○
田中国務大臣 お答えいたします。この百四条の二項は、行政上
必要最小限度の条件をつける、またつけられるような道を開こうということで、こういう
改正案を提出いたしております。これを拡大解釈し、自由裁量を行おうという
意思は毛頭ありません。これを表わすために第三項を明記したわけであります。でありますから第三項と第二項を一緒にして、こういう
限度において、最小必要
限度の条件もしくは期限を付することができる、表限は同じことであります、三項と二項は同一のものであるというふうにお
考えいただきたいのであります。
先ほど事務当局の
答弁、私も
答弁しょうと思ったのですが、申し上げますが、
電波法でありますから、電波を発射する無線局には一応全部えこひいきなくこれが適用されるという原則は当然であります。でありますが百四条の問題は、少くとも放送を業とするところの無線局にはすなわち放送法という別な
法律がありますから、こういう精神を十分しんしゃくをして、少くとも他の
法律の精神を侵すようなものであっては絶対いかぬということでありますから、これは一般無線局に対する技術的なものと比べては相当厳密にしぼれるということは
一つ言い得ると思うのです。またそうなければいかぬし、そうする予定でございます。それから百四条の二項は一体どういうことかというのですが、これは現行の
電波法が御
承知の
通り昭和二十四、五年の成立でありまして、当時の思想としては、当然ある電波に対して申請があったならば与えなければいかぬ。理屈をいうと、早く出したものは自動的にやらなければいかぬ、こういう思想のもとに貫かれておるのが
電波法であります。でありますからその条件等に対しては七、八条でもって規定がありますが、これは電波を扱うものに対して必要やむを得ない技術面だけにしぼっております。何月何日までの工事期間が延長する場合といえ
ども、
郵政大臣の認可を受けなければいかぬ、できた場合は
検査を受けなければいかぬというふうに、全く技術的なものだけにしぼっておるのであります。でありますから今日は御
承知のように
昭和二十四、五年ごろより電波の事情が変って参りまして、電波局の設置の申請はたくさんになってきたのです。でありますからその中の一例を申し上げますと、今度のように免許を行う場合に何社かが合体した方が理想的であるというような形態が
一つございます。もう
一つは私人でもない、株式会社でもないというもの、電波の割当を受ければこういうふうなものを作ります。こういう設立発起人でもって申請をしてきておりますが、設立発起人といえ
ども私人、法人と同格にこれを扱っておる、こういうことですが、羊頭を掲げて狗肉を売るように、実際そういう無線局の申請に対して予備免許を与える。予備免許を与えても、今度は御
承知の
通り、三月三十一日まで提出条件つきというようなことを付しました。ところがこれを行政措置でできるじゃないか、行政措置でできるということが明確であれば、私は一向差しつかえないと思うのです。こういう
改正案は要らないと思うのですが、電波監理
審議会でも、
法律に明確なものがあった方がいい、またなくして条件をつけたということになると、その条件を守らない場合、また守らなくてもいいのだという
考え方も一部存在をするので、
法律で明確にしぼってはおるが、条件もしくは期限を付することができるというふうなことがないと、実際無制限に行ってしまう。これはうまくまとまっていけばいいのですが、大関西の例があるのです。まとまらないと何年でも引っぱっておるのです。結局三年間はあの面で貴重な電波が使えないという問題が起きてきます。こういう前例に徴して三月三十一日まで提出条件つきの予備免許を行い、予備免許の効力発生は申請者から提出をしたところの条件が満たされた場合に、確認書交付によって
法律的効果を発生せしめる、こういう処置をとったわけです。ところがこれは行政措置でできるということは私は少し行き過ぎだと思う。でありますから、どうしても
電波法に一条を加えて、免許に必要な最小やむを得ないものに対して条件または期限を付することができる、こういう
考えでこの条文を作ったのであります。省令または政令でやったらいいということは、できるだけこまかくしぼりたい
考えでありますが、内容は複雑であって、そうして個々のケースによって違うものでありますから、なかなか例示をすることはむずかしい。でありますので、少くとも放送業者に対しては放送法の精神にもとるような条件及び期限は絶対付さぬ。放送法をより円満に運用するためにこそ必要な条件であり期限でなければいかぬというふうにしぼってありますので、この条文がないと非常に困る、こういう
考えであります。でありますからこの条文をつけることによって、干渉とか、官が不当に介入しょうということは全くございません。