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河野(正)
委員 ただいま次官からいろいろ御答弁もございましたように、非常にむずかしい問題のようでございます。この福岡市が今度調査した結果を伺いますと、当初福岡市の
教育委員会では、大体四百人くらいもぐり入学があるのではないかというふうに予想をしておったというのです。ところが、この調査の方法等につきましてはいろいろ異論もございましたけれ
ども、いずれにいたしましても、調査いたしましたところが、
小学校だけで千四百二十四名、
中学校が四百九十一名、合計千九百十五名、約二千名近いもぐり入学がおったというような結果が出て参ったようでございます。しかもさっき都市周辺というような話が出て参りましたが、福岡市内の五十五校の
小学校の中で、もぐり入学のなかったのは離島の二校だけであったというふうな調査結果が出て参っておるようであります。これは参議院の文教
委員会でもいろいろ問題が出たそうであります。あるいは週刊新潮にも、東京の番町
小学校のごときは大体半数がもぐり入学であるというふうな記事も掲載されております。そこでまずこういった中小というような
義務教育に対して早期に手を打てということで
通達が出されたかと思います。ところが一方におきましては、そういうことに対して片手落ちではないかと言うこともできるのであります。たとえば先ほど申し上げましたように、小
中学校のもぐり入学に対しては非常にきびしい手が打たれているけれ
ども、
高等学校については何ら手が打たれていない。そこで
小学校の場合は、福岡市の一例で恐縮でございましたけれ
ども、予想以上の
実情だった。ところが
高等学校の場合も、これも資料でございますけれ
ども、熊本県では二割、長崎市におきましては一割、こういったようなもぐり入学というものが半ば公然と認められておるというふうな調査資料も出て参っております。そこで私
どもが申し上げたい点は、なるほど、さっきからいろいろと次官がこの対策に対しまして、
設備の改善あるいはまた、ひいては
学校差の改善というような点が考慮せられる、その点につきましては私
どもも非常に大きな期待を持つわけでございます。ところがこういったように
高等学校については何ら手が打たれていない。ところがこういった問題については、
高等学校でございますし、ある
程度学区制というものを拡大していくというようなことで、多少そういった弊害が除かれるのじゃないか。一方においては片手落ちだという非難もございますし、さればといって直ちに
学校差をなくすということも早急に実現は困難でございましょうけれ
ども、そういった点については学区制の改善等で考慮を払っていくというふうな具体的な方策もあるのではないかというふうな感じも持っわけでございますが、この点に対してはいかがお
考えでございますか。