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1958-03-04 第28回国会 衆議院 地方行政委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月四日(火曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 矢尾喜三郎君    理事 亀山 孝一君 理事 纐纈 彌三君    理事 徳田與吉郎君 理事 永田 亮一君    理事 吉田 重延君 理事 中井徳次郎君       青木  正君    伊東 隆治君       加藤 精三君    川崎末五郎君       木崎 茂男君    楠美 省吾君       渡海元三郎君    早川  崇君       古井 喜實君    今村  等君       大矢 省三君    加賀田 進君       北山 愛郎君    門司  亮君  出席国務大臣         国 務 大 臣 郡  祐一君         国 務 大 臣 正力松太郎君  出席政府委員         警察庁長官   石井 榮三君         警  視  監         (警察庁刑事部         長)      中川 董治君         自治政務次官  中島 茂喜君         総理府事務官         (自治庁行政局         長)      藤井 貞夫君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政局         振興課長)   吉浦 浄真君         大蔵事務官         (主計官)   相沢 英之君         専  門  員 円地与四松君     ――――――――――――― 三月四日  委員三宅正一君辞任につき、その補欠として門  司亮君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 二月二八日  自転車、荷車税廃止に伴う財源補てんに関する  請願牧野良三紹介)(第一二〇九号)  町村議会事務局設置に関する請願田原春次君  紹介)(第一二二六号)  同(永山忠則紹介)(第一二六〇号)  町村職員退職者恩給扶助料均衡是正に関す  る請願永山忠則紹介)(第一二五九号)  遊興飲食税減免に関する請願臼井莊一君紹  介)(第一三〇三号)  同(野田武夫紹介)(第一三〇四号) の審査を本委員会に付託された。 三月三日  法令外寄附金等全廃に関する陳情書  (第五一〇号)  所得税法改正に伴う収入減額補てんに関する陳  情書(第五一一  号)  町村議会事務局設置に関する陳情書  (第五  一三号)  府県制度改革反対に関する陳情書  (第五一四号)  たばこ消費税率引上げ等に関する陳情書  (第五一五号)  国際収支改善に伴う地方債等削減反対に関す  る陳情書(第五一  六号)  公債費合理化等に関する特別措置法制定に関す  る陳情書(第五一  七号)  市町村消防府県移管反対等に関する陳情書  (第五一八号)  地方公営災害共済事業促進等に関する陳情書  (第五一九号)  新市町村建設促進に関する陳情書外一件  (第五二〇号)  新町村建設事業助成金増額等に関する陳情書  (第五二二号)  単独起債増額に関する陳情書  (第五二三号)  未合併町村に対する特別助成に関する陳情書外  一件  (第五二四  号)  旧河南村外十ヶ町村による加賀市建設に関する  陳情書  (第五二五号)  国及び県営事業に対する地元負担金軽減に関す  る陳情書外一件  (第五二六号)  新町村建設促進に関する陳情書  (第五二七  号)  地方債償還年限延期等に関する陳情書  (第五二八  号)  地方公務員停年制実現に関する陳情書外二件  (第五二九  号)  地方交付税率引上げに関する陳情書外一件  (第五三〇号)  地方道路譲与税の一部改正等に関する陳情書  (第五三七号)  災害復旧関係制限額等の引下げに関する陳情  書  (第六一〇号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申入に関する件  銃砲刀剣類等所持取締法案内閣提出第一二  号)(参議院送付)  遺失物法等の一部を改正する法律案内閣提出  第二八号)(参議院送付)  奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第四八号)      ――――◇―――――
  2. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 これより会議を開きます。  まず奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。質疑の通告がありますので、これを許します。門司亮君。
  3. 門司亮

    門司委員 それでは政府関係の人に、どなたでもよろしゅうございますが、御答弁のできる人に総括してお願いしたいと思します。御承知のように奄美大島に関する特別の法律をこしらえましてから数年立っておりまして、具体的に言うと、五カ年計画がすでに大体四年を過ぎております。残り一年、こういう形になっております。従ってこの五カ年計画工事並びに諸般法律できめた問題が、今どの程度まで完成されておるか、この点の概要が御説明願えるならば、一つ項目別に御説明を願いたいと思います。
  4. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 奄美群島復興計画実施状況でございますが、私から総括的に御説明を申し上げたいと思います。  最初できました復興計画は、御承知のように総事業費が百五十二億余万円ということで発足をいたしたのであります。第一年度昭和二十九年度以降三十二年まで、ただいま御指摘になりましたように、四カ年度経過する段階に来ておるのであります。当初の計画によりますと、あと一カ年度ということに相なっているわけでございますが、まず総事業費実施状況との関係について申し上げますならば、二十九年度は八億八千九百万円、三十年度が二十一億一千二百万円、三十一年度は二十四億七千万円、さらに現在進行中でございます三十二年度については二十六億三千二百万円、こういうことで、今まで四カ年度にわたって実施をして参りました事業実施額は、合計八十一億三百万円ということに相なっておるのであります。これは当初の事業計画百五十二億に対しまして約五三%に当っておるのであります。  この内容について申し上げますと、まず最初陸海交通整備の問題でございます。これは道路橋梁あるいは土地区画整理、港湾問題、こういうことがその内容に相なっておるのでありますが、三十二年度までやって参りました事業費は、全体で十九億九千二百万円ということに相なっております。  第二は国土保全関係で、その内容治山治水砂防海岸堤防なとが主体でございますが、これは今までに二億二千四百万円の実施を見ておる次第でございます。  第三の大きな項目といたしましては、産業復興関係仕事でございまして、これは農林水産各般産業部面にわたっておるわけでございますが、この実施額は四十一億ということに相なっております。  次は文教施設復興整備事業でございますが、これは学校、庁舎の建設堅牢化ということが主体でございます。この実施をいたしましたものが十一億二千六百万円でございます。  次は保健衛生並びに社会福祉施設充実関係の経費でございまして、これは病院その他上水道簡易水道保育所等がその計画内容に相なっておりますが、この事業費総額は今までやって参りましたのが約六億一千三百万円という数字になっておるわけでありまして、合計約八十一億円ということに相なっておるのでございまる。この際に今申し上げました大きな項目につきましてその内容の概略を申し上げますると、まず第一に陸海交通整備の問題でございますが、これは内容といたしましては、道路橋梁新設、改良、土地区画整理港湾修築事業、船舶の建造、それから通信施設整備自動車事業の五種に相なっておりまして、これは総額約四十億円の計画の言うちに、三十一年度までに実施されましたものが三四%、三十二年度は今進行中でございますので、まだ終局の数字は出ておりませんが、三十一年度までには三四%が実施をせられたのであります。  国土保全関係は、これは治山治水砂防海岸堤防がその主体になるわけでございまするが、これは事業費総額約十億の計画のうちで、昭和三十一年度までに進捗率あまり芳ばしくございませんが、一五%に当る事業実施を見ておるのであります。  さらに河川改修につきましては、計画河川が三十一河川のうちで、約その半分の十六河川実施中であり、これらにつきましては、特に耕地ないし人家周密地域を優先的に実施をいたしておる次第であります。  産業復興につきましては、計画自体としては総額約六十二億円でございまするが、このうち三十一年度までに実施された事業は二十七億余円で、これは計画の四五%に当っておるわけであります。これは内容といたしましては、各般にわたっておりまするが、農業、林業、水産業畜産業というもののほかに、特に本島における特殊産業でございまする大島つむぎの生産につきましても力を入れておるのであります。これについては戦前のものが非常に戦時中の打撃を受けまして、激減をいたしておりまするので、これの生産向上をはかりますことを目途といたしまして、共同施設設置であるとか、あるいは品質の向上というような諸般の点に関係をいたしまして、いろいろの施策を講じて参っておりますために、相当程度回復をしてきておるような現状に相なってきております。その他産業振興の面におきましては、電力事業の開発ということがきわめて重要な問題でございまするので、こういう点にも重点を置いてやっておるような次第でございます。  なお文教施設の問題につきましては、ブロック建築による近代的な校舎、堅牢建築物を建てていくということに主体を置きまして、逐次実施をいたしておるような次第でございます。  最後保健衛生施設社会福祉施設関係でございまするが、これにつきましては県立の大島病院を初めといたしまして、そのほか各村の村立診療所、それから名瀬市、瀬戸内町の上水道でありますとか、各地の簡易水道施設などの保健衛生施設その他保育所養老院等につきまして、整備を逐次はかっておるような次第でございまして、これは計画案に対しまして事業実施額は三五%ということに相なっておる次第でございます。  以上が従来まで実施をいたして参りました奄美復興計画実施状況のあらましでございます。
  5. 門司亮

    門司委員 大体説明は一応聞きましたが、問題は五カ年計画が五三%しかできていないという現実の姿です。従ってこれは今まで通りに一年加えるといたしましても、大体七〇%程度しかいかないということになると思う。ことしの分を全部加えて参りましても大体そうはいかない。そういたしますと、どこにそういう大きな蹉跌ができたかということが大きな問題で、これは単に工事が進んでいないからとか、あるいは仕事がおくれておるということだけでは済まされないのでありまして、奄美仕事占領中からずっと島民が苦しんでおった状態は御存じの通りであって、ことに駐留軍占領中の施策というものはほとんど何もしておらない。幸いにして復帰後、日本の国土にというか母国にかけられた期待というものは非常に大きかったと思う。私も昭和二十七年と二十八年の二回に奄美大島に参りまして、一応奄美状況は見て参ったのでありますが、いずれにいたしましても、島民期待というものはかなり大きかった。ところが幸いにして離島振興とは別に奄美大島に対する特別の法律ができて、島民はかなりこれに期待をかけておったと思いますが、今のお話のようなことになって参りますと、かなり島民期待を裏切るものがありはしないかということが一応考えられて参ります。従ってこの法律を審議するに当りまして、もう一つ総括的のものとして聞いておかなければならないと思いますことは、これだけ工事がずれて参りますと、必然的に当初計画しておった予算額だけでは、実際の仕事はできないという結論に私はなると思う。そうなって参りますと、この法律を出さざるを得なくなった一つの大きな要素は、財政的に見てどのくらいの負担を余分にかけるかということであります。この法律自体を読んでみますと、大体五カ年計画を完成することのために、これをさらに五カ年延ばすということが主になっておるようでございます。そのほかに問題はいろいろあるかと思いますが、大体五カ年計画の完成を目ざして法律改正が行われるようになっておるように、この法律を読んでみますと書いてありますが、そういたしますと、今申し上げましたように、当初の五カ年計画を完成することに時間的にずれができたために、最初の百五十二億という予算がどのくらい膨張するかということであります。これを裏から言えば、五カ年以内に完成しておけば百五十二億で済んだ工事が、工事がおくれたためにどれだけよけい負担しなければならないか、この数字がもしわかればお知らせ願いたい。
  6. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 今度の法律改正によりまして、新たに復興計画改訂をいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、この改訂計画を樹立するに当りましては、主体はもちろん従来の五カ年計画というものが、その基本に相なるわけでございますが、これを十カ年に引き延ばすに当りましては、単に従前の計画期間をただそのままで延長するというだけではなくて、この際同法が施行をされて参りました過去四カ年度にわたる実績と、現地実情というものをよく勘案をいたしまして、事業内容についてもう一度精査、検討を加えてみたわけであります。もちろんその主体公共施設復興整備ということと、群島経済自立化促進をしていく、この大きな二本建の柱というものをくずすものではもちろんございませんが、単に従来の計画期間をそのまま改訂するというのではなくて、この際実情に合わして全体の計画を再検討してみたい、かように考えておるのであります。この計画として考えておりますることを大体申し上げますると、まだ最終的に政府の方針としてきめておるわけではございません。これは手続がございまして、奄美群島復興審議会に諮った上できめていかなければならぬということに相なっておる次第でございまするが、大体の考え方は、昨年奄美群島審議会におきまして、十カ年の改訂計画というものを樹立することが適当であるという意味の意見具申が行われておるのであります。その意見具甲内容といたしましては、結局総事業費といたしましては、従来の百五十二億というものを百八十二億、事業費としては今までのものよりも三十億程度伸ばすということが適当であるという意見具申を得ておるのであります。これに対しまして、その財源関係でございますが、主体となりまする国庫負担関係というものは、当初計画では百十一億ということに相なっておりまするものが、今度の審議会意見具申改訂案によりますると、百二十一億ということで、約十億の増ということに相なっておるような次第でございます。私たち自治庁といたしましては、この答申案自体はきわめて適切なものであるというふうに考えておりまして、今後大まかにいって、この線を尊重しながら具体的な計画改訂を進めて参りたい、かように考えておる次第でございます。
  7. 門司亮

    門司委員 今のお話だと、三十億だけ大体予算がふえる、こういう形になっております。従って事業内容は、五カ年計画内容よりあまり規模は大きくならないのだというふうに考えざるを得ないのであります。従って三十億くらいのものをふやしてみたところで、これは実際の問題としては、五カ年計画で立てた事業量とその事業量はそっくり同じだと私は思います。ほとんど伸びていないと思う。いわゆる事業がおくれただけ、やはり物価の値上りもありましょうし、いろいろな事務費がそれだけよけいかかったことは事実であります。こういう消耗的なものに全部食われてしまって、実際の仕事は、おくれたのをそのままにしして、事業量が変らないということになると、いささか問題になりますのは、何がためにこういう十年に延ばさなければならなかったということの区原因を、この際はっきりしておきたい。いわゆる事業量が変らないで、ただ計画だけを延ばす、この第四条を修正するといっておりますが、四条の修正を見てみると、大体そういうことしか考えられない。それから同時に、今予算規模の問題からいたしましても三十億しかふえないということになれば、総予算のわずかに五分の一くらいしかふえておらない。そうして事業計画は倍に伸ばそうというのでありますが、事業量はちっともふえていないというふうに考えた方が間違いないだろうと思う。そうなって参りますと、島民期待というようなものについては非常に大きな問題が起りはしないか。これを裏からはっきり言えば、大体五カ年計画というものの工事がまるっきり進んでいないのではないか、いわゆる五カ年で仕上らなかった原因はどこにあるかということが、もし自治庁でわかっておるならば——これをどうしても延ばさなければならなかった審議会答申は、工事進捗状況を見きわめて、これではだめだから十カ年に延ばそうということになったと思う。しかし審議会の十カ年に延ばそうという原因は、ただ単にそれだけでは済まされないのであってどうして一体工事ができないのか、どうして一体工事がおくれたのかということについての具体的な説明を、まず承わっておきたいと思います。
  8. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 御説のように当初立てられました復興計画というものが全般的に遅延をいたしております。平均いたしましても、御指摘がございましたように、五三%程度にとどまっておる、これがもう一カ年残っておりますけれども、あとの四七%分に当るものを一カ年度でやってしまうということも、いろいろな面から見ましても、事実上とうてい不可能でございます。そういうことでかなりおくれてきておるということが、さらに本計画改訂しなければならないということの一つの大きな原因であるということを、われわれも否定するものではございません、その通りであるというふうに考えておるのであります。しからば何ゆえに復興計画実施というものが、このように遅延をしてきたかということでございますが、これはいささか言い訳の面もございますけれども、まず最初に二十九年度から本計画というものが始まってきておるのでありますが、当初の二十九年度については、これは計画自体決定を見ましたのが、同年の十月三十日、十月末にようやく復興計画決定を見たのでありまして、すなわち初年度においては、年度半ばを過ぎてから初めて事業が開始されることになったというハンディ・キャップが一つあったと思います。それが全体としての実施事業量というものに影響を来たしておるということは争われない事実ではないかと考えるのであります。ただ初年度はそうであっても、その次からはどんどんやればいいではないかということでございますが、しかし今までやって参りまして、このように計画が延遅をしております理由というものを考えてみますと、これは何と申しましても台風の全国最大の頻度を持っておる地帯である、さらには冬季においては季節風の影響というものがございまして、工事の支障というものがいろいろございます。またいろ資材等を調達いたしますのに、地元では調達のできないという資材については、どうしても内地からこれを求めなければならぬ、あるいは技術面等についても内地から供給を仰がなければならぬという面がございますが、何分にも海上遠く離れておりますので、交通その他によって制約を受けざるを得ないというようなこともございます。さらには事業をやって参りますについては、これは全部が全部国におんぶをしていくということには参りません。それ相当地元における負担というものもやはり願わなければならぬのでありますが、地元におけるそういうような負担能力、あるいは事業遂行能力というものにつきましても、だんだんこの復興計画実施によって上っては参っておりますけれども、当初の間はなかなかこれに即応するような態勢になっていなかったというようなことも、その原因であろうと思います。また率直に申しまして、国家財政状況というものも影響いたしましたことは申すまでもないのであります。われわれ自治庁当局といたしましては、計画案に盛られましたものは、ぜひ五カ年度でやってもらいたいという希望を持っておったのでありますが、全体としての国家財政事情というものを考えます場合には、そうも参りません。そういうようないろいろな事情がからみ合わされまして、五カ年計画で予定されておりました事業計画というものが、今のような状況にとどまってきておるのではないか、かように考えておる次第でございます。
  9. 門司亮

    門司委員 今の御答弁に対しまして、きわめて重要な問題は、最後お話しになった例の地元負担の問題、いわゆる地元財政力の問題、同時に国家財政との二つの関連性が、かなり大きな問題になっていはしないかということが一応考えられます。それから事業内容は、これは別々に分けて質問をいたしたいと思うのですが、そこで大蔵省に一応聞いておきたいと思うことは、大蔵省は一体この資金を出すことをサボつたのかね。どうなのかね、サボらないで、大蔵省はこの計画通り出したのかね。
  10. 相沢英之

    相沢説明員 奄美復興事業計画につきましては、先ほど自治庁藤井行政局長から答弁がございました通り現地事業消化状況、それからもちろんこれはほかの奄美復興事業以外のいろいろな財政事情とのバランスを国家財政の面で考えまして、大体この程度のテンポでやっていけば、おおむね円滑にいくのではないかという考え方で、今までやってきたわけでございます。
  11. 門司亮

    門司委員 どうも大蔵省答弁はおかしいのだな。国家財政関係で少し仕事がおくれたという、自治庁答弁に対して、大体このくらい出せばよかろうということを考えておるならば変なんです。ですからやはり計画通りに金が出せなかったか、出せたかということを聞いている。仕事ができなかったから出さなかったということがはっきりするなら、仕事の方でこれから少し聞かなければならぬ。いわゆる金を出さなかったら仕事をしなかったのか。仕事ができなかったから金は出さなかったというのか、この辺はどうなるのですか。そっちで水かけ論をやって、けんかしても始まらぬ。どちがほんとうなのですか。
  12. 相沢英之

    相沢説明員 もちろん金があれば、事業の一応の計画がございますから、できるだけ毎年度事業量をふやすことが望ましいわけでございますが、何分、私がそう申しますと差しさわりがあるかもしれませんが、奄美群島復興事業のこの五カ年計画自体が、非常に早急の間にきめられたものでございまして、実際に実行して参りますと、非常にむずかしい問題も起ってきたわけであります。従いまして事業実施状況を見てみましても、ものによりましては当初の計画をすでに終っているものもありますし、それから当初の計画は少し見込みが過大であったというような点もあったわけであります。そういったような現地における事業実施状況一つ勘案しなければなりませんことと、それからもう一つ何分あまり大きな事業をやりますと、地元における消化能力というものも問題になるわけでありまして、つまり資材も人も内地相当程度依存しております現地状況としましては、あまり事業量が大きいと、物価、賃金その他をつり上げるようなことにもなりまして、事業計画が円滑にいかない、こういったような点も事実見られたわけであります。そこで自治庁の方もしばしば現地を調査しておりますが、そういった調査に基く御意見というものも参考にいたしまして、おおむねこの程度事業としては円滑にいくのではないかという判断に基いてやったわけであります。もちろん予算の面における制約というものも考えてはおったわけでありますが、そういったような状況で、まあこの程度ということになっておるわけであります。
  13. 門司亮

    門司委員 どうも大蔵省意見を聞いていると、何が何だかちっともわからない。そうすると、大蔵省意見をそのまま受け取ってやると、どうも仕事の量が少し大き過ぎておる。だから金をやっても仕事ができないのだ、だからやらなかったのだ。もし金をやっていればインフレになるという。そんなことはないでしょう。百五十億ぐらいの金を一年に一ぺんぐらい出したところで大したインフレにならない。あそこには二十何万かの人口がありますし、何もこれは全部ただでやる金ではない。資材費を払わなければならぬ、工事費を払わなければならぬ。しかもこれは五カ年を区切って、一年に一体幾ら出せばよいか。そんなインフレになるというばかなことは——ばかなと言うと怒るかもしれないけれども、言わなくていいと思う。それよりもう一つ私は聞いておきたいと思うことは、ほんとうに今の大蔵省意見のようだとすれば、五カ年計画のそれ自体がずさんであったということに大体結論ができると思う。できもしないことを五カ年間に集約してやるように計画を立てて法律をこしらえたから、その通りに実行ができなかったのだ、だから大蔵省で金が出せなかったのだ、こういうことに大蔵省意見はなると思うが、そう解釈しておいてよろしゅうございますか。
  14. 相沢英之

    相沢説明員 奄美復興事業計画の総体の事業量は、これは奄美復興審議会答申を待ちまして、内閣が決定することになっておるわけでございますが、率直に申しまして、当時百五十億という事業量がきまりました際に、大蔵省としましてはいろいろな点において異議を持っておったわけでございます。もちろん、そういう点において異議があったから故意にこの事業実施計画をおくらしてきたといったような事実はないのでございますが、復興事業計画自体につきましては、当初そういったような点に大蔵省としましては若干異議を持っておったわけでございます。
  15. 門司亮

    門司委員 そうなりますと、これはこの法案の内容に入る前に一つの暗礁にのし上げたようなことになるのだが、これも閣議で決定されて、法律でこしらえて、そうして審議会にゆだねてあるのですね。そうすると、何か大蔵省が知らないうちに、こんなものを勝手にきめたからというようなことなら、閣内不統一でしょう。こんなことでは、どうにもならぬですよ。やはりきめた以上は内閣が一つのものとして大蔵省は考えてくれないと、どうも当初の計画が、おれの方はよく了承していなかったから、そういうものは知らないのだということがここで言われるということになると、えらいことになる。一体それでは当時の大臣をみな呼んできて、閣議できめたのか、きめなかったのか——法律を出した以上は内閣に責任があるのだから、その責任の遂行に対して各省がそういう意見があり、そういうものの考え方で処置されるということになると、これはこの問題だけではありません、国全体の問題として私は大きな問題になると思う。だからこの際自治庁に聞いておきたいのだが、今の大蔵省意見のようなことが事実あったかどうか、大蔵省は同意していなかったというようなことが現実にあったとすれば、この法律最初からやり直さなければならぬ。この計画自体最初から考え直さなければならぬ。その辺はどうなんですか。一体自治庁は十分了解を得たものとしてわれわれはこの法律を審議してきた。われわれは奄美大島をできるだけ早く復興したいという考え方でやってきた。しかし閣議で了承を得てなかったから大蔵省としては最初から気乗りしなかったものだということになると、実に厄介なことになるのだが、一体自治庁はどうなんです。了解を得ておったのか得てなかったのかということになる。
  16. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 当初の奄美群島復興計画案でございますが、これは二十九年の閣議で了解事項ということになっておったのであります。決定事項と了解事項とどう違うかという点につきましては、ここでいろいろ申し上げることも適当でないと思いますが、今大蔵省の方から申されておりますることは、大体のこういう復興計画が立てられた、そういう基本方針なり基本的な事業の進め方というものに対して基本的な異議がある、あるいは反対があるということではない、そういう意味でおっしゃっておるわけではないと思うのであります。これは閣議了解というような格好から申しましても、その通りでございます。ただ数字そのもの、事業計画内容でありまする事業費百五十二億あるいは国庫負担百十一億というような具体的な数字について、そのままを文字通りのみ込んでおくという意味のことは、大蔵省としては当時いろいろの情勢もございましたでしょうし、そういったものを計画として、はっきりと了解を与えてしまいますことは、いわば継続費をそのまま承認するということにもなりまして、いろいろな財政運営の面からいっても適当でないという面もあるので、そういう細目については、年度心々の実施計画数字自体にまで踏み込んでは、これに対して約束をしたわけではない、それは大体の方針というものにのっとって、毎年度々々々の事業実施計画というものは、そのときにおける現地状況ないしは国家財政の都合というものもにらみ合せて考慮をしていくということであろうという意味に、私は了解をいたしておるのであります。
  17. 相沢英之

    相沢説明員 若干私の先ほどの答弁が、舌足らずの感がありまして誤解を招いたことは遺憾に思いますが、奄美復興事業を、この五カ年間に計画を立てまして遂行する点について、私どもが異議を持っておったというわけでは毛頭ございません。これは、ただいま行政局長から答弁がございましたように、法律としてきまり、また総理大臣が計画をきめるということになっておりますので、これに対して基本的に異議を持っておったということではございません。この事業総額とか、あるいは事業内容の割り振りに関しまして、早急の間に決定された経緯もありまして、若干の異議を持っておったという、そういう意味でございます。
  18. 門司亮

    門司委員 藤井君もきわめて要領のいい答弁をしているようでありますが、なるほど事業計画としての年度割りというものが最初からきちんときまっていないというようなことは一応言えるかもしれない。しかし問題になりますのは、少くとも事業計画であって、五カ年計画として法律を出しているのですから、法律を出しているからには、やはりはっきりした見通しがなければ法律にならぬはずです。だから総ワクにおいて——年度々々の計画についてはいろいろ異論があるかもしれない、多少の問題が出てくるかもしれない、しかし総ワクにおいては私は異論があるべき道理がないのであって、いずれ金を出すにいたしましても、ものをきめるにいたしましても、閣議の了解事項として法律で出てきているものなんです。こういう形でやれということで、国会の承認を得ていることは間違いない。それをそういう形でやられたことについては、私ども非常に不満足に考えておりますが、それを議論しておると非常に長くなって、きょうの審議のじゃまになると思いますので、大蔵当局でも最初そういう考え方であったのだというようなことでなくて、きまったものについては、やはり十分これを達成することのために一つ努力をしてもらわぬと、今あなたもそこで聞いているように事業内容はそう変らない。五年から十年に延ばしたって変ってないという内容は、わずか三十億しかふえていないという事実なんです。三十億くらいのものは、二十九年の物価指数と今日の物価指数と、これから先の物価指数を考えていけば、これはほとんど自然増でこのくらいのものはまごまごすると埋まることになってしまう。わずか二割くらいの増加であります。だから事業量がふえないのにそうした予算がふえたということは、仕事をしないために三十億だけ国費をよけいに、むだに使ったということに、言いかえればなると思う。こういう点についてはそれだけ島民の福祉がやはり減殺されていると申しても、ちっとも差しつかえがないと思う。島民諸君は五カ年で完成されるものだと考えておったものが、いろいろな都合があったかもしれませんが、結局はこういう形で十年に延ばされた。しかも事業内容というものは予算の面から見るとそう変らない、同じようなものだということになると、明らかに五カ年計画が遂行できなかったという結論に一応なると私は思います。  そこでこれから私は具体的のものについて、一つ一つ御質問を申し上げて、この計画についての考え方をまとめていきたいと思いますが、最初に聞いておきたいと思いますることは、今日の一つの大きな目安になっております港湾関係の問題、港をどうするかということであります。御承知のように、奄美大島の四つの島はおのおの港を持っておる。大島にある名瀬の港あるいは古仁屋の港、かつて海軍の基地でありましたから、港自体はそういう港ではございませんが、大体港としての形は一応できておる。しかし名瀬の港は沖がかりであって、実際は港の形をしていなかった。これを改修することについては、建設関係については国がじかにやっておりますので、やや完成されたような形になっておると思いますが、問題になるのは、御承知のように亀徳の港であります。この徳之島の亀徳の港は、私の手元にある情報を見て参りますると、県費でやられておる。しかも一、二回の台風でせっかくやりかけたものがこわされておる。こわされた実況を見てみると、鉄筋コンクリートであるべきものが鉄筋コンクリートでなかった。こわれたコンクリートの中から鉄が出てこなかったということになると、これは鉄筋コンクリートでなかったということになる。そういう工事が行われているという情報があるのでありますが、この点について自治庁は知っておるか、伺いたい。
  19. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 御指摘の亀徳港の工事が昨年の災害によって大きい損壊を受けました事実につきましては十分承知しております。
  20. 門司亮

    門司委員 工事内容についてでありますが、ちょうど五カ年計画で立てた工事内容と同じようなことが計画せられておったかどうか。今申し上げておりまするように、私の手元にある資料から見て参りますると、工事内容がかなりずさんであったようにも考えられる。その点調査を進められておるかどうか。
  21. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 亀徳港につきましては、御指摘通り県営工事として実施して参ったわけでございますが、昭和三十年度に着工いたしまして、現在約五割の進捗率でございまして、まだ残余の工事相当に残しておるわけであります。今御指摘になりましたのは、波よけと申しまして直径約八十センチほどの波よけのコンクリート堤防があるわけでありますが、一般の、全部完成しております場合には、これはなかなかこわれないのでございますが、非常に大きい強風がございまして、風波にさらされまして、コンクリートのまん中がぽっきりと折れたわけでございます。中には、今御指摘ございましたように、計画といたしましては鉄筋が入っておらなかった。当初鉄筋が入らない計画であったわけでございます。今回、そういった工事では今後台風その他がございました場合に、あの程度のものでは耐えられないということが判明いたしましたので、手戻り工事といたしまして約五百万円程度予算を増額いたしまして、そうしてあらためて強固な基礎工事から着工いたしておりまして、全部新しいものを作ります場合に、どの程度のものをやれば、どういった災害に対して耐え得るかという強度試験等を実はやっておくべきであったと思いますが、早々の間に着工いたしましたために、その点ややずさんな工事に相なりましたことは大へん恐縮に存じているわけでございますが、今後全面的に各港湾とも今までの計画を再検討いたしまして、相当の台風にも耐え得るような強度にまで持っていくように現在留意いたしておるわけでございます。
  22. 門司亮

    門司委員 今御答弁のあったように、この事業はかなりずさんな事業であったと考えられます。これは単に徳之島の亀徳港だけではございませんで、沖永良部の和泊港も大体これと同じような状態を暴露しております。従ってここにつぎ込まれる工事費は、これらの損壊をしたもの、いわゆる工事の施行に当って今のお話では最初から鉄筋は入れないことになっておったというのなら、それでよろしい。工事自身に不正はなかったかもしれない。しかし設計あるいは見積りに、かなり大きな誤算があったのではないかと思われる。この誤算のあったものについての補償を、今お話の五百万円というようなものが地元負担になるというようなことになりますと、やはり地元としてはかなり大きな負担をかけられてくると思う。同時にこれらの事業が満足に完成をすればよろしいのでありますが、御承知のようにこれを鹿児島県の請負業者に出されております。従って工事を受けておいでになる諸君に資力に十分の手持ちがあればけっこうでありますが、もしこれがなかった場合には、この工事費の食い込み額はだれが一体負担するかということになりますと、住民がそれだけよけい租税その他の形で負担するか、あるいは業者がその損失を負担するかということになりますが、この点はどっちが負担するようになっておるのですか。
  23. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 ただいま御指摘になりました台風の手戻り工事の金額はだれが負担するかという問題でございますが、本件につきましては名瀬、亀徳、湾港あるいは今御指摘の和泊港等幾多の港を現実に着工いたしております、要するに港湾なり漁港なりに今充当いたしております計画額は、相当膨大な額になっておりますが、今ずっと事業実施して参りますと、たとえばサンゴ礁等を浚渫する経費等につきましても、相当十分に計上いたしておるものもございますし、また部分的には足りなくなる工事もあるわけでございますが、全体として事業実施して参りますと、現在判明いたしておりますところによっても、名瀬港におきましては事業計画をやや十分に見積ってございまして、金額は今記憶いたしておりませんが、要りするに二、三千万円程度名瀬港については余裕財源が出てくるというふうに考えております。われわれといたしましては、その辺見積りが非常に甘いものもございます。またそういった不測の事態が起ってくることもございますので、でき得る限りこの百八十億という新しく今考えられております事業費総額のワク内で操作をいたして参りますが、どうしてもいろいろ不測の事態が発生いたしまして参った場合には、これは市議会におかれましてもそういった事態に即するような計画改訂ということも考えておられるわけでありまして、確かに未曽有の台風がございまして、手戻り工事がありましたことにつきましてはまことに遺憾に存じておりますが、直接住民に負担地元負担という形でかけることを避けまして、ほかの港との関連におきまして若干安くでき上るところもございますし、また節約し得る部面もございますので、それらを合せて考えて、ぜひしっかりした港湾を完成いたしたいと考えておる次第でございます。
  24. 門司亮

    門司委員 今の答弁では、ますます計画自体がずさんなものであるように考えられる。私が考えて参りますと、たとえばこの工事自身に多少の最初計画の誤まりがあったといたしましても、それに耐えられない大きな災害によってこれが破壊された、従ってこれが手戻りの仕事のような形になったのだということになると、これはやはり災害分としての予算要求があってしかるべきではないかというようなことも私には考えられる。今のお話のように、プール計算をすれば少し余るところがあるだろうからそれで補おうということになったら、まるでどんぶり勘定ではないですか。政府がどんぶり勘定をやっておって工事費を取り締るといったって、実現困難だと思います。ですからその辺はどうなんですか。ここだけではありません。その次に茶花という港が一つありますが、これらの港の工事についても、やはり県でそういう形でやるというのではなくて、やはり今のようなお話だとすれば、国が直轄でやっていくということで、もう少しはっきりした処置をとるべきではないかと考えるのであります。それから請負業者にしても、それはなるほどやはり地元を潤す必要がありますので、できるだけ地元の業者を指名し、あるいは採用することが私は必要かと思いますが、しかし少くともこういう仕事については、これは下手な仕事をしておりますと、それの何倍という大きな費用があとでかかる。同時にそればかりではなくて、住民の災害による打撃というものはかなり大きなものが出てくる。従ってこういう工事というものは、単に情実——と言うと少し言葉が悪いのでありますが、地元の諸君を潤すという意味から、十分力を持たない地元の諸君に請け負わせてやるということ自体、考え方が違いはしないかということが一つ考えられる。  それからもう一つ考え方は、一つの島に一つずつの港を完成していくということ、これを五カ年計画で同時に着工してやるということも一つの方法であります。しかし、さっき申しましたように、これを別々にやってその島々で請け負わせるということになると、弱い業者がこれをするということになると、なかなか工事もうまくいかない。従ってこれを国の直営にしてそうしてできるだけ重点的に完成していく。すでに名瀬の港はでき上るという目鼻がついておると思いますが、名瀬港ができ上れば、その次には亀徳に全力を注いで完成し、その次には和泊、その次には茶花をやるというような、計画性を持ったはっきりした仕事をこの際やってもらった方が、この港湾の建設には好都合ではないかというふうに考えるが、その点について政府の意向をただしておきたいと思います。
  25. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 ただいまの御意見は非常にごもっともな点が多いのでございまして、特に港湾工事というような比較的大規模工事につきましては、技術面から申しましても慎重にやって参りませんと、むだな金を投ずるというようなことにもなりまして、これは地元の方々にも御迷惑をかけますし、ひいては国費の乱費というようなことにも通ずる問題でありまして、慎重に考えていかなければならぬと思うのであります。現在御承知のように名瀬港につきまして運輸省の直轄でやっておるのでありますが、その他の港湾につきましては、今お話がありましたように、一つ地元の業者といいますか、地元産業の振興という面から、地元の請負業者等につきましても、ここに参画させる道を開くというような方向で進んではおるわけでありますが、しかしそういう面をまるきり度外視することはできないといたしましても、一面港湾工事というような特に重要な問題につきましては、お話に出ましたような国が直接やっていくというような配慮を取り入れていくということも、ぜひ必要ではないかというふうに考えます。そういうような面からいたしまして、私たちの方といたしましても法的にも検討を進めておりまして、その他の港湾につきましても国の運輸省なりあるいは建設省に、この工事を委託するというような方途を法的にはとり得る道が開かれておるようでございますので、そういうような点につきましてはお話の趣旨を十分生かし得るように積極的に一つ検討を加えたい、かように考えております。
  26. 伊東隆治

    ○伊東(隆)委員 関連して。この復興法の一部改正につきましては、前二回にわたりまして政府の意向をただしましたので、これ以上時間を費やすことは恐縮に存じますけれども、ただいま門司委員から質問なさっております港湾の建設の点につきましては、この機会に重ねて政府の意向を、もっとはっきり伺っておきたいと存ずるのであります。  ただいま門司委員の御指摘なさった通り、台風銀座におきましては普通の港湾の築港技術をもってしてはなかなか耐え得ない。従って台風ごとにしょっちゅうこわれておる。ただいまお話の徳之島の亀徳港、また沖永良部の和泊港その他喜界島の湾港にいたしましても台風ごとにこわれております。それで私は名瀬港を国営すなわち運輸省が直轄してこれを建設いたしまして、その結果が非常によろしいということにかんがみまして、他の港々につきましても同様運輸省が直轄してもらいたいということを、前回の会議において強調いたし、政府委員からもその趣旨によって強くこれを推進してみる、ただいまの藤井局長のお話も委託港という形式でこれを進めてみようという話でございましたが、またこれら亀徳港、和泊港のほかに、白浜港は新たに二億五千万円を投じて、新しく開さくする港でございますから、これもぜひ運輸省の直轄にしなければならぬということを島民が熱望いたしておるのであります。そのほか喜界島の湾港にいたしましても、ただいまお話の与論島の茶花港にいたしましても、いずれも台風銀座の中にある港でございますので、地方の技術や経験をもってしては十分なし得ない。どうしても国の経験と技術を持ってこなければ十分でないのでございます。一つこの点は十分その実現をはかっていただきたい。この前の御答弁ではその趣旨に沿って運輸省との間に話を進めておるというお話でございましたが、どの程度にお進めになっておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  27. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 運輸省と折衝いたしておるわけでございますが、運輸省の見解といたしましては、名瀬港につきましては一年中工事をし得る気象状況にあるわけでございます。今御指摘になりました白浜港は直接外海に面しておりまして、季節風の関係があって約半年間は工事ができない。その半年間だけでも運輸省の直轄工事を続けて参りまして、どの程度に完成できるかということを現在検討してもらっておるわけであります。今行政局長からも申しました通り、県の工事ということに現在計画が定められておりまして、県から逆に委託するという形式をとるわけでございますが、新しい港を作ります場合には、できるだけ運輸省にやっていただくように現在進めております。法規上の支障はもとより別段ないようでございます。問題は運輸省といたしましても相当大きい機材を現地に持って行かなければなりません。それがどの程度遊休する可能性があるかどうかという問題を目下検討いたしておるところでございます。
  28. 伊東隆治

    ○伊東(隆)委員 奄美群島が故国に復帰いたしました当時、群民一致して熱望いたしましたことは、こういう港湾の工事のごとき大きな工事はぜひ国が出てきてやってもらいたいという希望が非常に強かったのであります。すなわち当時は簡単な言葉でいえば国営でやってもらいたい、県営ではいけない、経験と技術を大きく持っておるところの国が出てきてもらいたいという希望がありまして、私もその群民の意思を代表して大いに政府にも希望いたしたのでございますが、名瀬港はそのために国営にお願いした次第であります。国営と言い県営と言い、一がいに言いますけれども、要するにポイントは港湾の建設には国が来てやるという一点にしぼられ得ることだと思いますので、これは法律の上にそういう港湾は国が出て来てやるのだということを特に書かなくても、実際の運用によって自治庁の運営において一つ国の技術と経験を持って来てもらいたい。大牟田には非常に有力な、またたくさんの機械がございまして、名瀬港の建設はきわめてはかどりました。従って亀徳や和泊に持っていってやれば同様ああいう台風ごとにこわれることはないと思いますし、特に白浜の開設につきましては、ぜひ国の機械を持ってきてやりませんと、土地の請負業者では台風のために機械が流れることをおそれて請負をしないという点もございますので、特に御注意を願いたい。この点は参議院の小柳委員が大島を視察なさいまして、帰ってきてこの席におられる加藤委員に対しまして、群民の強い希望を伝えて参り、それをまた私に伝達がありましたので、私はそれを政府に伝えたことを覚えております。こういうようなことで港湾の建設だけは大小にかかわらず——今の政府委員お話では大きな港だけというような御意向のようにも聞えましたが、ああいう台風常襲地帯でありますから、大小によらず、一つ、国の技術と経験を持ってきてやってもらいたいということを、この機会に重ねて私からもよくお願いいたしたいと思う次第であります。私の関連質問を終ります。
  29. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 関連して。ただいま伊東委員は非常に遠慮しておられましたが、私はかねて参議院の小柳さんからのお話も承わっており、特にこの奄美大島復興法律を作りますとき、五つの他の委員会と折衝いたしまして話をまとめたときの経緯から今考えますと、復興に最も重要な関係を持つ港湾等は、やはり県営ではまずいんじゃないかという気がしますので、三十四年度からはできるだけ相当重要性のある港は——この委員会指摘されました亀徳とか和泊とか白浜、湾、茶花というものは相当地方として重要な意味を持つ港湾だろうと思いますが、そういうものは国直轄にできるような予算措置を考えていただきたいと思います。地元民の非常な念願もあるそうでございますので、そういうことをお考えいただくお気持はないでしょうか。今から三十何年前でございますか、かつて沖縄に大暴風雨がありまして小学校、中学校が全部破壊された。そのときに大蔵省に非常なすばらしい頭の事務官がおりまして、小学校令等ではもちろん市町村がそうした設備をする義務があるのでありますが、これを特に全額国庫補助で国営にした例がございます。そうした奄美大島復興というようなものは、大きな意味でこれがりっぱに完成するといなとは、国の領土問題、外交問題に対する国内民心の統一等に、非常な大きな関係があると思われます。幸いわれらは大蔵省においてこうした事項を査定するのに、現在のところ大へん頭のいい、理解力のある、将来大成する主計官を持っておりますので、大蔵省はスムーズに行くと思います。そこでそういう意味で、そういうことをも三十四年度からの事業予算等の際に、これを御相談になっていただく御意思がないかどうかにつきまして、自治庁の政務次官に御回答願いたい。
  30. 中島茂喜

    ○中島政府委員 ただいま奄美群島の各島々の港の建設工事につきまして、るる御意見があったのでございますが、私お話を承わっておりまして、しごくごもっともだと感ずるのでございます。従いまして、事務の方でもすでに運輸省等と打ち合せをやっておるようでございますが、さらに自治庁といたしまして、強くその線を推進さしていきたい、かように考えております。
  31. 門司亮

    門司委員 この機会にもう一つ政府の意向をただしておきたいのですが、御承知のように、奄美大島産業復興にいたしましても、何をするにいたしましても、港が一番大事なんです。港以外にほとんど発展の糸口を見出すことはできないわけなんです。従って今計画されております港の構造を見て参りますと、名瀬は接岸港になっておるようでございますが、その他の港は依然として、港湾の形は変りますが、沖どりのような形になっておると思います。これでは人命の安全もございませんし、それから少し風波があれば荷役もできないというようなことで、私はかなり大きな不便があると思います。従って十カ年計画というようなことで、この計画を延ばされるとするならば、港の構造を一つこの際変えることもお考え願ったらどうかと私は思うのです。やはり船舶の大きさにはおのずから制限はあるでございましょうが、少くとも現在航行いたしております船舶が、接岸のできる港にするということが、やはり私はよろしいのじゃないかと思います。そうしないと港の機能というものを十分に発揮することができない。ただ単に防波堤だけをこしらえて中に入れて、そしてあとは全部はしけでまた運ぶというようなことがあっては、港の全機能を発揮するというわけには参りません。港の機能を発揮させようとするなら、やはり全部接岸をするという建前をとってもらいたい。そういうことが考えられませんか。もし考えられるとするならば、この機会にはっきり御答弁を願っておきたいと思います。
  32. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 御説のように、港湾というものを築造いたします上からは、やはり接岸ができるような構造にやっていくということはもちろん望ましいことでございます。できるならば、十島一港はそういうような構造設備を持ったものにしていきたいということを考えたいと思うわけでございますが、何分にも立地条件その他について、なかなかむずかしい技術的な考慮を要する点もございます。またサンゴ礁等で、工事自体非常にむずかしいものも中にはございます。さらにそういうことになって参りますと、工事費自体も非常に膨大なものになってくる、そういうような隘路も非常にあるわけでございまして、今のところここで私から政府といたしまして、全部そういうような方向に持っていくということは、明言をいたしかねる状況でございますけれども、御趣旨の点は、これはしごくごもっともでございます。私どもといたしましても、なるべくならばそういうふうに持っていきたいという考え方を持っておることは、変りはないのでありまして、できるだけ一つその線に沿い得るような検討を加えたいと考えておる次第であります。
  33. 門司亮

    門司委員 私はそれ以上は追及いたしませんが、サンゴ礁であればあるだけ接岸工事は大して困難でないと思います。これが砂利層とか泥沼とかであれば、港の築造は困難であると思いますが、かたければかたいほど築造は楽だと思う。これは横須賀の港を見てもわかるし、私は現地に二、三度行きましたから、よくわかっております。できるだけ一つ接岸のできる港に構造変えをしてもらうということが、私は恆久性の建前からいってもよろしいと思います。  それからその次に聞いておきたいと思いますことは、やはり五カ年計画の中にありました問題としての、喜界島と内地を連絡するために必要と考えられる公営船舶の建造の件でございます。これがどうなっておるか、おわかりなら一つ御報告を願いたいと思います。
  34. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 この公営船舶は昨年度計画で申請があったわけでございますが、その後政府の方といたしまして、起債で措置するということにいたしまして、考慮いたしておったのでございますが、とりあえず、起債を許可する前に船舶の注文をさせまして、ごく最近起債を全面的に許可いたしまして、竣工いたした次第でございます。予定通り参っております。
  35. 門司亮

    門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、そうすると、今の公営船舶は大体予定通りでき上ったということですね。
  36. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 さようでございます。
  37. 門司亮

    門司委員 いつでき上ったのか、日にちがはっきりおわかりならばお知らせ願いたい。
  38. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 いつでき上ったか、竣工の日につきましては、あとで御連絡いたします。
  39. 門司亮

    門司委員 これは日にちから言いますと、三十二年十一月十五日に完成する予定になっております。実際は完成してないのがほんとうらしい。そこでその点あとでよろしゅうございますから、できておるならばはっきりしてもらいたい。このことについては従来いろいろな問題がありましたので、私もお聞きしておるのでありますが、あなたの方でできておるという御答弁であるならば、その間の事情を申し上げるよりも、ほんとうにできておるかどうかということ等についての詳細な御報告をいただきまして、そのあとでなお問題が残ればただしたいと思います。従いまして至急に一つ連絡をとって、この実際を知らせていただきたいと思います。  それからその他の工事として、私の手元に入っておる資料から見てみますと、町営の電気工事についての問題、さらに補助等につきましても必ずしも予定通りに使われていないというような資料があります。これは旧西方村の補助金の資料でありますが、こういう点について五カ年計画関連性を持つこれらの問題について、自治庁は調査をされて、さらに資料をお持ちになっておるかどうか、この機会に聞いておきたいと思います。
  40. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 西方村のどういう工事関係でございますか。
  41. 門司亮

    門司委員 西方村の問題は、例のバナナの苗圃の補助金を横流ししたという問題がございまして、これがすでに起訴されて裁判中であるということは大体わかっておるのでありますが、この点について自治庁は御存じになっておるかどうか。
  42. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 最近の状況につきまして報告を受けておりません。
  43. 門司亮

    門司委員 それからその次に聞いておきたいと思いますことは、問題は、この五カ年計画の中にもありまするように、島民の福祉をどうするかという一つの大きな問題がございます。今日の奄美大島の産物の中で、先ほど行政局長のお話の中にはいろいろございましたが、つむぎの生産その他等がございましたが、つむぎの生産等についても問題はあろうかと思います。しかし全体の需要量が非常に減っておりまする今日、単にこれを一つの文化財のような形で保存しておくというならば、京都の西陣織と同じように一応考えられるのでありますが、これが実際にどれだけ世間に使われるかということになりますと、一匹当り何万円というような着物を着て歩く人はあまりいないのではないか、だんだん減ってくるのではないかというので、一つの郷土の保存芸術として、これを保存されるということについては私は異存はございませんし、またこれを絶やさないように、ある程度国がめんどうを見ることにも異存はございません。今日の奄美の全体を見て参りますると、農民の最も大きなり関心であり、最も大きな一つ産業であるものは、黒砂糖の生産がやはり島全体を通ずる、いわゆる四つの島全体を通ずる一つの大きな産業の問題だということがいえるかと思います。この黒砂糖の、いわゆるカンショ糖に対しまする保護政策というものが、従来ほとんど考えられていないように私ども承わっておりまするが、この際政府はこういう五カ年計画を立てると同時に、やはり住民の財政力、住民の生活力を向上させることのために、こういう施策が私はこの際必要ではないかと思いますが、その点についてのお考えはどうですか、一応聞いておきたい。
  44. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 大島におきまする糖業の振興の問題、これはお説の通り奄美群島では基幹産業として農家の非常に主要な収入源でありますので、この適切なる振興をはかって参ることは、ぜひとも必要ではないかというふうに考えられるわけでございます。このためにはいろいろな施策がございまするけれども、優良な品種の導入をはかりまするとか、あるいは共同施設としての共同製糖所設置等も奨励をしていかなければならぬというようなことで、復興計画が始まって以来、黒糖生産の近代化をはかるという趣旨におきましてかなりの施策を講じてきておりまして、その効果もかなり上ってきておることは事実でございます。しかし今お話がございましたように、黒糖自体の需要というものが全般的にあまり見通しがよくない、こういうことも事実でございます。従いまして、やはり黒糖生産というものは、この際それ自体としても振興をはかることは必要でございますけれども、これと並行をいたしまして、分みつ糖の生産主体とする態勢に切りかえることが必要ではないかというふうに思うわけでございます。ただ分みつ糖の製造ということになって参りますると、どうしてもこれはコストが非常に高い、現地事情から申しまして、内地とはとうてい太刀打ちができません。コスト高のために採算割れになるということが当然考えられるのでありまして、そのためにはテンサイ糖を再生いたしました当時の保護法と同じような特別立法によるカンショ糖の買い上げ措置その他の方策というものを考えていく時期が来るのではないか。あるいは砂糖消費税の問題等につきましては、なかなかガット等との関係もございまして、その減免措置等についてはむずかしい事情もあることは、われわれもよく承知をいたしておるのでありますが、そういうような面につきましても隘路をさらに探求いたしまして、できるだけの措置を考究することがぜひとも必要になってくるのではないか。黒糖の生産自体も重要でございますが、お話のようなことだけでは、やはり将来の安定した群島の基幹産業として補助をしていくということは、なかなかむずかしいことでございますので、分みつ糖態勢の切りかえというような点を考えながら、その難点となるような事柄について、さらに一つ積極的に検討を加えたいと考えております。
  45. 門司亮

    門司委員 まことに要領のいい答弁でありますが、実は考えている、そういう時期が来るのではないか、ということではなくて、もう実際はその時期が、私は少しおそいぐらいだと思っております。というのは、年々黒糖の生産が減っております。黒糖の生産が減ってきて、それがどこに行っておるかということになりますと、これは島全体から考えてみまして、必ずしも島民のふところを潤すような生産にいっておらない。私はやはり奄美大島一つ大きな基幹産業としてのカンショ糖というものについては、政府が十分施策を講ずべきであると思う。先ほどお話のありましたように、北海道のテンサイ糖については保護政策を持っている。特にカンショ糖の問題につきましても国際関係によるというようなお話もありますけれども、私はそういう問題は必要はないと考えております。従って政府はこの際思い切ってカンショの栽培については分みつ糖にする。これは黒砂糖で買って一斤四、五円ぐらいのものが二十七、八円ぐらいになって、あるいは五倍ぐらいに値段が上りはせぬかと考えられる。  それからもう一つ、ここでほんとうに考えてもらいたいのは、徳之島の今度の開墾の問題であります。ここに約二千五百町歩ぐらいのものが新しい土地造成として開墾されている。一体ここに作るものは何かということがやはり問題になってくる。そういたしますと、いわゆる亜熱帯地方であります限りにおいては、サトウキビとかあるいはそのほか作ればパイナップルのようなものができるかもしれない。サトウキビのようなものが主生産にならざるを得ないことになる。従ってこういう一つの開拓計画、開墾計画等にも関連をして、政府はこの際思い切って奄美群島の基幹産業である黒糖の保護政策を至急に立ててもらいたい。そしてこれを実現させることによって初めて奄美群島の住民が、安心して生活できるような時代が来るのではないか。港がどんなにできて参りましても、中における産物がなければどうにもならない。港だけできたところで何もならない。港の増築を急ぎますと同時に、島内における産業の充実性ということも、当然政府として考えるべきだと思います。これについて一つ。  もう一つ聞いておきたいと思いますことは例のサトウキビの買い上げの値段の問題が、やはり大きな問題になっております。あそこにおける製糖会社の関係、いわゆる大島糖業株式会社との間のサトウキビの買い上げ価格の問題であります。現地の新聞記事を見ますと、この値段がなかなか折り合わない。しかも値段をきめる場合には、作っている農民とさらに農協と、県の支庁と、会社の三つが立ち会ってきめることに大体協約ができているはずであります。ところが現在の状態を見て参りますと、会社が一方的に値段をきめて農民に押しつけている。いわゆる農協に押しつけている。そして非常に安い値段で買い上げられている。ほかに大きな施設がございませんので、独占企業のような形になってこれが買い上げられている。しかもこの会社の重役は、御承知のように鹿児島県の副知事が入っている。この会社の資本の中には政府の補助金が入っている。言いかえるならばこの会社は国策会社と申し上げてもちっとも差しつかえありません。その会社が買い上げまするサトウキビの価格が、いわゆる農民の生産費を償うことができないような安い価格で買い上げられるということで、紛争を起しておるという現地の新聞記事が、ここにございます。こういう実態を自治庁は御存じになっておるかどうか。
  46. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 聞いておりません。
  47. 門司亮

    門司委員 もし御存じないとすれば、これは至急一つ調査をして、こういう問題を解決してもらいたい。これはあなたも御承知のように、ここで法律を審議して、そして奄美群島を何とかしようと考えましても、こういう事態が島の中にあったのでは、これはどうにもなりません。ここにこの会社の内容をずっと書いたものがございますが、ここで読んでこれを長くお聞きしても同じことだと思いますので読みませんが、少くともこれは会社の補助金が、回りくどい形でありますが、農協に行って農協からさらに出たような形になっておりますが、出たことは間違いありません。従ってこれを監督するような形で——監督といえば語弊があるかもしれませんが、県の副知事がこの会社の中に入っておる。そうするとこれは明らかに国策会社であるというような形を一応示しておる。その会社が島民のこしらえたカンショの値段を法外に安く買い付けておるという事実については、これはやはり監督官庁としての建前からこれを十分調査してもらって、そして鹿児島県庁に十分注意してもらいたい。こういうことがやはり一つの大切な問題として今日私どもには考えられる。この点について一つ自治庁考え方を、この際もう一応聞いておきたいと思います。
  48. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 復興計画の対象となって行われて参つります各種の施設事業等について、その運営というものがうまく参らなければならぬということにつきましては自治庁といたしましても大きな関心を持っておるのであります。具体的に今お示しになりましたような問題、特に買い入れ価格等をどういうふうにしていくかというような点に相なりますと、この問題はそれぞれの主管の各省にまたがる問題にもなって参ると思いますが、そういうような点につきましては、総括的に復興計画を主管いたしております当庁といたしましても無関心ではあり得ないわけであります。そういう点につきましては関係各省とも十分連絡をとりまして、事態の真相というものをはっきりと把握して、とるべき対策がございますれば、対策を一つ講じて参りたい、かように考える次第であります。
  49. 伊東隆治

    ○伊東(隆)委員 関連して。ただいま門司委員のおっしゃることは実に重要なことでございまして、サトウキビの値段が不当に安くこれらの国策会社というような会社から買われておるということでございます。これはさほど不当にということではございますまいが、こういうことでございます。とにかく黒糖の最低価格が設定されておりませんので、一斤五十円台を割り、四十円台を割って三十二、二円にも落ちて参りますと、そういう営利会社におきましては、ついにサトウキビを安く買わざるを得ない立場になるということになりますので、私どもにおきましては、どうしても黒糖の最低価格をこの機会に設定して、農民のサトウキビから得られるところの収入を確保したいという念願でございまして、ただいま同僚議員と相はかりまして、すなわち熊毛郡におきましても黒糖がございますので、カンショ等を生産する地方の関係議員と相談しまして、近く議員立法を出す予定になっております。すなわち北海道のビート・シュガーの最低価格が設定されて、農民の収入が確保されておりますように、奄美大島におきます黒糖の製造業者のサトウキビの値段を一定して、そして不当に買い上げられないようにしたいと思います。近く議員立法をいたしたいと思いますので、自治庁におきましても、農林省と一つ協力して下さって、この法律について御協力を願いたいと、この機会に思うのであります。これ以外にサトウキビの値段を適正に保つ方法はないという結論に、私ども達しておる次第でございます。一言この機会に申し上げておきたいと思います。
  50. 門司亮

    門司委員 その問題は農林関係は一応そのくらいにしておきまして、もう一つ重要な問題は、漁民に対します指定漁業の許可の件でございます。御承知のように二十八年の十二月でありますか日本に復帰をいたしまして、その当時日本にありましたいわゆる一つ法律、例の漁業法によりまして、海洋の漁業の区域を定めて許可をいたしておりますが、奄美はこの法律ができたあと日本に返って参りまして、この漁区の計画の中に入っておらぬのであります。この区域の中に入れられておらぬのであります。従って漁業をかなり大きな主生産としております奄美に対しましては、やはり遠洋漁業のできるような一つ取り計らいを、ぜひこの際せられたい。船舶の建造その他については、漁船の建造その他についても復興計画の中に補助をするようになっております。しかし船ばかりこしらえてみたところで、やはり漁場の獲得がなければ十分の能力を発揮するわけに参りません。これらの漁民に対しましても、やはり指定の漁業の許可の申請があれば、これを許可するという方針を政府はとっていただきたい。このことについての政府側のお考えを一つこの際伺っておきたいと思います。
  51. 吉浦浄真

    ○吉浦説明員 指定漁業の許可漁業権の問題につきましては、戦時の空白期間内に不明確になりましたものがございまして、その後八カ年にわたる行政分離の状況等もありまして、本土に復帰いたしました場合に、すでに内地では漁業権が確立いたしておるわけでございます。奄美群島につきましては、その間、復帰いたしました当時、何らかの証拠書類が残っておれば、戦前の漁業権を復活するように努力いたして参ったのでありますが、現在漁業権があるあると言っておるものにつきましては、聞き込みでもいいし、あるいは数人の署名でもいいし、何らか漁業権があったという証拠を出せば、それは許可するということで水産庁にも交渉いたしておるのでございますが、遺憾ながらなかなかそういった証拠が見当らない現状でございます。しかしながらそうばかりも言っておれませんので、われわれの方で、計画に従いまして造船をいたした業者に対しましては、でき得る限り新しい漁業権をとらせるように、各種の観点から現在努力をいたしております。思うようにまかせませんけれども、そういった方向で進んでおるわけでございます。
  52. 門司亮

    門司委員 問題は、昭和二十四年にこういう法律ができて、その当時まだアメリカの占領下にあった奄美群島でありまして、日本の住民としての勘定ができなかったという事実は、われわれも認めなければなりません。しかしその後、今のお話のように何らかの証拠があればということでありますが、私は、占領されておった当時から今日までと、それから二十四年にあの法律のできたときの考え方からいって、何も既存のものを全部認めるだけしか、これには認められないというものでないと思う。やはり奄美群島の漁民の諸君が、そういう仕事ができるとするならば、これは何も指定漁区を与えたところで、決して水産界に大きな影響を与えるところのものではないのじゃないか。ことに少くとも地理的条件から申し上げますと、これはやはり当然でなければならぬ地理的の条件を備えていると思う。何もこれがとてつもない遠い地方にあるわけではありませんので、あの海のまん中にある小さな島でありますし、ことに南の方に連なっておる島でありますから、これはこういう単に証拠があるとかないとかいうことだけでなくして、一つ——きょうは農林省の諸君、水産庁の諸君は見えておらぬようでありますが、機会があれば農林省にも話をしなければならぬと思いますけれども、特別の処置が私はとられると思う。あの二十四年にできた法律だけにこだわる必要はないと私は思う。こういう意味で、一つこの問題の解決を至急してもらいたい。  最後に申し上げておきたいと思いますことは、この前の委員会で伊東さんからもお話を願えた問題でございますが、奄美大島を総合的に開発いたしますために問題になるのは、やはり奄美開発に対しまする金融公庫というようなものを設置して、国の公けの一つの機関として、現在ありまする保証協会というようななまぬるいものではなくして、実際的に直接産業開発のできるような金融処置をとる必要があるのではないかという点が一つ、それからもう一つは、南方開発というような、現地に金融と相関連して産業の開発に従事することのできるやはり組織を持つ必要があるのではないか。御承知のように、あの中には農産物としては砂糖であり、パイナップルであり、そのほかのものもできまするし、鉱物としては御承知のように、マンガンその他が多少あるようにいろいろな書類には書いてあります。私どももまたそうだと思います。これらの開発計画というものは、やはりこういう奄美大島復興に対しまする法律をこしらえると同時に、こういう金融機関と開発をする機関と二つの機関が、この際奄美群島には必要だということを私ども感ずるのでありますが、これに対する政府考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  53. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 特殊の金融機関の必要性につきましては、御指摘になりましたように、われわれもその必要性を認めておるのであります。今でも各般の機関の御協力を得てやってはおりまするけれども、何といたしましても、地元の力自体がございませんので、それに地元銀行と申しましても、何としても、これは営業の銀行でございまするので、担保力が十分でないと、なかなか融資もはかどらないという面もございまするし、その他の政府付属機関の金融機関にいたしましても、努力はいたしてもらっておりまするけれども、どうしてもやはり末端に参りまするために、なかなか思うにまかせないというような事情がございます。そのことのために、一つは信用保証の関係の協会を作りまして、側面的に金融の措置というものを促進するような努力を払っておるわけでございますが、やはりこういうような金融というものを主体といたしまする特殊の機関を作っていくことが必要ではないかというふうに私たちとしては考えておるのであります。この点につきましては、復興計画が終りました将来の姿ということを考える場合におきましても、復興計画が終れば、それで全部手放しでやっていけるという状態にはなかなかむずかしい事柄でもございまするので、そういう特殊の金融機関というものについては、将来の一つの恒久政策としてぜひとも実現いたしたい。そのためには、関係当局とも十分折衝を今後続けて参りまして、その実現に努力をいたして参りたい、かように考えております。  なお開発関係の特殊の機関という点でございまするが、これはお話にもございますように、特に南方地域を失いましたわが国にとりましては、奄美群島というものが唯一の亜熱帯地帯でございまして、これらの資源を国家的な立場から開発をしていく、ただ単に奄美群島復興というような消極的な面より一歩出て、大きく国家的な立場からこれらの積極的開発をはかっていく、合そういう構想というものは十分あり得るわけだと思います。また必要でもあろうというふうに考えておるのであります。そのために、いろいろ学者にもお願いを申し上げまして、資源調査、いろいろな調査も始めておるのでありますが、さらにそういうような資料を検討いたしました上で、そういうような新たな開発関係政府機関を、別に作っていく必要があるかどうかというような点につきましては、さらに今後検討を加えたいと思っております。
  54. 門司亮

    門司委員 考えておる、検討するというのではなくて、今度の国会にも、北海道開発についての特別の会社ができ、予算も出ている。北海道は奄美大島よりも非常に大きな規模を持っておりますので、国としても考えなければならぬことがあるかもしれない。しかし住民に対しまする開発関係の度合から行けば同じだと思う。規模が大きいか小さいかというだけであって、やはり国の考え方としては、北海道の地下資源開発に対しては特別の融資をし、特別の開発会社というものができるなら、規模の大小はございましょうが、やはり奄美群島のような未開発の土地についても、同じような角度でなさるべきではないかと考える。北海道は非常に大きな地域で、政治力もかなり強いのであります。奄美群島は非常に遠いところであって、政治力としても弱い、同時に島も小さい。こういう立地条件についてはいろいろな問題があると思います。しかし住んでおりまする住民の考え方、それから島に眠っておりまする資源を開発するという考え方は、規模の大小は別にして、やはり政府が北海道の地下資源開発に対しての施設を法律的に設けるとするならば、奄美群島に対しても何らかの処置を講ずべきである。ことに政府は南方の資源開発に五十億の金を使っておることは、今度の国会で御承知通りであります。よその国の資源を開発することのために投資するというのなら、手近な日本の内地にある奄美群島の地下資源の開発等についても、当然政府はこりの際考えてしかるべきではないか。今のような考えておくというような——考えないというと、また食いつかれるから、考えておくというような答弁でのがれようというような意図があるとすると、はなはだわれわれも迷惑である。だからほんとうに開発をするというお考えがあるなら、もう一応この点について明確な御答弁を願っておきたついと考えるのでございます。一つ重ねてこの点についての政府考え方、そしてもしこういう法律案政府がお出しになるというお考えがあるなら、そういうこともつけ加えて、この際はっきりしておいていただきたい。
  55. 藤井貞夫

    藤井(貞)政府委員 決して言いのがれではございませんで、そういう必要性については、われわれも十分認めておるわけでございます。ただ具体的にそういう特殊の機関をすぐに作るとか、あるいは法案を提出するということについては、今のところまだ結論を得ておりません。そういうような点につきましては、今後さらに検討を加えたいと思います。
  56. 門司亮

    門司委員 さっき局長の答弁の中に、地元の経済力が弱いというようなお話がちょっとあったのでありますが、この点はこういう問題を解決する際に非常に重要な問題でありまして、地元の報告、それから地元の様子を見て参りましても、御承知のようにあそこには鹿児島銀行という銀行が一つあります。この銀行の預金並びに貸出状況を見て参りますると、島民の年間の預金総額というものは大体十二、三億になっている。しかしそれが島民に貸し出されておる額は、半分の六億か七億程度である。そういたしますると、残りの半分というものは、やはり海を渡って、こちらにこれが融資されているというような形になっていると私は思う。従ってこういう点は、少くとも経済力云々ということを言われるということになりますると、やはり地元の経済力というもの、地元を開発することに使われるような施設をこの際すべきである。同時に、政府が保証するという形で金融公庫その他を設けるということが島の開発上必要である。決して私は今日の奄美の経済力が十分とは言いませんが、経済力を伸ばしていくには、政府がそういう施策を講ずべきである。今申し上げましたように、鹿児島銀行という一つの銀行がありますが、その銀行の預貯金の関連性を申し上げますと、今のような関連性になっておる。これはどこでもそうです。地方銀行というものは全部そこから吸い上げて、中央の大きな事業に投融資することの方が、安全性もあり、手数も非常に省けるので、みんなそういう関係を持っている。これは今日奄美大島だけではありませんで、日本の農村の金融が逼迫している大きな原因でもあります。農民から集める金がどこに使われておるかというと、とんでもない大きな会社に使われていて、それが農村に還元されないというところに今日の農村金融の不円滑さがあるというこつとは事実である。奄美大島もその例に漏れない。従って奄美の経済力云々ということを言われるなら、奄美の経済力というものが奄美に十分に還元され、開発に使われて、そうしてそれが奄美島民の経済のかてになるように、一つ施策を講ずるとすれば、どうしてもやはりここに金融公庫のようなものを設けて、これを開発していくということが私はこの際必要だと思う。だから、今の局長の答弁に反駁するわけではありませんが、経済力云々ということを言われると、そこまでわれわれも言いたくなるのであります。そういう考え方ではなくして、ぜひ一つ新しい機構を設けていただくということを、この法案を通しますと同時に、やはりそれを考えてもらわなければ、この法案自体はこれを延ばしてそしていろいろの開発事業をやりますが、これはいずれも基本的な事業である。いずれも基礎的な問題である。その上に咲く花というものはこの法律では考えられておらない。従ってこの上に咲く花を考えようとすれば、やはり今申し上げましたような幾つかの漁業の問題にいたしましても、あるいは黒砂糖の問題にいたしましても、あるいは金融関係、開発関係等にいたしましても、政府はこの法律を通すと同時に当然付帯決議として考えていただきたいということをこの際私は申し上げまして、大臣も幸いおいでになりましたし、そこでしばらくお聞きを願っておっておわかりだと思いますから、この際一つ大臣から御答弁を願っておきたいと思います。
  57. 郡祐一

    ○郡国務大臣 奄美群島の開発振興につきましては、政府も非常な熱意と決心を持って当ろうと思っておりまするが、順を追うて御趣旨の存するところを、よく実現いたしますようにこれから努めて参ることにいたします。
  58. 伊東隆治

    ○伊東(隆)委員 関連して……。門司委員がきわめて熱心に、奄美群島復興並びに開発の問題につきましていろいろ御質問していただきましたことは、地元選出の者といたしまして、まことに感謝の至りでございます。ただいま門司委員の御指摘なさいました奄美群島におきまする金融の点でございますが、この点につきましては自治庁において特に留意されまして、大蔵当局との間にいろいろ折衝さっておることも私どもは非常に感謝いたしておるところでございます。この機会に一つ指摘し考慮いただきたいことは、いろいろ金融機関の窓口があるではないかというお気持でございますけれども、こういう事実がございます。鹿児島銀行大島支店に預金せられましたものの半分は鹿児島市に、本土に持っていかれて、預金の半分しか現地にない。従って島民に対しまする金融は、その持っていったお金の半分しか金融がされていない。時間も切迫いたしましたから、こういう事実があることだけをこの機会に申し上げておきます。こういうわけでございますので、ぜひ特別の金融機関を設置してもらいたいという自治庁の大蔵当局への折衝は、ちょうど相沢主計官も見えておられるわけでありますから、一つとくと御考慮願いたい、最後にお願いいたしたいのであります。この点に関し大臣からも一言聞いておきたいと思います。
  59. 郡祐一

    ○郡国務大臣 御趣旨の点は私も全く同感するところでございます。極力目的を達しまするように努力をいたします。
  60. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御質疑がなければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたすに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 御異議なければ本案に対する、質疑はこれにて終了いたします。  次に本案の討論に入りたいと存じますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  63. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決されました。  この際伊東隆治君より発言を求められておりますので、これを許します。伊東隆治君。
  64. 伊東隆治

    ○伊東(隆)委員 奄美群島復興特別措置法の一部改正につきまして、与党野党ともに三日間にわたりまして熱心に御討議していただきましたことは、私といたしまして衷心から感謝申し上げるところでございます。  ただいま本法案の議決がございましたが、私はこの三日間において討議せられました事項の中で、特に大事な二点につきまして、付帯決議をここに自民、社会両党共同案といたしまして提案する次第でございます。  読み上げます。    附帯決議   政府は本法の施行に当り左の諸点に留意して奄美群島復興に遺憾なきを期すべきである。  一、奄美群島復興計画事業実施に当って従来県営工事とされていた重要りな港湾の工事施行については過去の実績に鑑み出来得る限り、国の直轄工事によって円滑なる竣工を図るよう特段の措置を講ずること。  二、本群島の発展の為には、単に従来の復興計画のみに止まらず、産業の開発計画についても特別の金融対策を講ずる等今後積極的な措置を講ずること。  右決議する。  以上でございます。
  65. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 ただいまの伊東隆治君の動議のごとき付帯決議を本案に付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 御異議なしと認めまして、伊東隆治君の動議のごとき付帯決議を本案に付するに決しました。  なお本案に関する委員会報告書の作成並びに提出手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  67. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 次に銃砲刀剣類等所持取締法案及び遺失物法等の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。  両案につきましては前回の委員会においていずれも質疑を終了いたしておりますので、これにより右両案の討論に入りたいと存じますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  まず銃砲刀剣類等所持取締法案から採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。     〔総員起立〕
  69. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決されました。  この際亀山孝一君より発言の申し出がありますのでこれを許します。亀山孝一君。
  70. 亀山孝一

    ○亀山委員 私は自由民主党並びに日本社会党共同提案にかかります付帯決議案につきまして申し上げたいと存じます。左の付帯決議をつけていただきたいと存じます。  読んでみます。    附帯決議   本法の施行に当り、政府は次の点に留意して公共の安全確保のため遺憾なきを期すべきである。  一、本法の適正な運用により、銃砲刀剣類等に因る危害の予防に万全を期するとともに、火薬・爆薬・高圧ガス等が保安上至大の関係を有することに鑑み、これら爆発物類等の取締についても警察機関は関係官公庁と緊密な連繋の下に互に協力して有効適正な措置を講じ得るよう体制を整備すべきこと。  一、漁業及び建築業に対する銃砲刀剣類等の所持の許可に当っては過去の実績に鑑み、特に慎重を期すること。  右決議する。  以上であります。
  71. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 ただいまの亀山孝一君の動議のごとき付帯決議を本案に付するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  72. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 起立総員。よって本案に亀山孝一君の動議のごとき付帯決議を付するに決しました。  次に遺失物法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  73. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決されました。  なおただいま可決されました両案に関する委員会報告書の作成並びに提出手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  74. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 この際連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。ただいま建設委員会審査中の日本道路公団法の一部を改正する法律案道路法の一部を改正する法律案及び道路整備緊急措置法案等の三案について、建設委員会に連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 矢尾喜三郎

    矢尾委員長 御異議なしと認めまして、さよう決しました。  なお右連合審査会開会の日時につきましては、建設委員会の都合もあると思いますので、この点委員長に御一任願いたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時一分散会      ————◇—————