく百万という運転手がございますから、それは莫大なものになる。これをぜひ警察庁は思い切ってその三年をさしあたり五年に延長する
意思はないかどうか。私は、この五億幾らの免許証収入の中に、ほんとうにその日その日命がけで働いておる運転手諸君が、別に必要もないのに三年ごとに書きかえる血の出るような手数料が非常に含まれておると思うと、黙っておれぬ。しかも私が警察の交通の諸君と
話し合いますと、これは非常に繁雑で警官自身も困っておるという実態でありますが、これを
一つこの辺で五年に一応切りかえる準備をする
意思はないかどうか、この点は警備部長の管轄だと思うのでありますけれども、一応警察庁の
関係にお尋ねしたいと思います。