○中川
政府委員 危害予防上の見地から、なるべく許可の範囲を具体的に明確にいたしたい、まことにごもっともでありまして、私
たち大賛成であります。そういう見地で第四条を立案したのでありますが、要するに危害予防上の見地からのみいえば、許可の範囲は狭い方がいいということに相なろうと思うのでありますが、他面第四条の趣旨とするところは、社会生活上または
産業上必要なものについては、一定の規制のもとにこれを認めていこう、この限度でございます。これを一番ずさんに書けば、社会生活上または
産業上という書き方ですが、それでは御
指摘のように
目的を達成いたしませんので、具体的に一つ一つ拾って参ったのであります。人命の救助までは確かに具体的なことが明確になっておって、漁業は具体的ともいえるが
一般的ともいえる、こういう御
指摘であろうと思います。建設業に至ってはさらにその感を深くする、こういう御
指摘であろうと思います。私
ども立案に当って注意深くそれを研究したのでございますが、漁業については坂井
政府委員も
説明したと思いますが、前条の八号に掲げる捕鯨用標識銃等が、比較的定型的なものが多いということは事実でございます。そういうもので定型的なものは、製造業者、すなわちメーカーとか、バイヤーは許可を要せずして前条、すなわち第三条によって持てる。それをはみ出すものを全面禁止いたしますと、
産業生活上困る面がございますので、三条の書き方とわざと異なった文字を用いたのであります。具体的に申しますと、多くの場合は捕鯨用標識銃等が多いのでございますけれ
ども、漁業に従事していらっしゃる方の中には、比較的例は少いのでございますけれ
ども、漁村等におきましてこの
法律に定める銃砲刀剣類を用いて漁業に従事しているケースが若干ありますので、そういうものにつきましては、無制限に許すべきではございませんけれ
ども、公安
委員会の
行政処分によって許す道を開いて参りたい、こういう趣旨でございます。建設業についても全く同様なのでございますが、確かに建設業で現在定型化したものといたしましては、建設用びょう打銃及び建設用綱索発射銃が定型化したものでございますけれ
ども、建築
事業がだんだん進歩しておりまして、この銃砲または刀剣類を用いる建設業が日進月歩でだんだん多くなってくる、こういうことに対しまして、この規定がなかりせば全面的に禁止になってしまう。それでは
産業の発達も期しがたい点がありますので、この建設業という言葉を用いたのであります。実は建設業を入れますのには、第二十二国会でお願いいたしたいのでございますが、従来はこれを認めていなかったのですけれ
ども、建設業
関係が相当進歩して参りまして、建設業に用いる銃砲、こういうものがだんだん出て参りましたので、これを入れたような次第でございます。これのしぼり方についてさらにわれわれも十分研究したのでございますが、漁業について申せば全国各地の漁村等で行われております漁業で、例は非常に少いのですけれ
ども、やや多種多様な例がありますので、漁業という言葉でしぼらざるを得ない、幸いにして漁業につきましては漁業法という規定がございまして、漁業法によって国がコントロールしよう、また水産資源保護につきましては、水産資源保護法によってコントロールしているという、
法律上の別の実体法がある
関係がありますので、水産資源保護法と漁業法をにらみ合せて漁業という文字を用いたのであります。建設業につきましても実体法上現在の建設省設置法にも建設業という言葉を用いておりますし、二十四年の
法律一〇〇号の建設業法でもこの言葉を用いておりますので、
現実の実体法上用いた言葉を用いる方が
内容が正確に相なりますので、その性格に概念構成をいたした文字を用いまして、建設業に必要な銃砲を、公安
委員会で認められる限りにおきまして許可をして、それからこの
法律の事務上の規定等によって危害予防上の制限をして参りたい、こういう趣旨でございまして、中井
委員を初め亀山
委員の御
指摘のごとく、なるべくしぼって参りたい。しぼるということの限定は、こういう
産業のそれぞれの発展を阻害しないという範囲において、だんだん制限をきつくいたしたい、こういう趣旨でこれを用いたのであります。これは人命救助についても同様なごとが言えるのですが、人命救助につきましても、定型化いたしましたものにつきましは、救命索発射銃と救命用信号銃があるわけでございますが、定型化したもの以外でも人命救助のため必要なものが将来出てくる、こういうことを念頭に入れまして、それをこの
法律においてふさいでしまうということになると、文明の進歩を妨げることになりますので、この四条の人命救助と三条八号の文字をわざと違えまして、だんだん科学の進歩、地方の
実情等によって発達するということを念頭に置き、しかも危害予防上の必要の調和点を見出したい、こういう
努力をして参りまして、わざと三条は違えた文字を用いたのでございます。この点、御了承願いたいと思います。