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田中国務大臣 これは
事情を申し上げないとよくわかりません。私は
組合との
話し合いを公開の席上ではあまり話したくないのですが、議員の御
質問でありますから、やむを得ません、明確に申し上げます。この
特定局の
種別改訂の問題は私が
就任をして第一番目に問題になったものです。私はこういう重大な問題が相互にびしゃっと
文書になっていないのはおかしいじゃないか、こういうことでもって相当憤ってみたのですが、実際から言うと水かけ論になるのです。それと、もう
一つはこういうことなんです。
省側として一体どうしてこれを出したのかと言うと、これは居直られたのだということを
省側では言うのです。普通のときだったら何でもないのですが、ちょうど
組合大会の前で、
種別改訂で一札とらなければ、これは大会決議になっておってどうにもならないのだ。しかし実際やるときには
お互いが
話し合いをして円満にやろう、ただし
文書を交付するということで、ほんとうの
話し合いでもって、実際に即応して自分たちはやったのだ。ところが今度、
文書をとにかく与えたからというふうに、それを持ってきて、こういうものが出ているじゃないかということを言うので、これは今までの円満な
団交としては多少筋が違うじゃないか、こういうことだったのです。ところが、過去にはそういう例があったかもしれぬが、今度は綱紀粛正を一枚看板として出てきた
岸内閣であるから、官紀は振粛しなければならぬ、そういう
意味で、昨年の七月は私としてもそういう気持だったのです。いずれにしても、官紀は振粛しなければならぬのだから、こういうことはよくない、正すべきは正そうということで、これからはちゃんとしなさい、この問題でもって
お互いが
議論をしてみても、
官側と
組合側の言うことが——私が聞くと五十歩百歩の
議論になって、大本を片づける
議論にはならない。だからまずこれに対しては私が焦点に立って両方をまとめよう、こういうことでまとめにかかったのです。それで
組合との間に私は何回も折衝をしたのですが、私
自身は今
特定局制度の
調査会があるので、この問題のさなかに
種別改訂を強行して、前提条件を作るように、痛くもない腹を探られても因るじゃないか、そういう
意味でちょっと時間をかけてはどうかということを話したわけです。私は平たく言えば全くしろうとですから、第三者的な意見を出した。そして
組合も、それはよくわかります、私たちの方も、
調査会に対して圧力をかけたり
陳情するということはよくないと思う。当時
組合側とすれば、
組合よりの
陳情よりも、いわゆる官の
調査会に対する干渉の方がかえっておそろしい、そういう
考え方がよけいあったので、
お互いにそういう前提条件を作らないようにしましょう。——これは良識ある人だったら、だれでもこういう
結論に達するのです。常識論なんです。ただし何もしないわけにもいきませんぞ、
大臣はどうするのですか。時あたかも三、四十局は省へ来ておったのです。私はそれに対しては全然見ていなかったのですが、全然やらぬということはおかしいじゃないか、しかも五月三十日までにやれということが、もうすでに七月十日じゃないかということで、私がその
交渉をやった日に、問題のない九局を私の権限で直ちにやったのです。
種別改訂をしなさいと言ったのです。またそれで一カ月くらいやりまして、九局とは何事ぞ、直二十三局の九局では一割にも満たないじゃないかということで、また
交渉をやって、最後に、二十五局今すぐやるから何とか待ってくれ、
調査が済まないうちにやるのはおかしいから、こう言ったら、あなたは郵政局長のやったものさえ認めないのかと言うから、私も冗談に郵政局長から来たものを全部
大臣がやるならば、林ノ上の局長もやってもいいか、こう言ったのですけれども、それは困る、林ノ上の局長は仙台郵政局長が
本省に上申したものであってもこれは問題ないのだ、問題のない
種別改訂をやれ、こういうのでごたごたしましたが、最後にはこういう了解のもとにやったのです。
大臣の
立場もわかる、しかしわれわれの
立場もよくわかってもらわなければいかぬ。少くとも四、五十局出てきておったら、三十局、四十局はやりなさい。しかもあとは
特定局調査会の
結論の出るまでは私たちが言うのではないが、
大臣というものは
特定局制度調査会の
結論が出るまで、
本省に上ってくるのを待っておれ、こうあなたは言える権限を持っているのじゃないか。そういうことをやっても僕らは
お互いに了解をするのだから、文句は言いません、こういうことでそこまで話してきた。それで私は三十五局でもどうか、それはだめです、今来ているものを全部やらなければならぬ。その中でもって地元が反対したり、局長が反対しているのが二つあった。二つはどうしても反対だった。そういう
意味で、二つ三つはだめなものもあるぞと私が言ったら、そんなものを私たちは
種別改訂を全部やれとは言わぬ。五十のうち大衆が認め、良識が認めるものさえやるならばいいと言った。それで私はその日のうちに四十八局やった。二局に対してはずっとそれから
調査をして、この間二局の話も円満にまとめて、今よりも十日前に二局もやった。五十局全部やった。五十局全部やると同時に私のところにやってきて、あと二十何局出ている。それを全部やってしまえ。郵務局区長に聞いたら、出ています。出ているなら早く
調査をすればいいじゃないか。今
調査をいたしております。こういうことで、
組合との間に局長が呼び出されて、強引に自分の意思に反して
種別改訂に賛成をさせられたり、また趣旨の反対のものを反対じゃないというようなことを言ったりしてはならない、ちょっと時間をかければ、フルに昇格をしてくれということに対しては問題がなくなるのだから、強引にやるな、官僚的にやってはいかぬと私が言っておりました。そういう
意味で今二十八局上ってきているそうです。これをすぐやれと言うのです。私はやらぬと言ったのじゃないのです。ただ局長がまだ調べてもおらぬのに私がやれと言うのはこれは最も悪い政治的な指導ですから、そういうことはやらない。だから局長から次官を経由し、政務次官を通って私のところに来れば、私の遺憾のないものはやろうということで、
組合との間には私が協定をして破っていることは今まで
一つもない。特にこの
種別改訂の問題に対しては
一つもない。答弁が長くなりましたけれども、実際の話をしなければわからないのであって、この問題に対しては私がやらないということはないのであるから、下から上ってくれば当然これは決済を与える、こういう
考えなんですから御了解を願います。