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吉良説明員 お答えを申し上げます。先ほど来から
委員も申されております
通り、私また答弁しております
通り、ロイン、ディスクという商品の本来のメリットと申しますか、これは確かにまるマグロ輸出よりも有利なことでもありますし、外貨手取りがいいし、先方にとってもいいということもありましょうが、わが国にとってもいいところの加工した製品ということで、原則的にそれだけとりますと非常に奨励すべき輸出品なのでありまして、試験的輸出の
段階から、そういう意味で外務省としても単なる素材輸出よりも加工された製品輸出という
方向に持っていきたいというような原則に立ちまして、同情的にこの発展を見守ってきたわけでございます。それが試験的な
段階からだんだんコマーシャルな、本格的な輸出になりましたのですが、片や先ほど来から問題になっております加州方面の反対がございまして、ほかの地域に出す、それが相当な量になってくるから、ここで従来の価格なんかも問題でございまして、つまり
日本からのロイン、ディスクで作ったカン詰の価格が加州でまるマグロで作ったカン詰の値段より安くなるということになれば、加州としても黙っておれない
事情になってきたのでありますから、御
指摘の
通り、まさしく価格問題というものが従来とも
日本におきましても必ずしも十分な注意が払われておったとはい
えない節もあります。これは
関係省でもいろいろ御苦心なさいまして、業者間の申し合せ価格というものは作っておりましたが、
日本の原価計算が中心になっておりまして、米国におけるこれがカン詰に加工されていく
段階におきます原価計算というものと見合せた輸出値段にはなっておらなかった。そういう点で、西北部ないしは東部に入るカン詰の値段が加州のカン詰より安くなるのじゃないかという懸念が起ってきて、加州の反対が強くなったという点も
考えられますので、この価格という点については今後の輸出
対策としては十分考慮に入れていかなければ、これはアメリカの市場を撹乱する要素になるのじゃないか、こういうふうに
考えておるわけでございます。
それから御
指摘のありました数量の問題でございますが、試験的な
段階から逐年累増いたしましたので、こういうこともまた不安の種になるのじゃないか、そこでやはり冷凍マグロの中に占めるロイン、ディスクの適正な量というものを各種の市場のデータによって判断して、これもあるところで業界の自主規制に待ってやるか、何らかの
方法で一定の数量的なめどを持って秩序ある輸出というものをやらなければならないのじゃないか、そういうふうにいたしまして、すでにこの数量規制の問題につきましては、客年関税公聴会でかなりロイン、ディスクに対する風当りの強いのを予想しまして、
日本で規制しなければならないというときに、価格の問題とあわせて数量規制も実施すべしというふうな意見もすでにわれわれ外務省、通産省、
水産庁各方面にございまして、一時はディスカッスしたこともあったわけでございますが、数量を那辺にすればアメリカ側が満足するのかわからなかったので、その辺もさたやみになったままに輸出停止を実施したということになっているのでありますが、今後ロイン、ディスクの輸出
対策を
考える場合には価格なり数量というものをあわせて
考えていかなければならぬと思っております。それに一番重大な問題でございます販売地域の問題でございますが、従来は加州がうるさいというので、これを迂回してほかの地域に行く、それがまた今のロイン、ディスクに対する反対の重大な要素になっているという点も考
えなければならないので、これは
委員も御
指摘の
通りバンキャンプの支配人の言がもし真実とすれば、加州方面でもこれを重要視しておる、三対一の比率でロイン、ディスクが入るならば労使間のめんどうな問題も起さないで、しかも会社自身ももうかるという証拠ともとれますので、これは
水産庁長官も申されましたように、有力な一つの手がかり、素材としてわれわれは研究していく、こういうふうな方式
通りにいくかどうかわかりませんが、加州のパッカーの連中の勢力
関係も非常に微妙複雑でございますから、バンキャンプの言う
通りにパッカーが言っているのかどうか、その辺は究明しなければならぬ点でございますが、いずれにしても、加州方面でも当然ある方式によれば
日本のロイン、ディスクを円滑に輸入できるというふうな気配も見えますので、こういう点はさらに業界とも十分な連絡をとりまして、さらに研究いたし、いたずらにほかの地域にだけ回して加州に回さないということによってこの問題に対する反対を強くさせるというふうなことのないようにできれば幸いだと思っている次第であります。販売地域につきましても十分な研究をして、価格、数量、販売地域その他も
考えまして、各方面――と申しますと、加州のパッカーも東部のパッカーも西部のパッカーも、それらに使われる労働者の
関係も
考えまして、おおむね各方面を満足させるようなロイン、ディスクの輸出方式というものを早急に見出さなければならない、こういうふうに
考えまして、
関係の
水産庁、通産省にも、また業界にも外務省としてはお願いしたいと思い、またお願いしている次第でございます。特にロイン、ディスクの輸出一時停止ということは、確かに加州から出ておりますキング法案とかマグナッソン法案阻止の一つの
方法としてとられたあれでございますが、幸いにしてもしわれわれの努力が効を奏しまして、今度のアメリカの議会でマグナッソンあるいはキング法案等がもし通過しなければ、われわれとしてはすぐにもまたロイン、ディスクの輸出について考
えなければならないわけですから、そのときに今まで
通りの
方法でいけば永遠に問題を残すだけでございますから、その輸出再開のときを控えまして今から価格、数量、販売地域等につきまして米側の各方面を一応満足させるような方式を研究したい、こういうふうに
考えておるわけであります。