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柳田委員 ただいま承わりますと、
堀木厚生大臣並びに
津島国務大臣御
病気の由でありまして、まことにお気の毒であります。
国政掌理の重大な任に当られますから、御加餐の上、すみやかに御回復を祈っておりまするが、しかしながら
考えてみますと、このように
予算委員会におきまして
代表質問のさなかに、最も重要な
大臣が御
病気で倒られることはまことに遺憾であります。元来が御老体の多い
内閣でありますので、中には御
病人の出ることもあるかもしれません。先般来のこの
委員会の
質疑応答を聞いておりますと、まことに
政府におきましては、一言にしていえばだらしがない。これは今日の世論なんです。だらしがない。
内閣に
統一と緊張がない。だから先般のようなああいうしどろもどろの
答弁になる。なるほどわが党の
成田委員はつくべきところはつきました。しかしながら問題はそれほど紛糾し、混乱するような問題をついておるのじゃない。当然
内閣において事前に十分なる
意思統一と、さらに御勉強があったならば、こんな混乱はない。ここに今日の
内閣がたががゆるんでおる
証拠がはっきり現われている。たががゆるんでおるから、やはりそういう
病人も出てくる。聞いてみると
根本建設大臣もまた御
病気だというような話も聞いておる。私はやはり
閣僚諸公ももっと
責任ある明確な
答弁をしていただきたい。
そこでただいま
総理からお聞きしますと、
代理大臣に
責任をもって
答弁さすということでありますが、この
予算案は
内閣閣僚全体の
責任でお出しになったのでありますから、
臨時大臣であろうが何であろうが、いやしくも出られた以上は、全
責任をもって御
答弁になることは信じて疑いません。従いまして、今後におけるところの御
答弁も、先日私がこの
委員会の冒頭に念を押しましたように、従来ややともすれば官僚の
答弁メモをただ口写しに、
臨時でございますからといって、その
臨時大臣の口を通じて
答弁されるのでは、われわれ納得しない。少くとも、
臨時大臣であろうがなかろうが、
内閣閣僚全体の
責任において
答弁され、問題が
数字的計算であるとか、そういうことならば、
質問者の了承を得られた上で、
委員長から
政府委員の
答弁を求めるにわれわれは決してやぶさかではありませんが、少くとも
政治問題として
内閣の
責任を追及したような
答弁に対しては、
属僚どもを通しての
答弁は絶対にわれわれは承服できない。ここにはっきり明言しておきますから、この点重ねて
一つ総理から御
答弁を願いたいと思います。
なお第二点は、ややともすると、この
国会において
国民の前に
所信を明らかにされるのを、えてして回避されるきらいが従来ないでもなかった。先般も
成田議員が解散問題を
お尋ねしましたときに、
総理ははなはだ不明確な
答弁をしておられますのに、昨日は宇都宮に行かれての
新聞記者談を見ますと、はっきりと
意見を言っておられる。
国会で十分に
答弁できぬことを、
新聞記者諸君に
車中談で発表するということは、これは本末転倒であると思う。少くとも
国会を通じて
国民の前に明らかにするのが、これが
民主政治の大本であります。昨年わが党の
島上議員が、クリスマス島における
イギリスの
原爆実験のときにも、何らかこれに対して
政府は対処する道はないか、と問うたあくる日に、
政府は
松下特使を英国に特派することを発表された。あくる日
松下特使を
イギリスに派遣することを発表されるその前日に、この
予算委員会において
島上君が、何らかこれに対して
政府は打つ手はないかと聞いたときに、
政府はそれに対して
答弁をされておらぬ。こういう例もある。えてして
国会の論議の場を通じて
国民に明らかにせずして、事を回避して、
新聞記者会見であるとか、あるいは
国会が済んでから
政府は発表する、こういう事例がたくさんあったと思う。こういう点は
十分注意をして、やはり
国会を通じて
国民に明らかにするという態度を、もう一度
岸総理からはっきりと私は御
答弁を願いたいと思います。