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1958-02-21 第28回国会 衆議院 内閣委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月二十一日(金曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 福永 健司君    理事 相川 勝六君 理事 保科善四郎君    理事 受田 新吉君       大坪 保雄君    大村 清一君       北 れい吉君    辻  政信君       中川 俊思君    永山 忠則君       眞崎 勝次君    粟山  博君      茜ケ久保重光君    淡谷 悠藏君       中村 高一君    西村 力弥君  出席国務大臣         国 務 大 臣 津島 壽一君  出席政府委員         内閣官房長官 田中 龍夫君         総理府総務長官 今松 治郎君         行政管理政務次         官       榊原  亨君         防衛政務次官  小山 長規君         防衛庁参事官         (長官官房長) 門叶 宗雄君         防衛庁参事官         (防衛局長)  加藤 陽三君         防衛庁参事官         (経理局長)  山下 武利君         科学技術政務次         官       吉田 萬次君         外務政務次官  松本 瀧藏君         文部政務次官  臼井 莊一君         文部事務官         (大臣官房総務         参事官)    齋藤  正君 委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 二月二十日  外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第七四号)  在外公館名称及び位置を定める法律等の一部  を改正する法律案内閣提出第七五号)  科学技術会議設置法案内閣提出第七七号)  皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内  閣提出第七八号)  憲法調査会法の一部を改正する法律案内閣提  出第七九号)  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  防衛庁設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第三二号)  自衛隊法の一部を改正する法律案内閣提出第  三三号)  文部省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第三六号)  国防会議構成等に関する法律の一部を改正す  る法律案内閣提出第四二号)  防衛庁設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、第二十六回国会閣法第一五五号)  外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第七四号)  在外公館名称及び位置を定める法律等の一部  を改正する法律案内閣提出第七五号)  科学技術会議設置法案内閣提出第七七号)  皇室経済法施行法の一部を改正する法律案(内  閣提出第七八号)  憲法調査会法の一部を改正する法律案内閣提  出第七九号)  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八〇号)      ————◇—————
  2. 福永健司

    福永委員長 これより会議を開きます。  皇室経済法施行法の一部を改正する法律案議題とし、まず政府提案理由説明を求めます。今松総務長官。     —————————————
  3. 今松治郎

    ○今松政府委員 ただいま議題となりました皇室経済法施行法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  内廷費及び皇族費定額は、皇室経済法施行法第七条及び第八条により、現在、内廷費は三千八百万円、皇族費は百九十万円となっておりますが、これらは、昭和二十八年に改定せられたものでありまして、内廷費皇族費とも極力節約に努められてはおられますが、以来すでに五年近くを経過し、経済情勢も変化し、内廷費につきましては、その間における外国交際範囲及び内容拡大、成年に達せられた皇族の諸経費増大等により、また、皇族費につきましては、内廷費同様御活動範囲拡大等により、現定額では所要の経費をまかなうには不足を来たす実情であります。よって、昭和二十八年以降の国家公務員給与の引上率及び物価の上昇率等を勘案し、今回これらを改訂いたしまして、内廷費定額を五千万円、皇族費定額を三百万円といたしたいと存じます。  以上が、この法律案のおもな内容及びこれを提案いたしました理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。     —————————————
  4. 福永健司

  5. 松本瀧藏

    松本政府委員 外務省設置法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  わが外交活動の基調の一として、アジア外交を重視している次第は、すでに御承知通りでありますが、アジア諸国は、申すまでもなく、地理的人種的にも、また、戦前戦後の諸関係上からも、わが国との相関関係は他地域に比し、格段に緊密なものがあり、従いまして、これら諸国との間の外交案件処理に当るアジア局事務は、対外対内の両面にわたり、まことに膨大なものがありますので、局長を補佐して、局務を整理する次長をぜひ置きたいのであります。  次に、海外経済協力世界的趨勢でありまして、わが国におきさましても、アジア、中近東、南米等において、その事例が著増しております。外務省においては従来、事柄性質上、各地域局経済局とともにこれに当っておりましたが、窓口を一本化しこれを総合的に運営するため、これら海外経済協力に関する事務経済局において総括処理するための規定を、同局所掌事務に追加したいのであります。  次に、現在の国際協力局所掌事務に関する規定は、わが国国際連合加盟前の状態につき規定した部分がありますところ、わが国は、すでに、国際連合加盟済みであり、国際協力局事務は、大半、国際連合に関するものとなっている現状なので、この際、同局名称国際連合局に改めるとともに、所掌事務現状に即したように改めたいのであります。  最後に、外務省大阪連絡事務所でありますが、これにつきましては、外国事情の紹介、旅券発給についての便宜供与関西駐在外国公館との連絡等のため、関西外務省出先機関を必要としておりましたところ、たまたま、一昨年来大阪府知事及び同地の財界、経済界から、経済外交推進等のため、ぜひ連絡事務所大阪設置するよう強い要望がありましたので、昨年二月来、大阪公使級職員を出張駐在せしめて連絡事務に当らせてきましたが、今般法律上正式に連絡事務所として設置したいのであります。  以上をもちまして、本法律案提案理由を終ります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あられんことをお願いします。     ——————————————
  6. 福永健司

    福永委員長 次に、在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案議題とし、政府提案理由説明を求めます。松本外務政務次官。     —————————————
  7. 松本瀧藏

    松本政府委員 在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案提案理由を説用いたします。  まず在外公館新設につきまして申し上げますと、外務省といたしましては、昭和三十三年度におきまして、ガーナ大館館新設したい考えであります。ガーナは御承知通り、昨年三月新たに独立いたしました国でありますが、わが国といたしましては、アジアアフリカ諸国との友好親善関係増進の見地からも、また、西アフリカの経済的意義から見ましても、ガーナ大使館を置きますことは、きわめて有意義であると認められますので、昭和三十三年度におきまして、ガーナに、法律上のみならず、実際に大使館を開くこととしたい計画であります。  次に在外公館昇格についてでありますが、過去数年来、各国が交換いたします外交機関は、だんだん公使館から大使館に切りかえていくことが国際的な趨勢となっておりまして、このことは、去る第二十六回国会及び第二十七回国会におきまして、それぞれ数館大使館昇格を行うための法律上の措置につき御審議をお願い申し上げましたときに御説明申し上げた通りであります。特にサウジアラビア、ノールウェー、デンマーク、エチオピア及びニュージーランドの五つの国は、かねてから、わが国大使館を交換したい強い希望を表明してきており、サウジアラビアは、本年一月十五日以来すでに大使館を東京に置いている次第であります。また、ヴアチカンヴアチカン側在外公館には大使館公使館の別を設けておりませんけれども、わが方在外公館大使館にしてほしいとの意向であります。わが方といたしましても、このような要望にこたえますことは、機宜に適したことと考えますので、この際以上六つの国に現在置いてあります公使館を、それぞれ大使館昇格せしめたいと考えます。  このような在外公館新設及び昇格を行うための法的措置といたしまして、在外公館名称及び位置を定める法律に一部改正を行い、また、それに従いまして、在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律にも改正を加える必要がありますので、ここに、右二法律の一部改正をうたった本法律案を提出する次第であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あられんことをお願いいたします。     —————————————
  8. 福永健司

  9. 吉田萬次

    吉田(萬)政府委員 ただいま議題となりました科学技術会議設置法案につき、御説明申し上げます。  最近における世界科学技術の進歩は、まことに著しいものがありますが、このようなときに際して天賦の資源に恵まれないわが国がその文化と経済の発展を期するためには、科学技術の画期的な振興をはかるほかにはないということは、自明のことと考えます。このため政府といたしましては、科学技術振興国家的重要性を深く認識いたし、その振興のために諸般の施策を推進しているのでありますが、従来の施策が、総合性という面において、必ずしも十分でなかったということに思いをいたし、政府施策に一そうの総合性を持たせるため、ここに科学技術会議設置法案を提案する次第であります。  以下科学技術会議設置法案につき、その概略を御説明申しあげます。科学技術会議は、総理府付属機関として置かれる内閣総理大臣諮問機関であり、内閣総理大臣は、科学技術に関する重要な事項に関して関係行政機関施策総合調整を行う必要があるときには、その事項について、科学技術会議諮問しなければならないことといたしております。この科学技術振興のために重要な事項と申しますのは、第一に、科学技術一般に関する基本的かつ総合的な政策の樹立、第二に、科学技術に関する長期的かつ総合的な研究目標の設定、第三に、この研究目標を達成するために必要な研究のうち、特に重要なものの推進方策の基本の策定、第四に、これらの事項に関連する日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申または勧告、以上の四つの事項であります。  このような事項につきましては、従来とも、大学研究に関しましては文部省、工業の分野においては通商産業省、農業の分野においては農林省というように関係各省において、それぞれ所掌事務範囲内で、決定推進されて参ったものであり、また、科学技術庁原子力委員会のように、総合調整任務とする機関もすでに設置されているのではありますが、科学技術全般にわたって、施策総合調整をはかる機関は現在のところ存在しないのであります。そこで新たに科学技術会議を設けて、これに科学技術の全分野にわたる施策総合調整機能を果させようとするものであります。  もとより、本会議は前述のように、各行政機関科学技術全般に関する施策総合調整をはかることを目的として設置されるものでありまして、各機関の専管に属する事項のみを対象とした審議は行われないものであり、また、大学における学問研究をも含めた総合的な調整を行うに際しましても、憲法により保障されたその自由は十分に尊重されるものであることは、言うまでもありません。  科学技術会議のこのような任務重大性にかんがみ、その組織には、他の一般諮問機関と違った大きな特色を持たせているのであります。すなわち、第一に、議長は内閣総理大臣であり、第二に、その議員としては大蔵、文部大臣及び経済企画庁、科学技術庁長官が充てられるほか、関係国務大臣が必要に応じて議員として会議に参加できることとされていること、第三に、閣僚以外で識見の高い議員四人のうち二人は常勤とされて、常時科学技術に関する諸事項の把握に専念できるようにされていること、最後に、議員全体の数が少数に制限されていること、以上であります。これは、科学技術会議設置の趣旨にかんがみ、その組織を強力にし、かつその活動を実効あらしめんとするためであります。従いまして、閣僚以外の議員の人選にあたりましては特に意を用いて、科学技術に関して最高の識見を有する者を選び、科学技術会議の公正な運営を期する所存であります。  以上はなはだ簡単でありますが、科学技術会議設置法案につきまして御説明申し上げました。科学技術振興重要性に対する皆様の深い御理解により本法案が可決されるよう心から希望いたします。本法案の慎重なる御審議をお願いいたします。
  10. 福永健司

    福永委員長 これにて各法案についての提案理由説明は終了いたしました。  以上各法案についての質疑は、次会以後に譲ります。     —————————————
  11. 福永健司

    福永委員長 次に文部省設置法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行います。淡谷悠藏君。
  12. 淡谷悠藏

    淡谷委員 配付されました資料のうち、文部省設置法の一部を改正する法律案新旧対照表に基きまして若干質問いたしたいと思います。この中に、二ページの2「官房長官は、命を受けて大臣官房事務を掌理する。」というところの中に、第七条の四「機密に関すること。」というのがございますが、文部省大臣官房事務機密に関することというのは、大体どんなことをいうのですか。あるいはまた特定のワクや規定がないのか、どうか、その点を伺いたい。
  13. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 御質問の第七条四号に掲げてあります「機密に関すること」と申しますのは、現行の大臣官房事務の中に入っておることなのでございますが、これは特に大臣あるいは政務次官等関係で、政務に関して部外に対してまだ一般に公表しないような事柄につきまして、大臣官房所掌することになっておるわけでございます。
  14. 淡谷悠藏

    淡谷委員 一般に公表しないということの中には種類があると思います。将来ともに公表できないような機密事項なのか、あるいは決定さえ見ればいつでも公表ができるというものか、文部省としては部外に絶対に出してはならないという機密事項があるかどうか、この点を伺いたい。
  15. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 現在所掌しております仕事の中ではさようなものはございません。決定までの段階のものでございます。
  16. 淡谷悠藏

    淡谷委員 最近問題になっております勤務評定の内官等についてはこれはこの機密に関することの中に入ってはおりませんか。
  17. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 勤務評定に関する事務は、現在初等中等教育局処理しております事柄でございまして、特に大臣官房において、機密に属することとして処理はいたしておりません。
  18. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これはほとんど今おっしゃられたような機関でありまして、官房とは関係がないわけでございます。それじゃ一体勤務評定に関する内容等責任はどうなっておりますか。
  19. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 お話し勤務評定と申しますのは、これは現在問題になっておりますのは、主として地方公務員たる教職員勤務評定に関する事柄でございます。従いまして、地方公務員の制度に関する事柄、あるいは教育委員会運営に関する事柄、これに対する指導助言、あるいは企画の立案等は、現在の設置法初等中等教育局所管となっておりますので、初等中等教育局仕事でございます。なお国立学校教職員に関する勤務評定事柄は、これは大臣官房の中で人事として行なっておるわけでございます。
  20. 淡谷悠藏

    淡谷委員 発表できないような機密事項はないということですが、人事に関することとして、勤務評定内容などは、これもやっぱりきまってしまえば公表いたしますか。
  21. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 失礼いたしました。人事に関する事柄は、それは発表すべき事柄ではございません。ただ先ほどのお話はいろいろ政策決定等ののことと思いましたので、文部省仕事性質として、政策決定いたしますれば、それを後ほどまで機密にしておくという種類のものは現在扱っていないという意味で申し上げたのでございまして、人事に関する事柄等は、これはひとり文部省に限らず、一般に公表すべき事柄ではないと思っております。
  22. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は政務だけでなく、この「機密に関すること」という中には一体どういう事項が含まれているのか、これを全般的に御質問申し上げました。あるいは人事に関すること、それらについて決定しあるいは決定しないうちに外部へ漏らせないということが規定してあるような事項はどういうものがあるか、具体的にお述べ願いたい。
  23. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 これはなお資料として差し上げてあります文部省組織令にもございますが、大臣官房の中の機密に関する事項と申しますのは、これは従前の総務課、現在で申しますれば総務参事官所掌となっております。お話のように、人事その他あらゆる面について、条理から申しまして外部に発表することが不適当なものもそれぞれあると思いますが、それは必ずしもこの「機密に関すること」ということで入っているわけではございません。文部省全体の仕事の、ことに政務に関するような事柄につきましては、政策決定等があるまで部外に対して機密を守るべき性質のものもありますから、そういうものは、官房の中の、組織令で申しますれば総務参事官所掌いたしまして直接大臣を補佐する、かようになっておるわけでございます。
  24. 淡谷悠藏

    淡谷委員 同じ第七条の十一には「監察に関することというのがございます。これに関連しまして、これは単なるうわさであろうと思いますし、またそうあることを希望いたしますが、最近教員に対する思想監察がひそかに行われているというようなうわさもしばしば聞くのですが、この監察並びに機密に関することの中には、そうした思想統制等に類するような監察機密事項を含むかどうか、この点を確かめておきたい。
  25. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 お尋ねの文部省所管行政監察に関することも、同じく官房の中で総務参事官のつかさどる事務とされております。実は所管行政監察等に関しましては、行政管理庁で、いろいろ事務能率の向上その他の観点から監察をいたします。その場合の連絡等を行うのがこの官房の職務ということでありまして、教職員に対する監察、そういうようなことは一切いたしておりません。そういうものを予定して書いたものでもございません。
  26. 淡谷悠藏

    淡谷委員 具体的な事例について一、二私も聞き込んだことがございますが、そういたしますと各学校等において教員思想に関する監察視察等が行われていれば、これは一体どこでやっておりますか。またそういうことはあるべきじゃないと思うのでその点をお聞きしたい。
  27. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 教職員思想等監察するようなことはいたしておりません。そのような監察に関する機能はこの中に入っておりません。
  28. 淡谷悠藏

    淡谷委員 官房長任務として今後やりますものは絶対に事務的な仕事であって、そういう教育思想その他の内容には関知しないんだ、こういうふうに理解してかまわないでしょうか。
  29. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 お説の通りでございます。
  30. 淡谷悠藏

    淡谷委員 もしそういうことが具体的に起った場合は、そういうことに対する苦情の処理そのほかの交渉は一体どこでやるのですか。
  31. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 国立大学を管理しあるいは国立大学運営に関して指導助言をいたしますのは大学学術局でございます。また国立学校教職員人事を扱っておりますのは官房の中の人事でございますけれども、お話のように、大学教職員思想状況監察するというようなことは文部省として考えておりませんし、そのことを予定した事務は入っておりません。
  32. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは単なる想像で言うのじゃないので、私一、二そういう事例をつかまえております。そうあるべきじゃないことがあったとした場合、一体この責任はどこへ持っていったらいいか、これをお聞きしたい。
  33. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 お話しのようなことはないと思います。なお何かの関係でそういう誤解が生じておりますならば、文部省としては十分調査をいたしたいと思っております。なお大学に関しましてはその大学運営につき指導助言をいたします大学学術局にお申し出があってしかるべきものと考えております。
  34. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その場合官房長との関係が何かございますか。
  35. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 官房事務の中で、国家公務員法に基きまして大学教職員につきましての国家公務員人事に関するものをつかさどっておりますから、国家公務員事項に関しましては官房関係がございます。
  36. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それ以上のいわば政治問題化したようなものの場合には、やはり大臣になりますか。これは一つ次官にお願いします。
  37. 臼井莊一

    臼井政府委員 特に政治上の問題に関するものにつきましてはそういう点がもちろん考えられると思いますが、事務上の問題に関しまして局長等責任者もいるわけでございますので、それぞれの系統に属する者の責任と一応考えております。
  38. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ただいま私が申し上げましたそうあってはならないような思想調査監察あるいは査察等事例があったことは、私はこれは政治問題であるように考えますが、次官のお考えはいかがですか。
  39. 臼井莊一

    臼井政府委員 査察といいましても、その内容につきまして、思想的な内容をどの程度どうしたか、そこにいろいろ解釈の問題もあると思いますので、一がいに断定を下せない問題であり、個々について考えなければならない問題であるように考えております。
  40. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今お答えがございましたが、これは具体的な事例が出た場合にあらためて御質問申し上げますけれども、最近教員思想取締りを強化しこの監察を厳粛にしておるようなうわさ並びに事実をかなり聞いているのです。これはそうあるべきじゃないというようなこともございましたが、そうあるべきじゃないものをそうしているとすれば、これはやはりどこか文部省にこういうものを査察監察あるいは指導統制するような機関があってよいと思いますが、官房長自体がそれをしないとするならばこれは大臣なり次官なりが直接その衝に当らるべきものと考えますが、次官いかがでしょう。
  41. 臼井莊一

    臼井政府委員 先ほど齋藤参事官が申し上げました通りに、文部省といたしましてそういう思想調査をする意思もございませんし、そういうことを命じた事例もございませんので、その点を申し上げます。
  42. 淡谷悠藏

    淡谷委員 もしその命じたことのないことをやっておるような校長その他の文部関係者がある場合はこれはやはり一つの行き過ぎとしてどこかで調整されてしかるべきものと思いまするがどうでしょう。
  43. 臼井莊一

    臼井政府委員 国家公務員の問題につきましては先ほどお答え申し上げました通り、直接文部省関係が非常に深いのでありますが、公立学校につきましては、ほとんど教育委員会責任をもって自主的にいたしております。その点は一応そちらの方の責任になると思います。しかしそういうことの思想調査ということは本筋でありませんので、そういう事実がございますれば、文部省指導としてやはり考えるべき問題かと考えております。
  44. 淡谷悠藏

    淡谷委員 勤務評定の中にも、そういうようなことを調べろ、評定しろというような御指示はないだろうと思いますが、いかがでございましょう。
  45. 臼井莊一

    臼井政府委員 そういう考えはございません。
  46. 淡谷悠藏

    淡谷委員 次に、この法律案の二十条に、美術館を建設する件について、「国立近代美術館に分館として西洋美術館を置く。」というのがございますが、この西洋美術館の中に入れます絵画その他の美術品は松方コレクションを中心にして集められるのだといっておりますが大体何点くらい集められるものでございましょう。
  47. 臼井莊一

    臼井政府委員 大体松方コレクションは絵画、彫刻の西洋美術でございます。大体三百五十点ぐらいでございます。
  48. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今少しく詳細に、現在どこにどう保存されてあるのか、これを引き取る場合の条件等も御説明願えれば大へんありがたいと思います。
  49. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 これは現在フランス政府において保管しておるものでございます。ただいま政務次官が申し上げましたように、絵画、彫刻合せまして三百五十点程度、その他書籍が若干ございますが、主として十九世紀の近代美術、絵画、それに彫刻が若干加わったものでございます。これが日本に寄贈される場合の条件といたしましては、これを収容し得るような完備した施設を作るということになっておりますので、現在上野の凌雲院跡に美術館を建設置中でございまして、大体本年の十二月には竣工する予定になっております。
  50. 淡谷悠藏

    淡谷委員 芸術上の非常に貴重な作品である松方コレクションを引き取るということは大へんけっこうなことと思いまするが、そのほか別段むずかしい条件はついておりませんか。無条件にフランス政府はこれを寄贈する、こう考えてよろしゅうございますか。
  51. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 さようでございます。なお一部の複製に関する経費等を、わずかでございますが、負担することがあったのでございますが、それはすでに処理済みでございまして、あとフランスの国会の同意を得て、直ちに返還されるものと考えております。
  52. 淡谷悠藏

    淡谷委員 コレクションの詳しい内容等はお手元にございますか。
  53. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 私、一部ここに控えを持っておりますので、後刻お自にかけることもできますが、主として作家といたしましては、マネ、モネ、それからロダン等の作品を含んでおります。
  54. 淡谷悠藏

    淡谷委員 フランス政府の方から、まだ具体的に内容等全般にわたる連絡はないのでございますか。
  55. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 内容はわかっておりますので、その作品の全部につきまして、一応私どもは承知しております。
  56. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それを資料としてお出し願うわけにいきますまいか。
  57. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 後刻差し上げられるだろうと思います。なるべく急いで作って提出いたします。
  58. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この西洋美術館には、松方コレクション以外の作品を置くような意向はありませんか。
  59. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 この美術館は、主としていわゆる松方コレクションを展観するものでございますけれども、なお近代美術としての西洋美術に関する作品も、将来展覧に供するようにいたしたいと思っております。
  60. 淡谷悠藏

    淡谷委員 現在の国立近代美術館から西洋美術館の方に移すような作品はないのですか。
  61. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 ただいま近代美術館の持っておりますものは、主として日本の明治以降の作家のものが主でございます。従いまして、松方コレクション以外のいわゆる西洋美術を収集いたしますのは今後の問題になろうかと思います。
  62. 淡谷悠藏

    淡谷委員 もしそういう企画があるならば、西洋美術館を分館として置くことに計画を立てて、すぐ狭くなるとか、あるいはまたあらためて何らかの増築をしなければならないという必要が近い将来に起ることはありませんか。むしろこれを独立の西洋美術館として置くような御意向はないですか。
  63. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 現在上野に着工いたします建物、これは組織としては分館でございますが、建物としては独立しております。そして約千三百坪でございますので、お話のありましたように、松方コレクションを展示いたしますほかに、なお将来西洋美術を展覧する余裕を若干考えておるわけでございます。分館といたしましたことにつきましては、現在ございますところの近代美術館が、主として日本の作家のものを展観いたしておりまするけれども、やはり同じく近代美術を収集し、そして公衆の観覧に供する役目をいたしておりますので、分館といたしますことによりまして、内部の管理事務、会計とかその他人事に関するような普通の事務とかは共通して行う方が組織として便利ではなかろうか、こういうことで分館としたのでございますが、西洋美術を展覧するというその機能といたしましては、現在独立した建物を作る、そして単に展示しただけではなく、いろいろ事務室も倉庫も、あるいはいろいろの美術に関する会合をいたします部屋もあわせて作っておるような次第でございます。
  64. 淡谷悠藏

    淡谷委員 松方コレクションが返ってくるというのは大へんけっこうなことですが、同時にまた、終戦当時の混雑の際に、日本の内地から貴重な日本美術の作品が方々に流れ散逸しているようですが、これらをもう一ぺん収集するような御計画はございませんか。かなりいい日本の古美術なども、どさくさのうちに散逸したようにわれわれ承わっておりますが、それらを集めるような御企画はございませんか。
  65. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 終戦後、異常な経済状態の混乱がございまして、文化財として貴重な作品が、その所有者の手から離れて、海外に渡ったもののあるという点につきましては、お話通りでございます。これらのものは日本文化の保存のため、あるいは将来における芸術の基礎を築くために惜しいものがかなりあるわけでございますが、さしあたってこれを買い戻すという計画はございませんけれども、これは文化財保護という観点から、将来文部省として検討して参りたいと存じております。
  66. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そういうための作品のリストはできておりますか。あるいは所在だとか調査は行き届いておりましょうか。
  67. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 海外にありますきわめて重要な文化財につきましては、これは文化財保護委員会において調査をされておると存じます。私はただいまここでは承知しておりませんが、文化財保護委員会としては各種の調査があるものと思っております。
  68. 淡谷悠藏

    淡谷委員 西洋の美術を集めるのは大へんけっこうですが、やはり日本古来のすぐれた作品がそういう形で散逸してしまうことは、日本の文化財の非常な損失になると思うのです。これは一日も早く調べられまして、長くなれば長くなるほど戻しがたいと思いまするから、近い将来に、やはりこういうものはかけがえのないものですから、買い戻すなりあるいは寄贈していただくなり、何とか処置をとられた方がよろしいと思いますが、そのリストなども、できるならば松方コレクションのリストと一緒に当委員会に御提出を願いたいと思います。これでけっこうです。
  69. 齋藤正

    齋藤(正)政府委員 文化財保護委員会に連絡いたしまして、御希望に沿うようにいたしたいと思っております。
  70. 福永健司

    福永委員長 午前中の会議はこの程度とし、暫時休憩いたします。     午前十一時四十分休憩      ————◇—————     午後二時三分開議
  71. 福永健司

    福永委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  憲法調査会法の一部を改正する法律案議題とし、政府より提案理由説明を求めます。田中官房長官。     —————————————
  72. 田中龍夫

    ○田中政府委員 ただいま議題となりました憲法調査会法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  御承知通り憲法調査会は、昨年七月発足を見たのでありますが、明年度に入りますと、その会議の開催数も増加し、調査審議も広範な事項について細部にわたって行われるものと見込まれるのであります。  これに伴い、憲法調査事務局におきましても、諸般の事務が増大することになりますので、これらの事務を円滑に処理するため、現在局長のほか七人である事務職員の定員を改め、新たに事務官五人を増員することとしたいのであります。  以上がこの法案を提出いたしました理由であります。  何とぞよろしく御審議の上、すみやかに御賛同のほどをお願いいたします。     —————————————
  73. 福永健司

  74. 榊原亨

    ○榊原政府委員 ただいま議題となりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案提案理由について御説明いたします。  今回提案いたしました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は、第一に、昭和三十三年度における各行政機関の事業予定計画に即応して、必要やむを得ない事務の増加に伴う所要の増員を行いますとともに、業務の縮小に伴う余剰定員の縮減を行うことといたしました。  第二に、定員外職員の定員化につきましては、総理府総務長定の手元において検討中の公務員制度全般にわたる改正を待って問題の根本的解決をはかりたい所存でありましたが、公務員制度改正作業もまだ結論を得ない段階でありますので、今回は公務員制度調査会の答申の趣旨を十分考慮し、かつ、戦後これに見合う適正な定員措置が諸般の事情で抑えられていたというような事情も認められますので、この際、暫定的に、各行政機関における定員配置の適正化を行い、あわせて定員外職員の処遇改善をはかるため、必要な定員外職員の定員化を行うこととするものであります。  次に、法律案内容について申し上げますれば、今回の改正によりまして、第二条第一項の表における各行政機関職員の定員の合計六十四万三千九百二十五人に対しまして、定員外職員の定員化に伴う増一万九千六百十五人、及び昭和三十三年度事業予定計画に伴う増三千七百二十一人で、結局二万三千三百三十六人を増加いたしまして、合計六十六万七千二百六十一人といたしました。  事業計画に伴う増員の主なものといたしましては科学技術庁の付属研究所等の拡充に伴うもの百四十三人、国立学校の学年進行、学部、学科の増設等に伴うもの七百八十四人、郵便取扱い業務量の増加に伴うもの千六十七人、電気通信施設の拡張に伴うもの千九百二十二人、特定郵便局の増設に伴うもの二百人等がありますが、いずれも業務の増加、拡張に伴う必要やむを得ないものであります。  なお、事業計画に伴い減員となるおもなものといたしましては、郵政省の電信、電話業務を日本電信電話公社の直轄に移管することに伴うもの六百九十八人、調達庁の行なっております駐留軍施設等の提供業務の減少によるもの百三十五人等があります。  次に、この改正法律は、四月一日から施行することといたしております。  以上がこの改正法律案のおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  75. 福永健司

    福永委員長 両案についての提案理由説明は終了いたしました。両案についての質疑次会以後に譲ります。     —————————————
  76. 福永健司

    福永委員長 防衛庁設置法の一部を改正する法律案自衛隊法の一部を改正する法律案国防会議構成等に関する法律の一部を改正する法律案及び第二十六国会よりの継続法案であります防衛庁設置法の一部を改正する法律案の各案を議題とし、質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。西村力弥君。
  77. 西村力弥

    ○西村(力)委員 私は去る一月二十二日、茨城県の小川町百里原飛行場に自衛隊の音楽隊が出動した問題に関連して、お尋ねをいたします。この出動という言葉を使うのがどうも変なような気がするのですが、こういう場合の用語は一体どういうことになっておるか、お尋ねをいたしたいと思います。出動ではなく、出張とか、出向とか、どういう使い方になっておるか、それの用語を統一して、これから申し上げたいと思います。
  78. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 音楽隊の派遣の問題についてのお尋ねと拝承いたしましたが、音楽隊の派遣につきまして、特別に出動とか、あるいはその他きまった用語は使っておりません。普通要請があった場合派遣するというようなことを言っておるわけでございます。
  79. 西村力弥

    ○西村(力)委員 この部隊はどこの部隊でございましたか。
  80. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 今度小川町付近に参りましたのは、第一管区の音楽隊でございます。
  81. 西村力弥

    ○西村(力)委員 その出動した命令の系統は、どういう工合になっておるのですか。
  82. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 第一管区総監の命令によって参ったものであります。
  83. 西村力弥

    ○西村(力)委員 管区総監の直接の命令によって出張、出動、そういう工合になった、これでよろしゅうございますね。  それでは、一般的に音楽隊が派遣される場合、これは自分たちの必要をもって出る場合と、他からの要請によって出る場合とあるでございましょうが、自分たちの必要によって出る場合はどういう場合か。あるいは他の要請によって動く場合はどういう場合か。大体今までのしきたりに従って御説明願いたいと思います。
  84. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 音楽隊が自分の意思で出るという場合は、まずないと考えております。大体地方の市民的な行事に参列してもらいたいという要請か、あるいは地方の連絡部なり、あるいはその他市町村等から要請がありまして、管区総監の許可を得て出るというのが、普通の場合でございます。
  85. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そうしますと、これは自衛隊のサービス事業として設置せられておるものであるかどうか。そういう印象を今の御答弁からは受けるのでございますが、自分たちの必要によって全然動かないものが、何がゆえに自衛隊によって必要とせられて設置されておるのか、私たちは非常に疑問に思うわけなんです。それらの点について解明を願いたい。
  86. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 音楽隊は 一つは自衛隊の士気の鼓舞というような任務がございます。また自衛隊として、自衛隊の存在を、宣伝という言葉が当りますかどうか、そういう意味に使う場合がございます。また最近におきましては募集、広報というような意味で、各方面から相当御要望がありますので、なるべくその御希望にこたえて、出ていただくという方針をとっております。
  87. 西村力弥

    ○西村(力)委員 自衛隊募集のPR活動のために動くということでございましたが、今のお話ですと、それは他の要請によって自衛隊の募集を推進しようとするものの要請によって出るのだ、こういうことでありまして、やはり自衛隊自体の必要によっての出動はないのだ、こういう工合に聞えるわけなんですが、それでよろしゅうございますか。
  88. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 音楽隊自身の要望という意味じゃなく、自衛隊として啓発、宣伝あるいは募集というようなことに関連しまして出る。今御承知通り、地方連絡部が募集の第一線の機関として働いておりますが、地方連絡部から、ある一定の日程に基いて、どこそこに来て一つ募集に協力してくれというような要請があった場合出て参るというのが、普通の形でございます。
  89. 西村力弥

    ○西村(力)委員 音楽隊だけの目的というような工合におとりになって御答弁になったから少しずれたのだと思いますが、私たちもそのように考えていない。自衛隊というものは日本でも唯一の組織機構を持ち、命令系統を持ったもので、一体的なものであると考えます。音楽隊が独自の目的をもって行動するというような御答弁は、少しずれてると感ずるわけであります。それはそれとしまして、今回の出動は、そうしますと、自衛隊が必要によったんじゃなくて、あの町の何かからの要請に基いて出た、こういうことになっているわけですね。
  90. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 お尋ねの場合は、茨城県の地方連絡部からかねて第一管区の方に、音楽隊を派遣し募集その他の広報に当らしてもらいたいという要請がありまして、この要請に応じまして出かけたものでございます。
  91. 西村力弥

    ○西村(力)委員 茨城の地方連絡部の要請でしょうけれども、それを要請せしめたもとの人々は、やはり町の何者かだ。先ほどからの御答弁で、さように私は思っているのです。それは通じるのは茨城の地方連絡部を通じたのでしょうけれども、要請の本源はあの町の何かの団体、こういう工合になるのでございましょうか。
  92. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 音楽隊は非常に各方面からぜひ来てくれという御要望が割合に強うございます。従いまして、それを地方連絡部で調整いたしまして、日取りその他をきめて、いつからいつまでは自分の方に来てくれというようなことで出て参るわけでございます。今回の場合においては、地方連絡部が各方面からの要請があって、それに応じてあんばいしたものと考えております。
  93. 西村力弥

    ○西村(力)委員 小川町の何の要請に基いて行かれたか、とにかく連絡部を通したでしょうけれども、その要請の本源は小川町の何の団体であったかということを、端的にお答え願いたい。
  94. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 これは音楽隊が現地に参りました際、あるいは百里原の誘致賛成派あるいは反対派という方が、若干駅頭でごたごたしたようなことを聞いております。それなら、そういうところには出る必要がないじゃないかということで、一応引き揚げを考えたが、その間に話し合いがついて、円満に出かけて仕事を果してきたというふうに私承知いたしております。従いまして何派何派、具体的にいうと誘致派あるいは反対派、その方々が承知したということではなくして、あの方面における募集、その他広報の任務に当るのが適当と連絡部が判断して要請したものと承知いたしております。
  95. 西村力弥

    ○西村(力)委員 さように御答弁でございまするが、新聞等によりますると、はっきりとあの小川町の飛行場誘致促進協力会、この協力会が要請をして、それに応じて音楽隊が出動した、こうなっておるのです。この新聞記事はうそだとおっしゃるのでございますか。
  96. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の方で一番警戒いたし、気をつけておりますのはことに音楽隊でございますが、何らかやはり政治的な目的にこれが使われるということを非常に警戒いたしております。警戒いたしておるのみならず、その点は十分音楽隊にも徹底いたしておると思っておりますので、ある特殊な目的のために出かけていくということはまずないと考えております。
  97. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それほど慎重になさるならば、あそこに音楽隊を派遣することが隊員募集上最も緊急に必要だ、こういうような理由が、事情が明確であるべきはずだと思うのです。その判断をせられた事情はどういうことなんですか。
  98. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 実はもう少し音楽隊の数が多くて、各地方自衛隊の募集その他に働いてもらえることを願っておるわけでありますが、何分にもそう大勢の者はございません。従いまして全部に行きわたるわけには参りませんので、第一管区についていえば、それぞれの日程を作って順次回っていくというのが現状であります。特にこの地方は応募者が少いから多くやってくれという地方の連絡部の要請があれば、そこに出かけていくというようなことがございます。ただ今回の場合について特別な何らかの意図を持って出かけたというふうには私どもは考えておりません。
  99. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そういう意図を持ったものでないという主張を私たちも認めたいから、あそこに茨城県としては今ぜひ行っておかなければならぬという事情、自衛隊募集の必要性、急がなければならぬという問題、そういう事情が明確にならなければ、あなた方が政治的介入云々を警戒せられて、そういうことがないのだと言うけれども、その裏づけは出てこないということに相なるではないか、こう考えるのです。その点を明確にしてもらいたい。
  100. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 やや具体的に本件について申し上げますと、茨城県の東茨城郡の玉造小学校の落成式があるので、ぜひ一つ音楽隊を派遣してくれという要請がございました。ところがごく最近になりまして、一時延期をするということになりまして、玉造小学停の落成式には参列できなかったわけでありますが、すでにスケジュールを組んであの方面に演奏するということになっておりましたので、いずれも広報、募集に効果があるという趣旨のもとに出かけたものでございます。
  101. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そうしますと、行き当りばったり、一方の計画がくずれたからあそこを選んだのだということになりまして、先ほどか言われているような、どうしてもあそこへ宣伝活動に乗り込まなければならないという必要性が、どこからも出てこないということに相なるわけです。そのように各方面に自衛隊募集の宣伝のために回られるといいますが、茨城県にはこの一カ年ぐらいの間にどのくらい出かけられたか。あなた方の立場から言いますと、あそこもぜひということで、だんだん順を追って回っておられるのだろうと思うのですが、この一年ぐらいの間、どのくらい宣伝に回っているか、それをお示し願いたい。
  102. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 一月以降参りましたところを申し上げてみますと、これは茨城だけではございません。一月十一日から十三日までに静岡地連の要請によって静岡、三島地区、それから二十日は今申しました小川町、二十六日は浅川、町制三十周年記念に出かけております。二月に入りまして、七日に厚木、これは高等学校の情操教育の関係で出かけているようであります。なお二月二十一日には浦和に参っております。
  103. 西村力弥

    ○西村(力)委員 ただいまの御報告によりますと、出動の動機といいますか、それの要請内容は何々の記念式だ、あるいは何々の教育振興のためだ、こういうような目的だけであって、今の御報告の中には自衛隊の募集宣伝のためにという理由づけのものは小川町一つしかない。そのほかはほとんど自衛隊募集じゃなくて、何かの記念式なんかに花を添える、こういうような立場で行っておられる。記念式も何もないような町に行かれたのはあなた方は自衛隊募集の宣伝だと言われるが、それはたった一つだけなんです。そういうことを見ますと、政治的介入は絶対に避けるのだとおっしゃることと、現実のなさっていることとがだんだん違ってくるように思われる。政治的介入でないならば、そしてそういうことをおそれるならば、この問題についてはっきりと事前に小川町の町長なり役場なりに当然連絡をすべきであろうと思うのです。ところが実際にはそっちの方には連絡がなくて、連絡があって事前に歓迎準備を整えておったのは、誘致促進の協力会で、それはアーチを立て、自動車の動員を行い、旗を用意し、あらゆる態勢を事前にとって駅頭に出迎えている。そのアーチには百里原飛行場誘致促進ですか、万歳ですか、そういう文字を掲げて準備万端抜かりなくやっておった。ですから誘致促進派に対しては事前にはっきりと連絡があった。ところが町長や町役場当局には何一つ連絡がなかった。こういうことになっているようですが、こういうことでは明らかにおっしゃることと違った。あそこに起ている紛争を念頭におきつつ、その出動によって生ずる効果を計算して出たんだと申さざるを得ないわけです。一体そういうように音楽隊が出動する場合に、町長や町当局に事前に連絡を必要としないのかするのか、それはどういう工合になっておりますか。
  104. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 音楽隊が出かけて参ります場合、必ずしも町村長あるいは町村当局と事前にお打ち合せをするというようなことには相なっておりません。ご連絡申し上げる場合もあるし、御連絡申し上げない場合もあるわけでございます。  なお先ほど第一管区の音楽隊が出ましたことに関連いたしまして諸種の行事を申し上げましたが、必ずしも行事によらず募集公募というような目的だけで出かけた例もございます。なおいろいろな意味で音楽会を開くことが同時にその目的を達成する場合が多いので、そういう御要請があったら努めて出かけて参りたいと考えておるわけでございます。
  105. 西村力弥

    ○西村(力)委員 その点についてはここ一年間の自衛隊第一管区の音楽隊の出動の一覧表といいますかそういうものを目的別、類別に出していただきましょう。  さきの御答弁でございますが、連絡する場合もあり連絡しない場合もある、こういうことですが、それでは自衛隊は一方的だと私は思う。なぜかと申しますと自衛隊法の第九十七条に明記されておる通り、自衛隊の事務の一部を市町村長に委任しておるわけです。そういう委任をして自衛隊の職務のある一部を担当して協力してもらっておる町当局、町長に連絡をしないで行くなんということは、非常識きわまることなんです。あなたはこの場のがれの答弁をなさろうと、連絡することはほとんど全部である、今回だけは連絡しなかったんだ、こういうことだろうと思う。建前としては従来はこういう場合においては町当局に必ず連絡をしておった、あるいは今までのやり方としてはそうであるのだ、こういう具合に私たちは考えておるのですが、どうでございましょう。
  106. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 御指摘の通り自衛隊の募集事務については、町村関係の格別な御協力を得ております。ただ先ほど御答弁申し上げました通り、ある特定の学校から招待を受ける、あるいは地連が特別にあっせんをするというような場合、必ずしも町村区長、町村当局に御連絡しない場合があるということを申し上げたわけであります。
  107. 西村力弥

    ○西村(力)委員 ある学校とかそういうものの要請の場合には、市町村当局に連絡しない場合もあるでしょうが、今回はそういうことではなくて町全体を対象として出たのです。ですからこういう場合において連絡しないというのは建前上はなはだ手落ちである、手落ちであると申すよりも、あなた方の底意ははっきり政治的な目的を持って行かれたために、ことさらに連絡しなかったのだ、こうい具合に言われてもやむを得ないと思うのです。この点に関しては町全体を対象として一般的なPR活動に御出動する場合、町当局に連絡しなかったという例は今までもあるのでございますか。そういうことは好ましいことであるかどうか。
  108. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 先ほど御答弁申し上げた通りでございまして、場合によっては連絡しないということもございます。なお今回の場合におきましては、音楽隊が参った場合、賛成派とか反対派とかいうような区別なく、駅にお出迎えを受けて街頭行進その他をやったというふうに承知いたしております。
  109. 西村力弥

    ○西村(力)委員 賛成派、反対派区別なく出迎えた、こう言いますけれども、先ほどから申すように、誘致派の人々は事前にちゃんとすべてのスケジュールがわかって、そしてアーチを建てて大歓迎の意図をもって迎えておる。おくればせながらこれを知った反対派の諸君が、こういうような具合に自衛隊が町の中を練り歩いて宣伝するということは、明らかに小川町の政治問題自体の自衛隊が介入することである、こういうようなことはよろしくないといって、おくればせながらその朝かけつけておるようなわけなんです。そのようなことを、両方がお出迎えしたなんていう具合にとられるような申され方はあまりに白々しいではないか、こういう具合に私は思うのです。では建前としては町当局に連絡するのが建前である、しかし今回はそれが手落ちをしたのが、こう仰せられるわけでありますか。
  110. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 今の連絡の関係につきましては、元ほど来御答弁申し上げた通り、場合によっては連絡しない場合もあるし、連絡する場合もある、こう御了承願いたいと思います。
  111. 西村力弥

    ○西村(力)委員 建前はどうなんですか。その点官房長が答弁できないとするならば、この問題は大臣に、一つどちらの方が正しいとお考えになりますか。その町全体を対象としてPR活動に出られる、こういう場合に、募集事務の一部を委任しておる町長に事前の連結をすることがほんとうであるかどうか。それを好ましいと考えられるか。この点に関しましては長官の御答弁をお願いしたい。
  112. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいま政府委員から答弁した通りでございまして、その場合、その場合によって適当な措置を講ずるのがいいのであって、建前はこうであるとかいうはっきりしたことを申し上げることは避けたいと思います。
  113. 西村力弥

    ○西村(力)委員 あなたはそう仰せられるが、場合々々というのは——私はある特定の場合を指摘して言っておる。祝賀会に行くとか、落成式に行くとか、あるいは教育振興大会に行くとが、あるいは一般的な宣伝活動に行くとか、場合々々はたくさんあるわけであります。それを総合して総体的に言うならばあるいは連絡しない場合もあるでしょう。場合々々で違うでしょう。違うでしょうけれども、私が言うのは、その町全体を対象とした宣伝活動に行くという場合に、そういう特定の場合において連絡するのが好ましいのか、そうお考えにはなりませんか。私はさようにお尋ねしておるわけなんです。
  114. 津島壽一

    ○津島国務大臣 こういった場合に町長に連絡した方がよかったか、あるいはなくてもよかったかといえば、連絡した方がよかったかもわかりません。しかしこれは玉造小学校の落成式に出る予定で、この計画はできたそうであります。おそらく町長の方にはその意味においては連絡があったものと私は想像するのでございます。
  115. 西村力弥

    ○西村(力)委員 連絡は全然なかった。想像されるといったってしょうがない。連絡しなかったからこそ、先ほどから官房長はああいう答弁をなさるのです。一国の大臣はもう少しはっきりとした答弁をせられたいと思う。これは手落ちは手落ちという場合にも——自衛隊は好まれる自衛隊になろうとする、こういう方針をとられるならば、そのような答弁をなさるということはあまりに事務的過ぎるではないか。そこの官僚の答弁とあなたの答弁は違う。そういうことははっきりと申されたらどうです。
  116. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいま答弁した通りでございますから、それで御承知願います。
  117. 西村力弥

    ○西村(力)委員 あなた方が自衛隊の募集にいろいろ苦労せられておる事情はよくわかります。それに市町村長が協力しておる。そういうところに、してもしなくてもかまわぬのだという言い方は一体どうなんです。これで好ましい自衛隊を作り上げる、また一般国民の理解を受けていこう、こういう態度はとられないということに相なるではございませんか。それは責任が襲いかかることを避けていこうということのためにそう言われるのであろうか。私は一国の大臣の答弁としてはまことに遺憾しごくだ。あなた方が主張せられておる、念願としておられる好まれる自衛隊という方向とまるで違った答弁になっている。それはそれだけにしまして、この連絡をしなかったという点、それから誘致派はもうよほど前から歓迎の準備を整えておったというようなこと、そういうふうな点から、この出動というものは、明らかに誘致派の要請に基いて出動したのだ、こういうふうに考えられる。そこで自衛隊の音楽隊の出動の場合に、何でもかんでも要請されたら、どこにでも出るというのではなくて、その限界というものははっきりしているだろうと思うが、どの限界までその要請に応ずるという工合になっているのか。
  118. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の力としましては、一応の標準を考えております。その点を申し上げたいと思いますが、国または国際的な儀式とか行事、それから自衛隊自体の儀式とか行事、それから自衛隊自体の広報活動、官公署、学校その他公共団体が主催する諸行事、それから一般団体の主催する行事等で、国民との親和をはかるというために特に効果がある、それが一般的な標準になっております。なお長官から特に承認があった場合においては今申し上げました以外の場合においても出るということにいたしております。
  119. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そういたしますと、いろいろな一般的な基準の中の、自衛隊自体の広報宣伝、そのために出動したということになりますが、そういう広報宣伝に出る場合ならば、その募集事務を委任され、苦労されている町当局になぜ連絡しないのか。それはするのが当りまえではないか。ところがこのことを全然怠っている。ですからやはりそういう理由づけは取ってつけたものであって、実際はそこの協力会の要請に基いて、腹を合せて出動せられた、こういう工合に断ぜざるを得ないのです。それでは長官にお尋ねしますが、あそこは現在誘致賛成、反対ぎりぎりの問題が紛叫を起しております。しかもその紛叫の過程においては、あそこの町民は基地誘致反対という叫びをあげて、それに結集して、日本で最初の女町長山西きよ女史を当選させている町なんです。そういう町に、今ぜひとも宣伝しなければならぬという必要性もないのに音楽隊が出動したということに対しては、一体長官は好ましいことであったと思うか。そういうことはやはり事情は十分わかっておるのだから、これは避けるべきものであった、こうお考えになるか、それはいかがでございますか。
  120. 津島壽一

    ○津島国務大臣 地方からの要請の連絡がありまして、総監が適当と認めて派遣したのでございます。そういった問題については、どうあるということは考慮の外でございまして、総監の決定は私は適当な措置であったと思います。
  121. 西村力弥

    ○西村(力)委員 総監のそういう判断のなされ方に対して、防衛庁長官は命令ではないにしても、批判というか判断というか、それを批判して悪かったと言わないまでも、今長官という立場から、よかった、悪かったという一つの判断はあり得ていいではないか、こういう工合に考えます。私たちとしては、そういうことは避けるべきであった、こういうのが当然ではないかと思うのですが、重ねて一つお尋ねしたいと思います。
  122. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまお答え申し上げた通りでございまして、総監の措置は私は適当てあった、こう思うのでございます。
  123. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そうすると長官はあの出動によって国民との親和——あそこの町では、音楽隊は意図を持って出てきたというので強い反対が出て、自衛隊自体に対して非常に反感が高まってきている。その派遣の場合には国民との親和をはかるという一つの目的を持って出る、こういうことになっている。そういう目的を持って出る。しかるに音楽隊は逆の効果を生んでいる。それを正しかった、こういう工合にお考えですか。国民との親和をはかるというようなことは必要ない。こちらはこちらとして宣伝だけやればいい、国民にどういう工合に反応を与えて、受け入れられようともかまわないのだ、こういうような立場の御答弁のように聞えるのですが、どうですか。
  124. 津島壽一

    ○津島国務大臣 音楽隊派遣の目的は達成したと思っております。従ってただいまお答え申し上げましたように、今回の派遣はその目的に沿うておったと私は見ております。
  125. 西村力弥

    ○西村(力)委員 とにかく長官にお尋ねしますが、人間の行為というものにはいろいろあるでしょうが、経済行為とかあるいは政治的行為とかあるいは文化的な行為とか社会的規範にはずれた暴力行為とか、さまざまあるでしょうが、あそこで基地賛成、反対、こういう二つの立場のものがあるのです。こういう二つの立場でそういう行為をやっておる。こういうようなことはその行為というものの類別からいうと、どういう行為に入ると思いますか。長官はどうお考えですか。
  126. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまお答え申し上げたところで御了承願うと私は思っております。
  127. 西村力弥

    ○西村(力)委員 いや、それは御了承願うと言ったってどうにもならぬですが、私の言うのは少しはずれているようですけれども、あそこには現実に賛成反対の二つの政治的立場があるのだ。これは政治的な行為だ。町全体の意向が、あっちにいこうとしたり、こっちにいこうとしたりしておる。そういうのは政治的な動きだ。そこに乗り込むということは、やはりそういう政治行為に方向を与え、あるいはその影響を与え、威圧を与える。そういう結果を見ることは火を見るよりも明らかなのです。そこに行ったことが、目的を完遂して、あるいは正しかったというようなことになるということは、これはあまりにも強弁過ぎるように私は思われる。どうでしょう、それでもやっぱり音楽隊出動というのは目的を達して正しかったという工合にお考えですか。
  128. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまお答え申し上げた通りでございます。
  129. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それでは私はこの問題につきましては、また今後十分に調査をしてお尋ねすることにします。ところがその際出動した音楽隊の諸君は賛成派の大歓迎を受け、また反対派の一つの阻止にあって紛争が起きた。その現実の処置についてはある程度隊長の良識があったと私は考えるのでございます。ところが、やはり最後までこれをやり通そうとして、町内を団体を組んでデモ行進をしておるわけなのです。こういうことは自衛隊法の政治活動の制限の条項にやはり抵触する、こういう工合に私は考えるのでございますが、その点の見解はどうですか。
  130. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 先ほど来御答弁申し上げました通り、音楽隊は、そういうような政治的な意図のもとに動くということは絶対に避ける方針でやっております。御指摘の具体的の事例におきましては、当初二日を予定して参ったのでありますが、一日に短縮いたしました関係で、街頭その他において数回演奏しておる事実がございます。
  131. 西村力弥

    ○西村(力)委員 現実に小川町には政治的な対立があるところに乗り込んでそういう影響を与えたことは否定できないと思うのです。その町内の二派の政治的対立に対して影響を与えたことは否定できないはずなんです。しかも多数が行進をしてますます威圧を高めたということになるわけです。表面は政治目的を持たないと言いましても、現実には影響を与えている。こういうことから言いまして政治目的を持っておったのだと言われてもやむを得ないんじゃないか、こういう工合に私たちははっきり考えているわけなんですが、それは後ほどまた折を見て見解をただそうと思うのでございます。  次に問題になります点は、その日自衛隊の音楽隊の諸君は、私の聞いているところでは昼食時に相当飲酒をしている。これはあまり好ましいことではないし、そんな話を私もあまり聞きたくないのですが、もしそういうことがありとするならば、これは公務員の勤務中の行動として好ましくない、かようにお考えになるだろうと思う。いかがでございますか。
  132. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 昼、酒を飲んだという話は聞いておりません。
  133. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そのことはそれでよろしゅうございますが、その晩は小川町に泊られた。私たちから見ますと当然お帰りになれると思うのですが、その晩わざわざ橋本旅館というところに泊られて、誘致賛成派の商工会の代表諸君と相当な酒宴をなさっていらっしゃる。そのときの酒量は三斗五升だといいますから、平均しますと一人五合になります。そういうことは社会的な一つの義理みたいなものですけれども、泊られるには泊られるだけの公務上の必要があると思う。そういう場合にしかも政治的だという疑いをかけられることを極力避けているという立場を主張されるあなた方が、賛成派の諸君の招待に応じて一人五合平均の酒宴を催したということは、ますます先ほどからのあなたの答弁がうそだということを示しているものと思う。一体そういう部隊として公務をもって、必要をもって一旅館に宿泊するような場合に、そういう人々の招待に応じて大酒宴を催すようなことが自衛隊のあり方として正しいのか、その点については長官いかがでございますか。
  134. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 自衛隊員が出張して、その地で諸種の歓迎を受け、あるいはそのためにいろいろ誤解を受けることは厳に慎んで参りたいと考えております。本件の場合におきましてはお話し通り商工会議所の方々と会食をした事実はございます。夜相当おそくまで演奏をいたしまして宿泊の余儀なきに至り、橋本旅館に泊ったことも事実でございます。その席で多数の方と一緒に食事をしたことも事実でございまして、これがためにいやしくも自衛隊の品位その他に誤解を受けるというようなことがありましては、われわれの考えておるところとまことに違うものであります。そういう批判の出ないように十分注意をして参りたいと思っております。
  135. 西村力弥

    ○西村(力)委員 音楽隊は当日午前十一時半に、駅頭に着いていろいろトラブルはありましたけれども、その日の午後四時過ぎに全部の日程を終了しているのです。ただいまのお話ですと、演奏は夜おそくまでかかったということでございますが、私たちの調査によりますると、そうじゃない。夕景にはちゃんと全部日程を終了している。ですから帰られるのだ、こういう工合に私たちは判断しているわけなんです。そういう違いは、一体どちらがほんとうなんです。
  136. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の方で承知しておりますのは、演奏が相当おそくまでかかったというふうに承知いたしております。ただいま西村委員の仰せもございますので、その点についてはさらにはっきり確かめたいと考えております。
  137. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それについては長官にはっきり御答弁が願いたい。公務で宿泊する部隊が、その土地のある団体の供応を受けるということは、自衛隊のあり方として、その品位というか、そういう点からいいましても、これを好ましいと考えられるかどうか、長官の御答弁を願いたい。
  138. 津島壽一

    ○津島国務大臣 演泰は四時に済んだというお話でございましたが、私のところに参っている報告には夜九時までやったというふうになっております、なおまたその会食の模様がどうであったかということについての詳細な報告はありませんが、約一時間であったということ、並びに宿泊その他食事については全部自衛隊が払っておるというような報告も受けておるわけでございます。
  139. 西村力弥

    ○西村(力)委員 その報告のずれはこれから調査すればわかるし、また官房長調査をなさるとおっしゃっておるわけなんですが、私の質問のポイントをあなたはそらせている。そういう隊としての行為自体を長官としてどう考えられるか、それをお尋ねしているわけなんです。
  140. 津島壽一

    ○津島国務大臣 その点については政府委員からお答え申し上げた通りでございます。
  141. 西村力弥

    ○西村(力)委員 政府委員から答弁されたところは、記録を見ませんとわかりませんが、はっきりそういうことは好ましくない、遺憾に思う、こういう工合に申されたと長官はお考えになっていらっしゃる、こう受け取ってよろしゅうございますか。
  142. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまお答えしましたように、政府委員からその点については申し上げた通りでございます。
  143. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それじゃ先ほどの再現を一つお願いします。
  144. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 もし自衛隊員がこういうことのために世間の疑惑を買うようなことがあれば、これはやはり十分戒めていきたいという趣旨を申し上げた次第でございます。
  145. 西村力弥

    ○西村(力)委員 これは大いに疑惑を生んでいるのですから、はっきりこれは好ましくないと断定になっていただきたいと思う。それから、今長官からそのあとの宿泊費関係一切については自衛隊が処理しておる、こういうことでございますが、あの宿泊料の支払い状況を見ますと一人当り百円です。一体百円で今泊める旅館がどこにあります。
  146. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の承知しておる限りでは百円ということはございません。一人三百五十円支払いをいたしております。
  147. 西村力弥

    ○西村(力)委員 その支払いは供応を受けた酒宴の部は除いて、朝食、夕食の泊りだけ、こういうことでございますか。
  148. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 その辺の宿料としては今申し上げたのが大体のところと考えております。
  149. 西村力弥

    ○西村(力)委員 三百五十円で泊れるならば私ども泊ってみたい。いかにいなかといえども、三百五十円で泊めるところはおそらくないのではないか。あなた方の出張旅費は何ぼです。私どもは遊興飲食税の算定の場合において、今八百円までは必要経費である。これは家庭の延長である。だからそれは基礎控除して、それには税金をかけるな、それ以上高くなれば遊興的なものが入るから、その分だけに遊興飲食税をかける、国会でもそれくらいのことをやっておる。それをこのごろの物価高から約千円に上げようという機運が出てきているわけです。三百五十円で泊るなどというのはほんとうに自分の持ち込みでどこかの寮がそういうふうなところに泊るならばそういうことはあるかもしれませんけれども、三百五十円があの辺の一般の料金だというような工合に考えられることはおかしいじゃないか。そういうことは自衛隊が特権的なものになったときに初めて通用するでしょう。今そういうことが通用するという工合に考えることは、これはいけないじゃないか。昔私ども子供のころは、兵隊さんがおいでになれば、もう洗いざらいいいふとんを出して、貧乏であってもごちそうして歓待申し上げた。子供のときにはそれはうれしかった。だけれども現在の自衛隊はやはりそういう過去の思い出をなつかしがって、三百五十円で泊るのは当りまえだ、こういうような意識を持つなどということはおかしな話なのです。三百五十円はっきり払ったということは事実なのですか。そうしてまたあの辺の旅館の宿泊費は一人当り三百五十円というのが相場なのですか、どうですか。
  150. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 御指摘の三百五十円払ったというのは事実のようでございます。なお相当大勢でございますから、平生四百円かあるいは四百五十円というのが三百五十円ということも、必ずしも想像にかたくないところと考えております。
  151. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それは自衛隊ですから、経済観念がない。だから中古エンジンなんかあんなに買ったりする。高いのも知らないし、安いのも知らない、こういうことになると私は思うのですが、小学生だって米を持っていっても三百五十円で泊めるところは今ありませんよ。そんなところはありません。そういうようなことは全く常識はすれなのです。この点はあなたの方で三百五十円というし、こちらは百円と調査していますが、三百五十円でもやはり普通の支払いではないのだ、こういう工合に私は考えるのです。この問題については近く現地に私たちが参りますので、そのときにとくとまた聞きただして参りたいと思っておりますが、最後長官にお尋ねしておきたいのは、ただいま長官の御答弁をお聞きしますと、根本的にいいまして、自衛隊が国民と非常に親和するということを願っておられる長官の立場というものは全然披瀝されないでしまったではないか。そういう基本的な立場をお持ちであるべきはずなのに紛争のあることを承知して行ったことは、これはやはり好ましくなかった、あるいはそういう特定の大紛争の起きておる町において、その一方の派の饗応を受けるということは好ましくないのだ、ことに公務中に饗応を受けるということは好ましくない、こういうはっきりした態度をとらるべきだと思うのです。今までの御答弁では私は非常に遺憾に思われる。一国の大臣としましてはあまりに属僚的な答弁に終始されておる、こういう点を非常に遺憾に思っておるのです。長官、その点に関してはっきりとわれわれが長官に期待する答弁があってしかるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
  152. 津島壽一

    ○津島国務大臣 音楽隊の派遣は、当時については町民も非常に喜び、演奏の目的は達成しておると私は思っております。御所見は御所見として承わっておきますが、私は今回の派遣はその目的を達しておるものだと考えておる次第でございます。
  153. 西村力弥

    ○西村(力)委員 この問題は近く参りましたあとに再度簡単にでもお尋ねすることにして保留しておきます。  次に移りますが、あの百里原に防衛庁は庁舎とか建物を建設しようという意図をもって、その許可を県の建築主事の方に願っておるわけですが、実際は土地の消防庁の不承認にあって、その仕事が進んでいないわけなんです。これは現実に格納庫を建てられ、庁舎を建てられるそばに農家が数戸残って、そうして自分たちの生活を守ろうとしておるのですが、その問題が解決するまでその建築の企画を思いとどまるというわけにいかないのですか。今、建築主事が許可しないことに対して異議申し立てを出しておるようですが、あそこのすぐそばにおる農民の全体が、この問題を解決して気持よく去ったあとてこの問題をやっていっても何ら差しつかえはないではないか。そうやるのがあたりまえだ。数戸が残っておるところに格納庫を建てる、あるいは庁舎を建てるにしても、その者が去らない限りにおいては滑走路はできないのです。こういうできないのに大事な国費を使って庁舎などを作るということはやめた方がいい。また賛成反対という二つの立場に対しては、建築というのはやはり既成事実を作ることになるので、こういうことは避けるとあなた方は始終仰せられておる。ですからこの点につきましてはさっそく許可申請を取り下げる、異議申し立てを取り下げる、こういうふうにやるべきではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
  154. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまの御質問に対しては政府委員から答弁させます。
  155. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 防衛庁といたしましては、基地建設に当りましてはできるだけ現地の方の御了解を得てからこれにかかりたいという方針で臨んでおるわけであります。不幸にして御賛成を得られない向きに対しましては極力説得をするという方針をとっておるわけであります。今お尋ねの建築の点につきましては、四月の中旬に許可に相なっておるようでございます。
  156. 西村力弥

    ○西村(力)委員 何月何日に許可になったということをはっきりしてもらいたい。
  157. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 ただいま手元に資料がございませんので正確な日付は申し上げることはできませんですが、それに対しまして消防庁の方から目下異議がありまして、それと折衝しておるという段階でございます。
  158. 西村力弥

    ○西村(力)委員 いやしくも政府機関法律の条項を御承知ないという工合に私たちは聞き取って、残念に思っておるのですが、その建築をやる場合においては、これは消防法の第七条によって、土地の消防長の承認が絶対の前提なんです。その承認がないのに、許可が出たということを真に受けておられるというようなことはおかしいじゃないですか。ただいまの答弁の通りでよろしいのですか。そうすると、その許可をした県の建築主事が違法行為をやっておるということになるわけだ。
  159. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 ただいま許可がありましたと申しあげましたのは、建築基準法によるところの建築主事の承認でございます。
  160. 西村力弥

    ○西村(力)委員 建築基準法には承認ということはありません。許可と確認ということなんです。しかもそのいずれもが消防長もしくは消防署長の同意ということを前提として必要要件としておる。そういうところを許可されたごとく受け取って仕事を進めるのだったら、さっそくやめてもらいたい。それは注意してもらいたい。
  161. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 防衛庁といたしましては、できるだけ現地の御了解を得次第、建築に取りかかりたいということでもって努力いたしておるのでございます。
  162. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そういう気持はその通りでしょう。それは言わなくてもわかる。それならば、現地の了解をつけるまで一切そういう蠢動をやめたらどうか。事はそうすることによってかえってスムーズに解決するのではないか。それを既成事実を作って、反対派は非国民であるというような打ち出し方で、そうしてその農民の家のそばまででっかい建物を建てて、お前らはどうしても動かなければならぬというような押しつけ方をしたならば、逆にはぬ返ってくる。それはあなた方の方でわかっている。この前、ブルドーザーでひき殺すぞ、あるいは警官をもって強引にやろうとして、かえって地元民を刺激した。こういうところにはっきりした考慮というものが払われるべきであったろうと思う。
  163. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 たびたび申し上げますように、できるだけ現地の御了解を得てから工事にかかりたいということで、せっかく努力をいたしておるところでございます。現在のところ工事はいたしておりません。
  164. 西村力弥

    ○西村(力)委員 私は、工事申請をしてぎりぎり押してくることをやめなさいと言う。それをあなたは先ほど建築主事の方の関係当局の許可を受けている、こういうことを言いましたが、それは事実その通りでないのだから前提が違う。そういう間違った前提に対して今考えておられることをやめて、はっきりと考え直していただきたい。この件につきましても、あなた方が口ではそういうことを言いながら、ぐんくんと押してくると、ますます刺激して、問題がこじれるだろうということを警告申し上げておきたい。ぜひ誤まった点に立ってのやり方はこの際一つ考え直していただきたい、いたすべきである。こういうことを申し上げまして、これのいずれについても、後日また折を見て質問さしていただくように留保していただきまして、今回はこれで質問を終りたいと思います。
  165. 福永健司

  166. 淡谷悠藏

    淡谷委員 関連して質問したいと思いますが、まず津島長官にお願いしたいのは、この問題を、音楽隊の派遣というだけのものに考えていただきたくない。最近私、決算委員会等におきましても、いろいろ防衛庁の経理の内面を見ておりまするが、さっき長官がお答えになりました、その場合その場合で違うのだといったような考え方が、防衛庁全般運営の面にこのごろは露骨に現われて参っておると思います。単に百里原だけの問題ではありません。全部がこの調子になっておる。これは自衛隊の一つ性質で、警察予備隊から保安隊に移り、そしてまた自衛隊に移るまでの移り方が、どうやら、この場合この場合でずるずると延びてきたような自衛隊でございますから、この伝統がもしこのままでなお継続されるならば、私は、国防という観点からは別としまして、国内の問題でもかなり大きな危険が伏在するようになることと確信しているのであります。このたまたま現われました百里原の飛行場の問題につきまして、昨年来起った不詳事、これを契機に断固切り捨ててしまうような大きな覚悟をもって、やはり現われた一端にも処していただきたい。国会答弁の型をとりまして、のらのらと逃げるような御答弁では、とても満足を与えられないと思います。第一、今度は音楽隊の派遣であったからよろしい。一体この派遣ということはどうなるかというような問題です。自衛隊の出動、これは御承知通りはっきり規定されているわけなのでありまして、防衛の出動、治安出動、海上における警備行動、災害派遣、こうありまするが、一体音楽隊の派遣は災害派遣とは言われませんが、何派遣になりますか。これは法律的にも規則の上からも厳重にやらなければ、武器を持っておる機構だけに容易ならざる事態が起ることと思いますから、くどいかもわかりませんけれども、その点ははっきりさしておきたい。
  167. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 先ほどもちょっとお断り申し上げておきましたが、あるいは派遣あるいは招聘というような言葉を使っておりますが、別に厳格に法律的にそうきまっておるというわけのものではございません。音楽隊を各地の要請によって出しますことは防衛庁といたしまして、防衛庁の任務一つに、所掌事務の周知宣伝をするという条項がございます。所掌事務について周知宣伝をはかるという意味で音楽隊の派遣を考えておるわけで、御指摘のような防衛出動あるいは治安出動、災害派遣というような性格のものとは全然違うと考えます。
  168. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その派遣のうちに、音楽隊以外の自衛隊の種目で、なお要請によって派遣する場合は、災害派遣以外にござまいすか。あるいは、この前に何長官だったか答弁しましたように、朝鮮に出した自衛隊さえ、公務員の海外出張であるといったようなこともございましたが、このようなケースで音楽隊以外の自衛隊を派遣されたのでは、出動以外の派遣でかなり大きな出動ができるようなわけになりまするが、そういう例がございますか。
  169. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 今申し上げまして治安出動あるいは防衛出動、災害派遣、それ以外海上における警備行動というようなものがございますが、申し上げました音楽隊については全くそういうような性格のものではなく、防衛庁の事務一つ考えております。
  170. 淡谷悠藏

    淡谷委員 警備行動のことは、私、四種の出動並びに行動にあげておきましたが、そうしますと、民間の要請があって出る自衛隊というのは、この四つの規定以外にはない、あとは音楽隊等の宣伝する必要上からの派遣があり得る、こういうふうにはっきり理解してよろしいですか。
  171. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 これは申し上げるまでもないことでございますが、土木工事の請負要請によってやるという場合がございます。
  172. 淡谷悠藏

    淡谷委員 音楽隊の派遣と土木工事の請負、このほかにございませんか。
  173. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 現在のところ要請によって出るというのはそれ以外にはないと考えております。
  174. 淡谷悠藏

    淡谷委員 要請によって派遣する場合に、さっき高等学校の情操教育の必要から浦和かどっかの学校に派遣したということがございますが、政治介入はしていないという御答弁でございましたが、教育介入はやるのですか。情操教育は私は文部省がやればいいので、別段自衛隊がやる必要はないと思いますが、この点はどうです。    正
  175. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 先ほどそういうようなお答えを申し上げましたが、音楽が聞きたいから出してくれ、音楽を聞いていただこうということでございます。
  176. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それではあなたの情操教育と言われた言葉は、取り消されますか。
  177. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 言葉が適当でなかったかと思います。
  178. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さらに、自衛隊自体がそれぞれのプログラムに従って派遣される場合は別としまして、地方で要請があった場合、この経費はどこが負担しますか。
  179. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 旅費等はやはりこちらで負担いたすことにいたしております。
  180. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その出張の手当あるいは宿泊料の規定はございますか。
  181. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 一般の旅費その他に準ずるもの考えております。
  182. 淡谷悠藏

    淡谷委員 一般の旅費規定と申しますが、音楽隊に関して具体的に聞きたいのですが、音楽隊の一日の旅費、日当その他は幾らになっておりますか。
  183. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 これは音楽隊もそれぞれ幹部その他曹以下ということになっておりまして、それらの階級に順じて旅費、日当その他は支給されるものと考えております。
  184. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今度百里原に派遣されました音楽隊はそうすると幾人で、どういう階級の者が行っておりましたか、御説明願いたい。
  185. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 一尉が一人、それから二尉が一人、音楽隊はその他三十一名でございます。
  186. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その旅費、日当及び宿泊炭質をどれぐらいに規定されておるか、御説明願いたい。
  187. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 手元に正確な資料がございませんが、大体一人平均しまして千九百円ばかりに相なっております。
  188. 淡谷悠藏

    淡谷委員 千九百円の内訳をお聞かせ願いたい。
  189. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 ただいま手元に資料がございませんので……。
  190. 淡谷悠藏

    淡谷委員 手元に資料がないと言いますが、あだけの二十二万という自衛隊を持っておる官庁が、手元に資料がなければ一日の宿泊費の単価もわからないのですか。あなたばかりじゃない、たくさん来ておられる。経理局長がおられる人事局長がおられる、防衛局長官房長、教育局長、総務局長、ほかに長官も来ておられる。これだけの頭をそそろえて、隊員一人の宿泊費がわからないというようなばかなことがありますか。早急に資料を取り寄せて下さい。そんなに手間はかかりません。電話一つでわかるじゃありませんか。
  191. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 取り調べて、至急に報告します。
  192. 淡谷悠藏

    淡谷委員 間に合いませんから、今すぐ願います。それじゃ、そのことがはっきりするまで、このことはちょっと差し控えておきますが、一体当日の出張には、出張命令が出ておりますか。出張命令は何日を予定しておりますか。
  193. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 一月二十一日と二十二日の一泊二日というのが、予定されておる出張命令でございます。
  194. 淡谷悠藏

    淡谷委員 一泊二日ですか、そうしますと、実際においてはどれくらいおりましたか。帰隊するまでは、何日の何時までかかったか、一つ御報告願いたい。
  195. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 二十一日の午前九時ごろ小川町に着きまして、翌日帰隊したと承知しております。
  196. 淡谷悠藏

    淡谷委員 翌日の何時に帰隊されましたか。
  197. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私のところでは今ちょっと、何時に帰隊したか承知いたしておりません。
  198. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それじゃ自衛隊は、何時に出動して何時に帰ってきたかという記録はないのでございますか。これは音楽隊だからいいけれども、あとの隊の行動に、出動した時刻、帰ってきた時刻の確認がなくて、出動あるいは派遣ができますか。
  199. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の方としては一々全部の音楽隊につきまして、いつ出ていつ帰ったということを調べてはおりません。
  200. 西村力弥

    ○西村(力)委員 新聞記事に見ますと、一月二十一日は小川町にとまっておるのですよ。あなたの方の出張命令と全然逆な、命令違反の行動を平気でやらされているんですね。
  201. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 先ほど一月二十一日、二十二日と申し上げたのは誤まりでございまして、二十二日、三日でございます。
  202. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それは向うから報告をとって記録せられたと思うのですが、読み違いじゃないでしょう、二十一日と二十二日……。
  203. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の申し上げ違いでございました。
  204. 西村力弥

    ○西村(力)委員 申し上げ違いというのはそこに記録してあるのの読み違いですか。
  205. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 申し上げ違いでございます。
  206. 西村力弥

    ○西村(力)委員 この問題についてきょう出られるには向うと連絡して報告をとっておられると思うんだが、原簿はとにかく二十一日と、こうなっているんじゃないかな、いかがですか。それは申し上げ違いと読み違いと、どっちなんです。あなたのそこには二十一日と書いてあるんでしょう。
  207. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 正確に申し上げます。一月二十二日から二十三日にかけて参っております。
  208. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ずいずんどうも、読み違いやら言い違いやらなさいますけれども、もう少し落ち着いて御答弁願いたいと思うのですが、出張命令もその通りになっておりますか。あるいは、出張命令は二十一日から二十二日だったんだが、いろいろな都合で、その場合場合によりまして変って、二十二日あるいは二十三日に変ったのじゃないのですか、念のためにお聞きしておきます。
  209. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 先ほど申し上げました通り、当初は玉造の小学校に参るということで計画はいたしましたが、現実の出張は今申し上げました通り二十二、二十三日が出張日に相なっております。
  210. 淡谷悠藏

    淡谷委員 出張命令はどう出ておりますか。
  211. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の方に一々出張命令は確認はいたしておりませんが、報告によりますと、二十二日と二十三日ということに相なっております。
  212. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ときどき読み違えるようですから、出張命令簿をお取り寄せ願いたい。今行っておられますから即座にお取り寄せ願いたい。いかがです。
  213. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 御要求に応じたいと思います。
  214. 淡谷悠藏

    淡谷委員 至急お取り寄せ願いたいと思います。私はあなた方の答弁を聞いていますと、この件に限らず、しょっちゅう取り消したりあやまったりするんですが、それだけで直らない。私はやはりこの際は、時間をとりましてもこの問題を徹底的に明らかにしておきたい。津島長官もさっきからの私たちの質疑応答を聞かれまして十分その決意を新たにされたと私は考える。この音楽隊の問題は今の資料が来ましてから私また追及しますが、これに類したことは決して百里原の音楽隊の派遣にとどまらない。たとえばこの間大蔵委員会等でだいぶつき上げられましたが、あの米軍が使っておりました土地を大蔵省の管財局がまだ保管の転換をする前に自衛隊が勝手に使い出した、これなども大蔵委員会であらためて長官が答弁なさるでしょうから、この委員会では大蔵委員会に敬意を表して追及しない。けれども同じようなことが各地で行われている。これは防衛庁長官にお聞きしたいのですが、本年度の計画で米軍が返還した土地に自衛隊を一体どれくらい入れようというのです。
  215. 津島壽一

    ○津島国務大臣 来年度の計画は予算に計上した部隊の配置、それらは予算実行とともにこれが実施に着手したいと思ってかります。でき得る限り経費の節約の見地からなるべく米駐留軍の使用しておった施設を利用したいという方針でございます。しかしながら引き継ぎその他についてはいろいろな手続が要ることと思います。そういった方針において、今申しました個々の場合について検討をいたしておるわけでございます。
  216. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は前長官時代からきびしく申し上げておったのでありますが、自衛隊と米軍とがジョイント・ユース下に置かれた演習地の補償の問題は一体どうなさるのですか。また米軍が撤退したあとにおける演習地の自衛隊の使用の事務的な手続をどうなさるのか、これをはっきりしておきなさいと再々申し上げておる、その点解決されましたか、現在のところどうなっております。
  217. 津島壽一

    ○津島国務大臣 お答えいたします。米軍の使用した施設であって返還を受けるものは大蔵省に当然に帰属するわけでございます。それをさらに防衛庁において使用する必要があるものはそれを移管するという手続でやっているわけでございます。
  218. 淡谷悠藏

    淡谷委員 民有地の場合はどうされますか。
  219. 津島壽一

    ○津島国務大臣 米駐留軍の施設中に民有地が含まれておる場合は、一応これを原状に回復するというのを原則といたしまして、必要に応じて防衛庁にこれを引き継ぐ、こういう処置をとる原則になっております。
  220. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は今の正長官の答弁の中にインチキが入っておると思う。必要に応じて自衛隊がこれを接収する、こう言っておりまするから、必要に応じたら一たん米軍撤退後には民間に返すという原則をふみにじって、これは自衛隊が使い得るという法的根拠はどこにあります。
  221. 津島壽一

    ○津島国務大臣 返還設備をいきなり防衛庁が直接に引き継ぐという手続はとらぬつもりでございます。
  222. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうしますと、今の防衛庁長官の御答弁で、民有地の場合は一応は民間に返して、さらに民間と自衛隊が折衝して、承諾を得ればこれを使用するという原則は変えませんね、確かめておきます。
  223. 津島壽一

    ○津島国務大臣 実際の手続といたしましてはその所有者の了解、話し合いをもって一たん返還した手続をとると同時に、直接に自衛隊、防衛庁に帰属するというような手続もあり得るかと思います。
  224. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その御答弁も非常にあいまいです。そのために今各地で米軍の返還地をめぐって抗争が起っておる。実際は民有地として返すべきものを返さずに使っておいて、使いながらこれを一交渉して地元に納得を求めるという意味でございますか。再確認したい。
  225. 津島壽一

    ○津島国務大臣 米駐留軍の施設のうちであるものは共同使用といった形式で現に自衛隊の使用が認められておるものもあります。また便宜米駐留軍の好意によって、行政協定その他によって使用を許可され現実に使っておる場所もあるわけでございます。
  226. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その点が長官、私はあなたにあらためて御注意しておきますが、ジョイント・ユースが大へんに危ないということは再三言っているのです。自衛隊は自衛隊の名前をもってしては演習地がとれない。ネズミが掘った穴にヘビが入り込むように、ずるずると入り込んだ例がたくさんあるのです。ジョイント・ユースが一体どういう性格のものか。その補償はどうされておるものか。これは私の質問に対して長官はしばしば研究して御答弁するとか、是正しますとかという答弁しかできなかった。ジョイント・ユースをする場合に、初め米軍にこれを貸した民間とあなた方は交渉しないで、その民間を除いて、直接に米軍がこれを自衛隊に貸し付けたという事例がほとんどですが、その点はどう理解されておりますか。
  227. 津島壽一

    ○津島国務大臣 現行協定のもとにおいてはそういった場合に、米駐留軍は自分の管理権の範囲内において自衛隊にこれが使用を認める、こういう手続になっておるのでありまして、現実にこれを使用しておるということは、駐留軍の管理権の範囲内においてやっておる、こういう実情でございまして、それが妥当な措置だと思っております。
  228. 淡谷悠藏

    淡谷委員 返還する場合に、それが混乱のもとになるのです。米軍がこれを返還した場合、自衛隊は返還しない、米軍から借りたものだ。米軍はいわば又貸しをしておいて、そっちの方は片づけないで、さっさと帰ってしまうという形になりますと、その点は長官どう理解されておりますか。米軍から借りたものは米軍が撤退しても、地元民が了解を与えていないのに、勝手に使えるというジョイント・ユースの使い方をしておるかどうか。これははっきりお伺いしておきたい。
  229. 津島壽一

    ○津島国務大臣 米駐留軍が明らかに返還したものを使用する場合においては、民間の所有者の十分なる了解を得て使用するというのが当然であろうと思います。
  230. 淡谷悠藏

    淡谷委員 米軍が返還しないで、形の上では撤退をして、自衛隊だけが事実上残っておるようなジョイント・ユースの演習地はどうなさいますか。
  231. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまのような場合は、法律的には依然米駐留軍の管理権のある場所でございます。従って法律的の性質から言えば、まだ自衛隊としてこれを自分の演習地施設として使用するというのではなくて、ただいま申しましたように、共同使用あるいは管理権の範囲内においてこれを使用できる、こういう状態でございます。
  232. 淡谷悠藏

    淡谷委員 長官、私は大へん失礼な言い分ですが、あなたの今の御答弁の中に自衛隊が最近やろうとしておる米軍の演習地と自衛隊の演習地とのすりかえのしっぽをつかんだような気がするのです。石川県の小松市の周辺にあります米軍の飛行場、これは米軍がこの間一たん返還の申し入れをしましたが、すぐにまたこれを取り消している。そうして一方においては自衛隊が表面へ出ないが、土地の市区長や商工会議所を使いまして盛んに誘致運動をやらして、自衛隊が来ることにきまったんだと言っている。そうすると事実上はいなくなってしまったこの米軍の演習地、具体的には米軍のいない演習地でも米軍が返還手続をしない限りは、それにそっくり自衛隊が入ってジョイント・ユースの残った形でなお使い得るという見解を持たれますか。もしそうだとすれば私は重大な問題になると思う。
  233. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまの具体的の事例は実は十分報告を受けておりません。政府委員の方から答弁申し上げることにいたします。
  234. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は具体的な事例について答弁を求めない。これは津島長官に、そういう事例もあるが、あなたは米軍が撤退してもこれを返還するという事務的な手続をせない限りにおいては、自衛隊がこれを使っても差しつかえなしという見解に立たれるのか。また将来自衛隊が使うために米軍が撤退したあとに、故意かあるいは故意じゃないか知りませんが、事務的手続を残しておいて、これを米軍管理のもとに自衛隊の演習場にすりかえようとする意図があるのかないのか、その点をまずあなたにはっきりさしてもらいたい。
  235. 津島壽一

    ○津島国務大臣 米駐留軍が設備を返還するかどうかということが明瞭になっていない以上は、これはやはり米駐留軍の施設でございます。従ってその施設が今申しましたような状態にある間においては、それを尊重していくということは私は当然のことだと思うのでございます。
  236. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は閣僚の一人としての長官にさらにただしたいのですが、事実上米軍がいなくなった土地をいつまでも返さないというこの事態はあなたは閣僚の一人として許しておけますか。少くとも米軍が撤退するということがわかった以上は、一日も早くこれを国に返還さすべきが日本の閣僚としての義務だと思うのですが、この点はどうですか。
  237. 津島壽一

    ○津島国務大臣 仰せのような場合において、絶対必要がないが、なおこれを返還しないというものについては返還を督促するのは当然でございましょう。しかしながら返還しないその理由によっては、直ちに返還の手続をとるということはわが方としては困難である、こういうことに相なると思います。
  238. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この問題はなお追及したいのですが、さっき請求しました資料はもう来ておりますか。防衛庁はすぐそばだと思いますが、ずいぶん遠いですな。
  239. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 もうしばらくお待ちを願います。
  240. 福永健司

    福永委員長 受田新吉君。
  241. 受田新吉

    ○受田委員 私は長官に直接御答弁願いたいことがあるのです。音楽隊と関連して儀仗隊も含めての問題ですけれども、こうした儀式に関係した部隊の所在は、法規的には今どういう規定に基いて設置されておるのか。出動についての規定ではございません。設置規定は何に基いているか、御答弁願います。
  242. 津島壽一

    ○津島国務大臣 儀仗隊に関しては、これは閣議決定でございます。昨年の九月ごろ、儀仗隊を設け、外国からの国賓等に対してこの儀仗隊が敬意を表する、こういう規定で、閣議決定でございます。なお音楽隊については、部隊の編成上第一管区隊において音楽隊を設ける、こういうことに相なっております。
  243. 受田新吉

    ○受田委員 その二つの部隊は指揮命令系統において長官が直接動かすことができるような権限関係がございましょうか。
  244. 福永健司

    福永委員長 受田委員、今の大臣の答弁に加えて、加藤防衛局長が若干補充したいそうですから、まずそれをお聞き願います。加藤政府委員
  245. 加藤陽三

    ○加藤(陽)政府委員 音楽隊、儀仗隊等につきましては、いずれも陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の編成の一部として、編成の中にきめておるのでございます。それから指揮系統につきましては、それぞれ所属がきまっておりまして、あるものは長官直轄部隊になっており、あるものは第一管区総監あるいは方面総監の指揮下に入っているものもございます。
  246. 受田新吉

    ○受田委員 そうしますとここで一つ問題が起るのは、長官の直接の意思でこの音楽隊の出動を停止するというような権限もあり得ると思うのです。たとえば昨年の二月十一日に紀元節奉祝国民大会が日比谷で行われたときに、この会長木村篤太郎氏、あなたの前の長官であった木村篤太郎氏が会長をやっている紀元節奉祝国民大会が、自衛隊音楽隊の出動を要請したという事実を聞いております。すでにプログラムにもちゃんと自衛隊の音楽隊というのが掲げてありまして、プログラムを読み、また当時配られたビラを読んでいる者は自衛隊の音楽隊が参加するということが承知されたし、また新聞にも自衛隊の音楽隊が参加するということが堂々と書かれた。これは実際には出動されなかったと聞いておる。その間の事情はすでにプログラムにも書かれ、新聞にも報道されていたのが当日になってこれが停止されたのは、長官の権限でやられたことかあるいは世の批判にこたえてやむなく担当責任者がこれをやめたのか、その間の事情を伺いたい。
  247. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまの御質問は、私当時おりませんでしたから政府委員からお答えいたします。
  248. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 ただいまのお尋ねの件でございますが、プログラムその他に印刷をしたということは承知いたしております。ただしその間私の方としては何らの連絡も得ておらなかったのでありまして、当時やはり法律を制定するというような問題にも関連いたしておりまして、政治的な点について批判を受けるという問題もございますので、参加いたさないことにいたした次第であります。
  249. 受田新吉

    ○受田委員 今後この紀元節復活運動の団体あるいはこれに類する旧右翼団体というようなものがある目的を持って会合する際に、自衛隊の音楽隊は断じて参加せしめないと断言できますか。
  250. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 ただいまお述べになりました趣旨でやって参りたいと考えております。
  251. 受田新吉

    ○受田委員 いま一つ自衛隊の部外出動における問題でお尋ねしたいのがあるのですが、海上自衛隊の練習艦隊群、これが現にハワイに出かげております。今回の海外派遣は初めてと聞いておりますが、この自衛隊の練習艦隊群の海外派遣は国際親善をはかるというのが目的か、自衛訓練のためが目的か、そうしてなぜこれをわざわぎアメリカに派遣をしたか。ことに遺骨収集等で、南方の諸島にはわれわれの兄弟たちがなおたくさん眠っておる。フィリピンのセブ島にもたくさんの英霊の白骨がほら穴の中から出ておるという、こういう現実を考えたときに、東南アジアその他の、われわれの兄弟たちが苦心惨たんの末なくなった、その悲惨な遺骨収集等にこの練習艦隊が出かける、国民あげて願っている遺骨の収集というような大へん人道上の仕事にむしろ練習艦隊というのは手初めに動くべきではなかったか、かように思うのでございますが、これに対する長官の御見解を伺いたいと思います。
  252. 津島壽一

    ○津島国務大臣 今回の練習隊群のハワイ派遣、これは海上幹部候補生学校卒業生——江田島でございますが、この幹部候補生の三尉昇進と同時に海上訓練の必要を認めたわけでございます。海上訓練の場所としてはこの太平洋横断ということが、昔からもそうでございますが、最も適当な場所であるのでございます。それが一つの大きな目的でございまして、約百十名の幹部候補生、三尉になったばかりの海上自衛隊員を乗っけて実習訓練をいたした、こういうのが目的です。そのために訓練上非常な効果を上げた、またこれに伴って日米間の関係においても相当大きな効果を上げたと伝えられておるわけでございまして、これは海上訓練、実務練習の必要上計画したわけでございます。
  253. 受田新吉

    ○受田委員 実務訓練の必要が主目的で、日米の親善が従目的と心得てよろしゅうございますか。
  254. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまお答え申し上げた通りでございます。
  255. 受田新吉

    ○受田委員 南方の島々に眠っている戦死者の遺骨を祖国のなつかしい肉身のもとに返してあげるというような事業、練習艦隊が海外に派遣されようとするならば、むしろそういうところに出かけて協力してあげるということが、たとい訓練の目的であるにしても、その機会にこういう事業に参画するということはきわめて大事であるとお考えになりませんでしょうか。
  256. 津島壽一

    ○津島国務大臣 御所見は御所見として、非常にごもっともだと思いますが、ただいまの練習艦隊群のハワイ派遣ということとはこれは別問題だろうと思います。よく考慮いたします。
  257. 受田新吉

    ○受田委員 ハワイ派遣というのとは別とは私は考えないのです。ハワイに派遣する前に、むしろ手近な東南アジアその他で英霊の眠っている地域、こういうところへ出かけて、そうして同時にこういう人道上の仕事もこの際早く処理するという、そういうことが自衛隊が公共の福祉に関与する道でもあると思うのです。自衛隊の批判が、単に練習艦隊としてハワイへ上って、往年の練習艦隊をしのばせるような盛大な歓迎を受けるという、そういう行事的な結果を生むような形だけでなくて、もう少し民衆の中に溶け込む奉仕的な考えがあるならば、私が今申し上げたようなところへ第一に乗り出すべきでなかったか、かようにお尋ねしているわけです。
  258. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまの練習隊群は、単に航海上の訓練のみならず、実地に海軍の諸施設を見学し修得するという目的もあったわけでございます。この点も申し添えておきます。ただいまのような御所見に対しては、とくと考慮いたしたいと存ずる次第でございます。
  259. 福永健司

  260. 淡谷悠藏

    淡谷委員 宿泊料その他の請求しておりました資料がもう来たと思いますが、いかがですか。
  261. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 もうちょっとお待ち下さい。
  262. 淡谷悠藏

    淡谷委員 どういうわけなんですか。一体、これだけの隊員を持っている自衛隊が、目と鼻の間にある庁舎に取りに行くのがなぜそんなにかかるのですか、ジェット機にでも乗っていかなければならないと違いますよ、そんな怠慢でどうしますか。一体、何十分かかると思っているのですか、内容を改ざんでもしょうというのですか、もうおそいですよ、そんな見え透いた手は使ってもらいたくない。
  263. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 前段の旅費その他につきましては、いましばらくで参ると思います。後段の点は、若干時間がかかるので御猶予を願いたいと思います。
  264. 淡谷悠藏

    淡谷委員 出張命令書を取りにそんなに時間がかかるのですか、あるいはまた簡単な隊員の旅費その他の日当の表を取りに、一体何十分を要するのです、でたらめはいいかげんになさい。
  265. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 後段の、今の出張命令簿の件に関しましては、防衛庁でございませんで練馬の第一管区になります。若干の御猶予をいただきたいと思います。前段は、早急に御報告申し上げたいと思います。
  266. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私はこういうようなでたらめな怠慢なやり方で、自衛隊なんという武器を持ったものを運営できるはずはないと思う。これは長官にもはっきり聞いておいていただきたい。私はこんな例をたくさん見ているのです。宿屋の中に土地のボスを集めて、民有地の買収のためにどんちゃん騒ぎの飲み食いをやった例は、愛媛県の小野村にありました。一体、自衛隊は演習地を手に入れるために、事前にさまざまな策謀をやっているようでございますが、何か自衛隊内部、防衛庁内部で土地買収等に専門に当っておる課があると思いますが、こういうものはございませんか。
  267. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 お答えいたします。そういう事例はいまだ聞いたことはございません。
  268. 淡谷悠藏

    淡谷委員 事前の折衝のために、農地などの買収に自衛隊の名前を使って入り込んでいる人が相当おりますが、官等を持った人もありました。愛媛県の村は薦田という人間です。これは全部にせものですか、何かそういった自衛隊の中のだれかを使って、土地買収等のいろいろな交渉に当らせるという事例は全然ないのですか、なければこれは全部にせものですから、いずれ警察の手に渡さざるを得ない、これはどうです。
  269. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 私はそのことについては、承知いたしておりません。
  270. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは自来正規な自衛隊の交渉以外には、現地の隊などで勝手気ままに歩いておりますのは、あれは隊の名をかたるものと認めてかまわないのですね。念を押しておきます。自来民有地の買収等にからんで現地で動くような、官職を言っておる者があれば、直ちに片っ端から警察に引き渡してよろしいですね、確かめておきましょう。
  271. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 隊といたしましては、そういう行動は許しておりません。
  272. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは長官に承わらなければならなくなりましたが、防衛庁はやっておりませんか。自衛隊がやらないまでも、防衛庁の中にそういうふうに民有地を買い上げるために、事前に村あるいは町へ入り込んでいろいろ交渉に当るような役目はございませんか。あなたにおわかりにならなかったならば、あなたの部下に聞いてみてお答え願いたい。われわれは実際に見ておる、にせものか本物か確かめたいのです。
  273. 津島壽一

    ○津島国務大臣 防衛庁の関係では施設、土地の取得等については経理局の担任になっております。経理局に一課がございます。地方においてどういうようなものがそれに当っておるか、私は承知いたしておりません。担当の課があるわけでございます。なお調達実施本部というのが実際の執行に当る、こういうことに相なっておるわけでございます。これは設営等をやる関係でございます。土地等については経理局に担当させておるわけでございます。
  274. 淡谷悠藏

    淡谷委員 お答えでは、自衛隊にないとしましても、防衛庁の経理局内にはそういう役割をするような官吏がおるということになりますか。あるいはやらせればやるような官吏がおるというふうに理解してもよろしゅうございますか。
  275. 津島壽一

    ○津島国務大臣 防衛庁の職員または部局としては、経理局並びに施設課がこれに当っておるわけでございます。それ以外にいかなるものが部外のものでやるかということは、全然承知いたしておりません。
  276. 淡谷悠藏

    淡谷委員 もう資料が来たようですね、来たのじゃないですか。
  277. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 資料の一部が参りましたので申し上げます。先ほどお尋ねの一点ですが、八時三十分に上野を出まして、二十二日でございます。十時四十七分に小川町に着いております。翌日は十時八分に小川町をたって、上野に十二時五分に着いております。なお今回の出張に関しまして、第一管区総監の命によって総監部付中隊長あてに、管区宵楽隊の出張演奏に関する通達を出しております。読み上げますと、   表記の件、茨城地方連絡部長より要請があったから、左記により音楽隊を派遣せよ      記  一、目的 茨城県小川町で街頭行進及び演奏会を実施し、自衛隊に対する認識を深めるため。  二、日時 三十三年一月二十二日—三十三年一月二十三日に至る間。  三、場所 茨城県小川町。  四、派遣人員 二十三名。こういうことに相なっております。  なお自余の資料につきましては、来次第御報告申し上げます。
  278. 淡谷悠藏

    淡谷委員 だいぶどうも練馬よりも防衛庁の本拠は遠いようでありますから、仕方がございませんから来るのを待ちますが、今長官からお答えがありましたように、自衛隊自体が御存じないとしても、自衛隊の演習地をとるために経理局の中の担当する者が現地では相当土地売収に動いておられます。しかもその交渉の結果、演習地としての買い上げ価格は全国でまことに不同なのであります。高いところもあるし安いところもある。私この点に関しまして一昨日内閣委員会の委員部ですか、専門員室を通しまして防衛庁の方に資料を請求しておるのであります。矢本演習場の買い上げ値段、九州の新田原の買い上げ値段等々について私請求しておるはずでございますが、これは行っておりましょうか。
  279. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 御要求は伺っております。ただいま準備中でございます。
  280. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは昔の軍隊ではなくて国内の治安に当る自衛隊だそうでございますが、まことに周到果敢ではないのでありまして安心いたしました。資料一つを要求しましても三日もたたなければ出せないというような自衛隊、ちょっと宿地を知らしてくれといっても、目と鼻の先に取りに行くのに一時間もかかるような、そんな形で一体国内の治安に当られるのですか。これは多分御承知の方もございましょうが、あなた方が取得される全国の自衛隊演習地の買い上げ価格は一定の基準がございますか。
  281. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 内規といたしましては一応の基準を作ってございますが、何分にも個々のケースでございますから、その場で算出するということになると思います。
  282. 淡谷悠藏

    淡谷委員 一応の基準はあるそうですが、あまり長官のまねをしまして、その場合その場合でさまざまにやるというのでは、とんでもない国損になると思います。一応の基準というのは一体どういう基準か御答弁願いたい。
  283. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 後ほど資料をもってお答えいたします。
  284. 淡谷悠藏

    淡谷委員 資料をすぐお出し下さい。一応の基準はあるでしょう。私が前に請求しましたのは、矢本あるいは新田原と場所を指定したからないかもしれませんが、一応の基準はあるはずです。これはやはりすぐお出し願いたい。言うこと言うことみなおわかりにならなければ答弁にならぬですよ。防衛庁長官、こういうあなたの下僚の事務渋滞ぶり、この怠慢ぶりをどう考えられるのですか。これでいいとお考えになりますか。御答弁願いたい。
  285. 津島壽一

    ○津島国務大臣 一同一生懸命にやっておりますからどうぞ御了承願います。
  286. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それではなおあらためて長官にお願いしますが、さっきの私が長官に質問いたしました米軍撤退後の演習地の処理についてでございます。農林省等において開墾予定地にきめてありますもので、農林省との間に競合を起して、お互いに相譲らないで閣内不統一を来たしておる事例はございませんか。
  287. 津島壽一

    ○津島国務大臣 農林省との関係の問題はあるように聞いておりますが、その問題は両省庁間の話し合いで円満に処理したい、こういうつもりで閣内不統一の問題があるというふうなことは私は聞いていないのでございます。
  288. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そのあると聞いておられますのは、一体どこですか。
  289. 津島壽一

    ○津島国務大臣 私の承知しておるのは、三方原の場合は、開墾地をどうするかという問題でいろいろ両省庁間にあったと思いますが、これは円満に処理したということを承わっておるのでございます。その以外にはどれということは、ちょっと今記憶にないのでございますが、間々そういう場合があるということは承知いたしております。
  290. 淡谷悠藏

    淡谷委員 資料が来ましたか。本筋がそれますから、来たら私は移りますが、来ておりますか。
  291. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 もうじき参ります。
  292. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは気の毒ですから、長官にもう少し伺いたい。日本原の大蔵委員会の問題でいろいろ長官に御心労をわずらわしておりますことについて、同様のケースをお聞きになりませんでしたか。
  293. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいまの日本原の件は、農林省との関係において意見の相違があるというような意味のことは私は承わっておらないのでございます。
  294. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この間防衛庁へ行きまして、このことは申し上げておるはずで、そのとき御答弁になった方のお顔も見えております。長官がお答えになれなければその方がお答えになるような顔をしておりますので、下僚の御存じの方に伺いたい。
  295. 津島壽一

    ○津島国務大臣 ただいま、小山政務次官がよく承知しておるようですから、かわって答弁いたします。
  296. 小山長規

    ○小山(長)政府委員 農林省との関係と申しますか、岡山県の知事の方から、この日本原の演習場には希望条件があることは承知をいたしておりますが、それは中国国有財産審議会に対しまして岡山県の知事から希望条件が出ておるということは聞いております。
  297. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その点について何か農林省の方から話し合いはなかったですか。
  298. 小山長規

    ○小山(長)政府委員 まだ具体的に所管外の問題まで入っておりませんので、そこまでまだ聞いておりません。
  299. 淡谷悠藏

    淡谷委員 もしも米軍が返した土地を、農林省等ですでに返還後の開墾計画を立てておる場合は一体自衛隊は譲りますか、それともどうしても自衛隊を第一義にして押すつもりですか。もう現在これは起ってきているのですが、これはどうなさいますか。
  300. 小山長規

    ○小山(長)政府委員 防衛庁としましては演習場でございますので、演習場としてぜひとも使用いたしたい、こう考えておりますが、その判断をいたしますのは、実は大蔵省なんでございまして、私どもの方としましては、演習場として使用いたしたいということを大蔵省に申し出るわけでございます。
  301. 淡谷悠藏

    淡谷委員 民有地等があった場合、もしくは開墾しております農民がおった場合、大蔵省、農林省あるいは防衛庁だけの話し合いではなくして、地元の農民の気持を尊重するといったようなお考えはございませんか。さっき長官の御答弁によりますと、あくまでもこれは原則は、一たん民有地に返すのだ、所有権がなくとも農林省のいろいろな計画によって現に耕作を続けておるような農民がございますが、こういうふうな者に返してやろうといったような、国内の治安をはかろうとするような意思はございませんか。やらなければ治安が乱れますが、どうですか。
  302. 小山長規

    ○小山(長)政府委員 この問題につきましては、地元では完全に協定ができておりまして、従来の慣行あるいは耕作は認める、こういうふうになっておりまして、摩擦は起っておりません。
  303. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それではそういう事例があった場合はどうなるというふうに私たちは了承してよろしいのですか。これはもう単にここだけじゃございませんよ。
  304. 小山長規

    ○小山(長)政府委員 極力おだやかにやりたいというのが防衛庁の方針でございます。
  305. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ただいま私請求しました新田原と松島、小野村との単価の資料がやっと届きましたが、これによりますと新田原の畑は一坪五百十四円、松島の畑は七百七十三円、小野村は七百五十一円、一坪で二百五十円の差があります。これは一体どういうわけで買収価格の差ができるんですか。この点の御説明を願いたい。
  306. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 これは主として地方の財務局の算定した基準によっていたしたものでございます。内容といたしましては、そこの収益とか、あるいはその近所の時価といったようなものが参照されておることと思います。
  307. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ちょっと伺いますが、一坪七百七十三円では一反歩幾らになると思いますか。
  308. 福永健司

    福永委員長 それは算術の問題ですから、どうぞ一つ……。
  309. 淡谷悠藏

    淡谷委員 算術の問題はできておりますが、三十三万一千九百円という高い地価はどうしたわけですか。これは畑ですよ。これはその周囲が全部こうですか。
  310. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 そのあたりの時価を参酌してきめたものと思います。
  311. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これがもし参酌であったならば、私はあなた方は大へんな国費の乱費だと思う。同じ自衛隊の演習場で、青森市の周辺にあります演習場が畑一反歩三万五千円ですよ。青森県の畑は三万五千円で、小野村の畑は二十三万一千九百円、これはどうしてですか。そんなに収穫が上っておりますか。
  312. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 土地の状況によりまして、畑、宅地、原野、それぞれ土地の単価が違うということは、これは当然なことであります。
  313. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっきあなたは一般的な基準があると申しましたが、一般的な基準がおわかりになりましたか。一般的な基準とどれくらい違っておりますか、調べていただきたい。
  314. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 基準と申しますのは、少し言葉が足りませんでしたが、土地のことでありますから、むろん同じ坪数でありましてもずいぶん隔たりがあるわけであります。先ほど基準が一応きまっておると申しましたのは、計算の方式をきめるところの基準が大体内規でもってきまっておる。こういう意味でございます。
  315. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは算術の問題じゃありませんから、計算の方法くらいその衝に当っておられるあなたは知っておられるはずですが、それを一つお聞かせ願いたい。数字はむずかしいでしょうが、これだけ広い演習場を取得する計算の基準がわからないはずはないですよ。それとも答弁する資料は全然持たないでいらっしゃったんですか。
  316. 山下武利

    ○山下(武)政府委員 なかなか複雑な計算のようでございますので、後ほど資料でもって……。
  317. 淡谷悠藏

    淡谷委員 門叶官房長に申し上げますが、あなたの宿賃の計算がおくれておるから、こうみんな苦しむんですよ。それが来れば苦しまなくていいんですよ。
  318. 福永健司

    福永委員長 今きたそうですから答弁させます。
  319. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 申し上げます。大へんおくれまして恐縮に存じます。  三佐以上と三尉以上と曹等、この三つに分けて御説明申し上げます。二佐、三佐におきましては乙地方千三百七十円、これが宿泊料でございます。甲地方が千七百二十円。一尉、二尉につきましては乙地方が千百七十円、甲地方が千四百七十円、三尉におきましては、乙地方が千八十円、甲地方が千三百四十円、陸曹等におきましては乙が九百八十円、甲が千二百二十円に相なっております。
  320. 淡谷悠藏

    淡谷委員 隊員の場合はどうですか。
  321. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 今最後に申し上げました陸曹等でございます。陸曹等の中に入っております。
  322. 淡谷悠藏

    淡谷委員 あなたがおっしゃった百里原に出張しました隊員の三百五十円はどこに適当するわけですか。
  323. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 乙地方と考えております。
  324. 淡谷悠藏

    淡谷委員 乙地方では九百八十円の御答弁のように伺いましす。九百八十円であなたが三百五十円と言われるのはどういうわけなんですか。余れば返すのですか。
  325. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 当時のそこの宿泊料が三百五十円だと申し上げた次第であります。
  326. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうすると、あなたの方では、実際は九百八十円の宿泊料があっても、三百五十円で泊まれば三百五十円、百円だったら百円、ただならただ、あとは本人のふところへ入るのですか。それとも自衛隊に返すのですか。その規定はどうなっておりますか。
  327. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 大体旅費は定額を支給するのが普通の場合でございます。ただ演習その他で参ります場合は、今申し上げました基準に必ずしもよらないという場合があるわけでございます。
  328. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今度の音楽隊の派遣の場合はどうでしたか。
  329. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 定額で支給してその範囲内にておいてまかなうという建前をとっておるわけでございます。
  330. 淡谷悠藏

    淡谷委員 御答弁では九百八十円の支給があったはずでございますが、これは定額支給であるならばどうして三百五十円を確認されましたか。領収証をごらんになりましたか。
  331. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 一人当り三百五十円を払ったという報告を受けておるわけでございます。
  332. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その報告は口頭でございますか、それとも文書によりましたか。
  333. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 電話連絡を受けております。
  334. 淡谷悠藏

    淡谷委員 一体隊員を派遣した場合、こういう経理等については定額支給で、あとはただであろうが、幾らであろうが、電話連絡一本で認めておる慣習ですか。
  335. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 通常の場合はそうでございます。その間何らかこちらではっきりさしたいという場合においては、書面について請求するというような場合も考えられます。
  336. 淡谷悠藏

    淡谷委員 まああなたの方の土地の買収でも、三万五千円から二十二万円まであるのですから、宿賃も三百五十円から千三百四十円まであるのは無理もございませんけれども、もしもこの九百八十円という乙区の例をもらっておる者が、地元で不当に安く宿泊した事情があるならば、これはさっき西村委員からも御質問申し上げましたが、地元の何らかの政治団体と暗黙の間に供応のやりとりがあったものとわれわれは思われますが、これは二十八日に現地に西村委員が参ります。現地において著しくこの三百五十円とその土地の宿賃との間に開きがあった場合は、あなたの方でどうされますか。
  337. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 実情をよく勘案して考慮したいと思っております。
  338. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今勘案してもらいたいんです。かまわぬというならかまわんでもいいですよ。宿賃は九百八十円もらって、あとはただで泊ろうが、百円であろうが、三百五十円であろうが、どうでもいいというならこの事例をもってわれわれは何とかしますが、著しくこの三百五十円という価格が不当であった場合は、あるいは安過ぎた、あるいは高過ぎたという場合、あるいは実際に払っていないという事実があったら、同日に行った隊員の責任なり、あるいはあなた方の責任なりを負えますか。念を押しておきます。
  339. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 宿賃はこれは地方地方によって違います。従いまして、今申し上げました九百八十円の宿泊費を持って参りまして、場合によっては千円以上のところへ泊らされる場合もありましょう。あるいは今申し上げました通り三百五十円、あるいは適当な施設があればもっと安く泊ることも考えられるわけでありまして、必ずしも一律に申し上げるわけには参らないと考えております。
  340. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その適切な施設ということは、今度の場合みたいにこの百里原の賛成派が設営しました設備なども、これは適当な設備と認められますか。
  341. 門叶宗雄

    ○門叶政府委員 私の申し上げているのはそういうことじゃありません。
  342. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それではっきりしましたが、要するに、この三百五十円が地元の公平な宿泊料であるか、あるいは九百八十円もらった者が不当に安く泊ったのか、このことは現地に西村委員が参りますから、その結果を見てあらためて私は質問します。きょうはこれで保留しておきます。
  343. 福永健司

    福永委員長 本日はこの程度といたしまして、次会は公報をもってお知らせいたします。  これにて散会いたします。     午後四時三十三分散会