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1958-02-18 第28回国会 衆議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年二月十八日(火曜日)     午後十時四十九分開議  出席委員    委員長 福永 健司君    理事 相川 勝六君 理事 保科善四郎君    理事 前田 正男君 理事 山本 正一君    理事 受田 新吉君       大坪 保雄君    大村 清一君       北 れい吉君    纐纈 彌三君       薄田 美朝君    田村  元君       辻  政信君    中川 俊思君       眞崎 勝次君    山本 粂吉君       淡谷 悠藏君    稻村 隆一君       中村 高一君    西村 力弥君       山崎 始男君  出席政府委員         総理府総務副長         官       藤原 節夫君         総理府事務官         (内閣官房内閣         審議室長内閣         総理大臣官房審         議室長)    吉田 信邦君         行政管理政務次         官       榊原  亨君         経済企画政務次         官       鹿野 彦吉君  委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君     ――――――――――――― 二月十四日  委員茜ケ久保重光辞任につき、その補欠とし  て門司亮君が議長指名委員に選任された。 同月十五日  委員門司亮辞任につき、その補欠として茜ケ  久保重光君が議長指名委員に選任された。 同月十八日  委員林唯義君及び山崎始男辞任につき、その  補欠として纐纈彌三君及び横路節雄君が議長の  指名委員に選任された。 同日  理事床次徳二委員辞任につき、その補欠とし  て相川勝六君が理事に当選した。     ――――――――――――― 二月十五日  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五四号)  統計法等の一部を改正する法律案内閣提出第  五三号)(予) 同月十七日  恩給調整に関する請願木村文男紹介)(第  八九八号)  建国記念日制定に関する請願田中龍夫君紹  介)(第八九九号)  同(西村直己紹介)(第九〇〇号)  同(古井喜實紹介)(第九〇一号)  同外八件(前田正男紹介)(第九〇二号)  同(石坂繁紹介)(第九六五号)  同(床次徳二紹介)(第九六六号)  同(福永健司紹介)(第九六七号)  同外八件(前田正男紹介)(第九六八号)  金鵄勲章年金復活に関する請願植木庚子郎君  紹介)(第九〇三号)  同外一件(田中龍夫紹介)(第九〇四号)  同(八田貞義紹介)(第九〇五号)  肇国節制定に関する請願池田清志紹介)(  第九〇六号)  同(中馬辰猪紹介)(第九六九号) の審査を本委員会に付託された。 二月十五日  寒冷地手当増額等に関する陳情書外六件  (第二五九号)  金鵄勲章年金復活等に関する陳情書外二件  (  第二六〇号)  文官の退職年次による恩給均衡是正等に関す  る陳情書  (第二六一号)  旧軍人関係恩給の不均衡是正等に関する陳情書  外二件  (第二六二号)  同外一件  (第三二四号)  国民祝日等に関する陳情書  (  第二六四号)  駐留軍及び特需産業関係労務者離職対策に関  する陳情書  (第二九二号)  寒冷地手当増額に関する陳情書外三件  (第三二二号)  駐留軍労務者失業対策に関する陳情書外二件  (第三四七  号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第三八号)  統計法等の一部を改正する法律案内閣提出第  五三号)(予)  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五四号)      ――――◇―――――
  2. 福永健司

    福永委員長 これより会議を開きます。  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案議題とし、まず政府提案理由説明を求めます。鹿野経済企画政務次官。     —————————————
  3. 鹿野彦吉

    鹿野政府委員 ただいま議題となりました経済企画庁設置法の一部を改正する法律案について、提案理由内容の概要を御説明申し上げます。  政府の重要な経済施策が、長期経済計画による長期的方針に沿いつつ、しかも現実経済の的確な現状把握及び見通しに基き、統一的かつ総合的な方針のもとに、機動性をもって実施されることが、国の経済全般の円滑な運営をはかるためにきわめて必要であることは申すまでもありません。経済企画庁は、経済に関する総合官庁として、従来とも以上の趣旨に沿いつつ、これらに関する機能を活用して参ったのでありますが、その重要性にかんがみ、この際特にそのための任務権限を明確にするとともに、これらの事務をさらに一そう的確に遂行するために必要な機構の整備を行うことといたした次第であります。これがこの改正法案を提出する理由であります。  次にその改正内容概略を御説明いたします。  第一点といたしましては、以上の趣旨に基き、経済全般運営に関する基本方針及び毎年度の経済計画大綱策定に関する事務を新たに経済企画庁任務及び権限として明示した次第であります。  次に第二点といたしましては、内外経済動向調査分析経済計画策中等経済企画庁所掌事務を今後さらに一段と精密かつ的確に逐一行いたしますためにはわが国の経済構造及び経済循環等に関する理論的実証的調査研究をより一そう深め、その成果をこれらの事務に反映させることが必要であります。よってこの際、調査局の機能充実をはかるとともに、新たに内部部局として経済研究局を設置し、これに関する事務を所掌させることとした次第であります。  次に第三点は、特別の職として、新たに、長官に対する意見具申職務とする参与三人以内を置き、経済企画庁が行う内外経済動向分析や、経済全般の円滑な運営をはかるために必要な経済運営基本方針策定等について、民間有識者意見を組織的に導入する道を聞くこととした次第であります。  なお、以上のほか、局の名称変更審議官定数及び職務変更、庁内における一部事務移管等事務的改正を行なっております。  以上が経済企画庁設置法の一部を改正する法律案提案理由内容概略であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるようお願いいたします。
  4. 福永健司

    福永委員長 これにて提案理由説明は終りましたが、本案についての質疑は、次会以後に譲ることといたします。     —————————————
  5. 福永健司

    福永委員長 次に、統計法等の一部を改正する法律案議題として、政府提案理由説明を求めます。榊原行政管理政務次官。     —————————————
  6. 榊原亨

    榊原政府委員 ただいま議題となりました統計法等の一部を改正する法律案提案理由および要旨を御説明いたします。  改正の第一は、統計官資格要件を現在統計法に規定されている統計主事資格要件と同じものとし、これを統計法に明記しようとするものであります。  改正の第二は統計法及び統計報告調整法において行政管理庁長官権限の一部を統計基準局長に委任することができる規定を設けてありますが、前国会で国家行政組織法の一部を改正する法律が成立した際に統計基準部長の字句が修正漏れになっておりましたのを改めようとするものであります。  以上二点につきまして、統計法等の一部を改正する法律案提案理由及び趣旨につきまして概略説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛同を得ますようお願いいたします。
  7. 福永健司

    福永委員長 これにて提案理由説明は終りましたが、本案についての質疑は、次会以後に譲ることといたします。     —————————————
  8. 福永健司

    福永委員長 この際理事補欠選任についてお諮りいたします。昨年十二月二十日に理事床次徳二君が委員辞任せられましたので、理事が一名欠員となっております。この際理事補欠選任を行いたいと存じますが、その方法は、先例によりまして委員長より御指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 福永健司

    福永委員長 御異議なしと認めます。よって委員長におきましては、相川勝人君を理事指名いたします。  ちょっと休憩をいたします。     午前十時五十六分休憩      ————◇—————     午前十一時十四分開議
  10. 福永健司

    福永委員長 これより再開いたします。  青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律案議題として質疑に入ります。質疑の通告があるのでこれを許します。受田新吉君。
  11. 受田新吉

    受田委員 青少年問題協議会に関してお尋ねをいたします。今回政府がお出しになっておりますこの法案内容を拝見しますると、結局この青少年問題が非常に重大であるという関係で、新たに中央協議会事務局を作りたいというお考えが最もその中心であるようでございます。ところがここで明らかにしておきたいことは、私自身も青少年問題を最も重大視しておる。国政の中心考えており、特に次代を背負う青年たち少年たちを十分守っていきたいという考えにおいては、政府よりもはるかに高い感覚を持っておるのであります。しかしながら政府におかれては、岸内閣総理大臣はいろいろな機会にこの青年問題を大きく取り上げておられる。将来の日本育成するための青年任務を大いに主張しておられるのでございますが、岸内閣施政方針の中に含まれておる青少年育成と、それからこの青少年問題協議会法案内容とにどういうつながりがあるものか、それをまずお伺いしたいと思います。
  12. 藤原節夫

    藤原政府委員 岸総理がしばしば言明しておられますように、また施政方針演説で申されましたように、岸内閣といたしましては、次代を背負う青少年に対して期待するところが大きく、これが健全な育成についてできるだけの手段、方法を講じて参りたいという考え方でおります。それにつきまして、現在ございます青少年問題協議会というものが従来いろいろな仕事をやって参っておりますが、いわゆる青少年不良化防止、あるいは非行青少年に対する措置等、どちらかと申しますと消極的な面に相当力が注がれておったのであります。これをさらに積極的に健全な青少年育成という面に力を入れたいという考え方が出て参りました。今回の協議会事務局設置につきましても、この青少年問題をさらに恒久的に積極的に推進するためにこういう方法をとりたいという趣旨でございます。
  13. 受田新吉

    受田委員 青少年育成という問題において問題になるのは、青年のよいところを大いに仲ばすということと、そういう非行その他を押えるということと、二つあると思います。その両面における政策のおもなものを申し述べていただきたいと思います。
  14. 藤原節夫

    藤原政府委員 最初消極面と申しますか、非行防止不良化防止という点につきましては、いわゆる要保護少年対策というものが第一に取り上げられております。この要保護少年と申しますと、貧困家庭児童であるとか、精神薄弱児であるとか、盲ろうあ肢体不自由児虚弱児、こういう者に対する対策。それからいわゆる非行青少年、これは推計によりますと約百万というようにいわれておるのであります、これらに対しまして特別の措置をとって参る。具体的に申し上げますと、厚生省におきまして生活保護法による扶助及び児童相談所等児童福祉機関の指導、助言、保育所等施設、それから精神博弱児施設、その他各種児童福祉施設へ収容するというような問題、また文部省におきましては、盲ろうあ児童精神薄弱児肢体不自由児等に対しまして、養護学校特殊学級等を設けて、特殊教育を行う、それから非行青少年につきましては、これが防止のために、児童福祉の面から厚生省、また教育の面から文部省早期発見補導等の面から警察庁保護矯正という立場から法務省、また裁判になりますと、これはまた少年審判ということで、裁判所関係というふうに、各方面におきまして、これが対策を講じておるわけであります。またこの非行青少年につきましては、実際にこれを取り扱う機関としましては、警察におきまして少年係の検察官、都道府県における児童相談所少年鑑別所家庭裁判所保護観察所というようなものがこれを取り扱っております。これらの各機関施策につきまして、これが総合調整をはかるという趣旨で、総理府青少年対策協議会というものが設けられたのであります。各地方にはそれぞれ条例によりまして、地方青少年対策協議会を設け、円滑なこれらの機関運営に当っておるわけであります。それから積極面と申しますと、健全な——一言で申せば健全な青少年育成ということでございますが、これにつきましては、たとえば文部省におきまして青年家等を作って、青年運動中心にする、あるいは農林省、建設省等におきまして、産業開発青年隊、それから建設面を通しましての健全な青少年育成、それから各種団体活動を盛んにいたしまして、そういう面からの健全な思想、健全な青少年育成ということをやっておるわけであります。これらの積極面をさらに強力に推進したいという趣旨でございます。
  15. 受田新吉

    受田委員 積極面消極面に分けて御説明があったのでございまするが、今最初に申された消極面取扱いについて、政府の現にとりつつあるやり方を一つ批判をしてみたいと思うのです。今せっかく副長官が心身に障害ある青少年対策をここでお述べになった。精神薄弱児あるいは盲ろうあ肢体不自由児虚弱児等について、それぞれ見解を表明されたのでございまするが、現実の問題として一例を肢体不自由児にとってみますると、文部省が二十九年に調査した肢体不自由児の数は二十三万四千人である。ところがこうした肢体不自由児施設を見ると、わずかに千三百十四名の定員しかとってないわけです。そしてこれらの養護学級に収容されている定員も八百六十五人しかないということになりますると、その該当者と、これに関する政府施設とを比較してみると、二百分の一程度のものを救済する道しか開けておらぬということになる。また虚弱児に例をとりましても、厚生省調査で、十八才未満で虚弱児として考えられる人々が九万八千百人おる。ところがその中で特殊学級教育を受けているものが一万一千五百七十八人であり、同時に虚弱児施設定数はわずかに千百四十四人ということを厚生省は報告しておるのです。こう考えてみると、まことに焼け石に水のような、この不幸な人々に対する対策しかできておらぬが、これは一体どうしたことでしょう。
  16. 藤原節夫

    藤原政府委員 これらの点につきましても、むろん今日の施設をもって十分とは申されませんし、さらに充実をはからなければならぬと思うのでございますが、財政等関係で思うようには参っておりませんが、漸次充実をしていくという考え方でございます。
  17. 受田新吉

    受田委員 これは、はなはだなまぬるい答弁でございまして、該当者の中の二百分の一とか、百分の一とかというわずかな人々しか国の施設で救われていない。またこれらの青少年教育の面においても、ごくわずかな人々がその特殊学級において教育を受けておるという。きょう私は一々数字をあげてお尋ねするとよいと思ったのですが、今の副正長官の御答弁では漸次何とかしたいというようなお気持では、これはとても解決のめどがつきそさうにもございませんので、概括的な立場からお尋ねしますが、こうした不幸な青少年を街頭にさまよわせておいて、そうしていたずらに国の政策を前進させるということになると、不幸な人々立場と、そして幸運に恵まれた人々の一般の青少年立場との間に非常に大きな開きができてくると思う。この世に生を受けて、たまたま不幸な青年に育つた。身体が不自由であり、精神充実してない。そういう人々保護育成する方に事を欠いて、健全にして恵まれた環境にある人々をいたずらに優遇するという格好の政治は大へんな間違いであると思う。これは国の政治の根本問題であって、青年育成するという岸総理の声明からいったならば、同じ青年の中にこうした不幸な青年がいるのだということを考えて、まず不幸な青年をどう取り扱うべきかということで手をを打っていただかなければならぬと思う。昭和三十三年の予算の中に、こういう不幸な人々施策がどういうふうに進められておるかという問題等についてもお尋ねをしたいのでございますが、副長官用意がないと思いますので、私は次会までこの問題を保留しておきたいと思います。これは文部省厚生省その他の関係省とも関係をしてきますので、教育の問題と施設の問題と両面から、一つ政府側でそれぞれの責任者にここに出ていただくように副長官から指示をしていただきたいと思います。  もう一つ私は消極的の問題として取れり上げてみたいことは、犯罪を犯した青少年、これは社会環境がそういうふうな犯罪を生む少年を作ったとも言えるわけなんです。今、日本社会は富める者はいよいよ富み、貧しき者はちまたに彷徨せしめられておるというような状況に置かれておる。資本主義機構は、こういう少年青年の上にも大きな待遇差を与えておる。ちまたにさまよう不幸な青少年犯罪のとりこにさせるように、政府みずからの政治が大きな欠陥を生んでおる。こうお考えになられないでしょうか。
  18. 藤原節夫

    藤原政府委員 むろん青少年犯罪防止のために環境をよくし、青少年が思慮の定まらないうちに、そういうところに落ち込まないようなあらゆる朴会的な施設をするということはむろん必要でございます。そういう点についても十分な考慮をしなければならぬと思っております。
  19. 受田新吉

    受田委員 吉田審議室長がおいでになっておりりますので、いろいろな調査の結果を御用意されておると思いますのでお尋ねしますが、この青少年犯罪が毎年ふえておる統計が出ているが、あるいは政府の努力の結果減りつつあるか、御答弁を願いたいと思います。
  20. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 若干増加するいう傾向になっておりますが、昭和十六年を一〇〇といたしますと、少年の刑法上の犯罪で検挙された人員数は、昭和二十六年において約三〇〇と大体戦前の三倍に達しております。その後若干減少をいたしてはおりまして、約二三〇ないし四〇というようなところに参っておりますが、大体二十八年から三十一年程度までは、ほぼ大体同じような状況を示しております。
  21. 受田新吉

    受田委員 その犯罪性質がどういう傾向にあるか。すなわち凶悪事件粗暴犯事件というようなものがふえておるか減っておるか、犯罪内容性質における傾向を御答弁願いたいと思います。
  22. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 凶悪犯粗暴犯あるいは性的非行は、終戦以来大体増加傾向にあります。今具体的な計数を持っておりませんので正確なことは申し上げられませんが、増加していると思っております。
  23. 受田新吉

    受田委員 民生は漸次安定の方向にあり、また国際的な地位も漸次高められつつあると政府は大へん御満足のようでございますが、一方においてこうした不幸な青年等ちまたに放置されているのみならず、その犯罪性質はだんだん粗暴凶悪になりつつあるということでは、これは政治が行き届いている、民生が安定しているという形にとれましょうか、とれますまいか。
  24. 藤原節夫

    藤原政府委員 おっしゃる通りに、青少年犯罪増加、ことに最近の犯罪傾向につきましては、まことに憂うべきものがあります。これは国家としても放置できさない状態だと思います。根本的にはこれは教育の問題もありましょうし、いろいろ家庭における環境の問題もあると思いますが、おっしゃるようにこういう事態があって、これが民生の望ましき安定であるとは申されぬと思います。そういう意味で、これは大いに処置しなければならぬ問題だと思います。
  25. 稻村隆一

    稻村委員 関連して。戦争前後に少年犯罪が非常に増加したということは、これは各国の例なんです。ところがこの間私はある雑誌で見たんですけれども、西欧の方ではだんだん減っていくのです。終戦後だんだん少年犯罪が減ってきた。日本だけがふえているのです。そういう点に対して具体的な調査はありませんか。そういうふうな具体的な調査によらないで根本的な対策を立てたらだめですよ。これは非常に重大問題です。
  26. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 外国の数字も、若干ふえておるところもあり、減っておるところもありますが、先ほどの申し方が、あるいは少し不十分ではあったかと存じますが、戦前に比べて終戦後引き続き増加いたしておりましたが、いわば総数の方では、二十六年から見ますと、二十六年を三〇〇として、三十、三十一年あたりが、二三〇ないし四〇という程度で、この最悪の事態よりも若干減りつつある、そういう意味におきましては、いろいろな施策とともに今後も減らし得るし、また減らすように努力いたさねばならないと考えております。
  27. 受田新吉

    受田委員 私は政府施設がこうした不幸な人々を収容するのにあまりに貧弱であると同時に、もう一つ施設に入れる前に十分教育の力でこれを守ってあげなければならぬという二つの問題があると思います。ところが終戦後そのいずれにも事を欠いておる。なとえば政府の出された資料によりますと、いろいろな事件を起して全国の児童相談所相談を持ちかけられた児童数が、昭和三十一年度中において二月六百六人という数字が上っている。ところが今地方教護院国立教護院の両方合せてその人々を収容して保護を加えておるのが五千九百八名という数字を示しておられます。そうしますと、約四分の一しか、これらの人々はそうした国、地方施設保護を受けていないわけです。あとの者は放任されておると思います。この人々取扱いが次に犯罪を生み、新しい人々を誘惑して人員増加させるという傾向にあると思います。ここに中央地方を通じて、特に地方児童相談所などでは相当本気でやっておられても、とても追いつかないほどの仕事があるわけです。これは国の予算が、こういう社会施設をおろそかにして、十分の予算をそれに回しておらぬという結果にもなるわけですが、いかがですか。
  28. 藤原節夫

    藤原政府委員 むろん十分の予算を盛ってこれを充実させるということには至っていないと思いますが、一面から申しますと、そういう犯罪あるいは非行少年を生み出す環境をなくする、これには青少年犯罪防止する、非行をなくすること、直接これを目標にした施設施策と同時に、ここに健全なる青少年運動育成というものを起すということも間接的には犯罪非行防止ということにもなろうかと思うのでありまして、両々相待って進めていくべきだと考えております。
  29. 受田新吉

    受田委員 これは賢間をしておるといろいろ重大な問題が起ってきて、青少年問題協議会のごく簡単に見えるこの法案改正すら、今各省の関係者をみなここへお呼びして意見を聞かなければいけぬし、また予算上の措置についてもお尋ねしなければいけぬというような重大な問題がひそんでおるわけです。こういうことを考えると、この委員会にかけられた数十件の法案審査などということは大へんなことになるのです。にもかかわらず紀元飾法案をここに持ち出して、これを急ごう急ごうとしておられる方々気持を私は察したときに、日本政治の上に、自由民上党の政治の上にどこかに大きな欠陥があると思うのです。なぜとなれば、ささやかなごく簡単に見えるような法案を軽くあしらって、さっさと片つけて紀元節の問題に移ろうというたくらみが今行われておるというようなことで、私は今この法案を……。
  30. 福永健司

    福永委員長 受田君、議題外発言はなるべくお避けいただきたいと思います。
  31. 受田新吉

    受田委員 重大な発言ですから……。審議しながらつくづくそう思うのですが、そういう意味からも、政府責任の衝にある方々は、今から私がお尋ねする問題については十分の研究用意を積まれた上で御答弁いただかなければならぬと思うのです、よろしゅうございますね。そこできようはどうも資料の御用意の不足という問題が一つありそうですし、それから関係文部省厚生省にもあるいは警察庁にもおいでいただかなければならぬということにもなるので、質問はそうした数字にわたる質問は保留しておきまして、根本的な問題だけをあら筋お尋ねしておきます。  次にしからは、積極的な青少年育成と消極的な点少年保護という一つの観点から問題になることは、存少年というものを年令的にどういうふうに考えていくかということです。青年期をどう見るか、少年期をどう見るか。国民の祝日の法律には、成人の日というのが一つ入っています。この成人の日とは、子供が大人になったけじ目を自覚させるということ、そしてこれをみんなが祝ってやるという意味があるのですが、成人の日を迎える青年というものについても、全国で成人式をやるのに、満十九才をもとにして成年の日とするところもあれば、二十才をもって成人式をやるところもあれは、十八才をもって成人式をやるところもある、いろいろまちまちである。こういうところにも青少年の年令的な統を政府はようとっておらぬ。政府自身が青少年のけじ目をようつけておらぬという問題がある。いろいろな法律によって、成年に達する年令には差があります。結婚の年令、それから少年法に規定する年令、あるいは児童福祉法からその他労働関係法に及ぶ年令の比較をしてみましても、そこに非常にまちまちなものがあるわけです。大体政府は、青少年問題協議会考えようとしておる青年少年の年令的な関係はどう考えておられるのか。今成人の日に全国ばらばらでやっている年令の取扱い等とあわせて御答弁願いたいと思います。
  32. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 青少年の範囲につきましては、それぞれの法律によってかなり差異がございます。またある意味では児童と呼び、ある意味では青年少年というふうに呼んでおるのでございますが、青少年問題といたしましては、一応零才から二十四才まで、児童から青年のほとんど完成則といいますか、青い方から成る方へ移りまして、もはや完全に一人前の人間になるというような意味合合いにおいて、二十四才までということを考えております。それでこれにつきましては、やはりいろいろ論議が重ねられたのでありますが、少年を作るものは児童であり、青年を作るものは少年であるというような意味におきまして、人間の育成期全体を対象にいたしております。その限りにおきまして、非常に範囲が広過ぎるといえば広過ぎまして、またある意味では多少漠然たる形を持つものでございますが、この青少年問題協議会中心とした従来の考え方は、それぞれの各省において実施している施策が、それぞれの立場において、あるものは犯罪立場から、あるものは教育立場から施策が講ぜられておりますので、何らかの形でそれらのものを総合言いたしたい。ただいま御質問がございましたように、そういったいろいろまちりまちなものを漸次統一したものに作り上げたいというところに意欲を持ちつつ—非常に広範な問題で、私どもといたしましても、ここでただいまも御指摘のあったように必ずしも十分なことは今までもやっておりませんが、それだけにまた今後力を入れていきたいというのが、また同時に本案を提出したゆえんでもあるわけてございます。
  33. 受田新吉

    受田委員 年令的にはっきりしたものは、言えないのだ、大体零才から、二十四才までだと見られるということでございます。うしろの方からも今声がかかりまして、青年というのはそんな年だけではないのだということがありますが、岸総理みずからが青年宰相と言っていばっておられることもあるので、青年という問題については、そのときどきの使い方によって違うとは思います。しかし青少年問題協議会というもちゃんとした法律に規定する青少年の対象を漠然と見るということになると、これはまたそこに問題が起ろうとも思うのです。それは、この規定によって対象となる青年の年令が違うことによって全国の規格が乱れることになるのです。だから青少年問題協議会考え中央協議会地方の市町村の協議会との間に、ちゃんとした見解が一本になっておらぬと、そこに間違いが起ると思うのです。これは中央地方を通じてそうした一定の規格を持つという御方針はないのでございますか。
  34. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 その意味では、ただいま申し上げました通り満二十四才まで、満二十五才をこえるものは一応対象外ということで統一いたしてやっております。
  35. 受田新吉

    受田委員 それは一応の規格として考えておられる。実際の取扱いにおいてその既定方針が貫かれておるかどうか、
  36. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 御承知のように、まだこの協議会も非常にささやかなものでございますだけに、広く全般的にすべてを網羅して措置し得るというところへはいっておりませんが、一応この協議会の対象としては、いわゆる幼児、児竜に関する問題から青年、今申しました、二十四才までのものを含む、これらに関する政府あるいは地方都道府県市町村の諸施策について協調、連絡、そういったことをはかるということを趣旨といたしております。
  37. 受田新吉

    受田委員 今示された二十四才までの年令層の中には、全国約五十万に近い大学生がある。それから高校生の中にも定時制高校生がある、いろいろその組織の中の分野があると思うのです。学生対策、それから定時制高校のような、特殊な勤労青少年の同時に学問をしている人々に対する対策、こういうものとの関連はどういうふうにしておられますか。
  38. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 その点に関しましては、文部省の直轄しておりますいわゆる学校という分野におきましては、大体従来も文部省に関する限りにおいて一本の姿で—もちろん学問の自由という問題は別問題として、いわゆる教育という面については、文部省責任をもって主管しておりますので、その点については大体おまかせするような形で考えておりますが、その他の分野につきましては、いろいろと不十分な面も多うございますし、また各省間の仕事に分れている点も多うございますので、重点といたしましてはいわゆる学生以外の者に重点を置くということになっておりますが、問題によりましては、必然的に栄生の問題に関連して参る。たとえて申せば、悪い映画からというふうにして少年保護するかというような問題は、当然学生の問題であると同時に、学生以外の勤労少年の問題でもあるというふうな関連を持って参ると考えております。
  39. 受田新吉

    受田委員 学生の問題で文部省に一任する面と、そのほか一般環境に関するものについては、こちらでやる面とがあるということでございました。ところが実際は、学生の問題となれば、教育そのものはもちろん、大学の教育とか、高等学校の教育とかいうので、学校教育法によって規定された方法がとられているわけですが、この学生たちの環境という問題は、これはやはり青少年問題を十分考えていく高い立場の調整をとっていくこの協議会仕事になってくる。ことに学生運動を通じて学生の生活環境をよくしてもらいたいという要望などについては、この協議会考えてやらなければいけない。通信教育などのように、非常に困った生活環境の中から苦労して勉強している人々に対する対策などは、これはやはりそうした環境を作ってやる立場から、この協議会責任をとる、あるいは特に定時制高校の学生などは、教育環境をよくしてやるという責任がこの協議会にあると思うのです。しかるに、文部省は最近において、定時制高校を非常におろそかにして、定時制高校を全部廃止しようとする動きなどもあるのですが、そういう文部省のやっているやり方に対して、あなた方協議会を主管しておられるお役人として十分研究しておられますか、一つそこをお尋ねしたい。
  40. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 協議会におきまして、そういった問題につきましては、一面たとえば学校教育という立場、他面社会的な教育という立場、そういったものをできるだけ総合して発展いたしますように意見の調整等を行なって参っております。
  41. 受田新吉

    受田委員 意見の調整が大へんなまぬるくて、現に定時制高校に学ぶ生徒たちに非常な不安を与えております。また通信教育で大学に学ぶ学生たちも、スクーリングに行くための便宜を供与してくれよという申し出に対して、雇用主が断わっておるところが多いわけです。青年たちがせっかく希望を持って、その片手間に学問の道に志そうとするのに、とびらが閉ざされていることはありませんか。こういう問題こそ雇用主との関係及び大学との関係等を十分検討して、青少年問題協議会が取り上げて、その間の調整をとって、安心して勉強できるようにしてあげる必要はないのですか。
  42. 吉田信邦

    吉田(信)政府委員 そういう意味におきまして、従来も努力して参ったつもりでございますが、たとえて申しますれば、今の定時制高等学校につきましても、三千一年の八月一日に定時制高校(通信教育を含む)に対する財政措置についてというような問題を取り上げまして、この定時制高校についての意見具申をいたしております。すなわち定時制高校につきましては、財政上の理由でもっていたずらにこれを改廃するようなことがあってはならぬとか、あるいは通信教育充実をはかる、また教職員の充実につきましては、全日制、定時制、通信教育または本校、分校間の適正な人事交流及び協力関係の確立をはかること、あるいは地方財政の窮迫から来る財政事情の困難にかんがみて、国としてもできるだけのことをすべきだという答申を行うというようなことをいたして参っております。これらの点につきまして、必ずしも全部意のままになったとは申せませんが、協議会として、そういった方向を極力推進するように及ばずながら努力いたしておるのでございます。
  43. 受田新吉

    受田委員 及ばずながらの努力が足りないで、これが放任されたような形になっている問題がさくさんあるわけなんです。  今から私、個々に具体的な問題に触れてお尋ねを申し上げたいのでございますが、できれば政府資料を御用意願って、次の機会にお答えを願うという方法が親切な心づかいかと思いまするので、一応次回に御答弁願いたい問題点と、それに対する資料をお願いしておきさたいと思います。それは、青少年問題協議会中央にあり、また市町村にあることになっているのですが、この市町村の協議会というものが、法律の上においては、第一条第二項に「置くことができる」と書いてあって、強制設置を規定しておりません。従って「置くことができる」をやわらかく見て、置いてないところはないか。これを一つお調べ願いたい。  それから中央協議会がこれまで何回か会合をされておると思うのでございまするが、その会合の回数、それから議題、そしてその答申、これらの問題について資料をお願いしたい。  それからこの青少年問題協議会のお仕事でございますが、それは第二条に「青少年の指導、育成保護及びきよう正に関する総合的施策の樹立につき必要な事項を調査審議する」と書いてございまするが、これらのお仕事の中に、なおこの協議会仕事としてこういうものを加えたらいいというような問題はないか、ことに教育の問題との関係などについて、そこの限界をある程度はっきりしておかれる必要はないかというような問題をお答え願います。  それから今度事務局を設置されるということでございまするが、この事務局機構内容及び事務局の職員の構成等について御用意を願いたい。  いま一つは、これは少し数字が要るわけでございまするが、全国に組織されている青年団の数及び団員数、これはいろいろな形の青年団があると思うのでございまするが、少くとも党派をこえた形で運営されている青年団、自民党の青年部などというのとは別でございます。一応国の施策の上に立つ青年団の構成とその人員をお調べ願いたい。  それから先ほど以来お尋ねをしましたいろいろな角度で、青年犯罪及び要保護青少年の最近における実数と、これに伴う予算を必要としますから、予算というものを、これは予算書を見てわかる分はけっこうでございます。予管釜田にあげてないこまかい分を一つお示し願いたい。  もう一つは、教育上の問題として、いろいろ最近倫理的な性格を持った映画の問題が起っているのでございまするが、映画及びその他の喫茶とか、ああいういわゆる社会環境における青少年保護育成をどう考えていくべきかという施策を何かの形で、お示しいただいたら、質問しなくて、それだけ拝見すればいいわけです。そういう社会環境による青少年保護育成の方策、これを具体的に何かの形で現に協議会でとられておる問題を一つお示し願いたい。これを御要求しておきまして、最後に一言質問して十二時になんなんとしておりますので、質問を終りたいと思います。  私たちはお互いが、自民党とか社会党とかという立場でなくして、青少年をいたわってこれを養わなければならぬわけです。常に彼らを清い環境で守ってあげて、その伸びる力を思い切って伸ばしてあげなければいけない。ところがせっかく伸びる力を持った者が、社会環境の悪、政治の悪によってこれが芽をつまれるとしたら非常に不幸ですから、そういう除去するものがわれわれ国会で討議する中ににじみ出てこなければならぬと思うのです。そこで最後にお尋ねを申し上げておきたいことは、この青少年育成という明るい面で、政府はせっかく岸総理みずからが青年と名乗り青年育成すると言うておられるのでありますから、青年たちに明るい希望を与える方策として、第一に文化的に、産業的に、たとえば文化の面でいいましたならば、出版その他のいろいろな文化の恵沢に浴する設備等を通じて、できるだけその力を伸ばしてやるというためにあらゆる努力をしなければならぬと思うのです。ところがその環境の中には、図書館もあれば公民館もある。あるいは一般社会教育施設等もあると思うのでございますが、それらについて積極的に青少年に希望を与え、都市、農村を問わず、若い人に希望を与えるような方策をどのように用意しておられるか。これは青年団指導という問題とあわせて文部省とも関係すると思うのでございますが、一応政府はこの協議会を主管しておられる当局でございますので、そうした青年に希望を与えて、そうして文化的に伸ばしてやる方法がどういうふうにされておるか。もう一つは、産業、経済の面でそれぞれ所を得るために、片親のない青年には就職非常にむずかしいという問題があるが、こういうときに両親のそろった者と比べて、常に力によってその人個人の特徴によって道が開かれるような努力を政府自身がとってくれなければならぬのですが、これは労働省の所管だといえばそれまででございますが、それらについて高い立場からの青年に所を得しめるための処置はどうされるか、一つお答えをいただいて、私のきょうの質問を終りたいと思います。
  44. 藤原節夫

    藤原政府委員 一応概括的にお答えを申し上げますが、ただいまおっしゃいましたような文化的な面において、あるいは経済的な面において、また社会環境をよくしていくというような面におきまして、青年に明るい希望を持たせ、また経済的にその所を得しめるということは確かに政府対策の一番中心であると思いますが、これは一面から申しますと、青年対策それ自体が文化政策であり、経済政策であり、いわば政治のすべてじゃないかとも考えられるのでありまして、政府といたしましては、もちろんそういう面につきさまして全力をあげて施策を行なっております。特にそのうち青年についてどういう事項があるかというようなことにつきましては、別にまたお答え申し上げるといたしまして、方向として政府考え方としては、それ自体が政府施策全般、政治全体の大きな目標であろう。これについて万全の措置をとるのが当然であると考えております。
  45. 福永健司

    福永委員長 午前の会議はこの程度にとどめまして、暫時休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕