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亀徳説明員 実は標準率、効率の公開の問題を特に
青色申告会の副会長の原さんからおっしゃるというのは、ちょっと実は私
ども解せないという率直な感じを、
一つまず持っております。
それから一般論として、効率なり標準率なりというものをわれわれの作業の中でいろいろ使っておりますことは、事実でありますが、これは、あくまでも標準のあれでありますし、特に標準率の問題は、
青色申告のように帳簿をつけておられる
方々については、問題のない話であります。帳簿をつけておられないという
方々、なかなか経費も一々明細につけておられないというような
方々につきまして、ある程度推計がついたというときに、大よその所得がどのくらいであるかという、こちらの方も
調査をするわけですが、なかなかそれだけでは、帳簿もないことで不十分だというときに、ひどく誤まりを犯さないような
一つの目安という感じで、われわれはこういったものを使っておるのでありまして、標準率そのものが絶対であれば、むしろ公表すべき
性格のものであろうかと思うのでありますが、千変万化するいろいろの
納税者の
実態に応じて一律の率というものはあり得ない。むしろそういうものを公表することは、たとえば
青色申告の
方々がそういう率にくっつければ、
税務署に是認してもらえるのではないかというような非常に間違った方向にこういったものが使われるのではないか。むしろわれわれの真意は、ほんとうの
青色申告者の誠実な記帳を通じて、むしろそういったわれわれが
青色申告者以外の
方々にやむを得ずして適用するような場合の標準率をいかに出していくかという方向こそ
考えておるのであります。これを一般的に公開することによる弊害といいますか、またわれわれのねらいは、その率でなければならないという
性格のものでは本質的にはないので、特に
青色申告をしておられる
方々については、あくまでも帳簿をもととして申告をしていただくということが基本的な姿ではないか。
また一般に町に売り出されておる云々という
お話でございますが、むしろこれは、特定の一部の
団体が
秘密に
名前を隠してやっておられるので、われわれとしては、その根拠と申しますか、現場をつかまえることができれば、大いに突っ込んでいきたいのですが、なかなか現在のように言論出版の自由な時代になって参りますと、どうもわれわれ
秘密にしておきたいという点が、必ずしも十分に徹底できないという
一つの欠陥をおつきになっただけで、本質的な
性格論を議論いたしましたときに、これはやはり公開をすべき
性格のものではない、こう
考えております。
それから青色の取り消し基準の通達の公開という
お話でございますが、これはむしろ
青色申告の、たとえば帳簿を正確につけておられないというような場合に、全然つける意思のない方については、これは取り消しといいますか、おやめ願うという場合もあろうかと思うのですが、ただ
一つ問題は、ある程度われわれの税務の
執行上、ある局がばかに強く、ある局がばかに弱い、その強さ弱さをそのまま放置しておいていいかどうかという問題があるわけであります。これらについて、ある程度歩調を合せていかなければならないという分野は、あくまでも
行政指導の分野でございますので、こういったところまで全部洗いざらいはだかになっていいかどうか。それからまた、昨年からこの
青色申告が相当伸びまして、だいぶ
青色申告には
税務署は徹底した
調査をやるのではないかという声が強くなってきておるわけであります。しかしわれわれの真意は、やはり正しい
青色申告者をいかにしてふやしていくかという基本線は、決して変っていないのでありまして、最近の情勢をごらんになりましても、非常に極端な人について取り消しが行われておると思うのでありますが、全般的に、大きく今までの
青色申告者が相当減るというような
現実にはなっておらないのでありまして、その辺は、何と申しますか、おまかせ願っていい分野ではないか、むしろそういう点に御懸念になるよりも、やはり正確な記帳をしていかれるという機運を一そう醸成していただきたいという点を、逆にわれわれの方からお願いいたす次第であります。