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石谷政府委員 一般的に申しますと、
有益鳥獣を含めまして、
野生鳥獣が特に戦後非常に減っておるという現実はいなめないのじゃないか、かように
考えておるわけでございます。従いまして、
野生鳥獣の
保護増殖をはかりますのとあわせまして
狩猟の
規制を行なって参るということは、実は今回の
法律改正の意図でもあるわけでございます。ただいま
お話がございました
キジでございまするが、これはわが国におきましては最も適当なる
狩猟鳥でございまして、この減少につきましては、確かに
狩猟者方面の大へんな関心の的になっておるわけでございます。そこで私
どもといたしましては、この
キジ、
ヤマドリに対しましては、
狩猟いたしましたものを販売する行為を
禁止する、要するに
営業用としてとることを
禁止するということを実は
考えておるわけでございますが、中には、最近の
状況からいたしまして、むしろ
所持を
制限をいたしたらいいじゃないかというような
議論も実はあるわけでありますけれ
ども、
さきに
提案理由でも申しました
野生鳥獣審議会等の
議論を聞きましても、そこまでいくということにつきましては、いろいろ問題があるということによりまして、実はそういう
措置は今回は講じないことにいたしておるわけであります。部分的に
考えますと、確かに
キジ、
ヤマドリにつきましては、非常に激減しておるといいながら、また
地方的に
考えますと、相当生息しておるところもございますので、この
段階でやはり全面的に
所持禁止をするということは必ずしも妥当ではないというように
考えるわけでございますが、
地方によりましては実は非常に減っておるということのために、特に
雌キジの
捕獲を
地方的に一応
禁止いたしまして、最近
増殖をしておる。この近県におきましては、
茨城等が最近そういうことをやったのでございます。確かに積極的な手段を講じまして、でき得る限りの
増殖をはかるということは必要でありますが、何といいましても当面
狩猟鳥といたしまして一番有力なものでありますだけに、全国的に均一な
措置がとりにくい、こういう
現状であるようにも思います。
それからただいまの御
質問に関連してでございますが、今五千円という
お話がございましたが、御
承知のように
乙種の
狩猟免許の場合におきましては、従来から二
段階に分れておりまして、三千六百円と千八百円、こういう
段階でございます。そういういわゆる
狩猟者税とあわせまして、
空気銃につきましてはいわゆる
登録税というものが入っておるわけであります。これは
地方税でございますけれ
ども、
年間三億五、六千万円くらいの
税収があるわけでございます。それにもかかわりませず、一体この
有益鳥獣の
保護あるいは
増殖、
狩猟の
適正化ということに使われます
行政経費と申しますか、そういうものはわずかに一割、国の
予算まで含めまして一割というような
現状であるわけであります。そういう
意味におきまして、いわゆる施策がきわめて不十分であるということも私
ども実は大へん申しわけないと
考えておるわけでございますが、今後は
本法案とともにその
方面の
予算の
増額等につきましても全面的な
努力をいたしたいというふうに
考えております。