○小平久雄君 ただいま
議題となりました
輸出保険法の一部を
改正する
法律案外二件につきまして商工
委員会における
審議の
経過並びに結果の概要を御
報告申し上げます。
まず、
輸出保険法の一部を
改正する
法律案について申し上げます。
わが国における輸出貿易伸展の重要性につきましては、今さら申し上げるまでもありませんが、輸出その他対外取引上の危険は、普通の損害
保険によってはカバーされがたいのでありましてこれに対処するため、
昭和二十五年に
政府の経営による
現行輸出
保険制度が創立されたのであります。その後、
保険契約額は年々飛躍的に
増加し、本年度においては千九百億円に上ると予想され、一方、
制度の
改正も数次にわたって行われまして、現在では八種類の
保険が実施されております。本
改正案は、このうち、本
制度の最も重要な部分をなす普通輸出
保険につきまして、その運用の
簡素化と迅速化をはかろうとするものであります。
次に、
本案の
内容を御
説明いたします。第一は、普通輸出
保険は、現在、
保険会社が元受けした
保険契約を
政府が再
保険するという方式をとっておりますが、包括
保険制度、すなわち輸出組合が組合員の
締結する一切の輸出契約について付保する
制度が発達いたしまして輸出組合が普通輸出
保険の事務のほとんどを代行することとなりましたので、
現行の再
保険制度を廃止し、
政府の直接引受制に改めるという点であります。なお、直接引受制に切りかえることによりまして現在
保険会社の
収入となっている部分を
保険料の引き下げに充当することとし、約一二%の引き下げを予定しております。第二は、普通輸出
保険の担保危険の
規定を明確化いたしまして
保険事故の認定の
合理化と迅速化をはかる点であります。
本案は、二月十七日当
委員会に予備
付託され、二十七日に
提案理由の
説明を聴取いたしました後、三月十四日に
参議院において
原案通り可決の上、本院に送付され、同日
委員会に
付託されました。
当
委員会におきましては、四月一日より
質疑に入り、本日に至り
質疑を終局いたしまして、引き続き
採決を行いましたところ、
全会一致をもって
本案は可決すべきものと決した次第であります。
次に、
計量法の一部を
改正する
法律案について申し上げます。
まず、その
内容を簡単に申し上げますと、第一は、
放射線関係の
計量単位を定めますとともに、その計量器については、他の計量器と同様に、事業規制及び検定を実施することであります。特に、検定については、
放射線関係の計量器は
一般に構造が複雑であることを考慮して新たに構造検査
制度を設けたのであります。
第二は、計量器の製造事業、修理事業の許可
区分を企業の実情に即して定め得るよう、政令にゆだねることとしたのであります。
第三は、販売事業について計量器の普及をはかるため、販売員による店舗外販売を認めることとしたのであります。
第四は、基準器検査の能率化をはかるために、その一部を都道府県知事に行わせることとしたのであります。
第五は、使用中の計量器の取締りについては、新たに計量士による検査
制度を設け、その検査を受けた計量器については定期検査を免除することとしたのであります。
本案は、二月二十七日前尾通商産業大臣より
提案理由を聴取し、四月二日より
質疑に入りましたが、その詳細は速記録に譲ります。
次に、
計量単位の統一に伴う
関係法律の整備に関する
法律案について申し上げます。
わが国の
計量単位は、大正十年の旧度量衡法の
規定により、メートル法に統一されることとなったのでありますが、実行上の困難もありまして、その実施につきましては、数回の
改正を経まして今日まで延期されて参ったのでありまして、その期限はいよいよ本年末までとなっているのであります。従いまして、
昭和三十四年一月一日以降は、国内取引等に使用する
計量単位は
原則としてメートル法に統一して、
現行の尺貫法、ヤード、ポンド法は禁止されることになっておりますので、この際
関係法律の計量に関する諸
規定を
改正しましてメートル法に統一する体制を整備しようとするのが、
本案が
提出された
理由であります。
本案の
内容の第一は、民法、商法その他の十六の法律で使用されております
計量単位をメートル法に統一することであります。
第二は、
計量法施行法の
改正でありますが、メートル法への切りかえに際して混乱を防ぎますために、一部の例外を認めようとするものであります。すなわち、土地建物等につきましては、
昭和三十四年一月一日から最高七年三ヵ月間、尺貫法使用について猶予期間を設けて、その間に台帳等の整備をはかることとし、また、ヤード、ポンド法につきましては、輸出品の国内取引等については五年、航空機の運航等については当分の間、工率の単位である仏馬力については三年、それぞれ猶予期間を設けたのであります。
本案は、三月三十一日小笠通商産業政務次官より
提案理由を聴取し、
質疑に入りましたが、その詳細は速記録に譲ります。
両案とも、四月十日
質疑を終了しましたので、それぞれ
討論を省略して
採決に付しましたところ、それぞれ
原案通り可決すべきものと決した次第であります。
なお、
計量法の一部を
改正する
法律案につきまして、
採決後、笹本一雄君より自民、社会両党
共同提案の附帯決議を付したいとの
提案がなされました。その
趣旨は、計量器の店舗外販売
制度の運用に当って計量の安全の確保と販売事業の健全な発達に留意するとともに、計量に関する
制度については、社会情勢の推移を考慮の上、適切な
措置を講ずべきであるというものであります。
これを
採決に付しましたところ、これまた
全会一致をもって附帯決議を付することに決した次第であります。
以上、御
報告申し上げます。(
拍手)