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坂井政府委員 警察法等の一部
改正につきまして、すでに一部御
質問を受けた
あとで
説明するのは恐縮でありますが、この際御
説明を申し上げたいと思います。
この
法律案は、二カ条から成り立っておりますが、第一条では
警察法の一部を
改正せんとするものであり、第二条では道路交通取締法の一部を
改正せんとするものであります。
まず
警察法の
改正から御
説明申し上げます。
その第一は、第五条第二項の
改正であります。本項は国家公安
委員会の
権限について規定していますが、今回新たに第五号として「全国的な幹線道路における交通の規制に関すること」を加えました。最近における交通機関の発達に伴う交通
事故の激増については、すでに御
承知の
通りでありますが、特に全国的幹線道路における交通は、全国的立場での
統一的規制
取締りを必要とする面があるのでありまして、これは、
あとで御
説明いたします道路交通取締法の一部
改正と相待ちまして、諸車の最高速度の
制限等交通の規制の斉一をはからんとするものであります。
また第十四号として監察に関することを加えましたのは、現行法では、都道
府県警察に対する監察を実施することについて法文上明確にされておりませんので、国家公安
委員会及び
警察庁の所掌事務を遂行するために必要な監察を行い得ることを明文をもって規定したのでありまして、特に新たな
権限をつけ加えたものではありません。なお、これに伴い第十四号の事務を行わせるため、第三十条におきまして管区
警察局の所掌事務の範囲に所要の
改正を加えております。
次は、第十九条から第二十五条まで及び第三十四条の
改正でありますが、これは、
警察庁の内部部局の
組織を新しい情勢に即応せしめるため、合理的に改編しようとするものであります。すなわち、現行
警察庁の内部部局の
組織は、旧国家地方
警察時代の
組織をそのまま踏襲しておりますが、これは、新
警察法施行後三年余を経過した今日におきまして、諸般の情勢から適当とはいいがたく、また無理な点も多々生じつつあります。特に
府県警察の管轄に大都市、中都市を含むに至ったため、少年
警察、
保安警察、交通
警察等都市特有の
警察問題が重要度を増しつつある状況で、これらに関する事務を適切に処理し、必要な企画、調査を行い、都道
府県警察がこれらの部門について時代に即応し、国民の要望に沿う運営をするよう
指導する必要があるので、第二十三条の二を設けまして、少年、防犯、
保安、交通等に関する事務をもっぱら所掌する
保安局を新設しようとするものであります。また従来警務部で所掌していた装備の事務を長官官房に移すなど、他の部局の所掌事務にもこの
機会に合理的改編を加えますとともに、昨年八月一日から新たに局制を採用いたした自治庁、行政
管理庁、経済企画庁等の各庁に比べまして
警察庁は、規模も格段に大きいのみならず、附属機関、地方機関も有しているものでありまして、この際現在の部課制にかえて局課制をとることにしようとするものであります。
第三は、第三十一条の
改正でありまして、現行法におきましては、管区
警察局に総務部、公安部及び通信部の三部を置くこととされておりますが、大都市を管内に有する管区
警察局の特殊性に即応し、及び
警察庁内部部局の再編成に対応いたしまして、関東管区
警察局及び近畿管区
警察局につきましては、現行の三部のほかに新たに
保安部を置き、四部とすることといたそうとするものであります。
第四は、東京都の区域における
警察通信施設の維持
管理、その他
警察通信に関する事務を分掌している現在の東京都通信部を、関東管区
警察局の下部機構からはずして
警察庁の地方機関として、東京都
警察通信部を設けようとする第三十三条の
改正であります。その
理由は、現在通信に関する事務につきましては、その他の事務とは異なり、東京都の区域は、関東管区
警察局の管轄に属しており、その下部機関として東京都通信部が置かれております。しかしながら、東京都通信部は首都
警察の通信に関する事務を所掌するため、事務量もきわめて多く、関東管区
警察局を通じて、
警察庁が東京都通信部を指揮
監督することは能率上適当でないので、その他の
警察事務の運営の場合における警視庁の例に準じ、関東管区
警察局から分離し、
警察庁直轄の地方機関として、東京都
警察通信部を設けようとするものであります。これに伴い第三十条第二項のただし書きを削ることとし、またこの際北海道地方
警察通信部の名称を北海道
警察通信部に改めることといたしております。
次は、北海道
警察の
組織に関する第四十六条、第五十一条及び第五十四条の
改正であります。
北海道において方面本部を設けておりますのは、北海道の区域が広く、交通上から見ても、地理的環境から見ても他の
府県と異なるためでありますが、現在の五つの方面本部のうち、道
警察本部の所在地を管轄している方面本部、すなわち札幌方面本部については、方面本部を廃止し、道
警察本部の直轄として、人員、経費の節減をはかるとともに、これによって生じた余剰人員の適正な配置を行わんとするものであり、これが第五十一条の
改正であります。なお方面本部が廃止された場合には、その
管理機関たる方面公安
委員会も存在
理由がなくなりますので、方面本部の置かれない方面については、方面公安
委員会も置かないことといたしましたのでありまして、これが第四十六条の
改正であります。また現在、北海道におきましては、新任の
警察官に対する教育訓練を行うため、方面ごとに方面
警察学校を設けておりますが、その後の実績にかんがみまして、道における新任者の教養の充実斉一を期することが望ましいので、道
警察学校におきまして、まとめて初任教養を行うことにしようとするのが第五十四条の
改正であります。
次に、移動
警察に関する第六十六条の
改正についてでありますが、第一項においては、現行の「協議により定められた」という規定をより明瞭ならしめるため、「協議して定めたところにより」移動
警察の
権限を行い得るよう改めるとともに、新たに第二項を加え、二以上の都道
府県警察の管轄区域にわたる政令で定める道路の特定の区域につきましては、そこでの交通の円滑と危険の防止をはかるため必要があると認められるときは、第一項の例により、すなわち
関係都道
府県警察の協議して定めたところにより、その道路の区域における事案について、それぞれの
警察官の属する公安
委員会の管轄区域にかかわらず相互に職権を行い得ることとしようとするものでありまして、近く開通を予定される関門トンネルや、高速度自動車国道その他の全国的な幹線道路につき必要に応じ政令で指定を行うようにいたしたいと
考えているものであります。
次に、第二条の
改正の道路交通取締法の
改正について申し上げます。
現行法におきましては、すべての道路における諸車の最高速度の
制限その他の交通規制は、その道路の区域を管轄する都道
府県公安
委員会の
権限となっているのでありますが、最近の交通量の飛躍的増大と自動車交通の広域化という事態に即応するためには、全国的な視野からこれにある
程度の統制を加え規制の斉一をはかる必要が痛感されますので、今回第二十六条の四の規定を設け、そのような必要が認められる場合にあっては、一級国道その他全国的幹線道路における諸車の最高速度の
制限その他の交通の規制等について、国家公安
委員会が政令で定めるところにより
関係都道
府県公安
委員会に対し指示を行うことができるようにしようとするものであります。
最後に附則について御
説明申し上げます。この
法律案は昭和三十三年四月一日から施行することといたしますが、道
警察本部の所在地を包括する方面の方面公安
委員会及び方面本部の廃止に関する
警察法第四十六条第一項並びに第五十一条第一項及び第五項の
改正規定は、条例制定の
手続も必要でありますので、本法公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することといたし、その他札幌方面公安
委員会の廃止に伴う
許可、
許可の申請、聴聞等についての経過規定を定めております。
以上、今回の
改正案につきまして、その内容を御
説明申し上げた次第であります。何とぞよろしく御願いいたします。